京とみ

adrress東山区高台寺北門前通り鷲尾町
call075(533)4167
open/day
11:00〜14:00
  季節のお弁当 2800円、3500円
  おまかせ   4800円
  昼懐石    6000円より
 
open/night
17:00〜22:00
  懐石料理   8000円、10000円
          12000円、15000円
off
capacity
memo 元・料理旅館「炭屋」の料理長を11年勤められたご主人のお店。玄関を入ると、内庭の見えるカウンター8席に座敷6名ほど(?)のキャパ。ほとんどの料理はご主人の手になるが、見習いが2名に女将さん、仲居さんと言ったところ。
長年1流のお店におられただけにいろいろの料理のお話など楽しく、美味しくいただけるお店。お忍び!お忍び!衣笠の「夢しょうぶ」のご主人・石崎さんの紹介。
impression 2005年12月27日
夕御飯はは下河原まで歩いて「京とみ」さん。下河原と言っても高台寺と言った方が近いかも知れない。
  • 突き出しに、アンキモ大根、ウニの茶碗蒸し
  • 八寸に、炙った唐墨、むかご、エビ、粟麩、鯛の昆布〆、チシャトウ、慈姑チップ
  • まる鍋、ねぎ、椎茸、焼き生麩、
  • 焼いたフグの白子
  • 炙ったまぐろ、松茸の時雨煮、からし
  • てっさ、フグ皮、アサツキ、紅タデ
  • コノワタの飯蒸し
  • サワラの幽庵焼き、えび、ジネンジョ
  • 蕪蒸し、えび、甘鯛、きくらげ、三つ葉、山葵
  • フグの唐揚げ、タラの芽、すだち
  • 松葉蟹
  • 蟹雑炊、香の物
  • デザートが、イチゴと干し柿
冷酒をお願いすると出てきたのは、懐かしい北島酒造のPB「とみ田」だ。草津の酒屋さんに問い合わせしたこともあった。すっきりクセのないお酒。
暖かい茶碗蒸しには柚子胡椒のようだ。暖かいのと冷たいのとの2品。
矢の飾りの八寸。その心は「光陰矢のごとし」という。考えてみれば、こんな押し詰まった時期に京都で食べるのは初めて。舞妓ちゃんも今日からお国に帰るそうで、「京とみ」さんも残る営業は明日の昼まで。「1年早かったねぇ」
あっさり目の丸鍋だった。お酒の香りもかすかで、生姜の香りは抑えられている。いかにも丸といった濃厚な味は流行らないのかな?焼き餅と思ったのはグルテンだった。厚みのある椎茸が格別な美味しさだった。
小皿で白子の塩焼き。
炙ったマグロの上にしぐれ煮を載せたん。ちょっと火が通りすぎ。
フグ刺しは、薄造り。今シーズン初めてだ。
一口サイズの飯蒸し。
幽庵がサワラ、板前でコンロを使って焼いてくれるのが、えびとジネンジョ。ざっくり胴切りしたジネンジョは思ったよりほっこりした食感。皮も食べられる。
揚げ物がフグ。
香住の蟹。取れているんやね。
ご飯が雑炊。海苔の香り。
休み前で、食材が控えめということだが、振り返れば、いっぱい。


2004年7月30日
「高台寺の和久伝」までとタクシーに伝えると「ええとこ行きはるんですなぁ」と言われるけど、そう伝えるのが一番わかりやすいでしょう。タクシーから降りると「閑人」さんの仲居さんに挨拶されるけど、「ちゃいまんねん、ちゃいまんねん」。で、「一条流包丁術宗家」のお店に伺う。2階は宴会中でしたが、カウンターはまだ客なし。祇園祭までは忙しいけど終わると、暑いさけ出歩かへんという解説だった。
  • グレープフルーツ、ジュンサイ、オクラ
  • 万願寺豆腐、ウニ、汲み上げ湯葉
  • 八寸に、ゼンマイ粟麩の白和え、鱧の子、エビ、丸十、瓜
  • ひろうす、管ゴボウ、の椀
  • 焼鱧、鯛のお造り
  • アワビの薄造り
  • 鱧寿司、ズイキのお寿司、ミョウガのお寿司
  • 鮎の塩焼き
  • アワビの焼肝、おろしポン酢
  • 毛ガニ、蟹酢
  • はもしゃぶ、松茸、水菜、稲庭うどん
  • 穴子茶漬け、のり、ぶぶあられ、三つ葉
  • どんこ梅、梅シロップのシャーベット
酒好きなことをよく知ってくれているので、出してくれたのは「琵琶の長寿・大吟醸・斗瓶囲い・生」だ。よくこんなのおいているなぁとびっくりする。値段も怖いが、「うちは酒で儲けへん」と言うので、カポカポ呑む。「料理で儲けるさけ・・・」と後に続くわけだが・・・。
グラス。果肉がバラバラにされてジュースだ。最初に出す(作り方は簡単なようだけど)価値ありの仕事だ。酢は使ってないそうだが、疲れて細くなる食欲が戻ってくるようにという配慮らしい。(むちゃには関係ないけど、心地よい)
湯葉、ウニ、緑と鮮やか。緑の元は「万願寺」だそうだ。とろんとしてるから葛かな。

シンプルな八寸に続いて、銀塗りの椀。精進な椀。少し葛が加わっている。
鱧の骨きりは主人の仕事のようだ。捌くのは若い子がやっているようだ。中骨に縁側がたくさん残っていたので、駄目出しが出ていた。決して早くはないがリズミカルに一定の早さで骨を切っていく。まな板の仕事が拝見できるので、見入ってしまう。 「今月初めの松原の料理屋」は後輩に当たるけど、そこでは「骨きり」の秘訣を聞いたら「経験」みたいなことを仰っていた。 骨切りを見ていて思い出すのは今日の「大観」で見た「游刃有余地」という作品。「荘子」に出てくる「包丁」さんと「恵王」に話だ。恵王が包丁が牛を捌くのを見て褒めたところ、何度も捌いていると、骨と骨の隙間が分かるようになる。刃からみたら骨の隙間は「余裕のよっちゃん」な仕事だという話である。
石工が「ここを叩けば石が割れると分かる」とか、仏師が「ノミを入れる場所を木の中から仏さんが教えてくれる」とか言うのと同じだ。
新聞紙にくるまれたアワビを見せて、「生か焼くのどちらにしよ」と聞いてくださるので、ここんところいつも火が通っているので「生」でいただくことにする。わさび醤油に、スダチ付き。生アワビの食感は他にたとえようがないな。おかげで他のお客さんにも「生」だ。申し訳ないことしたかな。
お凌ぎのお寿司が出る。鱧と野菜。座敷のお客さんの5人分の皿を目の前において「写真とっとき」というので収める。
朽木の山奥で2ヶ月間の天然仕上げの鮎。育てる期間で大きさが決まるようである。焼き物は七輪で主人が焼いてくれる。すでに焼かれているので、最後の仕上げを客の前でやってくれるわけだ。鮎の横ではさっきのアワビの肝も一緒だ。嬉しいぞ、肝が。
北海道の毛ガニ。
また骨切り。細長く切っている。出てきた小鍋には、湯葉が浮かんでいる。まず松茸を全部入れちゃう。鱧は食べる度にいれて、身がパッと白くなってクルンとしたところがむちゃの食い時だ。ここでは国産の鱧。骨が硬く、皮が固かろうが、それは料理次第、腕次第と言い切る。結局、味の旨味の濃い国産を使うというわけだ。京都では「水菜」なんだと納得。食べ終わったら、うどんを入れる。これはいいな。竹のような炭だったが、本物ではないそうだ。ロウじゃなければokだ。
最後はお茶漬け。のりの香りが素晴らしい。
4Lの南光梅。料理の流派(すごいな)によって呼び名が違うそうだが「甲州煮」。そのシロップでシャーベットだ。
カウンターの横にこんな絵はあったかなぁ。団扇とも相まって派手に見える。
カウンターの後ろに雑誌が平積みされていたが、その中からご主人が選んでくれた本「月刊専門日本料理・7月号」があった。今月初めに伺った「松原の御料理屋」さんが載っているのだが、ここのご主人も座談会の1名として載っていた。びっくりしたには「肩書き」だった。「京料理研修同士逸品会・最高顧問」とある。おそれおおくもカウンターでえらい気軽に話してしまっていた。でも最高顧問というと「キダタロー」を思い出してしまった。一方、松原のご主人は「同会の相談役」だ。
クレジットが使えるようになって、助かる。


2002年11月30日
晩ご飯は、「高台寺」まで歩いて行く。ぞろぞろ観光客が向かうのはライトアップだと思うが、予約の時間も過ぎているし、帰れなくなってしまう。それに、もう見頃は終わっていると思うんだけどなぁ。冬の季節ははじめてになるこの店の献立は、
  • ウニ茶碗蒸し
  • 八寸が、ムカゴ豆腐、えび、あわび、アンキモおろし、銀杏、帆立の黄身焼き、柿の千枚漬け巻、松葉に刺したシメジ
  • 碗は、まる真蒸、炙った生麩、おかひじき、結び人参
  • お造りには、鯛、まぐろ、長芋短冊
  • ふぐの皮、ふぐのたたき、あさつき、もみじおろし
  • とろろ、ゆばの飯蒸しに、海苔、いくら、軸菜
  • 焼き物は、カニ、ほうれん草にカニ味噌
  • 鯛蕪、実山椒煮で香り付け
  • ふぐの唐揚げ、蓮根・サツマイモの素揚げ、紫蘇の天ぷら
  • カニをカニ酢で、マイタケ、軸菜
  • カニ雑炊
  • メロン
だ。お酒は、ご主人の名前を使った「とみ田」だ。どこが醸しているのかと思ったら、北島さんだった。どのあたりかわからないけど草津の崎村商店さんが作っているそうだ。たぶん、大吟醸クラスだろう。今日は口当たりの甘い、呑みやすい酒ばかりだ。それもPBばかり。
(北島酒造さんからメールを頂きました:お酒は当社の「甲賀流 鬼ころし」と同じで辛口本醸造です。辛口といっても当社の場合、他社さんと比べたら辛くないと思います。720mlで971円 1800mlで2136円となります。)お安い。
どこが違うか説明できないけど、口あたりのきめの細かさが違う茶碗蒸し。海胆はちょこんと乗っているのではなく、茶碗の底で十分に熱が入ってます。
派手さのない八寸
高山寺・鳥獣戯画の写しのの蓋から立ち上がるは、「まる」の香り。真蒸の中には刻んだ「まる」が少しだけ。もうちょっと多く入れておいて欲しいですわ。
お造りはご自慢の「まぐろ」に天然の「鯛」は菊の黄交趾。他に器の20倍ぐらいするとか他に説明してはりますが、器に合わせて中身も差があるようです。正直なもので、ご予算に応じて素材が変わるんですな。醤油も手が加えてあります。
ふぐの身はここに出てくるだけであった。タタキも美味しいし、合わせポン酢もまたいいですなぁ。毎年送られてくる「カボス」が段ボールで50箱もあって、それを絞ったのが「ポン酢」だそうです。煮きり醤油、カツオ昆布の出汁ろ合わせて「合わせポン酢」と呼ぶのが正しいと力説。
あっさりとした飯蒸し。イクラがアクセントで、鹹味を足します。むちゃはとろろのご飯が大好き。
焼き物はいつものように火鉢を出してきて、ご主人が焼いてくれます。網の上にカニを並べて、懐紙を載せて焼かれます。足の部分はそのまま、爪の部分には、カニ味噌を載せて焼かれます。ほんのりと熱の加わった時点で取ってくれます。カニフォークがありますが不要だった。カメラに収めたのは、焼く前のカニ。
冬の京都では、は野菜の中でも主役級で、魚の王者・鯛とも互角。大根が鰤ふぜいと炊き合わされるのを見ればその実力は歴然ですな。出汁まで飲めと、いわんばかり。蕪がもっと大きければ、より嬉しい。
揚げ物が、ふぐ。骨の廻りの部分を口の中でほぐしていきます。
またカニ。胴の部分と足。
またカニ。雑炊で締めました。
以前雑誌で取り上げられていたお土産「ちりめん山椒」を求めると、あらへん。「小袋につめてレジの横に置いておくと売れる」みたいなことだったが、全然売れないらしい。専門料理も嘘書くなぁ。
遅くなったが、「京の名工」の祝賀パーティの写真を見せてもらう。式包丁で鯛を捌く勇姿である。聞けば、「一条流包丁術宗家」とかいうけど、宗家って言っても、今や勝手に名乗っている狂言師もいるようだし、「ほんまでっか」と・・・

2001年10月13日
夕御飯は、「京とみ」さん。「和久傳」「元奈古」「閑人」と料理屋の並ぶ道筋。うろうろ覗き込む観光客の鼻っ先をかすめて、路地を入る。今日も満席だ。平日はがらがらと、言われても信じられない。むちゃは「福の神」。
  • 紫蘇の香煎
  • 先付に、茄子と海胆、オクラ、摺り生姜
  • 吹き寄せ風の八寸に、胡瓜・椎茸・柿の和え物、松葉銀杏、木の芽を載せたエビ、揚げたジャガイモ、小口に切った子持ち鮎。
  • 椀は、湯葉で巻いた芋茎に伊勢エビ、細打ちの茗荷、青味
  • お造りが、とろ、たい、鯛皮、伊勢エビ、短冊長芋、花穂紫蘇、紫芽、山葵
  • お凌ぎが、龍皮昆布で巻いた鯖寿司、生姜
  • 目の前で焼いていただく、松茸とはも、ポン酢、柚子。
  • 洋風に盛りつけられた、マイタケと帆立の焼き物、八丁味噌のソース
  • 冷たい炊き合わせに、里芋、南京、焼いた巻き湯葉、コンニャク、青菜、ゼリー寄せ
  • 土瓶蒸し(はも・伊勢エビ入り)
  • 松茸ご飯(糸柚子)に、味噌汁、香の物
  • イチジクのゼリー寄せ
さて、今日も若い衆が東京へ行ってると言うので、カウンターは、ご主人だけ。でも、今日は、あらかたの料理は準備してあって、まな板を使うこともいらないようだ。ちょっと残念。冷酒を頼みます。
蓋を取ると、裏には満月にススキの椀。エビの旨味しっかり出た出汁にうっとり、椀の内を眺めれば、少しにごりのある出汁の下にもススキの絵が描かれています。
早めに仕上げていたお造りの伊勢エビの出来を気にしておられる。ちょっと食感が柔いですが、そう言われればの話だ。勝利の割り加減がまた格別。
粘りのある昆布でしっかり巻かれた、小振りの鯖鮨。尻尾が当たって、ハズレでした。って笑ってる場合じゃないけれど。
時間中のご主人のお仕事は、火鉢を出してきての焼き物だけ。ハモと松茸の盛られた黄こうちのお皿。今日のハモは、美味しい。「京とみ」さんのハモは良い。
洋風の焼き物は、帆立、とマイタケをソティしてある。八丁味噌のタレを、フレンチ風に皿に模様を描いて出てきます。もちょっとタレが多いと嬉しい。
冷たい炊き合わせも、事前に作っておいておけるので便利なんでしょう。手を抜かれているような気持ちもしますが、その分、カウンターででの話が盛り上がります。
蒸し物が、土瓶蒸しになるんでしょうね。松茸、はも、伊勢エビと、主役が多すぎますが、互いに主張してない呑み心地に、感心します。食べ物の恨みは・・・と申しますが、先週の「ハモ鍋」が返す返すも・・まずい。

隣は「差し込み」で来られた、和服の女性。商売をされているらしく、名刺を頂く。石塀小路の「Du-Ran」さんのママ・登茂子さんでした。京とみさんと同じような庭の拵えが、カウンター越しに眺められるそうです。平日は込んでいるそうですが、それ以外は暇だと、今宵はお茶ぴき。石塀小路の火事の話とか、新風営法の話とか・・・なかなか面白い話でした。カウンターで、むちゃだけ「イチジク」。他は「焼酎漬けの渋柿」で、ちょっと悔しい。鯖鮨1本持ち帰ります。


2001年8月25日
夕食の席は、高台寺の「京とみ」のカウンター。高台の店は、八坂さんから歩くだけでつらい。今日も賑やかなご様子だ。献立は
  • 万願寺入り豆腐に海胆、白髪葱、岩茸、輪切りの万願寺
  • 虫かごに入った八寸には、アワビの酒蒸し、ハモの子を固めた物、蒸し海老(酢味噌)、黒豆の枝豆、白ウドとアスパラのゴマ和え
  • ハモ葛叩き、薄切りの冬瓜、白木耳の椀
  • 炙ったマグロのトロの身をおろしポン酢で和えた物、茗荷の細打ちの天盛り
  • 刺身が、ハモの落とし、タイ、合わせ醤油と梅肉
  • お凌ぎに、稲庭饂飩、みつば、しいたけ、ウズラの温泉卵
  • 冷たい炊き合わせが、三度豆、青芋茎、里芋、焼き目を付けた巻き湯葉、細打ちの人参が天盛り、ふり柚
  • 焼き物は鮎、若布、タデ酢、ゴボウの焚いたんとハジカミが添え物
  • 小鍋立てのハモシャブ、松茸、湯葉、三つ葉
  • ハモ丼、味噌汁、香の物
  • イチジクのシロップかけ、ミント
だ。 オヤジは相変わらず元気だが、脇の若い衆の段取りが今一。「お飲物は如何が致しましょうか?」という言葉もなく、先付が出る。こちらから冷酒を注文するとは・・・トホホなサービス。ここは「松竹梅」だけ。どうも、順番に夏休みを取っているような話しぶりで、今日の若い衆はカウンターでの接客は知らないようだ。オヤジも、要領を得ないのはあきらめ顔で、教育中だ。どうも献立の順番も逆になってるところもある。この点で今日は減点だ。でも、取りあえず先付の万願寺に心地の良い苦みがあって清涼感が楽しめます。
虫籠は、お得意の飾り。やはり京都は、ハモ。昨日ヘタッピな骨キリを見ているだけに、今日のカウンターのハモは旨そうだ。まず、オヤジの包丁のリズムがいい。カウンターの仕事の怖いところで、これだけで随分と味が変わる。後で、骨キリの微妙な指使いを見せて貰ったが、酔っていたので、話だけしか憶えていない。
本日のお刺身は、ハモとタイだけど、コースによっては、別の一品が増える。今日は「まぐろ」だ。つまり値段の差は、皿数に現れる。このマグロ、いわば「マグロの叩き」だ。ジューワーと脂肪の旨味が広がってくるが、ポン酢がくどさを抑える。
少し上のお値段で2人以上の場合は、よく「ぐじ」が出てくる。とくに、関東のお客には、いかにも京都のメニューだ。勝雄ちゃんが、焼いた身をほぐして、出汁をかけて出てくる。骨は煮付けて、頭はお椀でまた出てくる。さてグジは横目で見て、ほとんどはお客には、朽木産の鮎が焼き物で出てくる。ここではオヤジが陶器製の火鉢を出してきて、炙ってくれる。しかし、なぜか、炊き合わせが先に出る。慣れてないとはいえ若い衆の仕事だが、不機嫌だ。ちゃんと客の流れを把握しとかなくちゃだめだぞ。
小鍋立てのハモシャブには、既に松茸と湯葉が入っていて、香りを漂わせている。取り皿にも出汁が暖めてあり、出汁の美味しさもたっぷり味わえる。美味しく食べるには、ハモのサイズもこの大きさしか無いということが納得できる。鍋に入れた途端に、身が弾けて、透明な身が白く色づく。そのタイミングで引き揚げる。取り皿の出汁は、澄んでいるが、徐々に鍋の出汁は濃くなる。松茸の香りも一杯になって、ハモの出汁もたっぷり含んだ鍋出汁は、最後に取り皿へ移して貰って、飲む。至福の味。ハモは8月で終わりだそうだが、ハモと松茸はしばらく続くそうだ。
最後のご飯は、お得意のハモ丼。鮎が出てないお客は鮎ご飯。葱と山椒の香りが立ち上ってくる丼だが、ツユがまた旨い。昨日の柳川の出汁とは雲泥だ。
お近くにいたお坊さんは、行楽庵の掛け軸を揮毫された、有馬ョ底管長だったそうだ。生臭坊主の食通だわ。次は、サンマの刺身とか鯖の刺身とか、おっしゃられていた。なむあみだぶつ。
2001年4月21日

さて、日も暮れて、夕御飯は、夕闇、小雨の中、四条通りを東へ、オヤジの店「京とみ」に向かう。八坂の境内を抜けて下河原へ出る。ここで道を一筋を間違えて、和久傳の裏に出てしまう。路地行燈が二つ点るアプローチに、わくわく。既にカウンターは満員。オヤジもご機嫌のようだ。献立は

  • 紫蘇茶
  • 先付はタケノコそうめんのゼリー寄せ、旨出汁、海胆、タラの芽
  • 八寸は、クラゲと胡瓜の和え物、土筆を添えたタケノコと烏賊の木の芽和え、菜花と芽芋のお浸し、木の芽を載せた長芋にコノワタ、炙ったサヨリの加減酢、一寸豆
  • 椀は葛打ちしたアブラメ、うすく切った小蕪、わらび、蔓菜、むすび人参、
  • カツオのたたきのおろしポン酢和え、菜の花、茗荷を天盛り
  • 鯛、湯取り鯛皮、あわび、花穂紫蘇、紫芽、短冊長芋
  • お凌ぎに、海苔で結んだタケノコのお寿司、湯葉で結んだ白魚のお寿司
  • 焼き物が、付け焼きのタケノコ、諸子は素焼きと付け焼き、山葵菜
  • 長岡産朝堀タケノコの直煮、摺った鰹節、あしらいが蕗
  • 穴子・椎茸・百合根を揚げ生麩巾着に詰め込んだ焚き物、シシトウにおろしの天盛り
  • タケノコ御飯、香の物、赤出汁の止め椀
  • 三宝柑入りデコポンゼリーにアイスクリーム
一種類しかない、冷酒をお願いする。振り帰ってみれば「タケノコ」だった。日本橋のタケノコそうめんと異なり、タケノコを細打ちしたもの、包丁の冴えが見られます。今日の椀のアブラメは基本の葛打ち。むっちり。向付にあたるカツオを別のお皿にしたのは、味が変わるためのものか、他のコースの向こう付と違うためか分かりませんが、「たたき」に飽きたら、こういう食べ方もいいな。こりこり鮑にはちょこっと肝の味。お凌ぎには、素材は違うが、お寿司がでる。オヤジさん手ずから焼いてもらった、タケノコと諸子。今年は、よく食べましたな。知らなかった諸子の説明を聞く。
琵琶湖の北湖を回遊する諸子は、まずは長浜から漁が始まって、この季節は今津沖に移動するそうで、水深は10m以下のものが子持ちで、柔らかくて、網で取れるものが極上。水温が上がる10m以上に住んで釣られるような諸子は、活動的で骨が硬くなってダメだそうだ。勉強になった。醤油タレを浸けて焼いて、ちょっと木の芽酢を付ける。これは旨い。
次のタケノコは、直煮。今年はもうイイぐらいたっぷり頂けましたな。焚き合わせと言っていいかは疑問だけど、揚げ生麩の巾着風は、豆腐の厚揚げを生麩で作ったもの。むちむちとろとろの内側の食感が楽しめます。上げることで出汁も染み込んで美味しさアップにシシトウの香りも見事。タケノコと煮込んだ「お揚げさん」を使ったタケノコ御飯には、タケノコは見つからなかった(?)。でもタケノコの香りは十分で、しっかりお代わり。デコポンゼリーもたっぷり。昔風のざらっとしたシャキシャキの舌触りのアイスもとろりとデザートの良い出来。カウンターで残った鯛の身を昆布締めしてる最中、およばれに預かる。昆布締めの鯛で花山椒を巻いてパくっ。
今年女将さんと「お水取り」に行った時の、笑い話に興じて、おいとま。木・金と坊主と言うが信じられないほど、座敷まで満員。桜からGWまでは週末大忙し。


1999年9月9日(木)

夕食は高台寺の「京とみ」とした。献立は

  • 海老入りの冬瓜まんじゅう
  • 八寸(空豆、銀杏、衣被、松茸とアワビと芋茎の酢の物、お得意の虫かごをあしらったもの
  • ハモの葛叩きに松茸の細打ちの椀、ススキの柄の秋らしいお椀
  • 生ハモ、ハモの皮の焼いたもの、平目の造り
  • 鯖鮨(りゅうひ昆布で巻いたもの)
  • カマスの焼き物、おろしポン酢、焼き松茸の重ねたもの
  • アワビ、松茸、湯葉のしゃぶしゃぶ
  • なすと湯葉の炊き合わせ
  • ハモ丼
  • 無花果のシロップ漬け、マンゴジュース(コアントロー風味)
で、お酒は「松竹梅淡麗辛口」(注文の仕方を失敗した)と相成った。アワビのしゃぶしゃぶ、当たり前だが旨い。思いがけずに鯖鮨が旨い。下賀茂の「鯖街道・花折」より旨いと思ったほど。迂闊だったのは、事前にお持ち帰りを考えもしなかったことだ。次回は注文しておこう。カウンターの他の客は、料理が5割ほどお高い注文だったようで、指をしゃぶる思い。そんなにお安いのを頼んでいないが、運が悪かった。でもお腹いっぱいで、しかも全部美味しいことには変わりがない。でも悔しい。本末転倒の食欲の京都第1弾であった。この日残念だったのは、菊酒が飲めなかったこと。


1999年6月6日(日)

高台寺の「京とみ」へ食事に行く。まだ誰も客はいないがカウンターに座って、始めてもらう。最初の香煎茶を無視して「ビール」を注文。最初から流れを乱してしまった。

  • ジュンサイ入りジャガイモのスリ流し
  • ウニと生湯葉のゼリー寄せ
  • 八寸(タコの子、・・・?)
  • タイの潮汁
  • タイ、イカ、トロの造り
  • アナゴの笹蒸し
  • 稚鮎の炭火塩焼き
  • 焼きハモの大根おろし和え
  • 炊き合わせ(鯛の子、・・・?)
  • 貝柱入りゴマ豆腐のウニ添えゼリー寄せ(追加)
  • ハモ丼、赤だし、香の物
  • イチゴ、マンゴジュース
お酒は、新潟糸魚川の「根知男山」でした。懐石の流れにもいろいろあるようで、椀(潮汁)が造りの前に出たのは初めて。京流なのか聞くのを忘れた。でもこの潮汁は臭みが残っていたのが気になった。アナゴの笹蒸しは、じわっとにじみ出るアナゴの美味しさが感じられる一品。鮎やハモはこの季節、無くてはならないものなので、特に印象はないけど、骨きりの音が好き。「ハモひき」の包丁も立派だったし、見とれる。赤だしのお味噌が「ヤマリ」だったのも驚き。やっぱいい味噌なんだ。ハモ丼の山椒の香り、ネギの香り、だしの旨み良かったです。「炭屋」で茶懐石を始められたご主人の経歴の話、京野菜についてなど楽しい話もいっぱい聞けて、本当に食事が楽しめました。カウンターは満席であったが、ほとんどの客に先に帰られて、ほんともっと楽しめばいいのにねぇ。と雑感。
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       八坂神社

 東大路通    下河原通
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 │ │      ││  京とみ││
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 清水道

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