日本橋・藤久

adrress大阪市中央区日本橋2−7−28
call06(6632)4037
open/day11:30〜13:30(LO)
平日¥1800〜:土日祝\3800〜
open/night17:30〜21:00(LO)
 お任せ¥7000、¥10000、¥13000。アラカルト
off不定休
(休日の開店も相談)
capacityカウンター7
座敷2室
memo瀟洒な小料理屋の風情のある玄関をあけると、すぐ右手に六席ほどのカウンター。左手に階段があり最大で12,3名の宴会も可能。店長の近藤 久さんは味吉兆(心斎橋店)で修行された、徳島出身の方。生真面目にいつも手を動かし料理の準備を進める店長の人柄が出たような、正統的な懐石を味わえる。しかしながら、緊張も要らないお店。口数の少ないまじめな人柄の板さんの素材の持ち味を殺さない、とても清楚清潔感のある内容。外見も小さな小料理屋の風情で、音楽もなく、極めてシンプルな内装。
impression 平成28(西暦2016)年1月24日
お友だちと一緒の観劇の時は、お弁当。日本橋藤久の松花堂。今回は「量は控えめ、質は高め」という注文です。

  • ・蓮根、エビ芋、白菜揚げ巻、金時人参、木の芽
  • ・牛肉生姜煮、鰯梅煮、タコ柔らか煮、厚焼き玉子、菜の花、しらさエビ
  • ・赤舌一夜干し、骨煎餅、蕗の薹田楽
  • ・鰻海苔巻き、紫米の鯛おこわ、酢蕪


平成28(西暦2016)年1月21日
今夜は、「日本橋・藤久」(3.72/86)へ討ち入りです。たぶん今年最後。

  • 先付けが、めでたい扇の器の先付けは、昆布締めの鯛に岩茸、きねさや、金箔
  • お椀は、伊勢海老、エビ芋団子、鴬菜、結び橙、焼き餅の雑煮椀   
  • お造りは、松葉、ひっさげ、カワハギ、ヒラメ、サヨリ、ウニ・イカ
  • 帆かけ船の中が、ウドきんぴらと牛肉、卵白鋳込みの人参、イイダコ、ブロッコリー、柚子皮蜜煮の酒粕サンド、紫花豆、香合に松前漬け
  • 焼き物は、クエの塩焼き、煮凝り、橙、赤カブ
  • 酢の物で、赤貝、ウルイ
  • アカヤガラのじゃぶじゃぶ、椎茸、豆腐、春菊
  • 焼き軍鶏ご飯、香の物
  • 和菓子2種、フレッシュフルーツ

今宵のお酒は「磯自慢・純米吟醸・東条山田錦精米歩合麹50%&掛55%」です。
中銀クラスでも磯自慢は磯自慢という個性をしっかり出すのは凄いねぇ。酒米に凝ったり、造りに凝ったりいて、奇異をてらわない筋の通った好きな銘柄です。

先付けが、めでたい扇の器の先付けは、昆布締めの鯛に岩茸、きねさや、金箔。いつもでかい岩茸です。
お椀は、伊勢海老、エビ芋団子、鴬菜、結び橙、柚子、焼き餅の雑煮椀。目出度いエビエビの椀。丸餅かと思ったら海老芋だったし、焼き餅は角餅。済まし仕立ての関東風と言ったところでしょうか?松の内までは白味噌だったようです。
お造りは、松葉、ひっさげ、カワハギ、ヒラメ、サヨリ、ウニ・イカ。相変わらず海も荒れているというのに、良く集めてくる。今年は蟹が人気の観光地・金沢へ送られているようで品薄高騰のようです。加えてロシア産が制限されているので大変です。でも、金沢まで行って「加能蟹」じゃなかったりしたらちと寂しい。

帆かけ船の中が、ウドきんぴらと牛肉。卵白鋳込みの人参、イイダコ、ブロッコリー、柚子皮蜜煮の酒粕サンド、なんかの蒲鉾、紫花豆、香合に松前漬け。
焼き物は、クエの塩焼き、煮凝り、橙、赤カブ。脂を落としてぱさっとしたクエガ、今の口に合わない。
酢の物で、赤貝、ウルイ。春らしい色だ。
鍋が出て来て、アカヤガラのじゃぶじゃぶ、椎茸、豆腐、春菊。

焼き軍鶏ご飯、香の物。ほとんど食べきれずに、詰めてもらいます。
和菓子2種、フレッシュフルーツ

久しぶりに常連さんに会え、年始の挨拶もできました。「知覧茶」を頂いてしました。


平成28(西暦2016)年1月17日
文楽の夜の部の、日本橋藤久の松花堂弁当。


平成27(西暦2015)年12月14日
今夜は、「日本橋・藤久」(3.72/86)へ討ち入りです。たぶん今年最後。

  • 先付けが、柚子釜に茶振ナマコにコノワタ
  • お椀は、牡蠣真蒸、とろろ昆布、柊見立てのアイスプラントと金時人参   
  • お造りは、まぐろ、よこわ、たい、しまあじ、めじな、サヨリ、あおり
  • 雪苞の八寸の雪苞の中がイノシシの和風ハム、人参豆腐、大葉ユリ根、赤足の旨煮、クワイ、ブロッコリー、紫芋のアジ巻き、壺壺にイカ腸の醤油漬け
  • 焼き物は、シマアジノの頭とカマ
  • 酢の物で、赤足、ヴァイオレットカリフラワー、法蓮草
  • テッピのかぶら蒸し・白子餡かけ
  • 鴨ご飯、止め椀、香の物
  • 和菓子3種

今宵のお酒は「日高見・純米大吟醸・東条松沢産山田錦精米歩合40%」です。
フルーティーな香りなんだけど、これと言い切れない複雑な香りで、抑えられたもの。深い味わいを微かな酸味が引き締めているようです。

先付けが、柚子釜。蒸されたものではなく、葉っぱが乗って蓋がしてあります。蓋を取ると、茶振ナマコにコノワタ。柚子の蓋の果肉を絞って柚子風味。分厚いナマコだけどプリプリ。
お椀は、牡蠣真蒸、とろろ昆布、柊見立てのアイスプラントと金時人参。昆布からどんどん旨みが増す吸い地。
お造りは、まぐろ、よこわ、たい、しまあじ、めじな、サヨリ、あおり。

雪苞の八寸。松などに雪が積もって枝が折れるのを防ぐあれです。その雪苞の中がイノシシの和風ハム。人参豆腐、大葉ユリ根、赤足の旨煮、クワイ、ブロッコリー、紫芋のアジ巻き、壺壺にイカ腸の醤油漬け。
焼き物は、シマアジノの頭とカマ。久しぶりの頭とカマ。このところの胃弱で自発的に控えているけど、アジなら美味しくいただける。油やコラーゲンたっぷりの頭はまだ自信なし。ポンス醤油。
酢の物で、赤足、食欲をそぐ色のヴァイオレットカリフラワー、法蓮草。レアな赤足。
細切りにしたテッピとかぶらの千切りを蒸したものに白子餡かけ。カブラ蒸しと言われて、すり下ろした蕪がないやんと思ったけど、目から鱗のカブラの使い方。

今日も鴨ご飯。新潟の青首。止め椀、香の物。
和菓子3種。白小豆餡のかるかん、りんご大福、松風、ハッタイコの団子。


平成27(西暦2015)年11月21日
日本橋藤久にお願いしていた松花堂弁当は、

  • 口取りが、八ツ頭胡麻和え、赤足エビアラレ揚げ、出汁巻き玉子、高野豆腐、金時人参、くわい旨煮、蓮根旨煮、軍鶏酒煮、ムカゴ落花生揚げ松葉打ち。
  • 焼き物は、サワラ、紅芯大根。。
  • 炊き合わせは、大根風呂吹き、イノシシ、甘草。
  • ご飯は、もも蟹ごはん、香の物。

平成27(西暦2015)年11月19日
食事は、一週間ぶりの「日本橋・藤久」(3.72/86)です。先客はカウンターも一杯。今日は余裕のお仕事。

  • 先付けが、軍鶏とホウレンソウ、白髪ねぎ
  • 雲錦筏のお椀は、蟹真蒸に蕪   
  • お造りは、蟹刺、ブリ、よこわ
  • 八寸には、あん肝・ふくろ茸のおろし和え、クエの煮こごり、渡蟹の味噌醤油漬け
  • 焼き物は、泉州岡田浦の天然うなぎ。山椒おろし
  • 蒸し牡蠣、とろろ掛け
  • 新潟産青首の鴨鍋
  • 鴨ご飯、蕎麦がきの止め椀、香の物
  • 和菓子3種

今宵のお酒も「松の司・2013純米大吟醸・しずく斗瓶囲・東条山田錦&竜王町山田錦精米歩合45%・自社保存株酵母・No.160/500本/1800ml」です。

先付けが、軍鶏とホウレンソウ、白髪ねぎ。湯引きにしてお浸し風。
雲錦筏のお椀は、蟹真蒸に蕪、青菜、黄柚子。蟹真蒸の上にカニ足を並べてあって、ほとんど蟹。蟹の産地は聞き忘れた。
お造りは、蟹刺、ブリ、よこわ。生のカニ足は1本。生を食べたことで、ちょこちょこっとですが、生・蒸・焼の蟹を食べたことになります。

八寸の、藁苞の中はあん肝・ふくろ茸のおろし和え。安曇野に言って来たそうでそのお土産がふくろ茸。「キノコの山」みたいな可愛いキノコ。、クエの煮こごりは醤油味、猪口に渡蟹の味噌醤油漬けで、身もミソも一緒くたでかんずりでピり辛。
焼き物は、たまたま網にかかったという泉州岡田浦の天然うなぎ。コリッコリでプリップリ。薄っぺらいけど卵がへばりついているそうです。見た目は分からないけど、食べるとほろっと離れて分かります。山椒おろし。
牡蠣が二つ。蒸し焼きにした上にとろろ。
青のり。レモン。トロロで牡蠣の味が薄まってしまった味わい。なくて十分だと思う。 15日だったかに解禁された青首(本)鴨を使った鴨鍋。新潟産。丸も入っております。山芋でつないでいるんだったかな?フワッとしております。もうちょっとワイルドな味でも許せる。ネギ。

注文したご飯は、[季節に一度は食べたい」の一つ・鴨ご飯。鴨の脂の旨味がご飯と絡んで旨いのです。鍋の出汁を使った蕎麦がきの止め椀。鴨汁の蕎麦ですな。香の物。
和菓子3種。干し柿に柿羊羹を鋳込んだもの。リンゴの羊羹にサツマイモに肉桂をまぶして固めたもの。栗と小豆餡の蕎麦薯蕷巻き。


平成27(西暦2015)年11月12日
晩御飯の予約は、一週間ぶりの「日本橋・藤久」(3.73/85)です。カウンターも一杯。座敷も埋まっているようです。

  • 先付けが、柴山の松葉の茶碗蒸し
  • 雲錦筏のお椀は、くえのロール白菜   
  • お造りは、オコゼ(肝、胃袋、皮、三河)、あじ、よこわ、いか
  • 焼き物は、ブリてり
  • イノシシと隼人瓜の炒め物
  • 蟹。柴山の松葉の足はコンロで自分で焼く。賀露のモモガニ・柴山のセコガニは店で茹でたん。蟹酢
  • セコ蟹ご飯
  • 和菓子3種

今宵のお酒は、「松の司・2013純米大吟醸・しずく斗瓶囲・東条山田錦&竜王町山田錦精米歩合45%・自社保存株酵母・No.160/500本/1800ml」です。
香りが若干華やかになって、味わいも膨らんだように感じますが、料理との相性は変わらない印象です。

暖かい先付は、柴山の松葉の茶碗蒸し。かに味噌餡掛けで、贅沢な先付。生姜風味。
雲錦筏のお椀は、くえのロール白菜。腹身の部分をくるんと巻いて白菜で蒸してあります。トロトロになった白菜にぷりぷりのクエ。紅葉人参に青味、黄柚子。
お造りは、オコゼ(肝、湯引きの胃袋・皮・三河)、あじ、よこわ、いか。ヨコワは腹身の部分で、いつものように炙ってありますが、焦げ臭くなって好きじゃないなぁ。

乾山写しに、焼き物でブリてり。赤葱とオロシ。しっかり味の照り具合。旨いものです。
蓋椀に、イノシシと隼人瓜の炒め物。あっさり胡椒味。
蟹たくさん。柴山の松葉の足はコンロで自分で焼きます。ぷっくら膨れて、ジワーっと汗をかいたころ合いが甘い。一本だけ。中央に賀露のモモガニ。爪が小さいけど味噌たっぷりの蟹。手前に柴山のセコガニ。蟹酢。

蟹いっぱいなので、ご飯もいっそ、セコ蟹ご飯。一口だけで満腹、持ち帰り。
和菓子3種を選びます。リンゴと小豆の浮島だったかな?一休納豆入りの松風。栗に刻んだ小豆の饅頭。常連さんだけ選ばせてもらえるんですが、カウンターのお客さんに出している赤肉パパイヤを味見させてもらいます。コアントロー。国産らしいですが、美味しい。黒門に売ってるそうなので、今度捜してみよう。


平成27(西暦2015)年11月5日
文楽が終わって、ラストオーダー間近の「日本橋・藤久」(3.73/85)で遅い目の晩御飯。もう誰もいないし、来ない時間帯。

  • 先付け三品、アワビ・岩茸、焚いたズイキに酢味噌、雲子の海苔巻
  • お椀は、白アマ、蕪、シメジ、青菜   
  • お造りには、ヨコワ、ブリ、ヒラメ、鯛、サヨリ、イカ、四方竹   
  • 油物には、牡蠣フライ、銀杏、黒ししとう
  • 炊き合わせ、隼人瓜、牛蒡、南京、小芋、柚子
  • イノシシの味噌焼き、下仁田
  • 酢の物が、毛ガニとホウレンソウ
  • 栗ご飯
  • 栗きんとん、白村雨と小豆、

今宵のお酒は、「松の司・2013純米大吟醸・しずく斗瓶囲・東条山田錦&竜王町山田錦精米歩合45%・自社保存株酵母・No.160/500本/1800ml」です。
開封直後は酸を強く感じたけど、次第に厚くなる味に隠れるようになる。キレの良さは相変わらずのようだけど、かっての「しずく」より味の多い味わい。

先付け三品は、後から考えると八寸を兼ねているようです。アワビには幅広の岩茸。肝も輪切りで乗っかっております。味のしゅんだ岩茸がとても美味しい。焚いたズイキに酢味噌、雲子の海苔巻。
お椀は、白アマ、蕪、シメジ、青菜。大将も初めて見るシメジのようです。
お造りには、ヨコワ、ブリ、ヒラメ、鯛、サヨリ、イカ、四方竹。

油物には、牡蠣フライ。すりつぶした牡蠣をフランスパンのスライスの様なもので挟んで揚げたフライは、構成からすれば確かにカキフライ。でも、脂を吸う昼ツが高くなるので、ちょっとしつこい味。銀杏、黒ししとうという皮の黒いししとうで、熱を通すと色が消えるというので生。あまり辛くない。
炊き合わせ、隼人瓜、牛蒡、南京、小芋、柚子。柚子たっぷりの香り。すこし火の通りが浅いようで、箸がすぅっと入らない瓜と小芋だった。
目鍋で出てきたのが、鳥取のイノシシの味噌焼き、下仁田、ししとう。味噌がご飯を呼ぶ味。
酢の物が、毛ガニとホウレンソウ。松葉の解禁近し。

前回と同じく栗ご飯。軽く一膳。
栗きんとん、白村雨と小豆、黒豆とかを新餅米に混ぜたおまん。


平成27(西暦2015)年10月15日
今日の晩御飯は「日本橋・藤久」(3.73/93)です。このところカウンターは満席ですが、当日電話を入れるお客が多いようで、苦労してはります。。

  • 先付けは、シシャモの焼き南蛮、リンゴ・大根の短冊
  • お椀が、栗餅・丸仕立て、軸菜、針生姜   
  • お造りには、牡丹エビ、ブリ、カツオ、鯛、ヒラメ、伝助穴子、シシャモ、サヨリ   
  • 八寸には、柿ナマス、サンマの山椒煮・四角豆、まなかつおのお寿司、長芋の軍鶏巻き、渡蟹と菊菜、すけこの昆布巻き・四方竹
  • 焼き物は、ノドグロ・銀杏・茶そば松葉
  • 藻屑蟹の蒸し物。カニ酢
  • 炊き合わせ、菊蕪、小芋、法蓮草、柚子
  • 栗ごはん
  • 和菓子とフルーツ

今宵のお酒は、先週と同じく「松の司・2013大吟醸 ultimus・東条産山田錦精米歩合35%・自社保存株酵母・限定1051本/720ml&911本/1.8L :14.6」です。開封から二週間たって、味がポッテリ。それでも喉越しまでは重たくならない。

乾山写しの先付けには、シシャモの焼き南蛮。甘酸っぱい酢の物だと思ったらリンゴ・大根の短冊。
お椀が、栗餅・丸仕立て、軸菜、針生姜。ホロホロと崩れる栗。控えめなすっぽんの吸い地。
お造りには、牡丹エビ、ブリ、カツオ、鯛、ヒラメ、伝助穴子、シシャモ、サヨリ。先付でシシャモがあるんで、盛り込んでもらいます。脂たっぷりでっかい伝助アナゴは炙り。

今日の二本目のお酒は「松の司2013大吟醸・斗瓶囲い・鑑評会出品酒・東条山田錦精米歩合35%」です。爽やかな香りと勢ぞな味わい。上品で軽い。金賞にはならないだろうけど、旨い。
焼き物は、脂したたる島根のノドグロ・銀杏・茶そば松葉。
藻屑蟹の蒸し物。カニ酢。大好きな川蟹ですが、温かいのはちょっと苦手。ゆっくり。

炊き合わせ、菊蕪、小芋、法蓮草、柚子。一人で料理をしている割に丁寧な菊花の包丁。
ご飯は栗ごはんをお願いしますが、今日も食べる余力はなく、お持ち帰り。
和菓子二種。栗のこなしを駕籠に見立てて有ります。桔梗の外郎生地に餡入り。フルーツ。


平成27(西暦2015)年10月7日
今日の晩御飯は「日本橋・藤久」(3.73/93)です。このところカウンターは満席ですが、当日電話を入れるお客が多いようで、苦労してはります。。

  • 先付けは、牡蠣と大根素麺
  • 土瓶蒸しで、鱧・松茸、三つ葉   
  • お造りには、シマアジ、ブリ、ヒラメ、サヨリ、カツオ、甘草の芽   
  • 吹き寄せの八寸には、栗のエビとジャガイモのイガ揚げ、柿の天ぷら、うおぜのフォアグラ巻き、あんきも、アケビの皮の味噌漬け、茶そば松葉に銀杏。柿の器に、ウニ・松茸・トンブリ
  • 焼き物は、焼き河豚、河豚フライ、煮凝り
  • 酢の物が、赤貝とモズク
  • 炊き合わせ、蓮餅・エビ、菱の実、べっ甲餡、山葵
  • 藻屑蟹ご飯
  • 栗きんとんとフルーツ

今宵のお酒は、先週と同じく「松の司・2013大吟醸 ultimus・東条産山田錦精米歩合35%・自社保存株酵母・限定1051本/720ml&911本/1.8L :14.6」です。しっかり冷やされて、味わいは変わらないようです。でも、今日もそんなには呑めない予感。2合だけ。

先付けは、牡蠣と大根素麺。牡蠣を輪切りにして、細切りにした大根と和えてあります。
お椀は土瓶蒸しで、鱧・松茸、三つ葉。

お造りには、シマアジ、ブリ、ヒラメ、サヨリ、カツオ、甘草の芽。体調に自信がないだけに脂っぽい腹身のカツオは引けてしまう。まぁ、二切れ程度ですから・・・。
吹き寄せの八寸には、栗のエビとジャガイモのイガ揚げ、柿の天ぷら、あんきも、(ここから怪しい)うおぜのフォアグラ巻き、アケビの皮の味噌漬け、と後一品。茶そば松葉に銀杏。柿の器に、ウニ・松茸・トンブリ。
焼き物は、焼き河豚、河豚フライ、煮凝り。

酢の物が、赤貝とモズク。醤油の味が効いた加減酢。
炊き合わせ、蓮餅・エビ、菱の実、べっ甲餡、山葵。べっ甲色の餡の下に焼いた蓮餅を見ると、胸がいっぱいになりますな。こりゃ完食は無理だ。レンコンの下にエビ。菱の実もゴロゴロと入っておりました。
リクエストしたご飯は、「季節に一度は食べておきたい」藻屑蟹ご飯。でも食べる余力を感じないので、見ただけで、詰めてもらいます。止め椀だけいただきます。
別腹のデザートは、フルーツに、栗きんとん。梨・メロン・シャインマスカット・ナガノパープル。フルーツで胃の調子がリセットできます。


平成27(西暦2015)年10月2日
今日の晩御飯は「日本橋・藤久」(3.75/93)です。カウンター満席の上、二階の座敷も一杯。よぉ一人でできますなぁ、と言ってもいつもよりは時間がかかっております。ということで食べるのも、ゆっくりです。

  • 先付けの芒の八寸には、松風、厚焼き、鱧の子のイカ月環、アボカドの軍鶏巻き、紫頭巾、林檎のサーモン巻き、岸和田栗の蜜煮、そして鯵の棒寿司、甘酢レンコン
  • お碗は、牡蠣の茶巾玉子豆腐、おぼろ   
  • お造りには、赤貝、鯛、ヒラメ、まなかつお、マグロ、さより、伊勢海老、サワラ   
  • 子持鮎、骨せんべい、黒皮茸
  • 油物には、くるま、香茸、銀杏
  • 鍋には、松茸と白甘鯛
  • 天然キノコ(松茸、しめじ、大黒しめじ、香茸、黒皮茸)ご飯
  • 和菓子

今宵のお酒は、「松の司・2013大吟醸 ultimus・東条産山田錦精米歩合35%・自社保存株酵母・限定1051本/720ml&911本/1.8L :14.6」です。
爽やかな酸味を感じるフルーティな香りに、花の香りも混じったような軽やかな味わい。淡い甘みは感じるものの、軽やかな味わいで、さらりと消える余韻。いつの間にかお酒が喉を通ってしまっているような印象。味に厚みが足りないと感じると、少し温度をあげれば望み通り。久しぶりに危険な酒でした。因みに、お酒は一年寝ております。

先付けの芒の八寸には、松風、厚焼き、鱧の子を鋳込んだアオリイカの月環、アボカドの軍鶏巻き、紫頭巾、林檎のサーモン巻き、岸和田栗の蜜煮、茶そば松葉。そして鯵の棒寿司、甘酢レンコン。栗は岸和田の銀寄せと地産地消だけど、京都の枝豆。黒豆のんも出てるそうだけど・・・。
お碗は、牡蠣の茶巾玉子豆腐、おぼろ。おぼろ昆布も加わって、昆布の味がしっかりの吸い地になります。牡蠣の香りをあまり感じないというのは、処理がいいのかな?

お造りには、赤貝、鯛、ヒラメ、まなかつお、マグロ、さより、伊勢海老、サワラ。爆弾低気圧で海が荒れていただろうに、いつもながらいっぱい出てきます。珍しいマナカツオ。珍しいけど特に美味しいものでもない。今日一番アルティマスに合わなかったのが赤貝。
琵琶湖産子持鮎はお腹も、もうポッテリ膨れております。骨せんべい。黒皮茸
油物には、くるま、香茸、銀杏。コリコリの香茸。

グツグツの鍋が出て来て、皿には、松茸と白甘鯛。今日の松茸は岡山産だそうだ。松茸から湯にくぐらせて、鍋に香りを移して食べましょう。残った鍋出汁は、ご飯の吸い物に仕上げてくれます。
キノコがいっぱいあるので、天然キノコ(松茸、しめじ、大黒しめじ、香茸、黒皮茸)でご飯を炊いてもらいます。
和菓子三種。芥子餅、ナガノパープル大福、栗きんとん。


平成27(西暦2015)年9月3日
日曜日に松花堂をお願いした「日本橋・藤久」(3.73/92)へ、お礼を兼ねて夕食。今日は先客一組で余裕のお仕事。

  • 先付が、汲み上げ湯葉・クルマエビ・トウモロコシのすり流し
  • お碗は、白甘鯛の潮   
  • お造りには、ひらめ、鱧二種類、しらさ、さわら、さより、カツオ、イカ   
  • 菊の八寸には、アワビ・菊菜・菊花。なすとアユの白ウルカ。かますの菊揚げ・泉州の栗。うつぼの煮凝り
  • さんまの塩焼き・腸焼き・あられ揚げ、銀杏、酢蓮根
  • モクズガニ
  • 炊き合わせが、赤いか、紫ジャガイモ、四角豆、菊花餡
  • 松茸ご飯、止め椀、香の物
  • 和菓子

今宵のお酒は、山口の「東洋美人・限定大吟醸・地帆紅・山田錦精米歩合40%」です。
口に含むとマスカット・デラウェア系の酸味とフワッとした甘みを感じる味わい。心地いい余韻。さらりとした後口。

先付が、下味をつけた汲みあげ湯葉にクルマエビを乗せ、トウモロコシのすり流しをかけたもの。自然な甘みで、お酒に合います。
お碗は、白甘鯛の潮。半身分。白髪ねぎたっぷり。

お造りには、ひらめ・縁側は炙り、鱧二種類で焼き霜と生、しらさエビ・頭は焼き、さわらには焼き目、さよりには大葉、生カツオ、イカ。ヒラメがこの日一番。
菊の八寸の、黄菊の器にアワビ・菊菜・菊花。紫菊の器になすとアユの白ウルカ。かますの菊揚げ・泉州の栗。うつぼの煮凝り。わざわざ愛菜ランドで見つけて来たという栗。ちょっとパサつく感じです。ウツボの生臭さが若干残って残念。美味しくないものはやはり酒にも合わない。

焼き物はさんまで、塩焼き・腸焼き・あられ揚げに骨せんべい。腸醤油に漬けた焼き物のような濃い味はだんだん食べづらくなってくるのは年のせいかな。夏バテのせいかな?銀杏、酢蓮根。
モクズガニが出てきました。カニ酢。蟹の中では一番の好み。食べるところは少ないけど、料理屋で出てくるのは食べやすくしてくれてます。時々掃除が甘いと気があるけど・・・。
炊き合わせが、赤イカ、紫ジャガイモ、四角豆、菊花餡。
ご飯を聞かれて、早速モクズにしようかと思ったんですが、お隣さんがやたらと美味しいを連発する松茸ご飯にしてもらいます。止め椀には牡蠣、香の物。
和菓子三種。羽曳野の道の駅で見つけて来たというブドウ二種類の大福。梨の羊羹、着せ綿。


平成27(西暦2015)年8月27日
今宵は馴染みの「日本橋・藤久」(3.74/92)で夕食。

  • 先付が、焼きナスゼリー寄せ、クルマエビ
  • お碗は、枝豆真蒸に松茸。ササゲ、柚子   
  • お造りには、ヒラメ、アコウ、落としの鱧、焼き霜の鱧、ひっさげ、ウニ、アオリ、さんま   
  • 菊の八寸には、イクラの溜まり漬け・叩き長芋、雲子ポン酢、焼きアジの南蛮・レンコン・ウオゼ、ジャガイモの軍鶏巻き・芋の茎、軍鶏と棗の炊いたん
  • 鳥取産いのししのバラと無花果の田楽、百合の花芽
  • 小蛸とまっか(うり)の加減酢
  • 魚しゃぶ。シマイサキ、ヘダイ、セッパリサギ、グレ。椎茸、豆腐、三葉
  • サンマご飯、止め椀、香の物
  • 和菓子

今宵のお酒は、山口の「東洋美人・限定大吟醸・地帆紅・山田錦精米歩合40%」です。
マスカット・デラウェア系の酸味と甘みを感じるフルーツの味わい。フルーティな香りが比較的長いですが、爽やかさが勝って心地いい味わい。呑み続けても、くどさが出ない。

先付が、焼きナスゼリー寄せに、クルマエビ。焼き浸し風のナスにレアなエビの甘味です。 萩のお碗は、枝豆真蒸に松茸。枝豆たっぷりの真蒸。ササゲ、輪柚子。

お造りには、ヒラメ、アコウ、落としの鱧、焼き霜の鱧、ひっさげ、ウニ、アオリ、さんま。台風の後で魚には不安があったけど、台風が原因ではなく白身の魚は店頭から消えているという話。まだ漁師さんはお盆休みでしょうかね。店の奥から掬い取ってくる魚だそうです。ヒラメの縁側は炙り。醤油と梅肉。
菊の八寸には、小振りだけどイクラの溜まり漬け・叩き長芋。早くも雲子がポン酢。焼きアジの南蛮・レンコン・ウオゼ、ジャガイモの軍鶏巻き・(さつま)芋の茎、軍鶏と棗の炊いたん。

害獣駆除の鳥取産いのししのバラを乗せた無花果の田楽。焼いた百合の花芽。イチジクにしては甘辛さが強いけど、猪には合う田楽の濃さ。
酢の物の小鉢に小蛸とまっか(うり)の加減酢。
鍋が出て来て、魚しゃぶ。昔ここで作ってくれた「水族館鍋」を思い出す、魚4種のしゃぶしゃぶ。シマイサキ、ヘダイ、セッパリサギ、グレ。椎茸、豆腐、三葉。

〆の炊き込みご飯はサンマご飯。鍋の出汁を止め椀にしてくれます。肴の旨みいっぱいで、旨く育ってくれてました。香の物。
選んだ和菓子三種は、イチジク羊羹の求肥饅頭、黒糖羊羹に白小豆、一休寺納豆入りの錦玉羹。


平成27(西暦2015)年7月28日
夜の時間になっても蒸し暑さは変わらない中、食事に行くのも面倒くさいと思いつつ「日本橋・藤久」(3.74/92)へ。

  • 先付が、シャコ、メロン、白和え、べっ甲餡、針生姜
  • お碗は、焼き鮎のにゅう麺、インドきゅうり   
  • お造りには、イワガキ・イカ・ウニ・さんま・アジ・カレイ・トリガイ・鱧(落とし・皮霜)・カツオ   
  • 朝顔の八寸には、枝豆・丸十・ヒイカ、インドきゅうりのキンピラ、ズイキ・酢味噌、いわしの梅煮・ベラの南蛮・うおぜのお寿司・酢蓮根
  • 天然鮎の唐揚げの、白ウルカ、枝豆
  • スッポンの冬瓜蒸し・蔓紫
  • 穴子ご飯、香の物
  • 和菓子

今宵のお酒も、青森の「善知鳥・大吟醸・山田錦精米歩合40%・2014.05」です。

先付が、シャコがべっ甲餡に隠れております。それだけじゃなくメロンの白和え。瓜かもしれないけど甘いのでメロンの皮の部分だろうな。針生姜。
お碗は、焼き鮎のにゅう麺、くり抜いて輪になっているのがインドきゅうりというもので、妙に長い胡瓜だそうだ。。

お造りには、「夏輝」のイワガキ、イカ、淡路のウニ、さんま、アジ、突然入って奪い合いだったという丹後のトリガイ、淡路の鱧は二種類で落とし・皮霜、カレイ、カツオです。葉懐敷がないのでとっけた氷でベチャッと・・・いかんなぁ。梅肉。
文楽の演目にちなんだ(とは思えないけど、毎年出てくる)朝顔の八寸には、青い朝顔には枝豆・丸十・ヒイカ、黄朝顔にインドきゅうりのキンピラ、赤朝顔にズイキ・酢味噌、葉皿にいわしの梅煮・ベラの南蛮・うおぜのお寿司・酢蓮根。イワシの梅煮がなぜか酒に合わんかった。

団扇の器。熊野川の天然鮎の唐揚げです。骨せんべい。二匹目の鮎です。から揚げも美味しい鮎。枝豆。壺壺に白ウルカ。聞かなかったけど姿からいって自家製に見える。から揚げだったり、にゅう麺だったりすると内臓が残っていくからね。塩分控えめ。鮎の味を楽しむには、酢橘、塩は不要だとおもうのですが、いきなり絞っちゃう人がいるんです。
二つ孔のあいた冬瓜が出て来た。その穴の理由が図らないや。蓋の冬瓜は蒸されておらず生。蓋を取るとスッポンの冬瓜蒸し、内卵、蔓紫、丸にくり抜いた冬瓜。今日も皮やエンペラのコラーゲンで、ベッタベタの食事。
ご飯は聞かれて、悩みあぐねて泉州穴子のご飯、香の物。一膳だけ。止め椀なし。
和菓子は涼しげなのをいろいろ。

お馴染みさんからの置き土産で山形の「大山・純米大吟醸・吟雅凛匠」を頂く。おおきに。


平成27(西暦2015)年7月23日
晩御飯は、ステーション近くの裏ナンバの「日本橋・藤久」(3.74/92)で予約を取ってあります。カウンターはおひとり様ばっかし。座敷はつまっているようです。

  • 先付が、ワタリガニ、ナス、オクラ、茗荷の酢の物
  • 朝顔のお碗は、鱧松。吸い口が輪柚子   
  • お造りには、スズキ、カンパチ、アコウ、平アジ、いわし、和泉ダコ、うに、イカ、カツオ   
  • 鮎の骨せんべいに、焼き鮎と〆鮎のトロロ昆布で巻いた笹寿司。壺々に苦うるかと刻み長芋、甘酢蓮根
  • あかっぽのアラの煮付け
  • 酢の物で、アワビ、毛馬胡瓜、あかもく、トマト
  • 熊本産の天然鰻のご飯。実山椒・三つ葉。しじみとミズの止め椀、香の物
  • 和菓子

今宵のお酒は、青森の「善知鳥・大吟醸・山田錦精米歩合40%・1014.05」です。
清涼感のある果実の香りに、微かに柑橘系の酸と香りが混じったフルーツ感たっぷりの味わい。余韻はすっきり。

先付が、ワタリガニ、ナス、オクラ、茗荷の酢の物。
朝顔のお碗は、ボタン鱧に夏松茸の鱧松。まだ香りは十分ではないけどね。脂の浮かない吸い地はすっきり。吸い口が輪柚子。

お造りには、スズキ、カンパチ、アコウ、平アジ、いわし、和泉ダコ、うに、イカ、カツオ。梅雨明けからええ天気が続いて豊漁かと思っていたんだけど、市場には魚がないようです。大阪のブランド品とはいえ、蛸なんか盛り付けるとはほとんど記憶にない。淡路のウニも一枚¥4000えんだとか・・・日頃をよく知らないけど。それでも、そこそこそろえてはるんですから偉いや。
鮎の骨せんべいに、焼き鮎と〆鮎のトロロ昆布で巻いた笹寿司。焼き物だろうか?お凌ぎだろうか?ちょっとレアっぽい中骨のせんべいは惜しい。笹寿司は美味。壺々に苦うるかと刻み長芋。自家製のウルカではないようです。塩が効き過ぎてお上品な善知鳥にはちと合わんかった。甘酢蓮根。
珍しい「あかっぽ(あかはた)」のアラの煮付け。たっぷり一匹分の頭とカマ。

酢の物で、アワビ、毛馬胡瓜、あかもく、トマト。大阪ブランドの毛馬胡瓜ですが、今年も藤久は大阪割烹体験には参加してないようです。
フライングですが、ウナギが用意してあるそうです。で、焼き物にするか、ご飯にするか聞いてくれはるので、もうご飯でいいやと返事。そこから捌き始めてくれた熊本産の天然鰻。ここ数日天然が入ってなくて、ようやく出てきたのは(デカいほど高いらしいが)キロ当たり20000円らしい。実山椒・三つ葉。しじみとミズの止め椀、香の物。食べられない分は明日のお昼にも・・・。
和菓子(ブドウ大福、葛饅頭)。ブドウの大福は狭山の中野ブドウ園で買って来た「シャインマスカット」、「赤嶺(セキレイ)」、「ウインク」、「ルーベルマスカット」の4種類。

そうそう、お昼が3500円のミニコースだけになったんだとさ。


平成27(西暦2015)年6月25日
芝居が終われば夕食時。お腹はまだハンバーグが残っているような気分だけど「日本橋・藤久」(3.74/91)へ向かいます。以前にあったことのある泉州のグループさんがお隣。毎月一回こられているとか?20年も営業しているとお馴染みさんばかりということもあります。

  • 先付が、赤足エビと紫ジャガイモ、茗荷、麺つゆ
  • お椀で、梅肉を乗せたアコウに長ナス、隠元、実柚子
  • お造りには、マグロ、スズキ、丸アジ、赤うに、アオリイカ。
  • 別皿でクツエビ。
  • 銀の笹の八寸には、イカの白子の沖漬、蒸しアワビに岡ひじき、鱧三種(子、肝、白子)、水ナスとジャコ海老の焚いたん、焼き鱧の南蛮、鱶の黄身酢和え
  • 十津川の天然鮎の塩焼き。山蕗、トウモロコシ
  • イワガキ、おろしポン酢
  • 鱧の落とし・梅肉・玉ねぎ豆腐、姫オクラ
  • あわびごはん、止め椀(くつえび)、香の物
  • 和菓子(杏子羊羹の羽二重、琵琶の錦玉浮島)

今宵のお酒は、先週と同じく「松の司・2014(H26BY) 純米吟醸・竜王山田錦・・竜王町産山田錦精米歩合50%・自社保存株酵母」です。フルーティーな旨みは少し増した印象。そろそろピークアウトしたようです。それでもまだ甘ダレした味ではなく、キレもそこそこ。濃潤な味が好きな人にはちょうど呑み頃かもしれません。

先付が、氷を器にして、赤足エビと紫ジャガイモ。茗荷に麺つゆ。ほんのり暖かかい湯通しした赤足。御餅風の粘るジャガイモ。その下に自家製の麺つゆがあるようですが、凍っちゃっておりました。
今日も四方のお椀で、梅肉を乗せたアコウに長ナス、隠元、実柚子。

最初に出て来たお造りは、マグロ、スズキ、丸アジ、赤うに、アオリイカ。
さらに別皿ででてきたのは、アサヒガニかと思えば、クツエビでした。美味しいけど、食べるところは少ない。頭のところにまだ美味しそうな身が残っているので止め椀で出してもらうことにしましょう。

銀の笹の八寸には、イカの白子の沖漬はニュルンとした舌触りだけど噛めない不思議な食材。蒸しアワビに岡ひじき。鱧三種(子、肝、白子)は濃厚な旨みで鮭とよく合う。水ナスとジャコ海老の焚いたんは舌に合わなかったな。、焼き鱧の南蛮、鱶の黄身酢和え。美味しいものではないという印象しかなかった鱶の湯引きですが、量が少ないこともあってか、不味くない。
大きく育ってきました十津川の天然鮎の塩焼き。頭と中骨は抜いて骨せんべい。お腹は己が身たっぷり。蓼酢。山蕗、トウモロコシのかき揚げ。

今日も出てきたイワガキは小さ目だけど旨みたっぷり。レモンではなく、おろしポン酢ですけど、これもいけます。
梅肉を乗せた鱧の落としのしたに、葛で仕上げた玉ねぎ豆腐、姫オクラ。鱧鍋風の組み合わせ。
今日はアワビをご飯にしてもらいました。止め椀(くつえび)、香の物。
和菓子(杏子羊羹の羽二重、琵琶の錦玉浮島)


平成27(西暦2015)年6月20日
予約の時間が来れば、晩御飯は「日本橋・藤久」(3.75/91)です。土曜日だからか、二回転していて、前のお客が残っているようなので、外で待つ。他にも時間を潰しているお客さんがいるようで、一人でやっているのに、強気の営業です。

  • 先付が、黒ゴマ豆腐の素麺、カイワレ大根、茗荷、出汁のジュレ、冷凍卵の黄身
  • お椀で、ウニと蓮餅・ジュンサイ、実柚子
  • お造りには、鳥取のイワガキ「夏輝」、まぐろ、あわび、皮霜の鱧、トリ貝、いさき、アコウ、ケンサキイカ、車エビ
  • 蛍見立ての八寸には、アワビにアカモク・そうめんカボチャ・ミョウガ・空芯菜の酢の物。スッポンの卵のたまり醤油漬けに刻み長芋。イソツブガイ、松風、枝豆、ヤマモモ
  • 天然うなぎの白焼き、実山椒おろし、すだち、わさび
  • アサヒガニ・内子・タタキオクラ・酢味噌和え
  • 油物には、赤足エビ・ウルイの花・桃、生姜風味のべっ甲餡
  • 鱧の梅しそごはん、止め椀(山芋団子)、香の物
  • 和菓子(水無月、青梅饅頭)

今宵のお酒は、先週と同じく「松の司・2014(H26BY) 純米吟醸・竜王山田錦・・竜王町産山田錦精米歩合50%・自社保存株酵母」です。南国系のフルーツの濃厚な香り。管理が良いようで味わいに変化はないようです。

先付が、黒ゴマ豆腐の素麺、カイワレ大根、茗荷、出汁のジュレ、冷凍卵の黄身。ジュレでぐちゃぐちゃの底に黒い素麺。しっかりしたゴマの香り。
お椀で、ウニと蓮餅・ジュンサイ、実柚子。四角いお椀。酸味を感じる吸い地。新レンコンのお餅。

お造りには、鳥取の今シーズン初めてのイワガキ「夏輝」。まぐろ、クリーミィなあわび、皮霜の鱧、トリ貝、いさき、アコウ、ケンサキイカ、車エビ。お酒が美味しい。残念イサキは旨みが乏しい。サイズは大きかったそうだが・・。
蛍見立ての八寸には、アワビにアカモク・そうめんカボチャ・ミョウガ・空芯菜の酢の物。スッポンの卵のたまり醤油漬けに刻み長芋。イソツブガイ、松風、枝豆、ヤマモモ。初めて聞くアカモクは海藻の名前で粘っております。見た目気持ち悪いのはスッポンの内卵をたまり醤油で漬け込んだ黒い膿のような食べ物。長芋で味を和らげてまして、食べるといけます。卵の味わいはほとんど感じなくてホタルイカの沖漬風珍味に仕上がっております。 コンロの上に乗って焼かれてきたのは、天然うなぎの白焼き、実山椒おろし、すだち、わさびの薬味が出て来たけど、山葵が一番馴染む。

アサヒガニ・内子・タタキオクラ・酢味噌和え。珍しいアサヒガニ。甲羅を器にして、黄身酢和え。和え衣がちょっと勝っているかな。
油物には、赤足エビ・ウルイの花・桃、生姜風味のべっ甲餡。妙な白い物体が揚がっているので、食べる前に聞けば「桃」でした。甘味より酸味が強くなった印象で、生姜のピリピリ感も加わって不思議と吟醸酒と合うようです。
新茶とか、茗荷とか、精進なご飯を勧めてくるので、今日は鱧でお願いする。加えて梅と紫蘇ごはん、止め椀(山芋団子)、香の物。
和菓子二種類。水無月は餅粉が普通より多いようで、お腹膨れます。青梅を刻んで餡にした饅頭。


平成27(西暦2015)年6月10日
今宵も、お気軽に「日本橋・藤久」(3.75/91)で予約を取ってあります。早い目のお客さんが1組のカウンター。どうやら辻調時代の恩師のご夫婦のようです。

  • 先付が、蛸の旨煮・従兄和え(裏ごしかぼちゃと枝豆)
  • お椀で、蟷螂生ず見立ての蝦蛄・玉子豆腐・モズク・柚子   
  • お造りには、マグロ、カツオ、アワビ、トリ貝、アマテカレイ、シラサエビ、生はも、炙りはも
  • 八寸には、アサリと大根おろし、鱧の肝・鱧の子の玉子とじ・金針菜、ケンイカの烏口の醤油焼き・丸十・空豆・レンコン黄身寿司鋳込み・イチジクのサーモン巻き
  • 和歌山日置川の天然アユの塩焼き(頭と中骨は揚げもの)、蓼酢
  • 熊本産天然うなぎの洗い・酢味噌和え、胡瓜、茗荷
  • 天然スッポンとミスナスの炊いたん、白髪ねぎ、内卵
  • 蝦蛄ごはん、止め椀(ジュンサイ)、香の物
  • 和菓子(葛饅頭、若鮎、わらび饅頭)

今宵のお酒は、「松の司・2014(H26BY) 純米吟醸・竜王山田錦・・竜王町産山田錦精米歩合50%・自社保存株酵母」で始めます。
生らしい濃厚な口当たり。マスカットやリンゴの香りのようですが、厚みがあるのでぽってりした味わい。それでもしっかりキレてくれます。

先付が、蛸の旨煮の従兄和え(裏ごしかぼちゃと枝豆)。一番下にタコ。「従兄和え」とかいうので「なんやそれ」的質問をするんですが、畑の中と畦とでできるものを二種類使うのは「従兄」なんだそうです。いろいろ組み合わせはできそうですな。モンブラン風のカボチャが、蛸に合うと思えば、芋タコ南京ですからね。 お椀で、蟷螂生ず見立ての蝦蛄・玉子豆腐・モズク・柚子。二十四節季では「芒種」ですが、今は七十二候の初候で「蟷螂生ず」といいます。で、蝦蛄を蟷螂に見立てたお椀だそうです。じゃこれから七十二候に合わせたお椀を出すのかと聞けば、困ってました。泉州産の特大シャコで、子持ち。20センチ近くありそうです。 お造りには、壱岐のマグロ、周参見のケンケンカツオ、アワビ、舞鶴のトリ貝、アマテカレイ、シラサエビ、生はも、炙りはも。ここんところ市場に魚が出回っていないんだそうだ。特に天候不順だとかいうのではなく、こういう時期があるんだそうだ。でも結構意地になってそろえてはります。

笹に金箔をあしらい、ホタル見立ての八寸。アサリと大根おろし。鱧の肝・鱧の子の玉子とじ・金針菜(甘草)。白い葉皿にケンイカの烏口の醤油焼き・丸十・空豆・レンコン黄身寿司鋳込み・イチジクのサーモン巻き 解禁なった和歌山日置川の天然アユの塩焼き(頭と中骨は揚げもの)、蓼酢。日置川は、稚鮎を放流していないというてるそうです。 熊本産天然うなぎの洗い・酢味噌和え、胡瓜、茗荷。久しぶりの「生鰻」。皮を引いた色合いは「金目」風に赤い縞模様。血に毒があるということで、食べさせないところがほとんどですが、生のウナギは美味しいのです。 九州のどこかの天然スッポン(1キロ越え)と水ナスの炊いたんに、白髪ねぎ、スッポンの内卵。あっさり焚かれたスッポンだと思ったけど、やっぱりコラーゲンしっかりで、口の中はベッタベタ。どんな日本酒にも洗い流せてマリーアジュするとは思えない味です。使われなくなった諺にいう「うなぎにすっぽん」という贅沢をしちゃいました。

ご飯には蝦蛄をいれて焚いてもらいました。蝦蛄のカマとかいろいろ。止め椀(ジュンサイ)、香の物 和菓子(葛饅頭、若鮎、わらび饅頭)


平成27(西暦2015)年5月11日
今宵も、お気軽に「日本橋・藤久」(3.75/91)で予約を取ってあります。早い目のお客さんが二組のカウンター。座敷一組で今日は余裕のようです。今日で二日目というバイトちゃんが、たどたどしい。

  • 先付が、赤足エビとジャガイモ餅のべっ甲餡掛け、さや大根
  • お椀で、鮑・ジュンサイで、花柚子   
  • お造りには、おこぜ(肝、皮、笛)、アマテカレイ、カワハギ(肝)、アオリ、きす、カツオ
  • 八寸には、唐墨、鮎のオイル漬け、イチジクのサーモン巻き、ウスイ豌豆の団子、鱧の子焼き、島らっきょの味噌漬け、ベビートマト、蛸の旨煮
  • 黒メバルの木の芽焼き。内蔵一揃え、皮せんべい
  • 鳥貝。椎茸の天草寄せの酢の物、茗荷
  • 蒸しあなごの田楽味噌、丸ズッキーニとヤングコーン
  • 空豆入り浅利飯、止め椀(海苔・三つ葉)、香の物
  • 和菓子(笹巻葛餅、抹茶大福、草餅)

今宵のお酒は、先週と同じく「松の司・2012(24BY)・大吟醸純米しずく斗瓶囲・(東条産山田錦(特A)+滋賀県竜王町山田錦)精米歩合45%・自社保存株酵母・限定No.0320(380本/1800l)&730本/720ml」で始めます。

先付が、赤足エビとジャガイモ餅のべっ甲餡掛け、さや大根。ジャガイモは潰してプルプルに仕上げた団子。優しい甘みの餡かけ。
お椀で、鮑・ジュンサイに、花柚子。今シーズン初めての花柚子。三田のジュンサイが散らばって綺麗な景色。いつもと変わらないというけれど、なんだか今日は淡い吸い地。
お造りには、おこぜ(肝、皮、笛)、アマテカレイ、カワハギ(肝)、アオリ、きす、カツオ。虎魚には肝と浮き袋と皮と湯引きが付いてます。ゼラチンでニュルンニュルンの皮も面白いけど肝が旨い。カワハギもね。となるとカレイの肝もつけてほしいところです。山葵が水っぽいといえば、擦る場所を変えて出てきました。大根と一緒やね。

かってしったる先週同席のお馴染みさんの置き酒「松の司・2009 Special・BLACK AZOLLA・純米大吟醸古酒・兵庫県産東条山田錦精米歩合40%(特A地区栽培期間中除草剤無使用栽培)・自社保存株酵母・杜氏:瀬戸清三郎・限定No205/220本/1800ml ・2015.4」を頂く。

座りの悪い長皿の八寸には、唐墨、鮎のオイル漬け、イチジクのサーモン巻き、ウスイ豌豆の団子、鱧の子焼き、島らっきょの味噌漬け、ベビートマト、蛸の旨煮。
黒メバルの木の芽焼き。内蔵一揃え、皮せんべい。パリパリの皮せんべいから食べるがいつもの癖。付け焼きの醤油も香ばしくて程よい辛さ。とうとうここでは花山椒は満喫できないようです。内臓は、ひと塊で、肝とか心臓とか。

酢の物が鳥貝。椎茸の天草(てんぐさ)寄せ。茗荷。
蒸しあなごの田楽味噌に、丸ズッキーニとヤングコーン。脂の乗った白蒸しのアナゴ。野菜にはよく合う田楽味噌だけど、アナゴには普通というか、脂乗り過ぎ。

先週食べられなかったウナギをご飯にしてもらおうかと思ったけど、高騰しているので仕入れてないとか。しょうがないので浅利飯。空豆も入れてくれました。止め椀(海苔・三つ葉)、香の物。
和菓子は三種選んで笹巻葛餅、抹茶大福、草餅と緑ばっかり。今年もkotikazeではかき氷を意地になってマニアへの対抗意識で作っているようです。なんせ郁ちゃんは氷が好きじゃないそうですから。


平成27(西暦2015)年5月5日
難波でうろうろして、ごった返すウラナンバを抜け、晩ご飯の「日本橋・藤久」(3.75/90)へ向かいます。満席になります。知った顔がほとんど。

  • 先付が、煮玉子を包んだ長芋羹、椎茸、パプリカ
  • 変わり椀で、暖かいスッポンの煮凝り・寒天仕込み   
  • お造りには、カツオ、アオリ、さより、トリ貝、赤貝、油目、アマテカレイ、ウニ、ホタテ貝柱
  • 八寸には、新子の粽寿司、ワタリガニの子の塩辛、サヨリの子巻、一寸豆のウニ巻、コーンのかき揚げ、マツブ貝、鯛の白子の海苔巻き、デラウェアの百合根まんじゅう、カラスミ
  • 天然ウナギと新玉ねぎのたれ焼き、皮せんべい
  • 蛸と若芽の酢の物、トマト
  • 小鍋仕立てで、ワタリガニのしゃぶしゃぶ、ネギ
  • 鮎ご飯、止め椀(蟹しゃぶ出汁、豆腐)、香の物
  • 和菓子(初かつお)

今宵のお酒は、先週と同じく「松の司・2012(24BY)・大吟醸純米しずく斗瓶囲・(東条産山田錦(特A)+滋賀県竜王町山田錦)精米歩合45%・自社保存株酵母・限定No.0320(380本/1800l)&730本/720ml」で始めます。

先付が、煮玉子を包んだ長芋羹、椎茸、パプリカ。長芋のお饅頭の中に、玉子が埋められておりました。構成からみれば、長芋素麺かな?
先付の二品目かと思っていたら変わり椀で、暖かいスッポンの煮凝り・寒天仕込み。普通の煮凝りはゼラチン質なので低温で溶けるところ、寒天で仕込むと80度まではプルンとした暖かい状態で出せるという仕事です。なんだか科学的になった。白髪ねぎ。

お造りには、カツオ、アオリ、さより、トリ貝、赤貝、油目、アマテカレイと肝、ウニ、ホタテ貝柱。鳥貝が厚くなってきた。今シーズン初めてのアブラメ。ちょっと出会えるのが遅いような気分。前回から、大葉を挟まなくなったサヨリを手抜きと言ったら、サイズの小さいサヨリはそのまま出すんだと反論を食う。

お知り合いのお馴染みさんから「松の司・2009 Special・BLACK AZOLLA・純米大吟醸古酒・兵庫県産東条山田錦精米歩合40%(特A地区栽培期間中除草剤無使用栽培)・自社保存株酵母・杜氏:瀬戸清三郎・限定No205/220本/1800ml ・2015.4」を頂く。4合瓶しか見たことがなかったけど一升瓶サイズのブラックアゾラは迫力ある。吟醸酒の香りや酸味などの角が取れ、厚みのある旨み。クイクイと呑んでしまえば、元の「しずく」に戻ります。

粽の盛られた八寸には、新子の粽寿司、手前にワタリガニの子の塩辛。サヨリの子巻、一寸豆のウニ巻、コーンのかき揚げ、マツブ貝、鯛の白子の海苔巻き、デラウェアの百合根まんじゅう、カラスミ。一寸豆を蒸して潰して伸ばしてウニを巻いてあるようです。はやくもトウモロコシ。カニの子の塩辛は辛い。 いつもなら菖蒲とか飾られていたはずなんだけど・・・。

熊本で獲れた太い天然ウナギが、目の前で捌かれておりました。他のお客さんはどうか分からないけど、玉ねぎと一緒にたれ焼きにして盛り付けたようです。まずいわけじゃないけど、普通に白焼きの方が好きだよ。タレの味は「あんかけ風」の甘味がある。尻尾の方は揚げ煎餅?花山椒不作だそうで、面白うない。
酢の物が、蛸と若芽の酢の物、トマト。タコの身に、細かく包丁が入り・・・過ぎてタコの歯ごたえがないという仕事。
コンロが運ばれてきて、出て来たのは、ワタリガニ。しゃぶしゃぶにするようです。二本だけ。カニ酢代わりに「カニみそ」。松葉のしゃぶしゃぶはよくあるけど、ワタリでシャブシャブするのは初めて。なかなかええけど、味が淡いのでカニみそがグッドジョブ。

ウナギを捌いたのを見ているだけに、ウナギのご飯にしてもらおうと言ったんだけど、裁いた分は売ったので、また一匹捌きますと言われる。そりゃ、悪いなぁと、前回嫌みなお客が全部食い占め、食べられなかった鮎で、焚いてもらいましょう。間違いのないご飯。でも、まだ鮎の香りが弱いような印象でした。止め椀は、シャブシャブの出汁を利用したもの。今日も詰めてもらって、持ち帰り。

和菓子だけど、端午の節句らしい「柏」とか「粽」は、前日に食べ過ぎたので、「初かつお」。注文しておいたもので、レシピを変えて二種類作ってくれてましたので、全部食う。ちゃんとタコ糸で切り分けてくれて、カツオのような模様が浮き上がってます。最近、オリジナルのを食べてないなぁ。


平成27(西暦2015)年4月26日
日本橋・藤久のお弁当。いろいろ些細なアクシデントがあったお弁当。


平成27(西暦2015)年4月24日
夜のご飯は「日本橋・藤久」(3.75/90)へ向かいます。満席だ!。

  • 先付が酢の物で、コハダの海苔巻、こごみ
  • お椀は、鮑・鮑素麺・雁足・木の芽   
  • お造りには、ケンケンカツオ、メバルと肝、鱧の落とし、焼き霜の鱧、トリガイ、さより、ウニ、イカ、ボタンエビ
  • 桜の八寸には、葉皿にサワラの子巻・アスパラガスの鯛巻・蒸しエビ・空豆・黒人参の南蛮、鯰皿に蒟蒻の蕗味噌田楽、イタドリとお揚げさんの炊いたん、味噌漬け卵黄のわさび漬け和え
  • サクラマスの木の芽醤油焼き、皮せんべい、酢取りの蕗
  • 長芋素麺、蝦蛄、フルーツトマト、わらび
  • 油物で、筍、エビとタケノコの汲み揚げ湯葉巻き、オロシ、天つゆ
  • サクラマス御飯、止め椀(生海苔)、香の物
  • 和菓子3種(葛桜、草餅、こいのぼり)

今宵のお酒は、一週間前と同じく「松の司・2012(24BY)・大吟醸純米しずく斗瓶囲・(東条産山田錦(特A)+滋賀県竜王町山田錦)精米歩合45%・自社保存株酵母・限定No.0320(380本/1800l)&730本/720ml」です。
香りは落ち着いて穏やか。味わいも丸みが出て突出した味は無いもののふんわりとした甘み。その甘味も円やかで、食事に相応しい優しい味わい。

先付が酢の物で、コハダの海苔巻、こごみ。小さいながらもキラキラと光ったコハダです。

お椀は、鮑・鮑素麺・雁足・木の芽。アワビ出汁ではないけど、美味しい吸い地。心太風のアワビの素麺というより「うどん」並みの太さ。あまり他では見かけない「雁足」。こごみの一種。
お造りには、ムチムチしたケンケンカツオ。メバルとデカい肝。もう登場してきた鱧は下津町戸坂産。鱧の落としと焼き霜。今年初めて入荷の丹後のトリガイは、まだ小さいけど旨みいっぱい。さより、ウニ、イカ、ボタンエビ。
桜の八寸には、葉皿にサワラの子巻・アスパラガスの鯛巻・蒸しエビ・空豆・黒人参の南蛮。沖縄の黒人参だそうです。鯰皿に蒟蒻の蕗味噌田楽。イタドリとお揚げさんの炊いたん、味噌漬け卵黄のわさび漬け和え。

サクラマスの木の芽醤油焼き。上に皮せんべい。あしらいに酢取りの蕗。花山椒を出し惜しみしているかのようですが、注文しないと摘んでくれないとか・・。そうだったのかぁ。
長芋素麺の下に、蝦蛄。フルーツトマトにわらび。細く切られ過ぎて、とろろみたいに見えるけど・・・。
油物で、筍、エビとタケノコの汲み揚げ湯葉巻き。木積のタケノコもそろそろ終盤。オロシ、天つゆ

ご飯はと聞かれて、焼き物に出たサクラマスを使ってもらいます。止め椀には生海苔。香の物。

和菓子3種(葛桜、草餅、こいのぼり)。鯉のぼりは「こなし」だったかな。餡を撒いてあります。


平成27(西暦2015)年4月4日
文楽の幕間には日本橋藤久の松花堂弁当。


平成27(西暦2015)年4月2日
夜は一週間ぶりの「日本橋・藤久」(3.76/90)へ向かいます。あれあれ坊主寸前。ひとりでも余裕の仕事です。3月は知り合いのお店も客足が伸びないというお話で、気にしているみたいです。

  • 先付に、桜ゴマ豆腐、一寸豆
  • お椀は、ハマグリとホワイトアスパラガス、菜の花、木の芽   
  • お造りには、さわらの背と腹、ケンケン鰹、イカとウニ、鯛、メイタカレイ、さより、蓼
  • 桜の八寸には、マテ貝とウルイの酢味噌あえ、サクラエビの甘辛煮、鯛の白子、赤足エビ艶煮、こはだの海苔巻き、蛸の子の塩辛、ミヤコホラ貝、鯛の子、スナップえんどう、キクラゲ
  • 貝塚木積の筍は、穂先をてんぷら、木の芽田楽、醤油焼き
  • 蒸しワタリガニ、擦りしょうが、カニ酢
  • 小鍋仕立ては、白甘鯛のしゃぶしゃぶ、椎茸、豆腐、春菊、白髪ねぎ
  • カツオと筍の炊き込み、止め椀、香の物
  • 和菓子3種

今宵のお酒は、一週間前と同じく「日高見・芳醇辛口純米吟醸・生・弥助・精米歩合50%」です。
呑みやすくて、食事に相応しい優しい味わい。一週間たって円やかになった印象。

先付に、桜の葉を混ぜ込んだゴマ豆腐。一寸豆。色合いは綺麗でしたが、塩抜きが完全では無いようで、塩辛い先付でした。。

お椀は、細かく包丁の入ったハマグリとホワイトアスパラガス、菜の花、木の芽。
お造りには、さわらの背と腹、ケンケン鰹、イカとウニ、鯛、メイタカレイ、さより、蓼。今宵は、貝は控えてあります。昆布で締めたかのような旨みたっぷりの鯛でした。山口の生ウニ。周参見のケンケン。
桜の八寸には、奥のサザエにマテ貝とウルイの酢味噌あえ。ぼんぼりにサクラエビの甘辛煮。ハマグリの器に、鯛の白子、赤足エビ艶煮、こはだの海苔巻き、鯛の子、スナップえんどう、キクラゲ。巻貝に蛸の子の塩辛。ミヤコホラ貝。醤油で焚いただけの桜えびが旨くって、ご飯を誘う味。ネッチョネッチョのタコの子。

貝塚木積の筍が出てきました。今のところ隔日で黒門に入ってきているようです。穂先はてんぷら、胴のところは木の芽田楽と、木の芽醤油焼き。
蒸しワタリガニは泉州産。内子のオレンジ色がきれいだし、粘りがあります。擦りしょうが、カニ酢。蟹の下には広目。
小鍋仕立ては、白甘鯛のしゃぶしゃぶ。最初に頭とカマが入って、グツグツ状態で折敷の上。匣に白アマダイの身と、椎茸、豆腐、春菊、白髪ねぎ。美味しくても、そろそろアマダイも食傷気味であります。

いつものようにご飯を聞かれるので、ケンケンカツオと筍を炊き込んでもらいます。今の時期ならカツオの脂も少ないし、筍には直煮という料理もあるしカツオに合うだろうという素人見込み。カツオ飯といえば、生を使ってまぶすタイプもあるけど、そんな誰でも出来るようなのは、パスです。止め椀は、シャブシャブの残った鍋出汁を調節してくれます。香の物。カツオと筍の炊き込み、止め椀、香の物。
今日も和菓子3種。桜餅に、上南粉というのを使った上南羹と錦玉羹とを合わせた労作。それに酒饅頭。


平成27(西暦2015)年3月26日
夜は「日本橋・藤久」(3.76/90)へ向かいます。今日は座敷は空いているようです。先客2グループ。
4月から一人、九州から若い子が来るかもしれないというけど、まだ不確かなようです。覚悟が要りますからねぇ。

  • 先付に、桜の葉を巻いた鯛の昆布締め、花びら生姜、紅ショウガ、菜の花
  • お椀は、焼き甘鯛、筍、広目、タケノコ、土筆、木の芽   
  • お造りには、貝尽くしで、トリガイ、ツブガイ、タイラギ、ミルガイ、ホッキガイ、アカガイ
  • 桜の八寸には、ホタルイカの沖漬けに長芋素麺。短冊には、サワラの子巻、ヒメチの昆布巻き、厚焼き、一寸豆、バイガイ、イイダコ。ぼんぼりには松前漬け。
  • 琵琶湖の稚鮎の塩焼き
  • 炊き合わせが、豚、長芋、若牛蒡
  • フグのから揚げ、長いアスパラガス、白子和え
  • 桜えびとタケノコご飯、止め椀(ウルイ)、香の物
  • 和菓子3種

今宵のお酒は、「日高見・芳醇辛口純米吟醸・生・弥助・精米歩合50%」です。
封切り直後は生らしいとがった酸味を感じたけど、すぐに落ち着いてきました。

先付に、桜の葉を巻いた鯛の昆布締め、花びら生姜、紅ショウガ、菜の花。塩漬けの桜の葉っぱの塩味と昆布の旨味で、作りこみ過ぎのきらいはありますが、旨い。加減酢。紅ショウガを薄くスライスして、ピンク色のあしらい。

お椀は、焼き甘鯛、筍、広目、タケノコ、土筆、木の芽。ここでは白アマダイ。タケノコは徳島。王道の吸い地。
お造りには、貝尽くしで、トリガイ、ツブガイ、タイラギ、ミルガイ、ホッキガイ、アカガイ。鳥貝はまだ早いなぁという印象。
桜の八寸には、ホタルイカの沖漬けに長芋素麺。自家製だろうと思うけど、醤油が強い味。長芋素麺でも味は和らがない具合。短歌の短冊には、サワラの子巻、ヒメチの昆布巻き、厚焼き、一寸豆、バイガイ、イイダコ。ぼんぼりには松前漬け。

水槽の中にビチャビチャ泳いでいるのがいたのだけど、琵琶湖の稚鮎でした。こんな小さい鮎を焼いても旨みがないなぁ。と一言。上品な目刺しみたい。天ぷらの方が旨いように思います。
炊き合わせが、豚、長芋、若牛蒡。豚さんと一緒に焚いた若牛蒡だそうです。程よく脂のぬけた豚がいい味。
フグのから揚げが出てきます。ふぐの白子を和え衣にしてあります。香川産の長いアスパラガス。60センチぐらいあるようです。白子を食べつくすことができずお皿に残るのは勿体ない気分。
ご飯は桜えびとタケノコご飯にしてもらいます。できれば、色合いとして一寸豆も欲しかったんですけど・・。止め椀(ウルイ)、香の物

和菓子3種。間違ってかいてもいけないので、詳細は書かないでおこう。


平成27(西暦2015)年2月22日
夜は予約が取れないこともあって、手っ取り早く「日本橋・藤久」(3.88/90)で晩御飯。今日は男手がなく、女性は郁ちゃん他3名とバランスの悪い構成です。それでも、二階の座敷は一杯。

  • クルマエビ、ホワイトアスパラガス、ブロッコリーの黄身酢和え
  • お椀は、ももがに真蒸、若芽、菜の花、木の芽   
  • お造りには、鯛、ぶり、かつお、サヨリ、あおり、梅皿に虎魚(+肝・皮・胃袋)、軽く炙ったキス、いしなぎ、山葵、醤油、ポン酢醤油
  • 牛の香合にホタテ・アボガド焼き・トマト、俵の香合にオコゼの子の焚いたん・木の芽、大葉百合根にます子、鯖の子巻き、カラスミ、ヨモギ麩
  • 白魚・フキノトウ・行者ニンニク・タラの芽、こごみの天ぷら
  • 酢の物は、ミルガイ・新モズク・うるい
  • いしなぎの頭の酒蒸し、白髪ねぎ・三つ葉、チリ酢
  • ももがにご飯、止め椀(豆腐・ネギ)、香の物
  • 和菓子3種(さくらももいちご大福、椿餅、コナシのひちきり三種

今宵のお酒は、「松の司・2014(H26BY) 純米吟醸・龍王山田錦・・竜王町産山田錦精米歩合50%・自社保存株酵母」です。
新酒らしい酸味は消えて円やかになりました。フワッとした甘みを感じるようになって味も膨らみました。余韻はさらりと消える繊細さは残っております。

レア感を残したクルマエビ、讃岐のホワイトアスパラガス、ブロッコリーの黄身酢和え。酢の香りの優しい味噌。
お椀は、ももがに真蒸。今月いっぱい獲れるそうです、メニューには「松葉」の載っております。若芽、菜の花、木の芽。今年は木の芽が全国的に高騰というか、品薄だそうです。
お造りには、鯛、ぶり、かつお、サヨリ、あおり、梅皿に虎魚(+肝・皮・胃袋)、軽く炙ったキス、いしなぎ、山葵、醤油、ポン酢醤油。今日のスペシャルは「いしなぎ」という魚。たまたま和歌山の定置網にかかったそうで、ここで扱うのも初めてとか。半分仕入れてはります。9.5キロ脂の乗った魚体のようですが、お造りでは、比較的あっさり。鯛や、サヨリの方が脂の乗りを感じるくらい。でも美味しい。スズキ目イシナギ科。

今日はちゃんと八寸。でも、事前に用意してあったようです。牛の香合にホタテ・アボガド焼き・トマト。俵の香合にオコゼの子の焚いたん・木の芽。大葉百合根にます子、鯖の子巻き、カラスミ、ヨモギ麩。ちゃんと、お昼のお弁当とは重ならない。
油物で、白魚・フキノトウ・行者ニンニク・タラの芽・こごみの天ぷら。しっかり苦いフキノトウ。藤久農園かな?
酢の物は、ミルガイ・新モズク・うるい。
スペシャルのイワナギの頭の酒蒸し。事前に頭とカマとどちらがイイですかと聞かれています。両方という選択肢も当然あるんですが、唇が美味しそうだったので、頭を選択。聞かれなかったら、ここでは両方出て来ただろうな。ゼラチン質で唇その他骨の周りはトロットロのベッタベタ。白髪ねぎ・三つ葉、チリ酢。珍しいもん食いました。

散々悩んで、もうカニもシーズンには来られないだろうと、ももがにご飯。止め椀(豆腐・ネギ)、香の物。
和菓子3種はさくらももいちご大福、椿餅、コナシのひちきり三種。よもぎ、小豆、金柑?。薯蕷の金団乗せ。

関西ローカルの深夜番組「今ちゃんの『実は…』」のコーナー企画でミサイルマンが「京都宮津に今や幻と言われる絶品の巨大魚がいた!」(2012年9月12日放送分)で、幻の巨大魚・イシナギ釣りに挑戦していたようです。


平成27(西暦2015)年2月22日
藤久で頼んでおいた、歌舞伎幕間の松花堂弁当は


平成27(西暦2015)年2月19日
晩御飯に予約した「日本橋・藤久」(3.88/88)へ向かいます。手が足りなくてもカウンターも一杯。マダムもそうそうに、駆け付けてはります。

  • 梅飾りの先付八寸に、梅の香合には赤貝のテッパイ、角には海鼠腸、梅鉢にイカの焼いたん・一寸豆・クルマエビ、熨斗梅に百合根・ブロッコリー・煮アワビ
  • お椀は、鯛の潮、菜の花   
  • お造りには、鯛、よこわ、めばる(+皮)、サヨリ、あおり、葉皿に虎魚(+肝・皮・胃袋)、山葵、醤油、ポン酢醤油
  • クエのバター醤油焼き(+肝、目の玉、胃袋)、皮せんべい、椎茸、ししとう、下仁田、レモン、煮凝り・実山椒
  • ももがにの酢の物、うるい
  • 山形牛の(カメ)タタキ、甘辛たれ、人参(人参菜)、辛子
  • 氷魚ご飯・人参・蕗、止め椀(しじみ)、香の物
  • 和菓子3種(あまおう大福、鶯餅(漉し餡)、金柑饅頭

今宵のお酒は、「松の司・2014(H26BY) 純米吟醸・竜王山田錦・・竜王町産山田錦精米歩合50%・自社保存株酵母」です。
新酒らしい酸味のあるキリッとしまった味が、徐々に解きほぐされるように柔らかになっていきます。まだまだ香りは開いていないし、味も繊細。

蕾の枝で飾られた先付八寸。手が足りないから、作り置きです。、梅の香合には赤貝のテッパイで、分葱・つくし。梅鉢に盛られたのがイカの焼いたん・一寸豆・クルマエビ。カステラ玉子のような形ですがイカだそうだ。ちょっと煮すぎたような一寸豆。丸の小鉢に、熨斗梅に百合根・ブロッコリー・煮アワビ。角の小鉢には海鼠腸。三大珍味の一つと言われるけど、一番酒と響き合うのは、海鼠腸だなぁ。

お椀は、鯛の潮。菜の花。目・唇・カマと一通り入った、旨みが徐々に溢れる吸い地。
お造りには、鯛、よこわ、めばる(+皮)、サヨリ、あおり、葉皿に虎魚(+肝・皮・胃袋)、山葵、醤油、ポン酢醤油。お椀でも出て来た鯛が旨い。虎魚もいい味。

小さいとはいえ19キロのクエのバター醤油焼き。切り抜かれたトロトロの目の玉、肝、コリコリの胃袋。サクサクの皮せんべい。椎茸、ししとう、下仁田、レモン、別皿に頭の周辺の皮などの煮凝り。実山椒が散って、いい香り。クエの身が霞むのでした。
酢の物が「ももがに」、うるい。「ももがに」はまだ獲っていいのかな?
いつもは鍋が出てくる(お隣さんは白魚と湯葉の鍋だった)のだけど、牛肉のタタキ。甘辛たれを絡めてあります。藤久農園の甘い人参と揚げた人参菜。今の時期甘いフルーツのような人参が出回っておりまして、岸和田でも「彩誉」というのがブランドとして頑張っております。辛子。

ご飯を聞かれたので、あれやこれや食材を聞きまくって、氷魚が入っているというのでご飯にしてもらいます。言わなくても、お隣さんも氷魚だった。人参・蕗が混じったご飯。止め椀はしじみ、香の物。お隣さんは、貝塚から月一回来るお客さんのようで、会ったようなそうでないような。でも氷魚というのは分からなかったようで、海が近いと淡水の魚には疎いようです。

和菓子3種(あまおう大福、鶯餅(漉し餡)、金柑饅頭。


平成27(西暦2015)年1月25日
文楽観劇で、日本橋藤久の松花堂弁当。お昼。お席で食べます。


平成27(西暦2015)年1月22日
夜は「日本橋・藤久」(3.89/88)へ向かいます。カウンターはおひとり様のみが残っておられる。

  • 百人一首の読み札に、イイダコ、蒸し海老、アワビ、白魚、ちしゃとう、イカのすり身の海苔巻。梅煮イクラの醤油漬け、鈴に水菜と軍鶏の辛子和え
  • お椀は、唐墨餅と蕪卵白寄せ、薄大根、鶯菜、結び橙   
  • お造りには、ブリ、サヨリ、ひっさげ、あおり、アワビ(肝)、ウニ、オコゼ(肝、胃袋、皮)、メバル(皮)、山葵、醤油、ポン酢醤油
  • ノドグロの塩焼き、酢カブラ、ちょろぎ、橙
  • 赤貝、ウルイ、トマトの酢の物
  • フグの白子鍋、身、遠江、さめかわ、春菊
  • しじみご飯、止め椀(玉)、香の物
  • 和菓子3種(椿餅、黒豆のなんちゃら、ハッタイコを使ったなんちゃら)

今宵のお酒は、「田酒・純米大吟醸・百四拾・精米歩合40%」です。
味がブワッと開花した印象で、旨みがたっぷり。後に残るいやらしさはない。

阿倍仲麿の読み札に、イイダコ、蒸し海老、アワビ、白魚、ちしゃとう、イカのすり身の海苔巻。春めいてきた感じ。梅煮イクラの醤油漬け、鈴に水菜と軍鶏の辛子和え。

扇の描かれたお椀は、唐墨餅と蕪卵白寄せ、薄大根、鶯菜、結び橙。吸口の橙よりカラスミの香りが強いお椀。ほとんど卵白の味しかしないカブラでした。フワフワ。
お造りには、ブリ、サヨリ、ひっさげ、あおり、アワビ(肝)、ウニ、オコゼ(肝、胃袋、皮)、メバル(皮)、山葵、醤油、ポン酢醤油。旨さから言えば虎魚一番。新鮮ぷりぷりの肝付き。

焼き物はノドグロの塩焼き。お上品なポーション。らしくないぞ。酢カブラ、ちょろぎ、橙。橙は藤久農園ではないそうだ。植えてそうだけど・・・。
酢の物が赤貝、ウルイ、トマト。春めくとでてくるウルイ。
スペシャルメニューはフグの白子鍋。今年は白子そのものがないのは残念だけど、身、遠江、さめかわ、春菊。身より美味しいニュルニュルの遠江だ。

いろいろ注文つけた結果、しじみご飯。止め椀(玉)、香の物。
和菓子3種(椿餅、黒豆のなんちゃら、ハッタイコを使ったなんちゃら)。


平成27(西暦2015)年1月18日
歌舞伎の幕間のお弁当は、チラシ寿司。
一合折というサイズらしい。流石にグリーンピースだけではなかった。細かい錦糸ぎっしりの上には蟹。季節感あるある。タコ、あなご、牡蠣、鯛、さより、まぐろ、えび、あと一切れ思い出せない。野菜は、れんこん、椎茸、ブロッコリー。魚介の下には、刻んだ海苔が敷かれて酢飯。決して甘くない酢飯。酢取りの花びら生姜に、木の芽。


平成27(西暦2015)年1月16日
夜は「日本橋・藤久」(3.89/88)へ向かいます。カウンターは他に一組。金曜日の常連さんは、関東へ出張のようです。

  • 先付の、帆掛け船には、舌平目・岩茸・芽甘草、香合には白キクラゲのべっ甲煮・クコ、銀杏湯葉巻き・モスの巻繊湯葉巻き・黒豆松葉・数の子
  • 打出の小槌の椀は、焼き餅、八頭白味噌仕立ての花びら餅見立ての雑煮椀、薄大根、鶯菜、結び橙   
  • お造りには、ブリ、カツオ、鯛、サヨリ、ひっさげ、もさエビ、あおり、鶴皿にヒラメ(肝・胃袋)、山葵、醤油、ポン酢醤油
  • トラフグのフライ、煮凝り、紅白の酢大根
  • 椎茸・大根・トマト・ブロッコリーの橙餡かけ
  • 白アマダイの酒蒸し、白ネギ、三つ葉
  • 鴨ご飯、止め椀(しじみ)、香の物
  • 和菓子3種(羽二重柚子白餡鋳込みの一休寺納豆埋め、花びら餅、橙羊羹のきんとん・求肥)

今宵のお酒は、「田酒・純米大吟醸・百四拾・精米歩合40%」です。
香は穏やかですが、旨みはたっぷり。味が乗るお米だったかな?

蕾の梅の枝で飾った先付の、帆掛け船には、舌平目・岩茸・芽甘草が旨出汁。ネットリと熟した白身。でかい岩茸。香合には白キクラゲのべっ甲煮・クコ。甘めの味付け。銀杏湯葉巻き・モスの巻繊湯葉巻き・黒豆松葉・数の子。

打出の小槌の椀は、八頭白味噌仕立ての花びら餅見立てに焼き餅を乗せて、薄大根、鶯菜、結び橙の雑煮椀。八頭はすりつぶして団子状で、人参・牛蒡・大根を挟み込んであります。白味噌の甘味が八頭を旨くしております。薄くスライスした大根は、氷を表現しているんだっけ?
お造りには、短冊の皿にブリ、カツオ、鯛、サヨリ、ひっさげ、もさエビ、あおり、別皿の鶴皿にヒラメ(肝・胃袋)、山葵、醤油、ポン酢醤油。
トラフグのフライ、煮凝り、紅白の酢大根。食べにくいけど旨い唇。

野菜の炊き合わせに、焼き椎茸・大根・トマト・ブロッコリーに、刻んだ橙の餡かけ。香りがいい餡。大きい椎茸は素焼きだけど、これもいい香り。
白アマダイの酒蒸し、白ネギ、三つ葉 久しぶりの酒蒸し。三つ葉の香りが、妙に高く、パクチー感覚でした。
ご飯を聞かれたので、今日も鴨ご飯を注文。止め椀はしじみ、香の物。実山椒たっぷりのピリピリ感がとても食欲を高めてくれます。肝も入れてくれたようです。
和菓子は3種を選びますが、見せてくれるものから選ぶのですが、断腸の思い。羽二重柚子白餡鋳込みの一休寺納豆埋め、花びら餅、橙羊羹のきんとん・求肥。


平成26(西暦2014)年12月24日
今夜も「日本橋・藤久」(3.89/88)へ向かいます。満席。今日は早くからマダムも応援ですし、バイトちゃんが2名。

  • 先付には、ブリと丸大根の粕汁風
  • 椿の椀は、ツキノワグマと岩津葱   
  • お造りには、ひっさげ、虎魚(肝・笛)、ひらめ、さより、ふぐ(テッピ・唇)、赤貝、あおりいか・ウニ、山葵、醤油、ポン酢醤油
  • ナマコと海鼠腸、羽二重柚子に百合根餡鋳込み、サーモン紅玉巻き、アンコウの肝、味噌を挟んだどんぐり餅、イカ蒲鉾、蛸の旨味、くわい、、カニの醤油漬け・内子
  • 坂越産牡蠣の昆布焼き、椎茸、トロロ昆布
  • クルマエビの素揚げ、エビイモから揚げ、ししとう
  • カブラ蒸し、白アマダイ、百合根、山葵
  • 猪ご飯、止め椀、香の物
  • 和菓子3種(柚子薯蕷饅頭、薯蕷金団・小豆餡、求肥・小豆餡)

今宵のお酒は、「松の司・2012(24BY)・純米吟醸しずく・滋賀県竜王町山田錦精米歩合50%(環境こだわり農産物認証)・栽培期間中除草剤無使用栽培・自社保存株酵母・271本/1800ml換算 13.11」です。
先週に比べて、味の変化はなく、落ち着いたままでバランスも崩れてないように思います。程よい香りに、バランスの取れた味わい。はかなげな余韻。今日はイマイチ合わないという料理がなく、最後まで飽きずに美味しい。

先付には、ブリと丸大根の粕汁風。お上品な酒粕の香り。魚臭さも全くない。

椿の椀は、チリチリになったツキノワグマと岩津葱。熊と言っても吸い地は、カツオと昆布。脂のある素材を使うと、温まる感じがします。
お造りには、ひっさげ、虎魚(肝・笛)、ひらめ、さより、ふぐ(テッピ・唇)、赤貝、あおりいか・ウニ、山葵、醤油、ポン酢醤油。ぷりぷりの虎魚の肝。白身はすべて旨いし、ひっさげの脂もいい香りだ。
八寸でしょう。厚めのナマコに海鼠腸。羽二重柚子に百合根餡鋳込み、サーモン紅玉巻き、アンコウの肝。オリジナルな酒肴がいろいろ出てくるお店ですが味噌を挟んだどんぐり餅は初めて。イカ蒲鉾、蛸の旨味、季節感のある慈姑。カニの醤油漬けに内子。

コンロに昆布が乗って、その中に坂越産牡蠣と椎茸。トッピングがトロロ昆布。椎茸から出る旨味と昆布の味の絡まる牡蠣。
クルマエビの素揚げ、エビイモから揚げというエビエビの一皿。ししとう。
冬らしいカブラ蒸しには、白アマダイと百合根だけのシンプルな蒸し物。山葵。
昨年無理言って作ってもらった猪ご飯を一年ぶりに注文。焼くだけというイノシシですが、なかなか旨いご飯です。実山椒いっぱい。止め椀にはウドかな?香の物
和菓子3種(柚子薯蕷饅頭、薯蕷金団・小豆餡、求肥・小豆餡)。


平成26(西暦2014)年12月19日
晩御飯は。馴染みの「日本橋・藤久」(3.89/88)へ向かいます。先客は良く見かけるお客さん一人だったけど、満席。二階の座敷も一杯のようです。

  • 先付には、アナゴ豆腐に海苔餡かけ、山葵
  • 椿の椀は、蟹真蒸、大黒占地、軸菜、金時人参、柚子   
  • お造りには、炙ったひっさげ、ぶり、たい、さより、ウニ。赤貝、あおりいか、山葵、醤油
  • ブリの塩焼き、銀杏松葉、青大根おろし、酢取りカリフラワー、酢橘
  • 炊き合わせに、かぶら、蓮根、小芋、金時人参、柚子
  • 柴山の蟹、カニ酢
  • 珍味に、瓜坊。苫屋には煮物、片口にハム(後ろ足)、壺壺に脳みその焚いたん
  • 鴨ご飯、止め椀(水菜)、香の物
  • 和菓子3種(八海山の酒饅頭、雪平生地にリンゴ・クルミ入り白餡、蕎麦薯蕷に栗蜜煮いり粒餡

今宵のお酒は、「松の司・2012(24BY)・純米吟醸しずく・滋賀県竜王町山田錦精米歩合50%(環境こだわり農産物認証)・栽培期間中除草剤無使用栽培・自社保存株酵母・271本/1800ml換算 13.11」です。
香は落ち着いて、ほのかな甘みを感じる柔らかい味わい。松の司のシャープな切れ味も丸くなった感じ。

年末の高額日本酒が4合瓶のボトル売りでオンリスト。普段の日本酒には値段が書いてないけど、高額商品には記載されている。たとえば磯自慢35%中取りが¥30000、磯自慢アダージョが¥40000、仁左衛門が¥25000、石田屋が¥22000。昨晩、家で呑んでる〆張鶴の金ラベルが¥8000。松の司のBLACK AZOLLAが¥10000。ちょっと首をひねるところはあるけど、希少性も加味されてるかな?

瓔珞文の蓋椀の先付には、アナゴ豆腐に海苔餡かけ。真っ黒の餡に緑の山葵。器の底には穴子の切り身。穴子に海苔が合うもんですな。

椿の椀は、蟹真蒸、大黒占地。すっきり吸い地。軸菜、金時人参、柚子。
お造りには、炙ったひっさげ、ぶり、たい、さより、ウニ。赤貝、あおりいか。なんだかイカが酒に合わない。ここ数日の暴風雪で市場に全く魚がなかったそうである。それでもこれだけ用意してあるのだから、素晴らしい。特に鯛はいい熟れ方。ひっさげは炙ってありますが、炙るなら炙りたてがいいのになぁと、聞こえるように独り言。
焼き物はブリの塩焼き。銀杏松葉、青大根おろし、酢取りカリフラワー、酢橘。

炊き合わせに、かぶら、蓮根、小芋、金時人参。柚子。
屋 カニの甲羅に柴山の蟹(カニ足とミソ)。ニュースでは1週間ほど漁に出ていないような丹後の状況のようですが、廻ってくるようです。ただ先週初めに比べると2倍に上がっているそうです。カニ酢。
八寸めいた珍味に、瓜坊。鳥取から一頭分がやってきたそうです。一番美味しそうな内臓は、知り合いに食われちゃったようです。苫屋の中には前足(?)煮物。甘辛く煮てあります。練辛子乗せ。片口にはハム(後ろ足)といってました。実山椒入り。壺壺に脳みその焚いたん。

ご飯は「季節に一度は食べておきたい」鴨ご飯です。止め椀(水菜)、香の物。
和菓子3種(八海山の酒饅頭、雪平生地にリンゴ・クルミ入り白餡、蕎麦薯蕷に栗蜜煮いり粒餡。

年末になると高額な希少なお酒のボトルがカウンターでも注文が入るんですが、ちょっとは店の主人にも振る舞うのが粋だと思うんですけどねぇ。この辺、大阪人らしいなぁと思うのでした。


平成26(西暦2014)年11月22日
文楽の幕見25分の休憩で、藤久の松花堂弁当。


平成26(西暦2014)年11月18日
夜の食事は「日本橋・藤久」(3.90/87)です。
座敷一組。カウンター独占。

  • 先付には、黄身と大根をお揚げさんで巻いて水仙に見立てた一品とブロッコリー
  • もう一品、福井産ツキノワグマの煮たん、ホウレンソウ、小芋、クコ、辛子   
  • もう一品、クルマエビにトンブリとろろ和え
  • お椀は、フグの白子、焼きフグをほぐした葛団子、青菜、人参紅葉、柚子   
  • お造りには、ひっさげ、かつお、ひらめ(炙った縁側)、たいらぎ、マツブ貝、赤貝、さより、あおり、牡蠣、醤油、ポンス醤油
  • 新潟産天然青首の炭火焼、もも、むね、ささみ、ハツ、ズリ、肝、下仁田
  • 焼き松葉ガニ、カニみそ
  • アナグマ味噌鍋
  • ももカニご飯、止め椀、香の物
  • 和菓子3種

お酒は先週に引き続き、「松の司・2012 CLASSIC・大吟醸・東条山田錦秋津特上米精米歩合35%(特A地区)・自社保存株酵母・限定416本(1.5L換算) .13.06」です。

盛りだくさんの八寸は、止めたのか、代わりに先付三品。水仙の乾山写しに、黄身に大根おろしで包んでお揚げさんで巻いて水仙に見立てた一品とブロッコリー。器の中にも水仙の花を活けたという趣向のようです。気付かずにパクパク食ってから、撮り忘れに気付きました。
二品目は、ツキノワグマの煮たの。辛子添え。赤身の部分のようでさっくり、あっさり。ホウレンソウ、小芋。煙モクモクになりますが、炭火焼でも出しているそうです。普通には鍋やろね。
三品目は、割山椒に、とんぶりと山芋とろろで和えたクルマエビ。

お椀は、フグ。レンコン饅頭みたいなグニュッとした椀種が、焼きフグをほぐして葛で固めた団子。それにフグの焼き白子。ほのかな塩分が吸い地に甘みを広げているようです。青菜、人参紅葉、柚子。今シーズン初めてのふぐ白子ですが、まだまだ小さいのばかりだそうで、大きいにはほとんどないようです。
お造りには、ひっさげ、かつお、ひらめ(炙った縁側)、たいらぎ、マツブ貝、赤貝、さより、あおり、牡蠣。

解禁になってやってきました新潟産天然青首。綺麗なつやつやの青首。光の当たり方で青から緑へと微妙な変化を見せます。羽根も綺麗。炭火の上に並んで焼かれて出てきました。煙対策でしょうか?もも、むね、ささみ、ハツ、ズリ、肝に下仁田ネギ。
コンロはそのままに柴山の松葉ガニも、網に乗せて出てきます。カニみそも一緒。カニ足はプクッと膨らんだあたりでいいかな。
まだまだ残っているようでアナグマは味噌鍋。実はkotikazeでもアナグマ味噌鍋定食みたいなんがあって、結構人気のようです。味はあっさり目の味噌味ですが、アナグマにそれほどの癖はなく、脂身がほとんどですから、どんどん旨くなってきます。水菜、白髪ねぎ。

今日はご飯の希望を聞かれなかったんですが、でてきたのは「ももガニ」のご飯。止め椀は溶き卵。香の物。
和菓子3種を選ぶのですが、だいたい写真の様に、プレゼンされます。レストランでデザートを選ぶ要領です。選んだのは「ぽろたん」という大きな栗。山包と呼んでるごま風味の餡・牛皮を撒いてコナシの細工物。紅葉色のコナシで巻いた餡。(たぶん)。

テキパキと料理が出て来て、二時間余りで、食べてしまいました。昔に比べたら、随分と早くなった。ももかにご飯を詰めてもらって、帰路に着く。


平成26(西暦2014)年11月11日
幕見が終われば。馴染みの「日本橋・藤久」(3.90/87)へ向かいます。先客一組のカウンターは、すぐに帰られて独占。

  • 先付八寸には、茶碗に牡蠣の海苔巻・ブロッコリー、壺壺にアンキモととんぶり、葉皿に百合根カラスミ・蒸し海老・蛸の子・蒸しアワビ。黄身の味噌漬け
  • 雲錦筏の椀は、松茸、揚げたレンコン餅、雲子、人参紅葉、軸菜、柚子   
  • お造りには、柴山の松葉蟹刺し、よこわ、おこぜ(皮・肝)、アマテカレイ、あおりいか、醤油、ポンス醤油
  • くえのカマの塩焼き、チリ酢
  • 蒸したセコガニ
  • 焼き物は、鳥取産のアナグマ(バラ、ロース、むね、背、ハツ、豆)、下仁田、椎茸、なす、おろしポン酢
  • 松葉カニご飯、止め椀、香の物
  • 和菓子3種(小豆入り浮島、リンゴ蜜煮の大福、干し柿の柿羊羹鋳込み)とムベの実

今宵のお酒は、「松の司・2012 CLASSIC・大吟醸・東条山田錦秋津特上米精米歩合35%(特A地区)・自社保存株酵母・限定416本(1.5L換算) .13.06」です。
柔らかな味わいで、美味。

先付八寸には、茶碗に牡蠣の海苔巻・ブロッコリー、壺壺にアンキモととんぶり、葉皿に百合根カラスミ・蒸し海老・蛸の子・蒸しアワビ。黄身の味噌漬け。特にオリジナルな妙なのはありません。といいますか、このところ一人で仕込んでいるせいか、前菜と八寸をまとめて手を抜いたかな?という印象です。

雲錦筏の椀は、松茸、揚げたレンコン餅、雲子、人参紅葉、軸菜、柚子。誰が揚げたか知らないけれど、真っ黒のレンコン餅。焦げ臭くはないけど色合いは良くない。鰹出汁の旨味に油たっぷりの唸ってしまう濃厚な吸い地。このところまだ松茸が出ているそうで、今日のは和歌山産らしい。近畿の各地で採れているようです。
お造りには、柴山の松葉蟹刺し、よこわ、おこぜ(皮・肝)、アマテカレイ、あおりいか、醤油、ポンス醤油。急に今日から値段が下がったという松葉カニです。今日のところは蟹刺し。虎魚やカレイの白身魚がいい味。
和歌山で揚がった36キロのくえのカマの塩焼き。いつもならカマ一本出てきそうだけど、今日は上品な量に抑えてあります。クエのクエはありませんでしたぁ。チリ酢。

蒸した柴山のセコガニ。カニ酢に生姜。
焼き物は、煙たいのがイイか、煙たくないのがイイかと、わけのわからん聞き方をされますが、鳥取産のアナグマを焼かさせるようです。で、他のお客さんもいないカウンターですから、煙モクモクの脂身を食べましょう。聞き忘れたけど、たぶんバラ、ロース、むね、背、ハツ、豆。下仁田、椎茸、なす。油断すると脂が滴り燃え上がるコンロで、スモークされちゃいます。久しぶりのアナグマですが、堪能できました。二つしかない腎臓がうっすらと脂を纏って臭みもなくフニャァとしたフォアグラ風食感。内臓旨い。毛を剥いて送ってくれたそうです。この猟師さんでも年間数匹しかかからないという貴重なジビエ。おろしポン酢が続くけどしょうがないな。
ご飯は松葉カニご飯。セコガニでと言うたつもりなんだけど、釜の中は真っ白で蟹の足。
和菓子3種を選ぶ。(小豆入り浮島、リンゴ蜜煮の大福、干し柿の柿羊羹鋳込み)と、カウンターに飾ってあったムベの実。

お客さんが少ないこともあって、早く食べ終わった。


平成26(西暦2014)年10月17日
晩御飯の予約時間には雨も上がってラッキー。てくてく裏難波の「日本橋・藤久」(4.01/86)へ向かいます。まだ、カウンターはガラガラ。二階の座敷は満席のようで、一人で仕込みは大変だなぁ。

  • 先付三種は、牡蠣豆腐に菊花餡・菊菜、数の子の山葵和え、鮭・イクラ・氷頭のおろし和え
  • お椀は、藻屑カニのミソと下仁田ネギ、三つ葉   
  • お造りには、秋田産まぐろ、鯛、こしお、うに、石垣鯛、あおりいか、雲子、鳥貝、さより、醤油、ポンス醤油
  • もすの塩焼き(頭とカマ)、チリ酢
  • 野菜の炊き合わせには、白子芋、蓮根、四方竹、ほうれん草、糸柚子
  • 八寸には、笊の吹き寄せに「いが栗」・松葉銀杏・茶そば松葉、柿の中にはホタテの柿と南水梨マリネ(膾)、ワタリガニの醤油漬けにカニ子、キクラゲ・枝豆・鯛の子
  • わたりカニご飯、止め椀、香の物
  • 和菓子4種(ハローウィンの二種、栗きんとん、柿に白餡鋳込み)

今宵のお酒も先週に引き続き、「田酒・純米大吟醸・百四拾精米歩合40%・13.09」です。
柔らかな味わいが増して、美味。

先付三種は、牡蠣豆腐に菊花餡・菊菜、数の子の山葵和え、鮭・イクラ・氷頭のおろし和えの三品。数の子も鮭も北海道産。
お椀は、藻屑カニのミソと下仁田ネギ、三つ葉。お椀といえば、カツオと昆布の吸い地と思いますが、変化球も甚だしいお味です。有無を言わせない旨みがたっぷり。今日(経済産業省の大臣で)話題の下仁田ネギが入っておりました。

台風の影響も消えたのか、お造りには盛りだくさん。秋田産まぐろ、鯛、こしお、うに、石垣鯛、あおりいか、雲子、鳥貝、さより。鯛はじんわり旨みが出てくるので、いいんだけどまだ熟れてなかった感じがします。珍しい石垣鯛は、コリコリしてますが旨みは出てこない。「こしお」というのは「かんぱち」の幼魚だそうです。雲子らしい香りのない新鮮な雲子が美味しい。むちゃは「食べられないものはありますか?」と聞かれて、最近は「納豆と昆虫」と答えるようにしているのですが、十分気持ち悪い外観をしているし、幼虫ぽい色合い。
お刺身をゆっくり食べていると、途中で焼きあがってきたのが、今晩も「もす」。お造りに入っていないのは「活かって」しまったそうなのだ。まぁ、それはそれでどうでもいいけど、インパクトのある一匹分の頭とカマ。といっても、食べるところは少ない。チリ酢。きっちり「もすのもす」がとれます。

野菜の炊き合わせには、白子芋、蓮根、四方竹、ほうれん草、糸柚子 ゴエモンの観劇弁当にも入っていた白子芋というのは、小芋の白いものでも、小芋の若いものでもなく、そういう品種だそうです。四方竹の高知のローカル野菜。ぱっと見は「すかんぽ」みたいです。
今日はここで八寸?、笊の吹き寄せに「いが栗」・松葉銀杏・茶そば松葉。渋皮煮の栗にエビのすり身とジャガイモの細切りで飾り付けて揚げてあります。渋皮煮+えびせん+ポテトチップス的味わい。柿の中にはホタテの柿と南水梨マリネ(膾)。梨の酸味がホタテを新しい味に変えております。ワタリガニの醤油漬けにカニ子は酒肴。他にキクラゲ・枝豆・鯛の子。
今日は、先日に続いて蟹、違う蟹にしようと「わたりカニご飯」。オスのようで白く炊きあがっております。いつも通り一膳で、残りは詰めてもらいます。
和菓子4種(ハローウィンの二種、栗きんとん、柿に白餡鋳込み)。髑髏の薯蕷饅頭には、クルミ・松の実・ゴマの入った小豆餡。カボチャはカボチャ。


平成26(西暦2014)年10月12日
幕間のお弁当は、「日本橋藤久」製です。初めて注文つけたのは、料理ではなく「お品書き」。暇だったら、と言いながら書いてくれました。流石に文字に残るとなると、カウンターでの説明に比べて丁寧な料理名になっているのでした。


平成26(西暦2014)年10月9日
晩御飯の予約時間には雨も上がってラッキー。てくてく裏難波の「日本橋・藤久」(4.01/86)へ向かいます。まだ、カウンターはガラガラ。二階の座敷は満席のようで、一人で仕込みは大変だなぁ。

  • 前菜は、ゴマ豆腐、ウニ、山葵、醤油。
  • 土瓶蒸しには、松茸、白アマダイ、豆腐、三つ葉、酢橘   
  • 紫の交趾と竜田川の器のお造りには。ぶり、たい、ひらあじ、太刀魚、かつお、あおりいか・ウニ、醤油、ポンス醤油
  • 芒に笛の八寸の、笛にはトビウオの子巻き・サーモンのパパイヤ巻き・煮ピーマン・利平栗の蜜煮・擬製豆腐・軍鶏のねぎ巻き焼き。琵琶の器にはサンマの有馬煮。藤久農園の茹で落花生
  • 子持ち鮎のから揚げ、骨せんべい、松葉銀杏、酢橘、塩
  • 藻屑カニの蒸しもの、カニ酢、すり生姜
  • 軍鶏とキノコの鍋(香茸・ウラベニホテイシメジ・本シメジ・なんちゃらオオセンタケ)
  • 藻屑カニご飯、鍋つゆの吸い物、香の物
  • 和菓子3種(銀寄せ栗の薯蕷饅頭、かるかんと水ようかん、一休寺納豆のカステラ)、八海山のシャーベット

今宵のお酒は、「田酒・純米大吟醸・百四拾精米歩合40%・13.09」です。
梨、リンゴ、そして後にはマスカットの香りが広がり、味わいは清楚な甘口。喉を滑り落ちた後は、甘い香りだけがわずかに余韻として残る。くどい甘さはなく、とても美味しい。

前菜は、ゴマ豆腐、ウニ、山葵、醤油。忙しいせいか、手を抜いた感のあるオーソドックスな先付。ウニに救われて美味しい。
土瓶蒸しには、松茸、白アマダイ、豆腐、三つ葉。今年は松茸が大豊作というニュースを見聞きするのだが、先週あたりから(冷え込んだせいか)ばったり出回らなくなったという国産の松茸。先月に食ベられて良かったのですが、出回っていないけどちゃんと出してくれてます。もうハモではなくアマダイ。しっかり出た出汁の旨味に負けないようなアマダイの旨味でした。ゴマ豆腐も出たし、豆腐は要らないな。

紫の交趾と竜田川の器のお造りには。ぶり、たい、ひらあじ、太刀魚、かつお、あおりいか・ウニ、醤油、ポンス醤油。ほとんど脂の乗った腹身を並べてくれました。ブリは北海道で獲れているようです。
芒に笛の八寸の、笛にはトビウオの子巻き・サーモンのパパイヤ巻き・煮ピーマン・利平栗の蜜煮・擬製豆腐・軍鶏のねぎ巻き焼き。琵琶の器にはサンマの有馬煮。藤久農園の茹で落花生。咲実はお店を休業にして、藤久農園で落花生を収穫してきたそうで、今晩初めてそれを出してくれます。仕込みができていないということもあって、茹でたてですが、流石に日本料理屋の仕事で、茹で上げた後に殻を割って、薄皮まで向いてくれてあります。不思議にシャキシャキ感のある甘い豆。生姜で焚いても脂たっぷりのサンマが旨い。
子持ち鮎のから揚げ、骨せんべい、松葉銀杏、酢橘、塩。人出が少ないと勘ぐってしまうんですが、焼くより揚げる方が楽?

藻屑カニの蒸しもの、カニ酢、すり生姜。振り返れば6月にも出た料理です。いつもながら綺麗に身をして盛り付けてくれてあります。6月はご飯にできなかったので、今日はしっかり炊き込んでもらいましょう。「季節に一度は食べたい炊き込みご飯」の一つですから。
軍鶏とキノコの鍋が出てきました。松茸だけでなくそのほかのキノコもめっきり減ったそうですが、鍋の中には、香茸・ウラベニホテイシメジ・本シメジ・なんちゃらオオセンタケだそうです。中には(たぶんセンタケ)は苦みのあるキノコもある。「ベニ」とつくと大丈夫と思ってしまう素人でした。鍋に残った出汁は、ご飯の止め椀になって出してくれます。
注文した藻屑カニご飯は、うっすら黄色に色好き、内子の赤も散らばって綺麗なご飯。カニのご飯の中では一番味が濃厚だと思います。いまさら言うまでもなく「上海カニ」の仲間。
和菓子3種を選びます。今年初めて入荷したという銀寄せ栗の薯蕷饅頭。かるかんと水ようかん。塩味の効いた一休寺納豆のカステラは酒の肴にもなりそうだ。
八海山のシャーベットがおまけ。素性は麹で作った甘酒のようです。料理に合いそうでないという理由からか、デザートになっているようです。


平成26(西暦2014)年9月9日
時間が来れば、いつもの「日本橋・藤久」(3.87/86)で晩御飯です。
すでに郁ちゃんが、キッチンに居ります。KOTIKAZEを早仕舞いして、駆け付けているようです。

  • オクラ羹にウニ、茗荷
  • 椀物には、鱧入り玉子豆腐、松茸、ミズの実、糸柚子   
  • 三日月の向に盛られたお造りは。ひっさげ、太刀魚、あこう、さんま、あわび、さより、ひああじ、醤油
  • 月見の八寸には、百合根饅頭四種(エイヒレ・完熟ニガウリの種・エビの子の塩辛・カラスミ)、緑なすの焚いたん、蛸の子、太刀魚の腹身のアスパラ巻きの付け焼き、ズッキーニ、煮栗
  • 焼き物が、松茸とノドグロ、ポンス醤油、酢橘
  • 豆乳とイチジクの豆腐、田楽味噌、しょうが
  • クルマエビの揚げ物・ジャガイモ、揚げ銀餡、オロシポンス醤油
  • ワタリガニごはん、止め椀、香の物
  • 和菓子3種(錦玉羹、黄身時雨、着せ綿)

先週に続いて今宵のお酒も「松の司・2013(H25BY)・純米吟醸・生・竜王町産山田錦(環境こだわり農産物認証)精米歩合50%・自社保存株酵母・」です。生らしい華やかな香りと味を感じますが、幾分円やかに変化しているようです。

先付はオクラ羹にウニ。茗荷。ちょっと草っぽいオクラ。ウニが乗っててよかった。

日月椀には、鱧入り玉子豆腐、松茸で、青味がミズの実、吸い口が糸柚子。この時期、定番の満月の玉子豆腐ですが、今日は鱧であっさり。
三日月の向に盛られたお造りは。ひっさげ、太刀魚、あこう、さんま、あわび、さより、ひらあじ。醤油だけ。どれも美味しいけど、アコウとアワビが特にいい味。黄色の菊、花ツルムラサキ。
月見の八寸の、高坏に月見団子見立ての百合根饅頭四種。中にエイヒレ、完熟ニガウリの種、エビの子の塩辛、カラスミです。緑色したニガウリですが完熟すると中の種に当たる部分が真っ赤になって、その種の部分の赤いニュルンとしたところが甘いそうです。可食率からいえばもったいない話ですが、皮の部分は捨てちゃうんだそうだ。唐墨は、あまり出来のよくない唐墨のようです。海老の子は甘エビかな?
ウサギの皿には、緑なすの焚いたん、蛸の子の炊いたにクコ、太刀魚の腹身のアスパラ巻きの付け焼き、ズッキーニ、煮栗。カボチャみたいな芋芋した味と食感のズッキーニ。まだ新栗ではないそうです。手を抜いて瓶詰め?

焼き物が、松茸とノドグロ。脂たっぷり山陰のノドグロ。ポンス醤油と酢橘。
豆乳とイチジクの豆腐に田楽味噌。擦りしょうがの天盛。思いつきの組み合わせのようですが、悪くない。
でっかいクルマエビの揚げ物。衣にはジャガイモ。松葉には揚げ銀餡。オロシポンス醤油。

もうじき、だんじりなので、季節の食材ワタリガニでごはんを注文。止め椀、香の物。
和菓子3種は、名月に見立てた錦玉羹、黄身時雨、重陽ならではの着せ綿は、百合根金団に餡入りのこなし。今日食べられると思った月見団子は、売り切っていたようです。


平成26(西暦2014)年9月2日
晩御飯は「日本橋・藤久」(3.87/86)です。
難波千日前といっても「よしもとNGK」ちかくの「ときすし」の二号店「ときすし・はなれ」というお店がお隣にニューオープンです。昨日オープンだったようです。飲食店で賑やかな裏難波で、このあたりの大家さんはウハウハだそうです。
岡山から出て来て2年ほど頑張っていた子がいなくなっちゃっていた。盆休みで里心がついた?バイトが一人だけど、お客さんは断っていないというから、大変だ。

  • 冷やした前菜で、ワタリガニ、冬瓜、おかひじき、針生姜、旨出汁。
  • 椀物には、湯葉真蒸にウニ、鹿児島の緑竹、青菜、輪柚子
  • ハリイカとウオゼのお寿司、茗荷   
  • 氷室の向に盛られたお造りは。ひっさげ、いさき、鯛、すまかつお、雲子、醤油、ポンス醤油
  • 菊の八寸には、ちりめんじゃことししとう、ゴーヤの焚いたん、擬製豆腐・厚焼き、漬け筋子・長芋、海老の生若芽巻き・一休寺納豆入りの紫芋の団子、炙ったカラスミ
  • 焼き物が、白アマダイ、皮せんべい、酢レンコン、酢橘
  • 皮霜のハモに、赤シソの心太。タタキオクラ
  • 蒸し焼きの、松茸・クルマエビ、あわび、銀杏、割り醤油
  • サンマごはん、止め椀(しじみ)、香の物
  • 和菓子2種(柚子の葛饅頭、酢橘餡と酢橘生地の棹もの)、ミックスフルーツカキ氷

今宵のお酒は、「松の司・2013(H25BY)・純米吟醸・生・竜王町産山田錦(環境こだわり農産物認証)精米歩合50%・自社保存株酵母・」です。一口目は、生らしい味が強く感じますが、慣れればメロンや桃の思わせる抑えられた香りに、程よく旨みの広がるフルーティーな味わい

冷やした前菜で、ワタリガニ、冬瓜、おかひじき、針生姜、旨出汁。大阪湾の地のワタリガニ。足の身の下には冬瓜とほぐしたカニ。
椀物には、湯葉真蒸にウニ、鹿児島の緑竹、青菜は小さいホウレンソウのようです。吸い口は輪柚子。
珍しいことにお寿司で、ハリイカとウオゼ。ウオゼは三枚に下した片身をさらに裂いて、その中に寿司飯を詰めてあります。見かけはお稲荷さん風というか、餃子風に包んだというか・・・・。

氷室の向に盛られたお造りは。ひっさげ、いさき、鯛、すまかつお、雲子。最近魚が少ないという事で、苦労しているそうです。早くも雲子が出回っているようでポンスで生食。
菊の八寸には、ちりめんじゃことししとう、ゴーヤの焚いたん、擬製豆腐・厚焼き、漬け筋子・長芋、海老の生若芽巻き・一休寺納豆入りの紫芋の団子、炙ったカラスミ。醤油で甘辛く炊いたゴーヤがゴーヤの苦みがなく旨い珍味になってます。普通にご飯のお友にもいいんじゃないかな。筋子はほぐさずに、丸っぽ漬けにしてあります。
焼き物が、白アマダイ、皮せんべい。魚がないとは言いながら、質・量ともに十分そろえてあるようです。酢レンコン、酢橘。

皮霜のハモに、赤シソの心太。クリアな赤色の寒天を心太風に押し出したものです。味は強くない。タタキオクラ。
タジン鍋風に鍋を裏返しての蒸し焼き。松茸・クルマエビ、あわび、銀杏。蒸し焼きというより、香を閉じ込めるという意味合いの方が大きいかもしれません。大きいクルマエビ。しっとり松茸。割り醤油。
今日のご飯にはサンマを入れてもらいました。炊き上がった釜を覗けば、一匹分のようです。でも、サンマを焼いて白ごはんで食べても、いいかなという味ではあります。ご飯とサンマとをまぶすことでごはんが旨くなるのは確かです。止め椀(しじみ)、香の物。今日も一膳だけで、折詰にしてもらいます。
和菓子2種(柚子の葛饅頭、酢橘餡と酢橘生地の棹もの)。カキ氷の機械があるようで、それならばとミックスフルーツカキ氷。コチカゼ(3.59/86)では何種類か用意しているフルーツソースを組み合わせて出しているようで、7種類を盛り込んだこともあるそうです。パフェ感覚だ。スモモのキオウとメロンのソースの二色カキ氷が出てきました。カットフルーツにはスターフルーツ、マスカット、ブルーベリー、幸水。


平成26(西暦2014)年8月2日
晩御飯は「日本橋・藤久」(3.85/86)です。
カウンターには、「大阪割烹体験2014サマー」の女性ばかりの二組がおります。ディナーは7000円のコースのみですが、日ごろは料理の説明もしないくせに、ご親切に献立表まで用意しているようです。

  • 冷やした前菜で、焼き霜のハモ、松茸のべっ甲餡。甘草のつぼみ
  • ガラスに盛られた冷たい椀物には、水ナス、高槻寒天、シラサ海老、蓮芋、生姜風味   
  • 蓮根の葉っぱ二枚を使ってお造り。ひっさげ、すずき、クルマエビ、ウニ、赤貝、あおりいか、醤油、花穂紫蘇
  • 団扇の八寸のホオズキには茗荷と「しょゆの味」の和え物、揚げ銀杏、キスの南蛮のピーマン巻き、ウオゼの昆布巻き、鮎のパテ・うるか、枝豆に塩ウニ、アワビのかりんとう、糸こんにゃく
  • 焼き物が、埼玉と愛知のウズラの焼き物。埼玉のは付け焼き、愛知は塩焼き、肝、背肝、ハツ、白子
  • オクラの花に盛られた蒸し蝦蛄、タタキオクラ、赤オクラ、ジュレ
  • 岩牡蠣の鍋、藤久農園の太胡瓜、トマト、茗荷
  • ワタリガニのご飯、止め椀(しじみ)、香の物
  • 和菓子4種(蓮の実饅頭、シャインマスカット大福、抹茶入り錦玉羹、ネクタリンの浮島)

今宵は、松の司の瀬戸物こと「松の司・2009Special・BLACK AZOLLA・純米大吟醸古酒・兵庫県産東条山田錦精米歩合40%(特A地区栽培期間中除草剤無使用栽培)・自社保存株酵母・杜氏:瀬戸清三郎・限定No010/900本/720ml 」です。
ブラックアゾラといえば、今年和久傳での松の司のイベントが(35000円なので参加してませんが)思い出されます。
香は落ち着いて、渾然一体。深みと厚みを感じます。余韻は程よくキレ、まったく古酒らしくありません。

冷やした前菜。焼き霜のハモと、松茸。べっ甲餡。青味は甘草のつぼみ。冷たくても松茸の香りが口の中で蘇ってくる。
ガラスに盛られた冷たい椀物には、水ナス、高槻寒天、シラサ海老、蓮芋、生姜風味。「大阪割烹体験2014サマー」の為に、「道の駅かなん」まで仕入れに行ってるそうですが、そんな野菜です。知らなかったのは高槻が寒天の産地だったという事です。野菜じゃないけどシラサは泉佐野漁港からのようです。

蓮根の葉っぱ二枚を使ってお造りの盛り合わせ。ひっさげ、すずき、クルマエビ、ウニ、赤貝、あおりいか、醤油、花穂紫蘇。何気ない醤油だけど、とても美味しいので、初めて醸造元を聞きます。小豆島の正金醤油。再仕込み醤油の「二段仕込・匠」というのんと、濃い口醤油「桶仕込濃口・純」とをブレンドしているらしい。真似はできないな。黒門で、見たことがあるという郁ちゃんの言葉を信じて探してみようかな。

団扇の八寸のホオズキには茗荷と「しょゆのみ」の和え物。大麦・枝豆・大豆で作る醤油の諸味を徳島ではこの名前で売っているそうです。「ご飯のお伴」にもいいそうです。早くも銀杏。キスの南蛮のピーマン巻き、ウオゼの昆布巻き。鮎のパテ・うるかは日本酒に合いそうだったけど、今日一番松の司には合わなかった。枝豆に塩ウニは合わんな。アワビの「かりんとう」だそうです。アワビを刻んで揚げて絡める。糸こんにゃくを寄せたん。

元ウズラ屋のT君が、焼いてくれたウズラ二種。埼玉と愛知のん。違いは分かりませんよ。埼玉のは付け焼き、愛知のは塩焼き。それに内臓では、肝、背肝、ハツ、白子。小さいけど白子げネットリ濃厚な味。 オクラの花に盛られた蒸し蝦蛄、タタキオクラ、赤オクラ、ジュレ。太った蝦蛄はパンパンでコリコリ。オクラの花はエディブル。
岩牡蠣の鍋!イワガキを裏ごしして鍋に溶かし込んであるそうですが、これは奇をてらいすぎたなぁ。藤久農園の太胡瓜、トマト。茗荷だと思う。

これからワタリガニが高騰する季節なので、いち早くご飯。しっかり子をかかえたメスのようです。止め椀(しじみ)、香の物。一膳で残りは詰めてもらいます。
和菓子4種(蓮の実饅頭、シャインマスカット大福、抹茶入り錦玉羹、ネクタリンの浮島)。


平成26(西暦2014)年7月8日
晩御飯は「日本橋・藤久」(3.79/84)です。先客一組だけだったけど、ほぼ満席。

  • 天の川見立ての、黒ゴマ滝川豆腐、オクラ、卵黄、金箔
  • お椀には、蓮根豆腐、ウニ、白キクラゲ、隠元、柚子   
  • お造りが、よこわ、カツオ、ゴマサバ、平アジ、すずき、きす、皮霜鱧、あおりいか、醤油とポンス醤油
  • 八寸のホオズキにはサエズリ、タコの子の焚いたん、エビのナス寿司、芋タコ南京、白アマダイのパプリカ巻き、イカの唐墨鋳込み、コハダの手毬寿司・茗荷
  • 大分産の夏鹿と丸ナス、ナス皮としし唐、練りからし
  • サザエと素麺南瓜の酢の物
  • クエのしゃぶしゃぶ、豆腐、椎茸、春菊、白髪ねぎ
  • 熊本産ウナギご飯、止め椀(コハダの腸のすりもの)、香の物
  • 和菓子3種(玉川・わらびもち・蓮まんじゅう)

その後は、「田酒・純米吟醸・百四拾・華想い精米歩合50%」です。パイナップルやリンゴのような甘い香りと旨味が乗った味わい。厚みがある割には、キレもある。

先付は、天の川見立ての、黒ゴマ滝川豆腐。☆の切り口のオクラに、卵黄は月。キラキラの金箔。豆腐には豆乳が入っているそうです。
お椀には、蓮根豆腐、ウニ、白キクラゲ。青味に隠元、吸い口が輪柚子。モロモロした触感のお豆腐です。レンコンの香りは全く感じない新レンコン。吸い地が濁らない椀種で、吸い地を含んだキクラゲがとても美味しい。

お造りが、よこわ、カツオ、ゴマサバ、平アジ、すずき、きす、皮霜鱧、あおりいか、醤油とポンス醤油。スズキとゴマサバが際立った旨さでした。
八寸のホオズキにはサエズリ。読めないけど乾山写しの短冊には、左から、タコの子の焚いたん、エビのナス寿司、芋タコ南京、白アマダイのパプリカ巻き、イカの唐墨鋳込み、コハダの手毬寿司・茗荷。タコの子を焚いた出汁、お寿司に見立てたナスを煮た味がいい。
サプライズな食材は大分産の夏鹿。とても柔らかくて溶けるような焼き具合のシカ肉。丸ナスの食感もふっくら柔らか。醤油のタレはちょっと辛い目なのが好みと合わないけど。上に乗ったのは、揚げたナス皮としし唐。練りからし添え。

小鉢に、サザエと素麺南瓜の酢の物。肝が美味しい。 またまた魚屋さんから買わされたというクエのしゃぶしゃぶ、今回は14キロとちょっと小振りだったようです。取引先から言われたら、断らずに仕入れるという方針がとても好感持てます。特別な食材があれば、回してくれるというのも、人徳というもの。最初にアラの部分が鍋に焚かれて出てきます。後は、好きなようにシャブシャブ。お造りでは気にならないけど、しっかり熱を加えないと磯臭さが残る。豆腐、椎茸、春菊、白髪ねぎ。ポンスが出てます。残った鍋出汁は、止め椀に使ってくれます。
お隣さんが、炭火で食べている熊本産ウナギが気になったので、ご飯に混ぜてもらいます。ニュースでは価格が下がっているかのように報じられているけど、天然物は跳ね上がったそうです。止め椀にはコハダの腸のつくね。一膳たべて、いつものように詰めてもらいます。
和菓子3種は織女に見立てた玉川生地のイチジク入りの饅頭。わらびもち。蓮の実入りの蓮まんじゅう。七夕使用の三品の組み合わせがあったようですが、理解できずに、織女だけの無粋なチョイスでした。


平成26(西暦2014)年6月21日
もうラストオーダーが過ぎちゃったけど、電話で連絡していたので「日本橋・藤久」へ。
早朝に「28キロのクエ」という連絡を受け、せっかく連絡してくれたのですから、少々無理をして参上です。ですのでアラカルト。

  • 先付は、クエの煮凝り、実山椒
  • お造りに、クエのいろんな部分、醤油とポンス醤油
  • クエの頭の酒蒸し、ポンス醤油

今日は、岡山の「うごのつき・涼風純米吟醸・精米歩合55%」にします。夏仕様の吟醸なんでしょう。苦み少々、甘みも少々、で軽快な味わい。

先付は、クエの煮凝り。中骨付の半身だったそうで、内臓系はないんだそうだけど、煮凝りを作っていたようです。デジカメは2個だけど、1個食っちまった。実山椒のトッピング。
なにわなくとも、生で食っておきたいのでお造り。クエのいろんな部分としか教えてくれませんでした。もう少し熟成した方が旨みが増したかもしれないな。醤油とポンス醤油。

半身のクエは、頭も半分ついてくるそうで、まだ売ってないようなので酒蒸し。最近のお任せでは、魚は鍋仕立てで出てくるので、がっちり蒸し物は久しぶり。ヒレは捌いてないけど、カマもあって、大きな器を見るだけでモチベーションが上がる料理です。大きすぎて箸では持て余すので、骨の周りは手づかみ。コラーゲンたっぷりで、手もベタベタ、口の中ももっちゃり。洗い流す酒蒸しのツユが一層おいしく感じるのでした。ほとんど骨だらけにしちゃうのですが、でかいクエの目の周りの皮はコラーゲンが固まってゴムのようです。これは無理ぃと諦めました。春菊、椎茸、白髪ねぎ。

お会計は、ビアホール以上となってしまいました。


平成26(西暦2014)年6月17日
晩御飯は常連顔できる「日本橋・藤久」です。
お早いお客さんばかりで、みなさん、もうご飯のようです。

  • 四万十川の鮎のおかき揚げ、骨せんべい、蓼、茗荷、とうもろこし、酢橘
  • お椀は、四万十川の鮎にゅうめん、三度豆、実柚子、焼き鮎の吸い地
  • 古座川の焼鮎の笹巻き寿司、酢レンコン、子うるか   
  • お造りが、四万十川の鮎のお造りと背越し、蓼、しょうが、醤油、蓼酢味噌
  • 四万十川の鮎の塩焼き、骨抜き、蓼酢
  • 古座川の鮎の細づくり、白子、胡瓜、苦ウルカ和え
  • 加茂ナスの鮎味噌田楽、茗荷
  • 鮎ご飯、止め椀(焼き鮎とジュンサイ)、骨せんべい、香の物
  • 和菓子3種(わらびもち。郷の蛍、若鮎

今日も「笑四季・マスターピース2014・3・純米・仕込み3号・滋賀県信楽産山田錦精米歩合45%・笑四季6号酵母吟醸型・出品酒候補仕様」を呑む。
冷え冷えの状態で、少々苦みが残るフレッシュで複雑な味わいだけど、徐々に洋ナシ・青リンゴ系の果実の香りが支配的に感じるようになる。

入店した時に、鮎を捌いているなぁと思いつつ、あれはむちゃの鮎ではないなと鷹を括っていた。揚げたて。鮎も解禁になったようで、下していた四万十川の鮎は、おかき揚げになって出てきました。骨せんべい。一匹分。蓼は素揚げ、茗荷は酢漬け。とうもろこしのかき揚げ。腸は抜いているけど残った鮎の苦みと酢橘の香りがとてもよかった。蓼は揚げると苦みが消えちゃって、屁のツッパリにもならない。

お椀は、四万十川の鮎にゅうめん。今日はどうやら「鮎で押し通す」つもりのようです。鮎の骨を炙って吸い地にしてある。焼いた鮎一匹まるまる入っているけど、なくても乳麺には十分な味が絡んでおります。
和歌山の古座川の天然の焼鮎の笹巻き寿司。適当に使い分けてるという事で笑っちゃいます。腹から裂いた鮎を焼いて、お腹に寿司飯を入れて笹巻にしてあります。どうやら作り置きしていたようで、残念。酢レンコン。別皿に子うるか。

お造りにも、四万十川の鮎。蓼で隠れて見えないけど背越しと三枚に下してお造り。蓼の葉。擦りしょうがで醤油、蓼酢味噌の二種類。鱧の骨切ほどでは無いとしても、骨が気にならないように包丁でザクザク。食感が大好きなアユ料理。生姜醤油が好み。
網焼きで出て来た四万十川の鮎の塩焼き。串打ちして焼いてあるのを、コンロで保温。骨は抜いてあってパリパリ。蓼酢が出てます。もう十分育った大きい鮎のようです。徳島の実家では40センチぐらいの鮎が取れるようで、一度食べてみたいものです。鮎と言う雰囲気ではないそうですけど・・。
古座川の鮎の細づくりに白子、胡瓜。苦ウルカ和えです。かなり苦味がしっかり。これだけ苦みが強いと、日本酒は負けるなぁ。日本酒の良さは強調されるけど、口の中には苦みが残って洗い流せない。

加茂ナスの鮎味噌田楽。鮎味噌ってなんやねん?と思いますわなぁ。でも、これが珍味というか酒の肴になって、賀茂ナスさえ霞んでしまうくらい。鮎の香りも味噌に残って、酒だけでなくご飯にも合いそうだ。腸を抜いて焼いた鮎を骨ごとすり鉢で当たって、味噌と混ぜただけのようですが、オリジナルかな?鮎ばっかり出てくるから「鮎百珍」のようなレシピがあるのかと聞いても、どうやらないようです。一般的なアユ料理でいえば、この料理は「魚田」のアレンジになるのかな?
ここまで鮎ですから、もう最後まで鮎ご飯。鮎にプラスしてご飯と言えば、困っているので、今日は鮎だけ。お釜の中に二匹。止め椀にまで焼き鮎。この鮎の骨せんべい. 香の物。
和菓子3種(わらびもち。郷の蛍、若鮎)。〆は若鮎にしなくちゃ、食事が締まらない。


平成26(西暦2014)年6月9日
難波でうろうろするときの晩御飯は「日本橋・藤久」です。
見慣れない顔の男性スタッフ。閉店した「うずら屋」のトヨタ君で、自分の店をオープンするまで週三日のペースでアルバイト中のようです。

  • 水無月長芋仕立て・ウニ入り、赤豌豆、荏胡麻ダレ
  • お椀には、あこう葛打ち、ゴマ豆腐。インゲン、実柚子、   
  • お造りが、マグロ、イワガキ(夏輝ブランド)、金目、がしら(カサゴ)、アオリイカ、平アジ、鱧落し、蓼、醤油と梅肉
  • 八寸の六角には、亀の手のおろし和え・えんどう豆、葉皿には、丸十トウモロコシ・ギンタの白板昆布巻き・ヤドカリ玉子・凍みコンニャクとピーナッツのかき揚げ・ヤマモモ、鱧白子の煮凝り、アナゴの柿の葉寿司・茗荷
  • 貝の付け焼き(夜光貝、ミルガイ、鳥貝、たいらぎ、北寄貝、あわび)、ナス
  • 蒸し川蟹、タタキオクラ、カニ酢、しょうが
  • 油物には、イチジク、ヤングコーン、コーンのひげ、アスパラガス、しらさエビ、針生姜、べっ甲餡
  • 赤えんどう豆と白アマダイの炊き込みご飯、止め椀(茗荷)、香の物
  • 和菓子3種

ここでも最近マイブームの「笑四季・マスターピース2014・3・純米・仕込み3号・滋賀県信楽産山田錦精米歩合45%・笑四季6号酵母吟醸型・出品酒候補仕様」を呑む。
最初がどっしりとした重みのある甘旨い味が広がる。慣れてくると甘みが穏やかになって、旨みも落ち着く。青ナシ・デラウェア・青リンゴ系の果実の香りが優しく香る吟醸香。酸は目立たない。生魚の脂には少し合わないようです。
高額過ぎる獺祭を二本も仕入れているんだそうだ。上客がおられるようです。ほとんど原価で売っているとはいえ・・・むりぃ。

涼しげなガラスに水無月。長芋で仕立ててあります。間にウニ入り。赤豌豆の醤油煮。荏胡麻のペースト。むっちりとした長芋。ゴマの香りがいい。
お椀には、あこう葛打ちとゴマ豆腐。適度に磯の香りを残した、とっても旨い吸い地。インゲン、実柚子。

お造りが、マグロ、イワガキ(夏輝ブランド)、金目、がしら(カサゴ)、アオリイカ、平アジ、鱧落し、蓼、醤油と梅肉。小さ目の岩ガキでしたが、山陰のブランド牡蠣。脂の香りの高い「きんめ」と「マグロ」ですが、今日のお酒には少し釣り合いが取れないようです。「がしら」が旨みたっぷり。

八寸の六角には、亀の手のおろし和え・えんどう豆、葉皿には、丸十トウモロコシ・ギンタの白板昆布巻き・ヤドカリ玉子・凍みコンニャクとピーナッツのかき揚げ・ヤマモモ、鱧白子の煮凝り、アナゴの柿の葉寿司・茗荷。高島屋の地下の魚屋で「かめのて」を見たばかり。ちゃんと身をしてくれてあるので楽ちんですが、家庭で食べるのは苦労するだろうな。葉皿のトウモロコシみたいなんは、サツマイモを芯にして、さらにサツマイモを周りに塗り、包丁で切り目を入れればトウモロコシに見えます。下味は付けてあるようですが、焦げ目をつけて盛られています。見たことないけど「ぎんた」というのは魚。イカのすり身で味噌漬けの卵黄を撒いてある「ヤドカリ玉子」。かき揚げもヤマモモも、この葉皿の料理は、甘さで盛りだくさん。たぶんゼリーを使っていない煮凝り。口の温度で溶けていきますから・・。焼きアナゴのお寿司をやんわりと柿の葉でまいたお寿司。

コンロに乗ってきたのは貝の付け焼きにナス。どこからやってきたのか分からないけど、南の夜光貝に、ミルガイ、鳥貝、たいらぎ、北寄貝、あわび。それぞれに味がある。

高島屋でも見つけた川蟹が蒸して熱々。上にタタキオクラ、しょうが。カニ酢が別皿。ネバーとしたオクラは要らないと思いますな。それに蒸さなくてもいい。
油物には、イチジクがメイン。ヤングコーンのひげをかき揚げ風に薄く揚げて、巣ごもり風。アスパラガス、しらさエビ、ヤングコーン。車ほどあるシラサ。
赤えんどう豆というのは、期間が短いという理由から珍しいそうでなかなか手に入らないそうです。という提案ですが、旨みを足してくれます。白アマダイです。止め椀(茗荷)、香の物。いつの間にかお釜が下げられて、折詰になっておりました。
和菓子3種は、やっぱり季節柄水無月。葛まんじゅう。アジサイの金団の中は梅を使ってあります。


平成26(西暦2014)年5月15日
1週間ぶりの「日本橋・藤久」で、晩御飯。

  • 白アスパラガス豆腐、こしあぶらの天ぷら、揚げコノコ
  • お椀には、原木椎茸の裏にアジのつみれ、軸菜、針生姜   
  • お造りが、よこわ、甘手カレイ、イサキ、ヒラマサ、太刀魚、カツオ、イカウニ、鱧(落とし、焼き霜、生)、ポン酢醤油と醤油
  • 八橋の八寸に、壺々に小柱の山葵漬け、イカの利休焼き、ママカリ、ヤングコーンともさエビの髭巻き、百合根の黄身餡掛け、豚と高菜の団子、梅羊羹、軍鶏豆腐小松菜のロールキャベツ揚巻、アナゴの八幡巻き
  • 鮎の塩焼き、蓼酢
  • イワガキ、フルーツトマト、さや大根
  • 賀茂ナスと牛肉の挟み焼、べっ甲餡
  • 鱧の蒲焼の炊き込みご飯、止め椀(蔓もずく)、香の物
  • 和菓子3種

今晩は滋賀の「松の司・2013(H25BY)・純米吟醸・AZOLLA・生原酒・竜王町産特別栽培米山田錦(環境こだわり農産物認証)精米歩合50%・自社保存株酵母・限定406本(1.8L換算)」です。
荒っぽさは消えたけど、重厚な味わいが口の中に広がりました。口がお酒に慣れてくると、次第にリンゴやマスカットの香りの甘みが出てきます。

白アスパラガスなんかを豆腐にしちゃってます。あまり香りは伝わってこないけど。山菜の「こしあぶら」の天ぷら。揚げコノコを刻んでますが、これが一番香りが高い。酒にぴったし。
お椀には、原木椎茸の裏にアジのつみれを盛り付けた種。大葉入り。吸い地に椎茸の香りがブワッと広がりました。

お造りが、よこわ、甘手カレイ、イサキ、ヒラマサ、太刀魚、カツオ、イカウニ、鱧(落とし、焼き霜、生)、梅肉と醤油。とうとう鱧の季節になったようです。落とし(ボタン鱧)に、両面を炙った鱧、刻んだ生鱧の三種。和歌山酸。いいサイズの鰹はやっぱり不漁なんだそうです。ウニはまだ北海道産。

八橋の八寸に、壺々に小柱の山葵漬け、イカの利休焼き、ママカリ、ヤングコーンともさエビの髭巻き、百合根の黄身餡掛け、豚と高菜の団子、梅羊羹、軍鶏豆腐小松菜のロールキャベツ揚巻、アナゴの八幡巻き。いつも巻物はややこしいや。最近のヤングコーンは皮つき・ひげ付で売っているようで、甘いひげの方に価値があるようです。複雑なのはロールキャベツでした。幕く前に軍鶏肉を崩した豆腐を塗る要領のようです。

鮎の塩焼き二匹。頭と中骨は素揚げ。蓼酢。

今年初めてのイワガキ。分厚い殻はずっしりだけど、身の方はそれほどでもなかった。丹後だったかな?天然の岩ガキです。高知のフルーツトマト。さや大根。

賀茂ナスと牛肉の挟み焼。べっ甲餡。京丹後の賀茂ナスだそうです。早いねぇと賀茂ナスではないと疑ったけど、もう田鶴ブランドの賀茂ナスも流通しているようです。焼いた牛肉をナスで挟んであります。上に載っているのは実山椒、海苔、しし唐のようです。
鱧のご飯を頼んでみました。蒲焼風と梅風味の二種類がここの定番ですが、蒲焼風にしてもらいます。止め椀には蔓もずく。別名が「坊主殺し」だそうです。シャキシャキとした食感のあるモズク。

和菓子4種。初かつを。黒蜜と山葵風餡が添えられております。今年は食べていなかった粽は外郎と黒ゴマ外郎のネジネジ。笹を剥いて撮っておきます。山椒風味のこなしに粒餡。ブルーベリー小福。


平成26(西暦2014)年5月9日
昨日まで徳島に帰っていたという「日本橋・藤久」で、晩御飯。飛び込みの香港のカップル一組。ゴールデンウィークのランチは、アジアからの飛び込み客が結構いたそうです。後からお馴染みさん。

  • ウニと蕨入りの葛切、刻み海苔
  • お椀には、アブラメ、ジュンサイ、隠元、実柚子   
  • お造りが、かつお、ひらまさ、いさき(+白子)、十束あじ(+白子)、鯛、さより、あおり、ポン酢醤油と醤油
  • 八寸に、焼き鮎の粽寿司・鮎の骨せんべい・蕗の梅煮、葉皿にウナギの八幡巻き・牛肉のニンニクの芽巻き・軍鶏の黄ニラ巻き、炙った鰆のカラスミ・もさエビの旨煮・梅の蜜煮・カタクチイワシのゴマ和え
  • 桜えびのかき揚げ、香川産パープルアスパラガスの天ぷら、塩
  • フルーツトマトのイガイ・海素麺鋳込み
  • 白アマダイの鍋・豆腐・春菊ポンス醤油
  • 桜えび・空豆・錦紙の炊き込みご飯、止め椀(白アマダイの鍋出汁)、香の物
  • 和菓子3種

今晩は滋賀の「松の司・2013(H25BY)・純米吟醸・AZOLLA・生原酒・竜王町産特別栽培米山田錦(環境こだわり農産物認証)精米歩合50%・自社保存株酵母・限定406本(1.8L換算)」です。
ガツンとした生原酒の粗さを感じた後に、深いコクを伴った味わい。その後から、香りが開いて、リンゴやマスカットの香りと程よい甘みが出てきます。その後は安定した味わいで、さらりとした甘い余韻が心地よい。

生花が活けられるようになった箸置き。初めて見る。
藤の器の先付に、ウニと蕨入りの葛切り。刻み海苔。
浪に御所車のお椀には、アブラメとジュンサイ。今年初めてのジュンサイ。青味に隠元、吸い口に実柚子。

お造りが、かつお、ひらまさ、いさき(+白子)、十束あじ(+白子)、鯛、さより、あおり、ポン酢醤油と醤油。ヒラマサがコリコリ。ここのところサヨリがいい状態のようです。いろんな白子。
八寸に、焼き鮎の粽寿司・鮎の骨せんべい・蕗の梅煮。直前に焼いたり、揚げたり。葉皿にウナギの八幡巻き・牛肉のニンニクの芽巻き・軍鶏の黄ニラ巻き、炙った鰆のカラスミ・もさエビの旨煮・梅の蜜煮・カタクチイワシのゴマ和え。唐墨が焼きすぎ。
今年はなかなかお見かけできなかった「生桜えび」にようやく出会えました。かき揚げです。太い香川産の紫アスパラガスの天ぷら。塩です。

フルーツトマトの種をくり抜いて、二枚貝のイガイと海素麺を鋳込んであります。海の塩加減がトマトの甘さを引き立てると言っておきましょう。
鍋が登場して白アマダイの頭・カマが半身分、グツグツ状態です。その他具材に、白アマダイの身・豆腐・春菊。ポンス醤油。
せっかく「生桜えび」があるのですから、ご飯でも頂きましょうということで注文。色合いを足して空豆です。すると、さらに錦紙を足してくれていました。止め椀(残っていた白アマダイの鍋出汁を余さず出してくれます。三つ葉を足して)。バイトちゃんが一膳盛り付けてくれると、すぐに折に詰めてくれるようで、下げられてしまいました。一言あってもいんじゃないかと思うけど、意地悪爺さんになっても嫌だし黙っておく。香の物。

和菓子3種は、佐藤錦大福、よもぎ餅(草餅)、抹茶のきんとん。イチゴと違って大福とは言いかねるけど、丸っぽ入っております。今年は「粽」を食べてないと、言い残して食事は、終わり。
今日は出てこなかったけど、すでに鱧がオンリスト。岩牡蠣も・・。


平成26(西暦2014)年4月13日
藤久特製文楽の「幕の内弁当」は
難しいものは入れていないと言うのだけど、分かりにくいのは多い。(ちょっと改訂)


平成26(西暦2014)年4月8日
晩ごはんは、お馴染み「日本橋・藤久」です。

  • スッポン(前足)のべっ甲煮、一寸豆、針生姜
  • お椀には、アワビ、絹もずく、桜の花、雁足、花びらウド   
  • お造りが、紀州産生さば、松皮の鯛、銀皮のカツオ、さより、炙りアオリイカ、ポン酢醤油と醤油
  • 花見の曲水の八寸。ぼんぼりに小あじの南蛮、和歌の短冊には、ママカリの酢漬け、イカのエラの塩焼き、ホタルイカの和風マカロン、タケノコの木の芽和えロール、行者ニンニクの肉巻き、エビの黄身寿司、キスの子巻き、朱盃に大根餅。
  • 稚鮎の木の芽焼き、木積タケノコの付焼き
  • マテ貝、海苔とウニの和え衣、泡立てたオロシ・山葵
  • 牛スキ・山菜煮(タケノコ。山ウド・土筆、タラの芽、こごみ)、木の芽
  • 鰻炊き込みご飯、止め椀(溶き卵)、香の物
  • 和菓子4種、白いちご、桃薫

今晩も「松の司・2013(H25BY)・純米吟醸・生・竜王町産山田錦(環境こだわり農産物認証)精米歩合50%・自社保存株酵母」です。
白桃、マスカット、青リンゴの軽やかな香りと甘み。味も香りも落ち着いて、後口もさっぱり。

熊本産天然スッポン(前足)のべっ甲煮。思ったよりはあっさり。もうちょと煮詰めても美味しいかな?プロペラ部分です。一寸豆、針生姜もさらして辛みは少ない。
お椀には、アワビ、絹もずく、桜の花。細いモズクで花霞見立て。モズクでニュルンニュルンの吸い地。それに加えてぬるぬる雁足。花びらウド

お造りが、紀州産生さば、松皮の鯛、銀皮の周参見ケンケンカツオ、さより、炙りアオリイカ、捌いている鯖は丸丸としてパンパンです。鯛は腹身の部分ですが、かなりベストなものでした。なぜか今日は炙って出て来たイカ。イカがイカっていたので、炙れば弾けて面白そうだという理由のようです。ポン酢醤油と醤油。
花見の曲水の八寸。曲水は、大根のケンをくるくる。ぼんぼりに小あじの南蛮。和歌(百人一首ではない)の短冊には、ママカリの酢漬け、イカのエラの塩焼き、ホタルイカの和風マカロン、タケノコの木の芽和えロール、行者ニンニクの肉巻き、エビの黄身寿司、キスの子巻き。朱盃に大根餅。苦笑していたのは和風マカロン。見た目は全然マカロンぽく無いけど、鰹節を混ぜて作った香りの高いもので、作り方はマカロンのようです。それにホタルイカを乗せたようで、思ったほどに奇妙な味ではありませんでした。
コンロの上に竹の皮でくるまれた焼き物。稚鮎の木の芽焼き、木積タケノコの付焼き。タケノコの木の芽に合わせて、稚鮎も塩焼きではなく木の芽焼きにしたそうです。木積のタケノコの甘さが十分でております。

マテ貝をくるくると巻いて、海苔とウニの和え衣が底。上には泡立てたオロシ。ハンド・エスプーマ。
山口の和牛スキに、たっぷりの山菜。タケノコ。山ウド・土筆、タラの芽、こごみ、までは記憶にある。藤久農園のものもいくつか。木の芽。まだ花山椒が出ていないようです。
昨晩のバラエティの影響でご飯は鰻を入れてもらいます。三つ葉。熊本の天然です。止め椀は溶き卵。お勧めのウナギ屋は「うな次郎」だそうです。
和菓子4種は、東西の桜餅、桜風味の手忘餡の谷川、うすい豌豆餡の谷川、白いちご、桃薫。谷川という小麦粉を混ぜた外郎皮らしい。初めて食べる白イチゴです。九州産のようで、最初は滋賀県で始まったようですが、広がってきたようです。もう一つ奈良産の「桃薫」。イチゴのテイストにココナッツのミルキーな甘さがプラスされたという触れ込みを感じさせる味。


平成26(西暦2014)年4月3日
さて今晩は「日本橋・藤久」で食事。

  • アスパラガスのあられ揚げ・バチコ鋳込み、白エビとアスパラガスのかき揚げ
  • お椀には、白甘鯛の桜薯蕷蒸し、こごみ、花びら生姜   
  • お造りが、まぐろ、黒めばる、炙りさわら、淡路のウニ、鯛、さより、銀皮かつお、クルマエビ、ポン酢醤油と醤油
  • 八寸に、ぼんぼりにホタルイカの黄身酢和え・分葱。キスの桜寿司。串三本は、蒸し海老・一寸豆・厚焼き玉子、味噌漬け卵黄のキクラゲ巻き・蒸しアワビ・アボカドの味噌漬け、ホタテのウニ焼き・鯛の子・ヨモギ麩の田楽。
  • 熊本産天然ウナギの白焼き、山椒おろし、山葵、酢橘
  • 貝寄せ(鳥貝・赤貝・ミルガイ)長芋素麺の酢の物、花山葵
  • 木積のタケノコの木の芽田楽
  • アサリ、タケノコ、空豆の炊き込みご飯、止め椀(豆腐)、香の物
  • 和菓子4種

今晩は滋賀の「松の司・2013(H25BY)・純米吟醸・生・竜王町産山田錦(環境こだわり農産物認証)精米歩合50%・自社保存株酵母」です。
完熟メロンの甘味、マスカットの爽やかな甘みが、主張しない程度に膨らむ。きっとまだ蕾の状態。その分、味わいはすっきり感があって生酒の印象は弱いようです。キレもいい状態。

アスパラガスの穂先の部分を丸丸であられ揚げ・バチコ鋳込み。食べてから言われてもバチコを確認できない。白エビと軸のところを刻んだアスパラガスのかき揚げ。食べてから写真を撮ったので、省略。
お椀には、白甘鯛の桜薯蕷蒸し。グジに山芋を乗せて桜葉を置き蒸した椀種。薯蕷の中にも桜が刻まれております。半割のこごみ。花びらは生姜。
お造りが、まぐろ、黒めばる、炙りさわら、淡路のウニ、鯛、さより、銀皮かつお、クルマエビ、ポン酢醤油と醤油。春らしくなってきました。

八寸の、ぼんぼりにホタルイカの黄身酢和え・分葱。ホタルイカに合った黄身酢。キスの桜寿司。串三本は、蒸し海老・一寸豆・厚焼き玉子、味噌漬け卵黄のキクラゲ巻き・蒸しアワビ・アボカドの味噌漬け、ホタテのウニ焼き・鯛の子・ヨモギ麩の田楽。日本料理にすっかり馴染んだアボカドですが、いまだに得意じゃない。

4月に入って、熊本では河川での漁が解禁になったようで、初物の天然ウナギの白焼き。肝と心臓。やはり天然の香りは違いますねぇ。薬味は、山椒おろし、山葵、酢橘です。
長芋素麺の酢の物の下に貝寄せ(鳥貝・赤貝・ミルガイ)です。好みのベスト3といえる貝です。嬉しいねぇ。ピリピリ辛みのしっかり残った花山葵。
まだ走りの木積のタケノコは、隔日にしか入荷しないようです。たっぷりの木の芽田楽ですが、味噌は美味しいのだけど、松の司は苦手のようです。
注文のご飯は、アサリ、タケノコ、空豆の炊き込みご飯。このタケノコは九州産のようです。止め椀(豆腐)、香の物。
和菓子4種は、左はこなしに粒餡、奥はヨモギ餡、右に桃イチゴ大福、袱紗巻きには木の芽入り粒餡。


平成26(西暦2014)年3月4日
三週連続の食事は「日本橋・藤久」。

  • 足赤海老・大根素麺・刻みフキノトウ、温かいべっ甲餡・降りごま
  • 貝寄せの椀には、菱餅見立ての三色葛餅、ハマグリ、土筆、花びらウド、木の芽   
  • お造りが、炙った脂目、よこわ、メバル、目板カレイ、さより、炙りフグ、アオリイカ、花びら人参
  • 八寸に、ぼんぼりに芋あられ・うに。菱皿にフグ・オコゼの子・山芋のサーモン巻き・鴨ロース・ノレソレの煮凝り・空豆。引千切には、橙百合根と白魚の桜和え
  • コンロで網焼き。たいらぎ・本ミル貝・つぶ貝・鳥貝、ホワイトアスパラガス、チリ酢
  • ハマグリと引き上げ湯葉、花山葵
  • 油物が、ホタルイカ、フキノトウ、タラの芽、雁足、山ウド
  • 穴子とタケノコの炊き込みご飯、止め椀(アオサノリ)、香の物
  • 和菓子

今晩は青森の「喜久泉・大吟醸・山田錦精米歩合40%」で、田酒の酒蔵のアル添大吟醸です。
純米に比べて、フルーティーさがシャープですが、どことなく大らかで伸びやかな味わいに感じます。リンゴ、赤肉メロンのような果実味。甘味はするけど雑味はほとんどなく、コメの酒とは思えない。

細く素麺状に切った大根の下に足赤海老。湯に通したフキノトウを刻んであります。苦み走った香りがとても春らしい。ちよっとお酒が綺麗すぎたかもしれない。
貝寄せの椀には、菱餅見立ての三色葛餅。うすい豌豆の葛豆腐、角餅型の大根、白酒風味の葛豆腐で三段ですが、ちょっと崩れているのが残念。雛らしくハマグリ。焼いた土筆は苦みがビシッと。

お造りが、炙った脂目、よこわ、メバル、目板カレイ、さより、炙りフグ、アオリイカ。今年初めてのアブラメ。カレイが美味しくなってきたけど肝なし。
八寸の、ぼんぼりに芋あられ・うに。里芋を丸く抜いて揚げてあるんですが、味わいはフライドポテト。菱皿のフグは低温調理だそうで煮フグ?オコゼの子は煮つけ。ノレソレは煮凝り。引千切には、橙百合根と白魚の桜和え。左近の桜に右近の橘。

焼き物はコンロで網焼き。小皿に盛られた具材は、たいらぎ・本ミル貝・つぶ貝・鳥貝、ホワイトアスパラガス。チリ酢でいただきます。ほんのり暖まった加減で美味しく食べます。
炊き合わせなんでしょう、ハマグリと引き上げ湯葉。花山葵がピリリと効いてます。
油物が、ホタルイカと山菜。フキノトウ、タラの芽、雁足、山ウド。小粒ですがイカ天ですな。美味しい。

当たり前だが変わり映えしない食材に悩んだご飯は、昨日の昼に続いて穴子。ちょっと早くて九州ものだけどタケノコも混ぜてもらいます。焼きあげたアナゴを入れてくれたようです。思ったよりタケノコが少なくて、ほとんどアナゴ飯でした。だからといって味が落ちるわけではなし旨い。止め椀(アオサノリ)、香の物。今日も折に詰めてもらいます。
和菓子は、白酒の酒饅頭に、いろいろの組み合わせの練切。


平成26(西暦2014)年2月25日
デパートに近い、いつもの「日本橋・藤久」へ。カウンターは独占かと思ったらお馴染みさんがやってきたので、八寸の記憶が曖昧。

  • ホタルイカ・塩トマト、胡瓜、黄身酢
  • 貝寄せの椀には、オコゼ・百合根豆腐(梅風味)、芽キャベツ、生姜汁   
  • お造りが、ぶり、黒メバル、サクラマス、アオリイカ、サヨリ、鳥貝、ケンケン鰹、よこわ
  • 八寸に、ぼんぼりに鯛の白子・ウルイ・おろし。梅皿には白魚の黄身焼き・キスのアスパラ巻き・?。金杯には、カマスゴの海苔巻・リンゴとサツマイモの昆布巻き・一寸豆。梅の器に手長タコの粕和え
  • サクラマスの焼きもの(頭・カマ)、チリ酢
  • トラフグの口の焚いたん、生姜
  • 和牛シンタマのすき焼き、葉たまねぎ、木の芽・生玉子
  • 貝の炊き込みご飯(ツブガイ・北寄貝・ミルガイ・たいらぎ・鳥貝)、止め椀(里芋)、香の物
  • 和菓子三種

今晩も「田酒・純米大吟醸・四割五分・山田錦精米歩合45%」を呑みます。
だれることなく、変わらない味わい。リンゴ、メロン、白桃のような香りが優しく広がり、ほんのりとした甘い口当たりが、スーッと消えていく味わい。スムーズな口当たり。

デジャブの様な前菜だけど、中身はホタルイカ・塩トマト。蒸したホタルイカからイカの味噌がトロンと黄身酢に溶け込んで、加えてトマトの香りがプラス。味がまとまってきて美味しく感じるようになっているようです。
貝寄せの椀には、オコゼ・百合根豆腐(梅風味)、芽キャベツ。鯛の様な旨みを感じるオコゼ。その上にプルプルと乗っているのが梅風味の百合根豆腐。あれぇ?吸い口がないと思えば、梅の風味に加えて生姜のしぼり汁がかかっているようです。

お造りが、ぶり、黒メバル、サクラマス、アオリイカ、サヨリ、鳥貝、ケンケン鰹、よこわ。珍しいサクラマスは青森のようです。二日続けての泉州産鳥貝。
八寸に、ぼんぼりに鯛の白子とウルイ。今年初めての鯛の白子だそうです。寿命が伸びました。梅皿には白魚を筏に刺しての黄身焼き・たぶんキスのアスパラ巻き、でもう一つ白魚の下に隠れているんだけど、お馴染みさんと喋っていて忘れました。金杯には、シラスの海苔巻にリンゴとサツマイモの昆布巻き、一寸豆。蓋の付いた梅の器に手長タコの粕和え。
びっくり焼き物はサクラマス。一匹分の頭は、頭に慣れているとはいえサプライズ。ビワマスに限らず、上品な脂で美味しい鱒です。上品な香りが飛んじゃうのでチリ酢は不要ですな。

なんだか陰に隠れて分からないものが出て来たんですが、トラフグの口(クチバシって言うのかな?)でした。小割にせずにドンと唇を落としてあるので、食べにくいこと。口の真ん中から割って「から揚げ」とかする部分です。トラフグ自体は3.6キロの大きさだったとか。いかにもコラーゲンといういう味わいです。脂がちーとも浮いてないのが、フグ。しかし食べにくいし、ナイフのような歯も怖い。
目鍋で和牛シンタマのすき焼き。肉の下には葉たまねぎ。生玉子で食べます。この季節、新物の葉玉ねぎが出てくるようになったけど、間引きだよねぇ。昔だったら捨ててたもんだろうな。
悩んだご飯は貝の炊き込みご飯(ツブガイ・北寄貝・ミルガイ・たいらぎ・鳥貝)。しっとり濡れ濡れに光ってますが、べちゃべちゃではないという焚き具合。いつも感心します。止め椀には里芋。
和菓子三種は、道明寺の草餅。ひな飾り見立ての黄身餡と粒餡の求肥。レモン風味の羊羹を挟んだ淡雪。


平成26(西暦2014)年2月18日
デパートに近い、いつもの「日本橋・藤久」へ。女性のおひとり様率が高いカウンター。

  • 足赤海老・広目・大根のつま、黄身酢
  • 梅に鶯の椀には、焼ふぐ、聖護院大根、白子のすり流し、神馬草、木の芽   
  • お造りが、鰆、ケンケン鰹、よこわ、舌平目、あおりいか、サヨリ、焼き霜のアナゴ、ウニと細づくりのイカ
  • 八寸に、お馬さんにはイイダコの木の芽和え、お多福にもさ海老の漬け、グルテンの焚いたん、マダラ子の昆布巻き、軍鶏の錦紙巻き、シラスの海苔巻寿司、菜の花
  • アナグマ(ロース・ばら)の焼きもの、椎茸、九条ネギ、橙、
  • 泉州鳥貝の酢の物、塩トマト、モズク、うるい
  • 炊き合わせが、黒ソイ、タケノコ、一寸豆、木の芽
  • 寒干し大根とホタテの炊き込みご飯、止め椀(玉子と松葉)、香の物
  • 和菓子三種

今晩のお酒は「田酒・純米大吟醸・四割五分・山田錦精米歩合45%」をチョイス。
リンゴ、メロン、白桃のような香りが優しく広がり、ほんのりとした甘い口当たりが、スーッと消えていく味わい。スムーズな口当たり。

梅の器。生の足赤海老に、和歌山の地わかめの広目、大根のつまを乗せた底には、クリーミィな黄身酢。生のエビさんに絡んだ黄身酢が妙に洋風なドレッシングに感じられる旨いサラダ風。
梅に鶯の椀には、焼ふぐ、聖護院大根で、白子のすり流し。神馬草に木の芽。
お造りが、鰆、ケンケン鰹、よこわ、舌平目、あおりいか、サヨリ、焼き霜のアナゴ、ウニと細づくりのイカ。もう周参見ではケンケン漁が始まっているようです。初カツオというべきなのかまったく季節感が感じられないここ数日の寒さであります。でも寿命が延びればすべてよしです。10キロを超えていあッという鰆は脂で白い。ひょっとしたら初めてかもしれない、舌ヒラメのお造り。割烹体験で大阪湾の魚を探していて、鶴橋の魚屋から仕入れ始めたようですが、泉州ではお造りで食べると聞いて出し始めたようです。不幸にしてそんな店には行ってなかったよ。想像できるけど、捌くのは面相臭いと言ってました。サヨリも脂が乗ってきたようです。
梅のつぼみの八寸の、お馬さんにはイイダコの木の芽和え。お多福にもさ海老の漬け。グルテン(詳しくはよくわからないけど)の焚いたんは味が染みて旨い。マダラの子(タラコ)の昆布巻き。軍鶏の錦紙巻き。シラスの海苔巻寿司。菜の花。
福井で獲れたアナグマ(ロース・ばら)を塩コショウで焼いて、目鍋で出てきました。かなり筋肉質でコリコリ、コリコリ・・いつまでもコリコリ。歯応え十分。

酢の物は泉州鳥貝に、塩トマト、モズク、うるい。鳥貝も鶴橋経由のようです。熊本の高級ブランド塩トマト「ロイヤルセレブ」。
槍梅の蓋椀の炊き合わせが、黒ソイ、タケノコ、一寸豆、木の芽。寒いだけにまだ九州のタケノコだそうです。
今日のご飯は、寒干し大根とホタテの炊き込みご飯。今朝の「モーニングバード!」の「Gウーマン〜」のコーナーで「“寒干し大根”職人・清水利子さん(67)」が紹介されていたところで、今日の一押しご飯は切り干し大根ご飯である。大盤振る舞いで他のお客さんもこればっかし。もちろんテレビに出たのとは違うようです。大根と人参だけでは、物足りないなぁということで、加えてくれたのが「ほたて」。止め椀は松葉ガニを溶き玉子でとじてあります。ちょっと味が濃い。
和菓子三種ですが、イチゴ大福が「紅ほっぺ」と「あまおう」の二種類。鶯餅に、蜜煮金柑と餡をくるんだ大福。滋賀県産の羽二重を消費するためのようで、餅菓子一杯。柔らかなと言い、美味しさと言い、滋賀はいいなぁ。


平成26(西暦2014)年1月23日
デパートに近い、いつもの「日本橋・藤久」へ。おぉ!!誰もいない?!

  • ブリの焼き物に、酒粕ダレ。梅大根と梅人参。芽甘草、すり柚子
  • 打ち出の小槌と福袋のお椀には、花びら真蒸、大根の薄切、結び橙、鶯菜 金箔   
  • お造りが、ひさげ、十束あじ、ヒラメ(炙った縁側)、鯛、さより、アオリイカ、赤貝、焼霜のはも、浦の生牡蠣・佐越の生牡蠣
  • 梅に鴛鴦の八寸、オスのオシドリにはホタテとイクラのおろし和え。メスのオシドリには「のれそれ」・ワカメ・木の芽。水仙の器にイカの山葵和え。蟹の赤大根巻き、白アマダイの博多・錦紙巻き。蓮根のそば鋳込み、金柑蜜煮百合根餡、蕗の軍鶏湯葉巻き
  • おこぜの木の芽焼き、皮、肝。タケノコ
  • ワタリガニの酢の物、菜の花
  • イノシシの角煮、大根、菊菜
  • まる飯、止め椀(玉子とじ)、香の物
  • 和菓子三種

今夜も「松の司・2011(23BY)・大吟醸しずく斗瓶囲・東条産山田錦(特A)精米歩合40%・自社保存株酵母・限定No.0186(300本/1800ml)&520本/720ml 」を呑みましょう。

蓋付き四方鉢は福・寿の文字。ブリの脂の乗った腹身のところをシンプルに焼いて、温かい酒粕ダレ。分解した「粕汁」です。梅大根と梅人参。芽甘草、すり柚子。
打出の小槌と福袋のお椀には、花びら真蒸。花びら餅をエビ真蒸と焼き餅で見立ててあるようです。もちろん牛蒡もあります。金箔を乗せ、透ける薄さの大根の薄切。結び橙、鶯菜。先日聞いた昆布屋の廃業でしたが、その後の入手先を見つけたようです。ついでに改めて聞けば、大阪の割烹は道南の真昆布を使うのが本当やというのを守っているそうです。同じことはカツオにも言えて、大阪は「マグロ節」なんか使わんのだとか。個性は大切。

お造りが、ひっさげ、十束あじ、ヒラメ(炙った縁側)、鯛、さより、アオリイカ、赤貝、焼霜のはも、浦の生牡蠣・佐越の生牡蠣。大阪の魚屋は「裏旬」というのを面白がっているようで、和歌山の鱧が今時分ですが結構入荷しているそうです。確かに鍋のシーズンでもあります。もう初物の定義が怪しいですが、駿に拘る必要もなくなっておりますな。
梅に鴛鴦の八寸。吉兆風のオシドリの器。流れとしては吉兆風と招福楼風のモデルがあるようです。吉兆は「ふっくら」だそうです。オスのオシドリにはホタテとイクラのおろし和え。メスのオシドリにはもう!「のれそれ」。水仙の器にイカの山葵和え。酒粕で伸ばした山葵の皮。アワビの様な、イチョウの様な小皿には蟹の赤大根巻き、白アマダイの博多・錦紙巻き。蓮根のそば鋳込み、金柑蜜煮百合根餡、蕗の軍鶏湯葉巻き。
焼き物はおこぜの木の芽焼き。雪持松。皮は湯引き、肝は生かな?。福岡のタケノコ。木の芽が春めく焼き物。

ワタリガニの酢の物に菜の花。温かい酢の物。オレンジ色は内子。
先日のイノシシのいのバラの角煮。辛子のトッピング。脂身であろうと箸がスルッとはいる柔らかさ。営業時間中蒸し缶で煮られ続けている状態だそうです。大根、菊菜。
ご飯を聞かれるので、作ってもらったのは初めての提案「まる」。すっぽんです。ネギの香るお釜から一膳。丸の出汁で焚いてくれてあります。
和菓子三種。焼き目の饅頭には金柑が餡に入ってます。真ん中はクルミ入り餡の羽二重。枡の焼印にはきな粉入りの餡だったかな。マツコ・デラックスの番組「月曜から夜ふか」しで登場したのがきっかけて、滋賀県産の羽二重餅米を使ったそうです。滋賀県人にとっては「羽二重餅米」は、名産であることは知ってて当然なんですけどね。

今週末から始まる大阪割烹体験の予約が60名を超えているようですほとんどがお昼の3150円のコースだそうですが、満席で断っている日があるくらい。それにしても、縛りである「大坂の食材」の特に魚が安定しないのでお困りのようです。大阪湾の漁師さんは、働かないからなぁ。


平成26(西暦2014)年1月14日
打ち出されて、黒門を抜け、難波への帰り道の途中にあって気安い「日本橋・藤久」へ。

  • 扇の器に、龍飛巻き、防風
  • これまた扇のお椀に、唐墨餅、卵白、人参、結び橙、鶯菜   
  • お造りが、よこわ、ぶり、あわび、あじ、きす、ふぐ、さより、アオリイカ・ウニ
  • 八寸の、宝船には、寒天と牡蠣にとろろ、香合にイエローキウイの白和え、鶴にはイイダコ・ちしゃとう・カブラ寿司、筋煮・栗餡の軍鶏巻き、百合根の茶巾、亀の手
  • カキノキタケの白アマダイ巻きの焼き物、鱗せんべい、フキノトウ・田楽味噌、柚子
  • ワカメとチョロギの酢の物
  • 沸き合わせが、従兄煮、ふき、タケノコ、菊菜
  • しし飯、止め椀(エビイモ)、香の物
  • 和菓子三種

今夜のお酒「松の司・2011(23BY)・大吟醸しずく斗瓶囲・東条産山田錦(特A)精米歩合40%・自社保存株酵母・限定No.0186(300本/1800ml)&520本/720ml 」です。
メロンやピーチのような果実の香りが一段と高くなったようです。でも甘さが表に出るわけではなくバランスのいい味わいに変わる。

扇の器に、龍飛巻き。ヒラメかな?
今日の器は扇ばかり?お椀には、唐墨に焼き餅を重ねたうえに、卵白。真蒸かな?吸い地に徐々に塩分が溶け出し、旨みが広がるカラスミ。ソフトなカラスミは出汁を吸って、旨みがアップするみたいだ。
お造りは四方皿にぎゅうぎゅう詰めで、よこわ、ぶり、あわび、あじ、きす、ふぐ、さより、アオリイカ・ウニ。ヨコワだけが炙ってあります。醤油とポンスが出ております。

八寸の、宝船には、寒天(いろいろ混ぜられてます)と牡蠣にとろろ。醤油と山葵でかき混ぜて食べるようです。香合にイエローキウイの白和え。鶴にはイイダコ・ちしゃとう・赤麹のカブラ寿司。ブリのカブラ寿司です。他に豚さんの筋煮・栗餡を軍鶏で巻いたん、百合根の茶巾(いろいろ混ぜられてます)、で亀の手は生みたい。
カキノキタケの白アマダイ巻きの焼き物。でかい白アマダイだったそうです。苛立った鱗せんべい。フキノトウ・田楽味噌。完熟柚子。
ワカメとチョロギの酢の物。
野菜の沸き合わせが、従兄煮、ふき、タケノコ、菊菜。畑と畦で作られた食材は従兄だそうで、小倉蓮根は従妹煮と呼ぶそうです。藤久のおせちに入っているそうですが、見通しが悪くなるのにと不思議に思いますと、普通の蓮根煮も入っているから大丈夫なんだそうだ。蓮根は岡山、タケノコは鹿児島。

ご飯はしし飯です。いつだったかは忘れたけど、ご飯の注文をする時に、怪訝な顔をされたのが「いのしし」でした。ところが、烏丸一条の大将は作れるそうやでと、伝えていたら、作ってくれました。ということを猟師さんに伝えたら、張りきってめっちゃいいイノシシがやってきたそうです。生け捕りです。大きいすぎて、コチカゼでも使っているそうだけど、どうもイノシシだと気づかないようです。昆布出汁で脂身から旨みをだして焚いてくれて、炊き上がれば塩焼きしたしし肉を釜に入れてくれたそうです。珍しく野菜も入っておりました。脂がお米を包んで、旨み一杯。止め椀にはエビイモ。
和菓子三種。山椒を入れた道明寺には漉し餡。黄身餡の外郎饅頭。花びら餅風。


平成26(西暦2014)年1月10日
幕身を観て、さくっと、黒門を抜けて「日本橋・藤久」へ、新年の挨拶です。
もう宵えびすでお参りを済ませたそうで、実は昨年から、玉造戎で参っているそうです。神様もリストラされるようだ。
正月らしい、鶴に松の折敷。いつの間にか折敷だけで12か月分の柄が揃ったそうである。

  • 鶴の羽ばたく皿に、カラスミを鯛で巻いたん。芽甘草に、岩茸
  • お椀が、白味噌の雑煮仕立て。蟹のミソ入り八頭、イセエビ、紅白かずら、結び橙、鶯菜
  • お造りが、よこわ、鬼えび、炙りノドグロ(肝)、赤貝、アオリイカ、オコゼ(浮き袋・皮・肝)
  • 羽子板の八寸は、おせち仕様。金柑イクラ、蒸しクルマエビ、姫慈姑、ちしゃとう、数の子、玉子焼き、袱紗玉子、黒豆松葉、梅人参、梅卵白
  • 鴨の網焼き(もも・ロース)、肝、はつ、ずり。フキノトウ。実山椒のおろし。紅葉おろし。木成完熟柚子、山葵、焼いた鬼海老の頭
  • 勢子カニの茶碗蒸し
  • フグの酒蒸し・白子、ネギ、椎茸・菊菜、ポン酢
  • 伝助穴子のお寿司、香の物、ちょろぎ、止め椀、
  • 和菓子KOTIKAZE風プチフルール

今夜のお酒「松の司・2011(23BY)・大吟醸しずく斗瓶囲・東条産山田錦(特A)精米歩合40%・自社保存株酵母・限定No.0186(300本/1800ml)&520本/720ml 」です。
メロンやピーチのような果実の香りが落ち着くと、溶け合ったバランスのいい味わいに変わる。甘さはかすかに感じる程度で、香りや味の余韻は短く淡い。芳醇だけど清楚。

鶴の羽ばたく皿に、カラスミを鯛で巻いたん。鯛の皮の方に細かい包丁が入っておりました。塩分控えた唐墨が鯛にはええ塩梅。芽甘草に、大きい岩茸。
お椀の蓋の表が「鶴」で裏が「亀」。椀の鏡が「梅」です。鶴ばっかしと言ってしまいました。白味噌の雑煮仕立て。縁起物の八頭がそのままではなく潰され、カニみそを混ぜ、豆腐状に再成形されて入っております。吸い地を吸って豆腐というよりペースト風。まだまだ値が下がらないイセエビ。確か「紅白かずら」と言っていたと思うんだけど、クルクル螺旋状にぬいた紅白を重ねてあります。結び橙に鶯菜。
取引先の馴染みの昆布屋さんが、店じまいするというので、お困りの様子。取り置き分はあるそうですが・・・。震災の影響で養殖も浪合わないかもしれないようで、昆布の不足がここにきて深刻なようです。せっかくの世界遺産ですが、足元が危ないようです。
氷が敷かれなくなったお造り。よこわ、鬼えび、炙りノドグロ(肝)、赤貝、アオリイカ、オコゼ(浮き袋・皮・肝)。噛まなくても美味しいのが、ノドグロとヨコワ。醤油とポンス。海老の頭を焼いてもらいましょう。

羽子板の八寸は、おせち仕様。ほとんどがおせちに盛られた料理のようです。金柑イクラ、蒸しクルマエビ、姫慈姑、ちしゃとう、数の子、玉子焼き、袱紗玉子、黒豆松葉、梅人参、梅卵白。今年は70種類を超えて、二段にギュウギュウ詰だったそうです。洋食屋さんの手伝いはなくなったそうで、毎年の助っ人さんだけだったと。
カンテキで焼き物の前に薬味の小皿が出てきて、お造りにでた鬼海老の頭が焼かれて、ついてきました。で、登場した網の上には鴨が適度に焼かれて乗ったカンテキ。もも・ロースですし、肝、はつ、ずり。緑は味噌ののったフキノトウ。内臓が旨い。実山椒のおろし。紅葉おろし。木成完熟柚子、山葵。
勢子カニたっぷりの茶碗蒸し。
フグの酒蒸しにはでかい白子入り。アラの様な部分だけど、遠江が残っているようで、テロンとした食感。旨いけど、白子ににゃ負ける。ネギ、椎茸・菊菜でポン酢。

今日はご飯を聞いてこないなと思ったら伝助穴子のお寿司でした。ダブルで乗っかったアナゴ。中途半端なウナギでは、敵わないな。ちょろぎ、止め椀。昨年は天候不順だったせいか、ちょろぎすら高騰していたそうだ。
和菓子KOTIKAZE風プチフルールだそうです。丁寧にそれぞれ教えてくれて、覚えようと聞き直したりするんだけど、不確かなのが多いので書かない。教え甲斐のない客になった。

食べ終わって帰ろうとする頃、心斎橋の大将がやってきて、Qちゃんをおでん屋に誘いに来た。思いがけずに年始の挨拶が済んだ。
今日は持ち帰りのご飯がないと思っていたら、お寿司を詰めてくれたようです。ありがと。


平成25(西暦2013)年12月5日
晩御飯は、おなじみ「日本橋・藤久」です。
座敷満席のようで、カウンターは先客一組。早々に帰られたけど、その後埋まった。盛況。

  • 先付が、焼きふぐ白子と遠江の小吸い物
  • お造りが、ブリ、よこわ、鯛(鯛皮)、くえ、あおりいか、生ウニ、牡蠣
  • お椀が、カワハギとその肝の団子に焼いた下仁田ネギ混ぜ、菊菜、椎茸、柚子
  • 割山椒にクエの胃袋・ブロッコリー、牡蠣の柿和え、ゴンズイの昆布巻き、管牛蒡のアンキモ鋳込み、烏口に唐墨鋳込み、蒸し海老
  • 赤目の酒蒸し
  • 勢子カニの蒸し物、カニ酢
  • 福井のツキノワグマ鍋、芹、針牛蒡、ネギ、生卵
  • ブリご飯、止め椀、香の物
  • 和菓子3種

今夜のお酒は先週と同じ「松の司・2010(22BY)・AZOLLA・しずく・滋賀県竜王町山田錦精米歩合50%(環境こだわり農産物認証・特A地区栽培期間中除草剤無使用栽培))・自社保存株酵母・229本/1800ml 」です。
松の司らしいシャープさは無いものの、甘みとともに膨らんだ味の幅と旨みがたっぷり。それでも後口は松の司らしい甘みと喉越しの端麗さが残っております。一週間で旨みに円やかさがでて厚みが出た印象です。

先付が、茶碗蒸し風に出てきましたが、吸い物でした。中には焼いたふぐの白子と遠江。今シーズン最初のふぐの白子。
吸い物が出たせいで、次にお造り。変化球にカメラを忘れてしまいました。とっても落ち込む。牡蠣だけが他と違った味で、特に必要ないと感じるのです。分厚く切ったクエが旨みたっぷり。フグもそうだけど、厚く切った方が旨いようです。
で、次がお椀。椀種は、ネギはわかったけど、正体は聞くまでわからず。カワハギとその肝を団子にしたもののようです。不思議にふわっとして、吸い地もグングン味が乗ってくる旨味の塊。

八寸の割山椒にクエの胃袋・ブロッコリー。グニュグニュの頼りない食感で、微妙な味。茹でてあるんでしょう。牡蠣に柿という語呂合わせの料理ですが不思議にいい感じ。なんだかトマトのジュのような味もするんです。ゴンズイの昆布巻き、管牛蒡のアンキモ鋳込み、烏口に唐墨鋳込み、蒸し海老。
釣り人にとっては幻の魚「赤目」のカマが酒蒸しで出てきました。環境省レッドリスト2007年版では「絶滅危惧IB類(EN)」。宮崎県では捕獲が禁止。天然記念物になりそうだそうです。ホロホロ崩れる柔らかい身だけど、脂ののった旨みが滲むカマ。赤目の赤目だ。
温かい勢子カニの蒸し物、カニ酢。

目鍋が出てきて、具材は福井のツキノワグマ。芹、針牛蒡、ネギ、生卵。白身というらしい脂身のところが室温で溶け始めてテカテカ。シャブシャブしている間に溶けちゃうというので、火が通ればすぐに引き上げないといけない脂身。すき焼きの割り下風の鍋出汁で、シャブシャブして、生卵に絡めて食べれば、口の中で溶けてしまうのでした。
注文したご飯はブリご飯。冷めても美味しい脂の回ったご飯。
和菓子3種。干し柿の羊羹鋳込み、酒入りの餡巻き、他。
和食が無形文化遺産に登録されるのを狙ってか、来年1月24日(金曜日)から平成26年2月11日(火曜日・祝日)にかけて「大阪割烹体験2014」というイベントが、開催される。
聞くところによると、大阪府がぐるなびに協力を求めて、割烹ビギナーを対象に実施するという事らしく、各店舗に予約専用電話を儲けて予約するシステムのようです。webによれば、行ったことのあるのは・・・季節料理ままごとや、懐石料理桝田、日本橋藤久ぐらい。
利用することは多分ないけど、無形文化遺産登録を利用して、京都の独り勝ちになんかさせないように、がんばれぇ!

年末の挨拶。


平成25(西暦2013)年11月26日
晩御飯は、おなじみ「日本橋・藤久」です。
カウンターは独占。

  • 先付が、蝦蛄と蝦蛄の細巻き
  • お椀が、ばばちゃん、ヒラタケ、軸菜。紅葉人参、柚子ネギ
  • お造りが、氷見のブリ、よこわ、鯛(鯛皮)、あおりいか、利尻の生ウニ、ももちゃんカニ足
  • 柴垣の八寸には、アナゴ寿司、自家製カラスミ、海苔のウニ巻きの揚げ物、慈姑・生キクラゲの揚げ団子、サーモン百合根、ブリの内臓の玉子とじ、?、柚子の羽二重、高坏にイノシシもものロースト・ブロッコリー。
  • 焼き物は、イノシシの味噌焼き、下仁田、松茸、ししとう
  • 牡蠣と銀杏餅の天ぷら、甘酢あんかけ
  • ももちゃんカニの暖かい酢の物、ホウレンソウ、カニみそ
  • 青首鴨の炊き込みご飯、止め椀(大根)、香の物
  • 和菓子3種(栗入りかるかん、他)

今夜のお酒は「松の司・2010(22BY)・AZOLLA・しずく・滋賀県竜王町山田錦精米歩合50%(環境こだわり農産物認証・特A地区栽培期間中除草剤無使用栽培))・自社保存株酵母・229本/1800ml 」です。平成23年・年初の醸造と思われますので、およそ3年たってます。瀬戸杜氏から石田杜氏に責任者が変わった年で、巷の評価ではよくないビンテージです。
ピークが過ぎちゃったようで、甘ダレ気味の甘さ。酸も消えて締りは少々悪いけど、腐りかけは旨いともいえる味わいである。丸みのある穏やかな甘さに留まっているので、呑みやすさも感じる。

先付が、蝦蛄と蝦蛄の細巻き。蝦蛄の胴体はそのままですが、足(爪)の身をほじって、集めて、細巻きに仕上げたそうです。手間がかかっているけど、一口。申し訳ないほど、気軽。
雲錦の八橋のお椀に、ばばちゃん。初めて食する「たなかげんげ」です。白身で柔らかで、味はほとんど感じないけど、かすかにカレイのような味わいが残る。少々濃い味の鍋出汁とか美味しいだろうなと思わせてくれます。とろんとした皮も入れてくれてあります。大阪で食べられるとは思っていなかった。ヒラタケ、軸菜。紅葉人参、柚子ネギ

お造りが、先週あたりから出回っているという氷見のブリ、焼き目を付けたよこわ、今シーズン一番の旨みを感じる鯛(鯛皮)、あおりいか、流通が減っているというウニは利尻、ももちゃんカニ足一本。
柴垣の八寸には、アナゴ寿司、自家製カラスミ、海苔のウニ巻きの揚げもの、慈姑・生キクラゲの揚げ団子、サーモン百合根、ブリの内臓の玉子とじ、もう一品は?、柚子の羽二重、高坏にイノシシもものロースト・ブロッコリー。ぶりは四分一(1/4)を買えば内臓がついてくるというので珍味に仕上げちゃうのです。イノシシ君も四分一で入荷するそうです。
焼き物は、能勢のイノシシの味噌焼きです。今日もジビエです。
牡蠣と銀杏餅の天ぷら、甘酢あんかけ。銀杏を潰すとお持ちの様に粘って固まるそうです。でも柔らかさはゴマ豆腐くらい。
ももちゃんカニの甲羅で蓋をした暖かい酢の物は、モモ蟹。味噌がたっぷりで旨いといわれるモモ蟹の味噌たっぷりの酢の物。暖かい分酢が飛んでいるのか酸っぱさはほとんど感じない程度になってます。
アラカルトのメニューに青首が乗っているので、年に一度は食べてたい鴨の炊き込みご飯を注文。鴨出汁で焚かれた旨みたっぷりの鴨めし。ちゃんと出汁を取っておいてくれるんですから、馴染みというのはありがたいものです。
和菓子3種(栗入りかるかん、他)は覚えきれません。


平成25(西暦2013)年11月24日
文楽、二部のお弁当です。食事は7時半。遅い幕間です。


平成25(西暦2013)年11月3日
文楽幕間のお弁当は、

丁寧な仕事というか、細かい仕事というか、食べていても詳しいことが分からない内容で、改めて聞きました。バナメイを芝エビと言われても、たぶんわかんないだろうなという事を実感。今日の魚は焼き物ではなく、煮もの、アラ煮。皮の部分のコラーゲンと淡泊な白身に鶏さんかと勘違いしたほど。
ご飯は、指定しておいたものです。


平成25(西暦2013)年10月31日
晩御飯は、「日本橋・藤久」です。

  • 先付が、焼き大根の煮びたし風、刻んだ干しホタテ
  • 土瓶蒸し風茶碗蒸し、アマダイ、岩手産マツタケ、三つ葉
  • お造りが、皮霜ヨコワ、ぶり、ワタリガニ、シラサ海老、アオリイカ、カワハギ肝巻き、
  • 八寸の藁包には、銀杏、松葉に刺した零余子・麩の味噌焼き、一夜干しの牡蠣の利休焼き、四方竹、エビの黒枝豆寿司、栗スライスチップ。壺壺に香茸のクルミ豆腐和え。陶箱には真菰竹・ホタテの梅白味噌和え。紫芋とレンコンのチップ、
  • 焼き物は、カマスのウニ焼き、エビパン、酢取りのネギ、銀杏、酢橘
  • 赤貝、梨、胡瓜の湯葉和え
  • ヤガラのしゃぶしゃぶ、シメジ、豆腐、菊菜、白ネギ
  • 牡蠣の炊き込みご飯、鍋出汁の止め椀、香の物
  • 和菓子3種

今夜のお酒は「松の司・2011(23BY)・AZOLLA・純米吟醸しずく・滋賀県竜王町山田錦精米歩合50%(環境こだわり農産物認証)・栽培期間中除草剤無使用栽培・自社保存株酵母・限定172本/1800ml換算 」です。キンと冷えてリンゴ・メロン・マスカットのような香りが酸が味を引き締める。舌が酸になれると甘みが膨らんでくる。

先付が、焼いた大根を煮込んだものです。二度手間のぜいたく品でしょう。刻んだ干しホタテと芽ねぎ。旨い出汁で旨い大根。
変わりお椀で、土瓶蒸しと思わせて、茶碗蒸しでした。まぁ、卵が入っているだけで岩手産の松茸にアマダイですから。

お造りが、皮霜のヨコワ、ぶり、ワタリガニ、シラサ海老、アオリイカ、カワハギ肝巻き。北海道で豊漁だというブリ。ヨコワも北からやってきているそうです。生で食べた記憶が思い出せないワタリガニ。しらさエビの足は炙って小皿。大きく育った肝を巻いた丸はげですが、ほとんど肝をくっているようなものでした。ヨコワもブリも霞む肝。
八寸の藁包には、銀杏、松葉に刺した零余子・麩の味噌焼き、一夜干しの牡蠣の利休焼き、四方竹、エビの黒枝豆寿司、栗スライスチップ。壺壺に香茸のクルミ豆腐和え。陶箱には真菰竹・ホタテの梅白味噌和え。紫芋とレンコンのチップ。
焼き物は、カマスのウニ焼き、エビパン、酢取りのネギ、銀杏、酢橘。

赤貝、梨、胡瓜の湯葉和えです。湯葉やけどトロントロンとちゃうやんと言えば、トロントロンでは箸でつかめないからゼリーで固めてあるそうだ。
妙な魚のヤガラをしゃぶしゃぶします。ここんところデパートでも見かけていたヤガラです。旬なのかどうかも良くわからないんですが、分厚く切った身をシャブシャブすれば、淡泊で食感は鳥のささみに近い。岩手だったかのシメジは、ヒラタケに近いという解説。残った鍋出汁は、ご飯に出してもらうことにします。いいお出汁。
志摩の牡蠣の炊き込みご飯には、レンコン・人参・銀杏をあわせてくれます。野菜の甘みがしっかりご飯にしみて、旨いのです。鍋出汁の止め椀、香の物。
和菓子を3つ選んで、前回は見送ったハロウィン二種。メキシコのハロウィンでは髑髏を使うんだというので、パンプキンと合わせて二種類。


平成25(西暦2013)年10月25日
晩御飯は、遅くなったけど、松竹座の道頓堀から、おなじみ「日本橋・藤久」です。

  • 先付が、四方竹入りのゴマ豆腐、四方竹、ウニ、山葵
  • お椀が、焼鯛の骨蒸し、ネギ
  • お造りが、ひっさげ、ブリ、タイ、赤足エビ、皮はぎの肝和え、とらふぐ、アオリイカ
  • 吹き寄せの八寸のザルには、鯖寿司、クジラの焚いたん、温玉のキクラゲ巻き、黄身焼き、?、すけこの昆布巻き。柿の器に柿膾。ザルの外にはリンゴのサーモン巻き、菱の実の焚いたん
  • 焼き物は、トラフグの中落ち、茶そば松葉、銀杏
  • アワビ、四角豆・黄菊の寒天寄せ、もってのほか、黄身酢
  • 鹿肉の焼き物、山椒の実の醤油タレ、松茸、香茸、舞茸、白髪ねぎ
  • 栗の炊き込みご飯、止め椀(岩モズク)、香の物
  • 和菓子3種(栗きんとん、栗入り柿羊羹、栗入り小豆餡の紅葉きんとん))

今夜のお酒は「松の司・2011(23BY)・AZOLLA・純米吟醸しずく・滋賀県竜王町山田錦精米歩合50%(環境こだわり農産物認証)・栽培期間中除草剤無使用栽培・自社保存株酵母・限定172本/1800ml換算 」です。出荷から1年たってますが、味が乗って旨みがたっぷり。しばらくして味が落ち着くと、マスカットや梨のような、さっぱりしたフルーツの香りと甘みです。相変わらず、喉越しも軽め。

先付(写真がない!)が、四方竹入りのゴマ豆腐に四方竹、ウニ。刻んだ四方竹を混ぜたゴマ豆腐の上に「ウニ」。さらに5センチほどの四方竹の二つ割が乗っております。山葵の天盛に、醤油。ちょっと醤油が効き過ぎているようですが、四方竹そのものとウニと合わせるといい味わいでした。

朱の大振りのお椀が、焼鯛の骨蒸し。一旦焼いたカマ付の頭に出汁がはってあります。美味しいけど、ここ一か月ほど、煮たような汁物が記憶に残っているだけに、手抜き感。
お造りが、ひっさげ、ブリ、タイ、赤足エビ、皮はぎの肝和え、とらふぐ、アオリイカ。台風が来ているというのに、充実した魚。赤足は尻尾と足は焼いて添えてあります。バナメイではありません。バナメイは造りにはできないわねぇ。早くもトラフグが揚がっているようです。
吹き寄せの八寸のザルには、右の葉っぱの下に、鯖寿司・クジラの焚いたん・温玉のキクラゲ巻き・黄身焼き・すけこの昆布巻き。左の葉っぱの下に一品が、まったく思い出せない。柿の器に柿膾。ザルの外にはリンゴのサーモン巻き、菱の実の焚いたん。

焼き物は、トラフグの中落ち。およそ3キロ弱の天然もので、台風前に仕入れて水槽で泳がせていたようです。台風の保険ですな。お造りでも美味しいけど、焼いても美味しい。今水槽で泳いでいる保険魚はクエだそうだ。明日までの命です。
アワビと四角豆・黄菊の寒天寄せとを黄身酢で食べる一皿。色は綺麗だけど、食感だけの四角豆の寒天寄せ。いわば繊細な味わいなんでしょうが・・。
焼き物が出てきました。物覚えが悪いので正確なところは怪しいけど、山陰の方の鹿肉の焼き物。背ロースとネックの部分だそうです。合わせてキノコが松茸、香茸、舞茸。山椒の実が混ぜられた醤油ダレがかかってますけど、辛め。
散々悩んでシンプルに栗の炊き込みご飯。栗は、1/4程度にカットされて入っております。一膳食べて、詰めてもらいます。止め椀には能登のあまちゃんが手摘みの岩モズクです。シャキシャキのモズク。食感というのは正直で、誰が食べても、マスの子とトビッコほど違います。香の物。
今日も和菓子3種(栗きんとん、栗入り柿羊羹、栗入り小豆餡の紅葉きんとん)。例年のハロウィーン向けのカボチャも、他も、あるけど、今日は栗をメイン。


平成25(西暦2013)年10月1日
日が暮れても蒸し暑い中、晩御飯は近くの「日本橋・藤久」です。カウンターを独占です。

  • アワビとポルチーニ茸、べっ甲餡、隠元、長芋梅酢
  • お椀は、残月豆腐(丸豆腐)、冬瓜、芽ねぎ
  • お造りが、マグロ、たい、ヒラメ(縁側は皮霜)、イセエビ、たいらぎ、とつかあじ、あおりいか
  • 八寸には、琵琶に鮎のウルカ和え。笛の中が、ウオゼの子巻き、筋子・山芋の白板昆布巻き、鮒ずしのパン巻き、牡蠣の昆布巻き、紫芋の蒲鉾、味噌漬けの黄身の煽巻き、アジのセロリ巻き。高坏にマスカット・柿・リンゴ・梨のゴマクリーム和え・ザクロ
  • 焼き物はグジに巻いた松茸・香茸・ポルチーニ茸の三種。皮せんべい、酢橘、銀杏
  • ワタリガニ、ホウレンソウ、黄菊、針生姜の酢の物
  • 香茸鍋、レンコン餅の湯葉包み、針生姜
  • ポルチーニごはん、香の物、水ナスの味噌汁
  • 羊羹とリンゴの霙羹、餡包み、栗大福

今夜のお酒も先週と同じく「松の司・Classic 2011・大吟醸・中取り・兵庫県東条町特A地区特上米山田錦精米歩合35%・限定345本(1500ml) 」です。香も開いたけど、味わいが膨らんでボリューム感アップ。それでいてキレがいい。

前菜はポルチーニ茸とアワビにべっ甲餡です。なんで、日本料理屋にフレッシュのポルチーニがあるかと言えば、食べたいと言ったからに他ありません。知り合いのイタリアンに譲ってもらったという(たぶんあそこの)ポルチーニ。どうやら焼いただけのようで、香りは乾燥させるか・・油を使った方がいいかな?改善の余地ありです。東北の方でも、貧相なポルチーニは自生しているらしい。なぜかポルチーニが松の司とイマイチ。
お椀は、残月豆腐(丸豆腐)。お椀の底に山並みが蒔絵で、蓋にお月様。上弦(?)の形のお豆腐はすっぽんの入った玉子豆腐で、残月豆腐と呼ぶらしい。月齢に合わせているわけではないらしい。くり抜いた冬瓜。しっかりした丸の味の吸い地でした。
お造りが、津軽海峡のマグロに、たい、ヒラメ(縁側は皮霜)、イセエビ、たいらぎ、とつかあじ、あおりいか。

八寸には、琵琶に鮎のウルカ和え。自家製のウルカではない。塩辛い味はまさしく酒肴です。笛の中が、ウオゼの子巻き、筋子・山芋の白板昆布巻き、鮒ずしのパン巻き、牡蠣の昆布巻き、紫芋の蒲鉾、味噌漬けの黄身の?巻き、アジのセロリ巻き。と巻物尽くし。細巻きにして切らないと笛の中に納まらない。覚えの悪い頭だけど、唯一覚えきれないのが味噌漬けの黄身を何で巻いてあったかということ。高坏にはフルーツのゴマクリーム和え。飾りのススキは冷蔵保管してあるそうで、冷蔵庫から出すとどんどん開いてくるそうです。イネ科のあるるぎーのある人には危険なのかな?
焼き物はグジに巻いた松茸・香茸・ポルチーニ茸の三種。皮せんべい、酢橘、銀杏。なぜ、フレッシュのポルチーニが日本料理屋にあるかと言えば・・・。松茸・ポルチーニ・香茸の食べ比べ。実は香茸もリクエスト食材。「世界に一つだけのキノコ」なんて替え歌ができそう。
酢の物にワタリガニ、ホウレンソウ、黄菊、針生姜。

鍋で出てきたのはキノコ鍋ではなく、香茸鍋。レンコン餅を湯葉で包んだもの。鍋出汁に香茸の香りが移っていい味。ただ、取り皿に取ると湯葉が香りを消していくようで、思惑とは少し違ってくる。とてもいい香りだけど、ポルチーニ鍋というのも良かったかも。
食事はポルチーニごはん。なんでご飯の中にポルチーニがあるかというと・・・。ポルチーニのリゾットやパスタがあるなら、ご飯に入れても美味しいんじゃないというのが長年の希望だったのです。ただ、これはドライのポルチーニを使った方が良かったかもしれないし、あらかじめポルチーニで出汁を取り、それで焚いたりと、改善の余地はいっぱいありそうです。軍鶏肉でも入れてもらえば、また味は違っていたかも。工夫しなきゃ。
羊羹とリンゴの霙羹、栗大福。餡包みは、詳しく覚えきれてない、


平成25(西暦2013)年9月27日
晩御飯はおなじみ「日本橋・藤久」です。満席。
バイトで新しい子が三日前から働いているようです。初々しいというか、危なっかしいというか・・。

  • 先付が、白子豆腐、梨、四角豆、もってのほか
  • お椀が、鯛、菊カブラ、松茸、インゲン、へぎ柚子
  • お造りが、くえ、あわび、皮霜かつお、うに、あおりいか、くるまえび、揚げたエビ足
  • 月見の八寸の高坏には、エビの百合根寿司、百合根饅頭三種(うに、きくらげ、鱧の肝)。ウサギの器に、軍鶏のアケビ巻き味噌風味、鯛とナスの昆布巻、黒豆のかき揚げ、イカの鱧の子鋳込みの輪切り、アボガドとマグロの利休焼き、袱紗豆腐
  • 焼き物は、子持ち鮎・骨せんべい、焼き栗、松茸、銀杏、酢橘
  • 石垣豆腐、蝦蛄、加減酢
  • キノコ(松茸、黒皮竹、虚無僧茸、舞茸、ネギ、菊菜)の軍鶏鍋、
  • 松茸の炊き込みご飯、止め椀(牡蠣)、香の物
  • 和菓子3種(熊本利平の栗きんとん、イチジク羊羹葛餅包み、求肥に餡の葛饅頭)

今夜のお酒は「松の司・Classic 2011・大吟醸・中取り・兵庫県東条町特A地区特上米山田錦精米歩合35%・限定345本(1.8L換算) 」です。昨年夏のリリースのクラシックです。
気に食わない点を探したけど、ないな。

先付には、太目の滝川豆腐のようなぷりぷり・ニュルンとした白子豆腐に梨、四角豆。秋らしく紫菊のもってのほか。梨の果汁でしょうか?四角豆はスライスですが、甘いもんです。
日月椀の菊に細工されたカブラは、毎年の定番。ちょっと硬いかなと思うけど、煮崩れてはいけませんから難しいねぇ。国産の松茸は信州産。
三日月の向には、くえ、あわび、皮霜かつお、うに、あおりいか、くるまえび、揚げたエビ足。長崎の塩水の赤ウニ。

月見の八寸の高坏には、ゆる根の団子にエビを乗せた手毬寿司。その百合根で三種(うに、きくらげ、鱧の肝)のフィリングをくるんだ、月見団子見立ては恒例の一品。食べている間にススキの花が広がってきたみたい。ウサギの器に、軍鶏に味噌を塗って黒く煮つけたアケビで巻いたん。鯛とナスの昆布巻、丹波黒豆のかき揚げ、イカに鱧の子を鋳込んで輪切りにした変わり月環。アボガドとマグロの利休焼きは熟れない味。袱紗豆腐と言っていたと思う。豆腐を混ぜた卵焼きだったと・・・・。
焼き物は、子持ち鮎・骨せんべいが一匹。格子状に切れ目を入れたお腹から子供が膨れてきてます。太くなってきている骨は抜いて素揚げ。もう一匹欲しいなぁ。焼き栗、松茸、銀杏に、酢橘。
軽い酢の物に石垣豆腐と蝦蛄。刻んだ里芋を混ぜた玉子豆腐を石垣豆腐というそうです。確かに断面は石垣に見えます。
珍しい金鍋が出てきます。小鍋だけでもいろいろ持ってはります。ふたを取るとキノコいっぱい。松茸、黒皮竹、虚無僧茸、舞茸、ネギ、菊菜に軍鶏が加わってます。軍鶏の脂も加わって、残った黒ぽくなった鍋出汁がとても美味しい。

勧めてくれたシンプルに松茸の炊き込みご飯。止め椀には牡蠣がはいっていた。今シーズン初めてだと思う。いつものように一膳食べてお持ち帰り。
和菓子3種は、熊本利平栗を使ったの栗きんとん、イチジク羊羹を葛で包んだん、求肥を真ん中に餡をまとわせ葛饅頭に仕上げたんの三種類。


平成25(西暦2013)年8月29日
晩御飯は、「日本橋・藤久」へ。

  • 先付が、がんがら、河津瓜、もってのほか
  • お椀が、ワタリガニ、冬瓜、黄菊「寿」、生姜風味
  • お造りが、ひっさげ、くるまえび、あこう、キス、あわび、さんま、あおりいか、うに
  • 菊の八寸には、新イクラに長芋、じゃこえびと茗荷・ミスナスの古漬けの焚いたん、蛸の子・徳島の堅豆腐の紫蘇漬け・イカの黄金巻き、アジの海苔巻・軍鶏と枝豆の博多押し、しらさエビとトウモロコシ豆腐
  • 油ものに、雲子とクロムツのあられ揚げ、ミズの天ぷら、揚げ銀杏
  • 徳山鮨のフナ寿司
  • きんめのしゃぶしゃぶ、白髪ねぎ、松茸、三つ葉
  • サンマと松茸の炊き込みご飯、止め椀(しゃぶ出汁に溶き卵)、香の物
  • 和菓子3種

今夜のお酒は「善知鳥・大吟醸・百四拾・精米歩合35%」です。南国系のフルーツフレーバー香る優しい甘みを感じるサラサラのお酒。舌が寝れると香りも味も控えめで、優しすぎる。

菊の器に盛られた先付が、ここでしか食べたことがない「がんがら」に河津瓜と紫菊「もってのほか」。小粒でも侮れない旨さの貝です。
お椀は、今日も見た目ぐちゃぐちゃ。一面に浮いてるのは黄菊「寿」。ほぐしたワタリガニと冬瓜が主役だけど、菊が目立つ。しっかりした生姜風味。
お造りが、ひっさげ、くるまえび、あこう、キス、あわび、さんま、あおりいか、うに。
菊の八寸には、まだ小粒の新イクラ。遡上したというニュースは聞いていないんで沖でとれた鮭の子でしょう。妙に旨いじゃこえびと茗荷・ミスナスの古漬けの焚いたん、古漬けの酸味が穏やかでした。「ごはんのお伴」にぴったり。徳島の堅い豆腐の紫蘇漬けは豆腐と思えず蒲鉾並。トウモロコシ豆腐はトウモロコシのプリンみたいな甘さ。エビとあってるのかなぁ?

油ものに、雲子とクロムツのあられ揚げ。ミズの天ぷら。今月21日夜の「今ちゃんの実は・・・」でミサイルマンが和歌山で釣っていたのが「くろむつ」とその子「むつご」だった。生でも食べたかったと思わせる旨さがある。それにしてももう雲子です。雲子も旨い。
琵琶湖を旅行した時のお土産として買ってきたという徳山鮨のフナ寿司。酸味も抑え気味の食べやすい味。
出汁を張った鍋とコンロが出てきた。「きんめ」のしゃぶしゃぶです。白髪ねぎ、松茸、三つ葉。文句ない。ここでも雲南の松茸。安もんはしょせん安もんですが、雲南産の極上品は、国産と言われても疑われないほどの上物だそうです。

ご飯はサンマに松茸を足してくれた炊き込みご飯、止め椀は金目のしゃぶ出汁に溶き卵。玉子の甘みが引き立つ出汁に仕上がっておりました。
和菓子は、シャインマスカットの大福。着せ綿は小豆餡にこなし、イチジク羊羹の羽二重(?)巻き。


平成25(西暦2013)年8月22日
晩御飯は、「日本橋・藤久」へ。火曜日から水曜日にかけて滋賀県で遊んできたという。

  • 先付が、藻屑カニ、酢橘
  • お椀が、山口の岩ガキ、佐渡の細もずく、ネギ、蔓菜
  • お造りが、まぐろ、イシガレイ(肝)、焼き霜のハモ、いわし、ウニとイカ
  • 冷やし八寸には、アワビ湯葉海苔巻き、冬瓜とエビ、子持ち昆布と長芋の大葉昆布巻き。グラス三種は、おばけ、クラゲ・胡瓜の梅和え、鱧ほぞろとスライスした玉ねぎ。
  • 松茸を挟んだ白アマダイの塩焼き、皮せんべい、銀杏、酢橘、甘酢茗荷
  • アジのから揚げと揚げイチジクのサンド、あんかけ、大根おろし
  • 藻屑カニの炊き込みご飯、止め椀(ネギを挙げさんで巻いたん)、香の物
  • 和菓子3種

今宵は仙台の「シャトーガクト・LEI-CRESCENT・精米歩合55%・アルコール 12度」にします。やさしい水飴のような甘さがあるんですが、和三盆糖のようにさっぱりと消えていくのです。含み香はプラム・メロンのような香り。リーフレットには「フランス料理のために生まれてきた高貴なRICE WINE」と書かれていた。低アルコールということもあって、呑みやすいし、フェミニンな味わい。

先付が、藻屑カニ。内子もあるし、濃厚な味も一年ぶり。カニの旨みとほんのり甘い酒といい相性。毒やらなんやら訳の分からんものを川にたれ流した水域に住む中国の泥カニ(上海カニともいう)に比べて、安全安心の旨さです。品質管理の行き届いた日本商社の指導する野菜ならいざ知らず、金さえ儲かればいい養殖業者の食材なんて怖い怖い。中国人を、中国食品を信用しちゃだめだ。

お椀が、山口のブツ切の岩ガキに佐渡の細もずく。ズルズルではなくコリコリに近い歯触りの岩ガキには新しい魅力を感じた火の入れ具合。不思議と牡蠣臭さもない。一方細いモズクは食べにくい。適度に切ってくれるといいと思うのだけど、Qちゃんの仕事はざんぐり。
お造りが、まぐろ、イシガレイ(肝)、焼き霜のハモ、いわし、ウニとイカ。珍しいイシガレイ。肝もつけてあったけど、今一の肝。カレイは美味しいので残念。
冷やし八寸。ガラスの四方皿にはアワビのスライスを湯葉で巻き、さらに海苔で巻いたん。冬瓜の上にエビの重ねたん、子持ち昆布と長芋と大葉を昆布で巻いた三品。グラス三種は、おばけ、クラゲ・胡瓜の梅和え、鱧ほぞろとスライスした玉ねぎ。冷やされたお化けは、馬のたてがみを思い出す。クジラらしさのない脂だという意味です。

松茸を挟んだ白アマダイの塩焼きに、皮せんべい。先ずはウロコが逆鱗状態の揚げ物。音も美味しいパリパリのせんべい。松茸の香りがアマダイに移っているかは、疑問ですけど。
油ものです。アジのから揚げと揚げイチジクのサンドに、べっ甲あんかけ。辛そうな色だけど、濃いだけ。さらに大根おろしが乗って、揚げた大葉1枚。
カニがあるんですから、年に一度は食べておきたい「藻屑カニの炊き込みご飯」です。毛ガニやワタリガニも用意してあるというから、ドラえもんのポケットのような冷蔵庫です。ご飯が黄色に染まって美味しそうです。パラパラ感のある焚き具合もむちゃ好み。
和菓子3種。奥の寒梅粉のゼリーが乗ったんだけは覚えてるんだけど・・・。


平成25(西暦2013)年7月30日
晩御飯は、いつもの「日本橋・藤久」へ。

  • 先付が、晩柑の中に、クルマエビと晩柑、茗荷
  • お椀が、くじら汁、ナガスクジラの本皮、冬瓜、白髪ねぎ、合わせ味噌仕立て
  • お造りが、イワガキ、かつお、かんぱち、皮霜の小鯛、ウニ、あおり
  • 団扇の八寸が、ガラスの中がイワシの腸の塩辛和え、蝦蛄の二の腕ともやしの荏胡麻和え、子持ち昆布と長芋の昆布巻き、エビの厚焼き、捧の揚巻、ズッキーニとトマトのマリネ、白アマダイの納豆巻き、ひめちのお寿司
  • 油もので鱧三種揚げ(かき揚げ、黄身揚げ、あられ揚げ)、皮せんべい、銀塩
  • アワビと白桃、アヴォガドのサラダ仕立て
  • 松茸入りのアコウのしゃぶしゃぶ、菊菜、白髪ねぎ、オロシぽんす醤油
  • サンマごはん、香の物
  • 和菓子3種

最初は珍しく濁って、ちょっと発泡している「喜楽長別撰大吟醸おり酒・「澱酉合」―杜氏の置き土産おりあわせ―「蔵元の隠し酒」 山田錦精米歩合40〜50% 限定70本」を呑んでみる。大吟醸や純米大吟醸の濾過後の斗瓶・タンク貯蔵で生じた「おり」を寄せ集めた、つまり、上澄みの商品を作った家杜氏の残り物を、蔵元が70本いっしょくたにして70本瓶詰めし、4店の酒屋さんに卸したというお酒らしいのです。つまり、濁っているけど「普通の濁り酒」ではないという印象です。
濁り酒は、呑んだ後にコメの溶けカスが残ったような舌触りと、いつまでも舌や喉に残る諸味のザラツキ感が大嫌いなんです。ですから、季節商品であってもほとんど断ってきたのですが、レアには弱い人間です。
最初は上澄みを呑んでみます。といっても薄濁りでしたけど、フルーティーな香りにサイダー風の炭酸やミネラルの苦みがあって複雑です。甘ったるさはなく苦みが味を締めている印象。予想以上に旨いというか、爽やかで綺麗。

先付が、晩柑の中に、クルマエビと晩柑、茗荷。柑橘なんだけど、甘みも酸味も比較的弱い晩柑。柑橘の味が、澱酒の苦みにピッタシでした。
お椀が、くじら汁。ナガスクジラの本皮に冬瓜。大阪風(?)に合わせ味噌仕立て。濃厚なコクのある旨いくじら汁に、若干、澱酒が負けているようです。
上澄みを呑んだ後で、瓶を振って混ぜ混ぜして白い酒を試します。乳酸やヨーグルトのようなコクが加わり、苦みがマスキングされ、フルーティさは変わらず。濁った酒に感じる味の猥雑感や、ザラツキ感もまったくない。コクのある味噌出汁に堂々と渡り合うお酒。来年は買い占めようかと・・・。

お造りが、和歌山のでかいイワガキ。今年一番の大きさ。かつお、かんぱち、皮霜の小鯛、ウニ、あおり。カキやウニがまた澱酒に合いますがな。
団扇の八寸の、ガラスの中がイワシの腸の塩辛和え、蝦蛄の二の腕ともやしの荏胡麻和え、子持ち昆布と長芋の昆布巻き、エビの厚焼き、捧の揚巻、ズッキーニとトマトのマリネ、白アマダイの納豆巻き、ひめちのお寿司。面倒くさいだろうと思うのは蝦蛄の二の腕(生物的に正しいかは知らないけど)をほじくってくれたようです。納豆嫌いですが、大丈夫ですと言われて、人生初めて胃の中に納豆を入れた次第です。納豆でグニュグニュのアマダイで、ほとんどニュルニュルで味がわからないけど、過去吐き出し続けた納豆臭さは消してありました。だといって今後食べたいかというと、絶対にない。

500mlの澱酒を少々スタッフに残して、喜楽長つながりで今日も「喜楽長・純米大吟醸・兵庫県産山田錦精米歩合30%・金沢酵母・二年間3℃低温熟成」を呑みましょう。濁った分がないだけ綺麗な味。

油もので鱧三種揚げ(かき揚げ、黄身揚げ、あられ揚げ)に皮せんべいと銀杏。骨を切って皮を引いているのか、その逆なのかは聞いてませんが、揚げ物には皮がない。だから鱧とは思えないフワフワふっくら。
アワビと白桃、アヴォガドのサラダ仕立て。レモンと醤油とでサラダに仕立ててあります。これは説明できない味だ。
鍋が出てきて、具は松茸とアコウで、しゃぶしゃぶ。松茸を入れて香りを出しておこう。ときおり出汁加減を確かめながら、アコウをしゃぶしゃぶ。関西ではアコウと言えば「きじはた」で、アコウ鯛といえば「目抜け」をさします。どうも勘違いしているライターさんもおられるようで、鯛をつければ丁寧だとでも思っているかもしれません。最後残った鍋出汁は、お椀に移し替えて、三つ葉を刻んでくれました。おおきに。
サンマごはん、香の物。今年は不漁のようです。痩せているし、水揚げが少ないらしい。
和菓子3種。小さい緑がわさび案の求肥。大きいのがマスカット入りだったかな?バナナをコーヒーゼリーでサンドしたもの。


平成25(西暦2013)年7月26日
晩御飯は、「日本橋・藤久」へ。カウンターの先客は一組だけとその一人は、東岸和田のイタリアンでお見かけしたことのあるお坊さん。お近くの数珠屋と一緒だけど、聞く気はないのだが、いろいろお寺さんの悪口が聞こえてくる。坊さんの話は面白い。

  • 先付が、夏野菜のゼリー寄せ
  • お椀が、うなぎの真蒸、白キクラゲ、絹サヤ、茗荷
  • お造りが、スズキ、クルマエビ、蝦蛄、うに、皮霜カツオ、イカ
  • 八寸が、ホオズキの中に干瓢(かんぴょう)の酢味噌和え、金時草(きんじそう)のお浸し、さんまの卯の花和え、胡瓜の鮎巻き、太刀魚の手毬寿司、土用シジミの豆乳埋め豆腐、たこの梅和え
  • 白アマダイの塩焼き、チリ酢。出汁掛け。
  • アワビと瓜、素麺、トマト、スプラウト
  • すっぽん、冬瓜、銀杏の焚いたん
  • 鱧の蒲焼の炊き込みご飯、止め椀(松茸)、香の物
  • 和菓子2種とカキ氷(蓮見氷)

今日も「喜楽長・純米大吟醸・兵庫県産山田錦精米歩合30%・金沢酵母・二年間3℃低温熟成」を呑みましょう。

先付が、夏野菜のゼリー寄せ。赤ピーマン、小芋、オクラ、南京。小芋が見えているので、どこかにタコがいるのかと思ったんだけど、肩すかし。
お椀が、うなぎの真蒸。野趣ある椀種。繊細な吸い地が一気に旨みたっぷりに変わる。白キクラゲ。
お造りは涼しげな、そして食べづらい、カマクラ見立て。スズキ、クルマエビ、蝦蛄、うに、皮霜カツオ、イカ。脂の旨みたっぷり美味しいスズキだった。エビさん二種類で、一つは蝦蛄。生です。グニュグニュ。生で剥くのは難しいそうで、一旦凍らせて剥くそうです。でそうするとグニュグニュになっちゃうそうです。ぷりぷり感は全くない。淡路のウニの最盛期でしょうか?美味しい。

団扇の八寸が、ホオズキの器の中に干瓢(かんぴょう)の酢味噌和え、金時草(きんじそう)のお浸し、さんまの卯の花和え、胡瓜の鮎巻き、太刀魚の手毬寿司、土用シジミの豆乳埋め豆腐、たこの梅和え。何の趣向かと聞けば「土用のうしの『う』尽し」なんだそうだ。かんぴょ、きんじそのはな、きゅり、たちお、うずみとふ、め。だったかな。「うんうん」よりも「こじつけ」めいて聞いてて笑いがこみあげる八寸。でも、味はこじつけじゃないよ。文句をつけるとした卯の花和えというのは、ボソボソした食感で好ましくないように思う。大阪の料理だったかな?
焼き物は白アマダイの塩焼き。頭とカマ。ガラ入れを出してくれるけど、こりゃ出汁を掛けてもらわなきゃもったいない。漆の片口にネギを浮かせた熱い出汁が出てきたので、器にドボドボ。たまりまへんなぁ。

冷やしものでアワビと瓜、素麺。あんかけ風にとろみがついてます。瓜は藤久農園産で、甘い瓜でした。
変わって暖かい炊き合わせ。すっぽん、冬瓜、銀杏。
考えてくれていたご飯は鱧らしいので、お得意の梅鱧ではなく、蒲焼の鱧でお願いする。止め椀に松茸の清汁仕立て。香の物にはこれでもかというナスが入っているので、クレーム。ツケモンばっか食ってられるかいな!?

和菓子2種は梅酢につけた長芋でアジサイ風の葛饅頭に、マスカット大福。瀬戸ジャイアンツかな?
郁ちゃんがカキ氷を作ってくれるというのでお願いします。大阪市のフリーペーパに載るとかいうてましたが、蓮の実餡と白味噌餡を混ぜて底に敷き、氷、白玉。最後に紅麹蜜を掛けた「蓮見氷」と名付けてました。


平成25(西暦2013)年7月18日
晩御飯は、「日本橋・藤久」へ。カウンターに先客一人だけだが、二階は埋まっているようです。

  • 先付が、山芋団子とウニ、海苔
  • お椀が、あこう、松茸、絹さや、輪柚子
  • お造りが、クルマエビ、鱧(焼き霜・落とし)、アワビ(肝付き)、イカ
  • 八寸が、鱧の白子寄せ、イカの味噌漬け田楽寄せ、エビ味噌寄せ、枝豆と軍鶏、エビの茶碗蒸し、ヤマモモゼリー、黄身の味噌漬け卵白寄せ、アナゴの茶碗蒸し、浅利の煮凝り
  • 新さんまの腸焼き、塩焼き、あられ揚げ、骨せんべい、腸煮、揚げ新銀杏
  • 蝦蛄と糸瓜の加減酢、オクラ
  • ウナギ(と皮)の揚げたん、太胡瓜、醤油餡、白髪ねぎ
  • しじみめし、止め椀(ナス・茗荷)、香の物
  • 和菓子4種

今日は「喜楽長・純米大吟醸・兵庫県産山田錦精米歩合30%・金沢酵母・二年間3℃低温熟成」を呑みましょう。最初はメロン・マスカット系の甘い旨みがしっかり。しばらくすると落ち着いて味や香りが円やかになる。以前感じた深みのある味わいは影を潜めて、旨みが開いた感じだ。

ボケっと取り忘れた先付が、山芋団子とウニとがガラスの舟。団子の下に海苔の・・「磯自慢」だな。佃煮とは言えないけど「海苔の焚いたん」。ご飯のお伴にベター。
朝顔のお椀が、梅肉を乗せたあこう、早くも松茸。噛みしめたら香りが感じられる程度ですけど、でてくりゃ嬉しい松茸です。
お造りには、でかいクルマエビ。足はミソ付きで揚げてくれてます。鱧は二種類で焼き霜と落とし。串に刺して表裏に焼目を入れてありますがほとんど生。生のアワビの薄造りに生肝付き。アワビの肝の旨さは食べているものと鮮度なんだろうなという味で、肝臭さがまったくない。あおりイカ。
八寸の趣向が不明ですが、朝顔の葉に銀の器。寄せもの・冷やしもの・・・。鱧の白子寄せ、イカの味噌漬け田楽寄せ、(たぶん)エビ味噌寄せ、枝豆と軍鶏、エビの茶碗蒸し、ヤマモモゼリー、黄身の味噌漬け卵白寄せ、アナゴの茶碗蒸し、浅利の煮凝り。

毎年の定番新さんまの腸焼きに、塩焼き、あられ揚げと三種の食べ方。カリカリの骨せんべい。苦みたっぷりの腸煮。苦みが強くてちょっと酒に勝ちすぎでした。腸焼きのトッピングに使えばそこそこ。熊本の新銀杏を挙げてくれてますが、まだ枝豆だろうと思って、恥をかく。先入観というのは味覚を凌ぐ時がありますな。
酢の物蝦蛄と糸瓜。ジュレ風。赤と緑のオクラ。子持ちの蝦蛄。
ウナキュウと言ってますが、アレンジ満載。藤久農園の太い胡瓜に、素揚げのウナギに醤油餡。辛めの餡でした。胡瓜は焚いているのか、香りが胡瓜とは思えない。
ご飯で考えてくれているのが、鮎(そういえば今日は食べてないや)としじみ。で、選んだのが「しじみ」。「土用しじみ」。当り前だろうけど、蜆の出汁で焚いてと注文つけておきます。瀬田河畔の名物に比べて醤油が少なく、淡い味。残れば折詰。

夏らしい和菓子を4種。若鮎風の巻物。錦玉羹とかいろいろ。清流の鮎さんでしょうか金魚鉢風のも選ぶ。葛饅頭。

知らなかったが、もう優ちゃんの「カキ氷本」が出ているそうで、コチカゼにお客さんが来ているそうです。先日、祇園のイタリアン和食「祇園やまぐち」に食べに行ったときに「ニチ」で氷を食べてきたそうです。以外にも「氷」が苦手だったようです。
徳島銘菓「金長まんじゅう」をオミヤにしてくれます。


平成25(西暦2013)年6月26日
晩御飯は、「日本橋・藤久」へ。カウンターの先客1組。もうすっかり顔を忘れてしまっていましたが、藤久のバイトちゃんで、プルミエールからルシェルシェへ移って、頑張ってるユキちゃんでした。帰ってから、教えてもらって気づくというお粗末な記憶です。

  • 先付が、タコ・南京・長芋羹、小柱、オクラ
  • お椀が、アワビと白キクラゲ、三度豆、輪柚子
  • お造りが、岩牡蠣、鱧(焼き霜・落とし)、ウニ・イカ、スズキ、めごち、マグロ
  • 八寸が、鮎の背越し、キスの子巻き揚げ、エビの黄身寿司、枝豆、粟麩の蒲焼、イカ利休焼き、ホタル見立ての黒ゴマ小芋、焼きトウモロコシ、マナガツオの手毬寿司
  • 白アマダイの塩焼き、柚子オロシ、皮せんべい、茗荷
  • 毛ガニと愛玉子の加減酢、スプラウト
  • 牛ヒレと玉ねぎ、醤油餡
  • 蓮めし、止め椀(浅利)、香の物
  • 愛玉子、白キクラゲ・蓮の実・杏子・くこ、梅饅頭、水無月、漉し餡求肥

今宵のお酒は「田酒・純米吟醸・百四拾(華想い)精米歩合50%」です。デラウェアや梨のような立ち香。微妙な苦み、厚みと幅のある旨み。絶妙な余韻の甘み。酔わないのではないかと勘違いしそうだ。

先付が、長芋羹で、構成は芋タコ南京です。下味の付いた長芋を葛で固めてあるようです。

お椀が、アワビと白キクラゲ。アワビとアワビとの間に肝を混ぜた真蒸で、ミルアワビ風。吸い地もアワビ出汁。昨日に台湾へLCCで買い出し(?)ツアーに行っていたそうで、そのお土産の一つが「白キクラゲ」というわけです。
お造りには、今日も小さい岩牡蠣。鱧は焼き霜・落としの二種類。アオリイカの素麺風にウニ乗せ。スズキ。生で食べたのは初めてではないかと思う「めごち」。水槽で泳いでおりました。聞くまで白身の魚の一部分かと思ったほど違和感のない白身です、日本海のマグロ。
八寸の、小鉢に鮎の背越しが蓼黄身酢、頭や尻尾・ヒレは油で揚げて乗せてくれてあります。芸が細かい。キスの子巻き揚げには大葉とかといっしょに巻いてあります。エビの黄身寿司、枝豆、粟麩の蒲焼、イカ利休焼き。ホタル見立ての黒ゴマ小芋に抹茶入りの真蒸で葉っぱをつくってあります。焼きトウモロコシ、マナガツオの手毬寿司には酢橘のスライス。

白アマダイの塩焼きには、熱々の柚子オロシ、皮せんべいが乗ってますが、ちょっとふやけたかな?茗荷。
毛ガニと愛玉子の加減酢。愛玉子も台湾土産。エビアンでグニュグニュしてると寒天状になるとか・・・だったかな?エビアン程度の硬度がベストだったという話。
牛ヒレと玉ねぎ、醤油餡。
ご飯は蓮めし。生の蓮の実が台湾土産。昨年は乾物の蓮の実で作ってくれたご飯でした。でも、蓮の実の味は干した方が増すのかもしれない。味噌汁の具の浅利は酒が効きすぎ。

愛玉子とそのゼリーのドリンクです。白キクラゲを焚いてあんみつ風。・蓮の実、梅餡の饅頭、水無月、漉し餡求肥は七夕に向けての試作品。織女の糸車の模様だそうです。


平成25(西暦2013)年6月8日
晩御飯は、「日本橋・藤久」へ。カウンター7名と座敷も埋まって、慌ただしい。

  • 先付は、酢の物、加賀太胡瓜、茗荷
  • お椀は、鱧真蒸、水ナス、葛梅、ジュンサイ、大葉
  • お造りは、トロ、アマテカレイ、鳥貝、赤貝、鱧(落とし、焼き霜)、醤油、梅肉
  • 八寸の舟には、カタクチイワシのゴマ酢漬け、アナゴのアスパラ巻き、タコの柔らか煮、豆アジの梅煮、万願寺の海老詰、鱧の子の卵焼き、ツボツボにデラウェアのおろし和え・クコ。かんぴょうの海苔和え
  • 油もので、赤足エビ、レンコン、がっちょ、とうもろこし、万願寺。レモン
  • イワガキ
  • キアラの空豆豆腐蒸し、あんかけ
  • あわびご飯、止め椀(玉子豆腐)、香の物、降り柚子
  • お菓子が子桃羊羹に錦玉羹、空豆餡と黄身餡、ブルーベリー入り寒天饅頭

今夜も「松の司・2012(H24BY) 純米吟醸・AZOLLA・生原酒・竜王町産山田錦(栽培期間中化学肥料未&除草剤未使用・環境こだわり農産物認証)精米歩合50%・自社保存株酵母・限定436本(1.8L換算)」を呑んでみよう。とても美味しい。最初は南国系フルーツの甘い香り、次第にマスカット系の清楚な香りに代わって、甘みを在るけど適度な酸の切れが小気味いい。

先付にはガラスの器に酢の物。毛ガニに、しんなりした素麺のような長い加賀太胡瓜。(デジカメ忘れる!時々忘れるようになってきたようで、老化?)
お椀は、にぎやかな風情。サイコロ状の水ナスに、赤色の葛。白い真蒸。吸い地はなんだかトマトのような酸味のある香りがするので、トマトの葛かと思ったんだけど、梅でできた葛でした。白い真蒸もなんだがわからなかったんですが、鱧ときいて、梅なのが納得できたしだい。しかし梅の香りがトマトに感じるほど強いのですから、思惑外れのお椀としか言いようがない。吸い地はカツオ出汁。
お造りは、新潟の近海マグロ。鳥貝・赤貝。甘手カレイに、鱧が二種類で、落としと焼き霜。なんだが、焦っているのか骨切が骨が残るようなことはないんだけど雑っぽい。
八寸は屋形舟。酸っぱいのか塩辛いのか両方なのかしっかり味の片口いわし。あっさりのアナゴが美味しい。八幡巻きのアレンジ?かんぴょうに海苔の香りがあう。

てんぷらは、赤足。ふっくら揚がって美味しいのですが、がっちょもしっとり。松葉のがっちょは、中骨をとってあります。
イワガキが出てきましたが、ちょっと貧相な身。
暖かい餡かけ。そこには豆の香りたっぷりの空豆豆腐にキアラの身が埋まっております。どちらもちょっともっさりした舌触り。
アワビとアワビの肝をごろっと放り込んでくれた、アワビの出汁で焚いたあわびご飯。思っていたのは肝を溶かして焚きこんでくれるかなと思っていたんですけどね。
今宵も三種類を選ぶお菓子。

首が回りづらい郁ちゃんが戻って来たので、「カキ氷」の話を聞く。驚くことにもうゲラが出来上がって、7月にはマガジンハウスから出版するそうだ。当日取材した他の氷屋は「トラック」だったそうです。


平成25(西暦2013)年5月31日
晩御飯は、五月になって初めての「日本橋・藤久」へ。座敷は埋まっているけど、カウンターは独占。

  • 先付は、水ナスの焚いたんに蝦蛄の揚げたん。茗荷
  • お椀は、アコウのアラの酒蒸し、軸菜、酢橘
  • お造りは、トロ、鳥貝、オコゼ、うに、イカ。醤油、ぽんす醤油
  • 八つ橋の八寸には、晩柑、小柱のわさび漬け、カマスの子巻、黄身酢レンコン、茗荷の味噌漬け、イワシの焚いたん・イワシの子の塩辛、わらび玉子、ウナギの八幡、丸十
  • 太刀魚の塩焼き、中骨のせんべい、トウモロコシのかき揚げ、蕗の梅煮、酢橘
  • アワビとアワビ豆腐、肝
  • 小芋とサエズリの炊き合わせ、ホウレンソウ、白髪ねぎ
  • アユと空豆のごはん、止め椀(ジュンサイ・海藤花)、香の物
  • お菓子が若鮎、茶団子、お茶の浮島・寒天

藤久でも「松の司・2012(H24BY) 純米吟醸・AZOLLA・生原酒・竜王町産山田錦(栽培期間中化学肥料未&除草剤未使用・環境こだわり農産物認証)精米歩合50%・自社保存株酵母・限定436本(1.8L換算)」を呑んでみよう。

先付は、水ナスの焚いたんに蝦蛄の揚げたん。濃い醤油味で煮しめた水ナスに、香ばしく揚げた蝦蛄。身の厚い蝦蛄でした。

重たいお椀の中は、夜まで泳いでいたアコウの頭とカマ、一匹分。好みのわかってくれているお店のうれしい配慮。黙々としゃぶりつくして「アコウのアコウ」を見つけるのです。
お造りは、トロ、鳥貝、オコゼ、うに、イカ。水槽で泳いでいたのはアコウだけでなくオコゼもいたのです。湯引き、肝、皮、胃袋、身をポンス醤油で食べます。トロは和歌山の近海マグロ。鳥貝は舞鶴だそうで、出回っているんですね。小振りなような気はしますが、甘みはたっぷり。ウニは淡路。
八つ橋の八寸。小柱のわさび漬けはわさび漬けというよりは粕漬の風味。いい味。カマスの子巻はあっさり。茗荷の味噌漬けはこってり。イワシの焚いたん・イワシの子の塩辛はかなり塩気が強い。

焼き物は、太刀魚の塩焼き。皮があるなしの二種類。その下に大きい中骨のせんべい。見事な包丁で余分な実が残っていない分、透けるような骨。ぱりぱり。付け合わせに、トウモロコシのかき揚げ、蕗の梅煮。
蒸しアワビが乗ったアワビ豆腐。肝。冷やし茶碗蒸しではありません。
炊き合わせにはサエズリに、ホウレンソウと小芋。おでん種でもある「さえずり」ですから、当然、煮ても美味しゅうございます。小芋にも合うというものです。
ご飯を聞かれてアユを頼んで、何かを足してと注文すれば空豆を足してくれました。止め椀にはジュンサイと海藤花とが入った味噌仕立て。
お菓子が若鮎、茶団子、お茶の浮島・寒天。
昨日、kotikazeに「今日もかき氷」という本を上梓している女優がやってきて、第二弾の取材をしていったそうだ。言うてくれたら、駆け付けたのにぃと文句を言う。女優はパティシェールの役の主演を演じたこともある甘党である。今取材しているくらいなので、今年の夏には間に合いそうもないけど、kotikazeもかき氷屋として有名になっちゃいそうだ。


平成25(西暦2013)年4月29日
文楽でお願いしたお弁当。


平成25(西暦2013)年4月23日
夕食は「日本橋・藤久」です。貸切!。

  • 湯葉のすりながし、わらび、うに、蛤、わさび
  • お椀が、車えび、海老と葱の団子、青葱
  • お造りが、キス(大葉入り)、アマテカレイ(肝付)、めばる(湯引き皮)、ヒラメ(炙ったエンガワ)、カツオ、醤油、ポン酢
  • 八寸にには、豆アジ、うね・タケノコロール木の芽餡・貝柱の磯部巻き、サヨリの昆布〆の子和え、カツオのワラビ和え、ホワイトアスパラガスの黄身酢和え、焼き稚鮎の粽寿司
  • 山独活と桜海老のかき揚げ、レモン、塩
  • 「ぼうずごろし」とイカ素麺の酢の物
  • 天然ウナギの蒲焼、長芋、しいたけ、木の芽
  • 桜海老ご飯、止め椀(新タマネギ)、香の物
  • お菓子(ももイチゴ大福。柏餅、粽)

今日のお酒も「松の司・2012(H24BY) 純米吟醸・生・竜王町産山田錦(環境こだわり農産物認証)精米歩合50%・自社保存株酵母」です。苦さが和らいで、旨味の複雑さが増した味わい。

先付けは、一見、茶碗蒸し風だけど、ハマグリがごろっと入った湯葉のすり流し。湯葉には出汁がが混ざっているようだし、蛤にも下味がしっかり。湯葉とウニとは、そもそも甘味が共通して、相性がいい。
、 お椀には、今日も大きな海老さん。青葱が際立つ白い団子は刻んだ海老と葱の白い部分の団子で、真蒸ではないようです。やっぱり海老は生か焼くかする方が美味しいような気がする。
お造りは、普段にない目先を変える盛り付け。日頃、なんでも厚く切りたがるクセに、鰹まで薄作り。香りはいいけど、食感は頼りない。そろそろカレイが食べたくなってきた季節。

縁高に盛り込まれた八寸。タケノコをかつら剥きにして、木の芽の和え衣を中心にクルクルと巻いた細巻きロール。食べているとなんだか嬉しそうこっちを見ているので、無視したけど、アイデアものだな。山形の郷土料理ではワラビを包丁で叩いてネバネバを出す料理があるそうで、それで鰹を和えたという。蕨の香りって、思う以上に強い。そろそろ五月が近づいてくると、食べたくなる粽ですが、今日は稚鮎の焼いたん。生でも焼いても鮎は寿司にしてもいいもんです。そろそろ、ハモを使い始めそうだ。
油物に、桜海老。生の桜海老。山独活の葉っぱはそのまま。茎(軸)の部分を桜海老と混ぜて掻き揚げにしてあります。そうそう海老は揚げても美味しい。もう山菜も終わりですな。
酢の物は海藻で「蔓藻」というもの。別名が「坊主殺し」っていうそうだ。帰ってネットで調べると「黒藻」とかいてあったりする。地方によっては呼び名が違うことおあるし、ここは「ぼうずごろし」でいいかな?合わせてある白い素麺はイカ。ネバネバでズルズルと。ネバネバは体にいいと言い聞かせて食べると、効きそうだ。
九州からやってきた天然ウナギの蒲焼が目鍋に乗って出てきました。これからもっと太ってくるんだろうなという大きさ。蒲焼のタレがかかった長芋や椎茸も旨い。

ご飯は、生の桜海老があるので、お願いします。蕗を混ぜてくれました。いい香りだ。いつものように残った分は折り詰め。
今日もお菓子三つ。お菓子は五月です。


平成25(西暦2013)年4月19日
文楽が終わって食事は「日本橋・藤久」へ。カウンターは(もう?)二組。

  • イカスミ豆腐のイカ巻き、フルーツトマト、芽葱
  • お椀は、車えび、タケノコ素麺、松露、木の芽、三つ葉
  • お造りは、焼き霜のカツオ、焼き霜のあぶらめ、焼き霜の太刀魚、ヒラメ(+炙ったエンガワ)、鯛、きす、車えび、アワビ、蓼の葉、醤油、アワビの肝醤油
  • 貝に八寸、掻き揚げ・黄身味噌漬け・サヨリ手毬寿司、スカンポとあぶらげの炊いたん、ズイキ(?)このわた和え、タマネギと花蘇芳の酢の物、モロコの炊いたん・豆腐とヨモギの細巻き
  • あぶらめの木の芽焼き、皮煎餅、若牛蒡
  • アマダイの茶碗蒸し、ウニ、こごみ、コゴミ餡
  • 牛肉・しいたけ・うど・タケノコ・わらびのすき鍋木の芽
  • 松露ごはん、止め椀(春子・味噌汁)、香の物
  • ヨモギのかるかん、葛桜、他

今日のお酒は「松の司・2012(H24BY) 純米吟醸・生・竜王町産山田錦(環境こだわり農産物認証)精米歩合50%・自社保存株酵母」です。冷えすぎないと、抜群の味わい。

透明感のある白いもので黒いものを巻いてあります。ねっとりというより、にゅる〜んとしたイカです。だとすれば、黒いのはイカスミですな。葛でお豆腐に仕上がってます。にゅる〜んにぐにょ〜んです。フルーツトマトの赤が目立ってます。

貝の絵柄のお椀には、車えび。シャキシャキ素麺はタケノコでした。黒っぽい根っこみたいな小汚いのは・・・松露。あまりにも久しぶりで思い出せませんでした。舌触りは柔らかいコンニャクのよう。松茸のような香りとかいわれるけど・・・どうかな?素麺にしちゃったタケノコも・・・どうかな?工夫してくれていることは良く分かります。フランス料理研究家ツジシズオが一ヶ月通い続けても同じ料理を出さなかったという伝説を聞いたことのある料亭出身ですから。
お造りは、白い。炙りすぎ。でも、厚い太刀魚は、ヒラメやアブラメより旨い。炙った縁側よりもだ。鯛はわずかにピークを過ぎた感じ。海老さんはお椀で使うより、生が断然いい。スライスしたアワビは生。肝醤油で食べます。
五つの蛤に盛り込まれた八寸。一番上に、食材を忘れた掻き揚げ、卵黄の味噌漬け(金柑玉子)、さよりの手毬寿司です。その下の四つには、スカンポとあぶらげの炊いたん、ズイキ(?)このわた和え、タマネギと花蘇芳の酢の物、モロコの炊いたん・豆腐とヨモギの細巻き。始めてのは、今の季節の花「花蘇芳」を使った酢の物。エディブルフラワーだったようです。そのまま食べたことは無いけど、ちょっと酸味のある花だそうだ。

焼き物はアブラメ。はいだ皮も揚げてくれます。パリパリの煎餅。なぜだかクリーミィさも感じる上品で香り豊かな磯の魚。
蓋椀には暖かい・・・緑色の餡。真ん中にコゴミがあるので、コゴミ餡です。ウニ乗せ。で、餡の下はというと、茶碗蒸し。具は白甘鯛。コゴミは不味いということはないけど・・甘鯛が美味しい。
コンロに目鍋がのって、鮮やかな牛肉。牛肉が出てテンションがあがることは無いけど、寂しいのは木の芽。ここはたっぷりの花山椒であるべきです。そうあってほしいものです。しいたけ・うど・タケノコ・わらび。
ご飯は松露を炊き込むというので、冒険です。どんな味かチャレンジです。でぇ・・・・・。言い難い。止め椀の味噌汁に春子。
今日も、お菓子は三個。


平成25(西暦2013)年4月2日
とうとう本降りになってくる中、晩御飯の「日本橋・藤久」へ向かいます。座敷は埋まっているみたいだけど、カウンターは独占だ。

  • 先付けは、鯛の桜白子巻き、雁足
  • お椀が、木積のタケノコ、タケノコのすり団子、花びら独活、木の芽、芽甘草
  • お造りが、ミンククジラ、焼き霜のアブラメ(生肝)、鯛(皮)、イカ素麺・ウニ、さより、わらび、山葵、醤油、生姜醤油
  • 八寸のボンボリに藤久農園の土筆の山椒煮、マス寿司
    • 琵琶湖の川海老ヨモギ・ジャガイモの掻き揚げ、蓬麩の炊いたん、厚焼きの串
    • タコの子の炊いたん、サヨリのアスパラまき、擬製豆腐の串
    • 鯛の子の炊いたん、カツオの葱巻き、アオリイカのくちばしの付け焼きの串
  • 焼きものが、タケノコの木の芽田楽、稚鮎・蓼酢
  • アワビ素麺、莫大海、唐草大根
  • タケノコのメバル(皮)の炊いたん、空豆、木の芽
  • タケノコご飯、止め椀(ホタルイカ)、香の物
  • 焼きヨモギ餅、桜金団、小豆餡と求肥の桜巻き

今夜も「松の司・2009(21BY)純米大吟醸・しずく斗瓶囲・東条町産山田錦精米歩合40%・金沢酵母(自家保存株)・杜氏:瀬戸清三郎(No.295/1800ml330本&720ml350本 」です。味噌を使った木の芽味噌にはちと合わないかなと思ったけど、後はとてもいい。特に生魚とはドンピシャ。

先付けは、昆布〆したようなねっとりした鯛を桜の花を混ぜた白子のクレープみたいなんでまいてあります。桜の香りは、それほどではないけど、白子と一緒食べる鯛はなかなか。でかく育った雁足の皮が硬い。食べづらい。
お椀の蓋を取るとタケノコ・・・ばっかし。今日からようやく入荷したと言う貝塚・木積(こつみ)のタケノコです。根っ子の部分二切れに、タケノコのすり身の団子を炙って入ってます。美味しいけど、この団子を揚げ団子にして油を足してくれたら、もっと旨いが出るだろうなとヘラズ口を叩いておきます。木積の出始めは、入荷予定が立たないそうで、次は決まってないそうですからラッキーでした。寿命が延びます。
お造りには、生がはいったというのでミンククジラ。旬のアブラメは焼き霜で、あとから生肝が出てきます、味が落ちてきたかなという鯛に、イカ素麺の上に北海道のウニ。いつおのように大葉を挟んださより。

桜のお花見風串の八寸。ボンボリには実家から送られてきた土筆の炊いたん。実山椒でいい味。桜マスの桜寿司も入っております。
 串刺しされているのは、琵琶湖の川海老ヨモギ・ジャガイモの掻き揚げ、蓬麩の炊いたん、厚焼きの一本。滋賀では川海老を掻き揚げにするところはあまりないかも?もっぱら「えび豆」ですねぇ。厚焼き玉子はよく串に刺せたたなぁという柔らかさ。
 タコの子の炊いたん、サヨリのアスパラまき、擬製豆腐の串。
 鯛の子の炊いたん、カツオの葱巻き、アオリイカのくちばしの付け焼きの串。白葱を芯にカツオを巻いて焼いたようです。いい組み合わせ。
コンロが出てきて、再びタケノコ。そして早くも稚鮎。鮎は先週末から使っているそうだ。早くから食べられると言うことは、長い期間食べられるということです。「しろこ」と呼ばれるタケノコにちょっと甘い木の芽味噌。木の芽味噌をちょびっと鮎につければ即席「魚田」。

見た目の悪いうどんいたいなんが、莫大の中にビヨ〜んと入ってます。食べればコリコリ。アワビでした。珍しい仕事で「唐草大根」。
炊き合わせでもタケノコ。なんぼでも出さんかい!という気分。出合いの黒メバルと一緒。
少し前に、焼き物のコンロのタケノコの皮をいらっていたら、ごはんを何にしましょうか聞いて聞いてくるので、阿吽の呼吸という奴か、これ(たけのこ)でいいですよと答えておいたご飯がでてきます。見事にタケノコだけだ。出てきたら嬉しい炊き込みご飯の一つです。一膳で後は詰めてもらいます。
お菓子は、やっぱり欲張ってしまった。


平成25(西暦2013)年3月26日
食事は「日本橋・藤久」へ。

  • 先付けは、白魚の桜揚げ、蕗の薹、レモン
  • お椀が、アイナメ、ヨモギ豆腐、雁足、はなびら独活、木の芽
  • お造りが、よこわ、カツオ、おこぜ(肝・皮・笛)、キス、ひらめ(エンガワ)、さより、いか、ウニ。山葵、醤油、紅葉おろし、葱
  • 貝尽くしの八寸、焼き粒貝・鳥貝と分葱のヌタ・タイラギの桜寿司、帆立のバター焼き・肝・白葱、ミル貝木の芽和え、薩摩赤貝・ブロッコリーの黄身酢和え、煮蛤・木の芽、赤貝とウルイ
  • 渡り蟹足のアラレ揚げ、内子揚げ、アスパラガス
  • 長芋素麺、菜の花、バチコ
  • 牛肉の炊いたん、春キャベツのピュレ、土筆
  • ウナギご飯、肝赤、香の物
  • ももいちご大福、桜餅二種、イチゴのギモーブ・餡入りギモーブ、桜風味の豆餅

今夜のお酒は、まだ出てくる前杜氏の作品「松の司・2009(21BY)純米大吟醸・しずく斗瓶囲・東条町産山田錦精米歩合40%・金沢酵母(自家保存株)・杜氏:瀬戸清三郎(No.295/1800ml330本&720ml350本 」です。香りの華やかさと味の深みに、穏やかな酸がメリハリを与えているかのようです。特に酢を使った料理とは相性がぴったり。

桜が描かれた貝の器に白魚と蕗の薹。この季節出てくる定番とはいえ、塩漬けした桜の葉を刻んで衣に入れてあります。桜の花も。香りと塩分が白魚の旨味を損ねることなく引き出しているようです。気に入っちゃいました。
お椀は、今シーズン始めてのアイナメ。ヨモギの濃厚な葛の豆腐。

お造りいっぱい。ヨコワとイカが一切れとは寂しい。カツオは炙って銀皮、ヒラメのエンガワも炙り。
八寸は貝だらけ。粒貝は醤油焼き、鳥貝はヌタ。タイラギは桜の葉で巻いたお寿司、帆立はバター焼き、ミル貝は木の芽和え、初めての薩摩赤貝(蛤を細長くしたような二枚貝で身が赤い)は黄身酢、蛤は煮て、赤貝はウルイと和えてます。サザエの形のや、アワビのやの器を使いながら、出てこないのは困ったものですが、堪能です。
油物では、渡り蟹。かに足のアラレ粉をつけての天ぷらです。オレンジ色のが内子。酢揚げでレア。蟹味噌が天盛りですが、これがアスパラガスといい相性。

酢の物は長芋素麺。菜の花にバチコ。乱れの無い素麺は流石の技です。
得体の知れない食べ物が出たなぁと見てみると、どうやら牛肉が焼かれているようです。妙にレアな色合いの上、ニュルニュルしてそう。タレに葛を打ってるそうです。それに合わせる付けあわせが、春キャベツのピュレ。ズルズルにニュルニュルです。食べてしまえば牛肉にキャベツ。でも介護食のようです。
ご飯は、ウナギだそうです。もう動いているんだそうだ。九州産らしいけど、先週あたりから、いつもではないけど琵琶湖のウナギも出回っているらしい。とにかく、日本料理屋で天然物をたべているせいで、ここ数年ウナギ屋に出向いたことは、この前の酒の会だけ。ウナギの肝の吸い物を「肝吸い」といいますが、味噌仕立ては「肝赤」と呼ぶようです。本当は「赤出汁」なんでしょうが、ここは合わせ味噌です。肝から管が二本ニョッキと飛び出たリアルな肝臓。
お菓子は、いっぱい食った!。


平成25(西暦2013)年2月18日
食事は「日本橋・藤久」へ。カウンター一組、座敷一組で静か。

  • 蛤の炒めたんと生白木耳、花山葵
  • オコゼの潮汁、白髪葱、葱
  • お造りは、あおりいか、鯛、イサキ、よこわ、オコゼ(+肝。三河、浮き袋、皮)
  • 梅の八寸には、六角には干瓢の黒胡麻和え。梅皿に車麩、サヨリの黄身焼き(大葉)。丸皿には生麩木の芽田楽、バチコ、裏白椎茸、ミズナの軍鶏巻き。四角の珍味入れには軍鶏のモツ煮。
  • 黒メバルの木の芽焼き、皮煎餅、サラダタマネギ
  • 白魚とモズクの酢の物、菜の花
  • フグ白子仕立てのシャブシャブ鍋、焼き白子、三河、鮫肌、身、春菊
  • 氷魚ご飯、止め椀(はまぐり)、香の物
  • 桜風味の餡入り淡雪、ヨモギ練りきり、栗入り餡のかるかん、雄雛・雌雛仕立ての求肥餡(ゴマ餡・黄身餡)

今夜のお酒は「松の司・2010(22BY)・大吟醸純米しずく斗瓶囲・東条山田錦(特A)精米歩合40%・金沢(自社保存株)酵母・杜氏:石田敬三・限定No.0186(220本/1800l&320本/720ml)」です。

先付けは蛤をゴマ油で揚げるように焼いたんを、生白木耳で巻いてありあす。ごま油の香りで中華料理風の味ですが、旨い。山葵の花

煮物椀に、ガラ入れが出てきた。ガラ入れまで暖かいぞ!オコゼの潮汁で、白髪葱で見えにくいけど頭とかカマとか・・・。青葱は要らないな。ニュルンニュルンの皮の周りが美味しい。内臓が入ってない。
お造りにもオコゼ。肝がここで出てきました。肝は生、他の内臓は湯引き。よく熟れた鯛。腹身のイサキは脂が旨いけど、単調な味。旬には遠いからかな?
梅の枝の八寸。干瓢のゴマ和えが新しい味。サヨリに大葉を重ねて熨斗わらび見立ての黄身焼き。塩辛い辛いバチコ。

焼き物は黒メバル。美味しい魚だけど、少々パサッとするので、煮付けの方が好きだ。いつも、どんな魚でも煎餅を作っちゃうね。
酢の物には、白魚もずく。丁寧に尾かしらを切ってあります。
メインはフグしゃぶの白子鍋。鍋に白子を溶かし込んだ鍋出汁がグツグツ。そこへ焼き白子、三河、鮫肌、身、春菊。鮫肌って言ってあしたが、テッピと一緒かな?焼き白子もでかいし、あつあつの白子100%の白子湯豆腐って感じ。細かい春菊は藤久農園。

今日は氷魚のご飯。ようやく氷魚。蕗まじり。でも、釜揚げでバクバク食べるほうがいいんだけどねぇ。カウンターのお客さんは、グルメな方のようですが、案外氷魚を知らないんですねぇ。でっかい蛤三個の止め椀。

お菓子4個。お雛さんの二個一組ってことです。


平成25(西暦2013)年2月12日
食事は「日本橋・藤久」へ。
  • 赤貝の黄身酢合え、うるい
  • お椀は、キンコの玉子豆腐、カブラ、海鼠腸、炙りバチコ、軸菜、紅白の梅
  • お造りには、黒メバル、アオリイカ素麺・ウニ、たいらぎ、ヨコワ、焼き霜の鯛、ブリ、ヒラメ(炙り縁側)、大葉を挟んだサヨリ、レモン
  • 八寸の牛さんの中に、蛍烏賊の醤油漬け、落花生煮、イクラ大根の細巻き、一寸豆煮、海老百合根、白魚の黄身焼き、アジとガゴメ昆布、芽キャベツのアラレ揚げ、卵白梅、梅人参
  • 大間産海鱒の焼き物、酢取りタマネギ
  • 生牡蠣、トマトジュースのジュレ、
  • はりはり(サエズリ、うねす、尾の身)、水菜、白髪葱、山椒
  • タケノコご飯、止め椀(あさり)、香の物
  • お菓子は、イチゴ大福、草餅、焼餅

今夜のお酒は「松の司・2010(22BY)・大吟醸純米しずく斗瓶囲・東条山田錦(特A)精米歩合40%・金沢(自社保存株)酵母・杜氏:石田敬三・限定No.0186(220本/1800l&320本/720ml)」です。最近、酒屋さんをうろうろしていて聞いた話では2010のビンテージ松の司の評判が悪かったということ。確かに杜氏は変わったけど、十分旨い。冷え切った温度より少し温度が上がったほうが、シャープさが取れて深みと丸みがでる。

梅の絵柄の深鉢に赤貝とウルイ。いつものように肝は焼いてあります。
お椀は玉子豆腐に黒い塊。おや?これはひょっとしてスッポンかと、訝ったけど、季節ガラのキンコナマコでした。下味は浅いのでそれ自体はそれほど味がない。炙った干し海鼠腸に、生海鼠腸。塩気が増して、旨味が増す吸い地。

お造りには、黒メバル、アオリイカ・ウニ、たいらぎ、ヨコワ、鯛、ブリ、ヒラメ、サヨリ。メバルは煮付けたほうが美味しいね。ヨコワは皮を焼き霜。鯛は腹身のところですべて焼き霜。ヒラメのエンガワも炙ってあります。
八寸。落花生の香りとコリとした食感。なんだかナッツがお酒に合う。アジを細造りにして、ネバネバのガゴメ昆布と合えたもの。芽キャベツがアラレで香ばしく揚がってます。

鮭らしくない味と頭を捻っていたら、海鱒でした。最近鱒の淡白さが鮭より美味しく感じます。腹の骨の廻りも油くどくないし・・・。皮の煎餅ポーリポリ。カマもメも頭も旨い。鱒の鱒。

牡蠣二個。トマトジュースのジュレだそうだ。とにかくジュルンと一口、二口でもうお仕舞い。浦かな?
今日は鍋でなく、深いお椀ででてきた汁物。ハリハリで鯨のサエズリ、うねす、尾の身。尾の身には蕎麦粉かな?次部煮風。さえずりがちょっと塩が効き過ぎ。こってりスープを残しちゃった。

ご飯は、鹿児島のタケノコでご飯。前回氷魚を断わって、それは滋賀で食べられるだろうと思っていただけなんだが、滋賀では見かけなくなっております。ところが、大阪には出回っているそうだ。前回断わったので、今日は仕入れていないんだとか・・・。縁がない。

お菓子は、普通のチョイス。紅ほっぺの大福。草餅、焼餅。

水槽にでかいトラフグちゃんがお腹をパンパンにして泳いでいた。白子食べたし。
お隣さんがケンゾーエステートの「rindo」を呑んでいたこともあって、ワインリストを眺めていた。「むらさき」って美味しそうだなと思って、webで探すと、・・・カルトワインというぐらいの値段。通常のワインのセレクションは萬ちゃんがしているという話で、購入先は、和泉府中の「トムギャルソン」というワインショップらしい。近いじゃん!今度行って見よっと。


平成25(西暦2013)年1月26日
初春歌舞伎の幕間の藤久のお弁当
  • ぬた、菊芋の味噌焼き、高野豆腐、出汁巻き、海老、イイダコ、バイガイ、擬製豆腐、タケノコ、ブロッコリー
  • 太刀魚塩焼き、甘酢人参、レモン
  • カブラ、蓮根、八頭、ほうれん草、人参、柚子
  • 氷魚のご飯、香の物


平成25(西暦2013)年1月24日
食事は「日本橋・藤久」へ。カウンター一杯で、二階も・・。

  • もすを昆布で巻いたん・サーモン・胡瓜・長芋、ブロッコリー
  • お椀には、渡りカニ、タケノコ、紅白、木の芽
  • お造りは、おこぜ(皮・肝・胃袋・子)、赤貝(ひも・焼き肝)、大葉サヨリ、鯖、あおり
  • 八寸の宝船には、ちかの昆布巻き・豆腐の塩麹漬け・銀杏海老寄せ・とこぶし・イイダコ・国産数の子、宝珠の珍味入れにはイカの酒粕漬け、手塩にロマネスコ胡麻和え・人参卵白鋳込み・百合根黄金焼き・紫花豆・蓮根タラコ柚子胡椒風味鋳込みの天ぷら
  • 赤むつの焼き物、チリ酢
  • 生牡蠣(昆布森・鳥羽・浦)、フルーツトマト、レモン
  • イノシシの角煮・からし、大根、ほうれん草
  • 軍鶏・牛蒡ごはん、止め椀、香の物
  • お菓子(金柑入り焼き饅頭・昆布風味の羽二重・梅白餡の求肥)

先週に続いて「松の司・2009 CLSSIC・大吟醸・東条町山田錦(特A地区)山田錦35%精米・金沢(自社保存)酵母・杜氏:瀬戸清三郎・限定358本/1500ml 」を呑みましょう。梨のような控えめな果実香も落ち着いて、和三盆のような清楚な甘味。心地よい香りが鼻腔に残る。

先付けは、正式な名前を聞いたけど忘れました。短冊のサーモン・胡瓜・長芋を白身の魚で巻いて昆布で巻くという料理です。白身は今日は「もす」。淡い加減酢。

お椀は、渡りカニ。蟹の身に蟹味噌・蟹の玉子を混ぜ混ぜして団子状にしてあるようです。蟹の味もさることながら、卵の味も強い。タケノコも木の芽も香る。味に負けないようにか、醤油が若干強いかな?
おこぜがメインのお造り。湯引きの皮・子・胃袋、生肝。ポン酢で頂きますが、プルンプルンの皮が一番好みの食感。赤貝・サヨリと春めいてきたかな?生さば。

帆掛の宝船は蓋を取って、宝珠の珍味入れも蓋をとってデジカメ。その宝船には、煮物中心。松葉に刺した豆腐の塩麹漬けと海老銀杏。豆腐は塩が効きすぎでした。海老のすり身に銀杏を混ぜて棒状にして蒸してあるんでしょう。昆布巻きは「ちか」。これは先週でたな。お高いといわれた国産の数の子。宝珠のイカの粕漬けがエエ感じに仕上がってなかなかオツ。でも、松の司とはしっくりこなかった。手塩皿で珍しいのは、タラコに柚子胡椒を混ぜ込んで漬けておいたのを蓮根の穴に射込んで揚げた天ぷら。八寸は郁ちゃんが作っているみたいで、大将は「なんやこれ?」状態。

頭とカマと中骨が主体の「のどぐろ」の塩焼き。こんなところだけでも、十分ノドグロらしさを味わえる脂の旨味。

牡蠣三個は産地による食べ比べ。一番大きいのが昆布森、一番小粒(トマトの乗っている)なのが三重の浦。牡蠣らしい香りと味では、鳥羽や浦に軍配だけど、ミルキーな旨味では昆布森に敵わないなぁ。塩トマトかな?
なんだか分かりにくい外観だけど、丹後のイノシシの角煮。脂が旨いので角煮にすれば旨いものです。なかなかブロックでは見かけないけど。ほうれん草と大根。
さてご飯には「氷魚」を提案してくれたけど、氷魚は釜揚げで十分ですから、あえてご飯に入れなくてもええかな、と悩んで軍鶏にしてもらいました。牛蒡と三つ葉。釜揚げと書きましたが、瀬田川のイタリアンのパスタを思い出してしまった。止め椀には、玉子。漬物に菊芋が混じってます。シャキシャキ。
お菓子三品。今年初めての金柑。昆布を混ぜた塩入りの餡ですが、昆布の風味は分かりにくいけど、妙に旨味が強い気がする。こういうのは甘味屋では売れ行きが悪いそうです。創作和菓子は敬遠されるのかな?むちゃは一度は食べたいと思うたちですけど。


平成25(西暦2013)年1月14日
芝居が終わってからの食事は「日本橋・藤久」で、年始の挨拶がてらの晩ご飯。なんだか無理に休日に開けてもらったような店内。

  • 橙を器に、渡りカニ。ブロッコリー、岩茸
  • お椀には、カラスミ餅の蕪蒸し、軸菜、人参、結び柚子
  • お造りは、ひっさげ、鯛、あおりいか、ウニ、白海老、カワハギ(肝巻き)、醤油、ポン酢
  • 羽子板の八寸の香合にはガンガラの赤大根おろし和え、カラスミの平目昆布巻き、国産数の子、ブロッコリー、黒豆、慈姑、イイダコ、タコの柔らか煮、自家製ごぼ天、ちか(魚)の白板昆布巻き
  • 伊勢えびのアラレ揚げ、海老味噌、葱、かぶら、おろし
  • 若竹の清汁、木の芽
  • ツキノワグマのすき煮風小鍋、芹、下仁田、糸牛蒡、生卵
  • 牡蠣ご飯、止め椀(焼き生麩)、香の物
  • お菓子(花びら餅。椿餅、市田垣・・)

年始のお酒として「松の司・2009 CLSSIC・大吟醸・東条町山田錦(特A地区)山田錦35%精米・金沢(自社保存)酵母・杜氏:瀬戸清三郎・限定358本/1500ml 」を呑みましょう。苦味も渋みもすっかり消えて、フルーティな香りも落ち着いて、わずかにバニラのようなコク。和三盆のような清楚な甘味。香りも味もサラッと消える清清しい味わい。

大きい橙が出てきて、オレンジ色のコロコロした塊。なんだか思い出すのに時間がかかったけど渡り蟹の内子でした。いつもながら大きい真っ黒岩茸。

お椀の中は、カラスミ餅。蕪蒸し風。人生で最初に食べたカラスミ餅は美味しいとは思えない組み合わせだったけど、きっとカラスミの出来の差なんだろうなと最近思ってきた。
扇の器かな。氷が邪魔して見えない。ひっさげ、鯛、あおりいか、ウニ、白海老。カワハギは生肝巻きと、湯引きの皮。お酒が美味しい魚。
羽子板に乗った八寸。香合には他の店では手も付けないだろうガンガラ。赤い大根おろし。こんなちっちゃい慈姑があるんだぁ。皮剥くのが大変だろうなというもの。もうイイダコ。「ちか」は初めて聞く川魚で、ワカサギの仲間のようです。

伊勢海老の尻尾があるから、揚げ物はきっと伊勢えび。下に蕪で、おろしポン酢醤油は辛め。葱と海老味噌がトッピング。
九州のタケノコを使った若竹。
艶々のお肉の小鍋。ツキノワグマらしい。上から、糸牛蒡、熊さん、芹、下仁田ネギ。生卵に合うように辛目の割り下です。脂身たっぷりの熊肉は美味しいなぁ。
今日のご飯は「牡蠣」でどうですかというので、お任せします。注文してから牡蠣を洗い始めますが、大根おろしで洗ってないです。調理師学校では教えられたけど、どうも料亭では水洗いだけだったそうです。店それぞれで面白うござる。一膳たべて、折り詰め。

最近スィーツを食べてない反動で、四個!巻物になっているのが、なんだったか忘れちゃいました。牛蒡を使い切るまで花びら餅を出すそうですが、今日でお仕舞い。


平成24(西暦2012)年12月11日
予約していた晩御飯は、「日本橋・藤久」で、年末の挨拶がてらのご飯。二階の座敷では、蟹鍋にクエ鍋と宴会でお盛ん。

  • 大根にカワハギの蒸し物、肝だれ、ほうれん草
  • 白味噌仕立てのお椀には、焼き目をつけたブリ、椎茸
  • お造りがクエ・胃袋、湯引きの皮
  • 藁屋の八寸。屋根を取ると菊菜と柿の木茸の胡桃和え、猪口にブリ子・刻み長芋、キスの唐墨和え、海老入り慈姑揚げ団子、鯛の龍皮巻き・子持ち昆布・なまこに新海鼠腸・煮モロコ・イカのウニ焼き
  • クエの塩焼き(頭、頬)、皮煎餅、酢取りカルフラワー、えらの酢味噌和え・葱
  • 間人のももちゃん蟹、蟹酢、すり生姜
  • 鴨鍋(ロース・つくね・ずり・肝)、下仁田、三つ葉
  • ブリご飯、止め椀(雲子・三つ葉)、香の物
  • お菓子が、海老芋の肉桂風味の芋羊羹、安納芋のスィートポテト風、外郎皮に黄身餡

先週に続いて「善知鳥・大吟醸・山田錦精米歩合40%・H24.05」を呑みます。変わらず美味しい。

割り山椒の器に暖かい前菜。大根を炊いて、カワハギを乗せて、蒸してくれていたようです。カワハギの肝のソースというところでしょう。生肝の旨さにはかなわないや。
なんだか気の早い気分もする白味噌のお椀。表面をこんがりと色をつけたブリ。ブリの脂と白味噌の甘さが好きですわ。こういう汁物を頂くと、粕汁が恋しくなるんですな。ふと考えたけど、濁り酒で粕汁って出来るのかな?

お造りが、宴会の流れでクエ。コリコリのワッカは胃袋の湯引きでした。食感だけで味はほとんどない。山葵醤油もいいけど、ポン酢でが美味しい。天候のせいか、他にいい魚がないのか、クエだけ。ここでは珍し。
八寸には、ここではあまり出ない川の物も入っている。はたはたの子がガリガリ。まじまじ見れば、灰色やら茶色やら緑色やら、いろんな色をしていて面白い。今シーズン初めてだと思うナマコに、新物の海鼠腸。モロコは頭もつけて欲しいところ。嫌がられているのかな?山ほど食べたいねぇ。
焼き物もクエでした。頼んでないけど、クエの目玉。それに頬肉。好きなところを見繕ってくれてます。ネバーと糸を引く目玉。宴会の為に一匹仕入れたというから、もう一個残っているようです。「(もう一個)煮付けましょうか」と聞かれるけど、ご辞退。トゲトゲに逆立った皮煎餅も好きだぁ。サクサクです。宴会にもでているようで、盛りあがるだろうな。少し遅れて、鰓が出てきました。湯引きで酢味噌。なんだかフルーティな香りのする酢味噌でしたが・・?

先日話にしていた「モモちゃん蟹」が出てきました。ちゃんとタグ付きだそうです。藤久では、浜茹での蟹は高くて仕入れないという方針。その分一杯出そうというのが、なんだか大阪らしくていいな。で、出てくるときは「茹で」じゃなくて「蒸し」です。
鍋が出てきましたが、妙な形のんが天辺に乗っているので分からない。なるほどズリとレバのようです。本鴨でした。つくね三個。
ご飯は「ぶり」です。普段はごちゃごちゃ入れないんですが、野菜も刻まれて入ってます。止め椀には雲子。美味しいけど、ちょっと重いな。
お菓子三種。


平成24(西暦2012)年12月6日
晩御飯は、「日本橋・藤久」です。。

  • 先付けは小蕪の蟹味噌餡かけ、蟹足
  • お椀は、慈姑団子をグジで巻いて炙ったんと、椎茸、三つ葉、紅葉人参、柚子
  • お造りは、よこわ、あじ、ぐれ、かわはぎ肝巻き、鯛、あおり、牡蠣
  • 岩萩の八寸に、鯛の子巻き、鰆の芋寿司巻き、からし蓮根、ちしゃとう、百合根、胡桃蜜掛け、帆立のカラスミ巻き、壷壷にブロッコリーの芯の金平、片口に雲子の葱巻き
  • キンメの付け焼き、織部百合根、銀杏
  • 赤貝のおろし林檎和え、短冊林檎
  • 治部煮風鴨の餡かけ、蕎麦掻、下仁田ネギ、三つ葉、山葵
  • 鴨ソボロご飯、止め椀(自然薯餅)、香の物
  • 胡桃茶巾お漉し餡、栗金団の蕎麦薯預、柿羊羹のアンポ柿

今宵は「善知鳥・大吟醸・山田錦精米歩合40%・H24.05」を選びました。イチゴ・林檎・マスカットのようなフルーティさが渾然となった香りが広がって、消えては甘味が出てきて、サラリと消えていく。酒というアルコールっぽさがなくて水のようである。水のようではあるが、料理を際立たせて味わいを深める魔法の水だ。

先付けがかにの甲羅に蟹足。その下には緑色した蟹味噌の田楽味噌。味噌の下には焼き目をつけた一口サイズの蕪。
お椀の椀種は、慈姑をすりつぶして豆腐でつないだ慈姑団子をグジの身で巻いて炙ったものに椎茸。吸い地は鰹の香り控えめ。慈姑の団子とは気がつきにくいけど、言われてみれば慈姑の香り。慈姑臭さを和らげる為に豆腐を混ぜているという。

お造りは、脂の乗るヨコワにアジ。上品さも感じるアジは加太のようです。かわはぎには肝を巻いて。鯛も脂が乗ってます。三重の牡蠣。
八寸の岩萩を取ると、巻き寿司風に鰆の芋寿司。からし蓮根は、下味をつけて芥子を射込んで、コーンフレークのパウダーをまぶしてあげるの流派だそうです。芥子はあまり聞きませんが、出汁を煮含ませた揚げ蓮根ということで、とても美味しいのです。帆立のカラスミ巻きには自家製のカラスミ。ブロッコリーの芯を使った金平。雲子を潰してクレープ状にフワフワに焼いたもので芽葱を巻いたものは、仕事をしたと言っても雲子はしっかり雲子。始めての雲子の食べ方でした。
焼き物はキンメ鯛。付け焼きですが、脂が焼け落ちた感じで、脂の旨味が感じられなくてパサっとした食感。期待はずれ。甘い百合根。焼き物の織部風にかわいい。ムチーとした銀杏。 赤貝を林檎であえてあります。フルーツ味の赤貝にフルーティな日本酒が合います。酢を使うより優しい味。

治部煮を意識した餡かけ。藤久では、治部煮の鴨に蕎麦粉を使いますから、お腹の中で治部煮に仕上がる寸法ですな。甘い下仁田。鴨は柔らかくしあがってます。川魚屋で捌いてくる鴨ですが、首や羽根は(頼めば)付けてくれるというので、むちゃを見越して一緒にやってきたようです。ということでデジカメに収めておきます。恨みがましい目をしてます。新潟産の天然本鴨です。
季節に一度は食べたい釜飯の一つが「鴨飯」ですが、今夜は「鴨そぼろ」にしてくれました。下味をつけたソボロで、ご飯は骨で出汁を取ってくれたそうです。鴨の脂分がお米に絡む旨さが、大事。自然薯の団子はトロトロリン。

デザートのお菓子は、今日も三つ!。胡桃茶巾お漉し餡、栗金団の蕎麦薯預、柿羊羹のアンポ柿。

お酒のリストを見て、気になった「喜楽長・天保正一・秘蔵酒(平成8年醸造・タンク熟成)・滋賀県産精米歩合60%・H24.11」を味見させてもらった。黒いお米の古酒で、臭い酒でした。
お酒の仕入先は、先日の「龍や」と同じで、年末には同様の高精白のお酒が揃いつつあります。ここでは、座敷の接待で、ポンと注文するお客さんもあるようで、ボトル売りだけです。


平成24(西暦2012)年11月12日
文楽のお弁当。


平成24(西暦2012)年11月10日
晩御飯は、またも「日本橋・藤久」です。文楽を一緒するお友達と待ち合わせての晩御飯。

  • 車えびとタイラギの生カラスミ和え、防風
  • お椀は、えびす鯛と天然のシメジ、人参紅葉、軸菜、松葉柚子
  • お造りが、北海道のマグロ、柴山の松葉カニ刺し、鯛、あおりいか、ラディッシュ、水前寺海苔、山葵
  • 八寸には、壷壷に柿・梨・キウイ白和え、柿の葉の下に菊芋の味噌煮、鯛の子の昆布巻き、長芋のミソ和え、ウニ百合根、フォアグラの鯛巻き、ブロッコリー、このしろのゴマ漬け
  • 大間マグロの目玉味噌煮
  • 柴山港の松葉カニの蒸し足、蒸し勢子かに、蟹味噌の茶碗蒸し
  • 四方竹のご飯、香の物、止め椀(しじみ)
  • 和菓子

今日も引き続いて「松の司・2010(22BY)・大吟醸しずく斗瓶囲・東条山田錦(特A)精米歩合40%・金沢(自社保存株)酵母・杜氏石田敬三・限定No.0231(250本/1800ml)&450本/720ml」を呑む。美味しい。

これから干すだけという段階の(自家製)カラスミを解して、海老と貝とを和えた先付け。まだ粒粒感が残って「子まぶし」風。
雲錦筏のお椀。鱗バリ固のえびすタイと言う赤い魚。淡白であっさりは鯛に通じるようです。天然のシメジ。
解禁なった松葉カニはピンクのタグの柴山港。一番奥に蟹刺し1本。初日はべらぼうな値段だったというけど、落ち着いてきたとか。北海道側のマグロ。脂が乗って旨い。

八寸には、フルーツの白合え。柿は許せるけど、水っぽい梨はどうかな?菊芋はこの店で教えてもらった地下茎。最近はデパートでも見かけるようになった。
先日仄めかしていたのが「まぐろの目」。大間のマグロの目玉を見つけてくれたようです。焼くか炊くか聞かれたんですが、焼けばEPAやDHAが落ちてしまうので、味噌煮。すり生姜。眼窩の周りの骨と目の玉以外、すべてトロトロで食べられます。
松葉蟹の茶碗蒸しにはミソ乗せの餡かけ。蒸した足一本。勢子ガニに、蟹酢。

この勢いなら「蟹ご飯」と思ったんだけど「四方竹」を炊き込んであります。

二人ですからお菓子をワケワケできるんで、いつもの倍の種類を所望。簡単に葛饅頭、浮島、金団、高黍饅頭、林檎饅頭、庵包みの栗きんとん。


平成24(西暦2012)年11月6日
さて、晩御飯は、定番「日本橋・藤久」です。

  • 播州の牡蠣とえびの林檎おろしあえ、いかり防風
  • お椀が、焼き白あまだい、天然大黒シメジ、軸菜、紅葉人参、松葉柚子
  • お造りが、平目(+炙った縁側)、鯛(+湯引き皮)、ひらまさ、もす、淡路のウニ、北海道のマグロ、平アジ、あおりいか、水前寺海苔、紫芽
  • 八寸の、ザルにコンニャクの田楽・牛筋の煮凝り焼き・頭芋の田楽・四方竹の海老鋳込み・鯛の子のイカ月環・シシャモの昆布巻き・名前の分からない貝、高杯に生しらす・生姜、柿に柿なます
  • 焼き物はふぐあら、ふぐの餅粉揚げ、焼き白子、海老パン、フグの煮凝り、銀杏、茶そば松葉、酢橘、
  • カワハギ、肝、豆腐、菊菜、ポン酢和え
  • 大アナゴのすき煮、子、肝、葱、実山椒、溶き卵
  • ムカゴと軍鶏のご飯、止め椀
  • お菓子が、沖縄の小豆餡の金団、栗羊羹とかるかん、ココナッツ・パンケーキ、栗きんとんの餡包み

一本目には、先月呑んだ「松の司・2009(21BY)大吟醸・しずく斗瓶囲・東条町産山田錦精米歩合40%・金沢酵母(自家保存株)・杜氏瀬戸清三郎:No.115(330本/1800ml&450本/720ml 」が残っているというので、呑んでみましょう。味わいが少々濃くなっている感じはするけど、甘味ではなく味と香りが複雑になったイメージ。

先付けは、牡蠣と海老さんに林檎のおろし。赤足かな?最近、播州の牡蠣の出来がよくて、大将のお好みのようです。
お椀は、白甘鯛を焼いたものと天然の大黒シメジ。大きい立派なシメジです。
お造りには、美味しくなってきた平目や鯛。脂の多い縁側は炙ってくれてますが、氷で冷えちゃったら元の木阿弥ではないかと思うんですよねぇ。冬が旬のモス(平すずき)は、味の乗りがゆっくりのようで、もうちょっと寝かしたほうがいいかな?ひらまさ、アジは、コリコリ感も味わえる鮮度のよさでした。

二本目からは「松の司・2010(22BY)・大吟醸しずく斗瓶囲・東条山田錦(特A)精米歩合40%・金沢(自社保存株)酵母・杜氏石田敬三・限定No.0231(250本/1800ml)&450本/720ml」の封をきります。垂直呑みになっちゃいました。味がこれから乗るのかもしれないけど、フルーティさが際立つすっきりさ。キレイな甘味がサラッと消える。微かに苦味が残り時もあるけど、爽やかさに通じる苦味。

八寸のザル(陶器ですが)には、コンニャクの田楽・牛筋の煮凝り焼き・頭芋の田楽・四方竹の海老鋳込み・鯛の子のイカ月環・シシャモの昆布巻き・名前の分からない貝。田楽味噌はちゃんと二種類作り分けてます。コンニャクのコリコリ、スジのコリコリ。珍しいというか始めての四方竹。どうやら空洞のタケノコのようで中に海老のすり身を射込んであります。昆布巻きの中にシシャモ。聞けば今年は生のシシャモがいっぱい出回っていたらしく、随分と買わされたという話。話が違うなぁ?!平べったい円錐形の貝。食べるとこがちょっとしかないうえ、名前も分からないんだとさ。貝殻が剥離するように割れていくみたい。
高杯には生しらす。生姜風味。柿の器には、柿なます、ですよねぇ。

焼き物はふぐのあら。尻尾の部分(?たぶん)の身は揚げ物。まだまだ小さい白子は焼き。他のお客さんも「ふぐ」でしたが、白子を廻してくれました。ありがとう。海老パン。壷壷には煮凝り。
カワハギは湯引きのようです。一番下に豆腐。肝は生でゴロゴロ。

今日の鍋は、巨大なアナゴです。男性の手首くらいの太さで、和歌山産とか。生簀で活かされているんですけど、元気物。すき煮風に白葱が入ってまして、炊いた山椒の実。アナゴは皮目から包丁が入ってます。他のお客さんも「あなご」でしたが、卵と肝を廻してくれました。ありがとう。不思議な卵でフワフワ。肝には浮き袋と心臓がつながった状態で、ベロンと入ってまして、これがまた旨いのでした。小鉢に全卵一個。
ご飯は、聞かれるので・・・お品書きにはないけどムカゴ。でも、それだけじゃ普通なので軍鶏も入れてもらいます。吉兆流では、ムカゴは揚げてからいちいち皮を剥くようです。面倒くさいことを頼んじゃいました。だからムカゴは緑色です。ムカゴの香りは大好きです。

お菓子は・・・本土のものより小さいという沖縄の小豆餡の金団。秋らしい色合いの金団。栗羊羹とかるかん。ココナッツ入りのパンケーキみたいなんをこんがり直前に焼いてくれてます。栗きんとんの餡包み。栗に仕上げてます。


平成24(西暦2012)年10月12日
さて、晩御飯は、定番「日本橋・藤久」です。予約は二組だったのに、座敷も埋まって満席。

  • 一夜干シシャモの炙ったん、松茸酒
  • お椀が、赤足えび、揚げ蓮根饅頭、軸菜、黄柚子
  • お造りは、剣先イカ、ウニ、あかっぽ、ぶり、かつお、カンパチ、まぐろ、紫芽、花蔓紫
  • ススキに笛の八寸、鯖の手毬寿司・すだち、藻屑かに。笛の中は、トコブシ、牡蠣の錦紙海苔巻き、海老の黄身寿司、スケの子、イカ蒲鉾、枝豆
  • 焙烙の中に、牡蠣、松茸、舞茸、伊勢海老・ウニ。ポン酢
  • シャコとむらさきシメジのおろし和え
  • 焼きカマスに栗のピュレ、ムカゴ、松茸、刻み柚子
  • 色々茸のご飯、止め椀(ハモ入り)、香の物
  • カボチャ饅頭・黄身餡、粟黍稗の団子、イチジク羊羹と肉桂風味の薩摩芋

今日はデジカメのアクシデントで、携帯で。こっちの方がキレイかも?
今宵は「松の司・2009(21BY)大吟醸・しずく斗瓶囲・東条町産山田錦精米歩合40%・金沢酵母(自家保存株)・杜氏瀬戸清三郎:No.115(118/1800ml330本&720ml450本) 」です。先週に比べて、香りは変わらないけど、一層落ち着きのある味わい。

先付けの柿の葉っぱに隠れている猪口は、松茸の吸い物かと呑んでみれば・・酒でした。燗にしても穏やかな風味のお酒です。酒のつんとした香りがないのは昆布出汁で割っているからでしょう。郁ちゃんが藤久林業で採ってきた一本だという。見えにくいけど、奥にシシャモ。オスのシシャモの開き。

お椀は、赤足海老。結構サイズの大きな食べ応えのある海老。蓮根饅頭は揚げてあります。今日も吸い地は醤油が強いようです。
お造りは、白身で珍しい「あかっぽ」。鰹は皮霜にして皮を引いているようです。
ススキ一本、笛一管。笛を割れば、トコブシ、枝豆、牡蠣の錦紙海苔巻き、枝豆、海老の黄身寿司、枝豆、スケの子、枝豆、イカ蒲鉾の順。

でかい焙烙鍋が出てきました。蓋を取ってくれると、焼いた石の上に網があって、殻付きの仙鳳趾の牡蠣、天然の松茸と舞茸。舞茸は北海道の天然物、約1.2キロ。伊勢海老の身にはウニ。美味しい牡蠣ですけど、一個は寂しい。
八角の小鉢におろし和え。底に蝦蛄海老、藤久林業での呼び名が「むらさき」という茸。たぶん(きっと)紫シメジだと予想します。紫というよりグレーでニュルンとした傘。
小鉢が続いて、底にかますの塩焼き。そこにかかっているのが栗のピュレ。無添加の自然な色。出汁で伸ばしてあるようです。皮を少し残したムカゴと剥いた緑色のムカゴ。柚子を微塵に刻んでパラパラ。オマケのように松茸。
今日は、茸ご飯です。天然の松茸と舞茸以外にもいろいろ入れてもらいます。炊く前に、ザクザクに切った生の茸をポンポン投げ入れてます。たぶん舞茸の色がお米に移っているんでしょう。茶色に染まって色合いも美味しい。香の物の中に「茶葉の佃煮」があります。煎茶の葉を使っているようですが、面白い味。味噌汁の止め椀には、ハモ。一膳で折り詰め。
御菓子は今日も三つ選びます。ハロウィーンのカボチャの餡がコクがあって洋風。とっても甘いイチジク羊羹。

藤久のおせちは52500円。昨年はトォルトゥーガが店をあげてのヘルプだったそうで。人数から言えば、そりゃトォルトゥーガのおせちじゃんといいたくなるくらいだ。


平成24(西暦2012)年10月2日
さて、晩御飯は、定番「日本橋・藤久」です。予約は二組だったのに、座敷も埋まって満席。

  • アワビに、黄菊とトンブリの和え物、四角豆
  • お椀が、鯛に菊花蕪、松茸、軸菜、紫菊
  • お造りが、生さば、マグロ(とろ、赤身)、牡丹海老、カツオ、ウニ、あおりいか、鯛、水前寺海苔、穂紫蘇、醤油、ポン酢醤油
  • 名月の八寸にウサギの器。高杯に百合根饅頭。餡は、木耳・塩ウニ・がんがら・黄身味噌漬けの四種類。ウサギには、紫芋鋳込みの竹輪、渡りカニの蒲鉾、イチジクを載せた胡麻豆腐に田楽味噌、衣かつぎ、太刀魚の子巻き、煮栗
  • 焼き物が、子持鮎、海老パン、銀杏、枝豆
  • シャコとなす
  • すっぽんの湯葉餡かけ
  • 牡蠣ご飯、止め椀(豆腐)、香の物
  • お菓子が、寒天に巨峰、利平栗と丹波栗の栗きんとん、月見団子、ゴルビー

今宵は「松の司・2009(21BY)大吟醸・しずく斗瓶囲・東条町産山田錦精米歩合40%・金沢酵母(自家保存株)・杜氏瀬戸清三郎:No.115(118/1800ml330本&720ml450本) 」です。裏ラベルはまだ、前杜氏の瀬戸さんです。
むちゃ的には、香りは落ち着いて、二十世紀のような爽やかな酸とメロンのような甘い香りとが、控えめに味わえます。

先付けには、アワビ。ねばねばトンブリに黄菊が混ぜ込んであります。四角豆。
日月椀には、菊の細工の蕪。鯛を添えて「鯛蕪」。松茸も。いつもよりわずかに醤油で香ばしい吸い地。
お造りは台風の影響がなかったのか、和歌山の鯖、北海道のマグロ、和歌山のカツオ、淡路のウニ。
仲秋の名月はちと過ぎたけど、八寸はお月見。お飾りにススキの飾り。高杯にお供えの月見団子風に百合根の饅頭。中には、木耳・塩ウニ・がんがら・黄身味噌漬けの四種類。ウサギの器の方にも可愛いのが並んでおります。
焼き物は子持ちの鮎。お腹の包丁は膨らむとすだれ状に開いてますが、(楓の飾りは横にずらしたけど)骨が邪魔しちゃって見えにくいな。カウンターの敷居(?)が低くなったので海老パンがどのように作られているか丸見え。なるほど・・だ。茹でた後に焼き目をつけた枝豆。
小鉢に茄子とシャコ。
あったかお鍋にスッポン。湯葉を乗せて、丸仕込みの濃い味の餡かけ。内卵もコロコロ。旨いねぇ。

今日は牡蠣ご飯を提案してくれはるので、そのまま。京都のだという甘味の強い豆腐の味噌汁。
御菓子は、今日しかないと言うブドウの蜜煮(?)を浮かした寒天。栗の食べ比べの栗きんとん。関西風の月団子。

お菓子を食べていると、フルーツをくり抜いているデザート担当の郁ちゃん。その手元にやたらでかいブドウがある。聞けば「ゴルビー」。頂いてしまった。同じところにマンゴーがある。今頃?とまた聞けば北海道産らしい。耳を疑ったが、北海道で作られ始めたらしく、宮崎産の高額なマンゴに負けてない値段らしい。


平成24(西暦2012)年9月 5日
さて、晩御飯は、おなじみ「日本橋・藤久」です。常連さんばかりのカウンター。

  • 葛まんじゅう、しいたけ・おくら・黄身・海老入り、胡麻ダレ
  • 鯛の潮椀、柚子
  • お造りは、鰹たたき、鯛、かんぱち、めいち鯛、ひらめ、イサキ、さば、あおりいか
  • 柚子釜の菊の八寸。葉皿には藻屑かに、のどぐろの昆布巻き、ほやと長芋、帆立ウニ焼きと織部椎茸、ヒラメの昆布〆の細作り・黄菊、青なまこともってのほかの酢の物、鯵の南蛮煮こごり・バショウカジキの大葉大根巻き
  • 鮎の塩焼き、骨煎餅
  • 枝豆の蒸し物、ウニ
  • 金時いわしのつみれ鍋、豆腐、白髪葱、菊菜
  • 藻屑かにごはん、止め椀(蛤)、香の物
  • 着綿(練切・粒餡)、マスカット大福、もも葛饅頭
おや!?ともちゃんがまだいるじゃないですか?
お隣さんから「獺祭」を一杯頂きます。スーっと軽やか。
それからは「松の司・2010(22BY)・AZOLLA・しずく・滋賀県竜王町山田錦精米歩合50%(環境こだわり農産物認証・特A地区栽培期間中除草剤無使用栽培))・自社保存株酵母・229本/1800ml」を呑みましょう。

先付けは、お饅頭。葛と胡麻だれですから、味わいは(分解した)胡麻豆腐。今日は二階が9人の団体で忙しそうなので、ゆっくり食べよう。

シンプルな鯛の潮椀。藤久に始めて来たときが「潮椀」だったなぁと思い出せるほど、印象的なお味でした。今も変わらない旨さ。
今日もお造りは盛り沢山。
お重の中に菊花につくった柚子を器にのどぐろの昆布巻き、ほやと長芋、帆立ウニ焼きと織部椎茸、ヒラメの昆布〆の細作り・黄菊、青なまこともってのほかの酢の物。今日が使い始めような口ぶりの藻屑かに。

鮎の塩焼きです。子持ち言うほど詰まってないし、勿論落ち鮎でもない。
枝豆にウニ。説明しづらいけど、すり流しを蒸したようです。掬えばモロモロとした感じ。ウニとあわせて悪くない旨さ。
小鍋仕立てに、いわしのつみれ。いわし感のないつみれです。
ご飯は藻屑で良いですかと、聞いてくるので、断わらず。季節に一度は食べたい炊き込みご飯ですから。磯で黄色く色づくご飯はとても美味しい。止め椀にはハマグリで味噌仕立て。
節句に因んだ「着綿」とマスカットに桃。

こんなところで発見。「グルマンの隠れ家」の#63は「日本橋」。


平成24(西暦2012)年9月 2日
歌舞伎のお弁当の中身は、
  • 煮物では、小芋、南京、胡瓜のお揚げさん鋳込み、ほうれん草
  • 柚子の菊の中には、ゴーヤと茗荷の味噌炒め・白だつとクコの胡麻和え、鰹の醤油焼き、擬製豆腐、出汁巻き、黄身のイカ月環、蓮根の炊いたん、茄子、高野豆腐
  • 焼き物には「たもり」の松茸巻き、松葉銀杏、酢取り茗荷
  • ごはん、錦紙玉子、しらさ海老、枝豆、香の物


平成24(西暦2012)年8月30日
さて、晩御飯は、おなじみ「日本橋・藤久」です。
  • 蒸しアワビ・肝、銀杏の葛きり
  • お椀は、丸豆腐、みず
  • お造りが、岩牡蠣、フグ・煮凝り、ひらめ・炙った縁側、あおりいか、ウニ、鰹たたき、クエ、花蔓紫、チリ酢、醤油
  • 朝顔の八寸で、朝顔に、ウニ鋳込みの竹輪、雲子豆腐、サンド豆の鯛巻き・栗蜜煮、軍鶏とマッシュルーム。葉皿には、トマト、じゃがいものイカ月環、擬製豆腐、玉子焼き、牛タン握り鮨
  • 焼き物は、太刀魚の松茸挟み焼き、ストロベリートマト、酢橘、ベッコウ生姜
  • 酢の物に、軍鶏の蛙(かわず)瓜、もってのほか
  • 海老の湯葉巻き、ベッコウ餡かけ、アイスプラント
  • 松茸・銀杏ご飯、止め椀(ハモ)、香の物
  • お菓子三種、練りきり、黒糖の琥珀羹・ゴマの浮島、葛饅頭(蓮の実餡)

今宵は「松の司・2010(22BY)・AZOLLA・しずく・滋賀県竜王町山田錦精米歩合50%(環境こだわり農産物認証・特A地区栽培期間中除草剤無使用栽培))・自社保存株酵母・229本/1800ml」を呑みましょう。冷えた状態では少々渋みも感じて荒っぽい味なんだけど、ほんの少し温度が上がるだけで、落ち着いて和らいだ味。甘さを強く感じるフルーツの香りも落ち付くようです。

キレイな薄緑色は銀杏を使った葛きり。下にはアワビ、上にはアワビの肝。ただ、銀杏と言われなきゃ、分からない。

お椀には、スッポンの豆腐。吸い地にはすっぽんの香りと味。ザクザクしたスッポン。吸い口にはならないけど、ミズ。ニュルンとした節。
お造りには、比較的小振りな岩牡蠣。それでも濃厚な牡蠣のエキス。クリーミイ。レモンよりおろしポン酢の方が好き。白身の魚は、ふぐ・ひらめ・くえ。煮凝りがいい味。鰹も脂が乗ってきたようで、溶けるかのようです。
朝顔の八寸。もう雲子が出た。栗も出た。旨いのは、裏白椎茸ならぬ裏軍鶏マッシュルーム。キノコと鶏さんがいい組み合わせ。お寿司は牛タンだと思うけど豚タンかも。

焼き魚は太刀魚。クルンと巻いた中に松茸。いい香り。食用ホウズキのストロベリートマトです。松葉串にはベッコウ生姜。
角ののぞきに酢の物。カエルの形のような瓜。「まくわうり」の親戚かな?甘さも少々。軍鶏はささみのような使い方。紫色の菊の花弁。
暖かい餡かけは、車海老の湯葉巻き。アイスプラントが乗っております。餡に絡む海老の香りがよろしい。
ご飯は、松茸ですが、銀杏を足してもらいます。味噌仕立ての止め椀には、ハモが入ってました。
お菓子は、いつものように三種類を選びます。

研修のトモちゃんは明日で卒業。


平成24(西暦2012)年8月7日
さて、晩御飯です。文楽帰りの「日本橋・藤久」へ。二階は貸しきり状態で賑やか。
  • 先付けには、湯引きハモ・梅酢葛きり、オクラ
  • お椀は、焼き鮎、大根、蓮芋、蓼の葉、鮎の出汁
  • お造りは、とらふぐ・煮凝り、くるま海老・生あわび・あじ、かつお・あおり
  • 立秋の菊の八寸には、蓮根団子の蒲焼・タコの子木耳巻き、干しハモの子の玉子焼き・ひめじの昆布巻き・牛蒡の軍鶏鋳込み、シルク豆腐にウニ、コンニャクと牛筋の炊いたん・シシトウ鰹炒め、ツルムラサキとじゃこ
  • サンマの付け焼き、サンマのおかき揚げ、骨煎餅、サンマの子、新銀杏、内臓、酢橘、甘酢茗荷
  • 岩牡蠣、焼きなす、刻みトマト
  • スッポン、冬瓜、白髪葱
  • はすめし、止め椀(ひめじ)、香の物
  • お菓子が、葛饅頭(抹茶・小豆餡、山葵餅、貝殻に流し込んだ、一休寺納豆入り琥珀羹・錦玉羹
カウンターで、一息ついて、始めてもらいます。
今日も「松の司・2011(H23BY)・AZOLLA・純米吟醸・生原酒・竜王産山田錦(環境こだわり農産物認証)精米歩合50%・自社保存株酵母・限定300本(1.8L換算)」を呑みます。先週の封切り直後の、濃厚な甘い味は少し落ち着いたようで、爽やかな甘味が旨味となってます。

先付けは、ハモに梅肉の組み合わせのアレンジで、ハモに赤い透明の梅酢の葛きり。葉っぱで蓋がして出てきますが、何の葉っぱやら?
お椀の蓋を取ると、鮎の香り。焼き鮎ですな。にゅうめんと合わせるところもありますが、冬瓜。吸い地は濁っていて、椀種の鮎の中骨・頭から出汁を取ったようです。濁らないようにするには、骨を干すそうですが、他のお客さんと違うのを出そうとしてくれているんでしょう。鮎の半身を巻いて串で焼いてあるようですが、巻いた鮎の中に、内臓が忍ばせてあります。ワイルドな鮎のお椀でした。桂剥きした大根、蓮芋、蓼の葉。
笹の葉皿三つにお造り。裏旬という夏のフグ。テッサに煮凝り。あさつき・おろし・ポン酢。きっちり旨味が出るようにしてくれてます。白い笹には、車、アワビ、あじの三種。車は半生。もうひとつには、かつお・あおり。まだまだ上っている鰹らしいですが、三陸の鰹は悪い風評が残っているようです。多彩にしても原産地を表示すると、家庭向けでは買い控えているようで、売れ残っているようです。おかげで惣菜屋・食品加工さんが安値で買えるとお喜びの様子。
菊花・菊の葉の八寸。なんだか今日は華やかな菊の割りに、地味な色合いの八寸です。正面上から時計回りで、蓮根を丸めた団子の蒲焼とタコの子を木耳で巻いたん。ハモの子を塩をして干したものに玉子をつけて焼いたのと、昆布巻き、牛蒡。管牛蒡に軍鶏を鋳込んでます。シルク豆腐という呼び名だそうですが玉子豆腐を裏ごししたものを言うそうです。玉子豆腐を失敗したんでしょうか?ウニ乗せ。コンニャクと牛筋の炊いたんとシシトウの鰹炒め。ツルムラサキとじゃこ(たぶん)。ちと辛い。
焼き物はサンマ。骨煎餅からバリバリとたべます。サンマの半身はアラレ揚げ、半身は付け焼きです。例年ハラワタを醤油にと貸し込んでのワタ焼きなんですが、ワタだけ別の壷壷。細長いのはサンマの子で焼いてます。

ドロっとした緑色の焼き茄子の下に、岩牡蠣が隠れておりました。
スッポンがでてきました。白髪葱、微かに生姜の香り。冬瓜。
先週の帰り際に、文楽の話から「曽根崎心中」の「はすめし」の話をしていたんですが、作ってくれました。食べ比べになっちゃいました。ご飯はあっさりめの昆布出汁で炊いたんでしょう。蓮の実はシットリ感は劣りますが、香りや味は(乾物だから)同じようなもの。これからの時期、炊きこみご飯ねたになる銀杏とかよりは美味しい食材だと思うのでした。一膳で、折に詰めてもらいます。「ひめじ」ってのは指くらいの長さの赤い魚。どかっと煮付けにして食べる地の魚。
御菓子は今日も欲張る。蛤の二枚に鋳込んだ琥珀と錦玉の羹。見分けにくいけど小さい金魚が泳いだ錦玉。一休寺納豆の塩分が緩く滲む琥珀。涼しげさが第一。ほんのり山葵の香りがするお饅頭。夏らしい葛饅頭。


平成24(西暦2012)年8月2日
さて、晩御飯です。「日本橋・藤久」へ。
  • 車えび、白ズイキ、金芯菜
  • お椀は、土用豆腐、冬瓜、三つ葉、実山椒
  • お造りには、すずき、あこう、かんぱち、さんま、焼き霜さんま、ウニ、ひっさげ、ハモ落とし、焼き霜のハモ
  • 団扇の八寸の、なまずに黒バイ貝の白味噌田楽・タコの子、割り竹には軍鶏・ゴーヤ・茗荷の味噌和え、ホオズキにはウナギの肝、すり蓮根の本ちゃん紅鮭巻き、ハモの子のウニ焼き、イワシの味噌煮、パプリカ・長芋の昆布巻き、オクラに白ウルカ
  • 松茸のあられ揚げ、アワビの天ぷら(肝も)、新銀杏、酢橘
  • 毛蟹、小芋、胡瓜、タピオカ、冷製あんかけ
  • あこうのアラ煮
  • 毛蟹ごはん、止め椀、香の物
  • ミント風味の淡雪羹、粒餡葛饅頭、酢橘ロールケーキ

今宵のお酒は「松の司・2011(H23BY)・AZOLLA・純米吟醸・生原酒・竜王産山田錦(環境こだわり農産物認証)精米歩合50%・自社保存株酵母・限定300本(1.8L換算)」にします。封切り直後は、濃厚な夏のフルーツの香りと甘い味がガツンと来る濃醇なお酒。後口は余韻が短いのが好感。お酒が落ち着いてくると、(舌が慣れてくると)、メロン系のフルーティな甘味と香りが主体になってくる。少々の苦味が残るのは、赤肉メロン系といえそうです。だんだん松の司らしさが出てきます。

先付けは、海老さんとその腸、白ズイキ。旨出汁がかかってます。半生状態の車海老です。
お椀は、土用豆腐。土用の丑に因んで「ウナギ」です。臭みのないウナギですから、ウナギらしさがない美味しさ。肝でも浮かしてくれたらいいのに・・・と思っていたら、後で別に出てきました。
盛りだ〜く〜さん!すずき、あこう、かんぱち、さんま、ウニ、ひっさげ、ハモの7種類。ウナギと並んで高騰するサンマ。生と焼き霜の二種類。ハモも落しと焼き霜の二種類。旨味のあるアコウがいいなぁ。スズキが味ない魚に思えちゃうほど。カンパチは脂が乗っているけど、ちと単調。いい香りのひっさげ。
団扇に乗った八寸。サービスのソムリエールさんも覚えきれない八寸です。なまずの小皿には、黒バイ貝の白味噌田楽・タコの子。ちょっと味噌が甘めかな?ホオズキの器の中に、ウナギの肝。北海道根室の山漬けの塩紅鮭でスリスリ蓮根を巻いてます。ハモの子にウニを載せた言うならば玉子焼き。鯖の味噌煮ならぬイワシの味噌煮。赤いパプリカを白い長芋で巻き白板昆布でまいたん。オクラを裂いて白ウルカを鋳込んだもの。上品なウルカが一層品が良くなる味です。いい組み合わせ。

油物は松茸とアワビ。アワビの肝も揚げてくれてます。山の香りに磯の香り。まだまだ暑いけど銀杏が出始め。熊本から。
橋休めの酢の物に毛蟹。蟹酢控えめ。褐色の丸いのがタピオカ。ニュルニュルプルプルでお箸の練習だ。
今日は鍋がない替わりに、アラが煮付けられて出てきました。一匹分の頭とカマ。流石にこのボリュームでは、甘さをくどく感じるようになります。それでもアコウは旨い。アコウのアコウをとり損ねて、落ち込む。
橋休めで出ているけど、ご飯は毛蟹でお願いしました。今日も一膳だけで、折に詰めてもらいます。
大将も説明できないお菓子数種類。ちょうど郁ちゃんがやってきたので、説明を受け、三品を選び出します。


平成24(西暦2012)年7月12日
さて、晩御飯です。「日本橋・藤久」へ。
若い男の子が入っている。高卒ルーキーだそうだ。まったくの素人だとか?続くかなぁ?

  • 天の川見立ての黒ゴマ入り瀧川豆腐、オクラ、椎茸、黄身、金箔
  • お椀は、ウニを埋めた蓮豆腐、胡瓜、輪柚子
  • 芋の葉にお造り、すずき、マゴチ、あおり、アワビ、鳥貝、まぐろ
  • 笹に短冊を用いた八寸。短冊に、マグロのつみれ、煮イワシ、シシトウの軍鶏詰め、豚タン煮、子芋・タコ・南京。高杯に白貝。ホオズキに豆腐のモロミ味噌漬け。ウナギの陣太鼓巻き・肝・心臓
  • くるま海老の唐揚げ、揚げたヤングコーンに海老みそ、トウモロコシのヒゲを絡ませたてんかす、酢橘
  • 酢の物には、シャコ海老、生姜酢心太、金針菜
  • 小鍋仕立ての、焼きハモと松茸、水ナス
  • 鮎ご飯、中骨煎餅、香の物、止め椀(焼きいちじく)
  • マンゴのギモーブ、生姜風味の錦玉羹、白小豆餡の抹茶葛餅、小豆外郎

今宵は「松の司・ふみみずたんぼ・2011(23BY)・木桶仕込・生もと純米吟醸無濾過生原酒・竜王町産米山田錦(冬季潅水・不耕起栽培・環境こだわり農産物認証)精米歩合65%・仕込み41号(3月出荷:限定850本/720ml)」です。桃やマスカットを思わせる味のあるお酒。今がピークかな?

七夕は過ぎちゃったけど、夜の天の川に見立てた黒い瀧川豆腐。オクラや金箔でお星様。美味しいと唸るものではないけど、季節感が目で味わえる先付け。

お椀は、蓮の澱粉でまとめたウニのお豆腐。蓮根餅ではない。椀種は美味しいと唸るほどのものではないけど、吸い地はキレイな味。いつも椀種の旨味が出すぎるからねぇ。
お造りには、すずき、マゴチ、あおり、アワビ、鳥貝、まぐろ。とりわけアワビが美味しい。薄くスライスしてあるんですが、旨味がドンドン口に広がってくるのです。生は生で旨いものだ。マゴチ・スズキの白身も美味しい。
笹を飾った八寸には、短冊。解読すれば、歌は古今集の1634番・二条院讃岐の「ながらへて猶君が代を松山の 待つとせしまに年ぞ経にける」と読むようだ。乾山写し。その短冊にマグロのつみれ、煮イワシ、シシトウの軍鶏詰め、豚タン煮、子芋・タコ・南京。真っ白な貝のおろし合え。諸味味噌漬けの豆腐は売り込みに来たものだそうだが、珍味は珍味屋です。なかなか旨く出来てる。初めて聞いた「陣太鼓」。ウナギの八幡巻き4本分を、さらにウナギで巻いたもの。これくらいのボリュームガあると、食べた気がします。

大きい海老が揚げて出てきました。ひ弱な伊勢海老くらいの大きさです。テンカスが寝床になっているんですが、よーく見ると髪の毛が絡まっているような・・・ですが、トウモロコシのヒゲだそうだ。ヒゲは甘いんですというけど、テンカスをサクサク食べるってのもなんですからね。めんつゆの薬味とかにいいだろうな。ヤングコーンには海老のミソ。
酢の物にはシャコ。麺みたいなのが生姜酢を効かしたところてん。
小鍋でハモ松。早松かときけばサマー松ということです。中国産かな?他のお客さんには、お椀で出てきておりました。香りはホンノリ程度。

予定では、梅紫蘇ご飯というのを「鮎」に変更。二匹焼いて釜の中。一膳でお持ち帰り。味噌汁にイチジクとは驚いた。生姜が効かしてありました。
欲張って、お菓子が4つ。大量に引き取ったマンゴはKOCIKAZEでかき氷のソースに化けたそうです。


平成24(西暦2012)年6月17日
さて、晩御飯です。「日本橋・藤久」へ。混雑ではないけど、ご繁盛の様子。

  • うにトロロ
  • お椀は、甘鯛にゅうめん、柚子、隠元
  • お造りは、こち、せみえび、まぐろ、花穂ゼリー、胡瓜、山葵
  • 藤久風鮎の柿の葉寿司、骨煎餅、うるか
  • 八寸は、車えびとイチジクの田楽味噌和え、黄身酢レンコン・アワビ・鯵の梅紫蘇巻き、鱧の子の卵白蒸し・八幡巻き・ひいか
  • ドジョウの塩焼き、枝豆、山葵、山椒おろし
  • ドジョウの唐揚げ、ししとう、コーンの掻き揚げ
  • ドジョウの柳川鍋
  • ウナギご飯、止め椀(肝)、香の物
  • 赤豆かん、空豆饅頭(黄身餡の空豆白餡包み)、さくらんぼ大福
今宵のお酒は「田酒・純米吟醸・百四拾精米歩合50%」を選んでみる。甘味を感じるフルーティなお酒。後口に若干苦味があって甘さを〆ている。特徴的に喉越しがキレイ。

先付けは、ウニトロロ。ウニを底にしてトロロを流し込んで、ユルユルに固めてあります。降り柚子、赤豆がトッピング。

お椀は、甘鯛を使った「鯛にゅう麺」のバリエーション。
お造りは、珍しく氷無し。海老さんは「せみ海老」。白身は「まごち」。それに「マグロ」
おしのぎ?鮎の骨せんべいが前面にでてます。柿の葉で巻かれているのが、白焼きにして煮たという鮎のお寿司。ユルユルの巻き寿司ですけど、一応柿の葉寿司です。多くは知りませんが、吉野のつるべ鮨は酢で洗った鮎だったし、いづ重は塩焼きでした。苦いウルカで、バクっとは食べられないのでチビチビ酒の肴。
芋の葉っぱにガラスの器三つ。車えびとイチジクの田楽味噌和え。もうイチジクだ。黄身酢レンコン・アワビ・鯵の梅紫蘇巻き。鱧の子の卵白蒸し・八幡巻き・ひいか。

團菊祭五月大歌舞伎の演目「ゆうれい貸屋」の中で、炭屋河岸での水売りと金魚屋との喧嘩の仲裁をした弥六が酒食を振舞われるのが「ドジョウ屋」。それから、気になっていたんだけど、ようやく出してくれました。
先ずはドジョウを開いて塩焼き。串に打って焼いてくれて、冷めないようにコンロの上。開いた骨は、今日二品目の骨煎餅。大きいドジョウのようで、腹子も入ってます。枝豆も焼き。実山椒を混ぜた大根おろしと山葵が薬味。三匹。蒲焼で出してくれるかと思っておりましたが、後の料理を考えて、塩焼き。
続いて、小さいドジョウが唐揚げ。目を隠して食べれば、たぶん鮎と間違えるだろうだろうと思える苦味のある味。
「鍋の中は地獄絵図」と郁ちゃんが言って出てきたのが、柳川。大き目のドジョウを生きたまま鍋に入れたそうで、罪な鍋。大きくて火が通りにくいので、骨がコリッとワイルドなドジョウ。4匹。牛蒡たっぷり。
ご飯は、ウナギにしてもらいました。天然らしく、プリプリを越してコリコリに近いウナギ。肝は味噌汁の中。

お菓子、三品。正統派の「豆かん」黒蜜かけ。

新しく入った女性スタッフの若いトモちゃんは、実はソムリエの資格を持っているそうです。なぜか、藤久で日本酒のお勉強中?何を目指しているかは、今度聞きましょう。ブレ・ド・ブレにいたらしいし、ホールのサービスもしていたんでしょう。藤久はせまい店で、ホールも糞もないけど、丁寧なサービスは今までにはなかったもので感心。まかないで店にあるお酒は、勉強の為、呑み放題とか言うてます。ええ店や。


平成24(西暦2012)年6月12日
さて、晩御飯です。「日本橋・藤久」に予約をいれてます。
他には一組の静かなカウンター。

  • 水無月豆腐、蒸しウニ
  • お椀には、あこう(梅肉)、にゅうめん、柚子、サンド豆
  • 鮎の背越し、骨煎餅、白うるか、蓼酢味噌、醤油、しょうが
  • アイスランド産ナガスクジラの、サエズリ、尾の身、ベーコン、しょうが、醤油、花穂
  • 屋形船の八寸には、一休寺納豆の芋饅頭、蕗の甘酢煮の干したん、絹皮隠元、酢レンコン、ひいか、擬製豆腐、枝前の掻き揚げ、いぎす豆腐・黄身酢。壷壷にはトマト羹、シラサエビ、おくら
  • 焼き物は、長芋、鳥貝
  • あさりのミゾレ羹、赤ピーマン、鞘大根、白髪葱
  • ハモと水ナスの甘酢、梅肉、大葉、茄子皮
  • アナゴご飯、止め椀(茄子)、香の物
  • 和菓子は、番傘(粒餡のニッキ味の皮)、マスカット大福、水無月

藤久さんでの同じみさんが松江に旅行してきたお土産のお酒「國暉・原酒・純米大吟醸・山田錦精米歩合40%・島根K1酵母」を頂きます。(写真は蔵元のページから拝借)。
立ち香りは、麹のような香り。含んでみると若干老ね始めているような香りが残るし、苦味も感じる複雑な味。すべてに濃厚な香りと味で、とても40%まで磨いたとは思えないな。ギリギリだな。出汁の味には合いにくいけど、ウルカのような珍味には合うようです。むちゃの舌には合わなかった。

折敷が巻き簾に変わっております。先付けは、水無月豆腐。豆腐は玉造で有名な豆腐屋さんだそうだ。その上に小豆入りの寒天を流してあります。日本料理屋ならではの冷奴です。

お椀はあこう。美味しいなぁ。これからの魚では一押し。生で食べてもいいけど、蒸し物がいい。特に頭とかカマとか・・・。ちっちゃい柚子が刻まれてます。香りは立派に柚子。今日は「生そうめん」ではないと思う。

先週のお昼に来た時に、背越しを注文したんだけど、稚鮎だったので諦めたんだけど、今日は出てきました。二匹分。頭と尻尾・ヒレは揚げてくれてます。背越しは、蓼酢味噌、醤油(しょうが)で食べますが、ウルカで和えても旨いのでした。今日は肝と苦玉はありません。
もう一皿替わりがでます。アイスランド産ナガスクジラ。サエズリ旨い!生姜醤油。サエズリも白い部分は脂が多いのでしょうか?ベーコンが霞む。

屋形船の八寸には、大徳寺納豆と一緒だけど一休寺納豆。その芋饅頭。蕗の甘酢で煮たものを半生状態の干したん、酢昆布的なイメージでつくったらしいけど、結構癖になりそうな味とシットリ感。茶色い豆で透明な鞘付き。絹皮隠元と言う豆の乾物だそうだ。酢レンコン、ひいか、擬製豆腐、枝豆の掻き揚げ、いぎす豆腐・黄身酢。「いぎす」は海藻で、徳島の郷土料理らしい。壷壷にはトマト羹、シラサエビ、おくら。
コンロが出てきて、上には、長芋。さらに鳥貝。一味の醤油で味付けしてあるのかな?
涼しげなガラスに、アサリのミゾレ羹。大振りのアサリ。流行の鞘大根。
骨きりしたハモ、下に水ナス。餡かけです。
さんざん悩んで、アナゴでご飯。一膳だけで、詰めてもらいます。

お菓子は今宵も三種選びました。妖怪「からかさ小僧」みたいのは肉桂風味の皮で小豆餡を巻いたもの。もうマスカットが出ていたんですな。6月ですから、水無月は外せない。

ちょうど郁ちゃんがやって来たので、話しこんでいると、Qちゃんが大量のイサキを捌きはじめた。kotikazeのお昼の予約が30人あって、その下ごしらえということらしい。さすが手際が早い!内臓は珍味に仕上げるんでしょう。M学園のお母様方に大人気のようです。


平成24(西暦2012)年6月8日
ランチでは久しぶりに「日本橋 藤久」へ伺います。開場時間に間に合うように、早いめの入店。
一番手軽なランチのお膳は、メインの一品を選ぶだけ。悩んだ挙句に「ハモの柳川風鍋」にしよう。
小鉢三つ。玉子とじ、ぬた、お肉と牛蒡の炊いたん・ブロッコリー。つみれのお椀、香の物、ご飯がワンプレート。小撥を突いている間に、ササッと作ってます。 保温用に炭が数個入った鍋が出てきました。美味しいお出汁。ハモ、タマネギ、三つ葉。で、牛蒡はなし。

お手軽なランチですから、食べ終わるのも早い。
食べている間に来られたお客は二組。飛び込みのようですが、初めての片はおられないようだ。若い人は来ないし、落ち付く。文楽の予定がなければ、お酒が呑みたいところ。


平成24(西暦2012)年5月24日
予約の時間を過ぎちゃって、急いで「日本橋・藤久」に向かいます。

  • 長芋羹。えび、椎茸、黄身の味噌漬け、オクラ
  • お椀が、葛打ちのアワビ・肝、ジュンサイ、隠元、花柚子
  • お造りが、まぐろ、さば、いさき、鳥貝、こち、メイタ鰈、鰹、いか
  • 八寸には、アナゴお南蛮・酢取茗荷、いさきの白子・生姜・醤油、鱧の子・笛・肝・丸十、シャコ・オカラ、ギタロー軍鶏の肝・ハツ・ずり・ムネ・黒ニンニク、コンニャクの炊いたん・シシトウ
  • ますのすけの塩焼き(頭・かま)
  • 小豆島の生素麺、ウニ、山葵
  • 炊き合わせに、茄子、牛蒡、人参、スナップエンドウ、小芋、茗荷
  • 鱧・梅紫蘇ごはん、止め椀(トロロ汁)、香の物
  • 初かつお・山葵餡・生姜餡、蕨黒糖饅頭、茶団子、味噌餡の木の芽焼き餅

今晩のお酒も「松の司・2009(21BY)純米大吟醸・しずく斗瓶囲・東条町産山田錦精米歩合40%・金沢酵母(自家保存株)・杜氏:瀬戸清三郎No.299/1800ml330本&720ml350本)」です。料理によっては、ミネラルっぽい苦いがうっすら出てくるけど、フルーティな香り。甘味は弱まっている印象を受けた。喉越しは変わらず、サラリと滑る。

先付けには長芋羹に味噌漬け黄身。海老に椎茸、星型に切られたオクラ。

藤(?)のお椀には、アワビが花びらのように浮いております。葛打ち。肝にも葛打ち。ニュルンとした舌触りの後から、ジワジワと旨味。
お造りには、まぐろ、さば、いさき、鳥貝、こち、メイタ鰈、鰹、いか。コチや鰈の白身が美味しい。鰹は皮を炙ってあります。めっきり水揚げが減ったそうです。鯖は生。生で食べる鯖は久しぶり。肉厚の鳥貝。
八寸の笹の葉を取ると、六種類。アナゴの南蛮、イサキの白子、鱧の内臓、しゃこ、軍鶏、コンニャクです。白子や肝は魚を問わず旨いねぇ。今日も内臓は出るけど鱧がない。シャコは子持ち。ここは鶏さんは置いてなくて軍鶏が使われるのだけど、関東の軍鶏かと思っていた。信州のぎたろう軍鶏というブランドのようです。牛はダメだけど鶏は大丈夫の生肝。青森の黒ニンニク添え。ムチーっとした中まで真っ黒。手を抜いたようなコンニャク。さっと炊いて、シシトウと混ぜてあります。

折敷を飛び出すほどの織部のでかい俎板が出てきて、根室のマスノスケ。13キロのマスノスケを半身で買わされたそうで、身の方は、冷蔵庫にデーンとバットに寝ておりました。幽庵やら、味噌漬けやらで処分しないと、刺身だけでは提供しきれないようです。それを数日ランチで提供するKOTIKAZEの郁ちゃんは、買った事に呆れているようです。
そんな頭とカマをまかされてしまいました。ゆっくり食べていると、つらくなるだろうと、一気にほじって意地で食べる。頬も目玉も脳天もカマシタも、鮭ですから皮も、皮にへばりついた脂も、あますことなく美味しいや。おかげで手がベタベタ。でも鮭臭くないんだな。
そろそろ、トキシラズも市場に出始めているようで、これから楽しみ。
そしてマスノスケのマスノスケだ!

さっぱり素麺。20、21日と小豆島へ遊びに行って、仕入れてきたという「なかぶ庵」の生素麺。小豆島で一軒だけで有名だそうです。店内で食べることお出来るそうです。でも、「うどん県それだけじゃない香川県物産展」には創麺庵というところが「手延べ半生素麺」というのをだしているようです。「生」と「半生」とは微妙だね。ちょっと素麺つゆが辛い。
野菜だけの炊き合わせ。
鱧の身がないということで、ハモご飯。梅と大葉、紫蘇入り。マスノスケも影響して、一膳だけ。
リクエストしておいた「初かつお」の他、三種類。別腹に収まりますな。初カツオに合わせて庵にも山葵と生姜を入れた薬味が付いてます。芸が細かいKOTIKAZE。


平成24(西暦2012)年5月17日
芝居が終われば、晩御飯です。小宵は「日本橋・藤久」に予約をいれてます。

  • 蛤、鞘大根、赤ピーマン、おろし和え
  • お椀が、車えび、春菊豆腐、茗荷、青味
  • お造りが、まぐろ、鳥貝、おこぜ、めばる、いか
  • 八橋の八寸には、鱧の子の炊いたん、アオリイカ(子)のたまり漬け、蓼の葉で巻いた鮎のオイル漬け、干海老・茗荷・葱の玉子とじ、軍鶏の島らっきょう巻き、鯵の長芋巻き、イカ蒲鉾、オコゼの煮凝り、若桃の蜜煮
  • 舌平目の一夜干の焼き物、骨煎餅、蕗の梅煮、酢橘
  • アワビ、ジュンサイ、茗荷の酢の物
  • 天然ウナギのすき焼き、葱、豆腐、椎茸、針ごぼう、実山椒、生卵
  • 鮎ご飯、止め椀(新たまねぎ)、香の物
  • 梅を埋めた白餡饅頭、白餡にサンザシの屑饅頭、蕗羊羹

今晩のお酒は「松の司・2009(21BY)純米大吟醸・しずく斗瓶囲・東条町産山田錦精米歩合40%・金沢酵母(自家保存株)・杜氏:瀬戸清三郎No.299/1800ml330本&720ml350本)」をチョイス。前の杜氏さんの最後の「しずく」であります。その事が肝要であります。瀬戸清三郎です。一杯目こそは酸味も感じたけど、林檎や梨のフレーバーを伴ったホンノリと甘さの乗ったお酒で、のど越しはサラサラ。香りに慣れちゃうと、優しい甘さがふわっと広がってサラリと消える甘露であった。

先付けは、蛤におろし。赤と緑の色合いもきれい。赤はトマトかと思ったらピーマン。わずかでも香り付けになってます。最近良く見かける大根の実。

お椀には、車海老。でかい。伊勢海老かと思った。海老さんの香りが吸い地に移っているかというとそうでもなく、淡白な椀種でシンプルに薄味でした。春菊の豆腐には、葉だけでなく菊花。ただ花が開いてしあうと葉っぱに価値がなくなるそうで、春菊は市場の野菜で、花は藤久農園。茗荷の香りは、思ったほどではない。
お造りは、島根のマグロ、宮津の鳥貝、肝つきのオコゼにメバル。皮も湯引きでプルプル。オコゼが旨いので、メバルが霞む。

八橋の八寸。遠いところに三品。玉子の入らない鱧の子の炊いたん。(今日の鱧はこれだけでした)。アオリイカの卵はネトネトねっちゃり。舌触りが艶かしい。イカの身(端っこ)も歯ごたえがないニュル〜んとしたもの。漬かり過ぎなのかもしれないけど、とても旨い。鮎を蓼の葉で巻いてオイル漬けにしたもの。オイル漬けでも、苦味は残っております。
手前のは玉子とじ。軍鶏、鯵、イカ、オコゼ。オコゼの煮凝りが秀逸。いい味のゼラチン。八寸の中にあっても甘い一品はいつも最後に食べるクセがありますが、桃は小さくても桃だ。

焼き物は舌ヒラメの一夜干し。骨煎餅になった中骨にへばりついた身の薄さに感心。
酢の物にはジュンサイ。その下にアワビが浮いておりました。
目鍋が出てきました。牛蒡と実山椒が目立ってますが、引かれた皮を見るとウナギのようです。皮を引いた身は赤味を帯びたもので、一軒ウナギに見えない。皮がないとウナギの味も変わるものです。割り下は、辛め。花山椒であったらねぇ・・・嬉しいのに。ドジョウの替わりはウナギで十分。
最近は偽装が多いウナギなので、産地証明書というのが付いてくるそうだ。九州と言うところまでは覚えているけど・・・。最近ウナギ博士というのが来られて話題になったのは湖水のウナギの産卵について。博士がいうには、海水でないと孵化しないらしい。塩分の浸透圧の影響でしょうか?ただ、湖水(琵琶湖の事だけど)のウナギが卵を持っているということは知らないようで、実際ちゃんと調べたとは思えないや。むちゃの幼少の頃はウナギは養殖技術もまだまだで、ウナギといえば高級食材だったけど、その頃から琵琶湖にはウナギがいた。居たんだから、孵化してんじゃないかな?

ご飯は「鮎」を注文。鮎ご飯って、鮎だけだなぁと、なにか足してよと言ったんだけど、思いつかないようです。一釜に五匹。(大阪の)吉兆系の鮎は全部同じ業者さんなのだそうです。ただ、どこで畜養しているかは秘密のようです。味噌汁のメインの具材は、タマネギまるっぽ。藤久農園産。
今日も御菓子は欲張って三つ。


平成24(西暦2012)年4月17日
晩御飯は「日本橋・藤久」です。
ラストオーダー近いので、もう他のお客さんは引き上げて、貸しきり状態。

  • 桜豆腐と生シャコ海老、菜の花、花びらしょうが
  • お椀は、すっぽん、白髪葱
  • お造りには、鯛・鯛皮、ヨコワ銀皮、ぼたん海老、焼霜のはも、イカ、まはた、ウニと小柱
  • 花見の八寸には、ボンボリにイタドリとお揚げさんの炊いたん、海老・一寸豆・厚焼き玉子の串、メヒカリの天ぷら・タコの子・黒つぶ貝の串、イイダコ・イタヤ貝・鯖の子巻きの串、サヨリの桜寿司
  • 焼き物は、ひらまさの味噌漬け、蕗の薹の味噌漬け、トマト、カリフラワー
  • 酢の物は、本ミル貝、ウルイ・菜の花・コゴミ、紫山芋素麺
  • タケノコとまはたのアラ煮、木の芽
  • 筍・山菜(わらび・こごみ・・・)椎茸飯・止め椀(ぼたん海老頭蛤)、香の物
  • 葛桜、イチゴ大福、・・・

今晩も「松の司・2011(H23BY)・生もと純米生原酒・竜王町産米山田錦(環境こだわり農産物認証)精米歩合65%・自社保存株酵母・限定614本」にします。華やかなフルーツの香りで、ガツンとパンチがありますが、爽やかに味が消えて生きます。脂の乗った魚とは相性がいいようで、「きもと」を思わせるコクがチラッと顔を出すようです。

桜と柳を描いた貝の器に桜色の豆腐。桜の花が入っているそうですし、いい香りですが、ただ色が悪くなるとかで、色粉を補っているらしい。その上には海老さん?シャコの生でした。シャコの生物学上の分類は知りませんが、味は立派な海老さんの味です。活けのシャコなら捌けるみたいですが、大変そうです。爪は流石に生では剥けないそうで、茹でたそうです。

お椀は、一目すっぽんですね。卵きれい。白髪葱もたっぷりなら、スッポンの身もたっぷり1/4は入っているみたい。雑味のない吸い地にできあがってます。
お造りには、もう鱧!和歌山産だそうです。生鱧を焼き霜にしてあります。白身の真ハタや鯛も美味しい。徳島のウニは色は悪くてもそこそこ旨い。
桜の八寸には、花見団子風に串刺しが三本。「つぼみの酒の会」と同じ趣向ですが、少々手間のかかった串。揚げたてのメヒカリ。今作りました感があって、嬉しい。

焼き物には「ひらまさ」を味噌漬けにしたん。もう少し脂の乗った魚の方が味噌漬けには合いそうです。蕗の薹の苦味が味噌の甘味に消えます。しっかり固めのフルーツトマト。
酢の物には、本ミル。紫色のもやもやとしたのは素麺で、紫のトロロ芋から出来てます。酢で洗っているのでシナッとしてます。鹿児島産だったかな?青味の野菜は、ちょっと怪しいけど、何種類かはいっているらしい。
大皿で出てきたのは、お造りに出た「真ハタ」のアラと木積の筍。今が盛りで出回っているそうです。ハタの仲間は、旨いねぇ。
蕨ご飯と言われたので、それだけではと、筍も山菜お一緒くた。なんだか今日も菜飯のように見える深緑のごはん。

お菓子三つ。そろそろ柏餅かと思ったけど、まだでした。料理では先取りすんだけど、御菓子はゆっくり。一つ、どう呼んでいい川からないけど、構成は「若鮎」系の組み合わせ。

葛桜の香りが、口に残って、マスクをしていることもあって、桜の香りに包まれて帰ります。いい気分。


平成24(西暦2012)年4月10日
晩御飯は「日本橋・藤久」です。
四月から、もう一人、料理スタッフが来るという話が流れたそうだ。人騒がせな経緯のようです。

  • 車えびとホワイトアスパラガスの黄味酢和え、
  • お椀は、うすい豌豆の真蒸を甘鯛で巻いたんの桜葉包み、花びら生姜、桜の花
  • お造りには、鯛・鯛皮、ヨコワ銀皮、もさ海老、ヒラメ・炙った縁側、イカ、大葉を挟んだキス、大葉を挟んだサヨリ
  • 曲水の八寸には、ボンボリに法螺貝とワケギのぬた、壷壷に鯛の白子おろし合え、短冊に、バチコを串にした一寸豆の唐揚げ、鯛の子、アナゴの独活巻き、イカの黄身焼き、ヨモギ麩の蒲焼、キスのアスパラ巻き、磯つぶ貝
  • 焼き物は、木積のタケノコ・木の芽田楽味噌、稚アユ・蓼酢
  • 酢の物は、もずくゼリー寄せ、菜の花、赤貝、鳥貝、ミル貝、たいらぎ
  • 渡り蟹の茶碗蒸し、百合根、蟹味噌・内子
  • 菜飯・錦紙・炙り白魚・白ゴマ、止め椀(蛤)
  • 関東風桜餅、草餅、鶯豆入り浮き島

今晩は「松の司・2011(H23BY)・生もと純米生原酒・竜王町産米山田錦(環境こだわり農産物認証)精米歩合65%・自社保存株酵母・限定614本」にします。梨やマスカットのようなフルーツの香りの中に、微かにチーズのようなコクのある香りが隠れているようです。原酒らしくどっしりした呑み心地ですが、爽やかさも共存する味わい。温度が上がると円やかさが増すようです。アルコール18%で、少々効きますなぁ。

ヌクヌクの太い車えびと、ホワイトアスパラガス。旨い黄身酢が絡んで美味しい。ほとんどQちゃん一人で作っているようなものですから、慌てずゆっくり味わって食べましょう。

お椀には桜。アクセントに生姜です。桜の葉っぱを持ち上げると甘鯛で薄い緑色のなんかを包んであります。もそもそした緑のは「薄い豌豆の真蒸」だそうだ。色合いはいいけど、食感はボソボソだし、崩れてお椀の中が見苦しくなっちゃいました。今年も今週の日曜日に花見をした(昨年は参加)そうで、満開だとか。彦根のつぼみに比べて羨ましいところです。花見開催の為、評判の悪いカレーイベントの断ったそうです。
お造りには・・・たくさん。ヒラメ・鯛の白身は旨味があっていいんだけど、このヒラメの縁側を炙った焦げ臭さがイカに移っちゃって、そのことだけが減点。盛り込み方にイエローカードです。

八寸には、大根のツマで川の流れを表現して、流れに浮かぶ盃と短冊の趣向。きっと始めて食べるだろう法螺貝。言われなきゃ特徴のない味。旬の真子は美味しい。面白いのはバチコを筋に沿って細長く刻んだコノコを串にしてある一寸豆。粒貝は焼き。
四角いコンロが出てきて、保温の炭が入ってます。貝塚は木積のタケノコの焼き物にドーンと木の芽の田楽味噌。豪快なタケノコもええもんです。多すぎるような田楽味噌も旨いので、へっちゃら。その横に「もう、稚アユ」。滋賀ではまだ「氷魚」が出ているというのに・・・。可愛い小ささなんだけど、立派なアユの顔だ。タケノコに比べて、食べ応えがない。

モズクのゼリーが添えられた貝の酢の物。赤貝、鳥貝、ミル貝、たいらぎ。
蒸し物で茶碗蒸し。ウニのようなオレンジ色は・・・渡りカニの内子でした。山葵色したモヤモヤは蟹味噌でした。百合根コリコリ。
ご飯は「菜飯」ということです。「菜」って菜の花らしいけど、家庭の菜飯は「大根の葉っぱ」だよねぇと、お隣の文楽帰りのお客さんと一致。「菜の花」だけではと思いメニューを見渡し、「白魚」追加。出てきた「お釜」には「錦紙玉子」と「炙った串白魚」。エエ感じやん。止め椀は味噌仕立ての蛤。
御菓子は、また「桜餅」と「草餅」を選んで、「浮島」。ヨモギの香りがちょっと弱い。


平成24(西暦2012)年3月11日
さて、晩御飯は「日本橋・藤久」のカウンターへ。
おやぁ???!なんだか誰かに合いそうな気がしていたんだが、「てっちり」を突いているのは金曜日に伺った「もめん」の大将じゃありませんか?
男性調理スタッフが一名増員。

  • 蛍烏賊煎餅焼きでワケギを巻いた黄身酢合え、、雁足、花びら独活
  • お椀は、葛打ちのアブラメ・梅肉、うすい(豌豆)豆腐、土筆、木の芽
  • お造りは、ミル貝、真つぶ、北寄貝、赤貝(焼き肝)、アオリイカ、サヨリ
  • 梅の八寸には、サザエにはアスパラと「ぶよぶよ」、貝合わせにタケノコ木の芽和え・土筆、蛤のオイル焼きに山葵菜、豆腐に「しょゆのみ」、イカの味噌漬け・島ラッキョウ巻き、イイダコ、一寸豆、海老、鯖の芋寿司
  • ひらまさのカマ、ハラスの塩焼き、トマト、カリフラワー、ポン酢醤油、
  • 松葉カニの湯引き、蟹酢
  • フグの白子鍋、フグのあら、白子、菊菜、七味
  • 桜海老とタケノコのご飯、止め椀(大根と蕗の薹)、香の物
  • 桜餅、こなしで作った椿、ヨモギ餅
今宵のお酒は「七本鑓・大吟醸袋吊り斗瓶取り・平成二十二酒造年度全国新酒鑑評会出品酒・山田錦精米歩合40%」にしました。フルーティで甘味と旨味がバランス取れて、キレがいい。好みのタイプです。

菱皿に出てきたのは・・・分かりませんでした。蛍烏賊の不要な部分を取り除いて摺ってドロドロにしたものを焼いた煎餅と言うか、イカ焼きで、ワケギを巻いてあります。黄身酢がかかって、食材の構成は普通ですが、面白い工夫です。焼いただけならイカの香りがしていたそうですが、黄身酢が勝っているのか、蛍烏賊とはわからへんかった。蛍烏賊も一緒に巻いてくれると分かりやすいのに、と一言添えて、完食。

今年最初のアブラメのお椀。緑色はうすい豌豆の(葛の)お豆腐。香りの高い吸い地。葛が打ってあって、キレイなアブラメの姿。苦味がしっかりある土筆。
お造りは、貝ばっかりで、魚はサヨリだけ・・・と不満をもらす。なぜか魚がないのだそうだ。ミル貝、真つぶ、北寄貝、赤貝。みんな美味しいけど。
八寸には、わけ分からんのがあります。「ぶよぶよ」っていう食感のは、ジャガイモの澱粉を練って作った安もんの蕨餅みたいなん。中国東北旅行で仕込んできた一品らしい。掛かっている和え衣は「ハシバミの実」。詳しく知らなかったけどヘーゼルナッツの仲間のようです。蛤をオイル焼きにすると貝の香りが飛んで、思いがけない味。食べたことはないけど、アヒージョでも美味しいだろうな。「しょゆのみ」ってのは、醤油を作るモロミの豆そのもののようです。徳島ではあちこち売っているそうです。ご飯の友になるらしいけど、豆腐と合わせても十分濃厚な味に仕上げてあります。鯖の芋寿司は、美味しくない。

焼き物は「ひらまさ」のカマとハラス。ハラスは脂っぽいかと思いきや、脂もおちてるのかパサつく感じ。一方カマの骨の回りはしっとり脂が回っております。「ひらまさのひらまさ」も立派。

柴山港の松葉。生で捌いて湯に通して、身が弾けた状態で出てきます。これは、自分でしゃぶしゃぶした方が盛り上がるな。それにこの料理は、蟹を美味しく食べようという趣旨からは外れるな。「蟹は浜茹で」。(デジカメる前に手がでてしまったよ。)
真っ白な鍋は、フグの白子。シーズンに一回は食べたくなる白子料理。でっかい白子も入っているし、背骨のあらも一つ。
炊き込むご飯に、生じゃないけど「桜海老」を所望。それだけじゃ面白いがないので「たけのこ」も一緒。いい香り。止め椀の味噌汁に入ってた麩祈祷は、香りが強すぎ。ちょっとビックリの止め椀でした。いつものように、ご飯は詰めてもらいます。
お菓子は、ありがたいことに今日から作り始めたという「桜餅」、香りの高い「蓬餅」、こなしの椿。

出戻り娘のユキヨちゃんが、ようやく独立開店準備の為、今月一杯で上がるそうだ。旦那も同時に止められるそうだ。随分ズルズル働いてましたね。工事は五月からだって。今度会うのはオープンしてからやね。
2009年(確か秋)頃に助っ人で「枡田」から手伝いに来ていた若い子は、「秋鹿」の息子だったんだとさ。今は蔵に戻って七代目になるべく修業中らしい。将来、蔵に酒蔵のレストランでも開店しそうだな。そんな関係もあって、ひょっとしたら新しい店の水は秋鹿の仕込み水を使うかもしれない。そうしろと言っていたんだけどね。さて・・。


平成24(西暦2012)年3月1日
さて、晩御飯は「日本橋・藤久」のカウンターへ。

  • 赤貝、北寄貝、ミル貝、たいらぎのヌタ、炙った土筆
  • お椀は、菱餅風三色の胡麻豆腐、タケノコ、蛤、軸菜、木の芽
  • お造りは、ぶり、皮霜のさより、皮霜のよこわ、鯛、大葉を挟んだサヨリ、うに、いか、防風、紫芽、山葵
  • 桜の八寸の、耳杯にシラス巻き(梅長芋)・イイダコ・アオリイカと蓮根の蒲鉾・一寸豆・白魚、蛍烏賊の沖漬け、鮒寿司と木耳の炊いたん、クジラ
  • さよりのミソッカス漬けの焼き物、若牛蒡
  • 酢の物には、アワビ・肝・広目
  • 熊鍋、蕗の薹、野蒜、こごみ、タラの芽、玉子
  • ちらし寿司(穴子、厚焼、雁足、はなびら百合根、椎茸、海老、絹さや、土筆、蕨、錦糸、木の芽、止め椀(蛤)、香の物
  • お菓子が、餡入り鶯豆団子、鶯餅、金柑風味の白餡のおまん
先週に続いて「松の司・2009(21BY)大吟醸しずく斗瓶囲い・兵庫県東条産山田錦精米歩合40%・金沢(自社保存)酵母・限定No118/330本/1800ml&450本/720ml」にします。心持ち丸みが出て落ち着いたかな?という呑み心地。サラッとした甘味が口に広がります。きれいな酸がキリッと余韻を消します。

先付けに貝沢山のヌタ。わけぎ。流石に料理屋さんのヌタは優しい素加減。頼りなくもあり、美味しくもあり。ただミル貝がヌタに合わなかった。

お椀は、モモの節句が近いこともあって、定番の蛤。吸い地には微かに酒の残り香?胡麻豆腐に色をつけた三色の菱餅もいつもの仕事。タケノコは熊本産だと。まだまだ九州産が主流のようです。
天候の性で、魚がないんだというけど、なかなか。ウニは旨いし、主に腹身を盛り込んでくれるので魚も旨いたらありゃしない。鯛は口に入れた途端に脂の旨味が広がるし、ヨコワもいい香り。ブリの脂ものってます。鰆だって山葵が効かないほど脂が乗っているんだけど、食べ比べると味が弱い。
梅かと思ったら桜でした。耳杯にはシラス巻き(梅長芋)・イイダコ・アオリイカと蓮根の蒲鉾・一寸豆・白魚。蒲鉾が面白い味。お店でたまり醤油で漬けているんだろうけど「沖」漬け。珍しい鮒寿司。クジラっていうのは、なんだかテンションが上がる。

黄瀬戸に焼き物。サヨリの粕漬け。粕に味噌を入れているらしいので「みそっかす」だ。ご飯がほしくなるほどの旨さしっかりの粕漬け。旬の若牛蒡。
酢の物には、広目昆布。和歌山で旬のときだけ食べられる幅広の昆布。確か、しゃぶしゃぶして食べたりするはず。それにアワビ。肝入り。
再び、ツキノワグマ。テンション上がるなぁ。これが最後に残っていた分らしい。ほとんど脂だけど、すき焼きの鍋の残りの脂身で、上品な甘さを想像すればいいんじゃないかな。赤身(?)の肉は臭味はないし、むしろヘルシーな味。すき焼きですから、溶き玉子。あわせて、いろいろな山菜。猪や熊の脂が牛より美味しく感じるのだけど、所詮牛は畜産・養殖だからか?
季節らしく、ご飯は「ちらし」。蛤の味噌汁。いつもご飯を持ち帰っているので、おみやに「ちらし」を作ってくれてました。ありがと。

お菓子は、欲張って三つ。鶯豆で餡子を包んだ団子。青大豆の粉の鶯餅。市販の緑の濃い鶯餅は着色らしい。言われりゃそうなんだろうけど・・・。金柑に見立てた饅頭。


平成24(西暦2012)年2月21日
さて、晩御飯は「日本橋・藤久」のカウンターへ。
今月初めに大連〜ハルピンを旅している間に、店のカウンターが改造されていて、板前との間が低くなりました。Qちゃん一人でも接客できるように、前から出せるように低くしたというけれど、来月から一人増えるようです。続くといいねぇ。

  • ブリ白子のブリ巻き、チリ蒸し、ブロッコリー
  • 梅の椀には、なまこ。キンコの真蒸、このわた、炙ったバチコ、神馬草、紅白梅
  • お造りは、よこわ、ぶり、くえ、たい、大葉を挟んださより、肝を挟んだかわはぎ、あおりいか・うに
  • 梅の八寸の牛の香合には、厚焼き、蒸し海老、菜の花。渦巻きの香合には木耳の炊いたん、おたふくには、アボガトのサーモン巻き、イイダコ、あいごの南蛮。シラスの海苔巻き・山芋・梅肉。一休寺納豆と葱の軍鶏巻き。上喜元の吟醸粕の干し柿巻き
  • 天ぷらには、ミル貝、鳥貝、つぶ貝、こごみ、蕗の薹、のびる・・・
  • のれそれ、うるい、もずくゼリー寄せ、加減酢、しょうが
  • たら鍋、たら、肝、雲子、菊菜、白髪葱、ミゾレ仕立て
  • ほたるいかご飯、止め椀(青海苔)、香の物
  • 紅ほっぺ大福、道明寺の椿餅、かるかんの菱餅
今宵は「松の司・2009(21BY)大吟醸しずく斗瓶囲い・兵庫県東条産山田錦精米歩合40%・金沢(自社保存)酵母・限定No118/330本/1800ml&450本/720ml」にしましょう。今出ている新酒が23BYですから、二年前のお酒。
松の司は寝かしたお高い酒を出していることもあって、品のいい熟成感です。落ち着いたフルーティの後に、深みのある味わいが広がって、サラッと喉をすべります。

ブリに大きな白子が入っていたというので、ブリで共巻き。チリ酢で蒸しあがって暖かい先付け。端から旨くて濃い一品です。チリ酢の香りもいい。

朱のお椀は梅、裏は鶯の文字。磯の香り満喫の香りです。吸い地も神馬草に海鼠腸と塩の旨味たっぷり。キンコを戻して真蒸に入ってます。イボイボのあるキンコナマコを「きんこ」と呼ぶものと思っていたけど、商品としては「干しナマコ」が「きんこ」として流通しているようです。ブヨッと膨らんだ海鼠腸、干した海鼠腸を炙ったん。
お造りは、脂ののったブリ・ヨコワ・クエ・・・タイ。山葵が効かないのが多い。端から肝を巻いたカワハギは、おろしポン酢。
蕾の梅の八寸。25日の天神さんに合わせて牛の香合には、厚焼き、蒸し海老、菜の花。もう一つの香合には、木耳の炊いたん。食べやすく刻んであるかと思えば、でかいのが一枚だけ。一口だけというのが惜しいくらい。

油物が出て、焼き物はなし。貝と山菜。ミル貝や鳥貝を天ぷらで食べるのは・・記憶にない。天ぷらとはいえ、サクサクした食感がないのは貝ゆえ?天ぷらだから熱々で、この温度で食べるのも・・・・記憶にない。暖かい貝も旨いもの。山菜がすべて思い出せない。
酢の物がノレソレ。ウルイともずくがセット。
コンロが出てきて、タラ鍋。雲子が顔を見せております。グツグツしてきたミゾレ仕立てですが、トロミをつけてあるようです。菊菜と葱がしんなりすれば、肝が見えてきます。先日、雲子にくらべて肝を美味しく食べるのは難しいというようなことを聞いていたばかり。味噌が合うとは聞いていたけど、案外ミゾレでもいけますやん。トロミがあるせいか、雲子はよりクリーミーに感じられます。
今日から、富山湾の生ホタルイカが出始めたというので、ご飯にしてくれました。味噌タップリの色合いのイカメシ。

デザートのお菓子三つ。紅ほっぺが大きくなりました。


平成24(西暦2012)年1月26日
さて、晩御飯は「日本橋・藤久」のカウンターへ。先客のカウンター一組だけ。

  • 貝合わせの先付け
    • 牡蠣の海苔巻き、アイゴの白板昆布巻き、金柑の軍鶏巻きの炙り、紫芋の蒲鉾鋳込み
    • ツチオコゼの唐揚げ、ドロ海老のたまり漬け、海老の外子、長芋短冊、
    • ノレソレ、タマネギとじゃがいもの味噌漬け
    • アボガドのサーモン巻き、アボガトの粕漬けと豆腐、菜の花
  • お椀が、かに真蒸、若布、鶯菜、梅大根、梅人参、木の芽
  • かに刺し
  • 焼きカニ
  • カニの茶碗蒸し、銀杏、百合根
  • カニ足の天ぷら、畑の肉、蕗の薹、レモン、塩
  • カニ飯、止め椀(カニ玉)、香の物
  • イチゴ大福、栗入りかるかん、糸切り餅・小豆餡

今日のお酒は「十四代・純米大吟醸・七垂二十貫・生詰・吉川町愛山精米歩合40%」にしました。十四代が「愛山」を使い始めた頃は手に入れてましたが、その頃のイメージは「ぽってりした甘味」でした。今では、ハーブのような香りが混じったフルーティさで、甘さは控えめ。喉越しも綺麗に仕上がってます。不満を言えば、お値段だな。

蛤を合わせて器にしてあります。それぞれに金箔(?)を貼って、松やら・・描かれた器。少し早いような気がするけど。乗っているのが牡蠣の海苔巻き、アイゴの白板昆布巻き、金柑の軍鶏巻きの炙り、紫芋の蒲鉾鋳込み。先付けですから、四品ぐらいと思っていたら、下の蛤にもちゃんと入ってました。単なる底上げの器と思ってしまいました。
手のひらの大きさもないような雑魚のツチオコゼっていうのんの唐揚げ。どうやら魚屋に押し付けられたようです。捌くの大変だったようです。泉南で良く食べるヒメチのように煮付けて食べるんでしょうか?ゼラチンが多そうで旨そうです。海老さんのヅケは旨いねぇ。海老さんなら何にでも応用の効きそうな酒肴。
ノレソレを味噌漬けにしたジャガイモやタマネギで和えてます。説明できない味。風変わり。
アボガトを酒粕につけ豆腐でサンドしてあるのですが、沖縄のトウフヨウのような味になってます。

蛤が出たので、お椀の中に真蒸があれば、蛤と思ってしまうのです。が、カニでした。日本海の豪雪で獲れてないと踏んでいましたが、鳥取では船が出ているようで、今日は「ももちゃん」ディ。1年三ヶ月ぶりにご対面。カニツメは小振りで、お腹がピンク色(松葉は白い)。メスは出くわしたことがないというカニで、蟹味噌タップリ。生物学的にはどうなんでしょう?先ずはカニ真蒸です。芋で繋いではいないだろうけど。若布タップリ、いい味。
続いて蟹刺し、足三本。山葵と醤油です。甘い。
続いて炭火コンロが出てきて、焼き蟹。甲羅には味噌がグツグツ状態で運ばれてきます。甲羅をコンロから下ろして、焼きあがった蟹の身を味噌にほぐして酒の肴です。焼けたかに爪の先っぽを摘んだら、火傷しちゃった。

蟹三品で、ご馳走様と言ったけど、まだ出てきます。茶碗蒸し。ここにも蟹味噌。
天ぷらも出てきました。塩とレモンが出るけど、蟹にはなくてもいい。蕗の薹はわかりますが、「畑の肉」?という商品があるそうです。大豆蛋白が主原料の挽肉状の缶詰?チキンのミートボールのようなイメージに近い。
ご飯も(こうなりゃ予想できたけど)蟹でした。止め椀までも。
流石にデザートに蟹は出ませんでした。作り始めた「紅ほっぺの」イチゴ大福。かるかん。糸きり餅。彦根近くの多賀大社は、伊勢神宮のお姉さんと言われているけど、その門前に名物「糸切餅」があります。それとは随分見た目が違ってます。

今日は「ももちゃんDAY」でしたが、次来るときは、白子が大きくなっているだろうな。


平成24(西暦2012)年1月21日
観劇の友人と連れ立って「日本橋・藤久」のカウンターへ。最近はお弁当が多いので、カウンターは久しぶりになる友人です。

  • 暖かい渡りカニの豆腐、内子、ほぐした身、針しょうが
  • お椀は、焼いたカラスミ餅、椎茸、鶯菜、梅人参、結び橙
  • マナガツオのお寿司、骨煎餅、マナガツオの氷頭なます、酢漬け紅白大根
  • お造りには、ヒッサゲ、ぶり、鯛、いか
  • 八寸の、帆かけ船には松前漬け、俵の香合にはアワビ・肝、梅が添えられた百人一首(大江千里)の皿には菜の花・タコの子・白魚のウニ焼き・鯛の子巻き・酒粕の柿巻き、福笑いの器は紫花豆
  • ワカサギの利休揚げ、骨煎餅、蕗の薹の田楽味噌乗せ、完熟酢橘
  • 酢の物でシャコと若布、木の芽
  • 月の輪熊のすき焼き、下仁田、豆腐、菊菜、白髪葱
  • 貝(たいらぎ、ホッキ、まつぶ)ご飯、止め椀、香の物
  • お菓子
火曜日と同じお酒「田酒・純米大吟醸・四割五分・山田錦精米歩合45%」で始めます。フルーティで優しい甘味。味は変わってなく、美味しい。

鶴の器に蟹豆腐。濃厚な味噌の味が暖まって更に香りが立つ。オレンジ色の内子。針しょうが。

お椀は、もう清汁に変わった。炙ったカラスミ餅。からすみ餅のオリジナルは「三友居」さんと教えられたのを思い出します。かって食べたときはカラスミが辛くて美味しいとは思えなかった時もありますが、最近は塩分も控えめで程よい塩味になってます。そういえば、佐太村の白大夫の引き出物は酒を振った餅で「酒臭い」というくだりがありましたなぁ。先日は確かめもしなかったけど、結んであるのは金柑ではなく橙だそうだ。
なぜかお寿司。かってない一品と構成。壷壷にはマナガツオの鼻先(氷頭)。木の芽を挟み込んだ握り寿司。骨煎餅は熱々ならよかったんだけどねぇ。惜しい。
お造りは、テリっと脂の乗った「ひっさげ」と「ぶり」に、鯛とイカ。

八寸。帆かけ船なんだろうけど、今日は宝船に見えるし、米俵を見ると松王と梅王の兄弟げんかを思い出します。ということで、白大夫の使った「蟹忠義」という言葉も浮かんでくる食事です。数の子・昆布ほかの松前漬け。アワビと肝。むちゃの短冊は「月みれば千々に物こそ悲しけれ我が身ひとつの秋にはあらねど」と正月とは縁がない。晴めく短冊です。
油物はわかさぎの胡麻を衣にした揚げ物。背中の部分が煎餅。これは暖かい。添えられた柑橘が完熟して黄色になったスダチだそうだ。ちゃんとミカンの仲間だったと分かる色づき。藤久農園かな?もう蕗の薹。苦い苦い。
シャコと若布の酢の物に、今日は木の芽。良く似た写真は載せなくてもいいか!?
目鍋で怪しげな肉が出てきました。鍋の上で暖められた脂が溶け始めてプルンと丸みを帯びてる。福井で獲られたツキノワグマのロース(脂たっぷり)だそうだ。いつも鍋の時は別皿に鍋材を盛り込んでくるんだけど、今日はない。貴重なんだろうけど、もう少し出してもいいんじゃない?割り下を使ったすき焼きで、卵黄で食べます。某山荘の熊鍋は割り下の出来が好みでなかったけど、流石Qちゃんの味。
今日のご飯は貝ご飯。たいらぎ、ホッキ、まつぶと聞いた覚え。大根の味噌仕立て。
しっかりお菓子を選びます。巻いてあるのが柚子の皮で中には紫芋と白餡、柚子の白餡の饅頭・・・忘れた。食材は早く使い始めるのに、まだイチゴ大福を作らない。


平成24(西暦2012)年1月17日
今年初めての「日本橋・藤久」のカウンターで晩御飯です。先週は水槽の魚が活き腐れそうなほど暇だったとか言うてはるけど、カウンターは一杯。座敷はワン・グループのようだ。
  • 先付け三品、ユズリハ付き。丸の茶碗蒸し(玉子入り)。イイダコ・芋を鋳込んだ人参・菜の花、茶ぶりナマコにこのわた
  • お椀は、白味噌仕立てで、伊勢海老、蕪、梅抜き人参、梅抜き大根、鶯菜、結びだいだい
  • お造りは、めじろ、ケンケン鰹、アカヤガラ、ひらめ、鯛、さより、いか
  • 鶴の八寸には、ナガスクジラの尾の身、蟹かまぼこ・ブロッコリーの芯の金平・林檎の蜜煮サーモン巻き、グレのチリ蒸し・白子・山椒おろし、ブリ蕪の酢の物・おろし和え
  • 焼き物は、アンコウの肝・皮・身、蓮根、ししとう、葱、レモン
  • 酢の物には、蝦蛄、若布、ちょろぎ
  • クエ鍋、クエ、菊菜、豆腐、椎茸、白髪葱
  • 鴨ご飯、香の物
  • フルーツ(メロンとイチゴ)木の実餡鋳込みの市田柿
今宵のお酒は「田酒・純米大吟醸・四割五分・山田錦精米歩合45%」にしましょう。封切り直後は、フルーティで濃い甘味を感じるが、料理と一緒だと甘味は感じなくなり、サラリとしたお酒。田酒らしいキレイな味わい。

八寸めいた先付けは三品が蓋付き。暖かいのは茶碗蒸し。すっぽんの玉子入り。帆船の器には、イイダコに梅に抜いて芋を射込んであります。もう春めく器。香合には茶振りナマコに海鼠腸。

鶴の描かれたお椀には、伊勢海老の赤い尻尾が入っております。ですから椀種は伊勢海老。梅に抜かれた金時と大根。梅を抜いた後の人参に芋を射込んでイイダコにあしらっているんですな。正月らしい白味噌仕立て。
双鶴の器のお造りは、メジロ(ぶりの幼魚)、早くも周参見のケンケン鰹、焼き霜でアカヤガラ、ヒラメと炙った縁側、皮を添えた鯛、大葉を挟んだサヨリ、いか。腹身のメジロはブリと言ってもいいくらい。鯛がネットリした甘味で今日一番。正月明けからカツオ漁が始まっているようで、超初ガツオです。焼き目をつけた銀皮。
鶴の皿が続きますが小皿4枚。これが八寸に相当するんでしょう。シンプルにクジラの尾の身。蟹蒲鉾は蒲鉾というより蟹味噌そのままのあじ。林檎にサーモンはいらないなぁ。グレは切り身を蒸して白子乗せ。フグでなくても白子は旨い。山椒を混ぜたオロシがいい。蕪の酢の物と〆たブリをサイコロ状に切っておろし合え。甘酢の風味。ブリの料理としては美味しくないなぁ。

乾山写しの松の器に焼き物。アンコウの肝、セラチンたっぷりの皮、それに身。葱と肝とが思ったより合います。身も不思議とプルンとしてます。アンコウが焼かれて食べるのは初めてかも。
酢の物は、シャコ。若布にチョロギ。コリコリのチョロギですが、チョロギって美味しいと思えないけど、縁起物だし・・・。ここにきてお腹一杯。中途半端な時間のうどんが消化し切れてないのかな?
鍋が出てきて、煮込まれていたは、クエのあら。別皿にクエの身(でかい)がヘギつくり。シャブシャブだな。菊菜、椎茸、豆腐、葱。アラを摘みあげると、ねっとり糸を引くような粘り。鍋の中にもコラーゲンが浮いてる。旨いんですけど、胃が苦しい。シャブシャブしたクエは厚みがあるせいか、プリプリのコリコリ。クエ独特の磯臭い香りも大好きだけど、胃が苦しい。ご飯までちょっと時間をあけてもらう。
鍋の後に雑炊をしてくれるというのだが、雑炊にすると入れたご飯を食べないと申し分けないし、残すような料理をお願いするのはマナー違反だし、雑炊は諦め、ご飯を炊いてもらいます。で、青首があるので、今シーズン二度目だけど「季節に一度は食べたい」鴨ごはん。ちゃんとメニューにも季節の炊きこみご飯として載っております。二口ぐらいでいいよというのに四口ぐらい。実山椒の香りがとてもいい。わずかな違いでも苦しい。当然詰めてもらいます。
目の前を美味しそうなフルーツが何度となく通り過ぎていくので、フルーツを所望。いつものようにお菓子を用意してくれていたんですが、厳選。小豆(餡)や芋の系統は避けて、市田柿。これなら食べられます。

今年の「とんど」は不況で、行列も少なめだったとか?エベッサンに客が流れたとか分析してはりますけど、どうなんでしょう。そろそろ飽きられてきたかな?ちょっと食材が残ったくらいだから、以前の事を考えると・・・隔世の感。空いているなら食べに行ってもいいかも。それに今年のエベッサンも例年に比べると人手がさっぱりだったとか?不況が続きすぎて、エベッサンも見限られたかな?


平成23(西暦2011)年12月20日
晩御飯は、今年最後の「日本橋・藤久」のカウンターです。
なんだか、いっぱい。

  • くわい豆腐にシラサエビ、軸菜、しょうが、ベッコウ餡
  • お椀は、ふぐ真蒸、フグの白子、ブロッコリー、松葉柚子
  • お造りは、石垣鯛、へだい、赤貝、うに、あおり
  • 八寸には、蓮根・白木耳の柿なます、胡桃豆腐、ブロッコリーの芯の金平、ぶりこ、人参と牛蒡の玉子蒸し、へだいの子の炊いたん、クジラの立田揚げ、ひめじの昆布巻き、黒豆、ちしゃとう
  • 焼き物は、鴨・タケノコ芋・ししとう・下仁田、山椒おろし
  • 生牡蠣・レモン
  • クエ鍋(クエ+胃袋・肝・豆腐・菊菜・椎茸・葱)
  • ぶりご飯、香の物
  • 黒豆饅頭、柚子饅頭、?
今宵は、滋賀・水口の「美富久・大吟極醸・袋吊り斗瓶囲い大吟醸・Lot No.149・兵庫県産山田錦精米歩合45%」を、呑みます。五ヶ月振り。ガツンとした甘味は、梅・桃・黒糖の混じったニュアンスで、後には苦味がかすかに残ります。次第に苦味は消えてきますが、落ち着きのない荒ぽいアルコールのような舌触りは結構残った。食事の最後のほうでは、柔らかな甘くて旨味のある酒になる。年末になって、明尽・赤い三連星と呑んできたけど、磨きの差が味に出る明快な酒。

今日の暖かい豆腐は慈姑で作られてます。シラサエビがトッピング。足は揚げてあります。ちょっと濃い目の醤油の効いた餡に生姜。

お椀は、フグ。真蒸と焼き白子。今年も、相変わらず思い出すのは「おくりびと」だ。旨い吸い地。さりげなく入っている人参がごっつう甘い。
お造り5種盛。石垣鯛はまずまず。今日のへだいは脂は乗っているけど、旨味はもう一つ。旨いんだけど味にばらつきのあるウニ。
手提げ鉢の八寸。椿の葉っぱで隠れているのを取り除いてデジカメ。説明を聞いても良く分からない料理は、二色の厚焼き風の一品。茶碗蒸し風らしいけど、舌触りはムースのように溶けます。魚の珍味がいろいろ。鰤の子はおろし和え。へだいの子ですが・・・まぁ何で作ってもだいたい似たような味。小さいヒメジは面倒くさかったろうな。なんだかお節風のものも。

焼き物は青首。その下には「たけのこ芋」。初めて聞いた芋。おなじみさん(?)の差し入れとか。焼いてありますが、噛んだときにはサツマイモの焼けたような香りは甘さを感じますが、味は海老芋を薄味にしたような。それでも癖のない味で、焼いただけでも結構旨いので、上手に味を付ければさらに美味しい芋煮になるでしょう。レアな顔が美味しいし、実山椒のおろしが良く合います。(ネットで調べてみると、なんだ「京芋」じゃんか?)
三重・浦の生牡蠣。手抜いたな。

鍋の材料が出てきました。大きかったんでしょう、カウンターもクエ鍋ばっかりです。すでに、鍋の中には、目玉とカマの一部が入って出来上がってます。何年も、いい続けていると好みの部分を出してくれます。コリコリの胃袋。どんな魚も肝は旨い。クエのクエがキレイに取れなかった。
他のお客さんは、そのまま雑炊のようですが、ご飯はブリご飯にしてくれます。残った鍋の出汁は止め椀にもしてくれますが、今日はいいや。ブリの脂で艶々しっとりのご飯です。軽い目に2膳。残りは折り詰め。

御菓子は今日も三個選んじゃいますが、一個は全く思い出せない。

年末はここも珍しい高額なお酒が隠れています。十四代とか、黒龍とか、磯自慢とか・・・四合瓶売りでは、味わえませんな。ここは、高い値付けをしてはりあせんが、酒販店から、お客に出すだけで、3倍以上のプライスをつけるなんて店もありますから、飲食店にとっては楽な商品ですな。それなりに、ソムリエのように、お酒の商品説明ができれば結構なんですが、下戸が羨ましくなる時が、ありますな。

今年は26日で営業を終わって、お節に時間をかけるそうです。人がいないのはここもです。トォルトゥーガの若い子は来るそうですが、大将は・・・未定。チプレッソやマーブル・トレ今年は来ないとか。大変だ。50個だよ。


平成23(西暦2011)年12月15日
晩御飯は、「日本橋・藤久」のカウンターです。ほぼ満席。
  • (渡りかに)豆腐・かに豆腐・内子
  • 治部煮風お椀、鴨肉・丸、三つ葉、焼いた下仁田
  • お造りは、オコゼ(湯引き皮、遠江、肝、胃袋付き)、赤貝、いか、シマアジ、うに、へだい、白海老
  • 八寸の、藁屋の中には茶ぶりナマコに海鼠腸・とろろ、小さい片口に柿と湯葉、リョクチク、トコブシ、ブロッコリー、くわい、金時人参、アンキモ林檎、すまカツオ寿司
  • シマアジの塩焼き(頭とカマ)、おろしポン酢
  • てっさラダ
  • 丹波産猪バラ肉の旨煮、淀大根・芥子、水菜
  • 鴨飯、止め椀(溶き卵)、香の物
  • 和菓子三種、アンポ柿・白餡鋳込み、羽二重餅(白餡・胡桃・松の実)、カステラ浮き島

今日のお酒は香の泉・大吟醸造酒・全国新酒鑑評会出品用仕込22号・三木市特A地区産山田錦(精米歩合40%)という鈴鹿の石部のお酒。開封直後は濃厚な甘味を感じたけど、食事と一緒だと香りも味も穏やかになって、梨・林檎・マスカットの混ざり合ったような爽やかな味わい。キレも良くなって美味しい。ただ塩気の強い料理には苦味がわずかに出る。

今日の箸置きは、フレッシュ金柑です。
先付けは、(渡り)かに豆腐。なぜか塩を強く感じる部分有り。でも、旨い豆腐。松葉カニが出回ってないので、渡りでしょうか?それでもカニを所望されたお隣さんは高騰している柴山のんを仕入れたそうである。
お椀は、治部煮風に鴨。骨は入ってないようだし、スパイスもほとんど感じないけど、いい香りの丸。山椒(黒七味?)は上から振ってあります。

盛沢山のお造り。オコゼがメイン。肝もタップリ。甘いの強い脂の乗ったタイと思ったら「へだい」と言われた。過去に食べた記憶がない。
茶ぶってグニュグニュのナマコにジュルジュルのトロロと海鼠腸。細かく賽の目に刻んだ柿を湯葉であえてアリます。リョクチクは夏のタケノコだと覆っていたんだけど・・・そういえば、もうデパートに鹿児島のタケノコが出てました。お節の食材がチラホラ出てきたかな?アンキモに林檎はどうかなぁ!?珍しいカツオを小袖のお寿司。
焼き物には、一匹分のシマアジ。結構大きかったんですな。真っ先に取りに行くのが「シマアジのタイ」。

てっさのサラダ。フグの端っこがいろいろ混ぜ込んであります。
炊き合わせに・・・豚かと思えば、猪のバラブロックでした。トロトロにやわらかく煮てあります。濃い煮汁に大根と水菜。
治部煮で鴨がでたので、ならばと季節に一度は食べたい「鴨飯」を注文。脂でつやつやのご飯です。ちと、山椒が聞きすぎだし、醤油も濃いようです。濃いのであって、辛いわけではない。
和菓子三つ。アンポ柿がでかいけど、別腹。甘い。浮島が上品。


平成23(西暦2011)年11月15日
晩御飯はお弁当のお礼に「日本橋・藤久」。今日も座敷は埋まっているけど、カウンターは静か。
  • 浦産牡蠣、帆立貝柱、あおりいかのおろし和え、青菜
  • お椀代わりに、白甘鯛の酒蒸し
  • お造りは、大間のマグロ、オコゼ(肝、皮、遠江、浮き袋)、つぶ貝
  • 八寸には、本ししゃも・酢橘、キスの昆布締め・大徳寺納豆、松葉にコンニャク玉とアンキモ、菊芋と胡桃、百合根ゆべし、牛蒡竹輪、大羽百合根のウニ焼き、車えびの酒盗焼き・子和え、鰆のお寿司
  • 松前焼き風で、雲子醤油焼き、下仁田葱
  • 柴山産松葉蟹のてんぷら、銀杏の天ぷら、せこがにと蟹味噌
  • しめじ、海老入りヒロウス、八頭のたき合わせ
  • ムカゴ・カラスミご飯、止め椀(浅利)、香の物
  • 和菓子で、銀杏、錦秋

今宵のお酒は「喜久泉・大吟醸・精米歩合40%」にします。最初はボワーっと桃や梅のような濃厚な香りと甘味が広がるけど、食べ物と一緒だと、フワリとした甘さに変わる。

先付けが、三重の浦の牡蠣を昆布〆したのんと、帆立、あおりいかのおろし和え。

お椀の替わりに酒蒸しがドーン。白甘鯛。葱で姿が見えません。
お造りには、大間のマグロ。オコゼが薄作り。皮、遠江、浮き袋は湯引き。濃厚でミルキーな肝がお酒にばっちり。オコゼはポン酢でも美味しい。でかい、つぶ貝。
お重に盛り込まれた八寸。本シシャモはシシャモを捌いて、数匹分の腹子を集めて、片身のシシャモに乗せて焼いてくれてます。子の方が多いという贅沢なシシャモでした。骨煎餅つき。昆布で〆たネットリしたキスに大徳寺納豆の塩気が旨い海苔巻き。千切りの菊芋と胡桃の和え物。菊芋は藤久農園産。柚子で味噌を巻いて熟成したものばかりでなく、柚子で巻けば広い意味の「ゆべし」。日持ちはしませんけど、あっさり。ごぼ天になる前に焼き目をつけた蒲鉾。軽く酒盗に漬けた海老さんを味噌を乗せて焼いたん。ほとんど寿司飯がない棒寿司。

おニューの真っ白の鬼さんコンロが出てきて網の上に昆布。すでに醤油で焼かれた雲子、下仁田。
前回のカニの食事に出なかった「てんぷら」一本。シャブシャブより旨いんでないかい?だとしたら「天丼」とか旨いだろうなぁ。銀杏も天ぷら。ちゃんと衣がついてます。苦味のある銀杏。カニ味噌とカニ足もちょこっと。
たき合わせに、幅広のシメジ、ヒロウス、八頭。久ちゃんは八頭が好きやねぇというと、藤久農園から大量に送られて来るそうだ。

今日のご飯は、カラスミを刻んだのと藤久農園のムカゴ。お節には自家製のカラスミ三枚程だというのに、五枚分を刻んでくれたそうだ。文句言うてわるいけど、ちょっと塩強い。

御菓子は、白餡の求肥巻きで銀杏に見立てたのん。小豆餡に餅を中に金団で秋を表現した、銘「錦秋」。


平成23(西暦2011)年11月8日
幕見を観終わって、晩御飯はお弁当のお礼に「日本橋・藤久」。寂しいカウンターですが、郁ちゃんも手伝っております。
  • 柚子味噌鋳込みの蒸し蕪
  • お椀が、蟹真蒸、しめじ、人参、青菜、松葉柚子
  • 蟹刺し
  • 八寸は、珍味入れに豆腐の味噌漬け、ハリセンボンの卵に長芋タタキ、菊芋の味噌和え、片口に胡桃・銀杏・栗・松の実と牛肉。笊に、ウニ鋳込みの八頭の揚げ物、からし蓮根揚げ、桜海老と黒雨枝豆の掻き揚げ、自家製明太子、松葉に刺した牡蠣と蒲鉾・大徳寺納豆、アワビの肝、焼き軍鶏の海苔巻き、ブリの肝、厚焼き
  • ブリの塩焼き、大根おろし、甘酢カリフラワー、酢橘
  • セコガニ・蟹酢、セコガニの茶碗蒸し(百合根、蟹味噌)
  • セコガニご飯、止め椀(菱の実・水菜)、香の物
  • 胡桃の葛餅(小豆餡入り)・黒密掛け、かるかん栗羊羹、山包(小豆餡)
今宵は「松の司・2009(21BY)純米吟醸・しずく斗瓶囲・竜王町産山田錦(環境こだわり農産物認証)精米歩合50%・金沢酵母(1800ml352本)」を呑みましょう。

先付けには、柚子味噌を芯をくりぬいた穴に鋳込んだ蕪。柚子を摺ったのがトッピング。柚子の香りと甘い白味噌で蕪がかすむ。
雲錦・八橋のお椀には、蟹真蒸。でかいシメジ。昨日から使い始めた松葉蟹は、今日の所は「柴山港」からやってきたのん。
蟹のシーズンインの最初の食事には「蟹刺し」を出してくれます。キレイな蟹の足。山葵に醤油。

いつもより多いような八寸。暖かい掻き揚げから食べます。癖のあるのは「豆腐」と「ブリの内臓の煮凝り風」だろうな。酒飲み専用の一品。美味しいと思ったのは木の実と牛肉です。特に胡桃が好きな食感。菊芋を和えた赤味噌の濃い味とお酒とが合わないのが残念。
今宵はまだ魚が出ていないと気付いたら、ようやく焼き物で出てきました。北海道のブリ。ブリには藤久流(?)に包丁が入ってます。大根おろしが付きます。ベストな時期はもう少し先かな?
セコガニの料理二品。百合根入りの茶碗蒸しにセコガニと蟹味噌をトッピング。丁寧に寄せて集めた蟹。ほぐし身や内子も中に詰めてずっしりと一杯。

ご飯は、やっぱり蟹(せこ)で十分だね。いい香り。止め椀には水菜と「菱の実」。黒門のスーパーで見つけた「へんな実」の話をしたら、冷蔵庫から出てきて、味噌汁の具にしてくれます。言わないと出てこないけど、言えばなんでも出てくるわ。蓮根のようなシャキシャキして栗のように甘い。
今日も欲張ったお菓子。

蟹いっぱいの食事でした。いつもと同じ予算でありがと。寿命が延びた気がするのがいい気分。


平成23(西暦2011)年11月5日
文楽公演の30分の休憩で「藤久」のお弁当。


平成23(西暦2011)年11月4日
晩御飯は、伯父さんの葬儀でキャンセルした「日本橋・藤久」。お詫び行脚ですな。
奄美から修業しに来ていた子が「懐食しみず」に移ったそうだ。で、ユキヨちゃんと二人に・・・「振り出しに戻る」というやつですな。

  • クジラハリハリ風の小鉢、白髪葱
  • お椀が、松茸、ゴマ豆腐、伊勢海老、青菜、黄柚子
  • お造りが、大間のトロ・赤身、鯛、平アジ、カワハギ(肝)、タイラギ、サザエ、アオリイカ・ウニ、水前寺海苔、スプラウト他
  • 八寸には柿ナマス、白子豆腐と三つ葉・トンブリ、鯛(タラ)の子、アンキモ林檎はさみ、アボガト・サーモンの昆布巻き、軍鶏松風、厚焼き、葱と大徳寺納豆の鯛巻き、牡蠣の海苔巻き、カラスミのそばクレープ
  • 油物で、アワビの天ぷら、アワビの肝と山芋の海苔巻き揚げ、甘鯛と山芋の海苔巻き揚げ、黒豆の枝豆と紫芋の掻き揚げ、栗チップス、蓮根チップス、茶そば松葉
  • 渡り蟹の錦紙巻き、ブロッコリー、酢の物
  • 箱フグの味噌焼き
  • 鯛ご飯、香の物、止め椀(シジミ・豆腐)
  • 白味噌松風、栗きんとん饅頭、林檎肉桂大福
今宵は「松の司・2009(21BY)純米吟醸・しずく斗瓶囲・竜王町産山田錦(環境こだわり農産物認証)精米歩合50%・金沢酵母(1800ml352本)」を呑みましょう。二十世紀梨やマスカットのような爽やかな香りが、適度に余韻を残して消えていく。かすかな甘味で雑味というものを感じない美味しさ。

先付けは、クジラベーコンと水菜を炊いたハリハリ風。出汁のカツオとクジラの脂が混じって旨い。
紅葉のお椀は、吉野の松茸だそうだ。まだ香りがいい。先週あたりの冷えこみで、もうお仕舞いだとか?また出るかもしれないけどね。胡麻豆腐に伊勢海老。キリッとした清清しい吸い地。
錦秋といった風情の大鉢にお造り。目を引く大間のトロ。築地でエエモンならという条件で鶴橋の魚屋へ流れてくるものだそうです。赤身も一切れ。肝があれば旨いに決まってるカワハギ。硬くて噛みきれないほどのサザエ。歯が折れるかと思いましたよ。腕があるんだから噛み切りやすいように包丁を入れておいてよダ。鯛も鯵もウニも美味しい。
大人しい盛り付けの八寸。細切りされた(細切りできる)白子豆腐ってなんだか凄いぞ!切って崩れない豆腐だ。通称タイノコという、実はタラコの炊いたん。思いがけずに合っているのがアンキモに林檎の食い合わせ。沢山盛り込む八寸だけに、妙な組み合わせもあるけど、今日は首をひねったのは無かった。

天ぷらは、アワビ。衣がついているので分かりにくいけど、山芋のおろしで甘鯛やアワビの肝をくるんで、海苔で形どった揚げものはムチーとしたトロロ感で新鮮。蓮根チップの薄さは、透けて見えるようだ(穴が開いて透けるんですけど)。栗チップスも薄すぎて、甘さより塩気がかっているねぇ。
玉子の薄く焼いて錦紙にして、渡りカニを巻いてます。真ん中には蟹子。

久しぶりに「サカナ君大好き」の箱フグがでてきた。いつもどこで活躍しているんだか?腹の底を蓋にしてあるので、取れば味噌で味付けした肝。ほとんどないというフグの身を箸で突きながら肝味噌と絡めながらチビチビ。サカナ君の帽子はひょうきんですが、実は目つきの悪い箱フグちゃんでした。

今日は、鯛ご飯。どこでも食べられそうな釜飯だけに、嬉しくないのですが、反省。鯛は炊いても魚の王様です。しょうがの香りが絶妙だ。
いつものように三つ選んじゃいました。松風には一休寺納豆という大徳寺納豆の兄弟みたいなんが乗ってます。この風味が強い。でも白味噌と良く会います。京都の本願寺さんあたりの「味噌松風」の味が思い出せない。栗きんとんをこし餡でくるんで芥子で化粧して栗に見立てた饅頭。林檎に白餡を肉桂入りの大福で丸めた大福。

奈良の★★★の日本料理店は、Qちゃんの「味吉兆」での先輩なんだとさ。


平成23(西暦2011)年10月4日
晩御飯は、「日本橋・藤久」。おや、お馴染みさんの猪口が隣に置かれているぞ。良く合う常連さんです。
おぉ・・ユキヨちゃんが出戻ってきた。

  • フカひれと玉子豆腐の旨煮
  • お造りが、トロ、ヒラメ(縁側炙り)、シラサ海老、ブリ、サンマ、あこう、イカ、炙ったシラサ海老の足、水前寺海苔、ツルムラサキ、山葵
  • お椀は、松茸、グジ巻きの松茸(石突)、隠元、柚子
  • 月見の八寸の高台には、五色の団子(百合根・焼き茄子・サツマイモ・パプリカ・サンド豆)、ウサギの皿には・利平栗・イチジクのサーモン巻き・ノドグロの子巻き・アナゴ寿司・ゴリの佃煮、琵琶の中には。アワビ(と肝)とトンブリ、揚げ稲穂
  • 子持ち鮎の塩焼き
  • フグと茄子のポン酢合え、金時にんじん
  • 丸の湯葉蒸し
  • 松茸ごはん・ムカゴ・栗・銀杏入り、止め椀(しじみ・ミズ)、香の物
  • イチジクとサツマイモ・シナモン風味、柚子白餡饅頭、栗きんとん

三陸の事は忘れないよ、という意味をこめて、会津坂下の「天明・純米吟醸・生・無濾過・瓶囲い・2010(22BY)・徳島産山田錦精米歩合55%・協会9号+自社酵母」を呑みましょう。まったりした旨味の広がる味だけど、キレます。蔵では、無事に醸造も始まっているようです。お馴染みさんにも、振る舞いましょう。
先付けは、被災フカひれを使った旨煮。結構濃い味。修業先では使ったことが無く、初めて使ったらしい。そんな食材もあるんだ。震災時に東北以外で冷凍保存していたものを支援するという形で引き取ったとか、なんとか。濃い味だけど、満月に見立てた(と思う)玉子豆腐には丁度いい。

お造りは、いっぱい。ヒラメの食感は首をひねったけど、他は美味しい。釣り餌に使われるシラサとは段違いの大きさの海老。夏の魚から冬の魚に変わりつつある様子が一目。
お椀は、ぐじ松ですな。北海道産の松茸らしい。グジの脂が浮いてギラギラ。松茸も北海道のような寒いところで、と思っちゃいますが、昔は東北で取れなかったと聞くと、だんだん北へ繁殖しているんでしょうかなねぇ。北の方が虫が食わないからいい出来かもしれない。アジアでも今年は昨年に比べて不作らしい。石突の部分をアマダイで巻いた椀種。いい香りの吸い地でした。
八寸は、栗名月(10月9日)に因んで?かな?ススキじゃなくて稲穂を揚げたん。月見団子に見立てたのは百合根・サツマイモの団子。焼き茄子・パプリカ・サンド豆はゼリーで団子にしたそうだ。ちゃんと野菜の香りと味がします。ウサギの器のノドグロの子巻きとアナゴ寿司とは旨いねえ。

お隣から、お返しの松の司・2010(22BY)・大吟醸・斗瓶囲い出品酒・東条町山田錦(特A地区)山田錦35%精米・自社保存酵母を呑みます。キリッとしてますなぁ。二杯注いでもらって、天明に戻ります。

笹を載せたコンロが出てきて、琵琶湖産の子持ち鮎。頭と中骨は抜いてあって揚げてあります。ガシガシと香ばしさを味わいます。ほっこりと焼かれた鮎の腹子が美味しい。中骨がグニュとくねって揚がっている形は「むかで」みたいだ。お腹の子が弾けないように入れる包丁もいろいろです。
酢の物にはフグとなす。ナスは葛にまぶしてあってツルツル。フグは遠江かな?
蒸し物も濃い味。湯葉の下にはすっぽんが隠れてました。旨いけど濃い。 ご飯は松茸と言われて、「それだけぇ?」と悩んだ挙句に、秋のもんを全部入れてもらった。藤久農園の巨大ムカゴを始め、銀杏も栗も大きい。美味しい栗やムカゴに、松茸が霞んでしまった。ミズの実(茎?)はコリコリ。一膳お替りして、詰めてもらいます。
KOTIKAZEのお菓子三種。イチジク羊羹に栗羊羹を重ねてシナモンで風味付けしたのん。この季節、肉桂味のポテト菓子が定番ですから、間違いのない美味しさ。やっぱり作った郁ちゃんが居ないと要領を得ない説明ですこと。


平成23(西暦2011)年9月5日
晩御飯は、なんばへ戻って「日本橋・藤久」。
なぜか常連さんがいっぱい招集されてます。

  • くるま海老、海老味噌豆腐、白髪葱
  • お椀は、白アマダイ、素麺、酢橘
  • お造りは、ぶり、たい、かんぱち、うに、いか
  • 菊の八寸には、胡桃の飴煮、ウツボの醤油焼き、鯛の緑竹巻、蒸し海老、芋栗、イカの黄身月環、擬製豆腐、鱧の南蛮
  • ノドグロの塩焼き、揚げ銀杏、松葉串に刺した椎茸煮、赤カブ
  • 藻屑かに
  • 石垣ふぐ(ハリセンボン似)の小鍋仕立て、白霊茸、豆腐、葱、菊菜
  • 川蟹のご飯、香の物
  • 関西風月見団子、着綿(粒餡ジョウヨ饅頭、ジョウヨの金団)、小豆・黄身餡の寒天寄せ
今晩は「四季桜・大吟醸純米・花宝・兵庫県産山田錦精米歩合50%・明利10号酵母(21BY)」を呑んでみます。一年前のお酒で、香りはいろんな香りが交じり合って渾然一体、感じる甘味は少ないけど味わいはふんわりと優しくなってます。喉越しも優しいし、すきだぁ。

先付けは、車えび。えびさんの味噌で豆腐を作っているようです。ツメ醤油。

お椀は、素麺に白アマダイ。なんと和歌山には一艘だけ、台風も恐れずに漁に出る漁師さんがいるそうです。その漁師さんの釣りものだという白アマダイ。最後は酢橘にゅう麺みたいになっちゃたけど、美味しい。
台風で、市場には物が揃ってないというけど、ちゃんと魚が出てきました。北海道のブリ、愛媛の鯛、淡路のウニ、カンパチはどこだっけ?
三日後には節句。八寸の器には菊花の盛り。本物の菊の花も食べられるようだが、明日の人の為にも・・・?。特に珍しいものはありませんけど、この飾りは錦秋文楽公演の時の夕餉に残しておいて欲しかった気分。(秋の公演には「菊畑の段」がかかる)。ウツボは中骨の部分をカリカリに焼いたもの。
焼き物は、のどぐろ。サカナもいろいろ持ってますねぇ。走りの銀杏。

だんじりの今月のカニといえば「菱カニ(がざみ・わたり蟹)ですが、その本番になる前に出してくるのが藻屑。今日も綺麗に身をしてくれてます。蟹酢が出なかったなぁ。要らないけど。

常連さんがいっぱい集まっていたのには理由があって、台風の影響かどうかはしらないけど、7キロを越えるハリセンボン(本当は石垣フグ)を仕入れたというので、珍しいもん好きの馴染みのお客さんに電話をかけまくったらしい。これも和歌山からやってきたようです。たぶん、台風に漂ってやって来たではないかと・・・。針は短いようですが皮は硬くて捌いた後を見せてくれたけど、ヒレや頭・尻尾を斬り落として、手で皮と身の間に突っ込んではいだそうだ。(ヌメヌメと光って良くわかんかも・・)石垣フグは死んで皮を残しました、とさ。お昼は刺身でも出したそうです。から揚げとかも出てましたが、むちゃには「鍋」。理由は分からないけど「目玉」を残しておいてくれました。肝は勿論、胃袋、腸とアンコウ並みに捨てるところがない感じ。それだけ大きいということでしょう。大きくても食べるところ(身の部分)は少ないそうです。脂も乗ってクエやフグの中間的な味わい。胃袋のグニュとした食感も(ホルモンやね)結構旨いし、皮の下(フグで言う遠江)は脂のようにニュルンとした食感はコラーゲン感たっぷり。目の部分は、チュルンとした部分は少なくて、コリコリ感が強い。噛み切れないので飲み込めませんでした。ヒレは皮が硬いので、飾りだけ。オコゼのヒレのようにツルンと剥けません。エリンギみたいな茸が盛られてましたが、白霊茸とかいうデカいアワビ茸の仲間だったそうです。

ご飯は雑炊にしましょうかと言われたけど、十分堪能したので(コラーゲンやら脂やらで結構口の中が)ヒツコイ。で季節に一度は食べたいご飯の食材「藻屑かに」があるんで、お釜に入れてもらいました。内子のオレンジ色がご飯に染みていい色。一膳でお持ち帰り。
和菓子は、重陽の節句やら、芋名月が近いことをあっての選択。綿になる部分は、ジョウヨ芋を裏ごしした金団で、芋らしくニュルンとした和菓子。今月12日が「中秋の名月」。


平成23(西暦2011)年8月6日
晩御飯は、「日本橋・藤久」。座敷は製薬会社の接待のようです。カウンターは先客二組。土曜日だというのに・・・。まぁ8月だしね。

  • アワビと心太、オクラの加減酢、葱、オクラの花
  • 鱧とナーベラーの冷たいお椀、赤味噌仕立ての上澄み、茗荷
  • お造りは、鱧の落しと焼き霜の鱧・梅肉・花穂、夏フグ・紅葉おろし・浅葱、トロのタタキ・山芋とろろとスズキ・山葵
  • 団扇の八寸。ホオズキの器にウニと湯葉、がんがら、芋タコ南京こんにゃくの串、タコの子の煮付け、葱を軍鶏で巻いた焼き物、ジャガイモのウオゼ巻き(蒸し)、百合根団子に筋子、アナゴと胡瓜の海苔巻き
  • 夏フグの醤油焼き、夏フグのアラレ揚げ、煮凝り、トウモロコシの掻き揚げ、揚げ枝豆、酢橘
  • 冷やし鉢は、カクテルグラスに海老に冬瓜のすり流し、降り柚子
  • くえ鍋(クエ、松茸、豆腐、白髪葱、菊菜)
  • 鮎ご飯、止め椀(白木耳)、香の物
  • 桃の寒天寄せ、金魚の錦玉羹、蓮の実餡の饅頭
今宵のお酒も、前回と同じく「松の司・純米大吟醸・しずく斗瓶囲・2008(20BY)・東条町山田錦精米歩合40%・金沢酵母(自社保存株)・限定No.0238/320本/1800ml&320本/720ml・2009/11)」。キリッと冷えた様態では、マスカット様のサッパリとした味が際立つ。酢の物を食べ終る頃には香りに慣れて、以後は優しい甘味に包まれる。喉越しも穏やかで円やかになった。

ガラスの器に、酢の物。黄色い花が目立ちますが、オクラだそうです。食っちゃいましたが大丈夫?心太と同じような幅(厚み)に刻んだアワビとで酢にあわせてあります。緑のオクラと赤のオクラ。柔らかい酢ですからズルズル。
ガラスに冷たいお椀。赤出汁と言って折敷の上。開ければ鱧の落しにへちま。沖縄のナーベラーです。赤出汁は何処かでもお得意にしている上澄みを使ってあります。今日の文楽の演目は「絵本太功記」ですが、織田信長の家紋は「木瓜(もっこう)」。ナーベーラーの切り口は確かにウリ科ですな。

お造りは、三つの小鉢に分けられてます。二種類で、生で焼き霜は皮目は強く、身は軽く炙ってあります。オトシは普通。鱧の旨味は今一でした。天然では幻と言うてます夏フグを生で。ポン酢醤油にモミジオロシ。もともと冬でも脂に頼らない旨さのフグですから、夏でも回らず美味しいものです。マグロはブロックの周囲を炙ったタタキ風。腹身の旨い所のスズキと一緒。
団扇に盛り込んだ八寸。淡路のウニに湯葉。毛むくじゃらの貝はお得意のガンガラ。サザエなんかより磯っぽさ満喫ですが、盛り上がりには欠けます。いつもながら小技満載の八寸。
焼き物にはフグのカマを焼いて、尻尾の部分をあられ揚げ。木曜日に捌いたそうですが、煮凝りも作ってあります。美味しい。

カクテルグラスに、冬瓜のすり流し。海老さんが浮いてます。出汁の旨味がぎゅっと冬瓜にね。
コンロに鍋が運ばれてきて、目玉がこっちを睨んでます!クエ!和歌山で上がった天然の10キロという大きさだったらしい。夏のクエですが脂がびっしり浮いております。身の方はしゃぶしゃぶ風に。クエの旨味の出た鍋出汁(昆布だけ)も器に移して、最後の一滴も頂きます。今日も骨だらけに成仏させてあげます。
ご飯は鮎二匹が入ったご飯。止め椀には白木耳。旨いご飯ですが、自重してお持ち帰り。
今日もデザートを3種類。自重してない。金魚と判別できないけど、金魚が泳いでいる錦玉羹。桃に蓮の実と季節感で選んだお菓子です。玉造のKOTIKAZEも大阪女学院が夏休み入って、一休な様子で、ここのところ毎晩(来る度ってことだけど)和菓子の説明を丁寧にしてくれてます。


平成23(西暦2011)年8月1日
久しぶりにお昼御飯は、「日本橋・藤久」にしようと、開店早々の11時半に暖簾をくぐります。まだ誰もおりません。

一番お手軽なお昼ご飯にします。普通は一品のところを注目の赤マークの付いたものを二品。欲張りました。
  • 煮物(タコ。小芋、南京)、小鉢(長いも、人参、ピーマン)、苦瓜と軍鶏の味噌和え、白ご飯、清汁(木耳・豆腐、青菜)、香の物
  • 鯛の骨蒸し、葱
  • 軍鶏のから揚げ、玉ねぎ、胡瓜、トマト、レモン
  • イチジクのシャーベット
折敷に盛られた小鉢・小鉢・小鉢にご飯定食。これはこれ。プリフィックスのメインが出るまでの先付け。
鯛の骨蒸しは、頭一匹分のようで、お腹のアバラの部分も一緒。ほんのわずかに酒の香りが残っているけど、マァ気にならない程度。葱の香りの方がだんだん残るようですが、煮汁が美味しい。アラ煮にも出来ますが、天然なら濃く煮付けるのはどうかなぁと思っちゃいます。
軍鶏もお勧めマークが入っているので、欲張って追加。ご飯もお替り。

オプションのデザートは、真昼間のことだけにシャーベットから選んだ。イチジクだけというシャーベットは、もぎたてのイチジクそのままの野暮ったい懐かしい味と甘さ。

お昼は、案外空いているんだぁ。一時間ほど。


平成23(西暦2011)年7月26日
晩御飯は、「日本橋・藤久」。先客のバーのマダムが帰ればカウンターは独占。

  • 伊勢海老と糸瓜の加減酢、茗荷、枝豆
  • 若鮎の背越し、骨煎餅、蓼酢味噌、醤油、しょうが
  • 鱧と松茸のお椀、、輪柚子、鞘インゲン
  • お造りは、マグロ、めいちだい、ウニ、鳥貝、いか、穂紫蘇ゼリー寄せ
  • 八寸には、サザエにクジラの大和煮、壷壷にこはだ、べらの南蛮、ウオゼの子巻き、ヒイカのジャガイモ鋳込み、枝豆、才巻、サンマの細巻き
  • 焼き物は、スズキ、トウモロコシの掻き揚げ、酢取り蓮根、酢橘
  • 冷やし鉢は、毛蟹のほぐし身、冬瓜、ピーマン、小芋
  • ガンガラご飯、止め椀(芽しいたけと白葱の味噌仕立て)、香の物
  • ほかないカレー、ウコンで染めた鱧
  • レモン風味の淡雪羹、瀬戸ジャイアンツの寒天包み、水羊羹
今宵のお酒は、二年前のお酒になっちまうけど「松の司・純米大吟醸・しずく斗瓶囲・2008(20BY)・東条町山田錦精米歩合40%・金沢酵母(自社保存株)・限定No.0238/320本/1800ml&320本/720ml・2009/11)」。キリッと冷えた様態では、白ワインのようにレモンのような柑橘の味に、微妙な苦味が加わって、すっきり。先日の白ワインより上品な味わい。

ガラスの船皿に、酢の物から始まります。伊勢海老でした。伊勢海老を使ったときは、イセエビとわかるように、ヒゲを飾ってたんではないんかいな?

背越しが出てきました。肝と苦玉から二匹分の背越しのようです。骨せんべいが冷めないうちに、と食べたけど、もう冷めてたよ。冷めると油が浮いたように脂っぽくなる。蓼も添えられて、蓼酢味噌と生姜醤油との二通り。蓼は、日本のハーブとしてもっと活用されるべきだなあと。辛味に顔をしかめながら思ったのでした。肝を味わいたいけど、付いてる苦玉あ邪魔。口がニガニガになっちゃいますが、水よりお酒の方が合いますなぁ。といっても苦玉を食べたくはないので、煮込めは肝ごと丸呑み。
お椀には、鱧と松茸。まだ香りは弱いですねぇ。
お造り、いっぱい。腹身の脂の乗ったメイチは旨い。淡路は台風で海が濁っているというので出回ってない「すモグリのウニ」に代わって、徳島のウニ。負けず劣らずです。今日の鳥貝もぷっくり厚い身で甘い。境港のマグロ。
海のものタップリの八寸。扇の器。酢で〆たコハダ。実は美味しい魚と力説されたベラの南蛮。力説されたから、次に来たときには生で出てくんだろうなと推察する。ウオゼの身でウオゼの子を巻いた子巻。ヒイカの射込んであるのが、ジャガイモとゲソ。続くときは続くねぇ。

焼き物はスズキ。明石のようです。酢橘をギュッとね。
ガラスの蓋付き椀に、冷たい炊き合わせ。大きさの揃った冬瓜・小芋にピーマン。ほぐした毛蟹を溶かし込んだ一品。ゆるゆると頂きました。
ガンガラを使ったご飯は、よく出てくる。貝の実をする若い子に悪いなぁ。面倒くさいのにありがと。Qちゃん、ガンガラ好きだねぇ。止め椀に、1センチくらいのコロコロした茸が入ってます。間引きの椎茸のようです。若いうちに摘んだほうが、味が濃いのは椎茸もかな?一膳で持ち帰り。

先日のカレーイベント・立ちあカーレーで出した、「まかないカレー」は、300食用意して、30分で完売したそうです。(15分で売り切ったところもあったとか?)給食配膳並みの手際のよさでサービスしていたみたいです。当日は「まかない」を「ほかない」に変えて、他にはないカレーを目指して開発したそうです。で、それを食べられなった常連さんのために、店でも用意してたカレーの最後のがあるというので、少しだけ頂くことにします。流れ作業で食べたお客さんは、「何がどう?他ない」のか説明する間もなかったので、何を食べたのか知らない人がほとんどのようです。日本料理屋のカレーということで、「カレー粉」は使いません、ときっぱり。「洋のスパイス」も使わないというレシピのようです。教えてくれたのは、玉ねぎをトロトロになるまで炒めて、味噌でルー(モドキ)を使って、粉にした実山椒、柚子胡椒をタップリ効かして作ったと言う。その他にも何か隠しているかもしれない。それにウコンで色付けした鱧を使ったということです。そもそものカレーの定義はどうだったかなぁ、と興味もないことを考えたくなる一品。実際はピリピリ痺れるような山椒が効いているし、カレーだと聞かされれば・・・というお味。結構、病み付きになりそうかも。藤久のカレーを食べた方は、面白いネタに出来ますな。
今日もデザートを3種類。振り返ってみれば、今日はスィーツを摂取してませんでした。めずらし。水羊羹というのはユルイのが多いけど、しっかり団子になってます。

なぜか、古い話を、郁ちゃんも加えて三人で話して、久しぶりに食後に長居。それでもまだお二階さんは盛り上がっていたようだ。


平成23(西暦2011)年7月14日
晩御飯は、「日本橋・藤久」。カウンターは独占。

  • アワビ・小芋・焼き茄子の玉子豆腐
  • お椀代わりに、スッポンの煮凝り、ジュンサイ、卵
  • お造りが、ナガス、マグロ、カンパチ、スズキ、カツオ、鳥貝、ウニ、ヤリイカ。山葵、生姜
  • 朝顔の八寸は、タコの白瓜の酢の物、枝豆と管牛蒡の鱧巻き、バイガイ、鱧の子の塩辛、子持ち昆布、鱧の子の実山椒焼き、アジの錦紙巻き、スズキの海苔巻き、イカのウニ焼き
  • 新サンマの、から揚げ、塩焼き、腸焼き、骨煎餅、サンマの子、肝煮、トウモロコシの掻き揚げ、酢橘、茗荷
  • 鱧素麺、えび、おくら、椎茸
  • 緑竹鍋、牛肉、椎茸、緑竹、蔓紫、茗荷
  • 毛蟹ご飯、止め椀(マツタケ清汁仕立て)、香の物
  • さくらんぼ(佐藤錦)大福、シャインマスカットの葛饅頭、黄身餡に空豆を裏ごしして包んだ饅頭
今宵のお酒は、二年前のお酒になっちまうけど「松の司・純米大吟醸・しずく斗瓶囲・2008(20BY)・東条町山田錦精米歩合40%・金沢酵母(自社保存株)・限定No.0238/320本/1800ml&320本/720ml・2009/11)」。パイナップルやりんご、マスカットのような香り、ほのかに甘い喉越し。甘味のある料理にはとっても柔らかな口当たりになる。呑むに連れて軽く感じるようになるお酒である。

カウンターに座って、少し時間を貰って、体の熱気が落ち着くのを待ちます。出てきたのはガラスの容器に、蒸しアワビ、小芋さん、焼き茄子を玉子豆腐に仕上げた三品が盛り込まれてます。涼味が増します。
お椀もガラスで出来てます。丸の煮凝りです。食べる丸仕立ての煮物椀ですな。でも、ジュンサイしか入ってない。旨い煮凝りで、卵を口の中でぷちっと割って、円やかさを味わいます。今日この頃の暑さで、いつものジュンサイが一気に育ってしまって、太く硬くなってしまって駄目なんだそうだ。

お造りたくさん。アイスランドのナガスクジラ。インド洋のマグロ。マグロとはいえ輸入品を使うとは珍しいね。断りきれなかったでしょう。周参見のケンケン鰹。スズキもカンパチも、腹身の脂の部分を入れてくれます。どれも美味しいねぇ。
八寸は朝顔の飾り。ココでは日頃見かけない子持ち昆布。ちゃんと天然物らしい。酢の物に仕上げてますが、歯ざわりがガリガリのブチブチ。こういう食感のもあるんやね。今日は首をひねるのは無かった。
初セリだけは、ご祝儀相場で高かったらしいが、今年は値ごろ感のあるサンマ一匹。北海道から。餅粉をつけた唐揚げ、塩焼きは片面丸々、腸焼きの三様。サンマの腹子も焼いてあります。これだけで食べた記憶はないけど、糸を引く卵。壷壷に肝。これは立派な酒肴。甘〜いとうもろこし。

鱧100%(?)の鱧素麺。つなぎは入ってないような口ぶり。予想以上に長い素麺でした。関西の練り物屋さんでは、今の時期「魚素麺」というのが売られてますが、鱧だけは流石にないですねぇ。素麺仕立てなので、素麺つゆのようだ。
昨年も出た記憶があるが、九州産の夏のタケノコ・緑竹の牛鍋。コリコリのタケノコ。椎茸入り。今が旬のようですツルムラサキ。久ちゃんが「土っぽい」って言うんだから、やっぱり「雑草くさい」だな。
ご飯は、毛蟹を炊き込んでくれました。毛蟹の甘さが際立つご飯。今年初めての「マツタケ」を吸い物で頂きます。中国産で、香りは今一。吸い物だけ写真をアップ。ご飯は一膳だけで、詰めてもらいます。

御菓子は三種。


平成23(西暦2011)年6月18日
一旦止んでいた雨も再び降り始めた中、晩御飯の、「日本橋・藤久」へ向かいます。カウンターは女性ばかりで賑やか。二階も満席。
  • アワビ(肝)と新玉ねぎ、茗荷
  • お椀は、加賀太胡瓜と軍鶏、ジュンサイ、青菜
  • お造りは、まぐろ、かんぱち、かつおたたき、ひらめ(焼き霜の縁側)、紀州鯖、いか、岩牡蠣
  • 八寸には、アオリイカと空豆の細切りのレモン和え、鳥貝の一夜干の炙り、酢蓮根、豆アジのオイル漬け・梅風味、毛蟹の卵黄の味噌漬け包み、大徳寺麩の胡麻和えの丸ズッキーニ挟み、甘長の軍鶏肉詰め、べら(きゅうせん)の塩焼き、あこうの子の炊いたんレ
  • 琵琶湖産鰻の白焼き、山葵、実山椒おろし、酢橘
  • 水茄子の茗荷煮、車えび、刻みししとう、刻み昆布
  • 太刀魚のしゃぶしゃぶ鍋、太刀魚のつくね、椎茸、豆腐、菊菜、葱
  • ウニごはん、太刀魚のシャブシャブの出汁、香の物
  • 御菓子は、上新粉の水無月・小豆バージョンと、白下糖(黒糖)・白小豆バージョン、錦玉羹と河内晩柑の淡雪羹
今晩は「松の司・2010(22BY)純米吟醸・AZOLLA・生原酒・竜王町産山田錦(裁培期間中無農薬無化学肥料栽培米:環境こだわり米認証産栽培)・精米歩合50%・金沢酵母・(限定200本/720ml&200本/1.8l)」 を呑んでみましょう。
呑み始めは、桃やバナナなどの香りが一気に広がる旨い味が。一層増したような感覚。

火の通った玉ねぎ・アワビ・肝を重ねた上から茗荷タップリ。ちょっと一口には大きいようだけど、まとめて口に入れます。アワビに玉ねぎの甘さと肝のコクが加わります。

お椀は、真ん中を繰り抜いた加賀太胡瓜に軍鶏。箸がスッと入る程度に柔らかく炊かれた胡瓜。軍鶏肉は、淡白な味わいで、物足りないくらいに感じる吸い地。
お造りには、この季節珍しい「ひらめ」。あめ色に色づいてます。脂が多いのでしょう、縁側は炙ってあります。腹身のカンパチはコリコリ。紀州鯖というブランドがあるのかは知らないけど「生の鯖」。岩牡蠣は三重からのん。リベットは付いてないそうだ。いろいろあるねぇ。
八寸。壷壷の中にイカとソラマメ。空豆を細く刻むと緑色をしないようだ。レモンで締まったイカはシコシコで干物のスルメイカみたいな。干物にした鳥貝が面白い。しがんでもしがんでも、味が湧き出してくる。旨いなぁ。丸ナスみたいなズッキーニがあるようで、胡麻和えの大徳寺を挟んであります。ピーマンお肉詰めみたいな、甘長の軍鶏詰め。
前回は、ご飯に炊き込んでくれた琵琶湖の鰻でしたが、「白焼き」の方がいいといえば、その通り出てきました。蒲焼も白焼きでもありがちに、うなぎがベロンと広がった身ではなく、(串打ちせずに)クルンと丸まるのは身の弾力がいい証拠。肉厚でもあるけどプリプリに弾ける鰻で脂も意外と淡白。白焼きに山葵が定番だけど、臭みがない鰻には、実山椒を混ぜたオロシのピリッとしたアクセントの方がよかった。鰻に山椒も定番だけどね。

丸に繰り抜いた水ナスを茗荷で炊いてあります。車えびも隠れてました。さっぱり美味しい水ナス。繰り抜いているのは、炊いてる途中で崩れないようにする為かな。食べてる途中でも、出汁が濁らない。
鍋が出てきて、浮いてます。具材が出てきて「太刀魚」でした。鍋で煮込まれていた「つみれ」は、グニュとしてニュルニュルの食感。味の出そうな椎茸をじっくり煮て、太刀魚をしゃぶしゃぶ。生でも美味しかった太刀魚です。皮目の舌の脂肪分が溶け、食感は柔らかいけど、旨い。太刀魚の旨味も出た鍋出汁は、そのままでも美味しく、お椀に移してもらって・・・止め椀にされた。
ご飯はウニを選んでくれます。お腹いっぱいなので、一膳だけで持ち帰り。

水無月という御菓子は「暑気払い」で、白い下の部分は氷を表してますから、白地に黒い豆が正しい。黒糖を遣った黒地の水無月もあるけど、逆バージョンの白い豆を使ったものは記憶がない。てな話をしていたんですが、やっぱり郁チャンが作ってくれました。徳島の和三盆の白下糖を使ったもので、南米からアメリカ経由で沖縄にやってきたサトウキビとは違うサトウキビから作られているそうです。和三盆屋の裏の畑で栽培されているそうだ。濃厚なコクはないけど、上品な甘味。前回硬い目やねといったので、上新粉を使ってちょっと柔らかくしたそうですが、そんなことまでせんでもエエのに。せっかく作ってくれたのですから両方の水無月を頂きます。別腹があってよかったぁ。涼しげな「錦玉羹」も頂いちゃいます。清涼感のあるのは「河内晩柑」というのを使ったそうです。和歌山産でしたが・・。

振り返れば、鱧も鮎もない食事でした。


平成23(西暦2011)年6月14日
晩御飯は、「日本橋・藤久」。賑やか。
  • 新玉ねぎとはも、鱧の煮凝り、鞘大根、梅肉
  • つがに汁、葱
  • お造りは、まぐろ、鳥貝、太刀魚、いか、うに
  • 八寸には、赤ホヤ・長芋おろし、牛肉・木の芽、スッポンと卵、芋タコ南京、海老・味噌漬けの黄身、長芋・椎茸、おばけに酢味噌、鮎のパテ、山桃、ジャガイモ・チーズ風黒豆ダレ
  • 岩牡蠣の醤油バター焼き、ししとう、蓮根、レモン
  • 毛蟹と叩きオクラの加減酢
  • アワビと加茂茄子の鍋、小芋、茗荷
  • 鰻ごはん、肝吸い(味噌仕立て)、香の物
  • 御菓子は、濡れツバメ、雨上がり、水無月
今晩は「松の司・2010(22BY)純米吟醸・AZOLLA・生原酒・竜王町産山田錦(裁培期間中無農薬無化学肥料栽培米:環境こだわり米認証産栽培)・精米歩合50%・金沢酵母・(限定200本/720ml&200本/1.8l)」 を呑んでみましょう。
少し冷えた温度(10度くらい?)では、桃やバナナなどの香りが一気に広がる旨い味。生原酒だけに少々口の中で暴れるような酸と苦味が残る。お酒が冷えてくると、バランスが取れてきて、落ち着いた甘味に変わる。

先付けは、冷やし物で、鱧の煮凝り。底には新たまねぎが隠れています。火が入って甘くなった新たまねぎを鱧の煮凝りが閉じ込め、鱧の旨味と合わさって旨い先付けでした。
「つみれ汁」って聞こえて、何のつみれ?って味わいます。蟹?大将にきけば「つがに」の聞き間違いでした。藻屑蟹です。身を潰して、味噌も一緒くたにまじりっけなしのツガニ団子が椀一面に広がってます。蟹の旨味たっぷり。蟹の風味と日本酒がすばらしい相性でした。

お造りは、5点。山陰のまぐろは、小振りで50キロクラス。色もピンク色です。焼き物で出ることが多いけど太刀魚が美味しい。熟成した旨味に溢れている。鳥貝は舞鶴産の肉厚で、甘味がいい。紐は磯臭さ満喫。
八寸には、小さな円柱状に固めた寄せ物は8品。壷壷に赤ホヤ。煮凝りやら、ゼリーやら。面白いのは鮎のパテ風。内臓もいっしょくたのようでねずみ色。これはこれで鮎の香りやら苦味やら楽しめます。頭をひねるのは、芋タコ南京。炊き合わせていい組み合わせだけど、まずくはないけど一緒に食べて美味しいかが疑問。どういう風に造ったのか良くわかんないのが黒豆をチーズ風にしたというジャガイモにかかかったタレ。黒豆をペーストにしてあるけどクリーム状になってます。
バターの香りが奥からしてきて、出てきたのは岩牡蠣の醤油バター。旨いに決まってんじゃない!

毛蟹の酢の物に叩きオクラ。
アワビの形の土鍋にアワビの鍋。針茗荷で見にくいけど、茗荷の下に厚く切ったムチムチアワビ。その下に蒸しただけのトロトロの加茂なす。ノンオイルのヘルシーな茄子でした。美味しい鍋出汁だけど、煮詰まってきたので、残しました。
ご飯は、琵琶湖産の鰻。なら、白焼きも欲しかったなぁと一言。見せてくれた羽釜の中は実山椒タップリ。よそってくれた鰻ご飯は、うな重ほどタレが絡んだもので醤油の香りと山椒の香りで、しっかりしたご飯。お替りしちゃいます。残った分は、詰めてもらいます。
御菓子は、6月ですから水無月。それに、黒胡麻タレがつやつやの銘「ぬれつばめ」と、葛で覆った白小豆庵の銘「あめあがり」は虹をあらわしてます。水無月は固めずっしり。一番美味しく感じたのは、黒胡麻。中は求肥。とにかく黒胡麻が旨いのです。


平成23(西暦2011)年5月24日
晩御飯は、「日本橋・藤久」。カウンターは先客二組だけど、すぐに食べ終わられた。その後2名。座敷は埋まっている様子。
  • 湯引きのあこう、ジュレ仕立て若布、間引きの青大根
  • お椀代わりに、アコウの頭の酒蒸し、三つ葉、白髪葱
  • お造りが、ヒッサゲ、時鮭、白海老、ウニ
  • 八寸は、デラウェアのおろし和え・クコ、枝豆の掻き揚げ、トウモロコシの掻き揚げ、桜海老のすり身のオカキ揚げ、軍鶏の松風、稚鮎の佃煮、鰻の八幡巻き・骨煎餅、丸十、キスの笹巻き三角寿司、山桃、鱧の昆布〆の子まぶし
  • 時鮭の頭の塩焼き、チリ酢
  • タコとたたきオクラの加減酢、トマト、茗荷
  • 加茂なす田楽、車えび、刻み万願寺、海老の頭の素揚げ
  • 時鮭ごはん、止め椀(ジュンサイ)、香の物
  • お菓子が、漉し餡の本蕨粉饅頭(黄粉)、カボチャココナッツプリン、レモン羹と八朔淡雪羹。
今晩もお酒は、「松の司・2008(20BY)吟醸・純米しずく斗瓶囲・竜王町産山田錦(環境こだわり農産物認証)精米歩合50%・金沢酵母(1800ml339本)」です。

先付けには。プリプリのあこうに若布。ほのかに甘く、かすかに酸っぱく。ツンと突き立っているのが「青大根」の小さい奴って聞いたと思うんだけどなぁ。ピリっと辛味をかんじるのでシシトウの一種かと思った。

お椀が出ない替わりに、あこうの頭半分+カマ。お椀替わりですからチリ酢はなし。目の玉も、唇も、頬も、カマも、骨の間の身もホロホロと取れて美味しいねぇ。ハタの仲間は美味しいねぇ。吸い地も美味しいし。フィンガーボウルも出てきました。

お造りは、勝浦26.5キロのひっさげ、北海道の時鮭、淡路の夏ウニ、白海老。ヒッサゲと呼ぶにはマックスサイズで、キレイなサクです。もうマグロと呼んでもいいんじゃないかなってサイズ。脂たっぷりで、山葵効きません。時鮭も脂たっぷり。すこし炙ってくれたんもあります。ノルウェーのサーモンより脂が多いようだけど、全身にキレイに脂が散っているようでくどくないし臭くもない。鮭の香り(臭み)がしない。淡路のウニも、白海老もみんな美味しい。

ステンレスだと思うけど船形の器の八寸は・・・いっぱい。暖かい揚げ物には枝豆とトウモロコシ。これからの定番やなぁ。桜海老のすり身はユルユルに仕上がってます。今日は鰻の中骨を揚げてくれました。八幡巻きと一緒にといわれたので、言われたとおりにします。稚鮎と言うけど、サイズ的には氷魚サイズだと思う。鱧の子まぶしがいい味に出来ている。

焼き物は、今日二つ目の頭で時鮭、カマもね、腹骨も焼いてくれました。骨の周りは少し塩が効いているようだけど、他は上品な味に焼きあがってる。淡白だけど脂が回って・・・言うことなし。今日二回目のガラ入れですが、フィンガーボウルが出てこない。手は汚れるけど魚臭さが残らないんだなぁ。チリ酢も合いますわ。

さっぱりタコとオクラ。とさかみトマト。やや固めの果肉。高知のフルーツトマトも品種がいっぱいありますなぁ。(これはデパートに並んでいた。そこではソプラノトマトというのがスゲー旨そうだったなぁ)
綾部の加茂なすを器にして、丸く繰り抜いた茄子、車えびに田楽味噌。ちょっと辛めで濃い味噌だった。綾部は京都だけど、加茂じゃないよなぁ。
ご飯にも時鮭をおねだり。今晩はとりわけ頭ばっかりタップリ食べて、お酒もすすんだので、一膳が限界。(いつもは余力を残してデザートに進のだが・・・)
おなかに余裕もないけど、別腹。本蕨粉で漉し餡をくるんだ饅頭。葛饅頭のような食感でもあります。濃厚なプリン。さっぱり柑橘の淡雪羹

今宵は事前に「時鮭」を注文しておった次第です。半身で仕入れたそうです。ありがと。


平成23(西暦2011)年5月19日
晩御飯は、「日本橋・藤久」。カウンターは客がいないけど・・・座敷は埋まっている様子。
  • 蕨豆腐にウニのトッピング、山葵、醤油
  • お椀が、あこう、ジュンサイ、三度豆、花柚子
  • お造りには、岩牡蠣、アマテカレイ(+肝)、鳥貝、サヨリ(大葉挟み)、あおりいか、あわび、まぐろ
  • 八寸には、サザエつぼ焼き、じんたんのごま油漬け、海老の黄身寿司、鱧の子の卵とじ、枝豆。軍鶏の胡瓜巻き、イサキの子巻き、八幡巻き、丸十、若桃蜜煮
  • 太刀魚の酒焼き、蕗の梅煮、酢橘
  • 車えび。水ナス、ガゴメ昆布和え
  • 熊本の天然鰻のシャブシャブ、豆腐、椎茸、菊菜、ポン酢醤油
  • 鮎飯、止め椀(新玉葱)、香の物
  • お菓子が、若鮎、初かつお、琵琶ゼリー(白餡鋳込み)
今晩のお酒は、先週に引き続いて「松の司・2008(20BY)吟醸・純米しずく斗瓶囲・竜王町産山田錦(環境こだわり農産物認証)精米歩合50%・金沢酵母(1800ml339本)」にします。

先付けは、蕨を練りこんだ緑色の豆腐、黄色いウニ、緑の山葵。器は、乾山写しの菖蒲。

お椀には、葛うちあこう。昨晩もこれから美味しくなるねぇと話したばかり。美味しい吸い地に暖かく脂が薄っすらと浮かんで、生より旨味がはっきり。蕾の柚子をかじって香りを足せば、更に旨いアコウでした。ジュンサイはまだ丹波のものではないとのこと。
お造りは、今年初めての岩牡蠣は舞鶴。もう立派な大きさで、これも旨いねぇ。岩牡蠣の種牡蠣も三陸なんでしょうかねぇ?先々不安を感じるけど、とにかく美味しい。能登半島沖のマグロ。脂の乗った鰈は腹身の部分。肝も加わり言うことなし。大きさはそれほどないけど、鳥貝も美味しい。
八橋の八寸に、胡瓜を台にした笹の細工。「じんたん」とは「稚いアジ」。豆アジよりも小さい雑魚を太白ごま油で漬け込んだそうだ。漁師さんなら梅煮とか鍋にぶち込んで炊いてしまうそうです。鱧の子は玉子を混ぜて焼き上げてあります。巻物が三種。軍鶏肉に桂剥きした胡瓜を重さねてクルクル巻いた渦巻き。イサキにイサキの卵を同じように巻いて蒸したようです。間引きの桃の実を蜜煮にしてあります。もう立派に桃の香り。こういうのは桃農家に知り合いがいれば、手に入るようですな。

焼き物は太刀魚のぐるぐる巻き。芯に太刀魚の卵が袋ごと使われてますが、別に焼いてあるようです。この袋が噛み切れないのが、減点ですが、ふっくら焼きあがってます。蕗には梅の香り。
箸休めにガゴメ昆布で和えた生車えびと水ナス。色は醤油で黒っぽくて見た目悪いけど、ちょっと辛めで肴になる。
最近毎回のように鍋が出てくるけど、今日も出た。で具材は・・・・熊本で獲れた川の天然鰻でした。尻尾の部分は一旦焼いて香ばしくしてあるようだし、肝も生でシャブシャブです。久しぶりの鰻のシャブシャブです。その時は、生でも頂いたけど、身には血が滲んでピンク色だけに火を通しましょう。 骨せんべいがないなとつぶやくと、鍋出汁に使ったそうです。きっちり仕事してくれてました。鰻屋の肝吸いはしっかり火が通ってるけど、レアな加減の肝は、勝るなぁ。さっと湯にくぐらせると、プリプリの鰻でした。出汁は残さず、お椀に移してもらいます。今年は土用の丑が二回あるので、鰻さんもご災難です。
ご飯は鮎ご飯、三匹入ってますが、紀ノ川の天然物。今年は五月から解禁になっているとか。二匹分の中骨は煎餅に揚げてくれましたが、一匹は失敗したようだ。一膳食べて、詰めてもらいましょう。

御菓子は、季節ものの「若鮎(メーカーによっていろいろ名前が違う)」、「初かつお」、「琵琶ゼリー」。鮎は求肥。初かつおを言えば「美濃忠」だけど、今日のは棹物ではなくて、クルクル巻いてあります。ちょうど「たたき」にしたような焦げ目を作りこんであります。山葵に見立てのは緑色の練り切り。もう本家のも随分食べていないけど、まだまだ叶わないね。琵琶のゼリーの種の部分に白餡を鋳込んだゼリー。

今が旬の魚を次回にお願いして、お暇。早く食べたつもりだったけど、3時間。美味しいものを味わっていると時間がかかる。


平成23(西暦2011)年5月12日
晩御飯にはラストオーダ間際の「日本橋・藤久」へ向かいます。お一人だけが残ってはります。
  • エゴマ豆腐、こごみペースト、こごみ、白髪葱
  • お椀が、タケノコ・帆立真蒸、絹さや、若布、木の芽
  • お造りが、ひっさげ、すずき、はも(焼き霜・落し・生)、たいらぎ、さより、炙ったキス、鳥貝、かつおタタキ、あおりいか、山葵醤油
  • 八寸には、イタヤ貝の黄身酢和え・赤ピーマン、葉皿に・ひじきの揚巻・枝豆・アブラメ新子の南蛮・タコの子の煮付け・丸十・トコブシ・山桃、高杯にアジの粽・蕗の炊いたん
  • フグの白子のあられ揚げ、フグの身のあられ揚げ、フグの煮凝り、ポン酢醤油
  • ジュンサイ、車えび、トマトの加減酢
  • 牛肉と山菜(ふき・うど・わらび・しいたけ)の花山椒鍋
  • タケノコご飯、止め椀(はまぐり)、香の物
  • お菓子が、外郎の笹巻き、柏餅、抹茶を振った銘「山笑う」
今日のお酒は「松の司・2008(20BY)吟醸・純米しずく斗瓶囲・竜王町産山田錦(環境こだわり農産物認証)精米歩合50%・金沢酵母(1800ml339本)」にします。日本酒を愛する心優しい飲酒家は、「頑張れ東北」の言葉に素直に東北のお酒ばっかり呑むようで、西のお酒の売り上げが芳しくないという話も聞く。ということで、ベストミックスな選択を心がけようと、贔屓のお酒を呑みます。
被災地以外の蔵元も震災に支援することで販売を増そうとする日本酒義援金プロジェクトが立ち上がっている。でも意地悪に受け取れば、東北のお酒ばかりに限りあるパイを食われないために、義捐金付きという免罪符を消費者にアピールしているようにも思えるのです。滋賀県では「大治郎・純米」「七本槍 純米 吟吹雪」「三連星 純米 無濾過生原酒」「三連星 純米 おりがらみ」「美冨久 山廃本醸造」に「さかずきんちゃん」マークが貼られているようだ。他にも酒販店や飲食店も参加しているようだ。
梨やりんご、マスカットのようなフルーティーな香りに爽やかな喉越し。

先付けは、エゴマの豆腐。エゴマ好きのQちゃんである。こごみを叩いてのペーストが乗っております。コゴミってやっぱり草だ。野趣な香りで嫌いじゃないよ。

お椀は、タケノコ真蒸。まだ貝塚・木積のタケノコが週に数回出てくるそうです。ボソボソの真蒸でつなぎが分からなかったけど、帆立の練り物だそうだ。吸い地の香りが若布だけでない濃厚な味だったのは、帆立も加わっていたんだ。
お造りには、舞鶴のでっかい鳥貝。今年一番の大きさかもしれないな。ヒッサゲ・キス・カツオ・はもと霜降りにしたものが並びます。鱧も三種食べ比べ。和歌山のハモだそうだ。
五月の八寸には、粽。アジの粽には蓬の葉が添えられてあります。その下には蕗の炊いたん。壷壷にはイタヤ貝。葉皿には、ひじきの揚巻・枝豆・アブラメ新子の南蛮・タコの子の煮付け・丸十・トコブシ・山桃。もう枝豆!
油物に、トンカツでも出してきたのかと驚いた、フグの白子。まだ白子を持ってんだぁ。出来れば、包丁を入れて欲しいのだが、箸で裂いて食べなきゃいけません。フグの白子といえば、パブロフの犬並に「おくりびと」を思い出すようになった。困ったことに・・・。身も煮凝りも霞んじゃうねぇ。

いつもの丹波のジュンサイはまだのようで、広島産。海老さんとトマトさんで酢の物。東北のより、西日本の方がぬめり(?)が大きいらしい。
コンロに目鍋が載ってやってきたけど、材料が隠れるくらいの花山椒が乗っているので、嬉しいねぇ。まだ花山椒がでてるみたいだ。レアでも大丈夫?と聞き直しちゃうのは、お約束の突っ込み。こんなけテンコ盛りでもピリピリした辛味はほとんどなく香りがいいんですから、むちゃの舌にあってます。
で、ご飯はタケノコご飯。花山椒の牛鍋にタケノコが入ってなかったのは、ご飯で出てくるからでした。一膳だけ。

今日は、印象的に緑っぽい料理が多かったようだが、お菓子も緑ばっかし。大丈夫かなぁという「柏餅」。食べた後の写真です。笹巻きの小豆の外郎。羽二重(?)のお餅に抹茶を振ったもの。「山笑う」は季語だったかな?


平成23(西暦2011)年4月17日
今日も、文楽のお弁当をお願い。中身はほとんど替えてくれました。

いつもながら、ご飯びっしり。
初めて食べる「しろなまず」は、「築地三代目ででてきた”ヒゲタラ”」だとか?できたら、鍋で食べたかったねぇ。

今日は食後のお菓子として「関東風と関西風の桜餅」をオプション追加。やっぱり、食べる時間はないので、持ち帰り


平成23(西暦2011)年4月13日
晩御飯には「日本橋・藤久」へ向かいます。花見で一緒だった常連さんとのカウンター。
  • 伊勢海老・海藻・スナップエンドウの加減酢
  • 花筏のお椀は、カワハギ、肝豆腐、白髪葱、雁足、七味
  • お造りは、イカ、サヨリ、カツオ、松毬魚、アワビ
  • 桜の八寸は、ボンボリに卯の花、帆立のウニ焼き・トコブシ・オコゼの卵とじの串、空豆・吉兆風玉子焼き・アボガドのサーモン巻きの串、イイダコ・自家製こんにゃく玉・擬製豆腐の串、白魚の桜寿司
  • 木積のタケノコの木の芽焼き、たまめの木の芽焼き
  • ミル貝・長芋素麺・ウニ・葉山葵の酢の物
  • 丸豆腐の鍋仕立て
  • 梅風味のしらす飯、蛤の味噌汁、香の物
  • 草餅(小豆餡)、求肥の黄身餡・蝶見立て

今晩も「三陸がんばれ!」で「あさ開・旭扇・大吟醸・袋吊り・兵庫県産山田錦40%・協会9号酵母」を呑みます。上品で素直な口当たり。今日の方が美味しくなってる。

先付けには伊勢海老(隠れて見えない)。覆っている海藻は鳥取産らしいが、モズクのよう。でも名前を忘れた。

花筏のお椀。吸い口は七味。椀種にはカワハギとその肝を混ぜて作った豆腐。青味に雁足。
浮瀬(アワビ)を器にして、お造り。薄作りの生アワビ、松毬魚(皮が飾り)、いか、さより、かつおを山葵醤油。久しぶりの松毬魚。ほんまに小さい魚を造ってくれてます。当然ながら一匹から2枚しかとれない。鎧のようなウロコが取れないそうなので大変です。たいてい、そのまま焼いてしまうのだそうです。ベロンと皮が剥けるそうだ。この時期出回るそうだけど・・・他では見ないねぇ。コリコリとしてるけど硬いだけでなく、磯臭いけど味はしっかり。
八寸は、花見団子見立ての串三本、ボンボリに桜餅。ボンボリの内には卯の花。料理屋さんの卯の花は一味違う感じ。花見に必要な桜餅は白魚のお寿司。
コンロの上に笹を敷いて、焼きあがった貝塚の木積のタケノコの木の芽焼き。それと一緒に「たまめ」の木の芽焼き。「たまめ」を焼いたのを食べたのは初めてかな?美味しい魚です。大阪地元のタケノコである木積産は来週辺りから毎日出荷するそうで、今は隔日に入荷している程度らしい。

酢の物には、ミル貝。いつもの細い長芋素麺。辛味がいまいちの葉山葵。
小鍋で出てきたのは、丸豆腐。蓋を取ると、スッポンの香りが馥郁と立ち上がる。スッポンのスープに脚。内卵。
お釜のご飯は「しらす」。梅風味でサッパリ。今日も一膳頂いて詰めてもらいます。蛤だらけの止め椀。
選んだ御菓子は、草に蝶々というイメージ。今日もメガ苺大福があるけど、自粛。道明寺の桜餅は、後日。そういえば、デパートで和菓子屋でも柏餅が出始めましたな。

過日の花見は有料参加者161名とかで、最後は食べ物が不足したほどの盛況ぶりだったそうである。で、料理店さんは無報酬で原価分だけ回収して、後は義援金に回すのだそうだ。それに集まった募金で、約50万円。義援金を出さなかった参加者も貢献できたということのようです。「あしなが育英会」に託すそうです。
お弁当で分からなかった食材を聞く。うーん、弁当にノドグロやグジを入れるとは思いませんでした。先入観で食べちゃいけないと猛省。
GWは変則。発売中の「サライ」に藤久の松花堂弁当が登場しているらしい。


平成23(西暦2011)年4月11日
連日のお弁当ですが、中身はほとんど替えてくれました。

いつもながら、ご飯びっしり。
今日も「メガ紅ほっぺ大福」をデザートにつけてもらいましたが、食べる時間なし。終わってから食べました。


平成23(西暦2011)年4月10日
北浜での花見から運んできたお弁当。

そして、「KOTIKAZE」には、デザートも用意してもらって「メガ紅ほっぺ大福」。

先日の高麗橋のと同じ値段ですが、春らしい食材ではこちらが上。弁当ですから稚鮎までは期待してなかったけど、弁当ですからやっぱりこの季節タケノコはなくちゃ盛り上がらない。。


平成23(西暦2011)年3月31日
晩御飯には「日本橋・藤久」へ向かいます。
震災当初は接待が減ったそうですが、もう落ち着きが戻った感じ。魚の仕入れも問題ないそうです。

  • まる豆腐、内卵、葱
  • お椀は、鬼浅利の真蒸、よもぎ豆腐、わらび、木の芽、花びら独活
  • お造りは、おこぜ(皮・肝・胃袋)、さより、白バイ貝、あおりいか、焼き目のカツオ、ポン酢醤油、醤油
  • 八寸は、鯖生寿司・菜の花、土筆の卵とじ、マナカツオの軟骨と子の酢の物(氷頭)、にわとこのお浸し・糸カツオ、煮た長芋の胡麻和え・こごみ、貝殻の器に百合根饅頭・煮アワビ・鯛の子・アボガトのサーモン巻き・空豆
  • コンロで焼き物は、木積のタケノコと帆立貝柱の木の芽田楽味噌
  • 酢の物は、白貝、鳥貝、赤貝、ウルイ、ヒロメ(海藻)ゼリー寄せ、トマト
  • 油物が、稚鮎、タラの芽、ホワイトアスパラガス、レモン、塩
  • ノドグロの桜蒸しごはん、香の物
  • お菓子は、苺の淡雪羹(白餡)、草餅、関西風道明寺桜餅

お酒のメニューに宮城の「乾坤一」があった。でも「あさ開・旭扇・大吟醸・袋吊り・兵庫県産山田錦40%・協会9号酵母」というのを呑みます。光って見えにくいけど「旭扇」の文字のラベル。常温近くで渋みがあるけど、冷えてくるとライチ、メロン、林檎のような香りと甘味が出てくる。だんだん旨味が残るようになって若干重たさを感じる。ちょっと呑みすぎましたかな。

前菜は、茶巾に搾った丸豆腐。旨いね。

お椀は、鬼浅利という貝。真蒸に仕立てて、上にも乗っております。酒の香りがフッと立ち上がります。浅利の香りもいい吸い地。
お造りは5種盛り。オコゼはへぎ造り?厚めの切られて噛み締めるほど味がジワッと滲み出してくる。カツオは10キロの大物だったらしく、出てきたのは腹身の一切れ。この倍の背高だということ。脂が乗っているので炙ってくれたみたいだけど、この季節は生の方がいいな。カツオはポン酢でも山葵でもいけます。芥子もいいよねぇ。コリコリのバイガイでした。
八寸には、桜の(まだ咲いてない)小枝。アワビの器には生すし。ボンボリには土筆の玉子とじ。美味しい出汁で炊くと土筆もいい味になるもんだ。藤久農園産?。手前のサザエの器にはニワトコの蕾(芽)。小さいブロッコリーみたいな部分で緑色。糸カツオで見えない。コゴミの乗った器の下には、くりぬかれた丸い長芋を炊いて胡麻ダレ和え。胡麻ダレが強烈。上のちょっと大きなサザエの器にマナカツオの軟骨と子を酢でしまてもの。鮭だけでなく、マナでも氷頭なますを作るんだそうだ。食感というのも味のひとつだと思える。二枚貝の焼き物に書かれた歌は「鶯・・・」しか読み取れない。
コンロに乗って出てきたのは、タケノコと帆立。ちょっとドギツイ色になってますが木の芽味噌の田楽。今年初めて市場にでたという貝塚・木積の初物のタケノコ。寿命が(二郎さん風に)延びます延びます。もっと欲しいところ。

酢の物で貝。ほとんど酢を感じさせない程度。白貝って・・・確かに白い殻でした。鳥貝は泉州で獲れたもの。舞鶴・宮津に負けないように頑張って育ててはるらしい。で、最近大きく立派なのが獲れるようになったそうだ。必ずでてくる赤貝。貝の下にヒロメという海草がゼリーで固められてブロックに切って添えられてました。
天ぷらには、びっくり稚鮎。今月はまだ氷魚をスーパーで買っていたんだよ。早いねぇ。そこそこ苦味も出てるけど、腸の苦味がないと白魚と変わらない。苦味って大切。タラの芽もしっかり春の苦味。こういうのがでると、これも藤久農園と思うんですな。いちいち聞くのも面倒くさいから聞かないけど。対比するように甘いアスパラガス。
今日のご飯は、桜の葉を乗せ蒸したご飯。あんかけ風。魚は鯛ではなく「ノドグロ」。桜の葉の香りというのは、和めます。
今日もでっかい紅ほっぺ大福があるけど、それは後日にして、苺の淡雪羹(白餡)、草餅、関西風道明寺桜餅の三種。別腹とはいえ、おなかいっぱい。

今年は久しぶりに花見に参加しようと伝えておきます。二階は送別会でしょうか?別れの季節ですなぁ。


平成23(西暦2011)年2月25日
芝居が終わって、遅い晩御飯には「日本橋・藤久」へ向かいます。
  • 三色胡麻豆腐・ウニ・山葵
  • お椀が、蛤、若布・筍、軸菜、はなびらうど
  • お造りが、ヒラメ・炙った縁側・スプラウト、クエのたたき・皮・胃袋・防風、鰹のタタキ・白髪葱、ふぐ・煮凝り・芽葱、湯引きのアナゴ・いか・鳥貝、赤貝・サヨリ・紫芽、醤油、ポン酢醤油
  • 八寸の、耳盃に温玉の黄身の味噌漬け、フグ寿司、サヨリわらびの黄身焼き、鳥貝の一夜干、牡蠣のオイル漬けの海苔巻き、サーモンのジャガイモ寿司、カラスミを挟んだ空豆の揚げ物。花びらの器にはサルボウ貝の佃煮、桜肉の行者ニンニク巻き、ガシラの南蛮
  • てんぷらが、白魚、ミル貝、蕗の薹、タラの芽、野蒜、山独活、レモン
  • 酢の物が、海老、塩トマト、ブロッコリー、サラダセロリ
  • 黒メバルの鍋、下仁田ネギ、ポン酢醤油
  • クエごはん、止め椀(摺った山芋)、香の物
  • 紅ほっぺ大福、菱淡雪羹、さくら餅

先週に引き続いて「松の司・大吟醸・しずく斗瓶囲・2008(20BY)・兵庫県東条町山田錦精米歩合40%・金沢(自社保存株酵母・限定133/350本・1800ml&320本・720ml」を舐めましょう。
急にひな祭りを意識しちゃう今日の献立。北海道のウニらしいが、最近出来が悪いそうだ。甘味が口に広がらない。

二週間で三回の食事になるが、お椀の柄をちゃんと変えてきた。今日は若竹に蛤。若布は細かく切られている。蛤や若布からの味がかなり強めに出ている。コリコリの穂先の筍。
珍しい盛り付けのお造り。最近サヨリが美味しい。鱧のような湯引きはアナゴ。鱧より旨いのは脂のせいだろうな。グニュグニュのフグの煮凝りは味の強いものではないけど、食感が味を補っている感じ五味以外の味というのかな。クエの中に500円硬貨ほどの胃袋。流石にでかい魚だ。クエもヒラメも旨い魚。

耳杯の珍味はなかなかよろしい。面白いのは鳥貝の一夜干。急いで食べるとなんも美味しくない干物ですが、シガシガシガシガしていると旨味が出てくる。フグのお寿司はテッピ他の部分を昆布で巻いた寿司。海苔巻きでは牡蠣のオイル漬けも美味しい。サーモンは芋寿司だけど玉ねぎが入ってシャキシャキとしてこれも一工夫。他では、馬肉が美味しい。サルボウは赤貝もどき。

天ぷらは、久しぶりのような気がしますなぁ。白魚って淡白だけど、旨く揚がってますなぁ。サクッとしてムチっと。ミル貝も天種としては初めてだけど、熱が加わっても旨い貝。タラの芽だけ近藤農園。
酢の物には、初めての「サラダセロリ」。サイズは三つ葉みたいだけど、香りはセロリでシャキシャキ。岡山産って言っていたかな?
鍋がでてきて、具材は黒メバルと下仁田ネギ。もう「めばる」と思うけど、筍もあわせて欲しいところ。それにしても、昆布と鰹の鍋出汁が美味しい。メバルはポン酢でいいけど、この出汁は混ぜちゃいかんな。

今日のご飯は「クエ」。今日は醤油で色づいた甘味のあるご飯に炊き上がってます。今日も一膳だけ。

お菓子は、やたらとでかい紅ほっぺ大福は、意地でも頂きましょう。聞けば2個1200円だとか。結構人気商品だという話。一個で4個分はありますなぁ。早くも桜餅。デパートでも見かけるだけに頂きましょう。使っているものは、先日の椿餅と一緒だけど、桜の香りだけは一緒じゃない。お雛さんの時期には来られないだろうから、菱餅風の淡雪羹。

寿退社の中村ちゃんが、萬ちゃんところの「LE BOIS」の実質的な店長(独り舞台?)として、お昼に働いているんだとさ。旦那の方は、なかなか店を辞めそうにないし、独立開業はしばらく無さそうやねぇ。


平成23(西暦2011)年2月22日
松竹座の夜の部が終わって、ラストオーダー近くの「日本橋・藤久」へ向かいます。座敷は埋まっているけど、カウンターには折敷が一つ。もう、お客さんはオ帰り?
  • 耳杯にフグの一夜干しの焼き物と昆布〆のカラスミ巻き・菜の花、ぼんぼりに生白子
  • お椀は、クエの白菜巻き、クエの皮、春菊、生七味
  • お造りは、あわび、ミル貝、北寄貝、赤貝、鳥貝、山葵
  • 桜に蛤の貝合わせの八寸は、筍の木の芽和え・モロコの南蛮漬け・海老の黄身寿司、軍鶏と三つ葉の和え物、氷魚も梅おろし、白魚のウニ焼き・空豆、タラの芽の味噌漬け・アナゴの細巻き
  • 桜鱒の塩焼き、皮の揚げたん、甘酢玉ねぎ
  • 伊勢海老の加減酢、モズク寄せ、うるい、塩トマト
  • 和牛・大根・下仁田ネギの山椒焼き
  • 青柳ご飯、若竹の止め椀、香の物
  • お菓子が、黒糖袱紗饅頭(粒餡)、梅蜜煮に白餡の焼き饅頭、鶯豆の鹿の子・求肥

先週に引き続いて「松の司・大吟醸・しずく斗瓶囲・2008(20BY)・兵庫県東条町山田錦精米歩合40%・金沢(自社保存株酵母・限定133/350本・1800ml&320本・720ml」を舐めましょう。印象は先週と変わらないな。今までの印象では、結構、変化のある酒だと思ったんだけど・・・・。

先付けは、フグ。耳杯には一夜干のフグの身を炙ったのと、昆布〆にしたフグでカラスミを巻いた物。昆布の旨味とカラスミの塩分がいい感じにまとまっている。ネットリとした〆加減だけど、昆布の嫌味がないので美味しい。六角のぼんぼりに生の白子。
お椀は、クエ鍋を再現したと言うお椀。脂のおおい腹身の部分だと思うけど、白菜で巻いてあります。クエ、白菜、春菊で、クエ鍋を再現したと言うわけです。薬味というか吸い口に流行(?)の「生七味」。生七味の辛さで吸い地が崩れるかと思ったけど、全然大丈夫。問題は、白菜で巻いたクエの一切れが大きいところ。熱々なんだから火傷しそうだし、噛み切れないし・・・。白菜の上に乗っている白いのが、熱でクルリンと丸まった皮の部分。グニュとした食感。

貝づくしといったお造り。アワビの一切れが大きすぎ。確かに口いっぱいのアワビは噛み締めるほどに旨いんだけど、噛み応えもある硬さだし、半分くらいの大きさの方が助かります。貝の中ではミル貝が一番好みです。
金漆も鮮やかな新調の蛤の器。軍鶏と三つ葉、味噌漬け、空豆はちと辛い。胡瓜なしのアナゴ巻きが美味しい。

蕾だけど桜の枝。金ぴかの光具合も真新しい蛤の貝合わせ。もうすっかり春の食材になっちゃたようです。筍は九州から。ご実家の筍はまだ雪ノ下?先日もだけど、ちょっと辛い味付けが多いと言うか、辛くなっちゃったのが多いと言うか?
焼き物は桜マス。皮は剥いで、今日も揚げて煎餅で出てきます。ポリポリ食っちゃいます。
酢の物は伊勢海老。モズクは寒天で固めたもの。熊本の塩トマト。酢の加減はしっかりスッパかった。
コンロに目鍋が乗って来て、和牛だ。タレにしっかり絡んで焼かれているけど、柔らかい。煮山椒タップリでピリピリ。肉の下には輪切りの下仁田。横に添えられた丸っぽいのが大根。
今日のごはんは「青柳」とご飯まで貝が出てきた。青柳も生で流通しているようで、馬鹿貝という呼び名の由来の馬鹿っプリを見せてもらった。一膳盛ってもらって、詰めてもらいましょう。止め椀は若竹の清汁仕立て。

いつもどおりにお菓子を欲張って3種類。黒糖袱紗饅頭(粒餡)、梅蜜煮に白餡の焼き饅頭、求肥と白餡の鶯豆の鹿の子。

集客に熱心とは思えない店なんだけど、☆の影響もあってアジアからのお客さんもたまにあるらしい。そういう人の情報源として、現地の日本のガイドブックに掲載されていたりするそうだ。取材の許諾や承認を得ることもなく、ガイドブックにデジカメの写真付きで乗っているそうだ。香港や韓国では寿司ばかりでなく和食も人気なんだそうだが、九州の料理学校は、韓国に日本料理の学校を開いたそうだ。という状況もあって、日本料理のできる料理人は現地では高給で迎えてもらえるそうです。日本人が出稼ぎに行くくらいならいいけど、日本の食材がどんどん流れるのは、頂けないね。高くても安全な日本の野菜が、日本人が食べられないくらいの高値になったら困るもんねぇ。
遅くに入店したので、さっさと食べる。こういう時は、酒量も減る。


平成23(西暦2011)年2月17日
日本橋・藤久」へ向かいます。座敷もカウンターも満席!
  • 渡り蟹の錦紙巻・ブロッコリー、渡り蟹の内子の塩辛
  • お椀は、キンコナマコと豆腐、このわた、ばちこ、筍、紅白梅、軸菜
  • お造りは、まぐろ、ぶり、もす(白子巻き)、焼き目ひらめ(縁側)、さより、いか
  • 八寸は、焼きモロコの昆布巻き、厚焼き玉子、白魚・ゆりね饅頭、しらす・長芋の海苔巻き、イイダコ、一寸豆、ヒラメの子の炊いたん、ノレソレ・菜の花、豆腐の味噌漬け
  • 白アマダイの塩焼き、皮煎餅、煮野蒜、橙
  • 貝(赤貝・鳥貝・たいらぎ・青柳)のてっぱい、土筆の穂
  • フグの白子鍋(ふぐ・焼き白子・てっぴ・大根・春菊・白髪葱)
  • 稲荷寿司、止め椀(蛤)
  • お菓子が、鶯餅(こしあん)、自家製道明寺の椿餅(粒餡)、あまおう大福

今宵は「松の司・大吟醸・しずく斗瓶囲・2008(20BY)・兵庫県東条町山田錦精米歩合40%・金沢(自社保存株酵母・限定133/350本・1800ml&320本・720ml」を選びます。開封直後に呑むと、キリットした口当たりだけど、徐々に甘味と香りが増してくる。林檎、梨、マスカットの混じったような上品さ香りと甘味。冷えすぎよりは、冷たいなぁと思える温度帯がバランスがいいようだ。
梅の枝を添えた先付けは、渡り蟹二品。梅花祭りに因んでの天神さんの牛さんの香合には「渡り蟹の錦紙巻き」、もう一つの香合には、オレンジ鮮やか「内子の塩辛・長芋の微塵おろし合え」。塩辛に酒が合うなぁ。

お椀は、節分らしいキンコナマコ。とても嬉しい食材。毎年妙な趣向ですが、今年は控えめ。豆腐の上にナマコを乗せてあるだけ。生の海鼠腸、干物のバチコも一緒。キンコナマコは蒸し缶のなかで三日ほどかけて戻したらしく、見た目はコリッとして噛みにくそうだが、実際は箸で割れるほどの柔らかさ。ナマコ自体に味はほとんど無いけど、こういう丁寧な仕事をしてくれるのが嬉しいのでした。
お造りは美味しいものばかり。勝浦で揚がった200キロの生マグロ。ニュースでも流れたらしい。品のいい脂の香りでした。ブリも甘い脂。生白子を巻いたもす(平すずき)は格別。ヒラメも負けない旨味。縁側も炙ってあります。サヨリもイカだって。
ヒイラギを添えた八寸。焼きモロコの昆布巻き、厚焼き玉子、白魚・ゆりね饅頭、白酢・長芋の海苔巻き、イイダコ、一寸豆、ヒラメの子の炊いたん。モロコは手を加えないほうが好きだ。大阪では小さいから無理して使わなくていいんじゃない?一寸豆・ヒラメの子の味が濃すぎ。俵の香合の中が味噌漬けの豆腐。こういう珍味には日本酒ですわ。福笑いの猪口にノレソレが生姜風味。

焼き物が白甘鯛。揚げたての皮煎餅から頂きます。鱗バリバリです。身の方は橙を絞って。付け合わせが野蒜。炊いてあります。
貝沢山のてっぱい。赤貝・紐・肝、鳥貝、たいらぎ、青柳をぐりぐりして扇面の器の中で「てっぱい」を作りこみます。
冬の定番「白子鍋」。白子を溶いた鍋出汁の中に、焼き白子・フグ・・他。グツグツとコンロに乗って出てきます。困ったことに美味しいのです。
ご飯は、お稲荷さんのお祭りということで、稲荷寿司が用意してあると言うので、頂くことにします。直前に、お揚げさんを切って裏返して、胡麻の聞いた寿司飯を詰めて出てきました。一口サイズ。吉兆スタイル。別バージョンでは温かいおこわの稲荷寿司もあるようです。蛤の味噌仕立ての止め椀。流石に料理屋さんの稲荷なんですが、お稲荷さんは、きつねうどんの狐みたいに甘い味でないと、稲荷寿司と言う感じがしませんね。プロの美味しさより、なじんだ家庭の味の方が美味しく感じるレアケースかな?

今日は満席で郁チャンが手伝いに来ているので、お菓子の説明も立て板に水。ここ数週間、鶯餅が食べたかったんです。ナチュラルな色合い。季節めいた椿や、でかいあまおう大福もプレゼンされてしまったら、味わいたくなるからしょうがないね。理想的な苺大福でした。


平成23(西暦2011)年1月18日
晩ご飯は「日本橋・藤久」へ向かいます。
あっと驚くお馴染みさん。そのお友達さんに心斎橋のデパートで見つけられていたようです。誰かと言うと、昨年10月に青森のお酒をゴチになったマダムらと御一緒の並び。来ると聞いてりゃ、重い酒瓶ぶら下げてきたのにぃ・・・・。

  • 先付けが、ひらめの「コマイ」の魚卵まぶし、ブロッコリー
  • ブリの粕汁、大根餅、鶯菜
  • お造りは、とろ、焼き霜の鯛、もす(平スズキ)、クエ、さより、白海老、ウニ、イカ
  • 八寸に、鴨のつくねの茶碗蒸し、イイダコの炊いたん・菜の花、百人一首の絵札皿にノレソレ・馬肉ロースの生・イカ味噌入りのイカすり身の揚げ、ドジョウの付け焼き、帆立のウニ焼き、蒸しアワビ、炙った白魚
  • 黒メバルの揚げ出し、独活の天ぷら、大根おろし、
  • 炊き合わせが、蕪、海老芋、蕗、蓮根、ごぼう、針柚子
  • シジミご飯、鯉こく、香の物
  • お菓子は、ももいちご大福、藪柑子(求肥の小豆餡包みの羊羹コート)
一本目は「義侠・純米原酒60%・無濾過生原酒・槽口直詰・東条町特A地区山田錦」は1月の新酒。軽く甘味を感じる爽快な酒。
乾山写しの色絵雪松図反鉢の盛られた先付けは、ヒラメにコマイの魚卵をまぶしたもの。魚卵は干してあるのかコリコリシャリシャリ。ヒラメは昆布〆かな。
煮物椀は、粕汁仕立て。もろもろの粕が浮くタイプでなくポタージュ風の濃厚な粕汁。脂の多い食材は粕汁が旨いと思います。あちこちで頂く酒粕はドロドロの粕鍋にしちゃいますが、お安い鍋の具材は豚バラスライス。香りのある野菜が合うように思います。
丹後の冬の味覚・寒ブリの昨年12月の京都府内の漁獲量が、平年の約20倍の320トンにもなったそうだ。その分どこかが減っているのか?

お造りは、いっぱい。お隣さんと話したりしてるんで、産地とか聞くのを忘れちゃいました。鯛はちょっと火が通り過ぎたかな?もうサヨリ。
八寸の、色絵百人一首和歌角皿は源宗千朝臣の「 山里は冬ぞさびしさまさりける(人目も草もかれぬと思へば)」という乾山写し。色絵皿だし、オリジナルは光琳の絵かもしれない。その上の壷壷にノレソレ。春だねぇ。炊いたイイダコ。春だねぇ。炙った白魚。春だねぇ。カウンターはドジョウの好き嫌いで盛り上がってしまいました。癖はあるけど、嫌わなくてもねぇ。

松の司・2010(22BY)・純米吟醸・選抜・生・竜王山田錦(環境こだわり農産物認証)精米歩合55%・自社保存株酵母・酒のやまもとPB:限定1000本/1800ml&300本/720ml」は12月の新酒。酒屋さんのPBで、通常の竜王山田錦の黒い(精米歩合の低い)お酒で、レギュラーより少し味が膨らんでますが、新酒の爽快さでいい出来にしあがってるみたい。松の司の生って少ないですから貴重だ。
油物は、黒メバルの揚げ出し。小鉢にツユがでてます。淡白なだけにツユに漬けるよりは、しっかり炊いたほうが好きだ。独活も加わって、春だねぇ。皮も揚げてあってパリパリ。
柚子の香る炊き合わせは、野菜ばっかり。
そろそろ欲しくなってくる寒シジミのご飯でした。でももうちょっと味を利かしてくれたらよかったなぁ。一膳たべて、詰めてもらいます。止め椀は鯉こく。白味噌仕立て。少し苦い、苦玉が混じったような口ぶり。瀬田の実家近くのスーパーが廃業して、そこで買っていたのが「瀬田しじみ」だったんですが買えなくなって数ヶ月。瀬田川は思ったより砂が多いのか、シジミも黒くないんです。もう一言注文をつけるなら、最近お酒が残りすぎのようです。
お菓子は、でかいももいちご大福。白餡を使ってあります。ほとばしる果汁。も一つのテカテカ光るのは、求肥の小豆餡で包みのその上から羊羹生地を流しかけたような説明。やっぱり作った本人が説明してくれるのが一番。


平成23(西暦2011)年1月11日
晩ご飯は「日本橋・藤久」へ向かいます。
ちょっと早く着いてしまった。慌てさせたみたい。ちょっとだけやのに・・・

  • 子持ちヒイカとワケギのぬた
  • 打出小槌と大黒袋のお椀は、伊勢海老、八頭餅、人参餅、黍餅、牛蒡、鶯菜、結び糸柚子、大根の薄氷
  • お造りは、マグロのトロと赤身、ヒラメ(+焼き霜の縁側)、ブリ、うに・イカ、岩茸、ツクバネの実、防風
  • 炭火焼きで、青首(ロース・ずり・はつ・肝)の付け焼き、ししとう、椎茸、葱、胡椒おろし、一味おろし、レモン
  • 赤貝と若布の酢の物、しょうが
  • クエの煮いたん、椎茸、豆腐、春菊、葱
  • 八寸?に、鶴皿に自家製コンニャクの炊いたんの松葉刺し・厚焼き・モロコの佃煮・ブロッコリー・シラサ海老・磯粒貝、俵の中は煮蛤のトロロ和え・チシャトウ(トムギ)、香合の中はノレソレ・生姜醤油
  • ニシンご飯、止め椀、香の物
  • 淡雪羹に抹茶小豆羊羹、桃山餡を包んだ求肥は椿見立て、白小豆粒餡の金団
今宵のお酒は「七本鑓・大吟醸・斗瓶取り・平成二十一酒造年度全国新酒鑑評会出品酒・山田錦精米歩合40%」としました。一口目は、杏や柿のような芳醇な甘味が口に広がるが、食べながらだと甘味が消えてすっきりした口当たり。料理の甘味が香りをマスキングしたかのようだ。
乾山写しの松の器にヌタ。ヒイカが旨い。

お椀は、福が来ればいいなぁという蒔絵。今日は残り福で笹持って来はるお客さんもいてはります。福のおこぼれをいただけた気分。雑煮の食材を餅を仕上げた三種という趣向。黍餅は焼いてあります。人参と八頭は葛でまとめてあります。大きい(伊勢)海老は長寿のしるし。吸い地はカツオが利いてます。糸柚子も結んでお目出度い。大根を薄くスライスして椀種を覆って、氷が張ったように見せるので「薄氷」。
鶴の器にお造り。産地は聞いてないけどマグロのカマシタから取った大トロと赤身。ブリは七尾?。マグロもブリも大きく切ってあるので、口の中が幸せな脂の香りが充満です。脂の乗った魚には、やっぱり日本酒だと思うなぁ。炙った縁側もいい香り。
コンロが出てきました。鴨です。前回は鍋だったし、今回は焼き。肝の香りに癖があります。唐辛子は利きすぎるので、胡椒が好みです。

一目見ると真っ黒だけど、深緑の新若布。隠れているのが大降りの赤貝、ひも付き。程よい酢の加減に赤貝が旨い。生姜も利いてます。
脂の旨味が口に溶け出す煮魚はクエでした。椎茸・菊菜・豆腐。摺り柚子のいい香り。
今日は出さないのかと思った八寸が、ここで出てきて珍味盛り合わせ的お皿。もうそろそろお酒を控えなくちゃいけないという頃合に、厳しい。俵の中には煮ハマにとろろ。チシャトウの事をトムギと呼ぶらしい。始めた聞いた。香合には、早くもノレソレだ。松葉に刺したのはムカゴかと思ったんだけど、自家製のコンニャクを醤油で甘辛く炊いたもんだった。手作りからかザラザラ感のある味が染み込みやすそうなコンニャクでした。なんだがズングリムックリのモロコ。モロコにもいろいろ種類があるからね。遅くに入店したお客さんには先付け八寸で出ていたので、むちゃが予約時間より早く入店したせいで、一品目に間に合わなかったんかな?

今日のご飯は「ニシン」。一夜干のニシンを焼いて釜に入れてくれたようです。数の子も入っております。刻んだ昆布も入ってます。蓋を取ればとてもいい香りが立ち上りましたが、なんの香りだったんだろう。一膳でお持ち帰り。大根の味噌汁。胡瓜の浅漬け、蕪の酢漬け、長芋の漬物。
お菓子三個。


平成22(西暦2010)年12月7日
日本橋・藤久」へ向かいます。お客はカウンターだけのようです。忘年会のピークはまだのようだ。

  • 河豚の焼き白子蕪蒸し風、人参
  • お造りは、大間のマグロ、ブリ、鯛、赤やがら(たたき風)、ウニ、イカ
  • お椀は、蟹味噌入りの慈姑餅、蟹のほぐし身、吉野仕立て
  • 藁屋の八寸の藁屋には赤なまこ・トロロ・バチコ、壷壷には、アンコウの肝煮にとんぶり・松の実、ブリの腸豆腐、鰻の山椒焼き、牡蠣の赤カブ巻き、酒粕の柿巻き、姫慈姑、松葉にチシャトウ・山牛蒡の蒲鉾海苔巻き
  • 箱河豚の味噌焼き
  • でこぽん釜には、タイラギの貝柱・でこぽん・赤大根おろし・ほうれん草
  • 小鍋仕立ての鴨鍋、鴨(ロース・もも・丸)、焼き下仁田葱、水菜
  • 鴨飯、赤足(?)海老と海老芋の白味噌の止め椀、香の物
  • 亥の子餅、白餡巻き
今日は「七本鑓・純米大吟醸・渡船・生原酒・木槽垂れ口直汲・渡船精米歩合50%・21BY」を呑んでみましょう。外気温に近い温度ではイチゴやバナナのような香りが高い。温度が下がってくると香りが落ち着くので、冷やしすぎないほうが楽しめます。七本鑓も喉越しが綺麗です。
温かい蓋付きの陶器の先付け。蕪蒸し?そこをほじくると焼いた白子だ。あの「おくりびと」で山崎努が「旨いだよねぇ・・・困ったことに」という台詞が思い浮かぶ焼き白子だ。そのままの台詞を言いたくなる。でも餡と絡まってこっちの方が旨いかも・・・。梅のように乗ったのは金時人参。床しい名前を口走っていたけど、忘れてしまった。

おや、お造りが先に出ました。大間のマグロ。近海物が順調(?)に入荷しているのかな?20キロのブリは北の方のだとか。四分一の腹身で仕入れたという代物で、綺麗なピンク色。隠し包丁を入れてくれているけど醤油を弾いてしまう。脂を流してくれるという人もいる日本酒だけど、完全に脂の勝ち!珍しい赤やがらも1mを越える大物だったという。たたき風に炙ってあります。実がしっかりして舌触りは鶏のささ身みたい。
お椀は、蟹。蟹味噌色した団子が中にありますが、つなぎ(?)が分かりません。ニュルンとした食感ですが、慈姑で固めてあるそうだ。全然慈姑を使う意味が分からない。それに、お椀の清汁に蟹味噌の味は強すぎるねぇ。
雪の積もる藁屋の八寸。中は茶ぶった(?)ナマコで歯ごたえの無いグニュグニュ。少しはコリコリ感を残して欲しいところだね。若手スタッフが剥いた割りに綺麗な出来の慈姑。と思ったら失敗はいっぱい出来てるそうだ。そうか!とひらめいたのは、お椀の蟹味噌を慈姑団子にしてあるのは慈姑の処分だったのねぇ〜ぇ。酒粕を干し柿で巻いたのは、案外いけます。甘さと酒粕の荒い新酒の香りが微妙な味わいです。濁ったお酒を好まないので、ばくばく食べたい一品ではないけど、おつな一品。

ツーという前にカーで答えてくれる藤久である。というのも、午前中になにげなく「魚の図鑑」を見ていて、ふと目に留まったのが「はこふぐ」。そういえば、ここ数年食べてないなぁと思っていたのでした。まさか出てくるとは・・・。蓋になっているお腹の厚い皮(挟みで切り取っているんでしょう)を取ると、肝を味噌で溶いて河豚の姿のまま焼いたもの。身はほとんど無いけど、箸でせせって混ぜ混ぜ。味噌がちと塩辛いのが難点ですが、セセッた白身を頑張って混ぜます。塩を使ったのかな?控えめにしてくれなきゃ。箱河豚のフグを取り出せましたが・・・・こんなのかぁ。全部食べつくすと、フグの背骨はこうなっているのかぁと、理科の勉強になります。

でかい「でこぽん」は大分県日出町産。その中に、タイラギの貝柱・でこぽん・赤大根おろし・ほうれん草。圧倒的に使われていない部分が多いようだが、KOTIKAZEの余り物でしょうか?最後は蓋を箸で突きまくって果汁を搾りきりました。
ここで、今日のご飯の具材を聞いてきました。蟹・ぶり・牡蠣・おこぜ・・とか名前が挙がります。その中から「ブリご飯」といったけど、ふと「鴨はまだ早いですよねぇ」なんていうと、次が鴨鍋とおっしゃる。ツーと思う前にカーだ!重なっていいから鴨飯にチェンジ。その前に小鍋で「鴨鍋」。焼いてトロトロになった下仁田ネギ。鴨はロースに腿。丸(がん)も作ってくれてあります。鴨には水菜より芹が好きだ。新潟で獲れた青首。今日は首実検をするのを忘れた。
で、次は急遽(でもなく余裕で)炊いてくれた「鴨飯」。やっぱり「一年に一度は食べておきたい釜飯」ですから、食べられるときに食べとかなきゃ。ちょっとゆるめにしっとり(ベチャベチャではなく)炊かれてますが、艶々。冷めた頃にはもっと美味しくなっているでしょうから、一膳でお持ち帰り。お腹にぐっと来るのは、海老に(くりぬいた)海老芋の味噌汁。芋は腹に溜まるからなぁ。芥子はお決まりやね。どうも、粘りと肌理の点でいまひとつの海老芋は高知産でした。
亥の子は「たかきび」を混ぜた餅で、小豆・胡麻・くるみ餡を包んだもの。


平成22(西暦2010)年11月16日
今日はゆっくり食べられる時間帯に入店する「日本橋・藤久」。
カウンターはほどほどで、座敷は一組のマイペースな状況です。客にとっては、いい具合のゆったりですけど・・・店にとっては、どうでしょう?

  • 帯止めの陶箱に油物で、ももちゃん蟹の足、酢橘
  • 雲錦筏の椀には、牡蠣の蕪蒸し風、白板昆布、軸菜、紅葉ニンジン、松葉柚子、吉野仕立て
  • お造りは、大トロ、ももちゃん蟹足、くえ、カンパチ、赤貝、イカ、ウニ、水前寺海苔
  • 柚子釜五種の八寸には、ムカゴと海老の餡かけ和えと銀杏煎餅、牛蒡と湯葉の海苔巻きと蟹味噌団子、連子鯛のカラスミ巻きと甘酢ブロッコリー、帆立と昆布〆蕪、ナメコと自然薯に三つ葉
  • 焼き物が、トラフグの一味焼き(白子も)、河豚の煮凝り、松葉に刺した酢取りカリフラワー
  • 小鍋仕立ては、かわはぎ(肝入り)、本シメジ、豆腐、菊菜、しらが葱、チリ酢
  • しじみ飯、止め椀(蕪と卵)、香の物
  • お菓子が、林檎饅頭(白餡・肉桂風味)、栗羊羹にかるかん、薯蕷饅頭(粒餡)
今晩のお酒は「喜楽長・大吟醸・金賞受賞酒・平成22年全国新酒鑑評会金賞受賞酒・山田錦精米歩合40%(出品タンク)」としました。もう斗瓶の味を忘れているけど、フルーティーで旨味十分。料理によっては酸味が残るときもあるけど、喉越しはキレる。お酒だけ呑むと疲れるけど、料理と一緒なら美味しい。

底だけ温かい蓋付きの器に天ぷら。蟹だけど間人蟹のモモちゃんだそうです。なんやそれ?普通の松葉の澄む深さと異なるところに生息しているという説明でした。親指が少し細めで、腹が少し桃色をして、少々小振り600gくらいが大きい方です。殻は少し柔らかめで食べやすく、普通の松葉蟹ど変わらず身は甘く大変に美味しいという情報。蟹足をそのまま揚げてますのでバリバリ食っちゃいます。蟹足の天ぷらも旨いですなぁ。
お椀は、蕪蒸し風に牡蠣をつかってます。白板昆布が浮いて吉野仕立てでしっかり味。昼に牡蠣を食べたんだけど、出る予感がしてたなぁ。
お造り、7種。青森三厨(みんまや)産のマグロ。解けるような柔らかで甘い蟹。コリコリのカンパチ。

折箱に入った八寸は、柚子釜5個。柚子釜の包丁の入れ方はもっと勉強しようね。角度も(直線でもない)長さもグダグダでした。でもそれぞれはグダグダではない。トロトロの芋とナメコはあります。ムカゴとえびの組み合わせが好き。難をいえば、連子鯛が大きくて噛み切れないので、一口で食べなきゃいけなかったことかな。一口でカラスミを食べる贅沢さはあわえるけどね。
焼き物は河豚。年々辛味を柔らかにしてくれているので、痺れがない。骨付きのいわば「あら」を付け焼き。白子もね。「白子を焼いて食べる」と「おくりびと」のワンシーンを思い出してしまう。「旨いんだよねぇ。困ったことに」。かなり歯ごたえのある煮凝り。
小鍋仕立ては、カワハギとかなりでかい本シメジ。カワハギは肝と絡めて頂きます。本シメジはゆっくり鍋出汁に旨味を出してから味わいましょう。残った鍋出汁も、別の容器に移してもらって、頂きます。

〆のご飯は「シジミ飯」。今日は醤油の色が普段より濃い感じ。お米は妙にムッチリ。なんかいつもと違うなぁ・・・。一膳だけで、お腹いっぱいなのでお持ち帰り。


平成22(西暦2010)年11月11日
文楽の幕が下りて、ラストオーダーも迫っている「日本橋・藤久」へ向かいます。
心持、急いで食べましょう。

  • 先付けの八寸の藁包の中は、牡蠣豆腐、桜海老の蒲鉾、赤葱の甘酢、松葉に刺したムカゴのアーモンド粉揚げと肉巻き牛蒡、香合(?)にはほうれん草の根の金平、小鉢は軍鶏と根三つ葉のお浸し、蓮根・紫芋・慈姑のチップ
  • お椀は、子鯛(ちゃりこ)とすり身の団子、松茸、軸菜、紅葉ニンジン、松葉柚子
  • お造りは、トロ、鮭児、くえ(皮)、ウニ、いか、水前寺海苔
  • 鮭児の焼き物
  • 炊き合わせは、インゲンの湯葉巻き、大根、金時にんじん、小芋、黄柚子
  • 焼き蟹ツメ、蟹味噌の茶碗蒸し
  • セコガニのご飯、止め椀、香の物
  • 小豆餡に練り切り包み、浮島

今夜のお酒は「七本鑓・大吟醸・斗瓶取り・平成21年酒造年度全国新酒鑑評会出品酒・山田錦精米歩合40%」にしましょう。 磨いただけはある綺麗なお酒ですけど、出品酒としてはインパクトがないなぁ。火入れして落ち着いたのかな?ということで食事には全く問題が無い。
秋の稲刈りの時期に出てくる藁包(納豆をくるんでる奴)は、本物なら蒸し器にそのまま入れて使うんだけど、これは陶器。イチョウを除くと・・・(思い出せないのもあるかもしれないけど)いっぱい。スタッフが、一つ一つを教えてくれるんだけど、まだまだたどたどしい、ということを初々しいとも言う。

立浪のお椀。「ちゃりこ」はマダイの幼魚で子鯛とも。それを三枚に下ろして、すり身に巻きつけた蒲鉾風の椀種。まだ松茸でした。
紅葉の大鉢にお造り。なんだか妙な鮭が真ん中にあります。店に似つかわしくない高額な鮭のようですが、一年に一回ぐらいは頑張るんだそうです。半身で買ったそうですが・・・。ジワーと脂が浮いてくるほどですが、安物サーモンよりは上品な脂。わずかにサーモンの香が口に残ります。津軽海峡で泳いでいたマグロの大トロ。クエはいい寝かせ具合。ウニは淡路。(追記:11月11日は「十一十一」を重ねると「圭」となって鮭の「圭」になるということで、「鮭の日」だそうです。それにあわせての鮭児だったと理解した。2010-11-15)
焼き物は、お高い鮭の頭とか(つながってるけど)カマとか、腹身の剥き身とか・・嬉しい嬉しい。手に持って食べても、油が指についても、魚臭くないんです。でかい鮭児を想像したんだけど思ったより小振りの魚体だったようです。

炊き合わせは、お弁当のそれにさも似たり。

カウンターに座っているとシャーという蟹足をそいでいる包丁の音がしきりにしてます。解禁した松葉蟹がチャント出てきます。間人産。出方がおかしいやんと言う甲羅。ツメの付いた第一足(?)が二本。焼きガニですな、蟹酢じゃなくて生姜だけ出てきました。何もつけない主義ですからどうでもいいけど。さて、甲羅を取ると茶碗蒸しでした。蟹味噌が乗ってます。足をホジホジして食べもしますが、ホジホジした蟹の身を茶碗蒸しに落として、絡めて食べてもいけますなぁ。

ご飯も蟹。こっちはセコガニですな。生姜の風味ですが、薄味。一膳だけで、詰めてもらいます。とろろ芋を海苔で巻いたんが味噌汁の中。

お菓子は、二つで控えます。まだ慣れないスタッフが名前を教えてくれないので分からないけど、緑と黄色の練り切りは・・・イチョウ?もう一つ浮島。両方ともに小豆餡。


平成22(西暦2010)年11月9日
文楽公演の幕間25分の休憩で、お弁当タイム。ちょっと短いよぉ!


平成22(西暦2010)年10月19日
晩御飯は「日本橋の☆」へ向かいます。まだお客さんがダレもません。
  • 白子豆腐、葱
  • 鯛の潮仕立て、軸菜、紅葉ニンジン、松葉柚子
  • お造りには、イカとウニ、カワハギの肝和え、赤貝、しまあじ、かんぱち、鯛(皮)、ポンス醤油、山葵、醤油
  • 笛に琵琶で飾られた八寸には、琵琶の器にタコの柔らか煮と鯛の子、笛の中には栗の渋皮煮・黒豆枝豆の掻き揚げ・あんきもの鯛巻き・アジの龍皮巻き・紫芋鋳込みの蒲鉾、渡り蟹の錦紙巻き・干し牡蠣の大和芋巻き、ホウボウの塩焼き・骨煎餅、ホウボウの卵と肝の塩辛
  • 牡蠣と茸(黒皮茸・香茸・赤茸・しめじ・松茸)のバター醤油焼き、スナップエンドウ、レモン
  • ほうれん草と木耳のお浸し、黄・紫菊花、針栗
  • はりはり小鍋(ナガスクジラの赤味、ミンククジラの鹿の子)
  • 白バイ貝の炊き込みご飯、止め椀、香の物
  • お菓子が、銀杏、白菊、リンゴ大福
今宵も「松の司・渡船・純米吟醸・2009(21BY)・渡船6号(環境こだわり農産物認証)精米歩合50%・金沢(自社保存)酵母・限定800本/1800ml」。なにも考えずにクイクイと盃がすすむなぁ。
先付けは、もうタラの白子。ねっとり。微かにピンク色を帯びてます。わずかに生臭さを感じるのが残念。デジカメの中にメディアが入ってないことに気づいて、今日は携帯のカメラで撮る。他にお客さんもいないので・・・・パシャ音もいいでしょう。

朱塗りのお椀に鯛の潮仕立て。目玉とカマ。シンプルな椀だけに、喉の奥でカツオが香る吸い地。いつもは椀種の旨味が吸い地に出ている感じといえば、いいかな。
お造りは四方皿。イカはいつもより更に細く造られている。肝和えのカワハギはポンス醤油で。シマアジとカンパチとが旨い。腹身の脂の乗ったカンパチでコリコリ。
八寸には月見の管弦やね。こういう風に箸が迷いそうなときは、暖かいものから食べます。骨煎餅ボ〜リボリ。塩辛はチビチビですな。鯛巻き・龍皮巻き・錦紙巻きは酒に合います。

八寸でホウボウが出たこともあってか、少し変わった焼き物。どこの牡蠣か聞くのを忘れたけどバター醤油で焼いて絡めたもの。信州産の天然茸は5種里。赤茸って記憶にない。牡蠣より茸が嬉しい秋です。国内産のマツタケが豊作で値崩れ状態だとか。バブルの時期の十分の一ぐらい。今を逃しちゃいけませんねぇ。
お浸しは、木耳を薄くスライスしたものとほうれん草。彩りに黄色と紫色との菊の花、その上に、栗を細打ちしたものらしいけど、味はわからないよ。
コンロに鍋が出てきた。赤い肉が乗っているけど「鹿の子」やね。生でもいいというので、パクつく。その下には葛を打ったナガスの赤味。ハリハリですから水菜はもちろん入ってます。臭みは気にならないぃ、鍋出汁も旨いしぃ。今から20年ぐらい前まで、鯨が食えなくなるって大騒ぎしていたけど、体当たりして妨害する馬鹿はまだまだいるけど、ちゃんと供給されているようで安心ですな。徳家の女将がIWCの総会とかにアピールに行っていたあの頃の危機感はなんだったのでしょう?いまだに鯨料理店が潰れたと聞かないシィ?
今日のご飯は「白バイ貝」。貝は甘いけど、炊き立てのご飯は少しお酒が残っているようだ。一膳で持ち帰る。明日にはアルコールも飛ぶでしょう。

まだ食べてないお菓子を3つ頂く。イチョウは練り切りに小豆餡。白菊は小豆餡に薯蕷。リンゴ大福はニッキが香ってます。

主任が寿退社して以来、若いフタッフが順番に持ち場をシフトしてます。頑張って、料理を説明してくれますが、更に詳しく問いかけると、いまいち完璧でなく抜けがありますな。頑張りましょう!


平成22(西暦2010)年10月12日
晩御飯は「日本橋・藤久」へ向かいます。先客一組。早々に食べ終わられたので、貸切。来週は☆取りなんだけどど、どうでしょうねぇ。Qちゃんはとぼけてますが・・

  • たもぎ茸とほうれん草のエゴマ和え
  • 土瓶蒸しには、天然シメジと河豚・菊菜、酢橘
  • お造りは、鯛(皮)、車えび、ウニ、コシオ、焼き目をつけたカツオ、イカ、エビ頭、ポン酢醤油、醤油
  • 八寸は、アケビ・軍鶏の味噌煮、煮サザエ、メヒカリの昆布巻き、トマピーとアンキモ、アボガトのサーモン巻き、松風、帆立の黄身焼き。牡蠣の磯部巻き、芝栗のイガ揚げ
  • 松茸を巻いた太刀魚の塩焼き、黄身芥子蓮根、黒豆の枝豆、酢橘
  • 柿釜に、柿ナマス
  • シモフリカジキの煮付け、小芋、ほうれん草
  • 藻屑蟹ご飯、止め椀、香の物
  • お菓子が、栗きんとん、栗饅頭、ハロウィーン饅頭
今宵は「松の司・渡船・純米吟醸・2009(21BY)・渡船6号(環境こだわり農産物認証)精米歩合50%・金沢(自社保存)酵母・限定800本/1800ml」で食事にします。リンゴやパイナップルのような香りにポッテリした甘味。とはいってもクドイ甘味では無い。お酒だけでも美味しいし、香りはあっても料理を選ぶようには感じないし、酒が料理を限定することも無い。
縦長のノゾキの底にエゴマ和え。胡麻よりいい香り。キノコはタモギ。
土瓶蒸しが出てきました。信州の天然のシメジが数本に早くも河豚の身。当たりまえだが松茸とは違う旨味と香りが、嬉しい組み合わせ。
お造りは、6種。鯛が美味しくなってきた。今シーズンのベストな鯛だった。「こしお」は「かんぱち」の幼魚。
駕籠の八寸。酒盃にはアケビ。軍鶏と一緒に味噌で炊いたもの。柿の葉っぱを取ったところで記録。休みの日に、三田まで栗拾いに行ってきたと言う芝栗が揚げ物。片腹でスタッフが渋皮煮の為にズーっと皮むき。自分で拾ってきたのだから剥かなきゃしょうがないけど、今時、店で一つ一つ剥いてる店は無いんちゃうかなぁと・・。コストパフォーマンスという言葉があるけど、原価だけでコストを考えてはいけないなぁと思いますなぁ。イガはジャガイモで出来えます。不思議な野菜は「トマピー」。トマトの形をしたピーマンだけど、色は緑。
焼き物は太刀魚で松茸を巻いたもの。いい香り。芥子よりも黄身が多くてほとんど辛くないのは、料理屋の仕事ですねぇ。栗と同じく三田の畑でむしってきた黒豆の枝豆ですが、まだまだ実入りが悪いそうです。ほとんど色づいてません。というか、栗も枝豆も天候の勢で不作だそうです。じゃ栗羊羹なんかが有名な和菓子屋さんは大変やなあぁと思うんですが、やっぱり中国産でしょうな。

平種(?)柿を繰りぬいた中に「柿なます」。短冊や細切りにするのは良く見かけますが、ころっと丸にくりぬいた柿。胡麻和え。器の柿を削り落としながら胡麻ペーストをチマチマと舐めるように食べきった。旨い。
大鉢に煮付けはカジカ。一度「止め椀」に出てきましたが、どうやら丸々一匹。頭はほとんど食べるところは無いけど、せせります。身の他に、肝・白子・胃袋。
ご飯は、季節に一度は食べたい炊き込みご飯の「藻屑蟹ごはん」。いつものように一膳頂いて、持ち帰りです。ここんところの中国の態度も加わって、上海蟹を食べる気は全く起きませんねぇ。蟹の棲む中国の湖は流れが全然無くて自然と泥が堆積するようになってます。そこへ上流から重金属や有害化学物質が流れ込んで堆積した泥の中に棲んでいる奴よりは、日本の川蟹のほうが安心できます。
お菓子は、栗に栗に南京。しっとり栗きんとん。渋皮の入った栗きんとんを餡でくるんで芥子の実で化粧した栗饅頭。毎年のハロウィーン仕様の白餡入りの南京饅頭。

最後は、Qちゃんも栗剥きしてはります。
涼しくなって、過ごしやすい気候になってくると、食事に集中できるようになってきて、味覚が増すような気分になれるなぁ。美味しいものは美味しく、不味いものはより一層不味くなる・・かな?


平成22(西暦2010)年10月6日
青森へ旅行してきたお馴染みさんが、向こうで買っていたお酒を振舞ってくれるというので、ホイホイと「日本橋・藤久」へ。お馴染みさんのお友達と三人でカウンター。

  • 子持ち鮎の餅粉揚げ、骨煎餅、銀杏、酢橘、塩
  • お椀が、丸満月豆腐、おぼろ昆布、芽葱
  • お造りは、鯛(皮)、炙りのどぐろ、白バイ貝、とろ、ウニ、炙りカツオ、赤貝、いか
  • ススキの八寸は、高杯に軍鶏でなんかを巻いたん・ヒラメの昆布巻き(長芋・サーモン・胡瓜入り)・鯛の紫じゃが芋巻き、琵琶の小鉢にイカの塩辛、ウサギの器には擬製豆腐、玉子焼き、四角豆、イチジクのサーモン巻き、なんだったかなぁの海苔巻き、アンコウの肝、煮栗
  • (バショウ)かじきのバター焼き、白髪葱、みず、レモン
  • 渡り蟹、かに味噌掛け、寄せオクラ
  • コンロで焼くのは、松茸、舞茸、牛、柚子、割り醤油
  • ひしの実ご飯、シジミの味噌汁、香の物
  • 抹茶のシャーベット、こなしの「フジバカマ」、練り切りの「オミナエシ」、外郎の「キキョウ」
ご相伴に与かったのは、青森の「菊乃井・大吟醸・稲村屋文四郎・山田錦精米歩合40%・青森県酵母」と「豊盃・大吟醸・しずく酒・精米歩合40%」というのん。文四郎は深みのある香りが喉の奥で広がる穏やかなイメージ。喉越しはさらっとしてます。豊盃はさらに花のような香りと柔らかな甘味も加わって軽やかな味わい。これもサラリと喉をすべる。

先付けは、油物。三枚に下ろして、身はクルクルと巻いて餅粉揚げ、中骨と頭は素揚げ。塩も酢橘も使わず。
お椀でお月見。丸入りの満月豆腐(玉子豆腐)。月にかかる雲は、おぼろ昆布で表現ですな。
三日月の向鉢にお造り。ノドグロを炙るのは流行っているのかな?
青森の土産話を聞いているので、出てきた酒肴を記憶できていない。海苔巻きの中身はなんだっけ?軍鶏で巻いたのはなんだっけ??
途中で「松の司・2009(21BY)選別純米吟醸・ひやおろし・竜王山田錦精米歩合(麹米50%&掛米55%)・環境こだわり農産物認証・金沢(自社保存)酵母・限定300本/720ml&700本/1800ml・酒のやまもとオリジナル を注文。お土産のお酒に比べると黒い(精米歩合が高い)お米だけど、味わいは殆ど変わらない。豊盃に近い印象を受けた。

珍しい焼き魚はバショウカジキ。初めてですな。バター焼きというけど香りは控えめ。珍しいけど、スゲェ旨い魚でもないね。久しぶりにご対面のミズ。
渡り蟹は醤油風味のゼリー寄せ風に固められて、蟹味噌掛け。なにかで伸ばしているのかな。いい仕事してあります。オクラは叩いて寄せてあります。美味しい。
黒龍(スペック不詳)」や「磯自慢・純米吟醸・杜氏多田信男・山田錦麹精米歩合55%&掛精米歩合50%・自社酵母・酒のやまもとオリジナル 」も注文しちゃってる。
コンロが出てきて、焼きキノコ。ここになってマツタケの値段が下がっているらしく、信州産の松茸と舞茸。牛さんもつけてくれました。牛肉には袋状に切れ目を入れて実山椒が隠れてました。割り醤油。
最後のご飯は菱の実のご飯。菱の実は、甘味の無い栗、硬めに蒸したジャガイモ、百合根にも似たような味。なんだか飽きの来ない味だ。そんな実だけの割りに旨いなぁと思ってたら炙った軍鶏のお肉さんが、同じサイズで刻まれて入ってました。東郷のシジミ。一膳でお持ち帰り。
お菓子は、秋の七草の名前をつけた三品を頂く。他の4種類は既に作ったらしい。すべて粒餡。オバナってどうしたんでしょうなぁ?

結局、酒代すべて持っていただきました。ごっちゃんです。


平成22(西暦2010)年9月7日
予約の時間に合わせて「日本橋・藤久」へ。先客一組は、今年東海地方で独立するというチームのようです。

  • 焼き茄子の胡麻豆腐、伊勢海老・ウニのトッピング、白髪葱
  • お椀が、菊花蕪、松茸、黄菊、菊菜
  • お造りは、戸井のまぐろ、カツオのたたき、鯛・皮、あじ、たいらぎ、赤貝、いか
  • 菊の八寸は、牛タン・島ラッキョウ・モロミ味噌、鯛の子巻き・芋栗・エビ、サーモンと枝豆の市松・新イクラ・オクラたたき、ゴリの飴煮、山くらげ・トビウオの昆布巻き、織部しいたけ・豆腐の味噌漬け・鰯の梅煮
  • 太刀魚の塩焼き、紫菊オロシ、銀杏、小茄子
  • 冬瓜の冷やし鉢、アワビ・肝・半熟卵、かぼす風味
  • 藻屑蟹の茶碗蒸し、百合根
  • 菊ご飯(鯛飯)、シジミの味噌汁、香の物
  • 蓮根餅(小豆餡)黒蜜掛け、ブドウ餅(白餡)、キセワタ(練り切り)
先付けは、胡麻豆腐に焼き茄子を混ぜ込んだ一品。茄子が多いので食感はボソッとしているけど、香りがいい。伊勢海老のひげが飾ってあります。分かりやすい。紫交趾の菊の背後に紅葉が散る秋らしい器。そういえば暖簾の色も・・・・。
今日は「善知鳥・大吟醸・百四拾・精米歩合40%」。最初、涼冷え(15度くらい)?で一口飲んでみると、一気に南国系のフルーツや花の香りがブワーっと広がる。その後、スーッと香りが消えるのが好感もてます。喉越しも円やかで、よろしいなぁ。冷えれば、更に口当たりが軽くなる。

お椀は、菊に飾り切りした蕪。黄菊がもってあるので、吸い地に散らせば、あらあら綺麗。
お造りは、7点盛り。秋になって鯛を使い始めたようです。いまでも海水温が30度くらいあるそうで、漁であげてくると、自然と霜降り状態になるそうで漁師さんも困っているそうだ。特に、養殖で浅い海で育てている鯛は、ちょっと想像すると可哀想ですな。良く寝かした鯛のようだが、旨味はまだまだこれからかな?鯛皮の脂の旨味が助けてくれます。アジ、イカ旨し。カツオは腹身の部分だけど、切り分けてからタタキにしてくれます。腹身の薄い部分だけど、きっちり真ん中がピンク色になってます。これだけポンス醤油。戸井のマグロがいただけます。なんとなくではあるけど、戸井の対岸の青森の「善知鳥(田酒)」と一緒に頂くと旨く感じるものです。

菊の八寸。花は黄交趾と交趾で、葉は緑交趾。実際の花も。さて、たどたどしい説明がウイウイしい。小さいゴリの飴煮はシャキシャキで炒り煮みたい。小さいゴリなので、大阪にはこんなコンマイのしか入荷して無いのかと疑ってしまった。まるっぽの山くらげはニュルンと炊かれています。鯛の身で魚卵を巻いた子巻き。「鯛の子」の巻物ではなく、鯛の「子巻き」。市松にしたテリーヌ(?)は首をひねる。イクラだけで十分です。

太刀魚をくるくる巻いて塩焼きした焼き物。菊の葉敷き。上から紫の菊花を混ぜたオロシを掛けてあります。柚子風味。銀杏と茄子は揚げてある。
冷やしもので、冬瓜。カボスの果汁で風味付けした冬瓜のスープ(?)が、美味しい。とっても美味しい。むちゃくちゃ美味しい。アワビも柔らかく蒸されてますが、かすむほど。
暖かい蓋椀に茶碗蒸し。濃厚な黄色い茶碗蒸しの上に、藻屑蟹。生姜の風味が利いてます。
今日のご飯は、「菊ごはん」だそうです。お釜の蓋を取ると、菊の黄色い花弁と紫の花弁が散ってます。でも紫色は見ようによっては「ひじき」みたい。菊だけでは美味しくないなぁと思って、良く見ればベースは「鯛めし」でした。一膳頂いて、詰めてもらいます。

食後のお菓子は、リベンジの「蓮根餅」。前回美味しくないと言ったもんだで、チャレンジしてくれたようだ。蓮根以外のものが混じったのか、色が淡くなってツルリンとした食感が勝ってきた。ほのかに香りが残っている感じで、黒蜜との相性もいい。ブドウを刻んだ葛(寒天?)で白餡をくるんだのと、菊の節句(重陽)にちなんだ名前「きせわた」をつけた練り切り。キセワタのワタの部分が乾燥し始めていたのが、残念。惜しい。

藤久さんでは、主任があがって、若手の三人が合議して持ちまわりを変えているそうだが、賄いも三人で考えているそうだ。三食とも賄いだけに、Qちゃんも毎日ドキドキしているらしい。食べられないものもあるとかで、どんなんやろと妙に気になる。で、路地の西側に出来てる「」という居酒屋にちょくちょく行って呑んでいるらしい。
混雑して無いだけに、食事も早いペースですすんで、2時間余り。外にでると雨がパラパラ。せっかく前回借りて帰ったビニ傘を、期間延長して借りることにして、帰ります。でも、岸和田は降ってなかった・・・。


平成22(西暦2010)年8月24日
パラパラ降ってきたけど無視して、晩御飯の「日本橋・藤久」へ。やがて満席のカウンター。郁ちゃんもお出まし。
  • 先付けは、オクラ、椎茸、エビ、半熟卵の黄身
  • 朝顔のお椀は、鮎の一夜干と胡瓜葛素麺、絹さや
  • お造りは、アマテカレイ(+肝)、鳥貝、ヒッサゲ、淡路のウニ、いか、オコゼ(+湯引き、肝、皮、浮き袋)
  • 朝顔の八寸は、秋刀魚のオイル漬け、ゴーヤと茗荷の炊いたん、新イクラ漬け、塩豚(大山豚)、鱧の子。鱧の肝、枝豆、蒸しアワビ、百合根、ウオゼのお寿司
  • キンキの塩焼き、熊本の新銀杏松葉、トウモロコシの掻き揚げ、酢橘
  • もくず蟹、青瓜、酢橘
  • 緑竹と軍鶏の鍋、三つ葉
  • はもご飯、止め椀(茄子入りの卵豆腐)、香の物
  • デザートのお菓子は、小豆餡入りレンコン餅・黒蜜、和三盆の琥珀羹、桃の葛饅頭
今宵のお酒は「東光・大吟醸・袋吊り壜囲い・平成21酒造年度金賞受賞酒・山田錦精米歩合35%・限定No191/500本/720ml(100本/1800ml)」というのんにしました。マスカットや梨のような爽やかな香り。含み香は桃やメロンのようでもあるし、厚みがある。ちゃんと冷えてくると、香りは抑制されて、円やかな味わい。明記されて無いけど、山形酵母でしょうか?
先付けは、オクラ、椎茸、エビ、黄身とくれば、素麺のトッピングじゃありませんか?

朝顔の描かれたお椀は、一夜干(風干?)鮎の焼いたんと、にゅるにゅるの幅広の素麺。なんだか良く分からないけど、鮎には胡瓜という組み合わせで、葛でまとめた素麺だそうです。絹さや。吸い口はないけど、鮎の焼いた香ばしさが蓋を取った途端に立ち上がる。
お造りは・・・氷が無いのは珍しい・・・肝が目立て嬉しい内容。カレイとオコゼは生で十分旨味がある。肝は格別。皮まで旨いオコゼ。ウニも旨い。で、ヒッサゲや鳥貝がかすむ。
朝顔の八寸。誰が作っているのか聞いたけど、Qちゃんがはっきりと答えてくれないところを見ると、自分で作ってるんだろうなぁ?こんなものが美味しいと思ったのが、ゴーヤと茗荷。醤油で炊いているんだけど、甘くもなく辛くもなく、「酒の肴」というより「ご飯の友」だねぇ。筒切りのオイル漬け(オイルサーディン風)の秋刀魚。小さくて痩せて脂も乗ってなくてそれでも高かった新秋刀魚も、良くなってようです。それでも値はそのままで一匹800円前後だそうだ。ということはスーパーで見かける安いのは・・・いつ獲った秋刀魚でしょう?まだまだ小さい筋子。

焼き物はキンキ。おろし。7月から新銀杏が出回っているらしい。もう秋めいてきたイメージ。
藻屑蟹が蒸されて出てきました。蟹酢ではなく酢橘。岸和田では「だんじり」まで一ヶ月を切るようになって、そろそろ「渡り蟹」受難の季節。その前に「藻屑蟹」が登場です。
鍋が出てきて、軍鶏と緑竹。天草産の夏筍という緑竹(りょくちく)は始めてかな?苦味のない筍らしい。ひょっとして前回に話題にしたので軍鶏を出したのかな?少し葛を引いたお鍋。

今日のご飯は、はもご飯。炊き上がったところでプレゼンしてくれるのですが、いつもいい加減にしか見ていません。たぶん白焼きにした鱧を乗せて、タレを入れて炊いたんだと思う。心もち辛くなってる。実山椒が効いてピリピリしますが、これは許容できます。痺れる感じが大好き。一膳でお持ち帰り。

よどみの無いお菓子の説明を郁チャンから聞いて、三種類。白いのがレンコンを摩り下ろして作ったレンコン餅。お菓子という味わいではないレンコンの味(?)。有名な「西湖」や「蓮子餅」とは全然異なる素朴さ。小豆餡が入っていても、黒蜜がかかっていても、レンコンはレンコン。蓮根粉を使うのは嫌だという口ぶりでした。フレッシュな「蓮の実」はとても美味しいらしい。蓮根を取るためには実を作らせないという栽培をするとかで、国産の蓮の実は殆ど流通に乗らないそうだ。ちょっと探してみようかな?
和三盆を使った琥珀羹がいい。「大糖領」を使った葛饅頭。


平成22(西暦2010)年7月29日
パラパラ降ってきたけど無視して、晩御飯の「日本橋・藤久」へ。
  • スッポンの茶碗蒸し、えんぺら、内卵
  • お椀は、ムール貝、はす豆腐、葛打ちのトマト、タタキオクラ
  • お造りが、岩牡蠣、アマテカレイ(肝付き)、伊勢海老、はも(落とし、焼き霜)、ミル貝
  • 八寸には、牛たんでインカの目覚め豆腐を挟んだもの、鱧の子・笛・肝のヅケ、鮎のウルカ和え、毛蟹の錦紙巻き、ウオゼのお寿司、〆た新子と長芋の白板昆布巻き、煮パプリカ、枝豆の掻き揚げ、アナゴの八幡巻き(管牛蒡)、バイ貝、スルメイカの塩辛
  • つばめうおの焼き物、皮のから揚げ、酢橘
  • 秋刀魚の焼きびたし、茗荷、生姜
  • 水ナスの丸蒸しと蒸しアワビの胡麻ダレ、肝、枝豆
  • 亀の手ごはん、止め椀(シモフリカジカ)、香の物
  • お菓子が、アジサイ(黄身餡入り練りきり)、金魚鉢(錦玉羹)
今日は「七本鑓・純米大吟醸・渡船・生原酒・木槽垂れ口直汲・渡船精米歩合50%・21BY 」というお酒。メロンやマスカットのような香り。柔らかい口当たりがいいですねぇ。密かにですが「ポスト松の司」と思っているんですけどね。
先付けが、まる。冷たい茶碗蒸しですが、内卵が三つ乗ってます。煮凝りが薄く覆われてえんぺら。口に含むとふんわりと丸の香り。卵は生のようだしトロリ。冷たいえんぺらはコリコリ。

お椀は・・蛤と帆立と思ったんだけど、ムール貝を使うなんて思いませんからね。エキスの出た吸い地は旨い。徳島の新レンコンはレンコンだけで固めた豆腐。はす豆腐とれん餅の違いを教えてもらった。なるほど。
お造りには、小振りだけど岩牡蠣。岩牡蠣というのは、やっぱり夏に旨くなります。ミル貝、肝つきのカレイと旨いものがあれば、伊勢海老は霞んじゃいます。
ピカピカのステンレスの笹(?)船の八寸。ホオズキの中のイカの塩辛がいい出来。梅でも入っているのかな?ウルカは市販のものらしいが、苦いが旨い。珍味尽くめだけど、鱧の内臓のヅケもいい。こういう子供が好きそうでない珍味は、大人に取っては一種のドラッグなんだろうなと思う。
Qちゃんも最近勧められて使い始めたという「つばめ(うお)」が焼き物。塩をしてないそうだ。煮物・焼き物で使っているそうだが、脂の乗った魚です。形は「まなかつお」タイプの魚形だと。

小鉢で茗荷タップリで出てきたのが、秋刀魚の焼きびたし。におい消しでしょうが、生姜も風味付けに刻まれた茗荷。
続く小鉢に、アワビが乗ってきました。その下には水ナス。丸蒸しとか言うてましたが、蒸しあげただけのようです。肌理の細かい胡麻だれで頂きます。ガラスのお椀に、アワビの肝がちょこんと乗って、枝豆が散らされております。

今日のご飯は「亀の手」。炊いて身をしてくれて炊き上げてくれてます。面倒な仕事ですが、ご馳走様。今日は貝が多かったですな。
お菓子は、朝顔と金魚鉢。京都の夏の和菓子で必ず載る有名な「金魚」がありますが、この金魚鉢はごちゃごちゃしてます。ピンク色の金魚は三匹いるようですが、金魚は赤いほうがいいよねぇ。夏は「カキ氷屋」になってウンザリしているというKOTIKAZEのお菓子でした。


平成22(西暦2010)年7月13日
晩御飯は、「日本橋・藤久」。二階座敷はいっぱい。カウンターは、後から予約があったようで、半分ほど。
  • 豆乳の心太、煮椎茸、オクラ、蒸し海老、温泉玉子、降り柚子
  • お椀は、松茸、焼きナスの玉子豆腐にウニ、インゲン、輪柚子
  • お造りは、岩牡蠣、ひっさげ、イシガキガイ、あおりいか、レモン
  • 笹の八寸。切子にだつ(白芋茎)の海苔和え、ホオズキには鱧ざく(鱧の胡瓜・茗荷の酢の物)。短冊には、イカ月環(キタアカリ)、鱧の南蛮、鱧の肝の山椒焼き、鱧の子と笛(胃袋)の煮凝り、万願寺の軍鶏鋳込み、「あいご」の白子巻き、太刀魚のお寿司、半分のホオズキには、沖浅利の岩モズク寄せとアジの子造り。
  • 赤舌の塩焼き、骨煎餅、酢レンコン、酢橘
  • 鱧素麺、梅肉、ジュンサイ、降り柚子
  • はこえびの身の揚げ物。トウモロコシとホドイモの掻き揚げ、茗荷の天ぷら、残りの海老ガラは蒸し。チリ酢
  • 鮎ご飯、止め椀、香の物
  • 桃太郎(マスカット)の錦玉葛餅、小豆の錦玉餅、小豆と枝豆餡の葛饅頭
一本目は「東洋美人・純米吟醸・ハイビスカス・山田錦精米歩合55%」という夏向きのお酒。香りが良くて、軽い喉越し。
ガラスの三日月型の器に、涼しげな心太。白いのは豆乳ですが、豆腐じゃなく、寒天で固めてあります。ウズラ卵の温泉玉子。

お椀は、松茸に、緑色に色づいた焼きナスの玉子豆腐の上にウニのトッピング。蒸し缶に入っているときにウニが固まってコクがでてます。国産ではないけど香りはよろしい。まだ市場には国産は見かけないそうだけど、裏ルートではあるそうだ。値段を想像すると、食べたくないぞ。
岩牡蠣が目立つお造り。島根?日増しにミルク度があがってくるよう。16キロのヒッサゲ。全体的に脂がまわってピンク色の若い乗り。初めて食べるイシガキガイが石垣島ではなく岩手産で、形は鳥貝みたい。甘味は負けるけど、旨味は十分。ねっとりアオリイカ。
二本目には、「奥播磨・夏の芳醇超辛・純米吟醸・麹米兵庫山田錦&掛米兵庫夢錦・精米歩合55% 」です。含み香が高いお酒で、一段とさらっと軽い呑み心地。
青海苔の苔玉に笹が刺さっております。大阪で有名な酒肴である「鱧の皮」というのは「鱧ざく」と呼ばれる胡瓜とあわせた酢の物。蒲鉾やすり身を作るときに出る余り物の始末な一品。その他にも鱧の小品がいっぱい。鱧の肝がねっとりと舌に絡んできます。南蛮もいい味。岩モズクを見かけると、近江八幡で教えてもらったペケポンに出た30000円の料理を思い出します。岩モズク自体はそんなプライスになる食材じゃないだけに、改めて、法外な値段やなぁと嘆息。ぼろ儲けやろね。アジの子作りのは、プチプチとも噛み切れないほどの小粒な透明感のある生の腹子をほぐして和えてあります。

焼き物は舌平目。とにかく骨が透き通るくらい三枚(!)に下ろされてます。下の身は何かを巻いて八寸で出るんでしょうかねぇ。
鱧の皮を取った鱧の身の方は、素麺になって出てきました。京風の「うお素麺」ですな。贅沢ですけど。
選ぶのもめんどくさくなってお任せして醴泉・純米吟醸」。醴泉ってもっと旨味の膨らむお酒だったと思ったけど、意外。瑞々しいニュアンス。グレードを聞くのを忘れました。

見たことのないでかい海老が出てきました。甲羅(?)の部分が四角くなっているのでハコエビと呼ばれているそうです。いつもの端っこのカウンターの巻き簾の折敷の上にお皿を置くと、触覚(?)の先端が壁に突き刺さりそうな大きさ。尾っぽの身の部分を蓑揚げの天ぷらにしてくれてますが、食べたくなるのはエビミソです。蟹スプーンの貰ってホジホジします。身は淡白で味は薄いけど、まぁ伊勢海老くらいの味はありますね。チリ酢が美味しいので、助かります。硬くて割ってくれてないのですが、何とか甲羅と足のある底の部分と二分割して、更にホジホジ。蟹のようにフンドシが立派。エビさんの筋肉(身)はこうなっているのかぁと納得の解剖食いです。曲がっている尾っぽにも、肉がへばりついているので、剥ぎ取るようにせせります。触覚の根っこのところにも立派に身があるので、バランバランにしてやりました。アレルギーがなくて幸せです。

羽釜で炊いた鮎ご飯。若鮎の大きさが二匹。頭もグチャグチャにまぶして、よそってくれます。昆布出汁で炊いているだけだというけど、香ばしさと鮎の香りがちゃんと残っております。止め椀は、ナス。

夏になると、やっぱり涼しげなお菓子が欲しくなります。葛や寒天が見た目によろしい。

松竹座では「竜馬が行く」が上演されてますが、薩摩藩邸で竜馬に振舞われるのが「軍鶏鍋」です。実際に出てくるわけではないけど、竜馬が食べた軍鶏鍋はどんな味だったんでしょう。高知風というのがあるんでしょうか?それとも京都の鶏鍋風の白いトリガラスープ仕立てなんでしょうか?もちろんここでも軍鶏は常備してあるのでいただけます。こんな会話をしていると、次に出てきたりするから、困りもの。
直島にいたシェフは大阪での出店を辞め、嫁さんの実家の方で開業するらしい。たぶん行く機会はないな。
今月いっぱいで、中村ちゃんが上がるようだ。寂しくなるし、大丈夫かな。

平成22(西暦2010)年6月15日
晩御飯は、「日本橋・藤久」。二階座敷はいっぱい。カウンターは半分。昨日はカメルーンの影響で、三人だったそうだ。
  • 鮎の餅粉揚げ、骨煎餅、蓼、すだち、塩
  • お椀が、はも、ジュンサイ、軸菜、輪柚子、梅肉
  • お造りは、岩牡蠣・レモン、まぐろトロ、ウニ、鰹の炙り、あこう、いか、鳥貝
  • 八寸には、牛タン・行者ニンニク、鱧の笛・肝・花山椒煮、アボガド・豆腐・胡瓜・アイスプラント、イサキの白子の焼いたん、姫あんこうの胃袋、鱧の白子と煮凝り、鰻の肝・腹子の焼いたん、イカの鰓の旨煮、炙り鮎のお寿司
  • 琵琶湖産鰻の白焼き、山椒オロシ、山葵、塩、すだち
  • 沖アサリと心太の酢の物、タタキオクラと赤カブ
  • 新じゃがと新玉ねぎ、アスパラソバージュとクラシタ肉の炊いたん(肉じゃが)
  • 鰹ご飯、水ナスの味噌汁、香の物
  • お菓子が、求肥入りの若鮎と水無月
お家では、呑み切れないと踏んだ「臥龍梅・純米吟醸生原酒・袋吊雫酒・兵庫県産山田錦精米歩合55%」を持ち込ませてもらった。印象は変わらず。
先付けに油物とはびっくり。鮎二匹分を三枚に下ろして、それぞれ揚げてあります。骨や内臓のない(歯ざわりのいい苦味の無い)鮎というのも旨いものですなぁ。キスとかにまけてないよ。蓼の葉っぱも唐揚げ。
お椀は、食べやすく小さく鱧を椀種にして、梅肉をもってます。ジュンサイや輪柚子も加わって、花畑みたい。心持ち葛が聞きすぎてるかもしれない。

お造り、たくさん。シンプルにレモンで岩牡蠣。島根のまぐろ。淡路のウニは少し味が薄いな。いつも変わらずに旨い鳥貝。
八寸、たくさん。ちょっと記憶が不確かだけど、書いている食材はあっているはず。(足りないものがあるはず。)。鱧の内臓が余っているようです。いろいろ工夫して出してくれてます。旬のイサキの白子がいい味。先日はタコの鰓だったので、今日はイカの鰓らしい。続けてくれなくてもかまわないけど。珍しいのは鰻の子。甘酢生姜みたいに刻まれているのが、アンコウの胃袋。今日は琵琶湖産らしいが、海の鰻に入っていることは無いけど、琵琶湖の大型鰻には時々卵が入っているそうだ。マリアナ海溝の深海まで鰻の稚魚を追いかけなくても琵琶湖で生態が観察できるんじゃない?完全養殖のきっかけにもなるかも。琵琶湖の天然が食べたいので、もっとブルーギルやバスを駆除しなくちゃ。鮎の寿司飯は柔らかすぎ。

コンロが出てきて、乗っかっているのが琵琶湖の鰻。1キロを超えるでかい鰻だったそうです。4匹も仕入れて、泳がしていたそうだ。俎板にも乗りきらない大きさだったとさ。脂がじんわり口の中で広がる。山椒オロシや、酢橘の酸味が、過剰な脂分を和らげてくれます。身の厚みからして、見るだけで旨そうです。実際旨いんですが、臭みは全然ありません。琵琶湖や河川には、岩場があるんでそういうところに住んでいるのでしょう。滋賀の鰻屋でもめったに見かけないのが、大都市で出てくるとは、残念なことです。
酢の物は沖アサリと心太。色合いにオクラ、赤カブ。
藤久農園の新じゃがと新たまを使った「肉じゃが」ですな。ただ「クラシタ」は脂が多すぎのようです。
今日の注文ご飯は「鰹」。藤久流の鰹の処理は、「かつおそぼろ」にして炊き上げる際に加えたということらしい。鰹は焼いてソボロにするときに、味を調えているようです。醤油、酒・・・?どうしても血の香りが残るそうで、手間をかけたそうです。プロの仕事は違いますな。ねぎタップリ。美味しゅうございます。一膳でおなか一杯なので、詰めてもらいます。 お菓子は、ちょっと見た目が変わった「水無月」と「若鮎」。6月らしいお菓子。「アジサイ」みたてのコナシの金団もあったけど・・・。

食事も終わって、酒リストを見ていると「笑四季」と書かれている。今年三月には「KANAKO」を持ち込んだけど・・・酒のヤマモト経由の「笑四季・MONSOON2・特別醸造・貴醸酒・山田錦×笑四季19号酵母」だ。特別醸造とは貴醸酒のことらしい。開封直後は、甘くてすっきりして甘口好きには好評だったそうだけど、開栓三日らしいが、造り損ねた梅酒のような後口。水で割ってアペリティフとか、アイスやシャーベットのデザート酒なら呑めそうだ。これで食事は、ご勘弁〜ん!


平成22(西暦2010)年6月8日
晩御飯は、「日本橋・藤久」。どうやら今日はカウンターだけのようだ。日本語の話せない外国人も来たぁ。けど、他はお馴染みさん。
  • 蒸し岩牡蠣のゼリー寄せ、鞘大根、十六島海苔
  • お椀は、あこう・梅肉、空豆豆腐、軸菜、つぶ柚子、
  • お造りは、ハモ4種(落し、生、焼き目、皮霜)、淡路のウニ、赤貝、いか、穴子の落し、焼き目の太刀魚、まぐろ、おかひじき、張り南京、花穂紫蘇ゼリー、梅肉、酢味噌、醤油
  • 屋形船の八寸。船の中には、若桃の蜜煮のゼリー寄せ、タコとタコの鰓の旨煮、炊いたパプリカ、黒豆の枝豆、蒸し軍鶏の胡瓜巻き・胡麻酢、青柚子の長芋羹鋳込み。メゴチの餅粉揚げ・マゴチの子。レンコン・浅利の木の芽和え、鯵の笹巻き寿司
  • 鰹のしょうが(醤油)焼き、胃袋、肝、白子、心臓、ニラ、白髪葱
  • 酢の物は、ジュンサイとオクラ、山芋の団子・梅肉
  • 炊き合わせが、油通しした車えびと水ナス、茗荷、刻み海苔とシシトウ
  • 赤豆ご飯、止め椀、香の物
  • 空豆餡と黄身餡を包んだ葛饅頭と水無月
一本目は「スーパーくどき上手・純米大吟醸・改良信交精米歩合30%・M310酵母」。白い(磨いた)だけあって、梨のような香りと果実味のある酸味で綺麗なお酒。「甘い」酒のイメージの「くどき・・・」だけど、これは程よく好のみでした。
先付けは、岩牡蠣。今日は蒸してくれたようです。「夏輝」ブランド。程よく切って牡蠣に乗せ、牡蠣からでた汁で固めてある。冷製だから、コース予約客だけの先付けだね。生のインパクトはないけど、いい味。匙がついているので、ゼリーだけでもお酒が呑めちゃう。この季節だけ獲れるという十六島海苔

お椀は、あこう。淡いけどバランスのいい吸い地。空豆を使った葛豆腐。空豆の香りが分からなかった。豆も季節に合わせて変わってますなぁ。徳島の藤久農園産。柚子の花も散って、実になったようです。
お造りは、ハモを4種類趣向を変えてくれてます。普通に落し、骨きりした生、炙って焼き目をつけたのん、皮目だけ霜降りにして骨きりしたのん。Qちゃんの骨きりがお上手。巷では、骨が太くて骨切りしにくいという淡路産のハモだけど、全く骨を感じず、生ハモなどは口の中に入れた途端に溶けていくようだ。島根産の生マグロ。淡路のウニ。穴子はハモのように「落し」。生の太刀魚の皮に焼き目をつけたります。
屋形船の八寸。梅ぐらいの大きさの桃を蜜煮にしてゼリーの中。梅でも同じように蜜煮にしますが、しっかり桃の味と甘味。タコの鰓ってどこにあんの?って一品。めごち(がっちょ)はてんぷら。骨はどうした?と言いたくなるね。小皿に木の芽和えは「筍」ではなく「レンコン」。シャキシャキした歯ざわりに木の芽の香りもいいですわ。笹巻きは鯵のお寿司。
二本目は「十四代・純米吟醸・山田錦」。頼むのが恥ずかしくなるくらいミーハーなお酒の代表なんだけど、久しぶりに呑んでみました。なるほどやね。日本酒は特に造り手の思いがお酒に出るとか、お酒に人柄が現れる、とか言う人がおりますけど、このお蔵に関しては、十五代目(?)の息子の評判が悪かったんだよねぇ。そういう人柄を思い出して、美味しく呑めないと言うのも日本酒ならではかな?
目鍋が出てきて、ジュージュー音を立てているのは、鰹。生姜風味で甘辛い醤油味の焼きだれ。内臓も入ってます。心臓・肝・白子・胃袋。初めての食べ方で、面白い。ニラとよく合いました。

酢の物にはジュンサイ。横目で見るとアラカルトでジュンサイの酢の物を頼むと、山芋の団子がついてないみたい。コースのお客分だけ作っているんでしょう。 炊き合わせは、車えびと水ナスと茗荷。今日は、なんだか胃のこなれが悪いようで、けっこう満腹。おなか一杯だと美味しくないはずなんだが、旨いお出汁。カウンターも込み合っているし(羽釜を置くスペースがないだろうなと斟酌して)、ご飯を、しばしお休みしてから、頂くことにします。
先日、「男性は豆ご飯を好まない」という話をしていたんだけど、出してくれるやん。赤豆。目出度いことでもあったのかな?嫌いじゃないけどねぇ・・。とにかく一膳だけを一気に食べる。残りは、詰めてもらいます。
とはいえ、お菓子は2種類。空豆ってお菓子には使われないねぇと言っていたら、うちでは使ってますというので、その「葛饅頭」。見た目は羽二重とか求肥みたい。黄身餡も入って、空豆の香りはここでも不感症でした。もう一つは6月ならでは「水無月」。ずっしりした外郎地に硬めに仕上げた小豆。これくらいの余力は残してあります。

出かけるとき意外に、濡れる事も無く、傘を持たずに正解。些細なことだけど、賭けに勝った気分。


平成22(西暦2010)年5月23日
晩御飯は、「日本橋・藤久」。挨拶をするのに、しらんぷりするオヤジがカウンターにいる。なんだか今日いるような予感がしたんだ。虫の知らせというやつかな。
座敷は休業。

  • 煮アワビ、岩茸、ウニ・針山葵
  • 蛍のお椀が、ハモ、ジュンサイ、軸菜、花柚子
  • お造りには、あこう、鳥貝、タタキ鰹、山葵醤油、ポン酒醤油
  • 鮎の背越し、蓼味噌、(わさび)醤油、梅肉、骨煎餅
  • 八橋の八寸には、なすの漬物の大名煮、ハモの子の卵白とじ、時鮭の肝と子(イクラだね)、生シラス、スッポンの内卵の海苔巻き、トビウオの龍皮巻き、がんがらの炊いたん、稚鮎のオイル漬け、ハモの煮凝りと春菊の豆腐の重ね、ハモ肝、しろあまだいの笹巻き寿司
  • 焼き物が、大助。黄身酢、茗荷、オクラ、トマト
  • 生岩牡蠣、レモン
  • 牛肉と破竹の鍋、三つ葉、煮た花山椒
  • 鰻ご飯、香の物、止め椀
  • お菓子は、白餡入りワラビ餅・黄粉まぶし(さくらんぼの葛饅頭、ほうじ茶プリン、小豆・こなし入りの柚子風味の錦玉羹)
今日もお酒は「(開運)あさば一万石・純米吟醸・生・浅羽産山田錦精米歩合50%・浅羽町まちおこし協会」です。畳屋町のオヤジにも一献。静岡のお酒では磯自慢が有名だけど、開運の方が柔らかな旨味が広がるので好みです。
先付けは、アワビ。むっちり。アワビより唸っちゃうのが手のひらほどの岩茸。育つのに何年かかったのかというのも気になるし、断崖絶壁の岩に生える苔ですから取るのも大変。大きいことは有り難い食材。ウニとアワビという組み合わせは・・・郷土料理にありましたな。
お椀に描かれているのは蛍。椀種はハモ。徳島産。すこし水っぽいかな?吸い地も淡い。いつもと違うと薄味。花柚子が今日は咲いてます。ジュンサイは「ぬなわや」。
お造りは、あこう、鳥貝、鰹。先日よりは小振りのアコウだけど、水槽に生かしておいたのだそうだ。岩場で大人しくしている魚だけに、水槽でも静かだそうだ。舞鶴の大きくて甘い鳥貝は生。
もう一つのお造りは鮎の背越し。ゲスト対応の注文品。骨の柔らかい初夏が食べるにはいいと思います。苦玉付き。山葵醤油、蓼味噌、梅肉の三種類。頭と尻尾と胸鰭は揚げてくれます。

盛りこまれた八寸は、やっぱり場所をとる。胡瓜に刺した菖蒲の花。一杯あって俯瞰した写真では分かりにくいが、まぁそれは概観だけで、個別の写真までは省略。ナスの漬物を炊いたと言うてます。関西では大名煮というと思うのですが・・。漬物として完成した料理にさらに手を加えるのが贅沢という意味で、沢庵漬けの煮物なんかにも使う言葉。時鮭の内臓の肝と小さい腹子(仁丹くらいの大きさの将来筋子となる奴)を合わせてあります。自然と紅色に染まるそうです。内臓があるということは身があると思えば、無いそうです。その代わりは後で出てくる。肝はちょっと苦味がありますな。生シラスは生姜風味。スッポンの内卵を溶いてどうにかして固めたのを海苔で巻いてあります。詳しい造り方は知らないけど、好きな味。マルの味が感じられます。スープで伸ばしてあるんでしょうか?「がんがら」は巻貝。「Drスランプ」に登場するようなウンチみたいにトグロを巻いてます。ここでは「がんがらご飯」など、よく出てくる貝。稚鮎を自家製のオイル漬け。塩分控えめ。ハモの煮凝りに春菊の豆腐を重ねたもので、春菊の花も散らされて綺麗な煮凝り。ハモの肝は味をつけて固めたもので、松風(擬製豆腐)風。笹に巻かれたのは白アマダイのお寿司。食べるのに時間がかかります。

食べきれないうちに出てきた焼き物は大助。時鮭より嬉しい大助。18キロとか?美味しい脂。黄身酢と合います。造りたての泡のある暖かい黄身酢は、大助と出会うとクリーミーな香りもします。
小さくて残念な岩牡蠣。三重あたり?日本海ではないようです。
まだ季節的には間に合うだろうと、だいぶ前に予約した時に伝えていたのは筍でしたが、無理を言ったことになってしまいました。それでも使ってくれたのは破竹。牛肉と破竹の鍋でした。生の花山椒なら言うこと無いけど、今年は少なかったということで、もう季節が過ぎて炊いたのがトッピング。生の香りの方がやっぱりいいです。

ご飯は、鰻(もちろん天然)のご飯。蒲焼にしてから炊き込んでくれてます。少しお替りして、お持ち帰り。ゲストに譲ります。
食後の和菓子は、一つだけ選びますが、ゲストの選んだのと又もシェア。黄粉の香りが格別。


平成22(西暦2010)年5月22日
團菊祭での幕間のお弁当を記録しておくと、


平成22(西暦2010)年5月20日
日本橋・藤久」。カウンター一組。座敷は賑やか。どうも座敷は埋まっているようだけど、カウンターは常連さんばかり?今日もよく見るお顔
  • 蓬の八寸の、壷壷に鬼海老・山葵・醤油、貝の器にデラウェアのおろし合え・クコ、イチジクの味噌田楽、かぼちゃの軍鶏巻き、玉子のウニ焼き、アジの龍皮巻き、鮎の一夜星、八幡巻き、枝豆、丸十、太刀魚の炙ったんの粽寿司
  • お椀は、玉子入り熊海老の団子、蓬豆腐、軸菜、木の芽
  • おつくりには、いか、甘手カレイ・生肝、焼き霜鰹、ウニ、鳥貝、生ハモ、ハモの落し
  • サザエの醤油焼き、グリーンアスパラ、椎茸、レモン
  • タコと太モズクの酢の物、スナップエンドウ、トマト、針茗荷
  • あこうの酒蒸し、白髪葱、軸三つ葉、チリ酢
  • あさひ貝の炊き込みご飯、止め椀、香の物
  • 和菓子は、初鰹、青梅大福、さくらんぼの葛桜
今日のお酒は「(開運)あさば一万石・純米吟醸・生・浅羽産山田錦精米歩合50%・浅羽町まちおこし協会」にしました。一口目には酸味のある喉越しだったけど、次第にほんのりとした甘味で優しい味わいに変わった。少し温度が上がると、さらに円やか。
先付けの八寸は、蓬が添えられている。どうもデラウェアは日本料理にそぐわないと思う。かぼちゃを巻く軍鶏ももったいない感じ。
お隣から、ご相伴させてもらったお酒は「黒龍・純米大吟醸原酒・FIFA W杯 山田錦精米歩合40%・限定2010本」。傾向としては開運に似ております。まったり感が感じられたりするが、温度によっていろんな味わい。ボトルがまた偉そうな容貌。(小売で750mlが12600円だって!)ご馳走様。

お椀は、熊海老という海老さんの団子。玉子入りで黄色。蓬豆腐は、蒸しすぎが弛んでますなぁ。ゆるゆるに仕上げてます。
お造りは、いろいろ。イカは甘味不足。カレイは肝と一緒。肝は生の方がいいと思いますねぇ。黒門では見かけなくなった鰹ですが、鶴橋にはいるようで、しかも今日のは8キロもあった大物だそうです。腹身のところを炙ってくれて、ひっさげと間違うくらい、鰹の味より脂の甘味が勝ってます。淡路のウニは甘い。鳥貝には磯の香りと甘さ。ハモは骨きりをして、「落とし」と「生」。梅肉もでています。
コンロにジュージューとした音と共に出てきた目鍋には、サザエで、肝付。太いグリーンアスパラと椎茸。
箸休めに酢の物。太いモズクは、噛み切れないよぉ!タコはこれでもかってほど包丁が入っているのに・・・

もう、夏のお魚「あこう」がデンと酒蒸し。魚が見えないほどの白髪葱ですが、頭とカマ半分。でかいカマなので、とにかく「あこうのタイ」を取ろうとしたが、硬くて分離できない。コンチキショウだ。チリ酢。

今日のご飯は、小さいサイズの二枚貝で「あさひ貝」というてました。日本海軍の旭日旗のような概観。貝のいい香り。酒の香りも残ってました。
今晩選ばさせてもらった和菓子は、初鰹、青梅の大福、葛桜。かの美濃忠のような棹物でもなく、糸で切れば鰹模様になるというものでもありません。さすが老舗の技は真似できないということでしょうか?昔はちゃんと出してくれたような記憶があるんですけどね。面白いサービスは、醤油に似せた黒蜜と山葵に似せたコナシ。
葛桜にはさくらんぼ入り。青梅には青梅。


平成22(西暦2010)年5月8日
文楽の幕間のお弁当は、いつもの「日本橋・藤久」。予算は相談に応じてくれます。でかい保冷材も入れてくれているので安心。

派手な邪魔になる笹の葉っぱは粽の笹。
特別注文は、KOTIKAZEの柏餅。(事前追加で別料金)。ちょっとゆるい目の餡。


平成22(西暦2010)年4月20日
晩御飯は、「日本橋・藤久」。カウンターは一組。中村ちゃんの後輩に初お目見え。雰囲気は「♪右手は一で、左手も一で、自転車、自転車♪」のお姉さんに似ていると思ったんだけど、通じない。白い服着た人間が5人もいるなんて・・。

  • 八朔の中に、鳥貝・八朔・アボガトのペースト
  • お椀が、キンキの揚げ物、若布、タケノコのすり流し仕立て、軸菜、木の芽
  • お造りが、赤貝、ボタン海老、松毬魚、焼き目太刀魚、大葉サヨリ、いか、ひっさげのカマ下
  • 八寸には、マテ貝のおろし和え、こはだの花蘇芳の花和え、板取と揚げの炊いたん、煮バイ貝、鯛の肝の煮凝り、ひめじの南蛮、しらうおの梅肉和え、蚕豆豆腐と帆立のサンドのアラレ揚げ、鯛の笹寿司
  • コンロの上に、木積のタケノコ・木の芽味噌、稚鮎
  • 三重の岩牡蠣
  • タケノコと黒めばるの煮付け、木の芽
  • 浅利とウスイ豌豆のご飯、止め椀、香の物
  • 清美オレンジの淡雪羹三種、吉野山見立ての金団、八重桜見立ての求肥
今日のお酒は「松の司・特別大吟醸・2008(20BY)・金賞受賞酒出品タンク・限定300本・東条町山田錦精米歩合35%・自社保存酵母」にします。文句なしに好きなタイプ。
先付けは、八朔がボンと出てきた。蓋を取ると、鳥貝に果肉。和え衣は、聞くまで分からないけどアボガトでした。そういえば、「帰れまテン」のデニーズで、アボガトのサラダが人気メニューでしたね。普通でも美味しい鳥貝だと思うのに、鳥貝の甘さに八朔の甘味が上手く重なり合ってます。蓋をぎゅっと絞れば、果汁がドボドボ。それでも酸っぱくないや。

お椀は、濁ってます。キンキを揚げて香ばしくなっております。なんで濁っているのか分からない。若竹の椀と教えてくれたので、ようやくタケノコを摩り下ろしたんだと判明。食感がないと、タケノコもへったくれも無い感じ。「茹で」過ぎたんかいな、と又余計な一言を言っちゃいました。
お造りは、いろいろ。珍しい魚は「松毬魚」。前にも頂いた記憶があるけど、皮が硬くて松毬みたいなmm。でも身は白くてコリコリ、ジワーと旨みが出てくる。赤貝も磯の香りが抑え目。甘味がタップリのボタン海老。火山の爆発も手伝って(ここでは輸入物は使わないけど)、最近、品薄の天然マグロに代わっての「ひっさげ」。ほとんど白色で脂の塊のよう。サエズリとかに近い脂の加減。
八寸には、サザエの壷にマテ貝・三つ葉のおろし和え。ポンス醤油の香りがいい。花蘇芳の花がエディブルとは知りませんでした。過去にも掻き揚げの中に混ぜたりしていたそうです。でも、味は・・・感じない。菊の花みたいなもんかな。酢の物仕立てでした。季節に出てくるイタドリ。煮たバイ貝が肝もむっちり美味。アラレで揚げたのは、蚕豆豆腐と帆立らしい。手を加えてサンドして揚げてと仕事してくれているけど、噛み締めると、蚕豆と帆立のコロッケみたいにしか感じないよ。だんだん笹のお寿司の季節がやってきますなぁ。

コンロが運ばれてきて、煙がもうもう。子指ほどの「稚鮎」が三匹。けっこう苦味も出てます。小さすぎて食べ応えが無いけど、「走り」で長生きできそう。「蓼酢」使わず。大阪ブランド筍の「木積」。木の芽味噌の筍田楽。茹でずに焼いただけのようです。それでもアクの苦味は全然ありませんでした。
見て、びっくりの小さい岩牡蠣。「走り」という意外に、価値なしで、不機嫌な顔をしちゃいました。通じたようです。冬の真牡蠣でももっと立派なのがあります。小刻みに寿命が延びていると思っておきましょう。
メジャー過ぎてあまり食べる機会がすくない、「筍メバル」。ちゃんと黒メバル。煮崩れてますが、味はいい。当然のように「メバルのタイ」を探します。小さい魚だけに骨が弱い。

ご飯は、浅利とウスイ。艶々。いつも思うのですが、艶々に光ってるから、べちゃべちゃに見えるだけど、丁度なんです。冷めても旨いし、不思議。一膳いただいて、持ち帰り。昔聞いたことがあるけど、今は米屋を変えたそうだ。それにしても、今年は旨い米が出来るんでしょうか?

お菓子は(一応)3種類。清美オレンジを使った淡雪羹は、生、蒸し、粗目コーティングの三つのお味。吉野の千本桜の金団は小豆餡。八重桜のように白餡をくるんだ求肥。デパートでは、売り始められた「かしわ餅」はまだ、作ってないそうだ。


平成22(西暦2010)年4月17日
今日の文楽観劇は、ゲストもいるので、お弁当を藤久にお願いしております。(内容は・・食べたものが分からないのは気持ち悪い性格なので、聞きました。たぶん、ただしい。)
  • 蛤の一つはちりめんと蕗の葉の炊いたん・一つは細切りのタケノコ、出汁巻、高野豆腐、鯛の子、磯つぶ貝、そら豆、金時にんじん、こはだ南蛮、ふきの炊いたん、
  • 煮物には、タケノコ、ほうれん草、長芋、木の芽
  • キンキの塩焼き、千切り大根、トマト、レモン
  • タケノコご飯、漬物


平成22(西暦2010)年4月1日
本当の晩御飯は、「日本橋・藤久」。カウンターはがらすき。座敷は入ってますが・・・。
中村ちゃんの後輩が九州からやってきてます。
パチャパチャと稚鮎が泳いでおりますなぁ。

  • 蕨豆腐にウニ、花山葵
  • お椀が、タケノコに蛍烏賊の寄せ物・ウスイえんどう豆、春蘭
  • お造りが、いか、銀皮カツオ、大葉を挟み込んだサヨリ、焼き霜のヒッサゲ、メバル・肝・湯引き皮、山葵醤油
  • 八寸には、ホワイトアスパラの揚げ物、河豚の白子あえ・ポン酢、鯛の八幡巻き・タラの芽の味噌漬け、青柳の木の芽田楽、サイマキ海老・蚕豆、軍鶏の蕗巻き・アワビの旨煮・肝、アジの桜寿司
  • 太刀魚の腹子を巻きこんだ塩焼き、レッドキャベツの酢漬け、チリ酢おろし、レモン
  • 白防風・白魚・長芋・海苔のお浸し
  • タケノコの直煮、木の芽
  • 貝ごはん(持ち帰り)、止め椀はクジラ汁
  • デザートは、三色団子二種、イチゴ(ひのしずく)大福、蓬餅(草餅)(すべて持ち帰り)
今日のお酒は「田酒・純米大吟醸・百四拾精米歩合40%」にします。旨みはしっかりあって甘味もバランスよく味わえます。何よりいいのは、喉越しの軽さと切れのよさ。
先付けには、わらび豆腐にウニのトッピング。添えられた花山葵。ワラビの粘りが豆腐にも生かされて、グニュンとした食感。花山葵は微かに辛味が残る程度。

悪く言えば「グダグダの椀種」は蛍烏賊の団子(だったんでしょう)。ウスイ豌豆を混ぜて練った団子だったと思うけど、グダグダ。貝塚は小積のタケノコ。吸い口というには香りは弱いけど、春蘭。春蘭のおかげで見た目はキレイだけど・・・食べにくい。
お造りには、カツオ、ひっさげ、めばる、サヨリ、いか。メバルを刺身で食べることは少ないけど、美味しい。肝がつけば何でも旨い。カツオは脂の乗った腹のところを出してくれるけど、初カツオのシーズンは、背中の脂の少ないほうが香りがいいんとちゃうかな?
ハマグリを使った八寸。揚げたての熱々のでかいホワイトアスパラガス。もう最後の白子を和えた河豚の身。
焼き物は、太刀魚。くるんと巻いた中に太刀魚の卵。かなり大きい卵が二つ。ごちさま。

さっぱり、おひたしに、白魚と防風。お造りの添え物の「碇防風」ではなく、白くて長いらしい。あまり記憶が無いなぁ。葉っぱの部分に苦味があるが、茎はシャキシャキ。白魚は干物を使ってあります。
デーンと出てきた、小積のタケノコ。直径は10センチぐらいあります。思わず、降参しようかと思ったほど、ボリューム感で満腹にされちゃいました。でも、木の芽の香りと辛味がタケノコに合うんですなぁ。ゆっくりですが、食べきっちゃいました。
しかしながら、ご飯は入りません。止め椀に用意していたのが、サエズリと芹のクジラ汁というので、それだけ頂くことにして、後は持ち帰らせてもらいましょう。

貝ご飯は、赤貝、帆立、ミル貝は入っているようです。18センチ角のお弁当にゆるく詰め込んでくれました。明日のお昼にでも味わいましょう。
今日は桜餅は自粛して、三色団子二本。桜・白・抹茶、蓬・白・黒糖。「ひのしずく」を使ったイチゴ大福。蓬で緑の濃い草餅。ちゃんと持ち帰りようのパッケージが用意してあります。素晴らしい!

当たり前だが満腹の上に、二軒目では控えたけど呑みすぎてしまったようだ。瞼が重い。
今度の日曜日に、萬ちゃんらと北浜で花見らしい。晴れるといいね。


平成22(西暦2010)年3月24日
晩御飯は、「日本橋・藤久」。カウンターも座敷も満席。郁ちゃんも応援。素人の若い兄ちゃんも頑張っているし、中村ちゃんの後輩の女性ももうすぐ加わるそうだ。厨房は手狭になるねぇ。

  • キンキの蒸し物、チリ酢、葱、グリーンアスパラ
  • お椀が、伊勢海老、玉子素麺。わらび。花びら独活、木の芽
  • お造りが、貝寄せ(赤貝・ミル貝・北寄貝・鳥貝・まつぶ)
  • 桜の八寸には、雪洞に晩白柚・帆立・うるい、壷々に焼き鯛の白子、菱形には独活と牛肉の時雨煮、短冊に鰆の龍皮巻・菜の花・鯛の手毬寿司・海老の黄身寿司・ふきじゃこ・すっぽんの卵のしょうゆ漬け
  • 油物には、蛍烏賊のあられ揚げ、ホワイトアスパラ、ホワイトアスパラとバチコの蓑揚げ、雁足、レモン
  • 津居山の蟹刺し
  • アマダイの桜蒸し、花びら独活
  • ウニ竹ご飯、止め椀、香の物
  • 桜餅二種、餡包みの蓬のこなし
今日のお酒は「花垣・大吟醸・たれくち・山田錦精米歩合40%・9号酵母」という新酒。新酒の味の多さが災いして、好んで呑まないんですが、この季節に選択肢が少ないので、ついつい手が出てしまうタイプ。旨いんですけど、磯の香りにも良く合いますけど・・・。
先付けが、きんきのチリ蒸し。程よい温度にさがっていて、先付けらしいポーション。

お椀には、ぽってりした伊勢海老の白い身に、朱色の海老の子。さらに麗しい黄色の玉子素麺。春らしい椀。海老の甘さがふんわり香る吸い地。レアな伊勢海老。国のある玉子の素麺。鶏卵素麺と言ったら、言い直された。
お造りは貝寄せ。「貝ばっかし」といらんこと言ったら、またも言い直された。鳥貝が甘くなってきました。ミル貝とならんで大好き。今日の赤貝の肝は格別美味しいございました。赤貝は紐や肝の方が旨い気がします。ここにアワビがあったら文句無いところだけど・・・ない。
最近までカウンターの後ろに置いてあったような記憶のある晩白柚の身と皮の白い部分(捨てるには勿体ない栄養があると聞いたことがある)と帆立とウルイの和え物。酸っぱい柑橘の香りは味はほとんど感じない。まぁ、そう聞いたからそう感じるだけで、聞かなければ、差しさわりの無い普通の和え物として通用する出来上がり。白子も鯛に代わってきました。遅く出てくる河豚の白子は、養殖物で、餌に女性ホルモンを添加して白子を太らせて射精させないように育てているという情報も聞こえてくるので、ご注意。一個だけスッポンの卵がポツン。工夫が無いなぁ。

揚げ物に、蛍烏賊とホワイトアスパラ。生だけと泳ぎじゃない蛍烏賊を揚げています。泳ぎだったら「生食」できるのかな?砕いたアラレで衣を作って揚げてあります。イカ味噌の癖も無く、トロリンと美味しい。アスパラの穂先はそのまま揚げ、軸の部分は刻んでバチコと合わせて揚げてくれてます。くるくる巻いた山菜は「雁足」。
今年最後の松葉蟹は津居山。蟹刺し。出始めに頂いて、間が空いただけに名残惜しい気分。
わらびが描かれた蓋椀の蒸し物は、桜蒸し。春のそれも桜のシーズンには、食べたくなる一品。もち米(おこわ)を使った飯蒸しのアレンジと言えましょう。桜の香りがとっても嬉しいのです。いいお味。
食事の途中でタケノコの姿が無いですねぇなどと言っていたら、今日のご飯はタケノコでした。それもウニを合わせてくれました。タケノコご飯には一般的には「お揚げさん」とか入れるのが家庭のタケノコご飯だと思いますが、むちゃは「鶏さん」とか「合鴨さん」とか、めんどくさいときには「焼き鳥さん」でもいいから、脂を加えちゃいます。決して、贅沢にウニなんか使いませんが、・・美味しい。こりゃ敵わないな。でも、随分と硬めに炊き上がってます。お年よりは起こっちゃうでしょう。一膳でお持ち帰り。
お菓子は桜を選んじゃった。関西風と関東風の二種類の桜餅に、春らしい蓬のこなし(だと思う)。


平成22(西暦2010)年3月2日
晩御飯は、「日本橋・藤久」。前世紀からの呑み友達の転勤(?)祝いを兼ねての、晩御飯をカウンターで。まったくの素人の若い子が昨日から入っているそうだ。居酒屋をやりたいという知り合いの子を預かっているそうだが、ストレスたまってそうだ。

  • 先付けの梅の枝が添えられた八寸に、甘酒、ナマコ・このこ・このわた、桜鱒の肝・子・めふん、鯛の子、金柑ユリネ、鯛の白子の鯛巻き、蓬腑の田楽、焼いたウニ豆腐、行者にんにくの味噌和え、なにかの肝(忘れた)、うすい豌豆を包んだユリネ饅頭・桜の花
  • お椀が、胡麻三色豆腐、葛打ちのハマグリ、はなびらうど、こごみ
  • お造りが、あおりいか、鰹のたたき、大葉さより、鯛、鯛皮、山葵、醤油
  • 桜鱒の木の芽焼き、酢取りブロッコリー
  • 油物には、白魚、雁足、蕗の薹、タラの芽、ひろっこ(野蒜の芽)、ほたるいか、レモン、塩
  • 酢の物に、赤貝、蕾菜、寄せモズク
  • うつぼの小鍋仕立て、春菊、豆腐、葱
  • チラシ寿司
  • お菓子が三色雛羊羹、白餡と黄身庵の求肥包み
八寸には、八海山のノンアルコール発酵食品「麹だけでつくったあまさけ」が添えられております。とはいえ「八海山」の名前は入っていない。甘いけどくどくない甘酒。ノンアルコールだから「甘酒」じゃなく「あまさけ」なんでしょう。妙な濁り酒より好きだ。もともと、清酒の四段仕込の四段目に用いる甘酒を商品化したものなんでしょう。でも最近はアミラーゼ酵素なんかで甘酒を作っちゃうようですけど。
塩の強い鱒の内臓。ナマコ旨い。明日が耳の日なのか耳杯が使われているけど、趣向は「左近の桜・ウコンの橘」ということで、桜と金柑を使ったそうです。
最初に「笑四季 maison de kanako 2 vintage 2009 test・type(純米)」の瓶を開けてもらいます。今年6月に新しいお酒を出すとは、しばしば訪れる酒屋のwebで知っていたんだけど、どうやらその試作品(TEST TYPE)を販売したような感じ。デパートに蔵の関係者がいなかったので、これ以上の情報はないけど、旨みタップリで、香りもフルーティで、キレも悪くない。少し米や麹の香りが残っているようだが、気になるほどではない。おもしろいエチケット。

お椀は、ひな祭り。胡麻豆腐をピンクに染め、蓬を練りこんだ三色の菱餅風の胡麻豆腐。蓬も香るし、胡麻も香る。細かく包丁の入ったハマグリは葛打ちしてニュルン。昆布で、鰹を抑えた吸い地。もう少しハマグリの味が多くても良いな。
織部の扇の器にお造りの盛り合わせ。なんせ、日曜日の津波の影響で、市場に魚がないということで、走り回ってくれたそうです。アオリイカ、初鰹。
焼き物は、八寸に内臓が出た桜鱒を木の芽焼き。
お一人が、海南からのお帰りというので、お蔵で買ってきてくれたのが、名手酒造の「一掴 大吟醸 山田錦精米歩合35% 協会9号系酵母」。黒牛がはやったのはもう10年も前くらいかな。その頃の印象は、磨いていても荒っぽさが魅力のガツンとした酒だったように思うのだが、随分と大人しくなった。とても軽い喉越しだけど、円やかな味がふっくら広がる。

油物には山菜と白魚。ねっとりした雁足、苦味のアル蕗の薹。たぶん野蒜の若芽の事だとおもうが「ひろっこ」。富山湾の蛍烏賊。
あっさり、酢の物には、赤貝。蕾菜。どこかで蕾菜を食べたなぁと思い起こせば山玄茶。白菜の芽と聞いていました。赤貝は、肝、ひもも。

妙な魚が出てきて、鍋が出た。ウツボだそうです。皮と身。豆腐に春菊、葱。湯に落せばクルンとして、コリコリと弾けるような食感のウツボの身。グニューと伸びてトロンとする皮下の脂身は、旨みの少ないザクッとした妙な舌触り。これは味付けて煮て煮凝りとかにした方が美味しそうだ。昆布出汁の鍋出汁は美味しくなります。
二本目の瓶もなくなったので、更に出してもらった「環山黒牛 純米大吟醸 山田錦40%)」。この季節の冬の常温だから、そこそこの温度ということも歩けど、まったり感のある微かにワックスのようなオイリーな味わいも感じる香り。舌にまとわりつくような感じ。嫌いじゃない味。
出汁を止め椀、汁物代わりに、ひな祭りらしく「チラシ寿司」。持ち帰り用に、作ってくれていた。ありがとう。あなご、えび、つくし、わらび、たけのこ、しいたけ、木の芽。
お菓子は2セット。季節めいてピンク色や若草色(蓬やね)が多い。その中から選んだ、羊羹と求肥。菱餅は外郎生地のほうが、いいな。羊羹は甘すぎ。


平成22(西暦2010)年2月9日
晩御飯は、「日本橋・藤久」。二階の座敷は一杯だけど、カウンターは先客一組だけだった。

  • ハマグリのてんぷら、チリ酢、雁足、トマト
  • 梅柄のお椀の裏には鶯の文字。キンコ豆腐、このわた、バチコ、神馬草、紅白の梅
  • お造りは、メバチマグロ、うに、もす、ホウボウ、さより、炙ったキス、いか、紫芽、防風
  • 八寸には、モスの生肝・おろし、岩魚の鈴子・ほうれん草・赤大根和え、南京豆の炊いたん、マテ貝の昆布巻き、長芋・シラスの海苔巻き、モスの玉子のモス巻き、芽キャベツの黄身酢、稲荷寿司
  • オコゼのから揚げ、オコゼ(の肝、卵、皮、胃袋)の葛粉揚げ、蕗の薹、おろし、天つゆ
  • 鳥貝、赤貝、若布の酢の物、ブロッコリー、すりショウガ
  • 白魚の玉子とじ、ユリネ、木の芽
  • 鶴の子大豆の炊き込みご飯、ほうぼうのアラを使った止め椀、香の物
  • お菓子は、外郎に白餡の椿、紫花豆の求肥饅頭、かるかん
今日のお酒は「四季桜・大吟醸純米・花宝・精米歩合50%」にする。バニラ風のクリーミィな香りでまったり絡むような味。料理を損なわずに、お酒の味が主張する不思議な味わい。料理の味をマスキングしてしまうようなイメージ。喉越しはフルーティだけど、甘さの余韻はない。食事の途中で、何度「美味し」と呟いたことか分からないほどだ。
先付けには、ハマグリ。煮たり焼いたりするハマグリと違って、グニューとした歯ざわりで、ハマグリの旨みもグニャーと滲みでるような味。黒門でも「こごみ」はあっても、見かけることがあまり無い「雁足」。盛り付けた出来合いのものではなく、一手間かけて出てくるのが嬉しいねぇ。

椀の蓋の表には梅、裏返せば鶯の一文字。季節柄のキンコナマコを豆腐でくるんだ「キンコ豆腐」。きちんと突起も生かして戻してあります。ぐにゅぐにゅムチムチ。炙ったバチコに、海鼠腸と珍味タップリの酒の肴の煮物椀。海鼠腸の塩分で出汁の味もなくなるけど、割り切って酒の肴。とにかくキンコの季節感があれば、塩加減なんてどうでもいい気分。
お造りたくさん。今年は天然のマグロが品薄で、ようやく入った天然ものは「めばち」。とはいえ、云われなきゃ分からない。珍しいホウボウ。今シーズン初めてかもしれない「もす(平鱸)」。皮目を炙ったキス。全てが旨みのある美味しい魚でした。
蕾の梅が一枝。八寸には「もす」が一杯。とりわけ生肝がいい。別段臭みのある肝では無いけど、一味を加えた大根おろしがいい味。プチプチ岩魚の卵には赤大根。イクラに比べると味は薄いけど、好き。マテ貝にショウガとかと合わせて白板昆布で巻いてあるのがいい味でした。

油物はオコゼのから揚げ。淡白。味の濃い内臓の葛粉揚げに霞んでしまった。ハマグリでも感じたけど、煮たり焼いたりすだけでは温度が低いのか、高温で挙げた胃袋や皮は、今までにない食感で、噛む必要がなく口の中で崩れていくのは、美味しさに通じるものがあります。
酢の物には、鳥貝と赤貝。さっぱり。
鍋が運ばれてきて、白魚の卵とじ。美味しい出汁に、木の芽の香りが効きます。春らしさを感じるお味。一緒に入っってるユリネが甘い。
今日のご飯は、豆ご飯。黒豆を少し(微妙な言い方)混ざったという鶴の子大豆の炊き込み。節分の福豆に因んでいるんでしょう。コリコリ感の残るお豆さん。一膳で十分なので、お持ち帰り。止め椀がでかいし、ガラ入れまで出てきた。ホウボウのアラの味噌汁。立派な一品です。アラだけじゃなく身も入ってました。

お菓子は、七種ほどの中から、ついつい、三種類も選ぶのは、「僕の悪い癖(相棒風言い回し)」。

食べたら、迷惑にならないように、長居せずに帰りましょう。


平成22(西暦2010)年1月24日
晩御飯は、「日本橋・藤久」。

  • 先付けが、白子・初亀「亀」の熱燗蒸し、
  • 煮物椀には、オコゼの頭、白髪葱
  • お造りが、河豚、煮凝り、おろし、葱、ポンス醤油
  • 梅の小枝の八寸には、百人一首・素性法師の器に。タコの子・山くらげの軍鶏巻き、イカの袴の焼いたん、白魚に梅おろし、鳥貝のぬた和え
    香合に若ごぼうとちりめんじゃこ
    鶴の器にヒラメの縁側の炙ったん
    泥海老のたまり漬け
    レンゲの小鉢にはクジラのさえずりとスジの炊いたん
    アオリイカの目玉と肝
  • 舌平目の焼き物、玉ねぎの甘酢漬け、酢橘
  • 赤貝とサラダへちまの酢の物
  • ホタテの貝焼き、玉味噌の田楽、大根、葱、蕗の薹
  • 氷魚ごはん、止め椀、香の物
  • お菓子は、酒饅頭、柚子皮饅頭
先付けには、白子が下に沈んでいる。その上に出汁でも張ってあるのかな?と思ってスプーンで上積みを掬って香りを嗅ごうとして、むせてしまった。酒ジャン!?燗酒だよ!白子の酒蒸し?なんと呼ぶかは知らないけどグチャグチャにして白子酒。使ったのはこの前頂いた「五年熟成の亀」だそうで、酒の苦味が・・・・邪魔。燗酒にして美味しいのを使ってください。

で、先週に引き続いて「松の司・2008(19BY)大吟醸・純米しずく斗瓶囲い・兵庫県東条山田錦精米歩合40%・金沢酵母(自社保有株)限定No59/320本/1800ml&350本/720ml」を呑みます。
お椀は、いつもより大きいサイズで、ガラ入れが出てきます。蓋を開けると、オコゼの頭、一匹分。ひれのゼラチンも全部頂きます。鰹の効いた出汁も、だんだん旨みが複雑になってきます。
魯山人写しでしょうか?「福」字の器に河豚のてっさ。面倒くさいのに、流れに合わせて造ってくれます。煮凝り付き。
盛りだくさんの梅八寸。珍しいのが多かった。泥海老を溜まり醤油に漬けたのは、色は悪いが旨い酒肴。アオリイカの目玉と肝も旨い。目玉は食べなくていいと言われたけど、特に毒にも薬にもならないだろうと、酒で流し込んだ。クレオパトラは真珠を飲んでいたというから、美容にいいかも。クジラは旨く炊けてる。とくに筋のプルプルっとした感触は好きだぁ。レタスの仲間だという「やまくらげ」。
 素性法師の歌は「今こむといひしばかりに長月の有明の月を待ち出でつるかな」というのだが、とくに料理に関係はない。

焼き物には、したびらめ。でかかったらしい。皮が焼きすぎかもしれないけど硬いので切り分けづらくて、食べにくい。焼いてあんまり美味しい魚に思えなかった。
酢の物が赤貝。知らない野菜は「サラダへちま」。沖縄では「ナーベラー」っていうやつかな。生で食べられるヘチマだそうだが、癖があったので煮て酢の物にしたという。若いうちは生食が可能ってことのようだ。
コンロの上にホタテの貝、上に乗って焼かれてきたのが帆立と大根(丸に刳り抜いてある)と焼き葱。田楽味噌は玉味噌を使っているようだ。帆立の紐の部分が味噌と絡んで一番旨い。
今日のご飯は「氷魚」。滋賀に住まいするものには、それほどありがたみがない。最近ではスーパーでパック売りしてるのだ。一膳で折り詰め。
お菓子は、酒饅頭と柚子皮の饅頭。ちゃんとコチカゼで造った甘酒を種にして饅頭にしているそうだ。

座敷は満席。どうやらミシュランを見たような雰囲気の外国人グループにびっくり。たどたどしい日本語で直接予約してきたそうだが・・・仲間内の言葉は中国語のようだったかな。カウンターは一組だけ残っていて、「ばかや」の大将らしい。、


平成22(西暦2010)年1月14日
晩御飯は、「日本橋・藤久」。初めてのお客もいるし、久しぶりに戻ってきたお客もいるし・・・カウンターは満席。
新しい仲居さん。

  • ナマコ・海鼠腸の石焼、芽甘草
  • 鶴亀のお椀には、八頭と金時ニンジンの枡梅仕立て、河豚白子の餅見立て、鶯菜、柚子、白味噌仕立ての雑煮椀
  • 鶴の向付にお造りが、おこぜ(身、皮、肝、浮き袋、子)、ぶり、ウニ、イカ。醤油、ポン酢醤油
  • 八寸は、短冊に鯛かもぼこ、黒豆松葉、慈姑チップス、いいだこ、金柑イクラ、のれそれ、香合に、白金豚の角煮
  • 焼き物は鯛、鯛皮の煎餅、ちょろぎ、ふきのとう・田楽味噌
  • 若竹、木の芽
  • 小鍋仕立ては、鴨南蛮見立て。鴨、鴨そぼろ入りの蕎麦掻き、下仁田、山葵の天盛り
  • 釜飯には、松葉かに、止め椀、香の物
  • 藪柑子、栗餡巻き
松の司・2008(19BY)大吟醸・純米しずく斗瓶囲い・兵庫県東条山田錦精米歩合40%・金沢酵母(自社保有株)限定No59/320本/1800ml&350本/720ml」。開封直後で、円やかさが不十分だけど、それ以外は、むちゃの好みで言うことありません。
先付けは、熱々の石が出てき。ました。扇の器には、筒切りのナマコと海鼠腸。ナマコはジュッと音をたてて縮みますが、全然硬くならない。ちょっと塩分が多いようで、ゆっくり食べたいところなれど、そうすると石が冷めちゃう。石のお代わりも出来るだろうけど・・・。

お椀は鶴、裏には亀、底には梅。目でたいお椀には雑煮。餅はないけど、河豚の焼き白子が焼餅の代わりというわけです。毎年、八頭を入れていた記憶がある雑煮だけど今年は裏ごしして固めたようです。丸まるでは料理としての工夫がないから、嫌な性格のQちゃんです。紅白に使う金時を梅に見立てて、枡に梅。
お造りは鶴の器。お正月らしく、めでたい器が続きます。オコゼがメインでポン酢醤油で頂きます。身はもちろん、肝、皮、子、縁側(?)。つくばねの飾り。
途中、お隣のお馴染みさんから「初亀・秘蔵大吟醸・亀・(酒のやまもと)五年熟成」を味見させていただく。酒屋さんで熟成(死蔵)してたらしい。普通の「亀」は3年物だったかな?深い味わいだけど、古酒めいた香りは全くなく、含み香も高い。悪い意味でなく少々まったり感が残る。
八寸は、短冊の器に、(上から)鯛かもぼこ、黒豆松葉、いいだこ、金柑イクラ。慈姑チップスが散らされてます。もうイイダコだ。春ですなぁ。小鉢にノレソレ。春ですなぁ。香合には角煮。金柑イクラは一口でガブリと丸々食っちゃいます。
焼き物は、ウロコ煎餅がデーンと乗った鯛。あしらいに蕗の薹。春ですなぁ。

九州は合馬の竹の子。シャキシャキの食感を残してあるし、春めく香り。
コンロに小鍋が出てきた。「鴨なんば」とか言うてます。「なんば(難波)」が「葱」の符牒というのは有名な話。見た目に、鴨とそばがき。蕎麦掻の中には叩いた鴨が入ってます。かすかに蕎麦が溶け出し、蕎麦湯仕立てみたい。まったり感が鴨の身に絡むと治部煮風でもある。面白ろ旨い。
今日のご飯は松葉かにのご飯。越前産だという。二膳頂いて、詰めてもらいます。いつもの間人は、今年に入って一回しか漁に出ていないらしい。今日のも生かしておいたものらしい。それにエチゼンクラゲの影響もあって品薄という話も聞いたことがある。止め椀の椀種の記憶がすっぽり抜けてます。
お菓子は2種類。黒糖餡が香る藪柑子は雪の積もった風情。

春の食材を使ってくれるのは嬉しいけど、寒い日が続いているだけに、先走り感。春分以降のほうがいいと思いますね。


平成21(西暦2009)年12月21日
今日も晩御飯は、「日本橋・藤久」に行っちゃいます。玄関脇の日本酒は順調に減っているようだ。
本当ならば先週で、年末の挨拶をしたかったのだが、予定外に延長戦。今日も、一階も二階も満席。郁ちゃんもヘルプ。

  • あんこうとアンコウの肝、湯引きの皮、ポン酢醤油
  • お椀は、ブリの粕汁、大根、金時
  • お造りは、真さば、くちぐろ(石鯛)、白アマダイ、車えび、山葵、醤油
  • 縁高の八寸には、白舞茸の胡桃和え、しらさ海老とユリネの掻き揚げ、煮白菜をお揚げさんで巻いたん、ブロッコリー、太刀魚のお寿司、赤カブ、ノドグロのけんちん巻き、干し柿膾
  • 炭・網焼きは雉(むね、もも、せせり、テール、手羽元、肝、はつ、砂ずり・・)、下仁田、
  • 酢の物には、赤貝(ひも・肝)、若布、ほうれん草、しょうが
  • 雉鍋、豆腐、葱、芹
  • 雉メシ(焼き雉のご飯)・葱、止め椀、香の物
  • 黒糖の餡入り金団、ユリネ饅頭
今日も「松の司・純米吟醸2008・AZOLLA・しずく斗瓶囲・竜王町山田錦(環境こだわり農産物認証・栽培期間中無除草剤栽培)精米歩合50%・金沢酵母(自社保存株)・限定(1800ml42本&720ml60本)」を呑みます。一週間たっても美味しさは変わらず。 先付けは、アンコウの肝添え。アンコウの皮は湯引きしてトッピング。身も湯引き?肝はソティして下に敷かれてある。ほんのり温かい先付けだが、臭味を抜くような仕事はしていないそうだが、肝に臭みもなくトロンと溶けて身に絡まる。肝独特の旨味はあまり際立たないが、まったりとしたコク味が増す微妙な温度だとおもいます。

お椀は、黄色味を帯びた粕汁。練り粕でしょうか?脂の色でしょうか?一口目は辛く感じたけど、だんだんブリの脂の旨みがマスクする。いつもながら腹身の脂の多いところを使ってくれてます。
お造り4点。「四」とはどうやねん?!縁起の悪い。紀州沖天然1.1キロのマサバの、これも腹身。脂の塊のようなサバは「馬肉のたてがみ」みたいで、醤油を弾く。サバもキロを超えると値段跳ね上がるそうで、一匹10000円もあるとか?美味しいサバ寿司が高いわけです。クチグロは、大きくなって縦縞のなくなった石鯛。
八寸は、お上品。始めては、シラサ海老とユリネの掻き揚げ。いい組み合わせ。やっぱり干し柿に松の司は合いません。柿の渋みが舌に残る感じ。

開店以来始めて仕入れたという「雉」が今日のメイン。先週の金曜日に入る予定がずれ込んで、一週間に三回も来てしまったわけです。毛は蒸しってムキで入ったという雉は、残念ながら養殖もの。ずいぶんと脂が乗っていたそうで、比較で天然も仕入れる気になったそうだ。(後記:天然の鉄砲で撃ったのは烏丸一条で食べてましたねぇ)。とにかく焼けるところは全部網に乗せてくれたようだ。内臓は椎茸の裏に乗せてあるのは、生。他の部分は通してあります。滴り落ちる脂で、店内充満、顰蹙。全部美味しく頂きました。(でかい緑の野菜は・・わからん?金針菜?)。
 酢の物に赤貝。
二品目の雉は、定番「雉鍋」、胸肉。皮付きで黄色い脂がタップリ。仕入れた一羽からとったスープが鍋出汁。あっさりとしたスープに苦労してくれたようです。でも皮から出る脂が浮いてきてます。毒を食らわば脂まで。完食。雑炊も旨いだろうな。
〆のご飯は「雉メシ」。実は、指定した注文は「雉メシ」でしたが、結局3品になっちゃいましたね。常連さんのお隣さんもあおりを食らって「雉焼き」でした。申し訳ありませんでした。いったん醤油ダレで焼いてくれて、お釜に入れてくれたようです。ご飯はもちろんのこと、骨からのスープで炊きあげてくれてます。野菜は申し訳なさそうに葱。とにかく脂がお米をしっとり艶っぽく光らせております。旨いものです。二膳頂いてお持ち帰り。ネットでも「キジメシの素」とか売ってますが、・・・。ナメコの味噌汁。
 養殖というのをQちゃんは気にしているようですが、ここの定番の軍鶏だって養殖ですからねぇ。そもそもキジには2種類いて、国鳥でもある在来種のキジと、あまりに美味しいために安直に養殖用に輸入したコウライキジの2種類がいて、逃げたコウライキジと交配が進んでいて、在来種のキジは存在が危ぶまれているらしい。この事情は「おおさんしょううお」と同じだな。たぶん今日の養殖キジモコウライキジだろうけど、美味しゅうございました。この冬ははまりそうだ。今日も遺影を撮ろうと思ったけど、トリガラ状態なので、憚られた。南無阿弥陀仏。

お菓子は、黒糖の練り切りの金団。黒糖らしい甘味タップリ。一方やさしい甘味のつぶし餡入りユリネ饅頭。

先日もそうだったが、サライに載った「鉄火巻き」が人気のようで、今日も巻き巻きしてはります。注文があるのがどうも嫌そうな顔つき。それというのも、雑誌ですし屋と同じ並びで紹介されているので寿司屋と勘違いして問い合わせてくるようである。まぐろ屋(そんなお店があるとは思えないけど)と勘違いする人もいるようだ。「まぐろ尽くし」の予約も入っているそうである。赤い本よりサライが悪影響を及ぼしているようです。
年末の挨拶をして、来年もよろしくと岐路につく。


平成21(西暦2009)年12月18日
今日も晩御飯は、「日本橋・藤久」。流石に週末、一階も二階も満席。郁ちゃんも、最後までヘルプ。

  • 赤カブとホタテの甘酢かけ、アスパラ、針柚子
  • お椀は、鴨かぶら、三つ葉
  • お造りは、オコゼの薄作り、肝、皮、三河、胃袋、赤貝、ひも、醤油、ポン酢
  • 藁屋の八寸には、軍鶏とねぎの玉子とじ、八頭にゴマダレ、大根の金平、チシャトウの千切りにバチコ、カラスミの鯛巻き、ししロース、裏ウニの大羽ユリネ、かまぼことアンキモの博多、藁屋には干し柿卸しあえ
  • マグロほほ肉のステーキ、下仁田、ししとう、レモン
  • 酢の物、ゆで蟹足、ブロッコリー、フルーツトマト
  • マグロの目玉の味噌煮、大根、ほうれん草、刻み柚子
  • 赤貝ご飯、止め椀、香の物
  • 浮島の錦玉羹、紫芋の金つば、柿羊羹鋳込みのアンポ柿
今日も「松の司・純米吟醸2008・AZOLLA・しずく斗瓶囲・竜王町山田錦(環境こだわり農産物認証・栽培期間中無除草剤栽培)精米歩合50%・金沢酵母(自社保存株)・限定(1800ml42本&720ml60本)」を呑みましょう。若干甘味が増したかなというかすかな変化だが、幅ができたとも思える程度。心地よく喉を滑っていく。
先付けは、甘酢の赤カブとホタテ。

お椀は、焼き目をつけているけど治部煮風の鴨を使って、カブラ蒸し。カブラの中には鴨の丸に葱。やはり鴨葱です。ほんのり吉野仕立て風の吸い地には鳥の脂の旨みの出たもの。チャレンジャーなお椀。
お造りは、オコゼの薄作り。肝はいまいち。オコゼも三河という言葉を使うようです。
八寸には、9種類。三日前とよく似たのは一つだけ。いつもながら、丁寧なことです。軍鶏の卵とじは親子トジかな?ご飯があれば上に乗せたい旨い味。八頭は揚げてあるようで、ゴマダレのせいかもしれないけど、生涯初めて美味しいと思った。むちゃ家は京都風の雑煮だったので、子供の頃は頭芋が入っていたのが大嫌い。でかいユリネの裏にウニを塗って焼いたもの。小さい頃はユリネも嫌いでしたねぇ。今日も出ましたイノシシ。今日唯一、酒に合わないと思ったのが柿だった。

目鍋に焼かれて出てきたのは、勝浦であがった本マグロ300kg弱のほほ肉。レアな状態で出てきましたが、マグロの脂でジュージューと焼けてくるのです。当たり前だが、旨い。魚の臭みもないし、脂の臭みもありません。
箸休めではないだろうけど、さっぱりした一品は(どこからきたのか聞くのが怖い)蟹。海が荒れてるというのに・・きっと鳥取あたりか?生蟹足をシャブシャブにして身を弾けさせたもの。焼きとか、茹でとか他のお客さんにも出てますから、冷凍物を嫌うQちゃんですから、頑張って仕入れたんでしょう。

続いて、マグロの目玉。ほほ肉と同じマグロの目玉です。ほほ肉と目玉を取った遺影を今日も残して置きます。南無阿弥陀仏。反対側の目玉をくりぬいた抜け後に置いてくれたところをカメラに収める。既に脳天や髄は取り除かれています。どうやら、賄いで食っちゃうようです。どう食べるのか聞いてませんが、叩いて海苔巻きとか・・・美味しそうだ。お客さんに中村ちゃんがお肌がキレイと誉められておりましたが、こういう賄いのコラーゲンの賜物ではないかと思いますな。
さて、目玉は眼窩の中はトロトロ糸を引くコラーゲン(?)。でかい目玉だけに下の方は、まだ赤いモノが滲んでますが、生マグロなので、小さいことは気にしない、ワカチコワカチコ!。目の骨の周りの白くてトロンとした部分や、肉。とても旨いものです。焼くか?煮るか?を聞いてくれてますが、むちゃは煮るのが大好き。脂もコラーゲンも逃したくないですからね。とはいえ、流石に煮汁を飲むと言う気は起こりません。味噌の上にタップリのゼラチンが二層に分離しているのですから、見た目悪い。大根やほうれん草は、特になくてもいいけど、目玉だけではたぶん料理人として嫌なんだろう。居酒屋みたいなメニューだが、食材は間違いなし。マグロの目玉は今日の事前注文品で、ほほ肉はオマケ(だけど、予想はしておりました。壷を押さえてくれてます。)
一時期、ドコサヘキサなんたらとかの影響で、冷凍物の目玉も飛ぶように売れたけど、最近は冷凍物に限って二束三文らしい。

しばし胃を休めて、食事。ご飯は小さいけど赤貝を入れてくれます。剥くのが大変そうだ。ありがとう。いつも手間のかかることをしてくれます。カブラとおぼろ昆布の味噌汁。一膳頂いて、持ち帰り。
お菓子三種類。

おせちの話を聞くと、最近はトォルトゥーガの萬ちゃんは来ず、スタッフのみの参加だそうだ。その代わりに、イル・チプレッソやマーブル・トレが手伝いに来ているそうだ。辻調のイタリア料理の先生も・・・。本当に日本料理のお節かぁと疑いたくなるメンツ。27日まで営業で、31日渡し。
玄関脇に飾られているレアな日本酒の空き箱は、お節に合わせて美味しいウワモノの日本酒をお求めのお客に勧めているものだそうだ。黒龍の「いしだや」とか「にざえもん」とか「しずく」とか、磯自慢の「ビンテージ大吟醸」とか、十四代の「りゅうせん」、「そうこう」など。


平成21(西暦2009)年12月15日
毎度のことながら、晩御飯は、「日本橋・藤久」。
桝っさんとこからのヘルプも戻っていって、バイト2名が残ったものの、一人が辞めちゃったらしい。残った一人も、寝込んでいるらしく、昨晩は満席に2名で頑張っていたそうである。なかなか人が上手く回ってませんねぇ。とにかく今日からまた一人バイトが増えたようだ。今日はゆっくり座れてます。
  • 焼き牡蠣、牡蠣豆腐、海苔
  • お椀が、くわい豆腐、しらさえび、軸菜、金時、黄柚子
  • お造りが、とろ、ぶり、うに、いか、寒ぐれ
  • 八寸には、藁包にナマコと海鼠腸、イノシシの角煮、ボタン海老の外子に汲み上げ湯葉、バチコ鋳込みのチシャトウ、ゆべしに千枚漬け、ブリ肝のつけ焼き、鯛の手毬寿司、あんぽ柿の酒粕焼き
  • 焼き赤座海老、泡立てた黄身酢、トマト、ブロッコリー
  • かわはぎのみぞれ鍋、カワハギ・肝・春菊、白葱、豆腐、すり柚子
  • 越前勢子蟹、蟹酢
  • 鴨めし、止め椀、香の物
  • 胡桃の餡入り葛饅頭、栗蒸し羊羹にかるかん
今日は「松の司・純米吟醸2008・AZOLLA・しずく斗瓶囲・竜王町山田錦(環境こだわり農産物認証・栽培期間中無除草剤栽培)精米歩合50%・金沢酵母(自社保存株)・限定(1800ml42本&720ml60本)」を呑みましょう。口に含んだ駿かに凛とした旨みが広がり、旨みが膨らむ。美味しい。この日のどの料理にも外れることはなかった。それにしても、入り口にレアな大吟醸の空箱を積んでいるのだが、居酒屋みたいなことはやめましょうよ。

先付けが焼き牡蠣。くすんだ緑色は牡蠣豆腐。かけられているのは海苔。海苔の香りが豆腐の牡蠣より強い。旨い焼き牡蠣。
金箔を貼った椿の朱塗りの椀。慈姑の芽が突き刺さった薄い黄色を帯びた慈姑豆腐。ホクホク感が残ってます。
笹雪の向のお造りは、大間のマグロ、氷見のブリ。徳島のウニ。食べたことあったかなぁと思い出せないけどグレはあまり旨い魚じゃないね。新鮮な食感は好ましいけど、旨みが出てこない。イカは細作り。
八寸。ちょこちょこ食べる機会の多いナマコの共会え。茶ぶって柔らか。更にバチコはちしゃとうの真ん中に突き刺さって出てきました。自分で作らないものあるんだぁという柚餅子。藤久農園で作れそうだけどなぁ。ブリの肝は肝を固めて焼いたのだったと思うが・・・魚とは思えないレバーの感じに仕上がっていた。柿と酒粕は、甘さと苦さが混じって・・美味しいかなぁ?

赤座海老が焼かれて出てきました。食べるところは少ない。しゃかしゃか泡立てた黄身酢のソース。
鍋が出てきて、どんと生々しい肝がのっかている。カワハギだそうだ。生でも大丈夫というのでレア肝で絡めて食べる。残る肝は鍋の中でつぶしてコクを出す。みぞれの鍋出汁が旨くなります。淡白なカワハギでは霙の鍋には合わない感じ。もっと味の濃い、脂のある魚のほうがあうように思います。肝がないと、いまいちだったろうな。
今日は黄色いタグのついた越前蟹のコッペ。コッペのタグは雄に比べて、サイズ通りに小さいのだそうだ。半分のサイズですが、きれいに足がそろえてあります。今日の夕方に到着したそうで、明日からは天候のせいで蟹漁はしばらく休むそうである。ここんところ相場が急騰しているようで、また上がりそうだ。いいときに来ましたなぁ。
今日のご飯は「季節に一度は食べたい炊き込みご飯」の「かもめし」。炊き上がった釜の写真を忘れたので、元の鴨さんの遺影。ありがたく頂戴しました。しょうがと山椒の風味が効いてますなぁ。鴨には定番の葱も入ってる。さて鴨さんの骨のスープで炊いたり、ロースを叩いてソボロを作って炒めた上で炊き込んでくれたり、肝やら内臓をありったけ入れてくれたりで、とても家庭で再現できる味じゃない。事前に頼んでおくと、丁寧な仕事をしてくれはります。かすかな過去の記憶をたどっても、一番の旨さでした。いっぱい炊いてくれたので、持ち帰り。
中村ちゃんは、鴨さんの顔をデジカメっていると、信じられない〜というような嫌な顔をしてましたが、魚の頭なんか食べちゃってるんですよ。変わりはないと思うんですけどねぇ。

お菓子は2種類。他は次回に残しておく。


平成21年11月23日
名残惜しい文楽劇場を後にして、晩御飯は、「日本橋・藤久」。祝日だし、定休日の店も多くて困ったけど、営業してはりました。
カウンター4名が残っておられたけど、声をかけられてびっくり。(今日はよく顔が割れる日だ。)。「空堀の☆の居酒屋」の大将とスタッフ。それに先ほどまで食っていたのは「畳屋町の☆☆」の大将だったとか。休日は気をつけないと、こういうことになっちゃう。

  • ブリの赤辛味大根掛け
  • お椀が、焼いた栗湯葉団子、軍鶏、軸菜、金時ニンジン、黄柚子
  • お造りが、かに刺し
  • 八寸は、菊菜とエノキの胡桃和え、牡蠣の燻製、渡り蟹の海苔巻き、黄ニラのキントキ巻き、酢取りカリフラワーの黄身そぼろ、鯛の子、ごぼうの湯葉巻き、焼きアナゴ棒寿司
  • クエのカマの煮付け、柚子
  • 赤貝と若布・ブロッコリーの酢の物
  • クエしゃぶ、クエの目玉、豆腐、菊菜、椎茸、チリ酢
  • クエ雑炊、香の物
  • お菓子が、餡入り胡桃葛饅頭、胡桃ゆべし
今日のお酒は「松の司・特別大吟醸・2008(20BY)・金賞受賞酒出品タンク・限定300本・東条町山田錦精米歩合35%・自社保存酵母にします。キンキンに冷えすぎるとよくありませんが、落ち着くと味に幅が出て、香りと味の乗りがよくなります。気持ちいい甘味のある喉越し。出品酒だけど、まだ寝かしてもよさそうだ。
先付けは・・・お造りと間違ったのかと思うような「ブリ」の腹んとこと赤味んとこ。紫色のモワモワとしたのが赤辛味大根だそうだ。ピリッときますな。ちょっと醤油が辛いけど脂がはじいてくれます。

お椀は、微かに緑色に見えるので、蟹味噌かなと思ったんだけど、もそもそ。栗とは思いもよらない仕事。軍鶏は栗を食べさせて育てたのかな?脂を上手に落してあります。
お造りは、蟹刺し。一度は出てきますねぇ。二本。間人。大阪でも間人の蟹がそこそこ使われておるようですな。黒門には柴山とかも出回っているのを見かけるし、ありがたいがなくなってきたカナ?
大皿に、チマチマ見える八寸。胡桃和えの和え衣がとても旨い。かにの身と蟹子だけを海苔で巻いた蟹巻き。キントキという魚がいるんだそうだ。煮付け向きだそうだ。煮アナゴも旨いけど、焼きアナゴも旨い棒寿司。

煮物にしてくれたのは、なんだが分からない魚だけど、聞けば45キロのクエのカマらしい。カマ一個ではこの倍くらいあるようで、およそ半分。あっさり目に煮付けてあります。
箸休めに酢の物が挟まる。

半身仕入れたというクエのの頭を出刃で切り離して、鍋材につかっていたらしいが、クエの目玉をしゃぶしゃぶの鍋に入れてくれました。鬼太郎のオヤジの入浴状態ではなく、座りが悪く横目状態で入っているので、分かりにくい。目玉のゼラチン・コラーゲンたっぷりのところがゴロンと丸々鍋の中。とろとろのゼラチンがモロモロと鍋に広がる。プリプリの目玉、ニチャニチャと口の中にまとわり憑く旨み。目玉を食べつくすと、身をシャブシャブします。丸々と太っていたクエだったそうで、さもあろうという脂の乗り。どうしても捌ききれなかったのが口で、サメの口の標本みたいなんがどうしても割れなかったそうだ。それでか、賄いで食べちゃったらしい。
この脂とコラーゲンたっぷりの出汁にご飯を入れて雑炊が今日のご飯。

お菓子は、胡桃2種類。茶巾絞りの葛饅頭は胡桃の香りが弱いようだ。

事前に「マグロかヒッサゲのカマ」、「マグロの目玉」でも言っておこうかと悩んでいたんだけど、言わなかった。それでも、魚の種類は違うけれど、カマは出るし、目玉は出るし、好みを押さえてくれる店です。


平成21年11月21日
文革鑑賞の休憩になると、お弁当をあけます。お腹減った。

  • レモン釜に牛肉のしぐれ煮とえのき茸のとろろ和え、出汁巻き、赤足海老のウニ焼き、煮ごぼう、高野豆腐、かぼちゃの炊いたん、鯛の子の昆布巻き、ブロッコリー、紫芋のかまぼこ
  • 煮物に、小芋、レンコン、カブラ、ほうれん草、柚子皮
  • ブリの照り焼き、酢取り赤かぶら
  • 大根飯、お漬物
毎度、ボリュームあります。


平成21年11月19日
文楽観劇の幕間、30分の休憩で、お弁当をあけます。品書きが今回はない。

  • レモン釜に、菊芋の味噌煮・柿おろし、出し巻き、高野豆腐、赤足海老、煮ごぼう、フォアグラ(あんきも?)の鯛巻き、軍鶏のしょうゆ焼き、牛肉のしぐれ煮、ブロッコリー
  • 煮物に、小芋、レンコン、白菜の湯葉巻き、ほうれん草、柚子皮
  • ブリの塩焼き、銀杏、下仁田ネギの梅酢煮、茶そば松葉
  • サツマイモご飯、お漬物
時間足りないほど、ボリュームあります。


平成21年11月18日
晩御飯は、てくてく日本橋まで歩いて「日本橋・藤久」。ぼちぼちでんな。
  • 先付け、鮭おろし・イクラ和え、紫芋を鋳込んだちくわ、擬製豆腐、柿木茸の山芋羹、沖カマスの手毬寿司
  • お椀が、蟹真蒸、椎茸、軸菜、紅葉ニンジン、松葉柚子
  • お造りが、ブリ、ひらめ、炙った縁側、赤貝・紐・肝、鰹のたたき、いか、山葵
  • 焼き物は、鴨(ロース、もも、肝、心臓、砂肝、ささみ)、下仁田ネギ、レモン、おろし三種(柚子・唐辛子・実山椒)
  • キノコ(しめじ・えのき)と菊菜のおひたし
  • 白子鍋(焼き白子、あら(中骨・かま)、白菜、白髪葱
  • お釜でご飯が2種類(せこがに、もずく蟹)、シジミの止め椀、香の物
  • 和菓子(外郎皮の白餡包み、浮島)、
一杯目に用意してもらったのは「白子酒」。裏ごしした河豚の白子で、コクのアル甘味が微かに香る旨い酒に変わります。季節に一度は嗜みたいお酒。
先付けに出てきたのが、鮭おろし・イクラ和え、紫芋を鋳込んだちくわ、犠牲豆腐、柿木茸の山芋羹、沖カマスの手毬寿司。手堅いところ。

今日のお酒は「松の司・特別大吟醸・2008(20BY)・金賞受賞酒出品タンク・限定300本・東条町山田錦精米歩合35%・自社保存酵母にします。
お椀は、かに真蒸。いつもながらふわふわ。まったり甘味を感じる吸い地。思いがけずに甘〜い人参。
お造りは5種。新鮮な氷見のブリ。今日も熟れたヒラメ。まだ鰹がいけますな。アクシデントは、器から解けた氷の水が漏れちゃったこと。
真っ赤な鴨肉が出てきた。鴨尽いている今日この頃。例年ならまだかまだかと、もったいぶる本鴨だけど、今年は脂が乗っていたそうだ。新潟産。ロースの部分は既に脂の部分が炙ってあります。内臓では、血がにじみ出るハツや肝だが、生臭さはありません。三種類のオロシも面倒な仕事をしてくれはります。下仁田ネギを焼いて「鴨葱」ですな。鴨がでてくるなら、「鴨めし」を頼まないとね。
箸休めのキノコと菊菜。美味しい出汁に、旨い菊菜、食感を残したキノコ。
。 河豚の白子第二弾に「白子鍋」。当然、焼き白子も入っている。2階ではふぐ鍋の宴会(?)が開かれているようだが、そのアラなんかも入れてくれたのでしょう。出汁の旨みも加わって白子鍋出汁の旨いこと。 お釜のご飯を二種類用意してもらって、一つは「季節に一度は食べたい」モズク蟹、一つは旬のセコ蟹。蟹&蟹の食べ比べ。止め椀は、でっかいシジミ。こんな立派なシジミがあるなら「シジミご飯」を頼まないとね。
お菓子2種類選ぶが、・・お流れもあって、食いすぎ。


平成21年11月13日
晩御飯は、「日本橋・藤久」。まだ誰も居なかったけど、満席。
  • 先付け、ごま豆腐・ウニ・山葵
  • お椀には、白アマダイ、一本(大黒)シメジ、軸菜、紅葉にんじん、黄柚子
  • お造りが、ひらめ。炙った縁側、赤貝、ひも、肝、いか
  • 八寸には、胡桃の飴煮、むかごのゴマ和え、軍鶏鋳込みの下仁田ネギ、ちしゃとう、ヤマノイモ団子の黄身の味噌漬け包み、ブロッコリーの鯛巻き、ホタテのカラスミ焼き、菊芋の味噌漬け、羽二重柚子
  • ブリの塩焼き、茶そば松葉、銀杏、チリ酢
  • 大根のふろふき、味噌ダレ、柚子皮、青唐辛子
  • 焼きかに足、セコガニ、カニの玉〆・かに味噌餡かけ、カニ酢
  • 鉄火巻き、香の物、クモコの止め椀
  • こなしの紅葉金団・白餡、練りきりの龍田川見立ての巻物・栗の蜜煮・小豆餡
今日は「黒龍・大吟醸純米酒・兵庫県産愛山精米歩合50%」を呑みましょう。香りは高いけど、甘旨い味は柔らか。日本料理が気持ちよく味わえます。
イチョウの葉皿。黄交趾。真っ白なゴマ豆腐にウニ。お醤油が張られていますが、ちょっと濃い。

蓋を取ると雲錦模様の八橋模様のお椀。大きなシメジは天然の一本シメジ。キロ25000円という話。滲み出している脂は、白アマダイ。甘味のある吸い地。
お造りは、旨みの開いた「ひらめ」だ。卸したタイミングばっちりの熟成感。縁側だって旨いんだけど、そんな縁側より旨い。いい部分でもあるんだけど。
萩すだれに八寸。柿の葉の下の猪口に胡桃の飴煮。壷壷には、むかごをゴマの和え衣も纏ったん。べっこう玉子なんていう人も居ますが、今日は変化球で山の芋の団子をくるんでいます。ムチッとムチっとした二重奏。いっぱい皮をむいた柚子が余っているのか、羽二重柚子。

黄瀬戸にブリの塩焼き。カマの脂の乗った部分です。ありがとう。もう氷見のだそうだ。
今年も間人のカニが用意されてます。足一本はさびしいけど、しょうがないね。焼いて出てきます。日本料理屋の仕事ぶりのセコガニ。細いかに足をキレイに並べてあります。カニ足に隠れているのが熱々の茶碗蒸し。濃厚かに味です。
志野風の湯飲みに、風呂吹き大根。八丁味噌の濃い田楽が乗ってます。味噌は、時折朴葉焼きで使う旨い味噌で、好きなんだけど、薬味代わりの生の青唐辛子(ししとう?)を刻んだ風味が鼻についてしまって、苦手。
「美味しそうですね」とメールしただけなんだけど、用意してくれました「鉄火巻き」。ちゃんとサライを読んでいなかったので、いつもの大間のトロで巻いているのかと勘違いしてました。特集は「赤身」だったんですねぇ。当然「鉄火」だから「赤身」ですわなぁ。今日も釜飯なら、一膳頂いて持ち帰りと踏んでいた腹具合だったのですが、満腹になってしまいました。しかも、味噌汁にはクモコとやり過ぎね。サライを見て、注文する客はまだいないそうである。
それでも、派手なお菓子を見ると、別腹を埋めるように注文します。

水槽の中では、天然のふぐが泳いでいるそうだ。市場でも天然ものは数が少ないそうで、店でストックしなきゃいけないとか。そういうお客がいると言うのも事実だ。海老さんとかも・・・。しかし、養殖きらいだねぇ。
新人一人増員。正社員になる前に、やめないようにね。
お昼にはぽちぽち外国人が来始めているそうである。


平成21年10月29日
晩御飯は、「日本橋・藤久」。カウンター満席。早い時間に一杯になったようで、その後は、貸しきり状態。予約では2回転しないお店。
新しいバイトが1名増員。来月になると(もうすぐじゃん)、卒業すれば正社員となる辻調の子がバイトで来るそうだ。バイトの子は、後半ずーっと皮むきしてたよ。山盛りの柚子皮むき。

  • 柚子釜に、小芋・車えび・ブロッコリー、柚子味噌、刻み柚子皮
  • お椀が、松茸とハモと松茸の石突の団子、紅葉人参、軸菜、松葉柚子
  • お造りが、てっさ、煮凝り、唐辛子入りおろし、刻み葱、醤油
  • 八寸が、ホタテ・山胡桃衣の揚げ物、牡蠣の海苔巻き、黄身の味噌漬け、つぶし枝豆の鯛巻き、秋鮭の氷頭膾、花豆、洋梨のサーモン巻き、カマス寿司
  • 焼き物が、キンキの味噌漬け、松茸・酢橘、甘酢茗荷
  • ほうれん草とキノコのお浸し
  • 渡りカニ、カニ味噌、内子の餡かけ、刻み柚子、三つ葉
  • 子持ち鮎の炊き込みご飯、骨煎餅、ゴマ豆腐とシメジの止め椀、香の物
  • 亥の子餅、イチョウ見立ての羽二重・桃山餡、リンゴ羊羹
今日のお酒は「東洋美人・大辛口純米大吟醸・Bella Orientale・山田錦精米歩合40%」。味の幅もあるし、香りもふくよか、喉越しの余韻はわずかで、好みの出来上がり。
本物の松葉の上に、柚子釜。小芋と海老の上に、柚子果汁入りの玉味噌をかけた田楽風。バーナーで炙ってます。香りの高い味噌が美味しいし、芋の味も旨い。
お椀には、マツタケ。なんだがよく分からないボソボソした椀種はハモと松茸の石突を固めたんだった。ツナギはないけどちゃんとまとまっておりますが、歯ざわりよくない。徳島の松茸。今年は不作だったそうだが、ここ数日急に出てきたものだという。藤久農園だ。

お造りが、テッサ。といっても少し厚めなので、一枚一枚味わえる厚さ。今の時期の河豚が一番お手ごろの値段かもね。皮の周辺を集めて煮凝り。ちょっと濁った醤油は、かつお出しに柚子・酢橘をブレンドした醤油。バイト君の皮むきの賜物だ。
柿の葉を取ると八寸がお目見え。紅葉の下にはホタテの揚げ物で、熱々。香ばしくて美味しい。輪切りの巣立ちのしたには炙ったカマスの棒寿司。旬のかますですな。鯖の旨さにも負けてない。巻物にするのがもったいないような鯛の美味しさ。今日は変なのがありません。
乾山写し龍田川に、キンキの味噌漬けの焼き物。味噌に漬かって透明感のある身に味噌の旨みが乗って、じんわり滲み出すような味わい。しっとり。松茸もいい。
のぞきに、お浸し。松茸・しめじ・えのき。
蓋椀に餡かけ。飯蒸しに見えたけど、真っ赤な内子のしたにカニ味噌、カニのほぐし身。味噌の強い旨みが餡に包まれ穏やかな味。ここでもバイト君の柚子皮活躍。

今日の、ご飯は子持ちの鮎。焼いて骨を抜いてあり、骨は揚げて出てきます。2匹。二膳頂いて、お持ち帰り。
ハローウィーンかぼちゃもあるけど、それはさておき、今日もお菓子三種を選ぶ。季節めく亥の子餅は胡桃・ゴマいりの粒餡。黄色と緑で色づく羽二重がイチョウの様に三角に桃山餡を包む。紅玉を使った羊羹らしいが、酸味は抑え気味。


平成21年10月22日
晩御飯は、「日本橋の掲載不許可の☆」。辻調の学生がバイトで増員。途中からKOTIKAZEの郁チャンも援軍。
初めてのお客も見かけるカウンターは、ほぼ満席。座敷も埋まってます。
  • かんぴょうの黄身酢和え、車海老、四角豆
  • お椀が、白甘鯛に松茸・銀杏とろろ、軸菜。にんじんもみじ、松葉黄柚子
  • お造りは、大間のトロ、壱岐の塩水ウニ、カンパチ、クエ、剣先いか、水前寺海苔、山葵
  • 八寸には、柿膾、菊芋の味噌漬け、ホタテ貝柱の黒豆枝豆の裏ごし和え、三度豆の胡桃粉まぶし、豆腐の味噌漬けマコモ竹サンド、りんごのサーモン巻き、鴨ロース、栗のイガ揚げ(えびのすり身とサツマイモのイガ)
  • ふぐ(白子)の醤油焼き・七味風味、イチョウに抜いた庄内麩の黄身焼き、銀杏、煮凝り、茶そば松葉
  • 赤貝とわかめの酢の物、ブロッコリー
  • 軍鶏とキノコ(平茸、舞茸、椎茸、松茸、えのき茸)の鍋、菊菜、チリ酢
  • 貝柱ご飯、止め椀(厚揚げとナメコ)、香の物
  • お菓子が、栗羊羹、粒餡をつつんだ南京ハロウィーン仕様、黒ゴマと松の実のおまん
今日は「松の司・大吟醸・2008CLASIC Seizaburo Seto・東条町山田錦精米歩合35%・金沢(自社保存)酵母・限定(116本/1800ml&497本/720ml)」というお酒にしましょう。香りよりも、味に深みのある落ち着いたお酒。
先付けは、かんぴょうをミルフィーユのように重ねて、甘みのある黄身酢をかけたもの。うーん、どこかで食べたような料理。

雲錦筏のお椀の種は、甘鯛の上をこんもりとトロロで覆ったもの。とろとろの中に松茸と銀杏。松茸の香りが隠れてしまっているけど、銀杏の苦味はしっかり。
お造りには、大間のトロ、塩水ウニ、カンパチ、クエ、いか。近海もののマグロらしい香り。次号の『サライ・12月号』には「特集 旨さは赤身にあり 味わい深し、ニッポンのまぐろ」という特集で、この店がでるそうである。なんでも編集長夫妻が、通よわれているらしく義理を果たしたようだ。「お造り」に「ねぎま」。うーん、どこかで食べたような・・・。「まぐろ屋」になっちゃだめだよ。ミョウバンを使わないように塩水につけて流通させたウニ。淡路に負けてない。脂ののったこりこりカンパチ。好き嫌いが出るだろうけど磯臭さののこるクエ。
栗の葉で飾った八寸。ざる。柿の器に柿膾。味噌の旨い菊芋。枝豆とよく会うホタテ。マコモ茸で挟んだ味噌漬けの豆腐はクリームチーズのようだ。実家から送ってきた栗を渋皮付きで海老のすり身をつけてサツマイモのイガをへばり付けて揚げたのん。栗と芋で甘甘。

焼き物は、福字の黄瀬戸に河豚の醤油焼き。ほのかな七味の風味。河豚を捌いたあまり物の煮凝り。大好き。まだまだ小さい白子だけど、もう一月もたてば・・・。
酢の物に赤貝と若布。口の中がさっぱりしますな。
コンロが出てきて、小鍋仕立ての軍鶏きのこ。じっくりキノコの風味が出るまで待ちます。軍鶏の脂も溶け出し、美味しい鍋出しになります。ポンス醤油がでるけど、キノコには要らないくらい味のあるキノコたち。
今日のご飯は、貝柱。ちょっぴり酒の風味も残りますが・・・?いつも通り艶々のご飯。二膳いただいて持ち帰り。
お菓子三つ。糖分過多。反省。


平成21年10月6日
晩御飯は、「日本橋・藤久」。
せっかくのヘルプがもったいないなぁ、という入り。

  • 鮎の餅粉揚げ、骨せんべい、銀杏・茶そば松葉刺し、柚子
  • お椀が、浦産牡蠣の湯葉巻き、大黒シメジ、おぼろ昆布、軸菜、黄柚子
  • お造りは、緑交趾に焼き目をつけた鯛とホタテ貝柱・カボス、猪口には、ひらめ・炙った縁側・淡路のウニ・紅紫蘇・水前寺海苔、
  • 八寸は、高杯に一夜干のはたはたの焼き物に子・白子・身の塩辛合え、笛に馬肉・たてがみの海苔巻き・花ユリネ・アジの龍皮巻きすし・黒豆枝豆・ホタテ貝柱のウニ焼き・鯛の子の鯛巻き、柿の白和え・もってのほか・菊菜
  • 飛騨コンロの焼き物で、白アマダイ、マツタケ、白アマダイのウロコせんべい、チリ酢
  • ふぐのてつ皮・三河・遠江・身のチリ酢和え、ねぎ
  • えび芋を器にした、えび芋の素上げ・赤足えびの素上げ・しょうゆ餡、焼きししとう
  • 藻屑かにごはん、止め椀には雲子・なめこ、香の物
  • 抹茶餡いり黄身淡雪羹、餡入り外郎、求肥入り粒餡を三笠風にくるんだん
先週に続いて「松の司・2008大吟醸・しずく斗瓶囲・山田錦精米歩合40%・金沢酵母(自社保存株)・No.057/1800m(限定・400本/720ml&300本/1800ml)」を呑みます。まろやかになってます。
先付けから、ぱちぱち揚げている音が聞こえてきた。子持ち鮎を捌いて、子も一緒に内臓をくるくると三枚におろした片身で巻いてあります。中骨と腹骨と頭はそのまま揚げ煎餅。鮎の姿の美しさは損なわれるけど、だんだん骨も硬くなってくると邪魔になってくるし、丸めることで肉厚になって包まれた内臓が蒸し焼き状態になるという効果も期待できそう。最近は子持ちといっても小さいのを使う傾向にあって、ちょっとそれはないんじゃないと思ったりするわけだ。秋には秋まで育った大きい鮎をかぶりつきたいのだけど・・・。

朱塗りのお椀は、おぼろ昆布たっぷり。三重県浦産の牡蠣を刻んで湯葉で巻いているようです。牡蠣と昆布で松前?昆布の味が強すぎるで、出汁の旨みはよく分かりません。
お造りには、二つの小皿。緑には炙ったシリーズでカボス組。鯛とホタテには塩をしているそうで、カボスだけを絞って頂くようになっている。なぜカボスかというと、前の料理で柚子をつかったから。なんとなく納得。わさびしょうゆ組はひらめ(+縁側)とウニ。今年は小さいと言っていたウニが急に大きくなったみたい。甘みばかりでない磯の香りが加わったイメージ。
八寸は、ススキに笛を使ったもの。細い笛の中に、いろいろ。今日の高杯には、はたはた。身は一夜干にして焼いたそうで、それに塩辛の子や白子を和えたもので、ほんまに酒のツマミ。柿の白和えも心地いい甘み。花に切り損なったユリネがユリネ団子になるのかと思ったら、失敗はしないそうだ。中村ちゃんに怒られちゃった。
コンロが出てきて、煙を上げていたのは白アマダイにマツタケ。燻製になっちゃうよぉ。でかいウロコを剥いたのは、今日二品目のパリパリ煎餅。文句なしの美味しいアマダイ。

ふぐの端っこ。残り物を集めたかのようにたっぷり。
えび芋を、小丸に刳り貫いてその団子を揚げて、つめ直して餡かけを施したもの。藤久農園のえび芋。辛そうな色をして更に摺りショウガも入っているけど、えび芋の旨みは損なわれていない。食べているときは気が付かなったけど「えびえび」の餡かけというわけだ。
先週、望んでおいた「季節に一度は食べたい炊き込みご飯」である「藻屑かにのごはん」。天然のカニの色素で黄色く色づいてます。松葉や渡りを使うよりも、カニでは一番旨いご飯だと思います。もう雲子がでているようで、止め椀の味噌汁の具材。一膳だけ頂いて、別腹分を残しておく。
糖分とっちゃいましょうってな気分で、三つ食っちゃいます。

不景気とはいえ、長野の山荘まで出張料理を依頼するお客さんもおらえるようです。三日間の休業で、一晩の料理を作りにいくそうです。日本料理は初めてというけど、それまではフレンチの「エプバンタイユ」をシェフを招いていたそうだ。嘆息もの。
金曜日は台風もくるというのでお休み。明日は市場も休みだし、猟師さんも思いがけない連休になりそうです。週末は魚が不足しそうだ。


平成21年10月1日
晩御飯は、「日本橋・藤久」。
夜だけ、鰻谷からスケさん一名をお願いしているようです。昼は相変わらずの大盛況で余裕はないそうですが、夜はそうでもないようで、2週間交代で2名が変わりべんたんで手伝っているそうです。桝っさん男気があるやん。なんでも二番手の落合君が自分から買って出たそうだが、男前やねぇ。
  • 先付けに、藻屑かにの冷製茶碗蒸し、ねぎ
  • 土瓶蒸しは、ふぐマツタケ、三つ葉
  • お造りが、大間のマグロ、カンパチ、鯛(鯛皮)、うに、水前寺海苔、紫芽、
  • ススキ・芋名月の八寸には、ユリネ団子(中に、それぞれ、イクラ醤油漬け・きくらげ・フォアグラ・卵の味噌漬け)、ウサギの器に、ノドグロの子、ハモの菊寿司・梅肉、レモン釜にとんぶりとアンキモ、ミズの実、焼き(自家製)唐墨、煮栗
  • 子持ち鮎の塩焼き、銀杏
  • 煮あわび、肝、刻み蛙瓜のゼリー寄せ、チリ酢
  • 炊き合わせが、カブラ、ほうれん草、八頭の孫芋、細切の黄柚子
  • イカ墨ご飯、あおりいか、止め椀、香の物
  • お菓子3種、月見団子、朧月、栗きんとん
今宵は「松の司・2008大吟醸・しずく斗瓶囲・山田錦精米歩合40%・金沢酵母(自社保存株)・No.057/1800m(限定・400本/720ml&300本/1800ml)」にしましょう。開封直後だけど、思ったより味が乗っております。でも切れはスッパリ。
先付けに出てきたのは冷たい茶碗。ふたを取ると赤い具材が見えております。カニの卵ですな。旨みは藻屑かにそのもの。ほじくっても、ほじくってもカニの味噌と卵。ご飯にぶっかけて食べたいくらい旨すぎる味。そういえば、美味しんぼの和歌山の中にも出てきてましたなぁ。藻屑カニを使った「季節に一度は食べたい炊き込みご飯」は次回にお願いしておきましょう。
正真正銘の土瓶蒸し。注ぎ口からでてくるお出汁に、脂が浮いておりません。流石にトラフグ、脂がありません。不思議な魚。ハモとマツタケの派手な旨みより、イメージとしては艶っぽい旨み。まだまだ小さいけど白子入り。

三日月の器に、お造り4種。大間のマグロ。こりこりカンパチ。甘いウニ。
ススキの刺さった飾り。高杯にお供えの芋に見立てた、ユリネ団子。毎年の趣向。イクラ醤油漬け、きくらげ、フォアグラ、卵の味噌漬け。もうひとつ兎の器に盛られている八寸。栗は徳島の実家のものらしい。昔は栗を栽培していたんだと。自家製のカラスミはきっと柔らかくて、焼いたんでしょう。
コンロに笹を敷いて出てきたのは、子持ち鮎の塩焼き。既に骨が抜かれていて、パリパリになっている。お腹のところに、皮一枚で切れ目を入れて、縞模様に顔を出す鮎の子。子持ち鮎はビジュアルも大切。
煮あわびのスライス、肝もスライスしてあわびの上。あわびの下には蛙瓜の刻んだものをせりーで固めてあります。あわびの出汁入りかな。チリ酢が香ります。三田の方で作られて、あまり外に出ないという蛙瓜は、瓜の表面が蛙のような斑点模様があってつやつや。見えないこともない。種を実家に送って、お母さんが栽培しているそうです。藤久農園ですな。

炊き合わせに、カブラ、芋、ほうれん草。黄色いピールが入っているは、もう(?)黄柚子。

先月に、イカ墨を使った真っ黒の釜飯が出来るかどうかを尋ねていたのだが、イカ墨は粘りがあって(焦げ付いて)ダメなんじゃないかなぁと言われてしまっていた。とにかく、日本料理屋で真っ黒なご飯を食べる人はいないみたいなことを言われていたんだけど(水前寺海苔だって黒いけど)、やってくれますQちゃんは。釜の中は真っ黒でよく見えないけど、つやつやピカピカ光って黒いダイヤみたい。いや黒いダイヤは食べたくないけど、黒にアオリイカの白い実が際立っておりますな。アオリイカが一番脂分が多いというので、使ってくれたイカ墨です。炊いているときに釜から黒い泡が吹き零れて、釜もふたの裏も真っ黒になったそうです。ありがとう。
イカの旨みだけだと、味は濃くないけど、じんわりと旨みがあります。すこし固めのお米も好みに炊き上がってます。イカだけでなく別の旨みが加わったら、更に旨くなるでしょう。二度と作ってくれそうにないけど。二膳お替わりして持ち帰り。冷めても美味しいかな?(釜と蓋に付いた墨は洗って落ちてほしいな)

関西風の月見団子は、餡子から団子が出ているものだそうです。漉し餡と粒餡の二種類。とても甘く練られた栗きんとんは、ムチムチのネットリ。刻んだ栗も入って、和菓子屋顔負け。


平成21年9月8日
晩御飯は、「日本橋・藤久」。
  • アワビと肝、オクラと糸ウリのゼリー寄せ、黄身酢
  • お椀には、しらさ海老、冬瓜、三度豆、吸い口が茗荷
  • お造りには、マグロ、鯛、鯛の皮、車エビ、いか、うに、水前寺海苔
  • 備前焼きの手桶に盛られた八寸には、萩が飾られ、新いくらの塩漬けにおろし、ズイキとお揚げさんの炊いたん、サンマの細巻き、バイ貝、アコウの子の炊いたん、肝を詰め込んだハモの笛、鯛の菊巻き、ホタテの黄身焼き、耳イカ
  • 松茸を巻いたサワラの焼き物、銀杏、酢取りレンコン
  • わたり蟹の湯葉巻き・菊菜、黄菊、針生姜、加減酢
  • きんきのしゃぶしゃぶ、きんき・菊菜・松茸・ネギ、ポン酢
  • 松茸ごはん、止め椀にもくず蟹の蟹団子、香の物
  • 桔梗を象ったこし餡をくるんだ外郎、朧月と名付けられた漉し餡の黄身薯与饅頭
七本鑓・純米大吟醸・渡船6号精米歩合50%&40%・全量木槽搾り・協会9号酵母」を一杯だけもらって、今日のメイン「七本鑓・大吟醸斗瓶取り・全国新酒鑑評会入賞酒・山田錦精米歩合40%」と飲み比べ。出品酒は、香りが高く、そのせいで渡船が頼りなく感じる。呑み心地はともに軽快で、美味しく呑める。

先づけには、アワビ。
お椀には、シンプルに海老がまるっぽ。冬瓜もそろそろ終わりやね。茗荷の香りたっぷり。冬瓜という割に、冬に食べたことがないと気づく。苦味のある三度豆がワイルド。
お造り5種。冬しか漁をしないと聞くけど、大間産のまぐろ。馴染みになるメリットというのは、鯛一つとっても、いい部分を残しておいてくれるということかな。淡路のウニも今月いっぱいで、種類が変わるという。
重い備前の手桶。新もののイクラはまだ小粒。肝を詰め込んだハモの胃袋だけど、見た目芋虫とかのようにも見えちゃうのが難点。見たことないけど回虫?しかもグニュとして・・見た目・食感も味に影響しますな。鯛の菊巻きとは、切り身で食用菊を巻いたもの。巻いた鯛も菊の模様に見えたりする。とても可愛いミミイカ(コアラみたいに寝ているのん)は、最近では泳ぎ耳イカという売り方をして生きているのが出回っているらしく中村ちゃんのペットだそうだ、癒されるそうだ。それでも、もう弱っていて、見せてくれたけど、クターっと元気がなかった。
焼き物は、松茸鰆。

今日は渡蟹が出てきました。菊菜と解した蟹を湯葉で巻いて、酢のもの。ここでは、居酒屋のようにデンと蟹がそのまま出たことがないと気づく。安くなったら、買いにいこ!
鍋が出てきた。具材は「きんき」だそうだ。しゃぶしゃぶして脂が落ちてるはずなのに、脂身を食べてるような錯覚。松茸の香りを鍋出しに移して、出汁まで頂くのは当たり前。

ご飯は、松茸。止め椀の味噌汁には、もくず蟹の団子。身の少ない蟹だけど、お家では味噌汁にそのまま入れて崩しながら食べると聞いたことがあるけど、日本料理屋ではちゃんと解して団子にしてくれてます。
お菓子は、抑え気味に2種類。


平成21年9月3日
晩御飯は、「日本橋・藤久」。
日本料理屋の夏の激務に耐えられなくなったらしく、若い子が居なくなって、元の二人に逆戻り。
  • モクズ蟹、スダチ
  • 丸豆腐のお椀、白髪ねぎ
  • お造りが、トロ、鯛(松皮)、炙りカツオ、さんま、うに、いか、水前寺海苔、わさび、醤油
  • ノドグロの肝焼き、揚げ銀杏、スダチ
  • しゃこと焼きナスのゼリー寄せ
  • 炊き合わせ、アナゴの干瓢巻き、海老芋、おくら
  • 菊の八寸には、焼きアン肝に実山椒の餡かけ、海老・銀杏と黄菊の蒲鉾・四角豆、さんまのもって和え(酢の物)、ズイキのゴマだれ・クコ、アワビの柔らか煮、イチジクのサーモン煮、イカ月環、平アジの手毬寿司
  • 鯛と梅紫蘇の炊き込みごはん、冬瓜・シラサえびの味噌汁、香の物
  • いちじく羊羹、すだちロール
今宵は「七本鑓・純米大吟醸・渡船6号精米歩合50%&40%・全量木槽搾り・協会9号酵母」を呑みましょう。精米歩合が低い割に、立派にマスカットのような吟醸香が楽しめる。
今年も藻屑が出た、と喜ぶのだが、9月はだんじりの季節で、今の時期ならやっぱり「わたりがに(菱がに・がざみ)」でしょう!今週の日曜日には、試験引き。夕方には、太鼓がトントン五月蝿そうおます。
お椀には、丸豆腐。丸のお出汁は美味しおます。

お造りは6種。
一人抜けたあとは、大変だなぁ。いつもなら八寸のところ、遅れるようで焼き物が先。焼津の方で獲れたノドグロらしい。肝を身に塗って焼いてある。脂の勝つノドグロに肝の旨みが加わって、ムッチリとした味で
錆絵百合の乾山写しの向付。焼きナスの風味のゼリーに蒸した蝦蛄。さっぱり。
、 炊き合わせの熱々。アナゴの干瓢巻き。実家徳島のエビイモ。早い!さすがに冬のものより粘り気は少ないようです。
出ないかと思ってた、八寸は最後に珍味として酒のあて。菊の飾りに、菊の交趾に盛られた八寸。とりわけアン肝が好み。フライパンでアン肝を焼いて、実山椒を醤油の餡にしてかけてある。アン肝の脂の旨みをピリッとした山椒の香りがいい組み合わせ。肝のくどさが巧く消されている感じ。「もって和え」って「もってのほか(紫菊)を使った酢の物。盛り込まれてる菊がそれ。

ご飯は、鯛と梅・シソ。さっぱり風味のごはん。一膳で、お持ちかえり。
デザートには、小豆の餡子ものは避けて、イチジクを混ぜ込んだ羊羹と、お馴染のスダチロール。最中の摂食障害?


平成21年8月4日
予約していた晩御飯は、「日本橋 藤久」。
四週連続は何年ぶり?それでも毎回メニューを変えてくるのだから、飽きないお店。今日は何を出してくれるんでしょう?!
途中から一組来店したけど、ゆったり。

  • アナゴの湯葉海苔巻き、詰めタレのジュレ
  • 冷製のお椀が、鱧・オクラの煮凝り。小芋、梅肉入りの葛切り
  • 炙ったぼうぜの握り鮨、甘酢茗荷
  • お造りは、甘手カレイ(肝・心臓)、ボタンエビ(外子)、イカ、ネギ、紅葉おろし、花穂紫蘇
  • 団扇の八寸に、酸漿の中にツブ貝のウニ和え、酸漿に苦瓜・茗荷・鶏の味噌和え、タコの燻製、鱧南蛮、鱧の子の白板昆布巻き、軍鶏のオクラの花巻き、煮含ませた大徳寺麩で胡瓜を巻いたん、牛肉と糸こんにゃくの煮凝り、(その後・ボタンエビ殻の揚げたん)
  • ワタリガニの足の餅粉揚げ、ワタリガニの掻き揚げ(内子入り)、とうもろこしの掻き揚げ、揚げ茶豆
  • 甘手カレイの酒蒸し
  • 鱧そぼろのごはん、香の物
  • お菓子が、レンコン餅・黒蜜、スダチロール(スダチのスポンジ・スダチ入りの白餡)、餡をこなしで包んだん
先週と同じく「上喜元・大吟醸・攻め・山田錦精米歩合35%&40%」にした。こなれた味に変化。
カットガラスの舟。煮穴子を湯葉で巻き海苔でさらに巻いた細巻き。煮詰めたタレには実山椒ごろごろ。タレは辛いが、湯葉の甘味と絡んでいい塩梅。
久しぶりの冷たいお椀。ハモの煮凝りになってます。オクラの叩いたんを混ぜ、梅肉を葛切りにしてあります。でもお椀というより、前菜の一品とも受け取れるな。口の中で温まって吸い地の香りが広がるというのではなくて、鱧の旨みが広がる。

珍しく握り寿司はボウゼ。シズの新子?。表面を焙ってあります。

お造りは、大きい甘手カレイが入ったというので、厚作り。大きい肝と心臓も一緒。それにボタンエビ。ミソも味わえます。足は後で揚げてくれます。ポン酢と山葵。
銀の団扇に酒肴盛り。タコの燻製はほうじ茶の香りだそうだ(わかんないくらい軽めのスモーク)。ちびちび酒を味わいます。ゴーヤと茗荷とを合わせるという妙な(いやオリジナリティあふれる)組み合わせもあって、美味しいかどうかは怪しいが、珍味には違いない。
揚げものは、ワタリガニ。カニ足一本。ふっくら身だくさんだけど、掻き揚げの方が味が素晴らしい。赤い色は内子。ミソも混じっているかもしれない。甘いコーンと、むっちりの茶豆。
立派なカレイの頭・カマの酒蒸し。チリ酢。たくさんのネギとミツバで姿が見えない頭。そのせいで、ノムちゃんが逆様に置いたようだ。頭が右で、背中が手前。薄味に仕上がったオダシ。最後まで、飽きることなく、呑み干します。丁寧にフィンガーボウルを出してくれます。

ご飯は、鱧のそぼろ。炊き上げたお釜にソボロを振りかけたもの。しっかり煮たソボロの香りがご飯に移って、旨いご飯。一膳で、別腹の用意もしなくちゃいけないので、お持ちかえりにします。

当然のように、「カレイのタイ」を探し出します。妙な形だ。目が二つあれば面白いのに・・

お菓子は、今日も3種類を選んじゃいました。いっぱい食べないと中村ちゃんが、睨むんです。黒蜜に浮いた白いのが、レンコン餅。レンコンの笹巻き餅で有名なワクデンのは「レンコンの粉」を使っているらしいけど、これはスリスリしているそうだ。レンコンの土の香りは皆無で上品。黒蜜はしっかり。スダチとスダチの和風ロールケーキ。もうひとつ、久しぶりのコナシ。

今日も見事に料理を違うものにしてくれましたが、食後のお菓子も違うものを用意してくれておるんですな。


平成21年7月28日
予約していた晩御飯は、「日本橋 藤久」。三週連続。しばらくして、カウンターは満席。2階は使われず。

  • 芋タコ南京のゼリー寄せ、ゴマだれ、茗荷、叩きオクラ
  • お椀が、毛ガニの枝豆豆腐包み、白木耳、隠元、針生姜
  • お造りが、トロ、あこう、さざえ(肝付き)、アワビ、たいらぎ、剣先いか
  • 鬼灯の八寸に、馬場茄子に元気味噌、しらすのオロシ和え、鱧の白子の味噌漬け、蔓紫と軍鶏、肥後レンコンとオコゼの子、トラギスの南蛮、とり貝のヒモの一夜干し(漬け)とトウモロコシのあこう巻き、白金豚タン
  • 焼き物が、鱧のカラスミ焼き、中骨の骨せんべい、皮せんべい、揚げ茶豆
  • 茄子とクルマエビの冷やし鉢、黄身酢掛け
  • すっぽんの茶碗蒸し、内卵
  • ウニとサザエのごはん、止め椀、香の物
  • マンゴのシャーベット、桃の葛饅頭、ココナッツ風味の南京羊羹
今宵のお酒は「上喜元・大吟醸・攻め・山田錦精米歩合35%&40%」にした。温度が上がるとビターなイメージだったが、冷えると爽やかな甘味と微かな苦みが味の幅を広げる美味しさに変わった。
先付けが、芋タコ南京。かなり濃い味のゴマだれだったが、絡めると自然な味。もうちょっとキリッと冷えていた方が夏らしくていいな。
お椀は、緑色の物体。なんだか分からない精進な椀かと思ったんだが、中には毛蟹。それを包んだ緑色の袱紗みたいなのは、枝豆を潰した葛でできて、ニュルンとしたもの。

お造りには、貝を沢山。コリコリのサザエ。ムッチリだけど柔らかい生のアワビ。柔らかい部分だけを切ってくれたので、水貝のような固さは全くない。マグロは塩釜から。あこうに骨が残っておりましたな。猿も木から落ちた?。
最近暑いせいもあって、お造りの下の氷が気持ちよくて、舌をリセット代りにポリポリしちゃいます。なんでも鉄分が不足すると「氷食症」という異食症があるそうですな。
ホオズキをつかった珍味。お酒がすすむ君だ。元気味噌というのは郁ちゃんが茗荷や生姜を混ぜ込んだお手製変り味噌で、生の馬場茄子にいい。藩の白子も味噌漬けにすれば、ネトネト。肥後レンコンというのは、甘味を改良したブランド蓮根だそうで、茹でただけだが、ほんのり甘い。
焼き物は、鱧。上に乗っているのが、ザクザクしたカラスミは揚げてある。摺ったカラスミでないというのが、贅沢。クルクル捩じれる骨せんべい。ハモ皮も揚げて出てきた。茶豆は揚げ過ぎでグニャグニャ。点睛を欠く。

冷たい炊き合わせ(?)には、車(しらさ?)海老とナス。たっぷりの黄身酢。
温かい蒸し物は、すっぽんの茶碗蒸し。内卵3つ。すっぽんとか豚足とか・・・食べても、コラーゲンは身につかないそうですが、気の持ちよう。
今日のご飯は、ウニとサザエ。イチゴ飯もどき。一膳だけ。
シャーベットたくさん抱えているようで、勧めてくれるまま、マンゴ。ケーキ屋より濃厚なフルーツのシャーベット。他には定番の抹茶、それにほうじ茶、赤シソ、青シソ、日本酒。

ワインリストがあるそうなので見せてもらった。懐かしい酒商だけどピーロートさんが作っているそうだ。その名前を聞くのも、卯月の酒の会以来だったかな。


平成21年7月21日
予約していた晩御飯は、「日本橋 藤久」。早い時間からカウンターは賑わっていたようだ。
  • 山の芋羹、蒸しアワビ、うに、わさび
  • 朝顔のお椀が、土用豆腐、ナス、吸い口に茗荷
  • お造りが、鳥貝、すずき、トロ、シラサえび、いか
  • 朝顔の酒肴盛りには、なまり節・貝割・梅肉、白瓜と鱧皮・茗荷、湯葉の砕いた茶豆乗せ、レンコンのお寿司、かぼちゃを使ったイカ月環、フルーツパブリカの軍鶏詰め、ドジョウの八幡巻き、鱧の子の一夜干しの炙ったん
  • 徳島海部川の天然鮎の葛の葉焼き、骨せんべい、うるか、甘酢茗荷
  • 生鱧、長芋そうめん、海そうめん、茶豆、梅肉
  • ドジョウの柳川、白髪ねぎ、ゴボウ、
  • 毛蟹ごはん、香の物、ごりの掻き揚げの止め椀
  • 赤紫蘇の小豆入り泡雪羹、葛饅頭、小豆餡を乗せた外郎
今宵のお酒は「松の司・2008吟醸・純米しずく斗瓶囲・竜王町山田錦(環境こだわり農産物認証)精米歩合50%・金沢酵母(1800ml326本) 」とします。

先付けには、ガラスの四方鉢に山の芋(つくねいも)の羹で蒸しアワビに重ねたもの。トッピングがウニ。出汁でのばした山の芋の深い味。生麩のようにやわらかいアワビは蒸しすぎかな?これはこれでいい。
朝顔を描いた蓋を取ると、土用豆腐という、焼いた鰻を混ぜた豆腐。それほど鰻っぽくない。茗荷の香りが立ち上るお椀。

お造り五種。鳥貝、すずき、トロ、シラサえび、いか。
酒肴たっぷり。はもの子を一夜干しにした炙りものの塩梅が素晴らしい。柔らかい味わいで焼いたカラスミに似た食感。最近食べる機会の少ないなまり節だ。梅も加わって塩気強すぎだった。かぼちゃを使っても月環というらしい、いかすみをつかって日蝕環とかも考えていたそうだが・・・。ドジョウを使ったと聞かなければ分からない八幡巻き。フルーツパブリカというのがあるらしい。
「夫婦善哉」で知られる小田作之助の短編「鱧の皮」というのがあるが、鱧の皮って、蒲鉾屋が安く売っていたそうで、高級食材だけど庶民の食べ物だったそうだ。一般の料理屋では鱧の皮を引くことはしないだろうな、と思ったのだった。今でも蒲鉾屋で売っているかまでは聞いてないけど。

徳島産のアユ。三枚におろして、身は焼いて葛の葉の香りをつけます。スダチとかはなし。下した中骨、頭、ヒレなどは全部煎餅になって出てくる。ガラスの猪口には、うるか。まだ塩がそのまま残っているような塩加減でキツイ。もっと寝かそう!
素麺が出たと箸で摘むまで信じていたけど、長芋だった。流石、久ちゃんの包丁は素敵だ。長芋の上にもソウメンで「海そうめん」。長芋に包まれるように生鱧。
あたたかい鍋はドジョウ。頭もヒゲも骨・ヒレまで残して丸ッポ。ちょっと小さい。柳川ですからゴボウもたっぷりなんだけど、まだ若いせいかゴボウの香りが弱いけど、ドジョウ満喫。関東風の味付けにしてくれたのかもしれないけど、少し辛い。生っぽいヌルっとした食感も残っていて、むちゃは好き。精がつきます。

今日のご飯は毛蟹。カニはやっぱり旨い。揚げものの旨みが旨い味噌汁。
ワゴンサービス、いやいや違った。沢山のお菓子から欲ばって3種類。今日も赤シソの泡雪羹を頼んだけど、今日はきっちり赤くなっております。使った柑橘の(たぶんpHの)影響で色が変わるんでしょうね。そんなハーブティーもありましたなぁ。

お盆休みが16〜19日。
玄関脇のウィンドーにオレンジ色の「食べログ話題のお店」ステッカーが貼られているので、びっくり。無理やりあちこちに送りつけているようだが、こんなの(ネットでの素人の評価・ランキングを受け入れたと思われちゃうよ)を貼っておいて、ミシュランは拒絶するというのは、辻褄が合わんのとちゃう?


平成21年7月14日
今日の晩御飯は、「日本橋 藤久」。まだお客はいません。すぐにバターを冷蔵庫で預かってもらいます。
  • 鮎の背越し、蓼味噌、骨せんべい
  • お椀が、鮎にゅうめん、胡瓜、輪柚子
  • お造りは、新さんまの生と炙り、鳥貝、すずき、うに、いか、スダチ、わさび
  • 鬼灯の珍味盛りには、マスノスケのメフン、クエの肝締め、白だつのゴマ和え、蒸した巻貝、イカの肝和え、あいごの白子巻き、ししとうのイカ詰め、干し豆腐と毛蟹のカニみそ和え、白うるか
  • 四万十川の鮎の塩焼き、骨せんべい、蓼酢
  • ごりの掻き揚げ、シラサえびとホドイモの花の揚げ物、塩、すだち
  • 山形牛フィレ肉とナスの挟み焼き、茗荷
  • 鱧そぼろご飯、玉ねぎの味噌汁、香の物
  • 赤紫蘇のシャーベット、紫蘇の泡雪羹、瀬戸ジャイアンツの茶巾包みの羊羹、日本酒のシャーベット
今宵のお酒は「松の司・2008吟醸・純米しずく斗瓶囲・竜王町山田錦(環境こだわり農産物認証)精米歩合50%・金沢酵母(1800ml326本) 」とします。

ガラスの舟形カットガラスに涼しげな、背越し。骨は煎餅に揚げて余すことなく・・・あれ?内臓はない。ウルカとして仕込んでいるんでしょう。
お椀は、鮎を三枚におろして焼いた身を使って、鮎にゅうめん。これも琵琶湖産。

お造りは、予想していた新サンマ。今年は手頃な値段だそうで、豊漁。ウニがよろしいなぁ。スズキも脂の乗ったところを盛りこんでくれてます。ありがとう。
派手な八寸は、酒の肴の珍味盛り沢山。めふんには腹子も入っているというか、腹子しかないよ。匂いがきついので結構味を引きづる。肝和えもしっかりした味。とても酒なしでは食べられないや。いい塩梅なのは白うるか。始めて食べたかもしれない干し豆腐。現物をみたら、外観は白木耳みたい。なかなか面白い食感。
飛騨コンロに、塩焼きのアユは四万十川産。骨は抜いてあって、これも揚げてくれてます。皮はパリっと、身はしっとりふくっら。

揚げものは、掻き揚げ二種類。こんなにたくさんのゴリを一度に食べたのはきっと初めて。混ぜてあるのは三つ葉と人参かな。薄い衣が巧い仕事。もうひとつが、シラサえびとホドイモの花。花と言われても、見たことないので、ふーんと納得するだけ。味も海老の旨さでよくわからない。
鬼コンロに、目鍋。茄子・牛肉・茄子の挟み焼き。シンプルにオイル焼き。茗荷の天盛り。焼かれて牛肉の脂でトロンと旨くなった茄子に柔らかな肉が、口の中でホロホロ溶けていきます。
今日のご飯は、鱧そぼろ。ここまで鱧が出てきてなかったので、予想はしてたけど、そぼろとは・・。丸ッポの玉ねぎが入った止め椀。ご飯は一膳でもちかえり。
お菓子は、瀬戸ジャイアンツというマスカット系のブドウを羊羹生地でくるんだ茶巾羊羹。赤シソを使ったという泡雪羹は不思議に緑色。シャーベットがいっぱいあるというので、その中から赤シソを選んだ。きれいな赤色。シソ臭さは抑えられて美味しい。で、言わずもがな、日本酒のシャーベットもリキュールグラスで味見させてくれた。醴泉の発泡酒をベースにしてあるそうだ。甘味がトップに来るけど、後味は反動で、辛口の日本酒の味が残る。ちょっとだけがいい。KOTIKAZEでは、お菓子が出ずに、カキ氷ばかりが出るそうである。さもありなん。


平成21年6月18日
今日の晩御飯は、「日本橋 藤久」。カウンター一組、他座敷一組。ゆったり。
  • はもの梅肉和え・オリーブオイル・カルパッチョ風、長芋、茗荷、芽ネギ、花穂紫蘇
  • お椀が、新レンコンの饅頭、ウニ、ジュンサイ、三度豆、実柚子
  • 岩牡蠣、トリ貝、カツオ
  • フカの湯引き・酢味噌、オコゼの子の炊いたん、キスの柿の葉寿司、シラサえびのとうもろこし焼き、はもの子の松風、エイの煮凝り、カレイの蓬ケ島、トビウオの昆布巻き、はもの白子・おろしポン酢、どろめ・生姜醤油
  • 目鍋を使ったバター焼きに、赤エイ、あわび、ネギ、スダチ、エイ肝・おろしポン酢醤油
  • 蝦蛄・海そうめん・トマトの酢の物
  • ニシンナス、小芋、茗荷
  • 鮎ごはん、香の物、赤出汁(ずいき・白木耳)
  • 本ワラビ餅、空豆の白小豆饅頭
今宵のお酒は「英勲・大吟醸・平成21年全国新酒鑑評会金賞受賞酒・祝精米歩合35%」から始める。しっとりした甘みが広がるが、幅は繊細。キレもよく、心地いい呑み心地。
先日、口走っておいたら、考えてくれたようで、骨切りした生の鱧をカルパッチョ風に仕上げてくれました。梅肉で和風だけど、オイルの香りも確かにします。ハモは焼き霜にもしてくれてます。和風のカルパッチョでした。梅肉の酸味が先付けとしてふさわしい味。うれしゅうございます。

お椀は、松に貝合わせ?。派手で麗しい金蒔絵。プルンプルンのトロンとした新レンコンの饅頭。日本料理らしくお箸で掴める硬さに仕上がってます。出汁も足さずに、葛も引かず。
お造りには、鳥取の岩牡蠣。むちゃは、レモンは使いません。甘味を増してきた鳥貝は山葵醤油。脂の乗った鰹はポンス醤油。
始めてみかけるステンレスの葉皿(?)。八寸というより酒肴盛り合わせ。実は「酒の肴」をたっぷりと伝えてあります。今まで美味しいと思わなかったふかの湯引きですが、臭みがなく納得の一品。やっぱりスーパーで並んでいるフカ(ネコザメ)はよくないなぁ。鮫も丸々一匹仕入れたそうです。フィレを見せてもらったけど、鯛のような奇麗な白身。おおきいオコゼの子でした。柿の香りがほのかに移ったお寿司。キスも練れてほんのり黄色。色からして旨そう。とうもろこしをすりつぶしてエビに塗って焼いたん。コラーゲンたっぷりのエイの煮凝りには、軟骨入り。胡瓜・ニンジン・(たぶん)長芋をカレイで巻き、昆布で包んだのを蓬ケ島と呼んでいた。切子に入っているのが鱧の白子。ガラスの壺壺にどろめ。
英勲を呑みきれば、後は沢山。後でまとめておこう。

鬼のコンロが出てきて、焼き物。少し前からバターの香りがカウンターに流れてきております。鍋の下には、赤エイ。手前にアワビ。バター醤油味。派手にせんべいになっているのが、エイヒレ。無理をいったかもしれないけど、肝もねだっておきます。新鮮で癖のない肝。美味しい。
酢の物には、海藻という海藻と蝦蛄。
ニシンナスの煮物に鹿児島の石川小芋。ちっちゃい。

他に呑んだお酒は、「伯楽星・純米吟醸」、「不老扇・山廃純米吟醸・19BY・渡舟6号」、「亀泉・純米吟醸原酒・山田錦精米歩合50%・CEL−19酵母」、「醸し人九平次・ときの花をかざす・純米吟醸・山田錦精米歩合50%・9号酵母・酒のやまもとPB」、「松の司・2008(20BY)・純米吟醸・竜王町産山田錦(環境こだわり農産物)精米歩合麹60%&掛米55%・金沢酵母・酒のやまもとPB:通称黒松」といったところ。
高知の亀泉は10年ぶりくらいだけど、以前に比べてスッキリ。不老扇も普段クドサを感じるのだが、これは落ち付いて穏やか。伯楽星は甘くもなく辛くもなく、濃くもなく薄くもなくクセのないバランスの良さが際立つ酒。

呑み終わって、ご飯。鮎ごはん。その前に、骨煎餅もでてきます。一膳頂いて、いつものようにお持ちかえり。。

デザートには、漂白していない本ワラビ粉の蕨餅。黄粉に黒蜜。久しぶり。白小豆の餡子を空豆のこなし(?)で包んだお饅頭。ちゃんと空豆の香りがしてます。


平成21年6月11日
今日の晩御飯は、「日本橋 藤久」。カウンターは盛況。
  • 白ズイキとアワビ(肝も)、叩きオクラの酢の物、
  • お椀は、あこう、春菊豆腐、軸菜、春菊の花
  • お造りが、トロ、焼き霜のハモ、もぶし(いら)、あおりいかの細作り、うに、サザエ、
  • 八寸の、屋形舟の中は、あおりいかの白子・山桃・マナカツオの笹巻き寿司・鱧の肝の固めたん・鱧の白子の煮凝り・ぎんた(ひいらぎ)の昆布巻き・大徳寺納豆と?のカレイで巻いた物。切り子の中に「イカのエラ」のオロシ和え、ナマズの器に「亀の手」のぬた、マテ貝の煮凝り、はもの南蛮
  • 福井産天然イワナの塩焼き、骨せんべい、ふき、生姜、すだち
  • 蝦蛄とジュンサイの酢の物、茗荷
  • ますのすけのしゃぶしゃぶ、春菊、豆腐、シイタケ、千切りのネギ、ポンス醤油
  • 空豆と浅利の釜めし、溶き玉子の吸い物、香の物
  • サクランボ大福、抹茶道明寺の白小豆餡饅頭、泡雪の紫陽花羹
今宵のお酒は「龍力・米のささやき・大吟醸・生・龍仕込みepisode1・山田錦精米歩合(麹米40%掛米50%)」。青梅や桃の強い甘味のある香りがするが、味の幅はあるものの、喉ごしがよい。濃いけどキレイなお酒。
先付けは、ズイキにあわび。アワビは厚めに切ってある。噛みしめるほど旨みが長い。

派手なお椀に、あこう。ビリジアンな緑色の豆腐は春菊。それに合わせて、春菊の花が吸い地に散っております。春菊というのが、花を咲かせるために栽培されているとは、思いもよりませんでした。春菊も蓬のような香り。春菊もしっかり灰汁を抜かなきゃダメなんで、手の込んだ豆腐。
お造り6点盛り。初めてかもしれない「もぶし」。「ぶだい」みたいだけど「べら」の仲間らしい。身の柔らかい白身。よく切りますなぁ。
いつもどおりの、酒肴・盛りだくさんの八寸。大徳寺納豆を巻いたカレイが甘味と辛味がいい具合。ぎんたの昆布巻きはねっとり。はもの白子やイカの白子はこってり。イカのエラも面白い食感。マテ貝の煮凝りもいい味。細かく刻まれて、よくわからない亀の手。面倒くさいだろうけど、面白い食材がいっぱい。

焼き物は天然の「いわな」の塩焼き。骨は抜いて煎餅。熱いうちにパリパリの煎餅を頭からポリポリ。身の方は当然だけど内臓もいっしょくたにかぶりつく。(たぶん)胃袋の中にガリっと歯にあたるものが・・・。石じゃないけど・・・天然の岩魚って貪欲な魚だから、虫とか何食っているんだかわからないなぁ。と「釣りキチ三平」愛読者だったむちゃは思いだし、ガリっと来たのは虫の殻?と訝る。あんまり虫は食いたくないなァ。
酢の物には、蝦蛄とじゅんさい。ジュンサイのプルンとした部分は今年一番の大きさ。蝦蛄はコリコリの子持ちもあるし、嬉しい。
鍋がでてきて、しゃぶしゃぶするのは「ますのすけ」。「おおすけ」とも。背から腹にかけて、片身を薄くスライスしてある一枚がでかい。(だから2枚)。包丁が凄いや。ほんのり白くなって、レアに仕上げて食べます。脂の香りたっぷり。
ご飯は、空豆と浅利のごはん。面白い組み合わせ。ホクホクの空豆。食べきれずに、一膳でお持ち帰り。珍しくお吸い物。
選んだお菓子は3種類。手芒じゃなくて、ちゃんと白小豆。サクランボにはその白餡の大福。


平成21年5月21日
今日の晩御飯は、「日本橋 藤久」。久しぶりのお馴染のマダム。先日、銀閣寺の草料理屋まで行ってきたそうだ。(1時間ぐらい早く来てはったと思うけど、むちゃに話を合わせて、最後のデザートまで付きあってくれはりました)
  • 蒸しアワビ、肝、二十日大根、大根の実、大根おろし
  • ハマグリのお椀が、伊勢海老、空豆の葛饅頭、軸菜、実柚子
  • お造りが、トロ、はもの落とし、アマテカレイ・肝、サヨリ、ウニ、イカ、撚り胡瓜、蓼の葉、針南京
  • 八寸には、手前に、そば粉・南京入り揚げ白玉味噌餡、マグロのコラーゲン・梅肉、ときしらずの黄身酢、アジの南蛮胡瓜巻き、蕗の軍鶏肉巻き、丸の玉子と鱧の浮き袋の味噌漬け。奥に、桃園豚の腕肉の煮込み、焼きアナゴの笹寿司
  • 白甘鯛の塩焼き、皮煎餅、セロリの甘酢、レモン
  • 蛤とジュンサイ、オクラの酢の物
  • 茄子の田楽、ナス皮・生姜の揚げたん、
  • 鰻ごはん、肝の味噌汁、香の物
  • 和菓子が、焦がし砂糖の錦玉羹・大徳寺納豆入り、さくらんぼ大福、ブルーベリー大福
お酒は「まつのつかさ・純米大吟醸・2008(20BY )・渡舟6号精米歩合50%・1800ml限定800本」。今日の方がすっきりと感じる。20世紀梨のような瑞々しい香り。
いろんな大根を添えた蒸しアワビ。ミニ白瓜みたいな形の大根の実はスカスカの食感。噛めば大根の味がすると言うけど・・・わからん。

お椀が、ゴロンとした伊勢海老。ヒスイナスのようなのが、空豆を擂り潰して葛で丸めた饅頭。割ると空豆が吸い地に溶け出す。小さい柚子の実。淡い吸い口。
お造りが6点。デカイ肝を巻きこんだカレイが旨い。マグロは房総。
八寸の、巻物3種がいい出来。トキシラズと軍鶏が特にいい。マグロのコラーゲン(梅肉の乗っているのん)ってどこの部分でしょう?風車(手裏剣?)のような形で売ってるそうです。コリコリと面白い食感でした。豚の中に入っている白いのは腱でしょうか?これもコラーゲンだな。トロンと炊かれています。今日のお昼にkotikazeに寄っていたお隣さんの話では、お昼の1000円の弁当にトキシラズの焼き物を出しているとか。別の日は大間のトロのカツがでていたとか!郁ちゃんもなにをするねん、ご無体な!価値のわかるお客もいないやろに、とはお隣さんの言葉。

最近、白アマダイが豊漁だそうだ。脂でねっとりテカテカ光っております。口の中で溶けるアマダイ。アマダイとは思えない香り。香ばしいパリパリの皮せんべい。
酢の物が、播州のジュンサイ。今年初めて。
揚げナスにたっぷりと田楽味噌を乗せ、揚げた茄子皮と生姜を細切りにして乗せた一皿。茄子と味噌はいい組み合わせだなぁ。

ご飯は、鰻ごはんを釜で炊いてくれてました。残れば、折詰。
お菓子3種類。

ふと気がつくと、先週には中村ちゃんに代わって、カウンターに入ってた男の子がいない。変だなぁ、と聞けば、日曜日に辞めたとか。えぇー!声がでないや!!1年ほど頑張っていたのに・・。
今週に入って、インフルエンザの影響で、宴会のキャンセルがどっと出たそうだ。カウンターの影響はないようだけど、外食も自粛するとは。


平成21年5月14日
今日の晩御飯は、「日本橋 藤久」。ゆったりカウンター。入店したら、中村ちゃんがいてないので、とうとう辞めたか?と思ったが、新しい女性スタッフの教育係に、厨房に入っていた。
  • 焼いた長芋の上に、蒸しアワビと煮たアキレス、煮凝り・青ねぎ
  • お椀が、岩牡蠣、岩牡蠣を叩いて葛で固めた饅頭、さやいんげん、茗荷
  • お造りが、とろ、炙った時鮭、鱧おとし、いかのエンペラ細作り、鳥貝、木の芽挟みのキス
  • 八橋の八寸は、壺壺にマナガツオの頭の骨の酢漬け、サザエに浅利とアケビの芽の炊いたん、海老の豆寿司、茗荷の芋寿司、小魚の昆布巻き、サヨリの子・セロリ巻き、枝豆、ウニ豆腐、豆アジの梅煮、丸十
  • 鰻の白焼き、わさび、黒胡椒入り大根おろし、レモン、塩
  • 酢のものが、フルーツトマト、たこ、たたきオクラ、針生姜
  • 稚鮎の串揚げ、タラの芽・こしあぶらの芽の天ぷら、塩、レモン
  • すっぽんの玉締め丼、白髪ねぎ
  • デザートに、餡入り抹茶袱紗、白餡入りビワゼリー
いろいろあったが、お酒は「まつのつかさ・純米大吟醸・2008(20BY )・渡舟6号精米歩合50%・1800ml限定800本」。味の乗った酒だが、後口はなるほどと納得。
先付けは、小鉢に焼き目をつけた長芋。そのうえに蒸しアワビとアキレスを炊いたんが乗せられている。アキレスを炊いた時の煮凝りが散らされ、ネギを彩りにした冷たい先付け。サクッとしてニュルンとした長芋。むっちり鰒。旨いアキレス。美味しいものは、ゆっくり食べたくなる。

お椀には、なんだかだらしなく崩れた岩牡蠣の葛饅頭。岩牡蠣を叩いて葛を混ぜて饅頭にしてあるのだが、蒸し時間が長かったというから、むちゃの責任かな?そのままの岩牡蠣も入って、清汁というより岩牡蠣汁といった趣。
お造りは、6点。キスには木の芽を挟んでいい香り。甘い鳥貝。むちゃは貝の中では鳥貝がお好み。鳥貝といえば、ワタナベジュンイチがその著書の中で、寿司ネタとして「鳥貝の味は貧相」と断じていたが、そういう舌こそ貧相であると思うのだ。はもの落しには、梅肉。腹身のところの時鮭は焙ってある。トロとか、時鮭とか、わさびの効かない脂たっぷりのお造りです。
八橋に菖蒲(蕾)の飾りの八寸。

コンロが出てきて、笹の焼ける煙。上に乗っているのが熊本産の天然ウナギの白焼き。肝と内臓も焼かれてます。これも山葵が聞かない脂のノリ。案外、黒コショウの大根おろしがさっぱり合います。
オクラとタコにフルーツトマト。鰻のあとにさっぱり。
ここの稚鮎も串揚げの天ぷら。砕いたあられ衣がお腹のところにペタっと張り付いた格好。シャキシャキ。タラノメもコシアブラも美味しい。北陸産。
今日は釜飯じゃなく・・・雑炊のようでもあるし、茶碗蒸しのようでもあるし、丼だし・・・。子供のころ、茶碗蒸しをご飯にぶっかけてグリグリ掻きまわして食べるのが好きだったんだぁ。贅沢な料理になって戻ってきた感じ。

デザートは二つ選ぶ。丸々一個使ったビワを二つに割って、種の部分に白餡を詰めて寒天で饅頭に仕上げたゼリー。最近は白小豆というのが少なくて高価だという。もうひとつは緑色の袱紗饅頭。

カルチャー教室のイベントは好評のうちに終わったそうだ。


平成21年4月14日
今日の晩御飯は、警察も聞きこみにやってきたという「日本橋・藤久」に席をとってた。座敷は埋まっているが、カウンターはゆったり。
見覚えのある顔がニューフェイス。今月15(?)周年だったのとか・・・。
  • いかすみ豆腐、あおりいかの細作り、うに、片栗の葉と花
  • お椀が、小積のタケノコ、アブラメ、春蘭、木の芽、はなびらうど
  • お造りが、トロ、アブラメ、大葉さより、鳥貝、岩茸
  • 桜の八寸には、鯛の白子豆腐、とこぶし、サバの子和え。短冊の器に、若ゴボウのアナゴ巻き、ホワイトアスパラの鯛巻き、ぐじの桜寿司、アジの錦紙巻き、一寸豆の金団、ヒメセミ海老。
  • 焼き物が、マツカサ、フキの甘酢
  • 板取とお揚げさんの炊いたん
  • 油物が、桜エビのかき揚げ、アスパラガス、稚鮎。
  • ホタルイカごはん、新玉ねぎの味噌汁、香の物
  • キウイシャーベット、三色串団子(蓬、白、桜)、こなし金団(粒餡)、錬り切り(二色こし餡)
今日のお酒は「銀嶺立山・大吟醸・愛山精米歩合39% 」。梨やマスカットのようなジューシーなフルーツの香り。味の幅もあるけど、綺麗な余韻。
先付けは、「まっくろくろすけ」のお豆腐。コントラストもいい「あおりいか」の細作り。イカ墨も当然あおりいかです。黒く汚れた箸は、言わずもがな、交換してくれます。片栗の花に葉、茎がトッピング。

雲錦のお椀は、貝塚・小積のタケノコ。太い部分が二つ割り。葛打ちのアブラメ。香りはないけど、春蘭の形がよろしいなぁ。
お造りのもアブラメ。肝付き。礒の香りも旨み。さより、鳥貝。勝浦で揚がった290キロのマグロだそうだ。芝居帰りに鳥貝がでるのは嬉しいものです。

「・・・外のお客へは鳥貝鱠(とりがいなます)、御出家には精進料理分だつて拵へたに、つい上がつてござらぬか」と渡海屋の女房おりうが、外出して買い物をしようとする弁慶に言う言葉。むちゃの持っている古語辞典では「魚貝や鳥獣の生肉を細かく刻んだ料理。後世ではそれを酢で和えたもの」となっているので、今で言うなら「お造り」でしょうか?丸本にもしばしば出てくるのですが、思いだすのは、菅原伝授手習鑑の三段目「佐太村」で用意される白太夫の古希の膳に並ぶ「鰹膾」、「夏祭浪花鑑」の「三婦内の段」では、三婦の内儀が用意する献立のひとつが鱧の「皮膾」。
まだ蕾の桜をあしらった八寸。ボンボリに鯖の子まぶし。ボソボソして食感はイマイチ。乾山写しの短冊の器(全然読めません)。初めて聞く「ヒメセミエビ」。ムチっとした食感になってます。
焼き物は「まつかさ」という和歌山で捕れた魚(キンメダイ科)。初めて頂きます。昨日食べたハッカクに続いて、ばりばりのウロコだ。食べるところが少なひぃ。新子ほどしか食べるところがない。チリ酢。硬い骨の間をせせるために、カニスプーン付き。

今日も、魚をせせりながらタイを探し出す。小さい魚で2匹焼いてくれたが、一匹分だけ捕獲できた。可愛い。

たぶん実家のイタドリ。
揚げものが、稚鮎二匹と桜エビの「かき揚げ」。アスパラの茎の部分をかき揚げに混ぜてあります。料理屋のかき揚げというのは小麦粉や玉子を使ってないのかと思うほどです。桜エビはもちろん生のを使ってあります。
今日のご飯は「はたるいかのごはん」。イカのワタでええ色に焚きあがっております。お家では、目玉を取ったり、口を取ったり、軟骨を取ったり、面倒くさいので処理しないのだが、毛抜きが楽なんだそうだ。ちゃんと「専用!」のが置いてあります。むちゃは時々「ひげ」を抜いております。
kotikaze製の和菓子をまた欲ばる。中村ちゃんも覚えきれずにカンペを使って説明しなくてはいけないのだから、むちゃも覚えきれないので、間違っているかもの和菓子。あまり他では見かけないキウイのシャーベットをつけます。

いつも和菓子を作ってくれているkotikazeはここんところ(行楽?花見?の)お弁当の注文が多いようで、まるで弁当屋さんだとか。その玉造周辺では三光神社というのが花見の名所らしい。


平成21年3月12日
黒門を抜けて、晩御飯に向ったのは「日本橋・藤久」。
  • 太刀魚の醤油焼きとトマトのやきもの、大葉おろし
  • 梅椀には、ホタルイカと碓井豌豆の真蒸と十六島海苔、はなびらウド、木の芽
  • お造りは、いか、伊勢海老、鯛、鳥貝、カマサキのトロ、あじ・大葉と針生姜
  • 貝に盛りこんだ八寸は、ニワトコのお浸し、蒸し軍鶏の黄身酢和え、イカの嘴の醤油焼き、春サバの白子和え、行者ニンニクのほたて巻き、ばい貝、もろこ・かたくちいわしの炊いたん・サーモンの手毬寿司、カラスミ鋳込みのアスパラの揚げ物
  • ナガスクジラのサエズリとオノミ、摺り生姜、ネギ
  • キンメ鯛の塩焼き、甘酢の蕗、レモン
  • 牛肉と山菜(川芹、独活、土筆、蕗、蕨、シイタケ、木の芽)の鍋
  • しじみ飯、止め椀、香の物
  • 和菓子(イチゴ大福、ウズラを模した鶴の子餅、三色こなしの餡巻
今日のお酒も「喜楽長・斗瓶採り大吟醸・平成20年全国新酒鑑評会金賞受賞酒・精米歩合40%」。華やかな香りの荒々しさもなく、ほんのり甘い味わい。
巻貝の器に、魚とトマトの焼き物

梅の描かれたお椀。ホタルイカの旨みと海苔の香りの出汁。十六島と書いて「うっぷるいとう」と読むらしく、天然海苔だからか、香りがよろしゅうおます。島根県の岩海苔。次第に出汁が海苔の香りでいっぱい。
鳥獣戯画の鉢にお造り盛り合わせ。壱岐産の本マグロは築地経由。
蛤を器にした八寸。始めて食べたニワトコは、まだ蕾の部分で小さい真丸。春さばとわざわざ言うのは「裏旬」だそうだ。今日は白子で共和え。肝とか白子とか一緒に和えると旨いですわぁ。ほたてで挟みこんだ行者ニンニクも甘さと辛味が渾然一体で旨い。アスパラの揚げ物の旨い。カラスミを中に鋳込んでいるというのだが、鯛焼きの餡子みたいに根っ子の部分だけなのは悲しい。でもアスパラが旨い。

大明嘉靖年製と裏書された龍文四方鉢にクジラ。口に入れて噛みしめた瞬間の旨みと食感が大好き。口の中で脂を溶かすようにゆっくりと噛む。美味しい。
焼き物はキンメ鯛。
目鍋に牛肉と山菜がグツグツと運ばれてくる。川芹、独活、土筆、蕗、蕨。
ご飯は注文をつけて、寒シジミのごはん。料理屋の炊き込みは、あーやこーやといれないから、味がピュア。出汁で炊かれたご飯にシジミのエキスが染み込んで、とても味の深い炊きあがり。味噌仕立てのシジミ飯とどちらがいいかと聞かれたけど、慣れた出汁で炊いてもらった。止め椀の味噌汁には、でかい松露。
黄瀬戸に和菓子三種。

立ち読みした「毒を出す食・毒をためる食」では、食事は30分以内に食べるようにと書かれているが、全然ダメな3時間。ごはんは炊きたてがいいとも書いてあるが、持ち帰って食べることになる。酒も呑まないとか、息苦しい内容なのだ。


平成21年3月5日
黒門を抜けて、晩御飯に向ったのは「日本橋・藤久」。
  • 白酒羹・ホタテ・碓井えんどうの博多、鴈足、ゴマ餡、桜の葉
  • お椀は、三色菱ごま豆腐、蛤、花びらうど、こごみ、木の芽
  • おつくりは、ミル貝、北寄貝、赤貝、鳥貝、ホタテ貝柱、黒めばる、さば、さばの白子、れもん、わさび醤油
  • モモの八寸。ぼんぼりには、雛あられに見立てた百合根団子で、蓬フォアグラ、えび、うにの三色。耳杯には、蓬麩、アボガドをサーモンで巻いたん、さよりワラビ、空豆、長芋を子持ち昆布で巻いたん、長芋を白酢で巻いた細巻き、鯛の桜寿司、甘酢うど。あおりいかの眼と軟骨の味噌漬け、グレの焼き白子、真子の炊いたん
  • サクラマスの木の芽焼き、皮の素揚げ、蕗
  • 梅山豚の鍋、アスパラ、松露、木の芽
  • いかのヌタ、山菜(蕗の薹、タラノメ、コシャク、野蒜、行者ニンニク、すいば)
  • 生ほたるいか、わかめ、ブロッコリー、生姜醤油
  • 白子雑炊、たまご、てっぴ、香の物
  • 和菓子(よもぎ饅頭に桜色の薯蕷、黄身餡の牛肥包み、錬切)
今日のお酒は「喜楽長・斗瓶採り大吟醸・平成20年全国新酒鑑評会金賞受賞酒・精米歩合40%」。もう今年の出品用のお酒も醸されたでしょうか?1年前のお酒。落ち着きが出て幅があるけど穏やか。先付けの白酒の風味には合わなかったが、その他には問題なく旨く感じる。
蓋つきの器に先付けは、ウスイ豌豆のみどりが黄色いゴマとが柔らかな春色。下から白酒・ホタテ・白酒・ウスイの4段。白酒を先ず出してくるところがあるけど、変形やね。
お椀には、菱餅に見立てたゴマ豆腐三色。一番下のヨモギの香りが高くて、春の香りたっぷり。ハマグリの旨みもジワジワ迫ってくる。続いて出してくれると、鴈足とコゴミの違いがよく分かりました。

お造りには、貝がいっぱい。鳥貝とミル貝がお好み。たぶんこの年になっても始めてだと思うが、めばるのお造り。美味しおす。珍しい生さば。まったく青魚とは思えない。それに今晩一個目の白子。(実は、お昼にお家で雲子のパスタを食べてたりするんだけど・・)
桃の八寸。ウニの団子は塩気が強すぎたけど、フォアグラを包んだ百合根は旨い。イカの味噌漬けも珍味だけど旨い。ちょっとグロテスクな目の玉だけど、すっかり柔らかくなっているし、軟骨もムチムチ。今晩二個目の白子がグレ。生サバは久し振り。
焼き物はサクラマス。春ならでは。皮は揚げてパリパリ。
小鍋が運ばれてきて、中には豚さんだ。梅山豚は日本に100頭ぐらいしかいないという貴重な幻の豚さん。キレイなピンク色のスライスの下には、アスパラごろごろ。それに松露というキノコ。和菓子の松露は食べたことはあるが、本物の松露は食べた記憶がない。しかもデカイ。スポンジのようでもあるし、シャッキとした感触も。豚さんの旨みを吸って美味しい。旨い脂のとけた鍋出汁もしっかり頂きます。
酢の物の真ん中にある白魚かと思った白いのは、あおりいかのエンペラの細切り。いかそうめん風。緑の山菜いっぱい。黄身酢をかけた、色合いが食欲をそそります。

追加して食べたくなった、生ほたるいか。大丈夫?と確認してから注文した。
事前に注文をつけておいた、フグの白子の雑炊。今晩三個目の白子。白く浮いているのが、玉子の白身。玉子の黄身の下にでかいフグの白子は焙ってある。グチャグチャしてズルズル。
和菓子を三つを選ぶ。桃の節句らしい。メロンのシャーベットとか・・煮た柿・・とかもあったけど、際限なく食べてしまいそうだった。3日は雛壇をつくっての演出でデザートを出していたそうだ。
3日は14周年で、昼から夜まで、休みなしの営業だったそうだ。

玄関脇におかれていたのは「JTBカルチャーサロン」のパンフレットだ。なんじゃらほい?と思ったら「再発見・日本料理」という講座(食べることはカルチャーなんですな)があって、その番外編として「見る・買う・味わう”にっぽんばし”」というイベントがあるのだそうだ。で「藤久」さんが、限定13席で来月17日「なにわの春野菜」というお題で料理を作るそうだ。木積筍、碓井豌豆、天王寺蕪・・など。こんなカルチャー教室が存在していたことじたい不思議だ。講師の一人はQちゃんらしいが、いったい誰が講師なんでしょうな?Qちゃんがしゃべるのかなぁ。よく受けたなぁ!教材費=食事代8000円(受講料別)なり。食べたいとは思わないけど、聞きたい。


平成21年2月10日
黒門のスーパーを眺めまわして、晩御飯に向ったのは「日本橋・藤久」。まだお客さんがいない時間帯。
  • ブリ、紫辛み大根おろし和え、芽甘草
  • 梅椀には、蛤真蒸、タケノコ、神馬草、木の芽
  • お造りは、とろ、ひらめ・焙ったえんがわ、大葉を挟んださより、いか、うに
  • 八寸には、あおりいかのコノコ和え、鯛の白子、クジラ尾の身、温泉もやしの蒸し軍鶏巻き・ゴマだれ、芽キャベツ・黄身酢・クコ、若ゴボウのお揚げさん巻き、ぐじのアスパラ巻き、イワシの梅煮、菜の花のカラスミ子まぶし
  • ホタテのやきもの、下仁田、醤油の実、レモン
  • 酢のものは、クルマエビ、もずくのゼリー寄せ、ブロッコリー
  • 熊しゃぶ、白髪ねぎとゴボウ、ミツバ、スプラウト
  • ぐじごはん、熊汁、香の物
  • 梅餡の泡雪羹、桃山、梅が枝餅
今日は「上喜元・大吟醸・槽垂れ・美郷錦精米歩合40%」というのん。ストロベリーのような立ち香りにほろ甘い柔らかな味わい。始めて聞いた酒米である。相変わらず上喜元はすばらしい。
古くはキャベツから始まったような気がする紫の野菜。能勢産の辛み大根だそうだ。ちゃんと辛味もあります。ぶりは脂がのった腹身の部分で、軽いズケ風というけど、染み込まないよねぇ。

梅の描かれた椀は蛤の真蒸に姫竹。真蒸からも滲みでるハマグリの旨い出汁に、コリコリのタケノコ。もずくと勘違いしていた海藻は神馬草。(あいかわらず物覚えが悪い)
扇面の向付け。サヨリに脂が乗ってきたようです。平目旨い。グニュグニュと噛みしめるほどに旨いエンガワ。
梅の枝二つの八寸。そろそろ鯛の白子が育ってきたようです。青森特産の「温泉もやし」だそうです。蒸し軍鶏とあわさって和風のバンバンジーといった味。

焼き物は、ホタテ、紐も肝も全部。焼いたあとに、ショユノミ(醤油の実)という珍味系の味付け。醤油の諸味(搾りかす?)だそうで、それだけでは辛いんで茶漬けにしたりしていたそうだ。むちゃ家では、醤油をそのまま食べるとアホになる・・・(科学的根拠はないだろうけど塩分の性かな?)と教えられているのでそんな珍味があるとは思わなかった。トロンとした甘い下仁田。
酢の物には、焙った車、もずくの寄せたもの。さっぱり加減。
長皿で出てきたのは、鍋の材料。きれいな赤色の熊ロース。以前から注文していたようだが昨日1キロだけ入ってきたようです。冬眠してないのかな?福井産。昆布出汁の鍋の中でしゃぶしゃぶします。脂と赤身の所の筋を切ってあるんだけど、どうしても残りますな。チリチリっとモコモコした熊さん。こんな都会で出てくるとは思いませんでしたぁ。
ごはんは、ぐじごはん。先ほどの昆布仕立て熊鍋の鍋出汁で、とき卵で仕上げた「熊汁」。熊ロースも一片。白いご飯をもらって、グチャーとぶっかけたいくらいの旨い熊汁に出来上がってるのは、出汁がいいからでしょう。ぐじのごはんも美味しおす。一杯だけでお持ち帰り。
梅にちなんだ和菓子3っつ。


平成21年2月6日
芝居が終わって、晩御飯に向ったのは「日本橋・藤久」。
むちゃが入店してカウンターも満席。おや、お馴染さんもいてはります。
  • 貝柱の茶碗蒸し・白菜、ブロッコリー、生姜
  • 梅に鶯のキンコ椀。コノワタ、福豆真蒸、キンコナマコ、ばちこ、神馬草
  • お造りは、鯛、ひらめ、カツオ、ぶり、うに、いか
  • 八寸には、南京豆の醤油煮、じゃこと野菜(忘れた)の炊いたん、金柑の酒粕巻きを焼いたの、海老芋とジャコ海老のお焼き、時雨煮鋳込みの焼き下仁田ネギ、イワシの南蛮の海苔大根巻き、焼いたブリのはさみ大根、お稲荷、太(?)巻き、卵白鋳込みの梅人参
  • 山菜(ふきのとう・クレソン・宮古ぜんまい、行者ニンニク、のびる)とオコゼの天ぷら
  • 白魚の卵とじ、百合根、木の芽
  • 氷魚ごはん、止め椀、香の物
  • 粕取り焼酎のシャーベット・甘酒風味、酒饅頭、ウグイス餅
お馴染さんから「黒龍・大吟醸・八十八号・山田錦精米歩合35%」を頂きます。個性がないのが個性というようなバランスの良さを感じるけど、欠点もなくしてしまうと面白みがないといいますか・・・。
蓋つきの器に茶碗蒸し。千切りにした貝柱の旨みの茶碗蒸し。気がつかなかったけど、そこに白菜を摺り潰して使っているという。不思議な一手間をかけます。
赤の塗り椀。蓋の表に「梅」。裏側に「鶯の文字」。季節感のある「キンコナマコ」が出てくると、嬉しいんだけど、このわたが、ちょっとグロ。キンコナマコはイボイボの突起があるナマコで金棒に似ていて、節分で使います。というわけで、福豆・金棒で鬼退治という趣向で、鬼が殴られて腸が飛び出す凄惨な椀?バチコも浮いて珍味だらけ。

扇面型の向に、盛り合わせ。鯛は松皮、縁側は焙り、カツオは焼き霜。
綿屋・純米吟醸・阿波山田錦精米歩合55%・宮城酵母」に変える。新酒でしょうか?荒さが目立って、苦みが少々。味も薄っぺらい。
柊の八寸。ピーナッツの煮豆。お馴染さんととりとめもない話をして、正確さにかける記憶。季節感だけで酒がすすむ内容。吉兆ではお稲荷さん裏返して使う。
春野菜という山菜の天ぷら。おこぜには「肝」と「皮」も揚げてくれてある。肝の天ぷらっていうのもオツ。
グツグツ鍋がでてきて、白魚。玉子にからんで温かみのある黄色。大きな百合根が混じっている。

ご飯はには「氷魚」を炊き込み。
頂き物の粕取り焼酎をつかったというシャーベット。甘い酒の香りが残って不思議に思っていると自家製の甘酒(しかも麹菌で作った本物の甘酒)がブレンドしてあるそうだ。それは、酒饅頭にも使われているそうだ。もうひとつ、春めく「うぐいす餅」。

3月後半には、中村ちゃんの後輩がやってくるそうだ。頑張り屋さんだといいねぇ。今からエールを送っておくよ!。


平成21年1月20日
予約時間が来て、晩御飯に向った「日本橋・藤久」。
2階は新年会?カウンターはゆったり。
  • ブリと大根の龍皮巻き
  • お椀が、焼いたアナゴのかぶら蒸しの白味噌仕立て、銀杏・百合根入り、焼餅、鶯菜、結び橙
  • お造りには、もす、炙った車えび、イカ
  • 羽子板に梅の花の八寸には、渡り蟹の内子の塩辛・長芋の微塵、山ウドの牛肉入りきんぴら、黒豆、うに蒲鉾、擬製豆腐(胡桃・さつまいも)、平目の子の炊いたん、白魚の梅おろし和え、富山のホタルイカ・島ネギ巻き、味噌漬け玉子の卵白包み、梅人参、金杯にノレソレと菜の花・加減酢
  • はりはり(ベーコン・おのみ・さえずり、水菜、白髪ねぎ)
  • 鳥貝・たいらぎ・ほっき貝・赤貝の酢の物、和布
  • もすの頭・カマの塩焼き・チリ酢、甘酢かぶら、ゆずり葉
  • 鴨めし、止め椀、香の物
  • お菓子が、玉椿、雪山路
今日も「松の司・2007・大吟醸・しずく斗瓶囲い」にする。
先付けは、ブリの腹身と桂剥き大根を重ねて巻いてものを昆布で巻いてあるようだ。ブリとは思えないほど昆布が勝つ。

蓋の裏は打出の小槌。橙の香りが味噌まで染み込んだような強い吸い口。アナゴと百合根が白味噌に合うという発見。

お造りは、リクエストの平スズキ(もす)。むちゃ的には冬に欠かせない白身の魚。切り口に脂が浮かんでキラキラ。いつもながらでっかいクルマエビ。今日は足も焼いてくれてます。
早くも羽子板?今日からやっと大寒だよ。手前の金杯にノレソレ。平目も冬の魚。味が染み込んで美味しい卵。早くも富山椀のホタルイカ。もうデカイ。ちょっと塩が強いけど蟹の内子の塩辛は鮮やかな朱色。
煮物椀がでてきて、一番上にクジラのベーコン。ハリハリだぁ〜。底にはさえずりまで、コクのある出汁に脂が絡んで旨い。くじらの臭みは全然ない。
早くも貝の酢の物。
久しぶりにビックラ魚の頭。ゆずり葉が乗っているけど、退けてデジカメ。もすの精悍な面構え。カマの部分や、ホホの部分には脂はシッカリ乗って、ブリに近い味。
うまい事、「鯛の鯛」ならぬ「もすの鯛」が取れた。

最後期の釜めしは、リクエストの鴨飯。「季節に一度は食べたい炊き込みごはん」の一つ。事前に伝えておくと骨を叩いて、野菜と一緒にフォンを取ってくれて、それで炊きこんでくれているようだ。それに生の鴨肉と焼いた鴨肉とをミックスしてあるそうだ。真似ができない旨さ。とりわけ、脂で艶々に光ったご飯は旨みたっぷり。ちゃんとした真鴨(青首)である。好みを知ってくれていて、いっぱい炊いてくれるので、持ち帰り。

和菓子二つを選ぶ。黄身餡を包んだ羽二重の玉椿。蒸し栗の餡をこなしで包んだ雪山路(?)。栗たっぷり。

もう、アラカルトのメニューからカニが消える。大阪のお客は「カニ」より「ふぐ」の方がいいそうだ。中身は知らないけど1580円という値段で「てっちり」を食べられる店をみたばかり。


平成21年1月15日
芝居が終わって、晩御飯に「日本橋・藤久」へ。
  • 金時豆腐、黄身酢、ブロッコリー、ゴボウ
  • お椀は、海老玉真蒸、厚揚げ、鶯菜、木の芽
  • お造りが、クエ(身、肝巻き、皮巻き)、鯛松皮、炙ったよこわ、赤貝(ひも、肝)、大葉を挟んださより、いか
  • 八寸には、クエのエラのヌタ和え(わけぎ)、香合にざっぱの酢の物、小野小町に・さざえ・金時梅・南蛮・穴子博多、柿本人麻呂に百合根団子(うに・このわた)・金柑になまかつお・イイダコ・菜の花
  • ふぐのから揚げ・白子のソース
  • 氷魚、若芽、フキノトウの加減酢
  • 鴨鍋、水菜、しらがネギ、粉山椒
  • かちん粥、香の物
  • 千代の糸、福来雀、花びら餅
今日は「松の司・2007・大吟醸・しずく斗瓶囲い」にする。
乾山写しの向鉢に、金時人参の豆腐。細かく刻んだ黒いのは水前寺海苔かと油断したら、ゴンボだった。
鶴亀のお椀には、海老入りの玉子真蒸に厚揚げ。真蒸を割ると玉子の香りが吸い地に広がる。ちょっと玉子の味が強いようで・・・
扇の向に、お造り6点。いつもメタボな部分を盛りこんでくれます。クエは、普通の刺身に、湯引きの皮を巻いたんと、肝を巻いたんの三種。

八寸には、そこはかとなく正月気分。結び柳の飾り。百人一首の四方皿。文楽帰りには嬉しいことに、演目「関寺小町」に因む「小野小町皿」である。これも乾山写しなんだけど、本物は見たことなし。
日の出の丸皿に、刺身ででたクエの鰓をつかったヌタ和え。妙な始めての食感。香合に入っているのは和歌山で揚がった「さっぱ」というニシンに似た魚らしい。(調べるとママカリとも・・それなら名前だけは知っているぞ)。もうイイダコが詰まっている。

油物は、ふぐの身をから揚げにしたものに、白子を出汁で伸ばしたソース。乳製品をつかっていないのにクリーミーです。今年は白子の雑炊を食べる機会がないかもしれない。
鮎の稚魚の「氷魚」をつかった酢の物。氷魚は、釜揚シラスのように醤油をかけてご飯にドボッと乗せると旨いんですよ。添えられている青味がフキノトウを剥いて葉野菜のようにしてある。見た目は甘草みたいだけど、当たり前だが苦い。もう春だなぁという一皿。
鬼コンロがでてきて、鴨鍋。つみれ他。

正月8日は「七草粥」というのは全国的だけど、15日は(大阪限定?)「かちん粥」を食べるそうだ。七草はハーブとしての薬草の効果があるといわれるが、「かちん」はお餅のことで、鏡割りのもちを食べましょうっていう、始末な大阪らしい粥。米で米を食うというのだから、饂飩でご飯より凄い組み合わせだ。小豆入り。旨みを出す為にホタテを入れるのは藤久流?。
デザートは、春らしいのを三種。松の内までの縁起もの。


平成20年12月16日
晩御飯に「日本橋・藤久」へ。カウンターの最初の客だけど、いつもながら店の最後の客になる。
  • 焼いたフグの白子、防風、すだち
  • お椀が、カキ真蒸、金時、とろろ昆布、刻みネギ
  • お造りが、かわはぎ、肝、皮、胃袋、芽ネギ、醤油、山葵、チリ酢、一味おろし
  • 八寸には、藁包に軍鶏のタタキに根みつばの辛子醤油和え、いかのクチコ焼き、ホタテの味噌焼き・蕎麦の実、ヤマトイモの羊羹・梅酢、ムカゴのナッツ揚げと根ミツバの根の揚げたん、玉子焼き、白菜の芯に白エビ、タコの子の炊いたん、干し柿膾(酢取り大根)
  • ブリかまの炊いたん、刻み柚子
  • 野菜(やーこん、ちょろぎ、赤ピーマン、黄ピーマン、甘草)の酢醤油焼き
  • イノシシのソティ(フィレ、もも、ロース、パッド付き肩、肩ロース)、下仁田・味噌ダレ、ししとう
  • ブリごはん、大根の味噌汁、香の物
  • 白玉ぜんざい、餡巻きタルト
今宵のお酒も「松の司・純米吟醸・2007しずく斗瓶囲・竜王産山田錦(環境こだわり農産物認証)精米歩合50%・金沢酵母・限定360本」とした。白子や牡蠣とは、何故だが合わせにくい。
先付けが、フグの白子。ここは天然だからええけど、白子を太らせるために養殖ものには女性ホルモン剤が餌に混ぜられているという話があるので、要注意!
お椀には、カキ真蒸。牡蠣の香りプンプン。昆布に隠れて真蒸がみえない。吸い地が昆布の塩分で濃くなるようだ。昨晩から、牡蠣をよく食べてますなぁ。

先週とよく似た薄造り。器まで一緒。(先週まで、赤いおろしは、すべて「紅葉おろし」と思っていたんだけど、紅葉は人参だろうし、それならこんなに辛くないだろうとハタと気がつく。おろしに一味唐辛子を混ぜているというのである。生半可な知識でした。)
椿の八寸。ここで出てくるムカゴが大きくて、それにクラッシュしたナッツを衣にした揚げ物が旨い。ネチッとしたムカゴにカリカリのナッツの食感もいい。大きい白菜を使ってその最後に残った芯の真ん中に白エビを詰めてある。なんだか白菜とはいえ、貴重な食材に思えるから、仕事をするって大切。
氷見のブリかま。割とあっさり。もう少し煮汁に甘さがあった方が、脂に負けずに旨いような気がする。逆にあっさりミゾレで炊いても好きな味だ。骨の間から、ごぼっと身がほじくる瞬間が快感だな。蟹足もそうです。
野菜の炒め物。個性のある香りが妙にからんで面白い。
ご飯かと思っていたけど、予想外の焼き物はイノシシ。フィレ、もも、ロース、パッド付き肩、肩ロース。お腹は膨れているけど、旨いものは旨い。塩コショウだけど、ネギにのってる味噌をつけても旨い。

今日のご飯はブリごはん。三重の郷土料理と始めて知りました。ここでは霜降りの下処理をしているそうですが、田舎ではそのまま使うそうです。魚臭そうなご飯ですけど、とてもイイ味。細かく刻んだブリから滲み出た脂で、ご飯が艶々。好きだけど、これはむちゃの季節に食べたいご飯には入らないのです。一膳いただいて、今日ももち帰り。
温かい白玉に小豆餡。一六タルト風の餡巻きロール。


平成20年12月9日
予約した時間には早いけど、晩御飯に「日本橋・藤久」へ。座敷は埋まっているが、カウンターは半分も・・・繁盛しているのは「笠屋町」だけで「法善寺」も「鰻谷」も、一時に比べると客足が鈍ってきているという噂。むちゃもそろそろ紐を締めないといけない。
  • 蟹入り茶碗蒸し、カニミソ、餡かけ
  • 椿のお椀が、エビ入り慈姑団子、焼餅、鶯菜、松葉柚子
  • お造りが、フグの薄造り、煮凝り、紅葉おろし
  • 八寸の、藁屋の中が茶振りナマコのこのわた和え、いかの明太和え、イクラの自然薯巻き、羽二重柚子、擬製豆腐(紫芋・黒豆)、海老の黄身寿司、白子の(平)スズキ巻き、シャモの白菜巻き、紫カリフラワー
  • 白アマダイの塩焼き、頭、カマ
  • 煮イノシシと大根の炊き合わせ、バラフ、人参、柚子
  • 貝ごはん(ほっき貝、ほたて、本ミル、つぶ貝・・)、蟹の子の味噌汁、香の物
  • 和菓子3つ、浮島、洋ナシの羊羹、黒糖のこなしの金団
今宵のお酒は「松の司・純米吟醸・2007しずく斗瓶囲・竜王産山田錦(環境こだわり農産物認証)精米歩合50%・金沢酵母・限定360本」とした。
温かい先付け。間人の松葉。甲羅を茶碗の蓋にして出てきます。百合根・蟹いりの茶碗蒸しにカニミソを無造作に入れて餡が貼られている。封切り直後の味の乗らないお酒は辛さ・苦さが出て、負けちゃいます。
鮮やかな椀には慈姑の形をした団子。聞くのが野暮だが、慈姑の形をしているということは慈姑を使ってますよってサインだな。とは言え摺り身も入れてるという。エビが甘味をくわて、揚げてコクがでる椀種。吸い地は、最初のうちは蟹の残り香が邪魔してよくわかんない。順番は考えた方がいいかも。それほど、カニミソが旨かった。

お造りは、ふぐ。薄造りとは言い難い厚み。紅葉おろしは苦手です。フグの旨さが飛んじゃう気がしますな。唐辛子に弱い舌の持ち主なんです。今シーズン始めてのフグだった。
冬景色の八寸。藁屋の中にはデカイ輪切りのナマコ。茶振りでグニュグニュ。ちょっとグロいコノワタもタップリ。ふぐの白子を巻いたスズキは「もす」のようだ。もすの頭は、賄いで食っちゃったようだ。珍しい紫色のカリフラワー。軽く酢取り。
賑やかな絵皿にシロアマダイの頭がドーン。隠れているけど、その下にカマ。おろし入りのチリ酢をちょこっと付けて、骨だらけにします。ガラ入れだけでなく、フィンガーボウルまで出してくれます。ありがたいです。

炊き合わせ(?)に、イノシシ。ロースの部分をグルグルまいてタコ糸でしばって、煮豚ならぬ煮猪(にしし)。その煮汁を張ってあります。ニシシの上に大根。旨い煮汁にヒタヒタすると美味しゅうございます。イノシシは四分の一を仕入れるそうです。辛子があってもいいかな。それにしてもタコ糸も一緒に口に入れちゃったよ。
ごはんは貝沢山のごはん。覚えきれない。エキスたっぷりで旨い。勢子かにの玉子を入れた留椀。香りは素晴らしいんですが、ネギ多すぎ、でかすぎ。ご飯は一膳、お持ち帰り。
和菓子は3つ選んじゃいます。ついつい。

ここでも景気のいい話が聞かれない。氷見のブリにしても、誰も買わないので、市場の魚屋さんが仕入れないそうだ。深刻だ。パイの大きい東京へ流れていくのは経済の原則やね。それに九州や山陰のブリは変な気候のせいで「虫」が多いという。ふんだりけったり。聞こえてくるのは、バブル崩壊の時以上に深刻だという話。本当にやばいのは来年の前半だと思うけど、どうなるんかなぁ!?


平成20年11月13日
今宵の晩御飯もまた「日本橋・藤久」。どこへ行こかと考えるのも面倒くさい。
  • 先付けの八寸に、すっぽんの内卵の醤油漬け・辛子蓮根、むかごのごまダレ和え、隼人瓜と蒸し軍鶏、菊芋の味噌煮、鮭児のめふん、エゴマ豆腐
  • 紅葉の平椀に、鯛かぶら。軸菜、紅葉人参、松葉柚子
  • お造りが、くえ(皮)、マグロ、さより
  • ぶりの塩焼き、おろし大根、梨の小丸。すだち
  • 菊菜とキノコのお浸し、削りかつお、振り柚子
  • 蒸し蟹、蟹酢。生姜
  • 香箱かにのごはん、小柱の真蒸の味噌汁、香の物
  • デザートは、柿のシャーベット、柿羊羹、白餡いりの求肥の銀杏見立て
今日のお酒も「田酒・純米大吟醸・百四拾」にする。
八寸。でっかいムカゴにびっくりだが、ゴマがよく合う。出汁で煮しめた瓜も美味しい。珍味の中に優しい出汁の味の一品があると引き立つ。エゴマの香りもいい。

お椀は、鯛に小蕪。シンプルに淡白。[酉農]肥辛甘非真味、真味只是淡(じょうひしんかんは真味にあらず、真味はただこれ淡なり)という言葉を思い出した。
お造りは、薄造りのクエ。白いのはクエの皮。青森の三厨の200キロのまぐろ・カマ先の中トロに当たる部分らしい。山葵醤油。クエといえば岸和田の水産業者の偽装が思い出されるが、福岡のクエ鍋で有名な店もアブラボウズを使っていたそうである。養殖(畜養?)も増えたけど、今年はどうなんでしょうねぇ。これから脂がのってくれば鍋でしょうねぇ。むちゃはやっぱり頭を蒸してほしい。
焼き物は、ぶりの塩焼き。岩梨風に梨を使ったという。スダチが脂を和らげてくれる。
たくさんのキノコは、シメジ、えりんぎ、かきのき茸、エノキなど。さっぱり。
先日、金沢の蟹のタグは赤色と言ったのだが、確かめるように、後輩の伝手で仕入れてくれた金沢の蟹。ところが、赤いタグではなかったよ。ホームベース状の五角形の水色のタグ。そんなことはどうでもいいけど、今日は蒸しカニ。ホロっと舌でほぐれる蟹の身。いろんな食べ方があるけど、それぞれに旨い。

金沢のせこ蟹は「香箱」。ごはんにしてくれました。一膳お代わりして、残りはもちかえり。
なかなか満足のいくシャーベットにならないという柿。冷たすぎると甘味は薄れるのかな?溶けはじめると舌に甘味が絡み付くようになる。

テレビの後の電話・問い合わせを聞けば、なかなか愉快だ。テレビのわずかな時間では、十分伝わっていないようで、日本料理屋以外の何物でもないと思うのだが、なんのお店か聞いてくるのはお笑い。場所が分からないというのも、よく聞く話。ネットに繋がっている家庭も増えてるんだから、電話する前に、ネットで調べるとか、した方がいい。お店にとっても、特に営業時間中の電話は迷惑だしね。個人経営の店では電話番なんか置いてない。
というテレビ放映の夜なんだが、座敷は賑やかだが、カウンターに他のお客さんは来ず。寂しいぃ!


平成20年11月11日
芝居が終わって、急ぎ、晩御飯にむかった「日本橋・藤久」。
  • せこ蟹、カニ酢
  • 雲錦筏のお椀は、紫芋を練り込んだゴマトウフ、クルマエビ、軸菜、紅葉人参、松葉黄柚子
  • お造りが、かに刺し、ぶり、たい・皮、イカ
  • 八寸には、白子豆腐、クリ羊羹・擬製豆腐・ちしゃとうの味噌漬け、ズイキとお揚げさんの炊いたん・ヒイカ生姜詰め、百合根に黄身の味噌漬け、鯛の子ぜりー寄せ・ホタテ黄身焼き・牛の赤ワイン煮、くわのき豆の煮たん・カラスミのキス・白板昆布巻き
  • すぎ(黒かんぱち)の幽餡焼き、破竹、揚げ銀杏、茶蕎麦松葉
  • 赤貝、アワビ、岩茸の酢の物、ブロッコリー、生姜
  • 白子鍋、ふぐ、大根、白髪ねぎ、ホウレンソウ
  • 鮭児ごはん定食、鮭児の味噌漬けの焼き物、止め椀、香の物
  • 黄身しぐれ、胡桃と餡いり胡桃饅頭、栗蒸し羊羹
今日のお酒は「田酒・純米大吟醸・百四拾」にする。田酒らしい癖の無い呑み心地。
先付けに、せこかに一杯。蟹のシーズンですねぇ。

紅葉・桜の散る筏のお椀。紫・白・黄・緑・赤の色合い。紫色に惑わされるけど、言われてみれば微かにゴマの香りが残る椀種。葛を打った車。
帯留め(?)型の器に、(見えにくいけど)かに刺し。蟹のシーズンですねぇ。津居山のん。もうブリ。今日のは長崎だけど、日本海では広く揚がっているようです。
沢山の八寸。この器は初めて。初めての食材は「桑の木豆」っていうのん。飛騨美濃伝統野菜だそうだ。三日連続する白子は旬の証。

乾山写しに、焼き物はスギ。始めて食べました。脂の感じでブリかと思うほど。和歌山であがった、珍しい貴重な(流通しないという意味かもしれない:ひょっとしたらカンパチという名で寿司屋で回転してるかもしれない)魚らしい。まだまだ知らない魚があるもんだし、よく使う気になる。
酢の物が貝と岩茸。数日前によしもと芸人が断崖絶壁で岩茸を採取する番組があったけど、手のひら程の大きさの岩茸に驚き。貴重な一枚を頂きました。少し長生きできそうです。
白い鍋が出てきて、豆乳かと思ったんだけど、河豚の白子だそうだ。ここでは当然のように天然のフグの白子。養殖のフグの白子は白子を大きくするために、餌に女性ホルモン剤を加えるとかいいますから、天然が安心だ。白子の溶け込んだ鍋出汁が、フグの身も入って、言うまでもなく旨い。
食べられないと思っていた鮭児だったが、味噌漬けにしておいてくれたようで、焼き物として、ご飯のオカズ。炊き込みご飯には、焼いておいてあったという鮭児の頭のほぐし身。うれしいご飯です。残れば、お持ち帰り。
名前の記憶が怪しいけど、和菓子3品。


平成20年11月09日
文楽の幕間のお弁当。田の字の松花堂弁当。
  • 焼き物は、姫鯛味噌漬け、赤ネギ、銀杏、茶蕎麦松葉
  • 八寸は、菊釜には松の実トンブリと牛肉生姜煮、出し巻き、茹ブロッコリー、高野豆腐、足赤海老、山ゴボウ、イカ月環、鯛の子、焼き軍鶏
  • 炊き合わせに、かぶら、れんこん、八つ頭、ほうれん草、紅葉人参、松葉柚子
  • キノコ飯、胡瓜・塩昆布
京都で南座で注文するお弁当に勝っている、かも。


平成20年10月21日
晩御飯は、「日本橋・藤久」。カウンターは徐々に満席。
  • 先付けの八寸に、柿おろし、とんぶり、ザルの中には・めひかりの昆布巻き・牡蠣巻き・鯛の子の鯛巻き・栗のイガ揚げ・アジの細巻き。さつまいも・れんこん・紫芋のチップ
  • 湯呑を使った吸い物は、松茸、赤やがら、三つ葉、すだち
  • お造りが、まぐろ、鯛、イカ
  • ノドクロの醤油焼き、赤玉ねぎの酢漬け
  • ワタリガニ、蟹の錦紙巻き、カニミソ、カニ酢、生姜
  • 軍鶏ときのこのすき鍋、松茸・マイタケ・なめこ・香茸・黒皮茸、豆腐、菊菜
  • 銀杏ごはん・はたのほぐし身、止め椀、香の物
  • くりきんとん、栗の浮島
今宵のお酒は「田酒・純米大吟醸・百四拾精米歩合40%」というのん。リンゴやナシを彷彿とさせる甘味がほのかに感じとれる。円やかなノドゴシ。
先付けに八寸が出るが、秋らしいというか、地味な色合いの盛りつけ。揚げたてのイガ栗の皮は栗の生地の細切りの栗でイガをつくってある。相変わらずの包丁の細かさ。中味の栗は、渋皮の栗を揚げたもの。
蓋つきの緑釉の湯呑。松茸の土瓶蒸し風のお椀だが、鱧や鶏ではなくて「アカヤガラ」。厚い身からすると相当大きかったでしょう。淡白でほっこり。でも、三つ葉多すぎ!
お造りは3点。

焼き物が、和歌山で獲れたという「のどくろ」。太平洋でも獲れるのだそうだ。なんだかイメージが狂う。醤油ダレで上手く脂を落として美味しい。
ワタリガニがミソたっぷりで出る。蟹のほぐした身は錦紙で巻いた一品が添えられているが、これが暖かくて、美味しい。
目鍋ですき煮。お肉は網で焼き目を付けた香ばしくてパリッとした皮目の「軍鶏」。たくさんのキノコはナメコ以外が天然モノ。
今日のお釜のゴハンは「銀杏」。プラスされていたのは「あずきはた」をほぐしたもの。魚のエキスがお米に沁みて、銀杏の旨みとが口の中で混ざって、ジワっと美味しい。お代わりして、残りは持ち帰り。

選んだお菓子が、銀寄栗の「くりきんとん」、栗を練り込んだ浮島。
お菓子に、「鬼兜・蘭引純米焼酎40%Vol・オーク樽長期貯蔵」をグラスで一杯。オーク樽の甘味が少ないし、熟成させた円やかさも感じないんだけど・・・。


平成20年9月25日
晩御飯は、お近くの「日本橋・藤久」。いつのまにか満席。
  • 蒸し軍鶏とオクラの新芽(スプラウト)、フルーツトマト
  • 丸豆腐のお椀、白髪ねぎ
  • お造りが、鯛、鯛松皮、オコゼ(肝・皮)、あじ、さんま、大トロ、うに、イカ、花鶴紫、紫芽
  • ススキの飾りの八寸。高杯に百合根饅頭(醤油漬けいくら、木耳、フォアグラ、味噌漬け玉子)。ウサギの器に、新カラスミの焼き物、あんこうの肝、真だらの子の昆布焼き、グレの身巻き、豆腐の味噌漬けをマコモで挟んだのん、一休寺納豆を鋳込んだ衣かつぎ、栗の蜜煮。こはだ新子の菊漬け
  • 子持ち鮎の塩焼き、骨せんべい、すだち
  • シロアマダイの蓮蒸し、四角豆、あんかけ
  • クルマエビのジャガイモ揚げ、茶そば松葉、銀杏
  • 牡蠣ごはん、止め椀、香の物
  • お菓子が、スダチロール、紅芋羊羹、栗金団、もってのほか
お酒は「義侠・大吟醸・慶」にした。大吟醸としかメニューに書かれていないのだが、「慶」とは思わなかった。おっかない金額?でも美味しい。大概タンク指定の原酒ばかり呑んでいたのだが、旨い酒だ!
鶏のササミのようにほぐしてあるのだが、ここは軍鶏しか置いてない。皮が旨い。オクラもスプラウトが出ているようだ。
お椀は、丸豆腐。大きいスッポンが入っております。丸らしい出汁で生姜は押さえ気味。

お造りは、ちょっとづつ盛り沢山。こんなでっかいのは初めてだ、と驚くウニ。脂の乗ったアジは、ハマチとかイナダとかのような香りもするほど。おろしポン酢醤油と山葵醤油。
ススキの刺さった八寸。芋名月にあわせて、百合根でお饅頭だ。4種類の団子に鋳込んだのも4種類。自家製の新からすみは焙ってある。かなりあっさりした塩加減。まだ柔らかいんでしょう。一休寺納豆と聞いたのだが・・・大徳寺納豆みたいなん。衣かつぎがいい塩梅になってます。オコゼの肝とかアンコウの肝とか、肝を食べれば肝臓が強化されたらいいのだけど、ついつい酒がすすんで肝臓に(きっと)悪い。黄色い「寿」という食用菊と紫の「もってのほか」というのがあるが、黄色い方が甘味があるらしい。
焼き物は子持ち鮎2匹。骨を抜いて揚げてくれているのだが、子持ちの骨抜きは難しそうだ。ちょっと崩れてます。
シロアマダイを乗せた「はすむし」。蓮根の蒸し物。
じゃがいもを「だいこんのけん」のように細く切って、衣にした揚げ物。パリパリとした食感でポテトチップス風の香りにむちむちの甘いエビ。今日の車も立派な大きさ。
まだ小さそうだが、ごろごろと入った牡蠣。ふっくら艶艶のごはん。
デザートに合わせて、デジェスティフに八海山の粕取り焼酎三年熟成「宜有千萬」をリキュールグラスで舐めさせてもらう。40度の焼酎を常温でストレートで口に含むのだが、芳しい香り、円やかな味わい。水で割るのは勿体ないや。今年は建仁寺や先斗町でお知り合いになっただけに、八海山で一番呑みたかったお酒だ。お勧めできます。
白餡を緑色のスポンジで巻いたロールケーキ。今シーズンお初の栗金団。滑らかな芋ようかん。飾りには「もってのほか」


平成20年8月28日
晩御飯は、日本橋の「藤久」。お馴染さんのマダムの横がカウンター。ほぼ同時に3組が入店したようで、座敷は満席。折悪く、バイトがお休みで手一杯のようだ。後から郁ちゃんがヘルプで登場。
  • 小芋入りのオクラ豆腐、スダチ
  • お椀には、焼きあなご、ゆば、蕎麦の実雑炊仕立て
  • お造りは、トロ、かんぱち、たい、ひらあじ、うに、いか、水前寺海苔、紫芽、山葵
  • 八寸は、ナマリ節とズイキ、いくら醤油漬け・長芋、百合根、蒸しあわび・肝、馬場茄子・肉みそ、クルマエビ・摺りカラスミ、鰻の肝、穴子干瓢巻き、長芋豆腐の揚げたん、イカ月環、はも寿司
  • 揚げ物は鮎、巻身、腹子を巻いた身、骨せんべい、枝豆、ビーツ、茶筅ナス、スダチ、そうめん松葉
  • ハモと梅肉の冷し玉締め、芽甘草
  • とうもろこし豆腐、ウニ、万願寺の炊き合わせ・すり生姜
  • 河蟹の炊き込みごはん、ゴンズイの味噌汁、香の物
  • スダチ風味の白餡巻き、南京外郎、マンゴの葛饅頭・白餡
今日のお酒は「酒峰加越・大吟醸・朱の吟・兵庫県産山田錦:精米歩合38%」にした。心持甘い舌ざわりだけど、バランスはよくて、ふくよかな味。
涼しい先付け。ごろっと小芋が入った豆腐はオクラの緑が浮かびあがっている。

秋の七草の椀。でかい穴子。最近穴子めく食事。アナゴの下には湯葉がたっぷり。蕎麦の実で雑炊風。
お造りには、「大間のまぐろ」のカマ先のトロ。主人曰く「大坂でウチだけ」という大間産のカマ先。コリッコリのカンパチ。あいかわず旨いウニ。
銀の団扇の八寸。なまり節を醤油漬けのズイキと合せてあるが、酒肴らしく辛め。新物のイクラ。醤油に漬けたら「ちっちゃくなっちゃったぁ!」という出来上がり。お酒をのまない郁ちゃんお手製の肉味噌が、実に酒を呼ぶ出来。ハモ寿司は、生はもを使って、大葉・梅を挟んで白板昆布。大葉の香りがアクセントになって、新しいハモ寿司だった。

鮎が揚げ物。3枚におろした鮎の一枚はくるくる巻いて「あられ揚げ」。もう一枚の身には腹子を巻きこんで「あられ揚げ」。塩でいただく。のこった骨は全部煎餅ででてくる。あしらいには、枝豆、ビーツ、茶筅なす。子持ちの鮎が出回り始めましたなぁ。
冷たい玉締め。梅干しの皮が鱧を包むように忍ばせた玉締め。美味しいあんかけ。まだ蕾の甘草。
あたたかい炊き合わせは、トウモロコシの豆腐にウニ。とうもろこしの甘さがどことなくウニの甘さと重なって無理がない。トウモロコシの甘さもあってこそ、淡路のウニの特徴を活かした組み合わせと思える。
ご飯は、季節に必ず食べたい炊き込みご飯の一つ「もくず蟹のごはん」。もう内子もあるようで、ごはんも黄色味を帯びて、香り十分。お替りして、もち帰り。止め椀には、小さいとはいえゴンズイ3匹。旨い味が染み出た味噌汁。
和菓子3個。別腹。


平成20年7月31日
近くで晩御飯は、お馴染、日本橋の「藤久」。
  • ウニそうめん、オクラ餡、ウニ、針ビーツ
  • 焼いた白甘鯛の頭蒸し、白髪ねぎ
  • お造りが、トロのたたき、焼き霜の太刀魚、あこう、さんま、ケンイカ、針だいこん、針南京、撚り胡瓜
  • 蓮の八寸は、イチジクの天ぷら・しょうが、つるむらさきと蝦蛄、スズキに焼きナスの餡、イカの肝作り、ごり、太刀魚のじゃがいも巻き、芥子れんこん、デラウェア葛煮のサーモン巻き、さんまの細巻き寿司
  • 天然ウナギの焼き物、肝、わさび、おろし
  • 水貝、四葉胡瓜、赤万願寺の酢の物、茗荷
  • 小芋、白ネギ、岩牡蠣の白味噌ぜりー
  • へしこごはん、溶き玉子の吸い物、香の物
  • 葛饅頭と水羊羹
今宵のお酒も「東洋美人・天然酵母純米大吟醸・無濾過生詰・山田錦精米歩合40%・蔵付天然酵母」。
冷たい先付け。上にウニがのっているということは、ウニそうめん。あまりウニの香りはしないんだけど、上にのったウニが相変わらず旨い。いろんな小麦粉などをブレンドしているそうで、イタリアンでいう自家製パスタっていうイメージ。まっかな千切りはサトウダイコン。

お椀の代わりに、蒸し物。香ばしく焼いた白甘鯛。出汁が旨くなります。研修の若い子に「この魚何?」とか聞いて、苛めちゃいました。
お造りは、トロのたたき。なんでタタクのかな?うっすら飴色に色づいたあこう。焼いた太刀魚やサンマは脂たっぷり。
派手な八寸(はすん?)。花びらを並べるセンスも大切。少し前に食べたイチジクがまた出る。なんだかこういうこと多い。美味しくないのは、デラウェアをサーモンで巻いたん。サーモンが悪いのか、フルーツの酸味が影響してか、魚臭さが目立って、よろしくない。生魚とフルーツって美味しかった記憶なし。
鬼こんろが運ばれてきて、焼かれていたのは。わさびとコショウを振ったおろしが別皿。ふっくら・ぷりぷり・むちーと旨さが広がる。来週は「二の丑」だけど、このペースなら、鰻屋に行く必要はないな。

冷えたガラスのお椀がでてきて、蓋を取ると、茶碗蒸しのような、スリナガシのような淡い黄色。箸でつまめる硬さの出汁は・・・白味噌のぜりー!コクがあって旨いんだけど、お椀一杯は、重いぞ。味噌ぜりーに埋まっているのは、軽く味噌で煮込んだ岩牡蠣。小芋。旨いんだけど、時間がかかった。

ご飯は、へしこご飯。へしこは海の日に家族サービスで、福井まで行って、仕入れてきたものだという。一口目は辛いと思ったけど、舌が慣れるといい塩梅。味噌汁でお腹が膨れちゃって、一膳で持ちかえり。
ベツバラ・デザートは、笹で三角に包まれた葛饅頭。笹でクルンと巻かれた水饅頭。今日はシンプルなのをいただく。

最近、お昼の営業を縮小しているという。あまり、客足が伸びないようで、予約があるときだけ、暖簾を下ろすらしい。じゃ、夜の食材が余ってしょうがないかと思えば、空清のお店のお昼が結構繁盛していて、そちらに回して十分以上に整理できるという。巧いこと2つの店が補っているようで結構ですな。ということで、どうしてもお昼食べたいなら「事前に予約」ということだし、お昼の営業は「不定休」ということ。空清ももう3年たったそうである。


平成20年7月29日
文楽が終わってからの遅い目の晩御飯には、日本橋の「藤久」。まだ座敷は盛り上がっている。
見慣れぬ顔の女性は、中村ちゃんの後輩が調理学校の実習で来ている。
  • サンマのたたき、サラダ風(マイクロトマト・カイワレ・イトウリ)
  • お椀は、あわび・肝、焼きナスの玉締め、白木耳、三度豆
  • お造りが、クルマエビ(脳みそ、腹子)、すずき、いか、穂紫蘇、針南京
  • 朝顔の八寸、山芋の磯辺揚げ、豚タン、鰻とうふ、ワタリガニのきゅうり和え、葛打ちしたマスカットのおろし合え、こはだ、枝豆豆腐・三度豆のすずき巻き、バイ貝の酢味噌和え・金時草、鮎姿すし
  • 炊き合わせは、あんかけで、小芋、蓮豆腐、千石豆、うに、茗荷
  • 蝦蛄の胡瓜巻き、針しょうが
  • 目板かれいのから揚げ、ししとう、ナス、茗荷
  • 鱧そぼろのごはん、冬瓜の止め椀、香の物
  • 桃のシャーベット、葛饅頭セット(もも・やまもも・マスカットの三色)
今宵のお酒は「東洋美人・天然酵母純米大吟醸・無濾過生詰・山田錦精米歩合40%・蔵付天然酵母」。柿を思わせるような甘味があるけど、すぐに消えていく。香りはかすか。
カットガラスの四方皿に、涼しげなサラダ風のサンマのたたき。
銀椀の蓋を取ると、あわびと肝。その下に焼きナスの玉締め。舌触り格別の肌理の細やかな玉締め。恥ずかしながら、今まで「三度豆」と「隠元豆」とが同じものと思っていたのだが、それは、例えれば「毛蟹」と「蟹」との関係ということおようだ。いままでインゲンとメモっていたのは、正確にはサンドマメと書くべきだったようだ。
お造りは、20センチぐらいの立派な天然の活けの車えび。与謝野晶子クラスのクルマエビ。血なまぐさいのは、通称「エビの脳みそ」。海老に違いはあるけれど、今日3匹めのエビ。クルマエビにも禁漁期間があるという。天丼にしたら旨いだろうなぁ。
毎年の飾りだけど、朝顔の器が針金でゆらゆら。磯辺揚げの山芋の中には山葵だ。温かいトンタンには辛子。風干しの鮎を焼いた寿司。元々は姿寿司なんだろうけど、切ってあればただの寿司。できれば一匹食べたいものだ。

炊き合わせは、暖かいあんかけ。今が新レンコンの季節だそうで、粘りがまだ十分でないので葛を混ぜてお豆腐にするのだそうだ。葛を入れずに丸めたレンコンをつかうと蓮蒸しと呼ぶいうことだ。いろんな隠元があるようで、千石豆というらしい。ウニとレンコンとは意外に合う組み合わせ。というか、やっぱりウニが旨いんでしょう。
涼しげなガラスの器に、胡瓜の緑が涼味をます酢の物。子持ちの蝦蛄を巻いてある。
目板の揚げ物。ついつい、香ばしい骨煎餅から食べちゃう。実にきれいに身をそいである。

今日のご飯は、はもそぼろ。「そぼろ」たっぷりで、心持辛い。普段なら、はも照りのご飯だろうなと思ってしまうと、「そぼろ」にした理由は、骨切りの練習のはもを「そぼろ」に使い回したのかと思ってしまう。当たり前だが、お客に出すのは、Qちゃんしかしないそうである。というか中村ちゃんもまだ任せられないのだから、若い子の修業も大変だぁ。一杯だけで、持ち帰り。
デザートは、冷たいシャーベットに、白餡入りの葛饅頭。三色セット。モモ果汁100%の甘さの際立つシャーベット。KOTIKAZEのシャーベットもケーキ屋に負けてないや。


平成20年7月10日
晩御飯は、日本橋の「藤久」。あれぇ?また白服が減っていないかい?
今日は、満席になってしまいます。
  • ナスの晒しクジラ巻き、トマトの晒しクジラ巻き、アワビの肝、茗荷、おろし
  • 鮎の一夜干しを焙ったのと素麺のお椀。白瓜、にんじん、柚子
  • お造りが、鳥貝、はも4種(生・皮を焙った生焼霜、皮なし生はもの焼霜、おとし)、とろ、マグロのたたき、かつおのたたき、すずき、松皮の鯛、さんま、あおりいか、うに、わさび醤油、梅肉醤油、黄身酢
  • 八寸は、黄ニラのスズキ巻き、海老詰めの田中唐辛子、ウツボの干物、青柚子の蜜煮(御所車)、ヤマモモのゼリー、マスカットの白和え、ホドイモの花とワタリガニの黄身酢和え、マナカツオの手毬寿司、茗荷
  • 初さんまの腸焼き、塩焼き、内臓いろいろ焼いたん、おろし、すだち
  • ナス入りのタマゴトウフとクルマエビの酢の物
  • 小芋、赤ピーマン、オクラの冬瓜ぜりー寄せ
  • 鮎ごはん、ジュンサイ・蓮根豆腐・ネギの味噌汁、香の物
  • お米のプリン(バナナ・パイナップル・ココナッツ風味)、白餡入りもも葛饅頭、青梅を刻んだ白餡入りの練切、いちじく羊羹
雨後の月・大吟醸・斗瓶取り・鑑評会出品酒・千本錦精米歩合40%・広島吟醸+協会9号酵母」というのにした。ちょっとダレ始めているのか、甘い。少しクドイ甘さだが、料理との相性はそれほど悪くない。
ガラスの長皿の先付けは、晒しクジラで野菜を巻いたもの2種。それぞれ2個。クジラは味がないんだけど、トマトやナスが涼しげで爽やかな先付け。
銀椀には、四万十川の天然鮎を3枚下ろしし、一夜干しにした干物を焼いたものと素麺。焼き鮎をお椀にするというのは、焼き浸しとか、五右衛門汁とかあるんですが、どれも焼いた鮎を使うようですな。川魚だからかどうか知らないけど、確かに香ばしさが味に加わって美味しい。

お造りは、いっぱい盛りこんでくれたけど、一口づつ。もっと欲しいと思うのは、「淡路のウニ」です。「鱧」は4種類の食べ方。皮なしの焼霜は骨を切ってから皮を引くらしいが、ホーっと唸る。なんでも今日が初セリだとかの「さんま」。じゃ昨日まで売ってたサンマはいったい何?と思っちゃうんだけど、ちゃんと業者さんは「のぼり」を配っている。今日が一番高いサンマということだ。ようやく出てきたスズキ。夏の魚で、冬は食べたくない魚。逆はヒラメ。

短冊の八寸。ホオズキの中に、ワタリガニの黄身酢和え。グラスの中がマスカット。ちょっと食べちゃってるのもあるけど、こんな景色。なんだが、デザートぽく甘いのが目立つ。
さて、高いサンマ料理は焼き物。お得意の腸焼きと、塩焼き。肝や子も焼かれて小鉢の中。まだ腸に苦味が乏しくてむちゃには好ましい。クシカツ屋のソースや、鰻屋のタレと同じで段々付け足されて苦味がでてくるのかな?確かめてない。新モノだからなのか、サンマ独特の青魚臭さがない。
酢の物には、ナスの玉締め?玉子豆腐。椀種にも使っているようだ。半生のくるま。
ガラスのお椀で出てきた冷たい炊き合わせ。お椀の底で固まっているのが冬瓜。オモロー!

ご飯は「がんがら」か「あゆ」かと問われるので、今日は「鮎」にしてもらった。4匹分。干物と違って、内臓も炊きこまれて、苦味も香りもグゥーッ!一膳いただいて、持って帰る。今日は荷物がいっぱい。
お盆にのせて選ばせてくれるお菓子は、欲張って4種類を選ぶ。フルーティなお菓子が出ると、ついつい食べたくなる性分。

今日は「納豆の日」だったが、出てこなくてヨカッタァ!


平成20年6月17日
晩御飯は、日本橋の「藤久」。客が少ない。
平成生まれの若い子が入っている。1週間ほどになるそうだ。がんばれ。
今日から折敷が巻簾に変わったというカウンター。
  • 鮎の背越し、骨せんべい
  • お椀が、あこう、蓮餅、きぬさや、柚子
  • お造りには、トロ、はも(生・焼き霜・おとし)、かんぱち、鳥貝、いさき、梅肉、山葵、醤油、花穂ゼリー、撚り胡瓜、針南京
  • 八寸の、芋の葉に・ズッキーニと海老のサンド・フォアグラを包んだ空豆揚げ・アナゴの湯葉巻き、隠元の鯛巻き、かぼちゃのイカ月環、サバの芋寿司、ナスに鱧の煮凝り鋳込み、枝豆。壺々に、あおりイカの黒作り・おばけのレタス巻き
  • オオカミウオのみぞれ鍋、白髪ねぎ
  • タコと叩きオクラ
  • 赤目のあら煮
  • まるご飯、香の物、止め椀
  • 本ワラビ餅、黒糖水無月、白玉緑豆餡に氷
前回、食べられなかった「背越し」。2匹分。酢味噌に蓼を混ぜた緑が鮮やかな「たですみそ」。頭と尻尾とヒレは唐揚げで、骨せんべい。余すところがない。内臓だって食べられるところは出てくる。ちょこんと乗った透明感のあるエメラルド色は苦玉。苦玉だけは一緒に食べられないので、切っておいてほしいところ。慎重に、ひっついている肝とはずす。できるだけ舌の奥に載せて苦みを感じないように苦味を楽しむ(むづかしい)。蓼の酢味噌は旨く出来てるなぁ。

今日のお酒は「東洋美人・大辛口純米大吟醸山田錦精米歩合40%」。美味しい。
お椀は、あこう。むっちりニュルンとした蓮根餅。柔らかい出汁。京都で聞いた昆布の生産減少は本当らしく、特に道南は厳しいそうだ。そのあおりで佃煮屋の神宗は販売を縮小したそうだし、危機感をもったフジッコが買占めに走っているという。藤久も道南を使っているというからあぶない。温暖化の影響といえば簡単だけど、昆布に関して手付かずの漁場が残っている。「返せ北方四島!」
お造りには、はも。昔は鱧といえば「落とし」とか「ボタンハモ」とかしかなかったのを懐かしむ。いつのまにか、焼き霜だの、生だの、進歩したなぁ。梅雨になって美味しくなるイサキ。お造り用の梅肉には煮切りと醤油とを加えているそうで、ちょっぴり濃い。
葉っぱを懐敷にした八寸。珍味。焼いたズッキーニに味噌と海老を挟み込んだのは旨い。黄色い丸っこいのがフォアグラを空豆の餡でくるんだもの。表面は卵で化粧。一番気にいったのはアナゴの湯葉巻き。ナスに鋳込んだ煮凝りは鱧入りで梅紫蘇風味。オバケもなんだか旨い。イカ墨で黒くなった箸は取り替えてくれます。

また、お目にかかれた鬼コンロ。鍋に白髪ねぎがテンコ盛りで、何がはいっているのか分からない。ネギを退けてみても分からないはずで「おおかみうお」。「なんですかぁ?」。北海道産の魚らしい。淡白でもあり、脂ぽくもあり、図鑑で見る姿は悪いけど、味は悪くない。それ以上に旨いのは鍋出汁。北海道の魚に混じって送られてきたそうだが、他の店では手を出さないこういう魚を引き取るのだからチャレンジャー。
タコとオクラで、さっぱり。
デーンとでてきたのが、「なんですかぁ?」。以前にも出してくれた「あかめ」という幻の魚の頭とカマ。矢口高雄が四万十川を舞台にした釣りマンガ(タイトルは「釣りバカたち」?)で、新聞記者が狙う幻の魚だったので、おぼえている。「釣りキチ三平」でも描かれているらしいけど、記憶がない。今日のは和歌山産。トロトロの唇がたまらん。カマの身もホクホク。ゼラチンたっぷり摂取。残った半分は賄いらしい。

御飯が、丸ごはん。丸のスープで炊きこんだご飯に、マルの身を刻みこんである。コラーゲンがご飯にからんでいつも以上に艶々。いままで、出来ないだろうなと頼んだ事のなかった炊き込みごはん。できるんですなぁ。一杯食べて持ち帰り。ゼラチンとコラーゲンで、胃袋のなかで煮凝りができそうだ。
デザート3点。本ワラビの褐色の蕨餅には黄粉。緑豆餡に細かい白玉。上から氷を乗せたら、くるみ餅風だ。すんだ氷風とも言える。


平成20年5月23日
晩御飯は、日本橋の「藤久」。座敷もカウンターも一杯。
  • すっぽんの煮凝り、内卵
  • お椀は、蒸しアワビ、ウニ入りの長芋饅頭、隠元、花柚子
  • お造りが、トリ貝、かつお、かれい
  • 八寸には、船に薩摩揚・鰻の長芋巻き・うど(ゴンズイ?)とその子の昆布巻き・タモリの甘草巻き・赤長とうのイワシ南蛮巻き・タコの柔らか煮・はもの笛の味噌漬け、赤ほや、ワタリガニの黄身酢和え
  • 鯉こく、白髪ねぎ
  • 岩牡蠣、レモン
  • 鱧と梅のごはん、香の物、水ナスの味噌汁
  • マンゴとマスカットのぜりー、錦玉羹と羊羹、ポルトガル風カステラ
今日も「松の司・2007純米吟醸・AZOLLA・しずく斗瓶囲・竜王町産山田錦精米歩合50%環境こだわり農産物認証(栽培期間中無除草剤栽培)・金沢酵母(限定42本(1800ml))」というのん。先週に比べて、甘味とコク味が増す。
先付けは、丸の内卵が鮮やかに、すっぽんの煮凝り。プルンプルンだ。ちょっとピリピリ感が強いけど、コクのある味で、でも爽やか。

花の描かれたお椀は、ギザあわび。その下にウニを包んだ長芋の饅頭。レンコンと間違えちゃった。吸い口が花柚子。
お造り三種。舞鶴産のでっかい、甘い鳥貝。カレイは腹身で脂たっぷり。
舟に盛り込んだ八寸。ゴンズイの仲間と言っていた魚で「うど」。どんなかなぁ?「たもり」というのも魚名。
鯉の季節の五月に、頼んだ「鯉こく」。9時から煮込んで、蒸して、骨までサクサク。味噌もこってり、とっても旨いんだけど、ゴボウは?ない。香のアクセントが欲しいところ。全部の骨まで食べ尽せるぐらい柔らかになっているけど、カルシウムは不足してないので、大きいところまで無理せず、煮汁は呑み切る。堪能。

舞鶴産のでっかい岩牡蠣1個。レモンをしぼって平らげる。
ご飯にアユを頼んだけど、売り切ったそうで、ハモにしてもらう。梅肉とかば焼きかと聞かれたので、あっさりさっぱり梅肉入りでお願いする。しっかりした梅の味で、ハモがかすんだ。水ナスの味噌汁。味噌汁の具材には、いろいろ好みがあるんだけど、ナスは好みと違うんだなぁ。実はキャベツも好きじゃないんだなぁ。
和菓子には、羊羹に緑豆の錦玉羹、ポルトガル伝来のオリジナルレシピのかすてら。水菓子には、マンゴに鋳込んだ「太陽の卵・マンゴ」とマスカットアレキサンドラのゼリー。

カウンター2名、座敷4名が、アラカルトでアーヤコーヤ注文されると、調理している人間が少ないだけに、どたばた。あんまり無理させたら駄目だよ。


平成20年5月14日
晩御飯は、日本橋の「藤久」。お馴染さんのマダムのお隣。
4月末に改装をしたカウンターの床はパネルを張ってまっ平ら。坐り心地がよくなった。で、いままでドアに向かって下がっていたのを、真っ直ぐにしたことで扉の下を切ったとか、入口の路面も変えたというが、気づかないほど。
  • まる豆腐・玉子、ポンス醤油
  • お椀が、鯉の揚げたん、白髪ねぎ、三つ葉
  • お造りは、岩牡蠣、トロ、かつお、あまてかれい、さより、あおりいか
  • 八橋の八寸には、鱧の子のたいたん、生このこ、焼いた鱧の肝・実山椒、イサキの白子、鯛の子のゼリー寄せ、鰻の八幡、アスパラを巻いたエビの黄身焼き、イワシの梅煮、ツブ貝、空豆、山桃
  • 鮎の塩焼き、骨抜きして骨せんべい
  • ジュンサイ・れんこんの酢の物
  • アワビとナスの鍋、水菜、茗荷
  • ワタリカニのご飯、止め椀、香の物
  • ヨモギ饅頭、求肥入りの粒餡のお団子
今日は「松の司・2007純米吟醸・AZOLLA・しずく斗瓶囲・竜王町産山田錦精米歩合50%環境こだわり農産物認証(栽培期間中無除草剤栽培)・金沢酵母(限定42本(1800ml))」というのん。
先付けは「丸豆腐」だけど、玉子をつかった黄色いのではなく、白色。ほのかに丸の香り。
波に御所車の椀。五月らしい「鯉」。揚げて臭みを取って椀種。
お造りには、岩牡蠣がでる。もうそういう時期でんなぁ。今年初めて。
沢山の八寸。魚を丸々買うからできる珍味いっぱい。内臓はでるのに身が出てこない鱧。市場が休みだからかな?
鬼コンロとかいうのに乗ってでてくる鮎。綺麗に骨が抜いてあります。全く身がついていない。
酢の物はジュンサイ。
また鬼コンロが出てきて、アワビ型の鍋にアワビ。肝もちゃんと入っております。柔らかに煮込まれたあわびです。出汁も美味しい。
お隣からいただいたお酒は「土佐しらぎく・平成19醸造年度・斗瓶取り大吟醸・鑑評会出品酒」と「末廣・大吟醸・玄宰」。ペースが乱れて、呑み過ぎ。両方とも、出品用のお酒である。「しらぎく」は高知らしい香り。「玄宰」はバランスのいい美酒。ありがとうさん。先月のヘレンド展で「春慶」のティーボウルを買われ、置き猪口してある。
生姜ごはんとか言われたけど、拒否して、「わたりがに」。卵も立派。
お菓子は2つに留めた。


平成20年4月17日
晩御飯は、日本橋の「藤久」。文楽帰りのお客さんらしきご夫婦。
  • 湯葉の浅利あんかけ
  • お造りが、まぐろ、アマテカレイ(肝)、さより、本ミル貝、赤貝、いか、春蘭、
  • お椀が、タケノコ真蒸の若竹。雁足、木の芽
  • 八寸には、八重桜。ハマグリの中に、あわび・肝・一寸豆、イイダコのぬた・ホタテのウニ焼き、白魚の一夜干し・シラサえびにウニを乗せて焼いたん。蓋をしたハマグリの中には、いわしのゴマ入りオイル漬け・肝の塩辛、ハマグリの山椒焼き。中央はキスの桜寿司
  • 焼き物・揚げ物が、えいひれの揚げたん、ひれのすき身のあられ揚げ、木の芽焼き、煮凝り
  • 長芋そうめん、蝦蛄、トマト
  • 牛肉と山菜(たけのこ・こごみ・わらび・うど・・・)のすき鍋、木の芽たっぷり
  • ウナギまぶし、半助・肝の留椀、香の物
  • サクランボ大福、初かつお
東一・純米吟醸・2007(勝沼醸造)甲州ワイン樽貯蔵・山田錦精米歩合49%・9号系酵母・限定品 」とした。樽香の甘い口当たりに、酸味のないワインのイメージ。のど越しは日本酒だ。
先付けは、暖かいあんかけ。湯葉を固めて豆腐みたいな形になっているが、食感は湯葉だ。たくさんあると嬉しい浅利。
お造りが先に出て、でっかい桜模様の鉢。ピンク色は練り込んでいるのかな?コントラストが麗しい。件のまぐろ。お隣さんはヒラメと間違っているが、日本料理屋さんはこの時期ヒラメは好まはらへんねぇ。今日も肝と一緒にパクっ。本ミル貝も美味しいのだが、食べやすいサイズに切っておいてちょうだいと言いたい。大きくする理由も何回も聞いているんだけど。

桜の花筏、紅葉の筏とが描かれた椀。若竹の出会いに、タケノコ真蒸をプラス。微塵に刻んだタケノコのしゃきしゃきの食感の真蒸というのも目新しくていいもんです。「雁足」と「こごみ」の違いを聞く。
八重桜の盛られた八寸は貝合わせの盛りつけ。面白いのがイイタコ。ご無体にもいいタコの頭の部分をひっくり返して、その袋を器にして足をぬたあえで鋳込んである。イイはちょこんと載せてあります。面白い。鰯とハマグリは、ちょっと味が濃すぎて辛い。
妙なものが出てきた揚げ物と焼き物。先日、カウンターのエイの話はしたけど、リクエストはしていません。おかげで他のお客さんの八寸にも、煮凝りが出てました。とばっちって申し訳ない。エイひれの軟骨の骨せんべいはちょっと塩味が効きすぎているけど、酒のあて。コラーゲンたっぷりのあられ揚げは、段々くどくなる。煮たらトロトロだろうな。黙って出されたらエイとは分からない焼いたのと煮凝りは旨い。後で気がついたけど、スダチくらい出してほしかったな。
病的に細い包丁技の長芋そうめん。相変わらずだ。下に隠れている蝦蛄。フルーツトマト添え。
コンロに目鍋の一人鍋は、牛肉と山菜。山椒がてんこ盛りだけど、これが全部花山椒なら・・・これに優るものはない。少しだけ混じっているんだけど。ここで「こごみ」を再確認。
九州の天然ウナギを、丼という話は、お腹いっぱいで避けて、お釜でまぶしてもらった。これは実山椒が多くて・・・・。一杯だけで、いつものように持ち帰り。
新もののサクランボの大福。ちっちゃいので2個。白餡仕立て。外郎地の初カツオ。


平成20年4月13日
晩御飯は、日本橋の「藤久」。ご主人自らの配達に、オミヤのケーキ。高くついたデリバリー。
そんなことよりお客がいないジャン。
  • たいらぎ、青柳、鳥貝、赤貝、わけぎの黄身酢和え
  • サザエを器にした、サザエの清汁、アスパラ、人参、大根、木の芽
  • お造りが、まぐろ、カレイ、カレイの肝、サヨリ、イカ、春蘭
  • 桜の八寸は、ボンボリに真ホヤ・レモン掛け。生しらす、磯ツブ貝、烏貝の酢味噌和え。短冊の器の中が、百合根の黄身焼き、スナップ豌豆の鯛巻き、うに・葉わさびの湯葉巻き、赤ピーマン、耳イカの焚いたん、刀魚の白板昆布巻き
  • 焼き物は、貝塚・木積のタケノコ、稚鮎
  • ホタルイカ、もずく寒天、ミツバの酢の物
  • ババカレイ(なめたかれい)、空豆の炊き合わせ、木の芽
  • 山菜(こごみ、やまうど、つくし・・・たけのこ)と軍鶏のご飯、浅利の留椀、香の物
  • イチゴ大福と黄身餡のこなし
一本目のお酒は「東一」。「酒のヤマモト」君はお勧めしてようだが、お酒のあくが強い。
先付けは、貝だくさんの黄身酢和え。
先付けが二品続いたのかと思ったけど、お椀の代わりにサザエを使った煮物椀。ちゃんとサザエも温かいのだが、清汁は鍋で合わせているそうだ。サザエの香りも高いが、木の芽も強いし、野菜の味も出ていて、和風スープのようで、相当挑戦的な味。

二本目は「黒龍」。比較してすっきり呑みやすいのを選んでしまった。
お造りには、牛肉?と思ったほどの大きな1枚。勝浦に上がったマグロのカマ先。「かのこ」模様を強調する切り方にしたという。大きさを誇示するようにスライスしたそうだ。ブラボー!カレイの腹身も美味しいなぁ。肝も美味しいなぁ。季節の春蘭が嬉しい。
八寸は桜の飾り。ボンボリにはホヤ。レモンの風味だけで美味しいのだが、嫌う人がいるようで、惜しいなぁ。静岡の生しらすにはおろした生姜。ドロメ。可愛い耳イカ。
焼き物には早くも、(稚鮎とはいえ)アユの塩焼き。ようやく出始めた木積のタケノコは木の芽田楽。

酢の物は、ホタルイカ、もずく、みつば。
炊き合わせには、ババカレイ。聞いたことないけど、ナメタカレイと言ってくれればわかる。煮つけて旨いカレイ。ほくほくの空豆
ご飯はあーやこーやで、山菜ごはんに動物性脂肪を加えてもらった釜飯。ちょっと艶っぽく柔らかめになっちゃっているけど、ご飯がべちゃべちゃしているわけではなく、不思議。羽釜の威力?山菜らしい香りが・・・アクが残っている感じ。山ウドは実家の地物らしく、アクが強いせいらしい。浅利で口の中にジャリと触る。今日は浅利に嫌われる。

ひと箱2000円の花山椒が3箱も入っている「花山椒」。デパートだったら諭吉が出てくると言われた。
中ちゃんの九州の後輩が入店しているのだが、もう一人入っていたそうだ(過去形)。なんと1日で逃げたそうだ。唖然。でも、製菓のバイト嬢も昨日から来ているそうで、楽になったような顔つき。


平成20年4月12日
弁当
レモンの中にきんぴら、イイダコ、ブロッコリ−、出汁巻き、松葉にこんにゃく、鯛の子、鯛の桜寿司
長芋の含め煮、タケノコ、吹き、木の芽
アブラメの木の芽焼き、酢漬けカリフラワー、トマト
豆ごはん、錦糸、お漬け物

平成20年3月20日
晩ご飯は、「日本橋藤久」。さすが休日!満席でござる。流石に座敷も満席だと、あたふた。バイト嬢も学校が始まるまではあてにできないようで、今日も助っ人の郁ちゃん。
  • 白菜玉子豆腐にウニ、辛子和えの菜の花
  • お椀が、アワビ、玉子そうめん、花びらうど、木の芽
  • お造りが、あこう、赤貝、カツオ、醤油、ぽんす醤油
  • 八寸が、ボンボリにタコの子の醤油漬け、鯛の白子の焼いたん、白金豚のタン、軍鶏のたたき。アワビの中には、白魚の黄身寿司、鯛の子、白菜の芯、焼いたタラの芽に田楽味噌、高野豆腐の揚げ出し、エビ入りのうすい豌豆の饅頭、アナゴと赤米の桜寿司
  • ホタテのバター焼き、アスパラ、トマト
  • シイタケ・ナガイモ・アスパラ・うどのお浸し、糸カツオ
  • あこうの酒蒸し、ぽんす醤油
  • 浅利と薄い豌豆のご飯、香の物
  • お菓子が、関東風の桜餅、蓬入りこなしの餡包み、金柑入りの黄身しぐれ
今宵の酒も「東洋美人・大辛口純米大吟醸・bella orientale・山田錦精米歩合40% 」。冷えすぎ。少し温まってくると梨のような香りが立ってくる。
唐津風の器の先付け。白菜を混ぜ込んだ玉子豆腐にウニのトッピング。甘さに対して辛子風味の菜の花
桜の蒔絵のお椀。椀種には淡い黄色が黒のお椀に映える玉子そうめん。味吉兆仕込み。今日はしっかりした出汁。

お造り三種。季節は早いけど、昨日市場に現れたところを買わされたという「あこう」。天然の釣りもの。春から縁起がいい。焙った赤貝の肝。かつおは焼き目
紅梅の枝の八寸。今日のタコの子は醤油漬けだが、漬かり過ぎで辛いや。白子はどんな魚も旨い。素晴らしいのは、同じものがないというところ。ブラボー!
焼き物は、奥でフライパンで焼く音がしてたけど・・・ホタテのバター焼き。ほたての貝殻をコンロに乗せて熱々で出てきた。でかい貝柱にびっくり。言うことなしの旨さ。ポンス醤油でいただく。トマトとアスパラも一緒に火が通っている。
のぞきにお浸し。さっぱり。
「メバル」か「あこう」かと聞かれたら、もちろん「あこう」ですな。「煮つけ」か「酒蒸し」と聞かれりゃ勿論「酒蒸し」ですな。頭半分。白髪ねぎとミツバ。ポンス醤油。言うことなしの美味しさ。

今日のご飯は、浅利とうすい。一杯だけで、詰めてもらう。
お菓子も、さくら餅以外は、変わっている。郁ちゃんもブラボーな仕事をしている。話題になっているヒガシコクバル一押しのフルーツ・宮崎産の金柑「たまたま」を使ったという黄身しぐれ。金柑1個が300円。


平成20年3月18日
晩ご飯は、「日本橋藤久」。あいていたカウンターもいつの間にか満席になる。流石に2名では、遅くなりがちである。郁ちゃん途中参加。
  • 揚げ長芋にウニ、あんかけ、ねぎ
  • お椀が、蓬豆腐に葛打ちの蛤、タケノコ、こごみ、木の芽
  • お造りが、焼き目のアブラメ、焼き目のよこわ、鯛、鯛皮、イカ
  • 八寸には、タコの子と菜の花、ホタルイカの沖漬、メヒカリの南蛮、イカナゴ、スナップ豌豆のアマダイ巻、蓬麩のかば焼き、フォアグラ百合根の黄金焼、サイマキ、一寸豆、鯛の桜寿司
  • 焼き物が、キンメ鯛の木の芽しょうゆ焼き、トマト、酢漬けのブロッコリー
  • 酢の物が、焼き白魚、うるい、このわた
  • しゃぶしゃぶには、ミル貝、青柳、鳥貝、ねぎ、ミツバ、酢味噌、ぽんす醤油
  • がんがらのご飯、ホタルイカともずくの止め椀、香の物
  • 選んだお菓子は、関西風桜餅、関東風桜餅、イチゴ大福、ココナッツ・豆乳・お米・ベリーを使った焼き菓子
今宵の酒は「東洋美人・大辛口純米大吟醸・bella orientale・山田錦精米歩合40% 」というのん。名前通り、ドライな口当たりで、のど越しもピリッと残る。香りはおしとやか。
黄交趾釉の菱皿に温かい先付け。香ばしさと甘さが美味しい。かかっている醤油餡も旨い。(いつものようにデジカメを構えたら、カードがありません!と出たぁ。記憶回路を最大限に使う)
お椀は、大きな蛤に細かく包丁を入れ広げて葛を打ったのを蓬豆腐に載せてある。ハマグリの旨味が滲み出る出汁。食べても食べても減らないといいなぁなんて思ったりする。コリコリとしたタケノコの歯ざわりが絶妙。
お造りは4種盛り。アブラメがこのところ人気者だ。バーナーで焙ってある。よこわも焙り。
八寸には、桜の枝。ボンボリの器にタコの子(内卵)だ。見た目には目鼻のないウジ虫のようだ。どちらもタンパク質だし、同じような味なのかもしれない。ねっとりした旨味で好き。桜寿司は桜の葉っぱを使った桜餅風。花びら生姜が乗っている。
焼き物は、キンメ。脂コッテリだが、醤油と絡まってあまり強く感じない。木の芽の香りも手伝って美味。トマトは疑問?
大きめの杯に酢の物。目刺にした白魚を焼いて、櫛の刺さった頭の部分を切り落とした「畳白魚(と呼ぶかどうかは知らない)」。淡いオレンジ色のコノワタたッぷり。
コンロに出汁を張った鍋が出てきて・・・・貝しゃぶ。本ミル貝、青柳、トリ貝。酢味噌が出たけど、ぽんす醤油の方がさっぱりと美味しいように思う。だんだん旨みのでる鍋出汁を、最後まで頂く。
炊いてくれたご飯は「がんがら」。なんだっけと思ったけど、見れば食べた記憶のあるマキガイ。これも礒の味するご飯だ。止め椀にはホタルイカが出た。イカの味噌が溶け出し、旨いもんです。
お菓子は、欲張って4つ。デパートで桜餅を買わなくてよかった。関西と関東の桜餅の違いの説明を郁ちゃんから受ける。関西風は糒ではなく自家製生道明寺粉。関東風は小麦粉の薄皮巻き。白餡イチゴ大福。説明に苦慮する焼き菓子。


平成20年2月26日
晩ご飯は、「日本橋藤久」。寄るところもなくまっすぐに向かう寂しさ。
2階は埋まっているが、カウンターはゆったり。なんだか厨房のゆったりしているのようで、若い男性スタッフが・・・・行方不明だそうだ。2年もたなかったようだ・・・・。結局二人に戻っちゃうようです。
  • 雲子のお豆腐、ネギ
  • お椀が、キンコ、このわた、微塵の長芋を浮子の皮でくるんだ饅頭、つぼみ菜、木の芽
  • お造りは、てっさ、三河、遠江、てっぴ。紅葉おろし、あさつき
  • 八寸は、犬鳴豚の角煮、煮ピーナッツ、ホタルイカの酢味噌、鮎のオイル漬けの胡瓜巻き、シラス巻き寿司、鯛のウド巻き、イカわらび、若ゴボウ、湯葉に包んだゴッパの魚卵と銀波草
  • 焼き物はキンキ、フキノトウに蕗の薹味噌
  • 酢の物が、ミル貝、赤貝、たいらぎ、もづく、菜の花、おろし生姜
  • 炊き合わせが、牛肉、新玉ねぎ、春キャベツ、木の芽
  • 丸雑炊、香の物
  • 桃饅、梅の泡雪饅頭(梅餡)、抹茶羊羹・泡雪羹・イチゴセリーの重ねたん
酒のヤマモトお勧めという「滝自慢・大吟醸」で始める。
乾山写しの水仙の器に、雲子豆腐。
お椀が、ナマコの団子。ひと工夫の団子は豚まん風につつまれたもので、中にぷりぷりのキンコ、このわた、しゃきしゃきの長芋。節分の季節にちゃんとキンコナマコを使ってくれるというのが、嬉しい。でっかい青味が、九州に春を告げる春野菜らしい「つぼみ菜」。苦味がよろしいなぁ。
お造りは、フグ。黄色の青海波に「福」の文字。今日は「福」に「ふく」。看板に偽りなし。少し厚めに切ったフグが旨みたっぷり。プリッとした遠江もいい加減に火が通っている。

梅一枝の八寸。珍しい犬鳴ポークを使っている。実はあんまり評判は良くないが、大阪地豚だしね。もうひと工夫したらいいのに、今のままならたんにエコ飼育という取り柄しかない。軍鶏の出汁で炊いたピーナッツだそうだ。昨年のアユを塩漬けして残しているそうだ。どんだけ〜!シラスを寿司飯代わりに細巻きにした海苔巻。これは中々いけます。初めて聞いた「ごっぱ」という魚。お腹パンパンに子供が詰まっていたそうである。それに銀波草を刻んで湯葉で丸めたもの。塩気と湯葉の甘味が微妙な味。
酒のヤマモトお勧めという「墨廼江・大吟醸」が2本目。
焼き物は「きんき」。なんだか、キンキは頭ばかり食べてる印象があって、身の部分は久しぶりのような・・・。付け合わせのフキノトウが好きだ。
酢の物は貝3種に、新もずく。酢も美味しい。
炊き合わせは、春の野菜に牛肉。新玉ねぎ1個。キャベツ1/8ダイエット?
今日のご飯は、丸雑炊。内卵ごろごろ。
和菓子は欲張って3種類をいただく。暖かい桃饅。


平成20年1月24日
晩ご飯は、いつもながら「日本橋藤久」。早いカウンターさんおひとり。大勢の団体客がお2階を占拠。場所が分からないという電話がひっきりなしにかかっていた。幹事失格!。LOぎりぎりでカウンターにお客さんが来た。静なカウンターだった。
  • 先付けは揚げ餅、シラサえび、うに、モミのり、とろろ、わさび
  • 梅に鶯の椀は、河豚蕪、白子仕立て、鶯菜、梅人参、木の芽
  • お造りは、もす、赤貝、大葉サヨリ、あおりいか、防風、撚り人参・大根、紫芽
  • 八寸は、橙の中はウドとタイラガイの木の芽和え、煮白魚、大徳寺納豆のサヨリ巻き(焼)、イカの黄金焼き、サーモンと山芋の巻物、ワカサギの昆布巻き、豚ミンチと豆腐の固めたもの、味噌漬けごぼうの湯葉巻き、ウズラピータンの甘酢生姜巻き、梅人参
  • 松葉蟹の足の天ぷら、塩
  • 石焼は、ナマコ、このわた、ししとう、ネギ
  • ブリ大根、柚子
  • シジミ飯、ボタンエビの味噌汁、香の物
  • 紫花豆と求肥小豆餡、金柑桃山、雪平(蕪見立て)
黒龍・純米吟醸」で初めて2合分。
暖かい先付けは、「揚げ餅」と聞きました。上から見ると、トロロがかかって、ウニとのりとわさび。その下に隠れているのが、ふんわり揚げ餅とシラサえび。でっかいシラサエビでびっくり。ぐちゃぐちゃに混ぜ混ぜすれば、丁度いい塩梅の濃い出汁。
蓋の表が梅、ひっくり返せば「鶯」の文字。真白のお椀はフグの白子。これは好きだぁ。フグの身と蕪をぐるぐる巻いたのが椀種で「河豚蕪」。

お造りには、5キロのもす。当然「釣りもの」。これも大好き。冬の魚のお好みのひとつ。別名「平すずき」。冬のスズキなんか食べたくもないのだが、このスズキは冬が旬。田舎の洋食屋では、冬でも「スズキのポアレ」とかメニューに載せているところがあるけど、全く気がしれない。旨くないから値段も安いんだ。水仙の絵柄は乾山写し。
そろそろ春めく八寸。すべてが美味しいという分けではないけど、いろいろ考えはるもんです。
蟹の天ぷら、足2本。
スッキリしてりだろう「八海山・純米吟醸」を注文。この後、結構濃いのが出てきた。最近は2合〜3合までが限界。
焼き物に石焼が出てびっくり。この石は、道具屋筋で売っているもんらしい。買う気は起こらないけど。ぶつ切りのナマコ。焼いて火が通ると、硬くならないのだそうだ。確かにそうだった。プルンとしたナマコ。コノワタたっぷりかかっております。橙をしぼってパクパク。こういうナマコの食べ方もよし。魚を焼くときに、内臓を焼きダレに使って焼くことがあるけど、応用ですな。
小鉢でブリ大根。居酒屋サイズ!半分でよろしおまっせ。実はあまり好みでない料理。ぶりの魚の脂っぽい味がどうも大根に合わないように感じるので、好みじゃない。しかし最後に濃い味の料理が出るのは、胃が悲鳴を上げそうになる。持ち帰りますかといわれるが、泣きを入れるのは嫌なので、食べきる。

ご飯は、シジミを炊き込み。味噌汁つきで、ボタンエビがまるっぽ。味噌汁の具材としては、想像できなかった。海老の頭のミソを汁に溶かしこんで、旨い味噌汁。
和菓子は3種を選ぶ。北海道のいい大納言が入ったという小豆の餡が素晴らしい出来。


平成20年1月18日
で、晩ご飯は、「日本橋藤久」。
  • 先付けが、桃園豚とキャンディキャベツのしゃぶしゃぶ風、白髪ねぎ、芽ネギ
  • お椀が、伊勢海老の白味噌仕立て、大根、梅人参、鶯菜、結び橙
  • オコゼの薄造り、肝、湯引きの皮・胃袋・ほか、紅葉おろし、芽ネギ、わさび、ぽんす醤油、醤油
  • 八寸が、豚味噌、蕗じゃこ、鯛の肝、タコの子、バカガイとわけぎの黄身酢、氷下魚、イカの利休焼き、柚子羹、紅イモ茶巾、鯛のブロッコリー巻き、昆布鋳込みのチシャトウ、行者ニンニク、胡桃そぼろ、梅型卵白の人参
  • ヒラメのやきもの、肝味噌だれ、揚げた皮・肝、フキノトウ・田楽味噌
  • フグの焼き白子、てっぴ、三河、ぽんす醤油
  • ほぐした蟹にすり蕪で蒸したん
  • 焼きワカサギのご飯、味噌汁、香の物
  • 餡入り百合根饅頭の松枝見立て、菜の花(?)見立ての黄身餡入り錬り切り金団、こしあん団子を混ぜた泡雪羹
お酒は「十四代・本丸」。香りが気にならなければ、アル添だし軽やか。
先付けとは思えないスペシャリティ(?)な先付けは豚を片栗を振った治部煮風しゃぶしゃぶを「キャンディ・キャベツ」をトロトロに煮込んだ上に乗せて出てきた。暖かい先付けというのは、なかなか出てくるものじゃない。端からボリュームがある。静岡JA「とぴあ浜松」が作っている甘いキャベツ。生でも齧らせてもらう。もともと感じでは甘蘭と書くぐらいだから、甘味があるもんなんだが、噛んだ瞬間に甘い香りが広がる。煮込んでしまえば、・・美味しいけど、生かしきっているかと言えば、難しいな。

そろそろ清汁が恋しいのだが、まだ白味噌。さすがに餅は入っていない。白味噌に浮く黄色いのは海老の味噌!味噌に味噌のダブル味噌だな。旨い。小丸に抜かれ煮込まれた大根も美味しい。吸い口が橙というのも珍し。
「福」字の皿に並べられた薄造りは、「ふぐ」ではなく「おこぜ」。羊頭狗肉やん。身の部分はわさび、そのほかはぽんす醤油が好み。
2本目は「黒龍・純米吟醸」。サラッとスッキリ味気がない。
たっぷり八寸。壺壺の豚味噌には黄粉とか混ぜているそうだ。こういうのは酒に合いますなぁ。乾山写しの百人一首の皿は「光孝天皇」と「河原左大臣」。「秋艸庵」のスタンプ。本物なら文字は光琳なのかな?

焼き物はヒラメ。縁側は皮目を焙っただけ。肝を味噌で溶いたようで、とも和え。冬の魚では「もす」に次いで好き。苦いフキノトウも、付け合わせとしてばっちり。
3本目は「松の司・純米吟醸」は、青リンゴのようなキリッとした味わい。3本を呑みきるのは、最近辛い。
焼いた白子がポテッと乗せたテッピ。てっぴはいろんな部分で煮凝りを作って刻んでいるのかな?トロン。松葉の色絵も乾山写し。
蓋椀には、かぶら蒸しのバリエーション。真っ白。ほぐした蟹の身に百合根、湯葉を混ぜて椀の底。すりおろした蕪で固めることなく、すり流し風にかけて蒸しあげたん。ガバット食べた口の中は、カニを使ったかぶら蒸しだ。そういえば、「とんど」では「カニおこわ」を出していたようだが、さすがに「間人」ではないようだ。生米6キロを使ったそうだ。めでたく4時前に完売しているという。相変わらずお店は「間人」「津居山」。

今日は、希望を聞かれなかったご飯は、「焼いたワカサギの炊き込みごはん」。青海苔と豆腐の止め椀。一膳たべて、持ち帰り。
和菓子は3種を選んだ。


平成20年1月11日
で、晩ご飯は、「日本橋藤久」。久しぶりの知り合いと新年の挨拶。
  • カニみそ・甲羅酒
  • 先付け八寸は羽子板盛り。とこぶし、八幡巻き、イイダコ、スズメダイのホウレンソウ巻き、菜の花、いくらの味噌漬けサーモン巻き、黒豆松葉、数の子昆布、アピオスチップ、胡桃豆腐、のれそれにうるい
  • 雑煮椀は、人参豆腐に八つ頭の鋳込み、焼餅、蕪の薄切り、鶯菜、結び湯葉
  • お造りが、伊勢海老、とろ、もす、赤貝、いか、大葉サヨリ
  • 治部煮、カモロース、心臓、肝、鴨饅頭、水菜
  • 酢ガキ
  • オコゼのしゃぶしゃぶ
  • 鴨飯、香の物
  • お菓子が、薯蕷饅頭、外郎に梅庵、黒豆入り茶巾泡雪羹
むちゃが来ることがわかっていたという知り合いさんが、カニの甲羅を分けてくれたので、旨い先付けになる。おまけにシャンペンもグラスでいただいて、ありがたやぁ!食べ終わった甲羅は、甲羅酒。
で、今宵のお酒は「七本鑓・純米大吟醸・中取り・全量木槽搾り・地元産玉栄45%精米・協会1401号」。すっきり。
羽子板にのった先付けの八寸。スズメ鯛を「あぶったらかも」とか言うていました。菜の花とかイイダコとかのれそれとか、春めいてきた。

まだ松の内というわけでしょう、雑煮椀。人参豆腐で枡を作って、その中に鋳込んだのが八つ頭。芋そのままなら嫌いなのは頭芋同様だが、摺ってあるので気にならない。こんがり焼かれた餅は一口サイズ。打出の小槌に宝袋のお椀。
お造りは6種。
新潟の鴨を治部煮。そば粉でしょう。内臓も入っている。ふんわり鴨饅頭。水菜と鴨だけのシンプルさ。
酢ガキ2個。
コンロに鍋が出てくる。中にはオコゼのカマ。とろとろコラーゲンの皮。肝心のオコゼの身は、しゃぶしゃぶ。美味しい出汁が出た鍋出汁は飲み干す。野菜はネギだけのシンプルさ。

選んだ御飯は、鴨飯。この季節は、鴨飯を食べないと食い気がおさまらない。肝も刻んで入れてくれている。残った分は、いつも通り持ち帰り。
お菓子3種。今日は郁ちゃんがお手伝い。


平成19年12月11日
晩ご飯は、「日本橋藤久」。2階では忘年会のようだ。
  • 八寸が、藁苞の中は、ホタテ・餅麦・ちしゃとう・ローゼン、焼きハタハタと塩漬けの子、茶振りナマコのコノワタ和え、柿のおろし和え、フィレ肉でネギを巻いたん・ソルトハーブ、織部百合根とフォアグラ、スズキの子の玉締め、りんごのサーモン、紅レンコン、軍鶏鋳込みの管ごぼう
  • 茶碗で出してくれたのがフグの焼き白子。皮、三河、遠江。
  • お造りが、とろ、いか、あじ、すわ、がしら(肝付き・湯びきの皮)。ネギ醤油、おろし醤油、わさび醤油
  • 鴨の山椒焼き、肝、ハツ。下仁田、おろし
  • 炊き合わせが、小豆鋳込みのレンコン、八つ頭、ブロッコリー、黄ゆず
  • ぶりしゃぶ、椎茸、豆腐、菊菜、葱、ぽんす醤油
  • フグの白子雑炊
  • 味噌松風、洋ナシの泡雪羹・リンゴ・芋ようかんにキャラメル
今日のお酒は「道灌・山廃大吟醸・兵庫県産山田錦五割磨き・原酒」とした。
今日も、酒の肴たっぷりの八寸。でもあまり濃い味付けはなし。ホタテのしょうゆ焼きの味がジンワリとしみ込んだ麦がええ塩梅。ローゼンというのはハイビスカス科のすっぱい蕾だそうだ。新のコノワタも塩気のほとんどないもの。ナマコと喧嘩せずええ味。ハタハタの卵は塩漬けで、これが一番の塩け。ソルトハーブというのはハーブの葉っぱの先に塩の結晶がキラキラ。
注文をつけていたのは「しらこ汁」。以前いただいて想像していたのは、真っ白けのお椀だったけど、同じ趣向では出さないという意地だろうか?フグの骨を交えて取った出汁に淡い葛を引いてる。肝心の白子は焼き白子。とろんとした白子が溢れ出してきてトロミあるだしと交わり美味しい。いろいろ変化球を出してくれます。
お造りは5種。「がしら」たっぷりで、コリっとした肝。「すわかつお」というカツオはタタキ風。
焼き物がカモ。新潟からやってきたそうだ。山椒がピリピリ。肝とハツ。コリコリの肝。血なまぐさい心臓。オツな味。
炊き合わせには、岡山のレンコン。丁寧に小豆が穴に埋まってます。芋は八つ頭。
氷見の16キロのブリ。こんなでかい切り身をシャブシャブしたことがない!そのままごはんで食べたいところ。折敷の上にコンロと鍋をおいてくれる。淡い鍋出汁だが、飲んでいると実に美味しい。

今日の2つ目の注文は「白子雑炊」。雑炊に焼きふぐを入れ、焼き白子も入れてくれて、裏ごしした白子も流しいれて、卵黄を落としてくれた。
今日選んだ和菓子は、芋羊羹に林檎を乗せて、さらに洋ナシの泡雪羹を流し込んで固めたもの。仕上げにキャラメル(もうちょっと焦がしてほしいところだけど)を流してある。洋菓子風だけど、和菓子の食材だ。味噌の味も軽やかな松風。

ここ数日、間人からの入荷が途絶えているというので、津居山が替わりに入っているそうである。青いタグ。


平成19年12月4日
晩ご飯は、藤色の暖簾の「日本橋藤久」。誰もいなかったカウンターも適度に埋まり、座敷はいっぱいになった。新しい女性スタッフが入っている。まだ白衣が洗濯したてのようで、折り皴がしっかり。がんばりやぁ。
  • 八寸は、屑屋の中は茶振りナマコのおろし和え、猪口には胡桃の蜜煮、ちしゃとう、紅芯大根のカラスミ巻き、擬製豆腐、百合根とアワビの肝ゼリー、サヨリの黄ニラ巻き、裏白しいたけ、ほか
  • お椀が、カニ真蒸、軸しいたけ、軸菜
  • お造りが、かに、とろ、もす、イカ海胆、
  • 焼き物が、マグロの頬肉、あわび茸、下仁田、マイクロトマト、アイスプラント
  • 大根の炊いたん、味噌だれ、ししとう
  • 蟹の甲羅焼き、せこがに、焼きカニ
  • かにご飯、シジミの止め椀、香の物
  • あんぽ柿の柿羊羹、求肥で巻いた餡、小豆鹿の子
悦凱陣・純米吟醸・無濾過讃州山田錦精米歩合50%。熊本9号酵母・平成16酒造年度仕込み19号 すっかり冬景色の八寸。屑屋の中は、ブツ切りのナマコだけど柔らかい。硬いだけのナマコより好き。紅芯大根とカラスミの組み合わせが好き。だんだん「おせち」の練習と思える素材が出てきました。
お椀が、蟹真蒸。かにの身たっぷり。軸も食べられるように栽培しているというシイタケ。
お造りの魚も冬の平スズキ。珍しい魚が出てくると、得した気分。大間のトロに、間人のカニ。美味しい。
焼き物に、牛さんでも出てきたのかと目を疑ったけど、マグロの頬肉だった。これも大間だろうな。思ったよりあっさり。

野菜が大根。赤味噌の田楽。上に乗った生ししとうの輪切りの香りが強くて、味を邪魔している。口に合わないので避けてしまった。味噌自体は酒の肴になるほど旨いんだけど。
今日は、望みの食材として「冬やし、一応、カニかな?」なんて言うていたのだが、思っていた以上にカニがいっぱい。今年は、間人から黒猫で取り寄せているそうで、シーズン通じて間人産。まぁ一番上のクラスじゃないのは、当たり前なんだが、大阪へは定期便がないというから、珍しい蟹。超お得な気分。足はコンロが出てきて焼きます。甲羅はすでにアツアツの状態。先日甲羅酒で気分が悪くなったので、今日は自重した。せこガニも間人。生姜にカニ酢。
ご飯は、カニみそを使った蟹ご飯。味噌の色に染まった釜めし。しっとりした炊き具合。一杯でお持ち帰り。
八種類ほどの和菓子の中から選んだ3つ。柿羊羹をあんぽ柿に鋳込んだ羊羹。鹿の子でくるんだお餅。口なしで色づけて銀杏見立て。
ドキドキのお会計だったけど、いつも通りで安心。ありがとうさん。京都で食べる時もそうなんだが、大阪で食べる日本料理も、予算は決めている。今日もその予算。とてもお値打ちに感じて、うれしい食事。


平成19年11月10日
文楽幕間30分の休憩でお弁当を広げる。
キノコ御飯、お漬け物。カマスの塩焼き、銀杏、赤蕪。煮物がハヤトウリ、長芋、レンコン、ほうれん草。だし巻き、松の実トンブリ、裏白椎茸、烏賊の黄金やき、キスのカッパ巻き、はんぺん、ブロッコリー、カンパチ(?)の味噌焼、たらこの昆布巻き。
不思議と値段に比例して、お弁当を食べる時間が長くなる。


平成19年10月30日
晩ご飯は、「日本橋藤久」。
  • ハヤトウリに細切りのイカとウニを鋳込んだのん
  • お椀が、丹波蒸し、松茸の細切り、軸菜、黄柚子、吉野仕立て
  • お造りは、マグロ、鯛、かんぱち、赤貝、イカ
  • 吹き寄せの八寸が、むかご、黒豆、イカのウニ焼、オニカマスの焼霜・赤大根、カキ釜に柿と松の実の胡麻よごし、イガ栗、帆立・アボガドの海苔巻き、コハダの芋寿司
  • カンパチのカマの塩焼き
  • うざく、針牛蒡、結びネギ
  • 盛りだくさんの茸と軍鶏の小鍋
  • お釜で炊いた、ムカゴ・栗・シャモの御飯、河豚のみそ汁、香の物
  • お菓子が、リンゴ・肉桂饅頭、月に見立てたタマゴの浮島と抹茶の羊羹、栗蒸し羊羹
今宵のお酒は「道灌・純米大吟醸・氷温生囲い・無濾過生原酒・山田錦五割磨き・限定壱千本詰口」ということ。大吟醸とは名乗っているが50%で、無濾過生原酒と言うことを考えれば、かなり濃醇なお酒と想像できる。でも、保存が悪いのかと思っていしまうのは、フルーティというのは分かるが、甘みが勝って幅を感じない。
瓜が一個出てきて、半分に割られている上を取ると、イカとウニ。先付けにしては、瓜のボリュームがありすぎ。半分でいいや。まぁ半分残ってもしょうがないのかも知れないけど。
お椀は、丹波蒸し。ということで、針松茸も丹波産だそうだ。百合根・銀杏などを栗と山芋の皮でくるんだ椀種。むっちり。じんわりと栗の香りが出てくる。崩れる柔らかさで、箸で挟みにくい。葛でとろみのついた出汁では、松茸の香りが閉じこめられてイマイチ。
お造りは、5種。大間のマグロのカマした。美事なサシ。腹身の脂たっぷりの鯛とカンパチ。鯛旨し。赤貝の肝は焼いて出る。
盛りだくさんの八寸。大きいムカゴは緑色で香りが高い。焼霜のオニカマスも旨い。乗せられた赤大根は酢を使うと色が際だつそうだ。イガ栗のイガは、サツマイモで作ってある。パリパリのお菓子。アボガドと醤油でウニの味になるというから、帆立とウニの海苔巻きという計算。アボガドとは思えない味だけど、ウニとも思えないな。むちゃがアボガドなんか食ったこともない頃から吉兆では食材として使っていたというから、凄い店(なのになぁ!?)。
カンパチのカマの塩焼き。脂たっぷりで、ふっくら焼かれて美味。ポン酢醤油がよく合っているので、いくらと聞けば、市販の3倍から4倍くらいの価格になるそうで、売れないと踏んでいるようである。ちゃんと美味しく作ろうと思えば、そのくらいなんだなと感心。
黄コウチのイチョウの器にウザク。鰻の細切りと胡瓜のウザクとは、一線を画す一品。中村農園の牛蒡らしい。包丁仕事が細い!
目鍋が運ばれてきて、茸と軍鶏の鍋。松茸、椎茸、香茸、しめじ、マイタケ、白マイタケ、えのき、かさエノキ、あとなんだっけというほどで覚えきれない。菊菜、豆腐と目鍋に溢れるほど。茸から出る出汁がまた旨い。
いつものように御飯を聞いてくるので、美味しかったムカゴ、旬の栗とを混ぜ込んで、なんか脂肪のあるのんを足してとお願いした、御飯。ムカゴの香りがほんまに高い。栗はむっちり。米はしっとり。
選んだ、お菓子は3種。栗蒸し羊羹は、かなり柔らかめ。リンゴとシナモンはいい組み合わせ。


平成19年10月4日・木
黒門をブラブラして、晩ご飯は、「日本橋藤久」。
ほぼ満席。
  • 松茸の石焼き
  • お椀は、甘鯛、針松茸、軸菜、黄柚子
  • お造りは、マグロ、鯛、鯛皮、たまめ、カンパチ、ウニ、いか
  • 八寸は、あんきも、イカの塩辛、タラの白子豆腐、シシャモの素揚げ。笛の中には、ししとうとエビのすり身、牡蠣の昆布巻き、帆立のウニ焼、栗の甘煮、マナカツオの子を巻いたン。
  • 焼き物は鮭児の塩焼き、メフン
  • 菊蕪のあんかけ
  • 揚げ物が、子持ち鮎と天然のマイタケ
  • お釜で焚いた川蟹の御飯
  • 和菓子3種
今日のお酒は、「田酒・純米大吟醸・百四拾(華想い)」という、前回と同じ酒米・華想いを使ったお酒。ほんまに綺麗に造ったお酒で、雑味がない。
焼かれた石が出てきて、焼のは岩手産の松茸。しっかりした松茸。お醤油の豆皿。

お椀は、針のような松茸の浮かぶ甘鯛の清汁仕立て。軸菜。
お造りは7種盛り。鯛、たまめ、かんぱちとお腹の脂の乗ったところ嬉しゅうございます。大間のまぐろ、嬉しゅうございます。ウニ美味しゅうございます。
八寸は、秋に相応しい笛の器にススキの飾り。琵琶の器に塩辛。ちょっと柔らかめのシシャモがサクサクと美味しい。

鮭の頭、中骨、尻尾、剥き身、ハラス、美味しいところいっぱい。鮭にしては香りがおとなしいし、脂も旨い。まさかぁと思って「鮭」といったら、不機嫌になられちゃった。キロ19000円という鮭児だそうだ。こんなところで頂けるとは・・。「一番美味しいところ」をありがとう。旨い旨い。塩焼きだけど、塩は極力抑えた方がきっといい。
小鉢にメフン。辛い辛い。
ちゃんと根室落石産のタグが付いているというので、頂いちゃった。携帯カメラのストラップに付けちゃう。へへへ。
丁度そんなところへやってきたのが、KOTIKAZEの郁ちゃんで、タグを見つけて、「買うてしもたんや」とあきれ顔。冷やかしてすぐに帰って行った。学園祭シーズンで、KOTIKAZEもオバサンたちで繁盛しているそうだ。

菊に剥いた蕪のあんかけ。蕪の上には菊の花。あんかけに散らした方が綺麗なんチャウかな。まだ、蕪が美味しくない。餡の出汁も弱いな。
揚げ物が、天然マイタケと鮎。鮎の頭、中骨。身は子供を巻いて揚げてある。さすが天然のマイタケ。
今日の御飯は何にしましょかと聞かれて「鮭御飯」といったけど、やはり無理だった。泉州に引き続き「川がにのごはん」にして貰った。留め碗には、ピンポン茄子という香川で取れる小さい茄子。中は種ばっかりで面白い食感。
デザートは3つ選んで、栗入りの紅芋羊羹、栗きんとん、餡入りの黄身時雨


平成19年9月25日・火
晩ご飯は、「日本橋藤久」。カウンターは誰もいないや!
アニメ声の若い子がいるのでびっくり。増えましたなぁ。Qちゃんを入れて5人だよ。強気の採用だ。
そうだ。今日は中秋の名月。
  • 八寸にはススキ。月見団子に見立てているのは、百合根の団子。餡には、フォアグラ、イクラ醤油漬け、黄身の味噌漬け、木耳の4種類。兎の皿には、枝豆、鯛の子の昆布巻き、アボガドをサーモンと酢蓮根で巻いたン、サツマイモのきんとん、菊に見立てた柚子釜にあんきも、鯖寿司
  • お椀は、満月に見立てた、カワハギ入りの玉子豆腐、軸菜、黄柚子、松茸
  • お造りは、鯛、鯛の皮、こしお(カンパチの小さいノン)、焼帆立にウニ、いか、とろ。
  • 車海老の簑揚げ、紫芋チップ、栗チップ、銀杏、素麺松葉
  • 菱ガニの酢の物。四角豆、赤オクラの寒天寄せ、白髪ネギ
  • 炊き合わせが、穴子の干瓢巻き、ほうれん草、小芋、柚子皮
  • 川蟹の御飯、松ナメコの留め碗、香の物
  • お菓子が、餡入りの桃山、瀬戸ジャイアンツを白餡で包んだ錦玉、小豆・黄身餡の錦玉羹
今日のお酒は「陸奥八仙・純米大吟醸・華想い精米歩合50%・青森県酵母ロ号」とした。ほんの僅かに麹の香りや熟成香を感じる。もうちょっと磨けば・・・消えそうだけど。
ススキの穂が花をくすぐる八寸。お月見団子風の百合根まんじゅうは今日だけの仕事だそうだ。面倒くさいという事情。そのせいか、他の八寸は、いつもよりあっさり目。魚の内臓は、酒の肴になりますなぁ。
武蔵野の風情の碗。玉子豆腐が満月なら、軸菜はススキ。松茸も下草なんでしょう。美しい。

お造りは5(6)種盛り。始めて知ったが関西ではカンパチを「シオ」というのだそうだ。その小さいのは「コシオ」。焼き目を付けた帆立とウニの甘さが重なって、格別旨い組み合わせ。
揚げ物が、巨大な車海老。当然天然。プリプリ。足もぼりぼりと香ばしく、全部食う。昼前のオクムラアヤオの料理番組「今晩なにたべる」で、鶏のささみの蓑揚げを見たばかり。奥様向けにジャガイモは、拍子切りのように、割り箸ほどの太さがあったけど、流石に素麺ほどに刻まれた包丁技。味吉兆では年中やらされるらしい、言わばお得意の揚げ物らしい。蓑虫というのも秋めく。
酢の物は、ワタリガニ。その下に寒天で寄せられているのが、オクラと四角豆の輪切り。
夕顔の蓋碗にあわせて「干瓢」を使った(逆か?)炊き合わせ
もうモズク蟹のメスがあるというので、今シーズン初めての川蟹の炊き込み。黄色く色づいた御飯。いつもながら旨い水加減。一杯焚いて貰って、持ち帰り。
お菓子を3つ選んで、頂く。瀬戸ジャイアンツって、マスカットとピオーネを合わせたモノで緑色で皮が柔らかくて種なしでまるのママ使えるというので、和菓子としては水気が出ないので使いやすいそうだ。


平成19年8月28日・火
予約した時間よりむっちゃ早いけど、電話で確認して、晩ご飯の、「日本橋藤久」へ向かう。盆明けは、入りが悪いようです。
  • 先付けが、オクラの花でくるんだ湯引きのアマテカレイ、おくら、赤オクラ
  • あこうの酒蒸し
  • お造りが、ウニ、とろ、あこう、さんま、アマテカレイ、焼霜の生ハモ、イカ
  • 朝顔の八寸、河津瓜とハモのそぼろ、イカ月環、だだ茶豆、新唐墨、いくらの醤油漬けと摺り山芋、柿の木茸と山芋、蛸の子、豆鯵の梅煮、ニガウリの醤油煮、マグロの海苔巻き、姫サザエ
  • アカタチの焼き物、銀杏、おろし、スダチ
  • 藻屑蟹、蟹酢
  • う鍋、白髪ネギ、実山椒、卵
  • 穴子御飯、みそ汁(コロ入り)、錦糸、香の物
  • マンゴジュースに豆乳プリン、初萩(こなしで餡を巻いたン)、柚子餅、西瓜糖
今日のお酒は「田酒・大吟醸・善知鳥・百四拾」だ。
黄色い花びらはオクラの花。それに巻かれたのがアマテカレイ。湯に通して霜降り。掛かっているのは、梅醤油。花にも粘りがあるそうだが、ちょっと分かりづらい。そういえばオクラのちっちゃいのを頂いていたなあ。

煮物碗に酒蒸し。頭一匹分。骨ごと口に運んで、ニュルンと身や皮が崩れていく食感がたまりませんよ。ちょっとはしたなく啜る音を出してしまうけど、ご愛敬。
お造りたくさん。旨いうに。淡路産もちゃんと入荷しているそうだ
朝顔10輪の八寸。田舎からおくられてくる大量のニガウリを苦労して料理方法を工夫して、それと分からないように出しているという。苦いのんは不人気のようです。ボラの卵巣は、日本向けにオーストラリアで捕られているそうである。もちろん自家製唐墨。

始めて聞いた魚はアカタチ。アタカチウオとか刀魚とかいうらしい。太刀魚が青い銀色に光るのに対して、赤色。小振りで、クルクル巻いて焼き上げている。丸めた一巻きは半身程度の長さ。太刀魚より淡泊かな。あっさり。
今日始めて使い始めてみたという、藻屑かに。いつも通り綺麗に甲羅に「身をして」くれてます。
カウンター越しに鰻を捌いているなぁと眺めていたのだが、出てきたのは、鍋。割り下を使って、鰻が入って白髪ネギが載って、実山椒がトッピング。タマゴを絡めて食べます。うなすき

穴子で御飯をして貰う。言わずもがな錦糸を焼いてくれている。いつもながら、穴子の脂がしっとりと米粒一つ一つコーティングしたかのような食感と旨味。カウンターで「石けん」を切っていたのだが、みそ汁に入って出てくる。旨い。残った分の穴子飯は「おにぎり」にしてくれた。
お菓子、いろいろ。マンゴのお汁粉風。西瓜糖は煮詰めた西瓜ジュースにシロップと焼酎。

見慣れぬ若者。昨日から新人1名が入っているという。頑張りやぁ。
早くに入ったので、食べ終わるのも早かったけど、エエ気分になっているので、まっすぐ帰る。


平成19年7月27日・金
お昼を悩むが、昨晩と同じ「日本橋藤久」がガラガラだったので、入店。
お手軽に「メイチダイ(たまめ)の骨蒸し」の一品を付けた定食にした。
  • 煮物小鉢3種(だし巻き、茄子の含め煮、銀杏/金時草/お揚げさんを鋳込んだ胡瓜の炊いたン、南京)、香の物、御飯、すまし
  • メイチダイ(たまめ)の骨蒸し
  • 紅紫蘇のシャーベット
小鉢は日によって当たりはずれがあるのかな?
小さい魚だたようで、一匹分のアラ。
真っ赤なシャーベット。思ったより甘いシャーベット。
しかし帰るまでに、一組2名だけ・・・寂しい。


平成19年7月26日・木
予約した時間がくれば、晩ご飯は、「日本橋藤久」。
既に満席。
  • 黒ごまの滝川豆腐、長芋の微塵、温泉玉子
  • 朝顔の碗は、毛ガニ真蒸、胡瓜、茗荷、軸菜
  • お造りが、真子カレイ、トロ、トリ貝、ウニ、ボタン鱧、焼霜はも
  • 酸漿の八寸、ツルムラサキとシャモのそぼろあんかけ、鮎のウルカ和え、白金豚と蓮のみの煮付け、焼いた太刀魚のズッキーニ巻き、土用豆腐、煮ハマグリ、馬刀貝のおろし和え、鱧の巻きずし
  • 舌平目の焼き物、骨煎餅、オクラの花の天ぷら、スダチ
  • 鮎の背ごし、わた、苦玉、蓼の葉、酢味噌、梅肉、煎餅(頭・尾・ひれ)
  • 湯葉・茄子のあんかけ、オクラ、摺り生姜、
  • 鰻釜飯まぶし、錦糸、もみ海苔、香の物
  • お菓子が、羊羹に桃の浮島、海草入りの羽二重餅
お酒は「醴泉・大吟醸原酒斗瓶囲い・平成十六醸造年度」。熟成酒。少し苦味があるが、空気に触れればなんとかなる程度かな。
真っ黒の滝川豆腐。アワビかな?と思ったけど、微かに胡麻の香り。シャッキとした長芋の微塵の食感がアクセント。
お椀には、毛ガニ。夏は毛ガニ。もうじきワタリガニ。だんだん蟹。真蒸というけどほとんど蟹の身。茗荷の香りが高く、出汁は抑えめ。徐々に蟹の甘味が増してくる。中をくり抜いた胡瓜。

お造り。肝を巻いた真子カレイが実に旨い。これにはポン酢。境港のトロ。今年のマグロの水揚げは少ないとか。淡路のウニ。鱧2種類。
酸漿八個が並んだ八寸。食材をよく覚えていたなぁ・・・。まだまだ記憶はそこそこ。
焼き物が骨煎餅の上に、巻いた舌平目。煎餅の味(塩味)が濃いので、淡泊な身が負けてしまう。ポン酢醤油。オクラの花というのが売っているのだそうだが、花のうちからむっちりネットリ不思議。
一品挟み込んで貰った、鮎の背越し。二匹分。蓼の葉も食べます。内臓の肌色したのは、はたぶん未成熟な鮎の腹子かな。ちっちゃいけど旨い。小さくとも苦玉は苦い。とっても苦い、噛むものじゃないとは知っていても、怖いもの味わいたさ。なんでも太刀魚とかウツボも背越しで食べられるそうだ。想像するに骨が気になって、余り食指が伸びない。身以外の端っこは揚げもの。パリパリ。梅肉が好き。
炊き合わせが、暖かいあんかけ。茄子旨い。
土用も近いので鰻を釜飯風に、ひつまぶし風にしてくれるが、鰻と御飯には錦糸が欲しいので、焼いて貰う。もみ海苔も足してくれた。釜で焚いてくれているとは思わなかったが、一杯食べて、持ち帰り。鰻の旬は夏じゃないと、言い張る人もいるけど・・・。
お菓子は2種類。海草の青色色素で着色したお餅。「山」形に鋳込んだ2重の浮島。桃は泡雪羹?


平成19年7月21日・土
お昼は悩んだあげくに「日本橋・藤久」に電話する。着く頃には空きそうだ。
さすが土曜日というか、いっぱい。空いたところに入店。幸いというか、いつもの端っこ席。
  • 煮物小鉢3種(ジャガイモ、ピーマン、赤タマネギ/小芋、白瓜/なす、南京)、香の物、御飯、すまし
  • 石ナギの骨蒸し
  • 白桃
ちっちゃいジャガイモは小さすぎてジャガイモとは思わなかった。赤タマネギは煮ると黒くなるそうで色悪い。でもみんなエエ出汁で旨い。でも「清汁」は、夜ほどの感動はないな。
お昼の一品には「あら煮」、「骨蒸し」がいっぱい並んで、妙な店。売り切れもある中「石ナギ」って知らない名前。聞けば、お隣の女性おふたりさんがそれぞれ「石ナギ」の「あら煮」と「骨蒸し」を食べているのである。「幻の魚」とかいうし、好みの「骨蒸し」にして貰った。お酒の香りが残る美味な出汁。幻らしい(?)旨い魚。4キロもあったらしいが、土日の予約でちゃんと売り切るそうで、ご繁昌の様子。
水菓子は、白桃。切っただけ?とはらしくない。


平成19年7月5日・木
予約した時間がくれば、晩ご飯は、「日本橋藤久」。
  • 先付けには、スッポンの煮凝り、内卵
  • お椀が、ふじつぼ、じゅんさい、白髪ネギ
  • お造りが、北海道のウニ、車海老、イサキ、すずき、あこう、ひらめ、とろ、
  • 短冊に盛られたの八寸は、鱧の白子・牛蒡の煮凝り、笛の味噌漬け、鱧の子の炊いたン、しまエビ、トウモロコシと蒲鉾、イサキの白板昆布巻き、バイ貝、薪レンコン寿司、鮎の一夜干し、金時草、菊とほど芋の花との黄身酢和え、鱧皮・胡瓜の酢の物
  • 焼き物が太刀魚、空豆、山桃、スダチ、おろし
  • アロエベラ、ピータン、貝割れ大根のお浸し
  • ワタリガニ、大根餅、ヘチマの炊いたン
  • 鮎御飯、ジャガイモとタマネギのみそ汁、香の物
  • 和菓子が、信楽、餡入り白玉、錦玉羹
せっかくなんやから、違うのを頼めばいい物を、前回に呑んだことを(メモしているにもかかわらず)忘れているのだ。今宵も「上喜元・金賞受賞酒」を呑む。
ガラスの器に、煮凝り。なんの煮凝り?と言う前に玉子でスッポンと判明だ。好き嫌いの出るスッポンの味が満喫出来るんだけど、生卵と絡むと旨い。
お椀が、生姜の風味。これも丸かと思ったけど「ふじつぼ」!白髪ネギの下に隠れているのがフジツボで、甲殻類だそうで、お椀の香りは蟹+生姜。今まで食べた記憶がないけど、美味しいもんだ。食べるところは少ないけど。

お造りいっぱい。ほとんどのお客さんに出ていたのがこの格好のイガ付きのウニ。もちろんイガは丁寧に切ってありますけど。
八寸が、乾山写しの短冊2つ。

焼き物は太刀魚をクルンと巻いてある。箸を入れると腹子がたっぷり。
何だかわからないのが出てきたが、アロエベラ。ツルルンとした短冊状で糸を引く。まさかピータンが出るとは思わなかった。おみやげで貰ったという香港の品で、玉子の香りがしっかり残ったピータン。原卵が濃厚なんでしょう!有名なんだそうだけど、忘れたそうで、正体不明。出汁醤油と絡んで良い味。先付けの卵も旨いけど、これも旨い卵。
蓋付きの器で、蒸し物?炊き合わせ?。サプライズに、ヘチマを食うとは思いもなかった。透明のムチッとしたのは、薪レンコンの蓮餅と思ったけど、八寸に使った食材とは重ならないのが流石なところ。葛で固めた大根餅。
今日はスッキリ鮎御飯。洋食屋の御飯も旨いと思ったが、日本料理屋にはかなわないな。いつものように残ればお持ち帰り。
最後のお菓子は3種類を選んで、デジェスティフが「陽の出ずる国の銘酒・2001」という黒糖焼酎。氷温。手強い。
信楽というのは、赤飯風(?)の団子。きなこに黒蜜。錦玉羹も2層になって、下は黒糖。気が付けば、焼酎も含めて黒糖ばかりになってしまったぁ。


平成19年6月24日・日
晩ご飯は、「日本橋藤久」。日曜日だから、料理人とか業界人でいっぱいかと思ったけど、杞憂に終わった。
ここでも吉本(?)の関係者。お二階で宴会。
  • 先付けは、炙ったアワビ、帆立、トリ貝、ハマグリ、のグレープフルーツ和え、フルーツトマト、針茗荷
  • お椀が、海老の吉野仕立て、イチジク、軸菜、針生姜
  • お造りが、岩牡蠣、あこう(生、ゆびき、焼しも、皮)、ポン酢、醤油
  • 焼き物が、シャモ(むね、せせり、心臓、きも、砂ズリ、・・・おぼえきれん)
  • 鱧の南蛮、皮、ベビー胡瓜、茗荷
  • あこうの骨蒸し
  • 鮎雑炊、骨煎餅、香の物
  • あじさい見立ての錦玉羹、水羊羹と空豆の羊羹の博多、水無月
上喜元・金賞受賞酒」とした。出品用斗瓶のお酒を、出品と同じ500mlの容器に詰めて販売したというお酒。そういうんのんが大好き。ちょっと冷えすぎているけど、心地よいこと極まる。それによく廻る。
ガラスの器の先付けが、貝四種。炙ってあってあら熱は取ってあるけど、生ぬるいのが、好き嫌いの出るところかな。「今炙りました」と言うことを優先するか、「先付けだけに冷たくする」か・・・。グレープフルーツの果肉がゴロンと入っている。果汁だけで十分だと思うんだけど。
お椀は、伊勢エビ。見ただけでは味の想像が付かない「イチジク」。確かに炊き合わせとかにも、使いますけど、エビちゃんとは・・・。
お造りには、大きく育ってきた(?)岩牡蠣。個体差だろうけど前回より旨くなってる。魚は「あこう」。脂の多い腹は湯引き。生と焼霜。普通に生で食べるのが一番香りが良い。
焼き物がシャモ。モツ系もある分は焼いて出てくる。
同じような経緯で販売された「喜楽長・金賞受賞酒・山田錦40%」。これも500ml。
涼しげな酢の物が、揚げた鱧。南蛮。別に揚げた鱧皮、ぱりぱり。ベビー胡瓜を青虫みたいで気色悪いと言ったら、大笑いされた。
骨蒸しで出た「あこう」は1.5キロ程度のもので、頭一個。で、頭がたっぷり出るので、八寸は出さなかったという。胃に配慮頂いた。ツボを押さえられた一品で、好みに合わない料理も帳消し。
御飯は雑炊で良いですかというので、出てきたのが焼鮎。中骨は抜いてあって、骨煎餅。お茶請けやね。雑炊といっても鮎だけのシンプルさ。
お菓子を3つ選んだけど、その他、持ち帰りにしてくれた。

初めての日曜日の訪問。一品で頼もうとするお客さんに「食材が少ない」ということで「コース」にして貰っていた。お2階のお客もあるし、日曜日は流石に仕入れは難しいのかも知れない。


平成19年6月8日・金
晩ご飯は「日本橋・藤久」。金曜日だけに盛況。
いつものようにお任せ。
  • ヤマノイモの豆腐とウニ
  • お椀は、ワタリガニの真蒸、空豆豆腐、軸菜、針生姜、吉野仕立て
  • お造りは、いか、鱧の焼霜、あこう、いさき、トリ貝、まぐろ
  • 八寸は、亀の手と香港海葡萄、小柱の酢味噌和え、アオリイカの白子と玉子のたまり漬け、シャモ肉、タコの旨煮、ながらみ、鰯の梅煮、鱧の子の白板昆布巻き、根来ながとう、スッポンのエンペラと内卵、枝豆、山桃
  • 鮎の塩焼き
  • 岩牡蠣、すだち
  • アワビのしゃぶしゃぶ、菊菜、椎茸、ポン酢醤油
  • アサリ御飯、水茄子のみそ汁、香の物
  • 和菓子が、若鮎、黒糖羹、青梅のまんじゅう
今宵の酒は「小左衛門・純米吟醸・四七号」にしてみた。
涼しそうなガラスの器の先付け。ヤマノイモの羮。淡路のウニをトッピング。
お造りいっぱい。嬉しい「あこう」だが、3キロのあこうの頭はお昼に使っちゃったというので残念。鱧は生で表面だけ炙ったモノ
蛍の柄のお椀。蟹の子で黄色く色づく蟹真蒸。蟹には定番の生姜風味。薄い鶯色の豆腐。吉野仕立て。
なんだが珍しい食材の八寸。亀の手なんて始めてだ。香港の海葡萄はでかくて異様。始めて見る巻き貝「ながらみ」はキサゴの仲間。ニチャーとしたイカの白子の妙な感触。スッポンの玉子はなんかで漬けたんだろうな?
鮎は2匹の塩焼き。ここでは骨を抜いても、焼いてくれます。もちろん中骨は「骨煎餅」。
今日も出ました「岩牡蠣」。鳥取産の「夏輝」とかいうブランド品。一個一個に帯が巻かれている。時価。一個でも昨日の2個より高い!恐るべしブランド品。
鍋が出てきて、アワビ。肝付き。肝もしゃぶしゃぶで頂くが、旨いなぁ。
赤エンドウの御飯はイヤイヤして、三重のアサリの御飯。みそ汁は水茄子。
いつのまにか調理場にいた郁ちゃんのお菓子は3種をチョイス。青梅の種を取って大福風に白餡でつつんで隠したまんじゅう。梅は甲州煮なんでしょう。


平成19年5月17日・木
晩ご飯は「日本橋・藤久」。びっくら満席。
  • ウニの卵焼き、ウニ乗せ、白髪ネギ、葱坊主
  • 碗が、鱧とジュンサイ、三つ葉、花柚子
  • お造りが、マグロカマ先、アマテカレイ、白海老、鯛、サヨリ、いか、つぶ貝、海葡萄、
  • 八寸、鮎のたたき、無花果のゴマだれ掛け、パプリカ。椎茸・スナップエンドウ・小芋、姫竹の木の芽味噌和え、丸十、アジの龍皮巻き、空豆、とこぶし、がっちょの南蛮、サヨリの子の唐揚げ
  • がしらの唐揚げ、タラの芽・山ウドの天ぷら、天つゆ、おろし
  • あなざく
  • 野菜の旨煮
  • 渡り蟹の御飯、桃園豚・麩のみそ汁、香の物
  • お菓子が、抹茶の錦玉羹、南京ココナッツ羹
出羽の雪で知られる渡會本家の醸す新ブランド「和田来・大吟醸・18BY・出羽燦々50%精米歩合」。キリッとした味わいで、旨味が欲しいところ。
先付けには卵焼き。卵焼きの中に混ぜ込んだウニ。卵焼きの上にもウニ。白髪ネギ。木の葉の器に出汁が張られて出てくる。旨いに決まってるじゃないか?葱坊主が食べられるとは知りませんでしたぁ〜。
お椀が鱧とジュンサイという初夏の定番組み合わせ。一口大の大きさに鱧を切ってきた。それぞれに梅肉が彩りを添えて、ビューティフル。お椀の中が牡丹畑やぁ〜。花柚子はうれしい。

お造り8種。勝浦のマグロ。どうも市場に余っている感じだという。価格が上がっているのだろうか?鯛より旨いカレイ。
八寸は、舟盛り。背の高いチューリップ型の器に「鮎のタタキ」。醤油を使っているのかな?骨も叩いているのでシャキシャキ。細い姫竹。南蛮旨し。
油モノがガシラ。身は花が裂いたように広がっている。天然の山菜は、タラの芽と山ウド。しっかりした苦味。
あなざくという名前は始めて聞くが、穴子の焼いたンと四つ葉胡瓜の酢の物
野菜の炊いたン。クルマ海老の他、水茄子・永田トマト・アスパラガスに細かく刻んだ茗荷。水茄子は油通ししてある。油が浮いてコクが出る。和風なんだがトマトも面白く、ちょっとイタリアン風?
今日も御飯を聞いてくるので、返す言葉は「何があるん?」。お品書きにある食材以外をねだって、秋田のワタリガニ。コクはないというけれど内子はしっかりあるというのである。カマの蓋を開けると、朱色の玉子で覆われていた。コクがないと言っても蟹は蟹。しっかり味が出ていて旨い。留め碗は、桃園豚と麩。品のいい豚汁?
お菓子は2つ選んだ。


平成19年5月10日・木
晩ご飯は「日本橋・藤久」。1年を通して5月が一番暇だというのが納得の入り。
  • サザエの壺焼き、木の芽味噌、うど、アスパラガス
  • 丸豆腐(豆乳仕立て)の碗
  • お造りが、牡丹はも、マグロ、甘手カレイ、いか
  • 八寸は、真菰の梅和え、鱧の玉子・肝・浮き袋、鴨ロースの春キャベツ巻き、カマスに焼いたカマスの子をまぶしたん、長芋羹にウニ、カレイの煮凝り、鯛の子の炊いたン、鰻の八幡巻き、鰻の焼肝、鱧の南蛮、イカの黄身焼、蕗の梅煮、丸十、アジの粽寿司
  • 鯉の筒煮、味噌仕立て
  • 焼はもとジュンサイの酢の物、花穂紫蘇
  • ドジョウ鍋、ごぼう、せり・・
  • 焼鱧御飯、春菊豆腐とハマグリの留め碗、漬け物
  • デザートが、枇杷ゼリー、初かつお、カーネーション
お酒は「常きげん・蓮如の白水・特別純米・白水の井戸名水仕込み」とした。1年程前の出荷の分だったので、常温では微かに熟成を感じるが、温度が下がると、雑味が消え、キリッとした辛口に変じた。
先付けとは思えない派手なサザエ1個。サザエの身は削ぎ野菜と一緒に詰めて焼かれている、最後に木の芽の味噌を乗せ、バーナーで焼いていたようだ。味噌の焦げた香りも食欲をそそる。味噌というのもエエモンです。内臓まで余すことなく食べられる。
碗は丸豆腐。よく出るのは、黄色い丸玉(子豆腐)なんだが、豆乳を遣ったそうでツルンツルン。刻んだ身もエンペラも内卵も豆腐の中。その他エンペラ二枚。旨い旨い。
お造りは、今シーズン初めての鱧。ようやく鱧、やっと鱧。これからズーッと鱧だ。和歌山の鱧。
魚の内臓たっぷりの八寸。鯛だの、カレイだの、鱧だの、カマスも。このところセーブしているお酒も進むという物だ。
5月は鯉やね。揚げて椀種にして出てくる(たいがいの人は鯉とは気付かない)のだろうけど、むちゃ用に味噌仕立ての筒煮にしてくれた。オスの鯉のようで白子?朝から酒で焚いてくれていたので、骨もシャキシャキ食べてしまえる柔らかさ。白味噌と醤油で味付け。旨い。でもウロコは捨てちゃうそうだ。大好きな飴煮とは違った味で新鮮。残念ながら専門店では、長年煮汁を捨てずに遣い回すから、ゼラチンたっぷりの煮凝りになって、旨味はさらに増すようになっている。それには敵わないな。
こってり味噌煮の後は、さっぱり酢の物。生の鱧を炙ったんに、今年初めてのジュンサイ。三田の「ぬなわや」。
鍋が出てきてびっくり、ドジョウ鍋。川魚いっぱい。ドジョウは丸じゃなく捌いてある。何匹入っているのか分からない。玉子でとじてあるけど出汁が黒くて見た目よくわかんない、生玉子がのって味を和らげているのかな。コレも旨いなぁ。
御飯は鱧を注文。やっぱり鱧。湯引きの鱧をバーナーで炙って、炊きあがった釜に乗せる。三つ葉。
デザートは、面白そうなんを選ぶ。初かつおは久しぶりだなぁ。ちゃんとかつお風の模様も出来ているじゃありませんか?美濃忠さんのが食べたくなっちゃうがな。饅頭の薄皮(?)で餡を包んで、茶巾風に絞った搾り口が花びらに見えるようになっている。


平成19年4月26日・木
晩ご飯は「日本橋・藤久」。実際には暖簾の色が緑に変わっている。いつもの席。
遅くから入ってきたカップル一組。お品書きを見ながらアラカルトの注文だ。それでも良いんだけど、お品書きは季節の定番なので、それ以外にも、面白いもんが隠れている。頼りにしないで聞いた方がいいのは、チェーンの居酒屋とは違うところだ。で、スペシャルな今日の献立は。
  • 先付けが、マグロ赤身の胡麻山葵和え、白髪ネギ
  • お椀が、しろえび、わらび餅、筍、春蘭、花山椒、木の芽
  • お造りが、北海道の殻付きウニ、しろえび、ひらあじ、いさき、たい、ひらまさ
  • 八寸が、鯖の梅きらず和え、ドロ海老のたまり漬け、イサキの白子・おろし和え、鴨ロース、空豆のアラレ揚げ、リンゴの赤貝巻、豆あじの南蛮、蕗の炊いたン、蛍烏賊の一夜干し、フォアグラのキス巻、サヨリの笹巻きずし
  • 油モノが、桜エビのかき揚げ、白海老のかき揚げ、薪茶芽
  • 白海老とワラビの胡麻豆腐の酢の物、微塵の長芋、摺り生姜
  • 炊き合わせが、肉じゃが
  • 白海老の釜飯、メゴチのみそ汁、香の物
  • お菓子は、くず餅・きなこ・黒蜜、抹茶羊羹、柏餅(味噌餡と漉し餡)
今日のお酒は「悦凱陣・純米山廃無濾過生・讃州雄町精米歩合65%・熊本9号酵母・18BY 仕込14〜15号」とします。思っているような雄町の柔らかな味はなく、パンチのあるドライな味。
赤い肉。牛?桜?叩いたマグロだった。セルクルで丸くしたマグロの廻りに山葵風味の胡麻タレ。でもあんまり山葵の風味はなかったぁ。
お椀は、白海老。今日は「白海老食いたい日」だったのだ。タケノコ入り。どうやらワラビ餅で白海老を固めようとした様子なのだが、ワラビ餅の部分がトロンとしちゃって、白海老がフワフワと碗の中に漂っている。本ワラビ粉入りのワラビ餅は、緑色に染められていて、悪く言えば「あおみどろ」風。透明だったら何がなんだかわから無いモノがいきなり口に入ってくる印象だろう。普通に真蒸にすればええのに・・。

お造り、6種。目立つウニ。甘いウニ、甘い白海老、脂の乗ったヒラマサ、油の多い鯛の腹。いさきが旨くなってくる。
八寸は八つ橋・菖蒲。「きらず」はおから。梅といっしょにからからに炒っているんでしょう。好きじゃないけど、おからと鯖の組み合わせは大阪では定番。魚は何でも白子はそれぞれに旨い。ドロ海老も旨いなぁ。でもリンゴと赤貝の組み合わせは首をひねる。
天ぷらが、桜エビと白海老。香りの桜エビ、甘味の白海老。塩。今日は「生の桜エビ」も出ていたようでラッキー。
酢の物はワラビの胡麻豆腐に白海老を合わせたん。胡麻豆腐がネットリとトロン。
炊き合わせと出てきたのは、肉じゃが。料理屋らしいのは木の芽。
「白海老食いたい日」なんだが、御飯だけ伝えていた訳です。人参の赤色や、刻んだ青物がなければ、白海老が目立たない。美味しい御飯に「食べたい釜飯」に加えておこう。
お菓子は、バッグの中と重なる柏餅。漉し餡の甘味が淡く、餅に負けてる?羊羹は羊羹やにも負けてない立派な羊羹!
食後のデジェスティフに「カンゴシナ・初留取り・頴娃町コガネセンガン」を頂いた。
あれぇ?焼き物がないじゃん!

来月からは、鱧だ。週末からは「ジュンサイ」も入荷するそうで、日本料理ももう夏だ。


平成19年4月18日・水
晩ご飯は「日本橋藤久」。いつもの席。
  • 虎杖とお揚げさん、糸かつお
  • お椀は、甘鯛真蒸の桜蒸し、こごみ、花びらうど
  • お造りが、カマ先のトロ、牡丹えび、甘手カレイ、鯛、めばる、さより、ウニ、
  • 貝を器にした八寸、デラウェアの白和え・つくし、花蘇芳とイカの酢味噌和え、鯛の白子和え、タコの桜煮・トマト・馬場茄子の諸味和え、空豆・穴子豆腐・発酵ニンニク、キスのお寿司・梅酢茗荷
  • 鰻の白焼き、山葵、醤油、塩
  • ミル貝・トリ貝・赤貝のリンゴおろし和え、白髪ネギ
  • 焼タケノコ。木の芽ミソ
  • うなぎ丼、半助・肝・浮き袋入りのみそ汁、香の物
  • 餡入りの練切りのきんとん「山吹」、潮干狩り見立ての餡入り一口カステラ、お薄
今日のお酒は「笑四季・純米・うらら花・生
山菜のスカンポ。揚げさんとお浸し。
お椀は、桜の葉が吸い口になった甘鯛の真蒸。甘鯛の身がそのままは入って「すり身」が少ないせいかいるので、お椀で崩れて見苦しくなるから桜の葉で巻いたという。料理は見た目も大事。
お造りが、7種。お寿司屋さんが不景気のようで、買わされたというカマ下のトロ。その一番先の部分だそうだ。ありがたや。新鮮な牡丹海老は頭のミソまで綺麗な色。脂の乗った腹身の鯛はやっぱり旨い。カレイだって旨い。
八寸は6つの貝。出始めたばっかりのデラウェアは白和え。花が食べられるとは思わなかった花蘇芳。鯛の糸作りに白子を和えたんは、ネチョネチョと旨い。癖になりそうな真っ黒の発酵ニンニク。こんなところでもう馬場茄子が出てくるとは。食べ終わると貝あわせで遊べるよん。
熊本からの天然鰻。当然活きているので目の前で捌くのが覗けます。鰻屋の鰻は養殖かも知れないけど、料理や出てくるときは天然だ。白焼き。
酢の物には、ミル貝・トリ貝・赤貝。りんごおろしで甘ずっぱい。
御飯かと思ったら、2つめの焼き物は、木積のタケノコ
今日の御飯は、うなぎ丼。錦糸を乗せてと言うのを忘れてしまった。みそ汁が半助。底には肝とか浮き袋とか。
お菓子は、「菜の花」の様な「きんとん」。ベビーカステラを、トコブシやら貝の形に焼き上げたん。お薄。

今年の「花山椒の炊いたン」を頒けてもらう。3倍の大きさの瓶で2倍の価格というふれこみ。


平成19年4月6日・金
晩ご飯は「日本橋藤久」。いつもの席。最後は満席。
  • 先付けが石焼きで、アワビ、ミル貝、トリ貝、はまぐり、白ネギ、シシトウ
  • お椀が、帆立、タケノコの玉子真蒸とヨモギ豆腐、ワラビ
  • お造りが、牡丹海老、カツオのタタキ、松皮の鯛、大葉サヨリ、いか、ウニ
  • 八寸(コハダの桜寿司、一寸豆の饅頭、帆立のウニ焼、胡瓜のサーモン巻き、ヨモギ麩の蒲焼き、厚焼き、赤ピーマン、大和芋のサワラ・昆布巻、コンニャク、赤貝とワケギの酢味噌和え、えび、諸子の醤油煮、鯛の子の八幡?
  • 稚鮎の塩焼
  • 生しらす、もずく、春蘭、フルーツトマトの酢の物
  • 黒メバルの煮付けとお豆腐、木の芽
  • ホタルイカの御飯、香の物
  • お菓子4種(桜の泡雪羹、ほか・・)
お酒は「笑四季・純米吟醸・しぼりたて生酒・AB(アベリア)酵母」 にした。最初は生酒らしいコクのある濃い味に感じたが、次第になれる。香りも思った程ではなく穏やかで、食事の邪魔をするようではない。口当たりの良い印象のだという方が強い。
いきなり、石焼きが出る。ジュワッと音がして熱が通ればOK。貝を浸したタレは酒盗かな?石焼きは楽しいんだけど、石が冷めない間に食べきるらなきゃと思うと、食べるスピードとタイミングが難しい。
綺麗な碗種。玉子の黄色とワラビ、ヨモギの緑のコントラストが鮮やかです。玉子真蒸にタケノコと帆立がざっくり。ちょっと崩れているけど愛嬌。少し葛を曳いているようで、吸い口は木の芽。
お造りは、6種。海老ミソが新鮮で旨い。今日は海老の頭づく一日だ。
桜の花咲く八寸、13種。
おぉー、もう稚鮎だよ。デジカメで電球色補正を掛けると炭火が青く見えちゃう。
酢の物は、生しらす。すり生姜。もずくは海草とよく分かる姿のもずく。
煮物が、黒メバル。上品に3枚におろして、皮も引いて、碗の中。木の芽たっぷりが嬉しい。ささやかにお豆腐。

「最後の炊き込みのご飯を何にするか?」と聞いて来るというのは、常連さんの証しだろうか?もう出したモノばっかりだから、変なモノ出すより好きな物を言ってくれ、と言うことだな。実は食べたい御飯の食材もあったのだが、以心伝心という訳にはいかないモノである。次は何とかなるでしょう。で、蛍烏賊と白魚とが気になるが、人気なのは蛍烏賊というので、倣う。見た目にツヤツヤの悪く言えばリゾット風に柔らかいのかと思ったら、表面だけのことだった。炊き方上手いなぁ。イカミソが御飯に絡んで色づいているのが旨味の証拠。残ればお持ち帰り。
早いもの勝ちのお菓子で、もうなくなっているのもあるようである。沢山食う。堪能。


平成19年3月2日・金
晩ご飯は「ChouChou4月号」の「ずーっと通いたい名レストラン15軒」の「日本橋藤久」。
暖簾をくぐって入ると、お久しぶりの常連さんが手を振っていた。昨晩は「鰻谷のお店」に行ってたそうで、3月の献立の話を聞いておく。来週久しぶりに予約してまんねん。
九州の料理学校から研修生がきている。昔、たしかナカムラちゃんの頃は、料理を一品覚えて帰って、再現すると言うはずだったけど、レポートだけになったそうだ。見ていて覚える程の実力がまだないから、教える店の負担になりますな。
  • デコポンを器にした、先付けは、うすい羹、えび、つくし、黄身酢
  • お椀は、葛打ちのハマグリ、雛菱餅見立ての胡麻豆腐、タケノコ、梅人参、梅大根、木の芽
  • お造りが、ひっさげ、ぐれ、大葉さより、赤貝、炙った赤貝ヒモ、ひらめ、炙ったえんがわ、しまあじ
  • 八寸が、シシャモと菜の花の和え物、イカとウニ、ホタルイカ木の芽和え、きんぴら牛蒡、蒸しワタリガニの加減酢・うるい
  • 焼き物が、本ミル貝、真つぶ貝、鳥貝、しいたけ、タラの芽、紫のネギ
  • 白魚の玉子とじ、百合根餡かけ、一寸豆、木の芽
  • カジカのあら煮、白髪ネギ
  • 雛チラシ、穴子・海老・・・、卵真蒸鋳込みの堀川牛蒡の止め椀、香の物
  • おひな様見立ての、桃色と緑色のこなし餡、求肥の桃山餡、デコポンのシャーベット
今宵のお酒は「松の司・純米大吟醸・2005・愛山精米歩合40%・熊本酵母・限定450本」とした。不思議なんだが、酢との相性が悪いみたい。そういえば3月くらいに、バランスが悪くなる癖があるようなことを蔵元が言っていたような・・・。
ちょっと前に食べたケーキとかさなるデコポンが出てきた。単にくり抜いただけのようだ。黄身酢の黄身が濃い。ウスイエンドウの鶯色とか、黄色とかが、妙に春めいて感じる先付け。つくしもね。デコポンの蓋を取ったところでデジカメる。
お椀は、開いて葛打ちしたハマグリの下に、三色に彩られた胡麻豆腐は菱型。3色作ると言うだけで手間のかかること。ピンクは何を使ったか聞き忘れちゃったけど、緑は徳島のご実家のヨモギ。実は緑の部分は半分くらいあって、バランスが悪い。ハマグリはこの季節の定番。ハマグリの出汁というのは、大好きな出汁の一つなんだが、葛を打っちゃうとハマグリは美味しいんだけど、出汁に味が出なくて残念な思い。まぁ、コレは好み。
昨日時化てたというので鯛のないお造り。
いつもより品数が少ない八寸。いつもいっぱい出すと、数が減っただけで文句が出る。耳杯のワタリガニは暖かい酢の物。蟹酢ですな。内子も旨い。
お隣の顔なじみさんが先日食べた「生ホタルイカの炊き込み御飯」が旨かったという話で、頭の中にチラチラとホタルイカが光ながら増えていく。茹でたホタルイカではイカワタの旨味は出ないと言うから、生であることが重要。でも生は寄生虫がどうのこうのとうるさい。聞けば、パッパで「生ホタルイカのパスタ」というんが既にあるらしい。じゃ、お願いしてみようと、先走ってしまうのだ。さらに顔見知りさんが言うには「一碗水」でも「生ホタルイカのチャーハン」というのがあるようだ。ふーん。
コンロが出てきて、網が乗っている。具材は別に皿に出てきた。焼しゃぶ。本ミル貝でも水管ばかりが出てくる(ような気がする)のだが、身は初めてじゃないだろうか?どちらも旨い。
乳白色の餡掛けに玉子が隠れている。ところがだ、箸を入れても玉子がとろけないよぉ。下には白魚。柳川風の白魚の玉子とじをアレンジしたんでしょうが、百合根餡はいいとしても、火加減が・・・。
久しぶりの頭。あら煮で出てきたのは「かじか」だろうだ。馴染みの薄い魚ですこと。こういう魚は皮のところがゼラチントロトロ。あっさり目の加減が好き。
この時期は、どこでも出てくるであろうちらし寿司。ここの特色は、錦糸の細さですな。持ち帰る分がありません。残念。
最後は、お菓子。ケーキ屋の主人は、日本料理屋で水菓子という果物で済ます理由を「日本料理では料理の味付けに。味醂や砂糖を使っているから」とか聞いたばかり。そうかもしれないけど、〆は甘いモンですよ。
毎年のように2名程料理人を募集しているそうだが、来ないねぇ。というのも、辻調でも日本料理に進む生徒がほとんどいないというのだから、困ったモノだ。ほとんどがイタリアンに進むというので、このところの大阪でのイタリアン開店ブームは、ちょっと偏りすぎという感じ。15年程のサイクルでイタメシブームがやってくる?というのも学生事情からだろうか?


平成19年2月22・木
晩ご飯は「日本橋藤久」。いつもの席。
  • ウルイ、氷魚の赤大根おろし和え
  • 鼓のお椀が、白魚入りの玉子豆腐、青さ海苔、梅大根、梅人参、木の芽、
  • お造りが、ぶり、サワラの炙ったん、油目の炙ったん、鯛、鯛皮、いか、ウニ、さより、
  • 八寸が、イイダコの卵と菜の花の和え物、フォアグラと織部百合根、ヤマトイモとしらすの海苔巻き、わらびイカ、アスパラの穴子巻き、鯛の白子、蒸し鮑・肝、梅人参、猪肉の角煮、干し柿のおろし和え
  • 太刀魚の塩焼き、しまらっきょ
  • 山菜(こごみ、ふきのとう、ゆきのした、よもぎ、たらのめ・・・忘れた)とキスの天ぷら
  • 赤貝、トリ貝、まつぶ貝、ミル貝とワケギのぬた和え
  • ブリ御飯、五島産天然牡蠣の赤だし、香の物
  • 練り羊羹(夜の梅)、うぐいす餅、梅入りじょうよ饅頭
今日のお酒は「笑四季・大吟醸・斗瓶取り」だ。
大明嘉靖年製の龍柄の角鉢の先付け。春の山菜としてお馴染みになった「うるい」に鮎の稚魚。赤大根をすり下ろした「おろし」はピンク色。
蓋の裏には鼓に福袋。濃い黄色の玉子豆腐の中には白魚がごろごろ。出汁に浮かぶのがアオサ。
お造りは7種。ブリ、鯛、とりわけ脂たっぷり。サワラはなんで炙ったんだろう?

八寸は、大まかに8種。イイダコの卵は、ほんまにお米みたいなんでっせ。ムチムチ。細巻きの海苔巻きは大和芋の短冊を真ん中に「しらす」を並べて巻いたん。面白い味。アスパラの穴子は、牛蒡をアスパラに変えた八幡巻きの変形。コレはコレで旨い。
「わらびイカ」っていうのは、イカをわらびのような形にして穂先に部分に抹茶を付けているのかな、玉子を塗って蒸しているようだ。
織部百合根は、釉薬の織部のように青のりを使って見立てた百合根。百合根の裏側の凹部分にフォアグラが隠れている。
先週辺りまで残ってたという、大きな猪。とうとう今年ここで牡丹鍋は逸したようだ。残念無念。河豚にかぎらず白子は旨い。

コウチの器の焼き物は太刀魚。「しまらっきょ」も炙ってある。上品なポーションになったなぁ。
揚げ物はキスと山菜。山菜の名前は、毎年聞いているのだけど、毎年知らないのが出てきて、覚えられない。とりわけ美味しいとは思えないけど、やっぱりこの季節食べとかにゃぁ。キスが旨い。
ぬた和え。4種類の貝。トリ貝が一番。つぶ貝って小さいと思っていたんだけど、「まつぶ」は大きいのだそうだ。食感もいい。ミル貝はもっと食べたいな。
銅釜での御飯はブリを炊き込んでくれる。ここで食べるまでは、ブリなんて生臭いやろと思っていたんだけど、今じゃ大好き。よく塩をして臭みを取るというのはよく聞くけど、「そんなことはしてない」というのだから、食材が良いのでしょうか?お家ではしようと思わないけど・・。ツヤツヤの御飯はいつもながら。冷めても旨いのだから言うこと無し。お持ち帰り。
1年ぶりの天然牡蠣。小さい牡蠣が絡み合っているので、殻がチョビット開いた中の牡蠣を宝探しのように探し出す。赤だしの青みは「切り三つ葉」。季節が巡ってくるのは早い。
和菓子3個。夜の梅というけれど、暗闇ではなく「宵の梅」といった色合い。寒天が多いのかな。水羊羹と羊羹の中間のような柔らかさ。羽二重のような餅が美味しさをますうぐいす餅。梅餡かと思ったけど、果肉が入っておりました。さっぱり。数に限りがあるKOTIKAZEのお菓子は、お馴染みさんの間で、早い者勝ちの取り合いだよ。


平成19年1月19日・金
晩ご飯は「日本橋」。
  • 鯨(ミンク鯨のさえずり、尾の身、うね、百尋)、生姜、ネギ
  • 丸椀、白髪ネギ、焼き餅
  • お造りが、ブリ、よこわ、鯛、赤貝、ウニ、いか
  • 八寸には、ホタルイカ・ワケギの和えもの、博多穴子、蔓菜の胡麻和え、焼モンキーバナナ、イイダコの炊いたン、フォアグラの鯛巻き、焼いた花甘草、ツブ貝とウルイの酢の物、桃園豚の角煮、白身の梅
  • 焼き物は、馬のヘレ、針生姜、
  • 蟹の酢の物、、若布、賽の目の和ねんじょ
  • オコゼの鍋、豆腐、ネギ、原木椎茸、水菜
  • 貝(赤貝・馬刀貝)御飯、吸い物、香の物
  • 抹茶シャーベット、浮島、餡入りのこなし
今日のお酒は「松の司・大吟醸・2004・雄町・精米歩合40%・熊本酵母」。ぬるい温度ではやや甘さが目立ったが、冷えてくると、良い具合に甘さも穏やかになる。
鯨は生姜醤油。ミンクとはいえ尾の身は旨い。角鉢は大民嘉靖年製という裏書き。作家さんの写しだけど、品が良い。
朱塗りの椀には丸。でーんと丸。焼き餅二つ。大好き。
お造り。よこわは皮を炙る。ブリもヨコワも腹身を出してくれるので脂たっぷり旨味たっぷり。乾山風の菊のすかし鉢。
沢山の八寸。もうホタルイカやイイダコの季節。甘草やウルイも出て、春めく。博多穴子は博多で捕れた穴子という意味ではなく博多帯の柄から来た名前。いろんな豚がいるもので「果樹園」で育てているのだろうか。モンキーバナナを焼くとは、現地の郷土料理みたい。乾山写しの百人一首の平皿。現代の作家さんのものばっかりだけど、飽きない器。まぁ義理のお父さんの手前変な器は出せませんねぇ。
焼いて出てきた「馬」。熊本産。
酢の物。賽の目の「和ねんじょ」というのは、ツルツルの表面の長芋という数億本に1本の「変種」ので貴重なようだが(栽培出来るようにしたのだからもう貴重ではないのだと思うが)、長芋は長芋だよなぁ。山芋の方が旨い。
出てきた鍋の中には「おこぜ」。骨の部分はもう出来上がっている。身や野菜は別皿。最近よく見かける「原木」という表示だが、ホダ木を使っているという意味だそうで、「おがくず椎茸」との違いを表示しているだけのようだ。それが普通じゃないのかという気もするのだが・・・。
御飯は貝。どんな具材を使っても、ツヤツヤ。吸い物は鍋の出汁を使って作ってくれる旨い味。
デザートには三層の浮島。モンブラン風のこなし。


平成19年1月10日・水
晩ご飯は日本橋まで戻って「藤久」だ。カウンターはガラのガラ。ゆっくり。
  • 先付けは、くわい、松葉に黒豆、カズノコの龍皮巻き
  • お椀は、焼黍餅、裏漉しした八頭、伊勢エビ、人参、ほうれん草、結び湯葉
  • お造りが、皮を炙ったよこわ、松皮の鯛、赤貝、肝、ヒモ、イカ、ウニ、山葵
  • 八寸に、ノレソレ・黄ニラ・生姜風味の加減酢、大葉百合根とイクラ味噌漬け、えび、かますご新子の昆布巻き、富士山牛蒡、紅白餅花見立ての山芋豆腐(フォアグラ入り)、菜の花、土筆の有馬煮
  • ぶりの塩焼き、ふきのとう・田楽味噌、人参梅煮、ちょろぎ
  • 帆立、黒皮茸、アイスプラントの酢の物
  • 鴨鍋、蕎麦団子、白ネギ、水菜
  • 伊勢エビのみそ汁、鴨御飯
  • 甘酒、はなびら餅、蕎麦じょうよ饅頭、じょうよ饅頭
お酒は「松の司・純米大吟醸・2005・愛山精米歩合40%・熊本酵母・限定450本」だ。まだまだ蕾。
羽を広げた鶴の器の先付けは「お節の残り」って言ったら、不機嫌になっちゃたぁ。15日まではお正月というので使うのだそうだが、お馴染みさんには不評なようだ。欲を言えば、客の好みやらを考えないとね。
鶴亀松竹梅の欲張った腕。出汁には焼き餅の香り。八頭がゴロンと入っているのではなく、裏漉しして焼き餅に絡めてある。こういう仕事が好きだぁ。それにしても薄くスライスされた大根には、呆れる程だ。
これもめでたい扇の器にお造り。身の厚い赤貝だ。
羽子板に盛られた八寸。結び柳。もう「のれそれ」だ。富士山牛蒡は、富士山で取れる牛蒡じゃないよ。山芋団子は小さな団子でフワフワ。カズノコと龍皮の間には、山葵を練り込んだ酒粕が入っている。「とんど」での粕が余っているのかな。なんて言うとまた不機嫌になるだろうから、言わない。
焼き物がぶり。脂の乗った腹身の部分。
酢の物が、北海道の天然物の帆立。流通しているほとんどの帆立が養殖だが、ここでは天然物で安心。付け合わせはサボテン。
小鍋仕立てで鴨鍋。ちゃんと青首、ここでは天然物で安心。鴨の丸かと思ったけど、鴨入りの蕎麦団子。聞けば、故郷で作った蕎麦を、帰省した時に石臼を持って帰ってきたというのんで、挽き立てで団子にしたという。卿はお客さんが少ないので、奥で「今挽いたモンです」と。この蕎麦団子が徐々に出汁にとろみを加えてくるので、鍋の最後は「治部煮風」にグツグツ。具材はハリハリ風。とっても旨い。
鴨が出たので、御飯は鴨を使って炊いて貰う。釜の力は大変な物で、この時点から焚いて間に合っちゃう。お椀に出た伊勢エビの殻でみそ汁。めでたいめでたい。鴨の御飯はとても旨い。ここでの旨い御飯をあげれば、「藻屑蟹」と「鴨」になる。鴨の脂がうっすらとお米に絡んで旨いこと請け合い。余ったら持ち帰り。
帰省した時に実家で作っているという甘酒。トロトロでおかゆのような食べる甘酒。ちゃんと麹を使って甘酒を造っているんだそうだ。田舎の人は凄いなぁと感心。ロハスでスローだなぁ。正月らしい「はなびら餅」。蕎麦のじょうよ饅頭は、イノシシに見立てた焼き目。


2006年12月12日・火
夕ご飯は「日本橋藤久」。カウンターは満席だし、二階は宴会で大忙し。
  • シャコをしばれほうれん草で巻いた酢の物
  • お椀が、慈姑餅、椎茸、アイスプラント、柚子
  • お造りが、すみやき鯛、ぶり、いか、
  • 八寸が、紫芋と餅の磯部揚げ、芥子蓮根、揚げ黒豆、カワハギの肝和え、ウニ蒲鉾、龍皮昆布鋳込みのちしゃと、鮭そぼろ(?)の大根巻きイクラ乗せ、パパイヤのサーモン巻き、カタクチイワシの塩漬けの胡瓜巻き、炒めたジャコの菊菜包み
  • 石焼きが、くるま、帆立貝柱、下仁田、ししとう、酒盗ダレ漬け
  • アワビの自然薯とろろ、刻み海苔
  • 甘鯛と蕪の巻いたんのあんかけ、ブロッコリー、振り柚子
  • ぶり御飯、蟹蠣真蒸の赤出汁、香の物
  • 餡入りの練りきり、きんつば、のし柿
今日のお酒も「松の司・大吟醸・しずく・2005斗瓶囲・山田錦35%、40%精米・No051」。
車庫のみをほぐしてほうれん草で巻いた一品。海老の甘味と「しばれ」ほうれん草の甘さと加減酢の塩梅がいい。「しばれ」も「ちぢみ」も同じ「寒じめ」ほうれん草だと思うのだが・・・違うという。
お椀の、椀種は慈姑の団子を炙ったモノ。表面と中の食感が違って面白い味わい。軸を食べるという小さな椎茸。サボテン?
お造り三種。忙しそうにしていたので聞き忘れた「すみやきたい」。
酒の肴10種。熱々の磯部揚げ。辛さ控えめな芥子蓮根は揚げてあります。鰯は塩が強い。ジャコと菊菜の組み合わせは一般的なんだろうかと考える。本当の藁つとが出てくれば・・・うれしい。
酒盗を煮きって漬け醤油をつくっているそうである。焼いた石が出てきて、自分で焼く。
自然薯のトロロにアワビの薄切り。ズルズルこりこり。
あんかけの煮物は、蕪を剥いて、甘鯛の身と一緒にくるくる巻いたん。とろとろの甘い蕪と甘鯛が、ちょっと変わった蕪蒸し。柚子の香りがマッチ。
釜で焚いた御飯は「ぶり」。赤だしには「蟹の真蒸」。
お菓子3種。

2006年12月5日・火
晩ご飯は、暖簾の色が茄子紺に変わっているけど「日本橋」。
カウンターは一組だけとちょっと寂しい。
  • ほど芋とシラサエビの揚げ物、ブロッコリー
  • お椀が、牡蠣豆腐の裏白(加茂)椎茸、とろろ昆布
  • お造りは、ぶり、よこわ、カワハギの肝巻き、鯛、赤貝、いか
  • 八寸は柚子釜6種、イカぬた、蒸しアワビ、キクイモの味噌漬け、鯛けんちん、サーモンの豆乳チーズ巻き、白マイタケとムカゴの胡麻和え、鯛の子、金柑見立ての百合根の琥珀玉子包み、白毛鮭の氷頭巻き、かきのき茸のヤマノイモおろし和え、めはり寿司
  • 河豚の醤油焼、河豚皮の煮凝り、銀杏
  • 下仁田ネギの焼いたンと唐津自然薯のすったん、山葵、加減酢
  • 炊き合わせは、牛フィレ、はつタマ、黄人参
  • 牡蠣御飯。蓮餅のみそ汁、香の物
  • ココナッツの善哉(緑豆・白玉)、抹茶のシャーベット、泡雪羹、蕎麦饅頭、イチョウ見立ての羽二重餅・黄身餡
今日のお酒は「松の司・大吟醸・しずく・2005斗瓶囲・山田錦35%、40%精米・No051
先付けは、今だけに、コロッケの風合い。海老パンのようでもある。
朱塗りの椀に牡蠣豆腐。新潟の加茂椎茸という椎茸の裏側に牡蠣豆腐を載せた椀種。昆布、人参。志摩の浦村産の牡蠣。
お造りは四方鉢に盛った6種盛り。肝を身で巻いたカワハギは当然ながら旨いですわ。
柚子3個を使った柚子釜。「ぬた」は細切りにしたイカと和えるものではなく、イカにぬたを載せたもの。発想の転換かな。白マイタケとムカゴをあえた胡麻が旨い。豆乳チーズと呼んでいたのは、豆乳をフルーツヴィネガーが固めて寄せたもので、食感はカッテージで、味はクリームチーズ。旨く作ればフローマジュブランのようなデザートに出来るな。琥珀玉子の真ん中に百合根の裏漉しを詰めて金柑に見せてくれます。「白毛鮭」といっていたのは「山漬の鮭」だそうだ。その鮭の身で氷頭を巻いたモノ。さらに昆布で巻いてある。かきのき茸というのは始めて。

いつも苦手な唐辛子の河豚の醤油焼。白子は運良く辛くなく、旨いなぁ〜と、しみじみ。煮凝り美味しゅうございます。
乾山「白椿」写しの器の中は、焼いたネギ。その下に自然薯のすったん。唐津の栽培もので、特産?乾山の「白椿」って記憶にないなぁ、と日記に残しておく。
(「色絵椿文向付」というのがミホミュージアムにあった。)
片口の器に炊き合わせ。関東の方の「初玉」という柔らかいタマネギ。箸がすーっと入ります。
新しい八百屋からだそうで、今までと違った野菜が出てきました。
御飯は、牡蠣にして貰います。一杯食べて。持ち帰る。
暖かい善哉は真っ白。緑豆がかすかに黄色いけど、「白い善哉」。泡雪羹は「ウズラ玉子」に見立てたもので、表面ツヤツヤで、中身も黄身に近い黄色。


2006年11月14日・火
芝居が終わって、また行っちゃう「日本橋
  • 焼雲子を包んだ餅をさらに焼いたもののミゾレあんかけ、白髪ネギ
  • 河豚の味噌粕仕立ての椀、アワビを乗せた舟の椀。
  • お造りが、蟹刺し、ナガスの尾の身
  • 八寸は、むべの味噌和え、ボラ貝の酢の物、大徳寺納豆入りの帆立の白板昆布巻き、百合根織部、ちしゃとう、卵の味噌漬け、鯛の金紙巻き、食用酸漿、伊賀栗の渋皮煮、栗いが、紫芋チップス、サツマイモチップス、アピオス、海老・ヤマトイモの手まり、桜肉の握り寿司
  • 氷見のブリカマの照り焼き、おろし
  • シャモと白菜の冷製あんかけ炊き合わせ、ブロッコリー
  • 焼蟹
  • 香箱蟹の炊き込み御飯、なめ茸のみそ汁、漬け物
  • 上用饅頭、栗きんとん、かるかんを乗せた蒸し栗羊羹、紫芋と芋の二色羊羹
今日のお酒は「松の司・純米吟醸・AZOLLA」にした。
先付けが、ミゾレ餡かけ。めっきり白子の季節です。
珍しく白味噌仕立て。甘いコクがあるのは酒粕入り。お椀に螺鈿でアワビ、浪に浮かぶ舟は鉛を貼り付けてあって、昔の仕事だそうだ。
お造りが、蟹刺し。ここで食べられましたぁ。境港のタグは、キトサンを混ぜた紙タグ。貴重なナガスクジラの尾の身は、アサツキ生姜。
八寸は・・・変えてきましたなぁ。週末と重なってないのが、流石。「食用ほおづき」というのは、信州産。八百屋で売っているらしいが、生食ではフルーツだ。伊賀栗の渋皮煮のイガが揚げ物で作ってあるのだが、そのイガはサツマイモで出来ていて、栗を包む皮は海老のすり身入りという味ある栗のイガだ。素麺のイガよりは旨い。
でーんとブリカマ
こってりした後に、舌にもさわやかな冷たいあんかけ。にくいなぁ。シャモ肉を棒状にして蒸し上げたモノを輪切りにした円盤状のお肉と、同じような白菜を重ねた炊き合わせ。
ワタリガニ、ツガニと3回続いてカニ御飯で、今日は「せこがに」。軽く2杯頂いて、持ち帰り。
お菓子が4つ。


2006年11月11日・土
晩ご飯は「日本橋」。カウンターはいっぱい。全員お任せのようだ。
献立は
  • 先付けに、白魚と大根の山葵和え
  • お椀が、松茸のグジ包みの椀種、とろろ昆布、軸菜、黄柚子
  • お造りが、タコ、あおり、メイチダイ、コショウダイ、カンパチ、ぶり、とろ
  • 八寸が、ナマコのコノワタ和え、イクラと微塵の大和芋、畳鰯のウニ焼、豆腐の味噌漬け、菊芋と海老の味噌和え、鶏の甲州焼の松風、鴨ロース、厚焼き、フナの子造り・酢味噌
  • 牛肉の朴葉焼
  • 蒸した藻屑蟹、蟹酢
  • 炊き合わせが、ヒロウス(海老、銀杏、木耳・・)、里芋、ほうれん草
  • 藻屑蟹の御飯、シジミのみそ汁、香の物
  • デザートが、餡入り銀杏餅、味噌松風、栗蒸し羊羹、柿巻き
今日のお酒は「笑四季・大吟醸・金賞受賞酒」にした。桃のような立ち香、口に含むとメロンのような甘味。雑味も感じず綺麗。冷やしすぎない方が良いだろうな・・。
もう白魚?と聞けば、この時期に江戸前の白魚が将軍さまへの献上の為に捕られ始めるのだそうだ。まだまだ小さいが、甘味があって山葵とのコントラストが微妙。
お椀は、まだ松茸。でも鱧からグジへと変わってきた。紅葉の散る八つ橋の殻。
お造り沢山。大間のトロは言うに及ばず、脂の乗ったブリやカンパチのハラミ、どんな魚か浮かばないけど、メイチもコショウも旨い。
沢山の八寸。藁小屋の器にナマコ。お年寄りには噛むのも難しいナマコで、茶ぶっておいてほしいな。コノワタも長い。切っておいて欲しいな。二手間ぐらいかければ、言うこと無し。ナンバでフナが出るとは思いも寄らない。滋賀ではスーパーにも並んでいたりするのだが・・。
牛肉は宮崎牛の鞍下の部分の朴葉焼。白髪ネギたっぷり。いつも旨いのは味噌だ。
川蟹、つがに、藻屑蟹・・。いつもながら身をして殻に詰め直してくれている。上海蟹くらい大きいといいんでしょうが、小さいのが難点。食べていて思ったのは、「琵琶湖で上海蟹を養殖せえへんかな?」ってことだ。バスより喜ばれそうなんだが・・・
あっさりと精進な炊き合わせ。
この時期に頼んでしまう「川がにの御飯」。まだミソが少ないかな?お持ち帰り。
デザート4種。

もう蟹が解禁になって、使われ始めているけど、今日使っていたのは「境港」。身を食べているだけだと、丹後と山陰は(それほど)変わらないという。じゃどこがと違うかというと「ミソ」だそうだ。食べ比べる程ではないので、知らない方が身のため。大阪では「柴山産」は一杯30000円を越えてくるので、とてもだしても喜ばれる量ではない。このあたりが大阪と京都の違いの一端。


2006年11月8日・水
すこしお昼の時間を遅らせて、ラストオーダーぎりぎりに飛び込んだのは「日本橋」。お昼は手軽に昼御膳。主催は「桜肉の生姜焼」。
  • 突き出し3品(魚の中落ちの煮付けたん、海老芋・お浸し、四角豆・南京)
  • お吸い物(若布とつくね)
  • ご飯、おつけもの
  • 主菜は、桜肉の生姜焼き
  • 抹茶のシャーベット
飛騨コンロに、目鍋。蓮根、茄子、ネギ、椎茸、ししとう。御飯のお代わり。

2006年10月27日・金
日も落ちた黒門を抜け、晩ご飯はお決まりの「日本橋」。
おまかせ。
  • 先付けの酢の物が、赤貝、炙ったサザエ、帆立貝柱、牡蠣
  • お椀が、松茸、焼鱧、焼蓮餅、軸菜、紅葉人参、黄柚子
  • お造りが、鯛、鯛皮、炙ったカツオ、牡丹海老、タコ、イカ
  • 八寸、白子豆腐、柿なます、アンコウの肝、トンブリとウニ、笛の器には、織部椎茸、イカの黄身焼、牡蠣巻き、擬製豆腐、帆立貝柱のウニ焼、渋皮付きの栗、炙り鯛の手まり寿司
  • 煮物椀に、鯨のはりはり
  • シャコの昆布巻き、加減酢
  • 焼き物が、子持ち鮎、松茸、海老パン、銀杏、素麺松葉
  • ワタリガニの御飯、キノコのみそ汁、香の物
  • デザートが、無花果のシャーベット、小豆餡入りういろう餅の菊花。浮島、桃山餡・カボチャ餡を包んだハロウィン風こなし、栗やリンゴを刻んだ餡入り肉桂饅頭
今日のお酒は青いボトルの「東洋美人・大吟醸・金賞受賞酒」にした。メロンのような香りと甘味が和三盆のような甘味を残して、さらりと消えていく。「やまなか」から「田酒」や「志太泉」が仕入れられている。
さっぱり酢の物で食欲がわく一品。「酢は体にいい」というので、ちゃんと飲み干す。
お椀は、まだまだ松茸と鱧。松茸もいいのだけれど、蓮餅がいい。刻んだ蓮根がシャキシャキで歯触りをよくしているし、炙っているので崩れることもない。
お造りは・・あら!珍しいタコ。ここでタコが出た記憶がないよ。牡丹海老が格別。緑の腹子たっぷり。これがまたいい酒のあて。鯛とカツオはポン酢醤油。
楽しい八寸。風味のいい白子の豆腐。牡蠣巻きはかつらむきした胡瓜と海苔で巻いたん。ムカゴの香りの擬製豆腐も美味しい。アンコウだけは臭みが抜けてなかった。
ネギたっぷりの鯨のハリハリ。水菜の底に葛打ちの鯨。とっても柔らかい鯨。鯨の香りは、好まない人もいるでしょう。むちゃは好き。
白板昆布で巻いたシャコ。生姜風味の加減酢を浸してある。「酢は体にいい」というので、ちゃんと飲み干す。
七輪が出てきて焼き物。はち切れた子持ち鮎。骨はおせんべい。
一息ついて、御飯。
今日のお釜の御飯はワタリガニ、赤い内子も綺麗な御飯。とっても上手い。そろそろ「もくず蟹」だ。残った分は、おにぎりで持ち帰り。
デザート沢山。ごちそうさま。

一応ラストオーダーが9時だそうだが、30分も過ぎて飛び込みで3人客。人のいいQちゃんは断り切れない性格。こういう我が儘は控えなくちゃね。


2006年8月23日・水
今宵の晩ご飯は日本橋の「日本料理屋」だ。
  • 八寸には、焼馬場茄子の味噌田楽、烏賊の月環・けんちん鋳込み、枝豆、鱧の子の玉子とじ、子持ち昆布、フォアグラをはさんだ長芋羹、酸漿の中はニシンの昆布和え、イクラと温玉、豚タン、蛙瓜と鱧の合えもの、海老・梨・三つ葉の黄身酢和え、鯵の細巻き
  • ガラスのお椀には丸の煮凝り、冬瓜、エンペラの微塵、内子、アサツキ
  • お造りが、鮎のお造り、鮎の背越、生ハモ、ハモの焼霜、鱧の落とし、大間のマグロ、烏賊、サンマ、鮎の骨せんべい、醤油、酢味噌、梅肉
  • スズキの焼き物、蓼味噌田楽、酢蓮根、山桃
  • 揚げ物は、無花果、ゴーヤ・タマネギ・トウモロコシのかき揚げ、茄子、おろし、天つゆ
  • 酢の物は蛸、素麺カボチャ、四角豆、茗荷
  • 炊き合わせに白ズイキ、ウニ、鮑、摺りオクラ餡、茗荷
  • 岩牡蠣のごはん、焼茄子豆腐のみそ汁、香の物
  • 桃山餡のこなし、ピオーネの白餡葛饅頭、カボチャココナッツ
今日のお酒は「喜楽長。平成18年度全国新酒鑑評会。金賞受賞酒・山田錦精米歩合40%」だ。
銀の団扇に盛られた八寸。細々したところは怪しい。ハモの骨は残っているし、イクラの塩加減は強いし、子持ち昆布も塩が強いし、卵綴じはよく焼けている。こんなところで「馬場茄子」だ!?貝塚の農家さんが、檀家になっているお寺に分けた分が廻ってきたそうである。いろんなところでつながっている縁である。
冷たいお椀。夏には一回くらい出してくれるが、今日はスプーン付き。スプーンがはじかれるまで煮凝り状になっているとは、気付かなかった。しょうがの香りは理解できたけど、言われるまで丸だと分からなかった。冷たいと香りが立たないのか、デトックスの副作用で味覚障害なのかもしれない。スッポンの内卵はたまり漬け。
お造りには鱧と鮎だ。鮎は三枚に下ろしたお造りと背越し、骨もしっかりあげて出てくる。ハモだって、生、焼霜、落としと三様。生鮎、生ハモには針南京、サンマはネギにスリショウガ。大間のマグロは一旦築地に入ったのもので、直接大阪にはやってこないらしい。値段も境港などとは・・・。
焼き物はスズキ。ぽってりと緑色の味噌田楽。
揚げ物はかき揚げと無花果。甘いと思って食べると意外なほど淡泊な無花果。ゴーヤって最近流行っているせいか、新しい食材かと思ったら、昔から吉兆さんでは使っていたらしい。精進料理の「月心寺」でもでると言うから、日本料理の食材として普通だったんだ。生のゴーヤをかき揚げにしているので、タマネギやトウモロコシの甘味とで複雑な旨味。
ガラスの器に酢の物。覚えの悪いむちゃは今日も「これ何?」と聞く「素麺カボチャ」。
炊き合わせも緑色のオクラ。器の底には厚い鮑。出汁の浸みたズイキ。
ごはんは「しゃこ」とか「渡り」とか「岩牡蠣」を勧めてくれたので、「岩牡蠣」でお願い。「シャコ」は季節外れ?「渡り」は9月のだんじりに頃でないと・・・。
デザートもワゴンサービスではないけれど、選ばせてくれたので3つも食っちゃう。オーソドックスなこなし。葡萄大福はあるけど葛饅頭に仕立てたのは記憶にない。カボチャとココナッツが一番のお気に入りだ。


2006年7月29日
夕ご飯に「和食屋」に行く。満席だ。
  • 先付けに、無花果の田楽、唐墨、ドジョウのごぼ巻き、鰻豆腐、芽ネギのおばけ巻き、海老と枝豆のゼリー寄せ、鮎の有馬煮、鱧の子山芋微塵載せ、マコモの梅漬け、海素麺と蛸の酢の物
  • 椀が、丸豆腐
  • お造りが、アカメ、あこう、うに、とろ、焼ハモ、トリ貝、さんま、いか
  • 岩牡蠣のバター焼、トマト、ズッキーニ、茄子、ほたて
  • 野菜(おくら、赤ピーマン、カボチャ、小芋)の炊き合わせの煮凝り、ゴマだれ
  • きんきのしゃぶしゃぶ、椎茸、豆腐、ネギ
  • お釜で焚いたガンガラごはん、冬瓜のみそ汁、香の物
  • 黒豆とココナッツのプリン、紫蘇餅、葛饅頭、柚子風味のゼリーと泡雪羹
東一・純米吟醸」で通します。
ちょっとヒコマロ風に言うと「八寸の朝顔市やぁ!」てな感じ。盛りだくさんで、目だけでも楽しめる。
銀椀で出てきたのは、茶巾に絞った丸豆腐だ。蓋を取った時の丸の香りは乏しかったけど、茶巾の中にはたっぷり。精が出る。
お造りで出て始めては「あかめ」という魚。主人もよく知らない魚があるようだ。図鑑にも載ってないと聞いた。かなり大きくなるようで半分の仕入れ。頭はお昼に売っちゃったそうだ。殻付きで出たウニは宮城産。
厨房から、似つかわしくない香りが漂っていたけど、バター焼のだったのかな。お隣さんは「鮑で」。「和食屋」だけに醤油で香り付けだ。
煮凝り風のゼリー。夏らしくガラスの器に、涼しげな仕事
沸いた出汁を張ったコンロが出てきて「ハモかな?」と思えば「きんき」だった。出汁に浮かべると一瞬に油がはじけるように浮く。さっと引き上げて食べると、かなり脂がキツイ。しゃぶしゃぶでは旨味を楽しめないな。
ガンガラとは、磯の雑貝全般ごちゃまぜ。たまに黒門でも出るらしく、かえって珍しい品のようです。巻き貝からほじくり出した貝は、巻き貝それなりの「とぐろ」をまいたものモノまであって、見ようによっては「ウ●チ」みたい。貝から出たエキスか、ほんのり色づいたごはんの色は、「色は体を表す」と言ったところ。
〆はしっかり和菓子のセット。
あらかじめ伝えていた「ハモ寿司」の他に「ガンガラごはん」など、お持ち帰り。とっても重い。
途中から懐かしい郁ちゃんがきて、お手伝い。朝日新聞の連載も終わって、今までの分も合わせて出版されるそうだ。新聞を読んで面白い問い合わせがあるそうで、可笑しい。
嫁の借金が残っているのでお盆は休み無し、だそうだ。
2階の客は騒々しい、と思ったら、くるよちゃんがいた。ぞろぞろ芸人さんのグループだった。いくよ、なるみ、かなこ、しるく、たむけんもいたよ。チャヤァ〜、裸じゃなかった。


2006年7月25日
ランチに行く。満員かな?と、「和食屋」を覗くと誰もいないじゃん!さびしい。
で、お手軽なお昼の定食でメインは「ハモの柳川風鍋」だ。ちゃんとメニューに載っているじゃないですか!想定通りだ。
  • なすび・ししとう・人参の含煮、金時草のお浸し、ブロッコリー、赤ピーマン
  • お吸い物
  • ごはん・香の物
  • ハモの柳川風鍋
突き出しのボリュームが減ったような気がするけど、主菜は十分。後から来たお客さんは、突き出しを食べ終わって、主菜が出来上がるのが遅くて、時間が空いていた。しょうがないけど。


2006年7月22日
日本料理屋」へ出向いて、お弁当を引き取って、松竹座へ向かう。お弁当を紹介。ずっしりあります。

2006年6月24日
晩ご飯は、「日本橋藤久」。写真とは違って暖簾は「スカイブルー」に衣替え。
  • スズメダイの煮凝り風の寄物
  • 椀が、新蓮根、海胆、早松、絹さや、青柚子
  • お造りが、あこう、トリ貝、よこわ、鰹、イサキ、シマアジ、いか
  • 八寸が、アジのお寿司、穴子入り玉子豆腐・ずんだ和え、烏賊の塩辛、デラウェアおろし和え、酢取り白瓜、蛸の子の含め煮、肝寄せ、アボガドのサーモン巻き、トロロ豆腐
  • 酢の物が蛸と摺りオクラ、茗荷、
  • 舌平目の焼き物、骨せんべい、おろし、酢蓮根、山桃
  • あこうの頭・カマの酒蒸し
  • 鱧・梅・紫蘇ごはん
  • 豆乳アイス・あずき、蕗の砂糖漬け、水無月、白あん鋳込みの青桃の寒天、餡入り道明寺
お酒は「開運・純米吟醸」。醤油味の先付けには、苦味を感じるが、それ以外ではほんのり甘味を感じて旨い。
本当なら「ウツボ」を使うところだったという煮凝り。残念。刻み紫蘇。きっとウツボの方がコクがあって旨いだろうな。昨日は時化で入荷でき名かたっと言う。残念。
蛍の椀。摺った蓮根を固めて四角に切った蓮根饅頭(?)の。全然蓮根の香りがしない上品な饅頭。海胆や早松の塩梅・影響か、ちょっと出汁はコクですぎ。あぁやっぱり早松だぁ。香りは弱いが口の中で香りが立つ。早松には鱧にして欲しかったな。秋に食べる機会は多いのだけど・・。でも正確には早松じゃなくて輸入品でしょう。あえて聞かなかった。
お造り沢山。
2本目のお酒は「上喜元・純米吟醸」だ。やっぱり好みの味。ハズレがない。
八寸は藤久さんとしては控えめ。アボガドを巻いたサーモンが極めて旨い。玉子豆腐であるが、枝豆の味が無いか有るか分からない程、豆っぽくてよろしくないのだが、穴子まで一緒くたにぐちゃぐちゃにしてしまうとこれが不思議と旨い。
酢の物で一休み。
たぶん鮎は飽きたと思っているんでしょう。「焼き物は舌平目」。身と骨とに下ろして、骨はまるまるせんべいだ。頭までバリバリポリポリ食っちまった。
あうんの呼吸と言うべきか、欲しい物が出てきて、言うこと無しの「あこうの酒蒸し」。ちり酢。今宵はなんてグラマラスな献立。
ごはんでようやく鱧がでた。一杯貰って、残りは持ち帰り。梅の香りがさわやかアクセント。固めの焚き具合が過ぎた感じ。香の物は水茄子だな。むちゃはあまり漬け物に執心しないので、食べないことも多い。残す。
魅力たっぷり、デザート。桃の実の子供はまだ青い果実だけど、食べられるそうで、徳島からの贈り物。種の部分に鋳込んだ白あんが甘くて好み。実はその他は甘味を感じない程で、ちょっと寂しい。出るような感じはしていたんだが水無月バッティング!

2006年5月30日
一通りの買い物を済まして「日本橋藤久」に向かう。
  • ウネの黄身酢和え、胡瓜
  • 椀が鮑、鮑素麺の椀、サヤインゲン、未生柚子、
  • お造りが、鯛、鯛皮、イサキ、アジ、トリ貝(日本海産と石垣産)、鰹、キングサーモン、海胆
  • 八寸(鯛の白子、白ズイキとオクラのお浸し、鶏の生肝、ウスイ豆腐と海老、鱧の笛の味噌漬け、干しホタルイカの炙ったん、豆入り蒲鉾、海胆豆腐、八幡巻き、肝焼、山桃)
  • 太刀魚の焼き物、ヤングコーン、空豆
  • ナガニシ貝と長芋素麺の酢の物、青のり、梅肉
  • ヨモギ麩と海老のあんかけ、茗荷
  • 穴子ごはん、ジュンサイのみそ汁、香の物
  • ヨモギ胡麻豆腐・きなこ黒蜜、柚子羊羹、きみごろも、餡入りわらび餅
お酒は「龍力・美酔香泉・純米吟醸・しずく酒・ひやおろし」にした。最初は温度が高いうちは甘味の濃い、香りも立つ酒で、半年経ってダレたかと思ったけど、冷えると表情が変わって、軽やか。
鯨のウネを湯通しって言うのかな?コリコリ感と好みの味の甘めの穏やかな黄身酢加減。
浪に浮かぶ御所車の椀。細切りの鮑に、肝を練り込んだ鮑の素麺と、長い椀種が泳ぐ。小さい柚子が輪切り。
盛りだくさんのお造り。切るだけでなく一つ一つに仕事がしてあるところが堪らないなぁ。炙ったり、霜降りにしたり。トリ貝が2種類で、日本海のは普段の黒色で、石垣のは淡い黄色。南の海でも獲れるとは知りませんでしたわ。醤油とポン酢、山葵にスダチ。
舟形の器と壺壺の八寸も嬉しい盛りつけ。白子、生肝とっても旨い。厨房で干したホタルイカの干物も旨い。烏賊のワタが旨味をグンと増しております。こういうのは七輪で焼ながら酒の肴によろしいでしょうなぁ。
飛騨コンロで出てきたのは、ヤングコーンと太刀魚。既に焼かれているので、コンロは保温用ですな。笹の葉とコーンの穂の緑が綺麗だ。太刀魚の上には、大葉風味の大根おろし。食べるのが遅かったのか、早く焼きすぎたのか・・太刀魚の脂が落ちた感じを受けたけど?
酢の物は長芋素麺に、巻き貝のナガニシ。久ちゃんが「かつらむき」をしているのを見て、そんなん大将がせんでもエエのに、と思ったけどこの素麺は大将以外には出来ませんなぁ。柔らかな加減の酢は飲み干しちゃう。
暖かい炊き合わせが、ヨモギ麩と海老の醤油餡。細切りの茗荷。ちょっと不満はヨモギだ。アクが残っている感じ。
穴子ごはんは、釜で炊いたごはんに焼き穴子を載せて「穴子まぶし」。事前に注文を付けたごはんなんですが、むちゃは穴子の旬というのが分からなくなったよ。長い魚は初夏から夏にかけて旨くなると思ってきたけど、違う説もあるようで・・冬?。同じように長い魚と言えば鰻だが、夏に食べるのは、平賀源内の陰謀で旬ではなく夏に味の落ちて売れなくなった鰻を宣伝して、一般化したという。そういえば宍道湖の七珍の鰻は10月が旬と書いてあった。「表」が有れば「裏」もあるから一概には言えないけど。まぁ、それはともかく、穴子は旨いですわ。それにましてごはんの堅さがむちゃ好み。心にくい焚き加減。お持ち帰り。
中村ちゃんが、お盆にお菓子を盛って「どれだけ・・」というから、全部頂く。別腹だよ。「きみごろも」とは奈良大宇陀の銘菓らしい。中身はメレンゲのようにふわふわで、外皮は卵焼きそのものといった味。ちゃんと再現できているのか分からないけど、かなり苦心したらしい。日本中の銘菓を作るつもりだろうか?

カウンターの背後に新しく「藁屋に名馬繋いでよし、ここに藤久あり」の文字が飾られていた。「藁屋に名馬をつなぎたるがよし」という珠光の言葉を借りて、藤久の名付け親さんが揮毫したのだという。昨日出来上がったばかりという。
新装開店の案内はがきが出来上がったというので1枚頂く。6月吉日と書いてあるから、これから送るそうである。新装開店で変わったことと言えば「不定休」になったことと「禁煙」になったことだ。禁煙は大歓迎だ。!それにしても新装以来、5月は休み無しで営業だそうだ。ご苦労様。
照明も変わったようで、明るさが依然と随分変わった。料理が映えるようにもなった。


2006年4月26日
晩ご飯は「日本橋藤久」だ。
献立は
  • 先付けが、ホワイトアスパラとホタルイカのあんかけ、プチトマト入り
  • 揚げフグの椀、椎茸、山ウド、他の針、三つ葉
  • お造りが、鯛、鰹、鳥貝、烏賊、海胆、目板、焼き目油目、
  • 八寸が、鯛の笹巻き寿司、蕗の梅煮、烏賊の海胆焼、ニシンの子の焼いたん、山ウドの穴子巻き、豆あじの南蛮、烏賊の子と白子のたまり漬け、イタドリのお浸し、パプリカのムース・海胆・わさび
  • 桜エビとアスパラのかき揚げ、アスパラのフライ
  • 竹の子の田楽、帆立の田楽、飛騨コンロ
  • 岩牡蠣、スダチ
  • 桜エビのごはん、シジミのみそ汁、香の物
  • 肉桂の饅頭、鯉のぼりをかたどったこなし、黄身餡の羽二重(?)、抹茶のシャーベット
まず「松の司・心酔」から始める。
暖かい餡掛けとは意表を突かれた。ホタルイカの食べ方としては、生食が一番だけど、内臓に最近が多いので、次善の食べ方は「石焼き」とか「しゃぶしゃぶ」とか暖かいのがいい。餡掛けも旨いモノですがこれは料理屋の仕事ですから、嬉しい。プチトマトの酸味が強烈に感じる。
和歌山では、今がフグの「裏旬」と料理さんが言っているらしい。てな訳で揚げて椀種。フグに合わせて出汁しは抑え気味?香りも抑えて三つ葉?
お造りは在庫整理?水曜日は隔週で市場が休みなんだが、休みでもないのに魚が少ないのだそうだ。それでも一杯盛り込む。石川産というトリ貝が大きくて美味。。 2本目は「醸し人九平治・白ラベル」。お酒も連休を控えて在庫整理中だ。
壺壺に鮮やかなパブリカのムース。ほんのり辛くほんのり甘い。海胆が口の中で溶けるようにムースが溶ける。山葵は不要だ。烏賊の子のたまり漬けがまた面白い。むっちりの卵を舌の上で割ると、口全体にむっちり舌旨味が、むっちりむっちり・・・。たまに出てくるけど今日の漬かり加減がいいようだ。たまに入荷する「生ニシン」だそうだが、その「生かずのこ」の焼いたん。身は焼いて食べらちゃったそうだ。八寸は中村ちゃんの仕事になったようだ。連休ぐらいから、日本料理屋さんでは「粽」が出てくるのが楽しみ。
これまたたまに入る桜エビのかき揚げ。グリーンアスパラの軸と一緒に揚げてある。アスパラの穂先がフライ。揚げ物嫌いで、とりわけ掻き揚げが嫌いなんだけど、天ぷらの印象が代わる揚げ加減だった。茶漬けにしたいくらい。黒門中川にも今日は桜エビがパックに詰めてあった。言っちゃ悪いが桜色してないものだったが、さすがにここのは桜色。
たまには「十四代・純米吟醸」。気の抜けた炭酸のような甘味を感じる薄ぺらい味。
予約した時に、お勧めを聞いていたのだが帰ってきた素材は「竹の子」だった。正直飽きてきているので、珍しい食べ方ならと注文を付け焚いたのだ。焼いた姿は前回と同じようだが、水間の朝堀の竹の子が届くと、茹でずにすぐに焼いておいてくれたそうだ。苦味もない。ちょっと濃厚な木の芽の味噌田楽。
今シーズン初めての岩牡蠣。長生き長生き。始めた食べた時は感動したものだが、久しぶりに感じちゃった。当たりはずれはしょうがない。
ごはんはどうしましょうというので、決めていないなら「桜エビ」でしょう。蕗入りで炊き込んだ。止め椀にシジミを付けてくれた。
途中郁ちゃんが、お菓子の配達?バイトの子二人も居るし、居場所がないと帰って行っちゃった。7種類の中から3つというので選んだけど、正確には忘れちゃった。

残った桜えびごはんはお持ち帰り。合わせて「花山椒」を頂いて帰る。なにげなく持たせてくれた紙袋だが、日本タイポグラフィー協会のナンタラ部門の大賞を受賞したらしい。「ひらがなが一杯書かれてナンのこっちゃ」と思っていたけど、ひらがなの中に「にっぽんばしふじきゅう」とか「からきよちょうこちかぜ」とかが、隠れてデザインされているそうだ。KOTIKAZE開店のお祝いにデザインして貰ったそうで、お店にとっては思いがけない名誉?


2006年4月4日
藤久 夕ご飯は「日本橋藤久」にスミソニアン帰りの帰国祝い。スミソのスーベニールも頂く。
今日はゆったりカウンターを占拠。献立は
  • 濁り酒
  • 八寸が、五島の牡蠣の時雨、焼どろえび、ウスイの茶巾、白アスパラの袱紗巻き、龍皮巻き、海胆と海ブドウ、片栗のお浸し
  • 油目、ヨモギ素麺、はなびらウドの椀
  • かつお、鯛、キスの焼霜造り、春蘭、紫芽
  • 稚鮎の塩焼き
  • 天ぷらが、メヒカリ、山菜(雪の下、こごみ、たらのめ、・・?
  • 焼タケノコ、焼一寸豆
  • 貝しゃぶ(ほっき、あわび、とり、ミル、ハマグリ、たいらぎ、根三つ葉、白髪ネギ)
  • シジミごはん、香の物、
  • ヨモギ白玉粉クレープ餡包み、桜餅、お薄
桜の派手な飾りの八寸がでると「濁り酒」も出てくる。余り上品な香りじゃない。
すぐにお酒は「善知鳥・大吟醸
おからに青海苔で築山を造って桜の枝を突き刺すという、食べるのには邪魔な飾りだ。崩すのは惜しいし、箸は入りにくい。青のりの香りがたっぷり香る。先日の天然の牡蠣、泉州の地のドロ海老、など。どろえびって聞いたこと無いなぁ。
椀が油目、緑も香りも鮮やかな素麺だけど、ツルツルという感触ではなく、悪くはないけどぼそぼそ。
お造りがすべて炙ったものというのも珍しい。キスは大葉が忍ばせてある。山葵とポン酢の2種類。
水槽の中で泳いでいたのは早くも鮎。ここでは4月が解禁だそうで、昨日から使っているそうである。焼あげてからコンロに乗せて出てくる。ここでも桜の小枝。やりすぎ。タデ酢。
揚げ物は山菜。メヒカリ。メヒカリって旨いけど、天ぷら種だな。塩がでる。
水間のタケノコ半分。焼いた上から木の芽が降りかかっている。焼いた一寸豆3つ。
昆布だしを張った鍋が出てきて、貝が出てくる。しゃぶしゃぶして食べる。ポン酢醤油はかなりしっかり目の加減。
先週頼んでおいた「シジミ飯」。想像していたよりあっさり。瀬田川畔で食べることの出来る釜飯とは醤油の加減からして別物。1杯だけでお持ち帰り。
デザートはすっかり、和菓子になりました。


2006年4月1日
夕ご飯は近くの「藤久」さんに取っておいた。
よくお見かけするお馴染みさんを残してカウンターは他にお客はもういない。
  • 五島産の天然牡蠣
  • 椀が、白甘鯛、タケノコ、若布、土筆、花びらウド、木の芽
  • お造りが、焼霜のあじ、鯛、海胆、イカ、あわび、サヨリ
  • 八寸、白魚の黄身寿司、鰻の山椒焼、トコブシの炊いたん、タイラギの木の芽和え、鯛の白子豆腐、鮭とば・かますごのおろし和え、一寸豆、鯛の桜寿司
  • 帆立のバター焼、肝、椎茸、ホワイトアスパラ、グリーンアスパラ、赤アスパラ
  • 炊き合わせが、新タマネギ、ヘレ、木の芽
  • 鯨カツの玉子とじの丼、シジミの清汁、香の物
  • デザートは、ほうじ茶のプリン、山椒小餅、桃山餡の求肥巻き、桜の泡雪羹
お酒は「四季桜・純米大吟醸・万葉聖」とした。キリッとした味わい。好みでいうともう少し味が欲しい。
先付けが、ワイルドな牡蠣。この時期しか取れないという五島産の牡蠣。ゴツゴツした塊で、どこに牡蠣の身が隠れているのか宝探しのような牡蠣。身の大きさはバラバラ。以前見た「博物館の牡蠣の見本」を思い出してしまった。まるまる太った養殖に比べて旨いかといわれたら疑問だけど、珍しいものを頂くと喜んでしまう。
椀は、2キロを超える白甘鯛に若竹の組み合わせ。焼き目を付けて香ばしくしてある。甘味を感じる出汁だったが、甘鯛からだんだん脂が浮いてきてさらに旨くなる。
ちょこちょこ沢山のお造り。ポン酢醤油と山葵醤油。「アルアル」の影響で山葵が高騰品切れだそうだ。家庭での需要が増えちゃったんでしょう。こういうところではストックがあるから大丈夫でしょうが・・・。なんか余った山葵が勿体なくて食べきる。辛みを感じない舌の奥に山葵を載せれば、鼻にツンと来ることはないよ。
水槽の中にも鰻が泳いでいる。たっぷり身の厚い鰻。皮まで旨い。日本海・宍道湖あたりの白魚の値段は相当ぶれるそうで、高い時には普段の5倍もするらしい。たった1匹で100円を越えることもあるという。方や北海道産は普段でも10円を切るという。エエモンは高い。鮭とばとは、サーモンジャーキーかな。炙って出てくる。酒の肴にぴったし。白子の豆腐旨し。
コンロに乗って出てきた帆立の貝殻はバター焼。ゴロンと肝。最近出始めた「赤アスパラ」を入れて「三色アスパラ」とか言うてます。赤と言っても「紫めいた」皮色。これから市場に出てくるという新酒のようです。珍しいものを頂くと喜んでしまう。
ヘレに隠れて見えないけど、2時間焚いたという新タマネギはとろとろ。木の芽たっぷり。
最後のごはんはと、聞かれてメニューを見ていて見つけたのは「鯨肉」の中にあった「カツ」だった。でお願いしたのは「カツ丼」。最近では「生」か「ハリハリ」程度でしか食べたことはなく、カツを食べた記憶はもうない。すこし鯨臭い匂いは残るものの、イヤな香りではなく「臭みも味の一つ」ということである。きっとエエ鯨だったんでしょう。
止め椀も聞かれて、水槽から出てきたのは、東郷の「大シジミ」。味噌が良いか清汁が良いか、そんな悩みは嬉しいな。お椀には、飾りにちょっと入れましたというものではなく、一杯のシジミで、嬉しいな。シジミの香りもたっぷり。酒呑みにはシジミでっせ。
デザートは4種。プリン旨し。歯触りの良い泡雪羹は、泡雪が固まってアイスバーン?。水槽にはキャンセルがあったというので、海老ちゃんとか週末とは思えない程賑やか。日曜日のKOTIKAZEで使いますと仕入れ担当は答えていた。


2006年3月6日
で夕ご飯の「日本橋・藤久」に向かう。
  • 八寸(ホタルイカの木の芽和え、白和え、サザエ、アジの龍皮巻き、イイダコ、白魚に梅染め百合根を乗せたん、赤ピーマン、グレの子の含め煮、一寸豆)
  • 甘鯛の頭の酒蒸し
  • お造りが、かつお、ひらめ、さより、いかの盛り合わせ
  • 山菜(雁足、こごみ、タラの芽、ふきのとう、酢葉、山ウド、つくし)と油目の天ぷら
  • サザエ、あわび、赤貝、トリ貝、タイラギ、本ミルのレモンおろし和え、菜の花
  • ハマグリとタケノコ、湯葉、三つ葉の鍋
  • ちらし寿司、香の物
  • お菓子(土筆を砂糖で絡めたん、羽二重?、羽二重で餡を包んだん、餡巻き、ウグイス餅?)
今宵のお酒は「笑四季・大吟醸・斗瓶囲い」である。
フンフンと聞いているので、あやふやな八寸。白魚に百合根を合わせた。梅のかすかな酸味と百合根の甘味が白魚に絡まる。ホタルイカに木の芽和えというのも珍しい。
魚の頭が食べたいと伝えていて用意していてくれたのは甘鯛の酒蒸し。一匹分まるまるだった。椀替わり。
お造りでは平目の縁側と鰹は焼き目、サヨリはいつものように大葉を挟んだもの。ポン酢醤油と山葵醤油。もう初鰹?
天ぷらは山菜がメイン。山菜の下に隠れるように鮎並があった。おろしと天つゆが出た。覚えが悪いむちゃは、山菜摘みに行っても毒草を摘んでしまいそうなほど、物覚えが悪い。イメージを記憶する脳の能力がない。
いろんな貝をレモンをふりかけたおろしで和えたん。鮑、タイラギ、本ミルが焼き目。
小鍋立てが、湯葉、タケノコ、ハマグリ。今日は貝づくしとも思える程いろいろ出てくる。ハマグリは葛打ち。出汁にも葛が引いてある。湯葉の豆乳分が溶け出してきて、出汁が濁る。まったり。もう少しハマグリのお味があれば、なお一層美味しい。
まだ雛祭りらしく、チラシ。穴子とか・・・錦糸の細さは流石と唸ってしまう。甘味のある厚焼きがチラシの甘酢加減とよく合う。
デザートは詳しく聞かんかったので、だいたいで曖昧。

三日前から新しい子が入ったようである。まだ学生。
そろそろカウンターぐらいは禁煙にしてもらわんと、美味しい料理も美味しくない。


2006年2月3日
夕ご飯は日本橋の「藤久」。カウンターには、誰もいない。
献立は
お酒は「笑四季・うらら花・純米・しぼりたて・生・しゃくなげ酵母」にした。一口目は苦味があったが、徐々に感じなくなる。香りは穏やかでキレも良いのだが、深みがないというか、厚みがないというか、コクがないとというか、線が細い。
柊を添えた、節分の八寸。一切れだけ「巻き」。ノレソレは生姜を載せた出汁。雲子を味噌で漬けたのがネチョーと旨い。まだ浅いそうであるが、ネチョーと旨い。
椀から複雑な香り。節分らしくキンコ。キンコや豆を混ぜた豆腐に、内臓である生のコノワタ、干したバチコとナマコだらけ。複雑な香りは神馬草からも香る。生のコノワタが出汁の中に踊るのは、さすがに腸で、見た目は余り良くないけど・・・。
盛りだくさんのお造り。生肝を巻いたカワハギ、よこわ、ブリが格別の旨さ。
焼き物が「きす」かと思うような大きさの北海道産の「わかさぎ」。淡泊。青い「しまなみトマト」と「もろきゅう」添え。日本料理屋らしく中骨は抜いて、揚げてくれます。青いトマトだけど、もうちゃんとトマトの味がする。
かき揚げ、もずくと小品がつづく。
コンロが出てきて、鍋には、オコゼの頭と胸びれがすでに出来上がっている。身は別皿でしゃぶしゃぶ。
最後のごはんが白子の雑炊。裏漉しした白子を流し、焼白子、玉子を落として、これもコンロで出てくる。
デザート。八頭なんかと思ったけどココナッツの甘味が上品。むちゃの好みは椰子の実のシャキシャキ感が欲しいところ。

段々と上海のティーボウルも「入」が増えているようだ。コリャいずれツギして貰わないといけませんな。
kotikazeでも「巻きずし」を売っている(いた)そうである。来月は節句に併せて季節商品が店に出るという。何が出るかは思案中だそうだが・・・。差し込みの客で次第にカウンターも満席になり、途中から郁ちゃんも皿洗いに登場。
帰ると頭痛。しぼりたてが悪いのか、カウンターの客のタバコか?


2006年1月11日
公演が終わって、道頓堀筋を東へ、堺筋を南へ下って「日本橋・藤久」に向かう。最後のお客さんが出た後で、貸し切り状態のカウンター。
今日のお酒は「奥播磨・純米大吟醸・伝授」としたのだが、ボウルに注いだ瞬間に、黄ばんでいた。何故かひねていた。残念!
酒の肴にはなるけど、たいして美味しくないのがよくある八寸。特に1月はおせちの残りと思うようなのが多いのだが、真名の氷竜頭、フグの唐墨和えは、なかなかご機嫌になれた。結び柳の飾り。
鶴の椀、中は梅柄。餅に唐墨がへばりつく。大根はおろして卵白で固めてある。唐墨を椀で使うとかすかに塩気が抜けて旨味だけが残る感じで、大変好き。雑煮と呼んでもイイと思うのだが・・・
今日も盛りだくさんのお造り。それでも市場に魚は少ないそうだ。
焼いたグジにあんかけ。蕎麦の実は皮を剥いたもの。たとえは変だがタピオカみたい。大根で作るツマを、ワサビをかつらむきして、細打ちしたワサビ。辛くはないが香りが良い。
蒸し物かと思う蓋付きの器は酢の物だった。ワカメで覆ってあるので、一見分からない。
コンロで運ばれてきた目鍋は、徳島で撃った鹿。今日も黄身おろしで食べる。
ごはんはオコゼを炊き込んだごはん。オコゼの旨いところは皮だが、しっかり入っている。プルンプルン。一膳食べてお持ち帰り。
おぜんざいに、季節がらの花びら餅。餅が分厚い。


2005年12月16日
夕ご飯は「日本橋」だ。
お酒は「田酒・純米大吟醸」だ。
八寸から始まる。海老さんが冷たいとは、らしくないなぁ。カワハギが旨い。時雨煮も佃煮も酒の肴にいい加減。
真蒸かと思った椀種は、海老の身とおろした蕪とで饅頭にしたようなん。蕪蒸しの変化球やね。葛を曳いた出汁に蕪が絡まってくる。
お造りの盛りは、氷見の15kgの大ブリ、紀州の生鯖、大好きなもす・・他。大ブリの腹身をきっちり仕入れてくるあたりが感激です。
そのブリを使った照り焼き、おろしに、柚子の蜜煮?
割山椒に煮凝り。
余呉湖?の鴨。下仁田を敷いて鴨の肉。出汁を張って鴨の上に芹。むちゃは芹が大好き。普段の鍋でも、香り野菜の菊菜の替わりに頻繁に使うのです。鴨の丸が二種類。鴨だけとつなぎを混ぜたんの2種類。つなぎを入れた方がジューシー。
今日のごはんは「帆立と大根」。てっきり「鴨」かと思った。
暖かいプリン。葛の塊と小豆が入っていて、餡が生姜風味。きりっとした甘味。クリスマス仕様という泡雪羹。クルミを混ぜた白みそ餡の柿巻きだが、甘くない。八寸の黒豆きんとんも甘くない。甘味が欲しいところだ。

水槽の中には天然のトラフグが2匹。先週辺りから時化も手伝って、高値は1匹10万円にもなったそうだ。いまでも5万円ほど。養殖使えば大もうけできるにねぇ。とにかく数がないということで、水槽で確保しているそうだ。


2005年11月25日
夕御飯に「日本橋」へ急ぐ。
満席、2階もいっぱい大騒ぎ。忙しすぎるのか、郁ちゃんがお手伝い。
お酒は「田酒・純米大吟醸・百四拾」だ。
いきなり松茸だ。
乾山写しの紅葉の器に甲羅。境港からやってきた松葉。カニの身や味噌を混ぜ込んだ茶碗蒸し。生姜風味の餡掛け。大阪へは丹後のカニはほとんどやってこないと言う。どこへ行ってるのかというと、はるばる東京まで行くらしい。勿体ない。
もう大きくなっているフグの白子。焼いて椀の中。フグの身は薄く捌いて葛を打ってプルプル。やっぱり白子は旨いものだ。
もうクエが出た。磯の香りがする。ちゃんとカツオにはポン酢醤油がでる。
ナマコも出てきました。コリコリ。
脂っぽいと思ったが、案外あっさりしたカンパチの焼き物。松茸と一緒に焼かれている。ここで杉板を見たのは初めてじゃないかな?同じ器を使っちゃ興ざめだよ。
綺麗な脂のイノシシ。美しいのもは美味。味噌味、七味。ちゃんと炭を使った飛騨コンロ。ねぎ、しいたけ、白菜、とうふ。前回にそろそろ「次は鴨」なんて言っていたのだが、まだ解禁してないそうだ。渡り鳥のインフルエンザも怖いけど・・。小鍋に残った味噌は、ご飯の止め椀替わりに、小鉢に移す。
お釜で炊いたご飯はクエの炊き込み。クエのカマを一度焼いて身をほぐして、釜で炊く。いつも感心するのはご飯の艶。釜からお茶碗に移したときはベトっとした感じに見えるのだが、食べてみると一粒一粒がしっかり。一膳食べて、お持ち帰り。
最後は和菓子。鶏卵素麺まで自前。


2005年11月7日
芝居が終わって、黒門を抜け、急ぎ向かったのは「日本橋」。今日の献立は
お酒は「松の司・2005・大吟醸・しずく斗瓶囲い」だ。すこぶる好みのお味。
どうも味付けが、濃く辛くなっているような感じ。特に魚の内臓系。子持昆布までピリリとした味を加えている。
大きめのお椀は紅葉。たっぷりとした甘鯛に、おおきなシメジ。シメジの旨味?甘味のアル吸い地。
大きいシマアジが入ったという。脂も乗って戻りの鰹よりいい。でも鰹だっていい。鯛とシマアジは松皮風に丁寧な包丁が入っている。
焼き物がフグ。唐辛子を醤油に入れるので好きではなかったが、今回はおろしに混ぜられている。この方が加減が出来ていい。
フグに続いてカニ。雄の爪足、雌の甲羅
子蕪の風呂吹き。本当なら菊に仕立てているんでしょうが、お忙しそうだ。鋳込まれた「白みそ」たっぷりで、蕪の味が分からへん。気を遣って白みそにしてくれたんでしょうが、過ぎたるは及ばざるがごとし。
今日の注文は、この季節の「藻屑カニの炊き込み」。実家の徳島産の松茸を使った止め椀。1椀食べてお持ち帰り。
デザートはKOTIKAZEそのもの。


2005年10月15日
黒門を抜けて、晩ご飯は「日本橋」。
カウンターには先客がいたけど、同時に始まる。前回に伝えていた要望は、本日叶えられたことになった。
だ。お酒は「田酒・純米大吟醸・百四拾」とした。雑味のない甘味を感じる丸い丸いお味。柔らかく甘味が消えていく優しいお酒。
萩の絵柄の小鉢にスッポンの煮こごり。金柑もゴロゴロ。旨いものです。
お椀は、黄菊を混ぜ込んだ鱧真蒸に松茸。本日は山形産らしい。デパートでも東北の松茸が販売されてましたわ。
お造りは、加太の鯛、大間のマグロ・・。文句の付けようがない。
9月に来たときに伝えていたのが「キノコ」だったのが、まだ時期が早いということで断念。今回は伝えていなかったのだが、叶えてくれた一品が「白トリュフ」。キロ40万円というから、丹波の「松茸」様とタイマンをはる。トリュフカッターがないので、包丁が冴えるスライスは約5g相当だそうだ。「冷蔵庫に匂いが付いて」と中村ちゃんが不機嫌そう。香りも凄いが、実はウニが旨すぎる。
続いて目鍋の焼き物が牡蛎。牡蛎に紛れているのが「ポルチーニ茸」。実は「セップ茸」だそうだが、フランス産はポルチーニを名乗れないと言うのである。幸せな連続2品だ。むちゃの要望を叶えているせいか、この店は「創作日本料理」と思っている人がいるようだが、勘違いしては行けないぞ。キノコを仕入れて横流ししてくれた「パッパ」さんに感謝。余ったキノコは損の無いようにしてね。
白トリュフで有名なイタリアン(名前は忘れたが桝田の建物の1階にある老舗)も高齢のため、移転の噂があるようだ。興味ある人は早い内に。
ワタリガニとミソを胡桃豆腐に乗せたん。くるみ豆腐とカニとはいい相性です。
ご飯をどうするかと聞かれる。「白ご飯にあら炊き」はと言われたが、あーやこーや言って「天茶」で落ち着いた。水槽で生きていた車ちゃんを百合根と一緒に掻き揚げ。出汁を張って山葵を載せて出来上がり。出汁が旨いのですから、文句の付けようがない。でもね「エビ」だけで十分で、「百合根」はなくてもいいや。
kotikazeからのデザート。栗蒸し羊羹はちゃんと竹皮を使っているようだ。
食事が終わってもトリュフの匂いが鼻から消えない。


2005年9月23日
夕御飯は「日本橋」だ。デジカメのメディアを忘れてしまった。とほほ。派手に鳴るデジカメでちょっとだけ撮る。
お酒は「松の司・AZOLLA・15BY」とした。ヘレンドの上海に「入」が入っている。使っている人は気を付けて頂戴。
ちょっと色の悪い玉子豆腐だけど、茄子の色が混じっているしまっているそうだ。とにかく、ウニが旨し。
笛をかたどった器、琵琶をかたどった器などに盛られた八寸。菊も混じって秋めく。サーモンが美味しくない。
秋めく萩真蒸に松茸と定番。もう柚子も黄色くなっている。どうも今日の出汁はちょっと・・ぼやけた加減。
お造りは派手にサザエの殻付き。とってもデカくて、2.3人分取れそうだ。固いサザエを少し炙って柔らかくするそうだ、肝付き。虎魚は皮付きに肝付き。
炊き合わせは、牛の切り落としで「肉じゃが風」。丸っぽの玉葱。茗荷たっぷり入れてくれたのだが、多すぎて出汁に勝ちすぎ。
今年も出てきた「もくず」。まだ「雄」ばっかりだそうだが、楽しみ。
卵白で固めた塩釜の中に焼き物と揚げ物。焼き物はカマス。おろしポン酢を付けて食べると旨い。車エビは春雨(かな?)がまぶしてある。足つきの胴体もあり。こちらは何も付けなくても旨くてパリパリ。塩釜は遣い回し。金網で補強しているそうだ。
お造りの時に虎魚の頭が気になって、ふと言ってしまったので出してくれたかどうか分からないが、虎魚の味噌汁。立派なおかず。大きな三つ葉の葉っぱが邪魔。三日月の器におこわ。栗は焼いてある。少し甘味が欲しくて塩を貰ってしまった。
デザート3種。サツマイモと紫いもの真ん中に桃山餡を入れたロールケーキという風情。満月の鋳込み形に水羊羹を流し込んで、マンゴのピューレを乗せて寒天を流す、と思うのだけど・・・。
ちょっと今日ははずれが多い。さてどうしたんでしょう?

2005年8月26日
さて、今宵の晩ご飯は「日本橋」。ウィーン帰りの植物学者さんとの食事は、お座敷。とはいうもののスミソニアンに研修に行くそうで「送別会」になってもた。プラハのミュシャ・ミュージアムのお土産を頂く。
食事は
お酒は「酒魂手取川・大吟醸・平成17年度全国新酒鑑評会入賞受賞酒・山田錦40%」だ。
事前に注文を付けていた「キノコ」は冷凍物・乾燥品だということで、10月以降に再チャレンジだ。キロ55万円とか驚かされるが、1キロもキノコを食べるわけではない。
で先付けは松茸に鱧なんだが、お浸し風に出汁が張ってある。先付けに「鱧と松茸」を使って椀はどうするのか心配する。生の鱧に焼き目を付けたもので、湯引きしたものではない。
ガラスのお椀に出てきたのは・・すり流し。一見すると冷たい茶碗蒸しだ。ぴっりとした生姜の辛みに後にトウモロコシの甘味が来る。
お造りは4種。海老さんが大きい、大きい上にぶつ切り。口の中が甘い旨味たっぷりエビだらけ。アコウには梅肉がポッチリと載る。
鮎の焼き物は飛騨コンロ、蓼酢。いつも骨抜きした中骨は一緒に焼かれて骨せんべい。
世の中には「細いそうめん」がまだまだあるものだ、と思った素麺は、恐るべき細さの山芋素麺。南京の妻や錦糸とか、いつもその包丁には驚くしかないのであるが、今日はさらに凄い。多分かつらむきにしてから細キリするのだろうけど、かつらむきからして凄い薄さだと言うことだ。驚くしかない。スッポンの玉子が乗っているけど、身はない。
銀の団扇に盛りつけた八寸。
あれ?もうご飯?なにかしら一品少ないような気がするなぁ。
ご飯は「シャコご飯」。残った分はおにぎり。
今日は、kotikazeの郁ちゃんが来ていたが、あっという間に店の準備で帰っていった。8月は案外暇そうな口ぶりである。ブロガーが騒いでも影響はないようだ。詳しく聞けなかったので?付き。白と青の桔梗をまねて、白には白餡、青には小豆餡。青はブルーベリーかな?むちゃはココナツ大好き。繊維シャキシャキが大切だ。壺壺には、赤ワインのソース?

配膳のサービスは、バイトちゃんなのが、ちょっと困る。下手に聞くとこっちが「いじめっこ」と思われてしまう。


2005年7月23日
幕が下りたのが9時10分。慌てて急いで、晩ご飯に向かったのは「日本橋」。残すは2階のお客さんだけ。
九州の調理師学校の生徒の研修君が来ている。
お酒は七本鑓・袋吊り斗瓶取り大吟醸原酒・平成17年度全国新酒鑑評会金賞受賞酒・山田錦精米歩合40%・協会14号酵母にしてある。いつもの上海ヘレンドでなく「アワビの殻」を盃で出してきたら、「この主人!やるなぁ」と感心するところであるが・・・なかなかそれはマニアック過ぎだな。
屋形船にフウセンカズラの蔓を乗せた先付け。去年付けた白ウルカが壺壺に盛られている。骨せんべいが揚げたてでないのが残念。
蓋を開けると良い香り。マルだ。出汁の味が少し濃いようだが、旨い。精が付く?
お造りには、4種、「鱧は骨きりをした生」と「骨きりをしない生」。先日天満の方の「江戸前」で有名な鮨屋のオヤジが来て、この「骨きりをしない生鱧」が分からなかったという逸品。まぁ江戸前では鱧は使わないから・・・。鱧という魚にも「骨のない部分」があると言うことですな。目ウロコ。勿論「骨きりをした部分」でも舌に骨を感じることはありませんけど。
盛夏の八寸は「朝顔の壺壺」だらけ。でも今年は針金で蔓を作って盛りつけた、3D。今年の秋刀魚は豊漁で新秋刀魚として出しても面白くないそうだ。(例年の半額ほど?ではありがたみもない)とにかくこの塩辛が辛い。
焼きモンは「あこう」。下には目立たないように松茸が隠れていました。最近は中国産を「早松」と称して売っているらしく、頭をひねる。山口産はキロ10万円では、食べる気もしませんけど・・・鱧と松茸のシーズンインですな。
酢の物に「あわび」。蒸しアワビを山葵を溶いた加減酢にジュンサイと一緒に盛り込む。
翡翠色に皮をむいた水茄子には田楽みそ。車えびも乗る。
最後のご飯は精進で、留め椀は清汁仕立て。一膳頂いて持ち帰り。
水菓子にフルーツゼリーが出てくるので、手を抜いたかと思ったら、ちゃんとデザートがでる。覚えきれないタイのハーブ?文楽劇場の横にタイ料理の食材を扱っている店があるそうだ。聞いたところで買うことはないけど・・


2005年7月8日
終わって急いだ晩ご飯は「日本橋」。すでに、二階の一組を残すのみだった。
今日の献立は
蓬莱・純米大吟醸。生原酒、斗瓶取り・平成17年名古屋地区鑑評会優等賞・山田錦40%は1合瓶。最初は固いが、すぐによくなった。飛騨古川のお酒。
素麺と言うよりは心太風玉子豆腐。
椀は、脂たっぷり旨味たっぷり石垣鯛。吸地にもたっぷり浮く。その下に蓮根。
簡単に呑んでしまって蓬莱・超吟・しずくという瑠璃色の4合瓶。
お造り。生はもは「骨切」しただけなのに、全く骨を感じない包丁の仕事に関心。全く日本料理の包丁というのは凄いものです。魚というのは出来るだけ人間の体温が伝わらないように短時間に切らなくてはいけない上に、鱧の場合は「骨は切って皮は残さ」なくてはいけない。骨抜きで抜いているようじゃ、微妙な鱧の味が出ないように思いますな。黒門お魚屋では、「ヘタッピな料理人は外国産を使う」という意味合いで一喝するらしい。腕の覚えのある料理人は国産に拘る。
八寸は綺麗な酸漿。蓮の緑も鮮やか。
3杯目は東洋美人・純米吟醸・雄町にした。
魚の器にアワビの薄切り、ポン酢が出てくるので、「アワビのしゃぶしゃぶ」かと思えば、「網焼き」。野菜は丁寧にも火が通っているので、暖めるだけ。アワビも熱を加えるだけだけと言われる。薄切りの厚みが考えられております。草が一本混じっていたけど、発芽仕立てのピーナッツだったかな?
車エビの下に敷いてあったのはナンだったのかなぁ?ぽっかり記憶が・・・
炊き合わせ・・・ぽっかり記憶が・・・
しまったと思ったのは、酒がちろりに残っている。追加であてを出して貰う。
呑み終わって出てくるのが、アワビとうにのご飯。
KOTIKAZEから運んで来るというデザート。向こうでもこんなん出てるそうです。朝粥、お昼のご飯に、アフタヌーンには三段重のティーサービスもしているそうだ。
2005年6月25日
文楽の前に昼ご飯を考えていた肉屋が閉まっていたので、安直に「日本橋」だ。1年に1回くらい突然お昼におじゃまするのだ。
電話を受けたのがナカちゃんだし、店にはいると、もうふたりで営業だ。
一番お手軽な「昼御膳」とかいうのんで、「短角牛の鉄板焼き」をメインにして貰う。肉と決めたら肉だ。というのも最近オロナミンCのCMでの「森三中」の「肉肉肉」が頭から離れないのだ。
短角牛の鉄板焼きは飛騨コンロに目鍋を使って、タマネギと焼かれて出てくる。お昼とはいえ、夜と同じ仕事。ポン酢醤油。


2005年6月18日
黒門の中のスーパーをチェックしながら向かったのは「日本橋・藤久」だ。カウンターから「いらっしゃい」と言われてしまうが、お馴染みのご夫婦さん。奥様とはウツボの花見以来。
さて今晩は
今日のお酒は「一の蔵・純米大吟醸・松山天・山田錦40%、宮城県内限定販売」というのん。デパートのおばちゃんが「宮城県だけでしか売ってないのを今回特別に持ってきて、残り3本」というので、買ってしまったのだ。でもwebで売っているようだ。
今晩のお客は手がかかる人が集まったと言うことらしいが、出てくるのはちょっと遅れる。
ナーベラーに焼き目を付けて茶巾胡麻豆腐を上下で挟んである。キュウリとナスの中間みたいな香りと食感。それより大きい車が旨いでござるよ。車の子とかも一緒に出る。白髪ネギ。
多分後から出したら食べるのが辛い、というのが分かっているからだと思う量のアコウの頭。ヒレも。椀替わりに清汁仕立て。でもポン酢も出る。小さな柚子。
あこうはお刺身でも出てくる。磯の魚らしい香り。炙った鰹はポン酢。
郁ちゃんの酒の肴もこれが最後かな?濃く辛い酒肴の中で、降り鰹の香りの甘草や、降り柚子の鱧の子が、あっさりとして旨い。
始めに出された「あこう」が効いてきて、お腹は結構ふくれているが、弱音ははかない。でも、満たされたお腹は、鮎の塩焼きに「飽きた」。といってもこれからまだまだ出てくるはず。骨抜きをして一緒に炙って飛騨コンロで出てくるのはいつも通り、ちゃんと骨を抜いて出てくるのが丁寧です。
蓋付きの炊き合わせは、揚げ出しの餡掛け。お馴染みのお隣さんが、賀茂茄子を食べ尽くしてしまったのだろうか?期待していたのに美味しそうに食べてたのに残念。茗荷が乗っていた。
お隣さんが注文していた「五目の茶碗蒸し」。ご夫婦だけに「茶碗」ではなく「丼」なみの大きさの具の中身は、鱧とか鯛とかエビとか、盛りだくさん。お客さんの好みや注文に応じて、具材を変えるのが割烹の仕事だけに、お品書きにはお値段が書くことができない。お値段が書かれていないからと言ってビビる必要はないのだ。
ご飯は釜で炊いた「鱧ご飯」。珍しく止め椀が出るのは、2階の宴席に使った伊勢エビが余ったからかな?余録に預かる。ご飯は食べきれるはずもなく、持ち帰り。中村ちゃんも、最初から当然のごとく準備してくれる。ここでは、他のお客さんも余ったら必ず持ち帰えらされている。
デザートが2皿。ついでに「かき氷」も作ってくれる。これから甘党の店を開くだけ合って、包近の白桃に白餡を絡めて、シロップがかけられる。もう少し甘い方が好き。

2005年6月4日
5月はとうとう行けなかった「日本橋」で食事。
お酒は「萬歳楽・大吟醸・口吉川・兵庫県口吉川産山田錦(特A)50%精米歩合」とさせて貰った。
ガラスの器の先付け。刻んだ山の芋・ウニに海苔を混ぜて固める。更にウニをドテッと乗せて、針山葵。器には出汁を張る。海苔の香りと出汁の香りとウニの甘味がほどよく美味しい。いつものごとく細い山葵だが、細すぎて香りを感じない山葵。それだけ包丁が凄い。
お椀は、焼いた賀茂茄子がどーん。エビの甘味が加わった出汁が沁みて美味しい。
鰹は「タタキ」でポン酢、マグロは勝浦の生の大トロ、もう出始めたアコウ、旬のイサキ。鰹もハラミの所は美味しいのだろうけど、薄い部分は「タタキ」ではなく「焼き魚」になっちゃうので、ことタタキに関しては好きじゃない。山葵をお代わりするほどの脂の乗ったお造りであった。
菱形の小皿9枚で大きな菱形に盛り込まれた八寸。今日は充電中のバッテリーを装着するのを忘れて、IXYは役立たず。鹿肉は九州から送られてきたらしい。間引きかな?豚の舌は「とんたん」というらしい。可愛い。
焼いた鮎から骨を抜いて、頭を落として、飛騨コンロの上に出てくる稚鮎。もちろん笹の葉。抜いた骨もコンロの上でパリパリになっている。蓼酢。
お客さんから譲られた水冷器の入った水槽には、鱧、鰻、そして岩牡蛎にアサリ。その中から岩牡蛎一個。レモン。昔は珍しかった岩牡蛎も今ではそこかしこで見かける夏の定番になっちまった。
蓋付きの椀には、出汁を張った玉子豆腐を蒸したん。小芋がゴロッと入っているし、玉子豆腐には鱧の子。鱧の季節ですなあ。
炊きたてのご飯に煎茶をまぶしたご飯。少し塩もふってあるようだ。強い香りがするほどではない。ご飯のおかずが和歌山の天然鰻。ぷっりとした鰻が美味しい。新茶が完全に負けている。珍しく止め椀も出る。わずかでも残ったご飯は、おむすびにしてくれる。痛み入る。
小振りなデザートいっぱい。

2005年4月16日
夕御飯は「日本橋」。調理場の人手不足をバイトで補うと言うことで増員中。
お酒は、デパートで試飲した「花の舞・純米吟醸・生・静岡県産山田錦55%」だ。
京都産のタケノコ1/2本。粉鰹が振りかけられているので、出汁までしっかり。
ちゃんとした「鯛」は「潮」を注文していた。椀替わり。椀ではないのでアツアツの鯛で舌が焼けちゃった。出汁は淡く、突き出しの出汁を呑んでしまたので、味がないと思ってしまう。目玉、唇、かまと一通り全部。
ちゃんとした「鮪」。ここまでは伝えていなかったけど、頭から3種の刺身を取ってくれた。色合いが微妙に違って、味も当然異なる。でもカマ下の大トロには敵わないな。生のインド鮪であった。
今日も「これでもか!」の八寸。水ナスというのはジューシーな浅漬けが一番イイ。
ここまでは伝えていなかったけど「頬肉の焼き物」。おろしに芽ネギたっぷりだ。
先日も出たけど長芋素麺。マニアックな素麺の包丁技が見られる。
注文を付けていたのは「鮪の目玉」だったが、「テール」まで盛り込んでの煮込み。前回の「みそ味」の方が旨い。といってもココまででも満腹だしね。結構脂たっぷり、ゼラチンたっぷりだけにくどい。一方テールは脂が少なく筋肉質だ。
静岡のお酒だから「まぐろ」にも合うと思ったけど、こってり味には歯が立たない。「味がある」と言うことで選んだ「生」だったんだけど。
クドいと思いながらも全部食べたけど、もうご飯はキャンセル。といってもまだ用意していないというのだから、ペースを分かってらっしゃる。
デザートだけはちゃんと食べる。本わらび粉100%に黒豆きな粉ということでしょう。さっぱりシャーベットが、気持ちいい。
本当は「目玉」としか伝えていないのだが、相変わらず思った以上の心配り。「まだ目玉が残ってますけど・・」と郁ちゃんも、言うてくれる。いつもに比べたら(ご飯がないだけ)早いけど、帰る。


2005年3月28日
そのまま「日本橋」で晩ご飯。
今日は注文を付けていない。折敷の上にはミラマレがおいてある。
今日のお酒は「四季桜・万葉聖・大吟醸・精米歩合38%」とさせてもらった。パンチのあるドライさ。
先付けが揚げ物。バチコは細かく刻んでかき揚げ。レモンで
水槽の中に蛤のようなアサリのような・・・・で椀が出ると思っていたら、殻入れが出る。白髪ネギで隠れて見えないが、焼いた甘鯛の頭の汁。旨出汁なんでしょう。カマ付き。
いつもながらチョコチョコといっぱい盛り込んでくれたお造り。牡蠣と鰹はポン酢。太刀魚と赤やがらは焼き目。鰹はもう初鰹と言うわけだが「全然目に青葉じゃない季節」。漁師さん「走り」すぎ。鯛とメバルが、美味しいな。赤やがらは久しぶり。いつぞや「水族館鍋」とかで出てきたけど、ちゃんと食べさせてもらおう。
6個の壺壺に盛り込まれた八寸。当たり前だが、たった1個の空豆でもちゃんと揚げたて。
焼き魚には、めばる。正確には木の芽を散らしただけのようだ。焼きダレには香りはないようだ。太刀魚とか鯛とかの選択もできたが、どれでも結局「木の芽」にする予定だったらしい。旬のめばるがよろしい。
口にさっぱり梅肉の長芋そうめん。だんだん梅を使って夏に向かっていくわけですな、この段階で、ご飯はどうしましょうとか言うのである。プロの仕事は素早い。「旨いご飯」とだけ告げる。
小鍋仕立ての鍋は、拍子に切った大根とアサリ。郁ちゃん大好き(初めて聞いた)池波正太郎の好きな鍋だそうだ。たぶん読んだはずだけど・・・・覚えてない。たぶん江戸前のアサリと練馬の組み合わせなんでしょうが、それなら深川の方が好みです。北朝鮮産のアサリは遠慮したい。
ご飯は「穴子ごはん」。昆布出汁でご飯を炊いて、最後に穴子を入れ蒸す。やってみよ。
お江戸のタイプ?の桜2枚でサンドした関西風の道明寺の桜餅。緑小豆と黄粉を練ってゼンマイの形にした団子?。

「酒のヤマモト」さんが最近しきりに売り込んでいるのが「志ら菊。仕込み16号出品酒・精米歩合40%」だそうだ。知名度がイマイチ上がらないための大放出価格は1升瓶で4000円という価格破壊だ。その割に味見させてくれんかった。お買い得ざます。出品もしないうちに、出品酒が出るというのも面白い話。
先月から気になっていたが、若い男の子は、行く先を告げずに旅立ったそうだ。スタッフ募集中らしいが・・・


2005年3月30日
日本橋」で晩ご飯。店の少し西側にレストランバーのような店が昨年からできている。雑誌にも出ていた。そこそこ客も入っているようだ。と通り過ぎようとしたら、白い割烹着の中村ちゃんが自販機の前で悩んでいる。目立つ色。
今日は注文を付けていない。折敷の上にはミラマレがおいてある。
今日のお酒は「四季桜・万葉聖・大吟醸・精米歩合38%」とさせてもらった。パンチのあるドライさ。
先付けが揚げ物。バチコは細かく刻んでかき揚げ。レモンで
水槽の中に蛤のようなアサリのような・・・・で椀が出ると思っていたら、殻入れが出る。白髪ネギで隠れて見えないが、焼いた甘鯛の頭の汁。旨出汁なんでしょう。カマ付き。
いつもながらチョコチョコといっぱい盛り込んでくれたお造り。牡蠣と鰹はポン酢。太刀魚と赤やがらは焼き目。鰹はもう初鰹と言うわけだが「全然目に青葉じゃない季節」。漁師さん「走り」すぎ。鯛とメバルが、美味しいな。赤やがらは久しぶり。いつぞや「水族館鍋」とかで出てきたけど、ちゃんと食べさせてもらおう。
6個の壺壺に盛り込まれた八寸。当たり前だが、たった1個の空豆でもちゃんと揚げたて。
焼き魚には、めばる。正確には木の芽を散らしただけのようだ。焼きダレには香りはないようだ。太刀魚とか鯛とかの選択もできたが、どれでも結局「木の芽」にする予定だったらしい。旬のめばるがよろしい。
口にさっぱり梅肉の長芋そうめん。だんだん梅を使って夏に向かっていくわけですな、この段階で、ご飯はどうしましょうとか言うのである。プロの仕事は素早い。「旨いご飯」とだけ告げる。
小鍋仕立ての鍋は、拍子に切った大根とアサリ。郁ちゃん大好き(初めて聞いた)池波正太郎の好きな鍋だそうだ。たぶん読んだはずだけど・・・・覚えてない。たぶん江戸前のアサリと練馬の組み合わせなんでしょうが、それなら深川の方が好みです。北朝鮮産のアサリは遠慮したい。
ご飯は「穴子ごはん」。昆布出汁でご飯を炊いて、最後に穴子を入れ蒸す。やってみよ。
お江戸のタイプ?の桜2枚でサンドした関西風の道明寺の桜餅。緑小豆と黄粉を練ってゼンマイの形にした団子?。

「酒のヤマモト」さんが最近しきりに売り込んでいるのが「志ら菊。仕込み16号出品酒・精米歩合40%」だそうだ。知名度がイマイチ上がらないための大放出価格は1升瓶で4000円という価格破壊だ。その割に味見させてくれんかった。お買い得ざます。出品もしないうちに、出品酒が出るというのも面白い話。
先月から気になっていたが、若い男の子は、行く先を告げずに旅立ったそうだ。スタッフ募集中らしいが・・・


2005年2月24日(木)
まだ、新しい歯になれていないが、完治祝いに(名目がなくても行くのだが)「日本橋」に向かう。気がつけば、今年始めてだ。電話で予約を入れると、「何か用意しときましょか?」と聞いてくるので、思いつくまま適当に伝えておいた献立は、
だ。まず、伝えていた白子酒だ。一気に暖まる。普通の湯呑みに出てくるが、白子の量は1/3ほどだそうだ。濃厚。
二つ目に伝えていたのは、酒の肴。ということで「雪の茅舎・吟醸・生」。
盛りだくさんとしかいいようがない「八寸」。たぶんあってるんじゃないかと思うけど、素材は少し記憶が怪しい。1週間「溜まり」につけ込んだ雲子がぶるぶるとねっとり。イイダコも旬も迎えるようになって来たし、鯛の子も育ってきているようだし・・・。「ひろこ」って、詳しく聞かなかったが、ネギの芽にような、ネギのもやし(?)のようなん。
お造りは、ポン酢とワサビ。たくさん盛り込む過ぎて、手が回らなかったのか、サヨリに大葉なし。でもちゃんとヒラメは仕事がしてある。肝が立派。肝臓を食べると肝臓がよくなると思えないのが脂肪肝。赤かぶのスプラウト、大根のつま、紫芽。撚りキュウリ、撚り大根。
次のお酒は「田酒・純米大吟醸」となる。
三つ目に伝えていたのは、蒸し物。出てきたのは「虎魚」だったが、予想はしていた。今日も内臓いっぱい。胸びれのカマに当たる部分はやっぱり美味しい。ここでも肝がごろん。一応ちり酢なんだけど、使わなくても良いくらい。
オコゼの背中の毒針を見せてもらう。捌きにくそうな魚だ。
箸休めとはいわないけど、「酢の物」は穴子の稚魚。もずくを食べやすく固めてあるのが、日本料理の仕事だ。
予約の時、最初に伝えていたのは、「白子の雑炊」だった。今日のメインはこれだったりする。著名な「南進」流と異なって、「焼き白子入り」の「玉子入り」というもの。飛騨コンロの小鍋立てでのサービスであった。ごっそさん。
最後のデザートもいつもの楽しみ。一緒に出してくれたお茶が「ジャスミン」で茶芸風の茶海。。

2004年12月18日
夕御飯はベトナム帰りの日本橋の「牡丹屋」。後でバタバタの満席になったが、まだ客はいないカウンター。今日のスペシャルコースは
まずは、先週の「奥播磨・鑑評会出品酒」を呑む。
酒のつまみから始まる。いきなり箸が真っ黒。
2本目からは「四季桜・花宝・純米吟醸」に替える。
椀種はあっさり。慈姑をつかったヒロウスってとこだ。
カニとか鴨とかで、ここで造りを食べるのも久しぶり。
メインの食材は、まず石焼きの「焼き肉」から。出も期待していたのは、朴葉を使った味噌焼きだったが、シンプルに焼いて「おろしポン酢」。
箸休めに、煮こごり。出汁がしっかり効いた煮こごりが、旨い。
メインの第2弾は「しし鍋」。「まる鍋」といえば「大市」だが、「牡丹鍋」といえば、「畑かく」になるでしょう。専門料理屋の鍋のスープには感動的な旨さがあるもんです。懐かしく「白みそ」で鍋してとお願いしていたが、再現は出来ていない。というより、食べてないのだから無理な話。日本料理屋ならでは、出汁加減で、コクが足りない。それでもしし肉からエキスが出てくるとスープがどんどん旨くなる。
卸の「ぬなわや」から届いていた「しし肉」は、素晴らしい脂の旨み。「不健康は旨い」。
ご飯は「ぶりご飯」。相変わらずエキスをたっぷり吸ったご飯が素晴らしい。


2004年12月9日
毎年の「青首」は、いつもの「日本橋」。ポコッと空いてるいつもの席に座る。
撮した場所が悪くて、ごちゃごちゃしてるけど、艶のある綺麗な翠の毛並みだ。真っ当な鴨。
まず先週残していった「惣右衛門・大吟醸・愛山35%」をちょこっとなめる。
で今晩のメインは「奥播磨・鑑評会出品酒」である。
鴨ばっかしではお酒の面白さもないので、しっかり「酒肴」も伝えてある。こってり、さっぱり、むっちり、しゃきしゃき、・・・。
本来は煮物で「椀」とはちゃうらしいが、後で「鍋」もあるから、二品目に登場。鴨肉にまぶす粉には2通りあるらしく、今回のそば粉は始めて。かぶ、生麩、芹、エリンギで、山葵がアクセント。以前からツーリングでいく「後輩のつる幸」で食べている主人には「正統派」のんを頼んでいたのだが、じわっと血がにじみ出してくる柔らかな鴨肉は新鮮な証拠だけど、ジブジブは煮ていないのだろうな。もっとも「つる幸」も、初代が京料理の「つる家」に、二代目が浪速の「味吉兆」では、正当な金沢料理とはいえないかもしれない。
深紅の鴨刺し。昔々の「美味しんぼ」では、捕れたてのカモを雄山に食べさせて怒られるハンターの話が出てくるけど、生の内蔵をこうしていただくという点では、雄山に減点。主人も「にわとりは朝取りの新鮮な方がいい」というのを聞くと、同じ鳥だけに、人を迷わす雄山に大減点だ。大葉と大根、芽ネギ、ショウガの薬味。
ロースは焼き物でも小皿ででる。ネギを巻いて、柚子胡椒で塗って焼く。
目鍋ででてくるのは内臓の部分の「すき焼き」やね。黄身、くくった糸こんにゃく、ねぎ、豆腐、えのき。たっぷりと入った実山椒がピリリピリリとアクセント。
も一つの鍋がしゃぶしゃぶ。端肉を寄せた鴨団子、ロース。白髪ネギ、水菜。
最後は「もも肉」を使った鴨飯。しゃぶしゃぶのスープを薄めて(?)三つ葉を散らして「止め腕」。でも、ちょっと濃い辛い。 「金玉酒」、ウオッカらしい「LUA MOI」をデジェスティフにして、デザートにありつく。なぜか押し菓子の木型を見せてもらうことになった。お歳暮に送っている黒豆も大鍋で3杯目。残った余りでつくったきんとん。

2004年12月4日 
さて夕御飯は、ベトナム帰りの「日本橋」。まだ客はない。伝えていたのは「かに」。始めて注文を付けた食材で、なにがでるやら?
お酒は「惣右衛門・大吟醸・愛山35%」というのん。プリティ。
粉引の2ッ割n割山椒の器の先付けは、カニの身をうすい玉子焼きで巻いたんの酢の物。
朱塗りの椀はカニ真蒸。カニと卵白だけかな。軸菜、紅葉人参、黄柚子という彩り。
蒸籠で蒸されて出てくる「かにおこわ」。料理のよってカニを変えていて、これは「せこ」らしい。も少しカニの香りが堪能したい所。
やっぱりカニは、足とか甲羅とかが出てくると、顔がほころぶ。直球だ。カニ刺しは、山葵醤油だけど、海老カニはあまり必要ないと思う。特に山葵は・・
手を加えた料理は「饅頭」。中には刻んだ野菜が入っていて、団子にして揚げたん。チリ酢の小皿。
やっぱりカニは、足とか甲羅とかが出てくると、顔がほころぶ。速球だ。蒸したん。甲羅で出てくるのは、カニ入りの茶碗蒸しを甲羅で蒸したん。カニ味噌たっぷりである。カニの身は、カニ酢でいただく。フィンガーボウルが出てくる。
手を加えた料理は「あんかけ」。味の染み込んだ大根にカニの身を散らした餡掛け。 やっぱりカニは、足とか甲羅とかが出てくると、顔がほころぶ。コンロが出てきて、自分で焼く。剛速球で三振させられちゃう。網の上で数秒。身がプクッと膨れたところで食べる。これもカニ酢。
今年は台風・水害の風評被害で、カニ食いの観光客が減少して、丹後の方ではカニがだぶついているらしく、お手軽な値段だそうだ。反面、(天然もんの)フグが高騰したそうだ。
最後のご飯は「カニ飯」。
いろいろベトナムの話を聞きながらの食事の最後は、ベトナムで締めくくり。懐かしい味のこってりプディング。タピオカの入ったスターチで作ったういろうみたいなん、生の蓮の実をシロップで煮た(?)んの3種に、蓮の実茶とベトナムコーヒー。蓮の実は乾燥品ばっかりで生はレアなんだそうだ。感触は豆だ。

2004年10月14日 
向かった先は「日本橋」。電話で伝えた食材は「しめじ」だっったが・・・・献立は
今年はキノコが遅くて、明日長野から入ってくるとかで、「大黒」はないようだ。それでも、大きいナメコや香茸は出てくる。
お酒は「田酒・純米大吟醸・百四拾・華想い90%使用の精米歩合40%」とした。
まずは蓮の葉に八寸。細い笛の器に良くも盛り込んだという、八寸。笛の器は季節モノですな。いきなり派手な演出で始まってしまった。
お得意の土瓶蒸しじゃない、湯飲み椀蒸し。椀替わり。焼いた甘鯛に細かい包丁ワザ。三つ葉の香りが強すぎ。
コウチの壺壺にそれぞれ個別に盛り込まれている。最近の流行?
天ぷらが出る。ちょっと首をひねる順番だけど、たっぷりの香茸。スダチも塩もでる。塩がイイ。
随分と手際が悪くて時間が空いて出てきたのが、塩竃の松茸。徳島産らしい。中村ちゃん、失敗したらあかんでぇ!
長野産の天然のナメコは、大きく開いたナメコ。コリコリの百合根いり。
少しお酒が残っているので、酒肴に「川かに」を追加。そろそろ味噌も美味しくなってきた。
持ってるキノコ全種をつかっての五目きのこ釜めし。たくさん入れただけの旨みが、旨みのハーモニーがあると思う。キノコ色に染まったご飯も美味しい。お茶碗に1膳、残りはお持ち帰り。
枝豆に豆乳の寒天?固めのムースのようだ。おはぎ仕立ての「栗きんとん」だ。


2004年9月9日
そのまま、「日本橋」でお食事だ。さびしいカウンター。
一抹の不安の残る「重陽」の日の献立は
だった。お酒は「奥播磨・鑑評会別仕込み」だ。少しダレ気味。さすがに夏を越すのは、難しいかな。4合瓶だけの変化にとどまって欲しい。まだ1升瓶がある。
奥でバーナーの音がするので、2階のお客にハモに焼き目でも付けているのかと思ったら、むちゃ向けの秋刀魚だった。
お椀は、和歌山から届く「もくず」を使った満月の豆腐。殻をたたいて酒で出汁を取っている。十分な酒の香りが残って、大好き。
そこそこ魚もあるようです。五島産の海水漬けの「最高級品」の赤ウニ。
重箱の上には、菊の花。蓋を開けると、八寸。黄色と緑のコウチの壺壺、スダチを菊の花の器にしたのとか、菊の節句を満喫できますわ。2度3度の手間もかかってます。栗は実家からの新栗。秋ですがな。
乾山写しの皿には「うおぜ(いぼだい)」の焼き物。くるりと巻くのがお好きですが、松茸が巻いてありました。揚げ銀杏、すっかり秋でんがな。ここでも紫の菊が使われている。
モクズ好きのむちゃに、蒸してくれていました。ほぐして再びからに戻してあるのは、いつも通り。もうちょっと季節が深まった方が旨味が増します。で、ご飯は「わたり」のカニ飯にしてもらいます。楽しみは後に取っておくと言うことで、だんじりの季節の旬は「ワタリ」です。
鮎大根というのは初めて。菊花大根ですな。黄色は、これも菊の花。今日は菊だらけです。水槽の中では、お腹がパンパンになった子持ち鮎が泳いでいるけど、その鮎を3枚に下ろして、身で卵を巻く。焼いているんでしょう。骨は炙って、昆布と一緒に出汁にして大根を煮る。たぶん来店前から仕込んでいてくれたのでしょう。うれしい。
いっぱい焚いてというと、いっぱい焚いてくれる「ごはん」は、殆どがお持ち帰り。カニ子はないけど、味噌はたっぷり。事前に言っておくと、殻を焼いてたたいて出汁を取ってくれるらしい。それで焚けば・・・美味しそうだ。
練り切りも紫の菊をかたどったもの。中は黄身餡。白いそぼろ餡がちょこんと乗っている。


2004年8月7日
終われば9時!この時間からからでは、近くでしか食事ができないと、予約を取っていたのは「大阪ガスのフローフードo親子料理教室の先生の店」だ。
という内容で、お酒は「松の司・AZOLLA」だ。
先付けの八寸。 今日もガシガシとカニを捌く音にのぞき込むと「ワタリ」だ。しかもでかい。この大きさなら「毛ガニ」より、貴重だろう。オレンジ色の内子もたっぷりである。甲殻類は味噌仕立てになるようだ。ハモでないのが、ほっとする。
今年初めてのコチ。まるっぽ食べたい気もする。今晩のマグロは「岩手」のんで、サシも見事なカマ下はサーモンピンク。
最初は、奇妙なぬるっとしたような薄っぺらい食材が出てきて、「なんじゃこりゃ?」と思ったら、薄くスライスしたアワビであった。で出汁はとろみが付いているし、生姜の風味が利いている。アワビの1枚1枚を鍋に拡げると、反るように縮むように白く変わる。すぐに挽き上げるようだが、しっかり火を通した方がアワビが柔らかくて好きだ。こりこり感が好きならサッとだな。夏に生姜は汗をかく。夏に鍋は汗をかく。ここに松茸を入れたら、先日の文楽の台詞だ。
最近、ごはんを聞いてくるので、悩む。「ワタリガニでご飯」と言うのも脳裏を横切ったけど、「夏は長いモンが精が付く」というから「穴子」だ。「煮る」「焼く」「揚げる」なんでもいいから「丼」にしてもらう。錦糸卵もいつも通り。
「白下糖」とうのは、讃岐の手作り黒糖だそうで、和三盆の元になる黒糖だそうだ。そのまま食べても沖縄土産の黒糖に感じる「苦み」が無く、ただ甘い。


2004年7月24日
さて、お昼は久しぶりになる「日本橋」に行く。
特に食べたいものが有るわけでもなく、軍鶏の文字に「親子丼」が頭に浮かんだ。立派な小鉢にデザートまでが付く。
小鉢と言うけど結構大きくて、食べ応えのある量でびっくり、お得な感じだ。
軍鶏の丼は2回目だったかな。実はメニューになかったんだけど、相変わらず昼でも何でもやってくれはります。
デザートまで付いているとは思いませんでした。なんかお得な気分のお値段でもある。

2004年6月26日
1時間ぐらい、小腹を減らして、減らないけど、そんな状態で、「日本橋」。はやっているやん。
とにかく、出てきて食べたんは
お酒は、「松の司、大吟醸、しずく、斗瓶囲い」。
白い豆腐と黒い豆腐。葛で固めているんでしょう。
煮物腕として「赤穂の頭とかま」だ。うれしい。何も伝えなくとも「あこう」が出るというのがうれしい。これが、いつもののように、最後の方で出てきたら、また食べられずに悔しい思いをしただろうが。まだ2品目。おいしく頂く。
ここでは滅多に出ない「とろ」。この時期勝浦で揚がるのは承知だったが、今日のは氷見。夏のマグロは三陸でも揚がるそうだ。朝一番の早起きのご主人が競り勝って取って来るという「トロ」は、もちろん「カマ下」だ。
この八寸を頂いて、お腹はもうピンチだったりする。「鱧の子の塩漬け」とか「たまり漬け」とか、肴にたまらないけど、思ったより旨いのが「子芋の唐墨揚げ」だ。唐墨の塩加減がぴったり。誰が焚いたか知らないけれど「たこ」は、も一つ。
で、ここで料理を止めてもらおうとしたら、もう鮎に串を打っていた。あれあれと「田楽」の出来上がり。まあここでストップだ。だんだん大きくなる鮎の苦い腸に、白味噌仕立ての田楽。苦い甘いが交互にやってくる。
でデザートだ。食べられなかったけど、聞くと、後2品考えていたそうで、「トロカツ」に「水茄子と茗荷の炊いたん」だったそうだ。「トロカツ」程度だったら、お腹に入ったかもしれない。「トロカツ」だけが悔やまれる・・・。
豆乳と卵のプリンの上に杏半分。バーナーで焼く。別腹に収まる。

2004年5月29日
さて、晩ご飯は「日本橋」。
お任せした料理は
  • 先付けに八寸、立烏賊の子・白子、タコのオクラ和え、ピーナッツもやしの胡麻和え、海ブドウ、裏ごしした空豆いりのかまぼこ、鰻の八幡、鰻の肝、鱧の笛の味噌漬け、ふき、丸十、山桃、アジのお寿司
  • 鱧と泉州タマネギの椀、茗荷、隠元
  • 甘手カレイ、カンパチ、かつお、たちいか、クマ海老、カレイの肝
  • セミ海老の焼き物、海老みそのトッピング、揚げ蓮根、わけぎ
  • 炊き合わせが茄子、小芋、南京、隠元、茗荷の天盛り
  • 鮎の背越し、刺身、骨せんべい、蓼の葉たっぷり
  • ウニと小芋の炊き込みご飯、エビ殻の赤だし
  • 山帰来で包んだ蒸し饅頭、空豆の団子、小豆の団子
食材に注文を付けなかったのは、旬の魚が重いつかなかったから。もう、直に「はも」とか「あこう」とか、食べたくなるのはあるけど、思いつかない。梅雨の頃には「まごち」を「梅雨ゴチ」と呼ぶそうだ。いつ食べたかなぁ?「トゥルトゥーガ」やったなぁ。
お酒は「松の司・しずく・2003大吟醸」を呑む。
今がタチイカの産卵期という事で、白子と腹子。ねっとりした食感だけど、白子の粘り着く事、接着剤を食べたように(食べた事無いけど)口の中でベターと粘る。面白旨い。今日も水槽には鰻が泳いでいる。
浪に浮かぶ御所車の椀には、鱧。横半分に輪切りされた丸まるのタマネギがどんと中央。鱧の骨と昆布で取った出汁と同じ出汁で長い間にこんでいたそうでトロトロ。大阪らしい出会いの椀。
たっぷりお造り。今日のカレイはとりわけ大きいらしく、・・おおきい。肝もデカい。
さて、焼き物に何をするのか悩んでいたらしく、直前で決めたのは「もんぱえび」とかいう「せみえび」。奇妙な形だけど、尾に身はたっぷりで「いせえび」並みに高価なんだそうだ。最後に殻は味噌汁にして貰う。
頂きもので「南部美人。純米吟醸生」を呑む。甘い。重い。
2週間前と同じ炊き合わせ。しかも隠元の数が減っている。
ご飯の前に「鮎」を注文。水槽を空にするお手伝い。刺身にしても小さいから背越しで良いというのに刺身も1匹。醤油、芥子酢みそ、蓼酢といろいろ。蓼酢の仕事にも色々ある事をレクチャーされる。
ご飯も迷っていたらしい。結局ウニと小芋。海老の殻の味噌汁。残ったご飯は持ち帰り。
素材の味は残るけど、甘味が弱いのは、最後のお菓子としては、さびしい。

2004年5月15日
夕御飯は「日本橋」に取っていた。
お任せで出してくれたお料理は
  • 海老・貝柱・アヴォガドの黄味酢和え
  • 椀はアワビ・アワビの肝素麺
  • お造りには、鯛、真鰺、炙った鰹、甘手カレイ、炙ったトリガイ、烏賊、大葉サヨリ
  • 八寸に、鯛の肝煮、金時草のお浸し、鱧の子と卵白、田楽姫竹、太刀魚の子の塩辛、蒸し車エビ、帆立の黄身焼き、酢取り新蓮根、八幡巻き、とこぶし、丸十、山桃、桜肉のタタキ、トマトゼリー
  • 稚鮎の焼き物
  • 酢の物にはジュンサイ
  • 炊き合わせは、なす、南京、小芋、隠元、茗荷の天盛り
  • 鰻丼
  • 抹茶シャーベット入りの葛きり
  • 若鮎
お酒は「四季桜・花宝」だ。
緑を帯びたアヴォガドに真っ黄色の和衣がとても綺麗。良い組み合わせでした。
椀には細切りのアワビに、太さまちまちの素麺。仕事がしてある料理が好き。
カレイがいい。
盛りだくさんの八寸。変わってるんはトマト。二重にした布で漉すと赤色のリコピンの抜けた果汁がぽたりぽたりと落ちるそうだ。その雫を一晩集めたとか・・。仕事がしてある料理が大好き。
二口ほどで食べちゃうほどの大きさながら、鮎は5匹。焼かれてから飛騨コンロに乗せて出てくる。蓼酢も一緒だけと、しっかり塩がしてあるし不要。
酢の物はジュンサイだけ。しっかりとしたプルプルジュンサイ。
野菜だけの炊き合わせ。
ご飯をどうしようかと聞いてくるので、悩んでいて、鮎が泳いでいた水槽の中にたまたま見つけた鰻。で捌いて貰ってにして貰った。錦糸たっぷりというのはいつもの注文。もちろん天然の鰻。ここしばらく、鰻を食べたい気分だったのだ。しゃぶしゃぶとか雑炊とか柳川とか、ふんだんに天然を食べたく思って居たのだが、とりあえず胃袋は満足できた。
デザートもいっぱい。

ウツボのイタロさんが北浜に来週新しい店を出すという話、ウツボの「ムレナ」に居た(すでに過去形)小塚さんが7月に谷町筋で独立するという話、を教えてもらう。イタリアンは景気が良いようだ。
店を出る頃には雨。すぐに帰る。


2004年4月23日
桜第4弾は「白子に真子は桜鯛」と「日本橋」へ。
だった。お酒は「醴泉・活性酒・雄山錦55%純米吟醸生」にした。初めてだが、最初全然味がない。濁る頃になって味が出る。
先付けから、「白子に真子」。白子は「蒸し」、真子は「炊く」。白子の方が旨いな。天ぷら以外の食べ方の山菜も美味しい。
椀はシンプル。
お造りにも「鯛」。でも、色が白い「盛り合わせ」。赤いのが欲しい。季節の柄は「菖蒲」?「乾山」写しだ。
黒龍・」に変える。香りの味もボリュームアップだ。
焼き物はタケノコ、油目。他のお客さんには「タケノコ」には「メバル」の炊き合わせ。という事は炊き合わせには別の・・・「鯛」の煮物だな。
東一・純米吟醸」にする。
今日始めて遣ったという三田のジュンサイ。甘さたっぷりのトマト。食べると果肉が逆襲してきた。
頭半分、お腹の骨の廻りとドテッと骨蒸し。出汁が旨い。天然の美味しさ。スープを飲み干す。
宍道湖の隣の湖で取れたという大降りのシジミをご飯にしてくれた。
間違えたという、フルーツゼリーに、追加の3種盛り。
今年の「花山椒」を頂いて帰る。

2004年3月17日
日本橋に「春野菜に貝に筍」を食べに行く。
1週間前には気が付かなかったが、九州の料理学校から研修生が来ていたようだ。明日まで10日間泊まり込んでいたそうだが、帰ったあとは、新しく辻調を卒業する男の子が来るそうだ。(元たん熊・東京の)中村ちゃんは半年もっているけど、今度の子はいつまでいるやら?男は辛抱タランからなぁ。
さて、献立は
基本的には3月の献立なんでしょうか?ここではそういう献立にこだわっていないので、甘酒なんかでると、そうなんだと、遅まきながら気づく。「十四代・本丸」を呑んでみる。甘酒の後だとキリッとする。
白魚の乗ったお寿司とキスが魚であったが、これが今日最後の魚になろうとは・・・とほほ
蜜を練っていて火傷、右手に包帯をしている郁ちゃんが作った八寸のなかでは、塩辛が辛い。でも旨いでかい蛤がどーんと屑打ちされてでてくる。たぶん出汁は別の蛤を使っているんでしょう。ごまの香りたっぷりの鶯色のごま豆腐の香りがよろしい。
で、貝ばっかりの盛り合わせ。ちょっとぐらい貝以外も入れてほしいところなんだけど、白黒はっきりした盛り合わせ。貝といったら貝しか使わない頑固者だ。変化球は「生タケノコ」。白子じゃないけど、さくさくの食感は「刺身のつま」だな。先週、話題にしていたので、出してくれたんでしょう。朝堀の白子は「お昼にどうぞ」といわれている。
磯自慢」に変える。
で、山城のタケノコは、焼き物。新鮮なタケノコが手に入ったら、灰汁を抜く必要もないので、役のが楽賃。
「春野菜に貝に筍」と注文したときに「揚げモンは嫌やで」というのを忘れてしまったが、嫌な予感は的中して揚げ物がでる。期待通りの安直な答えが帰ってきた感じ。でも山菜は天ぷらなんでしょう、ということで納得する。山菜だけでは・・と思ったようで、水槽で泳いでいた海老さんが一緒にでてくる。当然ながらエビが旨い。
ノレソレは先週と一緒だ。
お得意の目鍋に飛騨コンロででてきたのは、割り下をはった牛すき風の鍋。短冊状に切った野菜に牛肉、芹やら花山椒やらどかっと盛りつけて煮えばなを食べる。昨年のを保存しているという花山椒だが、大すき。むちゃは「獣の鍋には芹が欠かせない」。新撰組ではないけれど「芹には鴨」。
最後のご飯も「貝ばっかり」。いわなくてもいっぱい炊いてくれるので持ち帰る。持ち帰った分は、翌日のお昼にいただくのが常であるが、冷たくなっても艶々のご飯で、不思議と旨いのだ。やっぱり、米の種類かなぁ。ちなみに今食べているのは、おじさんの作った「日本晴」だったかな?「ヒノヒカリ」だったかな?
最近郁ちゃんの造る餡が、甘くないのが難点。
2004年3月10日
中途半端な夕暮れ、「日本橋」に電話を入れ、向かう事にした。
まだ?客はいない。アラカルトでお願いする。注文したの3品だが、まとめると相応に結構食べてる。
お酒は「黒龍・吟十八号」にする。
とりあえず出てくる、のれそれ。透き通ったノレソレがとっても綺麗。トマトがサクサクの甘甘。高槻のナンタラさんのナンタラ農園のこだわりトマト、とかいうよく分かる説明だ。フルーツ・トマトよりもっとフルーツっぽい。
幻の天然シマアジ、鯛、めばる、赤貝、烏賊。「上喜元・純米吟醸、超辛・完全発酵」に変える。完全発酵だけにエキス分も糖分も全然感じない、素っ気ない酒じゃ。
丁寧に骨キリされた油目の半身。中骨、頭半分でしっかり出汁を取って、内臓まで煮付けてある。菊菜、椎茸、豆腐が付け合わせ。
ご飯が炊きあがるまで、少し時間が出来たので、すぐ出来る酒肴を盛ってもらう。すばやい。
ごろっとした姫竹の部分に千切りにされた部分とがザクザク入ったご飯。いつもながらたくさん炊いてくれているので、余った分は、当然お持ち帰り。本番は4月の入ってから・・・今年は筍をお願いしよう。
最後にお菓子まで出してくれる。おおきにさん
今年3月で、開店9年目。来年は10年の記念に当たるので、考えときやとプレッシャーを与えておきます。まだまだ早いけど、今日は帰る事にする。


2004年2月6日
夕食は日本橋の「もす屋」。昨晩急に伝えた「もす」だったけど「鶴橋」にいたそうだ。感謝。で献立は
と「もすもすもす・・・」。お酒は「奥播磨・大吟醸・伝授」を持ってきた。
いつもより頑張っている八寸。いつもより濃い烏賊の月環はウニの色。売れ残りかもしれない鯛だけどフォアグラだし、アワビもあるし、鴨もある。白魚なんか、細巻きのようで、言われるまでただのご飯かと思って一口でくっちゃった。真っ黒くろすけの肝もたまりで酒の肴にこのうえない。
お家で呑んだときには、ピンと来ない「伝授」まで旨いやん。
朱塗りの大きめの椀に「もすともすともすの子」。普段の2倍ほどの身が入っている。身の上にべたっと載っているのは「肝」。たっぷりと「腹子」木の芽の香りだけで「春の香り」と思ってしまう。
「もす」だけで良いですかなどと、いけずなQちゃんだが、「いろいろ」と注文。店で出しても人気のない「もす」だが、冬は旬。魚屋さんはお奨めでも、客がしらないから不人気。でも鯛より貴重で高価。満喫の「もす屋」だ。
烏賊とかサヨリとか鰤とか「一切れ」しか出してくれへんけど、サヨリは大葉、鰤は火取りでちゃんと仕事がしてある。何より、身より大きい肝を巻いたカワハギが嬉しい。
焼き物のゴロゴロとシンプルに塩焼きの「もすともすともすともすの子」。相当大きな「子」だったようでここでもたっぷり。ごっちゃんです。タラの芽の味噌が塩焼きにあっておりました。たっぷりと焼き物が出ると、さすがに飽きてくる舌だけど、リセットできる。
心憎い「ワタリ」。鮮やかな朱色のカニ子が目を引く。
予想はしていた「頭」。昨年末は「クエの頭」で悔しい思いをしただけに、リベンジの頭。今日は煮付けという趣向だが、ちまちま喰っていると飽きてくるので、一気に食べるぞ。と言うほど。頭半分、尻尾、いろんな内臓がごろごろと入っている。精悍な「もす」君は、頭は食べ甲斐がないけど、とにかく脇目もふらずに食べなくては、だめだ。内臓の廻りの骨に付いた部分の「脂」が一番の難敵。人間でも脂肪がたまっちゃう部分だけに、たくさん出ると、さすがにしつこく感じるのだ。
水槽には、オコゼが数匹。これも美味しいのだ。ちゃっかりお隣さんは丸のママ蒸して喰っちゃある。
「次ご飯どうしますか?」と今頃聞いてくる。そんなんアルのかどうか知らないけど「もすごはん」。もう、来年まで「もす」はいいや。当然、残りは持ち帰りだ。

2004年1月10日
文楽公演が終わって向かったのは「日本橋」。すでに満席。
お任せしたコースは
  • 先付けの八寸は、てっぱい、たたきごぼう、つくし佃煮、酢取りのちょろぎ、金柑、あわび、こんにゃく、菜の花、黒豆、味噌漬け卵、にんじん、煮いいだこ
  • 椀種は、八頭のすり身にエビと焼き餅、薄く切った蕪、鶯菜に結び柚子
  • ぶり、鯛、イカのお刺身
  • ふぐの白子の焼き物、ふぐあらのつけ焼き、あられ揚げの3種盛り
  • ふぐの身とてっぴの和え物
  • ぐじと若竹の松前鍋、木の芽
  • ワタリガニの炊き込みごはん
  • はなびらに黒豆の百合根茶巾
お酒は預けていた「上喜元・純米大吟醸・生酒・吊し斗瓶囲い・出羽燦々」だ。
お正月らしい、先付け。
お椀の裏がめでたい、小槌に福俵。真蒸のような椀種だけど、芋のような舌触り。「八頭」も正月らしいめでたい食材。
ふく、いっぱい。
こういう呼び名があるのか分からないけど、昆布を鍋にして、飛騨コンロで出てくる。ぐじの身を若布でくるんである。筍の柔らかい処だけお上品にちょこんと添えられている。ほんとお上品な量だ。
羽釜でたいた「ワタリカニ」のごはん。少し残ったので、おむすびでお持ち帰り。
デザートまで、お正月。手みやげの「黒豆大福」に対抗したのか「百合根で茶巾の黒豆」だ。
ときめきのないメニューだった。

2003年12月23日
夕御飯は「日本橋」。多分今年最後。
注文を付けていたのはもちろん「鴨」。さて献立は
だ。お酒は、「天法・瀬川・中取り大吟醸」を持ち込んだ。
黄色い衣のエビは「ウニ」?いや、「唐墨」だった。粉にした唐墨はパサパサした感じで嫌いだが、しっとりした唐墨で感触がイイ。
白く濁った椀に驚く。白みそ雑煮?みぞれ?酒粕?と考えるが「白子」だった。椀種はふぐの「皮」とか「身」とかを蕪で団子にしてある。蕪の甘みが、よろしいなぁ。もっとたっぷり出して欲しい。
鴨のロースを朴葉で焼く。赤みそ・みりん・酒・砂糖。朴葉に穴があかないように丁寧に焼いて、味噌を煮詰めて、焼き味噌も酒を呑む。
せっかくだから、オプションで生鴨をお願いした。血の臭いしかしないような肝で口の中は血だらけのような味。とても大吟醸には合わない。砂ズリはコリコリ。心臓は肝ほどの匂いはなく珍味だ。しょうがと醤油でいただく。
治部煮と思ったんだけど、ハリハリと言われた。鴨に片栗粉が振ってあると思ったのだが、味を逃がさない為にそば粉を使ったそうだ。鴨の丸も美味しくできてる。もちろん水菜が入ってる。
今日のごはんの水加減が一番の好み。ちょっとぱらつくぐらいの堅さが好きだ。それでいて鴨の旨みをしっかり含んだごはんがとっても旨い。ちゃんと、持ち帰れるだけ炊いていてくれはる。
熱いデザートと冷たいデザート。なんだか虎豆に苦みが残っているような気がするし、も少し甘くてもイイな。薩摩芋の甘みと蜜の甘みがとってもいい団子。ちゃんと裏ごしするようです。他のお客さんには出ていなかったようだ。

2003年11月15日
夕食はいつもの「日本橋」だ。どうやら今日は満席のようだ。
注文を付けないお任せは
  • 炙った自家製唐墨、大根おろし
  • 銀杏豆腐、大黒シメジの椀、へぎ柚子
  • お造りが、炙ったクルマ、しまあじ、くえ、いか、かわはぎ、カワハギの肝、山葵
  • 八寸は、イカめしにブロッコリー、とこぶし、茶ぶりナマコ、菊芋の味噌煮、芥子蓮根、蒸しあわびに肝のたまり漬け、博多カニかまぼこ、厚焼き、生麩、あんきも、馬寿司、うるい
  • 太刀魚の焼きもん、太刀魚の子袋、百合根チップ、すだち、大根おろし
  • カニの卵とじ、カニ味噌のトッピング
  • あっははっは
  • 栗ぜんざい、林檎のシャーベット、栗羊羹
  • ザクロのフレッシュジュース
お酒は「雪の茅舎・オーガニック純米吟醸・秋田県産有機米50%精米」という奴。文楽劇場に入る前に預けていった酒だ。
厚く切られた唐墨が炙っているにもかかわらず、ジューシー。ねっとりした歯触りは少ないけど、淡泊だ。大根が要らないほどだ。
椀の中身は、真蒸に見える豆腐にシメジ。豆乳に銀杏を打って固めただけのような豆腐。普段ならデカいシメジを1本使うはずだが、残ってないようで、2本入り。紅葉人参、軸菜、黄柚子の彩り。
お造りはたっぷり、クルマがでかい。ごろんとしたカワハギの肝が濃い。久しぶりのクエが、磯臭い。
藁葺き家の器に、暖かいイカめし。むちゃはイカ、タコの炊いている時の匂いが大嫌い。暖かい内のイカもこの匂いが嫌い。中の餅米もねっとりと匂いを増す感じでちょっと困ったちゃんの一品。辛いモノ嫌いのむちゃであるが、この辛い蓮根はほどよい。今日は、濃厚な味付けが苦手。アンキモも普段は美味しいはずなんだけど、調子が悪い。

尻尾の部分の太刀魚の焼き物。ごろんと出てくるけど、骨がない。「技です」とヌキ方を教えてくれへん。骨のない魚状態の太刀魚は、下ろした太刀魚と違って、脂が焼け落ちずに残っている。焼き方が下手だと、カスカスになったりする太刀魚だけど、ほんまに太刀魚?って疑うほど、脂でとろとろ、鰻や穴子以上のアブらっぽさ。一緒に焼いてくれた太刀魚の子は袋ごとで、ソーセージみたい。袋がないとまるっぽ焼けないけど、袋は固いもんです。美味しい太刀魚だけど、今日の調子では濃過ぎます。また、それをたっぷり出してくれるのが嬉しくもあり恨めしい。
ちょっと胃を休めたいところ、カニ。出汁の香り、味が胃を穏やかにしてくれますが、けっして淡泊ではなく、今日のむちゃには十分濃い。

もう充分と思っていると、若い子が、殻入れを持ってくる。嫌な予感がする。隣の客が、クエは「深海魚」だの「頭がデカい」などとしゃべっていたときに郁ちゃんが「今日の頭はこれくらい」と見ているかのような素振りだったのだ。
あっははっは出てきた頭は、折敷ほどの大きさ、普段なら、いや普段でもこれはやりすぎや。郁ちゃんは笑って「お腹いっぱいになりますよ」というけど、もう一杯やねん。頭は半分、カマも半分入っているし、肝もあるし、胃袋とか、なんか訳の分からへんところもゴロゴロあるし、・・・でも頑張る。残すと癪なので頑張る。無理して頑張る。酒も止めてお茶で頑張る。・・・・でもあかんかった。肝に箸を付けられへんかった。かわはぎ、あわび、あんこうと、これ以上肝には箸がでないのに、これがまたデカくて・・・。過去、ごはんを除いて、出されたものはすべて食べてきただけに、無念。
丹波から送られてきたムカゴでごはんを炊いてくれたけど、見ることもなく折り詰め。
口の中がとにかく魚まみれなので、デザートだけは欠かせない。「別腹」とは言い得て正しい。
シャーベットの中にザクロを見つけたので、ジュースにしてもらう。酸味がとっても心地いい。


2003年10月30日
夕御飯は「日本橋」だ。暗い路地ではひときわ目立つ。
カウンターの見慣れた二人の他に、奥に白い服を着た女性がいる。九州から9月にやってきたそうだ。
さて、お任せは
まず、最近人気と郁ちゃんが言うので「楯野川・純米吟醸・山田錦50%」だ。でも少し暖まらないと味が出ない。その頃には1合があく。
クモコの素材で出来不出来が決まってしまう豆腐。出汁がかかっているだけですが、美味しいときはねっとりと甘みが出てきて、本当に美味しい。箸で掴めないほど軟らかいので、口の中でも溶けていく。
一品では、飛騨コンロに土瓶を使って「土瓶蒸し」というメニューもあるけど、湯飲みで出てくる。蓋は杉板に松葉だ。今日はハモがないと言うので、具は「焼き目を付けたふぐ」だ。松茸は、実家の池田町産直送だ。
お造りはいっぱい。石垣鯛(くちしろ)ははじめて。石鯛の友達だそうで、身がしっかり。コリコリッと美味しい。見直したのは太刀魚の皮目を炙ったンだ。薄作りでは大して旨い魚ではないと思ったが、厚めに切ったら味が豊か。鯖だけ後から出てくる。盛り合わせを出してから、「食べますか?」というので捌いてもらう。わさび、しょうが、からしと出てくるが、「芥子」が好きだ。
上喜元・吟醸・完全発酵・超辛・五百万石50%・小川酵母」に変える。
盛りだくさんの、酒肴向き。ちゃんと説明してくれるが、どうしても覚えられないものが出てくる。
喜楽長・純米吟醸・超辛口」に変える。
夏のむちゃの定番「あこう(きじはた)」ちゃんのお友達が「ほしはた」ちゃんだ。豆腐と椎茸。当然出汁まで飲み干す。頭があれば言うこと無いのだが、なかった。細かく微塵に切った黄柚の香りがとってもいい。でもね、この時の器は、盛り合わせでも使って出てきていたんだ。同じ器を二度出すなんて、ちょっと配慮がないよ。
事前に伝えていたのは「かに釜飯」だったけど、酢の物でも出してくれる。オスとメスが並んでお目見え。ちゃんと身をしてくれているので、楽賃。
味噌で黄色くなったご飯が食欲を増すのだが、一杯程度しか食べられない。もちろん一杯炊いてもらっているのだから、持ち帰ることを考えている。これがまたさめても美味しい。
おなかの余力はデザートだ。甘みを加えていないかのような「栗きんとん」は「栗」本来の香りが感じられる。
ほとんど食べていないかにご飯を詰めてもらって、無理矢理「一澤」に押し込んで帰る。


2003年8月1日
さて、公演が終わって、とりあえず「島之内」に電話するが、今日も席無し。でも、「今日ちょっとよろか」という居酒屋が、予約しなきゃ入れないほどとは、因果な事です。なんとか「日本橋」にたどり着く。
ちょうど最後のお客が出ていくのと入れ替わりに入る迷惑なむちゃ。今晩は「岸和田」に行くか、「瀬田」に戻るかで、食べ方が変わるので思案するが、やはり「瀬田」に帰えれるように、一品から選ぶ。といっても というだけ。
お酒は、「寿礼春・吟醸」という酒で「ささ錦」というメーカが醸して、「綿屋」ブランドの「金の井」が販売するという妙なお酒。お米も「山田錦35%・深山錦65%」とブレンドした、精米歩合55%・宮城酵母の製造だ。香りがあってほのかに甘くさらさらと滑る。錫製のちろりで出てくるが、これが昨年から注文していた代物かぁ。燗用のちろりだが、冷酒を入れると、いと涼しげ。
プルミエールであったのは、ここでバイトの「おねぇさん」。全然気づいていなかったようだ。
切ってくれた魚は、あこう、すずき、はも、いか、うに、かつお、さんま、くるま、で、あしらい一式。いつもよりたくさんかな。メニューに載ってるん全部盛ってくれたようだ。
さっぱりと「酒蒸し」なんか欲しいところであるが、メニューに載っている「こち」がなく、今日もうれしい「あこうの酒蒸し」。頭はないけど、身はたっぷり使ってくれている。たまねぎ、とうふ、しいたけ、実家の貝割れ。ポン酢も出してくれたけど、使わず。
入店早々、ご飯だけは注文しておいた。「」だ。5・6匹焼いてくれて、釜に入れてくれている。中骨は、揚げてくれているので、ポリポリと一瞬のうちにパク付く。いつものようにいっぱい焚いてくれているので、お持ち帰り。
シンプルに3品だけど、お値段は、普段と変わらないや。


2003年5月22日
昨日注文を付けていたのは「日本橋」。「鯉」と「蜆」を目当てにやってきたわけです。後の料理はお任せでいただいたのは 、 といった具合。お酒は、アペリティフ代わりに甘そうな「十四代」。和風バンバンジという風情で、シャモにワラビの餡。餡はワラビを刻んでワラビ粉で作ったんでしょうか?味が柔らかい分、トマトが強烈です。
四方の椀に、季節めいてきた鱧は透明感のあってぷりぷり。太いヨモギの素麺の濃い緑とのコントラストがキレイ。
次のお酒はTV出演を祝って、「天保正一」だ。
飛騨コンロの中にイコッた炭を入れ保温されてでてくる「塩焼き」。可愛いヒレや尻尾までキチンと残っているのだから、感心する。取り皿が用意されていても、手で摘んでパクパク、骨なんか全然ok!
再びアワビが登場する。今度は肝つき。肝をすりつぶして固めた羮。独特の苦みがアワビィ。
本日のスペシャリティの1発目は「鯉コク」。2年前は、赤みそだったせいで、今度は「白みそ仕立て」で注文。お昼の営業がしまう頃から、直前まで酒だけでコトコト(8時間ほど?)煮られた鯉は、骨までホロホロと歯で噛めるほど柔らかくなっている。白みそは直前で加えているようで、身にまでしみこんでいないのが心残り。「白みそ」だから煮込んで欲しいところだ。当然、芥子がトッピングです。そうそう、頭まで頂くのです。頭の骨も食べられるのです。事前注文ならではの一品。
さて、鯉だから、〆のご飯は「しじみ」。また面倒くさいものを頼んだと思われてるでしょうな。釜で炊いたご飯はほとんど、お持ち帰り。漬け物に出てきた「タマネギの甘酢つけ」は「らっきょう」のよう。禅寺の門前の「葷酒山門に入るを禁ず」のまさしく「タマネギ」は「葷」だ。
琵琶は、半割くらいの大きさのをゼリーで固めたん。顔は見ていたが食べるのは今年初めて。フキは甘く煮詰めて乾燥させ和三盆で化粧した菓子。もう一つ餡を「はくせんこ」で「博多」に押したの。なんと呼ぶのかわからへん。
さて、むちゃが大阪で一番美味しいと思ったスコーンを焼いていた「タジッムッチ」が閉店することは、前に聞いていたが、パティシェールとショップのオーナーがバイトちゃん。パティシェールさんはお昼にいるらしいから、お昼のデザートは洋菓子になる・・・ことはありえないわな。
2003年3月20日
仕事が終わって久しぶりの「日本橋」へ向かう。その前に高島屋で、ほとんど売り切れ状態で商品のないPECKとFAUCHONを避けて、神戸屋の「胡桃入りパン」と「胚芽パン」でお茶を濁す。
暖簾はいつの間にか、赤くなってるけど、写真はそのまま。3連休前で客はいない。 だった。お酒は昨年から、会社の冷蔵庫で冷やし続けてしまっていた「大治郎・純米吟醸・火入れ」を持ち込ませてもらった。一連の「鍋」用に、確保していた分だったが、3ヶ月も会社でおネンネしたのだった。
突き出しで3品が、ゆったりと出てくる。毎年食べている割に、毎年尋ねてしまう「うるい」。覚えの悪いむちゃである。春野菜のかき揚げと思ったが、その割に妙に旨すぎたのは、アサリの味だった。かぼすは無用だった。最近黒門では「イカ」が泳いでいるらしい。それをそのまま泳がして、捌いてくれたようです。
朱塗りの大きめの椀で出てきたのは、新緑の菜の花に、深緑の若布、真っ白のしろうおが花びらの浮かぶ中を泳いでいる景色。これもビニールの中で泳いでいました。
旬の黒メバルですが、煮付けじゃない。お造りに出来るのはなかなかいないんです、と目利き自慢。皮も付いてる。身はむっちりコリコリ。これも泳いでいる中から選ぶそうです。鰹はまだ脂が乗らない時期なので、ポン酢ではなく醤油で。
いつもよりシンプルな八寸。伊勢物語の歌が描かれた京焼「松竹庵」の貝の器。器を買い過ぎと税理士さんに呆れられている様子ですが、新しいのが増えているようです。面白いのは、坊主イカと呼ばれる「耳イカ」。ホタルイカほどの大きさに、ダンボのような耳。生きている間は、目が大きくて、笑えるほど可愛いそうだ。
赤シタビラメ一匹が皿の上、骨せんべいも一匹分。透けるような骨に身が付いていない包丁の冴えがすごい。パリパリと頭まで全部食う。
聞いても覚えていないシャモ。なんでも「どっちの料理ショー」で取り上げられたシャモと言うことだけ耳に残っている。定番商品として最近仕入れているそうだ。焼き鳥もして貰えるそうで、出回っている「比内」より違った物を、ということらしい。そのまま残った割り下にご飯を入れて、三つ葉をチラシて食事になる。
お代わりが出来ない分、シャモで親子(じゃないけど)丼を作ってもらう。卵は岡山。他の物は入れずに、三つ葉と山椒だけ。
ソバ好きの主人は、最後にそばを出そうと考えているようで、反対しておく。この狭い店内のどこで延ばすのだろうか?それに「餅は餅屋、寿司は鮨屋」だ。日本は平和。

2003年1月18日
文楽の後はお近くの日本料理屋さんに席をとっておいた。2階には2組、カウンターには4人ですが、2階のお客は、郁ちゃんの前に店にいた子で、今度北海道へ帰って店を出すそうで親父さんとやって来ていたそうだ。親父さんは趣味で鉄砲撃つらしく、お土産を食べさせて頂いた格好だ。
さて献立は だ。まず「九平次・大吟・斗瓶」から始めた。正月も明けて春めく炊き合わせ。料理屋の筍はほっこり・シャキシャキ美味しいございますわ。
薄く漆を引いたは、木目が楽しめる。蓋の内側には福袋に打ち出の小槌。おめでたい席の椀。もっと汁をくれぃ!キビが混じるとボソボソして食感が悪い。
魚が食べたいと伝えておいたら、この種類を盛り合わせてくれました。お酒は「十四代・中取純米」だ。案外すっきりしている。
八寸で早くも3本目「滝水流」にかえる。秋竹さんの百人一首の絵皿と3種のつぼつぼ。でもこの柄は「乾山」にあったかなぁ?裏にでっかく「乾山」とある。イクラは醤油漬けでなく、粕漬けだそうだ。粕で思い出したが、天ぷらもいいそうだ。レーズンなんかで甘みを補って挟んで、衣を付けて天ぷらにするそうだ。
皿からはみ出すでかい伊勢エビ。これで天丼したら旨いでしょうなぁ。いくらするか怖いけど。
頂いたばかりのエゾシカは、まず、ももの部分を刺身、しゃぶしゃぶは小鍋仕立てで、結果的に今日も鍋になりました。首の部分は薫製とありますが、火が入っている感じではない。乾燥肉と言った味わい。食べたことがないもの食ってみたなぁ、って話になって、・・・禁獣、禁鳥はやばいなぁ。
天丼にしましょうか?と聞いてきたけど、ウニが美味しいので、ウニご飯。郁ちゃんの思いつきで百合根入り。
できたての和風スフレ。
萬ちゃんのフランスのお土産「Crabtree&Evelynのカモミール・ハーバル・ティ」を分けて頂く。
2002年12月14日
プライベートに【鍋でびょ】第2弾は「青首」ちゃん。「日本橋」へ向かう。2階は忘年会で座敷が2回転。カウンターも埋まる。メインの「青首」の他に鍋のお題として伝えていたのは「ぼたん」。どっちにしますかと言うことであるが、「両方」というと困った顔をするので、「青首」でお願いする。献立は だった。 突き出しの豆腐には、むちゃの苦手な辛いおろし。こんな位でも舌がひりひり。濃いポン酢と合わさって、白子豆腐の味が分かりません。 先週の「正雪・純米吟醸・別撰・山影純悦・山田錦精米歩合50%」が残っているというので、まずいただきます。香りと味が穏やかにかすんできている。いつもの置き猪口の「ヘレンドの上海」に加えて今日から「ヘレンドのミラマレ」を追加した。明日からは猪口を選ぶお盆に加わっているだろう。小さな突き出しでも、銚子が空いちゃいますので、持ち込んだ「初亀・吟醸2002・箱仕込み・山田錦精米歩合50%」に変える。思い起こせば「パッパ」に持ち込み損ねて、今日の出番だ。
いわゆる「鴨のロース」の部分で、脂の部分を炙ってある。いわば「タタキ」状の生鴨。脂がじんわりと口の中で溶けてきます。冬はジビエの季節で、多くの店で、マグレだシャランだと言うが、天然の「青首」は5倍ほどのお値段がして小降りだそうだ。何で安いのという理由は、「工場の養殖だから」とは、ありがたみのない話。日本料理が高くなるわけです。おととい撃たれて、昨日大阪に届いた鴨は、本町で売っているらしい。鴨用の醤油は特製で、桜でも使うそうだが、作り方を聞くのを忘れた。鯨にも使えそうだったが・・・また今度。 次は焼き物で、鴨のモツ焼きですな。スペシャリティ。血が滲み出してくる心臓。
イノシシは朴葉焼きで出してくれましたが、カウンターの他のお客さんにも全員出していたから、早く売りたいのかな。相変わらず味噌が旨い。暖まって味噌をなめなめ酒を呑む。白ご飯でもいいな、と思う。メニューには「猪鍋」というのも書いてあって、食べとおおます。第3弾しようかな。
メインスペシャリティは、「鴨鍋」。今日も鴨の骨から出汁を取る事2時間ほど。出汁加減は、味吉兆仕込みではなく藤久流に改良しているそうだ。煮詰まるまで出汁も含みながら食べちゃう。久しぶりに呑みすぎたようだ。
あとはご飯だけど、鴨ばっかりだったので、魚を焼いてもらった。あっさり蒸しものを相談したが、結局焼いてもらう。
今日は雑炊ではなく、鴨飯。出汁を含んだご飯がまたよろしいなあ。1膳だけで、お持ち帰りだ。
記念に本日の青首ちゃんのお顔を撮っておく。なむあみだぶつ。

忘年会のお二階さんは「てっちり」のようだ。カウンター越しに、ふぐ皮でサラダを作るのをみる。「ふぐのコース」に入る1品だ。さて、ここで「ふぐのコース」を頼むと、やっぱり15000円で、本当はこの需要が多くて高騰する時期、18000円はいただきたいと泣きが入る。お二階は、9000円だそうで、「養殖は触りたくない」と不機嫌そうに包丁をいれてます。鴨にしてもフグにしても、養殖ばっかりになってきましたなぁ。


2002年12月11日
荷物を提げて向かったのは「日本橋」。
持ち込んだのは「正雪・純米吟醸・別撰・山影純悦」だ。薫り高く、フルーティに甘いが、綺麗にキレる。
本日のメインはもちろん「鍋」で「まる」指定だ。そしてスペシャリティは「鬼太郎のオヤジ」だ。
まずは、八寸からで、献立ぐちゃぐちゃやね。酒蒸しのご存じの「あんきも」より、怖くても「生」の方がいい。プリン♪だ。
月に1回水曜日に市場がお休みになるそうで、今日はあたり日。あんまり魚もないようです。今日あったのは、イカ、ブリ、ヒラメぐらいだったようですわ。そのブリは煮物だ。さっぱり、あっさり目に大根おろしで焚いてあります。
鬼太郎のオヤジ」は、「焼く、蒸す、煮る」のどれかだそうで、血が滴るような真っ赤な「鬼太郎のオヤジ」の周りについた肉がとろとろで美味しいですよなどといわれると、とろとろに煮て、と言っちゃうわけです。器に入ってでてきた「鬼太郎のオヤジ」は、そっくりじゃん。面白い。ゼラチンやコラーゲンたっぷりに、なかなかに旨い。
口直しにエビ。といえるほど、口がべたべた。
マルは小鍋立て。昼から煮込んでいてくれたそうで、かなり濃厚な出汁加減。マルの香りというのは薄めて初めてたってくるものなんでしょうな。濃すぎてマルの香りがしません。それにネギが多くて、ネギの香りの方が鼻につく。煮込んだだけあって、ほろほろに崩れるマル。ベロベロのエンペラ。今日はコラーゲンたっぷり。ショウガを入れてくれていなかったので、小皿で自分で入れる。最初から入れてくれなきゃねぇ。濃い濃いスープは飲み干す。
たっぷり用意してくれているスープで雑炊だ。鍋の最後は、雑炊やなぁ。暖まる。
ここの休みは28日から5日まで。2003年の「おせち」にも、萬ちゃん、新ちゃん勢揃いだそうで約50個を見込んでいるそうだ。昨年はテロの影響で、80個だったそうで、毎年大変やねぇ。
2002年11月27日
義理堅く人情に厚いむちゃはキャンセルした店にお詫びに、なんばへ向かう。1升瓶をぶら下げて・・ぶらぶらと「日本橋」へ歩く。一人で鍋でもあるまいし、普通にお任せした献立は だった。お酒は持ち込んだ「天界・大吟醸・山田錦精米歩合35%・斗瓶取り」で、先日の近江八幡の酒屋「さかえや」さんのイベントでいただいていた物だ。
まずは柚子釜で蒸された茶碗蒸しですな。でも雲子だけ。出汁の浸んだおろしがトッピング。
「鍋」がダメになったので、とにかく「暖まる物」が今日の注文だった。たっぷりのすり身が入っていないのではないかと思うような、ふわふわ。真蒸は蒲鉾じゃないので、お椀の中で崩れて出汁の味と合わさってくるのが好き。ネギショウガの味わいで、暖まりました。
派手さに欠ける向ですが、良い部分をいただいちゃいました。
一部の八寸に定番化しつつあるのがあるようにも見受けるが、季節めいた珍味は「蟹の子」。ざるで洗うと、鮮やかな朱色になるそうだが、「食べ比べて」と濃い紅色。それぞれ別につけ込んであります。「せこがに」の殻に山芋のみじんを敷き詰め4種類の蟹の珍味が並んでおります。日本酒やねぇ。
他に客がいなくなって、席は離れていたが、残ったのは一人で着ていたおばちゃん。「まだこれから仕事がある」などとイイながら、お酒なんか呑んでいると、手持ちぶさたなのか、酒をつぎに来た。呑んでいた「賀茂鶴」の燗を無理矢理継いでいったので、しょうがなしに1本ごちそうしてあげた。呑みやすいと喜んでいたが「19度もあるちょっと厳しい冷や酒だよ」などとは決して言わない。持ち込んだ物とは知らず、調子に乗って2本目も呑んでいた。結局このおばさん11時頃までいたけど、仕事はパーやろ。うふふ。でもこのおばさん、歌舞伎役者や噺家芸人の芸に偉く詳しく、おもしろく聞かせてもらいましたわ。あはは。
先日いただいた「はこふぐ」は実は「うみすずめ」という「はこふぐ」の親戚だったということで、今回真っ当な「はこふぐ」ちゃんのお出まし。ちょっと小降りでした。お腹の中に仕込まれた味噌が身や肝よりも多くて、勝っちゃいました。妙に塩加減も辛いので、不満足や。3度目の正直に期待だ。
日本料理屋で「角煮」は嬉しくない。ほんで「ぶりご飯」の残りは、いつものように「お持ち帰り」。
幸い2階の座敷もお客が居てはって、キャンセルした性でガラガラやったらどうしようかという心配は、杞憂だった。日曜日には日本酒が届くが、ようやく冷蔵庫からあふれずに済みそうだ。

2002年10月16日
晩ご飯は「日本橋」だ。本日の事前に伝えたお支度は「突き出し・椀・向・八寸+かに飯」で後はアラカルトというシンプルな注文。いただいたのは だ。お酒は先ず持ち込んだ「高橋貞実・志太泉・大吟醸・生」から始めた。こっそり事務所の冷蔵庫に隠して冷やしてのだ。4合瓶だからできたんですけどね。
気持ちだけフグ皮を入れました、という煮こごりではないので、噛み切るのもやっとなほど、ぎっしり絡み合った一品。その上にテッサ。もう、今シーズンはフグを食べちゃいました。
松茸にぐじ、松茸に鱧の組み合わせもだが、松茸に鯛は贅沢な組み合わせ。養殖物の鯛なんかだと絶対だめだろうという組み合わせ。「十四代・純米」に変える。
いつも通りの酒肴珍味盛り合わせに、酒の進む八寸。「立山」をぬる燗にします。メニューを見ていて、渡りカニの「錦紙巻」とあるから、頼んでしまったが、確かに糸では巻けませんわな。紙じゃないと。
水槽で泳いでいたのは、大振りの鮎と太い鰻。鰻をさばいてもらう。カウンター越しに鰻と格闘するQちゃんも酒の肴。もう血もないのにピクピク動く心臓。エラもないのにパクパクする顔。頭付きとしっぽの部分を串に打って塩焼き。肝も心臓もいっしょ。でも「しゃぶしゃぶ」も魅力的だったな。2階のお客さん用に、子持ちの鮎をさばいているのを見る。「川上」流ともちょっと違う包丁の入れ方。「九平次」を呑む。
むちゃのパターンを読んでいて、お昼から用意していたという「蒸した上海カニ」を食う。日本料理風に、カニ酢に薬味はショウガ。こうして食べると、中国の川カニというだけの普通のありがたみのない食材。日本料理は「箸の文化」とのたまう主人は、箸で食べられるように調理してある。でも、お昼に食べていた客もいたそうだ。ラッキーというべきか、どうか。
前回は「川カニ」、今回は「上海カニ」でご飯を羽釜で炊いてもらう。みそや卵で黄色くなったご飯の熱々をちょっこと、よそってもらって、後はおもたせ。炊き合わせを注文していないので、いつもよりはおなかも楽。
楽なおなかに、お菓子も楽々。四条畷中野製茶(要するに自家製)のほうじ茶がでる。
ニューオオタニの「さくら」に2億円の引き抜き料でやってきたと噂さえるドミニク・コルビは、やはりただ者じゃないようだ。すでに大阪で1.2を争うほどのようだ。
湊谷さんの2軒目はすでにオープンしているようだ。「そんな安い値段でなにだしてんのぉ?」と聞くが、知らないのでは答えようがない。
2階の座敷には、鮎を食っていたのはいくよ・くるよちゃんだった。やっぱり芸人さんは目立つ服装してはる。思わず「くるよちゃん、どやさぁ!」と声をかけそうになる。


2002年9月7日
夜の予約は「Qちゃん」だ。店頭は写真の頃より朝顔が伸びて、密林状態。 だ。まず「天保正一」から始める。ちろりはまだ入荷していないようで、鉢に氷を入れてクーラーにしてくれるが、他のお客には今までのママとは、ダメだよ。五島列島産赤ウニは、殻から取り出し塩水の中で生かして流通しているそうである。交換用の海水も付けてセットで販売のようです。大阪では淡路というウニ産地があるせいか、あまり引き取り手がいないようですわ。
小豆・銀杏入りの萩真蒸も他の店の倍くらいの大きさがあるだろうか。日月椀で出てくる。
お造りは、今日もたっぷりさん。しらさ海老は炙って、頭は揚げて出てくる。ここでは、最近よく食べる「たまめ」。ツルムラサキが可愛い。お酒は「往馬」に変える。
八寸も毎回大皿が変わるので、苦労されてますわ。珍しいのが「ヤーコン」という「芋」。みぞれにすると梨のような甘みとシャキシャキ感で、面白い。いくらが醤油のヅケではなく、塩した出汁のヅケだそうで、透明感のあるイクラ。
焼き物は「ヤマトカマス」で、「あかかます」と違うところを力説だ。
徳島の田舎では、昔は拳よりも大きな「つがに」がいて、こんなモンじゃない、と言いたげな「川がに」。本日のスペシャルですが、ここんところ毎年頼んでいる食材。今では「鰻」も「つがに」もダムが出来ていなくなったと言うから、それだけの理由でむちゃはタナカヤスオの味方になるぞ。でも、一族で食べ尽くしたんちゃう?蒸したカニの実をほぐして、混ぜ合わせて殻に詰めて、足をその上に並べて出てくる。爪は堅くて食べにくいうえに身が少ない。やはり、話は上海カニになる。お酒は「黒龍」にする。蒸籠で蒸し上げててんこ盛りで出てきて価値のある上海カニも、日本では1人1匹で、しかも身もしてないのを、悪戦しとう苦闘して客に食べさせて、数千円とは客にバカにしているお値段だそうだ。というのが納得できる丁寧な「カニの身」です。
炊き合わせは、ここでは、最近よく食べる「たまめ」の身。みんな知らないから、はけないのかな?間引きのすぐき菜の地茎部がシャキシャキと美味しい。淡泊な身だけの炊き合わせにしてみれば、煮汁が濃い。
やっぱりご飯は「カニ飯」ですな。漬け物に「巾着茄子」。今度は郁ちゃんが「巾着茄子」を力説。一番搾りのCMの割に大阪になかなか入ってこなかったというのは、大阪には「水茄子」があるせいかな。ご飯は、羽釜でたっぷり炊いてもらって、お持ち帰りだ。もう少し後の方が、脂ぽくなって、「川がに」らしさが増すように思うな。
心太を説明するのに「テングサ」と断りをいれることろが、業界の不思議さ。

キュイエールの新屋シェフが、この夏、鱧を3本持ってきて、修行に来ていたそうだ。西洋料理の「牛刀」で苦労してはったそうだ。日本料理の包丁の種類と便利さを聞かされる。まっすぐな刃なら、出来ますよ、というが、渋ちゃんは骨切りができないから手間かけて骨をぬくそうだし、萬ちゃんに至っては、そんな出来ないモノは出さん、とか。玄関横にはあたらしく「ブレ・ド・ブレ」の名刺が増えていた。


2002年8月3日
夕ご飯は、やはり近くのお決まりの「日本橋」に行っちゃう。先客2組のカウンターの端に席が用意されている。まぁ、今日は特に注文は付けてません。 お酒は先週同様の「奥播磨」から始める。漆の片口で出てくる。ここでは氷で冷やしてくれないので、夏はぬるくなっていかんと言うと、お金も払っているけど、まで出来上がってこないそうだ。ちろりを頼んでいるそうだが、ちろりとは楽しみなことだ。
まずはスズキ。
今日もガラスの椀で、冷たい「ヤマノイモ」。麦ご飯が欲しくなっちゃう。またウニがよろしいわ。
盛りだくさんのお造り。毎回聞いてもよく分からない「たまめ」。めいちだい。「どんな姿?」と聞くと、「頭出しましょか」というので、今日も頭を食うことになります。
お酒をカウンターに並べてもらって、「十四代・吟撰」に変える。十四代の中では、もっとも心地よいできあがりに思える。
ここも盛りだくさんの八寸ながら、郁ちゃんの仕事の方が手が込んでいる。なんせ、同じモノが出てきたと思うことがないのが、感心だ。
不意に念願の「はこふぐ」ちゃんにありつく。冬場のハコフグちゃんは皮も黄色く変わって、お腹イッパイの真っ白な肝になると言うが、それに比べると、今3歩ほどだそうだ。リベンジをお願いするが、身の美味しさは、たぶん、夏も同じだろう。たとえは奇妙だが豆腐のようなプリンとした舌触り。肝は少し黒っぽくそして苦い。お腹には豆腐、椎茸など入れて蒸し上げてあります。
今日もあこう。身の部分を酒蒸しにしてくれましたが、底にはタマネギの輪切り。甘さを出し尽くして、とろとろになってます。三つ葉の香りも出汁も美味しい。いろんな部分が混じってない分、純粋に綺麗な味わい。
あら煮が煮あがったので、タマメちゃんが出てくる。あら煮ってどうしてもだんだん辛く感じるのですが、Qちゃんの仕事は格別。クドくなく、辛くなく、絶妙。
出汁に茗荷の爽やかさが移って、水茄子のイメージにぴったし。出汁も旨い。汁だく。
炊き合わせは「筑前煮もどき」というけど、筑前煮やん。こんにゃく、ゴボウ、レンコン、鶏肉、隠元、にんじん。
ご飯を聞いてくるので、海老をお願いする。海老とトウキビ、海老と芋と悩んで、海老に紅芋・金時芋に決まる。でも一口だけで、お持ち帰り。「お腹がピンチ」と言うと、喜ぶQちゃん。芋のでんぷんが米に加わってか、もっちり・べっちゃり目。食感が好みじゃありませんでした。
デザートのお腹を用意しておかなくてはいけないが、デザートを食べ終わると、ピンチも解消する気分。
2002年7月26日
夕ご飯は久しぶりの「日本橋」だ。
巻き簾を折敷にした上にはすでに「上海」のティーボウルが置いてくれてある。お任せした料理は だ。まず一本目は「十四代・純米吟醸・八反錦」にした。呑み終わったら、すぐに「奥播磨・純米・仕込み29号・瓶燗急冷・ながほりスペシャル」にする。
突き出しにウニの下に緑色の豆腐。プルンとした緑色の材料が分かりませんでしたが、茄子の翡翠がかった緑色が綺麗で、ウニの淡い黄色が生えます。ガラスの器で、涼しげに始まる。
ガラスの器が続きますが、椀も冷製。お湯の中をくぐったしらさ海老がそうめんつゆ風の汁の中に浮かんでいます。田舎から送ってきた大きなキュウリは、種の部分をくりぬいて入ってますが、出汁の色が濃いので、余り見栄えがしない。
いつもたっぷりさんのお造り。台風の影響で、スズキは1匹しかいなくて、隠してあるのを取ってきたと、楽しそうにしゃべるQちゃん。
続いてたっぷりさんの八寸。聞かないと全然分かりませんが、全部酒肴になるところがいい。ゆっくり食べてると、朝顔のつぼつぼが転けちゃうのが玉に瑕。はずれがありません。まな、あこう、鯛の子、鱧の子、酒好きのツボを押さえてくれます。
食べきる前に、焼き上がってきたのが新サンマ。黒く焼かれたのが、内臓を裏ごしして作ったたれで付け焼きにされていて、苦みと一緒に味わえます。サンマの内臓が美味しいですが、丸々焼いて出すという居酒屋の仕事をしないんですな。細かい仕事ですが、おろしにも出汁を含ませてあるんです。
突き出しと同じ器で出てくるアワビの皿。冷たい出汁が貼ってあります
「お腹の調子はどうです?」と郁ちゃんが聞くので、「?」。冷たい酢の物と続くけど、どうします?って聞かれる。そう聞かれると、何が出来るん、と聞きますわな。いろいろ聞き出すと「頭たべます?」と聞くので、あこうを酒蒸してもらう。ひれの皮まで食べ尽くす。美味しいけど、苦しい。けど美味しい。
芋タコ南京に酢を加減したセルクル風のゼリー。ちょこっとした量だが苦しい。美味しく感じないほど、苦しい。
紫蘇ご飯と聞いて、さっぱりしてよろしいなぁ、などと思っていると、鱧まで入って旨さたっぷり。梅も入って香りが高いし、刻んだ大葉がたっぷり載せられて、羽釜で出てくる。軽く味見をして、当然お持ち帰りだ。
丸まるの巨峰、くりぬいたマスカット、シャーベットが、杏付けの焼酎で香りを付けた蜜に浮かんで出てきます。別腹別ばら。
お菓子も別バラ。

途中で現れたのは、整体師の先生。保険のきかない整体だけど、著名な先生で、相当痛いらしい。有名なスポーツ選手も顧客だそうで、予約だけで営業、日本中を飛んでいるらしく、あちこちの寿司屋の話をしている。その先生が連れてきたいたのが、雑誌でよく見るロイヤルのソムリエ部長だった。飲んだら、ただのヨッパさんだ。
あれ?九州の子がいないぞ?
島之内の「一陽」は「和洋遊膳中村」から独立した新しいお店。そういえば、「みな都」さんも2店目を「一利木」の前に出すそうだ。もうけてはりまんにゃなぁ。お任せだけの店らしい。
「花山椒の煮たの」を押しつけられて、残ったご飯、お持ち帰りの「鱧寿司」に、そうめんまで袋に入れてもらって、ぶら下げて、帰ります。苦しい。


2002年4月19日
夕ご飯は「日本橋」だ。今日は「楽しい食事」はお断りして「美味しい食事」、とにかく「美味しいもの」と釘を刺しておいた。 お酒は「義侠・山田錦60%・7号仕込み・1500kg仕込み」で始める。
今朝のTVプログラムで見た記憶のある「鮎並」。たっぷりの切り身で出てきます。骨きりをした白身に、自家製のヨモギのそうめんとコゴミの緑が映えます。
お酒を「黒龍・純米吟醸」に変える。今日のひっさげは、15kgほどの大きさの半身ちゃん。トロの部分に、内臓もちょこっと出てきます。絶対美味しい、カマの部分は、すでに昼のお客が平らげたそうだ。
先週食べたようなものも出てきます。まだ、ふぐの白子も大きいようです。でも、辛いの嫌いのむちゃは普通に焼いて欲しい。そろそろ笹で巻いた料理が出てきますなぁ。
Qちゃんが始めて京都で食べた諸子は揚げ物だったらしいが、琵琶湖育ちのむちゃは揚げたんが始めて。甘煮にするか白焼きだ。木の芽酢も焼いてこそだと思う。10cmほどで、大阪で手に入る精一杯の大きさだそうだ。
このあたりで3本目は「十四代・備前雄町」にする。久しぶりの「雄町」についつい封を切ってもらう。でも、3本の中では一番よろしくない。「九平治」にすればよかった、と悔やむ。
まず、生のホタルイカが出てきて、ちょっとびっくりましたが、すぐに飛騨コンロが出てきて、しゃぶしゃぶ。やはり生のホタルイカは寄生虫が怖いようで、火を通すのが推奨されているようだ。スーパーで見かけても、生食出来そうなものにも「加熱」の表示がしてあるので、まだ食べていないのだ。ここでは自己責任で生、しゃぶしゃぶの両方を食う。湯に泳がすと、表面が一瞬白く変わって、ワタが赤く変わる。さっと引き上げて、黄色いみそを付ける。ほんのり暖かいほとんど生のホタルイカって、生に負けずに美味しいんだ。ホタルイカを追加。
白子のタケノコは山城産。一本7000円なり。黒門にも、タケノコのシーズンには元気になる八百屋がいるそうだ。たっぷり、と出てくる。
新調したという土鍋で炊かれたご飯には「ワカサギ」。香り豊か。
「菅原伝授手習鑑」の舞台の一つが「道明寺」。文楽帰りを伝えておいたので、用意してくれたのか、偶然かわかりませんが、嬉しゅうございますな。最後は、頂き物のお茶をたっぷりと頂きながら、気がつけば、長居。頂き物のセイロン、ブロークンタイプ(CTCかな)を少し包んでもらった。プアールは20年物の緊茶。真っ黒に出してもらって濃厚なところをたっぷり。華美臭くはないが、十分薬臭い。
2002年3月19日
さて、ごはんは、ヘレンドに会いに「日本橋」へ。先週から働いている新人君がいる。今の時期バイトちゃんの姿はない。さて、今日のお任せは とりあえず「醴泉・純米吟醸」を頼む。丸い黄色い卵豆腐に頭を隠して尻尾をだした白魚ちゃん。卵豆腐にはうすい豆の鶯色の餡がかかって、さらにピンクの桜。春らしく色めく突き出しでした。
朱塗りの椀は、ごま豆腐。京都に通っていると、今日は鰹味が強い。出汁だけで優劣はつけられないけどね。これも春めいた椀。
お造りには・・・・なんか、今宵はオーソドックスですなぁ。という進み方。「醸し人九平治・山田錦40%・無濾過割水無」を注文。いつものガラスの徳利ではない。ちょっと容量が少ない感じだ。
「鰻谷」にも負けない八寸。酒飲みの壺を押さえた内容だ。ホタテの肝なんか辛めの醤油となじんで、酒肴に持ってこい。惜しむらくはすぐ無くなっちゃうことだ。半生加減のイイダコがまたオツ。
「あまり好きじゃない天ぷら」の山菜は徳島実家直送の天然もの。都会育ちのむちゃには「酸葉」も「雪の下」もわかりません。
ごくごく普通に進んで、今日はお手軽だ、と思っていると、鍋が出てくる。簡単に考えていたら、魚の具が皿に並べて出てきた。量もあるけど、思わずいった言葉は「売れ残りを集めたん?」。主人の顔色が若干曇ったけど、郁ちゃんは「言われましたねぇ」と笑っている。弁護の言葉は「仕込みもせぇへんと捌いてはったんですよ」。主人は「何をいわはるんです!」と、用意していたかのようにバットに頭を並べて、持ってくる。相当手間がかかっているというのは、昼間に遊びに来た「笠屋町の親父」があきれたように言ったという「おまえ、それ何してんねん?」という言葉ににじみ出ている。さて、盛られた魚は何なんでしょうね。15種類あるそうだ。さすがに覚えきれないので、食事が終わった後で、改めて聞く。「新鮮で刺身でも食べられるんです。目なんか、プリプリしてるでしょう」と嬉しそうに言うので、しゃぶしゃぶ風にいただく。身が締まってコリとする物、崩れるようにベシャベシャになる魚、いろいろだけど、あまりに多くて、何を食べているのかわかりません。お茶目に「水族館鍋」と呼んでます。興味ある方は注文してみましょう。あまりの量の多さに、むかつくほどです。大食いチャレンジャーの気分ですが、こんなアホな料理(?)を出す「日本橋」は、大好きです。
羽釜で炊かれた貝ご飯は二口ほど盛ってもらって、降参。お持ち帰りとなりはべりぬ。
デザートは別腹、別腹。しっかり食べます。お手製の道明寺を使ってますが、蒸しの加減でベシャとした食感で、物足りない桜餅。白あんというのは盲点です。レンコンはさほどですが、水ようかんのように口の中で溶ける柔らかさは、おもしろござった。
2002年2月20日
当然夕食もなんば!「日本橋」に予約をしていた。今年初めての訪問。
先ず「しらぎく・特吟・純米吟醸・八反錦50%・新酒無濾過生」で食べ始める。突き出しの一品とは思えない料理が最初からでる。重いですが、ポン酢でさっぱり。ニュルニュルプリプリの皮が大好き。
豆の香りが残る真蒸がウニの香りとよく合う。吸い口が、春めいて木の芽。
自慢かどうかわからないが、寒グレの説明の声が高い。でも、今日のヒラメは大きかったといっても、瓦煎餅ほどの大きさに切った「えんがわ」をポンと出されてもねぇ。口の中で噛みしめながら、旨味を味わう。今日は大きなお皿であれこれ楽しめます。白の志野の器ですが、貫入の入った端から欠けてくるそうで、金継ぎしてある。お客さんがやってくれるそうだ。
だんだん派手になる八寸。説明を聞くのもややこしい。お酒の入っていい気分の頭脳は、馬耳東風。3度ほど聞き直すが、やっぱり記憶はこの程度。白魚の海苔巻きは、すし飯の替わりに白魚を奇麗に並べて巻いた太巻きぐらいの大きさ。耳杯の3種は、とりわけ記憶が不明瞭。
お酒を、久しぶりの銘柄、「刈穂・山廃純米・生原酒・番外品・日本酒度+20」にした。+20と言うほど辛くなく、味はこちらの方が上手。コンロの上で炙りものを乗せて、チリチリと自分で焼く。京都なら「諸子」やろねぇ、と・・・・
ストレートではあるが、ちょっと変化の「のれそれ」。もずくはゼリーで固めて食べやすくしてあるのが、料理屋ならではのお仕事。
でっかい蛤に包丁が細かく入って、鍋の中はイイお味がたっぷりでてます。土瓶ではないが、土瓶蒸し風の鍋で、出汁も全部、小鉢に移して平らげる。竹の子がまた上手い。感じるか感じないかのえぐみが、竹の子の味を膨らませる。鹿児島産でした。
ご飯は蒸し寿司で、穴子がメイン。不満なのは量!お代わりできないそうで、ご飯をお願いする。ついでに「出汁巻き」をふわふわに焼いてもらう。さえずりは厚くて、グニュグニュで好きなんですが、ちょっと臭みを感じる。
遅くにやってきたのは、新屋さんのところで食べた帰りの、駆け出しのライターさんで、柴田書店の「dinning」の名刺を出しておられた。しきりに取材させてほしいと言ってたが、取材嫌いな主人のこと、笑って紹介させてもらいますと、話をかわしていた。
しきりに電話がかかってきているようだが、どうやら「笠屋町のおやじ」らしい。「ラ・ルーチェ」の松本喜宏さんと和多田真之さんが、なにわ筋の新町に新しいお店を2月22日にオープンされるようで、今晩プレオープンで出かけるようだ。萬ちゃんも一緒だそうだ。それはそうと3月中旬から.九州の中村調理師専門学校から新しい子が来るそうだ。楽しみな話だ。
2001年12月24日
夕御飯は、おちゃっぴきーな、ささやかにイルミネーションが輝く「日本橋」だ。 取り合えず「十四代・純米無濾過」を呑むが、あわん。
お餅の中に猪の肉を、「亥の子」にかけて餡替わりの丸。吉兆では旧暦「亥の子」には必ずどこかで出すのが小豆餡の亥の子餅らしい。猪とは聞くまで分かりませんでした。野趣のある椀種に負けない出汁。
  冷蔵庫のお酒減らしに持ち込んだのは「天法・瀬川・純米大吟醸・山田錦38%・1401酵母」だ。
クリスマスを意識したのは、ウズラのロースト。でも手間が掛かっているのは、皮だけ残して、骨を取って身をそいで、赤米、ナッツ、レーズンなどと合わせてウズラの皮に詰め直して焼いたらしい。手間は掛かっているが、クリスマス用の八寸で、そんなに美味しいという物でもない。隣のお客さんに「クリスマス」というので出たのが、ロゼのシャンパン「Pannier」むちゃにはないのか?と言って、グラスに頂く。これは、ベカスの渋ちゃんの差し入れらしい。シャンパンの中でもとりわけ日本料理に合うのは「ロゼ」と言っていたらしい。これが原因で、呑み過ぎだ。
蟹の甲羅焼きは、宝楽焼きにすべきところを焼いてみたという。カニミソが一番上で香りを出しているが、底の百合根の摺り物が味を損なっている感じ。
鯛蕪ならぬ「メバル蕪」。
最近クジラとか、いのししとか変な肉が出てくるが、今日は馬。ひょっとして来年を意識した(?)献立かな。
今年はなぜか関西にも多く出廻っているらしい「氷見のぶり」。多くは関東に流れるらしく、例年は、三重志摩で獲るらしい。関東も不況で需要が無いとか。満腹・呑みすぎの胃には、重い。折りに詰めて貰う。
さて、藤久さんは年末28日まで、新年は「とんど」が終わってからの長いお休み。そうそう、あまから手帖の1月号には「とんど祭り」の記事が2ページ掲載。料理も出ております。おすすめは「カハラ」の「吉田牧場のカチョカパロ焼き」かな?「トォルトゥーガ」の「子羊の煮込みクスクス」「グラタン」かな?イタロの「ローマ風米のコロッケ」「パニーノ」?「藤久」はあまから手帖初登場だし、「笠屋町もめん」は雑誌初登場!。来年は、喜川の大将も出るという噂だ。いろいろ裏話を聞く。
そうそう、藤久さんのお節料理のヘルプに「トォルトゥーガの萬ちゃんや「キュイエール」が来るそうだ。ひょっとしたら、再来年には「トォルトゥーガ」でもおせちの注文が出来るようになるかも知れない。
帰りに郁ちゃんから「タッジムッチ」の「スコーン」、「レーズンスコーン」、「ミンスタルト」を頂いちゃう。
2001年12月8日
重い荷物は、ササシグレ!購入の最小単位が多いので、持ち込んで減らそうと目論んだ。無理をお願いしたのが「日本橋・藤久」。炊飯器より「羽釜」が美味しいに決まってるし。まぁ、ご飯は最後であるが、献立は だ。お酒は「天保正一・特別大吟醸・山田錦40%」に始まって、「黒龍」、高知の「赤野・純米吟醸・吟の夢60%・中取り」、丹波篠山の「鳳鳴・純米吟醸」、奈良の「花巴」を呑みましたわ。
むっちりとした白子が、最初から酒を進めてくれる。
椀の中身はカラスミ2枚。焼き目の付いた白いかたまりは「白子」とおもったが、餅。カラスミで生臭いかと思ったら、意外とさっぱり、みぞれも少し辛みがあって味がしまってます。大根とカラスミも出合物かな。
盛りだくさんの刺身、八寸と続く。
飛騨コンロにお馴染みの「目鍋」には猪が盛られている。丹波から送って貰っているという猪は新鮮で臭みもなく、火が通ればOK。これがまた、味噌が堪りません。今宵も煮詰まった味噌を箸でチビチビ舐める。(あぁ、貧乏くさくてイイなぁ)
カニはカニ。ひろうすもひろうす。一品追加して、牡蛎です。サロマ湖の牡蛎を薄く切った大根で巻いて揚げる。大根はパリパリで春巻きに似た感じになる。パクパク食って、ご飯。
ご飯のおかずには、ぶりを照り焼きにして貰う。おや?フライパンで焼いてるジャン。ぶりの照り焼きステーキ?腹身の部分のでっかい焼き物。
さて、近藤君は「味吉兆」の出身だが、独立当時から使用しているのは、吉兆御用達の米屋から仕入れる、コシヒカリ系吉兆専用ブレンド米だそうだ。もっとも吉兆でも20年ほど前はササニシキ系だったそうである。精米後1週間もすると味が変わると言うから、仕入れも頻繁で、日本料理屋の焚いたお米が美味しいというのも至極当然の話。
いつも通りに焚いたが、ちょっと柔らかくなったという通り、しゃもじでかきまぜると確かに柔らかそうだ。それでも羽釜の蓋を取ると米の香りがふわりと漂ってくる。でも食べてみると、それほどゆるい感じではなく、しっとりした程度だ。粘りが少ないようで、近藤君も普段より「艶がない」というから、澱粉質が少ないのかな。味は、十分で噛みしめなくても旨味が多い。数日間は残り物に預かれるかも知れないので、食べてみたい一は早速行ってみよう。
美味しいご飯を食べようと思ったら、玄米で買って、精米器で自分で精米するのが一番という話になった。というような米の話で・・・・時間が過ぎる。あまった分は、おにぎりで持ち帰り、冷めて食べたが、あじはそのまま。持ち帰りように「かやくごはん」もお願いしたが、炊き込んでもよろしいようで。
2001年11月17日
芝居がはねたのは、8時。急いで、今夜も近くの「日本端・藤久」。入り口の女性2人組も、「文楽帰り」のご様子。楽しみな今日の献立は 今日も、昨日の「志太泉・純米大吟醸・高橋貞実を心地よく呑む。
まず蟹だ。たっぷりに足が仕込まれています。でも、百合根のざらざら感が、残りましたな。
昼に「づぼらや」に行ってはいても、「づぼらなてっさ」は食べたいとは思わないが、ここでは嬉しいてっさに皮。ちゃんと「てっさ」を食べるのも随分と久しぶりによう気がする。和歌山で取れたという河豚は、少し飴色になって艶っぽく光ってますわ。むちゃは皮のゼラチンが大好き。酒には、河豚皮の方があってるようにも思う。白子は今年12月にならないと大きくならないでしょうと、言われた。そういえば、新しい子が1週間前からきてる。聞けば、宗右衛門町の河豚屋(大阪ではてっちりやと言うべきかな)「しばた」の子息だそうだ。新地の「坂本」にいたそうで、まだ20才。
珍しい八寸は「ボラのへそ」。こりこりと美味しい。「からすみ」同様「へそ」で流通しているらしい。「ちゃんと外洋のボラですから」、と安心させられる。お造りも美味しいと言われるが・・・・目の前のドブ川で泳ぐのを見なれていると・・・。菊芋はここでは季節の一品。チャリコは真鯛の新子。もってのほかとは「紫の食用菊」。
獲っちゃいけないシロナガスだが、日本人はクジラが大好き。DNAに染み込んだ肉の遺伝子は、きっとクジラ由来なんだろう。刺身でも食べられますという、「尾の身」と「さえずり」に、舌鼓。昨日今日の文楽になくてならないクジラを選んだのかな?ちょっと嬉しおますな。
最後は蟹御飯!美味しいものは最後に食べる性格のむちゃは、1杯食べて、持ち帰ることにする。ミソを入れ過ぎちゃいましたと、嬉しいお言葉。
甘党の郁ちゃんに、あまから手帖に載った「さとこの店」の甘納豆がお土産。感想は次回にと・・・むちゃはまだ食べてない。残ったお酒は、ワインをソムリエに残すように、近藤君へ、残しておく。
2001年11月16日
夕御飯は「日本橋・藤久」。劇場に入る前に預けておいたのは「志太泉・純米大吟醸・原酒中汲み・高橋貞実・仕込み35号・山田錦精米歩合40%・14号酵母・火入れ・120本の8本目」だ。献立は 鮟鱇の肝が今一なのか、持ち込みの酒が合わない。
蟹が出てきて、献立は冬。生湯葉が入ってふわふわの真蒸に蟹の甘さが加わって、ようやくお酒も美味しくなってくる。シメジの大きさも立派ですか、丸のままなんで、食べづらい。かぶりつく。
今日も「たまめ」がでる。
珍しい八寸は「がごめこぶ」。粘る昆布だそうだ。ききかえさないと判読しづらい名前に、昆布〆の魚は・・・忘れた。茶碗蒸し旨し。ちゃしょとうに鋳込まれた元気味噌に入った、ニンニクとかの辛みが苦手。
河豚も出ました。でも、辛みがちょっと苦手。美味しい食材が出てくる冬は、楽しいですわ。
ちゃんと出てくる松葉蟹は鳥取産。蟹の子、味噌を甲羅に詰めて、蟹足を並べるいつもの仕事ぶり。むちゃは余り蟹にご執心じゃないのです。オヤジが、甲殻類を好まないので、家では余りでない食材だったせいか、あまり食べたいとも思わなくなっている。この季節、ツアーを組んで、山陰へ食べに行くのも不思議でしょうがない。ちょこっと出れば満足だ。でも、カニチャー、ぴらふ、ご飯大好き。
デザートには、柿だ。口の中で溶けてくると、トロトロ感が出てきて、プルミエールさんのジュースが思い出される。お客さんか貰ったという、グラッパの「アレキサンダー」をリキュールグラスにちょっぴり頂いて、舐め舐め「割り氷」をたべる。
ご当地黒門のTVドラマ「ほんまもん」でロケに使っているのが、島之内の「せつ」という店だそうだ。黒門商店街もロケで大変だそうだ。
2001年9月14日
夕ご飯は「日本橋・藤久」で。一澤が重いのは4合瓶を忍ばせていたから。ちょっと冷やして貰う。さて献立は です。取りあえずお酒は「上喜元・完全発酵・吟醸・五百万石精米歩合50%」にした。味のない辛口かと思ったが、さすが上喜元と言った味わい。さて、今日明日とは岸和田の「だんじり」だ。天神祭りは「ハモ」だが、だんじりには「わたり」と言うのが旬の組み合わせ。それに合わせた先付です。長芋羹に和えられたミソは卵白か出汁で伸ばされているようで、味わいが薄い。
さてもうここでは菊のあしらい真っ盛り。椀には菊花蕪に松茸と見た目は嬉しいですが、松茸の香りが、ちょっと立ってこない。
持ち込ませて貰ったのは「東北泉・瑠璃色の海・純米吟醸・雄町精米歩合45%」だ。雄町のもつ甘さが心地よい味わいでした。が、後になるとすっくりしてはいるけど、辛く感じる。料理との相性かどうか、あんがい合わすのが難しいお酒だった。始めて口にしたのが「たまめ」。めったにお目にかかれない、タイより高価な食材ですが、聞いても正体がわかりません。「ふえふき」の仲間なんでしょうか?甘味がじっくり沸き上がってきます。全部のお造り皆味わいが深い、というか、味が濃い。
事前に伝えていた食材は「いちじく」に「あけび」だ。イチジクに白味噌は甘味が重なってくどく感じます。丸々1個はやはり多いけど、チマチマした仕事はどうも近藤君の性に合わないらしく、どんと小鉢に出てきます。揚げたての「鴨とアケビ」は言われるまで全然分かりません。鴨の旨味が強いのですが、ジワッとしたジューシーさがアケビから引き出されていると考えておきましょう。とっても旨い揚げ物でした。絵も言われるのが、味噌炒め。アケビの皮のちょっと苦みのある味が、味噌の甘味と、ムカゴのむっちりした味との絡みがようございます。でも、このあたりから酒が負け始めます。醤油漬けされたイクラになると、湯葉との相性もいいんですが、お酒は辛みばかりが目立ってくる。
食べるのが遅いむちゃの折敷からはみ出した乾山写しの器に盛られた、焼き物は「ブダイ」。それも真っ青の「ナンヨウブダイ」だったそうだ。火曜日に入って、最初はお造りでだしたそうだが、今日は味噌漬け。「龍や」以来のご対面のブダイであった。なんでもブダイ「肝和え」が身体が痺れるほど旨かったそうである。危うく「藤久」閉店となるほどだったとか。毒にはご用心。帰って調べてみると「シガテラ毒」というそうだ。しびれ・けいれん・昏睡・・・・
事前に伝えていたご飯は「カワガニ」だが、3連発。中華の玉子スープのような食感に仕上げられた蒸し物。湯葉のトロトロ感と玉子が蟹の味わいを和らげていました。続きますが、用意して貰っていた「酢の物」も、「お出ししましょうか?」といわれるが、毒も皿まで全部頂く 。ここまでしっかりした味が続いていたので、一休みできます。蟹の身、足をほぐして貰って、甲羅に詰め直して出てきます。全く面倒な食材をお願いしてます。黒門には出て無くて、鶴橋で探して貰ってきていただいたようで、ご馳走でした。最後は羽釜で焚いたご飯。持ち帰れるぐらいいっぱい焚いといてといったけど、1膳だけで、降参。檻に詰め込んでもらいます。お隣さんは、松茸ご飯。こちらも食べられずにお持ち帰りのご様子。二人連れのご婦人たちであったが、お隣は1人で3合ほどお呑みでご機嫌。「美味しいモノを食べるときは呑まんとね」と、ちょっと絡んできはりますな。
デザートは、再び「イチジク」に「あけび」。ごちそうさまでした。揚げ菓子は、油っこい。
もと「なだ万」の料理長で辻調の先生だった故後藤先生のお弟子さんの情報を仕入れて、吉兆の料理長さんの「おでんや」の噂を聞いて、うだうだと、またも最後の客となりはべりぬ。
2001年8月18日
今日から黒門もお仕事だそうで、夕食は近くの「日本橋・藤久」 まだ他の客がいない中、端っこに居座る。「王禄・純米無濾過直汲・丈径(たけみち)」を先ず呑む。豆腐と帆立に絡む合わせ醤油の加減が酒を進めてくれます。
椀の蓋を取った途端に匂い立つマル。出汁を飲む。「お代わり」といいたくなるぐらい。肝もこってりで堪能。「かき氷に白玉」という組み合わせが大切であるように、マルに焼き餅という組み合わせが納得できる味なんですが、茄子の焼けた香りが、ダメ。過ぎたるは及ばざるがごとし。
もうお酒が空いたので「九平次・山田錦40%・黒ラベル」に変える。一応和歌山の漁師さんからは入荷しているものの、最初に「いいのがない」と釘を差される。今日から黒門も営業やけど、魚はないとか。それに颱風も来ているから、来週からの営業を始めるところは、冷蔵庫も空っぽやから大変そうである。
八寸をつまみながら「十四代・吟撰」に変えて楽しんでいると、見慣れた、オヤジがやってきて、隅っこに座る。昼に「ベガス」で食べて、ビール4杯でよっぱらっているとか、言ってござった。そうこうする内に、隣に来られた3人組のホストは、辻調の寮母さんだそうで、恩師だそうだ。藤久の名付け親だそうである。非売品という貰い物らしい大徳寺納豆というのは、難しい食べ物で、癖が強くて肴にはならんね。
吉兆はなぜか鰻はお江戸のしきたりだそうで、鰻包丁も江戸仕様だし、捌くのも背開き。「マル」とか「まむし」とか気を使ってくれます。またまた妙な1人客がフラッと来る。オッチャンの隣に座るが、しばらくして、オッチャンは食事が終わったようで、焼酎のグラスを持ってわての横に来て、絡んできはります。もうお酒はこれくらいでと思っていたところであるが「東一・吟醸」をオーダーされる。
岩カキのかき揚げも美味しいが、隣のオッチャンと話するのにも忙しい。タマネギなどそっちのけで話をしながら、呑みすぎてしまっていた。もう味などわかりまへん。分からないウチに「往馬・大吟醸・山田錦40%・斗瓶取り」を注文していた。呑んだ記憶がなく、近藤君に呑んで貰う。そうこうする内に妙な兄ちゃんは去って、「ご飯を炊かなあかん」と訳の分からない事をいってオッチャンも去る。3人組も帰る。むちゃはこのままでは、二日酔い一直線のやばいコースなので、水を飲んだり、何とか腐心する。ご飯は諦めて、おにぎり持ち帰りだが、止め椀に「マルの身も食わして」と追加。藤久さんは吉兆風に止め椀を出さないのだと、始めて聞いた。甘いものはありがたい。ちょっと落ち着く。重い腰を上げたときには、日が変わりそうだった。へんな、それでいて面白い食事でした。
そうだ、トォルトゥーガの萬谷君が、専門料理に出たばかりなのに、移転するそうだ。10月北浜でオープンを目指しているようだ。広くなるそうだ。豊田君は今の店を引き継ぐらしい。
門上氏が仕切っているdancyu特別企画の「京阪神の250店」に掲載されるミナミの店を教えて貰った。Qチャンも出てるやん。取材はなく、電話1本で済むらしい。「たこ焼き屋」から「本湖月」まで、ごった煮だ。こういう取り上げ方が、大阪では日本料理の美味しさと粉物の旨さが混同されて、「安くて旨い」が一番大切なことと日本中に思われるのは、大阪にとっての大迷惑だ。門上氏は一度だけ「藤久」にきたらしい。マスコミ関係者と現れて、料理のことは何も聞かず業界の話で盛り上がって帰っていたそうだ。何を食っているやら。
ちなみにオッチャンは、笠屋町のもめんちゃんです。もめんちゃんにかき乱された夕食であった。
2001年7月27日 夕食は、「日本橋・藤久」さんであります。 というメニューだった。まずは冷えた日本酒だ。「綿屋・純米吟醸・四季の花山・ササニシキ精米歩合50%・宮城酵母」ちゅうお酒。豆乳を貰ってきて作ったというカニ豆腐、豆がカニの味とミソの香りををまろやかにしてます。本来ならここで徳利が空いちゃうんだろうけど、胃が弱っている。今一ペースが遅い。
今日もアコウでんがな、と呟く。冬瓜と思ったけど、苦い。あまりの太さにゴーヤ?と思ったほどだが、実家で太った胡瓜だそうだ。大きくなって食べられない種の部分をくりぬいて、アコウの腹子を鋳込んである。今日のアコウも大きかったんでしょうね。
どんと今日も出てきた刺身です。牡蛎の殻が器の半分以上を占めてます。今年始めての生岩カキだ。口の中ではとっても美味しい。
不調ではあるが、酒は空いて「十四代・純米無濾過」なんか頼んじゃう。一番辛いのが八寸だった。いつもなら酒肴として、酒に丁度いい辛さも、今日はただ辛い・濃い・しつこい。「お浸し」の味加減がとても身体にやさしい。参りました。
自信たっぷりに出された新サンマも塩加減が身体に厳しい。内臓の部分もしっかり出してくれるが、今日のむちゃにはありがた迷惑。それでも舌の上ではサンマは旨い。「お客さんの食べぷりやその日の体調を見ながら、臨機応変に献立を変える」とおっしゃる料理人さんがいますけど、「体調の悪い客は、外食してはいけない」と反省する。郁ちゃんの新サンマの定義は「一匹2000円以上する」と言うことらしい。ここでは、そんなのが1匹分出る。いつもは喜ぶ胃も、泣いているよ。
冷製の蒸し物の鮑の味を活かした味加減が、一息付ける。むっちりした短冊状の鮑、トロリっとツルッとした木耳の食感が、心地ようございました。生姜の香りも胃が復活するような錯覚・・・
またも自信たっぷりに出されたのは水茄子。皮を剥いて、さっと焚いた茄子は、茄子の味だけしないような味加減で、水ポクないのが不思議。搾れば水が滴るという水茄子だけど、実はしっかりしているんです。美味しいけど、たっぷり入っているので、またも胃はピンチだ。茗荷の爽やかな香りが救いだ。さすがに、ご飯は無理なので、折り詰めにして貰う。「海老入りトウモロコシの炊き込み」です。
笑っちゃうけど、別腹があるんです。本わらび粉の講釈を聞く。カウンターの端におられた食通さんが言うには「本湖月さんはキロ20000円の本わらび粉」らしい。これが本わらび粉100%という自信たっぷりのわらび餅は「まっくろくろすけ」だ。郁ちゃん曰く「50g800円」。でも色がだいぶ違いますね。面白い話でした。
ただでさえ不調のむちゃのとなりの客は、左手に煙草を持ちながら、刺身を食べるようなオヤジ。ご遠慮頂くようにお願いしたら、不機嫌そうな返事だったが、止めてくれた。でも、手持ちぶさたに食べたんでしょうなぁ。奥さんと一緒なんだから、おしゃべりしながら食べればまた美味しいと思うけど、煙草でも吸わないと間を持たす方法がないんでしょうかね。始めてのお客さんだつたようだけど、客を減らしちゃったかも。
そうそう、藤久さんは盆休みがない。
枡さんの「伯楽一顧」の額を書いたのは、名前は忘れたが、武者小路千家のナンバー2のお偉い方で、その娘さんが、枡っさんとロイヤルの吉兆で働いていた「高岡修哲」君の奥様だそうだ。うなってしまった。
しんどかったが、なんとか食った。体調が良くないと、舌と喉だけしか美味しいと感じない。勿体ない、勿体ない。
2001年6月29日

夕食は「日本橋・藤久」に予約していた。西瓜の為に持ち込んだお酒は「天界・大吟醸・斗瓶取り・仕込み12号・総米600kg・山田錦精米歩合40%」だ。

でした。
鮑を薄くスライスして、フライパンに酒で炒る。「ちりちり」というのを始めていただく。酒蒸しのアレンジなんでしょうか?酒で身を柔らかくしながら中は生の風味が狙いかも知れません。
暑いので冷たい椀。赤出汁というのが、関西人には暑苦しいんですが、冷めない内に食べなくてはいけないという気持ちが働かないので、椀種で酒がすすむ。
むちゃの夏の魚は「はも」ではなく「あこう」だ。イサキも「梅雨イサキ」と言うと旬の響きが美味しさを誘いますねぇ。大皿で出てビックリ。カウンターの奥で真っ赤な酸漿の実が見えた。「出す前に見ないで」で郁チャンに釘を差される。毛むくじゃらの「朝鮮瓜」を見せて貰う。大きい毛虫のような瓜だし、あしらいにしか使えないそうだが、むちゃくちゃ高価らしい。味はほとんどない。
ハモの浮きの味噌漬けのような酒肴・珍味が最近欠かさず出てくる。壺を得てます。タコの子、くじら・・これも大きな皿で色鮮やか。
大皿に昆布が被せてある。取ってみるとアコウの頭・かまが一匹分。思わず、見上げてニヤつく。くちびるや目玉はもちろんのこと、ヒレまでしゃぶって皮まで食べ尽くす。ちり酢が出るが不要だった。1匹10000円ほどだったらしい。ごちそうさまでした。大皿3連発でした。 今年始めての岩牡蛎は、生で食べたかったなぁ。トマトは、天王寺蕪を育てて有名な長居の農家の無農薬トマト。生で出すのはプライドが許さないそうだが、長芋素麺に付け合わせてくれた。最近、トマトが美味しくなってきた気がする。食べられないことはないが、舌触りが嫌いな黄身卵は、ごめんなさいする。呑みすぎていた。最初に出てきていたら食べたんだが。
4週間ほど前の土井喜晴くんの番組で登場したのは、鮎雑炊。思いがけずにご対面。焼いた鮎の骨を抜いて、雑炊に。骨は煎餅にあげてでてくる。雑炊と言うよりはお茶漬けの風情に近い。さらさらっと食べる。
本日のスペシャルデザートは、やはり夏向き。 2階に現れたのは、枚方の「酒のヤマモト」さんだ。高知の酒蔵「美丈夫」の浜川尚明氏がゲストらしい。奈良の「往馬」「菊司」の駒井大氏もご同伴。全員で6名ほどだが、八幡の北村酒店さんもいる。美丈夫さんのお酒4合瓶で2本を持ち込んでいている。「うすにごり」「舞」だが、「うすにごり」が空いている。フレンチでは少し残しておくのが礼儀だし、普通持ち込んだらご主人にも呑んで貰うベキじゃないのかね。山本君には「指導」だ。食通のジョン君にあった。

2001年6月9日

夕御飯は「日本橋・藤久」です。満杯の冷蔵庫から「醴泉・早春味・純米吟醸生原酒・山田錦50%・14号酵母」を選んで持ち込ませていただいた。献立は

でした。元気よく飛び跳ねる水槽の鮎を眺めるカウンター。折敷の上には、ちゃんとシャンハイがおかれています。
他のお客さんには、先付が「滝川豆腐」で、これも夏らしくてよさそう。本日のハモは、和歌山雑賀崎のようです。
今日、長居の農家まで行ってきたらしく、お目当ては菊の花だったらしい。菊の花をゴマ豆腐にしたかったようですが、種を取るために花を摘めなかったようで、葉っぱだけのゴマ豆腐。菊菜の香り、ゴマの香りともに主張しない柔らかな香りです。シャコを椀で頂いたの初めてでした。
いろいろ楽しめる八寸は、お酒がクイクイ。アオリイカのタマゴはコリコリ、白子はニチャーとした面白さ。食感が面白いのはアボガドで、これもすったアボガドを巻いていてグニュと・・・聞くまでは、なんだか分かりませんでした。デザートでもおかしくないのが、デラウェアで、少しゼリーを絡めているが、大根おろしが甘味を和らげてます。甘味の余韻で岩梨が始めて美味しいと思った。
茶碗蒸しといっても少し濃い目。海胆の磯臭さに負けない濃厚さがいい加減。出汁を張ってこれも一役買ってます。
コンロの上に焼いた石。炭は入っておりません。余熱で海老を焼きます。ちょっこと焼き目を付けてそのままパクリ。アッという間に食べちゃってしまう。ちょっ不満。
とろとろに煮込んだタマネギ、ふっくら蒸しあげた鮑、とろりとかけられた肝、美味しゅうございます。
目の前で水槽の壁を登るように飛び跳ねる鮎を見ていて、ついつい頼んだのは、背越し。肝も 食べちゃう。尻尾も生でパクつく。「何で食べます?」と聞かれて、「いろいろ」と答えてしまって、でてきたのは、ほんとうにいろいろ用意してくれました。
うづら?ウズラ(鶉)?鰻の面(つら)で「うづら」らしい。半助の部分を煮付けて、お茶漬けにしたものらしい。ちょっと辛い。少し身の部分も入れてもらう。お腹がいっぱいなので、2匹分の頭にかぶりつく元気がない。「鰻の身はどこに消えた?」。この料理「招福楼」由来だとか。でも料理の最後にしては、味が濃い。二日続けて締めが鰻。
郁ちゃん曰く、「仙太郎の外郎部分はムチムチしてるので、シコシコ風にしてみました」。赤エンドウの外郎も固めの仕上げ。中に散らした赤えんどうも固めで歯触り重視。でも、カウンターだからいいけど、説明なしで出てきたら「古いもん出しやがって・・」と思うな。
今年始めての「ハモ寿司」の持ちかえりだ。
2001年5月12日

夕御飯は、1ヶ月ぶりの「日本橋・藤久」です。昨日は、カウンター2回転だったという繁盛ぶりが嘘のようなカウンターに座る。献立は

というところ。選んだ日本酒は「義侠・生原酒・精米歩合50%・総米1500kg・仕込み9号」「奥播磨・純米吟醸・芳醇超辛」「小鼓・丹鼓・純米吟醸・但馬強力精米歩合55%」とした。泉佐野の漁港にある青空市場では、休日になると観光バスが大挙する最近までは、しゃこはトロ箱で売っていたような肴だ。今では高級寿司ネタになっているようだが、ボイルした物ばかりで、生は始めての経験だ。海老そのもののプリプリした感触ではないが、ねっとりと舌に絡んでくる。結構剥きやすいそうである。城下カレイとカツオが美味。
さて本日の特別注文は「鯉コク」。想像していたのは白味噌仕立てだったが、的外れ。筒切りしたどうには、肝、白子入りで、頭までまるまる煮込んで、ここでお腹いっぱい。三田のジュンサイはぷるぷる。特別注文の煽りを食って、他のお客さんは清汁仕立て。珍しい物を頂いたと喜んではいたが・・・どうだったんでしょう?藤久さんには似つかわしくないのは「牛タン」。出されてもあまり嬉しくない。冷たいトマトがとても美味しく感じる。ちょっとずつなので、食べられる。
加茂ナスを半分に切る。中をくりぬき、縦横奥の3方向に8分割。それぞれを半分に割って中に海老のすり身を挟んで、てんぷらにする。くりぬいた皮もあげる。揚げた物を元の形に積み上げて、皮をかぶせて、加茂ナスの形に戻して出てくる。海老ちゃんの足が揚げられているのをみて、海老が挟まれていることを予想しなくては行けないのに、「なに挟んであるん?」とは、ええかげんな眼と舌をしてました。とにかく、お腹はいっぱいなのに美味しい。さすがにハモ御飯は、軽く頂いて、残りは持ち帰りだ。マンゴと団子は、別腹。花山椒煮を一瓶包んでもらう。
今日はヘレンドのシャンハイ・ティーボウルを持参した。そのまま預けてきたので、興味ある人は使ってくれて結構だ。さて料亭「芝苑」というのは、随分と人気だったようで、近藤君も訪問してたようだ。なかなか厳しい仕事だったようで、調理場に入っても、ほとんど辞めていったそうだ。

2001年4月6日

フォションで「カンパーニュ」と「レザン・オ・フィッグ」を仕入れて、夕食は「日本橋」だ。本日の桜の献立は

で、お酒は「秋鹿・純米吟醸」「十四代・純米・しぼり」「不老泉・山廃純米吟醸・中汲み」と進めた。キスとギスの話に始まったが、「烏賊の卵」は少しウグイスがかった色。塩漬けされてプチッと弾ける歯触りでなく、プリプリしたとねっとりした舌触りが交互にやってくる。お酒が進んじゃいます。椀の中身は、直前まで炙って香ばしさを出して、椀に閉じこめた香りがたまりません。はじめはすっきりしたカツオの吸い地が厚みを増してくる。このこの味も加わってくる。造りはいつもながら、嬉しい内容ですが、若布の芯をうすくスライスすると、面白いもので、茎が透き通ってます。包丁の仕事にも感心してしまいます。桜蒸しは、期待していたけど、道明寺ではなく、豆腐と真蒸の合体したような味わい、ピンク色の桜の花の塩漬けに、エンドウの色が翡翠色をして、彩りが素晴らしい。道明寺をピンク色に見せるより、翡翠の緑が、桜の色を際だたせているようで、こりゃ参りました。「桜」の注文に対して、稚鮎のお腹に入れた「桜の葉」でしたか、鮎に負けて、香りが分からなかった。一方「梅」は勝ちすぎ。なかなか難しいものです。面白かったのは「そうめん」。タケノコを摺って、ねって、和菓子のきんとん風に短く練りだしたものらしいが、タケノコの甘味が面白いところですが、そうめんツユに入れると香りが飛んでしまう。工夫の余地があります。春野菜の「すき焼き」だったんでしょうか?なんで「すき焼き」?「さくら肉」を使うわけではないのに・・本日最大の疑問。「桜」の題を付けたが、注文したかったのは「貝」を炊き込んだ御飯。言わなくても分かってくれる近藤君。クラムの香りが好き。多すぎるので、おにぎりにしてお持ち帰りです。2つ目の桜の花が、ゴマ豆腐に添えられていた。白ゴマを炒ったもので少しクリーム色の、ゴマの香りたっぷりのむちっとした団子で、シロップがなければ食事の最初に出しても十分な一品。最後は、ふっくら蒸し上げた松風。「桜餅」も「道明寺」もなかったですが、たのしめました。
辻調の入学式は10日らしいが、昨日からバイトが入店。2交代ですが、頑張ってや。いきなり、「虐めないでください」とたしなめられた。高校を卒業して、今日から日本料理屋にバイトに来て、食材なんかわかりまへんわな。こりゃ、反省。
勝沼丸藤ワイナリーの「ルバイヤート」を見せてもらって、教えてもらう。ワインマート経由だそうだ。白ワインの「なんたらかんたらシュール・リー」、昔なら買っていただろう。日本の食に合わせる努力をしているワイナリーだそうだ。ワインマートの会員期限が過ぎたままだが、シニアソムリエの小谷君の名前を懐かしく聞く。
突然電話を入れて隣りに来たスーツ姿の1人客。アラカルトで注文して、時折電子手帳に何か書いてる。料理の感想も特に告げずに、カウンターで話もしない。1人でやってきた上にこういう客は嫌われるなぁ。なりたくない、なりたくない。


2001年3月16日

「日本橋・藤久」に取った。新しい男性が入っている。二人入ったそうだが、むちゃは姿を見ることもなく、たった3日で辞めたそうだ。とほほやね。今日のおまかせメニューは

だった。お飲物は、先ず開封済みのお酒を空けるのに協力して「十四代・純米吟醸中取り・八反錦」とする。途中から「開春・流霞吟醸・袋取り純米生」に変える。
お弁当風の八寸が、貝にのせて出てきます。貝のシーズンらしい盛りつけに桜の枝。向付には気合いが入ってしまいました。それぞれちょっとずつだけど、大皿で出されて、笑ってしまった。カジキの味噌漬けは始めて。ノドグロだけでも嬉しいのに。「翡翠揚げ」と言っていたのは、空豆を細打ちしたモノを衣にした揚げ物。最初は飾りだと思ってしまった。ちょこっと覗き見えた丸大根を薄くスライスは、千枚漬けでも作っているのかと、思いきや、鍋になって登場だ。鍋と言うより器だけど。本日のお頭は「ホウボウ」。ちょっと身が少ない。本日の特注は「ぼた餅」!半殺し、皆殺しに、緑大豆餡入り黄粉の3種。しっかりむっちりの団子に近い歯触り。
食通のS氏に逢う。
2001年2月3日

夕御飯は「日本橋・藤久」さんだ。先日のイタリア土産のお返しに「ロッシェ」をお返しする。お酒は「出雲富士・大吟醸・生・斗瓶囲い・山田錦精米歩合35%・協会9号酵母」を持ち込ませていただく。先日のNHKに登場していた富田勲も、呑む酒は大吟醸だが、それを持ち込んで家族で呑んでいるそうだ。持ち込める店を手札に持っているというのは本当に冥加なことだ。また折敷が変わっている。だんだん器道楽になってきているような気がする。

と言う献立だが、事前の注文は「ヒラメを2品」だったはずだ。約束が違ってヒラメばっかり。酒饅頭までヒラメの形に遊ばれてしまっている。本日のヒラメは豊後水道の3.5kgのヒラメでは、2品程度では使い切れない大きさだったと言うことですね。今日のヒラメの腹子が大きく育っていたと言うことは、もう季節は終わりかけということでしょう。でも、先日のヒラメの方がチョっと上かな?焼いたり蒸したりした方が美味しく感じる。やはりむちゃは骨の周りが大好き。焼いても、蒸しても、煮てもなんでもOK!しゃぶってしまうと、障子ではなく組立前の骨組みに変わってしまう。最近お椀の出汁が少ない傾向にある。不満だ。
出品クラスの出雲富士は、香りたっぷりではあるが、味は料理を損なわない。魚のアミノ酸がワインでは喧嘩するというが、タンパク質ばかりではなく、魚の脂肪分の繊細な旨味が、日本酒と合うような気がする。
献立として用意してもらっていた「巻き寿司」は持ち帰って、その替わりが「手鞠寿司」。「巻き」は車、穴子、卵、椎茸、胡瓜だが、毎年頼もうかな、と思ってしまった。店でまるかぶりさせるつもりだったのかな?お品書きには「白魚」登場だ。春めいてきました。
豆食わず。
2001年1月12日

夕御飯は「日本橋・藤久」さんに新年のご挨拶。蒸し器の中で卵が爆発していたらしく、てんやわんやの店内だ。とにかく、年始の挨拶をして席に座る。本日の献立は

お酒はまず「千寿正宗・生原酒・しぼり立て」だが、香りはいいのだけど、新酒の苦みとアルコール度の高さとで、荒々しい舌触り。三田のお酒らしいが、始めて。途中で「おんな泣かせ・純米吟醸」に変える。程良いのみ心地。

白子は河豚に勝るモノなし、ですな。蒸し物の「かぶら蒸し」より水気を切って、一旦蒸し上げて椀種にしているのだろうか?「かぶら湯葉蒸し」と言っていたけど、甘鯛がたっぷり。本日は2kgのヒラメがあったと言うことで、肝とか子とか出てくるが、とにかく縁側。噛むだけで溶けていく脂の乗りよう。ヨコワもトロの部分です。有り難いことにむちゃスペシャルな盛りつけようです。ナマコの茶降り方法には京都風と大阪風があるそうです。大阪風は、切って内臓と内肛を綺麗に掃除して温い茶に入れてしまったナマコを戻す要領で柔らかくするのであるが、それほど簡単ではないらしい。プロが、コノワタをたくさん持っている理由を聞いたが、ナマコという生物は不思議です。ビックリ嬉しいのは、ヒラメの焼き物!。お上品な身の部分はないけど、魚で嬉しいのは、頭とカマ。すっかり、気分は満腹になって、じんわりと滲むような丸大根の甘味に酔っていたが、出てきたのは、鍋。見るからに獣であることはわかったが、「鹿肉」を使う店とは思わなかった。聞けばむか芝居としていた女性のおとうさんが、旭川で歯医者で趣味で鹿を撃っているそうで、それを送ってもらっているそうだ。「エゾしか」です。進んで食べる気はしないですが、出ると嬉しい。「次は御飯でよろしいか?」と言われるが、十分。最後は「おこわ」とか言われたけど、「飯蒸し」でエビの身たっぷり。お代わりが出来ると思わなかったが、どうですかというと断れない。
食後もスペシャルになってしまっているようで、別腹を造っておかなくてはならない。と言うより、試作品を頂いている気分。お正月の間、久ちゃんは実家の徳島からディズニーランドだったらしいが、郁ちゃんはヴェネチア近くのお姉さんの所へ行ってたらしい。10日帰阪のお土産は、ミラノの1817年創業の老舗パティチェッラ。うーん、たぶん「Yocale Storico」というのが店名だろう。コーヒを入れて貰うべきだったかな。最初の原酒が聞いて、銚子2本で止めた。
14日の高津では、「巻き寿司」に「粕汁」だそうだが、寒さ厳しいそう。「もめん」ちゃんが、「酒」を売るらしい。「枡田」さんが日曜を休みにした裏の事情を笑って聞く。最後にブラックリストを見せて貰った。


2000年12月8日

出掛けたのは「日本橋・藤久」さんだ。ちょっと頻度が多くなっているような気もする。今日の手みやげは、朝に買った「あぜ豆大福」だ。献立は

です。お酒は「喜楽長・超辛口・純米吟醸」「十四代・中取り純米・無濾過」と順に頂く。甘味を感じる素材には「十四代」は、よく合う様な気がした。実は事前にスペシャリテを注文していたが、素材の注文に1週間欲しいということで、断念した。並べると少ないような気もするが、3時間半を過ごす。刺身は、あるもの全部出してくれている感じ。普通のお任せの日は、いつも任せているんやけど、八寸に力が入ってます。近藤君は笑って誤魔化しているけど「桝田」さんの影響かな?スペシャリテの変わりが、フグと蟹で、こうなった次第。こうして、なぜかココでは、「てっさ」を食べたこと無し。「身はどこに行った?」と聞くと、「一番美味しい口を揚げておきました」と。茶碗蒸しに蟹の香り、ミソの磯の香りが嬉しい。たっぷりの蟹に百合根たっぷり。こういう蒸し物を頂くと、諦めたはずだが、「京都に行きたい」と思ってしまう。13日の「事始め」に因んだ「御飯」をちょっと気が早いが用意してくれはりました。「れんこん」「にんじん」「ぎんなん」「かんなん」「なんばん」。今日も行くちゃんのお手製のお菓子は「柿尽くし」。シャーベットといっても舌触りは「むっちり溶ける」。餅粉に柿を混ぜて皮を造って、餡を包む、柿100%の餡を萼に見立てて、小豆が切り枝のあしらい。次はなんだろう?今日も長居で4時間。
鬼の笑う来年1月14日、浪速・高津神社の「どんど焼祭」で出店が出る。旗振り役は島之内「ながほり」さんだ。「鶴一」が牛タン、「ぶいはち」が伊賀牛、「ながほり」がおでん、他に、「藤久」「リストランテ・イタロ」だそうだ。どれだけ仕入れるかも迷っているようですが、たぶんすぐに売り切れちゃうだろう。店を出て「そうだ京都へ行こう」と電話する。女将の京都弁を聞くと、それだけで情緒たっぷり。
2000年11月25日

朝から寄っていた「みかさや」の「くるみ餅」を手みやげにして、いつもながらのお店にお邪魔した。私の記憶が確かなら、琵琶湖の鴨を食べたのは昨年の12月。今年も狩猟解禁の季節がやって来た。今年も、お願いしたのは「日本橋・藤久」さん。鴨鍋だけじゃなく、いろいろ工夫をしてくれるし、過去3年間の献立を記録してある中(といっても女性スタッフの郁ちゃんのメモらしいが)、昨年と異なったメニューを考えてくれているそうで、楽しみだ。本日も無理を言って、鴨に合わせて持ち込んだ日本酒は鳥の名が入った「田酒の大吟醸」「善知鳥」だ。今日入荷した鴨は「青首」ではなく「雌」で、体内卵もないから、雌はやっぱりちょっと時期的には早いかも知れないが、今日の献立は、

でございます。 「鴨」を頼んだ割りに、「魚欲しい」とか、「椀」が無いとか、ちょっと数が多くなっちゃいました。今年の鴨の方が「臭み」が少ないそうであるが、全体的に味は濃いめにマスクするような味わいだが、深い味わい。香りも濃い、甘味もある濃厚な「善知鳥」との相性もいいみたいだ。不満を漏らしたのは「手羽先」が固くて噛めないという事と「吸い口の葱」が多すぎて出汁の香りを無くしていることだ。琵琶湖で飛び回っている鴨の手羽は筋肉質なんでしょう、と笑ってすまされてしまった。堅いだろうな、と思っていたそうだ。最後の「御飯」が美味しゅうございました。朝届いた鴨の骨を夜まで煮て出汁を取っていてくれたそうです。さて、鮟鱇は「鍋」以外にどんな料理方法があるのか?唐揚げかな?金沢「つる幸」の2代目康雄君は、近藤君の後輩だそうだが、料理の鉄人「道場」の同郷で「鮟鱇対決」した。それはそうと、郁ちゃんに「かん袋」と手みやげの「みかさや」との差を訪ねると、素っ気なく「全然違うから比べものにはならない」という評価だった。餡の細やかさ、餅の歯触りは「みかさや」に軍配が上がるようです。
2000年11月11日

風が冷たくなってくる中、夕食は「東薫」を持ち込んでの「日本橋・藤久」だ。本日の献立は

です。塗りのお重に入った八寸は酒肴のオンパレード。それぞれに美味しいですが、味噌漬けの香りが幸せだ。買ってきたばかりの「叶」が少し温度が高くて、味がばらつくし随分と辛く感じる。辛いからといって塩辛と合うかというと、コレがなかなかアワン。今年始めての「ふく」だけど(当たり前か)、皮のゼラチンがトロトロ、身はホクホク、ただのみぞれ仕立てでは味わいが薄いというので白子が混じって、たまりまへんわ。朱塗りのお椀は大きいけどもう少し出汁を味わいたいと思うほど。
白甘鯛に負けず鯛も旨味たっぷり、感動的だ。最近市場で目立つのがシマアジらしい。コレも旨い。藤久さんでは「甘鯛」といえば「白甘鯛」を使うそうだ。宮崎辺りの捕れるのがいいらしい。冷蔵庫で冷えてきた「2杯目の叶」は味もスッキリ香りも立って、まろやかさが出てきた。やっぱり刺身には美味しい日本酒があってますわ。「叶」も合格だ。また買いに行こう。
本日のお願いは「甘鯛」。口直しのお寿司は俵にした酢飯に身を巻いて薄い昆布を巻いたもの、大羽に焼き目を付けて巻いたもので、一つづつとは残念。強肴の焼いたモノ、揚げ物ともに身が口中でとろけるような、崩れていく甘鯛の感触。
「蟹」には、オレンジかかった真っ赤な子がたっぷり。やっぱりお酒が合いますなぁ。本日の期待は甘鯛の頭をどうしてくれるかと言うことだったが、焼き目を付けて香ばしさを出した上に、甘味を感じる出汁の「頭汁」であった。甘鯛は水っぽいと言うことで、身を焼き締めたという仕事だそうです。シャブリ尽くしてしまいます。ガラスの徳利は1合と思って呑んでいたが、1,3合程はいるようだ。4合瓶には残り少ないが、置いていく。道理でいつも飲み過ぎている様な気がしてたはずだ。

本日のお願い第2弾は「牡蛎飯」。三重県は浦村の牡蛎だそうだ。ここのは剥き身で無殺菌で市場に出ているらしく、殻付きの牡蛎と同じらしい。少し残ったので、おにぎりにしてもらう。食後には甘いものをいっぱいいただいてしまった。余ってる栗羊羹もお客さんに頂いて処分しきれないと言う「最中」までも。今度なんかお返ししよう。沖縄サミットの時の号外「辻調新聞」を見せてもらった。来年3月には卒業生が2人、来るそうだ。それまでは二人にバイト嬢。頑張って美味しいモン食わしてや。今日も4時間。「ぶだい」と「はこふぐ」を改めておねだり。「はこふぐ」というのは内臓全部が肝なんだそうだ。是非食べてみなくては。
2000年10月13日

夕御飯はいつもの「藤久」さんだ。お隣には、堀江の「味吉兆」時代から旧知の仲居さんです。修行時代から信頼があったようですな。お料理は、おまかせで

であります。お酒は、試飲をさせられた久住の「千羽鶴・吟醸」「鷹長・純米大吟醸・金沢酵母・アキツホ」「十四代・純米無濾過」とした。飾りに「斑入りの柿の葉」が大活躍だ。トンブリは美味しいけど、松茸の香りが立たない。久しぶりにちゃんとした八寸を頂いた。前回「桝田」さんの八寸を見せたのが幸いしたのかも知れない。お酒が進む。聞くと、「桝田」に伺った後日、黒門で桝田さんと近藤君とが出会ったらしく、私の話が出たらしい。その後、「i夢」のオーナーと土肥くんと桝田さんが来たと言うことだった。カツオの焼き物に至っては脂ぽくって、くどい。特に腹の周りはひどい。葱とおろしがないと降参していただろう。この時点でお腹いっぱいというテイタラク。炊き合わせもなんとかこなして、御飯は1杯だけで勘弁してもらって、持ち帰りにしてもらった。でも盛りだくさんのキノコとその香りと味が、たまりまへん。「大黒シメジ」というのが「松茸」以上の貴重品だそうだ。お菓子は別腹といいますな。冷たいシャーベットが口直しに最高だ。いつもながらパティシエは「甘味どころ・藤久」を締めくくってくれはります。「割り氷」は販売もするとかで、さりげなく袋詰めされていたりする。店にあった案内は「大森」さん。もらってくる。カウンターはあるが今は物置らしい。イギリス風カントリー調のお店のカードを郁ちゃんからもらう。スコーン、トライフル・・・。話を聞くと、昔バイトでいた子が「プルミエール」の女性スタッフと友達と言うことで、「藤久」さんを使うことがあるそうです。本当に世間は狭い。
2000年9月30日

夕御飯は「日本橋・藤久」だ。私の記憶が確かなら、二週間ほど前のTVの中継で見たのが四万十川の「もくず蟹」だった。それ以来、脳裏に残る映像。黄色い内子とミソの味わいは、かくや?さぁ、今夜のテーマは「カワガニ」!。近藤君の献立は

だ。日本酒は封を切ってもらった「十四代・吟撰」「醸し人九平次・山田錦」である。ここでも枚方の「ヤマモト」さんが頑張ってはりますなぁ。近藤さんの実家でも昔は、川蟹を味噌汁で食べていたそうであるが、それ以外の料理はしないそうである。ほとんど食べるところが少ない蟹を、身をして甲羅に詰め直してくれた先付に感激だ。とにかく、蟹飯が楽しみだった。ミソと卵の味のたっぷりの蟹ピラフと言った感じ。近藤さんが「上海蟹」を食べたときの感想が「川蟹やん」だったそうで、味の方は推して知るべし。でもこんな手の込んだ味噌汁はしていないだろうな。「なんでゴマ豆腐?」と指導を与えておいた。ゴマが美味しすぎて、ゴマの勝ち。隣のコース料理を見て「最近、ちゃんとした八寸出してくれまへんなぁ。」と注意。郁ちゃんには「栗」「柿」をお願いしておいた。柿は色が難しいそうだ。冬に向けてのテーマは「ぶだい」だ。メニューには「牡蛎」も登場。楽しみな季節。しかし「九平次」は美味しいと思えるのがない。
「味吉兆会」という料理人の会があって、東京の「櫟(あじいちい)」で開催されたようだ。近藤君と同じ「味吉兆」の釜の飯を食っている「土井善晴」がプロデュースの東京大手町NTTビルの店だ。そこでの話題は「味吉兆が東京に進出するが、看板は貸すが経営は東京吉兆」という変な仕組み。それから、梅田の安田ビルに新しく「モード・ポンテベッキオ」が入ったが、その場所を、大阪進出を謀っていた「青柳」が競っていたらしい。ロイヤル吉兆出身の「小山裕久」の凱旋になるはずだったのにネェ。一番いい場所を取られた料亭の矜持か?。拍手だ。今日は「蟹な一日」だった。雨の降る中、ここでも超高級ビニール傘を貸していただく。
2000年9月2日

夕御飯はいつもの「日本橋・藤久」です。あれっ?今年入った若い子がいなくて、また二人に戻っている。バイトの子が3人だ。聞けば製菓学校の生徒だそうだ。近頃の若いモンは根性がたりん!1人は「がんこ寿司」、1人は「デニーズ」だそうだ。とにかく頂いたのは

だ。お酒は「雑賀」「磯自慢」「滝水流」というところ。食感が面白い「泡豆腐」だ。でも海老の方がうまい。面白い食べ比べが出来たのは「すっぽん」だ。椀種は「卯菴」と変わらないが、吸い地は全然違って面白い。生姜と煮きり酒のまるを想像すると「卯菴」が正統で、「藤久」さんは頼りない味の濃さ。でもまるの身の大きさは藤久さんの勝ちで、すっぽんと分かる食べ応え。出汁をたっぷり含んだ編み笠茸が格別。秋刀魚は丸焼きじゃないところが一仕事。3枚に下ろして包丁で無数の包丁が皮に入れてある。隣を見ていて、はっきり言って「たこ」が出た時点で終わりと思っていたのだ。後の料理はチャレンジャーだった。毛蟹の味噌がうまく、潮の香りがプンプンと香るが、辛いほどの味わい。実はもうコレで終わりと思っていたのだ。さらに出てきたアコウは昆布をまとって隠れているが1匹だ。それはお隣さんの注文じゃないの?と聞いたほど満腹状態。意地になって殻入れに成仏させる。それでも出汁まで呑んでしまえる。やっとの思いで御飯だった。だいたい本日のメインは、郁ちゃんの「だだちゃまめ」だったはずだ。別腹別腹と言い聞かせる。この2,3日格闘してくれたという成果を味わせていただく。豆の香りが食べる前から香る。近藤君は、出来について聞くと、笑っているが、良くできています。豆乳シャーベットはむっちりした味わいです。珍しいものをいただけた。次は「栗」か?好き勝手な注文に応じてくれて、ハズレがない。やめられまへんなぁ。思いがけずに店で出会ったのは「ながほり」の常連「熊さん」だ。みんな行くとこ一緒やん。
さてフレンチの萬谷浩一氏を紹介いただいた。写真は萬谷君のお店だが、大阪市内とは思えない風景だろ。「中華料理出身で、フレンチに走って、食べ歩きが趣味でフランスに渡って、いろいろ自分の味にしたらしい。フレンチの店や大使館付きから独立した日本酒好きの33才のシェフ。新鮮な魚がお得意で、ジビエをお得意。」だそうだ。今度行って来まっさ。
2000年7月8日

晩御飯は当然「日本橋・藤久」だ。予算も伝えない適当な予約で出していただいた献立は

と言う内容で八寸がない。最後にでてくる「アラ炊き」が胃に厳しい。結構、甘味を感じるので、量が多いだけに冷めてくるとしつこく感じる。それでも、全部平らげて殻入れは山盛りだ。その他いつもながら言うことはない。本日は「早松」「鮎飯」を伝えていたが、「ハモ」は無し。鮎は塩をせず焼いて骨を抜き、御飯に昆布を一枚入れて、焼いた鮎を入れて塩加減して普通に炊けば、家でもできるらしい。紫蘇を細く切り、炒りゴマで香りをつければ合格だ。カウンターの隣では「早松」に「はもしゃぶ」であったが、それも美味しそうでしたわ。「隣の芝生は青い」。そのご夫婦は「喜川会」という親睦会の方のようで、喜川のオヤジ(上野修三氏)と一緒に旅行に行ったりする常連さんらしいが、息子の法善寺「喜川」の行く末を案じておられましたわ。「喜川も行く価値ないなぁ」。喜川系でも新地の「喜川・有尾」は、一番評価が高いらしい。お酒は「義侠・精米60%・総米1500kg」、「喜楽長」「早水流(早瀬浦)」を頂く。「義侠」はダレ気味だった。この時期、ハモばかりでなく、アコウもコチも旨いんですよ。「赤豆」で挑戦したけど、小豆とかわらへんかった、と弁明を受ける。水ようかんでは祇園「甘泉堂」、八尾の「桃林堂」を薦められる。帰り際に久チャンの実家の徳島の「半田すだちそうめん」6束と特製そうめんつゆ2瓶を頂く。ありがとう。そういえばお隣さんは、そうめんだったなぁ。「四つ橋」の渋谷君に日本酒の持ち込みは出来るか、と聞いてくれていたが、そこは「ワインも断っている」らしく、さすがに「日本酒ではネェ」。2軒目の余裕が胃には無かったが、帰って「おにぎり」を食う。
2000年6月24日

黒門の商店街で、旬の海産物をチラチラ見ながら、予約しておいた「日本橋・藤久」に向かう。

でお酒ですが、全部封を切って貰うことになった。「美丈夫・活性うすにごり」は当然シュワシュワですが、後味に苦みが残って山芋に合わず。山芋も美味しい、海胆も美味しい、出汁も美味しい、合わさると得も言われる。しかし酒が苦い。むちゃは魚の頭が大好き。その気持ちをよく分かってくれている近藤君は「アコウを潮」にしてくれた。「紀の鶴・純米原酒」はプラムや梅のような香りと古酒のような甘味が混ざって、これも潮に合わない。舌の上でとろけるようなゼラチン質、口の中で骨をホロホロと分け骨の周りを食べ尽くす快感。胸びれ、しっぽの皮までとろりとした舌触りを楽しみつつ、1匹分を骨だけに、出汁まで平らげる。いつも美味しい潮に感激してしまいます。日本料理には、こうでなくちゃという「黒龍・純吟三十八号」の味わい。はじめから安心できるお酒を注文すべきだった。続いて「越の雪月花・斗瓶囲い」とした文句がない。新しく枚方の「やまもと」さんから酒が入荷するようになったんが嬉しい。飲み直す必要が無くなるのは悲しいことでもある。しかし「アコウ」と言う魚は大好きですわ。冬に「クエ」を欲しがる人間は最近多いようですが、まだまだ知られていないのがむちゃは嬉しい。同じ「はた科」の美味しい魚。刺身で頂いても、美味しい。ありきたりなハモなんか比べモノにならないんだよ。
焼き物はスズキと言うことで、「身」か「頭」かと言われて、「頭」と言ってしまうのが食い意地の張ったところ。で「スズキの頭の塩焼き」がデェーンと出てくる。本来なら、頭の料理が重なることはないのであるが。がこれまた「殻入れ」がテンコモリになるまで、シャブってしまう。塩加減が絶妙でおます。お品書きで見つけた「岩カキ」がまた御飯へと進む進行を妨げて、追加注文する。で、また御飯が美味しい。白い御飯が出てこないのがこの店の特色だ。最後にびっくり箱のような御飯の楽しみがあるというのも大きな魅力だ。中野チャンのお手製本わらび粉100%のわらび餅を軽く。和菓子の通「中野ちゃん」に京都大和大路の「鍵甚良房」、木屋町の「望月本舗」を聞く。ハモがないと訝しがる向きもあろうが、「ハモ寿司」はお持ち帰りだ。へへへ。
来月号の「専門料理」に登場予定の「味吉兆」の後輩の「三俣久司」さんは千日前で営業されていたが、今では奈良新大宮で繁盛の様子だそうだ。ミナミでは競争相手が多すぎたという事かな。この5月に、新しく後輩が島之内に店「太庵」を出されたようで名刺を頂く。こういうとき「味吉兆」の本店から、挨拶状と大量の名刺が送られてくるそうだ。料亭の仕事やネェ。で、来月号の「婦人雑誌」に早くも登場のご様子。「献立内容、料金ともにご希望に応じます」という言葉がよろしいじゃないですか?贅沢な造りのカウンターだけの店だそうだ。
2000年5月13日

夕御飯が「藤久」だから。献立は

でした。今日は事前に、なんにも注文は付けていない。カレイもヒラメより旨い物がある。ヒラメであろうと旬の城下の勝ちである。伊勢エビもシャッキリとしたぷるぷるの甘味。しばしば、近藤君は椀の変わりに煮物椀として潮汁を出してくれるが、今日は鯉の頭(だけ)があるというので、出してくれた。「ハモ」でも良かったんだけど、食べてみると、歴然に旨い。川魚独特の匂いは全然気が付かないし、味噌の香りも、茗荷の香りと相まって汁も美味しい。何より、火加減が絶妙である。近藤君が奥で掛かりきりで調理してくれていたようで、こんなに旨い鯉も初めてだ。まさに皇魚だ。身の方も堪能したかったですぁ。ただ、1匹の頭はさすがに多い。美味しいが濃厚な味でもある性で、柳川は胃に重い。でも柳川には淡白なハモよりドジョウだ。でも関西ではハモの柳川の方が好まれるようなんです。粽は嬉しい御飯でしたが、塩が利きすぎ。名残の粽ですな。結局、今日はハモを食べて無いのかぁ。お酒は「王禄・純米吟醸」「白瀧・霊泉不尽汲・古酒」とした。新酒ではたぶん端麗で味のない酒であろうと思うが、古酒ではカラメルのような香ばしい古酒の香りもほとんどない味の深まったいい酒だった。カウンターでは、「ラ・セーヌ」を見て来られた仙台の方と随分と話し込む。楽しい時間が過ごせましたわ。帰るときに厨房には、伊勢エビの殻を見た。・・見なきゃ良かった。
2000年4月17日

夕方の黒門を覗きながら、晩御飯をお願いしていた近藤さんのお店「日本橋・藤久」に入る。本日の献立は

という内容で、お酒は「喜久盛・美山錦55%・10号酵母・無濾過・ノーラベル」「御代栄・グレード不詳」「小鼓・グレード不詳というところ。今日は、今が旬の貝と筍を頼んでおいた。偶然にも、筍の宴会をするという打ち合わせの客が来るが、そんな人間ばかり集まるのは近藤君の人徳だろうか?ミル貝は中華街で見かける白ミル貝ではなく、本ミル貝!奇妙な足であるが、なかなか美味しゅうございますな。筍は山城産である。大柄の椀にたっぷりと、半分に割った丸々を焼いてくれたり、とりわけ海老との出合は素晴らしいございます。昨年、筍で著名な店での「宴会」で期待していたのは、こういう出合だったんだよ。黒米おこわは、奈良産の黒米「紫雲」を1/4ほど餅米に混ぜたもので、おもわずお代わりしちゃいました。無理を言って穴子と合わしてもらったけど、この穴子がまた素晴らしいですわ。最後は中野ちゃんのお菓子。甘い物に詳しい中野ちゃんから「あんこ系」の店を聞きだす。おとうさんが、天王寺の美術館の学芸員で、久保惣美術館の館長だったとは。「藤久」さんは5/3〜7日まで休業。新しい男の子は貝塚の「関西料理・萬月」にいたそうだ。ふ〜ん。そうそう、近藤君は「ムレーナ」の小塚さんとお友達だそうだ。機会があれば利用しよう。
2000年3月25日

夕御飯は、「日本橋・藤久」さんへお邪魔した。3月から新しい子が入っていた。4月からもう1人増えるらしい。ご繁昌の様子である。

今回はお酒を持ち込ませていただいた。「醴泉・酒無垢・純米吟醸無濾過」である。大阪の開花予想まではちょっと早いがサクラに因んで、この季節の桜鯛のいろんなところを食べたいとわがまま言った末の献立である。真子や白子は大好きな内臓であるが、腸や胃袋は始めて。決して美味しいモノでないけどね。紀州加太の1匹2kgの大きさだったそうだ。少し飴色がかった身が美味しい。隣のお客さんの「ホタルイカのしゃぶしゃぶ」が気になる。まだ地の筍が出回っていないので諦めたが、次回は筍と貝でもふんだんに頼むかな?
2000年2月19日

晩御飯は、「日本橋・藤久」とした。今回は注文を付けず。

でした。「ブリカマ大根」はお任せに追加の1品です。フグの白子がたっぷりで言葉が出ませんわ。暖かい一品で迎えてくれるなんて、なんて口福なんでしょ。前回いいのが手に入らなかったヒラメもヒラメの肝も用意してくれていた。とっても嬉しい。虎魚の潮汁がまたお上品な出汁です。昆布だけの味がぎりぎりの加減で、虎魚を食べるにつれ、味わいが深まる一品。ゼラチン質の皮までしゃぶり尽くして、満足ですな。藤久さんの潮汁は何を素材にしても非の打ち所がないように思いますな。「炊き合わせのあんかけ」がまた嬉しい。白菜はずいぶんと煮込んで頂いたようでトロトロですわ。生姜の風味も暖かい一品。無理矢理、胃に詰め込んだのは、お品書きにもない「ブリカマ」を使っていただいた。お酒は「花巴」「小鼓」「久保田・紅寿」とした。もっといいのを入れて欲しいと注文を付ける。最後のお菓子は、ちょっと重たい皮でしたが、料理屋さんですからね。
2000年1月22日

晩御飯は、ナンバへ戻って新年の挨拶を兼ねて「日本橋・藤久」さん。「今何が美味しいですか?」と言う予約の電話に対して、「ふぐなんかどうです」と言われ「平目は?」と注文とも言い難い応えをしていたが、さて、期待は高まる。(こんな注文してはイカンよ)カメラも向けると隠れる習性があるので、ちょっとぶれてるけど、我慢してよ。

といった内容でした。ナマコを胴切りにしただけの荒っぽい切り方であるが、柔らかく仕上げてあるので、噛みきれるほどで感心しますなぁ。アワビも、ふっくら煮上がっていて、肝のほのかな香りが美味しゅうございます。この日、期待していた浦島太郎のヒラメは、ここ数日の時化の様子で、和歌山産のいいのが手に入らず、「九州産のもので、大味ですいません」の回答であるが、何よりも十分な肝がないのは残念。べっぴんのヒラメは踊ってくれなかった。ふぐはいわずもがな、おいしい。このシーズン考えてみれば「てっさ」を食べていないなぁ。カキは養殖物ではなく、潜ってとってくるものらしい。海女さん、ありがとう。実家の芹を使ったというブリしゃぶも堪能できる一品。湯にくぐらせて4つ数えると言われてもネェ。そのまま雑炊に仕上げてくれる。最後は自家製の栗羊羹で締めていただく。お酒は「杉の森(にごり)」「玉の井」「越のかぎろひ」「久保田・紅寿」とした。お帰りに、陶人形作家「五世・島田耕園」さんの辰年に因んだ「香合」を拝領する。


1999年12月11日(土)

先週に引き続き、「日本橋・藤久」さんに面倒を掛ける。

生で食べたのが始めてで、肝は良い経験が出来た。卵は生で食べるしかないそうで、舌にねっとりとざらつく感じとプチっと割れる感触がなかなか。生肉大好きのむちゃは身も好き。エンペラの部分の感触、身の美味しさ、どう料理してもスッポンの旨みが心地よいですなぁ。口の中で溶けていく舌触りも、しみ出してくるスープのコクもまた口福。とにかく、いつもながら、これでもかというぐらい、出してくれるの嬉しおます。京風のまる鍋は、生姜風味に白葱ぐらいで仕上げますが、コースとして生姜ばかりになるのを嫌がったようで、山ゴボウの風味で補おうと工夫してくれた。感触としては、山ゴボウでは、スッポンに負けているようだ。けれど、出汁は旨い。野菜に染み込んだエキスがストレートに味わえる。最後の雑炊には、生姜を利かしてくれた。濃厚な料理の後の、抹茶のシャーベットが心憎いではありませんか?お酒は「上喜元・大吟醸・生・吊り下げ・斗瓶囲い・原酒」を持ち込ませて頂いた。感謝です。残った分は味見がてらに置いていく。4時間半ぐらい長居する。今年の営業は28日までで29,30でおせちを30食仕込むそうだ。50近い料理が38000円だったかな?他の店なら60000円ぐらいの料理だと言っていたが、もうこれ以上作れる余裕が無いとも・・・。新年は市場の都合に合わせて5日から仕込み、6日から営業だそうですわ。


1999年12月4日(土)

今夕御飯に向かう。また近藤さんに無理を言った。

何を無理言ったかは、言わずもがな。琵琶湖産のノガモは、月曜に注文して今日になって仕入れることが出来たそうで、今年は猟に出ていないのか、取れないのか、数がないそうである。生でもたっぷり頂きましたわ。鴨の解剖学的講義も受け、解体された鴨の部分を観察した。綺麗な青首でございます。つやつやと青緑に光る色も鮮やかですし、羽根も立派。治部煮は流石に上品すぎましたなぁ。もっと郷土料理ぽくたっぷり頂きたかったんだけど、炊き合わせの椀に仕上げられていましたなぁ。鍋の出汁がまた旨くって、追加するぐらい呑んでました。雑炊にしても、丸も美味しい。ふぐは天然物で本日キロ23000円だったそうで、1匹50000円だそうだ。2階では忘年会でその恩恵にあずかれた。反面、二階さんも鴨のハリハリだったりする。1個しかない唇を頂きましたわ。お酒は「蓬莱」「〆張鶴・大吟醸・銀印」「八海山」といったあたり。(グレードまで拘っていない)。天然のふぐを食べたという気になりたいなら、1人20000円は覚悟しなくてはならないそうである。


1999年10月16日(土)

MLでの宴会に出掛ける。今週も「日本橋・藤久」さんに迷惑をかけた。料理は

で、持ち込んだお酒は「忠臣蔵安兵衛・山廃純米(夢錦)中取」「山城笠置屋(山田錦)」「初亀・呑切り大吟醸」「天保正一・純米大吟醸・金沢酵母」「十四代・八反錦・おり絡み」でした。この日使われた松茸の半分はキロ60000円という話であった。すべてがそれでは到底賄いきれない値段ですから、お安いのも使われておりますよ。鰹と松茸の刺身は苦心の一品で本人も頭を捻っていたが、鯛の方は自信ありげ。松茸に欠ける味わいを海老で補った料理は大変よく合っていたように思う。持ち帰りの「松茸ご飯」の値段も聞いて驚いたが、5分の1ぐらいする。拙はまたも「鯖鮨」を持ち帰る。


1999年10月9日(土)

夕御飯は「日本橋・藤久」さんへお邪魔した。もちろん来週の下打ち合わせが目的ではあるが・・・料理は

で、お酒は「八海山」「蓬莱」「李白」「花巴」と言ったところ。この日は事前にマイタケ、落ち鮎、栗ご飯を伝えていた。この日始めて天然物のマイタケが入ったと言うことであった。女性スタッフの中野さんの長野の知り合いから1.5kが入手できたと言うことであった。正月の葉牡丹ぐらいの大きさであった。流石に雪国マイタケとは違う!美味しおましたなぁ。大きすぎて使い切れないようで、いろんな料理にふんだんに使ってくれた。一方落ち鮎はもう時期が過ぎたと言うことで天然のモノを探し回ってくれたが見つからず、諦めて、子持ち鮎になったそうだ。でも、幸せですわ。いつも無理言って申し訳ない。ほっこりふっくら栗ご飯が美味しいおます。もう言うことはないけど、宴会の打ち合わせは、ちゃんとしておいた。『「焼き松茸」「土瓶蒸し」「てんぷら」「すきやき」以外の料理を出してくれ。すべての品に松茸を使ってくれ。』とお願いしておいた。めっちゃ楽しみなのである。近藤さんも考えておきますと嬉しそう。「ちらし寿司」と「鯖寿司」をお持ち帰りにしてもらう。「ちらし」は、松茸、牡蛎、穴子と盛りだくさんの具、「鯖」は微かに締められた、料理屋さんの鯖鮨で大葉を挟み込んだ、りゅうひ昆布で巻いたモノであって、共に美味しゅうございました。


1999年8月28日(土)

夕食は「藤久」さんでおます。紆余曲折を経て、この日、用意していただいたのは、鹿児島産の天然ウナギです。当初は琵琶湖のウナギを打診して、親父さんが採ってくる祖谷渓のウナギになり、養殖物になりそうだということだったが、今日の朝になって鹿児島から届いたと言うことである。感謝感激です。鹿児島の池田湖も大うなぎで有名だそうです。

予約の段階では、「しゃぶしゃぶ」と「雑炊」だけを頼んで後はおまかせにしたのだが、すっかりウナギばかりになった。しゃぶしゃぶにできるぐらいだから、生で食べられるのは当然であるが、刺身が嬉しい。酢味噌で頂くが、淡白でほとんど癖がない。ただ少し固いが、さっきまで生きていたのであるからだろうか?しゃぶしゃぶは昆布だけで出汁を取ったようである。熱が不十分だとすこし生臭い身もあるが、コチやオコゼに負けない美味しさがある。相変わらず、藤久さんの「ちり酢」は旨い。皮がめっちゃ旨いんだ。それは白焼きの時にも感じたが、厚みのある皮はねっとりと旨い。流石に最後の雑炊では飽きてきちゃった。が、しっかり食べる。「頭はどうしました?」と聞くと「半助鍋でもしましょか?」といわれるが、流石にもう無理なので遠慮する。会話も味付けです。お酒は「浪花正宗」「花巴」「六歌仙」といったところ。スッポンをこのように淡白な味わいで頂いたのは始めてですが、まる鍋や時雨煮にはない味わいです。藤久さんも「スッポンをフルコースで調理しますよ」とありがたいお言葉。スッポン料理の店として、千日前「まる元」、まる鍋の店として「煌日庵」「大市」を聞かされた。すっかり冬の食事の下打ち合わせをしているようであるが、鴨の話しも聞いた。鴨の骨をたたいて丸にするのは専門店だからできる手間だそうだ。


1999年7月24日(土)

暑重たいカバンを提げて「日本橋・藤久」さんへ。先月の宴会のお礼参りに伺った。

とにかく、アコウを食いたいと予約していたので、堪能させてもらった。アコウの「あら」も旨いが、マゴチも旨い。お酒は「北翔・純米大吟醸」で通す。この酒は新潟のお酒とは思えないほど、旨い。最後にハモ寿司を食べるとお腹に余裕はなかった。いつも期待以上の料理を出してくれるので好きじゃ。


1999年6月12日(土)

「藤久」さんでは、MLの宴会。管理人さんの成婚にかこつけた宴会である。

といった献立。ちょっこだけでた、ハモの子旨い。椀は流石の出来です。ハモとジュンサイの淡泊な味わいを損なわず引き立たせる味わいは清く深くしみこみますな。鮎も申し分ない。「藤久」さんでいつも感心するのは、最後のご飯である。今回も大満足のお品であった。持ち込まれたお酒は「天狗舞 中三郎」「秋鹿 超辛口」「秋鹿 浅きゆめみし」「旭天佑 純米大吟」「千代むすび 中取り」「千代むすび 特別本醸造」「白嶺 酒呑童子 斗瓶 しずく」「美田 恵醸」「奥播磨 平成9年金賞受賞酒」「開華 しぼりたて 8BY」「一生幸福 大吟醸 生雫」「不老泉 大吟醸 斗瓶囲い」でちょっと持ち込み過ぎやで。むちゃの持ち込んだ「不老泉」は近藤さんと中野さんの賄い用に置いて帰る。終了後もながながと話をしてしまう。話によるとミナミで「錦水」「喜川浅井」「喜川昇六」「昨一」、キタで「かが万」など評判いいようです。近藤さんの師匠にあたる「味吉兆」の中谷さんの話から、「生野」「生尾」など「吉兆」縁のお店の話まで聞く。「ハモの棒寿司」をお土産に帰る。飲み過ぎたようだ。


1999年5月15日(土)

ナンバに出る。某MLの宴会の調整にかこつけて日本橋「藤久」へ。付き出しとも八寸とも取れる一皿。鯛の子、山蕗の梅煮、とこぶし、など細やかな1品1品に主人の手間を感じる事が出来る。さより、鯛、貝柱の造りも切っただけではない。お椀は意表をつく「鯉」であった。端午の月に因んだと言うが、臭みを抜くための仕事がすごい。茗荷や山椒の吸い口もあって、淡泊な事。聞くまでは鯉とは思えぬ出来映え。「シャコ」と「ジュンサイ」の酢の物の1品は嬉しい。朝「週刊ABCDE〜す」でジュンサイを採るレポートを見たばかりである。それもあってジュンサイに期待していたのである。旬を押さえた素材にも嬉しいが、このジュンサイは三田の天然物であるとか。子持ちのシャコは、黒門の魚屋で選りすぐっての素材だそうだ。うるうるの1品だ。ついで出された「城下カレイ」の焼き物の旨さにも感激する。身の厚さからすると、相当なカレイであったろう。「マグロの丸の炊き合わせ」は、南京、なす、蕗をあしらったもの。丸の拵えにも声が出ない。ここで料理が空いたので、お凌ぎに「鯛の白子」を頂く。あぁー。旨すぎるぞ〜。本当なら食事なんだろうが、「ひらまさのかま」があるというので焼いて貰う。しゃぶった後に調子に乗って「ハモ」を頼む。目の前のハモ切りの音が期待感を増す。焼かれた石が出てくる。自分で焼くんだ、と思うと、ハモの切り身の上にはたっぷりの「このこ」が! 皮の部分をジュと焼いて食べる。今日はもう笑い放しである。すっかり満腹になった上に、蛤の雑炊である。マスカット、パパイヤ、イチゴのゼリー寄せまで言うことなし。お酒は「玉ノ井」「六歌仙」であった。


1999年3月13日(土)

「日本橋・藤久」でお昼。昨晩電話でお任せを頼んでおいたお店。今月号のdancyu登場であるが、影響無しとは近藤さんの言。美容院の婦人雑誌の方が影響大で有るという話。おそるべしおばさん。この日もおばさん2名とカウンターで同席。「豆腐を鯛で巻いたモノを種にした椀盛」には感心。豆腐を潰してたまごを混ぜて鯛の身をすりあわせたモノらしい。私は舌を巻く。藤久さんの鯛を使う料理は本当に美味しい。最後に伊勢エビを1匹分揚げた天丼を出してもらえた。いやーすごいすごい。これだけ注文してもいいかと聞くと、1200円ぐらい頂きますということらしい。病みつきになりそうなお味。新潟のお酒「三国街道」と丹波の「小鼓」を頂く。


1999年1月23日(土)

日本橋へ出る。「日本橋・藤久」でお昼のコースを頂く。「味吉兆」で修業された店主は、まだ34歳。「鯛の潮汁」のおいしさに舌を巻く。お昼からこんなすばらしいお料理を前に酒無しではいられない。「夢の調べ」を頂く。割烹「つやま」も話に聞いた。

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     なんさん通り
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                                      でんでん
                                        タウン

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