祇園・にしむら

adrress東山区祇園町南570−160
call075(525)2727
open/night17:00-21:00
料理、¥10000
   ¥12000
   ¥15000
   ¥20000
off日曜日
capacityカウンター8,座敷3、要予約
memo東京「吉兆」出身。東京から戻ってきて祇園に店を出し、当初は素材の調達に苦労されたが、現在では実績もあり、最上級の魚を入手して、供する。仕込みは最小限で、客を目にして料理をする板前割烹風の仕事ぶりは、カウンターの醍醐味である。八寸など飾りも少なくシンプルである。器も料理も祇園に立地するため、かなり鍛えられているようで、西村元秀君は若いが、鍛えられている。売り物は冬から春までの「千枚漬け巻きの鯖鮨」である。8人のカウンターの前で1人でこなす仕事ブリを見ながら酒を呑むのが、楽しい。燗は「白鷹」、冷やは「桜正宗」・・最近増えた。ビールは主要な銘柄はすべてある。
impression 平成27(西暦2015)年12月1日
晩御飯は「祇園にしむら」(3.61/29)です。

カウンターの後ろには「寿山福海」と書かれた遥邨(山)揮毫の扁額。

  • ゴマ豆腐
  • 日月椀は、松葉とホタテの真蒸・かぶら・椎茸・京人参・ふき、針生姜
  • お造りが、三厩のマグロに鯛
  • 鯖寿司、甘酢生姜
  • 焼き八寸には、壺壺に蒸し牡蠣に柿、サワラの西京焼き、からすみ、芋いちょう、揚げ栗、銀杏、そば松葉、くわい餅
  • 丸の茶碗蒸し、スッポン・焼きネギ・卵黄
  • 炊き合わせが、エビ芋、揚げ生麩、ほうれん草・菊菜・京水菜、糸鰹。白味噌仕立て
  • 蟹ごはんの雲子・大葉の天丼・ウニのトッピング、止め椀、香の物
  • ラ・フランス、白ワインジュレ

今宵は青森の「善知鳥・大吟醸・百四拾精米歩合35%」を呑みます。
上品なバランスの味わいにサラサラの喉越し。田酒はアル添も素晴らしい。

先付のゴマ豆腐が、秋らしい乾山写し。
日月椀には、松葉とホタテの真蒸・かぶら・椎茸・京人参・ふき、針生姜。葛が引いてあるようです。

青磁に盛られたお造りが、お造りが、三厩のマグロに鯛。
千枚漬けを撒いた鯖寿司「八坂の雪」。甘酢生姜。
焼き八寸には、サワラの西京焼き。浅漬けという印象で甘さがくどくない漬かり具合。壺壺に蒸し牡蠣に柿、からすみ、芋いちょう、揚げ栗、銀杏、そば松葉、くわい餅。

丸の茶碗蒸し。スッポン・焼きネギが中に隠れて、卵黄が乗っております。あっさり丸味。
炊き合わせが、エビ芋、揚げ生麩、ほうれん草・菊菜・京水菜、糸鰹。白味噌仕立て。関東屋の白味噌。
蟹ごはんの雲子・大葉の天丼・ウニのトッピング。松葉の身をご飯にほぐして天丼のツユが掛かっております、そこに天だね二種類。さらにウニという贅沢な天丼です。止め椀は豆腐の赤だし、香の物。
フルーツが、ラ・フランス、白ワインジュレ。

一年に一度の「ぐじ棒寿司」をお持ち帰り。


平成27(西暦2015)年10月27日
晩御飯は「祇園にしむら」(3.59/29)です。

カウンターの後ろには「寿山福海」と書かれた遥邨(山)揮毫の扁額。

  • ゴマ豆腐
  • 日月椀は丸。かぶ、豆腐、焼きネギ、卵黄
  • お造りが、鯛、まぐろ。
  • 鯖寿司、甘酢生姜
  • 焼き八寸には、カマスの塩焼き、壺壺に雲子、からすみ、クワイの揚げ団子、銀杏、焼き栗、サツマイモのいちょうチップ、そば松葉
  • 油物には、松茸と鱧。山椒塩
  • 炊き合わせが、アワビ、えびいも、生麩、壬生菜、水菜、菊菜。糸カツオを乗せた白味噌仕立て
  • マグロのタタキとウニの丼、お吸い物、香の物
  • 柿、シャインマスカット、白ワインジュレ

今宵は宮城の「日高見・純米大吟醸・中取り・兵庫東条産山田錦精米歩合40%」を呑みます。
思うに欠点のないパーフェクトなお酒。程よく豊かな香りに、バランスの取れた味わい、軽やかだけど引き締まった喉越し。料理を邪魔しないし邪魔されもしない質。

先付のゴマ豆腐が乾山写しの器で出てきます。乾山と言えば光琳の弟。まぁ琳派展とは関係なく年中使われている乾山写しです。
日月椀には丸。かぶ、豆腐、焼きネギ、卵黄。

お造りが、鯛、大間のまぐろ。
千枚漬けを撒いた鯖寿司に変わっております、甘酢生姜。
焼き八寸には、カマスの塩焼き、壺壺に雲子、からすみ、クワイの揚げ団子、銀杏、焼き栗、サツマイモのいちょうチップ、そば松葉。

油物には、松茸と鱧。山椒塩。
炊き合わせが、アワビ、えびいも、生麩、壬生菜、水菜、菊菜。糸カツオを乗せた「関東屋」の白味噌仕立て
ご飯はマグロのタタキとウニの丼、お吸い物、香の物。
柿、シャインマスカット、白ワインジュレ


平成27(西暦2015)年9月29日
晩御飯は「祇園にしむら」(3.59/31)です。アラアラ不思議、温習会の提灯がないよ。

大将が一時修行していた東福寺の管長揮毫の「清秋」が掛かるカウンター。連休明け、客足が落ちたということです。独占のカウンター。

  • ゴマ豆腐
  • 土瓶蒸しで、鱧松、すだち
  • お造りが、鯛、まぐろ、鱧の落とし
  • とんぶりとウニ、舞茸・菊菜・黄菊・山葵
  • 鯖寿司、甘酢生姜
  • 葉皿の焼き八寸には、カマスの塩焼き、白ウルカ、揚げた小芋、素揚げの栗、さつまいもチップ、蕎麦の松葉、紫頭巾、からすみ
  • 鱧の肝の塩辛
  • 茶碗蒸しは、松茸・シメジ・京地鶏・百合根・結び三つ葉
  • アワビの肝
  • 煮物椀には、蕪、アワビ、鱧、結び菜
  • ご飯はイクラ丼、赤だし、香の物
  • 二十世紀梨、シャインマスカット、白ワインジュレ

今宵は秋田の「浅茅生『SAKE BREWER HACHIBE XVU PURE 40』・純米大吟醸原酒・斗瓶取り・兵庫県産山田錦精米歩合40%・協会1801酵母:27.8」を呑みます。
赤ナシ、マスカットの香りが最初に、呑んだ後にはリンゴの様な香り。かなり香りに引っ張られて味わいも濃いんですが、フルーツの酸味のような爽やかさが味を切って後味はすっきり。昨年感じた苦みは、最初だけほんの少し感じたけど、逆に味に深みを与えているようにすら感じます。味わいは、食事の最後まで変わらず、好みのええお酒でした。

いつものゴマ豆腐。豆腐が年中の料理だけに、季節の絵柄の器がよろしいなぁ。
土瓶蒸しで、鱧松、すだち。思い出してみれば、今年最初の土瓶蒸しですわ。鱧と松茸しか入ってない。

お造りが、鯛、まぐろ、鱧の落とし。戸井のマグロはトロと赤味。とっても珍しいことに鱧が盛り込まれています。
八寸に盛り込まれそうな一皿。とんぶりとウニ、舞茸・菊菜・黄菊・山葵。
そして定番、鯖寿司、甘酢生姜。もう大藤さんは千枚漬けを販売しているそうですが、固いという評価で使わずのようです。サバも脂が適度に乗ってきているようです。

葉皿の焼き八寸には、カマスの塩焼き。控えめ。壺壺に白ウルカ。下味をつけ揚げた小芋、素揚げの栗、イチョウのさつまいものチップ、蕎麦の松葉、紫頭巾、からすみ。
八寸と同時に、鱧の肝の塩辛。旨いけど、辛いし、濃いのです。
珍しい茶碗蒸しは、松茸・シメジ・京地鶏・百合根・結び三つ葉。かなりしっかりキノコの味が出た茶碗蒸し。鶏さんが使われるのも珍しい。皮目を炙ってあります。
アワビの季節のお決まりの酒肴が、アワビの肝。この後の、アワビの料理に合うのです。

煮物椀には、蕪、アワビ、鱧、結び菜。アワビの出汁を含んだ鱧も(松茸に劣らず)美味しい。
ご飯はイクラ丼。赤だし、香の物。
二十世紀梨、シャインマスカット、白ワインジュレ。

少し季節的には遅くなったけど、鱧の棒寿司をお持ち帰り。


平成27(西暦2015)年8月11日
暖簾をくぐって扉を開けようとする前に、暖簾おかげから女将が撮影を覗いておりました。笑っちゃいました。すでにカウンターではその話で持ち切りのようです。今宵のディナーはそんな「祇園にしむら」(3.63/30)で晩御飯です。

背後には「不矩」の扇面画で「茗荷とバッタ」。

  • ゴマ豆腐
  • お椀は、鱧松、糸柚子
  • お造りが、鯛、まぐろ
  • 鯖寿司、甘酢生姜
  • 葉皿の焼き八寸には、スズキの塩焼き、渡りガニとズッキーニの白和え、丸十、白ズイキのトロロ和え、カラスミ、万願寺の揚げ浸し、万願寺の揚げ浸し・茗荷
  • 油物は、枝豆、タマネギ・ニンジンのかき揚げ、鱧、タコ、松茸、トウモロコシ、実山椒塩
  • 煮物椀には、アワビ、イカ、生麩、賀茂ナス、ほうれん草の白味噌仕立て、糸カツオ
  • ご飯は焼き鮎と刻み松茸の丼、赤だし、香の物
  • 桃とマンゴ、白ワインジュレ

今宵は秋田の「一白水成・純米大吟醸・秋田酒こまち精米歩合45%」を呑みます。
香りは抑えめだが甘いフルーツの香り。料理と合うと、甘みが口の中でぞ薄くされるように膨らみますが、余韻は短くスッキリ。食事を意識した日本酒といえるでしょう。味わいは、最後まで変わらず、しっかりしたものです。

いつものゴマ豆腐。
お椀は、鱧松に糸柚子。松茸は中国産らしいけど、中国産でも高いものはそれ相応にいいのだそうだ。中国産といえ馬鹿に出来ないそうだ。ものは値段次第だ。コースの値段によって、松茸の量が微妙に違う。今日は淡路の鱧だそうで、ここんところ、品がいいようで使っているようです。

お造りが、鯛とまぐろ。宮崎産のマグロだったかな?ここんところ鯛に外れがない。
定番の鯖寿司、甘酢生姜。
葉皿の焼き八寸には、スズキの塩焼き、渡りガニとズッキーニの白和え、丸十、白ズイキのトロロ和え、カラスミ、万願寺の揚げ浸し・茗荷。辛みの少ない万願寺だけど、どうしても残る苦みも旨く消えている。内容は先月とかわらんね。

油物は、枝豆、タマネギ・ニンジンのかき揚げ、鱧、タコ、松茸、トウモロコシ、実山椒塩。これも変わったのは鮎が松茸に。
煮物椀も、先月と変わらう、アワビ、イカ、生麩、賀茂ナス、ほうれん草の白味噌仕立て、糸カツオ。
ご飯は焼き鮎と刻み松茸の丼、赤だし、香の物。醤油で香付けされたご飯に刻んだ松茸と焼き鮎。
桃とマンゴ、白ワインジュレ


平成27(西暦2015)年7月14日
今宵のディナーは提灯さがる「祇園にしむら」(3.63/30)で晩御飯です。

背後には「辨自」の扇面画で「鮎」

  • ゴマ豆腐
  • お椀は、牡丹鱧にジュンサイ、糸柚子
  • お造りが、鯛、まぐろ
  • 鯖寿司、甘酢生姜
  • 八寸には、スズキの塩焼き、丸十、カラスミ、渡りカニの白和え、万願寺の揚げ浸し、白ズイキのトロロ和え
  • 油物で、トウモロコシのかき揚げ、枝豆のかき揚げ、鱧の天ぷら、小鮎の天ぷら、蛸の天ぷら
  • 炊き合わせが、白味噌仕立ての煮物椀でアワビ、イカ、賀茂ナス、法蓮草、糸カツオ
  • ご飯は鱧丼、赤だし、香の物
  • ピオーネ、マスカット、白ワインジュレ

今宵は宮城の「DATE SEVEN・純米大吟醸・蔵の華精米歩合33%」を呑みます。調べてみると、宮城の七つの蔵が技術提携・研修して毎年1本仕込むようで、episode1という最初の年である今年は「山和酒造店」がリーダー蔵となり、精米を新澤醸造店(伯楽星)、原料処理を寒梅酒造(宮寒梅)、麹を萩野酒造(萩の鶴)、酒母を川敬商店(黄金澤)、醪を墨廼江酒造(墨廼江)、上槽を勝山酒造(勝山)が担当したそうです。宮城県産「蔵の華」を33%まで磨き、特別に選別した「DATE SEVEN酵母」。
明瞭な果実の香りが、徐々に高まって、それとともに甘みも膨らんできます。流石に雑味がないので、最後までクドクならずにさっぱりすっきりと余韻ほどほどにキレます。バカラのローハン。

いつものゴマ豆腐。
お椀は、牡丹鱧にジュンサイ、糸柚子のシンプルなお椀。ふっくらしたハモ。

お造りが、鯛、まぐろ。このところ鯛の出来がいいようです。
夏の鯖寿司、甘酢生姜。
八寸には、スズキの塩焼き、丸十、カラスミ、渡りカニの白和え、万願寺の揚げ浸し、白ズイキのトロロ和え。さりげなく新作蟹の白和え。苦味を消した揚げた万願寺も優しい味になってます。

油物で、トウモロコシのかき揚げ、枝豆のかき揚げ、鱧の天ぷら、小鮎の天ぷら、蛸の天ぷら。鮎以外は美味しくいただけます。なぜか魚の臭みが他の料理とあわない印象。鮎の天ぷらを舌が嫌いになったのかな?
炊き合わせが、白味噌仕立ての煮物椀でアワビ、イカ、賀茂ナス、法蓮草、麩、糸カツオ。たっぷりお腹が膨れそうな炊き合わせだけど、根菜類が入ってないので、もたれない。イカとはサプライズ。
ご飯は鱧丼、赤だし、香の物。焼き鱧の丼に錦糸卵。あっさり目の焼きダレは上品で、コース料理の最後に相応しい軽さ。焼き物がご飯に入るというので、八寸の中に焼き物を入れたそうです。夏にウナギが高くて手に入らないなら、京都では鱧をたべたらええねん、とカウンターでは盛り上がっておりました。
グラスに、ピオーネ、マスカット、白ワインジュレ

食後に、お客さんの持ち込みのピエモンテの赤ワイン「バルベーラ・ダルバ・スペリオーレ 2012 フラテッリ・ポンテ」を味見させてもらいます。


平成27(西暦2015)年5月19日
今宵のディナーは「祇園にしむら」(3.62/28)で晩御飯です。

背後には「遥邨」。筏流し?

  • ゴマ豆腐
  • お椀は、鯛の潮、大根、若芽、糸柚子
  • お造りが、鯛、まぐろ
  • 鯖寿司、甘酢生姜
  • 八寸には、蛸とモズクの加減酢、ジュンサイ旨出汁、白ずいき、トウモロコシのかき揚げ、グリーンアスパラガスの白和え(蓮根・椎茸)。後からカラスミ
  • ぐじの酒蒸し、食べ終われば昆布出汁
  • 炊き合わせが、いちご煮風。ウニ、アワビ、えび、ホタテ、冬瓜、長芋、マッシュルーム、後からアワビの肝の塩辛
  • 豆ごはんに村沢牛のローストビーフ乗せ、止め椀、香の物
  • イチゴ、マンゴクリーム

今宵は静岡の「「初亀・大吟醸・愛・(フロンティア東条)東条産山田錦精米歩合45%」」を呑みます。ワイングラスでサービスしてくれます。静岡系のかっての薫り高い吟醸を思えば、控えめな香りですが、南国系の甘味を感じる香りとともに旨味の厚いお酒。そんな味わいもキレがいいので、喉越しはさらりと消えるのでした。

定番のゴマ豆腐から。香ばしいゴマダレに、きめの細かいクリーミィなゴマ豆腐。ただ口開け直後の初亀とは、難しい組み合わせ。ほとんどの日本酒との愛称は良くないのです。
お椀は、鯛の潮、大根、若芽、糸柚子。カマの部分。わずかに蒸しが甘いような鯛ですけど、旨みがドンドン迫ってきます。初亀の愛ちゃんは出汁にグッド。絶対に鱧のお椀と思っていたら、6月からなんだそうだ。
朝鮮総連の松茸事件で、今年は供給不足になって、高騰しそうだという予測をしてはります。

お造りが、鯛、まぐろ。鯛は二種類のようで、一つは昆布〆。昆布臭さのない旨みだけがしっかり乗る熟成感のある鯛が須原らしい仕事です。
名物の鯖寿司、甘酢生姜。
八寸には、蛸とモズクの加減酢、ジュンサイ旨出汁、白ずいき、トウモロコシのかき揚げ、グリーンアスパラガスの白和え(蓮根・椎茸)。かって定番だったタコの料理が八寸でこそっと登場。レンコンと椎茸を刻んでひと仕事の白和えの衣。途中からカラスミ。

カウンターでは、今宵は「ぐじの酒蒸し」が全員にでてます。焼き目をつけて酒蒸し。食べ終われば昆布出汁を鍋から注いでくれます。いい味です。酒蒸しよりスープの方が美味しいのではないかと思えるくらい。
炊き合わせが、いちご煮風。ウニ、アワビ、えび、ホタテ、冬瓜、長芋、マッシュルーム。正確にはウニは乗せただけだけど、食材の構成は贅沢なイチゴ煮。アワビの出汁で白く濁って旨み満喫。エビさんやらホタテさんやら賑やかな炊き合わせ。後からアワビの肝の塩辛。炊き合わせのアワビに漬けたり、出汁で伸ばしたり、最後は酒で洗うように飲み干す肝です。
豆ごはんに村沢牛のローストビーフ乗せ、止め椀、香の物。贅沢な豆ごはんに錦糸が乗って、ローストビーフ。味はあっさり。

食事をするとお酒を呑まないようにしているんだけど、瓶に残った分をグラスに注いで氷を入れてサケロックを勧めてくれます。あまり好きな呑み方じゃないけど、味わいの濃厚な愛ちゃんは氷が加わってもバランスが崩れず、軽やかさがまして、まだ呑めそうな気分にさせてくれます。

イチゴ、生クリーム、赤ワインジュレ。瑠璃釉に赤と黄色と鮮やかな水菓子。クリームが巧い。


平成27(西暦2015)年4月14日
今宵のディナーは「祇園にしむら」(3.62/27)で晩御飯です。暖簾の前で外国人が立ち止って、邪魔すんなよと思っていたらお客さん。アデレードから来たアラフィフのハネムーナーでした。同じカウンターで賑やかになります。

背後には「不矩」の「舞妓さん」。

  • ゴマ豆腐
  • お椀は、ホタテの真丞、若芽、わらび、木の芽
  • お造りが、鯛、まぐろ
  • 鯖寿司「八坂の雪」、鯛の白子
  • 八寸には、タケノコの木の芽田楽和え。花わさび、芹、ミルガイのお浸し。揚げ物には、タラノメ、ふきのとう。鯛の真子、ホタルイカ、菜の花。炙ったバチコ、カラスミ
  • マナガツオの西京焼き、山蕗の山椒煮、甘酢蓮根
  • 炊き合わせには、アワビ、長芋、物集女のタケノコ、水菜、お揚げさん、木の芽、アワビの肝
  • 白魚と、玉ねぎのかき揚げの丼・木の芽、止め椀、香の物
  • イチゴ、生クリーム、赤ワインジュレ

今宵は「松の司・2014(H26BY)・純米吟醸・AZOLLA・竜王町産特別栽培米山田錦(環境こだわり農産物認証)精米歩合50%・自社保存株酵母」を呑みます。梨やリンゴの香りに交じってグレープフルーツのような香と少しの苦みを感じる口開け。すぐに苦みが消えて味が膨らみ旨味が増し美味しくなった。

乾山写しの桜の器に、ゴマ豆腐。
お椀は、ホタテの真丞、若芽、わらび、木の芽。真蒸からホタテの旨味がブワット爆発する感じ。

お造りが、鯛、まぐろ。旨みの乗った鯛でした。
鯖寿司「八坂の雪」、鯛の白子。大きな白子のようです。大藤さんでは15日まで出荷するという千枚漬けですから、今週には、八坂の雪も終了でしょう。
八寸には、タケノコの木の芽田楽和え。花わさび、芹、ミルガイのお浸し。揚げ物には、タラノメ、ふきのとう。鯛の真子、ホタルイカ、菜の花。炙ったバチコ。あとからカラスミ。バチコはフレッシュで、ソフトタイプです。まるまる一枚。エクスペンシブ。唐墨は後出し。エクスペンシブとカウンターでは喋っております。

記憶にない器。マナガツオの西京焼き。これも大きいサイズだ。味噌の漬かり具合が艶めかしい味わい。山蕗の山椒煮、甘酢蓮根。
炊き合わせには、アワビ、長芋、物集女のタケノコ、水菜、お揚げさん、木の芽。味の浸みこんだ長芋グッドジョブ。後出しで、アワビの肝。
食事の丼は、白魚と、玉ねぎのかき揚げ・木の芽。止め椀、香の物。あるかないかの丼のツユがいい塩梅でかき揚げが旨い。
イチゴ、生クリーム、赤ワインジュレ。


平成27(西暦2015)年3月5日
今宵のディナーは「祇園にしむら」(3.57/26)で晩御飯です。
カウンターやがて満席。
背後には「青邨」の「紅梅白梅図」。

  • ゴマ豆腐
  • お椀は、大根に鋳込んだハマグリ、若芽、木の芽
  • お造りが、鯛、まぐろ
  • 鯖寿司「八坂の雪」
  • 八寸には、のれそれ、ホタルイカ、白魚、からすみ、菜の花、春菊・芹・フキノトウのお浸し
  • マナガツオの西京焼き、菊花膾
  • 炊き合わせには、タケノコ、長芋、ふき。一寸豆、木の芽
  • 松葉ガニの蟹玉餡かけ丼、止め椀、香の物
  • イチゴ、生クリーム、赤ワインジュレ

今宵は高知の「土佐しらぎく・大吟醸・兵庫県産山田錦精米歩合40%」です。爽やかな香りに、軽やかな飲み口。
先付のゴマには合わないと思うけど、その後は、滑るような喉越し。香りも豊かだし、味も清楚。濁った印象がない。

鮮やかな黄交趾にゴマ豆腐。
ハマグリの殻のお椀には、大根に鋳込んだハマグリ、若芽。大根の真ん中を丸くくり抜いた凹に煮ハマグリ。吸い地はハマグリの濃厚で白濁したもの。せらい濃い吸い地を出してきたものだと感心。木の芽。

扇面の器に、お造りが、鯛、伊根のまぐろ。鯛は水っぽい味わいでイマイチ。
鯖寿司「八坂の雪」。そろそろ千枚漬けも終わりかな。つくづく思うけど、コースで出てくる鯖寿司のサイズとしては絶妙だ。
鮮やかな交趾の大皿の八寸には、のれそれ、ホタルイカ、白魚、からすみ、菜の花、春菊・芹・フキノトウのお浸し。ノレソレはポン酢、ホタルイカは黄身酢。白魚は天ぷら。菜の花は胡麻和え。お皿代わりに使われているのがハマグリの殻で、大きさからお椀のハマグリの大きさが想像できます。

片口を使っての、マナガツオの西京焼き。味噌の香りを押さえたしっとり味。
炊き合わせには、タケノコ、長芋、ふき。一寸豆、木の芽。これはもう春の野菜。
締めのご飯は松葉ガニの蟹玉餡かけ丼。今年最後の松葉ということです。ありがと。他のお客さんには、生マグロ乗せの鯛茶のようです。止め椀、香の物。
水菓子は、イチゴ、生クリーム、赤ワインジュレ。


平成27(西暦2015)年2月3日
一息ついている間に、雨は上がったようで、四条通りを南へ移動して「祇園にしむら」(3.59/23)で晩御飯です。
カウンターには先客二組のみ。フランス人もおられた。
背後には「青邨」の「紅梅白梅図」。

  • ゴマ豆腐
  • お椀は、まる、大根、焼き餅、黄身、白ネギ、豆腐
  • お造りが、鯛、まぐろ、ひらめ(縁側)
  • 鯖寿司「八坂の雪」
  • 八寸には、イクラしょうゆ漬け、雲子の天ぷら・おろし・ネギ、春菊・芹・フキノトウのお浸し、菜の花、イワシの塩焼き、カラスミ。後から海鼠腸
  • ぐじの酒蒸し
  • カブラ蒸し、松葉ガニ、頭芋、タケノコ、ふき。別にカニみそ
  • サバを使った恵方巻
  • たまご丼(白魚)、止め椀、香の物
  • イチゴ、白玉、小豆餡、生クリーム

今宵は高知の「土佐しらぎく・大吟醸・兵庫県産山田錦精米歩合40%」です。爽やかな香りに、軽やかな飲み口。

水仙の乾山写しに、いつものゴマ豆腐。
富貴のお椀は、まる、大根、焼き餅、黄身、白ネギ、豆腐。ちょっと醤油の香りが勝っているようですが、しっかり旨い吸い地。大根にへこみを作って鋳込んだ焼き餅とすっぽんです。珍しく仕事をしてます。

お造りが、鯛、まぐろ、ひらめ(縁側)。壱岐のマグロらしい。昨日のものらしいが、ヒラメが抜群に旨みが乗っております。鯛は昆布締めのようですが、ヒラメに負けてます。
鯖寿司「八坂の雪」。
八寸には、イクラしょうゆ漬け、雲子の天ぷら・おろし・ネギ、春菊・芹・フキノトウのお浸し、菜の花、イワシの塩焼き、カラスミ。後から海鼠腸。春を先取るお浸し。フキノトウをお浸しで食べるのは初めてですが、いい苦味。節分らしくイワシですが、柊を飾らないあたりが、いいですねぇ。善意にとれば、食べられないものは盛り込まない。海鼠腸が極上です。

蓋付きの大皿に、ぐじの酒蒸し。他のお客さんには、マナガツオのようですが、責任取って「頭も食え!」ということでしょう。昔は、鯖寿司を持ち帰っていましたが、年を取って、一本は多くて食べづらくなってからは、夏の「鱧」、冬の「ぐじ」だけ作ってもらっております。
骨だけにした後は、昆布出汁を注いでもらいます。美味しいところは、しっかりいただかなくては、グジも成仏できません。
炊き合わせ、野菜に、カブラ蒸しです。中には松葉ガニ、頭芋、タケノコ、ふき。冬と物と春のもの。別にカニみそ。

今日は節分だというので恵方巻がでるようです。といっても最近は巻いていなかったそうです。カウンターで目の前で巻いて送れるので、今日はお得なカウンター。サバを使った恵方巻は、玉子焼きとサバ、胡瓜だけのシンプルなもの。甘い玉子焼きと塩気のある胡瓜、それにサバがい組み合わせです。
で、本当のご飯はたまご丼で、白魚を玉子で閉じたもの。この丼のツユがまた美味しいでした。止め椀、香の物。
イチゴ、白玉、小豆餡、生クリーム。


平成27(西暦2015)年1月8日
京都での食い始めには「祇園にしむら」(3.62/23)となりました。日程が合わず、しばらく間が空く、久しぶり。
カウンターは三組のみでゆったり。
背後には「西山英雄」の「餅花」の絵が掛かるカウンター。

  • ゴマ豆腐
  • お椀は、頭芋の雑煮、紅白、結び橙、糸カツオ
  • お造りが、鯛、まぐろ、ぶり
  • 鯖寿司「八坂の雪」
  • 八寸には、壺壺にナマコに海鼠腸、金柑イクラ、ちしゃとう、たたきごぼう、数の子、田作り、くわい、酢レンコン、黒豆・芽甘草、カラスミ
  • にしむら風ぶり大根
  • エビ味噌
  • 炊き合わせに、筍、ふき、木の芽、白板昆布
  • たまご丼(イセエビの身・トッピングがウニ)、止め椀、香の物
  • 七草粥
  • イチゴ、生クリーム。白ワインジュレ

今宵は福岡・久留米の「庭の鶯・大吟醸・心・山田錦精米歩合39%」です。清楚な香りに上品な味わい。

いつものゴマ豆腐から始まりますが、今日の出来はいい。なかなかお酒に合わない印象だけど、今日の組み合わせは成功です。偶然ですけど。 15日までは、お正月の料理ということらしく、お椀は、頭芋の雑煮。紅白、結び橙。ごろっとした芋ではなく少し厚めにスライスしてある頭は、下地も付いているようで、旨い芋。雑煮の中の頭芋も工夫次第で旨いということを知りましたけど、謂れから言うとゴロッと入っていないといけないんじゃないかとも思うのです。「代々を結ぶ」という縁起物。

お造りが、鯛、まぐろ、ぶり。正直に出来の悪いという鯛と最近いいのが阿賀ているという津軽海峡(松前?)のマグロ。おまけ風にブリも盛り込まれた向。
冬の定番鯖寿司、「八坂の雪」。
松の内ならではの八寸には、壺壺にナマコに海鼠腸、金柑イクラ、ちしゃとう、たたきごぼう、数の子、田作り、くわい、酢レンコン、黒豆・芽甘草、カラスミ。金柑が食べられると知らないお客さんも多いようです。

にしむら風ぶり大根は、氷見のぶりを焼き、大根と合わせて、あんかけ風の醤油ダレ。カマの部分を割ってくれたようです。魚の皮も美味しいのですが、残すお客さんもあるようです。
今日は蟹を出さないようなのですが、伊勢エビのミソが珍味で出てきました。カニほどインパクトはないけど、お酒にジンワリ合う。
炊き合わせに、京都の筍、ふき、木の芽、白板昆布。毎年年明けにはタケノコを使ってるを知ってるから慣れて来たけど、それでも、早いなぁという印象です。炊き合わせに、先ほどのエビ味噌がいいマッチング。エビの香りが炊き合わせの風味を高めます。お店としては、嫌な食べ方だろうけど。

ごはんはたまご丼(イセエビの身・トッピングがウニ)、止め椀、香の物。ごろんとしたエビの身にご飯をもって、フワフワの卵焼きに、ウニを乗せて、餡かけ。欲張ったトッピングです。
実際には昨日の料理だろうけど、七草粥も食べられるということなので、遠慮なく、それでも少しだけいただきます。料理屋でちゃんとした七草粥は、初めてかもしれない。薄塩味で落ち着く味わい。
水菓子はイチゴ、生クリーム。白ワインジュレ。

2月からのジャパンレストランウィークに参加するそうです。宣伝になるのかどうか分からないけど、なかなか面白い店も参加しているようです。和食の宣伝に熱心なお店が参加してなかったり、深読みしたくなる提供店リストです。
お昼の営業も、一人からでも利用できるような口ぶりですけど、あまり熱心でないようで、妙に安心した次第。


平成26(西暦2014)年10月28日
奇しくも昨晩テレビにで見かけた「祇園にしむら」(3.62/23)で、夕食です。
内玄関脇に、良く見かけるぐるなびからの花がおいてあります。胡蝶蘭じゃない店もあるんだぁ。カウンターは総勢4名、ゆったり。
背後には「不矩」の菊の扇面画。

  • ゴマ豆腐
  • お椀は、ぐじかぶら
  • お造りが、鯛、まぐろ
  • 鯖寿司「八坂の雪」
  • 八寸には、壺壺にイクラの醤油漬け、零余子とピーナッツの白和え、鮎の焼き蒸し焼き・頭の揚げたん・カラスミ・銀杏、紫頭巾、煮栗
  • サワラの幽庵焼き、レンコン・茗荷
  • あわび、練肝
  • 炊き合わせに、あわび、鱧、小芋、水菜・菊菜、松茸、舞茸、黄柚子
  • 天丼(マグロ、レンコン・人参のかき揚げ)・九条ネギ、止め椀(豆腐、とろろ昆布)、香の物
  • 柿に栗ペースト

今宵はシャンパンボトルの「鳳凰美田・2013純米大吟醸原酒・Phoenix・愛山精米歩合45%・24BY」です。栃木です。ワイングラスを用意してくれました。
一年貯蔵の効果か立香は控えめですが、甘栗のようなニュアンスが感じられます。熟成の影響でしょうか?口に含めば完熟した洋ナシのような甘い香り。甘さは感じるけどキレはいい。原酒でありながら、円やかな口当たりで、するりと滑り落ちる喉越しです。

テレビにも出た定番のゴマ豆腐。このゴマ豆腐には、合うお酒が少ないような印象なんですが、フェニックスは無難。
お椀は、ぐじかぶら。実にシンプルに、シンプルな黒の無地椀に白さが引き立つカブラとグジ。グジには焼き目。魚臭さがなく、吸い口はないけど、吸い地のいい味。
お造りが、鯛、戸井のまぐろ。マグロが霞む鯛の旨さ。

テレビにも出た名物の鯖寿司は、現在発売中の「あまから手帖・11月号(30周年記念号)」にもスペシャリテとしても出ております。
撮り忘れた八寸。まだ認知症ではないようで、思い出せました。壺壺にイクラの醤油漬け。零余子とピーナッツの白和えはナッツのコリコリした食感と香りが旨い仕上がり。名残鮎の焼き蒸し焼き・頭の揚げたんの下にカラスミ・銀杏。紫頭巾・栗の皿。
焼き物はサワラの幽庵焼き。レンコン・茗荷。浅漬けの幽庵だそうです。淡泊なサワラでした。
あわび、練肝。
炊き合わせに、あわび、鱧、小芋、水菜・菊菜、松茸、舞茸、黄柚子。コースの中の労作だそうです。まだ鱧を使ってと、言いそうになりましたが、アワビの味がしみ込んだ鱧も美味しい仕上がり。食材が上品にまとまっていました。アワビには肝を添えて食べるのが、むちゃ流。

ご飯は天丼でした。贅沢にマグロの天丼、レンコン・人参のかき揚げもあるし、九条ネギも香りのよいもの。
水菓子には、柿に栗ペースト。

新幹線で帰るというおひとり様がお隣で、なんだかペースに巻き込まれた感じで、いつもより早く進んだ食事。
いつも通り呑んでましたが、原酒という割に回りません。酔わないなぁと、思っていたけど、電車で記憶がなかった。


平成26(西暦2014)年9月19日
晩御飯は「祇園にしむら」(3.70/23)。
今月の絵は遥邨だったと思う。

  • ゴマ豆腐
  • お椀は、鯛の潮、大根
  • お造りが、鯛、まぐろ
  • 鯖寿司
  • 八寸には、伏見唐辛子とジャコ、鮎の焼き蒸し焼き・頭の揚げたん、カラスミ、揚げ銀杏、鱧の子塩辛、枝豆、トウモロコシ
  • 松茸のフライ、酢橘醤油
  • 土瓶蒸し(松茸・ハモ)、酢橘
  • あわび、練肝
  • 炊き合わせに、アナゴ、生麩、南京、小芋、水菜、菊菜、ネギ、茗荷
  • 白ごはん、鯛の焼き物、タタキマグロのとろろ和え、香の物
  • 梨、白ワインジュレ

今宵は「獺祭・純米大吟醸・磨き二割三分」です。ワイングラスを用意してくれました。ふくよかな香りに、軽いのどごしに奥に甘さを感じる味わい。

定番のゴマ豆腐。
お椀は、鯛の潮、大根。カマの部分。降り柚子。潮は何回か食べているけど、かっての記憶と違うしっかり味。美味しくないわけじゃないけど醤油が多い?
お造りが、鯛、カナディアンまぐろ。最近は、マグロが復活しつつあるようです。竜田川には、赤味があった方がいいと思う。

鯖寿司。秋っぽい味になってきた印象。来月からは、千枚漬けでしょう。
八寸には、伏見唐辛子とジャコ、鮎の焼き蒸し焼き・頭の揚げたん、カラスミ、揚げ銀杏、鱧の子塩辛、枝豆、トウモロコシ。焼いて骨を抜いた鮎のお腹には、実山椒が入っていて、それを蒸すことでしっとりさせているようです。腹の子も柔らかくしっとり。
松茸のフライ、酢橘醤油。
二品目の松茸は土瓶蒸し。中は松茸・ハモのみ。今日はなんだか醤油の香りを強く感じる日です。そういう体調かな?

うすく切ったあわびに、練肝。
炊き合わせに、アナゴ、生麩、南京、小芋、水菜、菊菜、ネギ、茗荷。これが止め椀代わりに、ご飯と一緒に出てくる。
白ごはん、鯛の焼き物・大根おろし、タタキマグロのとろろ和え、香の物。マグロの筋っぽいところやらをまとめて叩いたマグロトロロもおかずとして出てきました。
貰いものらしい梨に、白ワインジュレ

最近使い始めた(というか他のが使いやすかった)柳を仕込んでいるという話が、食後のカウンターならではの話題。包丁の素材から、研ぎ方やらに始まって、鱧の骨切にまでレクチャーを受ける。鱧の骨を切る機会は一生ないだろうけど、薀蓄になる。
最近テレビに出る機会が増えてきているんだけど、来年4月のNKH「美の壺」の京都キャンペーンシリーズで取材予定なんだそうだ。テーマは分からないけど・・・?
アメックスのCM(収録済み)にも・・・


平成26(西暦2014)年8月19日
晩御飯は「祇園にしむら」(3.70/23)。
台風と事故のせいで、あちこち修繕しての昨日からの営業だそうです。玄関わきの犬矢来も新品テカテカ。
久しぶりにカウンターは独占。カウンターの背後には正井和行の「白桃」

  • ゴマ豆腐
  • お椀は、鱧松、別皿に柚子
  • お造りが、鯛、まぐろ
  • 鯖寿司
  • 八寸には、しし唐とジャコ、鮎の焼き物・頭の揚げたん、カラスミ、揚げ銀杏、鱧の子塩辛、枝豆、トウモロコシ
  • キノコの茶碗蒸し、あわび
  • 炊き合わせに、アナゴ、焼きナス、冬瓜、南京
  • 白ごはん、カマスの焼き物、止め椀(豆腐とおぼろ)、香の物
  • 白桃、マンゴアイス

今宵は「日高見・弥助・純米大吟醸・山田錦東条松沢地区産精米歩合40%・宮城酵母」です。
パイレックスという理科学実験用の耐熱ガラスで制作されたひょうたんボトル。
グラスワインを出してくれたので、ゆっくり味わいます。グラスのボールで揺らしても、大吟醸らしい芳醇な華美な香りではなく、柔らかく落ち着いた立香。完熟リンゴのような甘い香り、熟れた洋ナシのような香り、すっきりしたデラウェアのような香が、かすかに入り混じった淡い香り。口に含んだ味もさらりと上品。喉越し軽くさらりと消える甘味。すべての料理に美味しく味わえた。

定番のゴマ豆腐。
お椀は、鱧松。贅沢な松茸のボリューム。ありがとう。鱧は、柔らかくて崩れまくってしまったよ。別皿に柚子がでたけど、使わず。

お造りが、始めに良くないといわれた「鯛」と、珍しく宮城でいいのが挙がったそうで「まぐろ」。正直でした。旨味の乗らない鯛でした。中トロは香りのいい甘みもありました。
定番の鯖寿司。
八寸には、しし唐とジャコ、鮎の焼き物・頭の揚げたん、カラスミ、揚げ銀杏、鱧の子塩辛、枝豆、トウモロコシ。焼き八寸というべきか、本日焼き物がない代わりにここに鮎が入っています。頭は揚げて、鮎のお腹には・・・野菜(なんだだったかは忘れた)。しっとりと焼かれてました。

キノコと鱧の茶碗蒸し、あわび。松茸、舞茸・・・などと一緒に、鱧も入っていたようです。この鱧も柔らかくて崩れたようです。気付きませんでした。うえからアワビをスライスして乗せてあります。嬉しいことに一杯乗ってます。そのせいで、生暖かいアワビもありましたけど。
炊き合わせに、アナゴ、焼きナス、冬瓜、南京。
久しぶりの白ごはんのおかずに、カマスの焼き物・大根おろし。焼き物に登場してもいいぐらいのカマス。止め椀(豆腐とおぼろ)、香の物。
水物が白桃、マンゴアイス

今月からカード払いができるようになったそうだが、利用客が多すぎて、手持ちの資金がショート気味だそうだ。そんな話を聞くと、カードが切れなかった。


平成26(西暦2014)年7月1日
今宵の晩御飯は今月の婦人画報にも登場の「祇園にしむら」(3.72/23)。カウンターは常連の先客1人。後から初めてらしき関東のご家族一組とゆったり。カウンターの背後には不矩の「茗荷とバッタ」の扇面画。

  • ゴマ豆腐、ゴマクリーム、振り柚子
  • お椀は、鱧にゅうめん、錦糸玉子、椎茸、軸菜、花山椒
  • お造りが、鯛、いか、醤油、塩
  • 鯖寿司
  • 八寸に、じゅんさい、タコもずく、白ずいきのとろろ和え・海苔、トウモロコシかき揚げ・唐墨・稚鮎天ぷら、枝豆、丸十
  • 鱧の肝の塩辛
  • すずきのけんちん蒸し 絹サヤ、べっ甲餡
  • 野菜の炊き合わせに、アワビ、焼き茄子、冬瓜、車海老、茗荷、マッシュルーム
  • 牛丼、止め椀(豆腐)、香の物
  • サクランボ、デラウェアとバニラアイス

今宵は「松の司・2013(H25BY)大吟醸・出品酒・斗瓶囲い・東条産山田錦精米歩合35%・自社保存株酵母・500ml限定345本」です。
華美過ぎないフルーティな香りを、ほのかな甘み、程よい酸味で、癒されるはかなげな旨み。実力としては、置けば、もっと旨みとシャープさが出るかも知れないけど、、美味しいと唸ってしまうのでした。

定番のゴマ豆腐、今日はナッツの香りを高くクリーム。
お椀も婦人画報に載ってますが、鱧にゅうめん、錦糸玉子、椎茸、軸菜、花山椒。旨味しっかりの吸い地。お隣さんは「すり身」と間違うほどのフワフワに仕上がっている鱧です。
お造りが、鯛、いか、醤油、塩。鯛は腹身の部分でしたが、いい味。今日はみんな旨味しっかり。お酒が引き立て合います。

雑誌に載った名物、鯖寿司。
八寸には、ガラスにじゅんさい。四方の小鉢にタコもずく。壺壺に白ずいきのとろろ和え・海苔。油物としてトウモロコシかき揚げ・稚鮎天ぷら・唐墨。枝豆、丸十。
珍味の鱧の肝の塩辛が追加。塩っぱ旨。
スズキのけんちん蒸し 絹サヤ、べっ甲餡。豆腐の中に、人参・椎茸・牛蒡を混ぜて卵とじにした巻繊。きぬさや。タレが旨い具合でホロホロの巻繊も旨いし、スズキも脂乗っているようです。

  炊き合わせ、スライスしたアワビ、焼き茄子、冬瓜、車海老、茗荷、マッシュルーム。
最後は牛丼でした。最近お替りを用意してはるので、遠慮せずに二杯目。最初は赤味で、替えはロースを使ってくれたようです。スパイシーですがあっさり味。
サクランボ、デラウェアと珍しいバニラアイス。

食後に、なかなか理解できないオンラインゲームについて講釈を受ける。知らない世界だ!
webにも載っている「おみやげ」。


平成26(西暦2014)年6月3日
今宵の晩御飯は祇園の「祇園にしむら」。カウンターは先客1組。背後には紫明の二人舞妓。

  • ゴマ豆腐、降り柚子
  • 浪に千鳥の赤椀に、鱧、オクラタタキ、糸柚子
  • お造りが、鯛、いか、醤油、塩
  • 鯖寿司
  • アワビの肝
  • 八寸に、唐墨・厚焼き玉子・揚げ空豆・揚げトウモロコシ、たいらぎ・赤貝・ミルガイ・蓮芋・ウド・紫芽、白ずいき・もみ海苔、タコ・モズク・梅肉
  • グジの酒蒸し、ネギ
  • 野菜の炊き合わせに、アワビ、賀茂ナス、春菊、ホウレンソウ、揚げ生麩、白味噌仕立て、降り柚子
  • 豆ごはん・錦糸玉子、ローストビーフ風牛肉、練りからし、止め椀、香の物
  • あまおうイチゴと生クリーム入りヨーグルトソース

今宵のお酒は宮城石巻の「日高見・純米大吟醸・兵庫県東条松沢産山田錦精米歩合40%」です。
洋ナシやリンゴのような甘みを伴ったフルーティな味わい。喉ごしに軽い酸を覚えるけど、軽やかでふくらみのある余韻。

定番のゴマ豆腐、降り柚子。今日のお酒は、まずますゴマ豆腐にあった。
浪に千鳥の赤椀に、鱧、オクラタタキ、糸柚子。毎年の鱧シーズンインには定番の組み合わせ。
お造りが、鯛、いか、醤油、塩。腹の脂の多い部分ばかり入れてくれました。そんなこともあるけど、旨い鯛でした。塩でひと際、粘りのある旨み。

定番の鯖寿司。今日は尻尾の方が混じっておりました。
珍味のアワビの肝。
八寸に、唐墨・厚焼き玉子・揚げ空豆・揚げトウモロコシ、たいらぎ・赤貝・ミルガイ・蓮芋・ウド・紫芽、白ずいき・もみ海苔、タコ・モズク・梅肉。味の濃いトウモロコシ。貝もそろそろお終いだけど浸した出汁がいい。ずいきにもいい味が染みてます。モズクには梅はちょっと効き過ぎかな?
大皿で出て来たグジの酒蒸し。ほんのり酒の味も残る蒸し汁まで美味しく食べられます。でも、いつもは捕れるグジのグジが折れちゃうと悔しい。

黒のお椀に野菜の炊き合わせ。白味噌仕立てです。アワビの薄造りに、油通しの賀茂ナス。春菊、ホウレンソウに揚げ生麩。白味噌になれない人にはどうかと思うけど、甘みが旨み。
ご飯ははウスイ豆のごはん。錦糸玉子が乗って、ローストビーフ風牛肉。鴨ロースの作り方を応用している煮牛らしい。見た目は完全なローストビーフかタタキです。お替りできるというので、遠慮せず。
あまおうイチゴと生クリーム入りヨーグルトソース。イチゴも最終ロットだそうです。


平成26(西暦2014)年5月1日
今宵の晩御飯は祇園の「祇園にしむら」。先客2組、後から一人のカウンター。背後には紫明の芸妓さん。

  • ゴマ豆腐
  • 浪に千鳥の赤椀に、あわび、エビ真蒸、ずいき、木の芽
  • お造りが、鯛の松皮、鯛も白子、さより、醤油
  • 鯖寿司
  • 八寸の、舟皿に素魚と空豆の天ぷら、赤貝・鳥貝・たいらぎ・花山葵、うすい豌豆、カラスミ・厚焼き玉子・菜の花・ホタルイカ・鯛の子、
  • 焼き物がマスの木の芽焼き、酢レンコン、タケノコ木の芽和え
  • 野菜の炊き合わせに、タケノコ、蕗、フキノトウ、椎茸、長芋、花山椒 
  • マグロの漬け丼にウニ、山葵、止め椀、香の物
  • いちごとジュレ

今宵のお酒は青森の「松の司・2013(H25BY)・純米吟醸・AZOLLA・生原酒・竜王町産特別栽培米山田錦(環境こだわり農産物認証)精米歩合50%・自社保存株酵母・限定406本(1.8L換算)」です。
最初は生酒らしい鈍重な味わいで始まるけど、こなれれば味わいはふくよかな甘さに、喉ごしの綺麗さが加わって、美味。繊細な料理に、ぴったし。

料理は定番のゴマ豆腐から。ちょうどお酒を濃く感じる時に、ゴマのタレがいい具合でした。濃厚なゴマにあうとは珍しい。
浪に千鳥の赤椀に、あわび、エビ真蒸、ずいき、木の芽。アワビとは思えずアブラメかと思ったのでした。エビの香りも豊か。

お造りが、鯛の松皮、鯛も白子、さより。脂の乗ったサヨリでした。白子も立派な鯛。
いつもの鯖寿司ですが、いまいちの味。脂は少なく香りもらしくないなぁ。
八寸の、舟皿に素魚と空豆の天ぷら。ホクホクの空豆。サクサクの白魚。赤貝・鳥貝・たいらぎの貝の寄せもの。うすい豌豆に貼られたお出汁がいい味。クリーミィな豆。カラスミ・厚焼き玉子・菜の花・ホタルイカ・鯛の子。

焼き物がマスの木の芽焼き。福井産。食品偽装以来、鮭の偽物扱いされているきらいはあるけど、好きな魚です。酢レンコン、タケノコ木の芽和え。
野菜の炊き合わせに、タケノコ、蕗、フキノトウ、椎茸、長芋、花山椒。野菜だけだけどいい味が染みております、舌を刺す花山椒の香りが、どの野菜にも合って、旨さ倍増です。
  今日のごはんはマグロの漬け丼にウニ。ここでマグロが出てきましたぁ。贅沢にウニのトッピング。止め椀、香の物。

デザートは、いちごとジュレ。

遅れてやってきたお馴染みさんのガイオーレ・イン・キアンティのIGTのロゼ「ロザート 2012 ラ・ポルタ・ディ・ヴェルティーニ」を食後のデジェスティフに頂く。webではサンジョヴェーゼ100%。ロゼではDOCGを名乗れないそうです。
フランボワーズやアセロラのような薄い甘さは、人工甘味料臭さも感じるけど、バラの花のような香りに通じて、軽快な味わい。


平成26(西暦2014)年3月11日
予約していたのは「祇園にしむら」。ギュギュウのカウンターですが、早めの来店だったようで、途中から一人残されてしまった形。
不矩の桜の扇面画。

  • ゴマ豆腐
  • お椀は、鯛にゅうめん、錦糸、木の芽
  • お造りが、マグロ赤身、ひらめ(縁側)、チリ酢、醤油
  • 鯖寿司
  • 八寸の、ぼんぼりに煮ハマグリ・貝柱、壺壺に春菊・芹・フキノトウのお浸し、ハマグリに赤貝のテッパイ、値の花ゴマ汚し・カステラ玉子・カラスミ、
  • 焼き物がマナガツオの味噌漬け、牛蒡、酢レンコン、キャベツ巻きサラダ
  • カブラ蒸し(印籠大根・牡蠣・松葉カニ・雲子・百合根・ふき) 
  • 天丼(タケノコ・もんこいか)、止め椀は清汁仕立て(ハマグリ出汁)、香の物
  • いちごとジュレ、ぜんざい

今宵のお酒は青森の「松の司・2013(25BY)・純米吟醸・渡船・生酒・竜王町産米渡船2号(環境こだわり農産物認証)精米歩合55%・金沢(自社保存株)酵母」です。麹の生きた生酒というイメージと、雄町系を思わせるふっくらした甘みとが結構強く感じた。喉ごしの味わいは松の司らしさがあります。

今日は香ばしさが強いゴマだれ。濃厚な味わいに流石に松の司が負けちゃってます。
お椀は、鯛にゅうめん、錦糸、木の芽。ここから、松の司と相性が良くなる。

お造りが、マグロ赤身、ひらめ(縁側)、チリ酢、醤油。新しいマグロの入手先を得たという事で、生マグロ。綺麗な色をしてます。縁側ありがとう。
もう終わりの千枚漬けの冬バージョンの鯖寿司。
八寸の、ぼんぼりに煮ハマグリ・貝柱。白杭エキスの春らしい味わい。壺壺に春菊・芹・フキノトウのお浸し。ほんのちょっぴりだけど、フキノトウの香りがとてもいい。ハマグリに赤貝・分葱などのテッパイ。もう一つのハマグリに、値の花ゴマ汚し・カステラ玉子・カラスミ。

つやつやに焼きあがった焼き物がマナガツオの味噌漬け。浅漬けのようなつけ具合のようですが、味噌の甘みと脂の旨い焼き物。牛蒡、酢レンコン。初めてのキャベツ巻きサラダ。
好評だったというカブラ蒸しは、大根を印籠にくり抜いて、牡蠣・松葉カニ・雲子・百合根など鋳込んで、カブラで蓋をした風情。ん\春らしい香りのふきを散らした餡かけ。山葵の天盛。
  天丼がでてくる。天種はタケノコ・もんこいか。止め椀はハマグリの出汁を使った清汁仕立て。ワカメと豆腐。
イチゴにジュレ。その後に、まだ寒い京都の食事の〆にぜんざい。


平成26(西暦2014)年1月28日
予約していたのは「祇園にしむら」で晩御飯。キャンセルがあったとかでカウンターはちょっと寂しい。遥村の「雪の積もった露地の飛び石?」。

  • ゴマ豆腐
  • お椀は、蟹真蒸、蟹足、若芽、大根、木の芽
  • お造りが、鯛、ケンイカ
  • 鯖寿司
  • 八寸には、いくら、海鼠腸とナマコ、雲子とフキノトウの天ぷら・田楽味噌、イワシ煮、からすみ、後から黒豆
  • グジの酒焼き
  • にしむら風治部煮(鴨・淀大根・タケノコ・蕗・焼きネギ・銀餡、柚子皮) 
  • 丸雑炊(すっぽん・焼き餅・玉子)、、香の物
  • いちごと生クリーム、ぜんざい

今宵のお酒は青森の「喜久泉・大吟醸・山田錦精米歩合40%」です。香りは上品。控えめな酸と合わせてバランスがいい。甘さは奥に隠れているようで、なかなか出てこない。かすかな苦みが呑んだ後に感じて、味を引き締める印象です。

派手な水仙の器に、定番のゴマ豆腐。

お椀は、蟹真蒸。蟹足の下には若芽、大根。真蒸の中にはホタテも入っているようです。木の芽。
お造りが、鯛、ケンイカ。腹身のところの脂のノリのいいところです。とはいえ味は上品というか、まだアミノ酸が増えてないというか・・・ゆっくりと咀嚼して味わいが増してくる。
定番の鯖寿司。次の日曜日2月2日の 6時15分〜6時50分からNHKの「うまいッ!寒さが育む伝統の味!千枚漬〜京都市〜」というテレビで、店名は出ないけど鯖寿司が出るそうだ。NHKだから店名は出ないけど、問い合わせれば教えてくれるんだとさ。

八寸には、いくら、海鼠腸とナマコ、雲子とフキノトウの天ぷら・田楽味噌、イワシ煮、からすみ。後から黒豆。もうすぐ節分というのが思い出される八寸。
蓋付きの大鉢にグジの頭が酒焼き?焼いてから蒸してあるようです。2キロあったと聞く大きなグジ。ホクホクと身が外れれます。こういう料理は「グジのグジ」も綺麗に取れます。グジの甘さが味わえる薄味という加減。出汁をはる用意をしてくれていたようですが、皿の下に滴っている濃厚なオツユを呑めば満喫です。
にしむら風治部煮という炊き合わせ。鴨に屑を打たないけれど全体に屑でまとめたというイメージで治部煮風。鴨・淀大根・タケノコ・蕗・焼きネギに銀餡。たっぷりの柚子皮。

ご飯は丸雑炊。写真だけでは変哲もない。お得意のすっぽんで、焼き餅・玉子入り。鶏卵のようです。香の物。タタキ牛蒡も入ってます。
昨年カウンターで教えてもらった「週刊現代 12/28号」だが、コンビニにはもうなく、読まれなかったので、見せてもらいます。大将が写真入りで、4人分で一匹のすっぽん鍋のパックで約26000円。ネギも餅も入って、一切合財鍋にぶち明けて煮れば済むようになっているようです。

いちごと生クリーム、ぜんざい。

カウンターでは、料理屋とは思えないゲーム機で盛り上がっておりました。ハードウエアの方にオタクぶりを発揮する大将でした。
最後は、税金の話。


平成25(西暦2013)年12月26日
祇園にしむら」で晩御飯。渓仙揮毫の「山紫水明如」がかかるカウンター。

  • ゴマ豆腐
  • お椀は、丸 焼き餅、焼きネギ、にゅうめん、玉子
  • お造りが、鯛、あおり、
  • 鯖寿司
  • 八寸には、銀杏、からすみ蕪、くわいの揚げ団子、厚焼き、鶏の松風。あん肝・ネギ、なまこ、柚子釜の中は牡蠣とほたて・他の味噌味
  • 焼きぶりに大根煮
  • 白味噌仕立ての椀。海老芋、焼き麩、結びちんげん菜、糸かつお 
  • 酢の物に、松葉と勢子かに、柿なます、
  • 湯葉丼(雲子天ぷら、ウニ)、止め椀、香の物
  • いちごと洋梨シャーベット、生クリーム

今宵のお酒は石巻の「日高見・純米大吟醸・中取・兵庫県東条特A地区松沢産山田錦精米歩合40%」です。開封直後は、イチジク・柿のような甘い旨みを感じるが、次第にまとまりを見せて、一体となった深いコクに変わる。甘みも酸も表に出てくることなく、穏やかな旨味を感じる味わいになります。

いつものゴマ豆腐ですが、今日のゴマダレはいい。甘みが膨らんでピーナッツのようです。
慎重に運ばれてきたお椀は、丸 焼き餅。玉子半分で「月にスッポン」椀ですなぁ。吸い地を吸った焼き餅が一番旨かった。
お造りが、鯛、あおり。脂のノリはベストとは言えないけど、旨みは十分。イカは分厚く、ねとり。
いつもの鯖寿司。

八寸には、銀杏、からすみ蕪、くわいの揚げ団子、厚焼き、鶏の松風。あん肝・ネギ、なまこ、柚子釜の中は牡蠣とほたて・他の味噌味。ザ・ハッスンというような料理。唐墨にカブラというのが水っぽくならないようにという工夫。
焼きぶりに大根煮をあわせて「ブリ大根」。付け焼きで焼いたというブリですが、素焼きのようで、ブリの脂が焼きダレをはじくそうです。別鍋でしこんだ大根煮を合わせてあるのです。ということで、という事で、普通のブリ大根と異なり、あっさり味に仕上がっているのです。
小吸い物(?)で白味噌仕立ての椀。海老芋に、焼き麩、結びちんげん菜。柔らかく炊かれたエビイモです。ブリ大根でも気づきますが、肉を例に挙げるまでもなく「柔らかいは、美味しい」という刷り込みができているようです。白味噌での「甘いは、旨い」という感情と合わせてとてもいいできなのでした。

酢の物に、松葉と勢子かに、柿なます。お造りのあしらいだった酢取りした拍子の大根や人参に柿を加えた柿なますの上に、オス蟹の足・身にメス蟹のミソ・内子。
〆のごはんは白い湯葉丼。隠れているのは雲子天ぷら、生ウニ、葛をひいた餡かけ。
いちごと洋梨シャーベット、生クリーム。


平成25(西暦2013)年11月19日
今日は「祇園にしむら」で晩御飯。窮屈なカウンターです。正井和行の紅葉がかかっております。

  • ゴマ豆腐
  • お椀は、牡蠣・鯛のかぶら蒸し(キクラゲ・銀杏。百合根)、紅葉人参、山葵、柚子、
  • お造りが、鯛、ウニ、
  • 鯖寿司
  • 八寸には、いくら醤油漬け。ぎんなん・小芋団子・慈姑揚げ団子・銀杏形のさつま芋チップ・カラスミ。胡桃とむかごの擬製豆腐、厚焼き玉子。アンキモおろし和え。菊菜・黄菊などのお浸しに舞茸、松茸の軸
  • 伊勢海老の天ぷら、白子の天ぷら、餡かけ
  • 焼き物がまながつおの幽庵焼き、レンコン、人参、菊花大根、
  • 焚き合せには すっぽん、エビイモ、聖護院大根、焼きネギ
  • 蟹丼、止め椀、香の物
  • 柿と柿のババロア

今宵は福岡・久留米の「庭の鶯・大吟醸・心・山田錦精米歩合38%」です。
西瓜のような瑞々しい香り、メロンの甘美な香り、ビターな味がコクのある味わい。上品で爽やかな口当たりで喉を滑リ落ち、さらりと消えます。とても美味しいお酒ですし、38%まで磨いた割にお手軽なプライス。

定番のゴマ豆腐。
お椀は、牡蠣・鯛のかぶら蒸し(キクラゲ・銀杏。百合根)。薄く葛を引いた吸い地です。思ったより小さい牡蠣がゴロゴロ隠れてました。縮んだのかな?
、 お造りが、鯛、ウニ。美味しい鯛は口に入れた瞬間に旨みがブワーッと広がるねぇ。根室のウニ。もうじきアオリイカに変えるそうだ。
冬の鯖寿司。今日は久しぶりにオミヤを注文。
八寸には、いくら醤油漬け。ぎんなん・小芋団子・慈姑揚げ団子・さつま芋のイチョウチップ・カラスミ。胡桃とむかごの擬製豆腐、厚焼き玉子。アンキモおろし和え。菊菜・黄菊などのお浸しに舞茸・松茸の軸。馴染みのある料理が並ぶ中、いつもいろんな野菜が入っているお浸しです。言われても覚えきれないというか、大将も怪しいようです。
伊勢海老の天ぷら、白子の天ぷらには餡かけ。揚げ出し風。エビさんが、食品偽装の影響で高騰しているそうで、もうイセエビは使えないという話です。おせちをカタログで見れば、イセエビがドーンと乗ってたりしますが、大丈夫でしょうか?昔からオーストラリア産のロブスターが使われていたそうですから、食材偽装で話題になるかも?クルマエビも高騰してるんでしょうなぁ。

焼き物は、分厚いマナガツオの幽庵焼き。レンコン、人参、菊花大根、
焚き合せには すっぽん、エビイモ、聖護院大根、焼きネギ。主役たるべきエビイモが霞んでしまうスッポンの香り。
冬のごはんの定番になりつつある蟹丼には、オスとメスとの松葉ガニ。トッピングしたカニみそには三つ葉。ご飯は、普通の白いご飯で、物産展にありがちな酢飯でありません。津居山。
柿と柿のババロア


平成25(西暦2013)年10月15日
今日は「祇園にしむら」で晩御飯。おやおや・・・のカウンター。
後ろの絵は不矩の大輪の菊の扇面画。

  • ゴマ豆腐
  • お椀は、鯛の潮、松茸、へぎ柚子
  • 御造りが、鯛、皮霜のはも、ウニ、
  • 鯖寿司
  • 八寸には、春菊・ほうれん草・菊花・紫頭巾・舞茸・松茸・とんぶりのお浸し、イクラ、銀杏と小芋の揚げたん、栗の甘露煮、玉子焼き、擬製豆腐
  • 酒肴の、アワビの肝、カラスミ
  • アワビ、鱈の白子の天ぷら ワタリガニの餡かけ
  • 焼き物が鰆の味噌漬け、酢取りレンコン、いちじくと三度豆・ゴマ汚し
  • ハモ・海老芋・壬生菜・お揚げさんの焚き合せ 
  • 鯛ごはん(二杯目は鯛茶漬け)、香の物、止め椀、錦松梅
  • 桃のアイス、二十世紀なしに白ワインジュレ

今宵は水口の「神開・みやの四季・純米吟醸・山田錦精米歩合40%」です。9月23日に行われた「みんなで選ぶ滋賀の地酒会」で純米吟醸酒の部で「びわこ賞」に選ばれた5本の一つ。
酸味のある複雑な香りが絡み合い個性的。味わいも複雑、悪く言えば(精米歩合40%の割には)雑然とした味わいながら、微妙にバランスを保っている。喉越しは軽くて品がいい。氷できっちり冷えると香りや味わいがすっきりして深みがでてくる。温度によって表情がかなり変わるイメージを受けた。比較的求めやすいプライスなのがびっくり。

定番のゴマ豆腐。こってり味のゴマだれ。
お椀は、鯛の潮、松茸、へぎ柚子。面白い組み合わせ。鯛って、淡泊な白身魚と思いがちだけど、旨みは相当強いようで、松茸もかすんでしまうほど。鯛の鯛は美しいフォルムで、流石の鯛だし、取り易いのもなんだか鯛らしい。
御造りが、鯛、皮霜のはも、ウニ。台風がきているというのに、旨みがしっかり。そろそろ最後だというハモは皮霜。ウニは北海道。

今月から千枚漬けを纏った鯖寿司。
八寸には、春菊・ほうれん草・菊花・紫頭巾・舞茸・松茸・とんぶりのお浸し、イクラ、銀杏と小芋の揚げたん、栗の甘露煮、玉子焼き、擬製豆腐。
酒肴の、アワビの肝、カラスミ。在庫が尽きそうというカラスミ。
アワビ、雲子の天ぷら ほぐしたワタリガニの餡かけ。雲子臭さのない天ぷらは、餡かけで揚げ出し風。美味しい餡にいう事ない、
焼き物が鰆の味噌漬け。もうちょっとボリューム欲しいけど漬物だし、こんなぐらいかな?脂の旨みと味噌がよく合います。
ハモ・海老芋・壬生菜・お揚げさんの焚き合せ。思わず「きゃー、海老芋がもうあるのです」なんて言葉が出ますなぁ。お椀に鱧が出てないのでここに足してくれたようです。エビイモはまだ走りでネットリ・むっちり感はまだまだ。その代わり味は良く浸みているようです。

ご飯は鯛ごはんを用意してくれてはります。二膳目に鯛茶漬けを用意してくれているようで、一膳目は少量。焼いた鯛の身をまぶして、ごまを振ってあります。香の物、止め椀、自家製の錦松梅は初めて出されたはず。鯛ごはんに、もみ海苔、ぶぶあられにお茶を注いで出てきた二膳目。
デザートには桃のアイス、二十世紀なしに白ワインジュレ。


平成25(西暦2013)年9月12日
今日は「祇園にしむら」で晩御飯。満席のカウンター。

  • ゴマ豆腐
  • お椀は、アワビと蓮餅、糸カツオ、白味噌仕立て
  • 御造りが、鯛、皮霜のはも、ウニ、
  • 鯖寿司
  • 八寸の、壷々にいくら醤油漬け、葉皿に揚げ銀杏と小芋のから揚げ、タコのわさび醤油和え・茗荷、栗煮、紫頭巾、カラスミ
  • やんちゃ蒸し(松茸。マイタケ。椎茸。エノキの茶碗蒸し)、
  • 珍味の鯛皮の醤油漬け
  • ハモ松の鍋仕立て
  • 白ごはん、カマスの塩焼き、イチジクとインゲン、香の物、止め椀
  • 桃と桃のアイス、マスカットとピオーネに白ワインジュレ

試飲販売で求めた「琵琶の長寿「蔵人」・純米吟醸・生・精米歩合60%」が今夜のお酒。過不足のない果実香に円やかな旨みはバランスが良く、さばけもいい。いつもは日本酒に合わないと思えることが多い「ごま」にも悪くない相性だし、他の料理にもよく合う。蔵元が料理よりも目立たたない酒という表現は納得できます。それは、旨みが強い酒はだんだんクドク感じる時があるんだけど、それがないことで実感できる。

定番のゴマ豆腐。黄交趾が振柚子をいつもより目立たせているようです。
お椀は、開けてビックリ白味噌に、アワビと蓮餅。包丁が細かく入ったアワビ。レンコンの歯ごたえを残しつつの蓮餅。甘さが旨味の白味噌。ガツンときますなぁ。アワビが出ても、肝が出ない日があります。残念至極。

竹泉の器のお造りが、鯛、皮霜のはも、礼文だったかのウニ。皮霜で少し丸くなった鱧は和菓子のきんとんのようなモコモコした顔つき。細かく骨切した鱧はそぼろの様に口の中で崩れていきます。梅肉と山葵だけで十分な旨みが感じられるハモ。マグロを使わなくなったけど、別段お客さんは惜しんでないようです。実際京都にはええマグロが入ってこないようです。暑さのせいか鯛もお疲れ気味かな?
これも定番の鯖寿司。徐々に脂が乗ってきたかもしれません。その場で持ち帰りの注文が入っている人気者。永楽の器。来月1日からは千枚漬けが入るように注文しているそうです。

八寸の、壷々に小粒ないくら醤油漬け。相変わらず地が美味しい。必要ないけどスプーンを出してくれなかった。葉皿に揚げ銀杏と小芋のから揚げ。芋類は油で揚げると旨味アップする。丹後の浜詰(?)、タコのわさび醤油和え・茗荷。愛媛の栗はもう大きい。京都の枝豆・紫頭巾。別皿でカラスミ。
やんちゃ蒸しと名付けていたキノコの茶碗蒸し。松茸だけでなく、マイタケ、椎茸、エノキ。中国奥地の四川の松茸だそうです。いい香りです。
久しぶりに珍味に仕上げた鯛皮の醤油漬け。これだけだとちょっと濃いので、ご飯までおいておきました。
シュンシュンに湯気が立つ鍋が出てきてハモ松。これだけ火が入ると主役は、鍋出汁でしょう。
久しぶりの白いごはん、おかずがついてカマスの塩焼き。
桃と桃のアイス、マスカットとピオーネに白ワインジュレ。


平成25(西暦2013)年8月20日
デパートから、コンビニで涼をとりながら祇園へ。今日は「祇園にしむら」で晩御飯。
カウンター後ろの絵は「紫明」。合わせるかのように女性客ばかりのカウンターに黒一点。

  • ゴマ豆腐
  • お椀は、葛うちのハモ、松茸、糸柚子
  • 御造りが、鯛、皮霜のはも、利尻のウニ、
  • 鯖寿司
  • 八寸の、壷々にハモの子(塩から)、枝豆のかき揚げ、イチジクとインゲン豆・降りごま、タコのわさび醤油和え・茗荷、揚げた新銀杏、カラスミ
  • 野菜の焚き合せ(かぼちゃ、賀茂茄子、おくら、白ずいき、椎茸、管ごぼうし、茗荷)
  • 甘鯛の酒蒸し
  • 海鮮味噌煮込み(アワビ、エビ、イカ、冬瓜、伏見とうがらし)、アワビの肝
  • すき焼き風丼、松茸、万願寺、香の物、止め椀
  • 桃とマスカット、白ワインジュレ

「にしむら」にも「東洋美人」がおいてありますが、被災に遭ったことをお客さんから聞いて、とりあえず買い占めたという。でも、あんまりでないお酒のようです。まだ知名度がないかな?
といろいろ話題の「東洋美人・純米吟醸・437・山口県産山田錦(437番地)精米歩合50%」を応援を込めて呑みます。しっかりした旨味とじんわり甘い味わい。香も穏やかで、切れがいいので、旨いという印象が強調されて残るイメージ。

定番のゴマ豆腐からです。あまりの暑さに、ごまプリンを食べてる気分でパクパク。デザート気分。
お椀は、「はも松」。葛うちのハモ、松茸、中国奥地の雲南だとか、いい状態。
御造りが、鯛、皮霜のはも、利尻のウニ。夏バテしそうな鯛だけど、旨みのある鯛。バクバク食っているんでしょう。歯ごたえもいいし美味しい。噛めば溶けるような鱧は韓国産のならではの口当たり。もちろん骨など感じることもない。ほんのり暖かさが残ってこれもいい味。梅肉が乗っているけど、山葵を足すとまたオツ。利尻のウニも北海道らしい濃い味。
夏の鯖も好きだ。

珍しく八寸は丸盆じゃない。壷々にハモの子の塩辛はさっぱり薄味。枝豆のかき揚げは大きく揚げてサクッと切ったようです。熟したイチジクとインゲン豆に降りごま。久しぶり(?)のタコは生で、わさび醤油に絡めてあります。茗荷を天森にしてシンプル。散らされているのが揚げた新銀杏。あとからカラスミが乗ります。
野菜の焚き合せには、かぼちゃ、賀茂茄子、おくら、白ずいき、椎茸、管ごぼう、茗荷。
蓋付きの大鉢に甘鯛の酒蒸し。お隣さんは鯛?
海鮮(アワビ、エビ、イカ)の白味噌煮込みです。海鮮素材と白味噌の味と香りがかぶさって濃厚な味わいですけど、旨いのです。アワビの肝も出てきてるので、アワビにはアワビの肝。

ごはんはビックリ「すき焼き風丼」。大盛でんなぁ。万願寺の香りがアクセントですが、一つだけ難があって、食後のゲップが万願寺なのです。帰りの電車で口の中が万願寺一色になってしまうことです。止め椀に香の物。
桃とマスカット、白ワインジュレ。

知らなかったのですが、昨晩チェックして見つけたのは、テレビ朝日で2012年11月8日放送された「捜査地図の女・第3話・京都祇園〜札幌アリバイ崩し!!舞妓5年後の復讐殺人」のロケに使われていたということ。ちゃんと「祇園にしむら」の灯りもそのままだし、特徴ある朱のカウンターではニシオカトクマが板長役で、刑事のマヤミキは座敷でお食事。前の路地もロケで封鎖して行っていたそうだ。てな、話をしながら、タレントのお話。テレビに出てくるキッチンは別の店らしいし、西岡が切っている鯖寿司は千枚漬けに似せた大根だそうだ。裏話はそれくらいにしておきましょう。


平成25(西暦2013)年7月16日
六時からは四条通りはホコテン。浴衣姿多し。通りを越え、祇園の南の「祇園にしむら」で晩御飯。
カウンター後ろの絵は「船鉾」じゃなく、紫明の美人峨の「芸妓さん」です。別の紫明は見たことがあるけど、この絵はたぶん始めて。
急にグループのお客が入ったようで、忙しいモトちゃんです。満席のようです。

  • ゴマ豆腐
  • お椀は、葛打ちのハモ、ジュンサイ、降り柚子
  • 御造りが、鯛、イカ、皮霜のはも
  • 鯖寿司
  • 八寸の、壷々にハモの子、唐墨、白ズイキに酢味噌、サンド豆のゴマよごし、伏見長とうがらしとじゃこ、枝豆、丸十
  • 鮎の素揚げ、トウモロコシと茄子のてんぷら、レモン
  • スズキのカマ塩焼き、白瓜、おろし、茗荷、酢橘  炊き合わせにはアワビと冬瓜、茗荷
  • 焼きハモの丼、錦糸玉子、香の物、止め椀
  • デラウェアとさくらんぼ、白ワインジュレ

今宵は「七本槍・平成24酒造年度全国新酒鑑評会出品酒・大吟醸・袋吊斗瓶囲い・山田錦精米歩合40%」を呑みます。 最初はカカオ風の苦味が複雑味を与えてくれるが、少し冷えればその苦味も消えて、吟醸香が立ち上がる。その香りに慣れる頃には、味が開いて甘味を感じるようになる。サラリとした和三盆風から、最後にはやや余韻が長くなるように思えるが、甘ったるさはなく、むちゃにとっては大吟醸でも食中酒としていけます。
過去の印象から、早呑みの印象が強いので早く呑んだ方がいいかな?

定番のゴマ豆腐。
お椀は、シンプルにハモ。素っ気無くジュンサイだけ。ふっくらと美しいハモの姿。熱かろうと冷たかろうと、夏だけにあつくろしい姿はいただけないですからね。
御造りが、鯛、イカ、皮霜のはも。夏の海は鯛にとっても暑いだろうなという味。脂の旨味が痩せてるイメージですが、鯛の旨味はそこそこです。皮目を炙ったハモでジューシーさたっぷりの生ハモ。口に入れると溶けるようなハモです。マグロと鯛とがツートップだっただけに、ハモをお造りで出してきたのは始めてじゃなかろうか?
信楽の舟形の器に定番の鯖寿司。

八寸の、壷々にハモの子は塩辛のようです。一夜漬けのようなアッサリ味。「じゃこ唐辛子」はおばんざい。白ズイキに酢味噌、サンド豆のゴマよごし、枝豆、丸十。いつも美味しい唐墨。
油物で、鮎の素揚げ。安曇川で獲れた鮎らしい、苦味が少ない鮎。トウモロコシと茄子のてんぷら。
焼きものではスズキのカマの部分が廻ってきました。ありがとう。すずきのすずき。

炊き合わせにはアワビと冬瓜、茗荷。アワビのエキスが滲み出て、お出汁が白濁してます。美味しいアワビだ。ここで肝も出れば満点なんだろうけど、曰くありそうだ。他のお客さんには、アワビが出てないようで。先月食べた南京鴨饅頭のようです。
今月のご飯をいくつか予想していたんだけど、ひょっとして出てくる本命だった焼きハモの丼。詰めの醤油が、甘旨。錦糸玉子が乗っているのも、個人的にはポイント高い。他のお客さんは、牛丼のようでした。次は、年に一度の「お寿司」でも作ってもらいましょう。

一杯だけ「醴泉・大吟醸・蘭奢待・山田錦精米歩合35%・熊本9号系酵母」が出てきました。火入れのようです。幅や厚みといったスケールでいうとバランスのいい大きな味。以前に比べると重たいイメージだけど、食事の最後の方なら、それほどの重たさは感じないはず。

デラウェアとさくらんぼ、白ワインジュレ。


平成25(西暦2013)年6月18日
晩御飯は「祇園にしむら」。
カウンター後ろの絵は「平八郎の「泉」

  • ゴマ豆腐
  • お椀は、葛打ちのハモ、タタキオクラ、糸柚子
  • 御造りが、鯛、イカ、山葵
  • 鯖寿司
  • 八寸の、壷々に鯛の子ゼリー・木の芽、グラスにジュンサイ、唐墨、白ズイキに酢味噌、玉子焼き、アナゴ蒲鉾、枝豆、丸十
  • タコのてんぷら、トウモロコシの掻き揚げ、茄子、レモン
  • 鯛の酒塩焼き、骨煎餅、瓜、ハジカミ、酢橘  蒸しアワビ、肝
  • 南京揚げ饅頭、鴨ロース入り、餡かけ
  • 牛しぐれ丼、止め椀、香の物
  • 小豆、抹茶白玉、マンゴ寒天

今宵は「醸し人九平次・human・2012・純米大吟醸 山田錦精米歩合45%」を呑みます。 温度が高い(常温)では、軽い柑橘系の苦味を感じてサッパリ、温度が下がると徐徐に、林檎、そして梨やマスカットのような香りが出ては消えていく。甘さは感じず、ドライな口当たりは、和食だけには勿体無い味わい。裏ラベルには「ワイングラス」でと書かれているので、バカラのローハン(かな?)

定番のゴマ豆腐。

お椀は、季節の定番のハモ。「和楽」にも載っております。柳で骨きりしてクルクルと巻いた重量感のあるハモ。緑も鮮やかなタキオクラ。吸い地はカツオしっかり。今日はメリハリがある吸い地。
御造りが、鯛、イカ。納得のいくマグロがない(あってもサイズが小さい)というので、今日はなし。というかこれからマグロに拘らないという口ぶり。料理の幅が広がるだろうし歓迎です。麦藁鯛といわれる季節ですが、季節の割りに美味しくいただけた鯛でした。
定番の鯖寿司。
八寸の、壷々に鯛の子ゼリー・木の芽、グラスにジュンサイ、唐墨、白ズイキに酢味噌、玉子焼き、アナゴ蒲鉾、枝豆、丸十。どれも御馴染み。

油物ではタコのてんぷらです。細かく包丁が入って塩茹でしてあるようで、塩も天ツユは付いておりません、茄子はでたけど、加茂茄子は封印。腹にたまってご飯がいらないと仰るようです。
ぐじの(たぶん)酒塩焼き。うろこ煎餅とは珍しい仕事をしはる。
蒸しアワビが、練肝付き。これも御馴染み。
新しい料理は南京揚げ饅頭で、中に鴨ロース入り。新しいといってもお手本があるようです。隠し味にバターとか入っているそうで、甘くて旨い饅頭。

久しぶりにお肉の丼。今回は「しぐれ丼」。シンプルなお出汁で時雨にしてあるようです。お肉に隠れて気付かなかったけど、溶き玉子。半数近くのお客さんがお替り。
小豆、抹茶白玉、マンゴ寒天。


平成25(西暦2013)年5月21日
晩御飯は「祇園にしむら」。今日はカウンターに先客一組のみのリラックスした食事。カウンター後ろの絵は「印象」

  • ゴマ豆腐
  • お椀は、鯛そうめん、タイラギの真蒸、温泉玉子、花山椒
  • 御造りが、マルタ島のマグロ、鯛、イカ、山葵
  • 蒸しアワビ、練り肝
  • 鯖寿司
  • 八寸の、壷々に鯛の子ゼリー・木の芽、サザエに白合え(タイラギ・山吹・)、舟にトウモロコシと空豆の天ぷら・唐墨、白ズイキの海苔山葵和え、アナゴ蒲鉾、玉子焼き
  • アマダイの酒蒸し(あとで昆布出汁プラス)
  • 西村風酢タコ、梅肉、きゅうり、若布
  • 炊き合わせ、揚げ加茂茄子、そばチップ、ほうれん草、茗荷・・・
  • 破竹入りうすい豌豆の豆ご飯・錦糸、止め椀、香の物
  • イチゴ、マンゴソース、生クリーム

今宵のお酒は石巻の「日高見・純米大吟醸・兵庫県産特A地区東条町松沢産山田錦精米歩合40%」です。果実の香りなんですが抑制が効いた香り。味わいが淡麗で喉越しもサラサラ。甘味がほとんど無いので辛いと感じるかも。ひょっとしてこれから味が出てくるのかもしれない。今、呑むとクセにない贅沢に磨いた食中酒です。決して、嫌いじゃない。

名物、ごま豆腐。

お椀は、鯛にゅう麺とタイラギの真蒸。一度で二度美味しいと言う椀だね。確かに主役が二つといえましょう。素麺も一旦出汁で煮ているように(?)味がほんのり。ヘギつくりの鯛の切り身が数枚。レア。まだハモは不安定だと言う理由で、使うのは週明けからという話。
お造りには、定番三種。なんとマルタ島からの生マグロだそうだ。鯛なんだけど、皮目を残していても、旨味はピークを過ぎたようです。
替えに、アワビに、定番の珍味で練った肝。

名物、鯖寿司。
八寸には、・・・白和えには、もう一つ野菜が入っていたはずだけど、覚えが悪くなってきた。空豆の揚げタンはひょっとしたら初めてかもしれない。勿論揚げたて。
蓋付きのお鉢で出てきた酒蒸しはアマダイ。塩して焼いてからの酒蒸しで、エエ塩梅。一番にカマをほじって「ぐじのぐじ」を探してしまう性格ですが、ムナビレのところは旨い。どことなくクリーミィな味わいの出汁です。骨だらけにした後、あつあつの昆布出汁を注いでくれますが、吸い物としても十分。

ここでタコを食べるのは久しぶりのような気がする。構成から言えば「酢だこ」ですが、柔らかいタコに、優しい加減酢。
野菜の炊き合わせは、油通しというよりしっかり焦げ目をつけるまで揚げた加茂茄子(スライスしてある)で、野菜をサンドしてあります。真ん中に挟まれた野菜は・・・ほとんど記憶にない。クルトンのような役割の蕎麦チップス。油の加わった出汁がとても濃厚ないい味。茄子の厚みも考えてある。
先客が変えられて、カウンターの仕事がねくなると、久しぶりに話し込んでしまったのが、食材を覚えきれない理由の一つ。
今日のご飯は、豆ご飯。それに破竹。破竹の仕事も忘れちゃった。アクが強いらしいので、茹でるだけでなく細かい仕事がしてあるんです。薄くスライスしてあるのも、その一つの理由。ということで豆ご飯であり、タケノコご飯でおあるという一度に二度美味しいご飯。いつもは八寸ででてくるうすい豌豆ですが、その豆の美味しさそのままの豆ご飯。そうだ、それにご飯も前日から味をしみこませてあるとか。とにかく、お替りです。錦糸卵も美味しいと何一つ手を抜いてないご飯。

喋りながらの食事ですから、デザートは撮り忘れ。


平成25(西暦2013)年4月15日
晩御飯は祇園へ戻って『京都 今、大人女子を誘(いざな)う10の楽しみ』という特殊の「フラウ・5月号」の対談記事の中で「大定番」と書かれた「祇園にしむら」。大入り。満席カウンターの後ろの絵は印象。

  • ゴマ豆腐
  • お椀は、若竹、揚げた長芋、ワラビ、木の芽
  • 御造りが、マグロ、鯛、ウニ、山葵
  • 鯖寿司
  • 八寸の、ボンボリにてっぱい、壷壷に鯛の子のゼリー寄せ、蛤にホタルイカ・空豆、アナゴの博多蒲鉾、厚焼き玉子、菜の花、唐墨
  • 桜鱒の西京焼き・木の芽、きんぴらごぼう、酢蓮根
  • タイラギ・花山椒、グリーン&ホワイトアスパラガス、わさび菜、水菜
  • 白魚の天ぷら、タラの芽・蕗の薹の天ぷら、レモン
  • 蒸しアワビ・生アオリイカを乗せたタケノコご飯の餡かけ・アワビの練り肝、止め椀、香の物
  • イチゴ、イチゴ・ミルクソース

今宵のお酒は喜多酒造の最高峰という「喜楽長・純米大吟醸・兵庫県産山田錦精米歩合30%・金沢酵母・二年間3℃低温熟成」です。深みが出た味わいだけど、喉越は軽い。

織部にゴマ豆腐。
今日から、お椀が若竹に変わったらしい。うっすら油が浮いているのは、筍の下に隠れている長芋を揚げた油です。
お造りは、マグロのとろ、鯛、ウニ。千葉沖のマグロ。近海の比較的あっさりしたマグロ。一口赤身を出してくれますが、それはそれで違ったいい香。
艶々とした鯖寿司に変わっております。
丸盆の八寸はシンプルなのが並びます。ボンボリに赤貝・わけぎのてっぱい。壷壷に鯛の子のゼリー寄せには木の芽。金箔蛤にホタルイカ・空豆。他にアナゴの博多の蒲鉾、厚焼き玉子、菜の花、唐墨。
焼き物には、桜マスの西京漬け。お上品に薄い。美味しいマスですが、ポーションが物足りない。にしむら風きんぴらごぼうは「ちんぴらごぼう」と呼びそうです。
炊き合わせには、タイラギに焼き目をいれて、緑と白のアスパラガス。タイラギで隠れているけど、山葵菜と水菜。底にもタイラギが隠れております。天盛りに成っているのが「花山椒」。今年初めてです。
油物に、白魚と山菜(タラの芽・蕗の薹)です。サクサクに揚がって、味を足す必要の無い白魚です。
お隣のグループには筍ご飯がそのまま出てきてましたが・・・こちらには出ない。と聞けば、筍ご飯を使った餡かけに仕上げられているようです、上に乗った白いトロンとしたのが「アオリイカ」。生です。上に乗った黒いのがアワビの肝ですから、イカの下には「アワビ」のスライス。
イチゴのデザート。ソースにもイチゴで、生クリームだったかな?


平成25(西暦2013)年3月19日
晩ご飯は「祇園にしむら」です。カウンターの後ろは不矩の扇面画でもう「桜」。
  • ごま豆腐
  • お椀は、タイラギ、蓮根揚げ、葉山葵、蕨、人参、軸菜
  • お造りは、伊根のマグロ、鯛(昆布〆も)、ウニ
  • 鯖寿司(八坂の雪)
  • 半七の梅柄の皿に八寸。サザエの中に赤貝・タイラギ・わけぎ・炙ったお揚げさんのてっぱい、壷壷にすけ子のゼリー寄せ、空豆、厚焼き、蟹子蒲鉾、蛍烏賊、菜の花、カラスミ
  • 白魚の天ぷら、タラの芽、蕗の薹
  • 太刀魚の蒲焼、グリーンアスパラガス、牛蒡・コンニャク・・の金平の白和え
  • 炊き合わせに、京都産のタケノコ・壬生菜・芹・大根、揚げ湯葉、イカナゴの釘煮
  • アワビの餡かけごはん・焼きほぐし鯛・練り肝、止め椀、香の物
  • デザートは、いちご、白玉、小豆餡、生クリーム

今宵のお酒は「田酒・純米大吟醸・百四拾精米歩合40% 」です。味のいろんな要素が主張しあわさない、丸い優しい味わいは変わらず。安心のお酒。

定番のごま豆腐。オリベェ。
新しい組み合わせの椀。薄くスライスしたタイラギを炙って二枚。その間に蓮根の天ぷら(?)を挟み込んであります。蓮根天をツンツンすれば、油が吸い地に広がって旨味が加わります。葉山葵が入ってはおりますが、ほのか。
マイセンにマグロ、鯛、小鉢にウニ。マグロは珍しく、随分久しぶりの伊根のもの(つまり畜養やね)。市場に出回っていないらしい。鯛は二種類。旨いウニ。
そろそろ終わりの八坂の雪・・・とwebを見ていたら、販売終了してまんなぁ。

代わり映えしないと元ちゃんがいう「八寸」。「のれそれ」が「ほたるいか」とか。「てっぱい」もいい味。
油物は、白魚、タラの芽、蕗の薹。塩。
焼き物は太刀魚。蒲焼だそうです。お椀同様、太刀魚と太刀魚とで、アスパラだけでなく、金平の白和えで挟んであります。太刀魚が美味しければ、すべて美味しい。
炊き合わせが、京都産のタケノコに、青味が芹・壬生菜。大根に、パリパリの湯葉。

今日のご飯は蒸しアワビの餡かけ。餡かけの中には焼いてほぐした鯛の身も入っております。お得意の肝も乗っております。「松葉蟹」が終わって「アワビ」だそうです。
デザートは、イチゴ、小豆、白玉。


平成25(西暦2013)年2月28日
晩ご飯は「祇園にしむら」です。
菜の花の絵は、広田多津。

  • ゴマ豆腐
  • お椀は、大根、焼餅、雲子、人参・大根・ホウレンソウ、木の芽
  • お造りが、マグロ、鯛、ウニ
  • 八坂の雪
  • 八寸には、お浸し(芹・春菊・ふきのとう・独活)、のれそれ、勢子かに蒲鉾、厚焼き、菜の花辛し和え、子持ち昆布、カラスミ
  • 白魚・蕗の薹のてんぷら、レモン、塩
  • マナガツオの味噌漬けの焼き物、西村風ロールキャベツ、酢蓮根、牛蒡
  • 珍味のバチコ
  • 焚き合わせには、鯛の子、大根、タケノコ、蕗、木の芽
  • 蟹・丸・湯葉の餡かけ丼、止め椀、香の物
  • イチゴ、小豆餡、クレープ、生クリーム

今宵のお酒は「松の司・生もと純米無濾過生原酒・木桶仕込み・仕込み19号・竜王町産山田錦(ふゆみずたんぼ米・冬季不潅水不耕起栽培)精米歩合65%(栽培期間中化学肥料未&除草剤未使用・環境こだわり農産物認証」を選びます。封切り直後は「冷や」状態で、少々酸を感じる、それでも爽やかな酒。温度が下がってくると、産や苦味も消えて幅があってもキレイなお酒。フレッシュ感はあるけど、荒々しいところがない。

定番のゴマ豆腐。最近はごま豆腐のレシピが決まって安定した出来上がりになってるそうです。
お椀は雲子。襞襞のきれいな雲子が食べやすいように4っつ。大根は穴を掘って(印籠って言うのかな?)焼餅。暖かいクモコのクリーミィな味と出汁を口の中で絡めると旨いものです。
お造りが、マグロ(珍しく赤身も)、鯛、ウニ。ウニの後で呑む「ふゆみず」がとても美味。感じるか感じないか程度の微かなキモト系の乳酸味わいがふわっと引き出されるようで、深みがでます。こってりした油料理には合うかどうかは分からないけど、この後お、魚の油にはとても合いました。
千枚漬けを纏った鯖寿司。

八寸は、正直、先月と変わり映えしません。春らしくなったんは「のれそれ」。下味で醤油漬け(醤油で洗い?)にしてあるとか。お浸しの「蕗の薹」がキリッと苦みがあっていいですなぁ。
油物が出てきて、白魚と蕗の薹。白魚の料理もいろいろあるけど、シンプルで旨いんが天ぷらだな。またこれが「ふゆみず」に合います。揚げることで苦味が和らいだような蕗の薹。
焼き物はマナガツオ。関東屋の味噌漬け。味噌の味を抑えた味噌漬けで、大きいマナガツオのようで、脂も乗っております。しっとりと柔らかいマナガツオ。西村風のロールキャベツは、キャベツを使った野菜の春巻き風でしょうか?何も巻いているか元ちゃんも知らないとかいうのです。
厚みのあるソフトなバチコ。

炊き合わせは、鯛の子、大根、タケノコ、蕗、木の芽。間違いのない組み合わせだけど、少し脂が欲しいところ。
ご飯は、難しい。スッポンの身の入った丸仕立ての餡かけに湯葉と蟹足ということ。海のものと川のものとで微妙な味になってます。丸の味をもっと濃くしないと、蟹の香りには負けちゃうようです。というか、この組み合わせは、予想外のサプライズ。
デザート。クレープですかぁ?生八橋にすれば面白いのに。


平成25(西暦2013)年1月31日
晩ご飯は「祇園にしむら」です。
雪の金閣寺は、遥村?カウンターの脇には、さりげなくブラック・ラッキーキャットが増えております。

  • ゴマ豆腐
  • 唐獅子のお椀は、帆立真蒸、若布。軸菜、人参、大根、木の芽
  • お造りが、とろ、鯛、ひらめ、いか
  • 八坂の雪
  • 八寸には、お浸し(ふきのとう・芹・独活・水菜?)、雲子、松風、厚焼き、子持ち昆布、カラスミ、ブロッコリーの辛し和え
  • 蟹餡かけ、結び小松菜、里芋
  • 節分いわし、蟹味噌
  • グジの頭の酒蒸し
  • 焚き合わせには、鯛の子、大根、タケノコ、蕗、木の芽
  • 掻き揚げ天茶、ヒラメゴマ茶漬け、香の物
  • 黒豆アイス、柿ムース、イチゴ

今晩は秋田の福禄寿酒造の「一白水成・純米吟醸・生・袋吊り・美山錦精米歩合50%」にします。常温に近いとカカオのような香りがする複雑な旨味がしていたが、キリット冷えるとマスカットや林檎のフルーティな香りと甘味でジュースのような味わい。喉をサラサラとすべって流れるようです。

水仙柄の器に、ごま豆腐。肌理の細かい柔らかな滑らかさがいいなぁ。
お椀は、真蒸。
お造りは、定番三種にヒラメがプラス。
定番鯖寿司。
シンプルな八寸。

果にはあんかけ。年末と一緒かぁ?芋は海老芋だったかなぁ。
イワシだ。もうすぐ節分の気分。骨をとるのが日本料理屋の仕事というて、抜いてあります。色合い通り、あっさり焚かれております。珍味の蟹味噌も一緒に出ます。
デーンと甘鯛の頭。ここんところ時化てて、今日ようやくむちゃに合わせていいのが入ったということで、リクエストが叶ったわけですが、そんなリクエストの頭。頭がでると、気分が盛り上がります。
寒さ続きで野菜が高いんですが、タケノコも少なくて(まだ早いから当たり前なんだろうけど)お高いらしい。茹でただけというけど、いい味でてます。シンプルな組み合わせ。

ご飯は、掻き揚げの天茶。ジャガイモ・タマネギ・人参・・。ブブアラレの香ばしさとタマネギの香り、油の旨い茶漬けです。お替りを聞かれて、二杯目の茶漬けを作ってくれるというので、お任せ。鯛ならぬヒラメの茶漬け。一からゴマをすってゴマ醤油ダレを作ってくれました。ズルズルと美味しい茶漬け二杯でした。
黒豆のアイス、柿のムース。トロンとしたムース。


平成24(西暦2012)年12月25日
晩ご飯は「祇園にしむら」です。遥邨の絵「雪の積もった露地の飛び石?」。カウンターの端っこにはバカラのラッキーレッドキャットが増えてますがな!
既になんだか盛り上がっているカウンターの空いてる席に、座わります。

  • ゴマ豆腐
  • お椀が、鴨大根蒸し、軸菜、人参、しらが葱
  • お造りは、とろ、鯛、ぶり、ウニ
  • 八坂の雪
  • 柚子釜に、牡蠣・椎茸・帆立・下仁田に田楽味噌は熱々。壷壷にナマコ、厚焼き、松風、たたみいわし、葉皿に、慈姑揚げ団子とカラスミ
  • 堀川牛蒡スープ、湯葉、慈姑チップス
  • 海老芋の揚げ饅頭に松葉カニの餡かけ、結び小松菜
  • ブリ照り焼き、聖護院大根の炊いたん、堀川牛蒡のキラズ団子
  • 香箱蟹ウニいくら丼、止め椀、香の物
  • イチゴ洋梨ゼリー寄せ、グレープフルーツ小豆、柿ムース
  • 珍味・・・ハモの肝の塩辛、鯛の皮の漬け、一年物カラスミ、15年物カラスミ

今宵選んだお酒は「松の司・2009(H21BY)・純米吟醸・AZOLLA・竜王山田錦(環境こだわり農産物認証/栽培期間中化学肥料・除草剤不使用)精米歩合50%・金沢酵母・杜氏瀬戸清三郎・特別限定1200本(720ml)・24.11」、コクのある味。

定番のゴマ豆腐。今日はいつにも増して柔らか。濃厚なゴマに合う酒は難しいなぁといつも思う。
お椀は、蕪蒸し風の大根蒸しです。海老の旨味の大根おろしで鴨を挟んであります。日頃薄味で繊細な吸い地が、やたらと旨い味。十分に火の通った鴨で獣臭くないし、試行錯誤で苦労したようです。大根がほぐれてくると、ミゾレ仕立ての椀になります。葱を細く切って、絹糸のように細い。
おつくりは、いつものメンバーに氷見のブリが加わってます。戸井のアグロ。時化で荒れてる中だというのに、いいレベルの鯛。
定番の鯖寿司。

古風な仕事も混じっての八寸。にしむら流に現在的な軽めの味に仕上がっておりました。暖かいものがあると嬉しい八寸。ナマコはスライスしてコリコリ。一個目のカラスミ。
牛蒡のスープというお汁。湯葉に慈姑チップが浮いていて、見た目は澄んだコンソメ風。牛蒡の土臭さをトコトン抜いたようです。手の込んだ仕事ぶりを教えてくれます。
暖かい餡かけは蟹の足とほぐし身。時化で高値であっても冬は蟹。あるとなしでは、食事の印象が全然違ってきます。出汁は繊細でも具材の味はしっかり出、煮しめて揚げた海老芋ではなく、裏ごし(?)した海老芋で作った揚げ饅頭です。旨味にはずれがない仕事ですかね。
焼き物はブリテリに、柔らかく煮て溶けるような聖護院大根。添えられているのは、堀川牛蒡に卯の花を合わせてあります。ちょっと聞かないと分からない卯の花牛蒡。
ますます北海道物産展丼になってきて、三色丼になりました。とはいえ蟹足ではなく蟹ミソですから、旨さは格段の差があります。

デザート三種。ご飯が終わって、賑やかなお客さんがもう帰った後で、「立山・雨晴・純米大吟醸・山田錦&五百万石精米歩合39%」を出してくれてます。柿のムースが意外に酒にあうんです。シーバスがムースに入っているそう、酒が酒を呼んだイメージ。小豆でお酒もオツ。
とかなんとか喋っていると、年末特別珍味大放出で、さらに「東洋美人」。最後に呑みすぎてしまった。
夏に調理スタッフが増えていたんですねぇ。

今日カウンターが賑やかだったのは、お隣になった♪ペペペッ・ペッペ・ペッペ♪の「T□」のタケちゃんが盛り上げていたからです。


平成24(西暦2012)年11月29日
晩ご飯は「祇園にしむら」です。遥邨の「東福寺・通天橋の紅葉」が掛かるカウンター。チャイニーズが聞こえるマス。

  • ゴマ豆腐
  • お椀が、蕪蒸し、牡蠣、鯛、紅葉人参、軸菜、柚子
  • お造りは、とろ、鯛、ウニ
  • 八坂の雪
  • 雲子おろし和え、ホタテ蒲鉾・厚焼き、たたみいわし、くわい揚げ団子、さつまいも銀杏チップ、栗、銀杏、カラスミ。茶そば松葉
  • 炙ったバチコ
  • サワラの幽庵焼き、酢蓮根・人参、菊花ナマス
  • 香箱蟹、柿・人参・大根、蟹酢
  • 野菜の炊き合わせに、大根、揚げ海老芋、結び鶯菜、柚子皮
  • 蟹いくら丼、止め椀、香の物
  • ラフランスゼリー寄せ、グレープフルーツ、小豆餡

今宵選んだお酒は「磯自慢・純米大吟醸・特A地区東条秋津西戸産山田錦精米歩合40%・自社保存株酵母」、通称ブルーボトルかな。時折僅かに渋みを感じて、日頃欠点を感じない磯自慢としては、不満が残るところ。マスカット、リンゴのようなフルーティーさと軽快な喉越しは素晴らしいけど、パーフェクトじゃなかった。春まで置いとけばいいかな?

いつものゴマ豆腐(写真省略)
お椀は、冬の定番「蕪蒸し」ですが、具材は変化球。牡蠣を真蒸にして椀種にしたりもするところがあるんですが、牡蠣臭さが鰹昆布の吸い地と合わないような気がするのです。好みの問題です。
お造りは大間のマグロ、羅臼のウニ、鯛。強力布陣のお造り。しかし重い丸皿です。
八寸は、畳イワシは初めてかな?炙ってサクサクです。10年以上冷蔵庫に置きっぱなしにしていたカラスミ。ネットリ感はもうないけど、不思議と旨みは変わりませんねぇ。
定番の鯖寿司(写真省略)

しっとり柔らかな「ばちこ」。
焼き物は、旬のサワラ。そういえばテレビのバラエティで「白身のトロ」とか煽ってましたな。欲を言えばもう少し身が厚いと嬉しい。
香箱蟹は津居山。
炊き合わせには、海老芋に大根。海老芋はいうなれば「揚げ出し」。海老芋に柚子の組み合わせはよく出来てます。下味は付いているんだろうけど、淡い。大根は大根の香りを感じさせないような味わい。上品な味に磯自慢が素晴らしい。

ご飯は、蟹味噌・ほぐし身を乗せた蟹丼。おや!?イクラまで乗ってますがな。八寸に出てこなかったわけだ。文句いう訳じゃないけど、これじゃ北海道物産展の二色弁当だな。今度からはウニもね。
デザートはラフランス、小豆、グレープフルーツ。


平成24(西暦2012)年10月23日
晩ご飯は「祇園にしむら」です。掛かる絵は遥邨。カウンターは先客二組。
東福寺管長揮毫の「清秋」が掛かるカウンター。

  • 胡麻豆腐
  • お椀は、丸と百合根と丸豆腐。鶯菜、ネギ、卵黄
  • お造り、鯛、まぐろ、いか、山葵、塩、醤油
  • 鯖寿司(八坂の雪)、甘酢生姜
  • 萩すだれ(岩萩)の八寸、いくら醤油漬、銀杏、さつまいも銀杏揚げ、雲子天ぷら、牡蠣かまぼこ、煮栗、むかご白和え、レモン菊の中はとんぶり、舞茸、菊菜、菊花、長芋、上に糸かつお、茶そば松葉
  • かますの塩焼き、大根おろし、菊花カブラ漬け、黒豆枝豆ロースト
  • 湯葉包み揚げ(中に菱蟹、白菜、椎茸、きくらげ、菊菜)、白髪ねぎ、餡かけ
  • 焚き合せは鱧、松茸、かぶら、結び菊菜、降り柚子
  • あわびと肝ソース、からすみ
  • 子芋と松茸のご飯、赤だし、お漬物
  • 柿と20世紀梨 栗のソース

今宵のお酒は、「黒龍・大吟醸純米酒・兵庫県産愛山精米歩合50%(酒門の会)」とします。封切り直後には苦さを感じる物の、次第に消えます。ただまだ酒が硬い印象を受けます。ドライでスッキリ。

お決まりのゴマ豆腐。溢れんばかりの胡麻ダレに見えるけど、案外底が浅い。焼き締めの器だけど、磁器製のスプーンでタレを掬うのは、ガリっといきそうで怖々です。
お椀は丸。仕事してあります。捌いたすっぽんがゴロゴロではなくて、刻んであります。その上に百合根が乗って、丸出汁の丸豆腐。流し缶に順に重ねて作り上げたそうです。刻んだネギは定番の組み合わせ。
お造りもお決まり。北海道のマグロですが、産地を聞いたけど忘れた。なんだか東南アジアに有りそうな地名。塩でマグロもなかなかいい。
大藤さんの千枚漬けが乗った秋冬の鯖寿司。

岩萩とは、お珍しい盛り込み。レモンで菊まで作っております。細工っているのはサツマイモの銀杏。とんぶりでネバネバ。白和えは豆腐の方が多いくらい。こりゃ、しばらく毎月の八寸が楽しみですなぁ。
焼き物はカマス。大根おろしに菊花カブラの酢漬け。別皿に丹波の黒豆の枝豆です。莢付きでオーブンで一時間半ほどローストした枝豆。ちょっとお家では再現できないけど、コリコリ飽きない味に仕上がっております。
にしむら風春巻きです。上品なフィリング。なにより餡が美味しい。残った庵だけでお酒が呑める。
炊き合わせは、名残と走りの煮物。

最後に酒肴の珍味二品。カラスミと、煮アワビに肝。カラスミは端っこコレクション。練り肝の一番は、やっぱりアワビと一緒に食べると言うことだな。
珍しいというより、始めてかもしれない炊き込みのご飯は、松茸の軸と子芋。好きな釜飯は何度も書いているけど、苦手な釜飯はあまり紹介してません。実は「豆ご飯」と「子芋のご飯」は、子供の頃から苦手。ニチャニチャとした芋の舌触りとお米がどうも苦手。それに満腹に近い状態でお腹に溜まりそうな芋は・・・。女性には受けそうだけどね。止め椀は赤出汁で、トロロと豆腐。

水菓子。


平成24(西暦2012)年9月25日
晩ご飯は「祇園にしむら」です。掛かる絵は遥邨。カウンターは先客二組。

  • 胡麻豆腐
  • お椀が、鯛かぶら、糸柚子
  • お造りには、鯛、トロ、烏賊
  • 鯖寿司
  • 八寸は、いくら醤油漬、いんげん豆といちじく、むかご豆腐和え、雲子の天ぷら、さつま芋と枝豆と玉ねぎの揚げ物、栗の甘煮、銀杏+ハモの肝の塩辛
  • 焼き物は、まながつお幽庵焼き、ししとうとちりめん山椒、ずいきに黄身酢、茗荷+白うるか
  • 揚小芋と生麩、湯葉煎餅、白味噌仕立て、糸かつお
  • 焚合わせは、鱧、松茸、れんこん餅、水菜、すだち+アワビの肝
  • あわび+アワビの肝
  • かき揚げの天茶(玉ねぎ、舞茸、えのき茸、松茸軸、鱧、三つ葉)、香の物
  • 桃のコンポート、梨、栗のソース

今晩は「富久長・純米大吟醸・(麹:広島or兵庫県産山田錦+掛:広島県産八反草精米歩合)50%(八反草使用割合約80%)」を呑みます。昔はちょこちょこ呑んでいた富久長ですが、縁遠くなってました。で、八反草という酒米も初めて聞くもので、くどい説明はwebを見てください。柔らかい味の呑みやすい中庸なバランスのいいお酒。

定番のゴマ豆腐。今日は香ばしさも弱めの香り。
お椀は、鯛に小蕪。カブラはほんのり醤油色。吸い地にカブラの香りが写って、ちょっと野暮ったい味。料理としての仕上がりが「がんばろう」ですかね?ちゃんと「タイノタイ」をが獲れる。 お造りが、ボストン、愛媛、忘れた。だんだん鯛の味が良くなってる。
定番の鯖寿司。10月から大藤さんの千枚漬けが使われるそうです。このガリを買っていかはるお客さんもいるそうだ。

八寸は、少々記憶があいまい。暖かい揚げものから食べます。ムチーとした雲子が旨い。柔らかい口の中で溶けるイクラ。料理屋では酒の魚ですが、イクラの丼にしたいくらい。
少し遅れて、「ハモの肝の塩辛」。チョっとずつ残して作っているんですねぇ。巧いもんです。肝は刻んでいるようで、時々塊があるようで、それもまた旨さが増す感じ。心にくい。
マナカツオの幽庵焼き。浅漬けのような幽庵。漬かり過ぎるとご飯が欲しくなる味ですが、控えめなだけに酒に合う。ししとうとちりめんを炒めるのは、京都ではオバンザイの一つ。炒め過ぎない食感です。
少し遅れて、珍味の「白うるか」。箸の一本で掬って口に入れる程度で、口の中が鮎の苦味でいっぱいになるんです。しかも余韻が長い。酒を呼び味と香りと余韻。
白味噌仕立ての煮物で、揚げた子芋。下味のツケ具合と揚げた子芋の食感。口の中で押し潰れる芋のニュルニュル感が味のひとつかな。ちょっと濃い目に感じる白味噌に糸鰹で甘いんですが、これはこうでなくちゃ。そうした味噌と絡む生麩もいい組み合わせ。
鱧と松茸が出てきました。蓮根餅と一緒。水菜たっぷり、スダチは別の小皿。翼を言えば、ハモに熱が入り過ぎ。箸で崩すと柔らかすぎてボロボロ。ちょっとした加減ですけどね。世の中に完璧ということはありえないね。
後から、アワビの肝
最後に煮アワビの刺し。ここでもアワビの肝。肝は醤油と塩で練ってあるので、醤油分の少ない肝醤油ペーストみたいなもんで、肝で食べるアワビは自然。今日はカウンターでカラスミを見ず。残念。でも珍味三品で血圧上がりそうだ。

ご飯は、かき揚げの天茶。残念ここでバッテリーが上がる。
デザートは桃梨栗。


平成24(西暦2012)年8月22日
お友達を誘ったのは、ご近所の「祇園にしむら」です。掛かる絵は麻田辨自の「鮎」の扇面画。カウンターは独占でした。

  • ごま豆腐
  • お椀は、鱧松
  • お造りは、とろ、たい、うに、醤油、塩
  • 鯖寿司
  • 先にジュンサイ
  • 八寸に一皿には、ハモの子の玉締め、干瓢・酢味噌、イチジクとインゲン胡麻和え、塩焼きの鮎・蓼ペースト
  • 二つ目の皿には、鮎の骨せんべい、タコと大葉の天ぷら、トウモロコシとサツマイモと水菜のかき揚げ、枝豆のかき揚げ、遅れてカラスミ
  • 鯛の焼きもの、かま、障子、茗荷、瓜、スダチ
  • 蒸しアワビ、肝の塩辛
  • 賀茂ナスと伏見とうがらし、糸鰹の白味噌仕立て
  • 松茸のフライ丼、止め椀(鯛の骨)、香の物
  • 桃のコンポート、ピオーネ、白ワインジュレ
今宵は「喜楽長・平成24年全国新酒鑑評会金賞受賞・大吟醸・山田錦精米歩合40%」です。フルーティで軽い甘味。爽やかな喉越し。

バカラにゴマ豆腐。
ギンギンギラギラに磨かれた銀椀には、シンプルなハモに松茸。
お造りは、キコウチの皿に定番安心の「とろ」と「たい」。片口の小鉢に「うに」。わさび、塩、醤油。鯛に脂が戻ってきた印象を受ける味。
鯖寿司。
珍しく、いつもなら八寸に盛り込まれる内の一品だけ出てきたのは「ジュンサイ」。
八寸は二皿に分けて(それでも同時だけど)出てきました。八寸のルールからすれば掟破りのような気がしないではないけど、和洋の二皿に分けられて、豪華に見えます。もう秋のような「乾山写し」には、ハモの子、干瓢、イチジクとインゲン、鮎。焼き物の鮎は、先月びは丼のネタで出てきた姿で、いわば焼き八寸。鮎は骨抜き。
マイセンの八寸は、いわば油物の皿。骨抜きにした鮎の骨、タコ、トウモロコシとサツマイモ、枝豆。です
遅れて、名物カラスミがでてくる。

500mlのボトルが空いたので、次に「東洋美人」を一合。キリッと雑味のないドライな口当たり。
鮎の焼き物。カマがメインで、中骨の障子。当然昆布出汁で頂けるものと思ってそこそこにほじくっておきます。
アワビがでてくる。いつもは「高級な蒲鉾」というアワビですが、今日はスライスにしてあります。それもそのはず、適度にかみ応えを残した蒸し具合。肝の塩辛も付いて出てきますので一緒に。
炊きあわせというか、しっかり汁物。油通しの賀茂ナスに伏見とうがらし。糸鰹。暖かい白味噌にはなぜか心が緩む感じ。
ご飯は松茸のフライを丼風に。スダチベースのツユ。ソースのようなスパイス感もあります。鯛の骨に昆布出汁を掛けた止め椀。鯛と言うのは旨みの多い魚と言うのが実感でs切る美味しさ。

デザートは、桃とピオーネ。


平成24(西暦2012)年7月24日
晩ご飯はご近所の「祇園にしむら」です。掛かる絵は遥邨の「船鉾」。

  • 胡麻豆腐
  • 鱧と松茸、にゅうめんのお椀、錦糸、水菜、振り柚子
  • 鯛、まぐろ。別皿でウニ
  • 鯖寿司
  • 八寸には、鱧の子の玉子とじ、干瓢と白ずいきの酢味噌和え、蛸と大葉のフリット、無花果といんげん胡麻和え、コーンとさつま芋と水菜のかき揚げ
  • 珍味で鱧の子の塩辛、後とかアワビの肝を混ぜる
  • すずきの塩焼、瓜、甘酢生姜、おろしポン酢
  • 珍味で、カラスミ
  • パンプキンスープ、オクラとジュンサイ、枝豆の加減酢のジュレ
  • 賀茂ナス、あわび、赤と緑の伏見とうがらし、あんかけ、湯葉煎餅、刻み海苔
  • 鮎ご飯、蓼のソース、止め椀、香の物、鮎の骨せんべい
  • 白桃にピオーネ、ワインジュレ

今宵は「上喜元・純米吟醸」にします。

先ずは、ゴマ豆腐。香ばしい。
お椀は、鱧と松茸。今日の骨切りはちょっと粗いのかな?吸い地が汚れちゃいます。時々「鱧は梅雨の水を飲んで美味になる」と偉そうに書きこんでいたりするのを見かけますが、むちゃは「韓国に梅雨がある、と聞いたことが無い」。韓国産の鱧を梅雨の後だからと知ったかぶりで書いてる奴なんか、ペッペッペーだな。明日の天神祭でも、そんな蘊蓄爺が居酒屋で偉そうに語ってるんだろうねぇ。美味しい鱧松の吸い地をにゅうめんでも楽しめるお椀です。
よくお店の予約の時に「食べられない物」とか「嫌いなもの」とか聞かれますねぇ。今日のお造りには、200キロを超えるボストンの生マグロを入れてくれたようです。叩いてしまっては、気分が盛り上がらない。夏の鯛らしい味。甘味は際立たないけど深みのある味のウニでした。
定番の鯖寿司。お客さんから「待ってました」と声が出たけど、夏の鯖寿司はそれほどプライオリティのある名物じゃない気がするけど・・・。お持ち帰りに「ハーフ&ハーフ」という裏技があるようですな。むちゃは「焼き鯖寿司」は好きじゃないので、注文はしませんが、一度で二度楽しむマニア向け。

葉皿の八寸。美味しいのは油物でした。過去のタコの天ぷらも旨い出来でしたが、一段上だ。天ぷらでなくフリットと書き残しておきましょう。大葉との相性もグッド。甘いものと甘い物の組み合わせのかき揚げ(?)も。干瓢が復活したと思ったら白ズイキと一緒。舌触りはよくなったかもしれないけど、干瓢だけの方がいいと思う。
ポツポツと出てるくる珍味は、鱧の子の塩辛。今年から、アワビの肝と混ぜ混ぜして食べるように勧めてくれます。アワビの肝はそれだけでも十分酒の進み珍味なんだけど、思いのほか他の料理に合わせると思いがけない効果がでる珍味でもあります。
焼き物は、豊後水道のスズキ。なかなかいいサイズのようです。
珍味でカラスミ。美味しい。カラスミとしての格が違う。
隠し酒の「喜楽長・大吟醸・能登杜氏芸」がカウンターで振る舞われるので最後の一杯を頂く。
一度に二品。カボチャのスープ。日本料理屋らしく出汁で割っているらしいし、日本料理屋らしくなく生クリームも混じっているようです。トロリとした濃厚なスープはすり流しのようです。オクラとジュンサイとネバネバ入り。京都産の黒豆の枝豆に、あっさり感を足す加減酢のジュレ掛け。
野菜には賀茂ナス、伏見唐辛子、アワビで炊き合わせ、湯葉の煎餅が乗って刻み海苔、野菜の味は濃いんだけれど、器の底の煮汁(?)はあっさり。アワビの肝を残しておくべきだったねぇ。
今日のご飯は、一夜干しの鮎のご飯。ご飯は「鮎の骨?」、いや骨はせんべいで出てきているし・・「あわび」?聞き忘れた。鮎の上にのているのが「蓼のソース」。ちょっと見た目ドギツイ色に仕上がっていおります。イタリアンで出してくれた鮎になにか足りない味は、きっとこの緑の味だった気がするのでした。好みの急所を押さえてくれました。それにしても「ご飯が旨い」。カウンターは他のお客さんの反応が見れて面白いのですが、骨せんべいと言うのは、あまりなじみがないようです。

最後のデザートは、生の白桃に、剥いたピオーネ。


平成24(西暦2012)年6月27日
晩ご飯はご近所の「祇園にしむら」です。掛かる絵は平八郎の「泉」。
台湾からのお客も交えたカウンターです。

  • ゴマ豆腐
  • お椀は、鱧、ジュンサイ、糸柚子
  • お造りには、鯛、マグロたたき、いか、茗荷、海苔
  • 鯖寿司
  • 八寸の、ガラスにはズッキーニとタイラギ・加減酢ジュレ、四方皿はタコの梅肉和え、壺壺には鱧の子の塩辛、ガラスの飾り更には、ずいき・サツマイモとコーンと水菜のかき揚げ、後からカラスミ
  • アワビ、イカ、万願寺のお炒め物、蓮芋、ウニ・九条ネギ、餡かけ、珍味のアワビの肝
  • 鮎の塩焼き(骨抜き)、酢取り茗荷、白瓜
  • 焼きナスの煮びたし、はくさい菜、糸鰹
  • 珍味でウニの塩辛
  • お揚げさん入りの玉子丼、止め椀、香の物
  • 佐藤錦、マンゴ、練乳
今宵は「鳳凰美田・PHOENIX 2012・純米大吟醸原酒・愛山精米歩合45%・平成22酒造年度醸造瓶燗火入れ(雫取り・無濾過・一年氷温貯蔵)」です。リンゴやマスカットのような香りに、どこか花のような香りも感じます。氷でキリッと冷えてくるとコクを感じるようになります。特に珍味系と合わせるとミルキーな深みが増すようです。喉越しのキレも素晴らしい。久しぶりに「凄い」と感じたお酒。

ガラスの器にゴマ豆腐。なかなかお酒が合いにくいゴマペーストですが、フェニックスはええよ。

お椀は、極めてシンプルに鱧とジュンサイ。クルクル巻かれた鱧は俵状になってズッシリのボリューム。
お造りは、三種。嫌だと言っているのにマグロがタタキ。最近お気に入りの食べ方だという海苔が手塩で出てきます。マグロを叩いているので海苔に乗せて食べるのは食べ安いというのは理解できる。金沢で水揚げされたマグロだそうだ。
定番の鯖寿司。

揚げたてから食べる八寸。コーンとサツマイモの甘甘かき揚げです。ホクホク感にシャキシャキの水菜。出汁をたっぷり含んだズイキが美味しく感じる組み合わせでした。もうすぐ半夏生で、関西ではタコを食べる日。歓迎です。酸っぱいもん、辛いもん、甘いもん、いろいろよく考えてあるのです。深みのある味のカラスミが酒と撮っても合います。酒の肴としていい組み合わせですが、今日の組み合わせは群を抜いている感じ。
餡かけの蒸しもののようですが、炒めてあるそうです。イカ、アワビ、万願寺。サラダオイルに●●●油を少々。イカはイカですが、アワビは旨みが増したようなマジック。餡かけにネギの香りも旨し。生ウニのトッピングはいが意外だけど、美味しいウニはどうしても美味しい。イチゴ煮の組み合わせですから、美味しい鉄板の組み合わせ。
ちょっと姿は悪いけど、塩焼の鮎。骨抜きしてあります。抜いたからいは、食べたくなるのが骨せんべいでしたが、なし。
珍味で小皿にウニの塩辛。ウニの原形、粒粒感がなくなってトロリとした塩辛。
野菜で焼き茄子の煮びたしにはくさい菜のお浸し。いい味。

昔はよく出していたという伝説の「たまご丼」。お揚げさんにネギ入り。基本の出汁が美味しいのですから、疑いのない美味しさに仕上がりますよねぇ。
デザートは、サクランボとマンゴ。


平成24(西暦2012)年5月29日
晩ご飯の席は「祇園にしむら」です。座敷はともかく、今宵のカウンターは、昨晩に続いて、独占。

  • ゴマ豆腐
  • お椀が鱧、オクラたたき、糸柚子
  • 沖縄のマグロ、鯛、茗荷、わさび
  • 鯖寿司、甘酢生姜
  • 八寸、生鯛の子、?、黄&緑ズッキーニ・タイラギの加減酢のジュレ、ズイキ・タコ梅ジュレ、カラスミ
  • 鮎の唐揚げ、破竹、コシアブラの天ぷら、大葉、白髪葱、甘酢あんかけ
  • 煮アワビ、肝のペースト、ウニ、ジュンサイ、もずくの酢の物
  • ぐじの酒塩焼き、おろし、シシトウ
  • 野菜の炊き合わせに、白&緑アスパラガス、はくさい菜、花山椒
  • 焼きアナゴのトロロご飯、止め椀、香の物
  • マンゴ、イチゴ、生クリーム、マンゴソース

今宵は「山形正宗・大吟醸・しずく採り・平成23年度全国新酒鑑評会出品酒・播州産山田錦精米歩合35%」を呑みます。甘さは残りますが、上品で、余韻は残りません。

お馴染みゴマ豆腐。今日はペーストが薄味。
鱧のお椀。そうか今年から骨切り担当が変わったんやったか?見た目は粗いようだけど、きっちり仕事できてます。オクラたっぷり。
マグロに鯛と定番がそろったお造り。沖縄の生マグロ。鯛は季節がら旨みが落ちてきたかな?

テイクアウトの定番の鯖寿司。
八寸には、鯛の子だったと・・・ピンク色の繊細な味。城の壺壺は・・記憶から抜けております。年のせいにしておこう。貝の器には黄&緑ズッキーニ・タイラギの加減酢のジュレ。何気ない一品ですけど、いろいろ考えるものですねぇ。丸皿にはズイキとタコ。タコを見かけるのは久しぶり。昔使っていた二杯酢のジュレは、今では市販されちゃっているけど、梅もタコには間違いなく合いますねぇ。これは生タコのようです。

油物は鮎の唐揚げの甘酢あんかけ。某店のパクリだそうです。九州の破竹をスライスして(炒めて?)入ってます。コシアブラの天ぷら・大葉・白髪葱が乗っております。暖かい餡かけで優しい酢の香りがプーンと。
ジュンサイ・もずくの酢の物に生ウニ・煮アワビと贅沢。イチゴ酢の物ですな。暖かい物の後にさっぱり。酢のものが霞んじゃうほど、アワビとウニが旨すぎますな。
焼き物はグジの酒塩。しっとり、ふっくら。
野菜ごろごろ。薄味で炊いてあるので野菜の青臭さが活きてます。特にアスパラガス。葉物のハクサイ菜は出汁を含んでとりわけ美味しい。花山椒はもうちょっと欲しい所。

ご飯は、初めて出しているというトロロご飯。焼きアナゴに山葵。出汁の美味しい店ですから、トロロも旨いわけです。最近食べてないだけに、サプライズ感も手伝ってよりいっそう旨いご飯。
マンゴとイチゴに生クリーム。


平成24(西暦2012)年4月26日
晩ご飯の席は「祇園にしむら」です。座敷はいっぱいのようですが、カウンターは一組で静か・・ではありません。
カウンターの絵は「印象」。

  • ごま豆腐
  • 若竹の椀、ワサビ菜、木の芽
  • お造りには、まぐろ、鯛
  • 鯖寿司
  • 八寸の、ボンボリにコゴミ・芹・うるい・・・のお浸し、蛤にはヒジキ、もう一つの蛤には子持ち昆布・ホタルイカ・菜の花、サザエに赤貝とワケギのテッパイ、カラスミ
  • もずく酢、煮アワビ、さより、アワビの肝
  • マスの木の芽焼き(花山椒)、酢蓮根、蕗、おろし
  • 明太風鯛の子、(カラスミ)
  • モロコの天ぷら、蕗の薹、タラの芽、加減酢
  • 長芋、焼きアナゴ、空豆の炊き合わせ、木の芽
  • 錦糸乗せ豆ご飯、牛肉の炊いたん、止め椀、香の物
  • まんご、いちご、クリーム

今日は「東洋美人・大吟醸・全国鑑評会出品酒・山田錦精米歩合40%」を呑みます。常温に近いと、柑橘系の酸味と厚い味が際立って、新酒にありがちな苦味と粗っぽいざらつき感が舌に残るけれそ、氷で冷やされてくると味が落ち付いて、喉越しも軽やか。

いつものごま豆腐。掛かっている「ゴマダレ」に一番合うアルコールはビールなのかも知れないなぁ、とふと思った。メリハリのある色合いの織部。
朱塗りに、若竹。物集女産だそうです。京都で最後に出てくるのが物集女で、色が白いのが特徴だという説明です。苦み走った山葵の葉っぱ。
勝浦の180キロのマグロ。この後しばらく「たたき」にするようです。鯛はネットリとよく熟れてます。
いつもの鯖寿司。

八寸のボンボリには、お浸し。いつものようにいろんな青菜が入っていて、覚えきれないので馬耳東風。でもないけど、たくさん混ぜわせることで新しい味になっているということ。サザエの中はてっぱい。味もいいんですけど、綺麗な鮮やかな色に仕上げてあります。蛤が二つ。大きく育ったホタルイカ。またも覚えきれないヒジキの内容。相変わらず旨いカラスミ。
酢のものは、細いもずく。アワビにサヨリと豪華なもずくです。酒のツマミのアワビの肝はアワビと一緒に食べれば間違いのない旨さです。淡い加減酢のサヨリも美味しい仕事。
北陸のサクラマスを木の芽焼き。他のお客さんには鍋でサクラマスの花山椒鍋がでていましたので、食べたいというと、焼き物に乗せてくれました。
珍味で、明太子風のピンクの鯛の子が出てます。辛くは無く、塩分を感じる程度。自称カラスミ・マイスターの大将が、冷蔵庫で寝かしていたカラスミをちぎって足してくれます。どう食べようといい酒肴。 油物で、子持ちのモロコ。お酢がでてますけど、塩が欲しかったな。その替わりに鯛の子を一緒に食べるんですが、またこれがいい味になった。ここの揚げ油はなんだっけかなぁ?

炊き合わせには、長芋、焼きアナゴ、空豆。それぞれに美味しく食べられます。野菜だけでなく、一品脂のあるものが入ると一層美味しく感じるんです。

今日のご飯は豆ご飯でした。錦糸がとってもキレイに映える緑の豆。実は子供のころから「豆ご飯」って嫌いで、今では食べるけど「好きじゃない」ご飯。そんな気持ちを払拭するお味。お代りするのでした。おかずに、牛肉の炊いたん。牛丼屋で言う「牛皿」かな?
水菓子は、マンゴにイチゴ。

献立を作るのは苦しいようでオープン二年目の下書きを見せていました。カウンターのええネタですな。当時はゴマ豆腐もなく、鯖寿司も無いころですし、八寸なども、今より手が込んだものでした。その後どんどん料理がシンプルになって、昨今の流行りを作ってしまったと反省気味でした。古い資料を出してきたということは、古い料理が復活してくるかもしれないし、一皮むけるかもしれない。今の料理を、だらだら続けるのではなく、変わっていくのは楽しみな事です。


平成24(西暦2012)年3月20日
晩ご飯の席は「祇園にしむら」です。「をどり」のボンボリ・提灯も明るく、観光客もぞろぞろの祇園です。
若干の空席のあるカウンター。後ろには不矩の「梨の花」の扇面画。

  • ゴマ豆腐
  • お椀には、たいらぎ、ホタテの真蒸、若芽、木の芽
  • お造りに、マグロ、鯛、さより、塩、ワサビ
  • 鯖寿司、甘酢生姜
  • 八寸の、ボンボリには七草(うるい・芹・春菊・土筆・うど・タラの芽・水菜?)のぬた、わらび、子持ち昆布、花菜の白和え、ホタルイカ、蕗の薹の天ぷら、カラスミ、レタスサラダを巻いた鴨ロース
  • ワサビ菜とはたけ菜、焼いたお揚げさんと、タケノコの炊いたん、木の芽
  • 煮アワビ、アワビの肝
  • マグロのお寿司
  • 鯛のカマと障子の焼きもの、蕗の薹の炊いたん、酢蓮根
  • アナゴの干瓢巻きとカブラ・人参の炊き合わせ、降り柚子
  • 白魚の天茶、香の物
  • イチゴ・リンゴ・白玉・黒豆・黒蜜掛け
今宵のお酒は「松の司・2011(23BY)・純米吟醸・本生・竜王町産山田錦(環境こだわり農産物認証)精米歩合50%・自社保存株酵母・限定584本/1800m換算」としました。清楚なフローラルブーケのような香り。最初こそは新酒らしいアルコールを感じるけど、慣れると淡い砂糖水のような味わい。喉越しも軽くさばけて、心地いい。生の松の司は華やかな香りと甘味で好きなんだけど、蔵元は直ぐに火入れしちゃうんだよなぁ。

定番のゴマ豆腐。降り柚子。
桜のお椀の蓋をとると木の芽が香ります。若芽のお椀だから、見た目からタケノコかと思ったんだけど、貝の真蒸でした。旨みたっぷり。
お造りには、大分・豊後水道のマグロ。最近は天然しか使わないということで、しばらく鯛とサヨリだったようです。
千枚漬けも終わった鯖寿司。若い頃は物足りない量だったけど、絶妙なボリュームなんやね。脂の乗った鯖が美味しいうちに食べ終わるわけです。

揚げたての蕗の薹。ねっとりした蕗の薹に仕上げっておりました。ボンボリの中には「ぬた」で七種類だと聞いて、二回ほど耳に入ってきたんだけど、記憶は怪しい。苦味も感じて美味し。ワラビの後ろに子持ち昆布が隠れてます。白和えは菜の花。ぷっくりしたホタルイカ。蕗の薹の後ろにカラスミが隠れていて、鴨ロース煮はレタスの千切り。ドレッシングで和えてあって、ありがちな辛子ではなく工夫がしのばれます。充実した八寸。

野菜の炊いたんは、ワサビ菜・はたけ菜。京都のおばんざいには定番の組み合わせのお揚げさん。それにタケノコでした。タケノコとお揚げさんが無ければ全く草の香りです。今日は葉物野菜が多いようです。
にしむら風の煮アワビ。聞けば、面倒くさい手仕事のアワビです。真ん中にはコリコリ感を残してあって、端っこはヤワヤワ。アワビの出汁も旨いし、肝と合わせると、当然旨いわな。

他のお客さん(就職祝い?)のおこぼれ・お流れのお寿司。
焼き物は、鯛が出てきました。カマが二個。中骨の障子。腹の骨の部分。それぞれに違う旨みがあるんです。さらに頭があれば言うことなしです。綺麗に「タイノタイ」も取れて気分が宜しい。付け合わせは蕗の薹でしたかな?ほどよい辛さ・苦さ。
炊き合わせは、アナゴの干瓢巻き。伝統的日本料理。溶けてなくなるアナゴの柔らかさ。近江かぶらには、筋が一本。人参。

今日のご飯は天茶でした。例年なら途中で天ぷらとして出てくる白魚が天茶。ええ出汁。木の芽爽やか。天ぷらの油もいいんでしょう。
デザートは、甘味処めく寒天・白玉・黒豆。

最近は雑誌に付録が付いていて、バンドで結束してあって中が見えないことが多くて残念。そんな家庭画報に「にしむら」の花見弁当がのっているのです。見せてもらいます。大き目のサイズの松花堂で美味しそうだ。でもまだ注文は1個だとか。作りたくなさそうだけど・・。


平成24(西暦2012)年2月14日
晩ご飯の席は「祇園にしむら」です。少々余裕のあるカウンター。
  • ゴマ豆腐
  • お椀には、餅と雲子の大根鋳込み、鶯菜、ネギ
  • お造りは、鮑、鯛、塩、ワサビ、練り肝
  • 鯖寿司、生姜甘酢
  • 八寸は、イワシ煮、壺壺に生コノコにナマコ、子持ち昆布、菜の花、わらび、カラスミ
  • 北海道のウニ、いくらの醤油漬け
  • 油物は、白魚、蓮根、ふきのとう、タラの芽、レモン、塩
  • グジの酒蒸し
  • 炊き合わせに、カブラ、ふき、若芽、タケノコ、木の芽
  • からすみご飯の蟹味噌ごはん、止め椀(アマダイの骨蒸し)、香の物
  • イチゴ、生クリーム

今日のお酒は「獺祭・純米大吟醸48・しぼりたて生・寒造早槽・精米歩合50%」です。華やかな香りにバランスのいい軽やかな酒。

水仙の乾山写しに、定番のゴマ豆腐。今日は柚子の香りが効いて、ちと苦み走ってます。爽やかさとコクのあるゴマペースト。

大根をぶつ切りにして、丸型の升に中をくり抜いた中に餅と雲子。細かい仕事をし始めたようです。雲子それだけでも十分旨いんだけど、吸い地に溶けこむ雲子の味は格別。
お造りは、鯛とアワビ。1月に一回マグロを仕入れたけど、それ以後は、眼鏡にかなうマグロがないということで、いつもも夏に使うアワビを早くも使っているようです。で、肝ペーストも出来あがっております。味わいは「浅漬け」風で、熟成感はこれからみたい。アワビは生。コリコリ感が十分噛みしめられる鮑。ねっとりした鯛。綺麗な青磁は八木明だそうだ。内側の鏡に渦巻き模様が浮き上がってますし、外にも淡い縦縞があって、とても美しい姿。
千枚漬けの鯖寿司。
節分めくの八寸ですか?イワシぐらいだけど。このイワシが実にあっさり煮付けてあるんだけど、旨いねぇ。オレンジ色の生このはたを乗せたナマコが壺壺に入ってます。漬けの出汁が良く出来てます。

北海道産のウニ、漬けのイクラが出て、チョビチョビつまみながら、料理が出てくる。
油物は、白魚、蓮根、蕗の薹、タラの芽。塩がでてるけど、無くても食材の旨みで十分食べられます。特に繊細は白魚は、何も付けない方が好みです。
蓋のついた大鉢がでてきて、中はグジでした。焼いた魚より身が綺麗に食べられるので好みです。骨だらけにして完食です。
野菜の炊き合わせは、若竹に、ふき、かぶら。野菜だけの味で炊いてあるとか、先月言うてましたな。というのが「ほんまかいな?」と思う味です。

珍しく、一人客ばかり三人が残って、大将から、いろいろ頂いてしまったお酒が、まず「VOSNE ROMANEE VILLAGE 2009 / Domaine Daniel Rion & Files」。最近、日本料理にも合うという評価で、お店で出してる赤ワインだそうです。若いイメージだけど、少々酸味も感じて、合うかもね、と思うけど、もうご飯だけしか試せません。ライトな味わい。
さらに「醴泉正宗・純米大吟醸・中汲み原酒・東条産山田錦精米歩合35%」の封を切ってくれます。蔵熟成の精米歩合35%ですから、別格・破格の味わい。久しぶりの醴泉正宗でした。相変わらず極上の美味しさ。

ご飯は蟹飯ですか・・・(カウンターでは酒宴だったので)詳しく聞けなかった。予想は蟹の出汁で炊いたご飯に刻んだカラスミをまぶしたご飯に蟹味噌と蟹の身を乗せたご飯?止め椀は、骨だらけにしたグジの骨にお出汁を注いでくれました。食べつくした骨なのに、旨いのですから堪りまへんなぁ。リーデルのグラス一客御昇天。

デザートは、イチゴに生クリーム。

昼から、酒に浸った一日だけど、余り寄っぱらたという気分じゃなく、上機嫌。二日酔いの兆候もない。


平成24(西暦2012)年1月12日
晩ご飯の席は「祇園にしむら」です。
カウンターの後ろには不矩の「椿に雪」の扇面画。賑やかに満席。

松の内で、お正月メニュー。
  • ゴマ豆腐
  • 雑煮椀、丸餅、頭芋、紅白、結び金柑、糸かつお
  • お造りは、よこわ、鯛
  • 鯖寿司、生姜甘酢
  • 八寸は、金柑いくら、酢蓮根、からすみ、タタキ牛蒡、数の子、黒豆、ちしゃとう、田作り、慈姑
  • 手塩にウニ、壺壺に海鼠腸なまこ
  • マナガツオの幽庵焼き、菊花かぶら酢漬け
  • 丸の茶碗蒸し、百合根、焼きネギ
  • 炊き合わせに、カブラ、蓮根、タケノコ、蕗、木の芽
  • 蟹ご飯、からすみご飯、止め椀、香の物
  • 林檎とイチゴのゼリー寄せ、生クリーム

今宵は「田酒・純米大吟醸・山田錦精米歩合・40%」を呑みます。米の甘味が心地よい呑み心地で、サラッとした喉越し。

いつものゴマ豆腐。
松の内の煮物椀は雑煮。京風に丸の煮餅。その下に頭芋がはいってました。下味がしっかり付いた頭芋は美味しいもんですなぁ。この年になって初めて頭芋が美味しいものだと思いましたわ。ただ、お家の雑煮の頭芋はドーンと入ってますからね。おめでたい紅白に、結んだ金柑の皮。

今日は、いいマグロがないというので、ヨコワ。でも腹身のヨコワは成魚にも引けを取らない脂。食べ劣りする鯛。
いつもの千枚漬けの乗った鯖寿司。
お正月の八寸。今年は「おせち」の中に入ってなかった金柑イクラ。一口で一気に・・。祐所正しき料理が並んでます。
見るからに味の濃そうなウニ。壺壺には海鼠腸とナマコ。海鼠腸がもう少し多いともっと嬉しい。

焼き物は、マナガツオ。いい漬かり具合。
茶椀蒸しには、丸。鰹出汁と異なって、丸仕立ての出汁の茶碗蒸しもいい味になってます。玉子と混じることで優しいマイルドな味わい。
炊き合わせには、大原野のタケノコ。新年のタケノコって九州が多いんだけど、凄いねぇ。もっと驚いたのは、実は「ふき」だ。レンコンもタケノコもしっかりとした色目と味ですが、野菜だけで炊いているとか言うてはります。
今日のご飯は蟹ご飯。蟹の出汁でご飯を炊いた上に、蟹、蟹味噌、内子と盛り付けてあって、炊き込み風でもあり、ピラフ風でもあり、丼風。しっとりしたご飯がたいそう旨い。この蟹で炊いたご飯に、すりカラスミを乗せてカラスミご飯を出してくれます。ひと口目は塩辛いと思ったけど、だんだんいい香りに代わって、塩も気にならなくなる。

デザートは、林檎の上にイチゴを乗せてゼリーで固めたのン。皿には生クリーム。

どうやら、年末に番頭君が上がった(店をやめた)そうだ。以前から「うちの店はみんな辞めない」と長いスタッフが多いのが自慢のようなんだけどねぇ。とにかく補充していないそうで、ボルトが入った肩の痛みに耐えて奮闘中の大将であります。
そういうこともあってか、こころもち料理の進むのが、いつもより早い。


平成23(西暦2011)年12月27日
晩ご飯に祇園へ向かいます。クリスマスも終わって、大和大路の四条南側には「十日えびす」のアーチもかかってます。押し詰まった年末の晩ご飯は、ラーメン評論家でもある「祇園にしむら」です。
見た目は分からないけど、鎖骨を骨折したんだとさ。。カウンターの後ろには「寿山福海」と書かれた遥邨揮毫の扁額。

  • ゴマ豆腐
  • お椀が、まる。焼きネギ、黄身。
  • お造りは、マグロのたたき、鯛、ヒラメの縁側、ワサビ、塩
  • 鯖寿司(八坂の雪)
  • 八寸の、壺壺にはナマコ、煮大根・アンキモ・辛子酢味噌、牛蒡天、カラスミ大根、おから、銀杏
  • ブリカマの塩焼、スダチ、菊花カブラ
  • カブラ蒸し、牡蠣、雲子、百合根、ネギ、にしむら風
  • 昆布森のウニ、
  • 野菜の炊き合わせは、大根、揚げた海老芋、京水菜、白味噌仕立て、振り柚子
  • まつば蟹の蒸し寿司、止め椀はアンコウの肝を溶いた味噌汁、香の物
  • ラフランスとイチゴ、ジュレに生クリーム
今宵のお酒は「磯自慢・純米大吟醸・特A地区東条秋津西戸産山田錦AAA精米歩合40%・自社保存株」です。甘露。するすると喉を滑っていきます。昨日と同じほど呑んでしまってます。秋津の山田錦を40%まで磨いた割に、磯自慢のクセに、そんなに高いと思えないプライスです。

定番のゴマ豆腐。
お椀は、丸です。一番旨みがあるのは、黄身に丸のエキスがしゅんだ味。もちろん吸い地が美味しいことに他ありません。
戸井のマグロをタタイてあります。腹身の鯛を出してくれましたが、口の中の温度で溶ける脂が美味しい。ヒラメの縁側もいい脂。
定番の鯖寿司。秋から冬に脂が乗ってくるんですが、乗り過ぎてる鯖はクドサを感じます。鯖寿司の旨さは脂ではないというのが実感できます。また、生姜との相性もよろしいなぁ。いい組み合わせ。
八寸。ナマコは薄切りすることでナマコのコリコリ感を残しつつ、硬さが苦にならないようにしてあります。揚げたばかりのゴボテンと銀杏。オカラも出汁でしっとりしたもので、ムカゴがいいアクセント。とりわけアンキモがいい味。辛子酢味噌と合うと、チーズのようなコクが広がります。

氷見のブリカマ。好みを知ってくれてます。
にしむら風のカブラ蒸しは、卵白を用いず、ふんわり乗せただけ。でも百合根は刻まれて入っております。カブラの甘味が地に広がって、牡蠣も雲子もいい味。とりわけ雲子。タラとは思えない味に替わっております。
濃厚な味のウニ。昆布森。
お椀ででてくる野菜は白味噌仕立ての炊き合わせで、大根、海老芋、水菜。お造りのツマも入れれば、大根を三種類で使うとは、珍しいことです。白味噌は関東屋だそうだ。
先月に蟹玉餡かけを出してくれたので、周りと異なり、蒸し寿司です。ビジュアルも含めて天津飯より好みです。悪天候が続く中で、よく出してくれました。欲を言えば、もっと熱々でハフハフ食べたいということですわ。
デザートは、イチゴにラ・フランス。

カウンターの二回転目にやってきたのが「マンマ・ミーア」のターニャさんだった。四季は観に行かないなぁ。舞台が想像される賑やかさ。
年末のご挨拶をして、帰ります。いい気分で、呑んだ割にはすっきり。


平成23(西暦2011)年11月28日
晩ご飯の「祇園にしむら」へ向かいます。おばさんたちで盛り上がっていた余韻が残っております。
  • ごま豆腐
  • お椀は、蕪蒸し(蕪・木耳・百合根・鯛)、紅葉人参、ワサビ
  • お造りは、トロ、鯛、ウニ、塩、醤油
  • 鯖寿司、生姜甘酢
  • 八寸は、いくら醤油漬け、おから、あんきも、煮大根、銀杏、ひろうす、雲子ポン酢、からすみ
  • サワラの西京漬けの焼き物、菊花カブラ漬け、
  • かに一式(蟹身、蟹味噌、内子)、カブラの茎、柿、酢漬けの大根・人参
  • 天津飯、止め椀。香の物
  • ピオーネ、ラ・フランス、ジュレ

今晩のお酒は「松の司・2010CLASSIC・大吟醸・東条山田錦精米歩合35%・自社保存株・限定286本/1500ml(2011・5)」にしました。久しぶりに凄いなぁと思ったお酒。爽やかなデラウェアや王林系のフルーティな香りに、清々しい甘味。さらりと喉を滑ってキレます。もう、日本酒を呑んでいるというイメージがわかない呑み心地。昨年2009CLASSICより清冽なイメージです。

定番のゴマ豆腐から。
お椀は、もうカブラだ。寒きなってきたからねぇ。グジではなく鯛のようです。鯛だけにお上品。それにしてはよく効くワサビで、溶かしこんでもツンツン。あまり多いとカブラの味が失われるから、ほどほどにね。
器も紅葉の立田川。ボストンのマグロ。季節の紅葉鯛。昆布森のウニ。塩とワサビ醤油。旨いのトリオでした。久しぶりに桂剥きをしたようです。
定番の鯖寿司。
八寸に、珍味二種。おからはほぼ一年ぶり。何が入っているか聞こえてきたけど、直ぐに忘れた。しっとりユルユル。「あんきも」ちゃんと呼ばないと怒られるのでした。別の小鉢、壺壺に雲子とカラスミ。

焼き物は、旬のさわら。ちょっと変わった形の割り山椒の器。

にしむらの蟹は「津居山」。今年から青いタグのほかにも、船の写真がプリントされた白いタグも付いているんだとか。見せてもらいましょう。
で、その蟹をほぐして、出てきます。蟹の下には、大根とか人参とか、いつもお造りの下に隠れているものが入ってます。ぽってと、内子と蟹味噌。手が蟹臭くならないように、ほぐしてあるのが、丁寧な仕事。底の翠色はカブラの葉っぱ。おひたし風の味。蕪蒸しの残り物ですが、ちゃんとあまさず使うことは大切。
今日のご飯は蟹でね。みたいな事を伝えていたんですが、伝言ゲームの結果「天津飯」と伝えられたようです。美味しい出汁の餡かけに、蟹味噌。玉子大好きですから、文句ありません。にしむら流の蟹味噌餡かけのオムライスといってもいいだろうな。
水菓子は、ぶどうに洋梨。

お友達が「むちゃ」と呼ぶもんだから、顔が割れちゃった。古くから日記を見ていたという御奇特な先生でした。殴り書きのようなメモですが、御贔屓に。


平成23(西暦2011)年10月22日
幕が下りて、晩ご飯には「祇園にしむら」へ向かいます。
玄関にしれーっと「ぐるなび」の花が届いております。発表の翌日に届いたらしい。マメ。
土曜日でお客さんがいっぱいだったらしいが、カウンターは波が引けた後。カウンターの絵は正井和行(?)の「栗」。

  • ゴマ豆腐
  • お椀は、鴨・おろし大根、ネギ、紅葉にんじん、松葉柚子
  • お造りは、鯛、マグロ、ウニ、ワサビ、塩
  • 千枚漬けの乗った鯖寿司(八坂の雪)
  • 短冊の八寸には、イクラしょうゆ漬け、煮栗、揚げ銀杏、紫ずきんとムカゴの白和え、イカ天。雲子ポン酢
  • かますの塩焼、酢蓮根、すだち
  • イチジク湯葉の加減酢
  • からすみ
  • ハモ、松茸、水菜の煮もの
  • 野菜の炊き合わせに、子芋、ナス・菊菜・椎茸、茗荷
  • アワビの餡かけご飯、練り肝
  • 柿、巨峰の栗ソース掛け
今宵のお酒は「田酒・純米吟醸・百四拾精米歩合50%」。林檎やマスカットのような清々しい香りと甘味。後を引かない甘さ。

いつものゴマ豆腐。
秋らしい色合いのお椀の景色。いつもより吸い地が濃く醤油の香りがするなと思ったのは、鴨に合わせたんだろうな。旨出汁程ではないけど。鴨の上には白髪葱とおろし大根。
龍田川には、鯛、マグロ、ウニ。粘りのある鯛は今シーズンベストだし、甘味の濃い厚岸のウニもだ。銚子沖の200キロのマグロは筋もあるようだけど、これも美味しい。今日は当たりだ。
もう千枚漬けが出てきました。鯖寿司に乗っております。今の時期のカブラは一体どこから来るのか?というのは疑問ですけどね。出肇ですから、一本持ち帰り!

八寸には、揚げたてのイカ天と銀杏。ふわふわに仕上げられたイカ。コリコリ感のないイカ天というのも不思議な食感。白和えには枝豆とムカゴ。むかご(零余子)の説明がちょっと違ってるよ。 山芋の葉の付け根にできる球芽。イクラも相変わらずの出来。瓶づめで持って帰ってイクラご飯とか美味しいだろうなと思うんだけど、硬くなっちゃうそうです。短冊に入りきれないのが雲子。今シーズン初めてです。
菊の葉皿にカマスの塩焼。カマスが続くなぁってお店の責任じゃないですけど、それだけ旬だということですな。
小皿に無花果と湯葉出てきます。イチジクの甘味で分からい程ですが、加減酢だそうだ。カラスミもでます。

片口に盛られた煮物には、鱧松。もう最後でしょうな。いいお出汁。
野菜は、子芋・ナス・菊菜・椎茸。これもいいお出汁。
今日のご飯は、アワビの餡かけ。アワビの旨みの溶け込んだ餡の味が素晴らしい。縁に張り付いた練り肝が更に味を複雑にして旨いことこの上ない。アワビもゴロゴロ。来月には蟹が出てくるから、アワビもそれまででしょう。満喫でした。
栗ソースのかかった、柿と巨峰。


平成23(西暦2011)年9月19日
晩ご飯は、「祇園にしむら」。暖簾をくぐろうとした時、舞妓ちゃんが背後に。眼福。

今日もカウンターの後ろは前回と同じ「遥邨」。

  • ゴマ豆腐
  • お椀は、ぐじ松、糸柚子
  • お造りは、マグロ、鯛、イカ、醤油と塩
  • さば寿司、甘酢生姜
  • 八寸には、白ズイキ、栗、紫ずきんとムカゴの白和え、隠元のゴマ和え、ハモの子の玉締め、カラスミ
  • イチジクと湯葉のゴマダレ掛け
  • アワビと南瓜のてんぷら、レモン、塩
  • ハモの子の塩辛
  • 鯛のタレ焼き、酢取り蓮根
  • お揚げさんと水菜、揚げ子芋の炊き合わせ
  • 鯛のアワビ出汁餡かけ、アワビの肝
  • 二十世紀梨、白ワインジュレ
今宵のお酒は、「琵琶の長寿・大吟醸・生酒・今津町産無農薬無化学肥料栽培山田錦精米歩合40%・高島屋限定81/100(400ml)」です。やんわり冷えているうちは香りが高く、二十世紀・マスカットのようなフルーティな酸味に、ニッシーの言葉を借りればラムネみたいな味わい。苦味と甘味のバランスの取れた余韻がそう感じさせるのかも知れない。甘味の中には、キャラメルのようなニュアンスも混じって、複雑な味。キリッと冷えれば、フルーティさの際立つ雑身のない綺麗なお酒に変わる。あらばしりの部分のようだ。

定番のゴマ豆腐。香ばしいや。
お椀は、おや?グジだ。(振り返ってみれば、もうハモの身は仕舞ったようで、出てきませんでしたねぇ)
お造りは、定番が揃います。脂の多い腹身の鯛ですが、旨みはのってなくてぼそっとした感じ。魚を〆た時間によっては、旨みが回り切らない時があるということらしい。難しいねぇ。

定番の鯖寿司。ちょっとずつ、秋が近付いていることを感じられる鯖。
緑の葉皿に八寸。八寸には珍しお皿。秋を感じるムカゴ。好きなんです。
湯葉とイチジクにゴマダレ。口が振り出汁に戻ったような気分になった。湯葉が入ることで、よりクリーミィになっているようです。
油物がアワビと南瓜。正確には蒸しアワビのてんぷらかな?かぼちゃは鹿ヶ谷じゃないけど京都のらしい。
珍味の塩辛が料理の間にはさまる。
焼き物は、鯛のタレ焼き。これは申し分のない鯛の味です。プリンと身離れも良くってしっとり。

野菜の炊き合わせに、おばんざいに揚げ子芋。丹後の方の子芋のようです。味をしみこませた子芋の炊いたんを揚げ出し風になっているんだけど、旨い。けどちと腹にたまる。子供の頃はニッチャリと炊かれた芋の口当たりが大嫌いで食べられなかったトラウマがあるので、見た目にドンと出てくるのは今でも苦手。「目で食べる」という意味でも、少なくて十分なんです。三十路を迎える頃に色の好みが変わって、食べられなかったものがほとんどなくなったものです。
最後のご飯は、鯛の餡かけ。餡かけはアワビを炊いた煮汁のようです。見えにくいけど珍味の定番「練り肝」がひっついてます。この肝がお出汁に合わないわけがないのですが、無くても十分旨い餡かけ。薄味で頼りないと思っていると、だんだん旨くなって飽きがこない。軽やかな味わいにお代わりしたいくらい。欲を言えば、鯛ではなくてアワビの方が嬉しいね。フライで出ちゃったしねぇ
デザートは二十世紀。コンポートにしたのと生と混じっているみたい。


平成23(西暦2011)年8月23日
晩ご飯は、直ぐ近くの「祇園にしむら」。暖簾をくぐろうとした時、舞妓ちゃんが背後に。眼福。

無縁だけど、贅沢なカウンターの後ろは「遥邨」。

  • ゴマ豆腐
  • お椀が、松茸、木耳・百合根・銀杏の真蒸、糸柚子
  • お造りが、とろ、鯛、アワビ、いか
    • アワビの練り肝
  • 鯖寿司、甘酢生姜
  • 八寸に、イチジク・湯葉のゴマクリーム掛け、鱧の子の玉締め、隠元の胡麻和え、枝豆、トウモロコシ
    • 鱧の子の塩辛
    • 唐墨
  • 若狭ぐじの頭の酒蒸し(昆布出汁掛け)
  • 冷製炊き合わせ(かぼちゃ・子芋・ナス)茗荷、白ズイキとモロヘイヤの白和え
  • 鱧松の椀
  • 松茸フライ丼、止め椀、香の物
  • マンゴと白桃、白ワインジュレ
今宵のお酒は「醸し人九平次・2010・純米吟醸・山田錦精米歩合55%・9号酵母・「酒のやまもと」限定酒。」。酒屋さんの話によると「九平次」はすべて原酒出しということで、一切加水はしていないということである。で、このお酒は、発酵途中の諸味に加水をしたお酒だそうだ。醸造に詳しい人なら、酵母というのは糖を発酵させてアルコールを作ると、そのアルコールの殺菌能力で酵母が死んでしまう。アルコール濃度が高くなって発酵が弱くなってしまうのだが、そのならないように加水してアルコール濃度を下げて発酵を勧めて行くという方法だそうだ。アルコール度数は15度。ちょっと低めかな。加水したから味や香りが薄まっているかと言えば、どうなんでしょう。比較はできないけど、フルーティな香りは高いし、ガツンとくる味も厚い。この店でおいている「九平次」と比較してみたスタッフによると、軽快だけど香りは強いということのようだ。ビンテージが入ってますが、寝かすんでしょうか?

香ばしいゴマクリーム。

お椀は、松茸に真蒸。秋の装いの真蒸には木耳・百合根・銀杏。もう一つ入っていたかな?中国産らしいけど、噛んだ瞬間にふわっと香りが広がります。
お造り4種。久しぶりにボストンからのマグロ。今日はアワビがここ。蒸したて。後で出すつもりだった練り肝を出してくれるので、一緒に合わせるのが好み。ワサビと塩が出てるので、鯛塩。塩で食べると鯛もネットリして旨みが増します。
鯖寿司は定番。
八寸は、小さな片口にゴマクリーム掛け。イチジクに湯葉で覆って掛けてあります。

焼き物の代わりに、グジの頭を酒蒸しで出してくれます。真夏の割に旨いグジでした。バランバランにした骨に昆布出汁を掛けてくれますので、お汁でジュルジュルすすります。香ばしい皮や骨から美味しい旨みがジワジワ滲みだしてきます。
量を抑えた冷やし物。炊き合わせにありがちな根菜類はお腹に溜まりますからねぇ。控え目な方がよろしい。下味を抑えた野菜でした。
焼き物の付け合わせに出している白和えは、白ズイキとネバネバのモロヘイヤという組み合わせ。焼き物は出なかったけど、味見させてもらいます。程よく糸を引く白和えは面白い食感です。

最後に、煮物椀が出ました。鱧松。昔は、鍋で出てきたこともありましたねぇ。ふっくらグルグル巻かれた鱧は、随分と贅沢な量で、食べ応えがあります。汁気たっぷりの献立でしたが、お腹も満足げ。
ご飯は。松茸をフライにした、お得意の松茸フライ。今日はスダチ醤油。フライに掛けるソースもいろいろ改良されてますが、シンプルになったようです。三回に分けて松茸が出てきて、サプライズな食事となりました。

水菓子は、カットしたマンゴと白桃がカクテルグラスで。ジュレ掛け。


平成23(西暦2011)年7月12日
晩ご飯は、直ぐ近くの「祇園にしむら」。カウンター後ろは「麻田辨自」の鮎の扇面画。

  • ごま豆腐
  • お椀が、焼き鮎にゅうめん、糸柚子
  • お造りは、鯛、マグロ、イカ
  • 鯖寿司
  • 八寸には、鷹ヶ峰唐辛子とじゃこ、とうもろこしのかき揚げ、小鮎の山椒煮、丸十、枝豆のかき揚げ
  • 焼き物替わりに皮霜の鱧、白ズイキのゴマだれ掛け、ワサビ、梅肉
  • 珍味として、鱧の子塩辛、唐墨、干瓢酢味噌掛け、アワビの練り肝
  • タコ、冬瓜、賀茂なす、アワビに加減酢のジュレ、煮茗荷
  • 鱧の白味噌仕立て、卵黄、振り柚子
  • 白ごはん、鯛の煮付け、止め椀、香の物
  • マンゴのコンポート、白ワインのジュレ
今夜のお酒は「美丈夫・大吟醸・薫・平成23年全国新酒鑑評会金賞受賞・兵庫県東条町山田錦精米歩合40%、CEL-11酵母」です。常温に近い状態では、濃厚で悪く言えば重たい。きっちり冷えると、好みのタイプ。きっちり冷やして飲むべきお酒。香りの高さとか、程よい甘味とか、喉越しの綺麗さは、高知県酵母らしい軽やかさ。

ブルーのカットガラスに、ゴマ豆腐。涼やか。
お椀は、焼いた鮎に素麺(にゅうめん)。今日はカツオの香りがガツンと込み上がってくる吸い地。鮎は紀ノ川産だそうだが、大ぶり。焼いた鮎にしては、腹の脂も内臓もしっかり。鮎は蒸してから焼き目を付けたんだそうだ。脂がしっかり残ったお椀でした。
お造りには、境港のマグロ。ワサビが効きます。
定番の鯖寿司。目にした記憶がない器は信楽の女性陶芸家のものらしい。信楽には珍しく釉薬が掛かってますが、趣が新鮮。

八寸には、唐辛子が新しく加わった。この小鮎は、安曇川だったかな?
焼き物として、鱧が出てきました。意表をついてくれますなぁ。確かに鱧の皮を焼いてあります。それに凄いのは骨切り。包丁の後が分からないほどモコモコになってます。生と言ってもいい鱧が、口の中で溶けるようです。これだけ包丁を入れると、鱧の味も違うものになってしまう感じ。梅肉、ワサビ、醤油を加減して食べます。白ズイキが付け合わせ。ゴマだれは、ゴマ豆腐と同じだそうだ。
お馴染みの珍味が、合間合間にちょこちょこ出てきてます。塩味より旨みのある鱧の子。
アンティークバカラのワイングラス(?)に冬瓜・賀茂ナス・タコを入れ、アワビをスライスして、その上からジュレ。昔の「タコジュレ」の変形かな?アワビに、珍味で出てきた肝を合わせて食べるのが好きなので、残してあります。
まだ、びっくりの一品は白味噌仕立ての鱧の煮物椀。白味噌で鱧は初めてです。というか夏の魚に、冬の白味噌というイメージはサプライズな組み合わせに思えます。白味噌では甘さが勝つというので、卵黄(味噌漬け?)で押さえてあるそうです。

白ごはんのおかずに、あっさり炊いた「鯛のあらの煮付け」。
デザートには、マンゴのコンポート。


平成23(西暦2011)年6月28日
晩ご飯は、直ぐ近くの「祇園にしむら」。今日は満席。カウンターは賑やかな団体さん。背後の不矩の絵は祭りまでは変わらないようだ。

  • ゴマ豆腐
  • お椀は、鱧とジュンサイ、輪柚子
  • お造りは、トロ、鯛
  • 鯖寿司
  • 八寸は、若鮎の山椒煮、干瓢・酢味噌掛け、丸十、ウスイエンドウ豆、揚げトウモロコシ
  • 珍味(鱧の子の塩辛、ウニの塩辛、アワビの肝)
  • 鯛のカマと中骨の塩焼
  • 賀茂ナス、ズイキ、管牛蒡、南京の餡かけ、若芽・ワサビ菜・水菜、針茗荷・大葉
  • 鳥貝とアワビ、タイラギの三杯酢ジュレ掛け
  • 鯛茶漬け、香の物
  • 水菓子(佐藤錦、巨峰、アレキサンドリア、マンゴ)
今晩は「松の司・2010(22BY)純米吟醸・AZOLLA・生原酒・竜王町産山田錦(裁培期間中無農薬無化学肥料栽培米:環境こだわり米認証産栽培)・精米歩合50%・金沢酵母・(限定200本/720ml&200本/1.8l)」 を呑んでみた。旨みの多いフルーティな酒。程よく甘味が残るようだ。先月も同じ酒だったと気付いたのは、食事が終わってからだった。

お決まりのゴマ豆腐。豆腐はいつもと変わらないけど、ゴマだれの方は、微妙に違いがあるようです。夏らしくガラスの器。古そうなポッテリ塗られた金のリムだ。
お椀は、鱧とジュンサイ。骨切りの包丁が細かく入った(ように見える)鱧は、溶けるように口の中で亡くなってしまって、鱧の旨みと吸い地の旨みだけが残る。ありがちな梅肉が乗ってませんねぇ。聞こうと思ったけど、珍しく熱中して仕事をしているようなので、やんぴ。
お造りは、昔に戻ったようです。マグロは境港。
お決まりの鯖寿司。赤い蝙蝠の絵皿。
八寸には、干瓢が復活した。鮎の山椒煮は今までに記憶がない。あっさり目に炊かれてます。まだまだ旨いウスイにとっても甘い粒粒コーン。

珍味がちょこちょこ出ます。まだ熟成の足りない塩気が勝った鱧の子。後でちゃんと熟成させたものも出てきました。不思議とレモンのような香りも加わってます。発酵ってオモロイ。ウニも溶けてペースト風。すっかりお手の物といったアワビの肝。
そんな珍味の合間に、焼き物が、・・いや、焼き物の前後に珍味でしょうな。焼き物はお隣さんと替わって(先月頂いたからだな)、鯛のカマと長骨。塩の加減がいいのか、鯛が旨いのか、カマのホロットした実だけでなく、中骨の間までしっかりせせりましょう。タイノタイも綺麗な姿。珍味の塩分を調味料にしても鯛が旨くなる。
野菜は、賀茂ナス、ズイキ、管牛蒡に、若芽、ワサビ菜、水菜が茗荷と大葉の刻んだ下に隠れてます。程よく柔らかな賀茂ナス。最近は、アワビの肝を吸い地(今日は餡)で洗い流すように味わうのが常。お酒を入れるより絶対に美味しいと思うけど、それまで残すのが難しくもあります。
かって、下津井のタコのジュレ掛けがあったけど、鳥貝・アワビ・タイラギで復活ということかな?ジュレがてんこ盛りで、中が見えないけどスライスされたアワビは、コリっとした食感も残ったもの。タイラギが下津井って言ってたかな?申し分ない甘い鳥貝。
ご飯は、鯛茶漬け。煎りゴマたっぷり。
フルーツ。

最後に「大七・純米生もと・山田錦・限定品」の味見をさせてもらった。古酒っぽい香りが少しでも感じるのは嫌い。表示通り、ぬる燗あたりなら消えるかも。切れはいいようだし旨みが膨らんで旨いだろうな。

鱧の棒寿司「祇園囃子」をお持ち帰りにします。


平成23(西暦2011)年5月31日
今宵の晩ご飯は、「祇園にしむら」。カウンターも半分?。
カウンターの後ろは不矩の「二人舞妓」。

  • ゴマ豆腐
  • お椀は、えび真蒸、若芽、軸菜、青柚子
  • お造りは、まぐろ、鯛
  • 鯖寿司。甘酢生姜
  • 八寸には、グラスにじゅんさい・ズッキーニ・タイラ貝、ウスイ豌豆、ミル貝・ワサビ菜のサラダ風ジュレ掛け、白ズイキのワサビ和え・海苔、丸十
  • 石焼き、アワビ・鳥貝・蛸の酒盗漬け、スダチ
  • はくさい菜とお揚げさんの炊いたん
  • 珍味の唐墨、アワビの練り肝
  • 焼き物は、鱧の二色アスパラの鳴門焼き、酢蓮根
  • 冬瓜と自然薯の炊き合わせ、餡かけ・生姜風味
  • 白ごはん、グジの頭の酒蒸し(後で止め椀に)、香の物
  • 水菓子がマンゴ、マスカット、巨峰、ジュレ
今宵は「松の司・2010(22BY)・純米吟醸・AZOLLA・生原酒・竜王町産山田錦(環境こだわり農産物認証精米歩合50%・自社保存酵母・限定(200本/1800ml&200本/720ml)」です。冷える前には樽香・木香のような香りがするねぇということで大将と一致。冷えると消えます。生酒なんだけど、温めても消えるかもしれない。生々しさも感じられるし松の司らしさもある、後口の切れの良さだ。

定番のゴマ豆腐。
お椀には、海老真蒸にわかめ。鱧は月が替わって中旬かららしい。
お造りは、定番の二種に戻ったようです。マグロはアトランチックかな?鯛はそろそろ痩せてきたかな?台風明けにしてはいい。
お馴染み、鯖寿司。
八寸は、五種。あたしいのが三つ。ズッキーニとはこの店にしては革新的な野菜だ、香りが飛びやすいワサビ菜を生でサラダ風にしたというジュレ掛け。白ズイキをワサビで和えてありますが、それほど効いてない。というか当たり外れがあったようだ。三品とも、苦労の跡が見え、旨くできてますねぇ。ウスイは定番だけど、相変わらずお出汁が美味しい。豆のクリーミーさが甘さの中に生きている。微妙な糖分のさじ加減です。これはちょっと・・と首をひねるのが一品もないのが素晴らしい。

石焼きなんて、記憶がないなぁ。昔は出していたそうだが・・・。酒盗に浸した具材は、たこ、鳥貝、アワビ。生でも食べられるので、火が通れば十分でしょう。酒盗の味だけでもいいけど、スダチは効く。タコは焼いても硬くならないし、鳥貝は甘いし。石が冷めないうちにパッパと焼いて食っちゃいます。
あっさりお浸しが挟まれました。はくさい菜とお揚げ。おばんさいの定番は水菜とお揚げだけど、一ひねりするんですな。

毎度のことながら、合間合間に珍味が出てきます。カラスミ、アワビの肝。
焼き物は、鱧です。ホワイトアスパラとグリーンアスパラを鱧で巻いてあります。鱧の鳴門巻きと呼んでましたな。鱧の香りが消えてしまうというので白焼き。納得です。
野菜は、冬瓜に自然薯。生姜盛りの餡かけ。冬瓜の季節だ。夏野菜って結構限られていて、献立も難しそうやね。

今日は、白ごはん。グジの頭が「ごはんのおかず」という感じで、醤油が出てきます。もうちょっとカマの部分が多いと嬉しいけど、この為に卸したんじゃないだろうし、ご飯のおかずですからね。美味しく蒸されてます。骨だけにすれば、お椀に移して出汁を注いで、止め椀にしてくれます。なんてったてお出汁が美味しいのですから、文句の出ない美味しい吸い物になります。
デザートには、マンゴ。もうマスカットや巨峰が出てるんですなぁ。一番果は美味しいものねぇ。

最後に、頑張れ三陸・福島喜多方の「奈良萬・純米吟醸・精米歩合53%」をグラスで頂いた。震災前の出荷のようだ。米・麹・粉っぽい味の残る素朴な味わい。口に残る味わいが、野暮ったくも感じる。料理となら、いいかもしれないし、案外温めた方がいいかも?


平成23(西暦2011)年4月20日
今宵の晩ご飯は、「祇園にしむら」。カウンターも満席。
カウンターの後ろは不矩の桜の扇面画。

  • ゴマ豆腐
  • お椀は、若竹、花山椒
  • お造りは、まぐろ、鯛、さより
  • 鯖寿司。生姜
  • 八寸には、ボンボリに春菊・せり・葉ワサビのお浸し、ワケギと赤貝のてっぱい、じゃこおろし、飯ダコ、ホタルイカ、菜の花ワサビ和え、カラスミ大根
    • 鴨ロース煮
  • 小吸い物は、蛤真蒸、うど、木の芽
  • 焼き物は、サクラマス・木の芽、鯛の子、おろし、ワラビ、酢れんこん
    • アワビの練り肝
  • 油物が、白魚、長芋、空豆、蕗の薹。遅れてタケノコ
  • 牛丼(A5京都牛・ネギ・花山椒)、止椀、香の物
  • 水菓子がイチゴに生クリーム
今宵は三陸・福島の「奥の松・全米大吟醸(純米吟醸酒蒸留アルコール)・精米歩合50%・奥の松酵母」です。ややこしい酒ですが、純米吟醸酒を蒸留して作ったアルコールを添加した精米歩合50%の大吟醸。米焼酎を添加したのはあるんだけど、わざわざ純米吟醸酒からアルコールを作るというのが、いいなぁ。ちゃんとラベルには「純米酒ではありません」と書かれている。アルコールを添加した酒を嫌う純米酒だけが日本酒だという悪しき風潮がある中、あえて吟醸酒を蒸留して作ってまでアルコール添加する姿勢が好ましい。ただ、常温に近い温度帯では、妙に焼酎ぽいアルコールの辛さが、喉の奥に残る感じ。ちゃんと冷えると、その癖は無くなって、口に含んだ時は極めて軽く端麗で、優しい甘さが残る程度で、スルスル喉を滑る円やかな口当たり。燗にするとどうなるかは分からないけど、冷やして飲めば、薄味の日本料理にぴたりとはまる。
安達太良川の伏流水、福島県産米。奥の松酵母。今年は造れないかもねぇ。

先付けは、ゴマ豆腐。今日のペーストはむちゃの口にベストな出来。結構、味が変わるようだ。
タケノコが描かれたお椀に、若竹。物集女産。しっかりした吸い地。木の芽ではなく花山椒で、香りだけでなく、噛みしめた時の痺れるような香りが大好き。
お造りには、勝浦産の260キロのマグロだったらしい。近海のいい香り。鯛も旨い。塩とワサビ醤油。赤い魚が入ると彩りの収まりがいいね。

白板昆布に変わった鯖寿司。
八寸には、お浸し、てっぱい、じゃこ、飯ダコ、ホタルイカ、菜の花ワサビ和え、カラスミ大根。飯タコがいい味だ。ムチーとした飯の食感も上出来。お浸しの葉ワサビのほどよい辛味がいいバランス。
お弁当の注文絵御受けたというので、珍しい鴨ロースが出た。柔らかだけどいい色に煮上がってる。味もよく浸みてる。
吸い物に、蛤真蒸にうど。こちらは蛤の旨みがドワーと浸み出す。旨いねぇ。
焼き物は、サクラマス。季節の名前が付いているというのは、それだけで美味しく思えるから不思議。
今日は身は出ないそうだが、肝はあるようです。これがいい調味料になります。
他のお客さんにでている天ぷらが出ないようなので、食べたそうにすれば、野菜の炊いたんと替えてくれた。白魚と蕗の薹高だったようだけど、炊き合わせのタケノコや長芋も天ぷらにしてくれます。タケノコも美味しいけど、炊き合わせ用に味の浸みこんだ長芋はムッチリと旨い。
ご飯は、初めての牛丼。上品な肉にお出汁。ガツンとくる「つゆ」じゃないし、煮込まれたお肉でもないし、食べた瞬間に頼りない牛丼だけど、食べ終わると美味しさがこみ上げてくるなぁ。花山椒がここでも良いアクセント。

デザートにはイチゴ。先月と同じくイチゴを潰して混ぜ込んだ生クリーム。


平成23(西暦2011)年3月24日
晩ご飯は、「祇園にしむら」。暇そうでぼやいております。接待の自粛が響いているそうです。
カウンターの背後は「桜」。

  • ゴマ豆腐
  • お椀は、蛤真蒸、若芽、ワラビ、軸菜、木の芽
  • お造りが、鯛の松皮、さより
  • 鯖寿司(千枚漬けバージョン)
  • 八寸は、赤貝のテッパイ・酢味噌、蛤の器に菜の花・子持ち昆布・ほたるいか、サザエにひじき・ぜんまい・木の芽、壺壺にはしらすの梅おろし・土筆
  • ・・・+カラスミ、鯛の白子
  • 油物は、白魚の天ぷら・こごみ・タラの芽・牛蒡とタマネギ、レモン
  • ・・・+たいらぎとウニ、アワビの肝の練ったの
  • 鯛の蒸し物、ワサビ菜・せり・・・・木の芽
  • 炊き合わせが、タケノコ、空豆、ふき、長芋、木の芽
  • おこげのアワビ餡かけ、香の物
  • 苺の生クリーム掛け

今日は酔仙・大吟醸・精米歩合50%を持ち込ませてもらいました。最初はナッツやクリームのようなポッテリと味の濃さを感じる。料理と共に甘さが膨らんで旨みのある酒に変わってくる。精米が黒い分だけ、酸や味の余韻が長い。食事の後半では呑み疲れてくるイメージ。

透かしの入った桜模様の乾山写しに、定番のゴマ豆腐。振り柚子。

お椀は、蓋を取ると蛤のいい香りが立ちあがります。白く濁った吸い地がとても旨い。
信楽の器にお造り。今日もいいマグロが入荷してないようで、鯛とサヨリ。鯛は松皮。ワサビで醤油だけど、後で気づくと塩を出した方が良かったかな?
珍しい器で、鯖寿司。普通は小皿に乗ってくるけど青白磁のお椀。白さが映える千枚漬け。最近は、一本は多いので持ち帰りは控えてます。このくらいの量で十分満足できる旨さ。旅サラダに出てからの評判を聞くのを忘れたぁ!
八寸は、ボンボリに赤貝・ワケギのテッパイを酢味噌で。心持ち酢の勝った味。蛤の器に菜の花・子持ち昆布・ほたるいか。プクッと太いホタルイカはそのままだけど旨さ十分。菜の花はワサビ和え。追加でカラスミのヘタ。随分とヘタが溜まっているようです。鯛の白子は、鯛に限ったことではないけど、旨いなぁ。

天ぷらは、白魚・タラの芽・こごみ。牛蒡とタマネギはキレイに揃えた掻き揚げ。塩。追加でタイラギとウニのセット。美味しいウニでした。蟹が終われば出てくるアワビ。もう肝が練られて出てきた。ちびちび酒のあて。控え目な塩加減。
焼き物に適した魚がないようで、天ぷらと鯛の蒸し物がその替わりとか言うてます。6種類の香り野菜(覚えきれない)が真ん中で、葛を引いた出汁で餡かけ風。
野菜の炊き合わせには、大原野のタケノコ、ふき、長芋、空豆。これも葛仕立て。このお出汁をアワビの肝に注いで飲むと堪りませんなぁ。
ご飯は、お焦げを作ってその上から餡かけ。蒸しアワビ。途中で、アワビの練肝を足してくれます。嬉しいなぁ。肝の旨みが加わわります。

水菓子が苺。イチゴの果肉入りの生クリーム。
最後、お茶を頂きながら震災の話やら・・・


平成23(西暦2011)年2月15日
晩ご飯は、「祇園にしむら」。カウンター満席。
カウンターの背後には、「梅」。

  • ごま豆腐
  • お椀は、鴨ロース、大根、焼きネギ、松葉柚子
  • お造りが、ヒラメの薄造り(肝・縁側)、タイラギ、ワサビとポン酢
  • 千枚漬けの鯖寿司
  • 八寸には、ひじき(ゼンマイ入り)、漬けイクラ、カラスミ大根、子持ち昆布、イワシ梅煮、赤貝のてっぱい、菜の花のワサビ和え
  • このわた
  • 小吸い物が、雲子と焼き餅の白味噌仕立て、糸鰹
  • ブリの塩焼、酢蓮根、金柑、大根おろし(辛味大根ブレンド)、スダチ
  • 羅臼の雲子
  • 野菜の炊き合わせに、ふき、筍、蕪、蓮根、木の芽
  • 蟹・味噌の丼、香の物、止め椀
  • 苺、白玉、小豆餡、生クリーム
今日選んだお酒は「黒龍・吟醸・垂れ口・うすにごり生酒・福井県産五百万石精米歩合55%」にします。林檎のような香りと生らしい華やかさもあるし、口当たりはキリットした喉越し。ただ料理によっては、香りの余韻が長かったり・切れたり、荒々しいピリピリ感も料理に酔っては感じたり感じなかったりと、面白いことは面白い。
定番のごま豆腐だけど、今日は香ばしさが増しているようだ。なぜかゴマの香りや味にぴたりと合う日本酒には出会った記憶がない。豆腐だけなら、そんなことはないんだけど・・・。

お椀は、鴨ロース。脂ぎった吸い地かと思ったら、いい具合。鴨は合鴨らしいけど、ピンク色が残って美しい鴨。程よく吸い地に鴨の香りとコクが移って、カツオと昆布だけのと違って旨み倍増ですな。大根にも鴨の味が旬でいるかのようだ。封印しているけど、鴨ロースをだしていただけに、巧いことできてますねぇ。
マグロの入荷が厳しいので、今日はヒラメをぜいたくに出してます。マグロも鯛も出ないのはきっと初めて。伊根の養殖ものはあるそうですが、今年はベストじゃないマグロは使わないと決めたようで、拘りをなくしたようです。薄造りを並べる仕事をみるのも初めて。
定番の鯖寿司には千枚漬け。テレビでお取り寄せとして紹介されるそうだ。関西ローカルの「よーいドン」と違って、全国放送だから電話が大変だよ。限定20だそうだが。バックオーダーだね。今日も持ち帰りにはしてませんが、別の棒寿司を・・・
八寸には、珍しい「ひじき」。さすが上品なお味。家庭で食べるのとは全く違います。春の菜の花が加わって、緑も鮮やかです。節分からの、骨まで軟らかいイワシ。
珍味のこのわた。

小吸い物には、白味噌仕立ての雲子と焼き餅。生の雲子の味を残しつつちゃんと火が通っているという、素晴らしい仕事。
焼き物はブリ。おろしの大根には、辛味大根を混ぜたもの。一工夫ですね。
珍味の海胆は羅臼産。濃い甘味でクリーミー。
野菜には、山城の筍。コリコリ・シャキシャキです。
ご飯は、蟹味噌をのせた蟹の丼。もうこれも冬の定番になりつつあるかな?蟹味噌も下味が付けてあるんでしょう。蟹味噌が丼のツユ替わり。
デザートは、イチゴ。小豆・白玉に生クリーム。


平成23(西暦2011)年1月25日
晩ご飯は、「祇園にしむら」。カウンター満席。
カウンターの背後には、不矩の「椿」の扇面画

  • ごま豆腐
  • 末広がりの扇の描かれたお椀には、丸の蕪蒸し。
  • お造りが、舞鶴のマグロ、鯛
  • 千枚漬けの鯖寿司
  • 八寸には、たたき牛蒡、葡萄豆、ナマコ、カラスミ大根、イクラしょうゆ漬け、子持ち昆布、節分イワシ
  • 小吸い物に若竹、木の芽
  • 小鉢に昆布森のうに
  • ぐじの頭の酒蒸し
  • 雲子の湯葉包み、蕗、蓮根、木の芽、餡かけ
  • 蟹の玉子丼、蟹味噌掛け司、香の物、止め椀にはグジの骨蒸し
  • 苺、白玉、小豆餡、生クリーム、イチゴソース
今宵のお酒は「松の司・純米吟醸・2009(21BY)・金沢酵母・竜王山田錦(環境こだわり農産物認証)精米歩合麹米60%&掛米55%・限定500本/720ml&1200本/1800ml・坂のヤマモトPB」にします。季節がら新酒も華がありますが、1年たって落ち付いたお酒の方が好き。落ち付いて喉の滑りも滑らか。
乾山写しの水仙の向。定番のゴマ豆腐も、味わいは微妙に違うようで、今日は柚子の香りが抜群。

扇の麗しいお椀には、丸。なんだか「雪がどうたら」粋な名前を言われたけど、忘れちゃった。丸を下ろした蕪で包んでお饅頭。すっぽんの卵もネギも入ってます。すっぽんを蕪蒸しに仕上げたのは初めて食べた。すっぽんと言うのは体にしみ込んで温まる味です。冬に一番似合うスープと言えるかも。そういえば、丸鍋も通販してはるんやった。でも、あんまり注文がないそうだ。
扇の向には、もう筍の絵の器。舞鶴のマグロは小振りだったそうだ。半身を引き取ったらしく、赤身はどう使うんでしょうなぁ? それより旨みのあるのが鯛でした。
織部の緑に映える、冬の鯖寿司。
八寸は、お正月と節分のないまぜ。派手なものはないけど、どれもが美味しく仕上がっております。松の司は甘いお豆さんには味が消されてしまうようです。

器だけでなく、本物の筍が出てきました。京都産で、地中に温水パイプでも設置しているんでしょうかねぇ。長生きできそうな気分が大切。でも早すぎて、木の芽時という言葉が意味なくなるな。
昆布森のウニが小皿ででる。甘くてコクがあって磯の香り。どこで食べても旨い。品質が安定してるんやねぇ。
市場にいいグジがあったそうで、酒蒸しで出してくれました。好みを知ってくれているので「頭」。水塩して焼いて酒蒸し。いろんな酒蒸しを食べているけど、ぐじでは今までで一番美味しい。グジの甘さが出汁にまで滲みだしたような味。
野菜の煮物には湯葉。中に包まれているのが雲子。この雲子も旨みがある。蓮根、蕗。あんかけ。木の芽。
今日のご飯は、蟹玉丼。その上から蟹味噌のトッピング。有無を言わせぬ旨さ。止め椀には、酒蒸しの骨に出汁を注いでくれたようです。一度で二度美味しいとはこのことです。

デザートは、白玉・小豆・イチゴ、生クリーム。珍しく、カメラに収める前にフォークで突いてしまった。

食後には今夜の準決勝の熱弁を聞く。
今日は鯖寿司は自粛。最近1本を食べるのが辛くなってきている。(それが普通かな)。お土産としては「ちりめん山椒」が意外とよく出るそうだ。細かく揃ったシラスにじんわり効いてくる色鮮やかな実山椒。醤油はゆかっているのかよくわからないほどの薄い色。食後に味見させてもらいました。
次回の予約とリクエストをしておいて、小雨の中、急ぎ帰る。


平成22(西暦2010)年12月28日
晩ご飯は、またも、年末の挨拶をかねて「祇園にしむら」。上も下もいっぱいのようです。
  • ごま豆腐
  • まる鍋、焼きネギ
  • お造りが、氷見のマグロ、鯛、タイラギの貝柱
  • 千枚漬けの鯖寿司
  • 八寸には、聖護院大根と牡蠣に田楽味噌・銀杏・慈姑団子、焼き雲子・水菜・白髪葱・加減酢、ナマコ、 +カラスミ大根
  • ブリカマの照り焼き、じゃことししとう、菊花カブラ、 +鯛の皮しょうゆ漬け
  • 炊き合わせに、サトイモ。白菜、ほうれん草、糸鰹、白味噌仕立て
  • 酢の物には、鯛の昆布〆、蟹足、雲子、柿、金時人参、大根
  • 蟹の蒸し寿司、香の物、止め椀
  • 苺とラ・フランスに生クリーム・ジュレ
今宵のお酒は「王紋・大吟醸原酒・平成22年春全国新酒鑑評会金賞受賞酒・新潟産越淡麗精米歩合35%」というお酒。料理と一緒だと軟らかな甘味が広がる。香りは控え目。

先付けは、定番のごま豆腐。今日もあっさり目。

久しぶりに椀替わりの丸鍋。グツグツ。こういうのはグツグツしてる時に撮らないと、収まってからでは全然美味しく見えないから困ったもの。酒や生姜は使ってないのかな?醤油の香る旨い味。それにすっぽんも美味。
お造りには、氷見のマグロのトロ。京都にはほとんど入荷してないそうだ。旨みのある粘る鯛の身。こりこりしたタイラギ。
定番の鯖寿司。もちろん千枚漬けバージョン。今日は持ち帰りなし。
八寸には三皿。丸皿には、聖護院大根と牡蠣に田楽味噌は温かい一品でも十分だ。軽い塩味の慈姑揚げ団子。片口には焼いた雲子で、いい火の通り加減で、トロトロの雲子が口の中に溶けます。壺々にはスライスしたナマコ。
後から、カラスミ大根が加わる。新カラスミで塩気も残ってます。

焼き物は、ブリのカマを照り焼き。流石に日本料理屋だけに食べやすく切ってあります。
炊き合わせは、白味噌仕立て。海老芋かと思えば違いました。大野産。糸鰹がいいな。
酢のものには昆布〆で締まった鯛でコリコリ。蟹の身も少々。おや?雲子も入ってます。
今日のご飯は、蒸し寿司。蟹足、ほぐし身、錦糸玉子で蒸して、最後に蟹味噌を載せてくれます。蒸篭ではないので熱々とはいきませんが、温いお寿司。蟹の甘味が寿司飯に広がって、すし屋のそれとは格違い!年末になって蟹さんが値上がりしているようで、今年最高値だったそうで、贅沢なご飯を、有難く頂きました。

最後のデザートは、イチゴに洋梨。


平成22(西暦2010)年11月30日
晩ご飯は「祇園にしむら」。
満席のカウンターです。流石にハイシーズンです。
カウンターは麻田辨自の「おしどり」。カバーのガラスに移りこみが多いので、大胆にトリミングしたけど、余白たっぷりの構図。

  • ゴマ豆腐、振り柚子
  • お椀が、蕪蒸し・ぐじ
  • お造りには、まぐろ、鯛、ウニ
  • 鯖寿司
  • 八寸に、アンコウの肝と聖護院ダイコンの炊いたん・揚げ海老芋・揚げ銀杏、イクラの醤油漬け、牡蠣の田楽味噌
  • 焼き物がマナカツオの味噌漬け、万願寺とちりめん山椒、菊花カブラ、いつから寝ていたのか分からないカラスミ
  • 炊き合わせに、サトイモと水菜、お揚げさん、振り柚子
  • 柿ナマス、蟹、蟹味噌
  • 鯛茶漬け、香の物
  • ラ・フランス・白ワインジュレ
で今日は「御代栄・大吟醸・全国鑑評会金賞受賞酒・山田錦精米歩合35%」を呑みます。これで金賞を取ったとは思えないほど、軽い味わい。常温近くでは、後から米の香りが残るようで香りが二段階で感じますが、きっちり冷やすとソフトなバランスで、合わない料理はないようです。味わいには少し甘めの短い余韻が残るようです。
定番「ゴマ豆腐」。なんだか今日は味が薄いゴマペースト。ローストが足りない?
お椀は、正統蕪蒸しで、極めてシンプルな風景。ワサビのいい香り。コリコリの百合根の歯触りが印象的。
お造りは、津軽海峡の竜飛岬で獲れたマグロだそうです。綺麗な色。厚岸のうに。
定番「鯖寿司」。今年の「大藤」さんの鯖寿司は、甘めに仕上がっているそうです。

八寸は、変化があります。アンコウの肝は聖護院ダイコンの炊いたんと合わせてあります。「あんきも」だけなら、ちびちびと摘むんですが、こういう出し方なら、一口に味わっちゃいますね。牡蠣もあまり記憶にない。味噌だれが温かくなってます。今日の海老芋も旨い。冬の野菜が美味しくなってきている。今日のイクラは、ちょっと味が濃いようで・・・。
焼き物はマナカツオ。カウンターではみんなにカラスミが出てます。鼈甲色のカラスミが更に濃くなって、柚べしのような色になってます。大将曰く冷蔵庫の奥にあった死蔵品で、いつからあるのか分からないという口ぶり。ネットリ感はすこし減ったかもしれないけど、塩分は完全に旨みに代わっているようです。
野菜の煮物椀に、サトイモと水菜。サトイモも肌理の細かい品です。刻んだお揚げさんの脂でコクを足しているんだと思うけど、もう少し味が欲しいと思う薄味。
ようやく最後に蟹の一品。柿ナマスを盛り込んだ上に蟹足、ほぐし身、蟹味噌を載せたもの。蟹味噌に一仕事してあるのかどうか聞いてないけど、なんだか違う旨さ。

今日は、鯛茶漬けにしてくれました。ゴマの香り。特に注文したわけではないけど、ご飯もの新しいバリエーションも期待したいところ。


平成22(西暦2010)年10月26日
晩ご飯は「祇園にしむら」。
カウンターの後ろは渓仙揮毫の「山紫水明如」。

  • ごま豆腐
  • お椀が、松茸に鱧、松葉黄柚子
  • お造りが、まぐろ、鯛。別皿にイカ、生姜醤油
  • 鯖寿司には、千枚漬、甘酢生姜
  • 八寸には、菊菜と黄菊のお浸し、イクラしょうゆ漬け、枝豆のかき揚げ、煮栗、銀杏、車エビの天ぷら(さつま揚げ)、カラスミ、イチジクと隠元のゴマだれ掛け
  • キノコ(松茸・マイタケ・椎茸)の茶碗蒸し、アワビの肝
  • カマスの塩焼、酢蓮根、大根おろし、柚子。じゃこ唐辛子
  • 炊き合わせが、蕪、海老芋、水菜に白味噌仕立ての出汁、振り柚子
  • アワビと松茸のフライの丼、香の物、止め椀
  • 柿と巨峰のジュレ掛け
今宵のお酒は天の戸・大吟醸・平成22年全国新酒鑑評会金賞受賞酒・秋田酒こまち精米歩合38%・秋田今野酵母+自社酵母 」としました。洋梨のようなニュアンス。穏やかな香りに優しい味わい。バランスのいい優等生です。金賞酒と言う割には、香りのインパクトがなく、昔の審査基準とは随分変わったイメージを受ける。
定番のゴマ豆腐。

お椀は、鱧松。来月に「松葉蟹」が出てくるまで、もう少しの間、鱧が出るとか。先付けのゴマの香りが味の邪魔をする時があったりする。豊作の国産ではなくて韓国産ですが、出来がいいのは日本ばかりでないということかな?
お造りは、ボストンの260キロ。今日は叩かなくてもいいマグロ。今日の鯛と昨日の鯛の食べ比べ。それぞれの味わい。もう一品のイカは別皿に、生姜醤油。
定番の鯖寿司は、今月から、白板が千枚漬けに変わったようです。持ち帰りに一本注文済み。

八寸。季節のイクラしょうゆ漬けと言っても割り醤油。柔らかに使っているのは、浅漬けなんでしょうなぁ。菊に菊のお浸し。盛り込まれた珍味には枝豆・銀杏・栗・カラスミ。珍しいのは海老天。ふわふわの食感。青の後からイチジクの胡麻ダレに隠元。隠元豆ではなく隠元だという。
茶碗蒸しには、キノコ三種。炙って香ばしくしてあるようです。柔らかな茶碗蒸し。珍味で、いつものアワビの肝。
焼き物は、カマス。付け合わせは、自家製のちりめん山椒にシシトウを炒め合わせたん。おばんざい。
炊き合わせは、今日の天候にふさわしい。蕪に海老芋が白味噌仕立て。水菜の苦味が抜けるまで下拵えしてあるようです。
ご飯はフライ二種の丼、出汁が張ってあります。アワビには下味。

フルーツは、熟した柿と巨峰。


平成22(西暦2010)年9月23日
晩ご飯は「祇園にしむら」。通りの正面にまん丸の中秋の名月。店から月見に飛び出してくるスタッフもうようよ。
カウンター背後の絵は不矩の「黄菊」。

  • ゴマ豆腐
  • お椀は、松茸、冬瓜、鶏肉団子、糸柚子
  • お造りが、とろの叩いたん、たい、いか、
  • 鯖寿司
  • 八寸が、紫ずきんのかき揚げ、揚げ銀杏、菊菜と松茸のお浸し、イクラ醤油漬け、いか月環・からすみ・煮栗
  • いちじくと三度豆、胡麻クリーム
  • すっぽんスープ、卵黄、焼きネギ
  • さわらの味噌漬けの焼き物、焼きマツタケ、スダチ
  • アワビの肝、鱧の子の塩辛
  • 焚き合わせが、鱧、子芋、湯葉、葛餡
  • あわびフライ丼、香の物、止め椀
  • デザートは、梨、巨峰、ジュレ掛け
今宵は「英勲・大吟醸・平成21年酒造年度新酒鑑評会金賞受賞酒・祝精米歩合35%」を呑みましょう。今年2月に蔵見学に誘われた帰りに、皆さんが蔵のショップでお酒を買うのを尻目に「今年も金賞を取ったら買わせていただきます」と言った約束を守らなくちゃいけません。温度が常温の近いと、梨のような香りにバランスのいい甘味と切れのよさを感じます。冷えてくると香りは弱まりますが、喉越しの柔らかさと後味のきれいさが増してきます。
いつものゴマ豆腐。濃厚で香ばしいゴマペーストは微かに苦味を感じる。大人びた香りともいえる。

お椀は、東山?。松茸に冬瓜に鶏団子。鱧の入らない土瓶蒸しには鶏肉を使ったりしまうよねぇ。いい相性です。いつもの吸い地とは趣が違いますが、鶏さんの出汁ですな。この鶏団子もこの団子になるまで紆余曲折があったようです。
ボストンのマグロだそうですが、最近は叩いてます。叩いても筋が残るようで、昔を知る者にとっては、ちょっと残念ですわ。思ったより食べにくいんです。鯛は旨みが乏しいというわけではないけど、塩で食べると、ねっとりと粘るように熟成感が増します。
定番の鯖鮨。今度来るときは千枚漬けになっているだろうな、と、お持ち帰りに一本。涼しくなってきたし、痛むこともないでしょう。
八寸。秋らしくなってきた。イカ月環の詰めものはイカのすり身だそうだが、フワフワ。お味もいいし好のみ。最近苦くない銀杏が多いように思うけど、しっかり。こうでなくちゃ。

生イチジクがゴマだれ掛け。ゴマ豆腐のペーストを柔らかく仕上げ直している?三度豆にもよく合います。
すっぽんが小吸い物。ウズラ卵?なんだか、食べに出ると、必ず丸が絡んでくるなぁ。
焼き物は、さわらの味噌漬け。それに松茸が付いてきました。
定番の珍味、アワビの肝と鱧の子の塩辛。なんでも蛸の子が腐ったらしい。塩分をギリギリまで控えると難しいだろうなと想像に難くない。また来年ですな。
葛で仕上げた炊き合わせ。ここにアワビが入っていればいうことありませんが、アワビの肝を食べ切ってないので、出汁を肝で割ります。お酒をいれてグリグリするより最近のお好み。松茸がある間は鱧を使うらしいし、来月は名残の鱧松を考えているようです。
アワビが、炊き合わせに入ってなかったのは、フライで丼にするからだったんですな。アワビの出汁でご飯をたいているようです。見えないけど、アワビにも下仕事に隠し包丁。大雑把でラフなような元ちゃんだけど、料理は丁寧。調理場さんはいい仕事してます。

デザートは、梨、巨峰。

今年もミシュランの招待状が届いたらしい。でも、断ったらしい。今年は、京都で新しく☆を取る店はないという感触だという話。でも、めでたく神戸の後輩の店も、獲得するようだ。


平成22(西暦2010)年8月10日
予約時間を過ぎて遅くなってしまったので、カウンターでネタにされていたようだが、晩ご飯は「祇園にしむら」。なんだか皆さんもうご飯も済んでらっしゃる。
カウンター背後の絵は「白桃」。

  • ゴマ豆腐
  • お椀は、松茸、蓮根餅(松の実入り)、糸柚子
  • お造りが、とろ、たい(昆布〆)、いか、大根と茗荷のケン
  • 鯖寿司
  • 八寸が、枝豆かき揚げ、とうもろこしかき揚げ、かんぴょうに酢味噌、鱧の子の卵とじ・鱧の浮き袋・三つ葉
  • 珍味で、からすみ、蛸の子の塩辛、鱧の肝の炊いたん
  • 南京のスープ、オクラ
  • 松茸と菊菜のお浸し
  • 陶箱に入った焼き物は鮎、青ウリ、スダチ、刻んだ蓼
  • 煮アワビ、アワビの練り肝
  • 焚き合わせが、賀茂ナス、鱧、刻んだ大葉、糸鰹
  • 松茸フライ丼、香の物、留め椀
  • デザートは、マンゴー、白桃、ジュレ掛け
おきまりゴマ豆腐。
今宵は「大七・千花・生もと純米大吟醸雫酒・特別限定品・山田錦長扁平精米歩合50%・2007醸造年度・出荷2010.7」というのにしました。祇園の日本料理屋と違って「せんか」と読むようです。大七の「雫」といえば「妙花闌曲」や「頌歌」があるけど、これは伊勢丹向けの特別限定品らしく、熟成酒でもあることから、もうお目にかかれることはないかもと、求めたもの。つめたいときには柔らかな香りとクリアな味わいで、美しい酒でした。熟成した時の甘味はほとんど感じず、少し温度が上がれば、まだまだ若そうな苦味もうっすら感じる。

お椀は、蓮根餅に松茸。蓮根餅は軽く炙ってあります。クリアな吸い地。
お造りには、ボストンのマグロ、昆布〆の鯛に、イカ。昆布〆の鯛の「〆加減」がいい。過剰なネットリ感や昆布の香りを出さずに鯛の旨みだけが、引き出されている。基本的には昆布で旨みを足すようなタイではなく、鮮度の良い状態で旨みのある鯛が好みであるが、にしむらの〆加減は素晴らしい(時がある)。
お決まりの鯖寿司。今日も持ち帰りのお客さんがチラホラ。ここしばらく、持ち帰りを自粛中。保冷座を入れてくれるんですが、万が一当たると嫌だなぁというほどの猛暑ですから・・・。鱧寿司もちょこちょこ注文があるそうだ。
八寸には、お馴染みの品が並ぶ四点。少ないかなと思うけど、珍味は合間合間にぞろぞろ出てきます。「漬け」と思っていた鱧の子は、肝をプクーと膨らませてから炊いているらしい。プクーと膨らまない肝もあるようで、考えれば貴重品だそうだ。
初めての料理、椀で、南京スープ。すり流しのようだけど、スープだそうです。しっかり和風テイスト(出汁で割っている?)だけど、隠し味には生クリームが入っているそうだ。オクラが入っているので、少し粘りが絡んできます。
焼き物は、鮎で紀ノ川産。骨を抜いて、3分割。酒焼きのようにフックラ、しっとり焼かれています。ジューシーな鮎にスダチも香る。フックラ・ホクホクというのはありますが、面白い焼き上がり。
夏の定番のアワビに練り肝付き。今日はすこし堅めに仕上がってるけど、主人のいう「高級蒲鉾」感がしっかり。振り返ってみれば練肝は、6年前から出ているようです。
ここまで「鱧」が無かったけど、炊き合わせで賀茂ナスと一緒の煮物椀。最近は、生きてる鱧を使っているそうで、そういう鱧でないと身がはじけない頑固者がいるそうです。少し濃い色のお出汁(だけと淡い出汁)に浸った鱧は、口の中で骨切りした切り目から溶けていく味わいです。舌触りで感じる旨さですな。

ご飯は、松茸のフライを丼に仕立てたもの。フライだけの時は、スダチベースだたり、ウスターソースだったりしましたが、丼用のレシピ。すき焼きの割り下を薄味に仕上げた印象をうけるが、ギリギリの濃さ。また、来月も工夫してくれるというので楽しみ。
水菓子2種はジュレが掛かる。

蓬莱泉・可・特別純米・麹米夢山水精米歩合55%&掛米チヨニシキ精米歩合55%」と「醸し人九平次・大吟醸・山田錦精米歩合40%(赤九平次)」とを味見させてもらった。55%の精米だけど、華やかで軽やかな喉越しは、爽酒という吟醸酒の分類にいれてもいいと思えるほど。コンピュータ制御の醸造だというけど、綺麗に醸されてます。少し甘くなり始めた感じはするけど、九平次の大吟醸は旨いお酒。

百万遍のお店から、祇園へ店を出されて順調に思えていた「琢磨」の大将・吹上博姿さんが(モーター)パラグライダーの事故で、6月に亡くなっていたんだとさ。日本酒を多く取り扱う割烹として、先駆けのような店だったと思うが・・・。店は続けてはるそうだが・・?弟子もいっぱいいはるし、惜しいね。お悔やみ申し上げます。

雨も上がって、帰るころになって、涼しくなったようだ。


平成22(西暦2010)年7月20日
晩ご飯に向かったのは、「祇園にしむら」。そっけない玄関も、祭りや踊りの時期は、提灯がとぼり、ちょっと趣が増します。
休日明けは、空いているそうで、ゆったり。ムーっとしている京都は、出無精になるのかね。食欲も落ちるしぃ。

  • ゴマ豆腐
  • お椀は、鱧、錦糸卵、にゅうめん、糸柚子
  • お造りが、とろ、たい、いか
  • 鯖寿司
  • じゅんさい。下に、防風、茗荷、しろ菜、水菜
  • 八寸が、枝豆、丸十、とうもろこしかき揚げ、かんぴょうに酢味噌、鱧の子の卵とじ・鱧の浮き袋・三つ葉
  • 松茸とアワビのフライ、スダチ、塩
  • からすみ・蛸の子の塩辛・アワビの練り肝
  • 鱧の白焼き(塩)、白瓜、割り醤油
  • 焚き合わせが、おくら、白ずいき、かぼちゃ、賀茂茄子
  • 鯛チャーハン、止め椀、香の物
  • デザートは、マンゴー、マンゴーソース、さくらんぼ
今宵のお酒は「上喜元・大吟醸・出品酒・山田錦40%」です。限定28本というから、見つけたら縁を感じて呑んでおかないと。香り高く、幅のある旨み、キレのいい喉越し。好きだ。
先付けは、いつもの通り。今日のような暑いうだる天候には、ゴマペーストは香ばしさが少ない方が好み。

お椀は、鱧にゅうめん。あいかわらずの吸い地。淡い味わいながらしっかり旨みを感じ取ることができます。鱧の身はクルクルと巻かれて、見た目以上のボリューム。
お造りは、最近三種になってます。できれば、イカよりウニの方が嬉しゅうございますな。綺麗な鯛でケチをつけるほどではないんだけど、味の乗りが及第点だけどいベストじゃないな。口の中で旨みが広がってこない。鯛も夏痩せ?旨みがないのは天然の”あかし”なんてことにならなければいいけど。
定番の鯖寿司。今日はちょっと寿司飯が幾分もっちり気分。随分と味わいが変わるもんです。
小鉢でお浸しにじゅんさいを盛り込んだ一品。八寸の一つにしてもいいくらいだけど、一品で多め。これもいい味。菜っ葉より出汁の方が旨い。
八寸は半七の器。。新しいのは「鱧の子の卵とじ」。お家ででてくる酢味噌って、味噌を酢で溶いただけだったりして、酸っぱいトラウマがあるんだけど、料理屋さんは手が込んでます。
定番になりつつある、松茸のフライは洋風にマイセンの器。食材が増えて煮アワビのフライが付いてきました。下味が付いているんですから、旨いのはいわずもがな。

酒肴の珍味がこちょこちょ出てきます。新しいのが蛸の子(海藤花)の塩辛。自家製。熟れてきて、ジュルジュル状態なので、箸でちびちび味わうか、ズルッと行っちゃうか?不思議な味で、初めて。蛸の子っていうのが売っているのだそうだ。そりゃそうだろうな。にしむら定番の珍味は、みんな大好きのようです。
黄瀬戸に盛られた鱧の塩焼。塩気を極力抑えた味。醤油でつけ焼きにするよりしっとり焼き上がるというのは、他の店でも聞く話ですが、錦とかでも並んでますが、そういう京都のお晩菜料理も最近は人気がないとか。
炊き合わせは、餡かけ。
今日は予約の時に「かわったご飯」をほのめかしていたので、出してくれたのが「鯛ちゃーはん」。炊き合わせを食べおわる頃合いをみて、奥でフライパンを振ってくれます。いろいろ仕事がしてあるようで、昆布〆をして寝かした鯛はグルタミン酸やイノシン酸の旨みが出てくるんでしょう。味のしっかりした旨いチャーハン。炊きたてのご飯で作ったというのも信じられないくらいパラッと仕上がってます。鯛の炒め方にも、炒り卵の作り方も、一工夫でした。

熟れたマンゴに、おおきいサクランボ。


平成22(西暦2010)年6月29日
晩ご飯に向かったのは、「家庭画報?」で「焼き鯖寿司」が紹介された「祇園にしむら」。ちょこちょこ注文があるようです。
夏らしく、鮎の泳ぐ扇面画。麻田辨自(息子さんの麻田鷹司は2000年にMOMA京都で観ていました)。

  • ゴマ豆腐
  • お椀には、鱧、早松、糸柚子
  • お造りは、マグロ、皮霜の鯛、イカ、ワサビ
  • 鯖寿司
  • 八寸は、かんぴょう酢味噌、蛸の三杯酢ジュレ、丸十、防風・しろな・水菜・みょうがのおひたし、枝豆、トウモロコシのかき揚げ
  • 玉子豆腐、じゅんさい、煮あわび
  • 太刀魚アスパラ巻き、白うり
  • カラスミ・アワビの肝
  • 炊き合わせに、ナス、白ズイキ、万願寺、摺り生姜
  • 鮎ごはん・蓼の葉、止め椀、香の物
  • マンゴ(+ソース)、マスカットオブアレキサンドリア、巨峰、ワインジュレ
今日のお酒は「松の司・2009(21BY)・大吟醸・斗瓶囲い出品酒・東条町山田錦(特A地区)山田錦35%精米・自社保存酵母」。 出品というが、香りは抑えめ。レギュラーに比べて(それでも上物しか呑んでないけど)美味しいには違わないけど、松の司という個性は控えめ。
いつものゴマ豆腐。不思議とこのゴマ豆腐が日本酒にあうなぁと思ったことがない。なぜかどんな日本酒も苦味とかいろんな嫌味が喉に残る。ゴマ豆腐があわないというより、農家なペーストが合わないのかもしれない。

お椀は、おぉ!松茸だぁ!寿命が延びます。韓国産らしいけど、喉の奥から鼻に抜ける香り。葛を打っているのか売っていないのか分からない鱧は、美味しい出汁を骨切りの間に含んで、とてもとても美味しい。
お造りは、沖縄のマグロ。皮霜の鯛は、旨みを出してます。
おきまりのお寿司。
八寸には、トウモロコシが加わってきました。枝豆は黒豆系?

たぶん初めての玉子豆腐。おいしいお出しに浸ってます。じゅんさい入りだし、アワビ添え。
焼き物は、太刀魚にアスパラをクルクル巻いて焼いてあります。塩焼きが多い太刀魚ですが、醤油の香りもええもんです。ふっくらジューシー。
珍味のカラスミとアワビの肝も出てきました。
炊き合わせは、ナス、ズイキ、万願寺。万願寺の青い香りが好きじゃなんです。今日は控えめですが、香りが強すぎる気もします。葛をひいてあります。
前回、「やりますよ」というので、注文をつけていた「鮎ご飯」。骨を使って出汁を取って炊いたというご飯は、しっかり旨みが乗っております。御飯だけでも「鮎」の香りが楽しめる。鮎は焼いてあって、お椀に入りきらないので、三つに切ってます。色ご飯は不得意なのかと思っていたけど、面倒くさがっていたんだろうな。

デザートには、もうマスカット。今年初めてお目にかかりました。ここでも寿命が伸びる思い。

毎年の習いで、鱧寿司を持ち帰り。


平成22(西暦2010)年5月25日
雨の中、晩ご飯に向かったのは、「あまから手帖6月号」の「カドカミの僕を呼ぶ店」で紹介された「祇園にしむら」。本当にカドカミを呼んだんでしょうかねぇ。カウンターは満席になります。そんなカウンターのお客さんは、カドカミとお知り合いのようだが「あの人は味わからん人やしねぇ」。聞こえてくる噂通りに、おっしゃる通りです。カウンターの後ろは、おなじみ「印象」。

  • ゴマ豆腐
  • 朱色の千鳥柄のお椀には、鯛にゅうめん、軸菜、錦糸、輪柚子
  • お造りは、マグロ、鯛、ウニ、ワサビ
  • 鯖寿司
  • 八寸は、じゅんさい、ウスイ豌豆、お浸しは防風・白菜・水菜・茗荷、蛸に三杯酢ジュレ、ズイキに黄身酢、丸十
  • 油ものには、若鮎、空豆、レモン
  • 煮アワビ、練り肝
  • カラスミ
  • 酒塩焼きのグジ蒸し物
  • 炊き合わせに、えび、たいらぎ、アスパラガス、冬瓜、白髪葱
  • 白ごはん、骨蒸し、香の物
  • イチゴ、ワインジュレ、クリーム掛け、マンゴソース
今日のお酒は「正雪・大吟醸・無量寿・山田錦精米歩合麹35%&掛50%・new-5酵母・酒門の会PB」。 静岡のお酒を選んでしまいました。華やかな果汁つの香りに加えて和らかな甘味が、適度な余韻で消えていく。
先付けは、いつものゴマ豆腐。今日は香ばしさがナッツのように香る。ガラスの切子。いかにも人の手でカットしましたという不正確さが、美しい。

朱色の千鳥のお椀が、鯛にゅうめん。レアっぽい鯛は切り身で入ってます。にしむら流は「錦糸」ですかね?相変わらずバランスのいい吸い地です。
大きな青磁のへりのない丸皿に大根と胡瓜の短冊を懐敷に三点盛り。余白を生かした盛り付けと言うんでしょうか?三点は三色でもあります。沖縄のマグロは、脂はあるけど旨みがもう一つ。最近はいいのがないんだねぇ。鯛も腹身のところを出してくれて、ひと口目は確かにいいけど、味が出てこない。季節的に外れてるのかねぇ。ウニは羅臼産。大きくて、崩れずに綺麗。
いつものように鯖寿司。トリックの上田教授なら、鯖に向かって「なぜベストを尽くさないのか?」というかも。
八寸。こりこりした豆の香りのいいウスイ豌豆。みみっちいようだが、イクラもそうだが、一つずつ箸で挟んで食べるのが好きだ。箸遣いのの練習です。ほとんど生のようなお浸しは食感がシャキシャキ。久しぶりの蛸のジュレ掛け。いま蛸が美味しいですからねぇ。
稚アユは使っていたけど、このサイズはお初?焼き物としての鮎なんだろうけど、焼いて揚げたなのだったかな?小麦粉をまぶしたとは記憶に残っている。内臓もしっかり火が通って、美味し鮎です。頭からかぶりつきましょう。

酒肴にもなる煮アワビと、珍味の練り肝、カラスミとだれもが(言いすぎだな)美味しいと声を上げる珍味が続く。
明の赤絵の写しとカウンターから説明が聞こえてくる蓋つきの大鉢。蓋を取ると、アマダイの頭。焼き目が付いているんですから、酒塩で焼いてから蒸したんでしょうか?ふっくらと軟らかく、するすると身が離れます。塩の加減もいいですねぇ。身からこぼれるエキスが器に溜まるのを味わえば、あらあら不思議、甘味があります。じつにいい塩加減でした。残った骨は、止め椀として使うそうで、しゃぶり尽くすようなことはせず、香ばしい皮の部分をちょこっと多めに残しておきます。
炊き合わせは、もう冬瓜。あんかけ。これから賀茂ナスも出てくるだろうし、コースの中では楽しみな野菜の煮物です。
アマダイの頭の骨が止め椀で、白ごはん。カウンターでは頭を出して、身の部分は、座敷の献立の焼き物に使うそうです。理由は、骨を取るのが苦手な人が残すので出すのが勿体ないということのようだ。とはいえカウンターでも骨するのが苦手な人がいるんですが、そこはにしむら君が、ほぐしてはります。だからカウンターでお出しするということです。魚の骨ぐらい綺麗に食べられるようになっておきましょう。

水菓子は、イチゴ、掛けられたジュレは白ワインに赤ワインで色づけしたというロゼ色。白いクリームは生クリームにヨーグルト。黄色いソースはマンゴと力作です。ここまでやるなら、黒豆の一つで飾っておけば、メリハリがでそうだけど、どこでもあると言い返されそうだな。

他のお客さんと、ほぼ同じペースで食べたんだけど、3時間ぐらい。


平成22(西暦2010)年4月27日
雨の中、晩ご飯に向かったのは「祇園にしむら」。カウンターは満席です。
。 不矩先生の舞妓ちゃんの絵。都おどりに因んででしょう。

  • ゴマ豆腐
  • お椀が、エビとホタテの真蒸、若芽、わらび、木の芽
  • お造りは、マグロ、鯛、ウニ
  • 鯖寿司
  • 八寸には、ホタルイカ、タケノコ木の芽和え、菜の花の胡麻和え、ウスイエンドウ、子持ち昆布・鯛の子、芹・コゴミ・人参菜・?のお浸し、鯛の皮
  • 稚鮎の天ぷらの甘酢あんかけ、ホワイトアスパラ
  • 蒸しアワビ、アワビの肝
  • 鱒の木の芽焼き、酢蓮根、おろし
  • 炊き合わせが、タケノコ、ゼンマイの湯葉巻き、鯛の子、空豆
  • 白ご飯、鯛のカマのアラ煮にしむら風、香の物
  • イチゴ羹、イチゴ
いつものゴマ豆腐で始まりぃ。
今日のお酒は「四季桜・大吟醸純米・花宝・精米歩合50% 」。何と言いますか、際立った個性派ないけど、バランスが良くて、餃子の町のお酒だけど、はんなり。桜の季節は過ぎたけど、サクラをモチーフにしたラベルも、麗しいお酒。

お椀は、真蒸と若芽。海老とホタテの程よい食感を残したふんわり真蒸。蓋の裏には「たけのこ」だけど、椀種になってない。厳しく見れば「羊頭狗肉」みたいな印象。お椀の絵も難しいねぇ。

お造りは、「よくマグロが出たなぁ」という印象。最近は供給不足ということなので、とんとお目にかかることが無い。長崎の260キロものらしい。近海ものらしい色合いだけど、脂はしっかり。この前は叩いていたから、久しぶりのマグロだ。やっぱり「叩いた」ものでは、物足りないねぇ。鯛は腹身のところですが、熟成感もあって旨い。厚岸のウニもいいなぁ。味が予想できるような色合いと形。姿の美しいものは美味しいという真実。

定番鯖寿司は、千枚漬けも終わって、白板昆布。鯖は秋から冬が脂が乗って旨いと言われますが、鰹でいえば「戻り鰹」になるんでしょう。で、初夏ぐらいの鯖はいわば「初鰹」に当たる。脂が少ない分、鯖の身の香りがいいと思う季節です。でも、ちょっと時期的には難しい時期。と思って、先月から持ち帰りにと伝えておりません。でも、この季節はお祭りで、鯖寿司は、必須アイテム。京都近郊では、食卓に上るんです。
乾山写しの短冊の器に八寸。手前から、ホタルイカ、タケノコ木の芽和え、菜の花の胡麻和え、ウスイエンドウ、子持ち昆布・鯛の子、芹・コゴミ・人参菜・のお浸し。まだ菜の花が宜しいようで。ほのかに甘い吸い地に浸したウスイ。お浸しは4種類の野菜が入っていたんだけど、もうひとつ思い出せません。
遅れて、鯛の皮の漬け。
和風の甘酢あんかけ。なんでも加寿さんとこのオリジナルだそうだ。出すにあたって、仁義を通しているらしい。大切やね。酢はほとんど感じず、甘味は軽やかな餡。小さいけど苦味おある稚アユといい対比になっている。片口を模した器なので、餡をすくって食べるスプーンは出してほしかったところだけど、残らずすすらせていただいた。

蟹が終われば、メイン食材はアワビに代わって、これからいろいろ姿を変えて出てきますが、今日はオーソドックスに、デンと出てきます。合わせて、練れてきた「肝」。一緒に出るとアワビを肝で食べるということもできます。
焼き物は、鱒。皐月の季節ですからねぇ。この季節の時鮭ならともかく、鮭よりは鱒の方が好みです。
野菜が、タケノコ、ゼンマイの湯葉巻き、鯛の子、空豆。そろそろ京都のタケノコもシーズンアウトです。物集女産らしい。八寸にも出てきた鯛の子ですが、美味しい。今日は「白子」がなかったそうで、ちと残念。

ご飯は白いの。止め椀のような、おかずのような、アラ炊き。古風なアラ煮とは、様子は違って、旨煮に近い味加減。味醂・砂糖・薄口の煮汁は、少々甘いけど、鯛の身に合います。木の芽たっぷりです。カマの鰭が二つで、「タイノタイ」も二つ。お決まりにしてますので披露。

デザートがイチゴ。ムースのような、ババロアのような食感だけど、イチゴに生クリームとかヨーグルトとかワインとかでグチャグチャにして、流し缶で固めたものらしい。何と呼んでいいか分からないらしいけど、まぁ和風に「いちご羹」かな?

今日は、鯖寿司じゃなく「穴子寿司」を一本持ち帰りでお願いしておきました。穴子寿司は1年半のご無沙汰だ。竹の皮で包んであるので、表面はちょっと汚く見えるけど、美味しいです。煮アナゴも、よそさんに比べると薄味です。


平成22(西暦2010)年3月19日
今夜の晩ご飯は、「祇園にしむら」の席を取ってあります。予約の時間を過ぎちゃいました。カウンター満席。後ろに「桜」の絵が掛かっていたけど、詳細を聞くのを忘れちゃった。
  • ゴマ豆腐
  • お椀が、鯛の潮仕立て、わらび、木の芽
  • お造りが、鯛(松皮)、マグロのたたき、サヨリ、塩、醤油
  • 八寸が、ぼんぼりに、春野菜の白和え(こごみ、わらび、ぜんまい、ふき、うど、つくし)、赤貝(肝)とうるいのぬた和え、ほたるいか、菜の花胡麻和え、子持昆布、からすみ
  • 天ぷらが、もろこ、白魚かき揚げ、こごみ、ふきのとう。レモン
  • 蒸しアワビ、アワビの肝の練ったもの
  • 鯛のカマの塩焼、酢蓮根
  • アブラメの木の芽焼き、タラの芽、サヨリの皮の焼いたん
  • 炊き合わせが、長芋、タケノコ、蕗をお揚げさんで巻いたん、空豆、木の芽
  • 白ごはん、止め椀、香の物
  • デザートが、イチゴ、自家製スペシャルクリーム、ワインジュレ
今日のお酒は「一博(かずひろ)・21010・純米・うすにごり・生・吟吹雪(環境こだわり農産物)精米歩合60%・14号酵母」にしました。濃厚というのではないけど、がっちりした骨太の味わいで、喉越しは軽い。ほのかにフルーティな香りも残って、特別をなのってもいいんじゃない。食中酒として、お勧めできる。
乾山風の桜の向鉢に、ゴマ豆腐。
桜のお椀には、鯛の潮。塩味抑えめ。徐々に鯛の旨みが吸い地に広がっていって、旨くなる。
ご自慢のマグロは「たたき」。長崎だったでしょうか。叩いてもマグロはマグロなんですが、「にしむら」をして満足なマグロが手に入らないのに、寿司屋には「大間産」があるというのです・・・。食べられなくなるということで、買い占めている業者がいるんでしょうか?市場に数が無いそうだ。
菱形のお皿に八寸。
天ぷらには、モロコ。天ぷらにする例はあまり聞かないなぁ。焼くよりもふっくら仕上がるのでしょう。白魚はかき揚げ、簔揚げというべきかな?
酒の珍味に蒸しアワビ。酒肴としてしまうのは惜しいくらい。アワビが出れば、定番の珍味の練り肝も出てきます。作り始めたばかりのようで、舌にざらつく感じはありますが、優しい味になってます。これから深みが増してくるでしょう。楽しみ。

一品目の焼き物は、鯛のカマ2個。今日は、鯛のカマが大盤振る舞い。ため込んでいましたねぇ。これも塩分控えめで、鯛の旨みが感じられます。当然のように「タイのタイ」も二個。
二品目の焼き物は、アブラメの木の芽焼き。磯の香りと木の芽の香り。タラの芽は茹でてあるようです。珍しい仕事。
日出盛・桃の滴」もいただいちゃう。
野菜の炊き合わせが、長芋にタケノコ。山城産。

白いご飯。

デザートはイチゴ。ムース状の白いのは生クリームとか、白ワインジュレとか、ヨーグルトとか。イチゴごろごろにスライスまで載せて、さらに板状のワインのゼリー。


平成22(西暦2010)年2月22日
今夜の晩ご飯は、「祇園にしむら」の席を取ってあります。
カウンターの後ろには「神泉」の、つぼみの梅に雪が舞う中の鳥さん(なんの鳥でしょう?)

  • ごま豆腐
  • お椀が、まる仕立て、すっぽん、雲子、かぶら、焼き白ネギ、黄身
  • お造りで鯛、トロ、雲丹
  • 鯖寿司、穴子寿司
  • 八寸には、いくら、子持昆布、酢蓮根、たたき牛蒡、菜の花酢味噌、イイダコ
  • 小吸い物に若竹
  • なまこ、カラスミ大根
  • 鯛で野菜(ふきのとう、春菊、菜の花、セリ)を巻いた蒸し物、蛤の餡かけ
  • 炊き合わせが、大根、自然薯、蕗、そらまめ、振り柚子
  • 蟹味噌・蟹の丼、香の物、止め椀(白ごはん、唐住、鯛カラスミ)
  • デザートには、イチゴの生クリームがけ・小豆・白玉
今宵のお酒は「黒龍・純米大吟醸・生・火いら寿・山田錦精米歩合35%」というのん。もちろん限定品。マスカットやストロベリーのような香りが高くて、香りも味のうち。味の膨らみはないようで、のど越しはあっさり、キレイに切れる。食事の途中でも、美味しいと唸ってしまうほど。
水仙の乾山写し。定番のごま豆腐。なんだか今日は舌にざらつく。でもコクはいつもよりあるようだ。

お椀は、すっぽん。旨い出汁。
お造りは、珍しく、蛤の器に分けて出てきた。羅臼のウニは、六角のボンボリ、奄美のまぐろと明石の鯛。ねっとり旨みのある鯛でした。相変わらずマグロの品薄が続いているそうです。
定番の鯖寿司。二切れ食べ終わったところで、アナゴ寿司を出してくれました。久しぶりのアナゴの棒寿司。なんでもセキヤエリが「ヨーイドン」で、「鯖寿司と穴子寿司セット」を紹介するらしく、特別限定で売り出すことになったそうだ。日頃、出していない品を無理やり(?)限定品で提供・販売させる手法はカドカミ譲りの荒技ですな。いつからかは聞いてないけど、一日20食で五日間の限定で、お店で受け取りできる方のみ。価格も聞いておりません。
  大藤さんの千枚漬けは、にしむら向けに3月いっぱい生産してもらえるそうで、来月も「八坂の雪」が食べられるそうだ。
八寸。春めくのはイイダコ、菜の花。

小さい吸い物ですが、お椀が丸仕立てだけに、若竹の吸い地は心地よく腑に落ちていきます。大原野のタケノコ。

八寸に出てきそうな、小鉢で、薄くスライスしたナマコ、とカラスミ大根。今日のカウンターはカラスミ祭りで、熟製品も大盤振る舞い。熟成されたものは塩分が円やかになって、味に深みが出てきます。自家製のカラスミを出す店は多いですが、この味にはお目にかかれない。
焼き物替わりの餡かけの蒸し物。今日は丸もあるし、鰹出汁もあるし、蛤も味わえるし、得した気分になれます。香りのある野菜を鯛で巻いてますが、蕗の薹の香りが強烈に強い。他の野菜がかすんでしまうほど。鯛は焼いていたのかな?
炊き合わせは、野菜。いつもながらの薄味。
今日のご飯は、昨年12月以来の蟹味噌丼。そろそろ蟹もお終いですな。なごりの丼。

デザートは、イチゴ。小豆餡に生クリーム。

今日は、鯖寿司1本おみや。


平成22(西暦2010)年1月26日
晩ご飯は、「祇園にしむら」。
カウンターの後ろには「椿」が掛かるが、だれのか聞き忘れた。カウンターの入りは半分。

  • ごま豆腐
  • お椀が、カブラ蒸し、炙った鯛、牡蠣、すけ子、生麩、百合根
  • お造りで鯛、トロ、雲丹
  • 鯖寿司
  • 八寸には、ぶどう豆、なまこ、いくら、子持昆布、酢蓮根、くわい、唐墨、たたき牛蒡
  • にゅうめん、焼き餅、錦糸玉子、焼きねぎ、鯛出汁
  • 節分イワシの梅生姜煮
  • 焼き物は、さわらの味噌漬け、菊花
  • 若竹、蕗
  • 和風蟹天津飯、かに味噌、香の物
  • デザートには、ラ・フランスとイチゴの生クリームがけ・小豆・白玉
今宵のお酒は「松の司・2009(21BY)純米吟醸・選別・あらばしり・滋賀県竜王山田錦(環境こだわり農産物認証)精米歩合(麹米:50%&掛米:55%):原料米生産者限定・金沢酵母(自社保存株)・限定300本/720ml&700本/1800ml・酒のやまもとオリジナル」というのん。もっともいい山田錦を作る北川さんのお米を限定で醸したという触れ込み。松の司らしい香り、味そしてバランス。
いつものごま豆腐から。寒い季節だけど、着込んで歩きまわると火照っ体には優しい味わいと感触。カウンターの絵に合わせて(?)永楽の乾山写しの「椿」の器。

お椀は、蕪蒸し風。グジはなく、炙った鯛、鯛皮。他いろんな椀種。吉野仕立ての餡がそれぞれの味を閉じ込めて、妙に混じった味にならないところ。木耳が入らないのがにしむら流ということのようです。
お造りも定番の組み合わせ。ウニも定番になったようです。奄美のマグロだそうだが、年明けからマグロが品薄らしい。鯛は、昨日と今日のと味比べ。昨日の分は皮目を湯引きにしたそうだ。
いつもの千枚漬けの鯖寿司。
一月らしい食材も入った八寸。丸いツボツボが葡萄豆に芽甘草。六角のツボツボにはナマコの透き通るような薄さのスライス。
小吸い物ににゅうめん。鯛の骨から取った出汁。冷やした素麺には錦糸卵がむちゃ家の必須アイテムなんだけど、吸い物に入れるのはここだけのような気がします。とはいえ、出汁の旨さで食べるにゅうめん。

節分のイワシを使うのも3日までらしい。半身分、魔よけ、厄払い。
ほんのりと味噌の香るサワラ。ふっくら焼けてます。味噌の香りの脂が口に広がって旨い。ブリを使ってないとは、いいのがないんでしょうねぇ。年が明けてからいい魚がないとも、お嘆きの元ちゃん。
木の芽の香る、大原野のタケノコで若竹。若芽たっぷり。えぐみは春の味の一つだと思うので、微かにその味を残しておいてほしいものです。ばっちり。
甘さを感じる餡のカニ玉丼。旨いものです。今年は蟹も高騰してたようです。荒れてるものねぇ。

デザートは、フルーツに生クリーム。小豆・白玉。


平成21(西暦2009)年12月25日
晩ご飯は、あまから手帖1月号の表紙を飾り、かつ、器コレクションを披露する「祇園にしむら」。イブは空いていたそうだが、カウンター満席。
カウンターの後ろは遥邨の「雪の清水寺」を描いたもの。
  • ゴマ豆腐
  • お椀が、丸真蒸、黄身、ねぎ
  • お造りが、とろのたたき、鯛、ぶり、うに
  • 鯖寿司
  • 八寸には、蒸し柚子釜に雲子・帆立貝柱・椎茸・白菜の味噌だれ、なまこ。マッシュくわいの揚げ饅頭。柿・大根・人参・水前寺海苔・春菊・黄菊のお浸し
  • 小吸い物に、海老芋、軸菜、ゆず
  • ブリの塩焼き、おろし、すだち、菊花かぶら
    • カラスミ
    • 鯛皮醤油漬け
  • 鴨と大根、ふき、みぞれ餡仕立て
  • カニ丼、香の物、止め椀
  • ル・レクチェ、イチゴ、白ワインジュレ、生クリーム
今宵のお酒は、新酒の「しらぎく・特別純米・無濾過・生・特等八反錦(広島県産)精米歩合60%」にします。フルーツ系の香りの高さは甘さもも感じさせるが「しらぎく」ならでは。新酒だけに最初は荒っぽさを感じますが、呑めば呑むほど喉越しの軽さも心地よく、すいすい。
 定番のゴマ豆腐。長年通っているが、美味しい食べ方は、スプーンでごそっとすくってゴマだれをたっぷりと口に含んで、一気に味わうと、また違った美味しさでしたな。

お椀は、すっぽんの真蒸とは珍しい。丸の吸い地が美味。酒や生姜の濃厚な味はなく、いかにもにしむら風に淡くて優しい味。君は半分を乗せているけど、適量。
お造りは、トロを叩いちゃってます。筋が多いから叩きましたってことらしいけど、そういうマグロは仕入れない・使わないという頑固さをアピールする方が、イイんじゃない?それに食べにくい。醤油をはじく脂の乗った腹身の鯛。今年は舞鶴のぶりの出来がいいそうで、氷見のこだわりを捨てているみたい。濃い甘味の昆布森。
 おきまりの鯖寿司。千枚漬けが薄くなったような気がする。
ナマコが加わった八寸。スライスしたコリコリ感を残したナマコは、ニュルニュルの漬け。柚子釜の味が赤味噌仕立てに変更しているみたい。スダチの蓋をギュッと搾ってくれます。コクのある雲子。
小吸物に海老芋。京都産らしいが、有名な富田林産にも負けない肌理の細かい甘い海老芋。柔らかく口の中で溶けるような芋に出汁の旨味も加わって、美味しい。

焼き物は、ブリ。シンプルな塩焼きで通しているらしいが、十分旨い。小さく切って焼いてあるので、一見ブリに見えなかった。でーんとした姿も大切。
 定番の珍味酒肴にもちょこちょこ処理が変わっていて、鯛皮には山椒のピリピリ感が余韻で残るようになっている。
炊き合わせが、鴨と丸大根。ありがちに冶部煮風の鴨の処理。底に隠れていた蕗。早いねぇ。組み合わせもシンプル、味も軽やか。
ごはんは初お目見えの、かに丼(?)、ご飯の上にほぐし身を置き、蟹味噌をたっぷりと乗せてある。ご飯の上には隠し味程度に調味料が使われているようです。酒の肴は、ご飯にもあうといういい例ですね
。  水菓子は、洋ナシとイチゴ。

関西テレビの「あっぷ&UP!」のヒコマロの影響で、一日100本の注文が入ったという「鯖寿司」を今日も持ち帰り。作りすぎて、味が落ちないようにね。来年もよろしくぅ!


平成21年11月26日
晩ご飯は「祇園にしむら」。カウンター満席。しかも女性が3/4.。座敷も埋まっているようで、さすが行楽シーズン。ここのところ満席続きらしい。反動で落ち込まなきゃいいですねぇ。
カウンターには正井和行(でしたっけ?)の紅葉の絵がかかる。

  • ごま豆腐
  • お椀が、蟹・鰆の蕪蒸し、銀杏、百合根
  • お造りが、とろ、たい、うに
  • 千枚漬けを纏った鯖寿司
  • 八寸は、柚子釜に煮牡蠣・ホタテ・シイタケ・白菜、壺壺にイクラ醤油漬け、慈姑団子、柿ナマス・大根・春菊・黄菊・水前寺海苔
  • 丸にゅうめん、黄身、葱
  • マナカツオの幽庵焼き、菊花なます
    • カラスミ、鯛皮醤油漬け
  • 炊き合わせが、淀大根、揚げ海老芋、揚げ生麩、柚子皮
  • ごはん、マグロの漬け、止め椀、香の物
  • ラ・フランス、白ワインジュレ
今日は「黒龍・大吟醸純米酒・兵庫県産愛山精米歩合50% 」を呑みましょう。黒龍にしては、味のふくよかなお酒。最近、口に合うようになってきた。日本料理には日本酒だと思わせてくれる一つ。
先付けは、いつもの「ごまちゃん」。

お椀には、かぶら蒸し。シンプルなのは上辺だけ。吸い地は、フッと鰹の香りが喉から上がってきます。吸い口がカツオと言いたそうな吸い地。心地いい。蕪の下には、ムチムチ銀杏とコリコリ百合根。蟹そみ・蟹足。さらにサワラと、嬉しいやり過ぎ。カニだけで十分美味しいですけど。
お造りは、どうやら厚岸のウニのようだ。とても色・姿ともに綺麗なウニ。マグロは壱岐の350kgだそうだ。最近は畜養物もよくなってるようです。ばらつきはあるそうだけど。鯛もいい。

いつもの「さばちゃん」。いつも通り、一本持ち帰り。
始めてだすという、熱々柚子釜。イメージは「カキの土手鍋」だそうだ。玉味噌の白味噌の勝った合わせ味噌。この味噌を、揚げたて慈姑の団子につけて食べるといいといわはります。今日が最後になるというイクラ。春菊のお浸しと柿ナマスのドッキングですな。
丸仕立てのにゅうめん。エンペラも入っております。タマゴの黄身がなくてもいいか、内卵一個程度の味でも十分かな。来月は、小振りな丸鍋を考えているそうですが・・・
菊の葉皿に、焼きものは、マナカツオの幽庵。来月はブリの幽庵を考えているとか・・・。
酒の肴に、定番つまみ二種類。
炊き合わせはシンプル。

白いご飯におかず。マグロの漬け。
水菓子が、ラ・フランス。


平成21年10月20日
晩ご飯は「祇園南の掲載不許可の☆」。花見小路は日本人より、団体でうろつく外国人の方が目立つ。
カウンター満席だが、本の影響はないようです。不況で人が動いていない感じ。行楽シーズンまで静かかもね。
大輪の黄菊の扇面画は不矩ちゃんのかかるカウンター。

  • 胡麻豆腐、降り柚子
  • お椀には、銀杏・松の実入りの蓮根餅、松茸、蕪、輪柚子
  • お造りが、とろ、鯛、いか、甘酢大根、ワサビ、塩
  • 鯖寿司
  • 煮アワビ、アワビの煉肝
  • 八寸は、ほうれん草と春菊と黄菊のお浸しにトロロ掛けの海胆トッピング、いくら、愛媛産煮栗、紫ずきんの揚げ団子、イチジクに胡麻だれ。カラスミ
  • 椎茸・舞茸・松茸の茶碗蒸し
  • 鯛かま、中骨の塩焼き、スダチ、鯛皮の漬け
  • 鱧と小芋の炊き合わせ、降り柚子
  • 鯛の骨蒸し
  • ごはん、香の物、味噌汁
  • 柿・巨峰・マスカットオブアレキ・・に栗のソース。
今日のお酒は「東洋美人・大辛口純米大吟醸・Bella Orientale・山田錦精米歩合40%」。きりっとしたドライな口当たり。香りは控えめ。日本料理の出汁には、よく合います。
割山椒の器に、ごま豆腐。割山椒の器からこぼれそうなゴマペースト。ツルンとして口当たりのいいゴマ豆腐。

お椀は、むっちり・ねっとりのれんこん餅。中に銀杏と松の実。一口目に味をほとんど感じない淡い吸い地だけど、後から旨みがこみ上げてきます。京風薄味の醍醐味ですな。
お造りは、いつも通り。マグロはボストンの270kgだそうです。半月ぐらいで使い切るそうです。美味しい脂。鯛も脂の乗った部分をありがとう。今月に入って「タタキ」にしているブログを見て、嫌悪感があったが、いつも通りで安心。いいマグロならタタイちゃうのは、勿体のうござる。昆布〆にしてもそうなんですが、余計な仕事をするのは、素材が悪いせいだと思っちゃいます。

今シーズン初めての『八坂の雪』。今日もお持ち帰り。京阪デパートの催事も完売だったそうです。(当り前か!)

他のお客さんのペースに合わせて、八寸の前に、煮アワビが出る。アワビに煮汁に浸して出てきます。酒の肴の肝も出てきます。柔らかな塩加減にこなれた肝はそのままでも旨いけど、肝とアワビを一緒に頂いても旨いし、アワビを炊いた煮汁に溶かしこんでも旨い。旨い煮汁は残したりできませんな。
次に八寸。お気に入りはお浸しの出汁。これにトロロとウニが旨味を足した菜っ葉がとてもいい。巧い組み合わせだ。ウニの出しゃばる旨みをトロロが抑えた味。柔らかイクラ。
くびれた茶碗の形(信楽の「うづくまる」みたい)に茶碗蒸し。少し食べにくいけど、スプーンでほじほじ。焼いたマイタケなど香り立つ茶碗蒸し。旨味のあるのはチキンコンソメ仕立て。
焼き物は、鯛のカマと中骨。ホクホクのカマ。今日は1.8キロと注文したより大きいのしかなかったというが、骨はとりわけ立派。もうちょっと中骨に身を残してほしい気分だけど、しっかり脊椎をばらばらにしてせせります。取りだした「タイのタイ」も立派!
炊き合わせに、ハモと小芋を吉野仕立てのトロンとさせたお椀。これは少し旨みを引き出した吸い地。ハモ二切れ、小芋二個。
言わなきゃしてくれないところだったけど、鯛の骨に昆布出汁を張ってくれるお椀。香ばしい鯛の骨から、脂やら、中骨のゼラチンが溶け出てくると、旨いお椀。最後まで、味わい尽くさないと勿体ないな。

白いご飯。どこの日本料理屋でも白いご飯は美味しいものです。
水菓子には、栗のソース。栗の甘味が増したようだ。

今日のカウンターは全員、関東のお客さんのようだ。珍し。「おひとりさま」が流行りなのか、女性も増えてきましたね。


平成21年9月24日
晩ご飯は「祇園にしむら」。座敷は空いているそうだが、カウンターはそこそこ。
カウンターの後ろには「栗」の絵がかかる。


  • 胡麻豆腐。
  • お椀が鱧とそうめん、輪柚子
  • お造りは、とろ、鯛、イカ、酢取り大根、きゅうり、ワサビと塩
  • 鯖寿司。甘酢生姜
  • 八寸には、菊菜・ホウレン草・黄菊・うに・山かけ、いくら醤油漬け、いんげん豆ごま和え、紫頭巾のかき揚げ、イチジクにゴマペースト、煮栗
  • 鯛の皮の醤油漬け、カラスミ
  • 焼き物は、太刀魚、揚げ湯葉、温かいおから、銀杏
  • 松茸・あわびのてんぷら、スダチ、ウスターソース
  • アワビの肝
  • 炊き合わせが、小蕪、小芋、白ずいき、千切りの万願寺、糸カツオ
  • 鯛茶漬け、香の物
  • 梨・マロンペーストのソース、ブドウ二種
一杯だけ「醸し人九平次・別誂・純米吟醸・輸出バージョンラベル」を頂きます。かすかに苦味が残りますが、シャープなキレ。
今日のお酒は「善知鳥・大吟醸・百四拾・華想い精米歩合40%」としましょう。
まずはゴマ豆腐。 稲穂のお椀は、ハモに素麺。切れ味のある香りの高い吸い地。

どんと見せびらかしたのが、今日入荷のボストンの270kg(?)のトロ。サク取りする前は迫力がありますな。で、そこからのトロとタイとイカ。もう紅葉鯛と名乗っているところもあるんですが、早いようで、もういい味になってます。鯛は塩を勧められる。半七の乾山写しの透かし菊花秋草の向付。
そろそろ千枚漬けが乗ってくるかなと思っていたけど、来週末からのようです。楓の器。それに合わせるように京阪デパートに鯖寿司を出すそうである。とうとう鯖寿司屋になっちゃうようだ。くずはモール店では3日だけに「京都の銘店・秋鯖寿司」として「花折」「いづう」「いづ重」「重兵衛」と並んで「全国初出店として販売されるようだ。数に限りがあるのは当然。早い者勝ち。

八寸五種。柔らかいイクラ。それを箸で一個一個摘むのが、いい気分。スプーンなんか使うもんか、と思ったけど、最後にはまどろっこしくなった。熱々の枝豆旨い。無着色の煮栗。
焼き物は太刀魚。しっかり焼かれている分、しっとり感は暖かいおからと合わせると、味も交じってきます。
いつもの酒の肴に、鯛の皮、からすみ。
油ものはフライ。ちゃんと細かいパン粉が付いているので、食感はパリッ。今日は本当のウスターソースらしい。酒のつまみにアワビの肝が出るけど、それで頂くアワビフライが好き。もちろんウスターソースも悪くはありません。と紹介しても、お家で松茸やアワビをフライにしませんわなぁ。
炊き合わせには、精進な野菜。カツオがいい香り。葛を引いた餡も美味しい。もうカブラが出てきました。万願寺の香りが強いので、個人的には違和感が残る。鴨とかの脂が加わる方がいいと思った。

ごはんは、鯛茶漬けが出てきました。
水ものには、栗のペーストがかかった、梨、アレキ、巨砲(かな?)。

不思議とここの店で初めてくるお客さんと一緒になることがあるのだが、そのほとんどがよくしゃべりはります。城蓮さんかと思うほど。元ちゃんは、客あしらいがお上手。
今日も東山の鯖寿司を持ち帰り。


平成21年8月25日
晩ご飯は「祇園にしむら」。先客2組。秋風?
カウンターの後ろには正井和行の「白桃」(?)。桃の産毛と見えるような色合い。カウンターから撮ると、ライトが写り込みますなぁ。


  • 胡麻豆腐。
  • お椀が鱧と冬瓜、輪柚子
  • お造りは、とろ、鯛、イカ、酢取り大根、きゅうり、ワサビと塩
  • 鯖寿司。甘酢生姜
  • 八寸には、鱧の子(笛も)玉子とじ、いんげん豆ごま和え、とうもろこしと枝豆のかき揚げ、カラスミ、イチジクにゴマペースト
  • アワビ、アワビの出汁、練り肝
  • はもの焼きもの、梅肉、刻み万願寺、銀杏、茗荷
  • 松茸のてんぷら、甘酢レンコンのてんぷら、スダチ、醤油、塩
  • ハモの肝の炊いたん、鯛皮醤油漬け
  • 炊き合わせが、ニシン茄子、南瓜、針茗荷
  • 白ご飯、香の物、じゃこシシトウ、(カラスミ)
  • ブドウ三種
今日のお酒は「上喜元 純米大吟醸 辨慶(辨慶精米歩合40%)」としましょう。巨峰や微かに林檎のような香りと甘さを感じます。舌に残るような甘さはなく、流石に上喜元は、美味しいお酒。
いつものゴマ豆腐。竹泉の器
お椀は、シンプルにボタンハモに冬瓜。くるくる巻かれハモはボリュームがあります。クリアな輪郭の際立ったイメージの吸い地。
マイセンの皿に、お造り。ボストンのマグロ。旨味が増してきたような鯛。
脂が乗ってきた鯖の棒寿司。今日は、お持ち帰りに一本。

八寸は、イチジクがニューフェイス。生イチジクにゴマだれ。ゴマ豆腐のタレと同じらしい。
シンプルに小皿に蒸しアワビが出てきた。いつも壺壺に出てくる肝も器にへばりついてます。美味しいアワビのエキスの出汁が張られてます。
焼き物はハモ。切り口に山椒が忍ばせてあるそうです。梅肉がちょこんと。刻んだ万願寺が付け合わせ。もう銀杏。焼くよりは香りが閉じ込められて、楽しめるかもしれない。
油ものが松茸。もう「にしむら印のウスターソース」には飽きたそうで、スダチに醤油が出てます。中国産らしい。
珍味が、お馴染みのハモの肝煮と鯛の皮。すべての肝が美味しいわけではなく、美味しい肝の選別方法が特殊らしい。
にしむら流のニシン茄子。醤油で炊いたんも美味しいけど、にしむら流は乾物ではなく、生のニシンを使ってます。ナスもあっさり煮びたし風。全体もあっさり。

久しぶり感のある、白ご飯。
水菓子がブドウ。藤稔、シャインマスカット、サニールージュだそうだが・・・藤稔には疑問。黒ブドウだったんだけど・・


平成21年7月24日
晩ご飯は「祇園にしむら」。
祭りの提灯も、とぼっております。

カウンターには、夏らしく「茗荷」の扇面画。不矩ちゃんやったね。


  • 胡麻豆腐。
  • お椀が鱧とじゅんさい、輪柚子
  • お造りは、とろ、松皮の鯛、イカ、茗荷、酢取り大根、きゅうり、ワサビと塩
  • 鯖寿司。
  • 八寸には、鱧の子(笛も)と三つ葉の炊いたの、いんげん豆ごま和え、とうもろこしと枝豆のかき揚げ、カラスミ、丸十
  • 珍味に、鮑の肝、鯛の皮の醤油漬け、鱧の肝の炊いたの。
  • ぐじの頭の焼きもの、出汁をかけたん
  • 酢のものが焼き蛸ともずくと白瓜。
  • そうめんと鱧の蒲焼き。葱と茗荷と生姜
  • 炊き合わせが、焼き茄子、冬瓜、白ずいき、南瓜
  • アワビと鯛の雑炊、香の物
  • 水菓子が、白桃、マスカット、ピオーネ
今日のお酒は「上喜元・純米吟醸」としましょう。
お決まり、ごま豆腐。
お椀は、シンプルにハモとジュンサイ。ふっくら膨らんだハモ。吸い地にハモの脂がたっぷり浮いてます。葛も少なく歯ざわりでもハモの食感が楽しめるし、出汁が包丁の切れ目に浸みこむようです。
八木明の丸皿にお造り。境港の215kgの生まぐろ。松皮造りの鯛。旬のネットり感はなくザらっとした舌触りが残りますが、旨味はそこそこ。魚も夏らしい味になっているようです。塩でも旨みが増します。
お決まり、鯖寿司。後で見せてもらったけど、7月11日付けの日経プラス1で「夏のお取り寄せ」の(寿司?)ランキングで5位になったという。一位は「花折」だったけど、京都に数多ある鯖寿司を押さえてのランクインは、快哉。個人的には人に勧めるくらい好きだけど、そんなに人気がある鯖寿司だとは思わなかった。「夏」のはずだが、コメントを見ていると、冬の千枚漬けのコメントが目立つってのも、どっか変だ。今日はなんとなく微妙な鯖だったなぁ。

八寸。切子ガラスに盛られたのは、初めてのような。涼しげですな。
酒の肴に出てくる珍味もお決まり。とはいえ、今日のアワビの肝は、不思議とクリーミーなコクも加わって、いい出来。
焼き物はぐじの頭。グジにありがちな臭みがない。下処理や焼きがいいんでしょう。カマの部分もたっぷりと嬉しい頭。いつものように「グジのタイ」を探して記録。残った骨には、出汁をかけてくれます。いい味出ますなぁ。
久しぶりのタコは、コリっと硬いと思えば「たこ焼」。厚みのあるヘギ造りのタコに梅肉。細いもずくが加減酢に泳いでタコが浸っております。
珍しく冷たい素麺。焼きたてのハモの蒲焼。なんでここで素麺?というのが思うところ。氷を散らした手桶に氷を張った素麺。薄味の素麺つゆ。
精進な炊き合わせ。それでも脂通しして使うナスも焼いているので脂気もない。香ばしい焼きナス。

お隣さんへの説明には「リゾット風」といっていた雑炊。口いっぱいに開けないと入らないようなアワビの切り方。大きいから感じる味というのがアワビにはある。口の中がアワビで一杯。鯛の切り身も入って、とにかくコクのある旨い出汁。うーん、バターとオリーブオイル。確かにリゾット風というだけある。にしむらには珍しく大盛り。出されたものは、残さない主義。ちょっと日本料理屋としては卑怯なやり方だけど、口に出汁を含んだ瞬間に旨みが広がる美味しさ。

水菓子には白ワインのジュレがけ。

この季節に鮎を使わない店は少ないんだけど、そういう店の主人にはこだわりがある。にしむらでは、「毎日同じレベルの天然ものが手に入らない」ということらしい。それだけ偽装天然物が、まかり通っているということかな?料理屋には表示義務もないから、言ったもの勝ちみたいなところもあるからね。使わなければ、嘘をつく必要もない。
日頃のレベルが高いと、わずかな差が大きく感じちゃうけど、それでもクオリティの高い食事でした。


平成21年6月23日
晩ご飯は「祇園にしむら」。
賑やかなお客さんのカウンター。始めてのお客さんであっても、手のひらで転がされて盛り上がってます。

  • ごま豆腐、降り柚子
  • お椀が、葛打ちのハモ、叩きおくら、ゆず
  • お造りが、まぐろ、鯛、あおりいか
  • 鯖寿司
  • 八寸には、トウモロコシの寄せ揚げ、三度豆の胡麻和え、カラスミ、枝豆、タコと白瓜の梅肉の和えもの、丸十
    • ジュンサイ・生姜風味出汁
    • 鯛皮の醤油漬け
    • イカのエンペラ・生姜醤油
    • ハモの肝の炊いたん
    • アワビの練り肝
  • 中椀に、冬瓜、ズイキ、万願寺
  • スズキで煎り玉子豆腐を巻いたものの蒸しもの、はくさい菜、茗荷
  • 白味噌の炊き合わせは、あわび、揚げ賀茂ナス、糸かつお
  • 鯛茶漬け、揉み海苔、ワサビ
  • マンゴ、さくらんぼ
今宵のお酒はAzumaichi・2008純米吟醸・山田錦精米歩合49%・甲州ワイン樽貯蔵。舌になじむまでは、甘みと苦みが交錯して複雑な濃厚な旨味があるが、だんだん苦味が消える。微かに残る余韻は樽の香り?
ブルーのキリコに、ごま豆腐。

夏の定番の、ハモとオクラ。例年に比べると、ちょっとハモの巻きがゆるいようです。しっかり香りの高いした吸い地。
沖縄のマグロ。鯛もそうだけど、夏には厳しい食材だけど、頑張ってはる。
定番の鯖寿司。いつも良し寿司飯が少ないようですが、鯖に合わせて調整つしているのかな?夏の間は持ち帰りを控えているつもりだけど、美味しい鯖。
目の前で盛りつける八寸。これも涼しげな切子。熱々の揚げたてがトウモロコシ。自家製ではとてもこの味は出ないなぁ、というプロのカラスミ。

珍味・酒肴がポンポン出てくるので、並べて置きます。お馴染みのものばかりだけど、日々改良されているらしい。新しいのはハモの肝。ニチャーとねっとり口の中で醤油と肝の香りが広がる。酒を呑むのを忘れる酒肴でした。アワビの肝も味が安定するように作り方を変えたようです。他では真似のできない加減という自慢の一品です。

たまに思い出したように出てくる中椀。箸洗い。カツオではなく鶏のスープだそうだ。万願寺の香りが効いた煮物椀。冬瓜とズイキ。
先月は、アスパラを鯛で巻いていたけど、今月はアレンジしてスズキ。スズキに合わせて出汁もかえてありますな。
白味噌仕立ての椀だけど、狙いは賀茂ナスの白味噌田楽をイメージしているという。白味噌の甘味、揚げ茄子のコク、そこに柔らかなアワビの旨味がが加わって、びっくりの味。

ご飯は、たまに出てくる、鯛茶漬け。ゴマ風味の、ワサビに海苔。
水菓子は、マンゴとサクランボ。しんぷる。

今日は、1年に一度の注文で「ハモ寿司」を持ち帰り。
木曜日に瓜生山の大学の陶芸コースの「八木 明」教授の誘いで、講師を務めるそうだ。大学の先生だよ!凄いなぁ。


平成21年5月26日
晩ご飯は「祇園にしむら」。
インフルエンザ以降は、予約が増えないけど、キャンセルはないという。元ちゃんが喉をからしているので、病気といぶかったけど、昨晩呑み過ぎたとのこと。安心。
カウンターの後ろは寺島紫明の「二人舞妓」。花飾りは紫陽花だ。
  • 切子に、ゴマ豆腐、降り柚子
  • お椀は、湯葉真蒸、うに、わかめ、輪柚子
  • お造りが、鯛、鯛の昆布〆、あおりいか、胡瓜・大根、ワサビ、塩
  • 鯖寿司、トロのお寿司、甘酢生姜
  • 八寸に、ジュンサイ加減酢、碓井豌豆、ハクサイ菜・人参菜・タイラギのお浸し、カラスミ、タコと瓜の梅肉和え、丸十、鯛の子の炊いたん
    • 鯛皮
    • アワビの練り肝
  • 白アスパラ・アスパラの鯛で巻いたん、潮風蒸しもの
  • 天ぷらが稚鮎、ナス、ソラマメ、タデ塩
  • 炊き合わせが、冬瓜、長イモ、白ズイキ、アワビ
  • 鯛漬けの丼、赤だし、香の物
  • イチゴ、マンゴ、生クリーム
今宵は、金賞受賞おめでとうで「土佐しらぎく・斗瓶取り大吟醸・平成二十酒造年度・鑑評会出品酒(金賞受賞酒)・山田錦精米歩合40%」を選びました。マスカットやメロンの香りから、冷えるとリンゴの香りも交じって、すっきり、淀みのない味。CEL酵母かな?
珍しくガラスのキリコにゴマ豆腐。涼しげな器にゴマペーストも軽やかに感じます。

お椀は、湯葉の真蒸にウニ、若芽。てっきりハモを使っているかと思ったけど、来月からだそうだ。

今日は、常連さんばかりということで、ちょっといつもと違って、お造りは鯛とイカ。鯛は、そのままと昆布〆。ワサビ醤油か塩で頂きます。
お造りに、トロが出ないのは、鯖寿司に合わせてお寿司で出てきた。勝浦で揚がった230キロだそうだ。脂肪分が少ないだけに鯖の香りがいい。やっぱり美味しい鯖です。トロの上には降り塩。さび抜きだけど、残しておいた前の料理のワサビをつけてもいい。脂が十分でワサビの効きは悪いけど。今日だけと強調してました。

八寸に新しいのは、ジュンサイ、タコの梅肉和え。これからタコの旬ですからねぇ。プリプリのジュンサイに生姜風味の酢の物。碓井豆とか箸でチビチビと摘んで口に運ぶのって、好き。スプーンでズルッと食べるのは、日本料理らしくなくて嫌いだ。タコもプリプリ。シャキシャキした瓜と合わせて食感が面白い。梅肉を醤油で伸ばしているそうだ。汁や酢は全部飲み干せる味の旨さ。
途中で、酒肴の鯛皮、アワビの肝。鯛皮も進化しているらしい。アワビの肝があるということは、アワビも出るんだぁ。ということだ。
黄瀬戸の器に、アスパラを鯛で巻いた蒸しもの。アスパラの香りを殺さないように、香りのものを入れてないという。木の芽ぐらいならと思うのだけど、木の芽が勝ってしまうそうだ。淡い出汁は潮汁風。先のアワビの肝をつけても、いけるようです。(万能調味料の代わりになる)
天ぷらは、稚鮎。なんだが食感が違うようだが、巧く表現できない。不思議。来月から賀茂ナスだそうだ。ひと工夫考えているそうだ。天ぷらにアワビの肝もいけます。
炊き合わせは、熱々の餡かけだ。ざっくり冬瓜とその下に隠れた長イモ。ズイキも隠れている。ごろごろ厚いアワビがここで出てきました。アワビにはアワビの肝、外れなし。いつもなら肝にお酒をいれてグリグリしちゃうけど、餡かけの出汁でグリグリしても美味しおました。
ご飯は、鯛の漬け丼。ワサビとモミ海苔。

水菓子。


平成21年4月28日
晩ご飯は「祇園にしむら」。カウンターは満席。
後ろには遥村の「保津川下り」。
4月は無休でお疲れ。
  • ごま豆腐、降り青柚子
  • お椀が、若竹、わらび、木の芽
  • お造りが、とろ、たい、さより、胡瓜、甘酢大根、ワサビ醤油、塩
  • 鯖寿司、甘酢生姜
  • 油ものが、タケノコ、タラの芽、空豆
  • 八寸には、子持ち昆布、ホタルイカ、鯛の子の炊いたん、碓井豌豆、菜の花
    • アワビの肝、鯛の白子、カラスミ
  • サクラマスの味噌漬け、木の芽ちらし、ウドの白和え
  • 鯛にゅうめん、アワビ、木の芽
  • 漬けまぐろの茶漬け
  • マンゴとイチゴの生クリーム掛け
明鏡止水・純米大吟醸・m'08・麹米山田錦精米歩合40%&掛米美山錦精米歩合45%・蔵内培養酵母」とした。酒門限定品。甘味を感じるけど、サラサラ。
いつものゴマ豆腐。黄柚子から青柚子にかわってます。今日は柔らかな味わい。
お椀は、シンプルな若竹に、蕨。木の芽も加わって、香り高い吸い地。タケノコもそろそろお終いだそうです。

今日のトロは、勝浦の230キロと説明してはります。珍しく、塩も出てきます。香りのいい脂のトロにも塩。ちょっと馴染みがないけど、悪くはない。ちょっとサヨリに骨が残っておりましたな。
鯖寿司も、千枚漬けの雪化粧から衣替え。残念ながらうどん屋の鯖寿司は敵いませんな。値段は正直。
天ぷらには、タケノコ。根っ子の方が味があるといいますが、改めて納得。空豆が美味しく、芋のような甘さ。
八寸は定番の品が並ぶ。少し遅れて酒肴も並ぶ。鯛の白子は塩ゆでしただけ。苦味のある菜の花。

焼き物は桜マス。味噌づけのマスは、パサツキ感もなく、ふっくらしっとりとほんのり甘さで脂があってもタンパク。木の芽を白味噌で伸ばしたものも、合います。付け合わせはウド。
炊き合わせ(?)に、鯛とアワビのにゅうめん。最初に「タイノタイ」を探したけど、ざっくり包丁で切られていて尻尾だけ発見。美味しい。
勝浦おマグロの赤身があるというので、漬け茶漬けを振舞ってくれます。バットに並んでいるときは、牛肉が並んでいるのかと見えるほど鮮やかな色。赤身も臭みのないマグロでした。時間をかけるとマグロが白くなっちゃうので、サラサラ行っちゃう。

デザートはマンゴとイチゴ。宮崎産ではないそうだ。

今日は、お持ち帰り自粛。


平成21年3月24日
晩ご飯は「祇園にしむら」。都をどりの提灯も下がっております。
カウンターの後ろは「印象」。
  • ごま豆腐
  • 桜のお椀に、鯛にゅうめん、錦糸、わらび、木の芽
  • お造りが、とろ、たい、さより
  • 鯖寿司
  • 八寸。ボンボリの器にフキノトウ・蕗・芹・?、つくし・赤貝・わけぎのてっぱい、子持ち昆布、ホタルイカ、カラスミ、菜の花、一寸豆、鯛の皮の醤油漬け、アワビの肝
  • 白魚、タラの芽、若ごぼう・人参・シイタケ・ミツバのかき揚げ
  • 鯛のあらの焼き物、醤油ダレ、酢レンコン
  • 若竹の煮物椀
  • お焦げの蟹餡かけ、アワビ
  • イチゴ・生クリーム、赤ワインジュレ
今日は「正雪・大吟醸・無量寿・山田錦精米歩合麹35%&掛50%、new-5酵母」というお酒。静岡酵母らしくバナナのようなフルーツの香り。爽やかなこぼ越し。
ごま豆腐の器は桜の乾山写しの向付椀。今日は柚子の香りが効いてますな。

お椀は、桜。鯛にゅうめん。最初は真蒸かと思ったのだが、そうめんを鯛のすき身で包んで丸めていた。出汁はいつもに比べて旨みが濃いようだ。まぁ、にゅうめんですからね。
お造りは、半七の鴨、トロに鯛。ここのところの天候からあまり期待していない鯛だったけど、十分。当たりじゃないのは、白子や真子がないというぐらい。明日は鯛がないからヒラメだと言ってはります。珍しく3点盛りで、サヨリ。
定番、鯖寿司。永楽の魚藻文?。まだ大藤さんだそうだが、そろそろ、終わりですな。名残りなので、持ち帰り。
八寸にも、馴染みのものが並びます。春野菜のお浸しが美味しい。今日からアワビの肝を出すという。熟成感はまだまだだけど、肝の味がストレート。

油ものが、白魚、かき揚げ(とは言うてないけど)。見た目もシュッとして、食べやすくもしてある仕事ですなぁ。
平安竹泉の器に鯛のあら。ヒレの部分。アラ煮風の醤油のたれがかかってます。つけ焼き?
黒塗りの椀の表は「笹」、蓋の裏には「筍3本」が描かれ、相応しい若竹。塚原産。
ごはんは、封印していた修業先がオリジナルの「おこげのあんかけ」。カリッとしつつも中はムッチリ。まだ発展途上で改善の余地があるそうだが、にしむら風の一工夫が加わる上に、蟹とアワビの贅沢な組み合わせ。下味のついたアワビがとても美味しい。もう蟹も終わりですなぁ。今年はいろんな使い方をしてくれました。

水菓子。


平成21年2月24日
晩ご飯は「祇園にしむら」。
カウンターの後ろには広田多津の「菜の花」が掛かる。後で見せてもらったが奥の座敷には應挙の立雛がかかっている。ブラボー。

  • ごま豆腐
  • お椀は、帆立真蒸、若芽、わらび、木の芽
  • お造りは、とろ、鯛
  • 鯖寿司
  • 八寸には、たたきごぼう、子持ち昆布、菜の浜、お浸し(フキノトウ・ふき・春菊他)、赤貝・タイラギのてっぱい、なまこ、カラスミ
  • 油ものが、白魚、一寸豆、タラの芽 
    • 海鼠腸
  • 焼き物は、まなカツオの味噌漬け、酢レンコン 
    • 蟹味噌
  • 大根、れんこん、タケノコ、人参、軸菜、松葉柚子 
    • 鯛皮の醤油漬け
  • カニ玉定食、香の物
  • イチゴ・白玉・小豆・生クリーム
今日は、まず「桃の滴・RISSIMO・純米酒・精米歩合65%・alc14度」。桃の滴とイル・ギオットネーネとのコラボというか、なんというか・・・というお酒。360mlで精米歩合の割に高い!温度が高いうちは、古酒のような香りもあるが、冷えると二十世紀のようなフルーツの香りで、すっきり。桃の滴で精米歩合65%とは思えないすっきりさ。でも、イタリアンに合わせるには、もうちょっと酸味や香りを出した方がいいように思える。とにかく割高な印象。
黄交趾の菱皿にゴマ豆腐。

お椀は、帆立真蒸に若芽。
お造りには、チュニのマグロと鯛。なんとチュニジアだそうです。平安竹泉の絵付けが麗しい。

次いで、七本鑓・純米大吟醸・復刻栽培米渡船精米歩合50%・全量木槽搾り・協会9号酵母 」にした。
来月くらいまではあるだろうという、大藤さんの千枚漬けの鯖寿司。ということもあって、いつも通りお持ち帰りで、3日連続の鯖寿司だ。
八寸は、春の野菜が苦味ばしって美味しおす。お浸しのフキノトウの苦みが心地いい。テッパイは貝の旨味がいい。それぞれに違う味の趣向が盛り沢山。
龍を描いた三色の交趾に油もので、むっちり白魚。ほっこり一寸前。苦味のタラの芽。酒のあてに「このわた」が壺壺で出る。おおきに。
焼き物は、マナガツオの味噌漬け。微妙な加減は6時間の具合だそうだ。そんな短い時間でいいの?と疑う旨み。梅の絵皿がビューティフル。酒の肴に蟹みそ。
炊き合わせは、タケノコ、大根。野菜ばっかし。一味工夫が欲しいなぁ。忘れていたように、鯛の皮がでてきた。単純に醤油だけでないところが、「にしむら」らしい遊びを感じます。

ご飯は、白いご飯に、芙蓉蟹。カニ玉だ。しかも蟹たっぷりで出汁の効いたカニ玉。ご飯お代わりしちゃいました。普通の玉子らしいが、旨い事。
最後に「浦霞・純米大吟醸」が注がれた。
生クリームのかかった、白玉小豆。イチゴ入り。

香港から一人で来た女性と盛り上がって、祇園にしむら演芸館の出し物は「かつらむき」。5年ぶりとか言ってますが、なかなか見事な「かつら剥き」でした。先週から、金沢・東京と食べ回っているそうである。達者な日本語であった。始めてのお客さんでも、楽しませますなぁ。
にしむら美術館も拝見して、青邨の紅梅白梅やら、應挙やら、さりげなく・・・。座敷を構える料理屋というのは、料理が美味しいだけでもダメで、さらに器がよくてもまだダメで、書画もそろってなんぼの世界なんですな。


平成21年1月27日
晩ご飯は「祇園にしむら」。
カウンターの背後には、不矩の「椿」の扇面画。(金箔だけどライティングで濃淡ができちゃってる)。カウンター脇の生花も「椿」。
  • ごま豆腐
  • お椀が、かぶら蒸し、タケノコ、海老芋、レンコン、ニンジン、軸菜、松葉柚子
  • お造りが、大間のマグロ、ヒラメ
  • 鯖寿司
  • 八寸には、なまこ、ちしゃとう、春菊・ふき・フキノトウのお浸し、たたきゴボウ、カラスミ、数の子、菊花カブラ
  • タコと雲子のみぞれ煮。ネギ
  • 焼いたぐじの頭の酒蒸し、木の芽
  • 丸椀、焼き餅、卵黄、玉ねぎ
    • 海鼠腸
    • アンコウの肝
    • 鯛皮の醤油漬け
  • にしむら風天津飯
    • 蟹味噌
  • イチゴ小福(イチゴ小豆・白玉・生クリーム)
今日のお酒は「松の司・2008classic・大吟醸・Seizaburo Seto・東条町山田錦精米歩合35%・金沢酵母・限定950本」です。落ち着いた香りと味わいで、料理を選ばない心地よさ。
梅の描かれた永楽にゴマ豆腐。
お椀は、かぶら蒸し。蕪は天盛りになっていて、その下に(早くも)タケノコ。ムチムチの炊かれたエビ芋。その下に蓮根。出汁は、いつもよりカツオの芳しい味。精進な椀種にはカツオが馴染む。

お造りは、鯛が不漁ということで、ヒラメ。このヒラメが、甘みの濃い美味しいヒラメ。トロは、大間。それぞれに香りも立派なお造りでした。
千枚漬けの鯖寿司。
八寸の壺壺に、ナマコの薄造り。定番です。チシャトウは味噌漬け。お浸しは、春の苦みたっぷり。とりわけフキノトウが苦旨い。
蓋付きの器に、温かいみぞれ煮。雲子とタコの組み合わせ。不思議なタコの食感でホクホクであっさり。こりこり・ぐにゅぐにゅのタコのイメージがない。工夫が忍ばれます。あっさり炊かれただけなのに雲子の出来がいい。
焼き物として蓋付きの皿が出てきて、ぐじの頭。焼きものであり、蒸しものでもある。焼いたぐじの香ばしさと酒蒸しの香りのよさ。当たり前だが、焼いただけより旨いし、蒸しただけより旨い。「ぐじの鯛」が上手く取れずに残念。ぐじというのは魚臭さの残ることがあって、なかなか加減が難しいですが、ばっちり美味。

生姜や酒に頼らない丸の煮物椀。すっぽんの玉子でなく、鶏さんの卵黄。
珍味がぽつぽつと三種。蒸しただけというアンキモ。包丁でたたいた海鼠腸。常備の鯛皮。
寝酒(?)まかない酒(?)の「田酒・純米大吟醸・斗瓶囲い」を少し飲ませてもらう。やっぱり田酒もいいなぁ。
〆のごはんには、芙蓉蟹?カニ玉?天津飯?蟹オムレツ?オムライス?ピーナッツ油でふわふわに仕上げたカニ玉をご飯にのせ、あんかけ。見た目はオムライスの餡かけです。隠し味に酢を使っているというけど、わかんないほど微妙。贅沢に使ってある蟹が旨いこと。蟹・玉子・餡が渾然一体。
珍味で蟹味噌。

白玉を使って、イチゴ小豆の組み合わせは「イチゴ大福」ではなく「イチゴ小福」だそうだ。


今日も呑んだような気がするが、快調。いつものように鯖寿司持ち帰り。

平成20年12月26日
晩ご飯は「祇園にしむら」。お隣がリフォーム中で、路地を間違えたかと思った。カウンターは満席。満席だけど、昨年より減収だそうだ。カウンターの後ろは珍しく絵ではなく、池田遥邨の揮毫の「寿山福海」。
  • ゴマ豆腐
  • お椀が、牡蠣真蒸、白菜、軸菜、金時・松葉柚子
  • お造りが、鯛、昆布〆の鯛、戸井とボストンのマグロのトロ
  • 鯖寿司
  • 八寸には、ナマコ、湯葉の揚げ団子、アンコウの肝、カラスミ、慈姑の揚げ団子
  • にゅうめん、シイタケ、金糸、軸三つ葉
  • ぶりの照り焼き、菊花かぶら
  • 自家製のこのわた
  • 蟹の身、蟹味噌、柿ナマス(大根・きゅうり・人参・水前寺海苔)
  • 揚げたエビ芋と大根の炊き合わせ
  • 白ごはん、香の物、止め椀
  • いちご・洋梨の生クリームかけ
今日は「七本鑓・大吟醸・斗瓶雫取り・全国新酒鑑評会出品酒・山田錦精米歩合50%・協会1401号酵母」を呑む。リンゴのような香りと甘さが最初感じる。でもキレがいいので、サラとした喉越し。
ゴマの香りの高いゴマだれ。すべすべのお豆腐。
お椀は、初めてという牡蠣真蒸。銀杏。牡蠣独特の臭みを消した出来栄え。

お造りは、マグロと鯛。鯛は3日目の昆布〆と2種類。いつも昆布の〆方には苦労していて、どうしても昆布の旨味が強すぎるきらいがあるが、今日は格別。昆布の苦みや香りがなく旨味だけが十分に鯛に移っております。しかもムチムチ。生も美味しゅうございます。脂たっぷりの旨味のボストンと、赤色の強いのは香りのいい戸井産。
千枚漬けをまいた、例の鯖寿司。
八寸には、3種類の壺々。湯葉の団子は揚げて出汁に浸してある。慈姑の団子はドーナッツ風。あんこうの肝にはたっぷりの葱。
覗きのお椀はにゅうめん。
絵皿は鳳凰?とても鮮やか。最近上がり始めた氷見のぶり。実に旨そうなテリです。通常は味噌漬けにして出しているそうだが、照り焼きにしてくれます。まだ入荷できない場合を考えて、味噌漬けにしているのでしょうか。「にしむら」にしては大きいポーションにびっくり。甘い焼き誰とぶりの脂がいい味。
量が取れないというので、貴重な自家製のコノワタ。淡い塩梅だが、口の中で香る海鼠腸の味は、薄味ならでは。ただ日もしはしないでしょうねぇ。

酢の物は、柿ナマスに蟹。もちろん津居山。
野菜は、たっぷりの海老芋。
白いご飯。
シンプル水菓子。


平成20年11月25日
晩ご飯は「祇園にしむら」。祝日の昨日も営業してはったそうです。御繁盛の様子。というかこの時期は満席にならないと・・。
  • ごま豆腐
  • お椀が、蕪蒸し、牡蠣、焼き鯛、百合根、ワサビ
  • お造りが、トロ、鯛、いか、大根のつま
  • 鯖寿司
  • 八寸には、湯葉の揚げたんを炊いたん、いくら醤油漬け、慈姑のお団子・カラスミ・揚げ銀杏
  • 鯛のあら焼き(かまと中骨)、菊花かぶら漬け、スダチ
    • 鯛皮の醤油漬け 
  • 丸ニュウメン、すっぽん、卵黄、白髪ねぎ
  • 蟹、カニ味噌かけ、柿、水前寺海苔、大根・胡瓜・人参の甘酢漬け
  • 淀大根、海老芋の白みそ仕立ての煮物、白菜の千切り
  • 白ご飯、マグロのお刺身、味噌汁、香の物
  • 水菓子がラ・フランス
今宵は「早瀬浦・大吟醸・金賞受賞酒・山田錦精米歩合40%」というのん。リンゴやマスカットの混じったような香り。味も乗っている。
いつののゴマ豆腐は、乾山写しの紅葉の絵付の碗。滑らかな豆腐。コクのあるペースト。
お椀に、蕪。カツオがほのかに香るはんなりした優しい吸い地。緩やかな吉野仕立てが、味を和らげるかのよう。蕪には珍しい(?)牡蠣。香ばしい焼いた鯛。今年は(大きいサイズの)「ぐじ」がええ値段をしているらしい。
お造りには、ボストンのマグロ。明石の鯛。とっても美味しい部分を頂きました。半七作の乾山の龍田川の向皿。カウンターでも紅葉が眺められるのは季節。カウンターの後ろの絵も紅葉である。
おきまりの鯖寿司。当然、お持ち帰りに一本。

八寸は3点。寝かして1年のカラスミ。辛い塩分も円やかになる熟成度合。一年ぶりの慈姑のお団子は、いわば、ドーナッツ風の食感。いつもながらイクラの漬け醤油が旨い。
お隣さんたちと異なるのは、前に出したからという理由で(日記も役に立つ)で、鯛のカマと中骨を焼いたん。今日も骨だらけにしてあげます。鯛の鯛が二枚。ボウルに一杯用意されている鯛皮が壺壺ででる。季節がら「氷見のぶり」に変えたいそうだが、氷見であまり上がってないんだそうだ。九州産でなく、あくまで氷見が欲しいという、頑固さ。
すっぽんのお椀。癖のない吸地。お酒や生姜の香りを期待するとハズレですけど、じんわりと素直なお出汁。
今日は、蟹足をそのまま出すのではなく、一仕事。例年なら、蟹味噌は珍味で別に出てきたけど、今日は合体。津居山。柿も合わせて、いつもはお造りに合わせる甘酢の野菜も、合わせてひと工夫してあります。派手な校趾の器が続く。
野菜の一品が、淀大根と海老芋。大根には辛子。海老芋は冬の主役やなぁ。甘めの白みそが根菜に旨味を足していると思うのですが、いかにも京風。関西人の舌にはいいと思います。やはり、寒くなってくるとこういう甘味が美味しく感じられるようになってくる。上に乗っているは、白菜の芯。葉っぱはどこいったんでしょう?

ご飯に、マグロ。
水菓子がラ・フランスを、珍しく切っただけ。

今日は、とても賑やかなカウンター。堅苦しいカウンターでないというのが、元ちゃんの人格ならではの客筋ということでしょう。


平成20年10月15日
お昼に、「にしむら」のお寿司の竹紐を解く。
雑誌で見た記憶では「焼きアナゴ」のようだったけど、むちゃの好みの「煮アナゴ」だ。トロンとしたアナゴと寿司飯との間には、京都人も大好物の山椒。一本のお寿司に何本かのアナゴが使われております。数えるのを忘れちゃうほど、舞い上がって食べちゃう。
雑誌から問い合わせが、当たっ時は「お弁当」の取材だったそうだが、かねがねお弁当は「兄弟子にあたる菱岩さんの仕事を取ることになる」ようなことを言って、断ってはりますが、その代りにしょうがなしに提案したのが、この二つのセットだったという。チョー隠れメニューとして注文はあったそうですが、まさか、使われないと思っていたにも関わらずハレの雑誌の舞台に出ちゃったんですなぁ。そんな事情があるにもかかわらず、壺にはまりそうなアナゴ寿司です。
鯖寿司は、もうほとんど専業店といってもいいくらいですから、外れがない。

平成20年10月14日
晩ご飯は「祇園にしむら」。
三連休明け、満席。もう紅葉の絵が掛かる。
  • ゴマ豆腐
  • お椀が、鯛の潮、柚子
  • お造りに、トロ、鯛、イカ、甘酢大根、きゅうり
  • 鯖寿司(八坂の雪)、甘酢生姜
  • 八寸には、紫頭巾・揚げ銀杏・栗蜜煮、湯葉真蒸射込みのイカ、春菊と松茸のお浸し、いくら 
    • イカの鯛の肝和え
  • 焼き物が鰆の西京漬け、菊花蕪、すだち 
    • 鯛皮の醤油漬け 
    • アワビの練肝
  • 松茸とハモのお椀、柚子
  • かぶら蒸し(あわび、はも、ナス、百合根、里芋)
  • 鯛茶漬け、伏見とうがらしとじゃこの炊いたん、香の物
  • 梨と柿、栗餡、白ワインジュレ
田酒・純米大吟醸・百四拾精米歩合40% 」を呑む。柔らかな甘みは流石だ。
定番のゴマ豆腐。
お椀が、潮。潮の時は、いつも目の玉が飛び出してるような記憶。鯛の旨味が活きるように淡い出汁。身がほぐれるごとにお出汁がどんどん旨くなる。
お造りも、いつもの組み合わせ。
先週、京都を歩いていたら、漬物屋に並んだ千枚漬けを見て、期待していたのが、ここの鯖寿司。ちゃんと千枚漬けバージョンになっております。鯖の脂と香りに千枚漬けの甘酸っぱさが加わっているのですが、本当によく閃いたものです。
昨今、珍しい飾り気のないハ寸。店の個性が出て、楓の一枚もない。なければないで気にならないから、不思議なもの。新作は、イカに射込まれた湯葉真蒸。見ていると淡いイカ月環かと思ったけど、それにしては厚みがあるなぁとおもっていた。柔らかだから薄く切れないんだ。出汁の浸みこんだ湯葉がとても上手く・旨く出来てます。

酒の肴に出てくる珍味のひとつ目は、イカを鯛の肝でグリグリ練ったもの。
焼き魚は、初めて取り組んだという味噌漬け。今日はサワラ。日曜・祝日を挟んでいつ漬けこんだのか不思議だったけど、6時間の浅漬けだそうだ。そうとは思えない旨さ。サワラがもう別の魚になった感じ。幽庵さんも偉いけど、最初に味噌に漬けた人も偉い。
酒の肴に出てくる珍味のふたつ目は、鯛の皮。これももう定番?
酒の肴に出てくる珍味のみっつ目は、アワビの肝。これはもう定番。それとアワビが用意されているというサインでもある。こなれた塩梅が旨い。
中椀にハモと松茸。もうそろそろハモも松茸もお終い。食べ進んできて、淡いお出汁に出会うと、舌がリセットできるというか、緊張感が緩むというか、一息つけるというか・・・。焼き物や珍味の後0に、うれしい味わい。
こんもりした白い塊は、かぶらだそうだ。もうかぶら蒸し。走りのかぶら。近江かぶら。冬のかぶら蒸しとは異なり、ハモ!ナス!アワビ!と夏の名残の具材。アワビの旨味と蕪の甘味。コースの最後まで微妙な味わいのあんかけ。

おなじみになった鯛茶漬け。
水菓子。

食べお会わって「久保田・大吟醸・万寿・精米歩合35%(03年製・にしむら押入れ熟成)」を一杯。かすかに色づいて、嫌みのない後味のいい熟成香。磨いたお米の端麗な酒は熟成させても軽やか。
お持ち帰りに、いつもの「八坂の雪」、婦人雑誌に出ていた「穴子寿司」。


平成20年9月16日
晩ご飯は「祇園にしむら」。
不矩先生の大輪の黄菊の扇面画がかかるカウンター。
  • 胡麻豆腐
  • お椀が、ハモと松茸、青柚子
  • お造りは、鯛、トロ、イカ・・・鯛の昆布〆
  • 鯖寿司
  • 八寸には、イクラ醤油漬け、松茸と菊菜・黄菊、銀杏の素揚げ
    • タコ・きゅうりの三杯酢
    • じゃこ唐辛子
    • イカの鯛肝和え
  • かますの焼き物、煮栗、酢取りレンコン、すだち
    • 鯛の皮の醤油漬け
    • 鮑の肝ペースト
  • ハモと松茸の茶碗蒸し、百合根、粟麸
  • 炊き合わせが、アワビ、揚げ小芋、万願寺、ナス
    • カラスミ
  • 松茸フライ丼
  • 梨のワインジュレとイチジクの栗餡がけ。
一杯目には「立山・純米大吟醸・雨晴・精米歩合39%」を頂く。きりっとした口当たりで香りは控えめ。少し温まると味が膨らみそう。一般的な表現を使うと辛口。
永楽の菊の模様の丸い黄校趾にゴマ豆腐。

2杯目からは「黒龍・大吟醸・龍・山田錦精米歩合40%」。穏やかな丸い味に、さらりとした喉越し。もっと磨いた高精白の黒龍は「痩せた味のない」イメージがあったが、見直した。
お椀は、ハモに松茸。細かい骨切りはいつも感心。こまかやな骨切りの間が出汁で膨らんで旨みたっぷり。いつになくカツオ出汁の酸味が喉から湧き上がってくる感じ。松茸は中国。
半七の乾山写し、秋草向付の器に、スペイン産の地中海マグロ、鯛、いか。どこも鯛が旨くなってきている。台風の影響は木曜日あたりから出るかな?
いつもの鯖寿司だけど、竹泉の絵付けが美しい。気温も下がってきたので、久しぶりの持ち帰り1本。

八寸は、酒の肴。イクラの魚卵臭みのない漬け具合は、毎年関心。柔らかなイクラ。揚げたての銀杏。菊菜と松茸は温故知新的復活の一品(?)
ポンポンと酒肴が出てくる。タコを薄く松葉風に薄造りにして、(厳密には違うようだが)三杯酢。そういえばジュレのタコ酢も最近ご無沙汰だ。「ろくべい」の楓の小皿。これもシンプルだけど、お洒落。
伏見トウガラシとジャコの一品。
改良・発展中という肴は、鯛の肝で会えたイカの肝造り。十分旨いよ。

緑校趾に焼き物はカマス。とってもふっくら焼き上げてあります。脂を回すように感覚で焼くそうである。甘い栗と、すっぱいレンコン。
間間に酒の肴を挟んでくれます。利用しないので初めて聞いたようだが、カウンターだけ?定番になった、鯛の皮とアワビの肝。
面白い器は茶碗蒸し。織部風の色合いだけど、形は「うづくまる」?中身はハモに、松茸に、麩に、百合根。考えてみれば最近は餡をかけたりして、玉子と具材で作ることが少なくなったようにおもいますな。
炊き合わせは、アワビ、揚げ小芋、万願寺、ナス。ここのところ揚げ茄子は出していたけど、ナスを炊いたんは10年ぶりぐらいだという。冷やして味を含ませたナスであった。ねっとり小芋。ようやくイモに出会えたぁ!。2階の座敷から月は眺められないそうだが、軸は名月だそうだ。
ちょびっとカラスミ。
数年前に(一部雑誌で)話題になった、松茸フライのごはん。記憶ではウスターソースだったと思うが、ウスターソース風にしてあるという。すぐにメニューから外したという当時のフライを食べていないけど、ご飯に絡んでも違和感のない和風ソース。フライも色合いから見ると、きっと仕事がしてあるんでしょう。

唐津風の片口にデザート。イチジクにかかった栗のペーストは、焼きものの付け合わせにでた栗のようだ。


平成20年7月24日
晩ご飯は「祇園にしむら」。福田平八郎のアメンボの絵は「泉」だそうだ。カウンターはゆったり、全員一人客。
  • ゴマ豆腐
  • かぼちゃのすり流し椀、たたきオクラ
  • お造りが、とろ、たい、いか
  • 鯖寿司
  • 八寸には、ハモの子の玉子とじ、イチジクとサンドマメのお浸し、黄身酢干瓢、枝豆のかき揚げ、トウモロコシのかき揚げ
    • 鯛の皮の醤油漬け
    • カラスミ
  • 炊き合わせが、あわび、冬瓜、焼き万願寺、ズイキ、白瓜、しょうがの天盛り、あんかけ
    • アワビの肝
  • 太刀魚の照り焼き、煎り豆腐、茗荷、ネギ
    • 鯛の昆布締めの大徳寺納豆和え
  • ハモと松茸の止め椀
  • 白ごはん、トロの漬け、赤だし、香の物
  • もも、マンゴ、白ワインジュレ
今日のお酒は「醸し人九平次・大吟醸・出品酒・山田錦精米歩合40% 」。
先付けが、いつものゴマ豆腐。夏らしくあっさり目の風味。
初めて提供したという、冷たいお椀。カボチャをすり流した出汁。出汁を活かした薄めのカボチャ。ポタージュっぽいのはよくあるけど、一味違った味わい。緑のンはオクラを叩いたん。

お造りには、勝浦のマグロ、淡路の鯛、やりいか。胡瓜と大根。
鯖寿司。夏の鯖も好き。持ちかえりと言いたいところだが、夏は止めておきましょう。大丈夫とは思うけど、食中毒は怖い。
八寸に、新しいのは、イチジクとサンドマメのお浸し。イチジクがシンプルにお浸しというのも、珍しい。味の濃いかき揚げ。ちょこちょこ酒の肴が出てくる。すっかり定番の鯛皮。
炊き合わせは、冬瓜とアワビ。もう賀茂ナスは封印したそうである。白瓜にはちょっと芯が残ったような煮加減。火が通ってる方がいいな。餡かけは相変わらずいいお味。壺壺ででてくるアワビの肝と一緒にアワビを食べると、たまりまへんなぁ。いつもはお酒で伸ばすところだが、あんかけを入れて溶かして肝を頂きます。アワビの出汁で伸ばすようなものですから、ぷったり。
焼き物は太刀魚。その下に煎り豆腐が隠れていた。ひと工夫の組み合わせ。しっかり昆布締めした鯛を細切りにして、大徳寺納豆を叩いて潰して和えた小皿が出てきた。いい肴。
止め椀に、ハモと松茸を持ってきた。チャレンジャーな献立。天神祭を控えて、値段が高騰だそうだ。ようやく今年初めてのマツタケ。
白鷹」の燗酒を頂く。

白いご飯に、境港のマグロの漬け。香の物に、ちりめんの伏見あまとうの炊いたのが加わっている。
桃とマンゴーが水菓子。

お祭りの間はここも客足がにぶいという。でも8月はもう予約も入って混んでいるようで、昔2月8月は暇という話は、なくなったのだろうか?お盆に5日関お休みするという。


平成20年6月26日
晩ご飯は「祇園にしむら」。一人客の多い日。
  • ごま豆腐
  • お椀が、鯛の潮、輪柚子
  • お造りは、とろ、たい、いか
  • 鯖寿司
  • 八寸には、ジュンサイの酢の物、干瓢の黄身酢和え、白才菜・人参菜・たいらぎのお浸し、枝豆、丸十
    • ハモの子の玉子とじ
    • カラスミ
    • 鯛皮の醤油漬け
  • ハモの鍋、菊菜、玉ねぎ・・・・アワビの練り肝
  • てんぷらは、アワビ、タコ、茗荷、蓮根
  • 焼きナス、万願寺、白ズイキの餡かけ、糸かつお
  • 白ご飯、香の物
  • 水菓子は、佐藤錦、巨峰、マスカット
今宵のお酒は「東洋美人・大吟醸・山田錦精米歩合40% 」。さらっとすっきり。
香ばしさが和らいだ和衣のゴマ豆腐。
お椀が、目玉のこぼれた鯛の潮。すこし臭みが残っております。微妙。

お造りは、沖縄で獲れたという270kのマグロ。鯛とヤリ。
鯖寿司。
前回と変わらないという八寸だけど、ちょっと変わって枝豆。ほんのり黒みがかった枝豆だけどブランド豆ではないらしい。珍味がちょこちょこ間に出てきます。定番になりつつある鯛の皮。あんこうと同じように捨てるところがない?

ぐつぐつの鍋は、はもと菊菜。好みでない玉ねぎが少々。美味しい出汁。出てきたアワビの肝を騙されたと思って、ハモと一緒に食べたり、出汁に溶かして飲んだりするんだけど、旨い。いままでお酒で伸ばしてましたが、出汁で伸ばした方がさらに旨い。
厚目に切った蒸しアワビをテンプラ。タコもだ。出てきた塩は「山椒塩」。絡みに香りが加わって、てんぷらを旨くしている。贅沢なアワビの切り方。
淡い味のあんかけ。淡い味が、お腹にも優しく胃に収まる感じ。

白いご飯、香の物、止椀。炒めたおかず一品。仁鶴風にいえば「おいしかるかる〜!」
水菓子。

ハモの棒寿司「祇園ばやし」を今年も頂いて帰る。


平成20年5月27日
晩ご飯は「祇園にしむら」。
カウンターの後ろは「堂本印象」。
  • ごま豆腐
  • お椀が、はも、たたきオクラ、青柚子
  • お造りは、マグロ、鯛、いか、甘酢大根、きゅうり、ワサビ
  • 鯖寿司、しょうが
  • 八寸、うすいエンドウ・冷出汁、たいらがいと人参菜・白才菜のお浸し、ジュンサイ、干瓢の黄身酢、子持ち昆布、丸十
    • 鯛の肝
    • 鯛の皮の漬け
    • カラスミ
  • 揚げものが、鮎、新玉ねぎと茗荷のかき揚げ、ソラマメ
  • アワビとタコに三杯酢ジュレ、練り肝
  • 賀茂ナスのあんかけ、ネギ・茗荷・紫蘇、生麩、鯛の子
  • 白いご飯、マグロの漬け、味噌汁、香の物
  • マンゴ、
今日のお酒は「松の司・大吟醸2007 classic・山田錦精米歩合35%・金沢酵母・4合瓶限定1860本 」にした。松の司らしさに深みが加わったイメージ。
いつものゴマ豆腐で始まる。
今日から「はも」を使い始めたという。国産だけど、脂も十分感じるし、今年初めてという割にいつも通りに細やかな包丁で、ハモ饅頭のよう。昆布の薫る出汁が浸みこんでとっても美味しいハモ!シンプルにオクラだけ。潔い構成。

お造りは「清風」印。舟の側面には波頭が描かれていた。勝浦で上がったマグロは、夏の肉質。いつも安心の鯛。珍しいイカ。
鯖寿司の青い皿は「真葛」の印。鮮やか。今日は、お持ち帰りなし。脂の乗る秋から冬にはない、鯖の香りが味わえるこの時期の鯖も好き。
八寸の皿は「道八」。お浸しの舟皿の「楽」。薄く切られて焼き目をつけたタイラギは、お浸しに味をプラスするための工夫。主役は野菜。復活の干瓢だけど、和え衣は甘柔らかになっている。緑かかった新芽のジュンサイ。ウスイを浸した出汁の微かな甘味がいい。
別にでてくる鯛の肝と鯛の皮。肝は湯引きでポン酢。旨いものです。

鮎の揚げもの3匹。から揚げじゃなく、片栗粉だそうだ。もうしっかり苦いし、結構大きい。卵の香るかき揚げ。玉ねぎが甘い。
久しぶりのタコジュレ。おまけに、でかいアワビ。端っこの部分だけどコリコリむちむち。アワビが出始めると、肝もでてくる。加減も安定してきたそうだ。
お椀に、賀茂ナス。揚げて焼き目が付いている。また出汁が微妙な味わい。ここで濃い醤油餡だったら、お腹に負担が大きいけど、薄い薄い味わいの餡は、ナスの旨味を引き立てている。去年はアワビだのアナゴだの旨味たっぷりだったけど、これもグッドテイスト。
白いご飯におかずは「マグロの漬け」。刺身定食って感じ。
デザートはメキシカンマンゴ。器はマイセンだった。


平成20年4月25日
晩ご飯は「祇園にしむら」。昨晩とうって変わって暇(静かと言うべきか)というカウンター。
カウンターの背後の絵は「不矩」の舞妓さん(?)。インドに傾倒する前の作品だそうだ。
  • ゴマ豆腐
  • お椀は、鯛ニュウメン、錦糸、木の芽
  • お造りが、大トロ、鯛、鯛の昆布〆、サヨリの昆布〆
  • 鯖寿司
  • 八寸には、サザエに「ふきのとうのてんぷら」、ぼんぼりに「タケノコの木の芽和え・土筆の穂」、子持ち昆布、ホタルイカ、空豆
    • 鯛の子と鯛皮の漬け
    • 鯛の白子
    • アワビの練肝
    • ちりめん山椒
  • 焼き物は、鱒、酢レンコン、茗荷甘酢、おろし、レモン
  • 湯葉の餡かけ・あわび・揚げ生麩、ウニ、鯛、ワサビの天盛り
  • 炊き合わせが、タケノコ、揚げ長芋、ふき、木の芽
  • 鯛茶漬け、香の物
  • マンゴ、イチゴ・生クリーム、ジュレ
今日のお酒も東一・純米吟醸・Nero・山田錦精米歩合49%・9号系酵母・Alc13度・限定品。きっちり冷えていると、オレンジのような香りと甘みが心地よい含み香。今日は心地よい酒。
いつもながらのゴマ豆腐だが、ペーストはどうも、印象が違うときがある。今日は香ばしさが強い。

5月の鴨川おどりに合わせて、波に千鳥の椀には、鯛ニュウメン。トッピングの錦糸と木の芽が麗しい。美しい出汁。

お造りが、マグロとトロの定番に加えて、昆布〆のタイとサヨリ。勝浦の約230kgのマグロのブロックから、選ばしてもらった。少し飴色がかった透明のサヨリ。
鯖寿司だけど、まだ千枚漬けがあるんですなぁ。器は高橋道八。雀?
八寸は5点盛り。オーソドックスな料理で、どれも間違いなく美味しい。フキノトウはホロ苦いし、ソラマメは甘いし真っ当ストレートなお味。壺壺で酒の肴が合間合間にでてくる。皮を引いた鯛の皮を集めて漬けにしたのん。蟹が終わってアワビになってから作り始めたという肝。チョコレートのような苦味も感じてしまう。久しぶりに味わうと格別だ。鯛の白子は、蒸しただけで、塩もポン酢も要らないという自信あふれるもの。何年ぶりかの「ちりめん山椒」。ここのは、醤油を使っていないかのような淡い色。
焼き物は鰆。そろそろ脂も落ちてきたかな?という気分。

湯葉の餡かけ。過去にいろいろ湯葉料理にチャレンジしていたなぁと思いだす。餡かけにアワビの味がしっかりで、湯葉のコクとウニの甘味にワサビの風味が加わっております。
薄い色に煮込まれた炊き合わせ。見た目が大事。最後まで箸が進む色合い。お椀の出汁よりも淡い感じの出汁だけど、旨いものです。長イモは片栗粉で揚げだし風になっている。表面はトロッとして中はむっちり。長芋が「芋」だったことに改めて気づいた旨み。
ご飯は、鯛茶。本当の茶漬け。ごま入り醤油につけた鯛から出る旨みで、しっかりした味になってくる。鯛は昆布締めにしたのを使っているそうだ。
フルーツ。

今日も、当然、「八坂の雪」はお持ち帰り。


平成20年3月11日
晩ご飯は「祇園にしむら」。肩を寄せ合うカウンター。
  • ゴマ豆腐
  • 帆立真蒸の碗、若芽、蕨、木の芽
  • お造りが、マグロ、鯛、大根と人参の甘酢
  • 千枚漬けの鯖寿司
  • 八寸は、ワサビ菜・ホウレンソウ・セリのお浸し、赤貝・わけぎのてっぱい、子持ち若芽、カラスミ、ホタルイカ、菜の花の辛子ゴマよごし
  • 鴨ロースト、水菜、アスパラのサラダ風
  • てんぷらが、白魚、レンコン、タラの芽、フキノトウ、レモン、塩
  • カニ玉の餡かけ
  • 炊き合わせが、タケノコ、蕗、大根、水菜、揚げ、木の芽
  • ご飯、止め椀、香の物
  • イチゴ、ジュレ、生クリーム
今宵は「琵琶の長寿・純米吟醸・手しぼり・精米歩合55%」にした。温度が下がると、桃・梅のような複雑な香りと味が入り混じったようなイメージだが、喉に残るのは純米らしい麹の香り。いろんな味が交錯する複雑な味わい。
お決まりのゴマ豆腐。 富貴の碗は、ホタテの真蒸。崩すとホタテの香りが出汁に交じって麗しい。苦味の残るワラビも春めいて嬉しい。若芽たっぷり。
お決まりの、マグロと鯛。先月の中頃のニュースになった、伊根の養殖(畜養)もの。すでに年末にいただいております。
そろそろ千枚漬けも終わりだなぁ。
八寸は、春らしい「てっぱい」や「菜の花」「ほたるいか」。はっきりした味はわかるのだが、風邪のせいか、お浸しの微妙な味はわからへん。ワサビ菜の香りは聞けばなるほどだ。
あたらしい一品は、鴨ロース。「炊きロース」と呼んでますが、「煮鴨」ですな。特製の玉ねぎベースの和風ドレッシングでサラダ仕立て。試行錯誤の一品だそうだ。献立的のもチャレンジな一品で、焼きもの代りだそうだ。そういえば、最後になって、「焼きものがなかったなぁ」と思い出すのだから、十分代わりになっていたということですな。からしを使わないドレッシング。数年ぶりのカモ。

てんぷらは春の定番、白魚。フキノトウも苦くなっている。塩でいただく。
中華風のカニ玉がイメージという、カニ玉餡かけ。いままでなら、蟹の足をポンと出していただけの記憶があるが、最近はひと仕事してあって、好印象。玉子の味もしっかり、蟹の味もしっかりだけど、甘味の残る餡がどうかな?多くのお客さんが丼にしたくなるというのが納得のお味。そろそろ蟹も終わりだなぁ。
炊き合わせは、タケノコと野菜。若芽を使わずに水菜たっぷり。へそまがりな組み合わせが、楽しいところ。味の浸みこんだ大根もおいしい。
ご飯はめずらしく、白いご飯。ちょっとおまけのおかずが出る。ありがとう。
水菓子は、あまおう(?)


平成20年2月7日
晩ご飯は「祇園にしむら」。カウンターに入ればタバコくさ〜い。
カウンター後ろは、遥山人(遥邨)の「雪の清水寺」。ブラボー!
  • ゴマ豆腐
  • お椀は、丸にゅうめん、丸、白髪ねぎ、黄身
  • お造りが、まぐろ、鯛、ヒラメの昆布〆、えんがわ
  • 千枚漬けの鯖寿司
  • 八寸には、たたきごぼう、子持ち昆布、菊鏑、ちしゃとう、イワシの炊いたん、カラスミ、ナマコの薄切り、いくら醤油漬け、このわた
  • ネギま鍋
  • 蟹の三杯酢ジュレ
  • 焼き物には鯛のハマグリ餡かけ、蛤、鯛の子、ほうれん草
  • 雲子の天ぷら、レンコン揚げ
  • 炊き合わせが、タケノコ、ニンジン、ふき、聖護院大根、レンコン、軸菜、黄柚子
  • ご飯、香の物、赤だし
  • 洋ナシとイチゴ、生クリームと小豆
今日のお酒は「東洋美人 大吟醸 斗瓶囲い 全国新酒鑑評会 出品酒 限定品・山田錦精米歩合40%」というのん。常温では甘味があるが、きりりと冷えると快適な飲み心地。
いつものゴマ豆腐は乾山写しの菊の鉢。今日のゴマペーストはこんがり風味。
椀は、マルの香り。マルとエンペラ、ニュウメン。 扇の器に、お造り三種。いつもよりヒラメが増えている。昆布で〆過ぎてネチネチ。加減が難しいねぇ。
定番の千枚寿司。甘酢の生姜。
八寸には、正月風でもあり、節分風でもあり・・・

本日の注文は、はじめての「ねぎま」。ぐつぐつの鍋で出てくるトロとネギ。素晴らしいお味の出汁。トロでなくてもカモでも旨そう。
蟹の料理はひと工夫。足の付け根の部分をかき集めて、お得意のジュレでまぶした上に蟹足を乗せて出てきた。蟹酢をジュレにしたようなもんだと思えばいいかな。シンプル。ありそうで見かけない工夫だ。
焼き物は、このとこの一押しの焼き魚の餡かけのバリエーション。この前は鰆だったと思うが、今回は鯛の身を使って、上に掛けた餡かけはハマグリの旨味たっぷりの餡。
雲子のてんぷら。天つゆ。
炊き合わせには、もう筍。甘い聖護院の大根。精進な炊き合わせ。

久しぶりの白いご飯。
水菓子には、洋ナシとイチゴの上に生クリーム。小豆を散らした和洋折衷のデザート。洋ナシと合わさって、初めての味。

いつものように、鯖寿司持ち帰り。


平成19年12月25日
晩ご飯は「祇園にしむら」。カウンターの後ろには「遙邨」。
  • 胡麻豆腐
  • まる鍋、大根、ネギ
  • お造りは、トロと鯛
  • 鮒寿司
  • 鯖寿司
  • 八寸は、柿なます、ナマコ、唐墨・銀杏・慈姑団子
  • 炙ったばちこ
  • 焼いたぐじの頭の酒蒸し、柚子
  • 蟹味噌
  • 牡蛎の天ぷら、蓮根チップ
  • ぐじの骨に出汁を注いだん
  • 蟹足
  • 炊き合わせが、海老芋、カブラ、金時人参、軸菜、柚子
  • 白いご飯、マグロの漬け、味噌汁、香の物
  • 柿のムース、苺、生クリーム
今宵は「松の司・純米大吟醸2005・愛山精米歩合40%・熊本酵母・4合瓶限定450本」というお酒。
定番胡麻豆腐。ほどよく美味しくなった。
椀かなとおもったら、鍋。グツグツ沸き立つまる鍋。ここしばらくスッポン食べてないとチェックしてくれていたのだが、2日連続のスッポン。お肌ツヤツヤになっちゃうよ。お店によって随分と味わいも違うもので、あっさり。それでも暖まる。
定番、トロと鯛。皮も一緒。マグロは伊根のん。350キロって言ってたかな。ブロックをサク取りする前に、撮っておく。キレイだなぁ。このところ時化続きで、鯛も不足だそうだ。その割に旨い。
他のお客さんが、「鮒寿司が好き」と言えば、出てくる。用意してあるのがエラい。
定番鯖寿司。お決まりの持ち帰り。
八寸は、柿なます(大根・人参・岩のり・柿・ごま)。ナマコには茶振る必要がないほどの薄さ。両方とも飲み干せる、ねっとり唐墨・ほっこり銀杏・ほくほく慈姑団子
酒の肴がポロポロ出てくる。肝臓の休む間がない。炙ったバチコは肉厚で、しっとりとした食感で旨い。間違いなく珍味に強い。いい物には妥協がない。
蓋付きの大皿。蓋を取るとぐじ!頭!微笑んじゃいます。焼いた頭を酒蒸しにしてあり、香ばしさが加わわる。出汁と酒の肴の旨味でほのかに甘く感じる煮汁もとっても美味しく出来上がっている。骨だらけにした後は、出汁を加えて出てくる。二番煎じなんだけど、骨からはまだまだええ味が出てくるから不思議。
青いタグの付いたカニ。目に前でほじくって、猪口にカニ味噌を入れて出てくる。
牡蛎の天ぷら3個。日本料理らしくフライじゃない。牡蛎のアクを取るために下茹でしているのだそうだ。
青いタグの付いたカニの足。
松の司を呑み切ったので「田酒・純米大吟醸・斗瓶取り(鑑評会用吊り下げ雫)・山田錦精米歩合40%」を頂く。今年の12月出荷分。味見させて貰った格好。山田錦ならではのキレイさ。
お椀で出てくる炊き合わせ。海老芋は揚げずに煮含ませるのが、この店ならではの仕事。この日3つ目の汁物だが、それぞれに味わいが違う。お腹タプタプ。 少しだけ残っているという「究極の花垣・大吟醸・山田錦精米歩合35%」も味見。
マグロを漬けにして、「おかず」にしてご飯。軽く頂く。
円やかな柿のムース。
テアニンの甘さたっぷりの緑茶がまた旨いので、お腹タプタプ。


平成19年11月16日
晩ご飯は「祇園にしむら」。東福寺管長揮毫の「清秋」が掛かる。カウンターは一杯だったが、早いお客さんばかりで、後はゆったり。
  • 乾山写しの半七の器に胡麻豆腐
  • 椀は鯛の潮汁
  • 乾山写しの竜田川は半七に、鯛と鮪、大根のけん
  • 魯山人写しの楓の器に、鯖寿司
  • 青磁の八角皿の八寸、牡蛎なます、イクラ醤油漬け、銀杏、栗の甘煮、揚げ慈姑団子
  • 壺壺にコノワタ
  • 鰆と巻繊、焼き海胆のあんかけ
  • 中挾に鴨の治部煮風吸い物、大根、焼きネギ
  • 壺壺に蟹みそ
  • 松葉蟹
  • 炊き合わせが、海老芋と揚げ真蒸、振り柚子
  • ご飯、マグロの漬け、アンキモの止め椀、香の物
  • 水菓子が、ラ・フランス、柿にマロンクリーム
今宵は救出した「銀嶺月山・大吟醸・安達杜氏最後の醸し(鑑評会出品酒)・特別限定品」。裏のラベルに杜氏の最後のシーズンのお酒だとか、泣かせてくれるので、店ざらししてはおけないと、救済してしまったのだ。際だつ香りもなくバランスの取れたお酒。キレもいいし、美酒。
バックに乾山の文字が、書かれた半七の鉢に、胡麻豆腐。まろやかになった。
鯛の目玉に睨まれる潮汁。出汁もしっかり濃い味。
お造りも定番。米子でも獲れるのだそうだ。珍しいのかつらむきした大根のけん。これも半七。
千枚漬けの鯖寿司。甘酢生姜。作者は分からないけど魯山人写しだそうで・・・。

青磁に八寸盛り。慈姑の団子は前に出たかな?慈姑とは思えないほどの甘味。ほっくほくの食感。「柿なます」とは違う「牡蛎なまず」。加減酢に浸した牡蛎は蒸し焼き。短冊の大根・人参やらを使っているので、刺身のツマには使わなかったという。
ボンボリの器に、コノワタ。熟れたもので、辛さなどなく円やかな酒の肴。
焼き物なんでしょう・にお得意・巻繊を乗せた蒸し物風でもある。上に炙った海胆が旨さを加えてとってもイイでき。薄味のあんかけ。
ボンボリの器に、蟹味噌。
いつもより多い目の。津居山港。沢山獲れているのか、買う人が少ないのか、例年よりお手軽な値段になっているそうだ。
初亀・純米吟醸・亀丸・特別栽培五百万石50%精米」を試飲。静岡らしいと思わせるバナナやマスカットの香りだが、キレイに消える香りで、好きだ。
炊き合わせが、海老芋と揚げ真蒸。見るからにヒロウスなんだけど、フワフワで「明石焼き」のような舌触りと旨味。玉子真蒸?

ご飯は白いご飯に、おかずがトロの漬け。お刺身定食ですな。ワインで酒蒸ししたアンキモを溶きほぐした濃厚な赤だし。そういえばどこか途中で「平目の昆布〆の握り」と「鯛の握り」が出たような・・・。
菊の葉の緑交趾で水菓子。

年内60日まで営業と頑張る。
鯖寿司1本、お持ち帰り。


平成19年10月9日・火
晩ご飯は「祇園にしむら」。排水溝の工事がうっとしい。
秋野不矩の菊の扇面の掛かるカウンターは、無理の言い放題。
  • 胡麻豆腐
  • お椀は、松茸とハモ、糸柚子
  • お造りは、マグロと鯛
  • 千枚漬けの鯖寿司
  • 八寸には、銀杏、紫頭巾、栗甘煮、バチコ、唐墨、湯葉真蒸のイカ月環。いくら醤油漬け、イカの巻繊鋳込みの月環、アワビの練肝
  • 鯛の巻繊蒸し、松茸、あんかけ、振り柚子
  • マスカットと南京のおすまし
  • 炊き合わせが、穴子、蓮根揚げ饅頭、里芋、水菜。お揚げ
  • アワビ出汁巻き、ごはん、止め椀、香の物
  • 巨峰、廿世紀、栗のサバイヨンソース
今宵は「東洋美人・2007・純米吟醸・山田錦50%・勝沼醸造甲州ワイン樽貯蔵」を呑む。ワインの残り香か樽香かよく分からないけど、甘さが特徴的。クドくはないが余韻の残る甘さ。クドくないのは酸味が和らげているかな?でも、食べるウチに、呑むにつれて甘さは消える印象。この醸造所では「東一」「御湖鶴」も樽熟成を行っているのだが、ともにもともと甘さを感じる酒だけに、出来を疑ってしまう。
いつもの胡麻豆腐も、だんだん色濃く、香ばしくなってくる感じ。やりすぎると苦みとか出てくるんじゃない?
お椀は、秋の定番。ハモと松茸。
いつものお造り。大間のマグロ。大間とはいえ、夏のマグロは脂肪が少ない。台風の影響か、鯛は品薄?
大藤さんも千枚漬けを発売しはったようで、鯖寿司も衣替え。言わずもがな、お持ち帰り。

緑の交趾の八寸。1年ものの唐墨のまったり感がいい。ふっくら焼き上がったバチコもいい食感。始めての挑戦(?)は、トロンとした湯葉真蒸を烏賊に鋳込んだ月環。烏賊もびっくりする程、柔らかい。本当は「巻繊」を鋳込むそうで、それも食べさせて貰う。イクラは別の壺壺。アワビの肝も別で出てくる。永楽。
焼き物代わりで、巻繊蒸し。本来は「サワラ」を使うそうだが、今日は「鯛」。鯛で巻繊を挟んで蒸し上げたあんかけ。松茸を添えて出てくる。半七。
驚きの汁物。マスカットと南京のおすまし。経験のない味は、何とも言い難いけど、不味くはない。万人には受けないだろうな。
炊き合わせは、トロトロの煮穴子。蓮根饅頭。小芋。水菜とお揚げ。出汁は残らず飲んじゃいます。永楽。
ボトルが空いたので「田酒・純米大吟醸・斗瓶囲い」を頂く。

最初は「唐墨茶漬け」という話も出ていたのだが、「出汁巻き+ごはん」に変更。出汁も「鯛」から「アワビ」に変わって、アワビの具入りと、アーヤコーヤ。ジンワリ滲むアワビの旨味がとても美味しい。ざんぐり大振りのアワビは、巻くのが難しいと思うのだが、細かく刻まないのが、ラシイところ。
デザートは、工夫のソース。栗の煮くずれたのんを利用したソースというけど、いい出来。


平成19年9月11日・火
晩ご飯は「祇園にしむら」。芸妓さんらの団扇も片づけられたカウンター。賑やかなお客に挟まれた。
  • 胡麻豆腐。
  • 雲竜富貴の椀には、ハモと松茸、糸柚子
  • 半七の秋草の絵付けに盛られた、鯛とトロ
  • 二代目竹泉の青磁に鯖寿司
  • 八寸には、鱧の子の玉締め、枝豆、巻繊を鋳込んだイカの月環、いくらの醤油漬け、新栗、唐墨
  • 鯛とアワビのにゅうめんも半七の皿
  • アワビの練肝
  • 白味噌仕立ての、焼き餅と南京
  • 新銀杏
  • トロの握り
  • 炊き合わせは、松茸、穴子、冬瓜のあんかけ
  • 鯛茶漬け、香の物
  • 二十世紀梨のジュレ掛け
お酒は「七本鑓・雫斗瓶取り大吟醸・平成19年全国新酒鑑評会金賞受賞酒・山田錦40%精米」。すっきりした味は、固いイメージ。
信楽の器に胡麻豆腐。いつもより濃い(?)色は炒り加減の差?。素焼きの信楽に磁器製のレンゲを使うのは、ちょっと気を使ってしまうなぁ。

椀の模様は雲間に飛ぶ龍。蓋裏に「富」、鏡に「貴」。今回はシンプルにハモと松茸。土瓶蒸しよりは出汁の旨さがストレートで、こちらの方が好み。
始めて見る半七の器のお造り。隠し持って、使っていない器がまだあるようだ。鮮やかな黄色、金彩に目が奪われてしまう。北海道のマグロ。鯛はまぁまぁかな。味わって買うわけにいきませんからねぇ。

今日も北海道のマグロ。サク取りするところでマグロのブロックを撮らせて貰った。最近は、買い付けるブロックが大きくなって、いままでは生で使い切るといっていたのを、冷凍するようになったそうだ。それでサク取りして店の冷凍庫にしまい込むという。包丁を真っすぐにいれないと、使い物にならなくなるとかいう・・ても、慣れたもの。

いつもの鯖寿司。昆布も今月までで、来月からは千枚漬けが出始める。二代目竹泉の青磁は、鶯色のように浅い緑がかった色彩。珍しい。だんだん脂も乗ってくる鯖。今日は持ち帰る。
八寸には、新しいところで、いくら、イカ月環、栗。浅漬けと言ってしまったけど、出汁で割った醤油に軽くつけ込んだもので、柔らか。口の中で跳ね回るような感触ではなく、溶けるように、醤油ダレと絡まって旨い。少し玉子が入っていると言うけど、巻繊を鋳込んだイカ。新栗は煮込んで、ほろほろと崩れる柔らかさ。お弁当とは違う、割烹風の、その場で食べるように作られた仕事である。

半七の丸皿に出てきたのは、にゅうめん。鯛のカマとアワビ。にゅうめんはアワビの出汁で煮込まれ、鯛のスープを絡めた、ダブルスープのパスタ風にゅうめん。柚の香りも高く、出汁の味も深い。
お馴染みのアワビの肝も出る。
白だし」と呼ぶ味噌汁。焼き餅。その下に南京。甘さを控えた白味噌に南京の甘味が生きる。
揚げたての銀杏の豆皿。
賑やかなお隣さんの持ち帰りの余りのトロの握り。おおきに。3人で赤ワイン2本をあけて、お土産にお寿司を持ち帰るバブリーなお客さん。
炊き合わせは、松茸、穴子、冬瓜。摺り生姜。
ご飯は、手っ取り早い鯛茶漬け。お得意。いりゴマたっぷり。山葵。
水物が二十世紀梨。じつはむちゃは赤梨の方がお好み。


平成19年8月31日・金
晩ご飯は「祇園にしむら」。カウンター後ろに飾られている扇面は秋野不矩の茗荷。夏らしい。
  • 胡麻豆腐
  • 土瓶蒸し(ハモ、松茸)
  • お造りは、トロ、鯛
  • 鯖寿司
  • 八寸には、アワビの練肝、トリ貝帆立もずくの酢の物、鱧の子、唐墨、トウモロコシの掻き揚げ、枝豆の掻き揚げ
  • 鮒寿司、胡瓜
  • 天ぷらが、松茸、たこ、ハモ
  • 鯛のカマの塩焼き、障子焼き、酢蓮根
  • 鯛の骨に出汁をかけたん
  • 炊き合わせに、賀茂茄子、冬瓜、あわび、海老そぼろあんかけ
  • 鯛茶漬け、香の物
  • 西瓜のゼリー寄せ
今日のお酒は「松の司・しずく斗瓶囲・2006・純米吟醸・竜王山田錦(環境こだわり米)精米歩合50%・金沢酵母・限定360本 」とした。
いつもの胡麻豆腐。
椀は、土瓶蒸しに替わる。ハモと松茸とはいえ、椀で出るときとは味わいが変わる。
お造りはいつものトロと鯛。北海道は大間の対岸に揚がったマグロ。マイセンの皿。

いつもの鯖寿司。
八寸で新しいのは、掻き揚げ?緑の枝豆と黄色のとうもろこし。まだ紫頭巾じゃないだろうと思う。
大盤振る舞い(?)で酒の肴に「鮒寿司」。米がまだ十分熟れてないような食感で塩分がまだとがった感じだけど、臭みのない上品さ。お腹の子も大きい。付け合わせに胡瓜。そういえば、この鮨米で胡瓜(かっぱ)巻きを作るところもあると、鮒寿司屋から聞いたことを思いだした。

黄交趾の皿に天ぷら三種。蛸の包丁に一工夫。柔らかさの中に旨味がジュワッと滲み出るような味。
焼き物は「鯛カマ」。腹の骨と背の骨のアラも焼けば、障子のようになる。骨をせせって食べた後は、お椀に移してあつあつの出汁をかけて旨味を味わいます。香ばしさと出汁の旨味と合わさって、格別。
炊き合わせに、賀茂茄子。少しきつね色に揚がった茄子。海老そぼろの甘味と生姜の風味のあんかけ。焼いても旨い茄子だけど、味の染み込んだ茄子も旨い。
胡麻の利いた鯛茶漬け。
ゼリーで固めた西瓜。


平成19年8月9日・木
晩ご飯は「祇園にしむら」。ゆったりのカウンター。後ろには不矩ちゃんの扇面を額装したもの。団扇も沢山。
  • 胡麻豆腐
  • お椀が、ハモ、松茸、糸柚子
  • お造りが、まぐろ、鯛、鯛の昆布〆、茗荷、わさび
  • 鯖寿司、甘酢生姜
  • 八寸が、帆立・トリ貝・もずくの酢の物、鱧の子の焚いたん・三つ葉、揚げトウモロコシ団子、枝豆、アワビの練り肝、唐墨
  • 鍋が、ハモ、松茸、水菜(?)、すだち
  • 蛸の炒り煮、アワビの出汁
  • 賀茂茄子のあんかけ、アワビ、ずいき、穴子、冬瓜、大根
  • 雑炊
  • 水菓子が桃、ジュレ
今日のお酒は「磯自慢・大吟醸・愛山50%」。ほんのりととけるような甘み。柔らかな口当たりと喉ごし。
お決まりの胡麻豆腐は濃紺の切り子ガラス。
夏用の薄い椀。薄すぎて、歪みが出てちょっと楕円形になっているほど。夏の定番のハモに走りの松茸。糸柚子という柚子の切り方。ふっくらしたハモは、骨切りも細かくお団子のよう。

お造りには、大間のマグロ。鯛は、生と昆布〆。黄こうち。昆布の香りを感じるような昆布〆は〆すぎだと思うのだが、加減は難しい。ねっとりするようでは論外。片面だけ昆布に当てているというのだが、それでも香りが残る。前日に余ったときしか〆ないから出物。昆布〆イコール前日の余りというイメージもあって、好きじゃないだよねぇ。
お決まりの鯖寿司。織部の松竹梅模様。秋から冬にかけて脂の乗る鯖だけど、夏の鯖の身の香りは、〆過ぎては台無しだが、捨てがたいモノがある。鯖が良くなくては、ダメですけど。電話予約の時に女将さんに勧められるので、持ち帰り。「東山」と名付けられた棒ずし。
八寸に、帆立・トリ貝の酢の物。適当に出汁と加減酢を合わせたようだが、不思議とピタリと決まる酢加減。揚げたての甘味の濃いとうもろこし。酒の肴の、練り肝と唐墨。

鍋が出てきて、グツグツのハモと松茸。ここではハモは厚めの骨切り。料理方法によって、変えてくる。出汁は飲まずに残すように厳命!焼き物代わりだという。
三杯酢のジュレの蛸の薄造りの変わりに、アワビの出汁で煮た蛸ぶつ。下津井。フライパンの中で焼かれてぷっくり膨らんで、中は生のような感触。出汁が絡んで、甘味が増す。蛸が固くならないように茹でるのも一工夫だそうだ。ジュレ掛けの蛸は先月出したからとアレンジしてくれた一品だが、そういう気配りって、余り無かったような気が・・。でも最近は、いろんな料理がわき出てくるんだそうだ。
野菜は輪切りスライスした賀茂茄子を揚げて、あんかけ。崩れない茄子もいい食感。あんかけもええ味。茄子の使い方は、東京の方のお店のぱくりだと正直だが、茄子の下には具だくさん。大根だけはアクセントが強いので、無くてもイイナ。
残した鍋の出汁で雑炊が出てくる。これもグツグツ。夏なのに暖かいものが続いて、胃には優しそうだ。実山椒。
水菓子は白桃。

内玄関脇に平八郎の「あめんぼ」、座敷には遙邨の「渓流」、松園の「団扇に蛍」とご立派な名前の絵があちこち。


平成19年7月10日・火
晩ご飯は「祇園にしむら」へ一直線。一番の客。
カウンターの背後は、遙邨の揮毫による「寿山福海」の額。
おうちで充電中のバッテリーをそのままにしてしまって、カメラはあるけど動かず、写真なし。

  • 胡麻豆腐
  • 椀が、鱧、ジュンサイ、柚子
  • お造りが、鯛、マグロ、茗荷
  • 鯖寿司
  • 八寸が、子持昆布、トリ貝と野菜(水菜・三つ葉・菊菜)の加減酢、ジュンサイに割醤油、丸十、枝豆、干瓢黄身酢和え
  • 天ぷらが、焼き子鮎。アスパラガス、イチジク。しお、アワビの練肝
  • 蛸の酢のジュレ掛け
  • 唐墨
  • アワビ・ズイキ・茄子・蕪・穴子の葛煮
  • 鯛茶漬け、香の物
  • 佐藤錦、マスカットofアレキサンドリア、ピオーネ
最初は「醸し人九平次・袋取り大吟醸・(出品酒)・無濾過割水無・山田錦精米歩合40%」。
いつもの胡麻豆腐。
椀には、ハモとジュンサイ。この前はオクラだったのを変えたという。お隣さんは確かに叩いたオクラのようだ。いつもはしっかり丸まっているハモさんが、今日はユルユル。箸を入れると広がっちゃう。厚みのあるハモの団子のような固まりと、伸びきったハモの身とを比べて、どちらがより美味しいと感じるか?徳島産。
境港産のトロ、瀬戸内の鯛。あしらいは茗荷に変わっている。
いつもの鯖寿司。今日は持ち帰りとは伝えていない。

八寸では、干瓢復活。トリ貝の酢の加減と、ジュンサイの割醤油の加減とは好みなんだが、干瓢の酢の加減はキツい。八寸の中で際だつ。枝豆が黒い。黒豆との交配(雑種?)がすすんでいるという。
お得意のアワビの肝もでた。塩加減押さえ気味。バクバク食べれそうな塩梅。
鰯と間違われるという鮎の姿。頭と尻尾、つまり中骨も抜いてあるのだが、実は焼いてから揚げているのだそうだ。一工夫。稚鮎を焼いてから骨を抜くと、ちぎれてしまうとかで、骨煎餅はなし。
酒の肴に唐墨。
久しぶりに蛸が復活。下津井の蛸も甘いけど、ジュレの加減も好み。見ていると、いわゆるダブルソース(?)。京都では半夏生に蛸を食べる風習は聞かないそうだ。
善知鳥・大吟醸・百四拾精米歩合40%」をおよばれ。優しい口当たりは流石。
炊き合わせが、アワビと穴子。どこでも賀茂茄子だから、賀茂茄子を使わないと言うのが好き。煮穴子の味の含ませ方が素晴らしい。

今日のご飯は、鯛茶漬けにしてくれた。昆布締めした鯛に少し醤油をまぶしてたっぷりの胡麻。山葵を天盛り。
葡萄の種類それぞれにゼリーを作っているようだ。安もんの佐藤錦とは全然違うもんですなぁ。

座敷のお軸を見せてもらったが、印象の稚児行列、円山派の長刀鉾とか、季節ならでは。栖鳳・松園の短冊を屏風に仕上げていたり・・・。
今年の夏も「鱧寿司・祇園ばやし」をお願いして、持ち帰り。注文は1尾分から。


平成19年5月22日・火
晩ご飯は「祇園にしむら」へ。
カウンターの後ろには「印象」。座敷には「松園」「紫明」「遙邨」「関雪」をかけているそうである。素晴らしい。
  • 胡麻豆腐
  • 椀が、鱧、タタキオクラ、柚子
  • お造りが、鯛、マグロ、
  • 鯖寿司
  • 八寸が、うすい、子持昆布、唐墨、ズイキの山葵和え、唐墨、トリ貝と野菜(芹・蕗・・・・)のお浸し、ジュンサイ、丸十
  • 天ぷらが、ぐじ、あわび、アスパラガス、空豆、天つゆ、アワビの練肝
  • ヨコワのタタキ、水菜・九条ネギ・新玉葱のサラダ、にしむら風ドレッシング
  • 蓮餅の葛煮、ふき・長芋・麩入り
  • 鯛入りの玉子丼、留椀、香の物
  • マンゴ、マスカット、ピオーネ
お酒は「うらら花・純米酒・しぼりたて生酒・SN(しゃくなげ)酵母」にした。
定番の胡麻豆腐。出なかったことなし。
椀は、やっぱり鱧、これからずっと鱧。
お造りも定番。
定番の鯖寿司。出なかったことなし。
シンプルな八寸。ウスイのお浸しは出汁が入ってないそうで、煎り酒や砂糖の甘味と豆の硬さと香りのバランスが絶妙だ。ジュンサイの出汁も邪魔をしない味わいで、ジュンサイの微妙な草っぽさが残っていた。トリ貝のお浸しもええ味。お客さんの進み方を見て、直前に山葵を和える基本が見られるカウンター。
天ぷらには勿体ない天種。酒の肴の練肝と一緒にアワビの天ぷらを食べるのだが、アワビの肝の塩加減が実にいい塩梅で塩代わりに、他の天ぷらにも合う。空豆、フトッパラガスともに旨し。「にしむらレシピ」の天ぷら油は、サラダオイルに・・・と・・・。油切れが良くなるそうだ。元ちゃんは気にしていないようだが、真似する料理人もいるといけないので、調合の割合を聞いているのだが秘密にしておこう。
タタキとサラダ。洋風にならないように、和風のドレッシングは「にしむら風」。天才的ひらめきのレシピ?元ちゃんは気にしていないようだが、真似する料理人もいるといけないので、調合の割合を聞いているのだが秘密にしておこう。
炊き合わせの椀は、摺った蓮根のお餅?饅頭?、中に生麩とざっくり長芋とシャキシャキの蕗。出汁は葛でトロトロ。癖のない真っ白の新蓮根は、香りの高い出汁の旨さを邪魔しない。精進な煮物椀だけど、穴子を使おうと思っていたとか、
吟醸の「九平次」を一杯だけ頂く。
毎回のように、白いご飯はイヤイヤ言っているので、玉子丼、鯛の身入り。
ジュレのかかったフルーツ。


平成19年3月19日・月
晩ご飯は「祇園にしむら」へ。
久しぶりにゆったりしたカウンターだが、座敷はしっかりのようだ。
カウンターの後ろの絵は、もう桜だ。
  • 胡麻豆腐
  • 椀が、鯛にゅうめん、卵黄、木の芽
  • お造りが、鯛、マグロ、いかなごのくぎ煮
  • 鯖寿司
  • 八寸が、春菜のお浸し・つくし、子持昆布、唐墨、ホタルイカ、菜の花、てっぱい
  • 甘鯛の頭、骨蒸し
  • 炙ったばちこ、煮空豆
  • 白魚、蕗の薹、タラの芽の天ぷら、塩
  • かぶら蒸しのカニあんかけ、蓮根、竹の子
  • 炙った唐墨の茶漬け、山葵、香の物
  • 苺、生クリーム、白ワインゼリー
お酒は「田酒・純米大吟醸・百四拾」にした。
定番胡麻豆腐。
黄身が鮮やかな鯛にゅうめん。削ぎきりの鯛が数枚。綺麗に卵が固まっているのだが、出汁と絡むと味が濁っちゃう感じ。
定番のお造り。季節の話題として上っていた「イカナゴ」がでてきた。滋賀育ちのむちゃは当然ながら食べてきた記憶はないのだが、京都でも馴染みがない食材。いつの間にか、関西中で見かけるようになってきた。今年は少ない・高いで、お店で作ってないそうだが、貰い物といってグラスでちょこっと。トロと一緒に食べると、舌が変わってええもんですがな。神戸の鰻屋さん「青葉」のイカナゴだそうだ。あそこやね。
定番の鯖寿司。年々千枚漬けも早く終わるということだ。その分早くなっているかも。
黒塗りの盆に八寸。水菜・芹・三つ葉・・とか五種類ほどのお浸し。淡い出汁加減。てっぱいで酢みそが出ているから、ホタルイカは、味を変えて、出汁に浸して味付けしてある。
焼き物は、ぐじの頭。食べたあとに、昆布出汁をかけてくれます。昔、
カウンターで鍋をこぼしたトホホの元ちゃんを思い出させる料理だ。もうカウンターでの仕事も終わったようで、喋って呑んでのご主人である。
間間に酒肴がちょろちょろ出てくるが、バチコだったり、空豆だったり。空豆も、出汁に浸してある。日本料理は出汁が命。
油物は、白魚と山菜。
炊き合わせが、かぶら蒸し。貝づくしの柄の椀。細かい蒔絵の細工。まだまだ寒いからかぶら蒸しも嬉しい。蟹のあんかけで豪華。冬の料理の中に竹の子、春が隠れておりますな。木耳とか銀杏とか、省いてシンプル。性格が出ている。
ご飯は、唐墨の茶漬け。炙った唐墨の香ばしさもだか、お茶で柔らかくなった唐墨の食感も好き。
シンプルデザート。

当然お持ち帰りの鯖寿司。


平成19年2月3日・土
晩ご飯に、恵方巻に釣られて別名「胡麻豆腐屋」に向かった。
節分のイベントのせいか、「一力」前は、ごった返している。「お化け」が見たけりゃ、頑張って働いて、座敷に呼びましょう!
  • 胡麻豆腐
  • 椀替わりに、まる鍋
  • お造りが、マグロ、鯛、昆布〆の鯛
  • 八寸が、水菜のお浸し、なまこ、いくら、子持昆布、叩き牛蒡、唐墨
  • 焼き物が、ぐじ、酢漬けの菊蕪、おろし大根
  • 揚げ物が、白魚、蕗の薹
  • 酒肴のコノワタ
  • 炊き合わせは、鯛の子、筍、ふき、大根、蓮根
  • 鯖の巻き寿司(恵方巻)
  • デザート
今日は「磯自慢・しぼりたて生原酒」。やっぱり旨い酒。
変えようのない胡麻豆腐。
お椀は、鍋で「まる」。ネギ。ポカポカする鍋。 お造りは、マグロと鯛。昨日鯛を仕入れすぎたんでしょうか(?)昆布〆。ちょっと〆過ぎで昆布の香りが高い。
変えようのない八寸。
焼き物はぐじ。
揚げ物が白魚と蕗の薹。揚げ油に工夫があるそうだが、忘れた。サクサク感もありーの、ジューシーさもありーの。
壺壺でコノワタ。
炊き合わせには、野菜。
今日は節分と言うことで、巻き寿司が出る。そのため、名物「鯖寿司」はお休み。だけど、鯖を巻き寿司にする。炊き合わせが終わって、目の前で、巻き始める元ちゃん。
焼き海苔にご飯は少なめ、キュウリと、厚焼き、鯖。
半分食べて、半分はお持ち帰り。ほとんどのお客は、半分をお持ち帰りする。ほんのり甘めの玉子と鯖が思ったより、合う。なら、千枚漬けでなくても薄焼き玉子を巻いてもエエかも知れない。

平成19年2月1日・木
夜は3月号の「婦人画報」にも登場の祇園の「鯖寿司屋」へ。
  • 胡麻豆腐
  • 鯛の潮椀
  • お造りが、鯛、マグロ、ぶり
  • 鯖寿司
  • 八寸が、水菜のお浸し、なまこ、いくら、子持昆布、叩き牛蒡、唐墨
  • ブリ大根
  • 珍味のコノワタ
  • 丸にゅうめん
  • 湯葉のカニあんかけ(野菜入りの東寺蒸し?)
  • 鯛の玉子丼、香の物、味噌汁
  • 苺、ヨーグルト小豆餡
お酒は「三井の壽・大吟醸・金賞受賞酒・山田錦40%・自家9号酵母」。
お馴染みの胡麻豆腐。
椀は目玉クッキリ「潮」。カマ。木の芽
お造りには大間のマグロ、鯛、ぶり。
お馴染みの鯖寿司。いま発売中の「ミーツ・225/鮨屋を遊ぶ」の「寿司−1グランプリ」の鯖寿司のベスト5だそうだ。これには「とんど」に出ていた「む田」も出ていた。
まだ、お正月めいた八寸。
お造りで出たブリが焼き物でもでてくる。風変わりなのは、「お大根の炊いたん」が煮汁と一緒に器の中。炊き合わせ風でもあるし、素材の組み合わせから言えば「ブリ大根」だ。照り焼きのブリは、煮汁と合わさって、適度に脂が和らぐ。ブリはブリの旨味を損なわないけど、一長一短なのは大根にブリの旨味がうつらないという事かな。聖護院大根。「主役はどっちだ」という事だな。
スッポン仕立てのにゅうめん。
トロンとしたくみ上げ湯葉の中に、蓮根、ふき、筍、鯛の子。もう京都では筍が取れるようです。あるとこにはあると、毎年のように思う。それぞれに下味が付けられている。今日は、蟹そのものが出ず、変化球で餡掛け。
ご飯は、隠れメニュー(?)の玉子丼に鯛入り。
カクテルグラスで提供されるデザート。

お釣りの500円硬貨を「南極地域観測50周年記念貨幣」で頂く。流石と言えば流石。餅は餅屋。
名物「八坂の雪」は欠かせないお土産。で、酔っぱらった勢いというか、「恵方巻」を予約しちゃった。


2006年12月25日・月
夜は「鯖寿司屋」へ。満席のカウンター。
  • 胡麻豆腐
  • お椀が、蕪蒸しには、ぐじ、煮穴子、銀杏、百合根
  • お造りが、トロ、鯛
  • 鯖寿司
  • 八寸には、子持昆布、唐墨、慈姑餅、いくら、青菜(芹、菊菜、ほうれん草)のお浸し、干瓢の黄身酢和え、ナマコ、このわた
  • 鯛のアラの塩焼き、
  • 丸にゅうめん
  • 松葉蟹、蟹みそ
  • 白味噌仕立ての海老芋煮、ふり柚子
  • 煮穴子
  • 丸雑炊
  • 苺、生クリーム
今日のお酒は「笑四季・大吟醸・斗瓶囲い・山田錦40%以下、アルプス+島根酵母
いつものセサミドーフ。ここでも外国人と遭遇。でも骨董屋さんが案内して、説明してはるので、元ちゃんも、ほとんどほったらかし。なんでも「TIME」のCEOらしい。
お椀が、蕪蒸し。真っ白けで、山葵もなし。銀杏、百合根もほんの僅か。こんもりとした蕪の下には「ぐじ」、そのまた下に「煮穴子」とは、旨過ぎちゃうな。続いて山葵の醤油なので、山葵を抜くのだそうだ。なるほど。
ここのところ供給が少ないようで、マグロの値段も上がっているとお嘆き。大間のとろ。漁獲制限?年末価格?漁師さんも年末休み?安くなる時節じゃないですな。妙善さんの扇の絵皿
いつもの鯖寿司。ライスケーキ?とか社長は言うてましたな。見た目はケーキに似てますねぇ。
シンプルな八寸。ちょこちょこ壺壺で出てきている酒肴もまとめて書いておく。唐墨は一腹20000円!?コノワタは1箱20000円!?外国人が嫌い食材の一番が「このわた」という。塩も押さえた柔らかい味で嫌われる理由が分からないなぁ。いくらを食べないお客さんもいる。「欧米かぁ!」なんてね。
お隣さんから「シャブリ1eクリュ」を頂く。料理を選びます。
焼き物は、派手な「こうち」に鯛のアラ。カマと中骨。綺麗に身をすいてますなぁ。
小さいのぞきのお椀に丸にゅうめん。マルもネギもちゃんと入っている。他のお客さんには、お椀代わりに派手に「まる鍋」で出てたりする。スッポンを出す店が最近増えてきているけど、そのうち「京まる」とかいうて、ブランドスッポンが出てくるかも知れないな。
蟹も味わえます。マイセン。
炊き合わせと言うても、海老芋だけ。白味噌いっぱいで、汁物。炊いただけでも旨いけど、白味噌のまったりした味でも旨い。
ご飯は、丸雑炊。これも黄身だけというシンプルな雑炊。
デザートは苺。

お持ち帰りの「八坂の雪」はお約束定番。


2006年11月22日・水
夜は東福寺で修業した「鯖寿司屋」へ。流石に祇園は観光客で一杯、カウンターも盛況。
  • 胡麻豆腐
  • お椀が、スッポン、ネギ
  • お造りが、マグロ、鯛、大根と人参の甘酢漬け
  • 鯖寿司
  • 八寸(干瓢の酢みそ和え、インゲンの胡麻よごし、イクラ醤油漬け、揚げ銀杏、栗煮、唐墨、慈姑餅)
  • 焼き物がサワラ、黄身おろし餡掛け、柚子スライス
  • 蕪と大根の白味噌椀
  • 茹で蟹
  • 炊き合わせが、海老芋と水菜
  • 蟹雑炊
  • ラフランス、ジュレ
今日のお酒は「醴泉・大吟醸・蘭奢待・フロンティア東条・山田錦40%」だ。
いつもの胡麻豆腐から。
お椀は、「大好き」まる。餅はないけど、焼きネギとまる。
お造りも、定番マグロと鯛。大西洋かな?いつもながらなんだけど、乾山「竜田川」写しの半七の器が、今日の展覧会に相応しいので、載せておく。
定番の流れは、鯖寿司と続く。
八寸には、今年始めて出したという、紀州産の「唐墨」。深紅の鼈甲色。固くてむっちり。塩気はこなれて旨味ばっかり。大根と合わせるのが勿体ない。
焼き物は、二工夫? 器の底に柚子のスライスを置いて風味付け。焼いたサワラに餡掛け。おろしに黄身を和えるという、冒険作。柚の香りは餡に絡んでくるし、冷めやすい焼き物も餡で冷めにくくなっているし、よろしいなぁ。
小さな汁物は、アンキモ。小振りの蕪。白いお味噌は「関東屋」さん。アンキモは白ワイン蒸しでしたかな。
津居山の蟹。
海老芋の季節ですなぁ。
白ご飯から変えてもらったのは「蟹雑炊」。まだ味噌が十分でないようで、白っぽいけど、味噌だけで作った雑炊。最後は大将の寝酒「立山・純米吟醸・雨晴・五百万石53%」で洗い流します。
水菓子は、洋梨。


2006年9月21日・木
幕が引かれて、夕ご飯は祇園の「鯖寿司屋」に急いだ。10月からの温習会は井上八千代さんの3回忌ということで「京舞」の紫色の提灯が祇園に掛かっている。
既にカウンターは満席。カウンターには以前お見かけした「千枚漬け屋」のご主人がおられた。
  • 胡麻豆腐
  • お椀が、鱧と揚げ蓮餅
  • お造りが、鯛と鮪
  • 千枚漬けの鯖寿司
  • 八寸が、紫頭巾、新栗、干瓢の黄身酢和え、いくら醤油漬け、鱧の子、インゲンの胡麻よごし
  • 鱧と松茸、鮑の鍋、菊菜、玉葱
  • 鯛カマの揚げ物
  • アワビの肝
  • 琴浜の里芋と万願寺のそぼろ餡掛け
  • マグロの漬けの蒸し寿司、味噌汁、香の物
  • 廿世紀梨にジュレ
お酒は「東洋美人・純米大吟醸・一番纏・山田錦精米歩合40%」。
黄交趾の器に、お馴染みの胡麻豆腐
お椀は、鱧に揚げた蓮餅。微かにきつね色。蓮餅には松の実入り。
お造りは、台風13号で高騰した鯛、大間のマグロ。皮が厚かったというので湯引きの皮付き。あしらいに大根の甘酢。
2日前から登場した「千枚漬けの鯖寿司」。早く出てきますなぁ。そういえば「フィガロの最新号」に鯖寿司だけ登場しておりました。永楽即全の撫子柄の小皿。ちゃんと絵柄を外して盛りつけてある。
青磁の八角皿に八寸。ほぐした鱧の子の食感がとてもいい。小さいながらプチプチ感が堪らないなぁ。旨い醤油のしゅんだイクラも堪らないなぁ。カウンター後ろの絵も栗になっている。
お鍋が出てきます・・・松茸と鱧の組み合わせ鮑付きが、熱々の柳川用の小鍋。鱧と松茸と違ってコクのある出汁。スダチ。
焼き物が揚げ物に替わって「鯛のカマ」。揚げ物といっても、焼き物といっても分からないかも。ホクホクの身。塩が出るけど、要らない。
酒飲み用の定番の肴に「アワビの肝」。
炊き合わせは、「浜詰め」という丹後の小芋。丹後が里芋の名産とは、知りませんでした。万願寺の辛みがアクセントになる。 ご飯は、「マグロの漬け丼」にしてくれました。ご飯は酢飯で、「蒸し寿司風」。お造りのマグロのサクの端っこですけど、勿体ない贅沢。山葵。
今日もお持ち帰りの「八坂の雪(鯖寿司)」だけど、保冷バッグをサービスしてくれはる。ありがとうさん。ついでに、ずーっとお願いしていたお土産も頂いて帰った、「おやかまっさんどした」


2006年8月9日
晩ご飯は祇園の「日本料理屋」だ。少し早い目に予約して入店したので、お隣の奥様達と最初の客となった。
  • 胡麻豆腐
  • 鱧と松茸のお椀
  • 鯛とトロ、あしらいが茗荷
  • 鯖寿司
  • 八寸は、枝豆ととうもろこしの天ぷら、子持ち昆布、干瓢酢味噌和え、鱧の子の炊いたん、いんげん豆の胡麻和え
  • 鱧玉子とじ(松茸、ねぎ、三つ葉、春菊、玉ねぎ)
  • あわびの肝
  • あわびと帆立しんじょう、わかめの小椀
  • 万願寺唐辛子と賀茂茄子の炊き合わせ、糸鰹、刻みの大葉
  • 白いご飯、香の物、味噌汁
  • マンゴーと桃
「世の習ひ」は「上喜元・純米吟醸」にした。
定番の先付けが胡麻豆腐で、真葛香山の色絵の器。
お隣さんから「臥龍梅・純米大吟醸・無濾過原酒」を頂く。ごちそうさま。
心配していた鯛もなんとかなったそうだ。マグロは境港。あしらいは季節の茗荷。
象彦の瓜柄の椀は、鱧に松茸。柚子。味には影響はないんだけど、今日は少し包丁が乱れていたようで、鱧が乱れている。
お馴染みの鯖寿司。余り記憶はないけど、清風与平作の器。
八角の青磁は、見覚えがあるけど、お祐さんの作品だったかなぁ。まだ、ムラサキズキンではないので、かき揚げにしている枝豆。家庭にある干瓢とは太さが異なる。
また、お隣さんから「シャンボール・ミュージニー・1999」を頂く。ごちそうさま。キンキンだけど冷やされているの不評を買っている。二条の「nakamura?」
目鍋でグツグツ出てきたのが、卵とじ。出汁の香りに鱧やら松茸やら・・・。食べ終わって、アクセントに黒胡椒なんか合ってもいいなぁと思う。豆皿で出ればベター。
酒のあてに、アワビの肝も出る。お馴染み。
カウンターで立派な鮑を切っていたけど、出てきたのは椀。帆立や若布の味も加わって旨い出汁。 蓋付きの器で炊き合わせ。茄子は焼き浸しという感じ。天盛りにした二色は糸鰹、刻みの大葉。すこし葛が引いてある。出汁までしっかり頂く。
フルーツは、黄色いマンゴに、白鳳(?)。団子皿まで「楽」の印が入っている。骨董屋さんからもらったという団子皿の店がカウンターで開く。「ろくべい」とか「清六」とか・・
最後の煎茶まで、盛り上がった。「松風園」とか言う店の「沈茶」というのだそうだ。

夏の定番「鱧棒・祇園ばやし」をお持ち帰り。言わずとも一匹分を事前にお願いしているわけだが、お隣さんもほしがられたので、シェアした。
東京のイタリアンのシェフが、修行中にお世話になっていたイタリア人夫婦を連れてこられていた。腰の引く丁寧なシェフ。奥様は箸が使えないようだが、旦那さんはお上手。焼鳥屋の奥さんよりお上手。
賑やかな隣の奥様方に加わって喋っていて、4時間もいたことになった・・とほほ。


2006年6月14日
夕御飯は、「祇園にしむら」。久しぶりにカウンターも満席。よかったよかった。
  • 胡麻豆腐
  • 椀が、鱧、摺りオクラ、青柚子
  • お造りは、松皮の鯛、とろ、茗荷
  • 鯖寿司
  • 八寸(蛸の子、子持昆布、インゲン胡麻よごし、ジュンサイ割醤油、丸十)
  • 天ぷらが、鯛、イチジク、アスパラ
  • 蛸の酢ゼリー掛け
  • 炊き合わせが、冬瓜、鮑、揚げ湯葉のぞぼろ餡掛け
  • 鱧まぶしご飯、漬け物、止め椀
  • マンゴ、巨峰・アレキサンドリアゼリー寄せ
お酒はまんさくの花・亀寿・純米吟醸・無濾過生・亀の尾50%。口当たりは甘い。
珍しく切り子ガラスに胡麻豆腐。
ここでは初めての鱧の椀。シンプルにオクラだけ。鱧には少し魚臭さが残る部分もあったが、美味しい出汁。
乾山写しの半七の皿にお造り。250KGの沖縄のマグロ。地中海や北大西洋にも負けない脂。
お寿司のお皿も白井半七。
今日もたっぷりの蛸の子。見た目はバラバラパサパサなようでも、ムチーとした食感。壺壺にアワビの肝も後から出る。今日のはよく練れてました。
先月に鮑の天ぷらが出たので、鯛にチェンジ。塩。
お得意の蛸の酢の物。
炊き合わせには、鮑を加えた冬瓜と揚げ湯葉。そぼろを散らした餡かけ。むちゃは、冬瓜は箸で入れるとほろりと割れる柔らかさがいいと思うんですけど、皮の部分が少し固い。
ご飯は「」を伝えておきました。

2006年5月19日
夕御飯は、「祇園のにしむら」。雨のせいか、花見小路も人が少なめ。
ゆったりのカウンター。
  • 胡麻豆腐
  • 椀が、鯛の潮、木の芽
  • お造りは、鯛、とろ
  • 鯖寿司
  • 八寸(蛸の子、子持昆布、じゅんさい、ウスイ豌豆、菜の花、丸十)
  • 天ぷらが、稚鮎、あわび、グリーン&ホワイトアスパラ、空豆
  • 蛸の酢ゼリー掛け
  • アワビの肝
  • 焼き賀茂茄子の餡掛け、大葉、削りかつお
  • マグロの赤身定食、漬け物、止め椀
  • マンゴの羊羹、生クリーム
お酒は、入賞した土佐しらぎく・平成17酒造年度鑑評会出品酒・斗瓶取り大吟醸・山田錦40%だ。ン本酒のメニューが増えていて純米吟醸クラスの「九平次」と「上喜元」とお馴染みの所。京都ならではで、伏見のメーカーの中には強くプッシュしてくるところがあるそうだ。
お酒のメニューを増やすときに試飲した「東一・大吟醸」を一口。
いつもの胡麻豆腐だけど、見た目にもペーストが変わってきている。マメに改良が加えられている。
やっぱり今年は鯛がいいようです。シンプルに鯛だけ。
お造りも定番。鯛は2種類だしてくれて、2日前の昆布〆のんと今日の鯛。昆布臭さのない上品な鯛はねっとり感と水分の抜けた歯ごたえが味わえる。マグロは勝浦の170Kg。
定番鯖寿司。
抜群の味の蛸の子。口に含んでじわーとにじみ出してくる出汁が掛け値なし。淡い甘味の出汁にシタした豆の香りもいい。菜の花は今日まで。
天ぷらは塩で食べるが、自信たっぷりの鮑はそのまま。酒蒸ししているんでしょう。ムチーとしながらも鮑の食感が残る。鮑と言われないと分からない人も多いようです。稚鮎は富山産。脂に一工夫してあるそうだ。
昔懐かしい蛸。酢の加減も舌にあった塩梅。出てくるものが安心して食べられます。
酒の肴に真っ黒・鮑の肝もでる。
もう夏の茄子。餡掛けの味も好み。今日のお出汁の加減は、本当に美味しい。
同じマグロの赤身でご飯を頂く。
デザートはマンゴを使った羮。

見た目の派手さはないんだけど、出汁の美味しさが際だつ料理でした。好みと違うと首をひねることなく最後まで満喫。
2ヶ月ぐらいあとの「GQ」に家庭にある材料で「鯖のみそ煮」を旨く作る料理方法を披露するそうだ。何でも25人ぐらいがそれぞれの家庭料理を分担して公開するらしい。
いつも通り、鯖寿司お持ち帰り。


2006年3月14日
予約は「鯛と器に力を注ぐ力強い料理」と「日経おとなのOFF」に書かれている「祇園にしむら」。
危うくカウンターを独占するところだった。
  • 胡麻豆腐
  • 松竹梅の椀が、帆立の真蒸、わらび、わかめ
  • お造りは、ひらめ、とろ
  • 鯖寿司
  • 八寸(ほたるいか、子持昆布、唐墨、いくら、芹と山葵菜のお浸し、赤貝とワケギのてっぱい、菜の花、タタキ牛蒡)
  • 天ぷらが白魚、タラの芽、蕗の薹
  • 焼き物が、ぐじの塩焼き、れんこん
  • 鯛の昆布〆とあわびにもずく酢
  • 炊き合わせが、たけのこ、ふき、れんこん、かぶ
  • アワビの肝の練って寝かしたん
  • たまご丼、味噌汁、香の物
  • 苺・白玉・小豆
今日のお酒は磯自慢・大吟醸・愛山精米歩合50%
いつもの胡麻豆腐から。いつもと違ったのは豆腐にかけられたゴマだれ。趣を変えたのではなく、いわゆる「ブレ」だそうだ。
椀の蓋裏と椀底に松竹梅が描かれた黒塗りの椀に、シンプルに白い真蒸。具材で彩りを飾るのではなく、余分な物を省く潔い景色。
昨日、海が時化たというので、看板の鯛はお休み。3kgのデカいのはあったと言うけど、大きければいいと言うものでもない。お客さんのアクシデントで、久しぶりに魚をおろすところを眺める。脂が浮いてくるほどのトロ。
大きければいいと言うものではない、というのは鯖も同じ。香りのいい鯖に微妙な酢加減。鯖を邪魔しないすし飯との量。
最近八寸が増えている。格別に手間を掛けたという感じは受けないのけれど、選び抜いた素材で季節感をさらっと出してくる。それでも昔よりは盛りだくさん。無駄な仕事はしないと言うポリシーが感じられる品々。でも酢みその加減は好みではない。人様々。
ハズレのない春の天ぷら。
今日鯛の仕入れはなかったけど、昆布〆で残してあったようだ。細いモズクを敷いて鯛。その上にアワビ。
野菜の炊き合わせ。竹の子はもちろん京都産ですな。ざんない切り方の蓮根。
ちょこっと、寝かしてあるアワビの肝が出る。今日は貰い物という松竹梅白壁蔵・大吟醸・袋吊り斗瓶取り無濾過原酒・山田錦35%というのを振る舞って頂く。斗瓶のようなガラス容器。甘味を感じるけど、伏見らしい柔らかな味わい。
最後は丼を作ってくれた。開店3年間は最後の締めは「玉子丼」だったいう由緒有るメニューを再現してもらった。ネギに山椒。
定番料理はさておき、最後の3品をデジカメでチョイス。
京料理が、凝ったり飾ったりして、華やかになる中、だんだん無駄な部分をそぎ落としてきているように感じる。それが京焼の華やかな絵付けと対比して心地よい印象。店の個性が際だつ。

アッパーな和食店では「2店勝ち」という噂も聞かれる中、どこのお店も2.3月はお客さんが無いとお嘆き。春のシーズンにはお出かけになる人も増えるでしょう。
カウンターを占拠しそうになった勘違い予約があったが、ヨコハマからの3人組のお客さんが代わりに入ってきた。お昼は南禅寺あたりで「湯豆腐」だったそうだし、明日は「う雑炊」だそうだ。京都まで食べに来はったようですが、よろしいなぁ。お土産もしっかり買って帰っておくれやす。
鯖寿司のお持ち帰りはいつものこと。


2006年1月23日
雪は止んでいる。ぼちぼち歩いて祇園。晩ご飯は「祇園にしむら」。カウンターの角にいた若い子は「千ひろ」で修行中だそうだ。まじめにメモしている。励みやぁ!
  • 胡麻豆腐
  • 唐墨大根
  • 丸鍋
  • マグロとヒラメのお造り
  • カニ味噌
  • 鯖寿司
  • 八寸が、なまこ、いくら、たたき牛蒡、子持ち昆布、黒豆
  • 叩いた、このわた
  • 若竹の椀
  • ブリの照り焼き
  • 津居山のかに
  • 雲子と蓮根の天ぷら
  • 鯛の蕪蒸し
  • まる雑炊
  • イチゴ白玉小豆
で、お酒は「笑四季・大吟醸・斗瓶囲い」というお酒。冷えてないうちは、アルコールの辛さを感じるけど、冷えると、香りと味が浮きだって膨らんでくる。キレも良いし申し分ない。
いつもの胡麻豆腐から。
他のお客さんの八寸のお流れで唐墨が出る。お酒に合う塩梅。
椀替わりに丸鍋。メモは便利で昨年2月も出てました。思い出してみれば、今日はないけど雲子が入ってましたな。
スペイン沖の270kgのマグロ。今日は鯛がありませんとヒラメ。お造りの器がとてもきれい。
カニ味噌を熱燗で溶いたのが、壺壺ででる。作った熱いうちにみんなに出すので、料理の順番は出来た順と入ったところ。最期に残った殻を暮れるのは、酒飲みだったからかな。ごっちゃんです。
いつもの鯖寿司。
八角の青磁に八寸。唐墨は出たので、ここには無し。薄くスライスしたナマコが新鮮。普通は歯ごたえを頼りに出してくれるのですけどね。酢ではなく出汁に浸しているのも新鮮。頑張って作ったという紫味を帯びた黒豆も美味しい。
壺壺にコノワタ。料理に挟むように酒肴が出てくる。坪を突かれる思いだ。
春らしい若竹。九州産かと思えば、山城だそうだ。あるところにはある。木の芽の香りも気分からして春めく感じ。走りのもので寿命が延びた思いだ。
季節柄のブリ。酢蓮根。
津居山のかにも季節ならでは。雪で休漁というニュースが流れていたけど、市場には流れていたそうである。新年数日以外は、ちゃんと出していたそうである。あるところにはある。
丸鍋に入れなかったけど、冷蔵庫にあるというので、天ぷらで雲子がちょこっとでる。寒い日にやってきたお客さんたちには、気前が良い。
最後には、蕪蒸し。蕪の中は鯛、鯛の子・・・。外見からして西村流。
ごはんは、丸の出汁で雑炊。蓋を取ると、生姜湯のようだ。中には黄身が一つ。中は半熟。火加減を力説されちゃった。
デザートは、イチゴにヨーグルト風味のクリームに白玉+小豆。
ちょこちょこ、いっぱい、ご満悦。


2005年12月2日
今宵は祇園の「鯖寿司屋」だ。週末の席も取れないが、今日も満席。
  • 胡麻豆腐
  • 鯛・穴子・百合根の蕪蒸しの椀
  • トロと鯛のお造り
  • 千枚漬けの鯖寿司
  • 八寸が、子持昆布、アンコウの肝に九条ネギ、ナマコ、慈姑の揚げ団子、唐墨
  • サワラの塩焼き、銀杏、菊蕪酢
  • 蒸しカニ、蟹味噌
  • 雲子の白味噌の煮物
  • 水菜と揚げ海老芋の炊き合わせ
  • ごはん、香の物、豆腐の赤だし
  • ラ・フランスと柿
今日のお酒は「東洋美人・大吟醸・金賞受賞酒」だ。
いつもの胡麻豆腐。 お椀は真っ白の蕪。中に焼いた鯛と穴子に百合根と至ってシンプル。薄い葛がひいてある。
大間のまぐろ。
冬の定番「八坂の雪」。言わずもがな、のお持ち帰り。
八寸で面白いのは、アンコウの肝の炊いたん。細く切った九条ネギがてんこ盛り。ネギの甘味と肝が合います。キロ6万円ほどという唐墨。一腹400g。値段が高いのは理由があると言うだけのことはある旨さ。慈姑は磨り潰して団子にしたのを揚げたん。でもこの団子はちょっと味が足りない。
焼き物はサワラ。西京でも幽庵でもないというところで、魚がイイと言うことが判りますな。
冬の定番「津居山」のカニ。山本永二商店。
白みそのみそ汁。ぷりぷりの雲子。形が崩れることもないし、臭みもない。あれ?今シーズン初めて食べたのだったかな?
炊き合わせが、海老芋を揚げたんと水菜。
普通の白いごはん。香の物。
フルーツ。
メモすることも余り無いのだが、だからといって飽きているわけでもない。婦人画報さんに載っていたような「とろま鍋」は注文がないから作ってないそうだ。載った価値がないなぁ。

2005年10月5日
晩ご飯は「温習会」で華やかな祇園の「鯖寿司屋」だ。
  • 胡麻豆腐
  • 土瓶蒸し
  • お造りが、まぐろ、たい
  • 鯖寿司
  • 八寸は栗の甘煮、紫ずきん、鱧の子、揚げ銀杏、鮑の肝、いくら
  • 鴨ロース・酢ゼリー
  • 焼き物が鯛のカマ、障子
  • 炊き合わせが、里芋、水菜、鮑
  • 鯛の骨を使った骨蒸しの椀
  • 鯛茶漬け
カウンターの曲がり角、今日も賑やか、大繁盛。お酒は「磯自慢・大吟醸・口吉川産特A愛山精米歩合50%」。
いつもの胡麻豆腐。それぞれに美味しい胡麻豆腐はあちこちにあるから、とりたてて「胡麻豆腐」で驚くような事はしない性分。
椀がなく、土瓶蒸し。
今日のマグロは「大間の150kg」という。赤身と中トロの部分かな。赤身の香りが素晴らしい。
千枚漬けが出回った。もちろんお持ち帰りしてある。
ええ加減の淡い甘みの栗。大振りの紫ずきん。揚げたての熱々の銀杏、壺壺には「鱧の子の玉子とじ」。グラスでいくら。真っ黒の鮑の肝の練り物は、いつもの酒肴。
復活した鴨。三倍酢のジュレがジュルジュルとペンギンから注がれる。お隣から頂いた「シャンベルタン」で食べる。呑みやすい口当たりだが、ボディは強くなく、おかしくはない。イクラとか鮑とかにも合うとはいえないけど、呑めなくもなかった。積極的に合わしたいとは思わないけど、ちゃんと用意してあっったと新発見。日本料理ということで用意してあるは、「シャブリ」と「シャンベルタン」だそうだ。
焼き物は「鯛のカマ」と「障子」。塩味効き過ぎの障子だ。でも、残った骨を出汁に「骨蒸し」は塩のきいた良いお味。
炊き合わせは、水菜と里芋。ご予算が上がると「鮑」が入る。
胡麻を絡めた鯛茶漬け。「吉兆レシピ」に一工夫というてましたな。
シンプルな水菓子でおしまい。

2005年7月29日
さて夕ご飯は祇園。土日は有象無象で賑やかだが、平日は落ち着いている。祭りの提灯のかかる3年ぶりの「鱧寿司屋」の暖簾をくぐる。
  • 胡麻豆腐
  • 椀が、鱧と冬瓜
  • お造りが、トロに鯛
  • 鯖寿司
  • 八寸
  • 酒肴に鮑の肝、唐墨
  • 蛸もずく
  • 焼き物
  • 炊き合わせ
  • マグロ丼
  • 白桃、和三盆
お酒は「田酒・純米大吟醸・善知鳥・百四拾」である。前回は普通の「百四拾」だったことを、まとめていて気がついた。違うのにすりゃよかった。「永楽」の印のある竜柄の銹絵の猪口が出てくる。
青の切子にお馴染み胡麻豆腐。
鱧の椀はこの季節、関西でははずせない一品であるが、椀に限ればこの店の出汁と鱧が好みです。巻かれた鱧を箸で割り、口に運び、一口噛んだ時の旨味の滲みようはちょっと他では味わえない。
妙全さんの交趾の丸皿に盛ったお造り。300kgのマグロだった、という。
鯖は秋から脂が乗って美味しいと言う人がいるけど、脂の落ちた夏こそ鯖の香りが美味しい時期だと思うのだが、それもイイ鯖であってこそ。今日もお持ち帰りのお客さん2組。明日取りに来るという観光客さんのいるほど。
八寸はマイセンのブルーオニオンの丸皿に「すりオクラに海胆」「枝豆」「丸十」「鱧の子」「揚げトウモロコシ」。
壺壺で酒肴が2種。お馴染みの「鮑の肝」、在庫もあと3腹という「唐墨」。
酢の物にもずく、蛸、三倍酢ゼリー。
焼き物は脂たっぷりという「すずき」。カウンターまで煙がやってくるほど。旨く脂を落としてある。あしらいには茗荷。
清水六兵衛さんの器の蓋を取ると「揚げ賀茂ナスと鮑、鶏そぼろ餡の炊き合わせ」。揚茄子にそぼろ餡が今年の工夫だそうだ。茄子が鮑に隠れて見えないというのが、嬉しい。
白い御飯に醤油をかけて、マグロを載せて、ワサビをちょん。ちゃんと「向」と同じトロである。原価を上げさせちゃいました。ありがとうさん。
岡山の白桃。案外京都には岡山産のが入ってこないそうだ。関西では和歌山があるからなぁ。
早くからのお客に変わって、一部2回転のご繁昌。そんなお客さんも見送ってしまって、料理屋情報を聞き入る。気に入っているお店に通うお客さんは同じ趣向の舌を持っているともいえるわけで、そういう伝言ゲームを聞くことが大切。
壁に掛かっていたのは、祭りにふさわしく池田遙邨の「船鉾」。シルクスクリーンのかって流行ったナイーブアートのような作品。
関東のお客さんはほんまに鱧に縁遠いようで、お品書きの「鱧寿司」の文字を見ても、「鱧のお寿司」を竹皮で巻く前の姿を見ても、ずーっと「穴子寿司」と間違えていた。季節柄むちゃは「鯖」ではなく「鱧」の姿寿司をお持ち帰りだ。

2005年6月11日
夕ご飯は祇園の鯖寿司屋さん。カウンターは関東のお客さんばかり。今日のメニューは
  • 胡麻豆腐
  • 椀が、鱧、オクラ、
  • お造りが、マグロ、鯛、ミョウガ
  • 鯖寿司
  • ジュンサイ、鮑の肝
  • 八寸が、鱧の子の玉子とじ、隠元の胡麻よごし、丸十
  • 稚鮎、アスパラの天ぷら
  • 蛸、あわび、もずくの酢の物
  • 炊き合わせが、冬瓜にそぼろ
  • マグロ丼、止め椀、香の物、ちりめん山椒
  • マンゴ、巨峰、マスカット
だった。
お酒は「田酒・純米大吟醸・百四拾」だ。暖かいウチは甘みが勝つが、冷えてくると心地よいバランス。
いつもの胡麻豆腐から。
韓国の鱧とオクラも、ここでは定番の組み合わせ。輪柚子。感心する骨切りは、元ちゃんの仕事ではないらしい。
六方の青磁のお皿に、沖縄のマグロ、そして鯛。
平安竹泉の小鉢に鯖寿司。新生姜のガリ。
秋田の「ジュンサイ」が、酒の肴にポッとでてくる。おまけに真っ黒「鮑の肝」がトンと出てきてチビチビ酒を呑む。気が付けば今日のカウンターで日本酒を飲んでいるのはむちゃだけ。寂しい光景。
扇面の器に八寸。品切れになっちゃったのがある。
下津井の蛸が復活。徳島のモズクは、太くて心太みたい。主人は「魚そうめん」というけれど、関東の人には通じただろうか?マニアックな「割醤油」に「三倍酢のジュレ」に、オプション追加は「鮑」。
揚げ物が稚鮎、アスパラ。塩。
黒の塗りのお椀に炊き合わせ。あったか冬瓜にこれでもかの「そぼろ餡」。生薑。このまま御飯の上に載せてそぼろ丼とかでも食べたくなる。
ご自慢のマグロブロックの端肉で丼を作ってくれる。醤油を差してマグロを載せて、ワサビを載せて、刻んだネギを散らす。ごちそうさま。
「鯖寿司」と「ちりめん山椒」を持って帰る。次は「鱧寿司」やね。

2005年4月9日
ご飯は、「鯖寿司屋」に席を取っている。胡麻豆腐屋にしようかと思ったが・・・・。
お隣に千枚漬け屋の大将。
  • 胡麻豆腐
  • 鯛にゅうめんの椀、ワラビ、錦糸、花山椒
  • マグロに鯛のお造り
  • 鯖寿司
  • 八寸は、子持ち昆布、赤貝のぬた、菜の花、ホタルイカ、鮑のきも
  • 焼き物が、ます、ゼンマイ、一寸豆
  • 天ぷらが、白魚、ふきのとう、レモン、塩
  • 炊き合わせには、タケノコ、ふき、あわび、
  • 鯛茶漬け
  • いちご
お酒は大七・箕輪門・生もと純米大吟醸 とした。 乾山写しの桜の鉢に、いつもの胡麻豆腐。
赤の浪千鳥の椀には、珍しい錦糸玉子。うすく造られた鯛の身にも仕事がしてあるそうだし、出汁にも、いろいろ工夫がしてあるそうだ。花山椒がうれしい。
黄色、紫、緑の三色交趾の丸皿は永楽。盛られるのは、マグロと鯛。勝浦の生マグロ。
ここまで、「突き出し・椀・刺しを流れるように出すのが吉兆の教え」だそうだ。むちゃは急かされているようで好きじゃないし、まくし立てられると「椀」で一気に胃袋が満腹サインを出してくる。まぁほどほどがいい。そういう意味でも、カウンターが好きだ。
千枚漬けの季節も終わったようで、鯖寿司は普通のに戻った。っていうじゃな〜い。

八寸も、もう定番。さすが日本料理屋の仕事といえるのは、ホタルイカ。食べにくいところはすべて取り除いてある。酒のあてに「鮑のきもを寝かしたん」。
桜を冠する魚の一つが「サクラマス」。富山から。今日は「鯛」がいっぱいですからねぇ。皮はぱりぱりだけど、身は脂でジューシー。上手く焼けてます。開店当時の「天ぷら」「焼き物」の苦労話を笑って教えてくれる。
で「白魚」が揚げ物。蕗の薹はまだまだ苦くない。
炊き合わせには、タケノコ・・・・びっくり「鮑」。この辺りが予算の違いと言うことのようです。
ご飯は「鯛茶」。白ご飯と違うのあたりが「馴染みの差?」。「やっぱり白い御飯が欲しい」というお客さんが多いというのですが、その辺りがちょっと不思議です。白い御飯なんか、家でいくらでも食べられるやん、と余りありがたみを感じないのがむちゃだ。この「鯛茶」も「身をヅケ」にしたりして、手がかかっている。出汁も胡麻も一手間。次もお願いね。

2005年2月5日(土)
晩ご飯は、祇園の「鯖寿司屋」。あるいは「胡麻豆腐屋」。JRの広告が暖簾の横の格子に貼ってあって、興ざめ。こういうのが逆効果やね。イベンターさんは考えて欲しいモノだ。
カウンターの角に座る。今日の献立は
  • 胡麻豆腐
  • まる鍋、葱、雲子
  • お作り、ヒラメ、マグロ
  • 鯖寿司
  • 八寸、いくら、子持ち若芽、なまこ、カラスミ、菜の花、かに味噌
  • テンブラ、白魚、タラノメ
  • ぶり焼物、酢蓮根
  • かに足
  • ユバ炊き合わせ、蓮根、ふき、鯛の子
  • まる玉雑炊
  • いちご、白玉、あずき、練乳?
お酒は「奥播磨・大吟醸・伝授」。
すぐに出てくる「胡麻豆腐」。
他のお客さんのご要望だったそうで、椀の代わりに、グツグツと沸いた「丸鍋」だ。お餅ではなく「雲子」。旨いモノたっぷり。「まる」とわかる香りは押さえられていて、生薑や酒の「まる仕立て」の味わいが少ない代わりに、あっさり醤油出汁。スッポンの滋味が味わえる、これは新しい味わいだ。
道八の器にお造り。ここでは初めての「ひらめ」。縁側もたっぷり入れてくれる。1.5kg程のこれほどのヒラメは滅多にないと「鯛」と同じような説明であるが、ごもっとも。
ここで鯖寿司がでるから、お昼は自粛したのだ。当然予約の時に、持ち帰りを伝えてもある。今日はお持ち帰りのお客は少ない。
八寸もいつも通り。
春らしい天ぷら。サクサクホコホコの白魚。苦みのあるタラの芽。
焼き物が「ぶり」。カマの部分のようだ。
津居山港・山本商店の「かに」。
炊き合わせが、湯葉のあんかけ。生薑の風味。湯葉の中に具が入っている。椀でも十分な出汁。
まる鍋のお出しで、まる雑炊を作ってくれる。中身は半熟状態の玉子だけのシンプルさ。割烹の仕事ですな。
久しぶりにニシムラショーを見せてくれたので、デジカメが無事であることを証明するために、元ちゃんをパチリ。「ちりめん山椒」ありがとう。以前に試食したのんより醤油が濃いが、一般のよりはかなり薄い色合い。ちりめんが細かく綺麗である。手を抜いていない。
小豆が嬉しい水菓子。
好みのモノをあれこれといただいた気分で、とっても嬉しい晩ご飯。

2004年9月24日
花見小路には2日からの温習会のアーチがかかり中、今月15日で10年を迎えた「鯖寿司屋」へ。1時間ほど前に富永町で小火があったそうだ。
  • ゴマ豆腐
  • 椀は、松茸に鱧、柚子
  • お造りが、鯛、マグロ
  • お寿司
  • 八寸が、ばちこ、イクラ醤油漬け、紫ずきん、揚げ銀杏、煮栗
  • 酒肴にアワビの肝
  • 酢の物に鴨、しろズイキ
  • カマスの塩焼き、すだち
  • アワビ、小芋、壬生菜、お揚げさんの炊き合わせ
  • ご飯、香の物、みそ汁
  • 廿世紀とデラウェア
いつものゴマ豆腐が落ち着くまもなく出てくる。醸し人九平治・御点前大吟醸・佐藤彰洋・離見の見・山田錦40%・2003が出てくるのを少し待って、食事を始める。
五爪の竜柄の「雲竜」椀の蓋裏は「富」、鏡には「貴」。濁りのない昆布しっかりの出汁。毎年感心する鱧の包丁だったけど、いつもより鱧が崩れている。
いつも通りに、お造りとお寿司が続く。今日から大藤さんの千枚漬けが入ったようで、鯖寿司は「千枚漬け乗せ」。余分があるようなので、お持ち帰りに1本注文。今日何本売ったのでしょうか?カウンターのほとんどのお客さんがお持ち帰りだ。
昨日から販売の「紫ずきん」。熱々の「銀杏」。
壺壺にアワビの肝が出てくる。先週の分とか熟成の違うのも出してくれる。ちびちびと酒をのむ。
ズイキとロースを並べて、酢ゼリーを散らす。初めてであるが、焼き肉をおろしポン酢で食べる気分だ。
焼き物は遠州沖のカマス。遠州沖が格別と力説。
水菜と揚げというのは、京都の定番の「おばんざい」だけど、加える素材と出汁の立派さ。ついでに器も立派。
軽くご飯。

また祇園に新しい店ができているようだ。偶然行きしなに、開いていた玄関に花が飾られていたのを見た店だった。なかなかチャレンジャーにはなれまへん。


2004年7月3日
祇園祭の御神酒の札がここかしこに張られている街の「鯖寿司屋」に向かう。
献立は
  • ごま豆腐
  • 椀(はも・焼きナス。輪柚子)
  • お造り(まぐろ・たい)
  • 鯖寿司
  • 八寸(じゅんさい・子持ちわかめ・枝豆・インゲンのごま和え・丸十)
  • たこに加減酢のジュレ
  • 蒸しあわびと白ズイキ
  • スズキのウニ焼き・みょうが
  • アワビの肝の塩辛?
  • ナスの田楽
  • ごはん・みそ汁・おつけもの
  • さくらんぼ
お酒は「四季桜・花宝・純米吟醸」である。まずはおなじみ「ごま豆腐」。「ごま豆腐」というと手間のかかる料理といってありがたがる人がいる。確かに今でも「すり鉢でごまをあたる」店もあるだろうけど、手を抜こうと思えば、一斗缶のごまペーストからだって作れる。安モンの「葛」でも使えば、お安くもできる。ごま豆腐の善し悪しは、素人には難しいなぁ。
小降りだけど、古そうな椀。器を出し惜しみしないのが、気持ちいい。丁寧な細かい骨きりでくるっと巻かれた鱧には、舌をも巻く。いつも感心する。スーパーテクニックとか言ってくれる。だらしなく身が開いたような鱧の椀を出す店は、通う店には(少)ないが、うまみを逃がさないためにも、椀種の鱧は丁寧に骨きりしてくれなくちゃ。
今日は、沖縄の生マグロ。今年は沖縄でも揚がっているそうだ。今日の鯛は昆布〆め。今日の鯛は締まってしまったというので昆布で〆たらしい。こういう日もあるということで、運次第だ。新鮮なら昆布〆にする必要はない、と思っているだけに、初めての店で、自慢げに昆布〆を出されると信用ができなくなる。でもその日がたまたまだったかもしれないから、一回食べに行っただけでは「好き嫌い・いい悪い」は言えませんなぁ。天然の尾札部の昆布。コネというのは大切や。
いつもの鯖寿司。脂の乗った秋より、夏の鯖の香りが実は好き。
なれた八寸。塩のきいた枝豆、甘みの強い丸十とメリハリがある(ありすぎる)のは、好き嫌いがでるなぁ。
今日のたこは「ぶつ」。
大きなアワビ。プルプルで柔らか。
焼き物はスズキの上にウニ。今年の北海道のウニは当たっているそうだ。淡泊なスズキが負けちゃう。
珍味にちょこっと「アワビの肝」。
蓋付きの器に暖かい白みその田楽。

2004年5月2日
四条から「おどり」看板が掛かる花見小路を下って、東に入って、夕御飯は「鯖寿司屋」。雨のせいか花見小路も静か。一力もお休みのようだし、カメラおじさんも見かけない。
  • 胡麻豆腐
  • 椀には、ほたて真蒸、若布、わらび、木の芽
  • 鯛の刺身の一皿
  • マグロの刺身の一皿
  • 鯖寿司
  • 八寸は、タコの桜煮、子持ち昆布、ホタルイカ、菜の花、タケノコの木の芽和え
  • 揚げ物が、稚鮎、アスパラ
  • アワビの肝の珍味
  • 鯛のカマの塩焼き、れんこん、空豆
  • 野菜の炊き合わせにアワビ、湯葉の吉野仕立ての餡
  • ごはん、漬け物、赤だし
  • マンゴにゼリー
お酒は「醸し人九平次・佐藤彰洋・御点前大吟・中取り山田錦精米歩合40%」だ。キリッと冷やさないと本領が出ない。
おきまりの胡麻豆腐から。
侘びた椀には、たっぷりの若布に真っ白な真蒸。色合いはシンプル。ちょっと色が欲しいところ。
薄造りで鯛を盛ってくれる。今日も、いつもにまして「いい鯛」らしい。いつもよりいいので、いつもより多く、鯛だけかとおもったら、マグロは別に一皿。こちらはスペイン産でいつもより劣るとかいうけど、それでもたいしたモノです。
おきまりのお寿司。酢の香りよりちゃんとサバの味がするのがよろしくて、いつもお持ち帰り。寿司米が少ないのもお気に入り。脂の勝つ秋冬よりも夏の鯖の方が香りが良いと思うんですけど・・・。
タコの足を1本持って帰りますか?と言ってくれるけど、ちょっと始末に困る連休末の食事事情。お隣の名古屋から来られたご夫妻の奥様が煮方を聞いてはりました。帰ったあとでこそっと教えてくれはりましたが、はぁ、とプロの工夫に感心する次第。
今日も稚鮎の揚げ物。もう山菜の時期やないですと、いろんな意見や店があって楽しい。
普段、アワビを出しても肝は出された記憶がなかったけど、珍味を作っていたんやね。ほどよい鹹味で酒が進む。ちょびちょび舐めるように・・・

鯛のカマもいつもより多め。というより、普段、カマ1個やのに、2個あるし・・中骨もあるし・・・在庫処分の日はちょっと、いや随分とお得だ。鯛にアワビの肝をちょっと付けるとまた・・・よろしいようで・・。
野菜がなんだったか忘れた。もうすぐ冬瓜を使い始めるとか聞いた記憶があるけど、記憶があやしいほど気分がいい。今日は、昆布の味も香りも湯葉に絡んで美味しい。
メキシカンマンゴ。

祇園の某店が銀座に店を出すとか、界隈に新しい店が結構できているとか、むちゃを罠を仕掛けるかのような話を聞く。猫に鈴と付けさせる気だろうか?まぁ図に乗ってみましょう。
明日から、カウンターと壁を直すそうで、数日お休みだそうだ。よく見ればカウンターの一部が欠けていたりする。そのおかげで、たくさん頂いた日であった。
お客さんからもらったと言って見せてくれた菖蒲の束。ようやく生の青い菖蒲を見た。
さて、先ほどの名古屋のご夫妻が帰られたあとで、粽を置き忘れていたのに気づく女将。さて、どうしましょう?郵送で送ろうかとか話が出るけど、今日はホテルに泊まるという会話を思い出せば、すかさず電話して、店がしまったあとで、持っていくと話が付く。むちゃもご主人を走らす事1回、女将を駆けさせる事1回の前科者だが、思い出すのはデジカメを置き忘れてもウンともスンとも対応しようとしなかったお店だ。食事に夢中になって、手荷物を忘れても安心していられる店というのは、本当に気分が良い。


2004年2月28日
2月はやっぱり人が少ないのか、四条通りもいつもより人とぶつからない。祇園ホテルの手前を下って、蕎麦より美味しい「鯖寿司屋」へ入る。電話で予約したときに、いつものように注文する前に「鯖寿司」を勧める熱心さに頭が下がる。クールで宅配もするそうだ。
献立は
  • ゴマ豆腐
  • 鯛、まぐろ
  • 鯛の潮、木の芽
  • 鯖寿司
  • 八寸(なまこ、子持ち昆布、いわし、菜の花、ホタルイカ)
  • 揚げ物(白魚、タラの芽、ふきのとう)
  • 焼き物(鯛のたれ焼き、酢レンコン、酢牛蒡)
  • 湯葉蒸し?
  • かに
  • ごはん、止め椀、漬け物、
  • イチゴ
だ。お酒は「田酒・純米大吟醸」である。
菱形の黄交趾の器におなじみの「胡麻豆腐」。黄色の器は使っていたけど、菱形のは初めて見た。振り柚子の黄とあっている。
お得意の道八の器ではなく皿に盛られたお造り。予算によって違うようだが近藤某(忘れた・近藤勇三氏のお孫さん))の大柄の派手な絵付けだ。目を引く。いつもながら立派なマグロをお持ちで、自慢するように、でもいつものようにさりげなく包丁を入れる。たっぷりワサビが出てくるが、全然効かないほどの脂ののり。
椀は鯛の潮。眼とカマ。
看板の鯖、馴染みのある八寸とポンポンと進んで、春いっぱいの揚げ物。緑の菜の花や蕗の薹、タラが出てくると、苦みとともに気分もウララ。
今日は鯛が多い。お隣さんは鰤だったんかな?何に使っても鯛というのは便利な魚で、素材さえよければ、どうとでも使えるという見本みたいな一品。天竜寺青磁の器。
今日2つ目の漆器の椀。蓋を取るとこんもりと「汲み上げ湯葉」。下に野菜がコロコロとありますが、ほとんど湯葉。昆布出汁に葛を引いたあんかけになっている。匙で掬って湯葉を食べるけど、運が悪いと出汁の絡みが弱いときもある。そのときはシンプルに湯葉が味わえる。自家製とは思えないけど、聞くのを忘れちゃった。
最後「酢の物」替わりにか、津居山港・かみかぜ丸の青いタグ付きの蟹だ。壺々にみそ。蟹酢なんかでてきません。
びっくりしたけど、ちょっとのご飯。こんなに少なかったっけ!?まぁお代わりしちゃいますけど、濃いめの赤だしと漬け物の塩加減が、ご飯の甘みを引き立ています。不思議とご飯が美味しいと感じる食事だった。むちゃは「漬け物」に醤油はつけない。
デザートには生クリームが使われている。けど陶器の器はスプーンでガリガリしちゃうからあまり良くないね。
松の司の大吟醸」を頂いたお客さん、ありがとう。でも、デジカメ取るときはフラッシュはどうかな?むちゃは起こる筋合いじゃないけど、お隣さんのお客さんの顔つきがねぇ・・・。


2003年10月25日
10月になると京都は「千枚漬け」の季節。と思うとむちゃは「鯖寿司屋」が恋しくなる。てなわけで京都復活である。
  • ゴマ豆腐
  • 椀が、ハモに松茸
  • お造りが鮪、鯛
  • 鯖すし、ショウガ
  • 八寸は、うに、いくらの漬け、紫頭巾、くり、揚げ銀杏
  • タコの酢のもの
  • カマスの焼き物、酢レンコン、茗荷
  • カブラと水菜の炊き合わせ
  • ご飯、ナメコのみそ汁、香の物
思い出せば、1年ぶりになる。お酒が増えたようで「久保田千寿」に地元の酒として「桃の滴」だそうだが、いつも通り「桜正宗の冷酒」だ。
すっかり定番のゴマ豆腐。最初に頂いた時より、なめらかに、そして穏やかな味に変わっているような気がする。
お造りがでるが、椀が来たので、先に暖かい物をいただく。この季節の椀の王道。ハモが柔らかすぎだよ。食べてから知ったが、食べたくない国から来た松茸。はき出すわけにもいかない。
今日もきれいな鮪に、ご自慢の鯛。
お目当ての「鯖すし」も相変わらずで、鯖の香りも好きだし、酢の香りが強くないのがまた好みだ。
続いて、酢の物だが、サラダのような一品。薄造りのタコに少し醤油の香りを移して、酢のゼリーで和えて振り柚で仕上げ。ここでも酢の加減は微かでタコのおいしさが味わえる。以前と少し違うタコの出し方やね。
黒塗りの椀の炊き合わせは少し甘さを加えた出汁。ほとんど椀と変わらないほど出汁がいっぱい。カブラの上にたっぷりの水菜。もう冬を感じられる。来月の中旬からは「かに」も使うそうで本格的な冬までもう少し。

2002年10月19日
傘を持たない不幸で、少し濡れる。四条通りのアーケードは花見小路まで。後は、濡れるばかり。傘をさす母娘3人を追い抜いて「鯖鮨屋」に飛び込む。おっとビックリ、3人組も入ってきはりましたわ。仲良くカウンターに並ぶ。オネェ(たぶん)さんの胸元が妙に気なったんですわ。(約束通り、ちゃんと書き残しておきます)
出てきた順に並べると
  • お馴染みゴマ豆腐
  • 鯛とマグロのお造り
  • 椀が、アワビと子芋の味噌仕立て
  • 千枚漬けの鯖鮨
  • いくらの醤油漬けは、つぼつぼで
  • 八寸には、紫頭巾、揚げ銀杏、酢取りの菊蕪、栗の甘煮、子持ち若布
  • 小鉢に、白うるか
  • 鯛のカマの唐揚げ
  • 焼き物は、カマスの焼き物にあんかけ、蓮根、細打ちの葱があしらい
  • 炊き合わせが、松茸、ハモ、壬生菜の鍋仕立て
  • 卵雑炊に香の物
  • 巨峰、梨のゼリー寄せ
お酒は、いつも通り「冷酒」で、八木明氏の青磁で頂く。突き出しは、鮮やかな黄こうちに、お馴染みのゴマ豆腐。少し豆ポクなったタレ?
相変わらずの、魚。ボストン水揚げの生マグロは300kgを超えているそうで、ブロックでもイイ色艶。
少し違っていたのは、椀だった。ありきたりの松茸でないのが、面白い。大きなアワビが入ってますが、硬い。ちょっと包丁を入れるなりの工夫が欲しいところだ。
箸休めには、看板の「千枚漬けの鯖寿司」。千枚漬けの便りを聞くと、目当てに来てしまうむちゃだ。当然「おもたせ」1本だ。でも、最近持ち帰る客を見なくなった。寂しいネェ。
酒の肴に「いくら」が取りあえず出て、八寸が出るが、後で出てきた白ウルカも含めて一つですな。6時(つまり客が来てから)漬けたという醤油漬けだけど、柔らかく崩れる。ヅケの醤油のいい加減です。ちゃんと銀杏も揚げたて。真っ白の鮎の白子のウルカは、上品すぎるお味。自家熟成させておくそうです。1kgの壺入りでしたが、いくらするのか聞き忘れた。
ダブル箸休めと言っていたのは、ケンタッキー風鯛カマの唐揚げ。スパイシーさはないけど、ウロコまでパリパリ喰う。改めて、ええ鯛をつこてはります、と思いますな。八寸から、焼き物までの時間配分が悩みどころのようで、間に「鴨のロース」なんかを挟んで時間稼ぎをしてはるようですが、早く食べるお客さんには工夫があるようです。お酒呑んでゆっくりしているむちゃには「鴨」なし
さて、時間のかかる焼き物は、カマス。焼きあげてから、葛餡がかけられます。焼いただけでも十分なのに、出汁まで足す旨さ。暖かい葛が葱の香りも高める効果で、味わいたっぷり。
鍋を出します」と言われてびっくります。まる鍋にも使われる、平べったい土鍋の蓋を取ると、松茸にハモ。もうハモも最後のようです。椀で出てくる「松茸とハモ」に、どっさりと壬生菜で量感を演出しはります。小泉さんのお土産になった所の松茸。
いつもなら茶碗ででてくる白いごはんは無く、蓋付きの椀で、卵雑炊。出汁と卵だけのシンプルさ。雑炊とすれば、味が薄い様な気がする。
定番の料理は、決まって出てくるが、少しずつ新しいメニューも楽しめるようになってきた。
さて、端っこに座っていた、中年のご夫婦だが、主人の元ちゃんによると奥様が料理をチェックして、△とか書いていたそうだ。料理を採点するなんて、無粋なお客を目の当たりにできました。最初、元ちゃんと、料理の注文でいろいろあったらしく、そのせいか横のダンナが「でも味はいい」なんて小声が聞こえていたのだが、このご主人の食べ方が汚い。だって、ぐちゃくちゃ音を立てているんだもの。汚らしい食べ方をするそんな奴に、○も△も偉そうに判断する客の資格無いぞ。はっきり言って、そいつらが帰るまで気分が悪かったわい。

2002年6月29日
さて、晩ご飯は、お馴染みの「鯖寿司屋」さん。水羊羹を預かってもらって、カウンターへ座ります。本日のメニューは
  • ごま豆腐
  • 鱧とすりオクラに糸柚子
  • マグロと鯛、茗荷
  • たこ、もずく、酢取り大根にキュウリ
  • 鯖寿司
  • 八寸には、じゅんさい、枝豆、子持ち昆布、丸十、隠元のごま和え
  • スズキの焼き物、白瓜のごま和え、蓼酢
  • 揚げかもなす、アワビの炊き合わせ
  • ご飯、香の物
  • フルーツが佐藤錦
だ。お酒はいつも通り冷酒だ。
涼しげな切り子のガラスに、いつものごま豆腐。 夏の椀には、いつもの鱧とオクラのペア。いつも格別の鱧は、切り身がちょこっと入ってますと言うものではない。くるりと巻かれた鱧はまるでお団子のようにずっしり、たっぷり。うっすら浮いた鱧の脂、昆布の旨み、葛で叩いた食感、柚の香り。美味しゅうございますわ。
いつもより立派なサシに見えるマグロ、普通のと昆布締めのと2種類の鯛はうす造り。今週は客が少ないということで、奮発?永楽の器で供されます。
鯖寿司には、鮮やかな、真葛香斎の浅葱交趾の小皿。
隠元はちょっと茹ですぎかな?
今年は、雨が少なく、鮎がダメダメなので、スズキでいくそうだ。清水六兵衛の「貝合わせ」は洋食器のような八角の器。焼き物に蓼酢であるが、こってりとドロンした蓼酢。ちゃんとすり鉢でするのが、真っ当な料理屋と自信たっぷり。
始めての料理は「賀茂茄子」の炊き合わせ。賀茂茄子の揚げ出しにアワビを併せて、葛でとろみを掛けた餡。刻み海苔たっぷりに、細打ちし大葉をてんこ盛り。茄子が美味しい上に、暖かい餡の味わいと海苔の香りに顔がほころびます。
本日のお持ち帰りは、夏の「祇園囃子」だ。始めてカウンターで巻いてもらう。巻き簾に収まりきらない鱧の大きさ、すし飯に木の芽を振って鱧を巻く。ご立派な大きさ。わくわくのショー。
新しく「ちりめん山椒」を商品化しているというので、味見させてもらえる。むちゃにはまだまだ山椒の香りが弱い。漬けもん屋の話も面白く聞く。

2002年5月25日
重たい荷物を抱えて、祇園「鯖すし屋」さんへ。夏柑糖は女将さんに預けて冷やしてもらいます。すでにご飯待ちのお客さんが2組み。早いペースにご飯が間に合っていないのでしょうか?
献立は
  • ごま豆腐
  • まる腕・茗荷・焼き餅
  • お造りにマグロ・たい
  • 鯖寿司
  • 鴨ロース・うに
  • 炙ったくちこ
  • 八寸に、じゅんさい・子持ち昆布・空豆の蜜煮
  • あわび
  • 揚げ物は、あなご、たい、れんこん、南京、天つゆ
  • エビそぼろに冬瓜のあんかけ
  • 白ご飯に、香の物、赤だし
  • まんご、マスカット
で、小皿でコチョコチョ出ます。少し暑い天候にもかかわらず、とにかく冷酒だ。ちょっと画像をいっぱい載せちゃお。
いつもより大きいゴマ豆腐。相変わらずおいしいですが、ちょっとお酒には合いませんな。「とりあえずビール」には、合うのかもしれない。事前に言えば、ゴマ豆腐も持ち帰るそうだ。案外安いと聞いて驚くお客がいるそうで、大笑い。
お造りが出て、すぐ椀が出てくるのは、困ったものですが、とりあえず暖かい椀らいただきます。焼餅が目立つということは、まる?・・でした。冬なら生姜でしょうね。やっぱり生姜ですよ。それに、まるの臭みが少し消えていません。
トロのマグロはボストンから。勝浦の赤身もあるので、最後に握ってももらった。あしらいには「酢取り?した大根」、「きゅうり」。
ほんで、いつもの鯖すし。夏姿で登場ですな。初めて日記に載せたかもしれないが、この微妙な切り口の大きさ、すし飯との量のバランス、、なんともいえまへん。当然、今日もお持ち帰りで頼んでいるんですわ。6月になると鱧の出番だそうですから、次はもう「鱧すし」ですな。
鴨、くちこ、じゅんさい、蚕豆、子持ち昆布、あわび、と酒肴が続きます。揚げ物、あんかけと徐々に暖かいものに変わっていきます。 とりあえず包丁屋さんの伝言を伝えて、いろいろ話をするんですが、不思議なことに最近は客単価があがっているそうで、「せっかくだから少しでも美味しいものを」というお客が増えているんでしょう。「にしむら」でも20000円のコースが時々出ますとは、景気のいい話。一方で祇園でも気軽な店が増えて、ここでも二極化。むちゃは「天下の台所を越えて、わざわざ京都まで行くのですから、少し背伸びした食事を楽しむ」主義です。
「一よし」「さ々木」「大神」などの感想も聞きながら、4歳になる息子の舌に聞きほれながら「食は三代」などと考える。
この日記の感想のエールを受けて、元気が出ました。
2002年3月9日
今宵も先週に引き続いて、祇園へ向かう。いつもながら、花見小路まではラッシュ状態。万亭の前は、なぜか人だかり。芸妓・舞妓さんの出てくるのを待っているのだろうか、カメラを持っているのもいる。きっと出てきたら。フラッシュバチバチなんだろうネェ。冷たい視線で横切る。先週の「改装した店」の裏にある「鯖鮨屋」に入る。今宵も満席のようである。カウンターの後ろには、雛人形が残る。
さて今日の献立は、
  • ゴマ豆腐
  • お造り(まぐろ。、たい)
  • 椀(治部煮風に、鴨、大根、蕗)
  • 千枚漬けで巻いた鯖鮨
  • かに
  • タコの煮たん、菜の花、ホタルイカ
  • しらうお・タラの芽、蕗の薹の揚げ物
  • 止め椀に、帆立の真蒸、若竹、わらび
  • 珍味に海胆
  • ごはん、つけもの、豆腐の赤だし
  • 苺と小豆に白玉の生クリーム掛け
ですが、食事のペースを狂わしているようで、他のお客と順番が違ったりする。ともかく「冷酒(桜正宗)」を頂く。
まずは定番のゴマ豆腐。ちょっと苦みが残るように感じた。すぐにお造りが出てきて、椀が来る。これじゃ、昨晩と同じジャンと思いつつも、椀から頂く。蓋に描かれた、鶴?極楽鳥?中国風の絵柄を感じると、椀自体には龍が描かれている。聞くと本歌は韓国の椀らしく江戸時代に写したモノらしい。裏蓋に「富」、椀底に「貴」で椀種には「ふき」。なかなか楽しませてくれます。
  ここでは、大西洋を泳いでいたマグロでも「生」だそうで、さすがに、舌に残る感触が違うようにおもいますな。どうしても冷凍してしまうと脂が分離してしまうと、語っていたが、それは、鯖でも同じことのようだ。旨味よりも甘味を感じる鯛も凄い。扇面の器は永楽。10枚組の絵柄は「冬から春」と題されたものの一つ。「春から冬」のシリーズは「和幸」がもっているらしい。
鯖鮨を考えたときに随分と塩鯖を使ってみたそうだが、どうしてもダメと言うことで、今のようになったと言う。鯖鮨に関しては、むちゃも塩をした鯖ではどうしても脂分を感じたり、鯖の香りよりも酢の香りが強すぎたりで、どうも満足できないでいる。今のところ、この鯖鮨屋の鯖は一番で、当然「おもたせ」にします。でも満足する鯖も高くなっていると、お嘆き。先々代の「竹泉」の絵皿。
今日で最後の津居山のカニ。節分過ぎても カニに頼っているのは、カニ料理屋出身の裏の店も同じだ。最高30000円まで上がる津居山も今日は11000円だそうだ。これも永楽の器で供される。
ここで八寸。下津井のたこ。でっかく切ってくれるから、かみきれないかと思いきや、柔らかく煮付けてあります。
淡白はしらうお、苦みのある蕗の薹とタラの芽。春を感じさせる揚げ物。
珍しい止め椀風だが、炊き合わせに、若竹に帆立真蒸。どうも当初は椀で出していて、炊き合わせに「治部煮」を持ってきたら、客が残していたそうだ。むちゃはどっちでも腹具合がいいけど、店の客層を考えると、献立もなかなか大変。旨いものを並べるだけでは、失敗なんですな。食べる側でよございまさした。
デザートは新メニュー。
2001年10月27日
花見小路の甲部は人がいっぱいで、皆さんどこへ向かわれるやら。一筋曲がると暗闇に灯りがポチポツと浮かび上がる静かな路地。写真で見ると麗しい景色でも、すれ違う三脚をもったカメラマンは無粋極まりない。夜のご飯は、そうだ!「マンスリーM」にも載っていた「祇園にしむら」へ。カウンターの背後には「栗」の絵。吾亦紅に菊の活け花。カウンターは一杯であるが、どうも京都はおろか関西の方もいないようだ。京都人の京料理離れ?そういえば花見小路の南側には外国人が目立つ。献立は、
  • ゴマ豆腐
  • 鯛の潮汁、葱
  • たい、鯛の皮のお造り
  • まぐろ、いかのお造り
  • 千枚漬けで巻いた鯖鮨し
  • 鴨ロース、キャベツ
  • 八寸に、イクラのおろし醤油漬け、鮟鱇の肝の煮付け、刻み葱、子持ち昆布、大根カラスミ
  • 紫頭巾の枝豆
  • カマスの焼き物、ポン酢おろし、銀杏、柚子
  • 松茸、ハモ、白菜菜の小鍋
  • ご飯、白味噌仕立ての淀大根の止め椀、香の物、
  • 梨とピオーネのゼリー寄せ
だ。丸見えのカウンターでは、せわしない西村君の仕事ぶりを眺めながら、お酒は、いつもながら冷酒。定番のゴマ豆腐も、他んとこと比べると、かけられたペーストが素晴らしい。このペーストをチロチロと舐めて酒がすすむ。
西村君の潮は始めてだけど、酒の味(?)のこくが強く、刺激的で印象的な味。身体が暖まってくるのが分かります。胸びれのあたりが入ってます。今日の鯛も美味しそうですわ。最近はちょっと遅い目にはいるようにしているので、捌くところは見られませんが、見せているんでしょうかねぇ。鯛の部分だけが、小皿で先に出てきます。最近時化続きでお眼鏡に適う鯛が上がってないそうですが・・・。
この季節の「八坂の雪」。楽しみの一つ。もちろん、「お持ち帰り」を伝えてあります。サヴァ
イクラのつけ具合がよろしいなぁ。絡められた大根卸しが、あっさり柔らかみを加えてます。バットから取り出される肝の大きいこと。昆布の加減も、カラスミも極上品です。こういう珍味は控えなくちゃ、と本で読んだばかりだったが・・・酒がすすむ。
炊き合わせの替わりが、鍋。11月まで使うらしいハモに、10月の入ってからましなモノがでないと言う松茸。とにかく出汁が飲んで旨い。でも、西村君のハモも旨い。骨が柔らかいハモを選んで、柳で骨きりをした身は、出汁が浸みこみやすそうな切れ味。淡い出汁加減で最後まで飲む。松茸は、それほど感動しないが、もうじき蟹も出てくるからそれまでの辛抱だそうだ。
たぶんゼリーはワイン風味。
話を聞いていると、年2,3回来られたら上客だそうだ。こちらも1年に3回くらい行けば、堂々と常連と名乗っても良さそうだ。ますますリピーターを作るというのは難しいことですなぁ。
2001年6月23日

「水ようかん」をぶら下げて訪れたのは「祇園にしむら」だ。取りあえず、女将さんに、冷蔵庫へお預かりいただいて、カウンターへ。隣は器にうるさいお方。慶応の商学部の名誉教授だそうだ。本日も満席のご様子。お任せのコースは

  • 定番の先付のゴマ豆腐にゴマペースト
  • はもと冬瓜の椀盛り、柚子の皮
  • 刺身が、たい、まぐろ、茗荷、わさび
  • お凌ぎのお寿司が、いつもの鯖すし
  • たこ、若布、茗荷の酢の物
  • 八寸が、煮あなご、子持ち昆布、旨出汁のジュンサイ
  • 焼き物は、ぐじ、おろし大根に酢蓮根
  • 加茂ナスの炊き合わせ、大葉、かつお節、刻み海苔の天盛り
  • ご飯、焼いた鯛カマの赤だし、香の物
  • マンゴに、白赤ワインを混ぜたロゼ色のゼリー寄せ
という内容。お酒は「冷酒(桜正宗)」で最後まで通す。
口の中でホロリと崩れるゴマ豆腐にまったりとしたゴマ、シャープな香りは摺った柚子。引き締まった香りが、旨い。椀の出汁の美味しさは言うに及ばず、ハモの美味しさは、場末の小料理屋とはやはり違う。地元だからとこだわると新鮮さだけが売りになる。いつもながら鯛が素晴らしい。でも蛸もいい。コリコリした食感にむっちりさが加わって、さらに出汁で伸ばされた素加減が抜群。穴子もぐじも、美味しくて、お酒をスイスイ。炊き合わせと言っても、茄子しかないけど、すこし濃いめに感じる出汁に、カツオ節や海苔の香りがよろしいなぁ。シンプルな料理が続くようでも、飽きずに不思議に美味しいとしか浮かばない。最後の赤出汁まで、魚好きには溜まらないメニューですわ。デザートも一工夫でした。
夏のお決まりの焼き物「鮎」がないけど、いいものを仕入れる自信がないから使わないと言うのも、立派な考え方。それだけに出てくる食材には自信があふれ、とにかく食べて美味しい。
最後は、余力の海胆と蛸の足をしゃぶりながら、東京の弁護士の先生と3人で話し込んでしまってました。「祇園にしむら」はADSL接続だそうだ。西村君のメールアドレスが変わったので、教えてもらう。むちゃの定番のお土産「ハモの姿寿司・祇園はやし」を持ち帰る。50cmぐらいあるだろうか?雨も止んでいた。
2001年1月20日

雪は雨に替わる、人混みの中を抜けて、祇園に向かう。「万亭」の角を下る。「十二段屋」を東に入っていくと、もう人の姿はほとんどなく、祇園もここまで来ると、静謐。向かった先は、大好きなカウンター「祇園・にしむら」。 女将の出迎えを受けるが、京都弁を聞くと、誰でも「市田ひろみ」に聞こえてしまうのが、不思議。「椿」の活け花に、カウンターの後ろは、梅の絵。

冬木まだ芽ぶかぬ中の椿の葉ほのかに見する春の艶めき(空穂)
  • ゴマ豆腐、ゴマペースト、振り柚
  • お椀が、ぐじの蕪まんじゅうの吉野仕立て
  • 鯛のカマの焼き物、大根おろし
  • 向付は、鯛、カマ下のトロ、鯛の皮のボイル
  • お凌ぎに、千枚漬けで巻いた鯖鮨
  • 八寸が、カラスミ大根、ちしゃとう、子蛸の含め煮、くわい、子持ち若布、海胆
  • 津居山蟹
  • 雲子鍋
  • 炊き合わせは、蓮根、蕗、筍、蕪、木の芽
  • 白い御飯、香の物、頭芋の味噌汁
  • 水菓子が苺、ゼリー寄せ
冷酒(桜正宗?)で頂く。いつもながらの「ゴマ豆腐」に、身体が緩んでいくようないい気分。「今までの中で一番」という何度か聞いたようなセリフがBGMで、鯛を捌く西村君を見ながら、椀を頂く。ちょこっと頂いた「鯛の鯛」のカマの部分。美味しゅうございます。自慢げにカウンターに出してくるマグロのブロックに、始めての方は声を上げる。京都では「カラスミ」は一切れ、大阪では「二切れ」、と面白い。紀州産のカラスミだそうで、立派な大きさ。「蟹」は、一番いいのが集まる「津居山」の中でも、一番の「山本商店」の蟹と言う説明。1ハイ25000円のミソの部分。ミソをつついて酒がすすむ。雲子鍋の「雲子」も富山の一番いい雲子を、壬生菜と、土鍋で炊きあげたもの。雲子が悪いと食べられたモノじゃないだろう。ポン酢で食べる。
食べてから、インターネットとパソコンの話で、長々と、4時間余り。10月にインターネットリーチャブルにしたらしいが、「フレッツ」で接続とは、祇園で最先端のIT料理屋ですわ。
いつも通りに「八坂の雪」はお持ち帰り。千枚漬けは、新京極錦上ルの「大藤」さんという話だ。
難波に着いて電車に飛び乗って、気付いたのは、最終電車だった。学習したのは、あの時間でも帰れると言うことだ。
2000年9月15日

夕御飯は来月の「温習会」を控えた祇園の南、「祇園にしむら」に予約を取った。

  • ゴマ豆腐にたっぷりのゴマペースト
  • 韓国産のハモに松茸、すりオクラの天盛りにすだちの吸い口
  • ボストン空輸の270kgマグロのカマ下、鯛の松皮
  • お凌ぎにご自慢のサバ寿司
  • 八寸は、黄身酢を掛けた若イカ、タコの子、子持ち昆布、だつ、枝豆
  • 薄造りの鯛の揚げ物、銀杏
  • 揚げ加茂ナス、子芋、車エビの炊き合わせは「あんかけ」で生姜風味
  • 御飯、赤だし、香の物
  • 梨、種なしピオーネ
お酒は「熱いの」と「冷たいの」の2種類で、蒸し暑い今日でなくてもバカラで「冷酒」で、「桜正宗」でございます。伏見の酒蔵さんが来られると、なんで「ウチの酒がない」と文句が出ないように灘の酒をおく。でもそういう人は自分でもって来るそうで、わがままやね。見習おう。「ゴマ豆腐」と「サバ寿司」はこのみせ定番。定番はつくりたくないと言うけど、コレを目当てにお客さんを連れてくる常連さんもいるようでやめられないと悩んでいる素振り。台風の影響で鯛は品薄で昨日の品(それもまともなは5枚だったとか)と言うことで「松皮」になった。皮に包丁をあてる仕事が、ハモの骨切りより難しいそうだ。腹身の所を優先的に頂く。相変わらずカマ下にこだわる西村君だった。韓国産とはいえ、ハモが凄い。「ハモ引き」ではなく「柳刃」で切ったような細やかな包丁あとに葛を打ってひとかけらの崩れもない、見事なでき。もちろん味も深い。淡路産のハモは地形が変わって昔のような味のあるハモは得られないからと、韓国産にしている。暑い日であるが、炊き合わせの暖かさが、胃に優しいふっくらとした出汁の加減。出汁の旨さは、タコの子や子持ち昆布にも生きている。途中で来られたお客は雨に降られたようであったが、返るときにはあがっていた。それでも、超高級ビニール傘(西村元秀君曰く)を「使ってください」と女将の日出子さんに言われて、お借りする。持ち帰り(「おもたせ」というらしい)が当然あって「ハモ寿司」だ。世の中不景気で、今年始めてらしい。去年も1本だけだったとは、お嘆きの様子。1匹丸々使った棒寿司は「祇園ばやし」と名付けられていて、40cmほどの長さ。料理の間に造って見せてくれました。嬉しい時間が過ごせましたな。永楽の器など、大正時代の品あまた。最後に入ってきたご夫婦は奇妙。料理が出てきたときに旦那が一言二言。奥さんは終始笑いもなく淡々と食事をされる。直前まで喧嘩でもしていた科のように愛想がない。ひょっとしてプロかな?
2000年4月15日

久しぶりに「祇園・にしむら」のカウンターに予約を取った。なんでも急に座敷にお客が、それも早い時間に、入っててんてこ舞いで、少しご機嫌斜めで、スタッフにもちょっと声が高い。献立は

  • ゴマ豆腐、ゴマクリームペースト、ふり柚
  • ホタテ真蒸、若布の椀、木の芽
  • 鯛の薄造り、まぐろの刺身
  • 鯖寿司
  • 蛸もずく
  • 八寸は、イクラの醤油漬け、空豆、ホタルイカ酢味噌和え、吉野産わらび、鯛の子に木の芽、鴨ロース
  • 鯛のてんぷら、蕗の薹のてんぷら
  • 筍、蕗の湯葉蒸し、すり生姜の天盛り
  • 御飯、赤出し、香の物
  • イチゴ(ミツコ)の生クリーム添え
でした。まったりとした濃厚なゴマだれがプリプリの真っ白のゴマ豆腐に絡みつく舌触りと薫り、微かな青柚の香りも楽しめる付き出し。出汁の塩梅も溜まりませんが、真蒸を口に含むと口中に広がるホタテの味わいがまた溜まりません。本日もキロ30000円の大トロです。見事なブロックを見る。本日の蛸は、岡山糸島産で明石より凄い代物らしい。雑誌で雲水修行をしたと読んでいたが、東福寺で修行したようだ。どのくらいの期間かと聞けば、たった3日であった。11時に就寝して3時に起床は厳しいそうだ。そういう性格が献立にも出ているんだろう。むちゃは蒸し物大好きで、筍の香りを十分に閉じこめてあって歯触りも抜群。人気の、千枚漬け巻きの鯖鮨は4月までにお終い。でもお持ち帰りに「東山」と書かれた1本注文する。お酒は「桜正宗」を冷酒で頂く。わずかな隙間から見える厨房には女性のスタッフも見かける。最近は、日本料理店の厨房にも女性が増えているようですな。
最後には、今日もカウンターは満席でした。後から入ってきた、至って軽装なセーターのオヤジさんが1人で来た。あまりの軽装に常連さんかと思ったけど口振りではそうではないようだ。エビスを最初に頼んで1杯で、もういい色になられている。後はお水を頼まれていたが、お酒が飲めないというのは、可哀想ですな。
2000年1月15日

本日のメインダイニングは「祇園・にしむら」としてあった。えべっさんの笹の飾られている内玄関を通り、カウンターに座る。西村ショーの始まりだ。

  • 先付は能登産赤ナマコの三杯酢和え、紅(人参)白(大根)の短冊、芽甘草入り
  • 変わり椀として、まる鍋、焼き葱
  • 向付として鯛とトロ、縁起物のチシャトウ添え、山葵
  • お凌ぎが、千枚漬け巻きの鯖鮨、生姜
  • 八寸が、松の内、正月の献立ということで
    数の子、イクラの醤油付、ごまめ、黒豆、くわい、からすみと大根
  • おまけは、蟹の甲羅のゆで汁、足のむき身、ミソ
  • 強肴がブリの照り焼き、酢蓮根
  • 焚き合わせは、丸大根、京都産の早筍、蕗、蓮根、木の芽の吸い口で冷製
  • 御飯、香の物、止め椀が蛤の吸い物で木の芽
  • 菓子がぜんざい
説明しよう。この日は、まだ松の内で正月用の献立である。椀盛りは、京風白味噌の雑煮椀であるが、むちゃは予約の時に「まる鍋」を打診した。女将が、正月のお膳を用意している、ということで諦めていたのであるが、リクエストに応えてくれた。諦めていたからこそ、お昼に食べたんだけどねぇ。「まる鍋」の出汁は「大市」に近いと豪語する。この日のトロは、250kg!のマグロのカマ下。旨さに微笑みながら見るのは、西村君のクワイ剥き。下手くそには任せられんと、自分で剥いちゃう。けど失敗して芽を切っている。目の前で、座敷の客用に腹の皮裏の赤身を叩いて、葱トロをつくるのを見る。ちょっと質の落ちた部分であるが、ねっとり美味しそうである。座敷のお客のお皿の盛りつけも西村君が全部カウンターでするので、とっても楽しい。おまけの蟹は、実は隣の客の蟹の注文のおこぼれ。キロ30000円也ぃ。余録に与り口福。蟹はやっぱりミソやねぇ。早々に京都産のはしりの筍に巡り会う。出るところには出る、とは西村君の弁。焚き合わせが冷製なのは、前後に暖かいモノがあるということと、暖かいと、蕗などの香り、風味が飛ぶと言う事である。止め椀は、通常赤だしであるが、最初が白味噌だということで、清汁という献立である。他の客の献立では、雑煮に餅があるので、ぜんざいに餅無し。むちゃのぜんざいは餅入り。本来なら「まる鍋」にも焼き餅が入っていたかも知れない。小豆粥の変わりでもある。流石料理屋だけあって、甘味より小豆の味が引き立っている。最後はなぜか包丁の説明会になってしまった。「尚台生吉」という銘の日本刀を思わせる柳が凄い。著名な「有次」は柔らかいので曲がって使いものにならんと、厳しい。ちゃんと、お持ち帰りにご自慢の鯖鮨「八坂の雪」を注文する。お酒なんてどうでもいいんだけど「白鷹」だったと記憶。バカラのアンティークグラスで頂く。 【追補】尚台正吉が正しいと連絡いただきました。ありがとうございます。


1999年10月2日(土)


ご飯は「祇園にしむら」さんに定めた。数週間前と同じパターンを踏んでしまった。芸がない。

  • 鯛の昆布締め
  • ハモとオクラのみぞれの椀、吸い口はスダチ
  • 刺身は、鯛、ボストン空輸の大トロ、九条葱と茗荷の針打ちのつま
  • 千枚漬鯖寿司
  • 自家製のゴマ豆腐
  • 鯛の頭の焼き物
  • それの骨蒸し
  • 八寸はイクラ、南京、子芋、栗
  • 炊き合わせは、壬生菜と揚げの卵綴じ
  • ご飯、香の物、合わせ味噌の汁
  • デザートは白ワインのゼリーと二十世紀の寄せものに、赤ワインゼリーで彩りを添えたもの
1月前と、半分ほど変わっているが、3日前から始めたという、「千枚漬鯖鮨」はよろしおまっせ。相変わらず凄いマグロはカマ下の三角でため息の出るような代物。玉子は無農薬で栽培した餌で育てた鳥の玉子で群馬産。本日鯛が好いのがなくて、まともなのは10枚程度だったらしいが、2枚を仕入れたと言うことだ。お酒はたぶん「白鷹」。余り拘っわらなかったので、適当に冷酒を注文。当然であるけど「鯖寿司」を提げて帰宅。途中お鍋をこぼす荒技ギャグも交えて楽しい時間を持つ。この時期、祇園甲部のおどりで、そのあと流れてきた芸妓さんとひいき筋が座敷やカウンターにいらっしゃる。賑やかながらも厳しおす。


1999年9月11日(土)

夕食は、祇園南の「祇園にしむら」とする。客が来てから、魚を捌くという鮮度のこだわりように、カウンターの醍醐味を感じますなぁ。ほとんどの料理をご主人がこのカウンターで作るので、見ていて飽きない席です。お話をしながら、南京の面取りをするご主人はとっても面白く飽きない。料理は

  • お通しは蛸、もずく酢、梅肉のせ
  • ハモとオクラの丸の椀、吸い口はスダチ
  • 刺身は、鯛、ボストン空輸の大トロ、九条葱と茗荷の針打ちのつま
  • 鯖鮨
  • 自家製のゴマ豆腐
  • 鯛の障子焼き
  • 八寸はイクラ、南京、子芋、栗、ちょっとサービスで蒸し海胆(^^
  • 炊き合わせは、焼き賀茂なすのあんかけに、削り鰹、大羽の細打ち、のり
  • ご飯、香の物、合わせ味噌の汁
  • デザートは桃とゼリー
です。圧倒されるのは、刺身の食材がすごい。料理の原価の半分は刺身と言っておられる。鯖が嫌いというご主人が、作る鯖鮨がまた絶妙である。先日の「京とみ」さんに負けていない。もう少ししたら、千枚漬けで巻くというから、リベンジの楽しみにしておこう。「鯖街道・花折」なんか、野卑で田舎臭く感じるほどである。オーソドックスな料理ばかりあるが、とにかく凄い。「白鷹」を飲む。障子焼きで教えてもらったのは、中骨の中の随の部分がゼラチン質で、通はここをせせるそうだ。一つ賢くなりました。ご主人の西村元秀さんは「東京吉兆」出身の35歳。開店して5年目。カウンター越しに、最後までいろいろ話をして、とても楽しく、美味しい時間を過ごせた。祇園の場所で、年輩の口のうるさい客にもまれているらしい。開店当時は、カウンターで捌くのが下手で見られるのが恥ずかしかったとか、出汁をのんで「おまえはどこの店で修業したんや」と怒った客がいたと、いろいろ面白うおます。若造の来る店ではない。祇園北の「一よし」さんとは昵懇の様子。もちろんお持ち帰りに鯖鮨を頂く。
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 花見
  小路                          東大路
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          ヤサカ会館
            ギオンコーナー
                 祇園甲部
                 歌舞練場

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