adrress | 東山区祇園町北側279−1314番路地 | ||||||||||||||||
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平成20年2月 料理長末友君交代
平成19年11月20日 晩ご飯は、「花霞」である。 カウンターは一杯。今週の三連休も昼夜一杯だそうで、ご繁昌。
滋賀高島の「不老扇・山廃純米大吟醸・無濾過生原酒・木桶仕込み・滋賀県産玉栄精米歩合49%」。 寒い季節のお決まり」の石焼きが出てくる。名残の松茸。小皿で、牛と帆立。スダチが付いてる。 お造りが2種。鯛とカツオ。ともに醤油で。鯛は十分旨いが、もうカツオが出ても嬉しくないな。 お椀はマニアックな薄い出汁。口に含んだときより、呑んだ後からの香りが広がる感じ。こういう出汁も少なくなった。甘くなってきた小蕪は大原産。
宮津の「香田・純米大吟醸・丹後産山田錦精米歩合50%」。心地よい酒。
ブリの幽庵が焼き物。しっとり漬け込まれたブリの身は、臭みのない脂の香りと幽庵地が絡んでとっても旨い。皮まで旨い。干し柿を焼酎でふやかせたというのんは、焼酎の香りが残る部分もあるけど、甘さが脂とよく合う。
接客に肩の抜けたような大将。好感。 平成19年8月7日・火 晩ご飯は、「花霞」である。
で「秋鹿・特別純米・山廃・槽搾直汲・仕込み47号・山田錦70%・7号酵母」から。酸味が特徴的で、苦みと拮抗した味は濃厚。 冷酒用に氷を入れるガラスの器を改造したようで、お酒を入れるところに氷、氷を入れるところに牛ロース。生ですな。とろみをつけた醤油のタレ。夏は最初に冷たいモノ、さっぱりしたモノは嬉しいが、食欲のそそる脂肪分も嬉しいものだ。 季節柄の蓮の葉。 椀は、ハモ出汁。定番の組み合わせだが、ハモにもしっかり出汁の味が染み込んである。ふっくら。柚子を使わないのは、それだけ微妙なハモの香りを大事にしているんでしょう。 お造りは、剣先イカ、鯛、皮も、マグロ。鯛は身を厚くしているのだが旨味が乗ってないのが残念。たぶん山陰の夏のマグロは、脂の乗りもいまいち。 茹でたての冷や麦。流石プロの仕事と思わせる、麺の歯ごたえ。 2本目は「の天狗・純米吟醸・生原酒・朽木産山田錦・木槽天秤しぼり」。うす濁りだったようだ。味は旨い。 焼き物は鮎の塩焼き。スダチだけ。 野菜が賀茂茄子。揚げてトロンとした賀茂茄子が餡を含んで旨い。和らげるようにおろし。三つ葉の香りもアクセントになって、とっても納得の一品。海胆はまぁ、有っても無くても。 珍味三種。メインにサプライズな感動がないと、八寸・珍味と酒の肴めいた料理が目立ってしまうんじゃないかな? 香りの高い茗荷ご飯。もう少し艶があれば、満点。 デザート。目の前で作りたての葛きり。 平成19年6月13日・水 晩ご飯は、めでたい「花霞」である。カウンターは満席。赤ワインを飲んでる妙な客もいる。
百合根の豆腐と小豆で「水無月」見立の先付け。あんかけの出汁がいい。ゆっくり頂く。ゆっくりと汗が引く。 菓子盛りに由来する「華祥盛り」。かわらけの大皿に氷を敷き詰め、青楓・紫陽花。16種の素材をつかっているという八寸。ピンクの紫陽花の下の切り子ガラスの器に海藤花の一品。出汁に浸してある。後は割竹の中に盛りつけ。土佐子まぶしとは、カツオブシに小芋を転がしたもの。お寿司2品にはおろしとアサツキだけど、ちょっと効き過ぎ。 お椀は鱧。いつもながらの淡い出汁。 お造り三種はエビをかたどった磁器。トロは脂たっぷりだったが太い筋が残っていた。鯛は厚みがあって立派なんだが、旨味が乏しいようです。 2杯目は「不老扇・山廃純米大吟醸・生原酒・木槽仕込・玉栄精米歩合49%・17BY」にする。 お凌ぎが、「のぞき」に手打ちそば。 焼き物はイサキ、キュウリおろしをイサキの上下にトッピング。松葉に刺したのもキュウリ。この「キュウリおろし」はなかなか合います。 炊き合わせは、角煮。白い羽二重餡はジャガイモ。くだんの昵懇の農家の今年初物の新じゃが。美味しいジャガイモである。豚にも合う。煮汁にも合う。 巻き簀に乗った珍味。リキュールグラスに今年始めての甲州煮。箸でほぐれる程の柔らかさ。ガラスの小鉢のササミの酢の物が旨い。 ユウコちゃんは覚えていたようだが、前回と同じ「生姜ご飯」。 水物とお菓子。甘泉堂で水羊羹を買わなくて正解だった。
及第点な料理で、美味しいんですが、なんだが、食事としては感動しないし、興奮しないなぁ。当初の緊張感が無くなってきたかな? 平成19年5月5日・土 末吉町から向かった「花霞」であったが、路地を間違えること3度。四条からなら間違えないのだが・・・ 「千ひろ」の若い子が打ち水をしている。菖蒲の花で飾られた玄関。 座敷もカウンターも満席。びっくり。
先付けは、緑のコウチに、翠の豆腐。心持ち豆の香りが乏しいかな?キャビアの塩分がキツいのだが、淡い味わいの豆腐に合わないように思う。たっぷりの花穂紫蘇が鮮やかだ。 八寸には菖蒲。カクテルグラスに鯉の子まぶし。粽には「鯛」で、柏の葉でくるんだのが「あなご」。アマゴの小さいのんを「春子」と呼ぶそうである。春子にはちょこんと花山椒。パリパリの鯉のウロコがええよ。普通の店は、この季節ぐらいしか鯉がでないので、楽しみ。いつもより辛酸っぱくない酢みそが、口に合う。おかひじきを添える辺りが料理屋だな。衣かつぎにイクラは、合いますでしょうか? 「穀良都・無濾過生酒・山廃純米・穀良都70%精米」は九州で復刻栽培された酒造好適米「穀良都」で醸したというお酒。精米歩合のわりに綺麗に仕上がっている。 今年はアブラメがあちこちで、しかも長くでてくる。 お造り三種。 蓋付き熱々のお凌ぎ。饂飩のような太さの麺風の麩。辛み大根に胡麻。 焼き物が太刀魚。ジューシーでふっくら。 「李白・純米吟醸・生原酒・山田錦55%精米・山廃仕込み・ベコニア(BK-1)酵母」。李白も花酵母使ってたんやねぇ。 グツグツ沸き立つ花山椒鍋。すっかり、あちこちで見かけるようになりました。もともとは北山の方の鍋屋さんが始めたという噂を聞いたことがあるんだけど・・。今日で使い切ったとか、言うてますが・・。出汁は甘い。 珍味。今年始めてのジュンサイは、広島から。しらすの和衣の塩梅いい。 お釜のご飯は「生姜」。暖かくなって持ち帰りは嫌がるところを、自己責任と言うことで、お持ち帰り。 フルーツ、アイス、和菓子と一揃え。 流石にゴールデンウィークは、忙しかったそうである。ようやく賑わってきたというイメージ。プレシャス7月号に登場? 平成19年3月8日・木 晩ご飯に向かったのは、「花霞」。暖簾の横の大鉢に生けられているのは、小手毬と桜。まだ蕾。この路地も賑やかになってきた様子。 座敷2室が埋まって、ご繁昌の様子。
桜湯。 まず「英勲の濁り」。といっても酒粕から作った自家製濁りらしい。 1本目は「三井の寿・純米酒・荒走り・初槽・生原酒」をえらぶ。荒走っているのか疑うほど、呑み心地の爽やかな酒。 3月、冬の石焼きは、帆立。昆布の上に帆立を置き、蕗の薹味噌を乗せて、オーブンで軽く火を通してはります。出す直前に竹の子と木の芽を乗せ昆布全体を焼いた石に置く。竹の子はまだ京都産ではないとのことである。炊き合わせや、椀種でも使っている様子。焼いた味噌が旨いので、酒のつまみ。 3品がお盆ででてくるのが、貝タップリ。猪口に入っているのが、蛤、石焼きにうぐいす餡を使うと思ていたのだが、扱いを小さくしたようだ。餡は二層になっていて一工夫。蛤を器にして、てっぱいとサヨリ。サヨリには唐墨。今まで「黄身酢」と「芥子酢みそ」を混同していたかもしれないと知る。
2本目は「常きげん・山純吟・山廃純米吟醸無濾過生原酒」。ふっくらした甘味が優しい。
焼き物が季節の桜マス。身が見えない。卵白を泡立てて酒を加えて風味を出し、軽く焼き目を付けてある。ほんのりお酒の風味。 昨秋から、カード払いが出来るようになっていたそうだ。楽になりますわ。 平成19年1月29日・月 晩ご飯に向かったのは、「花霞」。暖簾の横に餅花。
石焼きの先付けは、鮑を器にして出てくる。おめでたい飾りに、ポップライス。新米の頃にもよく見かける飾り。旨く揚げられているので、お米が多い。殻を取ると、アワビの肝タップリ、ちびちび酒を呑みたいところだけど、焦げちゃう。餡は酒で延ばしているようで、ちょっと苦みが残って酒臭い。次第に消える。とっても旨くて暖まる。 八寸は三品。お正月らしい。翌日から変えるそうだ。今日から変えて欲しいなぁ。 2本目は能登の常きげん・山廃純米無濾過生・五百万石60%。現代の名工の農口杜氏の酒だが、昔の菊姫山廃のイメージとは違うなぁ。軽い。 白味噌の雑煮椀。栃の色の濃い煮餅。味噌は山利さん。さらっとした舌触り。甘い白味噌に常きげんがなんだがいい。 のぞきの器にうどん。 焼き物はマナカツオ。あっさりした幽庵、幽庵地のタレがかけられて出てくる。唐墨ちょびっと。 3本目は佐渡の北雪・純米大吟醸・生酒 熱々グツグツの鍋にはイノシシの粕鍋。なんかコクが少なくなっている印象。淡泊。猪肉は脂の多い方が甘味があって好きだが、ちょっとハズレ。とはいっても旨い鍋。勿論最後は出汁までいただく。 金箔銀箔で飾った椿の葉を用いて、珍味三種。 ネギ、胡麻、刻み大葉タップリの雑炊に豆腐が埋まっているのん。 最近の和食のお店は、デザートも大事。
「妙の華」(るみ子の酒の蔵)の1段仕込みの「どぶろく」というのんとか、「探偵ナイトスクープ」でも知られる爆発する「活性発泡にごり」とかも、あったがその手の濁りは、どうもねぇ。案の定、カウンターで飛び散ったそうだ。 2006年12月21日・木 急いで晩ご飯に向かったのは、「花霞」。すでに他のお客さんはなく、申し訳ない。9時半を越えるとは思わなかった。 心持ち早く食べる。
まるこい石の上の朴葉で焼くのは、お味噌が流れそうで怖々お肉をひっくり返すことになる。それに石に直接当たる朴葉は、焦げ付いちゃう。出し方に工夫の余地はあるけど、味噌旨い。 椀の蓋を取ると、生姜の香り。蟹?と思えばフグの白子椀。「かえり味」という言葉があるが、薄味で仕上げられている。でも、生姜がちょっと強いようで・・・。ギリギリの白子の火の入り方。今日もでっかいほうれん草だ。暖まる。 お造り三種。 2本目のお酒を「安芸虎のしぼりたて・純米」に変える。 柚子釜に飯蒸し。 とっても大きかったという「ぐじ」。酒焼き。ふっくらと焼き上がっております。 3本目は「郷の誉・生もと・純米吟醸酒」だが、先の2本の味に比べると、気の抜けたような味。こんなんだったけぇ 今月に「粕鍋」を用意しているかと思ったけど、来年から15日間だけ「イノシシ」で出すという。残念だ。その変わりに「アワビ」と大原の下仁田。グツグツの状態。ネギは香りが高いし、食べれば甘いし、出汁もええ。大原でも下仁田を栽培しているという。 酒肴三種。もうじき終わりのコッペカニ。とろみをつけたカニ酢のジュレが一工夫。雲子のミゾレも一手間かけて、とろみをつけて一工夫。 お釜で炊いた「マイタケご飯」。残ったら持ち帰り。 急いで食べたつもりでも2時間。 2006年11月26日・日 晩ご飯は、「花霞」にした。カウンターも一杯だが座敷も全部埋まった。流石行楽シーズンの日曜日だ。11月は満席ということで、結構なことでございます。京都の紅葉の集客力はたいしたものだ。
8本ぐらいの1升瓶をカウンターに並べてくれるので、銘柄と順番を決めて、まず1本目は「高砂・山廃仕込み・純米生無濾過・槽掛あらばしり」。 石焼きの季節がやって来ました。名残の松茸と牛が乗って出てくる。別皿に海老と帆立。温度が下がってきたので、石を取り替えてもらう。 お椀はぐじと蕪。客を試すような淡い吸い地。馴染みになって、好みが分かると、吸い地を変えてくるようだ。鰹を押さえたぐじの出汁。徐々にぐじと蕪の甘味が加わってくるという仕掛け。軸菜のほうれん草は、大原産でびっくりするぐらい骨太らしい。 2本目は「郷の誉・花あわせ」。名前に似合わないすっきりした酒。。 お造りは3種。 蒸し寿司は精進な具材。脂分が加わればもっといいように思うのですけど・・。 焼き物が幽庵仕立ての「うおぜ」。半身。付け合わせには、煮いて固めたプルーンと聞いたような・・・って、本来の羊羹。 3本目は「白露垂珠・純米大吟醸・生・改良信交」。 12月の献立の「炊き合わせ」として考えている「牡蛎鍋」がでてくる。ミゾレや土手を使わずに。出汁で鍋にするという意気が、好きだ。材料に自信がある仕事なんでしょう。的矢の牡蛎は年内一杯が美味しいという。大原産の赤ネギは、まだまだ甘くなるという。でも牡蛎はダメな人がいるからねぇ。 珍味の三種盛り。本当の柿をくり抜いた「柿釜」は、柿の和え物で、水菜シャキシャキ。 お釜で炊いてくれたのが、名残の松茸。お代わりするけど、残りはお持ち帰り。 水菓子に、アイス。自家製キャラメルのアイスは、甘さ控えめ。面食らった暖かいザクロのジュースだが、酸味もなく、結構いける。ザクロ次第なんでしょうね。
座敷も満席で、久しぶりにおかあはんにお目にかかる。思いがけず、大津市民だったそうです。 2006年10月4日・水 夕御飯は「日本料理屋」さん。
お椀は、松茸と鱧。鱧には鱧の子をまぶして、炙って、吸い地で煮て、出汁は鱧たっぷりの味わい。どうですかと聞かれるが「これはこれやなぁ」。味は好き嫌いあるけど、鱧の子は吸い地に散って、お椀が汚れちゃうな。食べた後が美しくない。 木戸泉の「自然舞・山廃純米・秋あがり・自然農法華吹雪精米歩合60%」 勝浦のマグロ、鯛、白イカ。 お凌ぎが飯蒸し。時間を掛けて作ったという鯛のでんぶに微塵のクチコが入っている。フワフワのでんぶがとってもイイでき具合。「紅葉でんぶ」というけれど色合いは淡い。 焼き物は、子持鮎の塩焼き。ホクホクの腹子。焼き上がって頭と中骨は揚げてもらう。 調子に乗って3本目は「梅の宿・山廃純米吟醸」。お酒は磨いたほうが好きだ、と実感。 熱々の鴨鍋。九条ネギが入っているせいもあるが、香りが高い。出汁も淡いようで、しっかり。柚子胡椒も使ってある。鴨は葛打ちしてらしく、鍋の出汁にとろみがついて、これからの季節もっと美味しく感じるでしょう。 珍味の三種はそれぞれに異なった和え物がでて、酒の肴。間引きのスグキの根と葉っぱを使った胡麻よごし。小さいスグキはヒョロっとしているんですな。 お釜で炊いたご飯は、むかご。軽くおかわりして、残りはお持ち帰り。 水菓子がでて、料理はお終い。 2006年9月6日 サライ曰く「野菜と作る過程や作り手の素顔をお客様に伝えることも”ことばのおかず”になる」という「祇園」のお店へ予約を取っていた。 またふくよかになったご主人である。
世のならひは「加賀鳶純米大吟醸・藍・山田錦(多可郡中区坂本産)精米歩合50% 」を選ぶ。 先付けに「月見豆腐」とか言うてましたな。杏を甘く炊いたんと胡桃豆腐がいいバランス。出汁の加減もよくって、タップリのおかひじきの香りも食感も楽しめるもので、食事の始まりとして、嬉しい一品。 八寸めいた「名月盛り」だったかな。9月になると里芋の葉っぱ。大原特産(?)の赤ジャガイモ。紅白になった、透き通る琥珀玉子の朱と百合根の白も鮮やかな。なにより旨いのは「煮凝り」だった。 椀には、炙った鱧、オクラの定番。また、この組み合わせを考えると夜も眠れない(てな、漫才が昔ありましたわ)。いったいお誰が始めたのか、とっても気になるところだ。たぶん鱧出汁。葛打ちした鱧を炙って、焼き目をつけて、出汁に落としているような感じ。その出汁を張ってるんでしょう。 最近高越しているというマグロである。というものの近海ものの価格はそれほど影響はなく、これから近海物のがたくさん獲れ始めると申告ではない様子。近海物の不足を補う外国のマグロが高騰しているとも。仕事をしている割醤油は好みと外れていた。なんとなく香りが薄い。 お凌ぎというのが「冷や麦」。余り懐かしさがない食べ物。かって経験のない程のしこしこ感。私、茹ですぎていたかもしれません。 懐石では「秋鮭」というのは余りお目にかかれない。そういう意味で「冒険してみました」という焼き物。「親子焼き」。不興。もうムカゴが出始めたようです。 柳川の鍋で出てきたのは「鰻」。玉子が入っていないので「柳川」ではない。立ち上がる牛蒡の香り、割った実山椒の香りとが相まって、美味しいお鍋。 珍味三種が折敷に並ぶ。 ご飯は「生姜ご飯」。生姜を炊き込むだけではないようで、ちゃんと教えてくれたが、プロの仕事はありがたいと思って、真似はしないでおこう。タップリとお持ち帰りにした。 デザートは桃とアイス、リキュールグラスに寒天。「桃は湯にくぐらすと皮が剥きやすい」というけれど、カウンターというのは実際に見られて勉強になる。始めてお目にしたけど、思ったよりしっかり茹でてました。 2006年5月17日 晩ご飯は、「花霞」。小田原と東京のお客さんがカウンター。週末はお昼も晩もいっぱいだそうだ。繁盛なにより。
7本くらいの日本酒から選んだ1本目は「郷の誉・生もと純米吟醸・無濾過生々」だった。もうちょっとコクがあるかと思たけど、あっさりした口当たり。 5月は「鯉」を使うと言っていた「子まぶし」。むちゃには咽せるほど芥子酢みそが辛い。でも器に映えたますなぁ。 続いて八寸。マティーニグラスに「醍醐風味」。まったりと言えばいいでしょうか?湯葉がベースでしょうか?詳しく教えてくれませんな。菖蒲の飾りは皐月仕様。カウンターも上に置いて貰ったので、背景がごちゃごちゃしてしまうので、ちょっとトリミングした。鯛粽の酢飯が甘く感じる。去年と同じだというけど・・・ 椀は虎魚。半身しっかり。 「杣の天狗・朽木産山田錦・純米吟醸・木槽天秤しぼり・生原酒」は薄く濁っているようだ。不老泉にしてはバランスが良い。 お造り三種。味が乗った鯛と言うよりは、脂の乗った鯛。 しまったーぁ。お昼も山かけだったんだよぉ。芽ネギ。 木の芽焼きのアブラメも半身ちゃん。皮も付いて焼き上がり。付け合わせがフキ・姫皮・じゃこが淡い味わい。美味しいと美味しい焼き物です。それにしても器がよくなったなぁ。 「秋鹿・摂州倉垣千石谷・純米吟醸切れ口寒醸造。一冬二分界仕込」もすっきり。 炊き合わせが、鯛と竹の子で「鯛竹」らしい。鯛も美味しいのだけど、甘味のある塚原の竹の子が素晴らしい。これはきっと「鯛の力」と思ったんだけど、糠を使わずにあく抜きをすると、甘味が際だつという。今時、糠を使わない店があるとは思わないので、失礼しました。「筍の力」。筍は今日まで。 珍味三種の中では、蛸と一緒に炊かれた大根が苦手なんです。モズクの酢はむちゃにはキツいし、ちょっと今日は塩梅が好みとずれるようです。アスパラの黄身酢とぶどうはいい塩梅。 いっぱい炊いてくれた「鯛飯」。すり生姜を加えて、旨い。ほとんどお持ち帰り。ありがとう。
メリハリをつけすぎた感じで、舌の好みからぶれる所はあるけれど、手を加えた料理は大好き。でも、いくら手を加えても説明してもらはんと、ただの美味しいで終わっちゃう。 2006年4月22日 今宵の晩ご飯は、「花霞」。いつのまにかwebもできてまんにゃ。 店に向かう狭い路地に入ろうとすると、デジカメで景色を撮って通行を邪魔するカップル。心の広いむちゃはデジカメごときで気分を害することもなく、撮り終わるまで暖かく見守ってあげた。ボンボヤージュ。 女性が一人でカウンターで食事する姿は、美しい。 山形からの新しい子がひとり増えました。若い。
今日の石焼きの上に乗っていたのは鮑の殻を器にした、肝焼き。肝を溶いて餡になった中に鮑などが入っている。旨い。箸の先に肝を取り、チビチビ呑めちゃう。最後に残る肝が勿体ないのでお酒で溶く。ずるずる。 お造り三種、白い髭のような海草がツマ。鯛は大きく切りすぎで、嬉しいけど女性には向いてないな。 2本目は「伊賀の舞・純米・無濾過あらばしり・生原酒・山田錦70%・6号酵母・1号仕込み」という、「るみ子の酒」で有名なお蔵。 お椀はアイナメ。葛を打っているというけど疑うほどの少なさ。徐々に梅の酸味が広がる出汁の加減も美味しい。 茶そばが少々。「お口に合いましたでしょうか?」と料理を食べる毎に聞いてくるけど、茶そば一つの出来がよかろうが悪かろうが、食事全体の印象を悪くするような重要な料理じゃないでしょう。今日の出来はよかったという茶そばも、そんなに気を張る必要はないと思いますな。茶そば一つ食べるにも気を遣うような食事を提供してはいけません。気を抜くところは抜かなくてはしんどいおます。 焼き物は魚ではなく竹の子。今日のお昼にカドカミがやってきて、誉めていったのは「竹の子の酒焼き」だったそうだ。でも出されたコレは酒を使っていないそうだ。残念。酒をふってバーナーで飛ばすらしいが、お家で出来る方はやってみよう。竹の子は塚原産で、市場を通していなくて、直接もらってくるそうだ。焼いた後に振られた鰹がイイ香り。 3本目には「白露垂珠・純米大吟醸・生・吊雫原酒・出羽燦々40%」。 竹の子の鍋が出る。お肉は煮込まれていて、鍋出汁には肉汁が溶け、その分濁りがでて美しくないけど旨味たっぷり。今シーズン初めての花山椒が嬉しい香り。 珍味が3種。といっても、今日はペースよく呑んじゃって、もう自粛。 竹の子いっぱいほりこんでくれた釜飯は2杯頂いて、詰めてもらう。 日曜日は大原の朝市。あの辺りは花粉も厳しいようで、花粉症の主人はボロボロになって帰ってくるという。きばっておくれやす。 2006年3月22日 花見小路にはすでに「都おどり」のアーチがかかっている。「日経おとなのOFF」の言葉を借りれば「祇園で若手最右翼が生む京の味」を提供する「祇園・花霞」に席を取っていた。予約した時間を忘れて、早い目に行けばええかと入店。きっと満席と思ったけど、祇園は今宵も冷え込んでいるようであった。 今日は片道3時間かけて間人まで行っていたという。仕入れた魚を出してくれます。 ユウコちゃんは東京へコンサートに行っているというので、おかあはんが登場。
竹筒の底を昆布で漏れないようにして、ウスイの餡を入れる。ウニ、ホタルイカ、筍、白魚、木の芽を入れ、焼いた石に載せればそこからぐつぐつアツアツ。 金色の竹皮に八寸、八重桜も盛り込んで華やか。リキュールグラスの盛られた白子と梅の塩梅が格別。手毬寿司には何かを塗っているようでテカテカ。 2本目は「美人長・笑・純米吟醸・無濾過生原酒・鳥取県産玉栄50%」。 椀の吸い地は、カツオを抑えた、かなり淡い味わい。木の芽の香りも、ヨモギの香りも高い。 間人で仕入れた「ほうぼう」は皮も肝も登場。生で食べたのは初めてのような記憶。旨い魚。 桜まんじゅうは、道明寺の蒸したのに、桜の花で香りをつけたあんかけ。これも香りが楽しめる一品。道明寺の中にはエビが隠れていた。 焼き物は「めだい」。これも間人。付け合わせがカブラで味噌を包んだもの。 調子よく3本目は三十才の春・御代桜・純米大吟醸・中取生岐阜県産山田錦50% 鴨鍋には、つき合いのある下賀茂の農家さんの甘いネギ。ネギの甘味が鍋出汁に移ってか甘い。茗荷を入れるのが面白い。粉山椒の香り。説明では相鴨と合鴨とは違うものだという。今日のはアヒルでは相鴨で、読み仮名は同じでも漢字を使い分けなければいけないそうだ。鴨の皮目は炙って葛を打ってある。治部煮風? 酒肴の三種盛りには、これも間人の桜エビ。日本海でも獲れるようだ。コノワタの絡めて、甘くて辛くて複雑。木の芽和えのあえ衣も一工夫しているようだけど、教えてくれへん。 最後は「あなごご飯」。予約の時には1番上のコースに出すと言うことで諦めていたけど、献立を変更してくれたようだ。錦糸玉子ではなく、炒り卵。残った分は持ち帰り。 ジェラートが2種類。暖かい柑橘ジュースて、絶対自分ではしようとは思いつかなった。
最初に見せてもらった日本酒は10種類弱あったようだが、他の店とは異なり、よく出るそうだ。回転も良いらしい。 2005年12月9日 今宵は祇園の「花霞」だ。路地を間違えてウロウロしてしまった。
寒くなって石焼きが復活。復活するけどいきなり朴葉で牛肉を焼くとは・・びっくり。ちょっと辛めの味噌を絡めて焼く。早い山菜。九条ではなく賀茂のネギ。石で一気に焼くので、味噌が焦げるのも早い。長野県の和牛。 お造りは3種盛り。 椀種は揚げた蓮根饅頭。吉野仕立て。 2本目は「不老扇・山廃純米大吟醸」。フルーティだが落ち着いた香り。古酒かな? 湯飲みに入れた口直しが稲庭うどん。熱い出汁におろした辛み大根。 焼き物がぐじ。鱗はひいてある。鱗を付けて焼くとか、鱗を立てて焼くとか、それぞれ店によって違うそうだ。鱗を寝かして焼くのが正統と思っていたが、そうでもない語り口。 柳川の土鍋で出てきたアツアツの煮物は牡蛎と蕪のみぞれ鍋だ。グツグツと出汁が煮え、甘い香りが立つ。出汁が焦げた香りなのか、蕪の香りだろうか? 酒肴の三種盛りは半紙に並べたもの。間人のせこがにが甲羅を器に。長芋の短冊にこのわた。雲子にはおろしだが葛を引いて絡めさせている。一手間。 悩んで半分だけ「苗加屋(のうかや)・純米吟醸・無濾過生原酒」というのん。無濾過生原酒というイメージではなかった。 ご飯は土鍋でムカゴご飯。余ったのでお持ち帰り。
なんかいろいろと難しい話をしたなぁ。 2005年11月2日 晩ご飯は、祇園の「花霞」に席を取っていた。カウンターに飛び飛びに「折敷」が並ぶ。
今日はお疲れで余り呑めないと伝えて出てきたのが「琵琶の長寿」。どのグレードお酒か聞かなかったが、吟醸クラスで感じる酸味は感じないので、もうちょっと精米しているかな。 冬の趣向は石焼き。今日はいい鴨が手に入ったというので焼き物。軽く焼き目を付けたぐらいで食べる。軽く塩がしてあるのでしょう。美味しい鴨だったけど、もうちょっと冷え込めばもっと美味しく感じたでしょう。 間人からいい鰆が入ったというので、お造りで出てくる。その日のいい食材で献立を替えていますよという主張に、心が許せる献立。今日は間人からの魚がいっぱい。 お椀が、ぐじ。これも間人。蓋を開けた時に魚臭さが残っていたけど、次第に消えた。グジ自体はご立派。ヒラタケも本日のご自慢の食材。 最初から2本と言ってあるので、最後に出してきたのが「菊姫・鶴乃里・山廃純米」。その名前にちょっと苦笑い。1997年頃の話だと思うが、海原雄山と菊姫がごちゃごちゃアンダーグランドでゴタゴタあったことを思い出しての苦笑いだ。ぬる燗が素晴らしいというけど、頷けるけど、冷酒で呑んでも美味しいので「燗で化ける」という意味ではないようだ。山廃らしくない綺麗さ。 ウオゼの焼き物とおこわが同じ三日月の皿で出てくる。暖かいモノが並んで出てくるというのは、とまどう。冷めやすい焼き物から頂くけど、「別々の方がいいんじゃないの?」。その意味を答えてくれたら納得するんやけど、わかんなかった。ちょっと大きな骨せんべいだったけど、ポリポリ頭までしっかり食べた。完食! おこわはなんて言ったかな?「苞蒸し?」。納豆を発酵させるような藁を束ねた真ん中に盛りつけてある。 柳川の様な鍋がコンロでたかれていたけど、丸だった。焼ネギ、捻った生麩。たっぷりの丸の身にちょこっと臓物も入っている。玉子がないのが残念。「明日は元気が出るわぁ!」とむちゃは大喜びだ。 リンゴを擦って酢の物にしようとしていたらしいが、変更したそうだ。あはは。間人の「あおり」の和え物を柿をくり抜いて釜にした盛りつけ。僅かに辛みが勝っている。 お釜でたかれたキノコごはん、白ごまの香り。香ばしく色づいたごはんが美味しい。いっぱい炊いてくれているので、お持ち帰り。これまたりっぱな木製のお箱に詰めてくれはります。手を抜く事がない。 2005年9月17日 晩ご飯は、「花霞」。東京からの母娘3人連れがカウンターの連れ。
丸盆の上に、芋の葉っぱを敷いて、並ぶ先付け。クルミ豆腐はグラスで出るが、その他は半割の細身の竹に盛られる。鴨に何かを挟んであるのだがわからんかった。 蒸し缶から出てきたのはボテっとした蓮根の饅頭。松茸を載せて、何度も当たりを付けた吉野仕立ての吸い地を張って出てくる。今日のは韓国産だが香りが今年一番だ。 2杯目は「ヤマサン正宗」。 お造りは3種盛り。トロには包丁が入っている。 琵琶湖の小鮎だが、もう子持ちである。包丁で切れ目を入れたところから、薄黄色の玉子が顔を出す。飽きてきた鮎だが、気分一新、子持ちは良いですなぁ。ええ柳包丁やなぁと訪ねると、尚台さんだった。 箸休めにそうめん。出汁の胡麻が格別に旨い。かすかに一味。 「御代桜」 何がたかれていたのか判らないほど色づいたは賀茂ナス。もう京芋が出たのかと思っていたのだが、朝取りの賀茂ナスという。大根おろしを載せて、トッピング。最後に海胆が載る。焼いた賀茂ナスはよく出るけど、炊いても美味しい。 酢の物の替わりと思える鱧は、骨切りした生に焼き目を付けて、皮からも切れ目を入れる。箸で細かくつまんで梅肉にからめながら食べられる。一番下にはズイキ。オクラはざっくり縦切り。今日もいできたザクロはまだまだ色づいていない。赤いと色が綺麗だが、白いのは「種が邪魔」なだけ。巨峰と梅肉も悪くない。ただ柿に塩がききすぎ。塩梅が悪い。 お釜でたかれたのは新米。ということで白いご飯。持ち帰れるようにしたというので、お釜に残ったは、手塩(と言っても水塩だけど)にかけてお持ち帰り。 お水が、イチジク。甘い無花果で特別なモノだと言うのだが、昔の露地物の無花果はこのくらい甘いモンだった、と思うのだがねぇ。まぁ、近くのお家に成っているを勝手にもいで食べていたんだけど・・。アイスも美味しゅうございました。 ご満悦のお食事でした。
俳優の佐々木蔵之介(京都の佐々木酒造の次男だそうだ)が10月発売の「DANCYU」で紹介するそうだ。記事は大原の青空市場から始まるらしいので、お楽しみだ。 2005年7月3日 夕ご飯は、四条を渡り北側、昨晩のお店に縁の「祇園・花霞」に入る。実家のある壬生の知り合いのおばちゃん3名の賑やかなカウンターだ。さて今晩のメニューは
あらい竹籠に梶の葉をしく。中には「鱧」。梅肉があんかけ風に絡められている。太キュウリと巨峰は輪切り。鱧に絡む塩梅が旨い。 今日の1本目は「郷の誉・純米吟醸酒・生」。フラワリーな香りが華やかだが、口に残るような嫌みはなく、キレもいい。 大きな土器のような素焼きの丸皿に氷を盛って3種盛の八寸。キスの糸造りにウニ。出汁に泳ぐ海藤花(タコの卵)と岩梨、底に隠れるジュンサイ。また一言いってしまったフルーツを使った魚介。キュイのジュースに泳ぐ車エビ。酢の物代わりにフルーツの酸味を利用するという趣旨は分かるのですが、どうも好きじゃありません。 2本目は「白露垂珠・純米大吟醸・吊雫原酒・生酒・羽黒型特別栽培改良信交40%精米」。どうも選んで純米酒をそろえているようです。久しぶりの銘柄だけど、能書きたっぷり。でも「羽黒型」って? 椀は季節の鱧、冬瓜、あと一つあったけど・・。骨切りは少し下手。椀の中で崩れてきます。川一枚残すというのは言うは易しいけど、大変だ。すましの出汁が汚れちゃいました。吸い口は「輪すだち?」。見ていると吸い地の中に投げ入れ香りを出していました。 トロに鯛。ポン酢醤油には葛でも打っているんでしょう。絡みやすくしてあります。 祇園さんの「茅の輪」は普通と異なり7月という事で、粽は「茅の輪」が添えられている。笹の葉2枚を使った粽。鯖は並みだが、鱧は山椒が良い香り。やっぱり山椒が大切。 3本目は「加賀鳶・純米大吟醸・藍・中汲み生原酒・しぼりたて・山田錦」。発売当時の「加賀鳶」のイメージは余り良くなかったのであるが、上出来。バランスのとれた丸いお酒。 鯛の身を焼いた上に、キュウリのおろし。少し葛が引いてあるような感じ。春だったら木の芽とかになるんでしょう。夏野菜を使った焼き物。賀茂で採れたと言う意味の「ししとう」の炒めタン。以前の農家の方のらしい。 炊き合わせは、変化球?豚の角煮。上に掛けられたのはジャガイモの羽二重餡。角煮の煮汁と餡が絡むと乙だ。 珍味を盛り合わせた酒肴。説明を受けるがなかなか理解できない「醍醐味豆腐」。旨味の五感の内の「醍醐味」を再現したという豆腐なんだが、まぁ簡単に解釈すると乳製品を使った豆腐ということでしょうか?「醍醐の味」というのがどうも理解できないことに原因がある。トリガイは養殖。天然でなくて残念。 茗荷ご飯。味噌は「山利」さんだとか。 食材にフルーツを使うから、水菓子は使わないということらしい。そうだったかと、今頃気づく。 お客さんの中には「鯖寿司」とか「鱧寿司」とかの希望が多いようだ。それでも、一人でやっている現状では対応できないいうのだが、特別にしてみようとやる気になっているようだ。日にちが合えば行くのですが・・・さて。 さてご主人、少しお顔がすっきり。どうも成人病を気にしてダイエット中らしい。雑誌で見るまん丸顔からちょっと痩せております。 「丸山」に居た「小林君」が故郷の新潟で独立するそうだ。がんばりや。 2005年5月3日 晩ご飯は、肩入れしている「花霞」に向かう。 関東から2組に、座敷10名と盛況。
石焼きの先付けは、竹の皮を敷いて笹の葉にタケノコ、帆立、ウスイ、のびる、海胆、を載せて、木の芽餡をたっぷり掛けて、焼き石に載せて出てくる。木の芽餡というのも焼いて煮詰まってくると、旨いものだ。この石焼き、お手軽なコースでは使わないとか・・・ウリの一つと思ってたけど、違うようだ。 お酒は「月の桂・純米・旭米」を選んでくれる。お酒のチョイスも任せてしまう。でもこれは旨味が余り無い。 酒蒸しの鮑と肝。肝・スダチ・鮑・スダチ・鮑と挟んで出てくる。サヨリの細作りをコノワタでグチャグチャ。さいころ状のアボガドをイチゴのソースにいれ、焼き目の付けたイカを載せる。3品が並べて出てくる。昔昔、カンダグワの弟子という女性料理人の店で「鯛の刺身をイチゴソースで」食べた記憶がよみがえる。青の時のソースよりはよくできている気がするけど、「おいしいですか?」 2本目のチョイスは「神亀・生」。寝かしたタイプの多い蔵で、それはそれで好きじゃないのだが、これはほどよい味わい。 昨年はヘルペス騒ぎで食べられなかったが、今年は「食べられる」という検査書が付いているらしい。牛並みだ。切り身を揚げて、出汁で炊いている。何度も何度も微妙に当たりを付けているのが、安心感になる。ゆば、こごみ、こしあぶらに、針生薑。 何度も言うがむちゃは「鯉こく」が大好き。前の店でも「鯉」が出るけど、「あら」は「鯉こく」になるそうで、まかないで随分作ったそうだ。食べ過ぎると好きじゃなくなるのかもしれない。 ここのお造りは切り身がでかい。その分、隠し包丁が入っているのだが、お上品な女性には向かないかも。でも身は厚い方が美味しさがよく分かるんでしょう。あしらいの大根は朝取り。ということは、引っこ抜いてきたんでしょう。 備前の蓋付きに熱々で出てきたのが、蒸し寿司。セルクルのような丸形で、寿司飯は青菜飯、蕗を刻んで、錦糸を載せて、生薑を載せる。 少ないと報じられていた稚鮎を塩焼き。どうやら他のお客さんは「サツキマス」のようだ。 お昼の日差しをまともに受けた影響で体調がよくない。酒も控えようと思っていたんだが、最後に残していたというのを頼んでしまった。「御代桜・杜氏・酒向・純米大吟醸」。格別。 炊き合わせとはいえない煮物椀。ぐじにはたっぷり花山椒。 お釜で炊いてくれていたのはタケノコ御飯。まだ、持ち帰れない。もったいないなぁ ニッキの薫る「きなこ」の「本ワラビ」餅。経験的に本当のワラビ餅を食べたければ料理屋に行かなくていけない印象を受ける。
今日は座敷に10名。断れなかったと仰る。一人ではカウンターが精一杯ということで、カウンター7名でしばらく営業するそうだ。 2005年3月11日 夕ご飯は、祇園の路地の「祇園・花霞」である。東京からのご夫婦一組が先客。 献立は
4月の中頃まで石焼きで引っ張るという先付けは、ホッキ貝の貝殻を焼いた石のウエに上手に乗せて具を盛りつけて出てくる。グツグツ言えば食べ頃。四万十の海苔の香り。豆の香りと貝の旨味が餡に絡んで、いいお味。 お酒はいろいろと用意しているそうだ。お酒も料理に合わせていろいろ楽しんで貰おうと定番のお酒を作らないそうだ。こういう店が増えてくれば嬉しい限り。まずは北雪」がでる。けど軽い。 立派なサヨリだったが、こんなに大きく切ったサヨリも初めて、5cmほどもありそうな幅に驚く。もちろん隠し包丁は一杯入れてあります。海老もしっぽが取ってある。丁寧だ。頭は蒸して出てくるので、バリバリ食う。 2杯目は「郷の誉・露山・澱がらみ生々原酒」。蔵直で仕入れているとか言うてましたな。酒屋さんからは買っていないとも言う。当然新酒だろうけど、ほどよく味のりしておりました。良いバランス。 自分で摘んできたという香りの強いヨモギの真蒸。お玉で練り物をすくってお鍋で湯がいて、椀種のできあがり。ふわふわ。長岡のタケノコ。今日のはちょっと固いそうだ。 精進な具材のチラシを湯葉で巻いたお寿司。ホタルイカの和え衣はむちゃにはちょっとピリピリ。 3杯目は「花美蔵・木槽仕込み」。酸味さっぱりの口当たり。悪くはないけど、少し好みからはずれる味。4本目にとっておきの酒があるようだが、ここでイッパイ・イッパイ。残念だが次の機会(まで残っているかどうか判りませんが) ジビエは大丈夫ですか?と聞いてくるけど、もう焼けていたりする。大原で捕れた鹿。農作物被害があるのか、まだ出回っているようだ。大根おろしでたべる。先日の農家さんの九条ネギ。 土鍋で炊いた牡蠣と水菜。予算に応じて具材が異なるようです。ごろごろと牡蠣が思った以上に入っていた。ここにもタケノコ。お酒の香りも加わっているのか、とっても旨い出汁。 小振りな3重のお重に珍味3種。ここでも自家製の素材。悪戦苦闘したという「こんにゃく造り」だけど、辛みが駄目なむちゃは出来が判りません。お豆腐も苦労したそうである。豆腐が豆で出いているというのがよく分かる豆腐。ここも「自分で作らんと気の済まん」お店なんだ。 最後は土鍋で炊いた釜飯。何を入れているのかよく分からなかったが、氷魚だった。大阪ならきっと白魚だろうけど、京都は氷魚が出て嬉しい。美味しいので当然持って帰りたいのであるが、持って帰らしてくれない。衛生的に自信が持てないような意味合いかな。食べきれないので残念。 2005年1月22日(土) さて、夕ご飯は祇園へ。今日は北側へ足が向く。四条通りから祇園ホテルの向かいの狭い路地に入る。まぁ有名店で言えば「千ひろ」の路地だ。飾り気のない暖簾は、一見には重たそうだけど、料理に自信ありますと言っているような、主張が感じられます。 8席ほどのカウンターに座敷もある。久しぶりの挨拶をして席に着く。カウンターの後ろで調理するオープンキッチンが、ライブ感のあるお店。お任せの献立は
「菊姫・吟醸(だったかな)」を出してくれる。これが一番高い日本酒だそうである。 タイラギは炙る。大原で抜いてきたという「青大根」がケン。シャキシャキした食感だが大根だ。 ヒラメは間人からとか?実家が魚屋だけに信頼できます。 椀替わりの土瓶蒸し。もう立派な筍で、香りもたっぷり、歯触りもいい。たっぷりの木の芽も嬉しい。そういえば「ぐじ」も京都ブランドにされちゃうようや。残りは「鯖」と「かれい」ぐらいしか思いつかないのだが・・・。 お正月というので「赤飯」が蒸し缶から出てくる。 「るみ子のお酒」にしてみる。 幽庵といっても浅漬けのような幽庵焼き。この日、毎朝抜きに行く上鴨(だったかな?)の農家のご夫婦が来られていて、野菜についていろいろ聞くわけです。辛み大根もそんな不思議な京都のお野菜。 熱々の粉ふき。振り柚子の香りだ。これもカウンターのお客さんのお野菜。煮るのは簡単だが、美味しくするのは至難というのがよく分かる。料理屋さんの仕入れる根菜は格別だ。 どーんと鍋仕立てのかす鍋。白みそ・胡麻の練りかす仕立て。甘みは酒粕だけだという。一味がスパイス。野菜たっぷり。今日の野菜の中では青大根と赤ネギ以外は毎朝もらいに行く上鴨(だったかな?)の農家のもの。野菜だけでも十分美味しいが、獣の脂が交われば、この上ない感動があるかもしれない。少し前は「イノシシ」や「鹿」も使っていたそうである。ほほーと関心。すると農家の方が「しゃぶしゃぶ」が旨いと仰る。そっかぁ! 酒肴の3種盛りには、前にいた店のんを思い出してしまった。このネギも・・・。 最後のご飯は埋ずみ豆腐の雑炊。薬味たっぷりの香りたっぷり。でも出汁は淡い。 ゼリーの上に黄色のバニラ、真っ赤なラズベリーが色鮮やか。 農家さんに感謝の食事であった。毎朝頑張って、畑から貰ってきてやぁ。 料理長一人でお店をまかないながら、カウンターでのやりとりもしながら、手際の良い仕事でこなしていく。前のお店でのご主人は「カウンターの仕事は華がいる」と言うようなことを聞いたが、その店でカウンターを任されていただけに、カウンターの食事が楽しい。 30歳を区切りとして店から出たと言うが、昨年秋の開店まで約1年半ほどブランク。何をしてかと聞けば「比叡山で修行」とは笑わせてくれはります。 お任せの懐石だけのコースだが、常にお客さんのペースに心配る点など、伝統的な京割烹の雰囲気も感じ取れる。食事の基本は「安心して食べられる」事だと思うが、主人との距離の近いこともあって、さらに運が良いことに農家さんの話も聞けて、格別。まだ若いのに、まだまだこういう店が隠れているのだろうなと思うと、京都は奥が深い。 | ||||||||||||||||
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