ひさご寿し

adrress滋賀県近江八幡市桜宮町213-3
call0748-33-1234
open/day月・水〜土曜日 10:00〜22:00
日曜日     9:00〜21:00
off火曜日
capacity
memo/impression 平成26(西暦2014)年8月30日
この時期に欠かせない近江八幡の「ひさご寿し」(3.52/11)へ、今日もビワマス目当てです。
カウンターのいつもの席。

  • 白黒ゴマ豆腐・蒲生あかねいちじく、胡麻クリーム、黒枝豆、パプリカ、花穂
  • 青漆のお椀は、焼いたマナガツオ、杉谷なす、タタキオクラに梅肉
  • 向付けには、ボタンエビ、もどりかつお(赤玉ねぎにココナッツオイル)、さば(針南京)、皮霜のきんき、イカ、刻み山葵、花付胡瓜、山葵、酢橘
  • 愛知川の天然スッポンの茶碗蒸し、焼きネギ
  • お寿司が、ビワマスの握りと鈴子の軍艦、甘酢生姜
  • ぎぎの蒲焼き、ビワマスのカマ焼き、ハジカミ
  • 珍味四種が、新イクラ、だだ茶豆、モロヘイヤ・糠漬けにしたフグの眞子まぶし、鹿の熟れ寿司
  • ローストビーフ、素麺南京、イスラエルオクラ、トレビス?
  • 滋賀県食文化財あめのうお御飯、止め椀(瀬田シジミ味噌仕立て)、香の物
  • 守山メロンのシャーベット。ブルーベリー、カボチャ餡の最中

先付けとともに八海山の麹でつくった「麹ジュース」。健康にいいというので麹が流行っているという事で、例えるとノンアルコールの「甘酒」です。で、今宵のお酒は、最新の婦人画報10月号にフランス料理と一緒に特集で紹介されているダサいんの「獺祭・純米大吟醸・磨き三割九分・山田錦精米歩合39%」です。香も優しいし、開封直後から円やかな口当たり。淡い甘みが残って喉越しは軽い。流行るというのがうなづけるというものです。

先付には蒲生あかねいちじく。隠れて見えないけど下には、白黒の二色ゴマ豆腐・胡麻クリーム。黒枝豆、パプリカ、花穂。
造る人が少なくなったという青漆のお椀には、焼いたマナガツオ。その下に油通した杉谷なす。緑はタタキオクラに、赤は梅肉。香ばしいマナガツオの香りに、吸い地もしっかり。

黄瀬戸の四方鉢の向付けには、ボタンエビ、もどりかつお(赤玉ねぎにココナッツオイル)、さば(針南京)、皮霜のきんき、イカ。もうカツオが下っているんですねぇ。でもまだ脂の乗った色合いではないようです。最近サバが取れなくなってきているんだそうです。マグロ。ウナギの次がサバだというんです。豊後水道では獲り過ぎだそうです。キンキの脂の乗りが凄い。醤油ははじくし、山葵は効かないし・・・。擦った山葵のほかに刻んだ山葵がでておりますが、スリスリしないと全然辛くないんです。
愛知川の天然スッポンの茶碗蒸し。黒っぽいのはエンペラの部分。焼きネギ。擦りしょうがの天盛。
今日のお目当てはご飯ですが、お寿司でも出してくれました。ビワマスの握りと鈴子の軍艦。寿司は寿司屋。沖ノ島あたりでは、盆があけて大雨の後、ビワマスが出回り始めたという事です。甘酢生姜

水槽で小っちゃいナマズが泳いでいると思ったのは「ぎぎ」。実際に目をするのは水族館ぐらいだし、食べた記憶もない。急に獲れたらしくラッキーです。蒲焼きですが、近い味は「味醂干し」風の味わいのつけ汁のようです。たぶんギギの淡泊そうな肉質がウナギや穴子とは違った味になっているんでしょう。川魚とは思えないクセのなさ。あわせて、ビワマスのカマ焼き。頑張ってマスのマス。時々妙な形で獲れるのがビワマスで、上に櫛状に出っ張っているのは「モヒカン」と呼ぶらしい。ハジカミ。お隣さんは「ぎぎ」を「じゅんじゅん」にしてはりました。
珍味四種が、新イクラ、だだ茶豆、モロヘイヤ・糠漬けにしたフグの眞子まぶし、鹿の熟れ寿司。記憶に残るインパクトのある鹿の熟れ寿司です。臭いのです。思わず胃から吐き出しそうになったのですが、納豆以来の経験でした。そこは大人ですからじっと我慢。まだ改良するそうですから、美味しくなればいいな。
近江牛ロースのローストビーフ。下に素麺南京とイスラエルオクラ。トレビス?。綺麗な八角形の星形のオクラでした。ゴマペーストだったかな?

たっぷり焚いてくれた滋賀県食文化財あめのうお御飯。今年は醤油の風味が強いようです。二膳頂いて、お持ち帰り。明日もビワマスだぁ!瀬田シジミ味噌仕立ての止め椀。香の物。
守山メロンのシャーベット、ブルーベリーは愛東?どちらも特産。カボチャ餡の最中。好評だそうです。


平成25(西暦2013)年9月18日
お友達と予定していた晩御飯ですが、台風18号の影響でキャンセルしたお店へ一人で食べに行きます。今日を逃すと、今年は「あめのうおごはん」を食べそこなってしまいます。なんせ「季節に一度は食べたいご飯」ですから。
毎年のようにお願いしている近江八幡の「ひさご寿し」へ、

  • 蒲生あかねいちじくと紅芋のムース胡麻クリーム、酢橘の下にタコの子、鯖寿司、自家製イクラしょうゆ漬け
  • お椀は、丸の玉子豆腐に松茸、結び三つ葉、黄菊
  • 向付けには、ボタンエビ、くえ、かつお、いわし、エビがらの素揚げ
  • 能登川産天然うなぎの(しゃぶしゃぶ風)じゅんじゅん、アワビ茸、たもぎ茸、牛蒡、ネギ
  • のどぐろの酒塩焼き、ノドグロ頭とカマの酒蒸し、揚げ銀杏
  • 珍味三種が、すくの塩辛(あいごの稚魚)、ヒガイの熟れずし、ビワますの鈴子の漬け
  • 杉谷ナス・ししとう・ローストビーフの海老そぼろ餡かけ
  • 滋賀県食文化財あめのうお御飯、止め椀(瀬田シジミ味噌仕立て)、香の物
  • パフェ(いちじくのアイス、キウイ、愛東梨、ブルーベリー、オレンジ
で今夜のお酒は、三陸復興の酒蔵のむちゃ押しの「日高見・天竺シリーズ・愛山・瓶囲い・純米吟醸・愛山精米歩合50%」です。リンゴやナシの香りが優しい甘さと一緒に真っ先に感じますが、産が少ないようでさらりとした甘いのど越し。

先付八寸の奥は、生の蒲生あかねいちじくと紅芋のムースとに胡麻クリームがかかっております。葉っぱで見にくいけど、酢橘の下にタコの子、鯖寿司。枡の中に自家製イクラしょうゆ漬け。口の中でプチプチと弾ける感触が楽しめる浸かり具合。
お椀は、丸の玉子豆腐に松茸、結び三つ葉、黄菊。丸出汁は使ってないようで、吸い地の香りはカツオと昆布のようです。温度の影響で、昆布の生育が悪くって来年以降価格が跳ね上がりそうだという話。丸豆腐もすっぽんの香りは抑え気味のようです。
お造りには、でっかいボタンエビ、くえ、かつお、いわし。別皿でエビがらの素揚げ。台風の影響で魚は諦めていたんですが、あるもんです。クエは保険として水槽で活かしていたものらし。ボタンエビの頭は味噌汁にしてくれるというので、ミソを残しておきます。

鍋が出てきて、ウナギの薄造りが並びます。能登川沖で獲った天然うなぎの(しゃぶしゃぶ風)じゅんじゅんです。アワビ茸、たもぎ茸、牛蒡、ネギなどがすでに入っていて、そこへちょっと長い時間鍋で火を通して、いただきます。甘めの鍋出汁で、ご飯のおかずが似合い料理です。貴重なウナギだし、高価なウナギ。今日は丁子麩とか、赤こんにゃくと入っておりませんな。
二段になったのどぐろで、上は酒塩焼き、下には頭とカマの酒蒸しです。チリ酢が出ます。揚げ銀杏。

珍味三種。沖縄名物すくの塩辛(あいごの稚魚)。ちっちゃいけど塩辛い。きっと泡盛のようなキリッとアルコールの強い酒が合いそうです。柔らかい日本酒とは土俵が違う印象です。魚に皇とかいてヒガイという恐れ多い川魚を熟れずしにしたそうです。これも塩分しっかりの飯です。もう少し熟れてくれないと・・。塩で酒が飲める人は大丈夫ですけど、むちゃは苦手。ビワますの鈴子の漬けは筋子のまんま。これも辛めの漬け。塩分しっかりの珍味三種でした。
蓋付きの椀で炊き合わせ。地元の杉谷ナス・ししとう・ローストビーフの海老そぼろ餡かけ。いい味でした。色から辛めに見えたけど、ほどほど。生っぽいローストビーフで、この脂とエビさんの脂で旨味アップです。
とにかくお目当ては滋賀県食文化財「あめのうお御飯」です。これだけは食べておかないと10月から産卵を控えて禁漁です。台風で食べそこねかけたけど、時間を見つけ食べる価値ありの「季節に一度は食べたいご飯」の一つ。止め椀にはボタンエビの頭がない!瀬田シジミ味噌仕立てに変わってるやないのぉ!一膳だけで、詰めてもらって持ち帰り。北之荘菜漬をつけてくれました。
パフェだ!(いちじくのアイス、キウイ、愛東梨、ブルーベリー、オレンジ。

うーん、知らず知らずのうちに食事は4時間弱だったのです。


平成24(西暦2012)年9月21日
もう季節も禁漁が近づく「ビワマス」がお目当てで、毎年のことながら「ひさご寿し」で晩ご飯。一番でしたが、カウンターはほぼ埋まってます。

  • ヒラぺリラ赤紫蘇ジュース
  • ハモの薄造り、カボスのジュレ、銀杏
  • 向付けには、ガラスの器にカマスの酢の物、くじら、ぶり、生鯖・胡麻振り、車エビ・頭焼き
  • ムカゴと鯉の真蒸、白味噌仕立て、インゲン、人参のかき揚げ
  • びわます棒寿し
  • 秋刀魚の肝醤油焼き、茄子巻き、栗のスライス、おろし
  • ししまる(イノシシとすっぽんの汁物)
  • ビワマスのカマの焼き物、アワビ・肝、松茸、アワビとビワマスのダブルソースかけ
  • あんきも
  • 滋賀県食文化財あめのうお御飯、ビワマスの卵黄掛け・北之庄菜漬け、止め椀(瀬田シジミと麩の味噌仕立て)、香の物
  • 最中(白いんげん・抹茶・黄菊餡)、イチジク
最初に比良山で栽培(獣害対策用だったとか)しているという紫蘇のジュースが出ます。ジュースですから甘い。
今宵は「善知鳥・大吟醸・山田錦精米歩合40%・H23.06」としました。相変わらず、さらりと美味しい。

先付けの料理は、カボスのジュレの下に薄造りのハモです。見にくいけど、黄菊と紫菊の酢の物を丸めたんも乗せてあります。ハモより旨いジュレ。

お造りには、海の物。ガラスの器にカマスをポン酢で和えたんだったかな。(カマスは覚えているけど)。厳しい残暑で東北から北海道にかけて沖合の鮭漁が不漁で、その替わりにブリが取れていると報じてました。そんな北海道産の一匹のようです。サバは〆たのより生が好き。塩と醤油。

椀物は、ムカゴの真蒸。噛めばムカゴが割れて香りが立ちあがります。ムカゴにしては脂っぽい旨さの白味噌の味と訝ったのですが、鯉が混ぜてあるそうです。そうか!これは鯉コクに似た味だったのです。パリッとした人参のかき揚げ。田舎っぽい素材だけど、好き。白味噌は大津の九重味噌。大津市内は遊び場でしたから、なつかしい名前です。
新聞にも出たという「ビワマスの棒寿司」が出ます。(二人分)。湖北・長浜では養殖業者4社ほどのビワマスを育て、それを盛んに商品開発しているようです。同じような商品も出ているようです。苦労して養殖方法を開発したようで、天然物に遜色がないそうです。年中食べられるのかもしれませんな。ひさご寿司では、寿司飯に一工夫。タマネギ・干瓢?忘れました。白板昆布。

焼き物は、秋刀魚で肝醤油でつけ焼き。おろしが秋刀魚の下に散らされていて、スプラウトや穂紫蘇。トッピングは栗。蒸してあるような。骨せんべいもつけ焼きでいい香り。秋刀魚に巻かれていたのは、ひさご寿司栽培の茄子。苦味のない肝醤油が巧い仕事。
煮物は「ししまる」だそうです。忍者ハットリ君の忍犬ではない。2010年2月貴船の料亭で食べたのと同じ構成の「ぼたん」と「すっぽん」。ここでは両方の肉が入っております。嫌いじゃないよ。イノシシは焼いてもいいけど、炊いた方が美味しいと思う煮物。
餡かけには、ビワマス・アワビ・松茸.焼いてあるのはビワマスのカマと松茸。蒸しアワビ。そのアワビとビワマスからとった出汁のダブル出汁の餡かけ。とにかくほとんどアワビの味。
珍味で、初物のアンキモ。一応、ビワマスのビワマスを取得した。

さて今年もお目当ては「アメノウオすずこご飯」で「季節に一度は食べておきたいご飯」のひとつ。もうすぐ、10月から二ヶ月間禁漁となります。ご飯が出る前に薄造りして卵黄醤油がけしたビワマス。北之庄菜の漬け物と赤コンニャクが乗っております。悪くは無いけど、卵黄が勝つ。ビワマスの旨みが沁み込んだご飯に、ちょっと色が似ていて分かりにくいけど、スズコたっぷり。止め椀は、瀬田シジミ。たくさん炊いてくれているので、詰めて貰います。

お菓子は最中に無花果。日吉大社かだっかに奉納したという藻中の餡は白いんげん・抹茶・黄菊餡。日本にお茶を最初に持ち込んだのが最澄だといわれ、日本最古の茶園が坂本にあります。また黄菊は「阪本菊」ともいいますから、奉納に相応しい食材。
ちょっとカウンターで話題になったのでwikepediaで調べてみました。

  • アズキ(小豆、Vigna angularis)は、マメ科ササゲ属の一年草。大納言、中納言、白小豆、黒小豆
  • インゲンマメ(隠元豆、Phaseolus vulgaris)はマメ科の一年草。金時豆(赤インゲン豆)、うずら豆および虎豆(共に斑〈ふ〉入りの豆)、手亡および大福豆(共に白インゲン豆)はインゲンマメに含まれる。キドニービーンズは、赤インゲン豆のことである。

久しぶりにあったこともあって、ゆっくり過ごして4時間近く。


平成24(西暦2012)年2月18日
数日前に「いのしし牡丹鍋いけまっせ」というメールを貰って、断る理由が無いので向かった北極点は「ひさご寿司です。寒いせいか、カウンターも、テーブルもまばら。

  • 雲子のみぞれ和え・紅心大根・サラダ山葵菜・ぽんずジュレ
  • お椀が、白魚真蒸、梅麩・梅大根・梅人参、菜の花、新海苔
  • 割鮮に、うちわえび、あぶらぼうず、さより、雪輪大根、木の芽、黄菊・・・
  • ブリの腹身とヨコワの腹身のお寿司、金柑
  • 玉締めに鱈と蓮 滋賀羽二重餅蒸し、旨味あんかけ、ウニ、ワサビ
  • 日野町いのししの猪鍋、信長ネギ、菊菜、味噌仕立て
  • 珍味三種、焼きアジと子芋に摺ったカラスミ、ノレソレ、自家製にしんの大根寿し(麹漬け)
  • 琵琶湖沖島産天然本もろこ・炭焼き酢味噌、塩
  • しもつかれ(無病息災しもつかれ近江風)
  • しじみ飯、琵琶湖産氷魚のおろし和え、香の物、止め椀(めかぶ)、胡瓜の古漬け
  • 大中苺とキゥイ、オレンジゼリー、八幡白王産黒豆ショコラ焼
今宵のお酒は「七本鑓・大吟醸袋吊り斗瓶取り・平成二十二酒造年度全国新酒鑑評会出品酒・山田錦精米歩合40%」にしました。香りは控えめメロンや梨のようなニュアンス。味は優しく繊細で、キレはいい。素直な味わい。

先付けは、真っ白の雲子のおろし和え。シャキシャキ感が紅芯大根で。緑色はワサビ菜。雲子の香りが全くしない仕上がり。良いんだか悪いんだか?

華やかな色合いの「長春富貴」のお椀は、白魚の真蒸。ムチムチ。梅が三種類入って、生麩・大根・人参。緑は菜の花。美味しいけど、今日のような寒い日に、厨房から運ばれてくる間に少し冷めちゃってる。
カウンターの寿司ネタケースには、冬の脂の乗った魚の短冊が並んでますが、その中から、あぶらぼうず、さより。活けの生簀からウチワエビ。「あぶらぼうず」と「あぶらぼう」とは品種が違う魚で、「あぶらぼう」が危険な魚。岸和田の魚卸業者の事件以来、ちゃんと「あぶらぼうず」で売られております。醤油に付けると脂がパッと広がります。ジワーと口の中で脂が溶ける旨いお造り。久しぶりのウチワエビは三重。食べるところは少ない。
蒸しものに時間がかかるようで、お寿司。脂たっぷりの腹身のブリとヨコワ。お庭で取った金柑。
で、でてきた蒸しものは茶碗蒸し。中は鱈の身に蓮根と羽二重餅米で作った団子(?饅頭?)。蓮根の香りが抑え気味のモチモチ感。

今日のメインともいえる猪鍋。ここも日野町産だそうです。聞けば近所で食べてるイノシシと出どころは同じのようだ。営業熱心な猟師さんかと思ったら、県の職員さんが熱心に促進しているのだと言う話。やるなぁ。鍋出汁は味噌仕立て。白・赤・甲州のブレンド。コクもある美味しい味。赤身の多い部分を出してくれたようですが、脂の多い方が旨いでしょう。でも旨みの溶けだした出汁はしっかり呑みます。最近よく見る県産の白ネギ「信長」。
珍味三種に梅。珍味入れには、流行りの麹で付け込んだ大根にニシン・柚子・人参・昆布。米と麹で甘酒ですから、ほんのり甘味。麹と大根で「べったら」ですな。ぶりのカブラ鮨を思わせますね。麹ブームで入手が難しくなっているんだとか。将来のアナゴ不足が懸念されるノレソレ。カラスミを削った下には、下味を付けた子芋を潰して焼いた鯵を混ぜ込んだ意欲作。うーん?

最近、縁遠いモロコが三匹。カウンター越しに炭火で焼いてくれます。最後は網に頭を串刺し。ほんのり優しい甘味もある酢味噌と塩。大きいのを選んでくれたそうですが、子持ちではありませんね。まだ水温が低いようで、最盛期では無いようです。淡白な味が大好き。
栃木の郷土料理のようですが「しもつかれ」のアレンジ。節分で使った煎り大豆を使った煮物。本場は鮭の頭が入るそうだが、ツクネで入っているのは近江軍鶏だったかな。味は和風のミネストローネみたい。

ご飯はシジミ飯。シジミの旬はよく知らなかったので聞くと、瀬田シジミは冬、ヤマトシジミは夏ということ。瀬田シジミといいながら、沖ノ島とか北の方で獲れるのを使っているそうだ。名物で売っている石山寺界隈のシジミ飯に比べて薄味。一膳でお持ち帰り。
カットフルーツのシロップ漬け(?)風。お正月の黒豆を利用(?)したチョコレートの薄皮包みみたいなん。黒豆は羊羹風。説明が難しいねぇ。


平成23(西暦2011)年9月25日
お友達は一年ぶりの訪問になりますが、「ひさご寿し」で晩ご飯。にお邪魔。この時期はのお目当てはビワマス。むちゃも「アメノウオすずこご飯」がお目当てでもあります。10月から禁漁となります。

  • 冬瓜千枚浸し(菊花二色・長芋寄せ・旨味出汁・銀杏
  • お椀が、鱧松・丸出汁
  • お造りは、ビワマス、カマス(炙り・生)、ボタンエビ
  • 皮霜さんまのワタ混ぜポン酢和え、ニンニクチップ、胡瓜、ネギ
  • うなぎのじゅんじゅん(天然ウナギ・丁子麩・タマネギ・牛蒡)
  • ビワマスの白子の握り
  • きんきの塩焼き、はじかみ、ボタンエビの頭の焼いたん
  • 八寸に、イクラの醤油漬け・刻み皮柚子、なめこ旨煮、豆腐よう、すっぽんの照り焼き、ルッコラと自家製パンチェッタのサラダ、鮒寿司、稲穂
  • アワビとシメジの餡かけ
  • ビワマスと鈴子のご飯、香の物、止め椀(ビワマスのあら)
  • ところてん(黒蜜きな粉)、無花果ブランデー煮ミルクジュレかけ
一本目は、グラッパボトルの「磯自慢・大吟醸・特A地区吉川町産愛山精米歩合50%」とします。柔らかい優しい綺麗なお酒。

鈴の蓋椀に冬瓜と長芋の蒸し物。長芋の炊き具合がいいなぁ。苦味のある銀杏ですが、最近は苦くないのが多いのはどうしたもんでしょうなぁ。黄色と紫の菊の花。
富貴長春の煮物椀は、昨年の土瓶蒸し。でも昨年の方が丸の香りが強烈だった記憶。今日は、シジミとか蛤とかの香りや味がして、丸の風味は弱め?それとも、松茸が勝った?青味は水菜だったかな?
お造りは、ボタンエビ、腹子。カマスとその皮霜。刻み大葉。ビワマス。人参トンボ。お友達に合わせて、「お造り」を入れておいてと伝えていたのはいいものの、15号の台風以後入荷がなかったそうである。で、やっと今日入荷したという代物。

二本目以降は「上喜元・純米大吟醸・2008・愛山精米歩合43%」です。同じ酒米「愛山」でチョイス。2008年という熟成酒でした。とはいっても品のいい香り。味もふっくら膨らんだイメージで、ほどよい旨みが感じられる。するすると喉を滑り落ちて行くお酒は、個性を際立たせることがなく、さらりとしている。

秋刀魚です。皮を炙って、秋刀魚のハラワタを混ぜ込んだポン酢(だったと思う)で和えてあります。臭みのない秋刀魚だし、ハラワタといっても苦味がない。ただし、自家製だと思うけどニンニクの味が強いので、後に残る。
琵琶湖の(といっても湖北だけだと思うけど)郷土料理の「うなぎのじゅんじゅん(すき焼き)」。ウナギの美味しい季節は、夏とか冬とかいろいろ言われているけど、琵琶湖の天然物に限って言えば、冬は動かないので獲れないそうで、そろそろ鰻も名残。鰻の泥臭い香りもなく、脂のノリを感じる。鍋出汁にも濁りが出ませんし、当然嫌な臭みもありません。そういう味がしみ込んだ丁子麩(すき焼き麩)が旨いんです。他の地方は知りませんが、むちゃ家も麩を入れますが、汁気を吸ってしまうので、早くに入れると怒られたものです。タマネギに牛蒡?思い返せば、二日前もすき鍋でしたな。出汁を簡単に言えば「日本料理の鍋出汁」ですね。飲めます。

ビワマスに白子が入っていたというので、軍艦巻き。ありがと。
焼き物は、キンキの頭。お造りで出たボタンエビの頭も一緒に出てくる。脂が美味しい魚。

八寸というより、酒の身の為の珍味の盛り合わせ。この季節に出てくる稲穂はここではオーブン焼きのようです。まだ弾けてないのもあったりで難しいねぇ。柚子の香るいくらの醤油漬け。紅麹の豆腐よう、自家製二年物の鮒寿司。真ん中で焼けれているのは丸です。足とエンペラ。エンペラは焼くと溶けちゃって無くなるんだと聞いたことがあるけど、ちゃんと食べられるようですね。焼いてコリコリした食感になってます。照り焼きの焼きだれの旨みがジワジワと滲んでくる。

暖かい餡かけは、アワビとキノコ。アワビの肝も入ってます。

お釜で炊いてくれてます。鈴子入りのご飯。アラが味噌汁に入った止め椀。いっぱい炊いてくれているので、ワケワケしてお持ち帰り。
ところてんに縁のある日でした。ここではデザート。
イチジクに牛乳羹。

今日、ひょっとして食べられるかなと思った、ブラックバスのコロッケは、まだまだ先の話のようです。呑気だ。


平成23(西暦2011)年8月21日
ほぼ一年ぶり。で「ひさご寿し」で晩ご飯。にお邪魔。もちろん「季節に一度は食べたい炊きこみご飯」である「滋賀の食文化財」・「アメノウオご飯」がお目当てでもあります。

  • タマネギのスライス
  • すずきと無花果、ごま豆腐 胡麻タレかけ、蛇の目胡瓜
  • ミニトマトと烏賊のトマト出汁ジュレ、隠元
  • お盛りには、サザエ、長芋のアコウ巻き、秋刀魚、サツキマス、ビワマス、アワビの肝
  • お椀は、琵琶湖産鰻、甘長、杉谷ナス、白味噌仕立て、練り辛子
  • サツキマスの握り寿司
  • 丸鍋、焼きネギ、焼き餅、新生姜のスライス
  • モンゴの慣れ寿司、飯、大根
  • 冬瓜、近江牛のランプの市松、とうもろこし餡かけ、芽ネギ、ガーリックチップ
  • あめのうお御飯、香の物、止め椀(アコウのカマ)
  • 黒ごまアイス、丁字麩のフレンチトースト風 黒糖
  • 西瓜・葡萄・ピンクグレープフルーツのパンチ、ヨーグルト寒天
一本目は「田酒・純米吟醸・百四拾精米歩合50% 」。田酒らしいと頷く好みのお酒。「百四十」は他の蔵で言えば「華想い」という青森の酒造好適米。

一品目?に、壺々にスライスしたタマネギ。甘いですねぇ。なんでも、一番最初に口に触る食材で食事中の分解が異なるそうで、最初に野菜を食べると血糖値の上昇が緩やかになるとか?最初に食物繊維を多くとれば、糖分や脂肪分の吸収が緩やかになるという説は聞いたことがあるけど、どうやらクチビルには食物センサーのような機能が備わっているかのようだ。
先付けには、ゴマ豆腐にスズキ、イチジク。ゴマだれ。ゴマ豆腐に牛乳を使うというのは始めて聞きました。修業先のレシピだそうだ。スズキを合わせるというのも、面白い。
二品目の先付け?には、トマト。トマトと出汁を合わせたジュレ。イカが刻んで入ってます。優しい酸味に甘いトマト。

お造りは、サザエ、長芋のアコウ巻き、秋刀魚、サツキマス、ビワマス、アワビの肝。長芋素麺をアコウで巻いたもの。ちょっと磯臭さが残ってました。今日は当然ビワマスを期待している訳ですが、「幻」と書かれた「さつきます」もあります。今まで五月の頃のマスをサツキマスと呼ぶんだと思ってましたが、アマゴが川を下って海にでたのがサツキマスということのようです。まぁ、琵琶湖のサツキマスにとっては、琵琶湖が海替わりってことだ。それに海に出ちゃうと、いろんな変なものを食って寄生虫が付いたりするらしく、琵琶湖ならでは利点として生食ができることらしい。脂の多い部分だったのかもしれないけどビワマスよりは脂の乗りが良いようです。味もその分濃厚です。琵琶湖では、ビワマスもそうだが、餌に鮎やスジ海老を食べているらしく、その分ピンク色の実は淡白になるそうだ。ピンク色なのは、海老の赤色色素(たぶんアスタキサンチン)だな。(拡大した写真の左がサツキマス)。それにアワビの肝も緑色の生。すし屋では余っているのかな?
お椀は、白味噌だ。天然の琵琶湖産うなぎ。最近知ったことだけど、稚魚を放流しているらしい。年々放流量が減少しているらしく、取り過ぎないようにしてほしいものだ。そういえば、昨年好評だった沖の島で鰻を大判振る舞いしたイベントは、今年その開催の噂を聞かないと思ったら、中止したらしい。難しいものやね。焼いて蒸した鰻だったかな?良い脂が白味噌としっかり合います。硬めに焼かれた地の杉谷ナス。
ツケ台にバランが敷かれて、サツキマスの握り。こういうのを食べると、ノルウェーだとかのサーモンは脂臭くって食べられませんな。

二本目は、「ガンバレ三陸」・南会津の「国権・純米吟醸・美山錦(らしい)精米歩合60%」。フルーティで甘い口当たりと膨らみを持つ、田酒と似たようなバランスのいいお酒。

ぐつぐつの鍋が出てきました。愛知川の天然のすっぽんの鍋。定番の焼き餅、焼きネギ。それに生姜の風味づけに新生姜のスライス。内卵もちゃんと入っております。今年は、すっぽんが大繁殖しているそうです。田圃にまでウロウロしていたらしい。
珍味は、馴れ寿司。琵琶湖の淡水魚の「おいかわ」の小さいのん、名前を聞いたけど忘れちゃいました。三年物らしいですが、若干の魚臭さも残るフレッシュ感のあるもの。寿司飯は団子状にして底に置かれた大根に乗せてあります。臭い珍味にも、綺麗なお酒は負けることなくマッチしてます。この店の乳酸菌は上品な乳酸菌のようです。
三本目は。再び「田酒」に戻ります。味も香りも替わりませんねぇ。

、 暖かい(見かけ)茶碗蒸し風には、市松模様に冬瓜とランプ肉を盛り付け、トウモロコシのすり流しが餡かけになってます。いつも、ほどよく肉もコースに入ってます。
今日のご飯は、当然、あめのうおご飯。まだ鈴子は入ってないということで、それは禁漁になるまでに、もう一度!だ.一膳に半分頂いて、詰めてもらいます。

デザートは二つ。お菓子は黒ゴマのアイス。それに名産・丁子麩のフレンチトースト風。立派なデザートになっている。
カットフルーツ。

ビワマスや鰻を目当てに夏にばっかり伺っているのだが、今年は猪鍋を用意するというので、楽しみ。冬の美味しいものは、鯉、鮒、シジミぐらいしか思いつかないけど、それも違った料理にしてくれそうだ。瀬田はシジミ飯で有名なんだけど、「季節に一度は食べたい」レベルの釜飯とは言えない。本物の瀬田シジミを使って炊いているところは、まだ知らないからです。瀬田シジミは瀬田川にしかいないと思っていたら、沖の島とかにも生息しているらしいが、朝鮮しじみ(?)と交雑する可能性があるようで、早いうちに食べとかないと・・・。
10月にビワマスグランプリというのが、米原町の主催で行われるという。

今日は鱧も鮎も出ませんでしたが、蒸し鱧というのが、美味しいらしい。しゃぶしゃぶでは、鱧の旨みが、どんなにうまく料理しても、損なわれるのだが、今はやりの蒸し料理だと旨みが丸っぽいただけるのだという。理屈は納得できますね。家庭ならタジン鍋を使えば簡単に出来そう。

七月末に行われた滋賀B級グルメバトルには、ひさご寿司協力の「沖島よそものコロッケ」というブラックバスを使った一口サイズのコロッケを出したそうだが、お隣の兄弟店・蕎麦屋の「逢味庵」でコロッケ定食になるとか?持ち帰りもできるようにするというけど、食材の供給は大丈夫かな?いろんなイベントに引き合いがあるそうだが、島民はイマイチ乗り気がなかったそうだ、グルメバトルで1700個を売り切って、やる気が出てきたらしい。頑張れ!

今日開催された、てんびんまつりにも「気仙沼のかつお」が販売されていたそうで、出張してカツオを60匹下ろしてきたそうだ。お疲れ様でした。


平成22(西暦2010)年9月19日
暮れてきたので、白雲館前からバスに乗って、晩ご飯へ向かいます。ちょっと早く着いたけど、「ひさご寿し」にお邪魔。琵琶湖の幸を楽しんで貰いましょうと、選んだわけですが、むちゃも「季節に一度は食べたい炊きこみご飯」である「滋賀の食文化財」・「アメノウオご飯の鈴子入り」がお目当てでもあります。満席のようで、賑やか。

  • 新いくら、とろろ、いたや貝
  • 丸松茸の土瓶蒸し、すっぽん・松茸、焼き麩、焼きネギ
  • お造りが、近江牛のミスジ、のどぐろ、太刀魚、しお(カンパチの幼名)、もってのほか
  • お凌ぎに、鮎と琵琶湖産ウナギ白焼きの握り鮨、甘酢生姜
  • 水貝、胡瓜
  • アメノウオのしゃぶしゃぶ、丁子麩、赤糸こんにゃく、水菜、ゴマタレ
  • 珍味に、アワビの肝、すずきのマリネ菊花浸し、自家製カラスミの炙ったん、バームクーヘン豚のパンチェッタの焼き物・杉谷唐辛子とおろし
  • 八幡丁字麩と天然鯛のきのこ餡かけ
  • アメノウオご飯(鈴子入り)、焼き魚(アメノウオのカマ、イワトコナマズ)、味噌汁、香の物
  • 黒ごまアイス、無花果ブランデー煮ミルク寄せ
今宵は「松の司・大吟醸・2009CLASSIC・東条町山田錦特上米(特A地区)精米歩合35%・金沢酵母・限定358本/1500ml」を呑みます。深いコク。厚みがあるけどクドサがない。
先付けは、刻んだイタヤ貝をトロロで和えて、イクラのトッピング。イクラの硬さが丁度いい具合。硬くもなくやわやわでもなく、プチプチと弾けていきます。
二晩続きの土瓶蒸しかと思ったけど、サプライズだったのはすっぽん入り。旨さに顔がほころぶという味です。丸鍋風に、ネギ。焼き餅の替わりに焼き麩。丸鍋に松茸の香りが旨さを強調しているようです。スダチがないので自信の出来なんでしょう。反則技のような旨さ。
お造り4種。カツラむきにした大根を丸めて、その上にお造り。脂の乗った「太刀魚」。溶けるような「のどぐろ」。久しぶりの肉刺し。もう見た目には、マグロです。御主人自らのかつらむき。
琵琶湖の魚でお凌ぎ代わりをと、注文をつけていたお寿司で、琵琶湖のウナギの白焼きと、生の鮎。(色が微妙に悪いけど勘弁)
あまり生でお見かけしないアワビを「水貝」。昆布出汁にアワビを刻んで入れとくだけで、淡い白いアワビの旨みが出てくるという。アワビの旨みは、昆布を食べているのでグルタミン酸だそうです。美味し出汁は残さずに。

今日はアメノウオをしゃぶしゃぶにしてくれました。骨から取ったという出汁が美味しい。数秒出汁にくぐらせて、ゴマだれでいただく。そのまま何もつけなくても鍋出汁で十分ですけど。近江八幡でも一軒だけという赤糸こんにゃく。魚と一緒に出てくると、なんか別の物に見えてくる。見た目はあまり気持ちのいい色じゃないな。
酒肴を4種。アワビの肝はここに使われて出てきました。これがなきゃアワビの点睛を欠くというものです。たねやの豚さんのパンチェッタはちょっと塩が強かったな。カラスミは優しい味。マリネもいい加減。
煮物で、アマダイ。たっぷりキノコの餡かけ。葛を引いた出汁も美味しいねぇ。
最後は、釜で炊いた「アメノウオご飯」で鈴子入り。お共に、アメノウオのカマの塩焼と、こう今年最後という「イワトコナマズ」。高級魚にならないといいな。一膳いただいて、ワケワケしてお持ち帰り。

デザートはミルク寄せ。イメージ的にはパンナコッタとかババロアに近い?ユルユル。


平成22(西暦2010)年7月1日
今年も「季節に一度は食べたい炊きこみご飯」に数える一つを食べに近江八幡へ。
駅から中途半端な距離を歩いて「ひさご寿司」に向かいます。

 
  • 隠元と白隠元の水無月見立ての寒天寄せ、じゅんさい、ウニ、茗荷、クコ、加減酢
  • 割鮮に、イワトコナマズ、びわます、剣先イカ、焼き霜のアイナメ、粒貝と肝
  • 丸鍋、焼きネギ、焼き餅
  • 近江牛三角バラ煮込みの炙り焼き、ラッキョウ
  • 東川なすの揚げ浸し、白ズイキ、糸かつお
  • 満潮焼(「マンボウの腸のネギ味噌焼き)
  • あめのうお御飯、ビワマスの頭の塩焼、止め椀、香の物
  • 梅の蜜煮・パイナップル・せりー、白玉小豆
まず「獺祭・純米吟醸50」。すっきり。
先付けは「水無月風の寒天」にジュンサイ。一日遅れの見立て。爽やかな飲み心地の酢の物。白隠元に含まれるファセオラミンは炭水化物の吸収を防いで糖分の摂取を阻害するというのでダイエット効果があると言われます。だから、食事の最初にでてくると、効果的です。
お造りには、こりこりの粒貝。その肝は別の小鉢。朱色の器にはイワトコナマズ。ナマズは例えが見つからないけどニュルンとして熟れた魚のような食感で淡白な味わい。脂の乗った腹身のところのビワマス。どうやら「ペケポン」で「イル・ギオットーネ・丸の内」が「ビワマスのムニエル 岩モズクのソース」の一皿30000円の料理を紹介したそうだ。凄い値段にカウンターを挟んで笑い合った。相場を上げないでもらいたいね。骨切りして焼き霜のアイナメ。まだシーズンなんだそうです。
二本目は「喜楽長・大吟醸・平成21酒造年度全国新酒鑑評会出品酒・精米歩合40% 」に替えます。鑑評会前に販売したものだけど、結果として「金賞受賞酒」になったお酒。磨いただけはあるという綺麗な口当たり。
煮物椀には、丸鍋がでてびっくり。愛知川に住んでいた天然(というか野生)のすっぽんちゃん。なんとも濃厚な色合いに、さもありなんというワイルドな味わい。こんなに旨みの濃いすっぽんちゃんは初めてだ。煮崩れているけど内卵も肝も。ネギや餅にもしっかり味がしゅんでます。

なんだか妙なお肉が出てきました。見れば豚バラのようなお肉で、焼いているのかと思って食べるとトロトロ。聞けば、近江牛の三角バラを角煮風に煮込んで、最後に焼いたそうです。角煮でも旨そうですが、焼くことによって一味加わるそうです。ここは、寿司屋だったとよなぁと疑問がよぎる一品。
近江八幡市東川地区の地野菜の東川なすの揚げ浸し。東川ブランド農産物の一つで、無名だけど、市場での品質の評価が高いそうだ。
ご飯のおかずになりそうな一品は、満潮焼と呼んでいるそうです。「マン」ボウの「腸」の「焼」き物ってことと後で気がつく。ネギ味噌風味でスパイシーなので中華風のニュアンスもある。コリコリの腸で、これだけ売られているそうだ。日本酒よりはビール向き?
お目当ての炊き込みご飯が「あめのうおご飯」。「滋賀の食文化財」の一つ。今日は小さいようで、丸々頭一個カマ付きで、ご飯の友。小さいけれど鈴子は入っていて、とても取りにくい小さいサイズだったけど、盛り込んでくれました。小さすぎて、旨く噛み切れずに味わえないのが残念。最盛期にリベンジだ。カマからビワマスのビワマスを取ろうとしたけど小さ過ぎて、目玉の空いた頭は取れたけど尻尾は見失ってしまった。歯が獰猛そうな牙。ここでは、出汁で炊くし、身をほぐしてあるけど、どうも一般的には、丸っぽ生魚をお釜に入れt炊くところあるそうだ。それがオリジナルなんでしょうね。料理屋ならではのご飯。いっぱい炊いてくれてるので、持ち帰ってお昼にまた楽しめます。

デザートには、梅にゼリー。白玉あずき。

今日気がついたけど、カウンターでタバコ客が多い。田舎のお店だけに、これから苦労しそうですねぇ。
淡水の水槽にはマナマズが泳いでおりました。今日は出なかったけど、鰻もぞろぞろ。


平成21年9月20日
晩御飯は「ひさご寿司」に「あめのうお(びわます)の鈴子」目当てに予約していた。
おまつりの観光客でお昼はとんでもない清京だったそうで、夜もテーブル・座敷もいっぱいだそうだ。カウンターにはちらほら空席もあった。
  • 茄子と菊の花のお浸し、あわび茸、帆立、枝豆、とんぶり、水菜
  • 瀬田しじみ汁
  • たいらぎを器にしたお造りが、タイラギ、いか、のどぐろ、ミンククジラ
  • お寿司で、こはだ、鈴子、いくら
  • 丸十の満月蒸し、バームクーヘン豚味噌煮込み
  • 鯛の皮のポン酢和え、ネギ、唐辛子
  • 紫式部で飾られたアマダイの焼き物、銀杏、はじかみ、レモン
  • 冷たい炊き合わせは、イチジクのゴマだれ、タコの柔らか煮、カボチャ、おくら
  • 自家製酒盗
  • ノドグロの頭の酒蒸し、松茸、三つ葉
  • 丁子麩の辛子和え、菱蟹、ずいき、きゅうり
  • 鈴子入りあめのうおご飯、香の物、止め椀
  • ミックスベリーのシャーベット、栗羊羹
最初は「日高見」。かすかに甘い口当たりのすっくりしたお酒。精米歩合が60%だそうだが、その割にキレのいい性格。修業先の後輩が送ってくれた酒のようです。
派手な青色の器に黄色・紫色の菊を散らした茄子のお浸し。あわび茸、枝豆、三つ葉、トンブリ、それにホタテ(細かく刻んでいるので正体が怪しいけど貝だとおもう)のいろんな味が混じった旨さ。
蓋付きの器に、瀬田シジミの汁。水だけでシジミの味だけだという。ちょっと頼りない味だけど、シジミの味はしっかり伝わってくる。瀬田のシジミは、味噌を入れないと泥臭いと思っていたのは間違いだったと教えてくれますな。わざわざ近江八幡で瀬田のシジミなんだけど、年間契約で仕入れているんだとさ。

2本目からは「田酒 純米大吟醸 百四拾 華想い精米歩合40% 」。優しい甘味が広がる旨い性格。日高見に比べふくよか。
タイラギを器に閉じて出てくるけど、上を外してメモ。当然タイラギでひもも。イカ、ノドグロにミンククジラ。グニュと歯ごたえのないノドグロだけど、喉の奥からじんわりと脂の旨味が広がる。昨年あたりから、刺身にしてもいいノドグロが入るようになったというのだけど、どうも不景気のせいで回ってくるようになったらしい。よろんでられませんな。綺麗な赤身のくじら。
お寿司を出してくれて、こはだと鈴子。一緒にイクラも食べ比べたいと、リクエスト。箸でつまんで比べてみると、流石に旨さやコクは鮭の方が強いのだが、魚卵の癖が感じられず、穏やかな旨味の鈴子も美味しい。軍艦を一口で食べると、口の中で暴れまくる鈴子。

丸十の満月?わかりやすく言えば茶碗蒸しにサツマイモ(丸十)の団子が載って満月。芋を食ってる豚を味噌煮込みにしてサツマイモで団子にしてあるという仕掛け。豚をバームクーヘンで団子にはできませんね。散らされているのは道明寺を揚げたものらしい。
焼き物が出るまでに酒肴の「鯛の皮」がポン酢であえてでてきます。生の鯛の皮はほとんどが油だ、と実感できるくらい、口の体温で溶けていきます。
紫式部が添えられた、焼き物には赤アマダイ。アマダイ用の地に漬けこんであるようで、香りもいいし、ふっくら。ウロコ付きで見た目は酒焼、若狭焼き風?
つなぎの酒肴に自家製の酒盗。塩辛さ満喫。ちょっと寝かして塩気が落ち着いた方が好き。
炊き合わせは、イチジク蛸南京。芋タコ南京の変化球。冷製。浜穂紫蘇。
デーンとでてくるノドグロの酒蒸し。脂がのって、どの部分を食べてもとろんとしてます。松茸の香りもいいし、煮汁も最後まで美味しく頂けます。いっぱい魚の頭を酒蒸しにしてもらっているけど、かなりいけます。とうぜんのように「ノドグロのタイ」を採る。ウマヅラハゲみたい。

郷土料理の一つ、丁子麩の辛子和え。料理屋らしく一仕事してあわせてあるのが菱蟹とズイキ。辛子和えとはいえ、辛味より旨味を感じるくらい。

今日のお目当ては「あめのうお(びわます)の鈴子入りごはん」。「季節に食べたい釜めし」の一つである「あめのうおご飯」のスペシャル飯だ。「親子ごはん」ですな。ただでさえ鱒の柔らかな脂の旨味がごはんに浸み、旨いと思っているのに、醤油漬けの魚卵のコクが加わるのだからたまりませんな。ちょっと硬い目の鈴子がここではいい食感で、ブチっと口の中で潰れるたびにコクと塩気が御飯をさらに旨くする。二膳頂いて、お持ち帰り。たっぷり炊いてくれてます。ありがとう。

デザートは、ミックスベリーのえんじ色のシャーベット。木イチゴ、赤や黒のすぐり、ブルーベリーなど。種もいっしょくたにシャーベットにしてあるので、シャリシャリの歯ざわり。食べづらくもあり、楽しくもあり。栗たっぷりの栗羊羹。つぶあんの小豆羊羹。栗の味の勝ち!

琵琶鱒にしても、ウナギにしても、他県に行けば倍から(東京では)5倍くらいの値段になるそうで、滋賀はいいなぁと実感できますなぁ。
メニューの中で気になったのは「秋刀魚のしゃぶしゃぶ」。サンマはどうなるのだろう?臭くないのかなぁ?


平成21年7月26日
ナマズを食べさせてもらった、「ひさご寿司」に「あめのうお(びわます)」が入荷しているというので、近江八幡へ。幸いにも、雨に降られることなく到着。カウンターは満席!
  • 渡り蟹養老寄せ(素麺・隠元・茗荷・じゅんさい・タタキオクラ・百合根・クコ)
  • 琵琶湖産天然すっぽんの煮物椀
  • お造りが、がしら(梅肉)、琵琶ます(ワサビ)、サンマ(生姜)、芽ねぎ、茗荷、水ナス
  • 琵琶湖産天然ウナギのじゅんじゅん(ウナギ、豆腐、麩、ごぼう、ネギ)
  • 琵琶ますの頭の蒸しもの、ネギ
  • バームクーヘン豚、冬瓜の煮物、トウモロコシ餡、辛子
  • ハモの炭火焼、アワビの肝の炭火焼
  • 太刀魚と芋茎のヒロウス、甘長、焼きズッキーニ、刻んだパプリカ、振り柚子
  • あめのうおご飯、止椀、香の物
  • 黒蜜わらびもち・きな粉、フルーツ(キウィ、まんご)
今宵は田酒・純米大吟醸・磨き四割五分・山田錦精米歩合45%を呑む。
涼しげな先付けが舟形のガラスの器。蔵麺を一番底に固めたゼリー(?)寄せ。生姜風味の淡い吸加減。ものすごく細かく叩かれたオクラ。トロロと言った方が近いカモ。勿論呑み干します。
蓋椀に丸。濃厚な色を見せる。生姜や酒を押さえた丸の風味の強い吸い地。琵琶湖沖ノ島付近の天然ものだそうだ。

白磁の長皿に綺麗に並べられたお造り。薬味の異なる3種。ガシラを生で食べるのは初めてかも。コチやオコゼも同じ仲間だそうで・・。お目当てのアメノウオはもう少し厚く切ってくれると、一層嬉しいところ。北海道の、すでに脂の乗ったサンマ。
去年は鍋で出してくれた「ウナギのすき焼き」。割り下を使ったすき煮です。プリンといながらもコリっとした程良い弾力も感じるウナギ。今年始めての琵琶湖産ウナギ。割り下を吸って膨らんだ「麩」は関西だけのすき焼きの具材だと思うけど、子供のころから好物の一つ。
蓋付きの大鉢が出てきて、何かの蒸し物と・・期待たっぷりに開けると、アメノウオの頭がドン!しっかり焼き目をつけて、臭みを抜いてあるそうで、巧く仕上がってます。身も美味しいのだけど、食べるにつれて旨みの増す出汁の旨い事。残さずズルズルすすります。残念ながら「アメノウオのタイ」が取れませんでしたぁ。不覚。琵琶湖に住んでいる割に精悍な面構え。

たねやの影響で有名になってきたバームクーヘン豚を使った一品。冬瓜との煮物。さらにトウモロコシの餡。豚には辛子が添えられています。
コンロが出てきて焼き物2種。ハモを3枚頂いた後で出てきたのがアワビの肝。寿司屋では、肝が残ることがあるそうで、こうして残ることがあるそうです。肝がトロンと崩れてくる火の通った時点で頂きます。
冷製の炊き合わせに、ヒロウス、長甘、焼き目をつけたズッキーニ。赤いのはパプリカ。

〆のご飯は、むちゃが「季節に一度は食べたい炊き込みご飯」の一つで「滋賀の食文化財」の一つでもある、アメノウオご飯。ご飯のお友に、刺身を盛ってくれました。二膳頂いて、詰めてもらいます。

デザートには、わらび餅に黒糖の餡、黄粉を振って出てきます。水菓子は、キウィにマンゴ、まだ青い。もう少し追熟させた方がいいと思います。

川魚を食べる時に気になっていたのは、寄生虫なんだけど、十分調べてはるようで、明快に答えてくれます。それに比べると、鶏の方が断然危ないそうで、これから生は控えよう。とにかく抵抗力をつけておくのが、身を守る方法の一つだ。


平成21年6月7日
JR近江八幡の駅からブーメラン通りを北へ、1年ぶりに「ひさご寿司」に向かいます。都会では、数寄家だの、町屋だの、渋めの料理屋が最近目立つようですが、ネオン輝く看板に、正直、胡散臭さを感じたものです。
テーブルもカウンターも満席で御繁盛。
琵琶湖の固有種で美味しくて幻の「イワトコナマズ」が入荷したというので、お任せしたコース。もう捌かれた後なので生前の姿はなし。

  • お浸し、アワビ、白ズイキ、蓮芋、ずり、丁子麩、三度豆(?)
  • お椀が、ウニを埋めたハモの真薯、じゅんさい
  • まぐろ、金目のお造り、喋人参、紫芽、ワサビ
  • イワトコナマズの洗い、酢味噌
  • イワトコナマズの源平焼き、肝・浮き袋、ワサビ、紅白のはじかみ
  • 酒肴に、鮒寿司の飯
  • 芋タコ南京の茶碗蒸し
  • 近江牛筋・ミノ・トマト・シシトウ・東川ナス・賀茂ナスの炊いたん
  • キンキの酒蒸し、豆腐、三度豆
  • もずく、つぶ貝、ソラ豆
  • お寿司は、オクラ、ヒラメ縁側、こち、飛魚の細巻き・フナ寿司風味、イワトコナマズ、止め椀
  • デザートが、ヨーグルト・たくさんのベリー・グレープフルーツ、水無月
先付けが、蓋付きの器におひたし。アワビが顔を見せているけど、下にはいろいろ盛り沢山。シャキシャキとした軋むようなゆで加減の(たぶん)三度豆の食感、コリコリの砂ずりの食感、青や白のズイキ、アワビと味も色々だし、食感も色々でタダものじゃない組み合わせ。鶏ガラ出汁らしい。
まず若主人のお好みという「七本鑓・純米吟醸」から。柔らかい飲み心地。
お椀は、ハモの真薯。漢字を変えてみました。刻んだハモに大和芋で作った真薯。ウニが忍ばせてあります。ニチャーっとした、こんなに芋を感じたのは初めてだけど、ハモの味もちゃんと残してあります。前も感じたけど吸い地は薄い。味がないという意味ではないんだけど・・・。お椀はちょっと傷が目立つけど、せめてしっかり吹き上げてくれたら、麗しく見えると思います。露打ちもね。

お造りは金目の薄造りと、こんなところで?今の時期に?大間のマグロ。柔らかなキンメ。
二つ目に、今日のお目当てのイワトコナマズの洗い。お腹の部分に脂のせいか黄色みを帯びて、醤油に漬けると脂がぱっと拡がる。その割には淡白な味で、癖もないや。酢味噌を用意いしてくれてあるけど、酢味噌を使って消す臭みもなく、ワサビ醤油の方が味を損なわない。コリコリ感はないけど、美味しい。常連さんと思しきお客さんに珍しいものとして、勧めてはりましたけど、厭がられたようです。惜しいことをしはりましたね。なんでも昨年は2匹しか入らなかったという話。
ついで、源平焼。蒲焼きと白焼きの二色で、紅白の源氏平家の旗の色に見立てた料理名。案外、見かけない料理。生では柔らかい身だったけど、焼く俊丸のでしょうか?しっかりした身で、皮離れもいい。食べやすい。ハモのつけ焼きをさらに淡白にしたような味。ナマズと聞いて、食わず嫌いなら勿体ないことです。白焼きにはウナギのようにワサビで頂きました。木の葉の抜いた山葵。大きい浮き袋。肝は鶏さんににているように思います。これだけ淡白で癖がないなら、椀種でも十分ではないかな?

次の料理の間に、切子の猪口にフナ寿司の飯がでる。自家製だけに、いっぱい余るそうなので、提案してみた。
松の司・純米吟醸」を呑むと、いかにもマツノツカサ〜ッって香りが口中に広がった。
芋タコ南京の組み合わせに思わず笑ってしまった茶碗蒸し。小芋を潰してタコを入れて揚げてある饅頭かな?それを茶碗蒸しに入れ、南京の餡。面白い。不思議と透明感のある餡です。
牛さんの煮物。とろとろに煮込まれております。トマトにししとう。そこには地の野菜・東川ナス。
嬉しい残飯処理のお皿は、キンキの酒蒸し。脂もたっぷり浮いているし、皮はトロンとして美味。いつものように「キンメノタイ」を探し出しておきます。残りは骨だらけ。ポン酢醤油。
もずくの小鉢。つぶ貝、ソラマメとこれもいろいろ。どれも一皿に沢山の食材を使ってくれはります。

今日は、〆には寿司ということらしく、これもお任せする。オクラ、縁側、こち、とあっさり目。
フナ寿司の飯をカッパにするところがあると言ったら、トビウオを細巻きしたのに、急遽、飯を使ってみたということです。言わなければほとんど分からないかもしれない量ですが、工夫の余地があるといってはります。ここではフナ寿司の握りもあるのですから、いろいろ試してみはるんでしょう。
最後に、今日のメインの食材のイワトコナマズの握りです。いけます。

デザートは2種類。忘れちゃったけどヨーグルトをモコモコにしたのんにいろんなベリーにグレープフルーツ。六月らしい、透明感のある葛に小豆を散らした氷室見立ての白の水無月。


平成20年7月2日
楽しみにしていた晩御飯はひさご寿司料理人さんの美味しそうなコメントに食べたいメールを送っていたのだが、今日入荷の案内をもらってのお出かけ。「膳は急げ!」といいまんがな!
「わたしは琵琶湖の漁師です」を上梓した戸田直弘氏が、「琵琶湖の漁師として一番美味しい魚は?」と問われて、間違いないと答えるというのが「ビワマス」。「この時期のビワマスは炊き込みご飯にはもったいない。もう刺身か握り、舌にトロっとくる味が最高ですねん。目の前に、マグロの大トロとビワマスの刺身を並べて、好きな方を食べていい、といわれたら、迷わずにビワマスに箸を伸ばすね。琵琶湖の漁師だからそういうんやなくて、いろいろな魚を食ってきたこの舌がさせるんです。」という魚が目的。
むちゃはたまたま、お造りで出て、食べたくらいしか経験がないので、どこにも予約を入れずに、入荷したという連絡を待っていたのでした。で、料理はお任せしてある。
賑やかなカウンター。近江八幡周辺はお寿司屋さんがすくないという。ホテルからやってきた人もいるけど、ほとんどが地元の人のようだ。
  • 茄子と近江しゃものゴマ和え、丁子麩、ミツバ、クコ
  • お椀は、オコゼ、ウニ豆腐、インゲン、オコゼの皮、丸仕立て
  • お造りが、オコゼの薄造り(+浮き袋・子・皮)、アメノウオ、のどぐろ、きんめ、鯛
  • ウナギのじゅんじゅん、ごぼう、丁子麩、インゲン、糸赤こんにゃく
  • 冬瓜・ハス芋・とこぶしの冷たい炊き合わせ、湯葉あんかけ
  • 太刀魚の塩焼き、ウナギの肝焼き、珍味(はもの子の塩辛・太刀魚の子のカラスミ風・カラスミ・自家製鮒寿司)、南京コロッケ、甘酢しょうが、百合根
  • ジュンサイの酢の物、きゅうり、クコ
  • 握り鮨、アメノウオ、鮎、白焼のうばぎ、大根の皮、甘酢生姜
  • アメノウオご飯、香の物、味噌汁
  • 和菓子で、水無月風寒天、紫陽花に見立てたのん
まず一杯目のお酒は「七本鑓・純米吟醸」。舌に残る苦さが純米酒らしい幅を感じる。
先付け、お通し、突き出し・・・は茄子と近江しゃもに丁子麩をゴマだれで汚したもの。丁子麩がゴマだれと絡んで巧い。
お碗も出してくれて、オコゼの丸仕立て。丸仕立ての割に香りが抑え気味で、穏やかな優しい出汁。でも、なんで出汁が濁っていたのかな?

2杯目のお酒は「松の司・純米吟醸」。
ガラスの大皿にお造り。お造りは、思いがけずにいっぱい。京都と名古屋とから、それぞれ魚が運ばれてくるというのだけど、ノドグロやキンキは、名古屋経由。中間地点なんですな。ノドグロのお刺身は初めてだけど、やっぱり柔らかい身。椀で出たオコゼが薄造り。包丁も冴えてる。人参で蝶々まで作っている。鯛はちょっと味気がないけど、今日の目的はアメノウオ。30センチを超える釣り物だそうで・・・オレンジ色の身に脂肪が入って旨いですねぇ。脂臭くないトロサーモン?刺身のつま(?)かわりに、生水ナスのスライスが出た。案外生で出すところは無いというか・・・。ワサビ醤油と梅肉入り醤油だったかな。
カセットコンロが運ばれて来て、小鍋の中は、うなぎのじゅんじゅん(すき焼き=すき煮)。勿論、琵琶湖産のウナギ。趣味で捕ってる漁師さんから入手しているとかで、数匹水槽に泳いでおります。天然ものらしい色合いだ。骨で出汁をとった割り下に具材が入っていて、火を付ける。皮目を炙ったウナギに、笹がきのごぼう、糸赤こんにゃく。しゃぶしゃぶは、経験あるけど、郷土料理でもあるジュンジュンは初めて。食欲の湧き出る鍋の具合に、少しよそってからデジカメるを忘れていたことに気づいた。今日はいい経験ができます。さらに、生ウナギの身も小皿で出てきて、鍋でしゃぶしゃぶ風に火を通します。プリプリでこりこりの弾力あるウナギ。産地偽装のない、間違いない天然です。
「琵琶湖のウナギ」で常日頃から思う疑問点は、「琵琶湖のウナギの稚魚はどこから来る?」ということ。太平洋の海溝からシラスウナギが泳いでくる、というのは明らかになっているようだが、琵琶湖まではどう考えてもダムがあって無理。同じことは料理人さんたちも思っていたようで、ちょっと安心。
冷たい炊き合わせ風の料理がでてくる。思いがけない薄味でびっくり。あんかけ風にトロミをつけた出汁に湯葉が刻んである。お椀も薄味だったし、予想外の味。冷たいだけにもうちょっと味があると旨さを感じると思うのだが・・・
じゅんじゅんに合わせて「大治郎・純米吟醸」に変えます。
焼き物と珍味の大皿。若社長がお酒好きだそうで、珍味いっぱい。自家製のカラスミやフナ寿司、ハモの子の塩辛。太刀魚の子までカラスミ風の珍味にしてある。ここまで調子よく呑んできているのであるが、珍味がこんなに出るとは思わなかった。これ以上は、危ないので、ペースダウン。失敗した。
酢のもので、口を休ませる。酢のものなんだけど、これも薄い加減。でっかいジュンサイ。
日頃は食べに行きたいと思わないお寿司なんだけど、せっかくのお寿司屋さんなので、珍しいのを握ってもらった。後に、ご飯もあるので少しだけ。今日のお目当てのアメノウオ。養殖ものだというけど。じゅんじゅんで出た琵琶湖のウナギは白焼きは熱々。みんな川魚だけど、とても美味しく頂いた。
平成10年に「記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財(県選択)」に選ばれた「滋賀の食文化財(湖魚のなれずし、湖魚の佃煮、日野菜漬、丁稚羊羹、アメノイオ御飯)」の一つ、アメノウオご飯。文化財を頂いちゃいましたぁ。って鮒寿司もそうなんだけど。火が通って、淡いピンク色に変わったアメノウオが解されてます。戸田氏の本には、コンニャクだの人参だのと書いてありますが、料理屋さんだけにアメノウオだけ。料理屋では素材を活かしたシンプルなのがいい。「季節に一度は食べたい炊きこみご飯」の一つにしちゃいましょう!湖南に住んでいてはなかなか巡り合えないんだけど、琵琶湖の側で嬉しいと実感できます。一杯で持ち帰りにしてもらったけど、いっぱい炊いてくれていたようだ。ありがとうさん。

デザートは、和菓子で、ココナッツの寒天に小豆を乗せ、透明の寒天を流した水無月風のお菓子。紫陽花を懐敷にしたブルーの紫陽花のお菓子。

悪く言えば出汁が薄味で、弱く感じることもあるけど、田舎の寿司屋と侮れないや。若社長は、有馬の旅館で修業していたというので、料理の鉄人のチャレンジャーの応援としてキッチンスタジアムに駆り出されていたそうである。オモローっ!カウンターでは基本的に寿司屋なので、腕を振るえないのが勿体ない?。
珍しい食材として、ナマズってのも控えている。淡白で洗いとかお勧めらしい。

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