季節料理・もめん

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open/night17:00-
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impression 平成28(西暦2016)年1月30日
今宵の食事は心斎橋の「もめん」(4.18/38)です。いつものようにドクター比率の高いお店です。

おや?いつもの四方の折敷から丸盆に変わりました。

  • 鶴の先付けは、松葉、鶏卵豆腐、おろし、きゅうり、水前寺海苔
  • トロの握り
  • 宝船のお椀は、鯛蕪、焼き餅、金時人参、鴬菜、柚子
  • 伊勢海老のお造り、蒸しえび頭、芽甘草
  • 河豚の白子の茶碗蒸し。百合根、紅葉おろし
  • 焼き物にも河豚。一味焼き、壺々にテッピ
  • サーモンの幽庵焼き。水菓子は、
  • 水菓子が、あすかルビーにデコポン、黒豆、練乳羹

お酒はいつもの「鄙願」です。

お正月の鶴皿の先付けは、松葉蟹、その下に鶏卵豆腐(玉子豆腐とは違います)、胡瓜おろしにきゅうり、水前寺海苔。
もう一品、トロの握り。

七宝の描かれた宝船のお椀は、鯛蕪、焼き餅、金時人参、鴬菜、柚子。改めて確かめてみると、利尻にマグロの吸い地。
伊勢海老のお造りが派手な姿で出てきます。頭は蒸して器になっております。エビの足まで綺麗に取れるのですが面倒くさい。昔、出していた具足煮が食べたい気分。芽甘草。

お任せしている二本目のお酒は、「松の司・陶酔」でした。

蓋付きの茶碗。河豚の白子の茶碗蒸し。シンプルに白子と百合根。紅葉おろし。
焼き物にも河豚。一味焼きだろうと思います。カマも入れてくれました、壺々にテッピ。皮、三河、遠江。
ご飯はサーモンの幽庵焼きの定食。未だに胃の調子に不安を覚えるので、超軽めのご飯です。改めて確かめてみましたが「太源味噌」。
水菓子が、あすかルビーにデコポンに、お得意の練乳羹。


平成27(西暦2015)年12月18日
今宵の食事は心斎橋の「もめん」(4.18/37)です。アルバイトの子が二名新しく入っております。遅刻大王だった三番手は飛んじゃったらしい。

  • 白子豆腐・ネギ・生姜
  • フライ二種が海老芋と車海老
  • 松のお椀が、湯葉真蒸と焼きうるち餅、黄柚子
  • お造りが、まぐろ、ひらめ、縁側
  • 大根の炊いたん、振り柚子
  • しし鍋、クレソン、豆腐、牛蒡、白ネギ
  • サワラの味噌漬けの焼き物定食、香の物
  • 水菓子が、洋ナシ、ザクロ

始めて呑むお酒で、伏見の「澤屋まつもと 純米酒 守破離」です。プチプチと溌剌とした新酒です。華やかな味わいで濃厚。

一品目は「しまった!しまった!シマクラチエコ」の白子豆腐。一件目で雲子食べたばっかりで、失敗したなぁ。20年近く通っていてパターンを忘れがちな脆弱な記憶力で、まとめてても意味のない日記だということだ。雲子の香りも適度に残した豆腐。
フライ二種が海老芋と車海老で、エビとエビ。

松のお椀が、湯葉真蒸と焼きうるち餅、黄柚子。湯葉真蒸だと説明をするからそうだろうと思うけど、ヒロウスちゃうかな?
お造りが、まぐろ、ひらめ、縁側。オロシポン酢と醤油の小皿。
冬の定番である大根の炊いたん、降り柚子。柚子が苦いのか、大根が苦いのか?わずかですけど。肉厚の大根ですが、ちゃんと火は通っておりますが、いかんせん胃の調子を考えると、デカすぎる。

折敷に出てきたのは、紅白の鮮やかな猪、クレソン、豆腐、牛蒡、白ネギ。しばらくして、コンロに鍋が乗って出てきます。昨年と同じならばカツオ出汁の酒粕風味。大将の支持通り。まず、猪を全部入れて、小鍋を蓋してしばらく待ちます。再び湯気が上がればイノシシから頂いて、後は自由に入れます。
御飯のおかずがサワラの味噌漬けの焼き物、香の物。半分以上食べられず。悔しい!
水菓子が、洋ナシ、ザクロ。


平成27(西暦2015)年11月10日
今宵の食事は心斎橋の「もめん」(4.18/37)です。真上の照明のシェードが新品になったようです、今までの真黄っきの写真が解消された。

  • 一つ目の前菜は、焼きホタテと蒸し海老、リンゴおろし和え
  • ウニのお寿司・トンブリ
  • 椿のお椀は、蟹真蒸に粟餅・軸菜
  • 向が、マグロと鯛
  • 蕪の焚いたん、菊菜
  • 牛肉の朴葉味噌焼き、山芋、ねぎ
  • 出汁巻き玉子定食
  • 水菓子が平種柿、シャインマスカット

お酒は「鄙願」です。新潟の酒としては旨みのある酒ですが、前の店の酒に比べると・・。チビチビ。

一つ目の前菜は、焼きホタテと蒸し海老、リンゴおろし和え。銀杏、くり抜いたリンゴ。
ウニのお寿司・トンブリ。いつもはお寿司が多いのですが、ウニは乗せられないせいか、寿司飯の上にウニを乗せた一品。ウニの下に山葵醤油のトンブリ。
椿のお椀は、蟹真蒸に粟餅・軸菜。卵白たっぷりのツルンツルンの舌触り真蒸。焼き粟餅。

向が、マグロと鯛。鯛はおろしポン酢。
お酒を変えると「春鹿・純米吟醸・精米歩合55%」が出てきました。ほんのりと味が膨らんで、軽いバランス。
お得意の野菜の焚いたんは、蕪。カブラの出来不出来で味わいに違いが出る上品なお出汁。少し苦みがあるようです。菊菜。お出汁はズルズルっと。
コンロが出て来て、牛肉の朴葉味噌焼き。山芋はすでに焼いてありますので、味噌が絡めば食べられます。山芋が余っているからと増量されちゃいましたが、お腹に溜まるんだなぁ。困ったちゃん。しらがねぎ。
人気者の出汁巻き玉子定食。目の前がちょうどコンロの前で、じっと眺めます。10年以上見てるわけで、習わぬむちゃも出汁巻きは結構得意になっちゃいました。

水菓子が平種柿、シャインマスカット


平成27(西暦2015)年10月6日
今宵の食事は心斎橋の「もめん」(3.70/37)です。八月は夏休みを取って休日が多いからというて、予約枠から外されてしまいました。今月は、一回転で、いつもよりお高い予算のお任せ。

  • 一つ目の前菜は、渡蟹と干しズイキの酢の物、水前寺海苔、黄菊
  • ホタテ貝柱のアラレ揚げ
  • 菊のお椀は、焼き鱧・松茸・蓮芋・ナス・軸菜
  • 向が、マグロと鯛
  • 松茸とホウレンソウのお浸し
  • 白甘鯛の塩焼き・揚げ栗、柿の器にトンブリと長芋の短冊
  • サンマの腸焼き定食
  • 水菓子が柿、幸水

お酒は「松の司・純米大吟醸・陶酔」です。今日は不思議と味がしっかり、ドッシリした旨味。いつもと違って一本が限界だなと悟って、チビチビ。

菊皿に一つ目の前菜は、渡蟹と干しズイキの酢の物、水前寺海苔、黄菊。
二つ目がホタテ貝柱のアラレ揚げ。

菊のお椀は、焼き鱧・松茸・蓮芋・ナス・軸菜。淡い吸い地。暖かい汁物が胃に優しい。
向が、マグロと鯛。美味しいだけど、胃の調子が悪くなる。魚が悪いわけではなく、最近なぜか胸焼けするのだ。
松茸とホウレンソウのお浸し。運ばれてくるだけで出汁の香るお浸し。食べ終わると、調子が戻る。不思議だ。
焼き物は白甘鯛の塩焼き。カマの部分とかちょっと多めに盛られてますが、今日はあまり嬉しくないのだが、ここでも調子がいい。美味しく食べられる。茹でて揚げた栗。柿の器にトンブリと長芋の短冊。

今日のご飯は、サンマの腸焼き定食。腸を溶かし込んだ醤油で焼いた濃い味。こりゃ苦しい。いつもは食べきるご飯を残してしまった。
水菓子が柿、幸水。フルーツが嬉しいなぁ。


平成27(西暦2015)年9月8日
今宵の食事は心斎橋の「もめん」(3.70/37)です。八月は夏休みを取って休日が多いからというて、予約枠から外されてしまいました。今月は、一回転で、いつもよりお高い予算のお任せ。

  • 一つ目の前菜は焼き松茸、すだち
  • 焼き松茸のお寿司
  • 武蔵野のお椀は、焼き鮎にゃうめんに胡麻豆腐、ササゲ
  • 向が、波切りの生アワビに肝醤油
  • 鮎の骨せんべい
  • ニシン茄子、針茗荷
  • 白甘鯛の焼き物、長芋素麺とイチジク
  • マツタケご飯、味噌汁、香の物
  • 水菓子が幸水・ピオーネ、葛羊羹、お薄

一本目は「松の司・陶酔・純米大吟醸」です。定番の通年商品だけに安定したお味。穏やかなか果実の香りと甘み。キレの良い後口。松茸の香りを損なうこともないし、出汁を殺すこともありません。

一つ目の前菜はいきなり焼き松茸のようです。松茸が切られて折敷に置かれた後で、コンロが出て来て、自分のペースで焼きます。割り醤油も程よい濃さで醤油が勝つことはない。ジワッとキノコ汁が滲みだすころが頃合い。
続いて、焼き松茸のお寿司。

武蔵野のお椀は、風干しの焼き鮎にゃうめんに胡麻豆腐、ササゲ。少し濃いめの吸い地ですが旨い。出汁でお酒が美味しく呑める味。
ここで松の司がなくなって、二本目は「獺祭 純米大吟醸50」です。少し、味が後を引くようですが、これも食事に似合っております。

向が、波切りの生アワビに肝醤油。磯の香りとクリーミーな味。少々、年寄りには固いかもしれないけど、包丁はしっかり入っております。肝醤油も、肴になりそうな味。

お椀の鮎の骨せんべい。
続いてニシン茄子。針茗荷。ここでは夏からナスがいろいろ出てきますが、このシンプルなニシンナスが一番で、絶品。
白甘鯛の焼き物はカマの部分でした。ありがとう。琵琶の小鉢に長芋素麺とイチジク。
今月はマツタケご飯。料理には出てこないけど鱧の骨から取った出汁をつかって焚かれております。松茸だけでは香りだけですが旨み倍増です。イメージは鱧松の土瓶蒸しで焚いたご飯ということらしい。ただ、賞味期限は短くて、冷めてしまうと魚臭さが出てくるという微妙な味加減。豆腐の味噌汁、香の物。

水菓子が幸水・ピオーネ。
自家製の葛羊羹は小豆を練りこんであるようです。
大将が淹れてくれるお薄。


平成27(西暦2015)年7月1日
今宵の食事は心斎橋の「もめん」(3.70/37)です。

  • 一つ目の前菜は、鱧の落としと糸瓜、出汁のジュレ、花穂紫蘇
  • アジのお寿司
  • お椀が、枝豆豆腐にアコウとジュンサイ
  • お造りが、マグロ、花丸胡瓜
  • そうめん(三輪そうめんの白龍)、黄身
  • メイタカレイの素揚げ、車エビ、ししとう、ぽん酢醤油と藻塩
  • 太刀魚の幽庵焼き魚定食、味噌汁、香の物
  • 水菓子が、マンゴーのジュレ掛け、

一本目は、珍しく「松の司・陶酔」です。冷酒を頼むと今日はすべて最初の一杯が「陶酔」のようです。

一つ目の前菜は、鱧の落としと糸瓜、出汁のジュレ、花穂紫蘇。
続いて二皿目が、アジのお寿司。

天の川の描かれた七夕のお椀が、枝豆豆腐にアコウとジュンサイ。
お造りが、マグロ、花丸胡瓜。

二本目はいつもの「〆張鶴」です。

夏の定番領である「そうめん」は三輪の白龍。適度に固まった黄身を素麺ツユにいれて砕きながら絡めながら、食べます。お家で食べる素麺となぜか数段違うのです。
油物がでて、メイタカレイの素揚げ、車エビ、ししとう。目板の骨せんべいに、エビの足も一緒。ぽん酢醤油と藻塩とが出ておりますが、ポン酢がいいように思います。
今日のご飯は、太刀魚の幽庵焼き魚定食。あっさり目の幽庵漬けで、太刀魚は柔らかくしっとり。味噌汁は豆腐、香の物。
水菓子が、マンゴーのジュレ掛け、


平成27(西暦2015)年6月22日
夜の食事は心斎橋の「もめん」(3.67/37)です。

  • 一つ目の前菜は、毛ガニと玉子豆腐、加減酢のジュレ、三つ葉、
  • 鮎の素揚げ、トウモロコシのかき揚げ
  • お椀が、湯葉真蒸、若芽、いんげん
  • お造りが、鱧の落としとケンサキイカ、山葵醤油
  • 丸茄子の揚げ浸しと茗荷
  • アワビのバター焼き・アスパラガス・丁子麩、肝ソース
  • 出汁巻き玉子定食、味噌汁、香の物
  • 水菓子が、マンゴーのジュレ掛け、

一本目は「鄙願」です。

今日も黄色い写真ばかり。一つ目の前菜は、ハスの葉の上に、毛ガニと玉子豆腐、加減酢のジュレ、三つ葉、美味しいジュレ。ええ塩梅。
鮎の素揚げに、トウモロコシのかき揚げ。蓼の葉。せっかくの甘いトウモロコシだけど、川魚の香りがトウモロコシと重なって、ちと魚臭く感じる時がある。

お椀が、湯葉真蒸、若芽、いんげん。揚げ真蒸ですな。
お造りが、鱧の落としとケンサキイカ、山葵醤油。冷たい食感ではあるけど、噛みしめると鱧の旨味がジワーっとにじみ出てくる落し。

二本目は「〆張鶴」です。

今月もナス。丸茄子の揚げ浸しと茗荷。
アワビのバター焼き・アスパラガス・丁子麩、肝ソース。スライスしたアワビが4切れ程。バターの旨味がしっかりのアワビで、肝のソースとぴったり。旨みのソースを麩が吸い取って麩まで旨い一皿。
出汁巻き玉子定食、味噌汁、香の物。以前に出汁焼きを焼くのを動画にするよというようなことを言ったら、今日は一番遠い席に座らされたのでした。ジワーと出汁がしみだしてくる出汁巻き。相変わらず、ここの味噌汁の味が好きだ。
水菓子が、マンゴーのジュレ掛け、


平成27(西暦2015)年5月12日
夜の食事は心斎橋の「もめん」(3.68/37)です。

  • 酢の物には、蒸しアワビ、肝、白ズイキ、姫オクラ、降り柚子、
  • ウニの蒸し寿司
  • お椀が、鯛にゅうめん、ゴマ豆腐、いんげん
  • お造りが、マグロと、ハリ烏賊、山葵醤油
  • 茄子の焚いたんと茗荷
  • 黒メバルの煮つけ、針生姜、木の芽
  • 太刀魚の塩焼き定食、味噌汁、香の物
  • 水菓子が、マンゴーのジュレ掛け、

一本目は「麒麟山」です。

菖蒲が敷かれたガラスに酢の物。蒸しアワビと肝、白ズイキに姫オクラ、降り柚子。飲んでも美味しい加減酢。
ウニの蒸し寿司。ウニの下には山葵醤油が塗られておりました。
浪に漂う御所車のお椀が、鯛にゅうめん。白ごま豆腐に隠元。降り柚子。鯛の脂がグワッと浮き出る旨さですが、ゴマ豆腐とお出汁の溶けあう旨さは格別。ミノちゃん渾身のゴマ豆腐。というよりゴマ豆腐を若い子に作らせないというのが、こだわりを感じてええねぇ。

お造りが、マグロと、ハリ烏賊。蓼の葉、撚り胡瓜、山葵。
茄子の焚いたんと茗荷。高い食材を使って旨い料理を作るのは誰でもできることでしょうが、何でない料理の旨さに感動できる店は少ない。白ごま豆腐も美味しいですが、今日のナスは格別。油通ししたナスの旨味と煮物出汁の一体となった旨み。毎年のように食べているんだけど、なぜか今年は美味しく味わえます。
サイズはそこそこだけど、まるまる一匹分の黒メバルの煮つけ。針生姜、木の芽。ホロホロと崩れるメバル。
今月のご飯定食は太刀魚の塩焼き。味噌汁、香の物。しっとり脂の乗った太刀魚でした。

水菓子が、マンゴーのジュレ掛け。心斎橋のカフェで食べた「氷」と重なってしまったがな。


平成27(西暦2015)年4月6日
夜の食事は心斎橋の「もめん」(3.68/37)で晩御飯。私は覚えていないけど、以前も隣り合わせたご夫婦。

  • ウスイ豌豆の葛豆腐、ウニ、花山葵
  • 平アジのお寿司
  • 桜のお椀が、ホタテ真蒸、ふき、若芽、木の芽、炙ったバチコ
  • お造りが、まぐろ、鯛、防風、山葵醤油、おろしポン酢
  • タケノコの焚いたん・木の芽
  • イイダコ、分葱、酢味噌和え
  • 稚鮎の串揚げ、一寸豆、蓼の葉
  • 鮭幽庵漬けの焼き魚定食、味噌汁、香の物
  • 水菓子が、イチゴ、せとか、黒豆、ミルクゼリー、

一本目は「麒麟山」です。

いつもながら鮮やかなウスイ豌豆の葛豆腐、ウニ、花山葵。それぞれの味が強く残っております。
「美味しくないけど」という解説付きで、平アジのお寿司が出てきます。寿司飯がちょっとベチャッと感じますな。

桜のお椀が、ホタテ真蒸、ふき、若芽、木の芽、炙ったバチコ。カツオを強く感じる熱々の吸い地。ごろっとしたホタテの貝柱。
一本目を呑み切ったので、二本目は「〆張鶴」です。淡麗でキリッとした味わい。新潟のイメージそのまま。
お造りが、まぐろ、鯛、防風、山葵醤油、おろしポン酢。鯛はポン酢でと出てきます。醤油でも美味しかったけどね。
タケノコの焚いたん・木の芽。タケノコだけという潔い料理。しっかり味の含んだタケノコで、たっぷりの木の芽も嬉しい。でもお隣さんは木の芽がお気に召さないようです。
イイダコ、分葱、酢味噌和え。イイダコが出てきたのは記憶にないなぁ。毎月来ているわけではないけど、2002年に出していたようです。

お造りを盛り付けてから、水草からピッチピッチの鮎を掬い上げて、一匹一匹踊り串に打っていきます。結局大将一人で刺し終わりました。お腹におかきをつけてあるだけ。藻塩とレモン。一寸豆、蓼の葉。
ご飯は、鮭の幽庵漬けの焼き魚定食。味噌汁、香の物。腹のところは漬かり過ぎていたかもしれないな。
水菓子が、イチゴ、せとか、黒豆、ミルクゼリー。


平成27(西暦2015)年3月19日
先月は入れてもらえなかった畳屋町の料理屋さん「もめん」(3.76/37)で晩御飯。カウンターは、ギュウと狭い10人掛け。

  • ホタテ・赤貝の黄身酢和え、分葱、長芋、防風
  • 白魚のあられ揚げ
  • 貝のお椀が、ハマグリ・鶏卵豆腐、ふき、若芽、木の芽
  • お造りが、まぐろ、ミル貝、山葵醤油、塩
  • ゼンマイとネイモのシラス和え、プチトマト、三つ葉
  • 肉鍋・わらび、木の芽
  • 出汁巻き玉子定食、味噌汁、香の物
  • 水菓子が、イチゴ、せとか、黒豆、ミルクゼリー、

一本目は「鄙願」です。最近アルコールを控えているので、日本酒も久しぶり。ほんのりと甘い口当たりに、キレる味わい。

黄身酢の和え衣をたっぷりと皿に敷き、ホタテ・赤貝、分葱、長芋、防風。
もう一品の先付には、白魚のあられ揚げです。香ばしくて御煎餅のような香の後から白魚の味。とはいえ、小さい淡泊な魚ですから、アラレの香りが勝ってしまってるように思いますね。
貝のお椀が、ハマグリ・鶏卵豆腐、ふき、若芽、木の芽。ハマグリは刻みをいれて葛打ちしているようです。不思議と鶏卵豆腐(葛豆腐だろうな)とハマグリの味と吸い地が絡むと、今まで感じなかった旨みがありました。それぞれでも美味しいけど、一緒に食べると目から鱗の新しい味。詳しくは知らないけど、玉子豆腐は卵白で固め、鶏卵豆腐は卵白を使わずに葛で練るんだと思います。玉子の味が強い。そういえば玉子掛けごはんに卵白も混ぜるか、捨てるかで、話題になったことがあります。

お造りが、まぐろ、ミル貝、山葵醤油、塩。中トロですね。これは山葵が乗っております。ミルガイは塩でということです。 お酒を呑み切ったので二本目は、「〆張鶴」が出てきました。より端麗な味わい。

和え物がでてきて、ゼンマイとネイモ(ズイキ)の白酢和え。プチトマト、三つ葉。ネイモは新物でしょうが、ゼンマイはまだでしょうねぇ。結構なボリュームのある和え物でした。
小鍋が出て来て、肉鍋です。わらびが入って、木の芽。ヌメリのある蕨が肉の旨味と絡んでいい食感。鍋出汁も美味しいので、最後は器に移してゴックンです。
しめは、出汁巻き玉子定食。焼いてるところをデジカメに収めようとしたら体で隠された。いつか動画で撮ってみようと思うくらい、いい加減に手際がいい。いつも美しい卵液は、完全に混ざり合ってます。フライパンの上で滑るように動く卵焼きがプルプル。焼き目をつけずに巻簾で形を整えて美しい出汁巻き。今日はちょっと出汁が多かったのか、じんわりしみだしてきてます。味噌汁は豆腐、香の物。
水菓子が、イチゴ、せとか、黒豆、ミルクゼリー。


平成27(西暦2015)年1月24日
予約のままならない料理屋さんで晩御飯。「もめん」(3.76/37)のカウンターは、ちょっと狭い10人掛け。

  • 松葉蟹のミソおろし和え、ウルイ
  • フグの白子入り茶碗蒸し
  • 宝船のお椀が、鯛カブラ、焼き餅、鶯菜、人参、柚子
  • お造りが、イセエビ
  • 大根の焚いたん、玉味噌掛け、柚子皮
  • ふぐの焼きもの、テッピ・三河・遠江・ポン酢和え
  • うなぎの蒸し寿司、止め椀
  • 水菓子が、イチゴ、黒豆、ミルクゼリー、

一本目は「鄙願」でした。バーでグラスで三杯呑んだ後だけど、すっきり喉を滑ります。淡い旨みが口に広がる印象です。

どこでも出てくる鶴のお皿には、松葉蟹の蟹ミソおろし和えに、生のウルイがシャキシャキ。
先付の二品目には、温かいフグの白子入り茶碗蒸し。かき混ぜて食べるように、言われます。完全にぐちゃぐちゃにしたら、白子が入っているとは思えないかもしれません。
宝船のお椀が、鯛カブラ、焼き餅、鶯菜、人参、柚子。

二本目は、珍しく「松の司・純米吟醸・楽」が出てきました。松の司ですが、定番すぎて、個人的には縁が薄い商品。一本目に比べると、旨い酒であります。定番商品として人気があるのが分かる気がします。

大根の焚いたんに、玉味噌掛け。柚子皮が混じっているようなので、味は柚子味噌風。とってもジューシーに焚かれた大根。
ふぐの焼き物に、壺壺にテッピ・三河・遠江・ポン酢和え。今まで一味焼きだったともうのですが、年々唐辛子が減ってきた印象で、とうとう赤い粉を感じなくなりました。
錦糸たっぷりのうなぎの蒸し寿司に、止め椀。誰のお椀もたっぷりです。
水菓子が、イチゴ、黒豆、ミルクゼリー、


平成26(西暦2014)年12月26日
大阪での今年最後の晩御飯は、「もめん」(3.74/36)となりました。時間通りに皆さん着席です。といっても遅れたからと言っても、笑って笑いのネタにされるだけですけどね。各人の食べるペースに合わせて、料理が出てくるところは、客主体です。

  • 白子豆腐・ネギ・生姜、フライ二種が海老芋と車
  • 松のお椀が、ヒロウスと焼きうるち餅、黄柚子
  • お造りが、鯛、ひっさげ、醤油
  • 炊き合わせには、カブラと菊菜、振り柚子
  • しし鍋、芹。豆腐、牛蒡、白ネギ
  • サワラの味噌漬けの焼き物定食、香の物
  • 水菓子が、レクチェ、ザクロ

一本目は「鄙願」でした。バーでグラスで三杯呑んだ後だけど、すっきり喉を滑ります。でも霞むことに違いはありません。

白子豆腐は雲子ですが、香りを残した豆腐。雲子同様濃いめのポン酢醤油が合います。フライ二種が海老芋と車。味を含ませすぎて旨すぎる海老芋。
松の輝くお椀が、ヒロウスと焼きうるち餅。今年は堅めに仕上がっているヒロウス。黄柚子。
お造りが、鯛、ひっさげ。よく熟れた鯛に、色(部位)の違うひっさげ。醤油

二本目は「麒麟山」が出てきました。

炊き合わせには、カブラと菊菜。振り柚子。
ここ数年、しし鍋が出て来てます。キレイな脂のしし肉、芹、豆腐、下茹でしてある牛蒡、白ネギが事前に出て、コンロが運ばれてきます。炭火でグツグツ煮えるのを待って、湯気が出れば、しし肉を全部入れるように言われます。再び蓋をして待つ。湯気が出ればあとは自由。控えめな酒粕味の鍋出汁です。ジビエ好きとしては、お替りしたいし、ご飯も欲しいところ。脂の旨味の出た出汁は小皿に移してくれます。
今日のご飯はサワラの味噌漬けの焼き物。幽庵の甘味がご飯を呼びますが、一膳で食事をまとめます。鍋の後だからか止め椀なし。香の物。
水菓子が、レクチェ、ザクロ

年末の挨拶をして、難波まで歩きます。


平成26(西暦2014)年11月28日
食前酒を呑んでからの晩御飯は「もめん」(3.74/36)。

  • 焼きホタテ、蒸しクルマエビのリンゴえ、銀杏、三つ葉
  • ウニの寿司(小丼)、とんぶりと海苔と本山葵のたれ
  • 椿のお椀が、蟹しんじょう、焼粟餅、ほうれん草の軸、松葉柚子
  • お造りが、和歌山のクエ、より人参、酢橘、ちり酢
  • 大根の焚いたん、振り柚子
  • 牛肉の朴葉焼き、長芋、白髪ねぎ
  • 出汁巻き定食、止め椀(豆腐)、香の物
  • 水菓子が、洋ナシ、柿、シャインマスカット

一本目は「麒麟山」でした。バーでグラスで三杯呑んだ後だけど、すっきり喉を滑ります。

焼きホタテ、蒸しクルマエビのすりリンゴ和え、銀杏、三つ葉。ほんのり暖かいホタテとエビさん。さっぱりリンゴ。
ウニの寿司(小丼)、とんぶりと海苔と本山葵のたれ。酢飯ですから、お寿司なんだろうけど、丼ですと教えてくれます。カウンター全員のお寿司を握っている時間を省き始めたかな?

椿のお椀が、蟹しんじょう、焼粟餅、軸菜、松葉柚子。
お造りが、和歌山のクエ。ちり酢。

二本目は「〆張鶴」が出てきました。これも、今日はやたらとスッキリした味。 通い始めたころからの定番料理「大根の焚いたん」。
奥から隅の入ったコンロがカウンターに並び。朴葉の上に、味噌を置き、焼き目をつけ火の通った長芋と牛肉の並べ、白髪ねぎをのせて乗せて目の前にやってきます。わずかにピリッとしております。すでに火の通った長芋に味噌が絡めば食べられます。
年二回は出てくる出汁巻き玉子の定食。長年、間近で見て来た卵焼きです。今日は出汁が少し多いのか、玉子からジワリとしみだしてきました。止め椀(豆腐)、香の物。一人前から同じフライパンで、同じ厚みで焼き上げるというプロ技であります。
水菓子が、洋ナシ、柿、シャインマスカット


平成26(西暦2014)年10月16日
バーで食前酒を呑んでからの晩御飯は「もめん」(4.11/35)。

  • 泉州産わたりがに、ずいきの酢の物
  • 焼き枝豆豆腐
  • 茶碗の煮物椀が、松茸と焼き鱧、三つ葉、酢橘
  • お造りが、よこわ、ひらめ、ポンス醤油、醤油
  • ナスの焚いたん、茗荷
  • キンキの塩焼き、無花果と長芋、酢橘
  • サンマの腸焼き定食、大根おろし、止め椀(豆腐)、香の物
  • 南水梨、ピオーネ

最初はいつも通り「鄙願」で始まり。新潟のお酒だけど、旨みのあるお酒。過剰な旨みがないので、料理に寄り添う印象です。

唐津風の器に、さっぱり酢の物が先付で、泉州産わたりがに、ずいきの酢の物。胡瓜や人参、水前寺海苔などが短冊。ちゃんと酢まで美味しいのです。
葉皿にフワフワの枝豆豆腐を焼いたのが二品目。焼きゴマ豆腐で有名な京都のお店を彷彿とさせるが・・・どうでしょうね?箸で崩せばプルプル・モチモチ。豆腐に塩が入っているようで、素焼き。
ここでは土瓶蒸しはでないけど、茶碗を使っで出てきます。秋の鱧は脂を落とすために焼いているそうで、いまや希少(?)な松茸。
お造りが、よこわ、ひらめ。台風の影響が残っているかもしれない。ポンス醤油、醤油。

二本目は「獺祭」。流石に洗練された呑み心地。

ナスの焚いたん、茗荷。おばんざい風の一品だけど、ナスというのはこんなに深い味わいだったのかぁ、という味。
キンキの塩焼きは、カマの部分が廻ってきました。きっちり火が廻っていると「キンキのキンキ」もコロッと取れるものです。片口に無花果と長芋。
今日のご飯はサンマの腸焼き定食。秋の定番のおかず。腸醤油で漬け込んであるはずなんだけど、苦みがほとんどない。配合を変えたんでしょうか?ちょっと癖がある方がサンマらしくていいんだけど・・。大根おろし、止め椀(豆腐)、香の物。
水菓子は南水梨、ピオーネ。

予約が取れない店だから、役に立たない情報になるけど、2月と9月は一回転だけで料金アップになるみたい。で、どちらの月にしか食べられないようだ。


平成26(西暦2014)年9月30日
今宵は「もめん」(4.11/35)で食事。食事のためにはるばる心斎橋までやって来たというわけです。自由な身になった日に、予約の不自由な店で食事という奇妙なめぐりあわせです。
9月は、いつもより高額な食材を使うということのようで、お値段がお高くなっております。一回転のみ。カウンターのいつもの端っこ。

  • 焼き松茸、醤油、酢橘
  • 松茸のお寿司、柚子
  • お椀が、焼き鮎にゅう麺、ゴマ豆腐、軸菜、降り柚子
  • お造りが、生アワビの薄造り、肝醤油
  • 鮎の中骨の骨せんべい
  • ヒスイナスのしらす和え、柿、イチジク、防風
  • 白アマダイの塩焼き、酢橘、ホウレンソウとシメジのお浸し
  • マツタケご飯、止め椀(豆腐)、香の物
  • 梨、巨峰
  • お菓子とお薄

最初はいつも通り「鄙願」で始まり。

いきなり松茸が折敷に置かれて、びっくり。先付というか、お通しが、焼き松茸で始まる9月の献立だったようです。こまめに大将が目を配ってくれます。あれこれ一緒に焼かずに松茸だけというのが、心意気ですな。醤油がでて、酢橘。焼き目を付けた松茸に、鄙願がよぉ合います。鄙願を見直した。
二つ目の先付が松茸のお寿司。これは毎年のお寿司。今年は妙に柚子がきつい。

二本目は「麒麟山」が出てきました。

菊の大輪が描かれたお椀が、焼き鮎にゅう麺。三枚に下した鮎を焼いて、にゅう麺と一緒。美味しい吸い地。ゴマ豆腐、軸菜、降り柚子。
お造りが、生アワビの薄造り。こりこりの水貝。噛めば噛むほどに磯の香りが広がるし、肝醤油も旨し。磯の香り、肝のコク、麒麟山が引き立てておりました。今日は新潟の酒を見直した気分。手がかかる仕事で、料理がちょっと停滞してます。
先ほどの鮎の中骨の骨せんべいです。でも、もう大きくなっているはずの腹子や白子はどうなっちゃたんだろうと思うのです。酒の肴の珍味。
ヒスイナスには、お得意のしらす和え。柿、イチジク。防風。

三本目は「黒龍」です。

焼き物は白アマダイの塩焼き。カマの部分でした。酢橘をギュッと・・。壺壺にはホウレンソウとシメジのお浸し。
この店では初めてになると思うけど、マツタケご飯。ざっくりとした大きめの松茸が目立って、ご飯までいい色艶。どうやらひと仕事してご飯を炊いているようで、とても旨いご飯です。ほとんどのお客さんがお替り。倣ってお替りすれば、おこげが入ってました。日本の家電製品は優秀で、パリパリ・ガリガリのおこげでなくても、おこげの香りが楽しめる絶妙な香ばしさと柔らかさ。止め椀(豆腐)、香の物。
水菓子は梨、巨峰
最後に、お菓子が出て、大将がお茶を点ててくれます。

いつもは二回転目の8時の予約ですが、今月は6時。で、食事は、いつもより1時間ほど長め。帰る距離を考えると、まっすぐ帰ろう!


平成26(西暦2014)年8月7日
今宵は「もめん」(4.26/35)で食事。
いつもの端っこ。二回転目で、ほぼ同時スタート。

  • 鱧の落とし、糸瓜、梅肉、加減酢ジュレ
  • マグロ赤身のお寿司
  • お椀が、あこう、鶏卵豆腐、三つ葉、降り柚子
  • お造りが、北海道のウニ、イカ、山葵、醤油
  • 焼きナスの煮びたし、とろろ
  • 目板カレイのから揚げ、クルマエビ、ししとう
  • 太刀魚の塩焼き定食、止め椀(豆腐)、香の物
  • 黄桃、西瓜

最初は「鄙願」。今日の鄙願は旨みいっぱい。暑いせいもあって、温度が上がってくると、旨みが出て、後口にはハーブっぽい爽やかさも感じることができる。新発見の味わい。

先付は、もう見飽きて来た芋の葉。鱧の落としに梅肉。糸瓜を添えて加減酢ジュレをたっぷり。鱧も適温と思える温度加減。
めずらしくマグロ赤身を使ったお寿司。刷毛で醤油を塗っているのは、よくあるサービス。赤身の香りが口の中に広がります。
お椀が、あこうに鶏卵豆腐。玉子豆腐ではありません。台風の影響で魚がないと仰るが、アコウはしっかりアコウの香り。

二本目は「黒龍」としました。

お造りが、北海道のウニに、イカ。淡路のウニが採れない、ということらしく、北海道のウニです。確かに甘みは劣るかもしれませんが、味の濃さは十分。
焼きナスの煮びたしに、とろろ掛け。しっかり焼かれて少し焦げっぽい香りが残っておりますが、美味しい出汁。
油物がメイン。目板カレイのから揚げで、骨せんべい付。骨せんべいは揚げたてではないけど、身は熱々。身の部分だけポンスを遣うように言われます。クルマエビにししとう。

今月のご飯には、太刀魚の塩焼き。夏向けにあっさり味のおかずというわけです。ほっくり・しっとり。止め椀には豆腐。香の物
水菓子は黄桃のようです、丸にくり抜いた甘い西瓜。


平成26(西暦2014)年7月10日
今宵は「もめん」(4.26/35)で食事。
いつもの端っこ。

  • 車海老とアコウの湯引き、白ずいき、梅ソース、姫オクラ、花穂紫蘇、
  • 平アジのお寿司、オロシ
  • 天の川のお椀が、ヒロウス、ナス、しょうが
  • お造りが、すずき、淡路のウニ
  • 素麺、玉子、素麺ツユ
  • 鱧しゃぶ、春菊、酢橘
  • すき焼き風牛煮込み定食、香の物
  • 白鳳、西瓜、ジュレ

最初は「鄙願」。ココでしか感じないけど、古酒っぽい味が混じっております。嫌いなだけに少しでもあると気になる。
蒸し車海老とアコウの湯引き、それに白ずいきを梅ソースで。酢っぱさっぱり。でもアコウの味は死んじゃったと思う。
平アジのお寿司、オロシ。ちゃんと暖かい酢飯。

天の川のお椀が、ヒロウス、ナス、擦りしょうがが天盛。シンプルな椀種。香りの高い吸い地。
二本目は「麒麟山」。サラッと呑めます。
お造りが、すずき、淡路のウニ。スズキは首をひねった。淡路のウニは、北海道産に比べて味は薄いようだけど、甘くて旨い味がジンワリ。
夏の定番、素麺、玉子。TVCMでもおなじみ三輪のヤマモト「白龍」。大将が、鱧の骨切を始めた・・

コンロが出てきて鱧しゃぶ。シンプルに春菊だけ。グツグツ沸いている鍋に鱧から入れていきます。すでに鱧のいい味が出ております。最後は鍋出汁を小皿に移してくれますので、ここで酢橘を加えて味わいます。
三本目は「〆張鶴」。口当たりは微かに甘さを感じるんですが、アルコール感が後口でハネます。悪いということはありませんが、そういう特徴を感じたという事。ここは純米酒しか出してないはずですけど・・。
ご飯は、すき焼き風牛煮込み定食。あっさり焚かれて肉の味が生きてます。白髪ねぎに、梅。
白鳳、西瓜、ジュレ。


平成26(西暦2014)年6月6日
珍しく端っこの常連席でない所に座らされた。おやっ!玉子焼き器が、サイズアップしてテフロンに変わっておりますがな。

  • 玉子豆腐と毛ガニ、三つ葉、酢ジュレ、
  • 稚鮎のてんぷら、空豆、蓼の葉
  • お椀が、ほたて真蒸、ジュンサイ、インゲン、降り柚子
  • お造りが、鱧のおとし、梅肉、山葵、花穂紫蘇
  • ナスの焚いたん、茗荷
  • アワビのバター焼き、肝ソース、生麩、アスパラガス、レモン
  • 出汁巻き定食、オロシ・スプラウト、香の物
  • マンゴ・メロン・スイカ、白ワインジュレ

最初は「鄙願」。
玉子豆腐と毛ガニ、三つ葉、酢ジュレ。
おや?今月も稚鮎だ。どっぷりと卵液に衣をつけたてんぷらではないのです。一匹から三匹に増えました。空豆。葉懐蓼に蓼の葉。周りを見てると残す人ばかり。蓼食う人も好き好きというヤツだ。

二本目は「〆張鶴」。鄙願をさらに味をそぎ落とした印象。料理と合わせて特別なマリアージュというのはあまり期待できないけど、食事がすすむ気分。
お椀が、ほたて真蒸、ジュンサイ、インゲン、降り柚子。
お造りが、鱧のおとし。梅肉は別皿。出汁で割っているんでしょうか?酒のつまみになるほど旨い。山葵は梅肉に溶いても、鱧に乗せてもいいというけど、溶いた方が好みですな。梅肉がさらにうまくなる。肝心の鱧はすでに骨切して冷蔵庫から出てきてます。といっても微妙で旨い温度。冷た過ぎると固いし、ヌルイと鱧の風情が失われます。

三本目は「黒龍」にします。
今月のナスは暖かい丸ナス。茗荷の天盛。美味しい出汁がはってあります。
メイン(?)はアワビのバター焼きに肝ソース。味噌でも入っているのかな。これもツマミになりそうなほど旨い。アワビもバターの香りが残っております。肝に絡めて生麩とアスパラガス。レモンは要らないだろうな。いきなり絞っちゃう慌て者ではありません。
新品を使った出汁巻きのご飯。幅広になって焼く回数も減らせるようです。テフロンに帰ることで出汁の比率を増やしたようです。といっても簀の子で形を整えるので、だらしなく出汁がにじみ出るほどではない。焼いた後の美しさも備えております。オロシにはスプラウト。
水菓子は、マンゴ・メロン・スイカ、白ワインジュレ。


平成26(西暦2014)年5月7日
連休明けで今日から営業の「もめん」で晩御飯。
今日も黄色く映るカウンターの端っこ。たぶん今月で、移転10周年だと思いますが、頭上のライトの和紙のシェードも年期が入ってマッキキィ。

  • アワビ・ずいきの加減酢、姫オクラ、アワビの肝、
  • 鮎の素揚げ、トウモロコシのかき揚げ
  • お椀が、鯛にゅう麺、白ごま豆腐、インゲン、木の芽
  • お造りが、アマテカレイ、花穂、ポンス醤油
  • ナスの田舎煮、針茗荷
  • 黒メバルの煮つけ、針生姜、木の芽
  • 太刀魚の味噌漬け焼き魚定食、味噌汁、香の物
  • 水菓子が、熊本産アップルマンゴ、白ワインジュレ

最初は「鄙願」。ぽってりした甘さを感じる旨い味わいだけど後味はすっきり。
アワビ・ずいきの加減酢、姫オクラ、アワビの肝。しっかり下味の付いたアワビで旨みいっぱい。それだけを味合わないと酢であると感じない塩梅。
鮎の素揚げ、トウモロコシのかき揚げ。気が早いようですが、もう十分甘みの乗ったトウモロコシ。鮎のサイズもそこそこ。一匹は寂しい。鄙願が油物に合わなかった。
お椀が、鯛にゅう麺、白ごま豆腐、インゲン。皮つきの鯛で脂もついているけど、上品な脂の乗り。名残でも鯛は鯛。

二本目は「〆張鶴」。味わいも上品。
お造りが、アマテカレイ。ポンス醤油。下拵えと盛り付けはともかく、木綿さんの出番はここだけという印象。後は厨房のミノちゃん大活躍。
ナスの田舎煮、針茗荷。田舎煮って何?ニシンが入ってないけど、脂っ気はないもののいいお出汁。田舎というほど野暮ったくない味。

三本目は「黒龍」。なぜか、黒コショウのようなピリピリ感が舌に残るのでした。
黒メバルの煮つけ。ホロホロと崩れるほどに煮込まれております。しっかり一匹分。針生姜、木の芽。
太刀魚の味噌漬け焼き魚定食。休みだった昨日から漬けこんでいた太刀魚です。有難さも足されて旨い漬かり具合。特に腹身の部分。思わずご飯をお替り。
水菓子が、熊本産アップルマンゴ、白ワインジュレ


平成26(西暦2014)年4月18日
晩ご飯は、黒門で出会った「もめん」へ。今月から13500円にアップして、一品増し。(隣のマダムは、値上げを知らなかったようで、めちゃめちゃ上がったと思わず声が漏れてましたが、まだまだ大阪プライスといえましょう。
来月で移転10年ですかねぇ。カウンター上の白熱灯のカバーの和紙もすっかり焼けて黄色に変色。ですから、写真でみると黄色が強いものですが、きっとそれがええんや、とおっしゃるんでしょう。プロの写真

  • ウニ・花山葵とうすい豆腐
  • グリーンアスパラガスのあられ揚げ
  • アジのお寿司
  • 桜の椀には、タケノコの揚げ真蒸、蕗、炙りヨモギ餅、木の芽
  • お造りが、鯛、ミル貝、ポンス醤油、山葵、塩
  • ホタルイカと鳥貝のヌタ和え(分葱・大根・紫芽)
  • 牛肉とわらびの鍋、木の芽
  • さわらの味噌漬け焼き魚定食、味噌汁、香の物
  • 水菓子が、ペリカンマンゴ、白ワインジュレ

最初は「鄙願」。
一品目の先付は毎年のうすい豌豆の豆腐。今年はより濃い緑色に仕上がって(豆さんの香りも強い)ウニのオレンジ色が映えているようです。ウニと花山葵は一緒に食べてくださいと一言。唐津の皿でも、こんな色です・
オレンジ色の葉皿には、太いグリーンアスパラガスのあられ揚げ。
青味のある白釉薬の器ですが三品目には、お寿司。アジも定番。

二本目は「磯自慢」。
桜の椀には、サイコロ状のタケノコを入れたでかい揚げ真蒸。香ばしさがプラス。蕗。炙りヨモギ餅。木の芽。
お造りが、鯛、ミル貝。今の季節、貝が美味しいですけど、とりわけミル貝がでると嬉しがる。ここでは、塩を振って山葵で食べるように言われます。なるほどなるほど。鯛は塩でもOK。

三本目は「黒龍」。
淡い織部。ホタルイカと鳥貝のヌタ和え。野菜は分葱・大根・紫芽。だんだん甘味が増してきている鳥貝。二番目に好きな貝であります。和え衣も美味しく仕上がってます。
グツグツの牛肉とわらびの鍋。木の芽。山菜は蕨だけというシンプルな構成。カツオ出汁の鍋出汁がとても美味しい。牛肉を最後に乗せて出てくる程度のでアクは出てないので、出汁は最後まで呑めるのです。脂が浮いて、旨みで酒が呑める。
今日のおかずはさわらの味噌漬けの焼き魚。味噌汁、香の物。
水菓子が、ペリカンマンゴ、白ワインジュレ

「今年いっぱい予約はいっぱいです。来年のカレンダーは未定です」ということで、電話での予約はできません。そういう店だという事です。


平成26(西暦2014)年3月28日
晩ご飯は、「もめん」。

  • 赤貝・タイラギの黄身酢和え、ほうれん草、大根、防風
  • クルマエビのあられ揚げ
  • 貝尽くしの椀には、湯葉真蒸、蕗、若芽、木の芽
  • お造りが、ヨコワと鳥貝、長芋、花穂紫蘇
  • ゼンマイとネイモの白酢合え、軸三つ葉、トマト
  • アキレス鍋、ウルイ、わらび、白髪葱、焼き餅
  • サーモンの幽庵焼き定食、じゃこおろし、香の物
  • 水菓子が、でこぽん、イチゴ、練乳羹くずし

最初は「麒麟山」。
一品目の先付は赤貝・タイラギの黄身酢和え。ほうれん草・大根・防風。
二品目の先付には、クルマエビのあられ揚げ。尻尾も足も一緒で、シャカシャカです。
貝尽くしの椀には、貝はなく湯葉真蒸。蕗・若芽で吸い口は木の芽。淡い出汁ですが揚げたもっさりした真蒸を食べるにつれ旨み一杯。
二本目は「磯自慢」。麒麟山も呑みやすいけど、さらに軽快。
お造りが、ヨコワと鳥貝。たぶん泉州産の鳥貝だと思うけど、旨みは日本海に負けてるなぁ。長芋に花穂紫蘇 ゼンマイとネイモの白酢合え、いつもながら旨い和え衣。軸三つ葉、トマト。

三本目は「黒龍」 昨年も出たアキレス鍋。きっとこれは馴染みのおでん屋で思いついたんではないかと想像したりしながら食べたのでした。コラーゲンで口がベタベタと思っていると、案外あっさりしているのです。ウルイ・わらび・白髪葱と適当に、好き勝手に鍋に入れて、焼き餅は最後にしました。に着く舞って来た出汁に溶けて絡む餅が美味しい。(後記:実は20年ほど前にもアキレス鍋を出していたそうですし、加えて強調していたのは、目刺し定食は「なかひがし」より古くから出していたという。)
サーモンの幽庵焼き定食。止め椀はなく、じゃこおろし。香の物。旨い漬かり具合のサーモンなんですが、サーモンという呼び名の魚が信用置けないなぁ。
水菓子が、でこぽん、イチゴ、練乳羹くずし。

先月・先々月と料理が好評だったそうで。気を良くした結果、消費税アップとともに品数が増えて料金もアップするそうです。むちゃの祇園価格となるようです。
昔は、この値段(昔は1本だった)で一番おいしい料理を出すことを自慢していたのに、未在がするからっと言って値上げしては、日和ったという事でしょうか?オンリー1からナンバー1への挑戦?


平成26(西暦2014)年1月20日
歩いて1分。晩ご飯は、「もめん」。
今月・来月と同じメニューらしいし、一回転のみで、料金アップという、スペシャルメニュー月間です。玉子焼きのコンロがある場所には、抹茶椀が並んでおります。

  • 焼いたフグの白子の柚子釜、餡かけ
  • エビイモとバチコの天ぷら
  • 宝船のお椀には、鯛カブラ、焼き餅、結び人参、鶯菜、柚子
  • 鶴の器にお造り、ハリイカとウニ、芽甘草、醤油
  • 焼きガニ、足と爪、塩、酢橘
  • 蒸しアワビ・肝、子持ち昆布、菜の花
  • 焼きガニ、胴と足、生姜汁入りカニ酢
  • 焼きふぐ、鉄皮と三河、酢橘
  • ひっさげのお造り定食、カニみその茶碗蒸し、香の物
  • 水菓子が、でこぽん、イチゴ、練乳羹くずし

初めてのことですが、折敷には朱盃がおかれておりまして、一献いただきます。で、一本目は、いつものように「鄙願」から出ます。冬の鄙願は、他の季節より旨い。妙な香りなど嫌みがない。
先付には、焼いたフグの白子の柚子釜。そこにはネギでしょうか?クッションになっております。餡かけ。
もう一品は油物で、エビイモとバチコの天ぷら。ふっくらネットリ今シーズン一番のエビイモという印象。衣がついてることで塩分が抑えられてクリーミーさも増した感じのバチコ。バチコの塩分でエビイモも旨くなるという組み合わせです。
宝船のお椀には、鯛カブラ、焼き餅。上品なカブラの味。鯛の旨味の滲んだ吸い地。

二本目は「麒麟山」が出る。カニさんの旨さに合う、ほんのりと甘味を感じるお酒。カニには日本酒だと実感。。

お椀が出たら、浜坂の活けのカニさんがドン、ドン、ドン、ドン、ドンとまな板に積まれ、さばき始める大将。今月は板前で力仕事です。とはいえ、足をさばくまでが対象の仕事で、甲羅は裏でミノちゃんがガシガシ割っているようです。足と爪に切れ目をいれて、おおきなカンテキを出してきて焼き始めます。人数分の足が並び、焼きあがれば爪が並ぶという順番で、大将が焼き場。カニスプーンで身をほじって、塩を振って、好みで酢橘、で食べるように言われます。焼いた蟹の甘さが日本酒とあいます。
八寸と言ってましたが、蒸しアワビ・肝、子持ち昆布、菜の花。一休みです。
裏でミノちゃんが捌いた蟹の腹側を二つ割にして、再びカンテキは蟹祭り。足も焼いて、今度は、生姜汁を絞ったカニ酢でいただく趣向。足の付け根を裂くようにバラバラにして、身をほじくって食べます。酸っぱさを押さえたカニ酢で、カニの旨味を殺さないようになっております。やっぱり日本酒はいいなぁ。

三本目は流行の「獺祭」が出てきました。よりガツンとした旨みだけど、これもカニさんにピッタシ。
蟹の次は、白子を取ったフグのアラの焼きもの。ちょうどカマのところがあって、フグのコラーゲン摂取です。じつはいまだに「フグのフグ」を見たことがないのです。どこにあるんでしょうねぇ。小鉢に、鉄皮と三河。三河の部分も旨い。
ご飯はお造り定食。「ひっさげ」です。止め椀代わりに、カニみその茶碗蒸し。ホクホクの百合根が美味しい。

水菓子が、でこぽん、イチゴ、練乳羹くずし。
鶴亀の意味合いのお菓子が出て、大将がお薄を点ててくれます。全員違う茶碗なのですが、本楽のようです。銘は「清次郎」?

スペシャルメニューでお値段は高くなっておりますが、素材を考えれば、納得できる範囲です。コースの料理は「山あり谷あり」と昔は言っていましたが、今回は「山あり谷なし」でした。ここでは珍しく、食事に3時間余りかかるのですから、二回転は無理だと分かっていたんでしょう。
ただ、フグの身と、勘定が合わないように思う蟹の足は・・・何処へ?


平成25(西暦2013)年12月6日
さて、晩飯は、「もめん」。
今日もいっぱい。予約の電話を「再来年の予約になります」と断ってはる。キャンセル待ちと言っても、来られなくなったら知人を紹介するケース(今日もおられます)が多いので、キャンセルは期待できないと言っていいでしょう。

  • 白子豆腐・ネギ・生姜、フライ二種が零余子と車
  • 松のお椀が、蟹真蒸、焼いたうるち餅、軸菜、黄柚子
  • お造りが、鯛、よこわ、醤油、ポン酢醤油
  • 炊き合わせには、カブラと春菊、振り柚子
  • ぼたん鍋、芹。豆腐、牛蒡、白ネギ
  • サーモンのの味噌幽庵漬けの焼き物定食、香の物
  • 水菓子が、レクチェ、ザクロ

一本目は、いつものように「鄙願」から出ます。冬の鄙願は、他の季節より旨い。妙な香りなど嫌みがない。
順番に出てくる先付二品が、一緒に出てきました。冬の定番白子豆腐が手前。揚げたてのフライ、零余子と車エビが奥です。香りのいい白子。今日のフライは、普通にパン粉のようです。
松のお椀が、蟹真蒸、焼いたうるち餅。流行のフワフワ真蒸とは違って、比較的固めの古風な真蒸。クリアな吸い地にカニの旨みがじわじわ。米の食感を残した焼き餅。
扇の器にお造りが、鯛、よこわ。

二本目は「獺祭」が出てきました。これも旨みがあるけど、繊細ですっきり。

炊き合わせには、冬の定番カブラ。小さくなっちゃったかな?いいお出汁。
今年も出ました「ぼたん鍋」。陶製の小鍋に酒粕ベースの鍋出汁がはられてコンロの上。蓋から湯気が出てくれば、イノシシから入れ始めます。もう少し酒粕と味噌が濃くてもいいんじゃないと最初は思いますが、だんだん味が濃くなってくるという事です。山椒の粉。野菜には、芹、茹でた牛蒡、白ネギ。
サーモンのの味噌幽庵漬けの焼き物定食。味噌の甘みが、ご飯にとてもよく合う。でぇ、お替り。止め椀ない!
水菓子が、レクチェ、ザクロ

新年あけて、1.2月は同じメニューになって、料理代も値上げ。値上げをめぐって行き違いがあったけど、空席を見つけてくれました。


平成25(西暦2013)年11月5日
さて、晩飯は、畳屋の「もめん」。
今日もいっぱいだよ。

  • 焼きホタテ、蒸しクルマエビのリンゴ酢和え、銀杏、黒豆、三つ葉
  • 椿のお椀が、ヒロウス、粟餅、軸菜、黄柚子
  • お造りが、鯛、ポン酢醤油、紅葉おろし
  • 大根の焚いたん、振り柚子
  • 牛肉の朴葉焼き、長芋、ネギ
  • 鰆の味噌漬けの焼き物定食、止め椀(豆腐)、香の物
  • 水菓子が、洋ナシ、ザクロ

一本目は、いつものように「鄙願」から出ます。しっとり落ち着いてます。嫌な香りもしていない。
焼きホタテ、蒸しクルマエビのリンゴ酢和え。リンゴと大吟醸(精米歩合50%だったはず)の香りとは、息が合うようです。
椿のお椀が、ヒロウス、粟餅。茶の正月に当たる今月から椿だと、語っているのが聞こえてきました。揚げたヒロウスからうっすら油が浮いてます。
お造りが、鯛。本日二皿目の鯛となった。脂の旨みではなく、アミノ酸の旨みがでた鯛。ポン酢醤油がでてます。

二本目は「磯自慢」が出てきました。純米吟醸クラスだったと思うけど、旨みジンワリ、でキリット。
冬の定番料理、大根の焚いたん。今年はちょっと色が濃いように思える。
きれいな牛肉の朴葉焼き。焼いた長芋も入って、温まればすぐに食べられるようになってます。その間に牛さんに火が入ります。佐賀?
ご飯のおかずが、鰆の味噌漬けの焼き物。しっかり浸かった鰆です。ちょっと身が薄いのが残念。
水菓子が、洋ナシ、ザクロ


平成25(西暦2013)年10月4日
さて、晩飯は、畳屋の「もめん」。
今日もいっぱいだよ。

  • 渡りカニ、紅ズイキ、胡瓜・大根の拍子、黄菊
  • 松茸の握り寿司、酢橘・振り柚子
  • 大輪の菊のお椀が、湯葉真蒸、ダイコクシメジ、軸菜、黄柚子
  • 鰹のタタキ、鯛、、おろしポン酢
  • ナスの焚いたん、山芋のトロロ掛け
  • キンキの塩焼き、松葉銀杏、酢橘、ほうれん草とヒラタケのお浸し
  • 出汁巻き焼き定食、止め椀(豆腐)、香の物
  • 水菓子が、南水とピオーネ

一本目は、いつものように「鄙願」から出ます。しっとり落ち着いてます。嫌な香りもしていない。
先付といっても、二回転目のほぼ一斉スタートですから、席に着いてから出てくるのに時間がかかります。渡りカニ、紅ズイキ。当然次の料理もこれから作るわけですから、あわてずにゆっくり味わうのです。お酒が進んじゃうわけです。
本当に美味しいかと聞かれれば疑問ですけど松茸の握り寿司。野菜のお寿司ってのもあるけど、美味しいとは思えないんだなぁ。

二本目は「八海山」が出てきました。新潟のお酒は軽んじてしまうことがままあるけど、ブレてない。派手さが際立たない分風格に似たものを感じる。
大輪の菊のお椀に、湯葉真蒸、ダイコクシメジ。しっかり固めに蒸された真蒸に、旨みのあるシメジ。シメジや湯葉の香りを壊さないように優しい吸い地。感心するのはもめんのお椀はいつも磨かれて綺麗で、張られた吸い地に透明感を感じることです。
お造りは鰹のタタキ、鯛。

三本目は「〆張鶴」です。キリッとシャープさが増す三本目。
ナスもいろりろ違った料理で出てきます。今月はシンプルに、山芋のトロロ掛け。出汁の旨みで食べられる仕上がり。
焼き物にキンキの塩焼き。カマの部分と尻尾の端っこ。ちゃんとキンキのキンキが探し出せたのです。気分いい。一品で出てきてもおかしくない「ほうれん草とヒラタケのお浸し」が添えられてます。キンキの脂をリセットできます。
出汁巻き焼き定食、止め椀(豆腐)、香の物。じんわりにじみ出る出汁。
水菓子が、南水とピオーネ。


平成25(西暦2013)年9月21日
晩御飯は畳屋の「もめん」へ向かいます。早く着いたら着いたで何やかや言われるのでした。

  • エビ・なすのしらす和え、柿、イチジク  
  • ウニの小丼、とんぶり山葵
  • お椀が、鯛乳麺、枝豆、降り柚子
  • お造りが、カツオのたたき、茗荷、長芋、ポンス醤油
  • ホウレンソウとシメジのお浸し
  • 鱧と松茸の小鍋仕立て、菊菜
  • サンマ幽庵焼き定食、ちりめんおろし、香の物
  • 梨、ピオーネ

まずはいつもの「鄙願」。今月の鄙願は、端麗な味わいの奥に甘さがほんのり感じて、綺麗なだけでない旨みがじんわり。

先付が、しらす和え。ほんのり暖かいエビが旨いし、豆の香りがほんのり残った「しらす」がよくできてます。今年初めての柿。
よく出てくる「お寿司」の代わりに小丼。ウニが乗ってますが、間にとんぶり山葵だそうだ。でも、ウニの香りが負けているように思う。

ふたの裏側に「武蔵野」の椀。鯛乳麺に枝豆豆腐。か細い枝豆の香りだけど、それをちゃんと感じさせる薄味に吸い地に仕上がっております。後からは鯛の旨みが加わってきます。
お造りは、カツオのたたき。
。 二本目もいつもの、2014年春にも同社初の海外販売拠点をパリに置きレストランを併設した店舗を開くという「獺祭」。若干渋みを感じたけど、爽やかな味わい。

お浸しの「ホウレンソウとシメジ」。

お鍋が用意されているようです。鱧と松茸。菊菜が並び、小鍋が用意されます。ふつふつと湯気が沸き始めれば、鱧から鍋に入れるように指示がでます。ハモ出汁じゃないし鱧の旨味が逃げ切らないように、そしてちゃんと火が通った頃合いで食べるのがよろしいようで。ホロホロと崩れる鱧の旨み。その後、松茸を最後まで入れっぱなしにしておきます。鍋奉行としては松茸の香りを出汁に全部出したいのです。というわけで、出汁を取り皿の小鉢に移してもらって飲み干します。
今月はサンマ定食のようです。腸を混ぜた焼きダレではなく、幽庵だそうだ。苦みが少ないだけに万人受けかな。止め椀はなかった。
ごはんには、サーモンの幽庵焼き。
デザートが、梨にピオーネ。


平成25(西暦2013)年8月8日
晩御飯は畳屋の「もめん」へ向かいます。早く着いたら着いたで何やかや言われるのでした。

  • 鱧の落とし、糸瓜、梅肉、加減酢ジュレ、姫オクラ
  • お椀が、あこう、ごま豆腐、松茸、降り柚子
  • お造りが、スズキ、花穂紫蘇、山葵、醤油
  • そうめん、黄身
  • アワビのバター焼き、肝ソース、黄&緑ズッキーニ、レモン
  • サーモンの幽庵焼き定食、止め椀(豆腐)、香の物
  • 白桃、ピオーネ、ジュレ

まずはいつもの「鄙願」。喉の奥からわずかに古酒風の香りがするのが、残念。後味が重い。

先付が、鱧の落としに糸瓜。加減酢の影響で鱧の味はダイレクトではないのですが、じんわり浮き上がってきます。口の中で鱧が温まってくるという意味でもそういう味。糸瓜にはほとんど味を感じない程度で、これだけだと酢の物です。
浪に浮かぶ御所車の椀は、アコウに白ごま豆腐。松茸いり。まだまだ早い松茸ですが、今んところ一番香りがいいものでした。白ごま豆腐で思い出すのは、これの串フライですねぇ。懐かしい。
お造りは、スズキ。脂の乗りを感じるスズキ。

二本目もいつもの「獺祭」。軽やかな旨みでサラサラ。

三輪そうめん「白竜」に玉子の黄身。たっぷりボリューム。たぶん一束。
アワビに盛り付けらた、アワビのバター焼き。肝のソースたっぷり。底に、緑と黄色の輪切りのズッキーニが焼かれて隠れております。
ごはんには、サーモンの幽庵焼き。
デザートが、白桃にピオーネ。


平成25(西暦2013)年6月28日
晩御飯は畳屋の「もめん」へ向かいます。20分ほど遅れてしまったけど、予約時間を10分少し遅れた時点で、電話が入って、伝言まで残っておりました。シビアやなぁ。
  • 湯引き鱧、白ずいき、梅肉
  • シマアジのお寿司
  • お椀が、ホタテの真蒸、ジュンサイ、三度豆
  • お造りが、カツオのたたき、イカ、わさび、醤油、ポン酢醤油
  • 丸茄子の炊いたん、茗荷
  • 目板カレイの素揚げ、クルマエビ、空豆、藻塩、酢橘
  • 出汁巻き定食、止め椀(豆腐)、唐辛子味噌
  • マンゴ、レモンジュレ

一本目は「鄙願」です。一口目が古酒っぽく感じる。好みと違うなぁ。二杯目からは和らいだけど、季節によって味が違うことに不信感。
梅肉のソースに湯引き鱧と白ずいき。先付としてひんやり、さっぱり、食をそそります。お酒の香りが負けちゃうくらい。
シマアジのお寿司。オロシポン酢かな?
天の川と思しきお椀に、大きいホタテの真蒸とジュンサイ。青味が三度豆。フレッシュ感香るジュンサイは、水草という味。味がないと思っていたんですが、今日はしっかり味を感じる。吸い地のせいかな?旨いホタテ。

二本目は「獺祭」。しっかり美味しい。端麗な味わいの中に綺麗な甘み。

お造りが、カツオのたたきとイカ。わさび、醤油、ポン酢醤油。
先月に続いて茄子の炊いたんですが、今月は丸ナスです。油通ししてあるようですが、ほとんど脂が浮いておりません。相変わらず出汁がしゆんでおります。茗荷。
目板カレイの素揚げがメインで、骨せんべい。他には、クルマエビと空豆も素揚げ。小振りな目板が一匹分のようです。しっかりしたカレイの身。藻塩、酢橘。

今月は出汁巻き定食。カツオの香る出汁巻き。珍しくというより初めて「唐辛子味噌」。そのままご飯に乗せてもいいし、出汁巻きにもOKでした。
マンゴ、レモンジュレ。

来年からは、6時からの一回転で、日月休みの週休二日になるそうだ・・・。


平成25(西暦2013)年5月24日
さて、お腹の準備運動が終わって、本番の食事は、畳屋の「もめん」。カウンターは大将と前田君二人。まだ大将も名前を間違っていたりするのでした。
  • 蒸しアワビ、白だつ、肝、振り柚子、加減酢
  • 剣先イカのお寿司
  • 鯛にゅう麺、ゴマ豆腐、隠元
  • お造りが、アマテカレイ、鳥貝、花穂、醤油、ポン酢醤油
  • 茄子の炊いたん、茗荷
  • 稚鮎の串揚げ、空豆の素揚げ、蓼、藻塩、酢橘
  • 太刀魚の味噌幽庵焼き定食、止め椀(豆腐)、香の物
  • 鹿児島産マンゴ

一本目は「鄙願」です。かすかに古酒っぽく香る。その性か味が重い。
ガラスの器に酢の物から始まる初夏らしい一皿。さっぱり、すっきり。オツユも美味しい。
イカさんの握り寿司。サクから切ったイカではなくて、細かく刻んでから重ねて寿司に乗せてあります。こりゃなんなんだ?噛み切れないご老人向けのイカかとも思ってしまいます。でも、寿司飯が口の中でほぐれると同時にイカもほぐれていくわけで、最後にイカだけが口に残ると言うことはない。

お椀は、鯛にゅう麺に、白いゴマ豆腐。一度で1.5度ほどは美味しい。
お造りは、肝がちょこっと添えられたアマテカレイと、鳥貝。あまり出てくることはないカレイですが、旬の季節だけ出てくるので、出れば美味しいのです。小振りの鳥貝だが、十分に甘い

二本目は「獺祭」。結構呑んでいるけど、それでも美味しい。ほんのり甘味を感じる端麗なお酒。

お茄子の炊いたん。ニシンがいなくなりました。うっすら油n浮いた煮汁まで美味しいのでした。
まだ新人には串に刺す仕事はさせないようです。45匹分を一気に串に刺す大将です。天ぷらではなく「フライ」。しかも腹側だけで鮎の姿を残してあります。頭から二口で食べると、苦味のある腹と、香ばしい尻尾の二つの味わい。小さいだけに、五匹というのが嬉しいボリュームです。
今月は太刀魚の味噌幽庵焼きの定食。先月は塩焼きで太刀魚でしたから、ちと不満。


平成25(西暦2013)年4月3日
さて、ちゃんとしたお食事は、畳屋の「もめん」。とうとう今週一杯で西岡君もあがっちゃいます。。
  • うすいエンドウの豆腐、ウニ、葉山葵
  • グリーンアスパラガスのあられ揚げ
  • 桜の椀には、タケノコ、ヒロウス、蕗、木の芽
  • お造りが、鯛とミル貝、山葵・塩、ポン酢醤油
  • ウルイとバチコのお浸し
  • 黒メバルの煮付け、木の芽
  • 太刀魚の塩焼き定食、じゃこおろし、香の物
  • イチゴ、ピンクグレープフルーツ、メロン、白ワインのジュレ

一本目は「鄙願」から。
先付けはキレイなヒスイ色のお豆腐。でも、いつもよりモソっとした食感。なんだか西岡君も訳ありそうに笑っております。ウニと葉山葵は一緒に食べるようにいわれます。
今月もアラレを衣にした揚げ物でグリーンアスパラガスです。ジューシーなアスパラ。
桜の花の散りばめられたお椀には、木積のタケノコにヒロウス。揚げたヒロウスからうっすら油が吸い地に浮かんでおります。

二本目は「麒麟山」。

お造りは、鯛にミル貝。切り分けるのに、というよりは分量に差が出ないように、苦労してはります。ミル貝は山葵に塩、鯛はおろしポン酢で食べるようにいわれます。
お浸しには、ウルイに炙りたての刻みバチコ。たっぷりのウルイでした。
メバルの煮付けも季節の定番。1匹分です。皮を残して、ヒレ以外の骨をすいてあるので、食べやすいこと、丁寧なこと。
ご飯には、太刀魚。ジンワリ旨味のある太刀魚で、ついついご飯が進むのです。
水菓子にはメロンが増えておりました。

還暦を過ぎてからのお友達のお店の開業を、心配してはります。大将は来年から、一回転にしてゆっくり仕事をしたいと言うのですから、いろいろ心配事が思いつくようです。料理の先生を3件担当していて、いまさらということでしょうか?それに若い料理人が独立すれば、もてはやされて、年齢を重ねて独立しても全然取り上げられないとお嘆き。若くて日本料理をよく知らないライターが、自分より実績も経験も実力もある料理人を取材したいと思わないでしょう、とむちゃは思うのです。マスコミを利用するのがお上手な料理人は別として・・・。


平成25(西暦2013)年3月22日
さて、お食事は、畳屋の「もめん」。新人一名が引継ぎの研修。
  • 赤貝・タイラギの黄身酢和え、わけぎ、大根、防風長芋
  • 白魚のあられ揚げ
  • 貝尽くしの椀には、鶏卵豆腐に蛤、蕨、木の芽
  • お造りが、鯛と車海老、山葵・醤油、ポン酢醤油、海老の頭の素揚げ
  • ゼンマイとネイモの白酢合え、ほうれん草、トマト
  • アキレス鍋、ウルイ、わらび、白髪葱
  • 出汁巻き定食、蕗の薹味噌、香の物
  • イチゴ、ピンクグレープフルーツ、練乳、紅茶のジュレ

一本目は「麒麟山」から。

ぽってりと黄身酢を皿に広げて、タイラギ、タイラギ、赤貝。いつもながら優しい酢の加減です。
二品目の先付け、アラレ揚げ。枯れた笹の葉皿。白魚です。香ばしさが勝って、白魚が霞んじゃう感じがしないでもない。

派手な貝のお椀には、蛤と鶏卵豆腐。蛤は葛を打っているようです。オーソドックに昆布の効いた吸い地。最近、蛤の濃厚ばっかりでした。木の芽。蕨。
お造りは、鯛に車えび。醤油に山葵の他に、おろしポン酢。山葵醤油がいいな。海老の頭は素上げで出てきます。

二本目は「獺祭」が出てくる。淡麗極まるお酒。

ゼンマイを敷きつめ、ネイモ(白ズイキじゃん!)の白酢和え。トマト、軸菜。
野菜三種が並んだ漆の長皿が出てきました。白髪葱、蕨、ウルイです。で鍋が出てきましたが、こりゃ今まで出たこと無いなぁ。蓋をとるとプルンプルンの塊がゴロゴロ、グツグツです。アキレス腱だそうだ。野菜を全部いれるように言われて食べ始めます。出汁はいたって普通ですが、美味しいことは確か。飲み干してしまいますが、食べている時には気にならないけどコラーゲンで口が固まる気分。野菜が大切。
ご飯は、出汁巻き定食。珍しいのは、蕗の薹味噌。
始めての仕事が目立つけど、デザートには紅茶のジュレも初めて。いい香りでした。


平成25(西暦2013)年2月14日
さて、お食事は、畳屋の「もめん」。
見知ったお客さんもおられます。相変わらずの満席。ほとんど一斉スタートになっております。

  • 松葉蟹
  • 鯛のにぎり
  • 甘鯛と焼餅の蕪汁、鶯菜と柚子
  • 鰤のお造り
  • ぬた(赤貝、イカ、わけぎ)
  • 牛肉と筍の鍋、木の芽
  • 鰯の塩焼き(梅肉餡)定食
  • 苺と崩した練乳羹、黒豆

一本目は「鄙願」。料理に対して、毒にも薬にもならないタイプのお酒と言ったらお叱りを受けそうです。微かにコクを感じる時もあります。年四回の出荷ごとに味わいが違うようで、そういう点でイマイチ信用が置けない印象を受けます。

甲羅からほじった身に蟹足を乗せて、蟹味噌やら野菜をトッピング。野菜はなんでしょう?
鯛の握り寿司。塩ダレ?柚子果汁。

お椀は、鶯に梅。甘鯛の蕪汁は、みぞれ風。米の粒粒も残った焼餅はレア風に歯ごたえのある焼き具合。
お造りは、ブリ。違いところを二種類です。辛味大根を醤油に溶かして食べるように言われます。山葵は溶かさないでしょうと無視。ブリの脂の旨味を増すような醤油です。
二本目は、懐かしい錫半の「もめん」銘入りのチロリで「獺祭」。キレイとしかいいようのない雑味のないお酒。すっきり爽やか。
赤貝とイカのヌタ。和え衣が美味しい。ヌタの思い出は小学生の給食で出たときの事。今では思い出せない味だけど、小学生には臭い思い出しかない。クラスのほとんど全員が残しちゃって、給食の叔母さんは悲しんだろうなぁ。料理屋さんのヌタ(てっぱい)はとても美味しい。酒が呑めるようになると変わるんでしょうな。
グツグツで運ばれてきた鍋。ちょっと牛肉からアクが出ちゃってますけど・・・。和風出汁。最後まで呑みます。こりこりのタケノコ。

定食は、いわしの塩焼き。梅肉の餡かけ。珍しい(初めてだと思う)カブと赤カブの漬物。豆腐の味噌汁。

もめん風イチゴミルク。


平成25(西暦2013)年1月22日
さて、お食事は、畳屋の「もめん」。

  • 柚子釜にふぐの白子、湯葉、銀餡
  • マグロ中トロの握り
  • 宝船のお椀は鯛かぶら、うぐいす菜、金時人参、松葉柚子
  • かわはぎとふぐの細切り、肝ポン酢醤油
  • 炊き合わせが、ひろうすと大根、柚子
  • 焼きフグ、テッピ・三河・ポン酢和え
  • さわらの味噌漬けの焼き魚定食、茶碗蒸し、香の物
  • 潰した練乳羹、苺、黒豆

一本目は「麒麟山」。一口目には熟成した老香がチラッと香ります。時折、顔を出す香りですが、そんな時以外は端麗でほのかな甘さが心地いい。

笹雪の器に柚子釜。蓋を取ると炙って焼き目を付けたフグの白子。底には湯葉。柚子の蓋を絞らないように注意されます。
マグロの中トロで、握り寿司。刷毛で醤油を塗って、サービス。

一月のめでたい宝船のお椀は、鯛の切り身を乗せた蕪。今日は鰹の香りが、喉の奥からワンテンポ遅れて湧き上がってくる。いつもより鰹が強いようです。
ご主人が俎板でいつもより仕事をしているお造り。小さめのカワハギを切っては、真ん中から裂いて広げて、糸作りほどではないけど、さらに細く切ってます。妙に手を掛けてました。カワハギの上から、同じようにフグ。醤油にはカワハギの肝を摺って団子状になって入ってます。溶かして食べます。生肝らしい香りはそのまま。
二本目は「獺祭」です。旨さが前面に出てきますが、後を引かないお酒で、好ましく感じます。
蓋付きの熱々の焚き合わせは、ヒロウスと大根。柔らか大根。

醤油付けのフグアラの焼き物。唐辛子は使わなくなったようで、うれしい。壷壷に皮。
白いご飯には、サワラの味噌漬け。脂の乗った冬の鰆が、大変旨い。味噌汁というて出してくる茶碗蒸しには、餅と椎茸。
デザートは、イチゴ、ソースにはお得意の練乳羹をユルユルに解してあります。


平成24(西暦2012)年12月15日
さて、本飯は、畳屋の「もめん」。

  • 縁高に先付けで、車えびのアラレ揚げ、長芋蟹味噌下ろし、白子豆腐
  • 松のお椀には、蟹真蒸、焼餅、軸菜、黄柚子
  • お造りには、鰹タタキ、ひらめ
  • 海老芋の唐揚げ、干しイチジクの唐揚げ、銀杏、藻塩
  • しし鍋ミソ仕立て、東坡豆腐、葱、水菜
  • 出汁巻き定食、ちりめんおろし、香の物
  • 水菓子が、レクチェ

お酒は「鄙願」で始まり。
揚げたてで香ばしさたっぷりの海老。足の部分は二つ割で、三分割です。蟹味噌をおろしで伸ばして、拍子の長芋入り。白子豆腐とともに、出す順番は色々だけど慣れた先付け。
豪華な松のお椀は、蟹真蒸に焼餅。熱い吸い地はお上品。
おつくりは、鰹と平目。ポン酢の醤油皿が二枚で、摺り生姜の有る無しです。

二本目のお酒は「獺祭」。グレードは三割九分かな?白桃のような香りにミルキーな味も感じてほんのりした旨味。
油物は、海老芋と干しイチジク。海老芋の為に藻塩がでているけど、なくてもいいくらい。
「東坡豆腐と水菜のシンプルな鍋」といった後で、おもむろに猪肉が出てきました。コンロの上には赤鍋が置かれて、チンチンに沸いた行平の寸胴鍋から合わせ味噌仕立ての鍋出汁が張られて、目の前に出てきます。最初に猪肉を全部入れると、鍋だけをガスコンロで一気に沸かしてくれます。後は自由です。山椒が手塩にでてきます。ここでイノシシを出すのは初めてで、他のお客さんもびっくり。食べなれてない人は、一様に臭くないという感想をお漏らしになって、得意顔の大将であった。出汁を取り皿に移してくれて、鍋はからっぽ。

今年の八月は(満席で)来られなかったのだが、その時がたぶん「出汁巻き定食」。ということで、ほぼ一年ぶりのご対面。もうちょっと柔らかかった記憶があるんですが・・・それでもしっとり美味しい出汁巻きには違いない。
水菓子は、レクチェ(洋梨)。ざくろ。


平成24(西暦2012)年11月12日
さて、晩飯は、畳屋の「もめん」。
時間通りに行けば、一回転目のお客さんが残っていて・・しばらくウロウロ。

  • 車えび・炙った帆立貝柱の林檎おろし和え、林檎、トマト、銀杏
  • ウニ丼(酢メシ)、山葵和えのトンブリ
  • 椿椀に伊勢海老真蒸のお椀、粟餅、軸菜、黄柚子
  • 伊勢海老、山葵
  • 大根の炊いたん
  • 牛肉の朴葉ミソ焼き、焼き山芋、白髪葱
  • サワラの味噌漬け焼き定食、止め椀(豆腐)、香の物
  • 水菓子が、洋梨

お酒は「麒麟山」で始まりました。
林檎下ろしの先付け。ほんのり暖かい貝柱。
いままでは握り寿司のウニだったのですが、今年はうに丼と西岡君が申しております。山葵で和えたトンブリがアクセントでいい味。淡路のウニもそろそろ最後ですな。
椿のお椀に海老真蒸と粟餅。海老からの味は上品な吸い地。
お造りが伊勢海老。ということは真蒸は伊勢海老だったんですな。函から出てきたイセエビは「でけぇ!」。なんとも雑な切り方に見えます。今月は海老さんが多いようです。

二本目は「獺祭」 ここは前世紀から通っていますが、その頃からの冬の一品が蕪や大根の炊いたん。まぁ、こういう料理で多くのリピーターを満足させているわけですから、たいした大根です。
朴葉に牛肉のみそ焼きです。ほぼ同じ時間(一斉スタートではない)に始まっているので、カウンターに鍋が並ぶのはなかなか壮観だ。変にいじくると、大将に怒られます。既に炙った長芋が入っておりまして、味噌がグツグツすれば、芋から食べられるわけです。白味噌ベース。
白いご飯には、サワラの味噌漬けお焼き物。味噌が続きますな。漬け具合もよろしいなぁ。焼き魚が大きければ、無理してもごはんをお替りしてしまうだろうなという旨さ。食堂の定食のようなごはんですが、こういう料理で多くのリピーターを満足させているわけですから、たいした焼き魚です。
水菓子は洋梨。ざくろ。

もう既に来年年末の椅子取り合戦ですわ。月に二回は月曜日を休むようだし、休みもまとめて取るようです。ひょっとしたら二回転もやめちゃうかもしれない。なんとかなるでしょう。


平成24(西暦2012)年10月5日
さて、晩飯は、畳屋の「もめん」。
今日もいっぱいだよ。

  • 渡りカニ、紅ズイキ、胡瓜・大根の拍子
  • 松茸の握り寿司、酢橘・振り柚子
  • 帆立真蒸のお椀、ダイコクシメジ、軸菜、黄柚子
  • 鰹のタタキ、平目、生姜ポン酢、おろしポン酢
  • ほうれん草と松茸のお浸し
  • クエ鍋、豆腐、菊菜、ポン酢
  • 秋鮭の味噌幽庵焼き定食、止め椀(焼き茄子)、香の物
  • 水菓子が、秋月と柿
一本目は、いつものように「鄙願」から出ます。
菊の器に渡りカニ。味噌も絡めてあって旨い仕事。見えにくいけど奥にズイキ。優しい酢の加減。
秋の定番の松茸のお寿司。そんなに美味しいと感じるものではありませんけど、香りはいい。
菊のお椀は、帆立の真蒸に大黒しめじ。いつも磨かれた漆の艶っぽさが吸い地の美味しさを増しているかのようです。
お造りは、鰹に平目。醤油が二種類で、鰹には生姜入りの、鯛には大根おろし入りのポン酢醤油。

二本目は「獺祭」と注文しました。
お浸しは、松茸香るほうれん草。
クエが入った縁高が折敷へ。豆腐、菊菜。鍋の中にはアラ(カマ)が入って運ばれて来ます。グツと湯気が出始めたら、カマを取り出し、クエ鍋です。じっくり火を通せば、ホロホロと崩れるようなクエの身。鍋出汁は最後にポン酢醤油の皿に移してもらって、クエを余さず。ポン酢ばかり出てきましたねぇ。
今日のご飯のおかずは、秋鮭の味噌幽庵。旨い味で、鮭だけでいくらでも食べられそうな気になる。余りに味がしっかりしているので、鮭、ご飯、ご飯・ご飯みたいな食べ方も出来ちゃうくらい旨い焼き物。

フルーツは梨と柿。


平成24(西暦2012)年9月 3日
さて、晩飯は、畳屋の「もめん」。

  • なす、車えび、枝豆、柿、イチジクの白酢和え
  • 焼き枝豆豆腐
  • お椀、焼きハモと松茸、三つ葉、酢橘
  • お造りは、淡路のウニに剣先イカ
  • シメジとほうれん草のお浸し
  • キンメの焼き物、琵琶の器にタコの柔らか煮・南京、酢橘
  • 白ご飯、サンマの腸焼き、味噌汁、香の物
  • 幸水と種無しピオーネ

一本目は「鄙願」が出てきました。
先付けは白酢和え。なんだか今年は甘い口当たり。ほんのり暖かい海老さんがいいなぁ。海老の甘さが感じられます。キレイな色の茄子も美味しい。
もう一つ、枝豆豆腐を焼いてあります。枝豆を葛で固めたものを焼いてあるんですから、和菓子風に言うなら「枝豆入りの葛焼」で、焦げ目がついてなければ「きんつば風」でもあります。お上品な味。

お椀は、茶碗を使ったもので、焼きハモと松茸。土瓶蒸しほどではないけど、出汁の香りも生きた吸い地。
二本目は「獺祭」が出てくる。
お造りは、板付きのウニとイカ。甘くてクリーミィな淡路のウニです。
出汁の香るお浸し。ほうれん草とシメジ。
焼き物がキンメ。芋なし「タコ南京」。野暮ったいことはしないそうだ。

ご飯は、サンマ定食。いつものように腸を使った付け焼き。腸の苦味は年々控えめな印象。
キンメ・サンマと続いた後の梨があっさり感が気持ちいい。でかい種無しのピオーネ。白ワインのジュレ。


平成24(西暦2012)年7月5日
ちゃんとしたご飯は、畳屋の「もめん」。

  • 毛蟹と玉子豆腐、赤ピーマン、胡瓜、加減酢のジュレ
  • お椀は、あこうと湯葉豆腐、隠元、降り柚子
  • お造りは、アワビ、肝醤油
  • 素麺、玉子
  • はもしゃぶ、菊菜、酢橘、ポン酢
  • 牛皿定食、止め椀(茄子)、香の物
  • メロンとスイカ

一本目は「麒麟山」が出てきました。
記憶が無いガラスのボールに、毛蟹と玉子豆腐。ガラスには様なクボミがつくられていて、面白い歪。上に乗っているジュレ裏ごしでもしているようです。
天の川のお椀には、アコウに湯葉豆腐。旨いアコウ。湯葉豆腐と言うけど、食感は胡麻豆腐に近いというか、間違えそう。ムチーとしてますが、味はそれほど。とにかく吸い地とアコウが格別のお味。
お造りは、アワビです。生ですから固いんですが、薄作りで波切りにすることで、噛み切れるようにしてるんですな。波のうねったような切り方で醤油が絡みやすくなるし。醤油には肝のペーストがスプーンで一杯。旨くなります。アワビのクリーミィな味わいが長い。
二本目は「獺祭」が出てくる。
赤い四方鉢に氷、白い素麺が映えます。素麺つゆの入ったグラスの外側にポツポツと雫のような粒が張りついてます。先付けの作家さんと同じでしょうか?仕舞うのに気を使うだろうなと心配。玉子は生じゃないので味が濃くて、素麺ツユに負けることもないし、ツユが薄まることもない。で、そのツユが美味しいのですから、口の中に流しこむように食べるのでした。
小鍋がコンロに乗ってでてくる。ハモです。鍋の中には出汁がはってあって沸くのを待ち、噴き始めれば、シャブシャブ。くるっと丸まって、骨切りしたところがホンノリピンク色になった暖かいレア状態がいいようです。できあがるハモ出汁も美味しくする為に、慎重に濁らないようにシャブシャブ。別の小鉢に育てたハモ出汁を取って酢橘を搾って飲み干します。

今月は、牛皿定食。薄味で煮た牛肉に白髪葱に梅肉。あっさり。いつもの豆腐ではなくて、茄子の止め椀。
デザートはメロンとスイカ。

今月は一品少ないような品数ですが、食材や見栄えもメリハリのある献立でした。


平成24(西暦2012)年6月8日
さて、メインダイニングは、畳屋の「もめん」。
  • 湯引きはも・白ズイキ・梅のソース
  • グリーンアスパラガスのおかき揚げ
  • お椀が、伊勢海老の真蒸、ジュンサイ、隠元、木の芽
  • お造りは、伊勢海老
  • 丸ナスの炊いたん、茗荷
  • 鰈の揚げ物、骨煎餅、浴び、空豆、藻塩、レモン
  • ごはん、太刀魚の付け焼き、止め椀、香の物
  • 宮崎産マンゴ
お酒は「鄙願」。今日から「夏:打ち水」の鄙願だそうです。

先付けは、ハモ。白いハモが赤い梅肉のソースに浮かんでます。梅肉はお出汁で割っているんでしょう。骨きりしたハモの間に入り込んで、最初は梅の香りと酸味、その後からハモの旨味が口に広がります。
緑の濃いアスパラは、野菜の香りを残して、歯ごたえも残した揚げ方。「おかき」の香ばしさもプラス。

お椀は、伊勢海老の真蒸。黄色い真蒸で揚げてあるのかと思えば黄身も混ぜているそうだ。でも、海老さんの旨味はそれほどでもなかったな。
で、お造りも伊勢海老。どうも水っぽいようで、旨味もいまひとつ。
シンプルに丸ナスを炊いたん。油通ししてあります。
メイタ鰈を揚げてでてきました。塩は振らずに手塩皿に藻塩が盛られてます。海老さんとその足、それに空豆も揚がってます。

今月は太刀魚の焼き魚定食。醤油ダレの焼き物に粉山椒ですから・・・蒲焼だな。太刀魚の縁側も脂が乗って美味しいのです。ひょっとしてウナギの代わり・・・だったら寂しいな。太刀魚も美味しい魚ですけどね。味噌汁は、定番の豆腐。


平成24(西暦2012)年5月11日
晩御飯は、畳屋の「もめん」へ。とうとう先月は予約が取れずに(2005年3月から続いていた)月一連続していた訪問も途切れてしまいましたわ。お決まりの席。

  • ズイキとアワビの加減酢、おくら、降り柚子
  • アユのから揚げ、トウモロコシ・枝豆の掻き揚げ、他での葉
  • 鯛にゅう麺、胡麻豆腐のお椀、隠元豆、降り柚子
  • 甘手かれいのお造り、肝、花穂、おろしポン酢
  • にしん茄子、茗荷
  • メバルの炊いたん、木の芽、白髪葱
  • 太刀魚の味噌幽庵焼き定食、止め椀(豆腐)、香の物
  • 香夏錦と宮崎マンゴ、ミント
お酒はいつもの「鄙願」。すっきり系の新潟のお酒だけど、高精白の出品酒ばかりアペリティフにしてたので、味の多さが目立ってしまいます。一合しか呑めなかったよ。

サッパリしたお味が浸みこんだズイキがとても心地いい先付けになってます。アワビはいつものように波切り。肝も少々。
水槽でピッチピチに跳ねている鮎さんを唐揚げ。蓼の葉一枚。お隣さんは「苦い」とおっしゃるが、苦くない。はずれ?苦味はないけど、骨煎餅的な香ばしさが加わって美味しい。トウモロコシの掻き揚げの団子に緑色の豆が混じってます。枝豆でしょう。
お椀は、鯛にゅうめん。考えたら、今日はじめての温かい汁物でした。
お造りは、アマテカレイ。花穂、湯引きにした肝。紅葉おろしは辛いので使わず、浅葱のポン酢醤油。カレイはいいけど、肝は湯がきすぎているようだ。

冷やしたニシン茄子。濃いようであっさり炊かれたニシンは脂もそこそこ。そんなニシンの味を吸った茄子。ニシンが旨けりゃ茄子まで旨いわけです。
一匹のメバルをこれも薄味で煮付けてあります。めばるのめばるを取ろうとしたけど、きれいなのは一顧だけ。
定食のおかずは「太刀魚」。焼き物としては美味しいけど、ごはんのおかずとしては、味が物足りないかな?
水菓子は、マンゴとさくらんぼ。


平成24(西暦2012)年3月9日
晩御飯は、畳屋の「もめん」へ。二回転目のカウンター。お決まりの席。
  • 帆立貝柱・赤貝・長芋短冊の黄身酢合え
  • 白魚のあられ揚げ
  • 鶏卵豆腐・葛打ちの蛤・蓬餅・雁足・木の芽のお椀
  • 鯛と鳥貝のお造り、菜の花・撚り人参、山葵・醤油・下ろしポン酢
  • 炙ったバチコとウルイのお浸し
  • 牛肉とタケノコの鍋、木の芽
  • 鮭の味噌漬けの焼き魚定食、止め椀(豆腐)、香の物
  • あまおうとデコポン・ブルーベリー、崩した練乳羹
お酒を注文しなくても、すぐに出てくる「麒麟山」。
唐津風の器に奇異酢和え。帆立と赤貝。幾分酢が勝っているかなと言う黄身酢。
笹舟にお得意のアラレ揚げは白魚。サクッと噛めば、ムチッと返す白魚の食感。
菜の花のお椀には、蛤。葛打ちしてあります。鶏卵豆腐とヨモギ餅。蛤の旨味が出てくると淡い吸い地に旨味がドンドン増してくる。

二本目は、鈴のチロリで「獺祭」。
お造りは、鯛と鳥貝。珍しく青味の菜の花が添えられております。鳥貝はオロシポン酢。泉州産の鳥貝でした。市場に広まってきましたね。いい鯛でした。

先月の「雪うるい」は生で、今月はお浸しです。炙ったバチコを刻んで散らしてあります。シャキシャキとシコシコ。
グツグツ鍋が出てきました。牛肉とタケノコの定番の鍋。少し赤みが残した状態で、目の前に出てきます。日本料理屋らしい鰹出汁。アクが出る前に火が止めてありますから、最後は器に移して飲み干します。鍋に木の芽が乗ってくると、花山椒が待ち遠しくなります。

ご飯には、味噌漬けにした鮭。白味噌の甘いがしっかり移ってます。相変わらず素っ気無い豆腐だけの味噌汁ですが、とても美味しいのです。
水菓子は、イチゴにデコポン。黒豆かと思ったら、珍しいブルーベリー。昔出していた練乳羹を崩してクリーム状にしたソース。


平成24(西暦2012)年2月2日
晩御飯は、畳屋の「もめん」へ。相変わらず、いつもどおり。
  • 松葉かに、拍子切りの長芋、生うるい、胡瓜、人参、防風
  • タラ白子のフライ
  • お碗はかぶら汁、甘鯛、焼き丸餅、うぐいす菜、
  • お造り、ひっさげ、ひらめ、芽甘草、拍子切りの長芋、縒り人参
  • 赤貝、いか、わけぎのヌタ和え、紅たで
  • はげ鍋、ねぎ、白菜、ポン酢
  • さわらの味噌付けの焼き魚定食、止め椀、香の物
  • いちご、練乳クリーム、黒豆

一本目のお酒は新潟の「鄙願」。軽くてすっきりでも、円やか。
先付けには、蟹が出ました。この悪天候の雪の中、一体どこの蟹かは、聞かないのが武士の情け?蟹の下には、シャキシャキの野菜は「うるい」。生で出すところは少ないようです。
雲子のあられ揚げ。タラとは思えない味に仕上がってます。

お椀は、蕪汁。カブの甘味がとりわけ気持のいい吸い地。
お造りは、ひっさげに、ヒラメが加わりました。この悪天候の雪の中、一体どこのヒラメは、聞かないのが武士の情け?悪くは無いけど、余り出来のいいヒラメではないようですが、月替わりのメニューの融通の利かないところですかな?

二本目は「黒龍」。今日の酒のラインナップからは、食事を損なうことは無いけど、軽くて痩せたイメージ。
ヌタ和え。
コンロに乗った小鍋が出てきて、湯気が噴くまで我慢。中には「はげの肝」が煮上がってます。西岡君が救ってくれて、後は自分で、ネギ・白菜・はげ。白菜は既に火が通ってます。むちゃは芯の方が好きなんですけど、それはない。弾けてクルンと丸まるハゲ。生でも食べられるんですが、火を通した方がいいかな。

今日のご飯は、味噌漬けのサワラの焼き魚定食。ご飯も美味しいけど、豆腐の味噌の加減がより好きです。
前と同じと言われたら、突っ込みようのない、デザート。


平成24(西暦2012)年1月30日
晩御飯は、畳屋の「もめん」へ。相変わらず、いつもどおり。
  • 柚子釜、フグの白子、焼き葱
  • 寒ブリのにぎり
  • 宝船のお碗は鯛蕪。鯛、蕪、焼き丸餅、金時人参。うぐいす菜、柚子
  • お造り、ひっさげ、長芋と芽甘草。
  • 炊き合わせ、ひろうすと大根。柚子皮
  • 焼きふぐ、皮、三河
  • 出汁巻き定食
  • いちご、練乳クリーム、黒豆

熱々の蒸した柚子窯。銀餡の中に焼き白子が数個。その下には焼き葱のようです。餡の味を確かめて、柚子の蓋をぎゅっと絞りましょう。
一本目は「鄙願」。すっきりした中にもかすかに甘味。
二品目がお寿司。鰤は腹と背の二種類。おろしが天盛。

宝船のお椀は、鯛蕪。ヘギの鯛の身と蕪、片面に焼き目をつけた丸餅。焼き目をつけて蒸して柔らかくした餅なんでしょう。いつもながらクリアな出汁です。
お造りは、ひっさげ。とてもいい香りが鼻に抜ける。
二本目は「磯自慢」。どのクラスかは聞いてないけど、滑らか。
蓋付きの小鍋風の炊き合わせ。取り皿もでてきた。蓋を取ると、大根とひろうす。柚子皮が乗せられております。わずかに大根にムラがありますが、硬いほどではない。しっとり出汁のしゅんだヒロウス。これは火が通り過ぎてるかな。百合根はコリコリした歯ざわりも残して欲しいところです。確かめようないから難しいだろうね。
焼き物はフグ。骨のついたアラを一味唐辛子で焼いてあります。皮や三河は酢の物で壷壷。あれぇ?身はどこにいったんだ?骨付きのアラは何かに漬け込んだような味。ほとんど唐辛子の辛味を感じない程度の香り付け。いい仕事だ。

出し焼き定食。今日は、鰹が効いてるなぁ。あまりやりすぎると魚臭さを感じるよ。
イチゴに、いつもの練乳羹を生クリームなどで伸ばしたクリームだそうだ。

今日は、仕事が遅いようで、いつもより時間がかかる。


平成23(西暦2011)年12月16日
晩御飯は、畳屋の「もめん」へ。相変わらず、いつもどおり。

  • 白子豆腐
  • 海老・むかご・柿のあられ揚げ
  • 松のお椀は、カニ真蒸、焼餅、軸菜、黄柚子
  • よこわ・鯛のお造り、長芋拍子、おろしポン酢、山葵醤油
  • かぶらの炊いたん、菊菜、降り柚子
  • ぐじの塩焼き、セコカニの加減酢、蟹味噌・長芋・胡瓜
  • 刻み鰻の蒸し寿司、止め椀(豆腐)、香の物
  • ル・レクチェラ、ざくろ

一本目は「鄙願」。キレイなお酒なんだけど、なんだか店によって味わいが違うように思うんだなぁ。
一品目の先付けは、御馴染みの「白子の豆腐」。ムチーとした白子の食感がそのまま。
二品目は油物。香ばしく揚がってます。でかいムカゴです。ムカゴにはちょっぴり塩が効き過ぎ。柿の揚げ物は面白い。塩気と甘味と香ばしさがとても面白い味。

松のお椀には、カニ真蒸。割ると透明感のある真蒸です。焼いたお餅。吸い地のクリアな味わいも、キレイに磨かれた漆器の輝きも一役買っているようです。
お造りは、ヨコワとイカ。鯛はポン酢と言われたけど、わさびの方が好みかな。うっちりヨコワ。
二本目は「獺祭・純米大吟醸・磨き三割九部」。今日はいっぱい呑んでいるけど、関係なく、美味しいと感じるお酒。でしゃばったところがありません。
先月の大根に続いて、蕪。なぜかこれも塩気を感じます。蕪の甘さが損なわれているように思う。今日は変だよミノちゃん。
焼き物はぐじ。しっとりと焼きあがって、これはいい塩梅。カニの二品。

ご飯は、蒸し寿司。たっぷり織り込んでくれましたなぁ。しっかり食べます。酢の加減も好み。錦糸と生姜の甘さもよろしいなぁ。
水菓子は、洋梨。


平成23(西暦2011)年11月17日
晩御飯は、畳屋の「もめん」へ。いつもどおりに満席になります。景気とは関係がない店。

  • 炙った帆立貝柱、車海老、繰り抜いた林檎、林檎おろし、防風
  • 海老芋の天ぷら・藻塩、バチコの天ぷら
  • 椿のお椀は、焼き甘鯛、焼き粟餅、軸菜、黄柚子
  • くえのお造り、あさつき、おろしポン酢、すだち
  • 大根の炊いたん、降り柚子
  • 牛肉の朴葉焼き、長芋、白髪葱、合わせ味噌
  • サワラの味噌幽庵焼き定食、止め椀(豆腐)、香の物
  • ラ・フランス、ざくろ

一本目は「麒麟山」。樽で寝かしたウィスキーのような香ばしさが、鼻に付く。老ねたキャラメルのような香りではないけど、好きじゃないな。

丸皿に、帆立・海老を置き、林檎おろしを盛り付けてあります。林檎も悪くないなと思いますけど・・・。
バチコの天ぷらはそのまま食べていい塩梅。海老芋は藻塩。結構厚みのある結構なバチコ。しっとり感の残るバチコ。小さくて筋っぽそうな海老芋に見えたけど、杞憂。思ったより肌理が細かくいい海老芋。

お椀は、椿。香ばしさがアクセントの吸い地。甘鯛の旨味が加わる吸い地もいいし、味の増した吸い地を吸った焼き粟餅も美味しい。
お造りはクエの薄作り。旨味のでた色合いのクエはいい味してます。イノシン酸でしょうか?

二本目は「獺祭・純米大吟醸・磨き三割九部」。好みの香り・甘味。クエが更に旨くなる。

この季節の名物、大根の炊いたん。
コンロに朴葉がセットされ、味噌が入れられます。あらかじめ焼いて火が通った長芋に、牛肉をのせます。白髪葱タップリで、目の前に置かれて、煮えるのを待ちます。味噌を絡めながら長芋から食べていきます。毎年食べて思うのは、むちゃには昔の味噌の方が旨かったってことだ。
ちょっと漬かり過ぎたような色をした鰆の焼き魚定食。
デザートは、ラ・フランス。

もう来年のシートが埋まってしまっている。そりゃ、ないよねぇ。


平成23(西暦2011)年10月7日
晩御飯は、畳屋の「もめん」へ。いつもどおりに満席になります。
コンロの前に座らせると、玉子焼き器が置いてあります。ふむふむと理解。

  • 渡り蟹、胡瓜、長芋、菊花、加減酢
  • ひらあじのお寿司
  • 鱧にゅうめんのお椀、胡麻豆腐、軸菜、黄柚子
  • ひらめのお造り、縁側、肝、芽葱、おろしポン酢
  • 松茸・しめじ・ほうれん草のお浸し
  • きんきの塩焼き、イカの海鼠腸和え、長芋・ウニ・トンブリ、松葉銀杏、柚子
  • 出汁巻き定食、止め椀(豆腐)、香の物
  • 梨とブドウ

一本目は「鄙願」。時間つぶしのアペリティフ代わりの「早瀬浦」に比べると、線が細くて、イメージとして「辛い」酒。

菊の菱皿に、渡り蟹の酢の物。
紀州産とわざわざ説明してくれる平アジの握り。

どうも写真を撮っていて真っ黄色が気になる。お隣さんはデジタル一眼みたいなカメラで撮ってはる。チラッと見える液晶は、やっぱり真っ黄色。いままで色温度の設定はメニューにある「オート」「太陽光」「蛍光灯」「電灯」くらいをいじくっていたのだが、白っぽい皿を「白データ」として取り込んで撮ってみた。カメラをかって7・8年たったが初めて取り込みに成功した。めでたし、めでたし。なんで気が付かなかったんでしょうなぁ。

お椀は、ススキ。名残の鱧ですが、会わせてあるのはニュウ麺と胡麻豆腐。ここの吸い地はとっても熱い。胡麻豆腐もしっかり蒸されてます。裏でミノちゃんが手際よく作っているんでしょうなぁ。大体同じような時間帯で始まるのもいいんでしょうな。
お造りはヒラメ。シンプルに山葵醤油の方が好み。ヒラメの旨味を感じる前にポン酢醤油の香りが邪魔に思います。

二本目は「獺祭・純米大吟醸・磨き三割九部」。丸みを感じるて、呑んでいることもあって「旨い」としかいいようが無かった。山口県のお酒と聞かれれば東洋美人を推していたんだけど、獺祭の方が口当たりが優しくてサバケがいい。どちらかが劣るという意味ではないよ。

お浸しには、松茸とシメジ。冷たくなってもちゃんと松茸の香りがしております。
キンキの塩焼き。ちょこっとカマの部分もある。キンキのキンキが見つかったので気分がいい。壷々にイカ。琵琶の中にウニとん。
デジカメの色が改善されたことに気を良くして、出汁巻きを撮っておきます。いつもは美味しい味噌汁だけど、出汁巻きの出汁とカブルのか?いつもほどの旨味が感じられないのが残念。
デザートは、南水、ピオーネ、アレキサンドリア(かな?)。

もう来年の夏がプラチナシート?


平成23(西暦2011)年9月9日
晩御飯は、畳屋の「もめん」へ。いつもどおりの満席。

  • 茄子と海老の白酢和え、いちじく・柿
  • 松茸の握り寿司
  • お椀は、ひろうすと大黒シメジ、軸菜
  • お造りには、淡路のうにと剣イカ
  • 帆立貝柱のオカキ揚げ
  • 鱧松の鍋、柚子
  • サンマの幽庵(腸入り)焼き定食、味噌汁、香の物
  • 水菓子が、秋映・ピオーネ
一本目のお酒は「獺祭・純米大吟醸・磨き三割九部」です。フルーティな香りと共に甘さが感じられ、余韻として苦味も加わって、厚みのあるお酒。

先付けは、白酢和え。和え衣の上に皮むきの茄子、蒸し立ての暖かい海老さんを二匹。冷め切った海老さんにはない旨味が美味しい。フルーツといっても日本料理では古くから使われて、違和感のないイチジクと柿。
二品目には、秋の定番寿司に「焼き松茸」。端っこに座っているので仕事が良く見えないけど、塩に柚子かな?ちとキツイ目の加減で、松茸の香りに前に舌がピリっと刺激を受けてしまいました。
大輪の菊のお椀は、ふんわりヒロウス。吸い地は濃い目のお酒の影響か、お寿司の塩梅のせいか、相当薄く感じます。
お造りは、ウニとイカ。前の店でウニを食べなくてよかったぁ。

二本目のお酒は「黒龍」。軽い酸味を感じる爽やかな軽い味わい。

油物は、ホタテの貝柱をお得意のオカキ揚げ。二つに切って出てきますが、火の通ったレア状態。
鍋が出てきて、鱧と松茸。鱧をしっかり熱を通してチリ酢。途中で松茸を入れてこれも香りを引き出すように泳がせます。松茸の香りの中を鱧を泳がせて食べる。最後に残った出汁がメインの料理みたいな気分。そのままでも味わって、柚子を絞ってからも味わって・・・。鱧の骨から出汁を取ると、最後はくどくなるから使わないというのが、ご主人のこだわりでしたね。
今日おご飯には、サンマ。幽庵地に漬けたそうですが、いつものように腸を混ぜ込んであるといいます。かすかな苦味が結構な味。
水菓子には、秋映とピオーネ。


平成23(西暦2011)年8月1日
晩御飯は、畳屋の「もめん」へ。少し予約時間に遅れてしまって、苛められる。
今日から八月の献立。

  • 車海老と鱧に梅肉、おくら、花穂紫蘇
  • 鮎のから揚げ、トウモロコシの掻き揚げ
  • 夕顔のお椀には、伊勢海老真蒸、冬瓜、松茸、降り柚子
  • お造りは、伊勢海老、モミジオロシ醤油
  • 焼き茄子のとろろ掛け、煮浸し風
  • 帆立貝柱・加茂茄子・万願寺の味噌焼き
  • サンマの腸焼き定食、香の物、止め椀
  • 白鳳と佐藤錦
一本目のお酒は「獺祭 純米吟醸 50 遠心分離」。もう微妙な味は分からないけど、味はしっかりで、渋み・苦味を結構感じる旨味のある酒だが、少々バランスが悪いイメージ。
ガラスの器に先付けの梅肉合え。ほんのり暖かい鱧に海老さん。旨味が増す感じ。梅肉は出汁で割っているのかな?梅肉だけでお酒が呑めるくらい。
小振りの鮎は、素揚げ。もちろん頭から食べられます。腸の苦味のある鮎と、甘いトウモロコシ。

お造りは、イセエビ。初めてかもしれない「モミジオロシ」の入った醤油で頂きます。山葵で醤油より海老の甘さが活きているかもしれない。
お椀に出た、鮎の中骨が揚げられて出てきます。蒔絵は「月に夕顔」。文楽帰りに立ち寄って、演目の「夕霧棚」を思い出させてくれる演出・・・ではないものの、夏の風情ばかりでない夏の一日をお椀で思い出させてくれます。
二本目のお酒は「喜楽長」です。間違いなくいつでも美味しい喜楽長のん。
シンプルに長ナスを焼いて、皮をむいて出汁に浸してあります。上からとろろ。
帆立の貝殻を焼き皿にした味噌焼き。帆立・加茂茄子・万願寺。もめんちゃんは茄子好きですなぁ。夏の間、毎月出てきてる印象の上、今日は二品目。
ご飯には、新さんまの焼き物。腸を醤油に溶かし込んでの付け焼きですな。定番の焼き物。

デザートは、メロンとさくらんぼ。

店も歳を取ったのか、頭上の和紙越しの照明が黄ばんできた。焼けてきたというべきかな。ということで、どうも最近のココの料理はデジカメで黄色く撮れてしまう。とっても気に食わないんだけど、いまん処 手立てがない。


平成23(西暦2011)年7月20日
台風の影響もあって、日本料理屋の食事に一抹の不安を覚えつつ、予約が取れた畳屋の「もめん」へ。いつもの席が空けてあります。

  • 伊勢海老に加減酢のジュレ、花丸胡瓜、赤ピーマン
  • 天の川のお椀には、焼き鮎と焼き茄子、胡麻豆腐、インゲン、振り柚子
  • お造りは、あわび、肝醤油
  • 鮎の骨煎餅
  • 冷そうめん、玉子
  • はもしゃぶ、菊菜
  • すき焼き風牛肉の梅和えの定食、香の物
  • メロンとさくらんぼ
一本目のお酒は「鄙願」。新潟のお酒だというのに、今晩呑んだお酒では一番味のある旨い酒。やや重たいお酒も別の旨さです。
銀の皿には伊勢海老をほぐしたもの。酢のジュレがかけられてます。いろいろ応用の効く酢の物お先付け。
つや消しの黒のお椀を裏返せば、天の川。三枚に下ろした鮎を皮目から炙ってます。焼きナスは皮をはいでます。それに固めの白胡麻豆腐。徐々に香ばしさが増してくる吸い地。
さて、台風の影響が魚に・・・と思ったら、アワビでした。アワビなら生簀で持っている魚屋もいるだろうから、海が荒れても大丈夫だな。丁寧に波切り。コリッとした食感だけど、牡蠣にも負けない海の香りが口の中に広がる。あわせて肝を潰して醤油の中にボテッと入れてあります。醤油は香りだけにして肝で食べる感じで食べると、言葉に出来ない味です。

お椀に出た、鮎の中骨が揚げられて出てきます。
二本目のお酒は「喜楽長」です。大吟醸といってましたねぇ。先週の酒の会の後だけに分かりますが「酒のヤマモトSP大吟醸」ですな。スポット的に入っているかと思ってたんですが、ここんところ毎月出てきています。お手軽な値段で、立派な大吟醸を味わえるいい酒。
夏に一度は出てくる素麺。「白龍」。添えられた卵は素麺ツユに溶かし込むんですが、グチャグチャにするのは嫌いなので、露の中で箸で割って救いながら素麺に絡める食べ方をします。
端っこに座って見難いけど、大将が骨きりをしてます。出てきたのは「はもしゃぶ」です。出てきた鍋には出汁がはられてます。グツグツすれば、鱧からシャブシャブ。鱧の旨味や脂を出汁にも出るように、長めに泳がしておきます。皮を内側にしてクルンと丸まる鱧の身。もうお歳の大将ですが、細かく包丁が入っているので、びっくり。まだ腕は落ちてませんねぇ。鱧と菊菜だけのシンプルなお鍋で、鱧の旨味が出た鍋出汁は小皿に移してもらって、頂くのは当然の流れ。旨いし、酢橘を絞っても旨いし・・・。
ご飯には、牛肉の炊いたん。すき焼きの割り下風の出汁で炊いたそうですが、見た目は牛しゃぶ風。梅肉がかけられてサッパリとお上品。後から気がつけば、ご飯にぶっ掛けて牛丼にしてもよかったかな?止め椀は無し。ちょっと残念。

デザートは、メロンとさくらんぼ。


平成23(西暦2011)年6月16日
晩御飯、畳屋の「もめん」へ。ちょっと遅れたら、皆さんもうスタートしてはる。一斉スタートではないけど、予約時間が決まっているので、自然と皆さん一斉スタート。皆さん律儀。
  • 毛蟹と卵豆腐、蟹酢ジュレ
  • ウニの握り
  • お椀は、揚げひろうす、じゅんさい。おかひじき
  • 鱧の湯引き、山葵、梅肉
  • 丸茄子、茗荷
  • 鮑バター焼き、アスパラガス、肝味噌だれ
  • 太刀魚の味噌漬けの焼き魚定食、止め椀、香の物。
  • アップルマンゴー
一本目は「麒麟山」。徐々に暖まってくると、古酒っぽい香りが出てきて、困った。
この季節が美味しい毛蟹に良く出会います。ここでは玉子豆腐が蟹のお相手。蟹の味に玉子豆腐が負けてるようだけど、蟹酢のジュレはとても美味しい。芯を抜いた花丸胡瓜?
ウニのお寿司。ウニは上品な甘さで口の中で溶けていくんですが、上品過ぎるようで寿司飯だけが、残るようなイメージです。ウニだけ出して欲しいな。

お椀は、ひろうす。ふわふわの揚げたひろうすの脂と、中の海老の香りがとても素晴らしい。吸い地も美味しくなるし、ひろうすにも吸い地の味がしみこんでこれも美味しくなる。
牡丹鱧。冷たい鱧のおとしなんだけど、妙に味が深い。鱧出汁に落として浸みこんだ味を失わないように冷やしていたのでしょう、と勝手に解釈。(聞いても教えてくれない意地悪な主人なので、想像)。それに梅肉も旨い。これも出汁で割っているかのように旨味のある梅。山葵と一緒にというご指示。居酒屋でも出てくる「おとし」ですが、格別。
二本目は「喜楽長」。旨い。
「奈良の」というのを強調する丸ナスの炊いたん。じっくりに含めてトロトロにしてないんですが、ええ加減に火を通してあります。箸で掴んでクターと崩れることがないというのは、食べやすさという意味からもいい仕事してはります。
アワビを器にしてアワビのバター醤油焼き。もう少し厚みがあるほうが嬉しいけど、バターで揚げた柔らかいアワビチップスみたい。アワビの下には、グリーンアスパラ。かかっているのは肝を溶かし込んだ味噌だれ。
今月は、太刀魚を味噌漬けにした焼き魚定食。
宮崎マンゴ。


平成23(西暦2011)年5月9日
晩御飯、畳屋の「もめん」へ。
二回転めのお客が重なって、奥のミノちゃんが大忙しの様子が目に浮かぶ。

  • 蒸しアワビと芋茎の加減酢、アワビの肝、ふり柚子
  • 帆立貝柱のおかき揚げ
  • 貝尽くしの絵柄のお椀は、鯛にゅう麺、胡麻豆腐、三度豆、振り柚子
  • お造りが、甘手カレイ、肝、鳥貝
  • ニシン茄子、針生姜
  • 目板カレイのから揚げ、骨せんべい、えび、海老頭、一寸豆
  • 出汁巻き定食、じゃこおろし、香の物
  • マンゴ
一本目は「麒麟山」。冷酒よりは「冷(常温)」の方が、癖がなくなっていい。
加減酢の先付けで、蒸しアワビとシロズイキ。もう少しだけズイキが柔らかくなって草っぽさが消えると完璧だな。浪切りされたアワビの味が抜群。
暖かい油物一品。オカキを衣に帆立の貝柱。半分に割って提供するということは、火の通し方に自信があるということだ。レアでジューシーな帆立でした。
お椀は、鯛にゅう麺に胡麻豆腐。昆布の円やかな吸い地。
お造りは、アマテカレイとその肝。鳥貝。連休には、丹後まで鳥貝を食べに行ってきたというてはります。小振りながら甘味のしっかりした鳥貝。山葵醤油で頂く。アマテカレイはポン酢醤油。縁側も身に付いて卸されているので、いい塩梅に旨味が乗ります。縁側が付いてない部分は肝をつけます。これもまた旨し。
二本目は、いつもはない「喜楽長」。ほんのり甘味のある落ち着いた丸い味。とても綺麗な味。
京都ではオバンサイの一つの「ニシン茄子」。タップリの茄子。
油物には、鰈のメイタ。ついつい、海老の足や骨煎餅からポリポリと食べちゃう。ホクホクの鰈の身。藻塩、レモンが出ますが、塩だけ使います。

久しぶりの「出し巻き」定食。止め椀はなく、じゃこおろし。出汁巻きだから、大根おろしの組み合わせでしょうか?
水物はマンゴ。美味しいマンゴ。

今日も、予約の電話が入ってますが、新しいお客さんを入れる余裕がないということです。電話で取れないならと、連れてこられたお客さんがその場で予約を取って・・の繰り返しでは、ねずみ算です。しょうがないねぇ。


平成23(西暦2011)年4月5日
晩御飯、畳屋の「もめん」へ。
キャンセル待ちの方がおられるので、いつでも満席。

  • うすい豆腐、ウニ、葉山葵
  • 平アジのお寿司
  • 桜のお椀は、帆立真蒸、タケノコ、蕗、木の芽
  • お造りは、鯛とハリイカ
  • 白酢和えには、ホワイトアスパラガス、トマト、ウルイ、雁足
  • 稚鮎の天ぷら、空豆
  • 鮭の味噌幽庵焼き定食、味噌汁、お漬物
  • 苺、裏ごしした練乳ゼリー(?)
一本めは「鄙願」から。ぽっちり甘味を感じる旨い酒になってます。冷やしすぎると旨味がない。しかし、ころころ印象が変わる酒です。
最初は、碧の綺麗なうすいえんどう豆の豆腐。豆の香りもいいんですが、ウニの甘味と山葵の辛味がとてもいい。この時期、いろんなところで葉山葵がでるけど、辛味の点でココが一番。山葵で合えているのかと思うほど辛味が残っている。一工夫というか、そういわれればそうなんだ。淡路のウニでしょう。被っちゃった。日本料理屋の仕事だと感じ入るウニの食べ方。
お寿司は、平アジでした。おろしポン酢(?)が乗っていて、そのまんまパクリと食べる。
壁の花も桜でしたが、お椀も桜。ほたての真蒸は、流行(?)の身がゴロゴロタイプではない。ふんわりシットリ。タケノコ・蕗・木の芽は定番の組み合わせ。やっぱり桜の時期は「たけのこ」が出てこないと駄目だ!(と花見弁当を思い出す)。
お造りは、鯛とハリイカ。どちらもネットリと、コナレテおります。今日はなぜか、醤油をイカにつけた時の醤油の香りが取り分け素晴らしい。

白酢和え。上に乗った山菜はお馴染み「雁足」。一番底にアスパラガス、その上にウルイ。両端に程よい酸味のトマトがあって、甘めの白酢の和え衣とあいます。白酢だけでも酒が呑めるぞ!ってもんです。
二本目は「黒龍」。キレイすぎて味がわからず。
稚鮎の天ぷら。おなかの部分だけに衣がついて、鮎の姿もそのままに味わえるという挙げ方。レモンと塩がでるけど、むちゃは鮎のお腹の苦味で食べるのが一番好き。今年は目の前で串に刺してないみたいだ。
今月の定食は、味噌幽庵に漬け込んだ焼き鮭に白ご飯。鮭を一口食べて、まだ食べてもいないご飯をお代わりしようかと思ったほど旨い。
水菓子は苺。白いソースのようなものは、いつも出てくる練乳羹を裏ごししたようなペーストに甘味を加えたような味。苺に練乳をかけてた子供の頃を思い出す味。子供の頃は、苺を潰してました。

今年のGWは日本橋とツーリングに出かけるようだ。事故のないようにね。


平成23(西暦2011)年3月2日
暗くなってから、畳屋の「もめん」へ。
燗付けの鉄瓶の前。すでに満席。

  • 帆立、赤貝、ほうれん草、長芋、黄身酢、防風
  • 白魚のおかき揚げ
  • 菜の花のお椀は、蛤、鶏卵豆腐、若布、わらび、木の芽
  • お造りが、よこわ、ヒラメ(縁側)、菜の花、長芋、、山葵
  • うるいのお浸し、炙ったバチコ
  • 黒メバルとタケノコの煮物、白髪葱・木の芽
  • ブリの味噌漬け、ご飯、香の物、止め椀
  • いちご、ペリカンマンゴ、キウィ、ラズベリー、ブルーベリー、黒豆、練乳羹、桃・レモンリキュールジュレ
一本目はいつも通り「鄙願」。
先付けの一品目は、帆立と赤貝。例年より濃いお味?
先付けの二品目は、白魚をアラレを付けて揚げたん。丁寧な仕事で、尻尾を残して(当たり前か)まっすぐに揚がってます。

菜の花のお椀には、玉子豆腐と蛤。クリアな吸い地。玉子豆腐と若布の相性っていいようです。吸い地に味と取られたのか細かく包丁の入った蛤は(葛を打っているようですけど)味の抜けた印象を受けます。吸い地が美味しいのそれでいんですけど・・・。
今日もヨコワで、お隣さんは小声で「またか!?」と。思わずTVCMを思い出して「贅沢言うな!」と声が出そうになりしたな。香りのいいヨコワでした。
。 お浸しはうるいに炙ったバチコ。盛り付け前にご主人がさっと手際よく炙って、刻んでおります。ウルイもおつゆも美味しいんだけど、バチコをあわせる理由は今一わかんない舌なので、別々に酒の肴。
二本目は「磯自慢」。
大鉢に黒メバル。小柄ですが一匹分。かなりと思えるほど薄味で炊かれていて、タケノコの苦味が消えてない感じ。メバルは美味しく食べられるけど、磯自慢がこんなに味があったっけと思うほど強調されるようで、料理とお酒の相性は良くないな。難しいねぇ。

旨い味噌漬けの魚はブリ。あまりにも旨味が強いので、満腹だ。

デザートは、いろんなフルーツに黒豆とお得意の練乳羹。満腹になった胃袋だが、別腹にしてくれたのが、ジュレの心地よい香り。


平成23(西暦2011)年2月18日
メインダイニングは、畳屋の「もめん」へ。
「おぼえてますか?」と見慣れない顔から挨拶を受けるが、忘れてますよ。爆発事故の煽りを受け休業した法善寺のお店から、その時期に手伝いに来ていた男性でした。覚えてません。今は香港の寿司屋で働いているらしいが、二ヶ月間だけ居るそうだ。

  • 松葉蟹のほぐし身、蟹味噌のジュレ、雪うるい、防風
  • 白子豆腐のおかき揚げ
  • 椿のお椀は、ひろうす、玄米餅、鶯菜、振り柚子
  • お造りが、よこわ、長芋、芽甘草、山葵
  • 赤貝、わけぎのぬた、紅蓼
  • 牛肉と筍の鍋、木の芽
  • 鰻の蒸し寿司、香の物、止め椀
  • あまおう、メロン、練乳羹
一本目は「鄙願」。嫌いな熟成したような香りがない。
先付けの一品目は、蟹。
先付けの二品目は、白子豆腐をアラレを付けて揚げたん。

椿のお椀には、自家製のひろうすと玄米餅。ユルユルのひろうすは箸で摘むと出汁に溶け出すような柔らかさ。口に持ってくる端からも零れちゃったりもする。恥ずかし。玄米餅はボソッとした歯ざわり。
ヒッサゲを予定していたらしいが、不漁でヨコワになったと弁解してはります。
。 てっぱいは、赤貝。
二本目は「黒龍」。スペシャルな黒龍だそうだ。普段の黒龍よりも円熟した旨味。
牛肉と筍のお鍋。ぐつぐつ状態で出てきます。美味しい出汁です。最初に食べたときは感動的な味だった。筍の入れた鍋にお肉を乗せて、レア状態で出てくる。余熱で肉に火が通ると、アクは出ないけど、脂の旨味は出汁に溶け筍に移る。最後は、旨味の出た出汁を取り皿に入れてくれる。鼻山椒であれば、満点。

年一回の蒸し寿司。刻んだ鰻。これぐらい錦糸が乗っていると嬉しくなります。熱々の蒸し寿司なので甘酸っぱい香りが馥郁と香る。なぜだか「大盛り」にしてくれて、あふれそうです。出されたものは意地でも食べます。

デザートが、メロンと苺。お得意の練乳羹。

二ヶ月間とはいえ人が増えたカウンターは、50%増しの賑やかさ。香港の寿司屋さんで活躍中?


平成23(西暦2011)年1月6日
晩御飯は畳屋筋の「もめん」。
  • 白子豆腐、ポンス醤油
  • 蟹味噌の茶碗蒸し、百合根
  • 蟹酢
  • 宝船のお椀は、蟹蕪。焼餅、鶯菜、松葉柚子
  • お造りは、ひっさげ、芽甘草、長芋短冊、縒り大根、縒り人参
  • 油物が、海老芋のから揚げ、バチコの天ぷら
  • ウマヅラはげの小鍋、白菜、葱
  • 出汁巻き定食、味噌汁、香の物、白ご飯
  • 水菓子は、あまおう、でこぽん、練乳羹、黒豆
折敷の上のお箸に盃がおいてあって、ご主人から一献頂きます。「今年もよろしく」。
今日は「麒麟山」から出してきた。
緑釉の松毬の器が面白い。香りのいい白子豆腐。残念ながらフグではこの味は出ないなぁ。これに合わせたかのようなポンス醤油がいい味。
世情では高額になった蟹は出ないかなと思ったけど、出てきた。茶碗蒸しに蟹味噌を流しかけたもの。いいお味。百合根が甘いこと甘いこと。
蟹酢。今年はデンと蟹足は出てこないのかな?寂しいなぁ。しかし、どこからやってきた蟹だろうか?

宝船が描かれたお椀は、鯛蕪。鯛をへぎ造りにした切り身とトロケる蕪。透明感があるけどしっかり味の吸い地。焼餅は硬めに焼いてありますな。
二本目は「鄙願」。
お造りは、ヒッサゲ。赤身の部分に血の香り(鉄分?)が残っているような味。らしくないなぁ。漢方の甘草。薬草だね。美味しいものじゃないけど。
油物には、バチコを天ぷらにしたんと、海老芋を唐揚げにしたん。焼いたバチコもいいけど、衣が付いたことで塩分が和らぐ感じ。火が通って味も活性化してるんでしょう。冷めにくいという利点もありそうだ。藻塩が出てきてて海老芋に使います。出汁がしっかり染み込んだ海老芋に塩を足すと、出汁のカツオの香りが湧き上がってくるのが不思議。海老芋はまだわずかにベストじゃないようだ。
小鍋が出てきて、カワハギ。最初から鍋にはカワハギの肝が入ってます。鍋蓋から湯気が上がるまでじっと我慢していると、西岡君が掬い上げてくれます。後は自由にシャブシャブ。白菜は既に茹でて火が通ってます。肝は肝だけで食べるより、身や白菜と絡めた方がより旨いようです。大きなカワハギはプリプリ・コリコリ。

今日は、コンロのそばだったので、出汁巻きに見入る。焼きあがっているときからフワフワなんです。フワフワの玉子が油の上を滑って巻かれていくのはワクワクしますな。白菜の漬物、豆腐の味噌汁・・・王道だ。
水菓子。


平成22(西暦2010)年12月14日
予約の時間が来れば、畳屋筋の「もめん」へ。
定位置の隅。気楽でよございます。

  • 先付けは、柚子釜に焼き雲子、葱、銀餡
  • ウニのお寿司
  • 椀には、蟹のひろうすと丸餅、柚子、軸菜
  • お造りは、よこわ、鯛
  • 蕪の炊いたん、菊菜、振り柚子
  • フグの一味焼き、皮と身の湯引き・白菜
  • 鮭の味噌漬け定食
  • 洋梨、イチゴ、練乳羹、黒豆
いつもながら「鄙願」から始まります。
柚子釜に焼き雲子。雲子って食べたときにトロンと白子が溶けるような舌触りが無いと旨味の要素が一つ減った気分になるんですが、それはそれで火加減が難しい。ところが絶妙です。炙った焼き目が付いて表面はしっかり、中はトロトロ。柚子釜の中で硬くもならずに、巧いものです。とろりとした葱が底にあって、香りをプラス。餡の出汁もすばらしい。
ウニを乗せたお寿司二貫。ちゃんと目の前で握って、ウニを載せはります。振り塩。

松のお椀には、蟹をヒロウスにして、脂に通してある。真蒸より、出しの旨味を吸って美味しくなるヒロウスに香ばしさと脂のコクが加わる椀種です。旨さは出汁にも広がって行くという仕掛け。丸餅も焼き目がつけてあります。
。 お造りは「よこわ」と「たい」。ヨコワはマグロになるんだぁと思わせてくれなきゃヨコワじゃないよねぇ。香りもしっかりマグロだ。それにベストを尽くしたタイ。
二本目は「黒龍」。
先月の大根に続いて、評判の煮物第二段というところの「かぶら」。すっと箸が通って、舌の上で溶けるような柔らかさ。合格です。
焼き物はフグの醤油焼き。年々一味を少なくしてくれているようで(そう思っとく)、助かります。腹身のところと、隠れているけど尻尾の部分。しっとりと焼きがあってます。小鉢にテッピ・三河などの湯引き。芽葱に加えて珍しく白菜の芯が短冊で入ってます。シャキシャキ感がありますが、なんだか上げ底みたいな印象だ。
ご飯には、味噌漬けの鮭の焼き物。漬かり具合が凄い。鮭とは思えない旨さと香り。

デザートは、洋梨・あまおう等。「あまおう」とはいえ「すっぱおう」。この時期なら一番果だと思うけど、いまいち。イチゴは不作なんだろうか?

ここの客層を眺めていると、あちこちで食べてきた人が最後に辿り着いてたむろしている感じだね。それぞれに贔屓があるようで、そんな引き倒しを聞いているのも楽しい。でも、話題に出てくるのは、もう語りつくされているような名店ばかりなのが、どうなのかなぁ?って思うんだけど、黙って聞いておるわけです。


平成22(西暦2010)年11月19日
予約の時間が来れば、畳屋筋の「ミシュランから消えた店」へ。

  • 先付けは、車えびのアラレ揚げ、帆立貝柱の林檎酢掛・枝豆、ウニとトンブリ・長芋
  • 武蔵野椀には、蟹しんじょう・焼餅、軸菜、黄柚子
  • お造りは、長崎産くえ、芽葱、ポン酢醤油
  • 大根の炊いたん、振り柚子
  • 和牛の朴葉味噌焼き、長芋、白髪葱
  • 鰆の味噌漬け定食
  • 洋梨、柿
一本目はいつもながら「鄙願」から。
先付け三種、八寸風に吹寄せ風。揚げたての車えびは足つき、尻尾つき。バリバリでポリポリで香ばしい。焼き目をつけたほんのり温かい帆立貝柱に林檎を摺り下ろした加減酢。小さい片口の器に長芋短冊をそこに敷いてウニのトンブリ和え。
お椀は、蟹真蒸に焼き餅。吸い地は蟹の味を考えて控えめ?
お造りは、クエ。磯の香りが嫌がられることもあるけど、ポンスよりは醤油の方が好みですね。イチョウの器に白身のクエが綺麗なグラデーション。

二本目は「黒龍」。
常連のお客さんが喜ぶ定番の「大根」。今日は柚子の苦味と思うけど、少し邪魔に感じた。柔らかにほぐれるように炊かれた大根は、味が染み込んで美味しいんだけど・・・。シンプルなだけに(好みもあるし)ビタッと決めることは難しいね。来月は「蕪」?楽しみ。
年二回、牛を使うと聞こえてきたけど、そうだったのかぁ。白味噌の勝った味噌焼き。いつも通り、長いもは事前に焼いてありますので、味噌がグツときたら食べていいようです。朴葉焼きは加減は難しいので、変にいじるとご主人や西岡君から注意が入ります。火の通り加減と味噌の焼き加減と上手く食べいると、妙に嬉しいものです。残った焼き味噌を酒の肴にする楽しみはなかったけど。白髪葱は、生のままシャキシャキ感で食べるのが香り共にいいようです。

今日のご飯は、鰆の味噌漬け。むちゃはここのご飯が一番安心。土鍋や羽釜はどうしても水加減や火加減、蒸し加減が安定してないように思うことがしばしば。それに比べて美味しさの安定度はぴか一。それに、シンプルな豆腐の味噌汁がとてもいい味。
デザートは、洋梨に柿。

今日はややこしい事情でデジカメを控えたけど。まぁこちら。せっかく日本料理屋にワインも持ち込んでいるのに、マリアージュには一切の言葉が無いのはプロのブログとしてはいささか頼りない。合うのか?合わないのか?そこが肝心で知りたい壷なんだが、的外れだよ。ワイン会のお客さんの方が良く分かるな。
もう八月まで埋まりつつあるらしいが、そういう事情が★のリストから外れた理由だと説明する人もいるらしい。


平成22(西暦2010)年10月14日
予約の時間が来れば、畳屋筋の「もめん」へ。
  • 前菜に、伊勢海老、海老味噌、刻んだ梨に加減酢のジュレ、紫と黄色の菊花、きゅうり、防風。
  • 松茸のにぎり寿司、すだち、降り柚子
  • お碗には、茶碗で焼き鱧と松茸、三つ葉
  • お造りは、アマテカレイ、肝、ポン酢
  • ほうれん草としめじのおひたし
  • 焼き物は、キンキ、銀杏、柿・こんにゃく・銀杏の白和え
  • 出汁巻き定食。
  • 洋梨とピオーネ
一本目は「鄙願」。もう舌がアルコールに馴染んでいるのだが、いい酒やね。季節によってはヒネが気になるけど、今日は当たり気分。
前菜は菊の楕円皿。小さくサイコロ状に刻んだ梨がソース代わり。フルーツを使うのは未だに今一つ好きになれない。
炙った松茸に酢橘をギュッと搾って降り柚子。スライスして薄いんだけど、香りがいいなぁ。

お椀は、例年通り茶碗を使った煮物椀。焼き鱧と松茸。鱧を焼き霜にして蒸し缶に入れていたようですが、炙ったるだけに食感がしっかり。お椀の中でグチャーと崩れることも無いので、最後まで、吸い地が汚れません。酢橘が用意されていないのは、正しいと思います。
二本目は「磯自慢」。もう体までアルコールに馴染んでいるのだが、いい酒やね。肝臓の調子がいい。
お造りは、今月は白身。今日はカレイですが、ヒラメも使うようです。その日の様子で変わるようですが、まだこの季節ヒラメは早いような鬼がしますねぇ。特にポン酢醤油が美味しく感じる日でした。
お浸しがでます。美味しい出汁。デジルは大切。
立杭(備前?)の四方皿に焼き物。キンキのカマと尻尾。脂たっぷり滲んでます。綺麗に「キンキのタイ」が取れると、一層美味しく感じたりする。渋皮の蒸し栗。柿の器に白和え。

今月は人気者の出し巻き定食。最近では少なくなったような気がするけど「カラスミ大根」というのがあります。余り感心できないけど、同じように「なんで出汁巻きに大根おろしを添える」のかが不思議。そう思っているので、ここの出汁巻きには納得。玉子焼きならまだしも、出汁巻きに醤油を使う人がいるのは論外ですな。
よそったご飯が艶々で粒だってます。土鍋や羽釜で炊くから美味しいというのは、勘違いだと思わせる事実がここにありますな。正確にいうなら、土鍋や羽釜で美味しく炊こうとするお店は、美味しくなるように仕事をしているだけでしょう。日本料理屋のご飯は、どこも美味しく炊けているはずです。ご飯が毎回同じように美味しく炊くのは、電器炊飯器の方が優れているかもしれません。
ご飯に漬物だけでなく、おかずがついているというのが、ご飯を美味しくいただけるポイントの一つだろうな。
フルーツ。長野のカリフォルニアという洋梨。ざくろの粒が二つ。これ迷うんですなぁ。問題は種です。種だけ出すと汚く見えるし、食べたって気にならない程度だし・・・ガリガリしちゃいます。丸々一個のざくろでは、出来ないけど・・・。


平成22(西暦2010)年9月1日
予約の時間が来れば、二週連続になるけど畳屋筋の「もめん」へ。9月は今日しか空いて無いんだというので、献立変わりの初日の訪問。自然と、二回転がしっくりしてしまったお店。

  • 白酢和えには、茄子、えび、イチジク、柿、防風
  • 大輪の菊のお椀は、湯葉真蒸に白ズイキ、インゲン、降り柚子
  • お造りが、鱧オトシ(梅肉・山葵)、アマテカレイ・肝(ポンス醤油)
  • 油物には、帆立のおかき揚げ、トウモロコシの掻き揚げ、ししとう
  • 鱧とマツタケの鍋、酢橘
  • 秋鮭の味噌幽餡焼き定食
  • 白桃おコンポートと巨峰のゼリー掛け
>一杯目は「麒麟山」。飯米のような香りが鼻をくすぐる。無いほうが好きだけど、微妙な熟成香が酒の幅。
お得意(?)の白酢和え。和え衣だけで、お酒が進むお味。エビは茹(?)立て。甘いイチジクや柿が白酢ととってもいい相性。

お椀は、湯葉真蒸。木耳とか百合根とか具沢山の真蒸です。その真蒸を揚げて、吸い地にコクが加わります。そのせいか、吸い口の香りやカツオの香りが少し遅れて広がります。
お造りは、鱧とアマテカレイ。鱧には梅肉。後から山葵を載せて食べるように指示。アマテカレイはモミジオロシ入りのポン酢醤油。肝もカレイに巻き込んで食べるのが常。肝は蒸してあります。生も好き。少し早いお客さんは・・・カツオにカレイだったようです。いいカツオが不足してるんでしょうかな?気温が高いせいで魚の身が痩せてるとか、煮えてるとか・・・悪い話が耳に入っているんですけどぉ・・・。
二本目は「黒龍」。甘味を感じる心地いい味。
揚げ物は、帆立貝柱、ししとう、掻き揚げ。帆立は(砕いた)アラレ(?だと思う)で揚げてあります。最近トウモロコシがどこでも出るようになりましたなぁ。甘さがにじみ出てきます。ししとう2個は両方当たり。悪意を感じるなぁ。
鱧松だけの鍋。松茸の軸が刻まれた小鍋がグツグツいうのをじっと我慢。湯気が出てくると、鱧を投入。くるっと丸まって、ゆっくり泳がせます。鍋とはいえ、イメージは土瓶蒸しですから、鱧の旨味を鍋出汁に凝縮させる感じ。徐々に松茸も入れーの、鱧も入れーの、して味を高めて、最後は酢橘を搾って飲み干すわけです。酢橘がなくても美味しいものです。

ご飯は、鮭の味噌幽庵の焼き魚定食。鮭の皮は取り除かれております。それでも皮下辺りの脂なのか、テカテカとジューシーに光ってます。いつも思うけど、豆腐の味噌汁が旨い。
デザートには、スイカが葡萄に代わりました。


平成22(西暦2010)年8月25日
予約の時間が来れば、畳屋筋の「もめん」へ。
  • 鱧と車海老、白ズイキ、オクラ、花穂、梅肉たれ
  • お椀は、鮎にゅうめん、胡麻豆腐、振り柚子。焼き骨煎餅
  • お造りは、鮑、撚りきゅうり、肝醤油
  • 焼き茄子(焼き浸し)とろろ掛け、振り柚子
  • 帆立貝柱、小芋、万願寺の味噌焼き
  • 秋刀魚定食(腸焼き)、止め椀、香の物
  • 桃のコンポート、西瓜、桃リキュールのジュレ
ここでもトリミズを頂いて、一本目は「麒麟山」。
ガラス鉢に先付け。鱧もエビも、入店と同時に裏で調理を始めはります。熱々ではないけど、旨味の広がる温度だと思えます。

お椀は鮎と胡麻豆腐に素麺。三枚に下ろした鮎の2枚が焼かれて素麺の上。焼いた香りは控えめで柚子の香りが立ちます。胡麻豆腐は、ネッチャリ。舌の上で溶けると、微かにミルクのような香りも残ります。その後で、三枚に下ろした中骨の骨煎餅が出てきます。尻尾の付け根のところに穴が開いているので、串刺しで焼いてあるそうだ。カリカリです。そつが無い。
お造りは、アワビ。先に肝を裏ごししたペーストが醤油に入って出てきて、待ちます。細かく包丁が入って、その後から波型になるようにスライスしてはります。慣れた手つきで切って、撚り胡瓜が載ります。生のまま出す店は少ないけど。薄く切られているので、硬くもなく柔らかくもなくコリコリ。肝醤油は肝を溶かしてしまうと勿体無い気がして、アワビで救うように絡めます。
スペシャルなお酒があるようで、二本目は「玉乃光・純米大吟醸」。際立った特徴があるとはいえないけど、バランスがいいですねぇ。
焼き茄子の冷やし物。トロロたっぷり。
四方皿に塩を敷き、帆立の貝殻を器にした味噌焼き。さながら、味噌の旨さで酒を呑むといった料理。ここでもう一本頼むと、やばいのでチビチビにペースを落します。最後は味噌が固まってくるので、焼き味噌をご飯に塗りたくって食べたくなるなぁ。
今日のご飯は、高級魚の秋刀魚。お得意の腸焼き。焼けた秋刀魚の皮が醤油色に色づいて艶々キラキラだ。魚の内臓というのは、考えれば考えるほど不安になるんですが、旨いものには勝てない。

最後は水菓子。


平成22(西暦2010)年7月6日
晩御飯は、畳屋筋の「もめん」。
燗酒用のコンロの正面の暑いカウンター。

  • 蒸し伊勢海老をほぐし身、パプリカ、胡瓜、加減酢のジュレ、花穂紫蘇
  • 天の川のお椀には、湯葉豆腐、蒸しアワビ、なす、インゲン、振り柚子
  • おつくりが、イカ、ウニ
  • 素麺、卵黄
  • はもしゃぶ、菊菜、ポンス醤油
  • 焼肉定食、香の物
  • 桃、桃リキュールのジュレ掛け
一本目は「鄙願」。 ガラスの器に涼しげなジュレ。いつもは伊勢えびをいろいろ使いまわすけど、今年は先付けだけのようだ。
お椀は、湯葉豆腐、アワビ、ナス。豆腐には味がしゅむということはないけど、ナスは吸地が染み込んでとても美味しい。だんだん味が重なって、旨味が増してくる吸い地です。
お造りが、イカの上にウニ。なんだかボリュームダウンしてるんじゃないかと・・・。特にウニ。
二本目は「黒龍」。

お得意の素麺。素麺つゆも美味しいので、呑めちゃう。
コンロが出てきて、はもしゃぶ。菊菜とハモというシンプルさ。鱧だけ先に食べて、味を鍋に出してから野菜を入れるという方法を薦めるお店もあるけど、交互に食べたい性格。鱧はじっくり湯にくぐらせ、生煮えにはしない。鍋出汁は、鰹と昆布。鱧の出汁は食べながら出る味だけで十分美味しいと思います。レンゲで掬って・・最後は小鉢に出汁を移して呑み切ります。最後まで、味がしつこくならない。だから酢橘がでてないのかな?忘れたのかな?玉ねぎを使わないと、葉もそのものの味が味わえるように思います。
ご飯は、白ご飯に「焼肉定食」。今まで出てきた記憶が無い。白髪葱に梅肉が掛けられてます。なんで、味噌汁がないんでしょう。あってもいいのに。ちょびっとお代わり。それが食べ過ぎになりました。
デザートは桃。たくさん出回っているのに、気がつけば、今夏初めて。


平成22(西暦2010)年6月10日
晩御飯は、畳屋筋の「もめん」。
  • 毛蟹と玉子豆腐の加減酢のジュレ、三つ葉、胡瓜
  • 鮎のから揚げ、赤ピーマン
  • お椀には、海老入りの湯葉真蒸、インゲン、ジュンサイ、振り青柚子
  • ハモの落とし、花穂紫蘇、山葵、梅肉
  • 丸ナスの炊いたん、針茗荷
  • アワビの肝焼き、アスパラガス、レモン
  • 丸干し定食、にゅう麺の味噌汁、香の物
  • マンゴ
一本目はいつもの「鄙願」。ワインバーの死蔵酒ほどではないけど、微かに老ね香がしますねぇ。どうも季節によってなのか味が異なるときがあるんで、いまいち鄙願が好きになれない理由です。
大鉢に氷を敷いて、銀の皿に盛られた玉子豆腐と毛蟹の酢の物。キリッと冷えた豆腐と酢の加減が大変よろしい。
前菜の二品目には、鮎のから揚げ。稚鮎を天ぷらにするときは五匹揚げてくれますが、今日は一匹。「たった・・」と、一言余計なことを言っちゃいました。よく考えれば、前菜ですからね。反省だ。

お椀は、湯葉真蒸。シンプルな椀種。中に海老さんが入っていました。湯葉がふんわり。油で揚げた真蒸からの油が吸い地に浮いてますが、ちと多いような印象。徐々に湯葉と海老さんの味が吸い地を旨くしていきます。でも、吸い口が、青柚子を摺り摺りしただけでは弱いな。蓋を開けたときに忘れたのかと思って、良くないけど、お隣さんを確認しちゃいました。
お造りには、ハモの湯引き。パックで冷蔵してあります。いわゆる「落し」で、簡単そうですが、店によって随分と味わいが変わります。一概に冷蔵が悪いとも思えませんが、冷たすぎるのは考え物。焼霜でも、霜降りでも、少し暖かいほうが旨味が出るのは、食材一般的に言えることです。でもハモの湯引きが暖かかったりすると、冷めた「はもしゃぶ」みたいで美味しいイメージが沸かない。そういう意味で温度は大切だけど、ほどよい冷たさ。それにもう一つ大事に思えるが、ジューシィさ。殆どの店が、湯引きにはハモ出汁を使うと思うんですが、これが骨きりした身の間から抜け切っては良くない。この加減も難しいけど、この点でも旨い仕事がしてあります。昨年から、どこかで見かけるように、梅肉だけではなく、山葵も出てきました。ハモでも山葵梅肉は面白い。
二本目は季節の特別なお酒、符牒は濃い酒という、「春鹿 純米吟醸 生酒・日本晴精米歩合60%」を出してくれます。「濃い」とは思えない程度だけど、甘味を感じる柔らかい旨味で、すべるような喉越し。キレもいい。
野菜は、奈良の丸ナスを炊いたん。半分を使ってます。翡翠煮。おいしい出汁。見よう見まねで家庭でも出来そうですが、だからといって家庭料理と思っちゃうか、料理人の腕を味わい取れるかで、料理全体の印象まで左右されちゃうんでしょうね。さりげない一品がコースのここで毎回出てくるので、息が抜けそうでも、油断ならない。
アワビを器にした、アワビの肝焼き。肝のソースが絡んでます。昨年は、白味噌・バターを使っているようなことを言ってましたが、今年は変わっているようには思えないけど秘密だそうです。まぁむちゃには日ごろから余り教えてくれないんだけど・・・。シンプルな煮物の後だけに、肝の旨みが特別に思わされちゃいます。

丸干しご飯定食。ガスコンロのあるところに、かんてきを置いて炭火焼。三匹。止め椀の味噌汁は、にゅう麺でした。来月には冷たい素麺かな?
マンゴ。

めでたい話は、お客さんにまで広まっているようで、「本湖月」が媒酌で、「もめん」が挨拶すると、進んでいるようだが・・・・
相変わらず予約の電話を断ってはります。来年になりますと聞けば、諦めはります。困ったことに、初めてのお客さん中には、せっかく取った予約を忘れる人が常連さんより多いということです。ひょっとして嫌がらせもあるかもしれませんね。


平成22(西暦2010)年5月10日
今日のメインディナーは、「もめん」。なんとか今月も暖簾をくぐれました。
  • 蒸しアワビと芋茎の加減酢、アワビの肝、おくら
  • ウニのお寿司
  • 貝尽くしのお椀は、鯛にゅう麺、胡麻豆腐、三度豆、木の芽
  • お造りが、甘手カレイ、肝
  • ニシン茄子、針生姜
  • 稚鮎のアラレ揚げ、揚げ蚕豆
  • 出汁巻き定食、味噌汁、香の物
  • マンゴ
ガラスの器に蒸しあわび。その下に綺麗に並べられているのが芋茎。さっぱりと柑橘の香る加減酢が、美味しい。アワビも美味しく仕上がってます。ガラスの下は、銀皿に氷を敷いて菖蒲の葉が2枚。清清しい季節感。そういえば、壁の一輪挿しにも菖蒲。蕾の菖蒲。
一本目は鄙願。酢の加減を損なわないお酒ですなぁ。鄙願は季節によって味が違う(仕込が違う?)というけど、この季節は美味しい料理に合います。
器に寿司飯を握って、盛りいれ、上から胡瓜を細く刻んで乗せてある。その上にデンとてんこ盛りのウニは北海道産。盛りつけに一工夫ですな。

お椀は、鯛にゅう麺。いつもいいお味。一口目より、二口目、とだんだん香りが立って、味が深まってきます。
お造りは、カレイ。シンプル。肝は今一だけど、旨いカレイ。おろし入りのポンス醤油。ヒラメより好みだな。
もう一本追加したお酒は磯自慢
小鉢にニシン茄子。十分美味しいレベルなんだけど、少しニシンの風味が良くない。ニシンって子供のときに嫌いになって40歳を過ぎるまで、美味しいと思わなかっただけに、たぶん敏感なんです。
油物には、稚鮎のてんぷら。ここでは、お腹の部分だけにアラレを潰した衣を纏っております。香ばしさと苦味がいいようです。藻塩。レモン。

今日はコンロと反対側の遠い席だったので、フライパンの妙技を見られなかった、人気メニューの「出汁巻き」。いつもと変わらない豆腐の味噌汁は、ここでは、出汁巻きに一番あっているように思います。粉山椒の香りも好き。妙なタイトルのマンガが現実になっちゃった。
水菓子は、マンゴ。宮崎産。


平成22(西暦2010)年4月14日
予約時間をちょっと過ぎてしまって、「もめん」。2回転目だけど、空席あり。キャンセルでたかな?今じゃ新規のグループ予約は10月になっているらしく、半年先。お客さんも忘れることがあるらしい。
  • 鳥貝と帆立貝柱の黄身酢和え、長芋、防風
  • 鯛のお寿司、巣立ち
  • お椀が、伊勢海老真蒸とタケノコ、蕗、木の芽
  • お造りが、伊勢海老、わらび、紫芽、チリ酢おろし
  • 徳谷フルーツトマト・ホワイトアスパラガス・雁足の白酢和え
  • 油物が、エテカレイ(骨煎餅付き)、車えび、ソラマメ、おろしチリ酢、塩、酢橘
  • 鮭の味噌幽庵焼き定食、香の物、止め椀
  • 水菓子が、あまおうとメロン
珍しいお酒がでて「喜楽長・純米大吟醸」。
唐津の器に黄身酢が鮮やかな先付け。鳥貝と帆立にしっかりと絡めていただけるように、黄身酢が盛りだくさん。ほのかに辛味も感じます。

このところ、お椀までに二品お出すようで、今日は鯛の握り。二貫。立派な鯛で鯛が口に残るのです。酢橘風味。鯛が出るとは思ってなかったので、ワイン屋と重なってしまった。
桜の花が散ったお椀には、伊勢海老の真蒸にタケノコ。淡い吸い地は、蕗の香りも高めるほどの薄さ。木の芽より香りが高い。
お造りが、伊勢海老。もう捌いてあるのだが、箱から出してくる海老の身が拳くらいの厚み。大きければ良いと言うものでもないけど、大きいと嬉しくなるのも確か。珍しくチリ酢が出てきました。
二本目は「黒龍」。
お得意の白酢和え。甘いトマト。太いホワイトアスパラ1本分。雁足。
油物はエテカレイ。キレイに身が削がれた中骨は骨煎餅。揚げ方よりも下処理で骨だけにすることが煎餅の旨さに繋がるように思えますな。カルシウム補給になります。もちろん身も揚がってますが、霞んじゃう。鮮やかな車えび。蚕豆二個。

今月の定食は「鮭」。味噌幽庵だったと思うけど・・・、幽庵だったかも。デパートではお高い「時鮭」なんかが出回っていたけど、定食屋だけに「紅鮭」のようです。定食に出てくる、極々シンプルな豆腐の味噌汁が美味しいと感じます。
フルーツ。しっかり追熟したメロン。


平成22(西暦2010)年3月4日
メインのディナーは「もめん」。今月もなんとかもぐりこめました。当然満席。
  • 蛍烏賊の酢味噌和え・わけぎ、帆立の器に蒸しアワビ・肝和え・葉山葵・蚕豆
  • 白魚のあられ揚げ
  • 菜の花のお椀には、ハマグリと鶏卵豆腐、わらび、木の芽
  • お造りは、鯛、鳥貝、菜の花
  • うるいのお浸し、炙ったばちこ
  • 牛肉と筍のお鍋、木の芽
  • 焼き魚定食・アマダイの味噌漬け、氷魚のおろし和え、香の物
  • イチゴと練乳羹
呑んではいるけど、料理にお酒はつき物。一本目はいつも通り「鄙願」。
記憶に無い先付け(今日4品目の先付けだな)の飾り。小振りながら蛍烏賊。金を塗った帆立の貝殻に、茹でた葉山葵を敷いて、アワビを盛り付けてある。びっくり葉山葵で、茹でた葉山葵でこれほど辛いものは記憶に無い。山葵の根っこも混ぜているのかと思ったくらいにしっかりガツンと辛い。残念ながら香りのほとんど感じない時もあるのだが、なんせお隣さんは辛すぎて残されるほど。自慢げに腕を叩きながら、茹でる温度で全然違うことを教えてくれはりました。

ここでの先付け二品目は、お得意の油物。白魚5匹。香ばしく揚がった衣が旨すぎて、白魚が霞む。
お椀の蓋の裏に菜の花。細かく包丁の入ったハマグリに、薄く葛打ち。淡い黄色の鶏卵豆腐。玉子豆腐ではない。ハマグリの味が溶け込んだバランスのいい吸い地。ハマグリを使ったこの季節のお椀の味が、大好きだ。
お造りは、鯛と鳥貝。鯛はよろしいけど、鳥貝はまだ早そうだ。
できれば一合で済ませたかったが、済まないのが世の常。二本目は「黒龍」。
今年初めて食べるうるい。バチコは直前に炙ってくれますので、香りがあります。
グツグツお鍋が出てきました。うっすらレア状態の薄切りの牛肉と筍。牛肉さんは柔らかでいい味。一度は、この鍋に花山椒をタップリ載せて頂きたいものだと思っていたけど、ニシオカ君は使ったことが無いというから、もう「当たり」はなくなったようだ。残念。お出汁もきっちり頂きます。

定食は、焼き魚の定食で、アマダイ。ほろほろと崩れる柔らかさ。半端に残っていたようで、他のお客さんは太刀魚(塩焼きかな)。今月も味噌汁がなく、氷魚がでた。
デザートはイチゴに練乳羹とシンプル。


平成22(西暦2010)年2月15日
今月もなんとか入店できた「もめん」へ、晩ご飯を頂きに行きます。
  • 松葉蟹のほぐし身、蟹味噌のジュレ、きゅうり、長芋、防風
  • 白子豆腐のおかき揚げ
  • 椿のお椀は、焼きアマダイ、焼餅、カブラのミゾレ・薄い葛仕立て、鶯菜、振り柚子
  • お造りが、ひっさげ、紫芽、大根、山葵
  • 赤貝、イカ、わけぎのぬた和え
  • うまづらはげの鍋、肝、身、葱、白菜、チリ酢
  • ぶりの味噌漬けの焼き魚定食。うなぎの茶碗蒸し、香の物
  • あまおう、でこぽん、黒豆、練乳羹
一本目は、「鄙願」から。新酒だろうか?すっきり爽やか。
御馴染みの蟹にかに味噌ジュレの先付け。甘さを感じる酢の加減が、蟹だけじゃなく胡瓜にもピッタシ。
お得意の油物は、昔、ゴマ豆腐を白子のような味わいに仕上げていたのだが、白子豆腐そのものを揚げてます。白子の風味は少し弱いけど、塩の加減と香ばしさとが美味しい組み合わせ。

椿の描かれたお椀は、曰く「アマダイのカブラ汁」だそうだ。面倒くさいことを云えば「・・汁」というのはご飯と一緒に食べる時に使う名前で、煮物椀の時には「・・・仕立て」と呼ぶと、四条流の本には載っていた。(昨日読み返したばっかし)。そんなことは味には関係ないけど、一口目は鰹の香りが高く、改めた二口目にカブラの甘味が現れてくる吸い地。薄く葛をひいてトロミを出してあります。香ばしい焼いたアマダイとカブラを使って、かぶら蒸しの代わり種ですな。カブラ蒸しなら絞ってしまう絞り汁を使っているんでしょうか?
お造りは、ひっさげ。赤味と中トロ。まぐろの香りもしっかりだし、脂の香りもちゃんとしてます。
二本目は「黒龍」。
和え物は、ぬた和え。和え衣、旨し。
お鍋が運ばれてきて、煮えるのを待つ。グツグツすれば、既に肝が入ってて、掬い上げ頂きます。その後は自由にカワハギや白菜(下茹してある)を入れていきます。肝の脂で鍋出汁は美味しく無いそうで、汁はいただけません。カワハギの身が大きく厚く、湯に入れた途端にクルンと丸まります。身はしっかりとコリコリ。

ご飯には、味噌漬けのブリの焼き魚。漬かり過ぎかもしれないけど、濃い味。たまに出てくる茶碗蒸し。なんといっても出汁が美味しい。
水菓子には、イチゴにでこぽん。

相変わらず予約が取れない。二名以上の予約は6月以降でないと空いて無いとかいうし、五月の連休で、入りきれないお客さんが六月に回って、順繰りにあふれかえっています。毎日のようにホテルから、外国人の予約問い合わせがあるようですが、大変ですな。そんなお客は、どこへまわっているんでしょうなぁ?!


平成22(西暦2010)年1月29日
畳屋筋の「もめん」へ、晩ご飯を頂きに行きます。
カウンターは、入れ替えのはざまで、まだ折敷も揃ってないけど、続々と、満席。
  • 柚子釜に、焼いたふぐ白子と湯葉、銀餡掛け
  • 鯵のにぎり
  • お椀は、鯛蕪、玄米餅、鶯菜、結び人参、吸い口が柚子
  • お造りは、鰤、辛味大根、ワサビ、芽甘草
  • 炊き合わせは、ひろうす(百合根、木耳)、菊菜
  • ふぐの一味醤油焼き、てっぴ・三河
  • 出汁巻き定食、香の物、味噌汁
  • デザートが、苺とでこぽん、練乳羹、黒豆
一本目は「鄙願」。甘さを感じるけど、時折感じる古酒の香りがない。
先付けにしては、美味しすぎる銀餡のかかった焼き白子。底まで白子なら文句なしなんだけど、湯葉で底上げ?味を確かめてから、柚子蓋をギュッと絞ってみましょう。
二品目の先付けが、お寿司。ネットリした旨みの鯵の味。

七宝を乗せた宝船のお椀は、鯛蕪。玄米餅。シャープな切れ味の吸い地。柚子が香りが溶け込んでも更に美味しい。
二本目には「麒麟山」。
お造りは、ブリ。醤油皿も、向の器に合わせた松型。背身に血の臭みを若干感じるが、それだけ新鮮なんだといいように取っておこ。辛味大根が合います、一方、腹身の部分が脂たっぷりのはずなのにさらりとした旨み。こちらはワサビがいいようです。
炊き合わせが、ひろうす二個と菊菜。揚げたひろうすの油のコクが、炊き合わせの出汁をの旨みを広げております。残すのがもったいないお出汁。菊菜も美味しいけど、菊菜の香りが飛んでいるのか?上品なのか? 香りのある野菜は香りを失っては残念。当然自家製のヒロウス。
二本と思っていたけど、三本目には「黒龍」を頼んじゃいました。
焼き物は、ふぐ。一味をまぶした醤油焼き。有難いことに「クチビル」が当たりました。ゼラチンでプルンプルンのクチビル。昔より一味が少なくなって、辛いのが苦手なだけに、とても助かります。小皿にてっぴ。ポン酢もお上品な加減。

久しぶりの、出汁巻き。見ていると大事なことは、しっかり油を引くこと、まめに空気で膨らんだところを潰すこと、焼き固まらない微妙なところで巻き上げること。出汁がたっぷりでふわふわだけど、決して焦げるような下手を打ちません。いつも、ごはんのおかずとして美味しいものばかりだけど、とりわけ人気者なのが、うなづけます。釜で炊いてないけど、美味しいご飯。土鍋で炊いたから美味しいというのは、間違いだと思いますね。
デザートが、あまおう、でこぽん。

どれもこの季節に繰り返し出してきた料理だけに、雑っぽいところは感じないけど、今月はどれも出来すぎじゃないかなぁ。
59か月連続で来ていたようだが、いつまで続くか?連休のある五月の予約を取っておられた。


平成21(西暦2009)年12月10日
本当の晩御飯の畳屋の「もめん」へ入店。11月の連休で店内の土壁もすっかり出来上がって、しっくり落ち着いてます。
また、ケーキ屋さんでよく合う先生も遅れてやってきはります。

  • 白子豆腐、おろし、ねぎ
  • 車えびのあられ揚げ、山芋短冊にかに味噌・胡瓜
  • お椀は、かに真蒸、焼き餅、軸菜、松葉柚子
  • よこわのお造り、防風、撚りにんじん、山葵、醤油
  • 小かぶらの炊いたん、菊菜、降り柚子
  • 焼き蟹足、蟹酢、すだち
  • 鮭の味噌幽庵焼き、香の物、止め椀
  • 水菓子には、あまおう、ル・レクチェ、黒豆、練乳羹

まず「鄙願」がでます。気分がいい状態だが、このお酒は不安定さをどうしても感じてしまいますな。
先付けはこの季節定番の「たらの白子豆腐」。今年は白子の香りがやさしい。

もう一品の先付けは、塗りの箱に二品。海老のあられ揚げ。尻尾まで食べられますというけれど、釈迦に説法。身の部分には足も隠すように巧いこと揚げてありますなぁ。壷壷には、短冊にかに味噌和え。塗りの折敷に吸い付くような箱の底である。まっ平らとまっ平らが重なって空気が押し出されてくっつくことを「真空接着」とか言うんでしたっけ?
松の蒔絵のお椀。大きいかに真蒸。焼餅。いつもながらの味わい。
事前に情報を得てはいるんだけど、今日、二度目のよこわ。出してくれた部分の差を差し引いて、(悪い意味ではなく)引き分けだ。先月のひらめがあちこちで不評だったらしく、天然物は悪いときもありますと、弁解してはりますが、そんなことで目くじらを立てる人もいる。(照明の加減で色の再現が難しい。)
二本目は「黒龍」です。
カブラの炊いたんも、例年の定番。菊菜が添えられるようになったのが進化。お出汁も頂くのは当然のことです。
今年も「焼き蟹」。焼き始めると店内に蟹の焼ける香ばしい煙が流れてきます。香住産。蟹酢と酢橘がでるけど、塩がしてあるので、十分旨く焼き上がってます。出来上がったばかりの土壁に蟹の臭いが移るそうです。

今月の定食は、鮭の味噌幽庵の焼き魚定食。既に鮭の皮が剥かれちゃってます。
水菓子に、イチゴと洋梨。

既に3月の予約が埋まっているけど・・・・。年末年始の営業を聞くけど、関係ないや。来年もよろしぅ。


平成21年11月12日
予約の時間が来たので畳屋の「もめん」へ入店。
2回転目の一番客のようだが、いつものように満席。先月ケーキ屋であった先生もやってきた。

  • バチコのてんぷら、アスパラガスのおかき揚げ、松葉銀杏
  • ウニのお寿司
  • 武蔵野椀は、海老・玉子真蒸、粟餅、軸菜、松葉柚子
  • ひらめのお造り、チリ酢、防風、唐辛おろし
  • 大根の炊いたん、振り柚子
  • 白アマダイの塩焼き・すだち、イカの海鼠腸和え、長芋の短冊にとんぶり
  • 蒸し寿司、止め椀、香の物
  • 水菓子には、柿とラ・フランス

結構いい気分で酔ってたりしますが「鄙願」。ムラがある鄙願で、今日は甘い口当たりだが、熟成香はしない。
先付けは、バチコとアスパラガスの油もの。苦味の残るアスパラガスは「おかき」を砕いたものが衣。サクサクというよりパリパリ。
先月に続いて、お寿司が「ウニ」。わさび付き。塩乗せ。ウニがとても旨い。

お椀は、海老真蒸と粟餅。車えびがゴロッと入って、すり身にも海老が入っているんだろうけど真蒸自体には玉子の香りが強い。味わいは玉子真蒸。お得意のお餅の椀種。先日に続いて今日もバランスのいい吸い地。
お造りは「ひらめ」。縁側は入ってますが、肝はない。どうやら賄いで食っちゃうようだ。
二杯目はややこしいお酒という「梅の宿・純米大吟醸」。たまにこういうお酒が出てきます。磨いただけはあるお酒。
季節の定番の「おでん」風に炊いたんは「大根」。シンプルな煮物。今年も干し海老のようです。出汁がしっかりしゅんだ大根だけど、少し辛味・苦味が残っているのは、当たり外れでしょう。
焼き物には脂ののりまくった白アマダイ。塩味抜群。脂がにじんでしっとり。糸作りのイカに海鼠腸。海鼠腸の香りがイカと絡んでなんだか円やかな味になっています。短冊の長芋にとんぶり。
錦糸てんこ盛りの蒸し寿司。刻んであるのはうなぎ(?だと思う)。

水菓子。

予約の取れないお客さんが、先送りで先行予約を行い、既に2月も余裕がないそうである。予定立たず。


平成21年10月27日
予約の時間が来たので「畳屋筋の掲載不許可の☆☆」へ入店。
当然ながら、二順目だけど、満席。電話での問い合わせに、「年内満席」!!

  • 伊勢エビのりんご酢ジュレ、銀杏、菊花
  • 松茸のにぎり、塩、酢橘、振り柚子
  • お椀は、帆立真蒸と松茸。軸菜、松葉黄柚子
  • お造りが、クエ、酢橘、撚りにんじん、もみじおろし、防風
  • 焼き物が牛肉の味噌の朴葉焼き、長芋、白髪葱
  • 稲庭うどん、軸三つ葉
  • 鰆の味噌漬けの焼き魚定職
  • デザートは洋ナシ
お酒は「鄙願」。
菊の花皿に、リンゴ酢に隠れて見えないけど、イセエビのほぐしたん。イセエビの旨みがリンゴ酢に負けちゃってるような気がします。去年はジョナゴールドと言ってましたが、酸味も少ない柔らかな奄美のある酢の加減。
お寿司二貫。温かい酢飯に焼きたての松茸スライス。塩を盛って、酢橘をかけて、振り柚子。

いつも感心するのは、お椀の艶。曇りのない塗りの椀に吸い地の美味しさが映えます。椀種の真蒸はホタテ。
イチョウの葉皿に、クエのお造り。塩とポン酢が出てきます。どちらもいい。
コンロが出てきて、味噌に焼いた長芋が入った朴葉にカウンターで肉を盛り付けて、出てきます。味噌がぐつぐつ煮えてきて長芋が温かくなれば食べ始める。朴葉を破らないように慎重に、味噌をなめつつ、酒のあて。味噌に絡まる牛肉も美味しい。昔は赤味その色が出た刻のある味噌だったと思うのだが、最近は白味噌の甘みが増してきたようだ。

端休めに、冷たい稲庭うどん。
今日のご飯は焼き魚定食。さわらの味噌漬けの焼き物。
水菓子は、ラ・フランス。


平成21年9月28日
さて、遅い目の晩御飯は畳屋筋の「もめん」。
シルバーウィークを利用してカウンターの内側の聚楽の壁を塗りなおしたそうです。新しくしたことを喋りたくてうずうずしているようなのである。11月の連休でカウンターの後ろ、来年のゴールデンウィークで洗面所を塗り替える計画だそうだ。重要文化財の修復や官休庵の仕事をしている左官さんだそうで、今回は天王寺の赤土を使用していて、年を経ると黒味がかって来るという。

  • 車海老の白酢、茄子、車海老、無花果、柿
  • 松茸フライ、コーンの天ぷら
  • 松茸と鱧の茶碗蒸し(清汁)、三つ葉、ゆず
  • お造りは、甘手鰈、肝、わさび、
  • ほうれん草としめじのおひたし
  • きんきの塩焼き、タコの柔らか煮、南瓜、銀杏
  • 出汁巻き定食、香の物、止め椀
  • 巨峰と梨
>先付け、一本目は「麒麟山」。

お得意の白酢和え。もっと出汁の香りが高かったような記憶があるのだけど・・・。皮をむいたナスを乗せ、蒸した車も皮むき。食べやすいようにしてます。丸にくりぬいた柿。
熱々のフライが二種類。マツタケにはアラレを砕いているんでしょうか?ザクザクとした食感。最近よく見かけるマツタケの食べ方。焼き松茸というのは、出会えなくなってきました。コーンは粒々の団子。

土瓶蒸しならぬ、茶碗蒸し風の鱧松茸も、毎年の清汁仕立て。鱧は焼き目をつけてあります。難点は、茶碗が熱々で、持ちにくいこと。
たとえば、黒塗り蒔絵のお椀で、鱧と松茸に吸い口の柚子が入ったものには、さらに柚子を貰って、ぎゅっと絞ったり普通の人はしないんだけど、こうして添えられていると味も確かめずに絞る人が多いですよねぇ。せめて一口味を確かめてから、適量を絞ればいいと思うこと数多あり。
二本目は「磯自慢」。
お造りは、アマテカレイ。脂の旨い「甘手」というに相応しいようなカレイでした。肝を挟んで更に旨し。
口休めというか、お浸し一品。白酢と同様に、以前の地より香りが大人しくなってるイメージです。
焼き物は、キンキ。カマの部分をいただきました。ということで「キンキのタイ」を取り出そうとしましたが、ちょっと不細工になってしまった。脂のしたたるキンキ。芋はないけど、蛸と南京。
今月は出巻定食。大根おろしは付きません。
水菓子には、ブドウとナシ。


平成21年8月10日
さて、遅い目の晩御飯は畳屋筋の「もめん」。盆休みが長いと、席の確保も難しい8月であるが、そのあおりで、9月も隙間がないとか。とにかく今日の献立は、

  • 錦糸瓜、クルマエビ、焼き鱧、赤ぴーまんの酢の物、振り柚子
  • 月に夕顔の椀には、湯葉真蒸、炙ったバチコ、若芽、振り柚子
  • お造りが、箱ウニ・山葵、剣先いか・生姜・花穂紫蘇
  • 豆腐、トマト、花丸胡瓜、もろみ味噌
  • ホタテ、丸ナス、万願寺の味噌田楽焼き、振り柚子
  • サンマの腸入り幽庵焼き、ご飯、じゃこおろし、香の物
  • 桃と西瓜のゼリー
一本目のお酒は「麒麟山
カットグラスの器に酢の物。錦糸瓜って・・・「そうめんかぼちゃ」の事でした。最近よく使われます。ほんのり、塩を振って焼いた白焼きのハモはほんのり温か。グラスの下に氷が敷かれていますが、全体にほんのり温かい前菜。
蓋の表にお月さま。蓋の裏とお椀の鏡に夕顔。精進な椀種は湯葉真蒸に若芽。味に混じりけがないので、素直に香りが楽しめる吸い地。とてもバランスがよくてまとまりがいい。真蒸の上には、炙ったバチコ。次第に塩の香り、礒の香りがふんわりと吸い地に移ります。

お造りは、箱に盛られた淡路のウニ。バラツキガあって、甘いのやら、水っぽいのやら。当たりはずれの日もありますな。箱をポンと出して、仕事はあまりしてませんな。別のガラスの器に、剣先いかもでる。
二本目のお酒は「礒自慢
冷たいお鉢には、豆腐、花丸胡瓜、皮剥きのトマト。もろみ味噌を添えて出てくる。夏には出てくるんだけど、これも仕事が感じられませんねぇ。
ホタテの貝焼きは田楽味噌で味付け。今年は丸ナスに万願寺。少し目先の変化をしている。味噌の加減は巧い。
三本目には「黒龍」。
今日の、おかずは、さんま。幽庵地にサンマの腸を溶かしこんだ焼きダレだけど、いつもの腸焼きよりは、苦みが押さえ気味でとてもいい塩梅。もうしっかり脂の乗ったサンマもふっくらとミノちゃんが焼いてくれてます。久しぶりに、ご飯のお代わり。こういうおかずはご飯が美味しく感じるように出来てます。ちりめんじゃこ・おろしもご飯は、ご飯に乗せてもいいし、さんまと一緒でもよろしいな。味噌汁なしは残念。

カップに入ったフルーツに桃風味のゼリーをクダクダにして入っております。


平成21年7月16日
さて、本当の晩御飯は畳屋筋の「もめん」。相変わらずの盛況ぶりで、だいたい同じ時間帯に2回転目。それでも、作り置きはせずに、それぞれのペースにあわせて、丁寧な仕事。
  • 鱧、車海老、白だつ、オクラの梅肉和え
  • 天の川のお椀には、伊勢海老の真蒸、揚げ茄子、隠元、降り柚子
  • お造りは、伊勢海老、防風、わさび、醤油
  • そうめん、たまごの黄身
  • はもしゃぶ、菊菜、ポンス醤油、すだち
  • ウナギのかば焼き定食
  • 桃・スイカ、桃リキュールのジュレ
1本目は「麒麟山
美しいカットガラスに、淡い梅肉。ほんのりと温かいハモの湯引きが旨さをだしています。焼き霜のハモにしても少し温まっている方が旨く感じます。写りが悪くて、黄色ぽくなった。

お椀の蓋の裏には、天の川。椀種には、海老の真蒸。上品に仕上がってますが、旨みは弱い。
扇の器に、お造り。伊勢海老。
お重に氷を散らして、綺麗に束ねられた素麺。夏の定番。鶉玉子の温泉卵の黄身をそうめんツユに入れて、スクランブル。素麺に絡めます。
2本目は「礒自慢
コンロが出てきて、はもしゃぶ。ハモはじっくり湯にくぐらせると、後で鍋出汁が美味しくなります。最後は小鉢に出汁を移して、スダチを適度に絞って、呑み切ります。

もうすぐ土用。今月はウナギのかば焼き。一色産らしい。
カップにフルーツを入れ、ジュレを流し込んだユルユルのゼリー。


平成21年6月16日
さて、本当の晩御飯は畳屋筋の「もめん」。2回転目の予約。言わずもがな2回転目も満席。
  • 玉子豆腐と毛蟹のほぐし身、カニみそのジュレ、胡瓜、防風
  • お椀が、揚げた湯葉真蒸(百合根・海老入り)、長ひじき、ジュンサイ、木の芽
  • お造りが、鱧の落とし、花穂紫蘇、わさび、梅肉
  • ひすい茄子、茗荷
  • あわびの肝味噌焼き、アスパラ
  • 出汁巻き玉子定食、止め椀、香の物
  • マンゴ
最初のお酒は「麒麟山」。ちょっとヒネ香。
芋の葉っぱに、玉子豆腐と毛蟹。ジュレが酢の物になっているんだけど、食べるにつれ、酢を感じなくなるほどの柔らかい加減。
お椀に、うっすら脂が浮いた出汁。百合根・海老入りの湯葉真蒸を揚げ、コク・旨みを出してあります。吸い口が木の芽。ジュンサイと長ひじき。真蒸を崩していくと出汁が濁り、豆の香りもうっすらと。
お造りには、鱧のおとし。旨みが染み込んだハモ。梅肉とワサビがでる。どこかで食べてるように、グチャグチャに混ぜてみる。酸っぱくなく加減してある梅肉は、それだけで酒の肴になる。
2本目は「黒龍」。
奈良・吉野の丸ナスの翡翠煮。茄子半分に茗荷。茄子だけというシンプルな料理だけに、出汁が大切。当然飲みます。
あわびの殻の中に焼かれたアワビ。肝のソースが絡んでおります。白味噌・バター、肝。深いコクのある旨い味になっております。これもソースだけで酒の肴になっちゃいます。蒸し焼きになったアスパラまでも美味しい。
<P> 定番のお得意の出汁巻きの定食。特等席なのでしっかりチェック。おや?二人前でもフライパンの半分で焼くようになってますが・・・ちょっとフライパンが乱れているようだ。いつもより形が崩れちゃってます。今宵は一番最後の玉子焼きになったせいか、いつもより出汁が多いようで、出汁巻きの器にじんわりと出汁が滲みだしてます。必要ないと思っていて先日まで気がつかなかったけど、出汁巻きには大根おろしを添えるのが普通のようだ。ここでは、そんなのない。
水菓子はマンゴ(だけ)。


平成21年5月13日
夕食は遅い目の予約の「もめん」。
主人の意向と異なり、ミシュラン掲載で話題になって、そのこと自体が迷惑になりかねないとは思いますが、影響力のないむちゃは、(ミノちゃんの突っ込みにもめげず)いつものようにメモに残しておきます。
  • 蒸しあわびと白ズイキの加減酢、肝、オクラ、降り柚子
  • お椀が、鯛にゅうめん、ゴマ豆腐、さやいんげん、木の芽
  • お造りが、あまてカレイ、花穂紫蘇、撚り人参、紅蓼、山葵
  • にしん茄子、針生姜
  • 稚鮎の串揚げ、空豆のから揚げ、藻塩
  • 太刀魚のつけ焼き定食、止め椀、香の物
  • 宮崎産マンゴ
麒麟山」から始まる。冷酒は気持ちをリフレッシュする心地よさ。
先付けが淡い淡い酢の物。蒸したアワビもいいお味。ねっとりしたオクラが加減酢にトロミを加えて、ずるずる飲干します。

サザエに螺鈿がキラキラ光るお椀。鯛の切り身に細い素麺。下に胡麻豆腐が隠れてます。下味のついたいんげんまでも美味しい。
お造りは、甘手鰈。今回は山葵醤油でした。
ふっくら炊かれたニシンナス。
酔っ払っているだろうけど、気持ちのいい喉ごしの「黒龍」。
死んだ鮎では、3割ほど味が落ちるというご主人は、水槽の中から稚鮎をすくって、氷に投げいれ大人しくさせ、ピクピクの所に浪串を打ちます。後はミノちゃんが腹の所だけに衣をつけて串揚げ。お皿の上には、串を抜いて出てきます。鮎の写しい姿をべっとりした衣で覆い隠すことのない仕事。美しい料理は美味しいと実感できます。

今月のごはんは、太刀魚の焼き魚定食。脂が滲んでふんわり焼き加減。ふっくらご飯。お漬物が塩辛かったのが残念。
デザートは、マンゴ。


平成21年4月7日
夕食は一回転目のお客さんの途中からの入店になった、畳屋町の「もめん」。2回転目に若干の余裕。
カウンターのほぼ定位置に席があけてあります。
折敷が四方の黒の梨地に替わっていて、箸置きもなくなった。箸置きがない場合の箸の置き方を知らない人もちらほら。
  • 碓井豌豆の豆腐とウニ、花わさび
  • 桜のお椀は、ホタテ真蒸、タケノコ、白髪ねぎ、木の芽
  • お造りは、オコゼの薄造り、皮、浮き袋、肝、防風、腹子、撚り人参、ポンス醤油、紅葉おろし
  • ホワイトアスパラ、ウルイ、雁足、フルーツトマト、白酢和え
  • 揚げものが、目板カレイ、クルマエビ、空豆、塩、ポンス醤油
  • 太刀魚の塩焼き定食、ちりめんおろし、香の物
  • メロンとイチゴ
まず「麒麟山」が出てくる。
葉皿に緑色の碓井の豆腐。甘いウニをぼてっと載せて、辛味のアクセントに花わさび。出汁を張って出てきます。甘味と辛味が美味しくいただけます。

お椀の蓋を取ると、桜。コロコロしたサイズのホタテがゴロゴロの真蒸。深みのある出汁。
二本目は「福扇」。最近置いてなかったお酒で久し振り。すっきりなのが続きます。
お造りはオコゼ。薄造りにして長左の器。皮や浮き袋の湯引き、子の炊いたん。肝はイマイチだった。
白酢を敷いて、ホワイトアスパラガス。ウルイの茹でたのを載せて、彩りに雁足。もう見分けができ、間違えません。皮むきしたフルーツトマトは実の固いトマト。
三本目は「黒龍
揚げものには、メイタカレイ。綺麗に捌いてあるので、骨せんべいは、骨が浮き上がっております。パリパリと塩が合います。身の方はシットリ・むっちりで、ポンス醤油が好み。海老の足もポリポリ。

今日のご飯のおかずが、太刀魚の塩焼き。しっとりとホクホク。ちょっとだけ、ご飯をお替り。塩焼きした太刀魚は脂の乗りがいいので、いつもの豆腐の味噌汁ではなく、チリメンおろしになっております。
デザートは、先月を変わらないけど、今はフルーツがないからねぇ。もうじきマンゴが出るけど、今は筋が多いので使えないとケーキ屋と同じことを言ってます。


平成21年3月10日
今日も2回転目の予約に回って遅い目のご飯は畳屋町の「もめん」。しっかり満席。
  • 鳥貝とホタテの黄身酢、長芋、防風、
  • 白魚のあられ揚げ
  • 菜の花のお椀は、蛤と鶏卵豆腐、若芽、木の芽
  • 鯛のお造り、わらび、紫芽、撚り人参
  • うるいとばちこのお浸し
  • 筍と牛肉の鍋、木の芽
  • 出汁巻き定食、止め椀、香の物
  • メロンとイチゴ
一本目は「鄙願」。
黄身酢を皿に盛り、ホタテ・ホタテ・鳥貝と乗せ、食べるときに絡めます。
香ばしいあられの香りが立って、白魚はむっちり。4匹

お椀の裏には、菜の花が咲いて、椀種は、蛤と鶏卵豆腐。玉子の匂いは全くない。お出汁は、若芽の香りも感じる出汁の加減。ハマグリの旨みも加わって、美味。
お造りは、加太の鯛。旨みが引き出された鯛。
1軒目で呑んでいるだけに迷ったけど2本目を頼めば「〆張鶴」。
お浸しは、春の山菜・うるいに、炙ったばかりのばちこ。薄味のお出汁で、バチコの味の方が勝つ。珍味の塩味もウルイにプラス。
季節の筍の鍋も、ぐるりと回って、一番好みの組み合わせにもどった。グツグツ煮えたぎって折敷の上へ。お出汁も美味しいんだけど、筍と牛肉を一緒に食べるのが一番。長年、望んでいるのは、木の芽ではなく花山椒なんだが、未だにここでは出合えない。

久しぶりの出汁巻定食。
デザートは、まだ甘味が不足気味の残念メロンとイチゴ。


平成21年2月12日
2回転目の予約に回って遅い目のご飯は畳屋町の「もめん」。
  • かに・蟹味噌ジュレ。花丸胡瓜、短冊長芋
  • 椿のお椀は、アマダイ・焼餅のかぶらのミゾレ仕立て、鶯菜、振り柚子
  • お造りは、よこわ、ひらめ、芽甘草
  • 赤貝・剣先いか・わけぎのぬた
  • かわはぎの鍋
  • ブリの西京漬け焼き魚定食、味噌汁、漬物
  • あまおう・でこぽん・練乳羹、黒豆
一本目は「鄙願」。
足とほぐした蟹にミソのジュレをかけた先付け。
お椀の蓋裏が椿。玄関も椿でしたな。にしおか君は「かぶら汁」というてます。かぶらのミゾレ仕立てのお椀というべきでしょうか?アマダイの塩気、かぶらの甘味、香ばしい餅の香りに柚子の香り。
お造りが、よこわとヒラメ。いい香りのよこわ。縁側がないよ!
二本目は「〆張鶴・純」。
ぬた。和え衣もここちいい旨み。なにかの味が突出することがなく、いい塩梅。
箱に鍋の具材が入ってでてくる。コンロの上の小鍋には既に肝が入っていて、グツグツ煮えるのを我慢して待つ。ネギに、火を通した白菜。下処理に余念がありませんな。

ご飯は、ブリの西京焼きの定食。
水菓子。

隣のお客さんらを巻きこんで、久しぶりに話こんでしまいました。


平成21年1月8日
晩御飯は不景気知らずの「畳屋町」。壁に手が入っていて開店当時に戻っている。無骨なこんろも使わない時は隠すようにしたようだ。すっきりしたイメージ。
鏡餅がまだおいてありますな。
  • ふぐの白子の焼いたんの茶碗蒸し、降り柚子
  • 柚子釜に、フグの湯引き、白菜、芽ネギ
  • お椀が、鯛、かぶら、玄米餅、鶯菜、松葉柚子
  • お造りが、よこわ、短冊長芋、芽甘草、紫芽
  • 炊き合わせが、大根、百合根入りのひろうす、きぬさや、降り柚子
  • 焼き物が、ふぐ醤油焼き、カズノコ、松葉に刺した黒豆・うずらの黄身の味噌漬け、菜の花
  • めざし定食、味噌汁、香の物
  • いちご、でこぽん、練乳羹
年始の挨拶とともに一献頂きます。
一本目のお酒は「鄙願」。
蓋つきののぞきが出てきて、中身は柚子の香る茶碗蒸し、具には焼いた白子。
最近は、先付けが2品になったようで、今月の柚子釜には、フグの湯引き。てっぴとかいろんなところがグチャグチャと下ろし和え。シャキシャキしたのは白菜の芯。

2本目は「〆張鶴」が出る。
七宝を積んだ宝船のお椀には、鯛かぶら。玄米餅。鯛はお造りにするような身を使ってます。蕪はトロンとするまで炊かれて甘味たっぷり。
お造りは、よこわ。芽が出るように芽甘草。
炊き合わせには、大根とヒロウス。11月も大根だったし・・・揚げたヒロウスの油のコクが出汁に浸み出して大根も旨くなる。
三本目は「黒龍」。
焼き物は、ミノチャンガ奥で焼いてくれたフグ。辛いのを嫌うのを知ってくれているので、一味はほんの少し。微妙なフグにはたくさんの唐辛子は必要ないと思うんですけど、サービス満点の店は多いようですな。正月らしいあしらいが一皿。
今日の定食は、メザシ。コンロは竹製のすのこで隠すようにして、そのうえで炭を入れたコンロでご主人が焼いてくれます。いつもなら(出し巻き玉子を除いて)定食のおかずは奥で料理してるだけに、目の前で焼いてくれるのは見飽きません。排気ダクトがここしかないのですから、よくある目の前でというのは無理な話で特等席?。

デザートには、果物2種。おおきいイチゴ。


平成20年12月11日
晩御飯は2回転目しか席があいていなかった、「笠屋町」。不景気の中、日本料理では一人勝ち(?)である。
2回転目の準備も整い、お客が入れ替わったカウンター。
少しずつ料理もアレンジが加えられてます。
  • 柚子釜に白子羹、ネギ、芽葱
  • 揚げ海老芋に味噌だれ、カマンベールのあられ揚げ
  • お碗は蟹真蒸、焼餅、ホウレンソウ、柚子
  • お造りは寒ブリと鯛、平目
  • 蕪の炊いたん、菊菜、振り柚子
  • 焼き蟹、山芋に蟹ミソ、小丸胡瓜
  • 刻み鰻の蒸し寿司、止め椀、香の物
  • デザートはレクチェ(洋梨)。
一本目は「麒麟山」。いつもどおり。
先付けは、暖かい柚子釜。先月はクモコを豆腐にしたので、今月は葛で練り上げたという一品。来月はきっとフグの白子になるんでしょう。底に刻んだネギの香りも高い。トッピングしてるのが芽ネギを細打ちしたもの。むちゃは柚子の蓋の裏の果肉をレンゲで軽く押すと数滴したたる雫の香りで十分でございます。ギュッと搾るのは頂けない。
次も熱々の揚げ物。トロトロに溶けたカマンベールの衣にはアラレ。パリパリの中にトロリンとした塩味が広がる。富田林のエビイモは肌理細かく、ぬっちり。少しだけ(この量が微妙だ)かかった合せ味噌のタレが、香りを添えて旨い。

お椀は、松の蒔絵。蟹の身たっぷりの真蒸。
二本目は「磯自慢」。
お造りは、氷見のブリ。ちょっと生々しいブリだけど、辛味大根と山葵をたっぷり溶かしこんだ醤油で和らぐ。辛味大根で山葵の辛さが消えるのも面白い。
今月の煮物は蕪。奇麗に丸みを帯びた蕪はじっくり1時間かけて炊かれたそうで、スッと箸が入る。今年は貝柱や鯛などの隠し味がないんだけど、甘味がしっかり出ています。煮汁もしっかり頂きます。
三本目は「黒龍」 炭のコンロで大将が付きっきりで焼いてくれたカニの足。香住。琵琶の器には、長芋の短冊を底に敷き、カニミソをいれてある。蟹酢でもいいし、カニミソで食べてもいい。

今月は白ごはんの定食でなく、蒸し寿司。やわらかい酢の香り。ちらっと見渡せば、どのお客さんも盛り沢山。
デザートは、洋ナシ。切ったザクロをのせただけ。よく熟してある。


平成20年11月10日
観劇にあわせて食べに行くのが、日程的に楽なんだけど、そんなこと言ってたら、店に入れない「畳屋町」。しかも2回転目しか、あいてない。
  • 先付けに、海老のおかき揚げ、バチコの天ぷら、松葉銀杏
  • もう一つ、白子豆腐、生姜、アサツキ
  • 武蔵野の椀には、揚げ湯葉真蒸、粟餅、軸菜。吸い口が柚子
  • クエのお造り、芽ネギ、ポン酢
  • 大根の炊いたん、振り柚子
  • 焼き物が、甘鯛の塩焼き。渋皮のついた揚げ栗、イカのこのわた和え、短冊長芋・海胆・とんぶり
  • 出し巻き定食、味噌汁、香の物
  • ピオーネと柿
まず「麒麟山」。
最初に白子豆腐がでたけど、今日は突き出しが二つと言って、直ぐに温かい揚げ物がでたので、そちらから頂く。あられの砕き方で食感や味が随分変わるもので、ここはカリカリが近いかな。ざっくり砕いたアラレだ。尻尾までしっかり食べられます。ばちこの天ぷらは初めて。噛みしめるほどに塩分が滲みだしてくる。
臭みの全くないクモコで、コクのある豆腐。キメ細かい豆腐がネトーと口の中で広がる。昨日も雲子だったし、明日もクモコ?

月にススキの武蔵野の椀。椀種が、湯葉真蒸を揚げたの。木耳やら百合根やらで見た目はヒロウスだが、豆腐は入っていない。香ばしさを出しているのは焼き粟餅。ほとんど餅に思えるのだが、諸物価高騰のあおりを受けて粟の量が減っているとお嘆き。
2本目は「黒龍」。
お造りが、和歌山のクエ。昨日もクエだったが、続くということは明日もクエ?ポン酢でも美味しいクエ。
大根の炊いたんは、貝柱の出汁。今年は固め?最後に残った煮汁の方が旨い。
焼き物は、シロアマダイ。嬉しいことにカマ。今日は甘鯛の鯛をと思ったけど、上手く取れなかった。銀杏の下の壺壺にイカのこのわた和え。緑校趾の葉皿にウニ。

今月はチャンピオンの出し巻き卵。キチンと巻き簾で形を整えられる固さ(柔らかさと言うべきか)なんですが、ジワリと出汁が滲みだしてくる出汁加減。いつもの豆腐の味噌汁なんだけど、出し巻きの時が一番旨く感じる。
水菓子が、ブドウと柿。

電話ではほとんど予約が取れない状態だというので、食べ終われば、皆さんが日程調整。とくにグループでの予約は大変。とんでもないことになってる。


平成20年10月23日
晩御飯に向ったのが「畳屋町」。いつも、1回転店目でもなく、2回転目でもない中途半端な時間のわがままな入店で迷惑をかけております。お客さんが途中でいなくなるけど、すぐにまた満席だ!1回転で帰ることはないです、と西岡君もお疲れ。
月替わりの献立はネットで流れているので、メモもらくちん。
  • 貝柱と車海老のりんご酢、黒豆、銀杏、黄菊
  • 松茸にぎり
  • お碗は伊勢海老真蒸、餅、松葉黄柚子、軸菜
  • 伊勢海老のお造り、紫芽
  • 朴葉焼き、牛肉、山芋、白髪ネギ
  • 稲庭うどん、軸三葉
  • 鰆の味噌幽庵焼き定食
  • デザート、梨とぶどう。
一本目のお酒は「磯自慢」。
焙った貝柱に、尻尾まできれいに剥いた車に、摺りすりしたジョナゴールドに出汁と酢で和え衣にして、たっぷり乗せた先付け。銀杏と黒豆。リンゴの酸味と甘味を旨く生かしてあります。

松茸の握り鮨。秋の定番。わさび、すだち、塩、降り柚子。
大輪の菊の蒔絵。ミソたっぷりのイセエビの真蒸。焼餅。

2本目以降は「黒龍」。
お椀に使ったイセエビの身はお造り。国産の海老であることを証明するためにヒゲを添えているのだという。
飛騨コンロに乗せた牛肉の朴葉焼き。焼き目を付けた(熱の入った)山芋が入っているので、それから食べるように指示される。以前の赤味噌仕立ての味噌だれが懐かしいが、昨年から白味噌仕立て。ごまの香り。いずれにしても焼かれた味噌の香りが良くって、焼き味噌でお酒が呑めるのは、毎年のこと。

のぞきに稲庭うどん。口直し。お肉の後、次の魚料理の為の口直しだといわれる。納得。
今日は、サワラの味噌幽庵。お得意のお豆腐の味噌汁。香の物。少しお代わり。
水菓子。幸水?ピオーネ?

来月の文楽帰りの予約を取ろうにも、取れない。どうしちゃったんだい。


平成20年9月24日
今日の晩御飯は、「畳屋町」。今日も盛況。日本料理屋というイメージから外れるように、家族のグループや女性だけのグループもいているという、ちょっと珍しい店。若い客は稀有だけど、たまに料理人もいますな。大阪で三大割烹というてる方もおられるようで・・・。だんだん露出するようになってきました。ネットの口に戸は立てられない。
  • 車海老と茄子のゴマ入り白酢和え、いちじく、小丸の柿、防風
  • 松茸フライ
  • 鱧鍋、鱧、菊菜
  • お造りは鰹・短冊長芋、茗荷、生姜。焙った鰹の皮・生姜・ネギ
  • キンキの塩焼き、白ずいきの梅肉かけ、銀杏の素揚げ、タコ・椎茸・南京の炊いたん
  • ほうれん草としめじのおひたし
  • 秋刀魚定食、腸焼き、止め椀、香の物
  • 豊水と巨峰、防風。
一本目は「磯自慢」。すこし古酒のような舌に纏わりつくような粘り感があるけど、味自体に影響はない。料理によって味わいが変わる印象を受ける。
今までの白酢とはすこし色合いも異なるし、風味が違う。ゴマが入ってない方が好みだったなぁ。
マツタケがフライで出てくる。半分。旨みの滲みだす石突。降り塩の加減もばっちり。
お椀の代わりというハモ鍋。淡いピンク色に染まる鱧を昆布出汁の鍋でゆっくり火を通す。お鍋の底にへぎ柚子。お椀の代わりということだし、はもの旨みを鍋出汁の中へ引き出すように泳がせる。菊菜はサッと引き上げる。鍋の具材はポン酢で、鍋に残った出汁は小鉢に移して、味わいます。美味しいけどせっかくだから、松茸の一片でもあれば・・・。
二本目は「黒龍」。サラリとした味わいで、なんにでも差しさわりなく合う。
綺麗な赤色。白い長芋が彩度を上げているようです。戻りカツオのお造り。生姜と茗荷で頂く。皮目だけ切り取り、バリバリとあぶってあります。これも生姜で。
八寸めいた焼き物。優しい梅肉のシロズイキ。柔らかな(それでも食感を生かすために硬めにしたという)タコ・椎茸は琵琶(?)の器。苦みの少ない銀杏。

お浸しがでる。これで、お酒をぴっちり呑みきる。
今月はサンマ定食。お得意のさんまの腸に漬け込んだ焼き物。といっても苦みもないし、コクが増す旨さ。こういう工夫こそが料理屋だな。
デザートは、梨とブドウ。


平成20年8月5日
予約していた晩御飯は「もめん」。珍しくど真ん中に案内される。
  • 伊勢海老、内子、外子、赤ピーマン、加減酢のジュレ
  • 昼顔のお椀は、焼き鮎、にゅうめん、胡麻豆腐、蔓菜
  • お造りは、淡路のウニ、イカ、
  • 冷やし鉢に、ざる豆腐、花丸胡瓜、フルーツトマト、金山寺諸味味噌
  • ホタテと加茂茄子の田楽、あまとう
  • う巻定食
  • 桃と西瓜の、桃リキュールのジュレ
氷水で、喉を潤し、一本目は「麒麟山
汗だくだけに、食欲も沸かないところだが、心地よい酢の加減に、胃の準備もOKだ。薄くスライスした蒸し海老だけど、内子が美味しい。上にそぼろ風に乗っているのが外子。いつもの細い素麺。
お椀の裏には昼顔。焼いた鮎の香ばしさ、ゴマ豆腐の甘さが微妙に滲みだした味わいのある出汁。

お造りは、淡路特産のウニ。舌の上で溶けだす甘味を満喫。山葵と紫芽で醤油。イカのお造りは別の器に盛りつけて、しょうが醤油。
二本目は「磯自慢
氷を敷いた上にガラスの深鉢。固いザル豆腐、皮むきトマト、花丸胡瓜を盛りつけ、氷をザクザク。もろみ味噌でいただく、夏の定番。
冷たいものの後には焼き物。ホタテに加茂茄子。焼きとうがらしは「あまとう」。
今月の定食は「鰻巻き」。出汁巻きは、年2回ほど出る定番だが、鰻巻は初めての記憶。「二の丑」の今日だけの料理かと思ったけど、違うらしい。オモンナー。折角の丑の日に来たサプライズがないとは・・。鰻巻にする時は、いつもより出汁を少なくする方がいいんじゃないかと思いますな。でもそれじゃ、玉子焼き屋になっちゃうか?
デザートは先月と同じ。

お盆の連休前で、お客さんを捌ききれずに、次の日曜日も営業だそうだ。今日は遅いお客を入れていないそうなので、迷惑がられる前に、帰る。ちょうど食べている間に、夕立ちが終わったようで、少し暑さも和らいだ感じ。でも、蒸す。


平成20年7月15日
晩御飯は畳屋の「もめん」。満席。2回転。
  • 鱧、車海老、オクラの梅肉和え
  • 湯葉豆腐・蒸し鮑、揚げ茄子のお碗、降り柚子
  • お造りはマグロとアマテガレイ、ポン酢醤油、わさび醤油
  • そうめん、たまごの黄身
  • 鮎塩焼きととうもろこしの天ぷら、すだち
  • ウナギのかば焼き定食
  • 桃・スイカ、桃リキュールのジュレ
一本目のお酒は「鄙願」。いつもどおりの順番。
梅肉のソースを銀の皿に敷き、湯引きの鱧、半生状態の車、おくらを載せ、花穂紫蘇を散らす。柔らかい梅の酸味が心地いい先付け。梅肉にたっぷり絡めて食べる鱧は、梅肉の酸味が消えるとジワーっと鱧の味が口に広がる。ちょびっとお情け程度に乗せてあるより、楽しい。
ミルキーウェイのお椀。味は変わってないというけど、出汁の味はやっぱり押さえ気味のような気がする。アワビの味が広がるにつれ、旨さが増す塩梅。湯葉豆腐というけど、直接湯葉は入っていないようだ。すり潰していそうだ。湯葉真蒸はあるけど、豆腐は初めて?
夏は、「魚がない」ということらしい。マグロとアマテカレイ。赤身と中とろ。鰈には肝を付けてほしいなぁ。きっと全員に渡らないから、賄いで食ってるんだ!
2本目は「礒自慢」。
氷に素麺。温泉卵の黄身。相変わらずの細麺は三輪の「白龍」。そうめんつゆに黄身を落としてモロモロに崩して、絡めて頂く。余分な薬味はない。温泉卵の白身は・・・ゴミバコだそうだ。そういえば、聞くところによると、寿司屋も白身が余るそうです。玉子の味を濃くしようとすると、余分な部分とはいえ、勿体ない。
焼き物は鮎。トウモロコシを解した掻き揚げ風。苦さと甘さの組み合わせ。蓼の葉っぱ。

定食のおかずが、三河産のウナギの蒲焼き。遠くで「ウ巻き」のリクエストの声が聞こえる。なんだかんだと鰻が多い昨今。
モモ・スイカのゼリー。ピーチリキュール入りのジュレ。

お隣には香港からのお客さん。困るなぁ!でも、説明も聞かなくても、アユにスダチを絞っていた。慣れてはる。
最近女性だけのグループも増えているような感じ。帰りがけに、また予約して帰えらはるけど、来月は13〜19日まで夏休みのようで、聞こえてくる様子では8月下旬ももう一杯?!


平成20年6月12日
晩御飯は「もめん」。2回転目のカウンター。
まだニシオカ君のギプスは取れない。そんな直ぐにはずしてくれるはずないのだ。右手だけにしっかりリハビリしないといけない。
  • 玉子豆腐・毛蟹・カニ味噌の酢ゼリー、胡瓜、軸菜
  • 椀が、揚げた湯葉真丈、若芽、隠元、輪柚子
  • お造りが、ハモの落とし、梅肉、わさび、撚り胡瓜、花穂紫蘇
  • 揚げた丸ナスを温かい出汁に浸したん、茗荷
  • あわびの肝ソース焼き、アスパラガス
  • 太刀魚の味噌漬けの焼き魚定食、御飯、香の物、みそ汁
  • 宮崎産マンゴ
最初は「麒麟山」から始まる。
陶器に氷の上にガラス皿を置き、盛り付けられた、毛蟹と玉子豆腐。出汁の香る加減酢のジュレ。夏に美味しい毛蟹。

波に浮かぶ御所車のお椀。百合根・木耳の入った湯葉真丈。たいへん淡い出汁加減。いつもは、もっとしっかりした出汁なんだけど・・・。
2本目は「磯自慢」。
お造りが、はもの落とし。オーソドックスなはも料理だけど、目から鱗の旨さ。ムチーとしたハモの食感に淡白な味。おやっさんが骨きりをしているという。酒で伸ばしたという梅肉が絡んでさらに旨い。わさびと梅肉というのは、流行ってきたのかな?
丸ナスを揚げて、皮をむき、暖かい出汁を張ったもの。絶妙な火加減のナス。普通の出汁だそうだが、愛情が隠し味というオヤジなギャグを聞き流す。ナスから出る脂が旨みを増して、出汁までしっかり頂戴した。この店の真骨頂といえます。
あわびの殻にもりつけられたアワビ。肝味噌ダレにはバターの香りと旨みが重なって、旨いに決まってるじゃないですか?!殻に残るソースがもったいない。お酒を入れるべきだったかな。こぼれちゃうな。余りにも旨そうなアワビに、一片食べてから撮るハメ。
なんだか、いつもより一品少ないような気がするけど、ご飯は、太刀魚を味噌漬けにした焼き魚定食。魚は縁側部分が旨いですなぁ。
宮崎産のマンゴ。


平成20年5月20日
晩御飯は「もめん」。2回転はひと組だけの余裕の仕事。
でも、昨晩、西岡君が骨折して右腕ギプスの痛々しい。昨晩は大雨でしたからねぇ。自転車といえども気をつけなくちゃ。助け合いの仕事ぶり。
  • 蒸し鮑と白芋茎、ふり柚子
  • お椀は鯛にゅうめん、白ゴマ豆腐、隠元、木の芽
  • オコゼの薄造り、子、肝、胃袋、皮
  • 鰊なす、茗荷
  • 稚鮎のフライ、空豆
  • 太刀魚の照り焼き定食、味噌汁、香の物
  • マンゴー
一本目は「麒麟山」。
眩いカットガラスの器に酢の物は、蒸しアワビと白ズイキ。柔らかなアワビに柔らかな酢の加減。酢のしみ込んだズイキもまで旨い。また、この酢の物に麒麟山がよくあいます。

貝尽くしのお椀は、鯛にゅうめん。出汁の旨みを飲みながら、徐々に広がる鯛の旨み。そんな旨みと一緒にニュウメンと豆腐。ごまの香りが邪魔にならないようによく晒してあります。西岡君の利き腕が不自由なだけに、誰がつくったのか気になるところ。塩味の効いた隠元がアクセント。白さの際立つ椀種。
2本目は「礒自慢」。
薄くもない薄づくり。微妙な厚み。ポンス醤油。厚みがあるだけに、ぽんす醤油だけでも十分旨いのだけど、子とか肝とかと合わせて食べると、たまらなく旨い。プルルンとした皮も大好きコリリンとした胃袋も好き。さぞ大きいオコゼだったんでしょう。
あれ?今年はお寿司は無くなった?
冷たいニシンナス。柔らかく炊かれたナスはナスとは思えない旨さ。臭みのないニシン。しっかり染み込んだ出汁の旨さ。
3本目は「黒龍」。
目の前で、水槽のアユを救い上げ、氷で元気をなくして、ぶすぶす串にさす。お腹のところだけ衣を付けて揚げます。サービスするときに串を外してでてきます。5匹。藻塩。

ご飯は、太刀魚の照り焼き。とっても脂の乗った太刀魚。
宮崎産のマンゴー。

帰りがけに、文楽の帰りの予約を取ろうと思ったけど、一筋縄ではいかない。


平成20年4月7日
晩御飯は「もめん」。今日もしっかり2回転。
  • うすい豌豆の豆腐・うに・花わさび
  • お椀は、伊勢海老の真蒸、タケノコ、ふき、木の芽
  • お造りが、伊勢海老。
  • うるい・白アスパラ・トマト・こごみのしらす和え
  • メバルの煮付け
  • 出汁巻き定食、留椀、香の物
  • さちのか、メロン、練乳羹
今日の定食は出汁巻きやねぇ、と一目瞭然のカウンターの端っこ。
一本目は「礒自慢
鮮やかなエンドウ豆の豆腐。本物の豆より鮮やかで、ウニの黄色も映える。もそっとした食感だけど、それも豆らしい。豆の香りとウニの甘味とワサビの辛味。いい組み合わせです。花わさびが先付けに使われる理由がよく分る一皿。

二本目以降は「黒龍
黒塗りの椀の裏側は、桜満開。海老の真蒸は味噌も絡めて淡い色。木の芽。海老がらが残っていたのは愛嬌。目ざとく見つけたミノちゃんが誤ってくれます。西岡君をいじめちゃ駄目だよ。
お造りも伊勢海老。連続で伊勢えびを味わう。撚り人参、紫芽。海老さんが切れずに大きいままだったりするが、湿気が高いと包丁が冴えないようでと、ミノちゃん謝ってます。
お得意のしらす和え。白、赤、薄翠と色合いは大切。たぶん「こごみ」だと思うけど、「雁足」?思い出せない。
メバルは半身(ちゃうな。一匹だな)。脂の乗ったメバルだし、上品な煮汁。白髪ネギに木の芽を絡めてある。

スーパーテクニックの出汁巻き。1人前から5人前まで、こなしちゃう。5人分を2回に分け、焼こうとするけど「元気があれば、なんでもできる!」。玉子焼きのフライパンの半分以上の面積に大きくなった玉子焼きが、舞い上がっております。ブラボー!!
デザート。

カウンターだけのお店だけど、女性一人でくるお客さんも少なからずおられる。ご主人の人柄がよろしんでしょうな。なかなか魅力的に映りますな。


平成20年3月25日
晩御飯は「もめん」。いつも繁盛。電話もひっきりなし。
  • ホタテ貝柱、赤貝、うど、わけぎに黄身酢
  • 白魚のあられ揚げ
  • 菜の花のお椀は、鶏卵豆腐、蛤、若芽、白髪ねぎ、木の芽
  • お造りが、マグロと鯛、短冊長芋、紫芽、ポンス醤油とワサビ・醤油
  • ウルイとバチコのお浸し
  • 牛肉と蕨のお鍋、木の芽
  • サワラの味噌幽庵焼き、ご飯、味噌汁、香の物
  • 水菓子が、さちのか、メロン、練乳羹
一本目のお酒は「麒麟山」。
美味しい黄身酢。和え衣だけで十分美味しいというのが一番いい。勿論ホタテも赤貝も負けない美味しさ。お客が入店してから、目の前で作り始め、作り置きしないというのが嬉しい。

アツアツの白魚4匹。
二本目は「鄙願」。今まで「雛願」だと思っていたが、間違っていた。恥ずかし!
お椀は鶏卵豆腐。玉子豆腐とは違うレシピだそうで、区別して呼んでいるという。むっちりとした食感で、玉子が香る。ハマグリの出汁は本当に好きだ。
お造りは、マグロと鯛。必ずお椀が食べ終わってから、切り始める丁寧さ。たとえ一人でも、他のお客とまとめて作りおきするような仕事をしようとはしない。(そういう店を選んでいることもある)。鯛は、旨みがいまいちだった。
三本目は「黒龍」。
お浸しが間に挟まって、
運ばれてきた鍋はグツグツの「牛肉とわらび」。ここに花山椒が乗っていれば・・・どれだけ素晴らしいか?煮えばなの牛肉、ニュルンとした蕨との食感が楽しい。しっかりだしも頂く。

今日は、鰆の味噌幽庵の焼き魚定食。甘味が旨みの幽庵。長年練ってきている献立だけに、ハズレがない。ブラボーな仕事。


平成20年2月21日
晩御飯は「もめん」。むちゃの中ではもっとも超人気店で、いつも満席2回転。
  • カニ・カニ味噌の酢ゼリー、うど、胡瓜、防風、
  • レンコン豆腐のあられ揚げ
  • 椀が、蕪蒸し(甘鯛とおろし蕪)、ウグイス菜、振り柚子
  • お造りが、じらめ、よこわ
  • ワケギとイカのぬた和え
  • 小鍋仕立ての、かわはぎ、肝、ネギ、白菜、お餅
  • ブリの塩焼き、おろし、御飯、香の物、みそ汁
  • デザート(苺・デコポン)、練乳羹
一本目は「麒麟山」。するする。
先付けが松葉蟹。ほぐした蟹の身に胡瓜を前後に置いて、カニみそジュレをたっぷり。
熱々の揚げ物はレンコン豆腐。豆腐というからには葛入りですな。表面サクサク、中はむっちり。

椿の絵柄の椀。つなぎを使わない蕪の底にアマダイ。崩れやすいけど甘味が加わった出汁が格別だ。
二本目は「礒自慢」。
お造りは、よこわとひらめ。昆布に頼らないイノシン酸たっぷりの旨味。こういう平目を食べると昆布〆などというのは、いい魚が入らなかった時や売れ残った時の次善の下処理でしかないと思える。昆布〆を有難がる客を見かけることがあるが、不思議でならない。熟成が一番。縁側は取り合いになって不公平になるから出さない、というから、賄いで食っているんでしょう。
和えものが、イカとわけぎ。主張する味がない柔らかい和え衣。好みです。
三本目は「黒龍」。ほのかな甘みが心地よく甘味に変わる。
コンロが運ばれてきて。蓋が閉めてある。湯気が吹きあがってくると取ってくれると、既に「肝」が出来上がっている。掬いあげてくれる。後は自由。シャブシャブしてコリコリのカワハギ。肝からして相当の大きさだったんでしょう。薄いお餅もしゃぶしゃぶ。カワハギとかアンコウとかでも、肝を最後に残すことが多いけど、最初に入れて、脂を鍋に溶かしだすことで旨みを出すという趣向。参考になります。肝は溶かしこんでもいいし、雑炊に混ぜ込んでも旨いし・・・・。
今日の定食は、ぶりの塩焼き。
皆さん来月の予約をして帰るので、負けずにしておく。


平成20年1月16日
晩ご飯には、畳屋町の「もめん」。今日もきっちり満席。そして2回転。
  • フグの焼き白子の柚子釜、湯葉、あんかけ
  • フグのお寿司
  • お椀が、鯛、蕪、玄米餅、鶯菜、木の芽
  • お造りが、マグロ、芽甘草、紫芽、撚り人参
  • 焼き物は、フグの一味焼き、ポン酢和え(てっぴ、三河、遠河)
  • 炊き合わせが、大根とひろうす、黄柚子
  • めざし定食、茶碗蒸し、香の物
  • デザートが、いちご、でこぽん、練乳羹
一本目の酒は「麒麟山」。
柚子カマに入った焼き白子、その下に湯葉。あんかけたっぷり溢れ返るほど。白子の旨みと塩焼きの塩梅がいい。

お寿司2貫。醤油に浸したおろしが天盛り。
宝船のお椀には、雑煮。焼いた玄米餅の清汁。正月だけに白味噌仕立てが続いていただけに、うれしい出汁。もう木の芽時。味のしみ込んだ蕪が美味しい。
お造りは、マグロ
二本目のお酒は「礒自慢
焼き物は、フグの中骨・アラ。一味唐辛子の効いた醤油でつけ焼き。辛いのに苦手なむちゃには丁度いい加減。ミノちゃん、加減ありがとう。壺壺でついてくるのがポン酢の和えもの。皮に近い部分全部。無駄なところが出ませんなぁ。
蓋つきの鍋仕立てで出てきた、炊き合わせ。大根とひろうす。この鍋は初めてかな。

ご飯は、「なんだ目刺かぁ!」という定食。どんなによくても目刺は目刺と思っちゃう。でも炊きたての白ご飯の甘味が際立つ目刺であった。対比するかのように優しい味の茶碗蒸しはウナギ入り。目刺を食べたのは、銀閣寺の草を喰う店以来かもしれない。
デザート。


平成19年12月13日
晩ご飯には、畳屋町の「もめん」。今日も満席。結局2回転。
  • カニ刺し
  • ゴマ豆腐の餅子揚げ
  • お椀が、蟹真蒸と焼餅、軸菜、黄ゆず
  • お寿司が鯛と赤身、生姜甘酢漬け
  • 焼き八寸に、アマダイ、銀杏。カニみそ・長いも短冊・蟹のほぐし身、子持ち昆布・カツオ節
  • 蕪の焚いたん、菊菜
  • 出汁巻き定食、味噌汁、香の物
  • 水菓子は、洋ナシ、イチゴ、練乳羹、黒豆
今日のお酒は、まず「麒麟山」から始まる。
12月は蟹のメニュー。先付けからカニ刺しと派手な演出。このおかげか12月は早くから予約いっぱい。わさび醤油。

お得意の白ゴマ豆腐の揚げ物。香ばしく揚がった衣の香り、ゴマの香り。
めでたい松のお椀は、蟹真蒸。身だくさんの白い真蒸。焼き目をつけた丸餅。
2本目は「礒自慢」。
握りのお寿司がである。鯛は握った後で塩が乗る。赤身は醤油を刷毛でぬって、そのまま頂く。
楓を散らした焼き物は、甘鯛。豆皿には子持ち昆布(珍しい)。琵琶の小皿は、ほぐした蟹に長いも、カニみそ、ニンジン、胡瓜を乗せたん。カニみそには柑橘がしぼってあるというのだが、使いすぎてカニみその味が弱い。
3本目は「黒龍」。いつもの流れ。
野菜が、蕪。先月の大根に続いての根菜。あっさりたかれた出汁は鯛の骨?菊菜に振りゆず。美味しい出汁できっちり飲む。

お得意の出汁巻き。コンロの欲で妙技を眺める。
「ゼネラル・レクラーク」だったか「ル・レクチェ」だったが定かでない洋ナシ。「あまおう」かもしれないイチゴ。練乳だったと思う杏仁豆腐みたいなん。


平成19年11月3日
晩ご飯には、畳屋町の「もめん」。きっと客を制限してのカウンターはゆったり。
  • 白子豆腐、生姜、アサツキ
  • 車海老のアラレ揚げ、イカのコノワタ和え、銀杏
  • 武蔵野碗には、白甘鯛と粟餅、軸菜、黄柚子
  • クエのお造り、芽ネギ、おろし
  • 大根の炊いたン
  • 牛肉と焼長芋の朴葉焼
  • 鰻の蒸し寿司、止め碗、香の物、
  • 水菓子が、ラフランスと柿
1本目は「鄙願」。
コクのある白子豆腐。
今月は先付けが2品あるといって出てきたのが、吹き寄せ風。車海老の揚げ物と、烏賊コノワタ。
2本目は「麒麟山」。
夕日にススキの武蔵野。蕪汁という碗には、白甘鯛の身と粟餅。蕪の甘味のミゾレ仕立て。軸菜の緑と黄柚子の黄色が鮮やかな碗。
今朝の番組「旅サラダ」で和歌山のクエが登場していたのだが、でたぁ!薄造りにアサツキを巻く。器に九谷長左の文字。
3本目に「磯自慢
立杭風の焼き物に大根の煮物。今年は貝柱の出汁だそうです。旨い煮汁で飲み干します。
インパクトのある牛肉の朴葉焼。長芋は既に焼き目が付いている。白味噌ベースという風情の色。味噌ガ変わった?と言うと、とぼけられたけど、以前のインパクトのある味噌が好きだったよ。
4本目が「黒龍」。
御飯たっぷりサービスの蒸し寿司。錦糸の色が濃いぃ。淡い酢加減の蒸し寿司。
デザートは、よく熟した洋梨に、固めが好きだという平種柿。


平成19年10月25日
晩ご飯には、畳屋町の「もめん」。先週から外観が変わっているのだが、気付かなかったので怒られる。それだけ馴染んでいるという事じゃないかな?
  • 車海老と帆立のリンゴ酢掛け、黒豆、枝豆、黄菊、振り柚子
  • 大輪の菊のお椀は、エビ真蒸と松茸、軸菜、黄柚子
  • イチョウの皿の向は、伊勢エビ
  • なすびの炊いたン、山芋掛け
  • アワビとアワビ茸の焼き物、肝味噌、スダチ
  • 御飯、サワラの味噌幽庵、みそ汁、香の物
  • 梨と葡萄
先ず「麒麟山」から。
菊の皿に、リンゴ酢掛けの先付け。車海老と帆立。甘酸っぱさが心地よい。
艶っぽい塗りの器と光を反射する出汁の表面が、見た目にも出汁の旨さを引き立てる風情。脂が浮かないと、本当に綺麗。ライティングも大切だ。少し黄味がかった真蒸は伊勢エビのミソ入り。海老真蒸は苦労の一品だそうで、なかなか思い通りのが出来ずに、献立に入れていなかったそうである。
2本目は「磯自慢」。
3連続のエビは、お造りでもでてくる。エビの触覚付きの盛り込み。

茄子の炊いた一品。あっさり炊いてあるが、出汁の旨さがしっかり染み込んでいる。箸で掴めるほどの山芋のおろし。出汁を絡ませるだけで山芋が十分旨い。

>焼き物がアワビ、四方皿ででてくる。アワビの下には、アワビ茸。醤油バターの香りが漂い、緑色の肝に味噌を絡めた黒い肝タレ。醤油バターで焼いただけでも十分旨いはずなのに、さらに味噌を絡めた肝タレがかかるのだから、言葉がない。

御飯のおかずは「サワラ」。お得意の味噌幽庵。
水菓子は、梨と葡萄。

毎週決まった日にランチに出かけるご主人だそうだが、そのネタにZAGGATを買ったという。その内容を見て、笑うやら、怒るやら。顔の広いご主人は、知り合いの店の評価が低い事にたいそうご立腹で、一通り見て投げ捨てたという。
はっきりとは言わないが、編集の方から、掲載の話があるようで、モニターがいなくてコメントが付いてない場合などは、お店の回答がそのまま掲載されるようだ。回答を無視する店も多いようだし、2000人とかいうモニターの舌が信用できないのだから、むちゃもアテにしていない。
相変わらず、海外からのお客さんが多いわりに、英語が上達しないスタッフ。「日本料理に興味を持てば自分で調べるから、無理に英語で訳さなくてもいい」といわれて、安心しているようだ。「そうだな」とむちゃも思ったわけです。


平成19年9月20日・木
晩ご飯には、心斎橋の「もめん」。
  • 先付けは白酢和え、千両茄子、車海老、柿、防風
  • 松茸と焼ハモの茶碗蒸し、三つ葉、スダチ
  • お造りは、鰹とアマテカレイ、鰹の皮、生姜醤油、ポン酢醤油
  • 茄子の煮浸し、茗荷
  • 焼き物には、きんきの塩焼き、銀杏、スダチ、ほうれん草とシメジのお浸し、イチジクと長芋
  • 御飯は、だし巻き定食、みそ汁、香の物
  • フルーツが、梨と巨峰
最初のお酒は「鄙願」。
いつもながら色合いのイイ組み合わせの先付けは、白酢和え。緑色の千両茄子が乗り、紅白のエビに橙色の柿。防風の濃い緑も綺麗な先付け。白酢の加減が旨い。
毎年のことだけど、お椀の替わりに、茶碗を使うから、茶碗蒸し。土瓶蒸しのように濃い味ではなくあくまで清汁。
2本目は「麒麟山」。美味しい酒だ。微かな甘味が旨味に変わって、スッキリした後味。料理に負けない強さもあってバランスが崩れない。
お造りは、灰色の釉薬に葡萄の絵皿に、鰹、アマテカレイ。鰹の色が素晴らしい。鰹は生姜醤油。カレイはポン酢。鰹の皮も焼かれて、おろし和え。
2つめの茄子は暖かい賀茂ナス。出汁の旨さが際だつ茄子。
調子よく3本目が「磯自慢」。
焼き物はキンキ。カマも入っていた。脂じんわり。柿の器に、シメジとほうれん草。これも出汁の旨いお浸し。長芋をさらして粘りを取ったのにイチジクを和えたもの。不思議な長芋。
リクエストの多い、出汁巻き定食。あまりに御飯が美味しく感じる今日の体調。お代わり。御飯だけでも食べられちゃうほどの旨さ。まだ新米でもないのに・・。ミノちゃん入魂の御飯だ。

いつもながら、常連さんと、食に関わる業界人とが集まるお店。


平成19年8月1日・水
文楽劇場近くのなじみの店がお休み(PLの花火見物?)だというので、晩ご飯には、「もめん」だ。2週つづけてだが、今日から8月のメニュー。

  • 毛ガニ、カニ味噌の加減酢ジュレ、玉子豆腐、三つ葉
  • 椀が焼鮎とにゅうめん、胡麻豆腐
  • お造りが、淡路のウニ、イカ
  • ザル豆腐、胡瓜、トマト、諸味味噌
  • 帆立貝焼、賀茂ナス、万願寺、味噌仕立て
  • 新サンマの腸焼定食、みそ汁、漬けもの
  • 桃・西瓜、ゼリー
一本目は「鄙願
酢の物の先付け。蓮の花。旬の毛ガニ。これから葉っぱのシーズンです。秋も里芋までズーッと。暑い日の最初の一皿目に口福な加減。さっぱりでもあり甘くもあり。
蓮の葉の柄の。3枚におろし焼いた鮎。にゅうめん。胡麻豆腐。振り柚子。
小さいけどウニ一箱。イカ。一つ頬張るごとに笑ってしまう旨さ。
2本目は「麒麟山
氷をいれたガラスの器に1/8のザル豆腐、胡瓜、トマト。味付けは、日本橋太源の諸味味噌。酒の肴に諸味がぴったり。
焼き物が帆立、味噌仕立ての焼ダレ。茄子と万願寺。旨い味噌だれ。
半身のサンマが腸焼。まだ苦味が少なくて腸の面白さが物足りない。今日も長生き。
先週のデザートに西瓜が入った。もうそろそろ桃もシーズンアウト?今月いっぱい持つかな?


平成19年7月27日・金
晩ご飯には、心斎橋まで足を伸ばして「もめん」だ。
1回転目のカウンターの端っこに席があるだけ。
  • えび、はも、おくら、梅肉ソース
  • 椀がひろうす、卵焼き、冬瓜、軸人参、軸菜、柚子
  • お造りが、あわび、肝醤油
  • 素麺、黄身
  • 揚げ物が、メイタカレイ、ししとう、エビの頭、ポン酢醤油、塩、すだち
  • 太刀魚のかば焼定食、みそ汁、漬けもの
  • 桃のリキュール漬け、ゼリー
福扇から変更したという「麒麟山」から。
ガラスの皿に梅肉を載せ、鱧のおとし、エビ、オクラ。花穂紫蘇を散らした涼しげな先付け。梅肉は出汁で伸ばして、鱧やエビに絡んでくる。申し訳なさそうにちょこんと梅肉が乗っているよりは、旨い。
蓋を取ると「天の川」の碗。金蒔絵だけでなく螺鈿も散る凝りよう。椀種はヒロウス
アワビの殻に盛られたアワビ。醤油には直前に肝の練ったのが添えられる。山葵は好み。
2本目は「黒龍」。
重箱に氷。その中に綺麗にそれられた素麺。黄身がちょこんと載って、楓。卵は半熟状に固まっているので、そうめんつゆの中でザックと砕く。白身がないので黄身の味が薄まらないし、卵が出汁を柔らかくするし、上手いこと考えてある仕事。素麺でお金を取るだけのある旨さ。むちゃは錦糸好きなので、お家では錦糸たっぷりで、ネギや茗荷を入れるだけ。お家では十分じゃん。
油ものが、メイタカレイ。流石にカレイの頭までは煎餅にしてくれないが、中骨煎餅はしっかり出てくる。塩が出てくると言うことは、出す前ニシオをしていないということだが、骨煎餅には、しなくて十分だと思います。身の方は、ポン酢、スダチ、塩。
御飯のおかずは、太刀魚。今年は土曜でも鰻を使わないそうである。太刀魚の皮がとっても上手い焼き加減。
デザートはグラスに桃。ゼリーで固めてある。


平成19年6月6日・水
晩ご飯に向かったのは、近くの「もめん」だ。
カウンターの左。目の前のコンロに卵焼き器がある。そうかそうか。
  • 伊勢エビの加減酢ジュレ、胡瓜、赤ピーマン
  • 椀に蒸しあわび、湯葉真蒸。ジュンサイ、蔓菜、輪柚子
  • お造りがマグロ、アマテカレイ
  • 鮎塩焼、とうもろこし、すだち
  • 鱧鍋には菊菜
  • だし巻き定食、おつけ物、みそ汁
  • マンゴ
お酒はまず「鄙願」。
備前風の焼き締めのさらに氷を敷いて、銀の器に伊勢エビ。なんだがこのところよく出てくる伊勢エビ。打ち粉もまぶした二色のジュレ。
浪に浮かぶ御所車の碗は、鱧ではなくてむっちりアワビ。ふっくら湯葉真蒸。甘さののこる出汁。
お造りは、マグロとアマテカレイ。山葵醤油とポン酢醤油。コリコリの弾力のカレイ。
2本目は「磯自慢」。
生きてる鮎を串に刺して、今月は塩焼き。塩味の鮎と、甘味のあるトウモロコシの天ぷらの対比がよろしいなぁ。
菊菜と鱧の皿が出てきて、がコンロに乗って出てくる。出汁だけ張った鍋に鱧を入れて、じっくり火を入れる。鱧の旨味が出汁に出て、残った出汁もご馳走。
御飯は、だし巻き。目の前でじっくり。
デザートは鹿児島のマンゴ。


平成19年5月8日・火
晩ご飯に向かったのは、近くの「もめん」だ。
急なキャンセルがあったようだが、そこそこ。
  • アワビと白ズイキの酢の物
  • 鯛、胡麻豆腐、素麺の碗。隠元、木の芽
  • アジのお寿司、生姜
  • ニシン茄子、茗荷
  • 稚鮎の天ぷら、揚げ空豆
  • マグロのお刺身定食、みそ汁、香の物
  • デザートは宮崎マンゴ
磯自慢」で始める。
立夏も過ぎ夏らしいグラスの器に、さっぱりズイキ。アワビも旨いのだが、柔らかな酢の加減が、口に合う。
お椀には鯛にゅうめんに胡麻豆腐。やっぱり出汁が際だつ。
お造りはなく、アジの握り一貫。ということは、今日は刺身定食だと分かる。強烈な生姜。メリハリのある味。汗が出ちゃう。
普段はない「満寿泉・純米大吟醸」があるというので頂いた。
ニシン茄子の出汁も美味。じんわり茄子に染み込んだ出汁がとにかく美味しい。コレばかりは、食べてみんと・・・。甘いようでくどくなく、濃いようで辛くなく、・・。にしんだって旨い。
目の前で串に刺さされる稚鮎5匹。串揚げ。もうしっかり苦い鮎。藻塩とすだち。
マグロの定食。
はやりの宮崎マンゴ。マンゴに檸檬をスクィーズ。
お客さんも少なく、早く帰れると思っているだろうから、長居せずにおいとま。


平成19年4月2日・月
晩ご飯は心斎橋の「もめん」。予約に一番に電話を入れたのが「日本橋」だったが、お休みということで、先週(もう先月)も来たばかりなんだが、こっちにした。なんとか隙間に入れてくれました。
今日から4月の献立。
  • ウスイ豆腐にウニと花山葵
  • お椀が、木耳真蒸の揚げたンとタケノコ、蕗、木の芽
  • お造りが、おこぜ
  • ホワイトアスパラ、ウスイ、こごみ、トマトのしらす和え
  • ワラビと牛肉の鍋、木の芽
  • ホウボウの焼魚定食。香の物、みそ汁
  • グレープフルーツ、ルビーのグレープフルーツ、
まず「鄙願」。
季節のウスイエンドウの豆腐。豆の香りたっぷり。ウニの甘味と葉ワサビの辛みがエエ塩梅。タケノコの甘味を引き立てる脂分である。
蓋を取ると裏は桜の花が散っている碗。うっすら脂の浮いた出汁には、揚げた真蒸とタケノコ
お造りが薄造りのオコゼ。他オコゼ一式。ポン酢醤油、紅葉おろし。
2杯目は「磯自慢
和え物が、しらす和え。美味しおす。今年は雁足じゃないのかな?
熱々のお鍋が出てきて、ワラビと牛肉。鍋から山椒の香りが馥郁と香る。
焼魚定食のホウボウは2色。醤油焼と白焼きの梅タレ。2匹分。
水物は、柑橘3種。2色のグループフルーツに、もう一つよく分からない。

最近はほとんど2回転。大変ご繁昌。


平成19年3月28日・水
晩ご飯に向かったのは、近くの「もめん」だ。
大にぎわいの3月の献立は
  • 帆立と赤貝の酢味噌和え、ワケギ、防風
  • 白魚の米粉揚げ
  • 椀が、鶏卵豆腐とハマグリ、若布、木の芽
  • お造りがひっさげとひらめ、菜の花、紫芽、ちり酢、醤油
  • ウルイのお浸し、炙ったバチコ
  • メバルの煮付けかわはぎ、白髪ネギ
  • サワラの味噌幽庵塩焼き、御飯、香の物、みそ汁
  • デザート(苺・デコポン)、練乳羹、黒豆
1本目は珍しく「鄙願」が出てきた。
唐津風の皿の底に柔らかな酢味噌が敷かれる。映える料理だこと。ツンツンした酸っぱさや辛みが目立つのは好みじゃないけど、ここのはぽってりした甘味を感じて好き。
揚げたてあつあつ白魚。香ばしい。
蓋の浦には、菜の花。鶏卵豆腐。開いて葛打ちしたハマグリ。
2本目は「磯自慢」。今日、お酒は抑え気味。
先月に引き続いての「ひっさげ」。マグロを使いたかったそうだが、出来が悪かったという。プラス平目だが、縁側なし。「目の前の箱の中にある縁側はまかない?」と突っ込みたくなるけど、他のお客さんもいるから、言えない言えない。帰るまで使ってないようだが・・・
あっさりお浸しを挟んで、
メバルの煮付け。ふっくら、3枚におろして中骨以外を盛りつけて、一匹分。
御飯定食は、お得意の味噌幽庵の焼魚定食。ふっくら御飯。
あれぇ、先月と同じ(?とっ言っても先週だけど)フルーツ。


平成19年2月20・火
晩ご飯に向かったのは、近くの「もめん」だ。
空いているなと思ったら、8時半から団体さんでいっぱいになった。2月のメニューは
  • カニ・カニ味噌の酢ゼリー、長芋、胡瓜、防風、
  • 白子豆腐の米粉揚げ
  • 椀が、蕪蒸し(甘鯛とおろし蕪)、ウグイス菜、振り柚子
  • お造りがひっさげ
  • ワケギと鳥貝のぬた和え
  • 小鍋仕立ての、かわはぎ、肝、ネギ、白菜、お餅
  • ブリの塩焼き、御飯、香の物、みそ汁
  • デザート(苺・デコポン)、練乳羹、黒豆
珍しく高精白の大吟醸は「吉乃川」。
先付けが松葉蟹。ほぐした蟹の身に胡瓜を前後に置いて、ジュレをたっぷり。蟹味噌のジュレを手前に長芋の短冊と防風を置いて出来上がり。
熱々の揚げ物。目の前に燗用の鉄瓶とガスコンロがあるせいか、ぽかぽか、じんわり汗ばむ。
某店で蕪蒸しにはなんで木耳を入れるか?と話題にしたことがあるのだが、なくても全然平気なんだという見本のような椀。椿の絵柄。つなぎを使わない蕪は崩れやすいけど甘味が加わった出汁が格別だ。食べるに連れ甘鯛の塩味を加わって、複雑。
ここからいつもの「磯自慢」。
お造りは、ひっさげ。きれいな色。美味しい色をしている。
和え物は、赤貝、ワケギ。酸味をほとんど感じない柔らかい優しい和え衣。緑釉とワケギの緑と黄身酢の黄色が春めいてとっても綺麗。トッピングは大根に紫芽。
3本目は「黒龍」。
折敷の上に鍋の具材が出てくる。蓋を閉じたコンロも出てくる。ちょっと待ってくださいというので待っていると、蓋を取ってくれる。中には、既に肝が食べ頃になっている。やっぱり肝は旨い。火を通して丸めた白菜、白ネギ。切り身のカワハギは、しっかり熱を通して食べる。
カワハギの下敷きになっていたのはスライスされた餅が2枚。薄いお餅は鍋に入れると、すぐにとろけてくる。ちょっとびっくり。早く引き上げないと、溶けちゃうほど。上手いこと考えてあります。
デザートはデコポンにイチゴ。アクセントの色合いに黒豆、白い練乳羹。
遅いお客さんで満席になったので、早々にお邪魔して帰る。チャビホビのBLOGは宣伝効果抜群で、外国人は増えたそうである。


平成19年1月16日・火
晩ご飯に向かったのは、シンガポールじゃ話題の「もめん」だ。
  • 焼いた河豚の白子と湯葉のあんかけ、柚子釜
  • 鯛の握り鮨
  • お椀が、ひろうす(クルマ・百合根)、焼玄米餅、長ひじき、大根、人参、木の芽
  • ブリのお造り、山葵、辛み大根
  • 蕪の炊いたン、菊菜
  • 焼河豚、てっぴ、三河、遠河のポン酢
  • だし巻き定食、みそ汁、漬け物
  • デザートは、イチゴ、デコポン、練乳羹
今日は「天水」というのんを出してくれはります。(追記:四天王寺の水を使った酒のようだ)
暖かいあんかけの下に焼白子、柚子釜の底には湯葉。
時々出てくる握ったお寿司で、今日は「鯛」。
宝船のお椀は、でっかいヒロウス。箸を入れると脂がさっと広がって、旨味も広がる。秋から冬にかけて出てくる焼いた餅も今月は玄餅米。香ばしい。
お造りは氷見の寒ブリ。辛み大根と山葵が付いてくるけど、山葵の方が好きだぁ。
2本目は「磯自慢」。打ち止め。
ご自慢の蕪の炊いたンは、鯛の出汁。身はお寿司で、骨は出汁と、いう使い方です。
河豚の身の方は、焼き物ででる。塩焼き?酒焼?(聞くの忘れた)。えらの皮の部分をくれたけど、とろんとして旨い。
芸術品のだし巻き。マジシャン並の手際。(ちょっとこぼしたりしてるけど)
最後はフルーツ。


2006年12月14日・木
晩ご飯に「畳屋町」へ向かう。
満席の上に、困ったことにシンガポールからのお客さんを隣にしてくれる。
  • カニ刺し
  • 胡麻豆腐の揚げ物、アラレ揚げ
  • お椀が、カニ真蒸と焼き餅、ウグイス菜、松葉柚子
  • 八寸が、カニ味噌、子持ち昆布、海老、からすみ大根、カマスの塩焼き、慈姑チップ
  • 大根の炊いたん、振り柚子
  • 鮭の味噌幽庵焼、御飯、香の物
  • レクチュア、あまおう、練乳羹、黒豆
いつもの順番通りに酒が出てくる。まず「福扇」。
すだれの上に松葉の生のカニ足2本分。山葵と醤油。
おなじみの揚げ物は「白ごま豆腐の揚げ物」が一個。たったの一個だが、侮れない一個。アラレをまぶした表面はポリポリ、中はむっちりと食感がいい。
順番通りに2本目は「磯自慢」。
お椀の裏側には「松」。蟹いっぱいを使い切る今月の献立の椀種はカニ真蒸。ほぐしたカニの身がざくざく。焼いた餅とはいえ、箸で割れるのは、搗き立てだからか?
八寸にもカニで、函の中のつぼつぼには「カニ味噌」。酢、出汁、生姜の塩梅がいい。昆布は英語でKOMBUで通じるのかな?カニ味噌?慈姑?からすみ?こっちに振らないでくれぇ!
順番通りに3本目は「黒龍」。
大根煮き。出汁は貝柱が加わっているそうだ。美味しい出汁は飲み干す。しかし大根一個を堂々と出してくるのだから、すごみがある。おでん屋で「大根」を注文して出てくる姿は同じだが、全く違う「美味しさ」の裏にあるモノを理解できるのは、簡単ではない。慣れてない客が「大根か?」と思ってしまったら、単に「美味しい」だけに終わってしまって、有り難みも糞もなくなってしまうところなのだが、それでも「大根」は「だいこん」として出してくるし、「蕪」も「かぶ」なんだ。油断のならない親父だ。
焼き魚の定食。魚の鮭はお得意の味噌幽庵漬け。
水菓子。

お隣に来たシンガポーリアンなカップルの男性は「フード・ブロギング」「エディショナル・サービス」「フォトグラファー」というカードを貰ったが、フードライターというてはりました。メモも取っているし、デジタル一眼レフだ!以前シンガポールの新聞に寄稿したライターさんの紹介ということで、あちらでは有名店になっているようですな。だったらNOVAにでも通っておきましょう!


2006年11月13日・月
晩ご飯に予約していた、ゆり工房さんのwebに掲載されている料理店の一つである「畳屋町の料理屋」へ急ぐ。
  • 白子豆腐、紅葉おろし、アサツキ
  • 八寸は、イカの海鼠腸和え、車の餅粉上げ、松葉銀杏、
  • お椀が、蕪汁、甘鯛と粟餅
  • お造りは、クエ、マグロ、ポン酢と山葵醤油
  • ほうれん草とヤマブナシメジのお浸し
  • 牛肉の朴葉味噌焼、焼いた長芋、白髪ネギ
  • 鰻の蒸し寿司・柴漬け入りの錦糸盛り、漬け物、みそ汁
  • デザートは洋梨、柿
お酒は「福扇」。もちろん冷酒で、ガラスなんだが、燗用の徳利はちゃんと「ゆ」マークの「岩石」である。
白子豆腐は、クリームチーズのような味わい。葛とかの混じりっけなしの100%白子だそうだ。
八寸めいたのは、海老の餅粉揚げ。足も尻尾もぱりぱりと食べる。壺壺の容器にイカでコノワタ和え。
2本目は「磯自慢」。
月に芒の椀は、蕪汁。出汁に蕪の甘味が加わって美味。皮を炙った甘鯛と焼いた粟餅。粟、黍、栃、粳と順々に変わっていくはず。
お造りは、マグロにクエ。ちゃんと毎日コンスタントにクエが入るようだ。ご立派。クエはポン酢醤油+おろし+アサツキ。
三本目は「黒龍」。わずかながら老ねたような香り。残念。
お浸しが、ほうれん草とシメジ。菊菜じゃないし、舌がおかしくない限り酢の物とは・・・。。
焼き物が「朴葉焼」。その日の内で一番良いところを持って来るという牛肉は「信州」?「松阪」?甘味のある味噌だれは味醂?秘伝の味噌だれ。素晴らしいサシ。肉の傍らに焼いた長芋が一緒。
今日の御飯が「蒸し寿司」。刻んだ鰻と柴漬け、たっぷりの錦糸。今度「穴子」バージョンを作ってもらおう!おう!
デザートがフルーツ。


2006年10月20日・金
晩ご飯に予約していた「畳屋町の料理屋」へ急ぐ。
今日のお客は遅くからのようで、まだ一組だけ。
11月は
  • 帆立と車のリンゴ酢和え、黒豆、枝豆、もってのほか
  • 松茸の握り寿司
  • お椀が、松茸と焼き湯葉真蒸、軸三つ葉
  • お造りが、マグロと鯛、醤油とポン醤油
  • 焼き茄子のとろろ掛け
  • 白甘鯛の塩焼き、ムカゴの餅子揚げ、銀杏、長芋とんぶり、スダチ
  • サワラの味噌幽庵焼き、ご飯、味噌汁、漬け物
  • ピオーネ、南水
いつもの順番で「鄙願」から出る。
摺りリンゴをふんだんに使った酢の物。スプーン付き。
お馴染みの焼き松茸のスライスで握ったお寿司。柿色の釉薬の綺麗な葉皿。塩とスダチが載っているので、そのまま食べる。
松茸には、ちょっと脂が無いと香りが立たないと言うことで、鱧を使うのだという理。今日はその脂分を、揚げた湯葉真蒸で補ったと、聞こえてくる。キノコ類全般に道理と思いますな。
2本目は「〆張月」。
お造りはマグロと鯛。中トロにあたるかな。とっても綺麗な色。
今年の焼き茄子はジネンジョとろろが掛かっている。冷製の煮浸し。
急かされて、注文してしまった3本目「黒龍」。
柿の葉、銀杏、楓で飾られた焼き物が「甘鯛」。
今日の定食は「サワラの味噌幽庵」。

2006年9月26日・火
夕ご飯は畳屋町の「御料理屋」にした。今日も満席、ご繁昌。
献立は
  • 海老と茄子と柿と銀杏の白酢和え。
  • ウニのにぎり鮨
  • お椀は茶器で焼鱧と松茸、ミツバ
  • お造りは戻り鰹、長芋
  • 加茂茄子の炊いたん、茗荷
  • 焼き物はキンキ、トウモロコシの揚げ物、揚げ栗、シメジと青菜のお浸し
  • 出汁巻き定食
  • 二十世紀とピオーネ
お酒は「福扇」。
秋めいた色の橙色が加わる先付け。胡麻と生湯葉の白酢和え。白味噌なんか使われてはおりません。
今月も淡路のウニ。もう漁期も終わりだ。にぎりめしの上に山葵、ウニを乗せてスダチ。そのまま頂くように言われる。付け合わせが生姜の甘酢。
茶碗に松茸と焼き目の鱧。以前は木の葉で蓋をしていたはずだが、今年は輪島の塗りの蓋を作ったという。土ものの器に漆器の蓋というのは、エエンでしょうか?
2合目が「鄙願」。
お造りは、戻りカツオ。摺り生姜で食べる。紅蓼、花穂紫蘇。皮は焼いておろしポン酢で和えて出てくる。
野菜が賀茂ナスの炊いたん。しっかりとした賀茂ナスの食感が残っているのは、ええ仕事。
焼き物はキンキ。カマが当たった。ありがとうさん。栗は渋皮付きだけど、渋皮を付けるために渋を抜く手間が入る。ごちそうさん。口に入れるとジュワッと果汁がほとばしるトウモロコシ。甘くて美味。焼魚の付け合わせだからといって手を抜いていません。
人気者のだし巻き定食。京都の錦やら著名な卵焼き屋さんはあるけれど、料理屋のと総菜屋さんとの違いは、にじみ出してくる熱々の出汁ですな。しかも、普段はお造りぐらいしかカウンターで腕を披露しないご主人も、卵焼きだけは、目の前で焼き上げて熱々が出てくる。このときコンロの横の席が最上席だ。ほれぼれしちゃうよ。
載せないでおこうと思ったけど、写真がある方がメリハリが出る気がする。
水物が、梨と葡萄。


2006年8月31日
夕ご飯は心斎橋筋・裏手の「御料理屋」にした。8月のメニューも今日が最後だから、滑り込み。
  • 蓮の葉に盛られた、玉子豆腐に毛ガニ、カニ味噌の酢ゼリー
  • 鱧真蒸、冬瓜のスライス、バチコ、若布の椀
  • お造りが、淡路のウニ、イカ
  • そうめん、胡麻玉子
  • 鮑、賀茂茄子の味噌焼き、肝入り
  • サンマの腸焼き定食、お漬け物、豆腐のみそ汁
  • 白桃のジュレ掛け、ミント
お酒は「鄙願」。「酒は百薬の長」ともいい、美味しいものを食べる時には、お酒を呑むのは「世のならひ」。無理をすると、ストレスが毒になります。
先付けは「蓮」、いやいや蓮の葉を器にして、玉子豆腐、ほぐした毛ガニ、そして酢のジュレと蟹味噌のジュレと2種類を流した酢の物仕立て。控えている酒が進んじゃいますがな。
夏向きの浅い椀には、鱧の真蒸。冬瓜のスライスが載って、炙ったバチコ。昆布の香りが活きた出汁。
お造りが、小さい箱ごと淡路・由良のウニ。烏賊もたっぷり。甘〜いウニ。
奈良・山本の素麺「白龍」。卵は黄身だけ。
2本目のお酒は「黒龍」。
鮑の殻を器にして、賀茂ナスと鮑を味噌で焼く。鮑は2ヶ月続きで、この焼き物は2年ぶり。
ごはんは、サンマ定食。サンマは3枚におろして、腸を使った醤油で漬け込んであるが、苦味が全くない。大変素晴らしい仕事だ。相変わらずのモチモチのごはん。日本の秋の定食の定番だ。
グラスに白桃、ゼリー掛け。ゼリーの甘さが抑え気味だったが、白桃が際だつ甘さ。


2006年7月22日
夕ご飯は「和食」にした。今日は、空席がちらほら。珍しいこともある。
  • えび、はも、だつ、おくら、梅肉ソース
  • 椀が鮎にゅうめん、胡麻豆腐
  • お造りが、あわび、肝醤油
  • ザル豆腐、胡瓜、トマト、もろみ
  • 揚げ物が、メイタカレイ、ししとう、ポン酢醤油、塩、すだち
  • 鰻定食、みそ汁、漬け物
  • 宮崎マンゴ
お酒は「福扇」。「世のならひ」ではあるが、1本で留める。しばらくデトックスで自粛制限。
銀のお皿。涼しげな梅肉のソースを敷く。記憶に残る梅肉のお味。
今年初めてという、天の川の蒔絵の椀。北斗七星を加えたというオリジナルの椀に、焼鮎にゅうめん。
お造りは鮑。生鮑のくせに柔らかくてムチッとした部分と、コリコリとした部分とが同時に渾然一体となった味わい。その上、肝も溶かし込んだ醤油が旨い出来だ。
備前風の深鉢に、ザル豆腐1/8、トマト、胡瓜を盛り込んで、氷で冷やす。小皿に「もろみ」。
揚げ物は「す揚げ」。骨せんべいもでる。むちゃはポン酢醤油の方が好みだ。
土用と言うからではないが「鰻定食」。鳴門産。中国産は値上がりしているようだが、国産は影響なしということです。ごはんがちょっと柔らかい。
最後はマンゴ。

気付かなかったのだが、ご主人が「禁煙にした」と言っていた。そういえばそうだなと気付いた。客層も随分と変わったし、エエ店になってきました。マスコミに出ないと言うことが、客の差別化になって成功した例になれば、これからこういうお店も増えてくるかもしれない。それでも今までやって来た長い経験と信用があってのことだけれど・・。


2006年6月5日・月
晩ご飯は、畳屋筋の「もめん」。
  • 炙ったホタテと鮑に加減酢ジュレ、胡瓜、赤ピーマン
  • 椀にひろうす、ふき、若布
  • お造りがアマテカレイ、いか
  • 鮎塩焼、とうもろこし、すだち
  • 鱧しゃぶには菊菜、すだち
  • 太刀魚の付け焼きと白ごはん、おつけ物、みそ汁
  • マンゴ
鄙願」からでる。
暖かい帆立と蒸し鮑にジュレで盛りつけ。お箸では食べにくいぞ。肝もちょっぴり。
椀の内側と蓋の裏一面に描かれた「浪に御所車」。ご立派。口に含むとさわやかさを感じる吸い地。徐々に旨味に変わってくる。ヒロウスというのは食べるに連れて出汁が濁ってくる。ヘタッピ。
焼き締めの黒っぽい皿に大葉を敷いて盛りつけられるカレイと烏賊。色にメリハリがあって見せ方が上手い。肝心の魚がダメならしょうがないけど、ハズレがありません。カレイはポン酢、烏賊は山葵。花穂紫蘇が散らしてあるけど、丁寧すぎ?
2本目は「磯自慢」がでてきた。
鮎はまだ稚鮎で、骨まで食う。むちゃは尻尾から頂くタイプ。どちらが正しいというのはないと思うけど、「冷めやすい部分から食べる」、「美味しい苦味の部分を後に残す」、「背骨の硬さを確認しつつ頭を食べるかどうかを考える」という勝手な理由。塩焼きとトウモロコシの甘味の組み合わせがいいですなぁ。
悩みつつも、3本目は「黒龍」だ。
コンロが出てきて、小鍋仕立ての、鱧しゃぶ。鍋の出汁を沸騰させない火加減は、出汁を煮詰まらせないという理由でしょうか?最後まで美味しく頂く工夫をしてあります。鱧を入れ、身が白く色づき丸まって、また数秒。やんわり熱が通った頃が美味しいようで・・。ちり酢で頂く。余分な野菜もなく、菊菜だけ。残った出汁は器に取ってスダチで呑む。鱧の旨味とスダチの香りだけど、鍋を沸かさない理由はここで理解できるわけですな。
ごはんには太刀魚の焼き物。幽庵かな?身の厚い太刀魚が立派。焼き物だと塩焼きなんでしょうが、ごはんのおかずならではの下ごしらえ、なんだと今日気が付いた。食べている時は美味しいだけであまり考えていないんだけど、後で振り返ると、心配りが感じられるのです。
水物はマンゴ。


2006年5月8日・月
晩ご飯は「もめん」。
5月の献立は
  • 白ズイキとアワビ・肝、振り柚子
  • 椀が鯛にゅうめん、ごま豆腐、わらび、木の芽
  • 伊勢エビのお造り、
  • にしんナス、針しょうが
  • 稚鮎の天ぷら、空豆、塩、レモン、蓼の葉
  • だし巻き定食
  • 水菓子(メロン、マンゴ))
で、お酒は「鄙願」。
氷に笹を敷いた上にガラスの器。加減酢を張り、しっとりズイキと柔らか鮑。素材に含ませた出汁の味わいが格別。淡いながらも深みがある。
椀が鯛にゅうめん。去年の素麺は極細だったから、比べて「今年はヤスモン?」と言ったら機嫌を害した。
ほんのり朱色に色づいた身の伊勢エビ。シンプルに伊勢エビだけ。コリコリよりネットリむっちり。
2本目は「黒龍」。
小鉢でニシン茄子。ここでは初めてかな。以前は定番としていたという。実に淡泊であっさりしているが、先付け同様にしっかり出汁が感じられる。ニシン臭さなど微塵もない。おばんざいのそれとは異なる料理屋の仕事だ。こんなにお上品なニシン茄子は始めてだ。
稚鮎は鮎の下半分にパン粉を付けたフライ。揚げる前に踊りに串を打ってあげるのは割烹ならでは。せこせこせずに5匹。蓼も食うむちゃ
久しぶりのだし巻き定食がごはん。今日はコンロ側に座っていないので、手練れの技は見られず残念。
高そうな味わいのマンゴと熟れたメロン。


2006年4月7日
晩ご飯は、畳屋町の「もめん」。
4月の献立。
  • ウスイ豆腐、海胆、花ワサビ
  • 椀が、帆立真蒸、タケノコ、細切りの山ウド、木の芽
  • オコゼのお造り
  • フルーツトマト、うるい、白アスパラ、雁足のしらす和え
  • 小鍋仕立てで、お肉とワラビ、木の芽
  • はたはたの照り焼き、白焼き梅タレ、ごはん、みそ汁、受けもの
  • フルーツが、いちご、清美、練乳寒天
いつものように「福泉」から始まる。
唐津風の器に緑色と橙色とが映える。山葵に辛さで海胆の甘さが引き立つ。
ここのお椀は、外見はシンプルでも蓋の裏は季節の柄。今月は桜。真蒸の上に乗っていたのはウドらしい。
いつもは3杯目に出てくる「黒龍」が2本目。
今日のお造りはオコゼ。肝と皮。ぷりぷりの皮は美味しいけれど、何でも最初に食べて人は勇気が要るなぁ。ポン酢醤油。
和え物。トマトは高知。
3本目の「室町時代」という40%精米の大吟醸は岡山のお酒。たまにはいつもにない違うのも出てくる。主人は「美味しすぎる」というけれど、「美味しい料理には美味しいお酒」というのが心情。
今年も肉鍋。グツグツで運ばれてくる。
最後はハタハタの焼き魚定食。メニューを思い起こせば、昨年と同じだったね。
先週から新しく西岡君が入っている。まだ名前を覚えて貰っていないようである。まだおっかなびっくりという感じだ。
後から、2回転目でシンガポールのお客さん。不幸にして隣り合わせるお客が通訳をやらされる。反対側のむちゃはきいて笑っていた。まだ新聞を持ってくるのだった。「グローバル」。今度から英語の予習だけして食べに来なくちゃイケナイ。
お暇しようとトイレに入っていたら、こんな時間に予約も無しにやってくるお客が来た。席に戻ってみたら、コルビちゃんだったよ。品がないので、お酒だけ飲んで帰って行ったけど「グローバル」

2006年3月8日
晩ご飯は「御料理・もめん」。むちゃの席を残して満席。空堀の昆布屋さんも。今日は一部3回転!
  • 赤貝、タイラギ、ワケギ、わらびに酢味噌、防風
  • 白魚のアラレ揚げ
  • ハマグリ、鶏卵豆腐、若布の椀、木の芽
  • お造りが、トリ貝、鯛
  • ウルイのお浸し、ばちこ
  • メバルの炊いたん、木の芽
  • 鮭の味噌幽庵焼定食
  • 水菓子が、黒豆、練乳プリン、デコポン、苺
いつも通り「鄙願」から。
酒のあてになってしまう「酢みそ」だ。タイラギがとってもいい塩梅だ。
天ぷらを食ったら、もう酒が無くなる。
いつも順番通り「〆張鶴」。
裏に菜種の絵柄の椀。木の芽の香りが高い。葛打ちのハマグリ。玉子豆腐かと思ったら、鶏卵豆腐と訂正された。濃厚な玉子の味。
お造りが、加太の鯛。醤油とポン酢がでる。
箸休めは、お浸し。炙ったバチコ。
3本目が「黒龍」。
煮魚が旬の黒メバル、一匹分。白髪ネギに木の芽。タケノコは来月だ。きっちり呑み切った。
定食は、お得意の味噌幽庵仕込みの鮭。

バイトの佐藤君は今月いっぱい。ここで修業すればいいのに、病院給食を作るそうだ。勿体ないとは、学校の先生もいってるようです。


2006年2月13日
夕ご飯は、畳屋の「もめん」へ。隣は豊中の日本料理屋の若い子のようだ。デジカメっているので、嬉しくなる。フラッシュ焚いてもエエよ!
今月の献立は
  • カニ・カニ味噌の酢ゼリー、長芋、防風、
  • 椀が、鯛、おろした蕪、ウグイス菜、振り柚子
  • お造りがひっさげ
  • ワケギと鳥貝のぬた和え
  • 白子豆腐
  • 伊勢エビの天ぷら
  • 蒸し寿司、香の物、みそ汁
  • デザート(苺・デコポン)
まず〆張鶴がでる。
ほぐしたカニの身、酢ゼリーを掛ける。味噌を乗せる、長芋、防風。
蓋を取ると紅椿の椀。葛を引いた椀は、鯛とおろした蕪。鯛の滋味広がる出汁だ。単純な色だが、なんと鮮やかなことだろう。
2本目は鄙願
お造りには「ひっさげ」。ワラビがあしらい。
ぬた。作り置きなんかではなく、ちゃんと客のすすみ具合を見て和え始める。当然といえば当然なんですけどね。
調子が良いので3本目。黒龍
白子豆腐は、ちゃんと「フグ」。卵白で固めていると・・聞こえていたけど、白子の味わいが濃い。際だつ味。雲子ではこの味は出ませんなぁ。ポン酢醤油。
今年の伊勢海老は天ぷらになった。藻塩。スダチ。頭はどこへ行ったんでしょう?最後に赤出汁で出してくれたら、満点だが。
今月のごはんは、鰻の蒸し寿司。温寿司ともいいますな。錦糸たっぷりが嬉しい丼だ。甘酢の生姜が錦糸の下に隠れている。具は鰻だけのシンプルさ。

朝日新聞につづいて、シンガポールの新聞に「カハラ」さんと並んで裏1面に顔出しで掲載された。写真では「カハラ」さんより上のレイアウトされている。今後東南アジア系の、富裕層がカウンターを占めるようになるかもしれない。ちょっと怖い。


2006年1月13日
晩ご飯は畳屋町の「もめん」。
  • フグ白子と湯葉の柚子釜
  • 八寸が、馬面はげの肝和え、カマンベールのアラレ揚げ、数の子、慈姑チップ、ちしゃとう、味噌漬け玉子
  • 椀が、玄米餅、鯛、蕪、ウグイス菜
  • お造りがブリ、ワサビ、辛み大根、芽甘草
  • 菜の花の芥子和え
  • フグの醤油焼、皮・遠江
  • 出汁巻定食、みそ汁、香の物
  • デコポン、イチゴ
一本目は「福扇」。おきまりの順番。
焼いた白子に湯葉をいれて、あんかけ。
塗りの折り箱。はげの身に、貝割れを載せて、肝の和え衣。酸味のある衣は一仕事してあるんでしょう。でも、水が浮いたようなハゲに、肝の旨味が目減りしたような印象で感心できなかった。
帆掛けの宝船の椀。月替わりに餅を変えて出てくる椀種。鯛も蕪もいいけど、出汁にはいつも感心。
今日は2本と言えば「黒龍」が出る。
お造りはブリの一本勝負。口の中で脂が溶け始めるとブリの甘い香りが広がる。きりっと辛み大根も好き。
緑が眩しいほど、ええ色した菜の花。
醤油の芳ばしい香りのフグの焼き物。スダチ。
人気者の「だし巻き定食」。実にエエ加減な巻き方なんだが、簀巻きの威力抜群。きっちり綺麗に出来上がる。じんわり出汁がしみ出してくる。今日はちょこっとコンロを汚したりしているご愛敬。


2005年12月14日
夕ご飯は「畳屋」。
  • 白子豆腐の蕪餡
  • 八寸が、イカのウルカ和え、子持ち昆布、車のアラレ揚げ
  • 椀は、揚げ湯葉真蒸、粳餅、ひじき、松葉の黄柚子
  • お造りがクエ、防風、撚り人参
  • 宮崎牛の朴葉焼、長芋、ネギ
  • 大根の炊いたん
  • サワラの味噌幽庵焼き定食
  • デザートが、イチゴ、南水、練乳羮
一杯目は「福扇」。いつも通り。
むっちり豆腐に鰹の出汁の効いたあんかけ。薫り高い出汁。柚子の風味。
揚げたてサクサクの揚げ物。塩加減もばっちりでえびの甘味との塩梅も素晴らしい。いかに和えたウルカは塩を押さえた味わい。
磯自慢」というのもいつも流れ。
椀の蓋裏に松。枯れた色合いの椀種は揚げた茶色の真蒸に、黒いひじき。白い粳米を混ぜた焼き餅に黄柚子と侘びた色合い。
お造りがクエの薄造り。紅葉おろし。ポン酢。
飛騨コンロを使った朴葉で牛肉。味噌は甘いが、いつもよりコクが足りない感じ。焼き目を付けた長芋と白髪ネギ。
黒龍」を注文してしまう。
スーパー大根。出汁の美味しさを感じる野菜の炊いたん。振り柚子。
隠し酒を頂きつつ、フルーツを食べる。


2005年11月5日
夕御飯は「畳屋」。カウンターは満席で10人。今日はいつも逆の端っこ。
  • カニ刺し
  • ごま豆腐のあられ揚げ
  • 椀がカニ真蒸と粟餅、軸菜、黄柚子
  • 大間のマグロの握り寿司
  • 八寸が、カニミソと長芋、帆立にウニを乗せて焼いたん、唐墨大根
  • 蕪の炊いたん
  • 鰤の塩焼き定食
  • ラ・フランス
最初はいつも通りの「福扇」。
11月は「かに」。甘いカニ。山葵と醤油。見栄えがする。
続いて暖かい揚げ物。「とんど」でもお馴染みの「胡麻の揚げ物」。
お酒は「磯自慢」に変わる。
蓋を取ると「武蔵野」の柄。見るからにカニの身の色をした真蒸に、お得意の「お餅」だ。香ばしく焼き目が入る。
今月もお寿司。カニ刺しで醤油を使ったので、マグロには「とんぶりのおろしと和えたん」が載る。お造りがないと聞くと、最初のカニがお造りで、醤油を使う品は2ッ出さないと言う。カニ刺しは「先付け」の意味合いではないと言うことだそうで、まだまだ、むちゃも素人。トンチンカンな事だ。まだまだ知らないことは多い。
3本目は「黒龍
3種盛り合わせの八寸。カニミソはいろいろ合わせているとか言って教えてくれないが、まだちょっとコクが不足している感じ。さっぱりして香りも乏しい。
お馴染みの蕪の炊いたンも登場。蕪だけ。降り柚子。
今日の定食は「鰤の塩焼き」に「おろし」。小皿にたっぷり「おろし」が添えられている。
水菓子が「用無し」。というからそう書いておく。オヤジギャグ。

今日は「かに」「かぶ」「ぶり」と冬の走り。でも、まだまだ暖かい日だった。


2005年10月17日
夕御飯は「畳屋町」。もうご飯を食べている先客の他、カウンターは誰もいない。と言っている間に満席。
ほとんど同じペースで進むので、段取りは楽?
  • 焼き目帆立、蒸しクルマ、摺った林檎、枝豆、黒豆
  • 茶碗仕立ての吸い物、松茸、焼き目鱧、三つ葉
  • お造りが、ひらめ、ポン酢醤油
  • 松茸のお寿司
  • 茄子の炊いたん、茗荷
  • 焼き物の八寸には、甘鯛、揚げむかご、揚げ栗、長芋いちじく
  • 合鴨の卵とじ(玉葱、麩)、ごはん、香の物
  • デザートが柿、ピオーネ
まず「福扇」をだしてくる。
先付けは酢の物としての摺った林檎に酢で加減したもの。エビも帆立も暖かい状態。林檎の果実的な甘味が抑えられた酢の加減。
この季節にでてくる、湯飲み茶碗の「お椀」。蓋は「柿の葉」。鱧は焼いて一工夫。
磯自慢」が出てくる。
お造りがヒラメ。山葵でなくポン酢醤油だ。あしらいには、防風、より人参。
蒸した松茸のスライスを、板前で握る。スダチと降り柚子で味を加える。松茸が見た目にも印象に残る効果?。時々「にぎり」が出るけど、寿司職人じゃないので、見た目はばらつきがあるようだ。試行錯誤の味付けなんだそうだ。
煮物が茄子。トロンとした食感の茄子。「茄子がええんでしょうねぇ」と言ったら不機嫌になった。煮含ませた出汁と言い、炊き具合と言い美味しい茄子。炊き合わせにしないところに、意気を感じられる一品。
もう料理も最後に近いし、お酒はいいかと思っているのに「黒龍」を通されてしまった。
珍しく飾りの多い焼き物は甘鯛。葉っぱで隠れて甘鯛が見えない。八寸とは言い難いかな。あられで揚げたムカゴや、渋皮ごと揚げた栗があしらい。
最後のご飯は、柳川風の鍋に鴨の卵とじだ。ミノちゃんがよそったご飯が山盛り。残すの悔しいから食べるけど、多い。ちょっと出汁が薄いけど、ご飯に移して丼にしたいのはどなた様も一緒のようだ。


2005年9月10日
夕御飯の「畳屋町」に向かう。今日は
  • エビ、茄子、柿の白酢和え
  • 椀が、松茸、軸菜、鱧寄せ、輪柚子
  • お造りが、かつお
  • ウニのおすし
  • 焼き物は、きんき、トウモロコシの掻き揚げ、銀杏
  • シメジと小松菜のお浸し
  • 太刀魚(味噌幽庵)の焼き魚定食
  • デザートに幸水に巨峰
お酒は「福扇」から出る。たっぷりの和え衣の上に茄子と車に丸に抜いた柿。
一見普通の黒塗りの椀だが蓋の裏側には大輪の菊。鱧の刻んだんを玉子やすり身でまとめた「寄せ」に松茸
2本目が「磯自慢」。
秋とは思えない綺麗な赤身の鰹。生姜。もう一品は鰹の皮に少し身が付いたんを炙って、タタキ風土佐酢。
酢飯を握ってウニを乗せる。とんぶりをトッピングして1貫。
焼き締めた四方鉢にキンキの焼き物。付け合わせがトウモロコシの掻き揚げ。最近はカウンター横のコンロは使うことが無く、揚げ物も奥でミノちゃんが籠もりっきりで仕上げている。
「(多分)黒龍」 お浸しが出て、ご飯。味噌幽庵の太刀魚、豆腐の味噌汁、香の物。
デザートには水が2品。


2005年8月6日
夕御飯は「畳屋町」に予約を取っている。
名前は聞かなかったが、隣はルマンのレーサーだったそうだ。
  • 玉子豆腐に毛ガニ、カニ味噌の酢ゼリー
  • 鱧真蒸、バチコ、若布の椀
  • 淡路のウニ、イカ
  • そうめん、胡麻玉子
  • ほたて、賀茂茄子、万願寺の焼き物、田楽味噌
  • サンマの腸焼き定食
  • マンゴ
まず「福扇」だ。
蓮芋の葉っぱかな。氷の上に敷いて玉子豆腐を載せて旬の毛ガニをむしって置く。酢ゼリーを掛ける。涼しい酸味が心地よくて、酒がなくなる。
磯自慢」がでてくる。
椀裏に「松」。白く浮かんだ真蒸は鱧。それよりも出汁が強烈に香る。でもくどくないのだから不思議。
淡路のウニは5センチ角ほどの小振りの箱ででてくる。
3本目は「黒龍」。
十数年ぶりに作ったというのが素麺。三輪山本の「白龍」とか言うてはりますが、細い。(白髪ちゃうかな?一束400円強だ)。それをきっちり茹でるのも凄いが、それにもまして、玉子が凄い。胡麻玉子とかいうてましたが、温泉玉子の要領らしいが黄身だけを固めるのですから、言うのは簡単でしょうが、凄い。白身が固まり加減の温泉玉子や、生ウズラなど卵はいろいろ素麺に載せられて出てきますが、まだまだ勉強不足。白身がない分玉子の味が濃い。
ホタテの貝殻で焼かれた焼き物三種。いつもながらの旨い田楽味噌。天盛りのネギを絡めて頂く。
最後のご飯は、秋刀魚の「はらわた」につけ込んだ秋刀魚の焼き物。「はらわた」といえども苦みを感じることがない。お上手。止め椀に香の物。味噌汁の豆腐は八尾の「三好商店」(大丸でチェックした。)
宮崎のマンゴ


2005年7月22日
予約の時間がきたので「畳屋町」へ行く。既に満席だったが、もうデザートが終わっているグループもある。一部の席は2回転である。ご繁昌。16日からバイトの子が入ったそうだ。夜の営業しかしないのに、朝から他の店に顔を出す暇もないくらい忙しいらしい。手を掛けているんでしょうねぇ。
  • 鱧の落とし、白だつ、おくら、梅肉餡
  • 満月に夕顔の椀は鮎にゅうめん、胡麻豆腐、振り柚子
  • あわび
  • ざる豆腐、トマト、花丸キュウリ、もろみ
  • 唐揚げは、メイタカレイ、くるま、ししとう
  • 鰻定食、止め椀、香の物
  • 桃と西瓜のゼリー
まず「福扇」を出してくる。
銀の椀に鱧、だつを並べて餡を廻りに掛ける。氷を敷いた器に盛りつける。最後の仕上げは簡単だが、それぞれにはきっと他の店に顔を出す暇もないくらい手を掛けているんでしょう。
酒が進んでもう2本目。「松の司」がメニューにあるようだ。というても4種類ぐらいしかおかないんだけど、むちゃは滋賀のお酒が出ると嬉しい。
胡麻豆腐、にゅうめんに焼いた一匹分の鮎を吸い地の上からおく。夏のお馴染みの椀。
生のアワビが向。この時期だけ生でだす。細かく包丁を入れてあって、かみ切れないということは無い。
豆腐の盛りつけは切って並べるだけ。盛りつけた上からクラッシュアイスを散らす。キュウリと豆腐はもろみで一緒に食べる。お馴染みの八尾の豆腐屋さんだそうだ。近くのデパートでも買える?もろみで食べる豆腐もよろしいようです。
磯自慢」も定番にしたのかな。
唐揚げ3種。奥でミノちゃんが揚げる。カウンター横のコンロは使わなくするそうで、後釜は・・・どうなるんでしょう?まだ手を加えるそうだ。唐揚げは「塩」。揚げ物は揚げたて、パリパリの骨せんべいが好き。
吉野川の畜養の鰻。日によっては四万十のも使うようだ。まぁ魚屋任せという話。久しぶりにご飯をお代わり。最初のご飯が蒸らし不足。ミノちゃん焦って出してはダメだ。
酒器としてほしい錫であるが、かってマダム穴見から聞いた「ゆり工房」さん、そして「ようび」さんであるが、「ゆり工房」を知っているかと聞けば、どうも合点のゆかぬ答え。「錫半」時代のは使っていても新しいのは使っていないと言うことかな。せっかく「使っている料理店」に挙げてもらっているのに。
途中で、「これから行きたい」とかいう電話があるけど、予約の人数分しか作ってないのが現実。伺うときには予約しておきましょう。というか予約すら難しくなってきている。帰りがけに、次の予約を入れようとしたが、第1希望は既に満席!困ったちゃんだわ。8月は8日間も休むそうだ。


2005年6月28日
夕御飯は畳屋町の「っとがでるようにとがんばろう」。週末に予約の取れないお店の予約表は真っ黒黒助だ。今宵も既に7人組の団体のお客さんが帰られた後という2回転目の最後の客となった。
6月の献立は
  • 生の朴の葉に焼き目ホタテと海老に加減酢ジュレ
  • 椀に玉子真蒸、アワビ、ジュンサイ、
  • お造りが鮪、アマテカレイ
  • 鮎塩焼
  • 鱧しゃぶには菊菜
  • 人気者のだし巻き定食
  • レーニアにメロン

福扇」から呑み始める。
最初から饒舌なこの日の主人は、4ヶ月かけて16軒ほど京都の店を巡っていたそうである。その愚痴を折々に聞かされる食事である。
生の朴葉が出回っているようで、先週に引き続き皿代わり。焼き目を付けたほんのり暖かいホタテに海老、黄ピーマン。ジュレにした酢の物で、口にさっぱり、暑さ凌ぎ。
シンプルな椀と思いきや、裏側にはサザエや貝に水草が細かく描かれびっくり。京都のジュンサイはほんのり白くぷるぷる。真蒸はふわふわだし、アワビも柔らか。
子供頃はカレイといえば、所謂若狭の一夜干しにした干物がカレイだった。でも、干物の好きな、炙りものの好きな子供は少ない。だからカレイも嫌いな魚だった。お酒を飲むようになってから美味しく感じるようになる。魚嫌いを治すには、日本酒好きに育てるだよ。カレイにもいろいろあって、むちゃは生が好き。居酒屋で出てくるような「カレイの唐揚げ」は、日本酒に合わないから嫌い。
綺麗なマグロ。また山葵が足りないので追加。「山葵もたかいんやでぇ」と目が言いつつ、島根の山葵は粘りがあるとかいう。
今月の鮎は焼き物。竹籠に皿を乗せた中に2匹。すだちで頂く。
鍋でハモしゃぶ。飛騨コンロに小鍋をのせ、張った出汁は昆布だし。近頃骨や頭からハモ出汁を用いる店も多いが、生ハモには、骨で出汁を取らないという講釈を聞く。その分少し長い目にハモを泳がせると、あら不思議。出汁にたっぷりエキスが出てくる。カスカスになってもいけないのでタイミングが必要だ。ポン酢醤油。残った出汁にスダチを搾って、味わうと、生身から出る鱧の味だけで充分で、鱧出汁を使わない講釈も腑に落ちるというものだ。
最後のご飯は、人気者のだし巻き定食。だし巻きの秘訣は、使い込んだ卵焼き器だからと言えば、怒られちゃった。一気に強火で焼いて半熟の生で巻いて、余熱で固める、と言う感じかな。
アメリカのサクランボにメロン。最近スーパにも出回り始めた大きい実。
来月の予約を取ろうと思ったけど、その日は既に9名の団体客のご予約済み。乱暴にカウンターを予約独占されちゃ、個人客のスペースはありません。

2005年5月9日
夕御飯は「畳屋」。今月のメニューは
  • 白ズイキとアワビ、降り柚子
  • 椀が鯛、白子豆腐、素麺、木の芽
  • アジのお寿司
  • ナスの煮浸し、茗荷
  • 稚鮎の天ぷら、塩、スダチ、蓼の葉
  • マグロ定食
  • 水菓子(ネーブル・苺・さくらんぼ)
調子がよくないけど酒は欠かせないので「福扇」。
薄い酢の香りの先付け。
浪に浮かぶ御所車の椀。「親子椀」と説明があるのは、鯛の身に、鯛の白子の豆腐が入っているから。鯛の香りたっぷり。
大分産の「関」近くのアジをその場で握る。丁寧な仕事は、お客さんが食べ終わるたびに握り始める。そのほかの料理でもそうなんだが、決して作り置きなんかしない。直前にポン酢に浸したネギをトッピング。
ガラスの涼しげな器にナス。茗荷の細打ち。
カウンターの下でピチャピチャはねていた稚鮎を天ぷらにする。忙しくても直前に串を打つ。食べやすいように串を抜く。1人前5匹。ちょっとでは食べた気がしないと言う。藻塩。揚げた空豆。飾りに蓼。
お造りがないのだが・・・、最後に定食になってご飯のおかず、赤身と中トロ。長芋、防風。男性にはご飯がいっぱい。豆腐の味噌汁、香の物はいつも通り。
ネーブルのくりぬいて器にして、フルーツを盛る。

まだまだ早いのであるが、喉の痛みは相変わらず、足もだるいことだし、真っ直ぐ帰る。


2005年4月27日
ゴールデンウィーク前に駆け込みで、「畳屋」の夕御飯を取る。満席だがいつもの席が空いている。
4月の献立は
  • ウスイ豆の豆腐、ウニ、葉山葵
  • 椀が帆立真蒸、竹の子、フキ、木の芽
  • お造りが鯛に赤貝、ポン酢醤油に山葵醤油
  • 雁足、うるい、ホワイトアスパラ、トマトの白素和え
  • わらびと牛肉の鍋、木の芽
  • ホウボウの焼き魚定食
  • 清見オレンジの器に、清見、ブルーベリー、あまおう
お酒はまず「福扇」から。
プリンプルンの鶯色の豆腐にウニを乗せ、葉山葵の炊いたんを乗せ、廻りに出汁を張る。山葵の辛みとウニの甘味が妙。
フタの裏だけ、朱に桜を散らした椀。ここで竹の子が出る。帆立の味が滲んだ出汁は淡く白い。出汁の微かな甘味の後では、福扇は甘さが際だちクドく後を引く。全然合わない。
2本目は「鄙願」。すっきりキリッとして、面白くないけど、邪魔をしない。
いかにも旨味が乗ってます、という色合いの鯛に、赤貝。鯛はお好みでポン酢醤油。
白和えの和え衣(ちょっと仕事がしてあるけど)の上に、順に乗せていく。ゼンマイに似た山菜が「雁足」。始めて頂きました。
3本目は「黒龍」。次は「お肉」だから「黒龍」という。
例年なら竹の子に牛肉の鍋。今年は竹の子の変わりに「わらび」だ。甲乙付けがたい。木の芽が「花山椒」なら、もっと感動的だったろう。旬の1週間ぐらいだけ使うと言うから、その時は「大当たり」だ。去年までなら、カウンターで調理しているのを見られたのだが、残念だ。ヒノキに苦しむミノちゃんが奥でこそこそと。そういえば、アナミさんもヒノキに苦しんでいるそうだ。味覚が命の料理人さんにとっては、死活問題だ。かくいうむちゃはここのところ随分と楽になっている。
ホウボウの身を三枚におろして、2枚は付け焼き、2枚は白焼きの梅肉かけ。つまり2匹。
今日は2回転することもなく、早くに店じまい。対外のお客は2時間以内で食事が終わる。終わってからだらだらと過ごすむちゃ

2005年3月24日
夕御飯は「畳屋」である。先月は予約が取れないので諦めたが、今日は空いてる日を選んでの食事。今月の献立は
  • 先付けが赤貝・タイラギ・ワケギの芥子酢味噌
  • 白魚テンブラ
  • 葛打ちのハマグリ・黄味を入れた胡麻豆腐、若芽の椀、木の芽
  • お作りオコゼ、子、肝、皮、胃袋? 紅葉おろし
  • ウルイ、くちこのお浸し
  • メバル煮付け、白髪ネギ、木の芽、
  • まなかつお味噌幽庵、ごはん。香の物
  • マンゴ
お酒は「福扇」。ここでは初めてだ。
たっぷりの黄身酢に盛りつけられた先付け。タイラギ・赤貝とのコントラストも綺麗。緑も鮮やか。
たぶん米粉をまぶした白魚。塩をふるだけ。
客が少ないとやたらとお酒を勧めてくれるのでペースが早い。「鄙願」。
黄色とか緑とか春らしい色合いだけど、胡麻豆腐も卵で色づけ。蛤も春めく椀。
薄造りだけど透き通るほどじゃない微妙な厚さの「おこぜ」。ぽん酢醤油。
調子よく「黒龍」。
おひたしは「うるい」。炙った「くちこ」をを裂いて載せてアクセント。磯の香りがかすかに味を膨らませてオツな一品。
「タケノコと一緒に煮付けるからタケノコメバルという」のか「タケノコの季節に美味しくなる時期のメバルの名前をタケノコメバルという」のか?ここでは、タケノコは使わず、メバルだけ。少しの濁りもなくあっさりとした煮汁が美味しい。白髪ネギもたっぷり。
今日のご飯のおかずは味噌幽庵の真名鰹。メバルの出汁といい、味噌幽庵地といい、ほんまにエエ仕事をしはります。
デザートは黄色いマンゴ。

中村くんが卒業した。


2005年1月28日(土)
夕御飯は、少し南の「畳屋」へ行く。お決まりの席に座る。コンロの廻りの壁も少しずつ汚れてきている。
  • 突き出しが、焼き白子に湯葉の柚子窯
  • エビの天ぷらに、子持ち昆布、慈姑、慈姑チップス
  • 椀が、胡麻豆腐、玄米餅、人参、ウグイス菜、へぎ柚子
  • 寒鰤、山葵、辛み大根
  • 菜の花のお浸し
  • フグの醤油焼き
  • だし巻き定食(味噌汁、ごはん、だし巻き、香の物)
  • 水物
いつものように日本酒というと、まずは、「磯自慢・大吟醸」を出してくれる。
柑橘類の釜蒸しはこの季節いろんな形で出来るけど、ここでは柚子。白子が美味しゅうございます。
柚子釜を食べ終わると、エビを揚げ始める。餅粉揚げ?頭を揚げたり焼いたりしなくてもいいように、揚げる前からエビにくっつけてある。エビの甘味に足の食感が加わって、こりゃ参ったなぁ。
〆張鶴」。
透き通りような真っ白の胡麻豆腐の椀。白赤黄緑。並んだ二つの帆掛け船が裏に描かれた椀。昆布だ。
お刺身が、寒鰤。大阪まで「辛み大根」が広がっている。むちゃは家で「鰤には大根おろし」だけに違和感はないけど、もっとたっぷり出して貰わんと・・・。
黒龍」。
今年の1月は「伊勢エビ」がない。代わりに「ふぐ」だ。人によっては物足りないだろうけど微妙な「一味」の加減がいい塩梅。備前の大きめの四方鉢に笹の葉。テッピと一緒に出てくる。
ご飯は人気の「だし巻き定食」。昔は1年に1月だけだったというけど、リクエストが多いらしい。卵焼き器の半分を使って巻き上げるというスーパーテクニックでお願いする。いつ見ても見事な!いっぱい焼いてくれたので、ご飯お代わり。
いちご、でこぽん、練乳ぷりん


2004年11月6日
予約した時間より少し早くて、一番客。お決まりの席につく。
今月は
  • 突き出しが、かに足
  • れんこん餅のぶぶあられの串揚げ
  • カニ真蒸の椀、焼きキビ餅、軸菜、黄柚子
  • おすし(トロにとんぶり、鯛に塩スダチ)
  • 八寸(かにみそ、小芋に田楽みそ、海老ウニ焼き)
  • 蕪の炊いたん、菊菜、降り柚子
  • 太刀魚の西京味噌漬けの「焼き魚定食」
  • 洋梨、ミント
まずは「鄙願」が出る。
今日からカニの解禁だったのだろうか?11月はいつものカニ。山葵、醤油が出る。生だと思っていたら身離れを良くするため、霜降りにしているような話だ。水気を切って氷を散らしているから、生と変わらない。
蓮根の四角いお餅。葛まじり。塩だけで食べる。
椀の裏はススキに満月の「武蔵野」の椀。お得意の「焼き餅」いり。たっぷりの真蒸。
続いて「磯自慢」がでる。今まで置いてなかった酒だ。
お寿司が出るが、醤油はでない。そういう仕事がしてあるという事ですな。
重箱に壺壺の器3種。
もうちょっと呑めるので「〆張鶴
六方に剥いた蕪。これも定番。
最後のご飯は、太刀魚の焼きもん。味噌汁、漬け物付き。
今日も盛況であった。仕入れたカニも全部でたそうで、ご機嫌がいい。


2004年9月18日
晩ご飯は、「畳屋」。すっかり定位置になった席に案内される。
献立は
  • 胡麻白和え、車、なす、松茸、柿、防風
  • ウニの握り
  • 鱧・松茸の椀、三つ葉、降り柚子
  • ひらめ、かつおのお造り
  • シメジ・小松菜のお浸し
  • キンキの塩焼き、渋皮の焼き栗、銀杏、スダチ、壺壺にはイチジクに長芋の酢の物
  • だし巻き、ごはん、味噌汁、香の物
  • 梨、巨峰
白和えだけど、豆腐じゃなくて「湯葉」らしい。「鄙願」をだしてくれるが、突き出しだけで呑んでしまった。お客さんの中には「彼岸」と間違えておりました。
ちょっとすし飯が柔らかいようだが・・・ウニはとっても旨い。
お酒が「〆張月」。
鰹が生姜醤油、ヒラメがポン酢醤油という指示なんだけど、鰹は生姜でもいいけどポン酢の方が好みだし、ヒラメはポン酢だと旨みが分かんない。山葵醤油も出してくれて「おこのみでどうぞ」というのが、筋だと思うな。
出汁の利いたお浸し。
続いて「黒龍」。最近3本呑むと、結構来る。
焼き物がキンキで、カマも一緒。脂たっぷりで、しっとりしているのは酒焼き?秋らしい盛りつけ。
今日も出汁焼きを食う事になる。目の前で「淡路島だし巻きチャンピオン」のワザを見る。いつもながら感動の職人技だ。


2004年8月20日
夕御飯は、「畳屋」。カウンター横のコンロ側の壁と換気扇の外観が一変。
  • 突き出しが、はも、えび、ずいき、オクラに梅肉だれ
  • 松茸の天ぷら
  • 鮎にゅうめん
  • 甘手カレイ、剣先烏賊のお造り
  • 骨せんべい
  • アワビとナスの貝殻焼き、味噌
  • ザル豆腐
  • 秋刀魚のわた焼き
  • 白桃、ピオーネのゼリー
砲金の天ぷら鍋、燗用の鍋、海老を茹でる鍋の並ぶ横に座る。海老を鍋に投げ入れ、氷に取る。以前に比べると、見るおもしろさは随分と減った。白ズイキを並べて、煮きり酒で延ばした梅肉をたっぷり。鱧と海老、おくら。備前の器に氷を強いて純吟の器に盛られた、突き出しのできあがり。
まず「鄙願」から。
今が旬と力説する中国産の松茸。グローバル。
もう2本目は「立山」に変わって、煮物椀は「にゅうめん」。3枚に下ろした鮎を焼いて、にゅうめんに載せる。骨は「せんべい」でパリパリ。
イノシン酸たっぷりといった色合いのカレイ。ポン酢醤油と山葵醤油が出る。
3本目は「黒龍」。
器に塩を置き、焼き上がったアワビの貝殻を載せる。いつもながら焼けた味噌が旨い。ナスはいわば田楽ナス。
買ってきて切っただけのザル豆腐が氷に浮かせて出てくる。(といえば怒るだろうな。)イソフラボンに溢れていますと言う色合い。八尾の方の豆腐屋らしい。猪口に付け汁が出てくるのだが、流石に、豆腐の旨さ・甘味を引き立てる出来。
今日の定食は「焼きサンマ」。塩焼きではない。腸を漬け込んだ醤油で付け焼きしたサンマ。ご飯も美味しいけれど、サンマと味噌汁のマリアージュを感じてしまった。

2004年7月24日
晩ご飯は「畳屋」だ。
堺筋から店に行こうとして、筋を間違える。この東心斎橋は不案内で迷ってしまう。
  • 車、帆立、パプリカ、キュウリの酢ゼリー掛け
  • トウモロコシの揚げ物
  • 胡麻豆腐、ジュンサイの椀
  • 甘手カレイ、剣先烏賊のお造り
  • 水茄子、トマト、もろみ
  • 小鍋立ての鱧しゃぶ
  • ごはん、太刀魚の照り焼き、味噌汁、つけもの
  • 桃のジュレ
お酒は冷酒で「鄙願」から。暑いからビールを飲むという節操のないことはせず、冷酒!いつでも冷酒だ。
蓮の葉の中央に、キュウリ、ホタテ、焼いた車のむき身、赤・黄を順にトッピングして、ポテポテのゼリーをたっぷり盛りつける。心地よい酢の味わいが、体を優しく冷やす。
揚げ物は、トウモロコシのかき揚げ?トウモロコシだけを出すというのも、小憎たらしい仕事だ。油でゆでてる感じで揚げている。
2本目が「〆張鶴」。
「波に御所車」の大振りの椀。
いかにも旨そうな飴色がかったカレイと甘いイカ。ぽん酢と醤油の種類だ。
水茄子は、タッパの中の水に浮いていた。8分の1くらいにカットする。(泉州の家庭なら手で裂くだろうな)。トマトも半分にカットする。ガラスの器に盛りつけて、フランスのナンタラカンタラいうミネラルウォーターをトボドボっと氷ごと入れてでてくる。水茄子は、もろみで食べる。「もろなす」。
限定品を呑ませてもらう。「越の初鮎・生原酒」。鮎正宗のお酒だ。
奇しくも今日は天神祭で、やっぱりどこかで出てくる「はも」です。でもこの鍋があるので「椀」には使わないんでしょう。具もシンプルに「菊菜」と「ハモ」だけ。スダチもあった。
天神祭帰りの隣のお客さんからも「〆張鶴」が廻ってきた。
平串で焼いた太刀魚に粉山椒たっぷり。熱々ご飯で「焼き魚定食」のできあがりだ。
ショットグラスの大きさに桃が半分。周りを見ると、ジュレの量に差があったりする。うーん。


2004年6月16日
晩ご飯は「畳屋町」に出来た新しい店に予約を取っていた。
新調した(しかも6枚)暖簾をくぐると露地。足下の手桶に花が生けられた灯り一つの暗い露地の奥の右手、格子の扉から明るいカウンターが覗ける。たった9席のカウンターは、後ろがゆったりと取られ一面、素っ気のない聚楽で囲まれている。カウンターの中の後ろも飾り気が無く、一輪挿しだけが際だつ。洗い場はカウンター内の奥にもあって、勝手口と繋がっている。「ヨ」の字の動線配置。まぁ、一度ご覧じろ。
水回りなどは、以前のママの配置のようだ。
この日の献立は
  • あわび、白ズイキ、おくら、ふり柚子
  • 蓮根豆腐の揚げ物、あられ揚げ
  • 鯛、玉子豆腐、そうめん、ウグイス菜
  • 鯵のお寿司、生姜
  • ナスの揚げびたし、茗荷
  • チアユのテンブラ、アスバラ、藻塩、スダチ
  • マグロ刺身定食、味噌汁
  • マンゴー、ミント
で「鄙願」から頂く。空きっ腹に染み込む。朴の葉の上に置かれたガラスの器には、先付けの淡い淡い酢の物。肝入り。
もう「〆張月」に変わる。田楽風の串で揚げられた蓮根豆腐。皮はサクサク、中はざっくりホクホクむっちり。
貝づくしの椀。玉子豆腐が凄い。「玉子風豆腐」とか「卵色した豆腐」じゃなく、味わいが玉子そのものなのだ。「鶏肌が立つ玉子豆腐」というのでしょうか?
笹の葉にアジの握り。お造りがない。
茄子の出汁にも感心。
踊り串に打たれた鮎の腹の部分にパン粉を付けてあげる。たっぷり4匹。蓼の葉が添えられているだけで、蓼酢無し。目の前で串を打つミノちゃんの手際が素晴らしい。
今日のご飯は「勝浦のマグロ」。長芋の短冊。

先週も3日ほどお休みして気に入らな所に手を入れて、極めてご機嫌のご主人。露地から店内まで数寄屋、茶室好みに拘って、たった9席の店にしては贅沢さん。お料理代は2割ほどお高くなったけど、それは快適なカウンターの席代と十分に思えるお店。
望み通りの店に嬉しそうなご主人にエールを贈って帰る。


2004年4月17日
晩ご飯は「定食屋」。3月の時は、歌舞伎が終わって遅かっただけに、今日は1番。ご主人が、もう準備は万端だよと言わんばかりに、道で歓談中だった。カウンターの端。
  • うすい豆腐、葉山葵、ウニ
  • アスパラガスのあられあげ
  • 帆立真蒸、若布の椀、木の芽
  • 鯛、トリガイのお造り
  • 白アスパラガスの白和え、うるい、わらび、とまと
  • メバルの煮付け、白髪ネギ
  • ごはん、ホウボウの焼きもん、つけもん、みそしる
  • でこぽん?、苺、練乳寒天?、ミント
はじめは「八海山」だったと思う。で「〆張鶴」、で「小鼓」。
しっかり味についた葉ワサビ。豆の香りもぷんぷん。
アスパラ1本どーんと出る。普通なら、食べやすいように切って出てくるところだろうが、その意味は、噛んだときのジューシーさを味わえということだろう。と一人納得して、かぶりつく。
椀の蓋の裏には、桜の花。刻んだホタテの入った真蒸。
トリガイもそろそろ旬かな、と思わせる。これはきっちり切られている。醤油とポン酢の二つ。
またアスパラ?
ちょっと今日は煮汁を甘く感じるメバル。タケノコも無く、シンプル。明快。
醤油の付け焼きと白焼きに梅肉のホウボウの焼き物。今日は「焼き魚定食」。きっちり4月の献立でした。

2004年3月10日
舞台が終わって急いだご飯やさんは「笠屋町」だ。すでにカウンターには客が居なくて、申し訳なくも、独り占め。
献立は
  • 帆立、赤貝、わけぎ(?)、うど、の酢味噌和え
  • 白魚の餅粉揚げ、
  • 胡麻豆腐、蛤、菜花の椀、木の芽
  • オコゼの薄造り
  • ウルイのお浸し、裂きバチコ
  • 牛しゃぶ、筍鍋、木の芽
  • だし巻き、ご飯、豆腐の味噌汁
  • マンゴ
まず「鄙願」から始める。出されるがママ。
先付けは刻んでいない「てっぱい」といったところ。ごろんごろんと魚介類。
塩を振り忘れたかのような天ぷら。それでよろしいですよ。元来、天ぷらには「てんつゆ」も「塩」も、関西風に「ソース」も掛けないタチだから、降られて出てくるより、ありがたい。
プリンプリンのお得意のゴマ豆腐。この季節定番の椀種。蓋の裏側には「咲いた菜の花」。菜花と合わせたそうで、これもこの月だけの椀。
お任せのお酒は「〆張鶴」。ンされるがママ
歯ごたえのいい「おこぜ」、皮、肝、子、などまで薄づくり。ぽん酢醤油がでる。
小鉢にこんもりと「うるい」。こんなにどーんと出されたのは初めて。他の店では「高い」から出さへんらしい。炙って裂いたバチコ。
もう呑まないでおこうと思ったけど、オーダーされてしまった「黒龍」。なされるがママ。
タケノコは4月と思ってたけど、今日山城のいいのがあったので使ったそうだ。でも2ハイだけだったとご自慢。今年は柳川を使った鍋で沸騰させ、肉を並べてできあがり。木の芽たっぷり。出汁が濁らないので、最後は取り皿に受けて呑む干しちゃう。
最後のご飯には「出汁巻き」。ジュワーと出汁が滲み出してくる出汁加減。ここでも、醤油とか使わないタチです。香の物にも醤油を予めかけないで欲しいですけどね。目くじら立てるほどのことはないけど。
デザートがマンゴォ。

さて、そろそろ来客した人には伝えているそうだから、書くけど「4月いっぱいで笠屋町は閉店」。


2004年1月17日
歌舞伎のあとに、予約していたのは「笠屋町」だ。暖簾の下には「水仙」。
  • 白子豆腐
  • 揚げ物(くるま、チーズの餅粉揚げ、慈姑チップス)
  • 椀は、ひろうす、玄米餅、人参、鶯菜、黄柚子
  • ひっさげ、鯛のお刺身
  • 菜の花の芥子和え
  • 蕪と伊勢エビに炊き合わせ、白髪ネギ
  • 鰻の蒸し寿司
  • いちご、黒豆、練乳プリン
まず「八海山」の燗酒を錫半のちろりで頂く。ナカムラ君は唐津風の猪口を出してきた。きっと適当やね。燗は酒器を選ばないと思うが、陶磁器がよろしい感じ。かなり強いポン酢醤油に負けない濃厚な白子の豆腐。芽ネギが豆腐に突き刺さっているのに笑ってしまう。
2品目には、思いがけない揚げ物だ。ちょっと塩が強い。ミノちゃん振りすぎ。日本酒を冷たい「鄙願」に変える。バカラのグラスだ。キリリと冷えた冷酒だけは、磁器・金属・グラスと酒器を選ぶと思うのだ。
椀は正月の宝船、黒みを帯びた玄米の餅を焼いたんに、ふんわりひろうす。
味の乗った「ひっさげ」と「鯛」。醤油とポン酢ででてくるけど、むちゃはやっぱり醤油だ。「〆張鶴」に変える
一息つく「芥子和え」
例年、海老は「具足煮」といったエビの殻を豪華に使った一品が出ていたが、今年から使わなくしたようだ。食べやすくしたという事であるが、それでも、スープにはエキスたっぷり、味に変わりが無い。えび味噌の絡んだ出汁を張って、蕪と伊勢エビを盛りつけてあのだが、始めて知ったのは、蒸し上げているだけでなくエビの身を焼いていた。中華料理の技法?旨い出汁は飲み干す。
黒龍」にしちゃう。
刻まれた鰻はほとんど形をとどめていないが、蒸されたお寿司にはしっかり鰻の味。トッピングの錦糸も、すし飯も、蒸缶で暖められております。丼椀で出てくる。量は多いが、残す客はいないようだ。豆腐のみそ汁。白菜の漬け物。
シンプルなデザート。

2003年11月29日
夕御飯は「笠屋町」だ。
今日で11月のメニューもお終いというという献立は
  • 突き出しが、カニ刺し
  • 鯛のにぎり寿司は2種類(とんぶり、塩スダチ)
  • カニ真蒸と焼きキビ餅の椀
  • 長芋入りのカニ味噌、焼き目里芋の鶏そぼろ味噌鋳込み、車の天ぷら、唐墨に大根
  • カブラの炊いたん、菊菜、ふりゆず
  • 白ご飯・サワラの味噌漬けの焼き物・豆腐のみそ汁・香の物
  • ラ・フランス
11月のカニを使ったメニューの性か、2度訪れる客もあるそうだ。で、リクエストも多いようで、昨年とメニューを変えていないと主人は言う。
まずお酒は「鄙願」を出してくる。
突き出しは、ツメ1個、足2本。山葵醤油がでてくる。お客さんの入店と合わせてミノちゃんが出刃でカニの足をさばく。いい音。包丁の音という店では「骨切り」と同じくらいのBGMです。かぶりついて食べる。歯でしごくように食べる。
お寿司は、その日の魚次第と言うことでしょう。奥で主人が握っております。寿司ネタの上に、漬けのとんぶり、塩を載せてスダチを落としたんと2種類。
デカい真蒸はカニたっぷり。もう限界と言うまでカニを入れているそうです。真蒸を崩すたびに、出汁がカニの甘みを加えていく。
カニ味噌は酢で割った一品。中はむっちり、外はこんがりの里芋、鋳込んだ味噌も良い感じ。
冬の定番の煮物。甘みのある出汁。柚の香り、菊菜の香り。ほろほろの蕪。
たっぷりよそってくれるごはん。
カニの要望が多いようで、一部2回転。客が途切れないので、なかなか「オモロい話」が聞き出すことが出来ない。ほんまに「とんど」にコルビちゃんが出てきたら面白いやろねぇ。

2003年4月15日
昨日急に電話したのは「笠屋町」。運良く席がぽっかりだった。貝から出る香りが漂っております。
  • うすい豆腐、花わさび、えび、ウニしょうゆ
  • ほたての真蒸、たけのこ、菜の花、木の芽
  • たい、とりがい、ポン酢とわさびしょうゆ
  • ホワイトアスパラ、うるい、プチトマト、しらす和え
  • メバルの煮付け
  • ホウボウの焼き物(醤油と梅肉)、白ご飯、止め椀、香の物
  • ももいちご、でこぽん
で、「〆張鶴」に「黒龍」。
鶯色のゴマ豆腐に、半生のえびは紅白、ウニの黄色に、青味、と突き出しから感心してしまう。これだけで、お酒が1合以上が進んでしまうのです。寿司屋に言わせると「たばこを飲み客は、気を遣わない」てなことを読んだ記憶があるが、一段落するまで酒(ビールだけど)を口にしないご主人からすれば「酒を飲む客の舌は大したことない」んでしょうね。そんな寂しい食事はしたくないけど。
黒塗りの椀の蓋の裏は、桜の蒔絵。貝の香りは、この真蒸。春らしい素材でまとまっております。澄んだ出汁をいただき、真蒸をほぐすと、ホタテの白く濁った旨みが混じり合う。お椀を楽しむ醍醐味だと思うんです。
瓶詰めのホワイトアスパラは、か細いのですが、ご立派な太さ。たっぷりと敷かれたあえ衣がご自慢でした。
メバルに箸を付けると、ミノちゃんが炊飯器のスィッチを入れてくれます。ちゃんと先月のことを覚えてくれているようで、うるうる。「ご飯をおいしくするのは・・・?」と聞くと、「お客様の健康」と即座に答えるあたり、舌の肥えたお客にもまれているんでしょうな。決して健康ではないけど、おいしいご飯。

2003年3月8日
夕御飯は「笠屋町」に行く。玄関脇の桶には満開の菜の花。
あんまり記憶が不確かなんやけど
  • 突き出しに帆立、赤貝、酢みそ
  • 白魚の餅粉?揚げ
  • 椀に胡麻豆腐、はまぐり、わかめ、木の芽
  • お刺身が鯛、イカ、紅白にわらび、醤油にポン酢
  • 菜の花にウニ醤油和え
  • 揚げ物がメイタ、一寸豆、えび
  • 白いご飯に、マナガツオの焼きもん、鰻の茶碗蒸し
  • デコポンに苺
だったかなぁ。まずは「鄙願」で始めました。突き出しだけで1合くらいはスイスイと呑んでしまうたち。和え衣の味噌が美味しおま酢。
もう揚げちゃいました、と出てくる白魚。今年始めてやった。なぜか揚げ物は指でつかんじゃうクセ。噛むときの音がカシュ。
あれ?2ヶ月続けて「蛤に胡麻豆腐」?と思ったら、先月の「鰻谷」やった。
いろんな店に行きますが、イカの切り方が、色々あって、面白いものです。「黒龍」に変えます。
菜の花にウニ。と言っても、ウニの香りは抑えられているし、醤油の香りも抑えられているし、まるで「ノバうさぎ」のように「ビミョウ」だ。「山」あり「谷」ありのコースの中で、何気ない「谷」の料理と思って「舐めていると旨い目に遭う」。
なぜか揚げ物は指でつかんじゃうクセ。骨を揚げた部分は指でパキパキと折ってパリパリと食べる。熱い物は熱いうちにと、思ってパクパクと食べると、「食べるのが早い思わなかった」と、象印の炊飯ジャーさんのご飯が間に合わない。
3月はひな祭り?でチラシだそうだが、マナのいいのがあって今日は焼き物に白ご飯。日本人は「やっぱり白ご飯」というのも分かりますが、「変わった色ご飯」も外食ならではの楽しみ。で、ちょっと残念。

2003年2月22日
夕御飯は「笠屋町」とした。玄関脇には水仙の花。
  • カニ酢・長芋・防風
  • 椀・ふき・若布・木の芽
  • お造り
  • バチコの炙ったん、てっぱい
  • 牛肉と筍の鍋
  • ごはん、だし巻き、止め椀、香の物
  • デザート
細かく包丁の入ったキュウリの上にカニの足、お酢で加減されたゼリーが寄せられて、ミソも添えられる。お酒は「鄙願」、バカラのステムウェア。ゼリーで酒が飲めてしまう悲しさ。
椀には、湯葉。鱧の真蒸に湯葉・百合根を入れて揚げて稲荷風。湯葉を崩していくと出汁がどんどん旨くなる。お酒はもう「黒龍」に変わる。
お造りはオコゼ、皮、胃袋、肝をポン酢。むちゃは辛い物が大の苦手で、おろしに唐辛子が入っているだけで、舌がピリピリ。もっと辛くなると、頭の毛穴から汗が吹き出すのが感じられるほど。これくらいなら多くの人なら適度な加減でも、むちゃにとっては、頭がむずむずしちゃう。
炙ったバチコは割くと、ひも状にちぎれるのが普通だけど、これは肉厚で、ぶちぶち。お酒は「小鼓」。
春になると「筍」が気になるのだが、なかなか心ときめく料理は少ない。いっそ、丸のまま焼いただけの筍なんかが、食べたくなる。どこが物足りないかというと、脂がないのだ。肉の旨味と出会うとどうなるだろうか?と考えていたりするのだ。
柳川風の土鍋に下処理した筍を入れ、出汁をはって沸騰させる。煮たった鍋を火から下ろして、肉を入れ、しゃぶしゃぶ風に並べて、ひっくり返す。これならアクも出ないと感心。日本料理の出汁に、肉の旨みが加わって、こういうのを筍に期待していたんや、と思ったのでした。乗った木の芽も出汁も綺麗に食っちゃいました。
ご飯には、だし巻き。ちょうど真ん前で焼いてくれるのを、こそっと妙技を見る。お客さんが以前「涙が出る」と評していたなぁ。お客さんのペースに合わせてその都度焼かれるが、その大きさはお客さん次第。当然大きさが異なるけど。厚みや奥行きは同じだけど、幅が違う。卵焼きの半分の幅に、客に冗談をいいながらいとも簡単に、焼き上げているのだ。また、畑教授のセリフを思い出してしまった。卵と出汁の比率は教えてくれなかったが、出汁が滲んで来るのですから、料理屋ならではの比率で、大将曰く「極限」だそうだ。

2002年11月9日
晩ご飯は「笠屋町」に・・。すでにカウンターは満席。残った席に座ります。見慣れる若い子が一人入って11月から4人で仕事してるそうだが、若い子の名前すら主人は教えてくれん。忙しい間は、客のすすみ具合をにらみながら、寡黙に仕事を進めるのは、いつもと変わらない。中村君の目の前に座るむちゃの一言も逃さず、口を挟んでくる耳のいい主人が、組み立てた11月の献立は
  • カニ足のお刺身
  • お椀には、カニ真蒸、焼きキビ餅、軸菜と松葉柚子
  • 鯛とマグロのお寿司、生姜
  • 長芋入りのカニ味噌、里芋の鶏そぼろ味噌鋳込み、車の天ぷら、唐墨に大根
  • カブラの炊いたん、菊菜、ふりゆず
  • 白ご飯・サワラの味噌漬けの焼き物・茄子と茗荷のみそ汁・香の物
  • 柿とラ・フランス
お酒は「鄙願」をバカラのグラスで始めて、「八海山」「黒龍」とお任せ。
席に着いてから時間がかかると思ていたら、いきなりのカニに目を奪われます。席に着いてから、カニに包丁を入れていたんですな。突き出しとは言えない立派なお皿で、食事が始まる。わさび醤油で頂く趣向だが、わずかな塩味が醤油なしでも頂けるし、薬味としてのわさびまで必要がないとも思える新鮮さだ。でも、甘みが出てくるのには、まだ早いかもしれない。
続いてのカニは、蓋の裏には冬らしい椿が描かれた器に、暖かい椀種。たっぷりと大きめの真蒸は、お腹イッパイになってしまうと思えるほどで、カニ風味ではなく、カニの身の食感も舌に楽しい。青味の緑色、柚子の黄色、餅の淡い黄色、カニの赤色などが鮮やかに映えます。でも焼いた餅の香りが、カニより強く感じる。
カニが刺身になったので、お造りに当たる魚は「お寿司」に替わってしまったようです。醤油ではなく、鯛は「かぼす?」、マグロは「とんぶり」で味が足されております。
八寸めいた盛り合わせの酒肴は、先月に引き続いて、楓で華やかに盛りつけ。カニの味噌がここで出てきます。食べられないものは出さないというが、この2ヶ月だけは遊んでいると申し添える。里芋に鋳込んだのを中村君に聞くが、「しゃべらんでエエ!」と主人の一言だ。中村君も後輩が出来て、客の前に立つようになって、ちょっとしゃべるようになってきたんでしょうか、小声で教えてくれます。 今月ご自慢の一品は「かぶら」。菊菜を添えるだけでカブラをだす自慢たっぷりの一皿。出汁の隠し味は・・・中村君が教えてくれた。カブラが旬を迎える今月の後半には、菊菜もなくなるようだ。来月は大根らしい。
ご飯に、香の物だけの店が多い中で、きっちり「ごはんおかず」を出してきます。今月は「さわら」。
今日も最後は、露を打った銀の皿。


2002年10月9日
のれんの下に生けられた「コスモス」が秋に誘う。Hanako曰く「値段も接客も申し分ない。全部で6品だけのコースは店を出た後、あぁ”あの料理”が旨かったと必ず思い出せる内容」の献立は
  • 突き出しに、海老と焼いた「たいらぎ」の酢ゼリー寄せ
  • 椀替わりに、甘鯛と松茸、軸菜
  • お造りが、鯛と剣イカ、ポン酢に醤油
  • 松茸・ほうれん草のお浸し、すりスダチ
  • キンキの焼き物、ムカゴの天ぷら、揚げた渋皮付き栗、長芋短冊にとんぶり、すだち
  • ごはん、だし巻き、香の物、焼き茄子のみそ汁
  • 柿と梨
だ。お酒は「北翔」だ。不思議と常温でまろやかさが増すお酒。バカラのグラスがでる。
ただ者でない「突き出し」は、座ったとたんにでてくる1品ではなく、店に入って座ってから、エビが蒸されて、タイラギが焼かれるという仕事ぶり。その分ちょっと待たされるけど、カウンターでは飽きない。
椀代わりに信楽風の釉薬のかかった湯飲み茶碗を使った吸い物として、甘鯛と松茸。斑入りの柿の葉を蓋にしてでてきます。おやおや、これは「祇園」と同じ「出合」じゃありませんか。主人同士の好みがあるのか、そういう店を自然と選んでしまっているのか不思議。
お作りはシンプルに、鯛とイカ。秋の器は白釉のかかった菱型の菊の形。永楽さんかな?ポン酢で鯛は好みからはずれです。もう紅葉鯛と呼んでいいんでしょうかねぇ。
出汁の香りが高いお浸し。
紅葉、青楓の葉をあしらった焼き物はキンキだが、備前の四方鉢に盛られてくる。鈍い備前の色にキンキの赤い秋めく色を際だたせておりました。肝心のキンキも脂が乗ってジューシー。お酒が「八海山」になる。
たっぷり出汁巻きを焼いてもらって、ご飯はちゃんとお代わりする。黄身が指でつかめるという卵自慢の出汁巻きである。ご飯はご自慢のIHジャー炊き。
銀製の小皿に、柿と梨。

客をおかしく「マスダ派」とか「コゲツ派」とか「フジキュウ派」とか「タイアン派」とか区別して、そのくせ自分は無派閥とか適当なことを宣い、何かと「派閥が違うから教えられん」と適当にあしらわれる昨今である。
来月は満席やから来られへんで、と釘を刺されるは、3月までは予約でいっぱいや、とか牽制されて店を出る。


2002年9月14日
千日前から、水掛不動を抜け、消失した法善寺界隈の様子を見ながら、うろうろ「笠屋町」に向かう。義捐金を募るお坊さんが両入り口に立っているが、たくさんの義捐金が入っているようだ。さすがに、ミナミの象徴やね。心意気に熱くなりますわ。道頓堀側に回ると、まだ少し異臭が漂う。
今日も満席。ミノちゃんの前に席を取る。9月の献立は
  • 茄子・えび・松茸の胡麻しらす、柿、防風
  • 焼き鱧・松茸の椀、ウグイス菜、すりスダチ、
  • 戻りカツオ、いかのお造り、生姜、ぽん酢・短冊・紫芽、カツオの皮の焼いたんのおろし和えに刻みアサツキ
  • ウニの握り寿司・とんぶり、生姜
  • ほうれん草のお浸し、しめじ、菊
  • あわび(肝入り)、マイタケ、豆腐のミソ焼き
  • サンマのつけ焼き、白ご飯、漬け物、松茸・豆腐のミソ汁
  • 桃・ブドウのゼリー寄せ
だ。ご主人任せの日本酒は「小鼓」、「鄙願」、「黒龍」と進む。
胡麻をすりつぶした白和えを器に流し、具を乗せる。やんわりとした胡麻の香りが茄子や海老には、心地いいけど、松茸は食感だけしか楽しめまへん。でも海老がとっても美味。
黒塗りの椀の蓋を取ると、大輪の菊、一輪。「鱧は葛を打つ」という普通の仕事を嫌う性格の主人にかかると、焼かれる鱧。骨切りが細かくとも崩れることがない。「松茸は香りだけ」というが、そんなことおまへんで。
カツオとイカのシンプルなお造り。皮の部分は小皿で出てきます。
8月は、箸休めに「鮎」のお寿司だったので、ウニはお造りにしようかと迷ったらしいが、結局、お寿司に落ち着いたらしい。それぐらい使いたい食材だったと言うことのようです、淡路のウニ。余分な海苔など付いておりません。
舌休めとも言っていいほど、普通のお浸し。でも出汁は多めで、文字通りお浸し、美味しさが味わえる。
朴葉の時も味噌が旨いと思ったが、今日も旨い。焼いて旨い味噌なんでしょう。味噌の絡んだ「マイタケ」がよろしいなぁ。豆腐は「ざる」かな?堅めの豆腐の方が好みだな。せめて「木綿」やで。お皿に塩を敷いてアワビの殻を乗せて出てくる。実際にアワビで焼いているわけではない。
最後は、サンマ定食。3枚におろした半身分を半分にカットとして、1人前。醤油のヅケでしょうか。皮まで頂く。止め椀にも松茸。
桃は白鳳?ブドウはでっかいの一つ。大きいブドウに、名前を教えてと言っても、なんやかんやと教えてくれない。きっと、横文字の名前で覚えきれないんだ。こっちは「高島屋」の果物売り場でチェックしてたんだよん。横文字だから忘れたけど。
2002年4月6日
雨が降り始めた中、心斎橋を歩き、夕飯は「笠屋町」に予約を取っていた。8名の団体客がいて、うるさいですよと言われていたが、7名だったので、1席空席だった。さて、4月の献立は
  • うすいを葛で固めたのにエビ、花わさび
  • イイダコの煮たのにワケギ、酢みそ
  • 椀には、湯葉真蒸、若布、わらび、木の芽
  • 造りが、マグロのトロ、赤身、鯛、防風、紫芽、大根おろし、わさび醤油、ポン酢
  • 鴨の味噌焼き、白髪ネギ
  • タケノコ、ふき、甘鯛の鍋仕立ての炊き合わせ
  • ホウボウの焼き物に白ご飯
  • まんご、レモン風味のゼリー
「立山」を呑みます。彩りが春らしいのか、よく食べさせられる「うすいえんどう」。車エビの赤色が映えます。アクセントには「花わさび」の辛み。辛いのが嫌いなむちゃもわさびや木の芽は別。完全に火がとおっていないエビの甘みもわさびとの対比で面白い。
一方しっかり火の入った「いいだこ」は下味が付いているだけ。酢みそに絡めて頂く。
木の芽の香りもうれしい、黒塗りの椀。ふたを取ると、波に御所車の派手目の絵が、底にも見えます。椀種は精進の湯葉真蒸。味が淡泊なだけに、吸い地も淡い。互いの味を殺し合わない微妙な加減。
脂たっぷりのマグロだが、付け合わせの大根とポン酢を付ける心配り。2本目は「黒龍」になる。
3本目は、また「立山」になる。(主人に任せっきり)。以前、朴葉で焼いたんが出たが、今回は焼いて出てくる。献立の苦労しているのが忍ばれます。味噌だれは、いつもながらいい出来。
いつもは、貝塚(木積?)のタケノコらしいが今日は「山城産」。新調した鈴引きした赤の鍋は飛騨コンロで提供されます。これがあるから、朴葉焼きが使えないと言うことでしょうか。カウンターから見える厨房の奥にある、蒸し缶から、それぞれの素材が取り出され、目の前で並べられます。単に炊き合わせにするのも、面白みがない。タケノコに不足する味を甘鯛で補う一品。澄んだ出汁にうっすらと甘鯛の脂が浮かんで、最後は出汁も小皿に移してもらって最後まで味わいます。
ホウボウは、醤油だれを何度も塗った焼き物と、白焼きの梅肉をのせたものの2種に白ご飯。茄子を使った、留め腕。
甘いマンゴに酸味のレモン。
さて、この店には八寸がありません。昔はメニューの中に7品以上の八寸を盛り込んでいたそうだが、ふと、きれいなだけの見た目の仕事に嫌気が出たそうだ。それ以来、今の形になったそうだが、それだけに、起伏のある献立は食い味重視。自分の料理を「男料理」と呼んで、孤高。
妙な雑誌のおかげで、矛を収めに伺った格好になったが、むちゃの大好きな日本料理の現実を聞いていると、新しい店には入る気がなくなる。安直な方向に向かう料理人、安さや雰囲気ばかりを追う似非グルメ客、浮薄な消費者に迎合するブームに媚びを売る「売らんかな」雑誌とライター。素人のむちゃが最後に頼るのは、板前での仕事ぶりと主人の心意気。敵は作りたくないのだが、ついつい・・・
2002年1月18日
  • 付き出しに、サヨリの焼いたカラスミ粉をまぶしたん、車エビの黄味揚げ、カマンベールチーズの餅粉揚げ、鱈の白子とうふ
  • 鯛、蕪の椀、餅にウグイス菜、松葉柚子
  • お造りが、よこわ、ヒラメ、芽甘草、紫芽、撚り人参、山葵、醤油、おろしポン酢
  • くわい煎餅、菜の花の辛子和え
  • 伊勢エビ(半身)の具足煮、白髪大根、ふり柚子
  • イカとコノコの塩辛
  • 鰻の蒸し寿司、味噌汁、香の物
  • フルーツ(キウイ、イチゴ、伊予甘、ミルクゼリー?、ミント)
だ。
既に満席であったせいか、出てくるのが遅いが、お酒は面白いのがあるそうで「純米吟醸無濾過生原酒・もめん」を呑みつつ待つ。醸造元を見ると「黒牛」さんだ。なかなかに甘濃い。カラスミの香りが今一だったが、揚げ物のカマンベールのトロンとした食感とぱりっとした餅粉の衣に、チーズが旨い。先客が帰ったので、余裕のある席へ勧めてくれる。この店では「煙草が嫌い」と言ったわけではないが、様子を見て気を使ってくれる対応の細やかさ。プロの接客に感激です。
黒塗りの椀の裏には宝箱の宝船。おめでたい。1月だけに雑煮に見立てているんでしょうね。ほろほろ崩れて、口の中で溶けていく蕪が美味しい。虫養いのオードブルの胃がリセットされる。
天然のブリが無いというので、今日はヒラメ。ヨコワはポン酢でもいけるもんですな。2本目は「黒龍」だ。
箸休め風に、辛子和えと煎餅。慈姑の煎餅というのは、切って揚げるだけでは全然うまくないらしい。下ごしらえ・下味が肝心で、力説される。黄色く色づく前の緑の菜の花。鮮やか。
伊勢エビを、半分に縦割りして出汁で煮あげた具足煮。味噌仕立てではないがミソがとけ込んだ出汁が旨い。冬の定番・名物になったのかな。
「〆張鶴・大吟醸」をグラスでサービスして貰って、「珍味」を頂く。細づくりにしたイカが塩辛の味を和らげてます。
最後のご飯は、細かく刻んだ鰻をまぶした蒸し寿司。錦糸を敷き詰めて、彩りに絹さや。ジャブが効いている成果か、お椀からはみ出た大盛りに感謝。

最後の客になったと思ったら、近くの湊谷君がきた。店仕舞は若いモンに任せて「なんか食べさせて」という言葉に、「自分で賄いはつくらへんのか?」と、チェックが入るが、ヨコワを切る主人。「さすがええ素材使こてるわ、ウチの羊羹みたいなヨコワとは違うわ」と冗談だろうけど、羊羹みたいなヨコワも興味がわくじゃありませんか。
そうこうする内にまたお馴染みさん。昨年蔵見学でご一緒した「太庵」帰りの女性2人組。賑やかになります。またまたヨコワを出して、「とんど」の話題で盛り上がります。もう入店したときから「とんど」の話を繰り返して、盛り上がっているわけです。また最初からはじまるんです。売り上げ27万あったそうだが、出店した中で最低だったとかで、原価25万円という凄い商売。エビ代だけで15万円だったとか・・・。不思議な味わいの揚げ物は(最後まで主人の口からは聞くことが出来なかったが)「ゴマとうふ」。ゴマの香りを消しに消すと「河豚の白子」のようになるとかで、屋台で出すとはいえ、手の込んだプロの仕事の一品でした。とにかく、エビとゴマ豆腐に力を入れたそうだ。


2001年12月1日
スィッチを入れた夕御飯は、笠屋町の「もめん」。9月、10月、11月はオヤジ自ら「凄かった」と自慢していたが、12月に入った献立は
  • 大根の焚いたん、ふり柚
  • カニ酢、胡瓜、長芋の短冊、ゼリー寄せにしてカニみそを流す
  • 椀が、焼き粟餅にカニ真蒸、ウグイス菜に、吸い口が松葉柚子
  • 造りが、ヒラメによこわ、防風、紫芽、撚り人参、山葵、大葉、ポン酢に醤油
  • 柚子釜に、黒豆、くわい、子持昆布、鮑の酒蒸し、カラスミ大根
  • 鴨の朴葉焼き、鮑茸、茄子、白髪葱、味噌仕立て
  • ご飯、出汁巻き、香の物、止め椀が豆腐の味噌仕立て
  • 苺、牛乳プリン(?)にミント
だ。 先ず、熱々の大根が湯気を上げて出てくる。柚の香り、干し貝柱の甘味、頃合いの焚き加減の大根が、「黒龍・純米吟醸」とともに、染みわたって暖まるのが、分かります。この店のポリシーが具現されている味と構成の一品です。
カニの2連発である。温かいモノの続きは、ちょっと身体が休まる酢の物と、心憎い組み合わせです。
淡い出汁加減、くどくない焼き餅の香り、カニの甘味、柚の香り、カニの赤、真蒸の白、粟の黄、柚子の黄、青味野菜。椀が日本料理の花と実感できます。むちゃは、椀を撮る瞬間が大好き。椀の裏側は「松」。なぜだか「桝っさん」の菊の椀について聞いてくる。「ウチの方が上等」と自慢げだ。
八寸めいた柚子釜は、四方漆の器に裏白を敷いて、ちょこちょこと盛り込まれてます。珍味・酒肴盛りという感じです。器の上に並べて飾ろうとしないのが、心意気ですかね。
飛騨コンロで供されるのが、朴葉焼きで。野菜は下ゆでしてあって、味噌と絡めるだけでOK。茄子と味噌、葱と味噌、旨いはずです。鴨は半生が美味しい。でも味噌の染み込んだ鴨もまたいい。一番良いのが、味噌加減。煮詰まってくると、鴨の脂と解け合って、コクが深まり、味噌を舐めつつ酒がすすむ。黒龍も終わり加減で、調整して呑んでいたが、また酒を注文される。「〆張鶴」にされそうなところ、「北翔・大吟醸」を、もう次はご飯なのに頼む。
ご飯をしっかりお代わりして、満腹。ここでも「とんど祭り」のチラシを頂く。
お客さんから内親王誕生のニュースを聞く。同い年のプリンスも、とうとうパパだ。紀宮も降嫁も難航しているから、パパとしては心配やろねぇ。黒龍を呑んでいるというのも、縁かな。

2001年2月17日

夕御飯は笠屋町で取った。2月の献立と言うことだが、内容は

  • 白魚の香煎揚げ
  • 蟹、蟹味噌の旨酢ゼリー掛け、胡瓜、長芋、利休麩
  • 虎魚の刺身、肝、皮の湯通し
  • 替わり椀として、焼き餅の茶碗蒸し、白子の摺り流し
  • 菜種の辛子和え
  • てんぷら(車エビ、穴子、茗荷、タマネギ、さつまいも)
  • 白御飯、豆腐の味噌汁、目刺し、香の物
  • フルーツ(いちご、キュイ、パパイヤ、ミント
である。お酒は「王紋」「小鼓」と言いなり。むちゃは蟹の場合でも「蟹酢」というモノを余り使わない。だから酢に当てるのは好みではないが、いい塩梅です。味噌が美味しいので、この時点で酔っちゃいました。虎魚という魚は大好き。先日も「古いレバ刺しで、ウィルスいっぱいで中たった」と話題にしたばかりであるが、肝って大好き。それ以上に、皮の美味しいこと。河豚もイイしネェ。皮は美味しい。「紅葉おろし」は辛過ぎで、ポン酢だけで十分だ。「河豚の白子の茶碗蒸し」と聞いて、底からかき回して固まりを見つけてにんまりしたのもつかの間、それは焼き餅だった。焼き目を付けた河豚の白子と、だまされてしまった。悔しいぞ。緩急を付けた「おまかせ」の献立の講釈を聞く。
途中でデジカメの電池が切れた。悔しい。電池は買って来てくれない。
心斎橋に「もめんや」という「安モン屋」の食べるところがあるようだ。見に行ってみようかな。
2001年1月27日

夕御飯は、名前を出すと嫌な顔をしそうなので、「ひみつ」の場所だ。久しぶりの訪問になったが、キャンセルがあったということで、カウンターは贅沢な空間。お任せの献立は
  • 突き出しが、鱈の白子豆腐に紅葉おろしとアサツキ、伊勢エビに湯葉のわっぱの小鉢で山葵の入った旨出汁
  • 向付が、よこわ、ヒラメ、あしらいに撚り人参、防風、紫芽、醤油は2種
  • 椀が、鯛、焼き餅の蕪のみぞれ仕立て、ウグイス菜の盛りつけに振り柚子
  • 鴨、コンニャク、糸コンニャクの味噌仕立ての柚子釜には裏白の飾り
  • 若布に旨出汁
  • 伊勢エビのあっさり具足煮
  • 白御飯、出汁巻き卵、白菜の漬け物、止め椀が豆腐の味噌汁
  • 水菓子が洋梨と苺
お酒は「黒龍」「北翔」とした。(純米)吟醸クラスかな?相変わらずいい仕事してはります。豆腐の白子の味の濃厚なことは、豆腐であることを忘れるようだ。湯葉の出汁の味がちょっと弱いかな。椀も蕪の香りが出汁の隅々まで感じられる。インパクトがあるのが「柚子釜」。詳しくはスパイ扱い(笑)を受けてみられなかったが、鍋でコンニャクと一緒に鴨を煮ているようだ。香りづけに葱が入っている。それを柚釜に盛りつけて焼く。柚の香りがストレートに立ち上がってくる。味噌にも香りが付いて、それだけでもお酒が進む。若布が口休めになる塩梅。一息ついて出てきたのが、伊勢エビを半分使った「具足煮」。普通は味噌を使うが、ここではエビの味噌の味を損なうという理由で、蒸し上げて味噌は入れずに出汁をはる。最後は骨もしゃぶって、出汁は飲み干してしまう。最後は出汁がにじみ出してくる出汁巻きで御飯。久しぶりに味わったが、改めて、楽しいお食事、素晴らしいお店。
書ききれないお友達の話で、楽しみましたわ。明日は東京へフレンチの旅に行くそうで、忙しい人です。


1999年8月7日(月)

夕食は、笠屋筋の「もめん」さん。頂いたのは

  • 先付(吉野川の鮎の握り寿司、トウモロコシの天ぷら、だだ茶豆、
        もずく、タコと南京の炊き合わせ)
  • マグロと剣イカの造り
  • ゴマ豆腐と(マダカ)アワビの椀
  • アナゴの付け焼き
  • お凌ぎ(鮎の中骨の焼き物)
  • ハモ、松茸、タマネギの柳川もどき
  • お凌ぎ(冷や奴)
  • ご飯・ジャコと万願寺の炊いたん・水なすとキュウリの漬け物
  • 水菓子(幸水・ミント)
であった。何匹となく食べている鮎だが、今年、生では始めてである。山椒風味のネギが鮎の香りと引き立て合っている。吸い地の風味も優雅であります。ゴボウのない柳川もどきは、野趣さは欠けるが、出汁の旨みと卵とタマネギの甘味、松茸の香りが絶妙です。「エビス」「手取川」「小鼓」「立山」と頂く。飲み過ぎたかな。「津山」さんを紹介されるが、どこだったっけ?迂闊にも聞くのを忘れた。ここで働いていた方が泉大津の居酒屋で働いているらしい。


1999年1月22日(金)
夕食には東心斎橋「もめん」さんで、お任せを頼む。繊細な透明感のある味と刺激的な料理を堪能する。
  • 先付は、伊勢エビの香煎あげ
  • 造りは、よこわ、ひらめ
  • エビしんじょと切り餅の椀盛り、青物はウグイス菜
  • 焼き物はふぐ
  • 炊き合わせは、イイダコに菜の花の辛子和え
  • ふぐの白子の茶碗蒸し
  • お凌ぎにコノワタの烏賊和え
  • ウナギの蒸し寿司にダイコンの味噌汁が止め椀
「ふぐの白子の茶碗蒸し」のコクのある味、など旨し。「小鼓・純米吟醸」を2合、「鄙願」を1合呑む。「鄙願」は今はなき錫半の1合とっくりでサービスしてくれる。また嬉し。また行くぞぉ! 法善寺「本湖月」さんを紹介される。「味吉兆」のご主人やら、お友達らしいが、ちと高い。そんな理由で「藤久」さんもお知り合い。
日付忘れた
日宝ニューグランドビルの1階の奥、引き戸を開けるとカウンターのみのお店。11席ほどのキャパに男性3人。1人はバイトのようでもあり、駆け出しのようでもある。料理はおまかせで10000円のみ。この日の突き出しは、「伊勢エビの香煎揚げ」で身はあられを振ったモノと、卵(出汁で工夫してある)2色でエビの殻に盛りつけられる。味噌は蒸しあげられている為、こちらもいただける。「刺身」はヨコワ、ヒラメの2種。「エビしんじょの椀」には白身魚でつないだしんじょと、切り餅を焼き、ウグイス菜をのせ、盛りつけたモノ。かつをの済んだ香りが、椀にあふれる。かぼすの香りもまたかぐわしい。続いて「焼きふぐ」。あらの部分をロースターで焼いたシンプルな品であるが、皮の部分のゼラチンが旨い。「菜の菜の辛しあえ、イイダコの煮付け」が出され、「白子の茶碗蒸し」がでる。具は白子のみ。シンプルであるがまた美味しい。椀にはちりすが添えられ、おつ。自家製の「このわた」がイカとあえて1品出て、「ウナギの蒸し寿司」と「大根のみそ汁」でお任せのコースが終了。お酒は、小鼓を2合、鄙願を1合。他に紅寿、〆張鶴、立山かな。
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−地図−

 御堂筋    心斎橋筋     畳    笠    玉     
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                  周防町
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 │ │     ││  もめん││   ││   ││   │
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               八幡筋
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              三ツ寺筋       
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              宗右エ門町
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