祇園丸山

adrress東山区祇園町南側570−171
call075(525)0009
open/dayお昼の御料理¥8000〜
open/night夜の御料理¥15000〜
おまかせ(季節)御料理¥25000〜
off水曜日
capacity
memo要予約・平成13年12月改装
impression 2005年7月2日
晩ご飯は、ご無沙汰だった「祇園・丸山」です。カウンターのお相手は「藤君」。すっかりカウンターの仕事が慣れたようです。
  • 梅酒
  • 梶葉盛り、鱧の落とし、梅肉、タビオカ、胡瓜、長芋羹
  • 松竹梅の椀に鱧、結び湯葉、冬瓜、実柚子
  • 祇園祭盛り、鱧と鯖の粽、鱧肝・笛・卵の煮凝り、フォアグラ小芋・伏見アマトウ
  • お造りが、おおすけます、たい、あおりいか
  • 手打ち蕎麦・ミョウガ・胡麻
  • スズキの幽庵焼、蓼おろし、松葉に刺した酢蓮根・大徳寺納豆
  • 加茂なす、あらせと、牛肉、花山椒の炊き合わせ
  • 珍味は、鯵おろし合、イカ・トビッコ・おくらの酢のもの、焼穴子に三つ葉クレソン白合えの3種
  • 茗荷ごはん、赤だし、漬け物
  • 西瓜、マンゴ、ライチ、バナナシャーベット
  • ワラビ餅、お薄
お酒はいつもの「竹酒」。
氷の山に穴を掘り梶の葉で器を作る。中に長芋羮、梅肉の餡、鱧を載せて梅肉をちょんと彩る、黄色や緑の野菜も彩りを添え、色気のある涼しさ。
季節の椀。薄い短冊の冬瓜、軸菜で結んだ湯葉。
笹の葉一枚の粽。ちょっと食べ応えがない。鱧には山椒が乏しく残念。煮こごりに笛なし。はずれで残念。小芋の中にフォアグラが入っているそうだが、少なくて良くワカラヘンかった。いずれも些細なことですが・・・
馴染みのあるお作り。天然のトリガイもあったようですが、まるまる1個と言うことはないようです。高いですからねぇと藤君。
厚みがそろってませんけどと言って出てきた「手打ち蕎麦」。「ご主人はどこで蕎麦を習ったんでしょう?」というのが知りたいところだった。若宮料理長がいうには「土井」さん?今も若い料理人が苦労して打っているのでしょう。そろえて切るのは当然出来るのだが、延ばす厚みがバラツキの原因。蕎麦屋じゃないから、手打ちの愛嬌。
スズキを幽庵にしたのを食べるのは初めてかな?蓼を大根おろしに混ぜ葛を引く。幽庵らしいコクが余り感じられないのは相性かな。
賀茂茄子を輪切り。揚げたり、抜いたりして大変手間なお仕事。牛肉の旨味のある脂分だけを残すようにするのだとか。これは料理屋の仕事だ。花山椒もうれしい香り。「あらせと」というのは「ししとう」の仲間。
酒肴の珍味三種。トビウオの魚卵。
お釜で焚いた「茗荷ご飯」。赤だし味噌は名古屋の「柿久」(漢字知らん!)。いくら本場の味噌だからと言って、馴染みのない赤みそのメーカーまでむちゃは知りませんです。
「お水」がでて、緑がかった蕨餅。蕨の茎が交じっているのだそうだ。

2004年6月5日
予約時間が過ぎてしまってあせって予約の「祇園のお店」へ急ぐ。
  • へぎあわび、ごまどうふ、叩きおくら、いくら、わさび
  • 八つ橋盛りと呼ぶ八寸は、空豆、小芋、万願寺、ウニ、ミョウガのお寿司、アジのお寿司、もづく酢
  • お造りには、こしび、たい、あまえび
  • 椀は、あこう、きくらげ、とうがん、うめ、未生の柚
  • 箸休めに、よもぎめん
  • 焼き物が、太刀魚、付け合わせ(わすれた)
  • 鯛の旨煮、サンド豆
  • 酒肴の3種盛りは、湯葉の旨煮、三つ葉とクレソンの白和え・たこの柔らか煮、ホタテの生揚げ
  • ごはん、香の物
  • 水菓子(メロン・サクランボ・マンゴ)、クリームチーズのシャーベット、蜂蜜ゼリー入りのスイカジュース
まず「梅酒」を頂き、その後のお酒はお気軽な「竹酒(玉乃光)」。
ここも「ほんまもん」の胡麻豆腐。スリスリ大変です。一方ネバネバと団子になるほどの粘りのオクラ、トントン大変です。何気ない突き出しにも若い子の苦労が忍ばれます。
竹の皮に金箔を貼った器、笹の葉で編んだ八つ橋。日本画を見るようだ。もう一品有ったような記憶があるけど、たくさん覚えられない。むちゃはイメージを覚える左脳(?)が退化しているのでダメダメだ。
甘みの強い鯛。甘エビは炙って、頭は焼いて出てくる。隣の東京からの奥様が何度も「こしび」を「こぶし」とか「こびし」とか間違うので、思わず吹き出してしまった。一回間違えて覚えてしまうと、なかなか癖が抜けないもんです。夕ご飯に合わせて東京から来るとお客さんの事を思えば、関西に住んでいてよかったぁ、と思うのであった。
お子ちゃま曰く「チューリップ柄」の椀。今夏初めての「あこう」。いつもに比べて彩りは少ないけど、涼しげな演出?の食材。
蓋付きの茶碗に麺。麺と言うから「ヨモギ」を練り込んでいるのかと聞くと「蓬麩」とのこと。つるんつるんと一気。
焼いているはずの太刀魚が不思議なほど、ほっこりとジューシー。
竹の塗りの柄入れがでてくる。煮物は鯛のあら。柔らかい甘みの出汁で煮た鯛。器の中に目玉があると、無性に嬉しくなるほど頭好き。居酒屋で出るような濃い「あら炊き」にしちゃうのは勿体ないだけに、口腹な仕事。
生揚げというのは、高温で表面だけに熱を入れたホタテ。おろしポン酢で和えて出てくる。
料理屋さんのご飯と言うには、どこも遜色無く美味しいのであるが、ここでは「土鍋」と玄関脇の「わき水」が特徴。織田有楽斎が居を構えたことから、このあたりを有楽町と言ったそうで、その屋敷跡にあったのが「如庵(漢字あってるかどうか?)」。で、その水を今でも使っているという謂われの水。
頂いた冊子には「種子の命を生かして、いかにおいしく食べるか。それができるのが塩であり、その代表的な食べ物がおにぎりです。手塩にかけたおにぎりこそ私は最高の食べ物だと思います。」と書かれている。その言葉通りに、残しては勿体ないご飯をおにぎりにしてもらう。

2004年1月31日
京都で夕ご飯は、ずいぶんと久しぶりのような気がする。新しく開拓しようとするチャレンジャー気分じゃないので、かってしったる「祇園」に席を取っていた。
1月の晦日であるが、すでに20日ぐらいから「節分」に向けた献立に変わりつつあるらしい。献立は
  • 生姜湯
  • ほたての石焼き、うすい餡、筍、つくし、木の芽、いくら
  • 八寸に福豆と一寸豆の煮たん、鰯の焼き物、芥子菜の芥子和え、いなり、キンコの黄身寿司
  • 蕪蒸し、雲丹、刻み海苔 ワサビ
  • 向こう こしび、たい、才巻き
  • 焼き物 さわらの幽庵、明太子の飯蒸し・三宝柑釜
  • 白魚の小鍋、ふき、うど、わらび、せり
  • 珍味、間人かにの茶碗蒸し、あんきも・三つ葉と芹のゴマ和え、大助のたたき・おろし葛和え
  • うずみ豆腐、香の物、追加で白ご飯
  • グレープフルーツ、苺、洋梨、バナナシャーベット、小豆の亀山にヨモギ団子、抹茶
だった。
昔食べた「生姜板」というお菓子そっくりの味と香り。懐かしさも暖かさ。
お酒はいつもの「竹」はやめて、暖かい「天狗舞」にしてみた。なかなか気持ちがいい。 冬にはよく出てくる「石焼き」。帆立の貝殻を利用した焼き物?煮物?うすいの緑も鮮やかな餡の中に帆立や筍。今年は暖かいそうで、もう山城から筍が送られてくるそうだ。春らしく土筆も添えられているけど、冬のイクラも合わせてある。うすいの緑に朱色が映える。
節分の献立に登場する「笑門来福の文字の書かれた黒塗りの1升升」。座敷ではもっと大きいサイズのもあるらしい。
大変立派な椀。金で描かれた柄がレリーフ状になっている。漆器はジャパンという割に、全然説明できない。お魚は「かわはぎ」だそうだ。椀の中で暖められた雲丹が旨いし、海苔とワサビの香りもいい。蕪蒸しといえば、百合根・木耳だけはおきまりのようだ。誰が考えたんだか?
「腐っても鯛」というけど「こしびとはいえ鮪」。馬鹿に出来ない味。きらきらと光る鯛。
銀釉の皿に出てきたのは、幽庵焼きと三宝柑。割とあっさり目の幽餡地。
平鍋にでてきたのは、春らしい野菜の鍋。真ん中に白魚がいたけど、あまり目立たず、梅肉が和えてある。淡泊な素材ばかりで、出汁が命。最後は飲み干しちゃう。
冬はお得意の焼き物の主役「かに」をちょこっと出してくる。焼き物だったらむちゃは「かに」なんかよりは「諸子」の方が、ありがたいのだが、この店でも苦労しているそうである。最後まで「燗」で通す。
ご飯は、「白魚の鍋」で七草の話をしていて話題にした「うずみ豆腐」を出してもらった。雑炊の中に豆腐を忍ばせてある。カワノリ、ごま、あられ、などトッピング。鍋もそうであるが、旨味は出汁しかないようであるが、それでも美味しいと思えるのだから、感心してしまう。
白ご飯も用意してくれているので、香の物で食べる。白いご飯も格別の美味しさ。余ったのはおにぎりにしてお持ち帰り。包み代あ要るらしい。初めて言われたわ。竹皮にちゃんと包んでくれている。
ご主人は忙しいようで、女将と少し話をする。結局ご主人とは顔を合わせなかったが、後で携帯に留守電が入っていた。「ごきんとさん」というのでしょうか?

2003年6月28日
今日も雨。今年の梅雨は雨ばかり。四条大橋から眺める床も雨に濡れるだけ。雨に曇ってとぼる灯りも、濡れるだけ。
のれんを潜って玄関にはいるとカウンター横の待合いには二人連れがお待ちの様子。むちゃのカウンターは空いているけど、お持ち下さいとのこと。後ろからも座敷のお客さんが入ってきて、大変ご盛況。ご主人が玄関から、お詫びにこられて、「段取りが悪くて」とお嘆き。
6月に訪れるのは初めて。いつもの予算の献立は
  • 自家製梅酒
  • 先付けに、水無月豆腐、いくら、わさび
  • あじさい盛りには、ゆり根のすり流しに海藤花、新ジュンサイに紫蘇の花、フカヒレの酢の物・ウニ・岩梨
  • 椀は、火取り穴子に冬瓜、結び湯葉
  • 刺身は、たい、おおすけ、いか
  • 太刀魚の幽庵焼き、酢取りレンコン
  • 揚げイチジクの田楽
  • 炊き合わせは、鯛の頭、小芋、ずいき、隠元、椎茸
  • 珍味3種盛りでは、もずく、焼き目アジのおろしあえにスナップエンドウ、完熟トマト、
  • ごはん、香の物、止め腕は揚げ麩で赤出汁
  • 水菓子にはメロン、マンゴ、佐藤錦、ココナッツシャーベット
  • 自家製本蕨餅、お薄
  • 塩番茶
だ。 最初の梅酒からでるのが遅い。ご主人の言うとおりである。
先付けがでてきてからも、飲み物を聞いてくれないので、こちらから注文したのが「竹酒」だ。板前君もカウンターの仕事になれていないようだ。豆腐の正体は「ごま豆腐」。大明嘉靖年製とある黄こうちの龍柄。
氷の上に並べられ、紫陽花の花が飾られた「紫陽花盛り」は3品。大清乾隆年製(だったと思う)というたいそうな小鉢に、中華素材のフカヒレが立派な酢の物。といってもフカヒレの産地は三陸でしたねぇ。隣のカップルは何がなんだかわからないまま食べてましたわ。面白いのは、ガラスの瓶子のような容器に笹の葉を巻いてでてきた、すり流し。浮き実にフォアグラ、すり流しの中には「たこの卵」が入っている。ほんのちょっとだけど。瓶をフリフリ飲み干す。
椀がでてくる。「ボタンハモの椀です」とおっしゃるが、香りが変やで。「これはハモ?」なんてちょっとイケズします。ほんまに、今日は段取りが悪うございますな。調理場とカウンターがバラバラでございます。
しっとり焼かれた太刀魚もおいしいのですが、幽庵の香りは乏しい。これも中国の磁器の写し。
とろりとしたイチジク、紅白の田楽が使われている。どちらも好みの食材。
炊き合わせは、鯛。目玉の部分とひれの部分を、お酒と昆布出汁で炊いたアラ。酒の甘みにショウガの香りが合わさって、旨味たっぶり。他のお客さんには、鴨に賀茂茄子のようだ。ハモといい、むちゃには京素材を出さなかったのは、意味があったのかな。
最後は、珍味で締めくくり。
ここでも、本蕨粉の黒い蕨餅だ。変化球は、黄粉に混ぜられた肉桂の風味。
カウンターで焼き物のコースを注文している客がいたので、上桂の鮎をカウンターが焼かれるのを、面白く見る。塩焼きは、泳いでいる鮎をでかい金魚鉢からつかみだして金串に打つ。2本に横串を打つ。付け焼きも注文しているようで、4本の串に打たれたイワナが奥からザルに盛られてでてくる。焼きながらたれをつけて、最後は山椒でしょうか?でも、塩焼きの方がおいしいと思うんだけどなぁ。
焼いた後で、中骨を手で抜き取るのであるが、あんまり上手じゃなく、きれいでないな。ひっくり返して盛りつけるから、見た目は関係ないけど、客の前で見せるというのは善し悪しがある場合がある。 団扇で焼くのはご主人であったが、一番てきぱきと動かれている。
食事が終わって、ご主人の板前君に厳しい言葉が聞かれるが、本日客が多かったばかりでない事情もあるようだ。
ご飯一杯炊いてくれたので、もったいなく、握ってもらう。しばし、現実を忘れることが出来ましたわ。

2003年2月15日
足は祇園へ向かう。相変わらず、花見小路の「万亭」の前は、カメラおじさんがたむろ。なにかアルバムのような物を広げて、外国人やら観光客に見せびらかしている。花見小路を進んで「鳥居元」の前から路地を上る。
他に客のいないカウンターの向かいの壁の一輪差には「椿」、静謐な中に蹲の水音が聞こえ、駆け込み天井の鳴く音が、心地よい前奏曲だ。
2月節分のお料理と言うことで
  • 甘酒
  • 先付けはカワハギのみぞれ焼き。生麩、くわい
  • 八寸に福豆と一寸豆の煮たん、鰯の幽庵焼き、芥子菜の芥子和え、いなり
  • 椀 アワビの肝入り真蒸、あわび、菜の花、結び紅白、梅柚子
  • 向こう こしび、ヒラメ、ほたて、岩茸、かぶら骨
  • 焼き物 まな鰹の幽庵、蛤の酒蒸し
  • 炊き合わせ エビ芋、丸大根、ふき、ゆば、しいたけ、金時人参、山椒
  • 珍味 金子の黄身寿司、三つ葉クレソンの胡麻和え、雲子
  • グレープフルーツ、ピーチマンゴ、苺、バナナシャーベット、白あんの亀山、抹茶
だった。 赤楽の湯飲み茶碗の甘酒から始まる。生姜と甘みが酒粕の風味より強くて、生姜湯のようですが、暖まる一杯。せっかく暖まってもお酒は竹に入った冷酒
先付けが載せられて、ここで折敷が出てくる。座布団のようなくぼんだ焼き物を石焼きのように熱した上に昆布が敷いてあります。むちゃは「丸大根のもんじゃ焼き」と言ってしまいましたが、みぞれおろしで円を描いて中のくぼみにカワハギ、生麩、クワイが餡とともに入っております。生のカワハギに熱が入った頃合いを確かめつつ、ちょこちょこおろしを摘みつつ、酒を呑む。
節分にちなんだ八寸は、笑門来福の文字の書かれた黒塗りの1升升で出てきます。中には、節分らしく豆。お稲荷さんも、鰯もやね。始めて見たのはキンコ。干しなまこを戻したナマコは黒いイボイボで、鬼の金棒に見立てた物らしい。でも、輪切りにされていたから、金棒らしくないし、全然固くなくぶよぶよだった。黄身寿司の色合いとキンコの色がコントラストが際だつ。
椀にはアワビ、菜の花。薄い吉野仕立てで、黒っぽい真蒸が隠れている。大変美味しい真蒸は、鯛の身をスリスリして裏ごしした真蒸で、すばらしい味。
ビリジアンな緑釉も鮮やかな乾山写しのお鉢にお向こう。カウンターのまな板で向こうが盛られるのを見つつ、イカが盛られているのに気づく。前回訪れたときに、イカを出したので、今日は帆立に変えてみました、ということらしい。
金の彩りも華やかな織部風の四方鉢に、焼き物は幽庵。蛤は殻に盛りつけ直されて乗っております。掛けられている餡の味の濃厚なこと。1個だけというのが寂しいくらい。
今年始めてのピーチマンゴらしい。好き。

2002年10月5日
花見小路には「温習会」のアーチがかかり、さぞや料理屋さんは賑わっているだろうと思って訪れたが、静謐。旧暦の「重陽」に当たる10月に訪れるのは始めてである。
  • 青磁の猪口に金木犀のリキュール
  • 先付は重陽の盛りつけ、かぼすを使った器に4種(百合根にいくら、孫芋・鴨ロース、菊菜とキノコのおひたし、酢蓮根に黄身酢をを挟んだ海老)、菊花の下には八幡巻と黄味の味噌漬け、菊に寄り添うは銀杏
  • 松茸に甘鯛、湯葉のお椀
  • こうは、おおすけ、たい、あおり、カブラ骨に岩茸
  • 焼き物は、うおぜの山椒焼き、煮杏
  • お凌ぎに、明太子の飯蒸し
  • 炊き合わせ(たいらがい、ごぼう、れんこん、しいたけ、いんげん、なんきん、なす)
  • 酒肴盛り3種(もずく、海胆載せゴマ豆腐、三つ葉の和え物・揚げ麩)
  • ごはん、香の物、ムカゴ入りのお味噌汁
  • 水菓子(ピオーネ・黄金桃・シャーベット)、芋羊羹、おうす
お酒はいつもの「竹酒」にします。
「きゃーキレイ!」なんて歓声をを挙げることはほとんどないけど、息を呑む事はたまにある。満開の菊の廻りにあしらわれたカボスは未開の蕾になるんでしょう。鉢植え五本立ての菊と言うことでしょうか?写真に撮ってみるとよく分かるがライトがとってもキレイで、色が際だってました。再生すると印象がよみがえってきます。むちゃは右脳の働きが悪いので、イメージの記憶は貧相で、人の顔なんかでも、全然覚えられない。デジカメに頼りぱなしです。
鮮やかな先付けの後にはモノトーンの椀だ。大津というのは、京都の隣で食文化もよく似ている。市内のスーパーには年中、一塩の「ぐじ」がパックで並んでいるほど、日常的な焼き魚の材料である。でも子供の時は、嫌いだった。子供には白身の味なんか分からんですよ。サンマやアジの方が「ご飯のおかず」になりますからね。それがいつの間にか、酒飲みになっちゃうと淡泊な「ぐじ」が美味しくなっちゃうんですな。スーパーでは小さい身の薄い魚でも、料理屋で使われるのは、肉厚で出汁に脂が浮くほど。香りの主役は松茸でも、しっかり個性が出てます。
水彩画のような淡い色合いの「」は、オレンジ色、淡いピンク、白の組み合わせ。薬味のわさびまでパステル調だし、器の色のグラデーションまで計算されたような「向」だった。
小さくて食べるところも少ないと思って、いつも見てるだけの魚は「うおぜ」です。軽んじておりました。でも、この風味は自分では無理でしょうねぇ。濃いめのゴスの染め付けが鮮やかな白磁。
明太子の飯蒸しで、お終いですと言われても、満足しちゃうほど満喫してますが、まだまだ。明太子は「ふりかけ」として頂いて帰りたくなるほどお上品な味。
炊き合わせをいただいていると、ご主人が登場して、いきなりwebの話を出されると、とまどう。ここまで既に二合のお酒で、なにかしら意味深な感想を頂くが、怪しげな記憶。珍味をいただきながら、お酒を追加。
食事をして、料理も楽しめて、脳まで活性化させてもらえたような気分。元気がいただけました。いつもより一時間ぐらい遅くまで居座って、早く帰って眠りたいことろ、迷惑を掛けてしましたわ。


2002年7月6日
正月を除いて、節句には訪れている祇園のお店に席を取っている。祇園まで歩くと、一汗かいてしまうので、お冷やを頂いて一息。食前酒から食事が始まる。
  • 食前酒
  • 梶の葉を器に、鱧のおとし、長芋羹に梅肉、キュウリ、南京、ウドの輪きり
  • 茅の輪の飾りに、酸漿の中には小芋とながとう、ガラスの器に鱧の子・肝・百合根の煮こごりと枝豆、蘇民将来子孫也の紙縒で結ばれた粽は鱧と鯖
  • 椀には、鱧と冬瓜、じゅんさい、青柚子
  • お造りには、こしび、たい、皮、あおりいか、岩茸、つまにはカブラ骨
  • お凌ぎに、イチジクの2色の田楽
  • 焼き物は、太刀魚の幽庵、酢取りの茗荷
  • 珍味寄せに、もずく、焼き目アジの〆たんはおろしポン酢と「とうもろこし」、あと一品。
  • 炊き合わせに、にしん、れんこん、なす、いんげん、山椒
  • 土鍋で炊かれた白ご飯に、揚げ麩のみそ汁、香の物
  • 水菓子は、めろん、まんご、佐藤錦、バナナのシャーベット、蜂蜜ゼリーを浮かした子夏のジュース・お薄
でした。特に「七夕」を意識した料理はないようでした。
確か「梶の木」は八坂さんゆかりの木だったはず。梶の器の底には、長芋が忍ばせてあります。上の鱧とは少し味の加減を変えた梅肉が心憎い仕事。緑や黄色、赤が鱧の白さに映えてます。お酒はいつもの「竹酒」だ。
「七夕」を期待していたけど、7月は「夏越」の盛りつけ。
立浪の柄の椀は、瀬戸内の鱧。葛の加減でとろみのついた出汁は、じゅんさいもあって、食感でも旨みを感じる。
「直山」の号の器に、お造り。こしびも鯛も、分厚く切ってあります。わさびにでっかい切れっ端が混ざっているのは、笑ってしまう。
搖落の絵付けの小皿に盛りつけられたイチジクの田楽には白味噌仕立てと赤味噌仕立ての2種類。白みそは、甘さに甘さを重ねるようで、赤みその方が好み。
「大清乾隆御製」の写しの皿に盛りつけられた、幽庵焼き。微かな幽庵で言われるまでは分からないけど、とってもジュースにな太刀魚です。
炊き合わせにはニシン。ミガキではないニシンをふっくら柔らかに甘く煮付けたもの。山椒の加減も微かに、出汁も飲んじゃいます。茄子もレンコンも京野菜。
ご飯は、お釜をカウンターまで持ってきてくれます。丸山流は、ご飯を混ぜません。満腹なので、イッパイだけ。勿体ないので、おにぎりにして頂いて、お持ち帰り。竹皮に包んでもらって、あけてみれば、梅干し3個。
祥瑞の器に、水菓子。
本日のカウンターは、貸し切り。振り返ってみれば、昨年とほとんど変わらない内容で、そういう意味で新しい感動がおまへん。ご主人は、食事が終わって挨拶にこられたが、それからが長くなってしまった。
2002年4月27日
夕食は、祇園。店に入るときにあたふたと出て行く、スーツ姿の主人と女将・・?
  • 香煎茶
  • 鯉の腹子まぶし、うど、青菜、ミョウガ、空豆、黄身酢
  • 皐月盛りは、菖蒲太刀の飾り、ガラスの器は「じゅんさい」、兜の下に「いくらをのせた衣かつぎ」、穴子の笹巻きずし、鯛の粽寿司
  • 椀は、あぶらめ、わらび、煮梅、はなびら南京、吸い口が花山椒
  • お造りが、こしび、たい、たいらぎ、岩茸、撚り大根、撚りキュウリ、大葉、カブラ骨
  • 焼き物が、鱒の南部焼き、酢レンコンに大徳寺納豆を松葉刺し
  • お凌ぎに、ヨモギ麺
  • 炊き合わせに、筍に粉鰹、鯛の子、鯛の白子、ふき、若布、木の芽
  • 珍味に、フカヒレの加減酢、百合根と三つ葉の和え物、完熟とまと
  • ごはん、香の物、粟麩のみそ汁
  • 水菓子に、スイカ、清見オレンジ、キゥイ、ココナッツのシャーベット、きな粉にまぶした刻み蕨いりの蕨餅、お薄
カウンターはすでにいっぱい、もうコースの半分ぐらいはお済みの方々、大阪のホステスを連れてのお客のようだ。最近は、少し遅い目に入る。お酒はいつもの竹酒(玉の光)
まず、鯉が出る。五月の献立らしい。それぞれの食材の彩りが美しく期待が高まる。鯉も臭みがないと、懐かしさが出ないねぇ。「魚は鯉を一番とし、その後に鯛などを出すべし(四条流包丁書)」
皐月盛りは菖蒲もしゃきり見事な盛りつけ。今年始めての「じゅんさい」。笹の香りもかぐわしい、お寿司と粽。むちゃは粽が大好き。中身が、寿司であろうが、餅であろうが、羊羹だろうが、葛だろうが、中華の肉粽まで、何でも大好き。やはり、この季節ならではで、これを目当てに食べに出る。
椀は、あぶらめ。真っ赤な梅肉がちょこんと載る場合がありますが、梅がまるまるの方が嬉しゅうございますな。わずかに残った酸味が微妙な味わい。主人曰く「味わいとは、味のない味」とか。そうそう、主人はもう、帰ってきておりました。ほんま、せわしないことですが、むちゃの料理の方は、ゆっくり進めてもらってます。
お造りは3種。
岩手の南部は「ごまの産地」。白ごまが使われてます。鱒も五月の趣向なんでしょう。ただ、ごまの香りが弱い。
お凌ぎには、ヨモギを練り込んだ麺。器はそば猪口でしょう。見た目は、うどんですが、うどんとは思えないのは、寒天でも入れているんでしょうか?ツルリンと熱いところが喉を下っていく。
筍の炊き合わせとはいえ、あわせている食材は、オールスター!でびっくり。中でも「鯛の白子」だな。木の芽もたっぷりで、ご満悦の一品
残したご飯は、「おむすび」で夜食にする。
つぼつぼに入った針状のつるつるの透明の繊維。まさかフカヒレを酢の物に使うとは思わない。トマトは高知産。
今年始めては、スイカも。まだ早いと思って買わなかったが、たががはずれる思い。蕨餅には、摘んできましたという蕨の茎の部分が練り込まれていて、透明感のある深緑色になっている。蕨餅にはなかった香りが楽しめる。

2002年3月2日
今宵は「改装されたお店」に予約を取っていた。外見は違いがないようですが、聞けば、座敷が1室増えて、掘り炬燵式に改造した部屋を作って、厨房をどんと広げたそうだ。この狭い祇園の裏道の何処にそんなスペースがと思うが、隣の一軒を買ったらしい。相変わらずのカウンターでの食事であるが、開店以来始めてかんなを入れたという白木のカウンターは、産毛を纏ったような手触り。桃の節句を明日に控えた今日のメニューは
  • ほたての石焼き、うぐいす餡、筍、海胆の天盛り、木の芽
  • 季節の「貝あわせ」には。蛤の酒蒸し、赤貝鳥貝のてっぱい、白魚・シジミの時雨・一寸豆
  • 椀は、エビのソボロをくるんだ百合根饅頭、花菜、白木耳、紅白結び、梅ガタの柚子皮
  • お造りが、大助、鯛、烏賊、岩海苔、カブラ骨、わさび
  • マナカツオの幽庵焼き、ヒレの揚げたん、大徳寺納豆と梅に抜いた板粕の揚げ物を松葉に指したあしらい
  • お凌ぎに、稲庭うどん・おぼろ、すった辛み大根・ねぎ
  • 炊き合わせが、蕪、ゆば、椎茸、鯛の白子、菠薐草、彩りに梅に抜いた人参、ふり柚
  • 珍味の盛り合わせが、蒸し白子・ポン酢、なまこ、白和えに焼き粟麩
  • 白小豆の亀山・紅白の浮き白玉、水菓子に苺・マンゴ・柚子ゼリーにバナナのシャーベット・ミント、お薄
桃の節句と言うことで、先ず「にごり酒」が供される。朱塗りに団子の絵の杯に注がれたのは、自醸酒だそうで、酒と言うより甘酒に近い。
運ばれてきたのは、暖かい料理。帆立の殻を焼いた石に載せて出てくる「帆立の焼き物」。緑も鮮やかな餡は「うすい」。暖められた裏ごしされた豆の香りが、口の中に広がります。帆立の会の白さと鮮やかな緑色が、眼を惹く美しさ。帆立の下に筍が隠れてました。
節句の料理は「貝あわせ」。八角のオリの表には「上巳禊祓」の主人の文字。
でも眼を惹くのは、短冊に切った、人参と大根を合わせて結んだ綺麗さ。真っ白の饅頭に載せられた柚子の黄色、花菜の緑と相まってこの上ない椀の彩りだ。味の濃い材料を使っていない分、出汁の加減は微妙。
始めていただいた「大助」。よく分からなかったのでゆっくり説明して貰った。貴重なモノを頂いた。烏賊に刻まれた包丁が、凄い。
スローフード、単に食事が遅いだけかもしれないが、料理が重なり始める。幽庵の加減がまたよろしいなぁ。板粕を揚げると春の香りがするでしょうと、言われるが、疑問。
暖かい稲庭うどん。
主役の男優が白子なら、女優は蕪ちゃん。脇役たくさんで盛り上げてくれます。まだ完全に春の炊き合わせでないのが、微妙な一品。
珍味は、クルミ盆で供される3皿。お酒の為の料理に当たる。
最後は、暖かい亀山に、冷たい水菓子。バナナのシャーベットが果物のソース替わりにもなる趣向なんでしょう。
今日も期待通りの季節感、歴史をも感じるサービス、食事を楽しむためのホスピタリティ、生理的な満腹感以上のモノを感じつつ、帰路に付く。祇園を愛するご主人の話が面白い。
2001年7月21日

水ようかんをぶら下げて、訪れたのは、祇園祭りの提灯が風情を醸す祇園の一角・「愛が深まる」「祇園・丸山」だ。3連休で関東からのお客さんを交えたカウンターで頂いた、祇園会の7月の献立は

  • 京錫の猪口に冷えた梅酒・竹酒
  • 先付にはハモの落とし、梅肉、長芋羹の短冊
  • 茅の輪の八寸には、ハモの煮こごり(子・肝・笛)には百合根入りで枝豆を散らす、ホウヅキに忍ばせているのは子芋・ながとう、祇園祭に因んだ、ハモと鯖の粽寿司
  • 椀は、ハモ、冬瓜、ジュンサイ、輪切り柚子の吸い口
  • 向こうが、まぐろ、いか、タイ、鯛皮に岩茸、
  • 焼き物は太刀魚、添えられているのは味噌種のオリーブ
  • お凌ぎが、イチジクの田楽
  • 炊き合わせが、ニシン、なす、三度豆に蓮根、香り付けに裏ごしした柚子
  • 珍味寄せに、青梅のワイン煮、焼き目アジの〆たんはおろしポン酢、トマト
  • ご飯が、生姜ご飯、香の物、止め椀はむすび芋茎の赤だし
  • 子夏のジュースに心太風蜂蜜のゼリー、水菓子にマンゴ、巨峰、白桃にバナナのシャーベット、お抹茶
玄関をくぐり、露地に見立てた廊下を奥へ進み、履き物を脱いで大徳寺ゆかりの駆け込み天井のカウンターへ。カウンターと座敷の境のガラスは、自動車用のフロントガラスの特注品。様々な工夫が忍ばせてあります。一度ではとても憶えきれません。先ず出てきた梅酒、ちょっとくすんだ錫の猪口の冷たさと梅の香りと酸味が、暑い中を歩いてきた喉に心地よい。暑さが引いていきます。京都にも錫のメーカーがあったようで、またウズウズする。
その後、竹酒がでて、お酒として「玉乃光」ですが、そのまま注文する。ここでは「菊姫」「天狗舞」があって、丸山さんが実際に蔵まで行って目で確かめて来たと言うが、ちょっとお高い設定。飾り気のないカウンターで客の目線は壁に掛けられた花と花器。ここにも祇園祭りの仕掛け。

最近は韓国語を話すハモが多くなったとお嘆きの丸山さん。淡路産のハモにこだわってはります。骨の硬さがその違いだそうです。山盛りの氷の上に(たぶん)梶の葉を器に見立てた盛りつけ。見た目も涼しげに、火照ったからだが戻ってきます。
茅の輪というのは、「夏越」の飾りと思っていたら、八坂さんでは7月の末日が「茅の輪くぐり」だそうで、これも7月の飾り。と言う縁起を料理長が語れるところが、教育の行き届いている証。ここの料理長も丸山さんと同じく「菊乃井」「和久傳」と一緒だった方で、丸山さん同様よどみがない。八寸の皿は「クルミ皿」と紹介された。

カウンターの端に来ているのが、東京の寿司屋さんらしく、京都のしきたりや、器の話、料理人の心構えとか聞いているだけでも楽しい。いちいち聞かなくていいので助かる。聞けば丁寧に、時には面白可笑しく過ごせる。でも、この寿司屋さん、途中で、煙草をのみに中座される。カウンター後ろの路地の待合いに行かれるのはいいとしても、「寿司屋はたばこ吸うなよ」と思う。寿司屋が帰った後の丸山さんの言葉は「寿司を握ればいいのか?心を握るのか?」と言う言葉が腑に落ちる。同業者と言うことで、喋る言葉が果たして伝わっているかは疑問だが、店の若いスタッフの、姿勢も正しく、主人の言葉を聞き漏らさないように耳を傾けている姿勢が、この店に気を感じる。
昆布とハモの骨で取られた出汁が旨い。あちこちでいっぱい食べていても、やっぱりおいしい。悪いが昨日太刀魚を食べなくて良かった。魚は日本料理がいい。焼いただけの太刀魚がこんなにも美味しい。
揚げたイチジクに白味噌の田楽と赤味噌の田楽の2種類が盛られている。ここも「山利」の白味噌だった。赤味噌は名古屋からだが、店名を言われても門外漢。イチジクの甘味と白味噌がグッド。田楽と言えば茄子だが、炊き合わせに登場。生に近いニシンを店で仕上げるらしい。ニシンと茄子がまた良い出合。出汁に混ぜられている裏ごしした柚子の風味が格別。呑みきってしまった。
ご飯が、釜で焚いた生姜ご飯。美味しいが残るので、おにぎりにして貰って、お持ち帰り。医学的には満腹ではないが、気持ちは満腹。「日本料理」の景色が感じ取れる希有なカウンター。


2001年3月31日

甲部は明日から「都おどり」、宮川町は1週間遅れて「都おどり」。のきのきに紅い提灯がぶらぶらと揺れる中、予約の電話を入れていたのは「祇園・丸山」だ。祇園のお店は始めて。緊張する。玄関をあけたところが路地風のアプローチで少し入って、右のカウンターの一室へ招かれる。履き物を脱ぐというのでちと驚くが、路地行燈が足下にはあるが、なるほど畳だ。気持ちよくくつろげます。出てきた献立は、「季節」を感じさせてくれます。

  • 桜湯
  • 筍の石焼き・木の芽のソース・白魚をのせたもの・揚げつくしが1品と筍の皮の上で焼かれたいたのは、菜の花、一寸豆、
  • 八寸に当たるのは、梅の実の当たり湯葉掛け・キャビア、サヨリの加減酢、コノワタと百合根の小鉢3種
  • 椀が、鮑の肝入り鯛の真蒸、鮑、湯葉、紅白の桜に抜いた人参と大根、芽甘草
  • 向付は、鯛、烏賊、鮟鱇の肝、つまがクジラの軟骨、山葵、岩茸
  • 真魚鰹の幽庵焼き、中骨の揚げたん、大徳寺納豆、酒粕の揚げたん、と「蒸し寿司」
  • 炊き合わせが、筍、鯛の子、鯛の白子、蕗、椎茸、若布、木の芽
  • 珍味が、間人かに、新もずく、白木耳と青菜の和え物、蛸の含め煮、蕗の薹の揚げ物に味噌餡
  • 止め椀は揚げ麩の山利の味噌汁、香の物、秋田小町を釜で炊いた白御飯
  • 水物が、いちご、まんご、文旦、バナナのシャーベット、お菓子が白餡の亀山に浮き白玉、お薄
お酒は「玉乃光」「菊姫」「天狗舞」の中、「和久傳」でもお馴染みの竹酒(中身は玉乃光)とする。先ず、塩漬けした桜の花。食べられるとは知らなかった。
いきなり焼き物が出てきたが、冬の石焼きは定番らしい。本日までということであった。少し寒い日に、まず暖かい料理で嬉しい。串団子の絵柄の杯で、玉乃光の燗を1杯。筍を木の芽和えを焼いてる感じである。少し悪を感じる筍が旬を感じさせる味の膨らみ。カウンターでも仲居さんが対応してくれるサービスに痛み入る。ちゃんと料理の説明もできるし、丸山さんの心の配りように感心する。むちゃは建仁寺のお店に2年前に訪れているが、それを予約の時に聞かれていた。そのことは、調理人さん全員に伝えられているようで、その対応には驚きます。このホスピタリティには感激ものです。この仲居さんは「花吉兆」にいたそうで、満点です。仲居さんから「吉兆」の家系を聞けるとは思わなかった。京都では湯葉の料理は良く出るが「当たり湯葉」というのは始めて。ペーストのような舌触りに梅の酸味が和らいでアイデアもの?
椀では、大きな鮑の一切れ!その下に、鮑の肝で黒くなった鯛の真蒸。もちろん自家製。出汁は、昆布だけかと思うほどで、淡いがちゃんとカツオも使っているようだ。まだまだですな。
まな板の上に出された、鮟鱇の肝はでかい。よほど大きい鮟鱇だっただろう。淡白な鯛、甘い烏賊、そして肝。烏賊には無数に包丁が入っていて、箸で掴んだ感触は「海老」のような身。仕事が丁寧です。クジラの軟骨は「カブラ骨」って言ってたかな。始めて食べました。
酒粕を2枚用意して、梅肉を挟んで、高温で揚げる。それだけらしいが、甘味を感じて不思議な1品。幽庵の加減も素晴らしい。錦糸玉子たっぷりの蒸し寿司の小鉢がセットになって出て来る。
炊き合わせは、若竹に鯛という組み合わせです。此処でも筍が見事。炊き合わせでは歯ごたえも感じられて、工夫を頂けます。この季節はタケノコですなぁ。うれしい、うれしい。
珍味は、今シーズン最後の「蟹」だそうだ。そういえば「和久傳」は「蟹料理旅館」だった「蟹しか出ない料理」を、今の料理にしたのは「丸山」君と聞いた。ふふふ
デザートの処で、丸山君が登場。ゆっくり喋らせてもらった。ここは「教外別伝」ということで、省く。さらに話は牛丼の価格破壊に・・・最後は、若い料理人の教育までも。さて、丸山君が一度だけ食べて感じたという、「和食の料理人はしないという、吉野屋の肉の下ごしらえ」とはなんだったのだろう?料理長の「若宮」君、名前を聞き忘れた仲居さん、ありがとう。お見送りに出ていただいて、気持ちよく帰路に着く。いや、ちょっと呑み過ぎたんだけど。昼から呑んでるもんなぁ。祇園の料理屋さんは明日から騒がしくなりそうだ。帰りに喉が渇くのは、最後に出たお茶が、塩入だったせいだろうか。
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 花見
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