adrress | 東山区古門前通大和大路東入ル元町362 | |||||||||||||||||||
call | 075(531)0300 | |||||||||||||||||||
open/day | 11:30-14:00 お昼のお弁当は予約 | |||||||||||||||||||
open/night | 17:00-21:00 | |||||||||||||||||||
off | 日 | |||||||||||||||||||
capacity | 一階カウンター7席、二階座敷二部屋 | |||||||||||||||||||
memo | 調理師専門学校に通いながら「祇園鳥居元」でバイト、卒業後「瓢亭」を経て独立された、ご主人「松室 治隆」さんのお店。 | |||||||||||||||||||
impression |
平成24(西暦2012)年10月31日 開店三日目の「松むろ」に、古くからの日記のお馴染みのお姉さんと待ち合わせて向かいます。(え!三年ぶりか!?)夜になるとめっきり静かでくらい古門前。骨董屋さんの倉庫を借りうけ改装したお店だそうだ。まだ二階はゆっくり手を入れている様子で、カウンターで営業開始。(昼間に見かけた大工さんは二階の内装をしてはったんやね)。胡蝶蘭一杯。若い数寄屋の工務店さんに任せた店内は、台湾ヒノキの7m弱のカウンターが目立ちます。モダンな木造のデザインに、一部の天上まで聚楽で仕上げてあります。 後から一組という贅沢な空間のカウンターですが、来週あたりから団体の予約も入っているそうです。移転の案内を出していないようで、雑誌では婦人画報だけみたいな口ぶり。花見の頃に雑誌に載れば店も落ち付いていいんじゃないかという思惑のようです。雑誌で知ってはじめて来るお客さんより、馴染みのお客さんに来てほしいという気持ちのようです。調理スタッフ三人。
今宵のお酒は「田酒・純米大吟醸・斗瓶取り(山田錦精米歩合40%)・22.12」とします。お酒は六条の酒屋から。京都のお酒もありますが、神聖は無くなったようだ。際立った香りは特になく全体的に穏やかな香りと、深まった味わい。温度があがると味が膨らんできて、喉に残るようになるけど、滑らかな口当たり。
先付け八寸から、以前と変わらない姿に安心。ぶれてませんね。銀杏や紅葉のチップはともかく、揚げものはちゃんと熱い。 お隣のお客さんが注文した、京都のお酒として一押しの「蒼空・純米酒・美山錦精米歩合60%」を味見させてもらう。500mlサイズで注文しやすい容量だし、京都では珍しいサイズだそうだ。キリットしているけど、少々野暮ったさの残る味わいは、精米歩合からしてしょうがないかな?甘いイメージのある伏見のお酒とは、味わいが違うな。
四方皿にグジの焼き物。皮が無いのがさびしい。「ぐじのぐじ」を取り損なったのも残念。
ご飯は、白いご飯に味噌汁、香の物。丹後のこしひかり。
ミシュランの裏話をチラッと聞けば、ミシュラン側から移転もあることだし不掲載にすれば次回は新規獲得ということで目立ちますよという提案があったそうだ。そういう口ぶりを聞けば☆☆以上ってことか?修業先に肩を並べるのは困るような顔をされた。 平成21年11月3日 四条のデパートでうろうろして、四条通りを祇園へ。今番は「祇園花見小路のビルの6階の☆」へ入店。京都でいちばん高い場所に輝く☆!? 座敷は詰まっているけど、カウンターはゆったり。
先付けの八寸には、お浸し、揚げ物、鴨、千枚漬け、栗きんとん。予算によって揚げものの食材が異なるようだ。先付けとはいえ、お浸しは直前で和えているし、天ぷらと銀杏は熱々。津の壺も永楽。
昨日から寒くなって来て、白味噌仕立てのお碗も、気温に合わせて美味しく感じるようになります。椀種はシンプル。舌の上で溶ける蓮根。11月がら白味噌だ。寒い時期だからありがたい白味噌を、年中出されても嬉しくないからねぇ。
暖かい飯蒸しも、寒くなってくると嬉しい一品。この寒さで、もう最後になるだろうという松茸と名残のハモの飯蒸し。松茸は青森産らしいが、立派な大きさ。細かく骨切りされたハモは、一見お米とくべつがつかない。青華さんの蓋椀だったかな?
ごはんとみそ汁。どっちもいい香りをしてます。
御主人がまだ30代の1999年からちょこちょこお邪魔してますが、料理がぶれないお店。独立して15年余り、コンサバティブな料理と献立だけど、それを続ける力量と、それを支持する谷町がいるというこは、素晴らしいことです。若い料理人が、独立まなしにマスコミに取り上げられて人気になっているようですが、10年たっても同じスタイルで営業し続けられるか、楽しみですわ。 平成21年7月1日 雨に濡れながら、汗をかきながら、だるい足を引きづって、「松むろ」へ入店。カウンターはゆったり満席。
八寸は、涼しげなものが並びますが、汗がひかない蒸し暑さ。えび煎餅だって湿気ってるような歯ざわり。
松の描かれたお椀には、定番のハモ。八寸の進み方を見て、直前に骨切りを見せてくれるわけです。いつもの淡路のハモ。柚子の香りとゴマの香りとが高いお椀。
飯蒸しのは、ハモの照り焼き。実山椒を割って香りを高めてあります。とっても好きな香りですが、ハモにはよく合います。
ご飯は、珍しく炊き込みで、新生姜。生麩の赤出汁。香の物。バスから見た四条通りの商店街には、祭りの提灯が上がってますが、香の物には、おきて破り(?)の胡瓜! 平成21年3月30日 だるい足を引きづって、「松むろ」へ向かう。前回は紅葉の帰りだった。ご無沙汰やったね。
窯印「正山」の細かい桜の猪口。酒杯に描かれた桜が季節にふさわしいですな。こういうのんはカウンターでないと使わないそうだ。
先付けの八寸。揚げたての餅粉揚げ。
稚鮎がドーンとでてくる。バリバリ食っちゃいます。しかし、まだ三月ですから、早いねぇ。
白ご飯
来年には、独立して、もう20年になるそうです。この店舗で長いですねぇ。ちょこちょこ座敷などいじくっているですが、きっぱり心機一転もええんじゃないかな? 平成20年11月27日 予約した時間には早いけど、靴を脱いで、くつろぎたかったので、「松むろ」へ向かう。 油断していたようで、主人は留守だった。
八寸。柔らかな鴨には辛子。揚げたてのシメジと銀杏。栗の入れ物になっているのは昆布で編まれた駕籠で、食べられるというので、パリパリ。食べられることに気がつかないと、ごみ箱に行くんですから、勿体ない。
待たせたお詫びにということかな?カラスミ大根が手塩皿。新物のカラスミ。大根と一緒でも酒肴として十分。
板前で、蟹をさばいていた。浜坂産らしいが、ちゃんと蟹を使ってますということで、必ず板前で捌くそうだ。決して蟹のカラを飛ばすような下品なことはしない。蟹をそのまま出すこともないという。蟹足をそのまま出したら怒るお客もいるというから京都は怖い。その蟹を使った飯蒸し。蓋を取ると海苔の香りが立つし、食べると蟹の甘味が口の中に広がる。清水六兵衛。
白いご飯 平成20年9月09日 晩御飯に向かったのは「松むろ」へ向かう。
カウンターでは、先付けの八寸とお造りの盛り付けが見られて、先付の出る少しの間、目で楽しめるのです。
六条の酒屋でチョーお勧めだったという「開運・能登流・波瀬正吉・斗瓶取り大吟醸・無濾過生酒・兵庫特A地区/山田錦麹米40%精米&掛米35%精米・静岡酵母HD-1」を頂くことにする。(メニューには載っていないが、酒好きが尋ねれば出てくることがある)マスカット、バナナのような高い香りで喉越しもすっきり。時折白桃のような甘味が感じられる。
お椀は、丸豆腐。よくある焼餅の代わりに生麩を焼いたの。
飯蒸しは、ハモと松茸。太った淡路のハモ。飯がハモに隠れて見えない。いつものようにツユダク。
白いご飯、えのきの赤出汁
ひそかに「重陽」らしい料理屋演出を期待したけど、残念。 平成20年7月22日 で、晩御飯に向かったのは「松むろ」へ向かう。 鶴太郎の「鮎」の掛かるカウンター。
タコの卵を炊いたのが美味しく出来てます。ホクホクとしながらもニャーとした舌ざわり。サクサク揚がったアワビの肝も美味しい。この季節・祭りにちなんで粽が出る。でも平日だった今年は、客足はよくなかったようである。不思議と6階のこの店には「お神酒」の札が上がっていない。1階しか来ないとか・・・?
保津川の鮎。まだまだ頭からバリバリ。苦味はまだ少ない。鮎は苔を食べてスイカや胡瓜の香りが出ると言われてきたが、間違いのようで、香味成分は加齢臭みたいなもので、大きく育つと出てくるという。甘味のある田楽味噌の賀茂ナスとの対比がいい。備前の器は動画でも使われている。
餡かけの炊き合わせ。温かい餡で冬瓜を包んだもの。冬瓜の中に、えび・百合根・キクラゲ。
昨年から取材をしていたという動画サイトであるが、年4回のインタビューが最初に撮りだめしてあって、1年かかって順番に出てくるらしい。製作者の好みの店を集めたということらしくて、増えないらしいというからちょっと残念。なんかどんどん増えていって、フレンチやイタリアンも加わったそうだ。 平成20年5月7日 晩御飯に向かったのは「松むろ」へ向かう。 カウンターは満席。後で一部2回転して、久しぶりに賑やか。すべてのお客さんが、常連さんで、GWで観光客がいなるのを待っていたかのようである。常連さんはカウンターをお好みである。 タイワのバイトの子が新しく入っている。
カットガラスには胡瓜の和えもの。白酢?まさかマヨネーズ?と考えたけど、鯛の白子を使うとは・・。いろんな使い方があります。粽をはがすと鯖だった。しっかりした旨み。 派手なお椀の絵。早くもハモ。今日から使い始めたという。葛は打ってないようで、出汁が骨の間に浸みこんでとても美味しい。今年はまだアブラメも脂が乗って使えるそうだし、椀種に困らないようだ。ジュンサイも今年初めて。 永楽正全の向皿。満開のボタン。旨みを引き出した鯛。 古伊万里の染付に、鮎の塩焼き。添えられているのが花山椒。 今日の飯蒸しは、カレイとウニ。蓋を取ると乗りの香りがたつ。 炊き合わせが、タケノコ・鯛の真子・エンドウ。タケノコは竹の根っこの外側から生えてきて、最後に真ん中の部分から出てくるそうだ。で、シーズンの終わりに出てくるタケノコが一番おいしいという。でも最近は、使うのが早くなった分、使い終わるのも早いようで農家はお嘆きだそうだ。白子はやっぱり白く炊きあげてほしいもんです。
夏の魚のスズキももう脂が乗っているという。釜揚げ(?)のにゅうめんに、温かいそうめんつゆ。 予約で「端午の節句らしい食事」という注文は?・・肩すかしのような気分。
最後に「風露・純米大吟醸・山田錦精米歩合40%・山形酵母」というノンを少し頂く。甘味はあるもののすっきり。遊佐の高橋酒造店ということは「東北泉」のお蔵やね。トックリに注ぎそうだったが、猪口にしてもらう。飲み過ぎです。座っていても、一瞬目が回るような感じがした。 平成20年4月1日 で、晩御飯には、「温かい大将の気遣いが、お客様だけでなく、一緒に働くメンバーにも伝わる人間味溢れる懐石料理店」「松むろ」へ向かう。 先週まで「TV放送」をしていた割に余裕の客席。当然ながらカウンター好き。
八寸には、白魚とアユ。走りのアユは嬉けど、まだまだ白魚の方が旨い。菜の花の豆皿は永楽印。
水引の碗の蓋をとると、蝶と鳳凰の豪華で雅な柄。立ち上る香りは、ゆず!なんだか冬に逆戻りしたような香りなんだけど、季節がら木の芽ばっかり続くことを嫌がったそうです。なるほど、そういえば、出てくる料理が木の芽ばっかりの時もありますわなぁ。じきに花柚子も出てくるまでは、使うようです。妙にインパクトのある柚子の吸いくち。それだけでなく、アブラメの脂の乗りが素晴らしい。焼き目をつけてお造りで出るのが増えてきたけど、皮目の脂の旨さは暖かいのが一番おいしく感じられる。清汁が脂で濁るほどに旨さが増す感じ。
ご飯は白いご飯。頂き物だそうだが、釜揚げシラス付き。
2月ごろから、ミシュランの調査員が京都をうろうろしてるらしい、という口火を切ったら、2月の初めにすでに来ていたそうだ。ミシュランと名乗ってやってきたのは日本人だったそうであるが、店の写真やら内容の承諾書をとって帰ったそうだ。星が取れるかどうかはわからないが、載せてもいいよと店が了承したという意味。ヤカタならともかくカウンター主体のビルのお店を、ミシュランが対象にしていたとは、正直びっくり。それを受けたことにもビックリだ。とにかく、料理だけを評価にしているということで、内装だの、トイレだの、ワインの品ぞろえとか、あまり重視してないと話していたそうである。個人的には載ってほしくもあり、載ってほしくもない。いいお客さんが増えればいいけど。 平成19年12月18日 晩ご飯は花見小路の神聖ビルの「松むろ」にいく。エレベータから玄関まで、下まで見通せる廊下になっていて、高所恐怖症のむちゃは、いつもビビるのだ。 今日も座敷は詰まっているが、カウンターはガラ。
漆盆の先付け。 このところ続けて出てくる白味噌のお椀。この13日が祇園では事始めというので、もう新年同様。春めく「よもぎ」「菜の花」。流石に「筍」は年明けだそうだが、気が早い。でも、もう京都・長岡産の筍も出ているという。
清風与平の赤絵カブラの向皿に、お造り三種盛り。珍しい生青海苔。よこわにもしっかり隠し包丁を入れて丁寧。
蕪蒸しには鰆。そら「ぐじ」より脂ののった「さわら」が旨いに決まってるやん。これも永楽。なかなか器も楽しめる。
密かに期待していた、諸子ちゃんは、おとといまで入手できたけど、きのうからの寒波の性か獲れない(獲らない?)ようで、残念。注文しても市場に出てないとしょうがないので、密かに楽しみにしていたのだが、残念。 平成19年11月27日 晩ご飯は花見小路を北へ歩いたビルの6F。祇園「松むろ」にいく。 座敷はイッパイのようだが、カウンターは不人気。
漆のお盆に先付け。揚げ物が2種類で熱々。銀杏の熱ったか。塩分が抑えられた唐墨が旨い。料理屋の鯖寿司は旨い。こうして出てくるすし飯との量のバランスだろうな。 今月も中旬から、白味噌に変わったという。やっぱり冷え込んでこないと、京都とはいえ、白味噌も感激がないだろうなぁ。プルプルの蓮根豆腐。 お造り4種。沓皿とか言うていたかな。丸の器をぐっしゃと内側へ折り曲げるようにするのだそうである。
カウンターのいいところは、大将の仕事が見られるところ。明日は市場がお休みということで、明日のヨコワの下処理中。使わない血合いの部分を出してくれはります。カウンターのいいところ。
年末は30日まで営業するそうで、元日から営業!凄い。というか、予約が入るそうである。30日の営業が終わってお節の仕上げをするそうで、大変だあぁ。限定10個程度。無理して数を増やそうとしない姿勢。それだけに年末で食材が高くなる時期に買うもんだから、儲けにならないとおっしゃる。 平成19年10月11日・木 晩ご飯は花見小路を北へ歩いたビルの6F。祇園「松むろ」にいく。
塗りのお盆に八寸。白く揚がっているのが餅粉をつけた、キスと松茸。料理屋さんの鯖寿司は、どこも美味しい。栗きんとんに大徳寺納豆が載っているのだが、甘味が勝てしまっている。
お椀代わりに、土瓶蒸し。実は、あんまり好きじゃない。ちゃんとお椀が欲しいところ。
焼き物はサワラの幽庵。二日漬け。漬けているところを板前で見せてくれた。案外簡単にどぼどぼ漬けている。「○に啓」のスタンプはダレだっけ?
ご飯は注文をつけて、焚いてくれたのが松茸ご飯。
萬暦の蓋椀について聞いていたら、古染付けの皿の店開きとなった。珍しいものに触れさせて頂く。街場のお店でも、懐石の店だけに、器はええもんを揃えておいて欲しいですなぁ。 平成19年9月13日・木 晩ご飯は祇園北のビルの6F。祇園「松むろ」にいく。 当然カウンターの板前。
金だけで無く赤(銅)も散らして秋の夕暮れのススキを蒔絵にした漆の皿に八寸。揚げたての海老さんと銀杏。目の前で出来上がる小袖寿司。巻いて切ってから炙ってある。四国の栗だそうだが、明日から丹波の栗が出始めるという。 椀の蓋裏にススキ。秋の器が続く。丸豆腐の椀。スッポンの身は少なく、玉子が濃厚。酒を使うのは好みじゃないとかで、生姜も押さえ気味で穏やかな香りの丸い味の丸仕立て。濃い口を使うというので穏やかだがこくのある出汁。とんがった味のない美味。 お造りは3種盛り。永楽の武蔵野の丸皿は、ススキの銀塗りの月に雲がかかる絵柄。乾山写し。つばすとは珍しい。イイ鯛。
焼き物2種。さわらは幽庵焼きで、ぐじは酒焼き。木山椒(?)って言ってたかな?とうがらしの葉っぱが出てきて万願寺も使わなくなるのだそうだ。黒と金で描かれた松は仁清写しの半七の器。
平成19年8月14日・火 晩ご飯は祇園北のビルの6F。「松むろ」に参る。 毎年夏のお盆前後には「鱧・鮎の特別懐石」というのを提供されているんですが、無視してお願いしておいた。 賑やかな座敷だが、カウンターはゆったり。鶴太郎の鮎の絵。
椀種は大振りのあこう。もうちょっと皮目まで包丁が入っていれば、出汁が濁らなくていいのだが、見た目だけの問題。一匹仕入れたアコウだというので「頭が好きだぁ!」と語る。
お造りは、鯛。皮を付けたままサクの片身を湯に通して、引きつった皮に包丁を入れている。タタキ風。夏の魚は、表面に火を通すことで殺菌をしているという。古風な造り。でも、痩せた夏の身に皮の脂をつけ、加熱することで旨味を増すという意味もあるのかも知れない。カウンターだから、包丁仕事がよく分かるが、鱧を骨切りして、皮をすいている。皮1枚を残して骨キリするというが、その皮を引いてしまっても、ちゃんとバラバラにならない。皮2枚を残した骨切りということでしょう。皮の無い骨切りした鱧は、フワフワ。口の中でホロホロの溶けて崩れていく感触。始めての鱧の食感だ。生ハモの薄造りでは、鱧を食べた気がしないと言うことから、こういう仕事になったという。徳島産の鱧。かたくなに内地産を使う。 平成19年4月10・火 晩ご飯は祇園北のビルの6F。「松むろ」に参る。 座敷満席。カウンターに先客1組。行楽シーズンですが、サライに載った昨年ほどではないという。
呉須の染め付けは先代の「正山」の桜の猪口。細かく描かれた桜が微かに濁って麗しい。黒の漆の器に彩りのいい八寸。自家製の一夜干し。今、干しているのを見せてくれたが、身も厚くて大きい。竹の子を巻いて俵型にし三つ葉でしばった寿司。 鶴のお椀はアブラメ。カツオしっかりの出汁。薄い竹の子と人参。 お造りは6キロあったという鯛。鯛はこのごろ随分と安いそうである。産卵シーズンで腹は痩せているそうだが、まだ背は身も厚い。 焼き物はマスの木の芽焼き。竹の子は炊いて下味を付けてある。 今日一番期待していたのは「桜蒸し」。勿論飯蒸しだからおこわ。ぐじの柔らかさが飯蒸しには一番相性がいいように思える。桜の葉を巻いて、花は3つ。桜の香りも加わって、情緒タップリ。 炊き合わせが、若竹。ちょっと出汁が甘くて濃い。ウスイ豌豆には少し葛を引いてそうだ。白子という竹の子は知っていたのだが、始めて聞いたのは「本子」という言葉。竹の子は山城の農家さんへ買いに行っているそうだが、いい代物は市内の有名な野菜屋に引き取られるそうだが、それでも、山ほどある竹の子の中には、見るからに素晴らしいのが何十本の内に、混ざっているそうである。目利きの出来る人は、料理屋さんに紹介して貰って現地まで買いに行けば、破格の値段で買えそうである。 天ぷら4種。 毎日精米して届く丹波産のコシヒカリ。白いご飯なので気になって聞いてみたのだった。お客さん毎に炊いているので、色ご飯もいって貰えれば出来るそうだが・・・そうだったのかぁ! 水菓子。 平成19年2月8日・木 晩ご飯は、路地から花見小路にでたところの「松むろ」。カウンターもゆったり。
蛤の形の先付けの八寸。2月になって春めく食材。濃厚なコノワタの風味や、苦みのある蕗の薹には、濃いめのお酒が合うように思いますな。数日間にワインでコノワタを食べたお客さんがいたそうだが、合わへんかったそうだ。「何でもワイン」とはいかないけど、「ほとんど日本酒」は正しいと思うんですけど・・。 お椀は「白檀(?正式な漢字は知らない)」(蓋の表面と椀の側面)という塗りの、中国の奇獣を描いた器。器に目を取られちゃうけど、黒塗りに金で絵を描いて、タメ漆を塗った、ワイン色の微妙な陰影。唐獅子?龍?麒麟?しゆう(漢字が思い出せない)?正月以降、蟹の値段が下がっているという。そんなかに真蒸は揚げてあって、脂分が旨味を足しています。ところで、雑誌に載った「カニ鍋」は、問い合わせはあるものの、注文はまだ一組だけだそうだ。 漆の話をしていて、新しく注文したという山中塗りの猪口を出してくれる。朱ではなく臙脂。普通は「たる源」の木製の猪口だけど、それをそのまま漆器で作ったという。金属製のタガも嵌めてある。小さなビアグラスも出来ている。冷酒には、グラス・磁器がいいと思うのだが、漆も口当たりがイイ。これを見た象彦さんが発注したと言うから、春から店頭に並ぶそうだ。マークが付けば高くなるけど・・・。最近は京漆器も輪島も、山中に注文を出しているとか・・。 お造りはヨコワ、平目、クルマ。魚も正月以降お安くなっているそうである。一方マグロは上がっていて、京都ではよく見かける「しび」も上がっているそうである。立派な平目。板前は楽しい。皿は永楽だったかな。 焼き物にはマナガツオ。味噌幽庵。お腹の部分が出てきて、ぱっと見たところ「イカ焼き」に見えた。福文字の皿は九谷・須田セイ華 蓋付きの器でイイ蒸し。スズキといっていたけど、平スズキかな? シンプルな炊き合わせ。 見た目はかぶら蒸し風だが、蕪の代わりに蓮根を使った蓮蒸し。 お麩の入った止め椀に白ご飯。 伊予柑の中にゼリーを鋳込んだデザートに、苺。
「百年の孤独のチョコレートぼんぼん」をお相伴させてもらった。レアな焼酎を使ったというだけで、味そのものはそれほどの物とは思えないけど、売れちゃうんだよねぇ。チョコの味が足をひっぱているンじゃないかな?ご大層に桐の箱に入って、1個400円ちょい。 2006年12月23日・土 晩ご飯は、「松むろ」。座敷は一杯。一室は2回転と土曜日はご繁昌。 久しぶりの女将。
先付けの八寸。明るい漆盆に映える。 お椀は白味噌。薄くスライスした蕪の下には胡麻豆腐。まったりというに相応しい甘さと、トロンとした胡麻豆腐。 お造り三種。漁獲制限で話題になっているマグロの幼魚「しび」。淡いピンク色が麗しい。よくよく考えたらこういうのは食べるより「畜養」に回したり、「リリース」したほうがいいのでしょうけれどね。ハラミの部分を入れてくれた。トロとは違う旨味。そういえば最近平目にお目にかかれないけど、旬になっている。 焼き物は、鰆。 暖かい飯蒸しは、ほしこ(ばちこ)を細長く刻んだもの。タップリ。 漆の片口に、炊き合わせ。アラ煮が入っているので、びっくり。あっさり目の煮具合。炊いて揚げた海老芋。 蒸し物には「粟蒸し」。使っているのは「もちきび」だそうですが、料理名は「粟」。食感は、和風クスクスって言う感じ。魚は「ぐじ」 白いご飯に、味噌汁、漬け物。 水物が、マンゴに苺。
お持ち帰りにお願いしていたのは「ぐじの棒寿司」。脂が乗ってこないと作れないと言う季節限定で、兼ねてから念願の一品だった。 2006年11月1日・水 晩ご飯は、「松むろ」。座敷はともかくカウンターはゆったり独占。 予約の電話を入れたときに、若い子に名前を告げたときに、思い出してくれると、とてもいい気分。カウンターに座る前から、居心地がいい気分になれる。
先付けの八寸が塗りのお盆ででてくる。揚げた海老はフライ風。シメジも石附の部分にパン粉。チップスは銀杏に抜いてある。京都の著名な漬物屋は化学調味料が入っているとお嘆きの主人だけに、自家製の千枚漬けでしょう。お寿司の中の木の芽が効く。 お椀は白味噌仕立て。11月から3ヶ月は白味噌だそうで、「山利」さんのん。トロントロンのポタージュ並みだが、お家での雑煮はもっと濃いらしい。それだけ濃くても、辛くならずに上品さがあるのが、ここの味噌。葛タップリとおぼしき蓮餅は透明感のあってプリンプリン。もうちょっと寒くなればなお一層美味しいだろう。 お造り3種。旨味が十分に出た鯛。 ドンと焼き物が「ぐじの頭」。今年は暖かいのが原因か、脂が乗ってきてないそうだ。 この店の楽しみの一つが「飯蒸し」。今日は松茸に鱧。文句ないほど美味しい。板前は面白くて、料理が出来上がる前に食材を披露してくれるので、予想を立てることが出るのだが、鱧を骨切っているときは、まだ鱧の椀かと思ったほど。それが予想外の飯蒸し。松茸まで。本当は11月に入ったら使いたくないと言うのだが、この3連休も「土瓶蒸し」の注文が入っているようで、まだ苦労して仕入れるそうである。 炊き合わせが、海老芋とアワビ。暖かいせいでまだまだアワビがよく出ているそうである。柔らかく蒸してさっと炊くというけれど、しっかり味が付いて旨い。炊いた海老芋を揚げたもの香ばしさが出てとても旨い。 もう「蕪蒸し」。これももうちょっと冷え込んでくると、季節感がある。海胆が乗って、山葵が乗って、刻み海苔が乗って、エエ香り。銀杏・イクラ。キクラゲと定番。そこに置いた肴が「鯛」と贅沢。淡い銀餡がしみじみとした滋味。 京都では日本料理屋さんの白いご飯も久しぶり。お代わりしてしまった。 水菓子3種。 お酒の話になって、ここでもワインなるものが置いてあって、白は「シャブリ」で決まっているそうだ。赤はその都度変わるそうだが、値段はそこそこ。マンションの6階という立地では十分。日本酒の値付けは2倍程度なんだが、焼酎なんか、なんやかんや(氷を入れ水割りにして1升瓶で20杯も作ると)6倍〜8倍くらいになるそうで、申し訳ないという。それで料理に合うかというと、まぁはっきりとは言わないが、難しい。やっぱり日本酒が一番です。 2006年3月17日 晩ご飯は「ビル内にある個室中心の穴場の割烹」と「日経おとなのOFF」に書かれている「祇園松むろ」だ。 金子国義の舞妓さんの絵が掛かるカウンターを独占。他のお客は座敷のようです。 来週から新しい調理スタッフが一人増えるそうだが、今は二人に減っている。どこでも女性は辛抱強い。
貝の形の塗りのお盆に盛られた八寸。 金銀の水引の椀の裏側は鳳凰に胡蝶。四角い焼いた椀種が入っていた。蛤の真蒸だけど、その滑らかな口当たりは初体験とも言える。濃厚な吸い地も蛤。 3種盛りのお造り。マグロは中トロの部分。昨晩は京都では雹も降ったらしいが、魚はあったようで安心。それよりも飛び石連休では漁師さんも休みたがるようで、週明けの方が心配だそうだ。 お刺身を引く前に、カンテキを出してきて目の前で焼き始めてくれたのが、本モロコ。10匹もある。今シーズン入荷できたのは5回ほどと言うから、運次第なんですが、嬉しいものです。もう立派な子持を選りすぐってあります。焼いた諸子は加減酢で頂く。焼けた物から次々と取り皿に取ってくれるので、パクパク、ぱくぱく。網に頭を突き刺して焼くんですが、焦げたところは、包丁で削いでくれるという丁寧な仕事。花粉症をおして食べに来て、よかったぁ。
定番の飯蒸しは、甘鯛の上に焼いた唐墨。僅かに出汁が張ってある。むちゃは松室さんの飯蒸しが楽しみなんでございます。 2005年12月25日 四条通りを東へ、花見小路の「小瓢亭」さんへ寄って、幕間のお弁当を引き取りにいく。 ちょうど蓋をしているところであったので、お茶を頂きながら、カウンターで待つ。 お弁当だけの為に営業させたら悪いなぁ、と思っていたのだが、お昼に予約があったそうだ。ほっとしたけど、それがキャンセルになって、結局、申し訳なくも、お弁当だけの日曜日にさせてしまった。 実は「日本一の弁当」と言われる「菱岩」さんに電話したのだが、お節の準備で今日からお弁当はしてないというつれない返事。そんな話をすると、お節の準備に休養日を作っているという話も聞く。お弁当屋のお弁当と、料理屋のお弁当との違いとか、面白い話だった。
ちゃんと木で出来た折です。中身は、エビ芋、生麩、出汁巻き、サワラの幽庵、茗荷、酢取り蕪、湯葉、車エビ、ぐじのあられ揚げ、揚げたシメジ、ちしゃとう、菊菜の和え物、黒豆、唐墨、鴨ロース、鴨の丸、鯛の小袖寿司、炊き込みご飯の俵おむすび、奈良漬け。 2005年10月10日 晩ご飯は、祇園の「小瓢亭」さんへ「永楽尽くし」の懐石を頂きに行く。新地の料亭で修行中の二人組が先客。やっぱり料理人というのはどことなく判るな。 さて献立は
銀張りという仕事も今では途絶えた仕事のようで、イメージは「歯の銀のかぶせ」だ。焼かれた器をかたどって、銀をはめ込むという。古いモノは隙間が出てくるという。 もう一種類の銀張りの絵高麗も出してくれるし、赤絵の酒杯(誰のか聞かなかった!)もあった。お蔵だしで新品同様の綺麗さだった。 肝心の料理の向付は鯛だが、旨味たっぷり。3連休の最後で魚は期待していなかったけど、予想外に旨いのでびっくり。なんか気分的にお腹が満たされてしまった。 椀が松茸に、スッポンの玉子豆腐。松茸に丸という組み合わせは始めてのような気がする。癖の強い丸だけに首をひねるが、旨いモノは旨い。松茸がなくてもイイヤ。鈴木表斎作のすすき蒔絵椀という。これもちょっと古い椀。細かい仕事。京都の漆は分業ではなく、木地から塗りまで仕上げるそうだ。 昔の椀は、蓋をかぶせても裏返らないように口縁が僅かに楕円になっているそうだ。手が込んでますなぁ。 蒔絵の漆の皿に八寸を盛りつけ、お浸しの小皿が「妙善」さん。一つ一つ箱書きを見せて頂けるが、みんな「善五郎」。「妙善」さんだけ「悠」の字がある。蒔絵は「平安俊勝」と裏書きされていたかな? 焼き栗というのはあまり出会わない。 焼き物は「鰆」の幽庵。中皿の真ん中に「福」の赤絵。 蒸し物はお得意の「飯蒸し」にあんかけ。蓋を取ると出汁の香りと柚子の香りが立つ。グジの塩加減とごはんが良い塩梅。どうも他のお客さんは、理解できないようで「鯛ごはん」とか言っている。確か前も同じような(お茶漬けとか言っていたかな)お客さんがいましたなぁ。蓋を取った裏側と同じ柄が表にもある。デザイナブルな文様だ。モダン! 炊き合わせは「預け鉢」の大きさ。出汁で煮含ませた鱧も美味しい。菊菜の香りも芳しい。海老芋は煮た後、揚げているんでしょう。ふっくらのお芋さん。お芋さんはこのサイズでよろしいなぁ。 特に上出来の作品には、特別なバックスタンプが漬けられるらしい。「河濱支流」の文字と読める。これも真ん中に「福」。取り皿までも「永楽」! ごはんは白いごはんに香の物。なんか普通すぎて・・かすんでしまう。 デザートの皿も、普通に見かける黄交趾と油断していたが、これも「永楽」だった。
カウンターは一部2回転。ルーブルを見に行ったそうだが、1時間の行列だったそうだ。お疲れ様。永楽のお食事は、10人限定だそうだが、カウンター限定でもあるそうで、そこそこのご予約という。すべて自前の器と言うから、大変なモノです。まだお金を払っていないモノもあると言うから、がんばらなくては。
2005年8月13日 3年ぶりというものの夏は初めてのようだ。祇園は北側のビルの「小瓢亭」で夕ご飯。少し前に入店されたような方々がおられるカウンターの隅っこ。 奥様が女将さんとして、お店に出るようになったようだ。若い女性もスタッフでいるようだが、細い腕で、大丈夫かいな?
今日は季節外れだが、たいそう良いグジが入ったそうで焼き物にするか迷ったそうだが、揚げ物になったそうだ。鮎より好きだ。残念。 鶴のお椀には鱧だが、椎茸。「松茸はお盆が過ぎるまでは使わない」ということは「9月から」ということかな?そういう店があってもいい。それにしても「北朝鮮」の松茸はええそうだ。あんな国から買ってくる商社には憤りに感じるが、買う消費者やお店があるからイケナイ。お値段が上がると「あこう」になったそうだが、そちらの方が魅力的。今度から予算をあげよう。(というか今日はいつもよりお手軽なのを頼んでいたのだ)。でも今の季節は、食材での差別化が難しいのだそうだ。「予算が高くなった分は鮑で」というのはしたくないそうだ。料理人も百人百様。 メニューから「雛願」を注文すると「雛願・雪先花」だでた。飲み比べもさせて貰ったが、苦味のような雑味がなく冷酒向き。かねがね「雛願」は「ぬる燗」の方が良いという評価がよく分かる。蔵元の息子が戻ってきて、今までの「雛願」には納得いかないと、同じスペックでありながら醸造方法をを工夫したそうで、まだ僅かな出荷だそうだ。 真っ白のお造り。赤身がないというのは寂しいモノです。実のところ最近スズキが痩せているそうで、焼き物にも使いたいようだが良いのがないそうだ。カウンターでは「洗い」の作業を見せてくれる。見る楽しみも増えているようだ。梅肉も小皿で出るから、盛りつけたお造りはほんまに真っ白。最近は青梅を使った梅肉もあるそうだが、奇妙なことは嫌いだ。梅肉の作り方も気軽にお客さんに話しているけど、できひんデキヒン。 備前の器に美山の鮎2匹の塩焼き。賀茂ナスは田楽。田楽を鮎に付けると「魚田」の出来上がり。二通り楽しめた。最近は頭から食べられる小さい鮎が好まれているようですが、どうなんでしょうね?昔は骨をすっぽり抜く仕草が食べ慣れている「粋」さが、うらやましかったりしたんですが、面白くありませんねぇ。骨や頭まで食べられる方がお客さんの経済的なことを仰ってましたなぁ。その分完全な天然というのは、使いづらいようだ。 さて「タデ酢」というのは本当はどうなのだろうか?ここではさらさらの酢に磨り潰したタデが風味を付けている程度なのだが、いろいろ店によって説明が違うのは面白い。使わないので、どうでも良いけど、この時期のカウンターの話題にしたりするのだ。 ここでの楽しみの一品は「飯蒸し」だ。今日は鱧。上に乗った実山椒は、一つ一つ包丁で刻んだもの。香りが高い。 夏なのにあんかけで暖まる。包丁の細かく入った冬瓜は箸で砕けていく。冬瓜の中に具が入っている。 今年の夏はよく「麺」に出会う。今日は「冷や麦」とは、残るは「稲庭」ぐらいだが、たぶんもう秋になればでないでしょう。海胆は旨いが、冷や麦には勿体ない。 シンプルな白御飯。 市場も明日から休みだそうで、いつも出している宮崎マンゴも高騰したというので、メロン・・・
カウンター横の絵は「鶴ちゃん」の鮎。「祇園松むろ賛へ」と読める。マネージャーさんがアタッシュケースに絵具を持ち歩いているそうで、描いてくれたそうだ。 2002年3月23日 四条通りをまた東へ歩く。ほんと今日はよく歩く。4月からの京おどりのアーチがかかる花見小路を一瞥して今宵は北へ向かう。北側の繁華街も賑やかさがありません。路地を入って、満席のお店をチェック。再び花見小路にでて、ビルの6階「懐石・松むろ」に入る。2週間前に坂道でこけた表紙に左手首を亀裂骨折したとかで、包帯姿の松室君。あと1週間で包帯がとれるという話だが、観光シーズンに不自由なことです。そういう理由で、厨房の中で、スタッフにも厳しい。「松むろ」にも新人がいるけど、夏まで持たない子が多いという。3年ぐらいすると、一通りのことができてそれで満足しちゃうそうです。しっかりした店で10年近くがんばって欲しいという気持ちがあるようですが、どこでも教育は頭の痛い問題です。八寸の盛りつけは、若い女性。がんばりましょう。 さて、今宵の献立は
春の八寸。花見団子に見立てたエビ・青海苔・鶏の団子。感心させられたのは、海藻臭いかなと思う青海苔は百合根の味を壊していません。ちょっと手間をかけた一寸豆も餅粉を付けることで、味わいがふくらんできます。タケノコのお寿司は、瓢亭譲り。 椀には、油目。まだ脂が十分でないと言うのですが、脂が乗らないから椀種にもしやすいと思いますな。ごま豆腐は、おとなしい香り。 焼き物には、お得意の鱒。味噌幽庵焼きという、瓢亭譲りの焼き物。味噌漬けでも旨い、幽庵付けでも旨いが、それを味噌幽庵にするのがすごいと、菊乃井さんも誉めて張りましたなぁ。付け合わせの酢漬けがなか、いいマッチング。何でもかんでも「はじかみ」より、嬉しおます。 飯蒸しの変形になる、桜蒸し。餅米の中にはタケノコが忍ばせてあります。鯛を乗せて、桜の葉、桜の花びらと飾ってあります。三浦竹泉の器のふたを取ると、桜の香りが立ち上ります。うれしうれし。お酒を「水」から「鄙願」に変えます。「水」でもやはり酔ってきますな。いつもは「味気ない」鄙願も、ふっくらした味わいに感じます。 続いて炊き合わせは、タケノコ、鯛の子と季節もの。ところが、聞くと、今年はどうも変だそうで・・・。陽気のせいでタケノコは育ちすぎて、筒切りでしか提供できないくらいになっているし、桜にあわせて使いたい鯛の子には季節が早くて、養殖を使わざるを得なかったり、さりとて日本海の油目はまだ寒くて少し時期が早いとか、苦労されてます。でも、タケノコは旨かったす。ちょっと太いところの方が味は豊かですから。ほんのりと甘い出汁の加減もたまりません。 ご飯はお代わりして、水菓子がでます。 専門料理に話が出ていた、移転の話をちょっと聞きます。やはりビルの6階では、他の店から出てくる換気や空気が悪いそうで、季節の風が感じられないということで、坪庭のあるような一軒家を探しているそうです。一時期に比べると、半額ほどに下がっていると言うから、ゆっくり納得のいくのを探されるでしょう。あと10年ぐらいまでにはと、先を見た話を聞く。少し北の新橋あたりは、まだまだ風情のあるところです。あの「よねむら」の場所も下見に行ったそうで、5000万円ほどだったけど、間口の問題で止めたとか。店探しというのは、ぴたりとくる物がなかなかないようですな。そんな話をして、初めて名刺をおいてくる。鯖の棒ずし1本を「おもたせ」。龍皮昆布でまいたオーソドックスな一品。 2001年5月29日 デンワ一発!予約の夕御飯は、ビルの6階、懐石「祇園・松むろ」です。カウンターに案内されて座るが、とにかく「夏柑糖」と「水ようかん」を冷蔵庫で預かっていただく。これで一安心。本日の献立は
今日もハモの椀。というより、板前の(まな板の前に座っている)むちゃは骨きりしている松室君を見て出てくるのが、わかっている。大きいハモだが、そんなに大きいハモは今日の客数から見て、余っちゃうぞ、と心配。ちっちゃい蕾があるので聞くと、半月ぐらいしか取れない「花柚子」だそうだ。噛むと「ふわ〜ん」と口の中に柚の香りが広がった。京都ではジュンサイが取れないので、秋田のモノ。間引きのゴボウは「管ゴボウ」。最近は、灰汁抜きをしないでもいい生食用ゴボウもあって、サラダに使うらしい。 定番の「飯蒸し」は柴漬けとは、ちょっと残念でもある。東京の母子連れは、お茶漬けと思ったらしい。うふふ。 焼き物は琵琶湖産の鮎。もうすぐすると松室君は「美山」の鮎を使うらしい。鮎を捕りすぎ、使い過ぎとおっしゃるが・・・。 確かに「衣かつぎ」の小芋はおいしい。けど4個はちょっと多い。基本的にねっとりとした芋はあまり好きじゃない。海老の甘みはうれしいが、海老の臭みをちょっと感じた。 素麺の細さに驚いて、聞いたけど、若い子はよく説明してくれなかった。たぶん漢字は「絹巻き」だろう。冷たい素麺つゆで、つるつる食べたい。 白いご飯にこだわる松室君らしいから、お代わりしてやった。・・・食べすぎた。赤出汁は嫌い。今日もマンゴォ!これは「アップルマンゴ」? さて、カウンターから聞こえてくる厨房が何故か寂しい。GW明けはどうも客足が落ちるそうで、接客の女性は居ず。厨房も一人減って、松室君を含めて3名でこなしている。料理から接客まで、白い服を着たスタッフが動き回るのは、座敷のお客には特に、良いイメージじゃないと思うな。どこも若い見習は居着かないようだ。そんな感触も伝わったのか、今日は感動が少ない。 2000年10月14日 「ふらっと」東山でも夕御飯は事前に予約済み。祇園神聖ビル6Fの「祇園・松むろ」にお邪魔した。エレベータの扉が開くと同時に、仲居さんの挨拶を受け、感心する。さすがに、仕込みが違う。たった5席のカウンターに居座る。献立は
2000年3月4日 「祇園・松むろ」である。お昼のお弁当は予約じゃないとダメで、懐石と相成った。新橋通りを抜けて、店を確認すると電話番号が変わっているんや!そらでまへんわなぁ。「松むろ」さんのカウンターで頂いたのは
1999年11月20日(土) 夕御飯は祇園の「松むろ」さんとした。
1999年2月25日(木) 訪れたのは祇園「松むろ」さん。予想通り、カウンターを占拠していたのは、おばさんだった。私は賑やかなおばさんのグループの隣。最後に「うるさくしてゴメンね」と言われて少し見直す。
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