adrress | 北区出雲路松ノ下町16 | |||||||||||||||||
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平成19年11月29日 晩ご飯は、鞍馬口の紫明「卯菴」。前庭の紅葉が見頃。フラッシュを焚くと、さしずめライトアップ。残念ながら不断桜と紅葉とが重なる場所がない。
珍味たっぷりの先付け八寸。でも珍味に限って、松の司はいまいち。 お椀に、カニ真蒸。蟹の身ではなく、蟹の味噌の方がたっぷりのようで、濃厚な真蒸。どんどん旨くなる出汁。 和歌山の鯛の薄造り。空気に触れる部分から出てくるかのような旨味。主人の手による作陶。 一本だけだが、カニ刺し。今日の蟹は、島根の隠岐から運ばれてきたようだ。青いタグ。
黄柚子を釜にして蒸し上げられた、蟹の飯蒸し。
カウンターの特典は、甲羅酒。松の司を注いでくれます。一気に回って、酔っぱらった。
今年は松村君がメインでお節をこしらえるようで、おそよ20個ほど?紫明は26日くらいにしまうそうだから、楽勝?でも先斗町に行ったら難しいな。 平成19年10月18日・木 晩ご飯は、鞍馬口の紫明「卯菴」。久しぶりに紫明通りを歩く。でももう、真っ暗で・・・。 中華料理屋の路地下る途中、横を通り過ぎていったのは、内藤の清ちゃんの車のようだ。 座敷のお客に合わせて食べにくる昨今。11月から先斗町のローテーションも改善されるようで、自由度が上がるかな。
素焼きの丸皿に八寸。直前に焼かれて熱々のうずら。海老の背を割って盛りつけたイクラ。スダチでかたどった菊には松茸と菊菜、壺壺には菱蟹のほぐし身。松葉に刺したのはムカゴと海胆を付けた銀杏。暖かいお寿司は焼き目を付けたぐじにツメを塗ってある。
寺井のご主人の作、志野の四方皿は、子持鮎の杉板焼き。へぎ板をはずすと、頭と尻尾を切って焼いた子持鮎に、マイタケと焼き栗。杉板の手前に、切り取った尻尾と頭を揚げて出てくる。
ここ数回、座敷のお客さんに合わせて、訪れているのだが、帰りがけにカウンターをのぞき込んでいく。座敷しかないと思われているようである。座敷が立派だから余り利用されてないようだ。惜しい。 平成19年9月18日・火 晩ご飯は、鞍馬口の紫明「卯菴」。床のシーズンは、先斗町に手を取られるようで、なかなか、入れて貰えない。 お座敷に、メグミちゃんのお茶の先生が来てはるというので、ビビってはりますわ。
お馴染みの蒔絵の漆皿に八寸。兎の器には生海老とコノワタ。いい組み合わせでした。蒸し海老の背を割って刻んだバチコの一品もいい塩梅。面白いのは、スッポンの煮凝りを丸豆腐の上で固めた一品。早いもので黒豆。季節柄新米と思っていたけど、揚げるための稲穂というのは、実は昨年の分だそうだ。新米ではまだまだ乾燥できないというのが理由。慣れないととても危険だそうだ。
波頭の上に兎が踊る椀。丸く固めた蟹の真蒸と松茸の椀。今日はお茶の先生が来るというので、梨木神社まで汲みにいたという水。お出汁の香りがシャープな感じ。水は大切。水をくみに来る人で、行列が出来ているのだそうだ。ごちそうさま。
座敷の絵軸は芦雪の「おぼろ月」。名前だけでビビる。 平成19年8月16日・木 晩ご飯は、鞍馬口の紫明「卯菴」。 松村君のご親戚のグループとカウンター。こんなに一杯のカウンターも始めて。座敷も一組、大忙しで、リエちゃん、ピロちゃん勢揃い。
氷を入れてその上からガラスの器が置けるようになった冷やした前菜。3層になっているのだが、グチャグチャにしてと言うのでグチャグチャにするけど、トマトの風味が分からへん。そういうときは、ちょっとずつ食べてからグチャグチャにするもんやと、怒られる。トマトも漉して漉して・・・すると、色素が抜けるそうだ。手間かかってます。 竹の器に八寸。鱧の子、鱧寿司とあるから、煮凝りも鱧と思ったら、はずされてしまった。煮凝りと玉子とが2層にになっている。 蓮の葉に、鱧の薄造り。内臓が旨い。最近は鱧を単純に湯引きして梅肉を載せる「牡丹鱧」を出す店も(むちゃの通う範囲では)少なくなって、どの店でも感心しきり。最低でも、焼き霜ぐらいにしてくれなくては、「居酒屋みたいなハモ出すな」って言っちゃいそうだ。
珍しい一品のサラダ風の一品。焼き霜の鱧。梅風味のおろしドレッシング。
最後のご飯は、塩焼きの鮎を使った雑炊を、小鍋仕立てででてくる。塩味効き過ぎ。 平成19年7月11日・水 晩ご飯は、鞍馬口の紫明「卯菴」。座敷に女性の2人組。珍しい。
ご主人の手による取っ手器に盛られた八寸。「蘇民将来子孫也」は手作り。酸漿の中にくるんと饅頭状に葛や寒天で固められたモズクの酢加減が好き。甘さも感じるし酸味もある。 お造りがハモ。韓国産。骨キリしたハモを炙った焼き霜と、骨のない部分のハモのへぎ造り。焼き霜は甘味が強いし、へぎは旨味たっぷり。山葵で頂く。 浪に兎のお椀は、ハモと松茸。松茸は国産らしい。 夜のハモのお寿司。いくらでもOKだよん。白焼きとつけ焼きの2色のお寿司。はじかみ。器は目つきの悪い牛。 保津川の鮎。育ってきました。 カボチャをくり抜いて、器にしての冷たい炊き合わせ。冬瓜で穴子を巻いた饅頭、アスパラ、エビ、蛸。全体に葛を掛けて出てくる。カボチャも全部食べられます。 小さい土鍋で仕上げてくれたまる雑炊が、鍋ごとでてきて、頑張る。丸というのは、なかなか味に差が出るもので、卯菴にしてはあっさり目。 赤色のスモモのシャーベットに、桃のスライス。
松村君がいたパリのキッチンギャラリーの話を面白く聞く。2年程で4軒の店にいたそうだが、日本人のスタッフはフランスの料理界では重要な労働力の供給源になっているそうである。キッチンギャラリーは、ガイドブックにも載っていて、日本人も多く訪れる店だそうで、時には通訳で接客もしていたと言うから、お目にかかっている人はきっと多いだろう。 平成19年6月15日・金 晩ご飯は、鞍馬口の紫明「卯菴」。日が落ちるのが遅くなった。もう来週は夏至でんなぁ。 庭にはザクロの花が散っております。 カウンターの絵は「堂本印象」のお弟子さんの「某まさし」の鴨川踊りの下絵だそうだ。かなり補正を加えた色合い。 吉村君は病欠。ピロちゃんヘルプ。安曇川での「山田錦」の田植えも終わったそうだ。
先付けの八寸。今日は「ハモ」のようだ。出汁の旨さが際だつ、煮凝り。薄造りにした鱧の身を数枚重ねて厚みを持たせて握ったというお寿司。なるほど。生ハモを握る方法としてこういう方法もあるんだと納得。キムカツ方式。 ハモの薄造り。ハモの骨切りは皮を下にして行うのだが、今日は皮を引いてから、皮の方から切ったそうだ。薄造りはポン酢。焼き霜は山葵醤油。ハモの身が甘い。 今日も出ました岩牡蛎。鳥取産ということは「夏輝」だな。包丁が入ってないので、切り直して貰う。座敷のお客さんは、一口で食べていたのだろうか? お椀も、岩牡蛎を使った真蒸。牡蛎の磯の香りはほとんど感じず、いつもながら出汁の旨味が滲む。薄い冬瓜。全体を覆う板わらび。廻りにジュンサイ。 お凌ぎが、鱧寿司。今日のハモは韓国産。鱧寿司が高い理由をちらっと聞く。まだ国内産は味が乗っていないという。まだ梅雨に入ったところやもんねぇ。実山椒入り。 保津川の鮎。天然ですなぁ。出来れば、もう一匹ぐらいは食べたいものだ。木の葉に切った生姜。 賀茂茄子に芋タコ南京の炊き合わせ。あんかけ、振り柚子。 ご飯は、ハモ雑炊。たっぷり・・全部食う。最近胃拡張? デラウェア他沢山のミックスフルーツシャーベット。 平成19年5月26日・土 晩ご飯は、鞍馬口の紫明「卯菴」。荷物が重い。
卯菴の焼き印が入った、杉板。八寸。タコブツに梅を混ぜた香りの酒盗和え。珍しいのは蛸の卵。オクラを載せて葛で固めて海胆を乗せてある。海老の黄身鮨のような一品は、胡麻豆腐だった。黒ごまを混ぜたような色合いで取っても濃厚な胡麻の香りと味。デザート並み。もう枝豆を使いますかぁ?
お造りは伊勢エビ。当たり前だが、目の前で捌いてました。頭はどうするのかなぁ?
まだ早いというのか、鱧が出ず。鮎すら無し。 平成19年4月29日・日 晩ご飯は、鞍馬口の紫明「紫明」。てくてく。 いつも通りのカウンター。いつもの後藤君が体調を崩してお休みというので、ピンチヒッターは大原の料理長吉村君だ。 座敷で呈茶のお客さんがあるので、助っ人はピロちゃん。
お馴染みのお盆に八寸。HANAKOの表紙を飾ったお盆。竹筒の底からサヨリの糸造り、コノワタそしてトビ子ともいうトビウオの卵。もう皐月の盛りつけで、粽がでている。 お造りは、虎魚。肝付き。浮き袋付き。魚の肝というのは何が出てもそれなりに旨い。塩と醤油とがでて、お好み次第。皮も食べたいところだ。 お椀は、鯛の白子真蒸。柔らかな出汁。魚の白子というのは何が出てもそれなりに旨い。真蒸とはいうものの「すり身が少なすぎました」という椀種は、どんどん崩れて、最後は「白子汁」みたい。具だくさん。吸い口は花柚子。季節感があって嬉しい香り。もうちょっと暖かい方が好き。座敷のお客さんと重なっていたからかな。折角のカウンターだし、熱々がいいな。 油物は、山菜のこしあぶら。大原でも見つけることが出来るそうだが、栽培モノ。子鮎。
お馴染みの鍋がでた。山城の筍。醤油の香りがしっかりの葛仕立て。鍋は砲金だと思うのだけど、真鍮?いつも答えがはっきりしない。底には「有次」の刻印があるそうだが、長年の使用ですり減って形も変わってきて、薄くなっているそうだ。新品はぴったり重ねられるそうで、紙鍋の模した卯菴特注のプレス品。
来月は田植えというピロちゃんの「山田錦」で醸した「山廃仕込・椋川」を、今度呑ませてとお願いしておいた。今日も、お昼は、山の手入れをしていたとか?大変だぁ。 平成19年3月21日・水 本日のメインイベントは「紫明卯菴」での「美味しいお酒と料理を愉しむ会」の「春の特別編」。思い出せば、明るいウチに訪れるのは始めて。ちゃんと桜を見るのも始めて。玄関ではめぐみちゃんとピロちゃんのお出迎え。玄関脇に女将の雛飾りがデーン!。 今回参加の蔵元は、「加賀國銘酒常きげん蔵元・蓮如上人巡錫の地・白水の井戸名水仕込み」鹿野酒造の鹿野頼宣氏、杜氏の農口尚彦氏、営業の花野真樹氏。問屋で働いていたが、お酒を呑んで蔵に就職したという惚れ込みようのハナちゃんである。酒は人生を変えちゃうんだ。
特別に2階での杜氏さんの「講演」。その前に社長の挨拶。続いて、杜氏さんが略歴を披露しながら山廃のお話。ちょっと突っ込みたくなるけど・・。素人にはチーとややこしい酵素と酸の話。「酒については酒に語らせよ」というのがええと思うな。
小皿で「生ずし」。緑色。 春蘭の椀は、雛な季節に合わせた菱形の真蒸、具だくさん 八寸風に「凌口取」。竹の子の皮に山菜の木の芽和え。竹筒に菜の花、壺壺にコノコ。 炊き合わせに、石川の蔵元だけに鴨?治部煮とは違うな。鴨には丁寧に脂に包丁が入っている。 ただでも旨いノドグロに旨味が増すもろみ焼き。海老芋は時季はずれか筋っぽい? ご飯は軽く飯蒸し。カウンターの卯月での会と異なって座敷の宴会になってしまって、お蔵の人たちやらと賑やかにしている間に、冷めちゃった。 デザート。 ボリュームはないけど、酒の肴は十分。出されたお酒は
平成19年2月11日・日 晩ご飯は、鞍馬口の紫明「紫明」。雛飾りの絵と梅が玄関でお出迎え。 長野からの料理屋さんが座敷に一組。珍しくカウンターにも、お客さんが来る。ヘルプにピロちゃん。
先付け。床節は「流れ子」とも言うらしい。スーパーにも並ぶ季節の「菜の花」がないのだが、茶懐石では「利休忌」以降に出すのが正しく、使わないと言う。立派。諸子は焼いて食べたいね。 お造りは平目。エンガワはしっかりしてるけど、身はちょっと大味だったかな? 内側に「桐」の柄の椀。椀種の帆立の真蒸は、相変わらず旨味タップリ。出汁がかすむほど。炙ることで味が濃くなる雲子。 卯菴寿司の変形(?)の飯蒸し。刻んだ筍がおこわの中、錦糸を乗せて、蒸した穴子。脂タップリの穴子が崩れるような柔らかさ。 酒好きの集まる卯菴のスタッフだけど、ピロちゃんは、朽木で山田錦を共同で栽培して上原酒造に「山廃仕込椋川」を委託醸造しているという。値段から察するに60%程度の精米でしょうかね?たぶん、想像できる味なんだろうな。
砲金の鍋には「牡丹鍋」。あっさりとした合わせ味噌仕立てある。味噌汁に似たり。やっぱり甘めの白味噌しっかりの方が好きだ。牛蒡タップリ。引き上げ湯葉。出汁は最後まで頂く(のが礼儀だろうな。) カウンターのお客さんと一緒に、2階でお薄も頂く。伊織の焼麩煎餅。八条御息所の「夕顔」の歌の短冊を表装した掛け軸に、茶花は水仙。ピロちゃんのお手前。
バッテリーヨワヨワのデジカメと元気はつらつのデジカメとを撮り比べたけど、どうも慣れた方が使いやすい。新しいカメラの測光方式に慣れないとどうも色再現がちょっと疑問。で、料理は古いのん。 2006年12月28日・木 晩ご飯は、お出かけして寒い寒い京都の「鞍馬口」。「紫明」。正月準備も整い、しめ縄、門松、餅花、結び柳・・・ 今年の営業を終えた大原の吉村君が、黙々とお節の下ごしらえをしているのを眺めながらのカウンター。
八寸の卯菴らしい兎の器は、蟹の味噌和え。スダチの中にこのわた。 紀州加太の鯛。醤油2種類に塩がでる。食べ比べろと言うなら、もっと盛り込んで欲しいところだ。 お椀は、白子真蒸、フグの白子があるから、真蒸にもフグと思わせぶりだけど、雲子。出汁と柚子が混じって、旨い真蒸は相変わらす。 飯蒸に焼き唐墨。 お鍋が出て、雪鍋。事前に伝えていた雪鍋とちょっと、いや随分違っているのであった。具材はぐじ、海老芋、かぶら、人参、菊菜、鴨丸にカブラのすったんを流し込んで、一煮立ち。これはこれで真っ当なカブラの雪鍋なんだけど・・・・フォアグラも盛り込んだ生クリーム仕立ての卯菴流雪鍋は・・・? 蟹は焼いて出てきた。 タップリ蟹雑炊。あまりの旨さにお代わり4杯で止まる。雑炊は持って帰るというわけにはいかないので、ついつい頂いてしまうが、おいしおす。座敷のお客さんが、漬け物と昆布の炊いたんを持って帰りたいというほどの香の物。 聞こえてきた問い合わせは「千枚漬けの美味しい店」だったが、カウンターで話題に上ったのは「村上重」。でもどこも最後の甘酢の漬け汁は同じという話もあって、どこでも一緒やという話もある。ついでに「スグキ」を尋ねると「賀茂のおばちゃん」だそうだ。京都市内を売り歩いている、へんこなおばちゃんで、なかなか売ってくれないそうだし、がめつい?見つけたら買ってみよう! 暖まったのに、シャーベットとは・・?。
黙々と背中を向けお節の下ごしらえをするのを、楽しく眺める、鯛に塩をふって、鰻を刻んで昆布で巻き、金時人参を梅にぬいて花びらに細工して、海老を剥いて包丁でミンチにして、甘鯛と鰆を味噌漬けにして、・・・だけど先斗町では、鍋で忘年会だそうです。今年は2段で(5人分)で35000円だそうで、仕事を見ていると、お得に思えてきます。 2006年11月21日・火 三条から、地下鉄東西線、烏丸線を乗り継いで、下りたのは「鞍馬口」。向かったのは「紫明」。門の上には、大原「実光院」でも見た「不断桜」が咲いているのだが、暗くて・・・。 今日もカウンター。お座敷に先客。カウンター正面には山口華楊の祇園踊りの下絵が掛かる。
八寸は、布張りの漆の盆。大原のお店で摘んできた紅葉に彩られた八寸。金柑釜の一塩の鯛に和えたコノワタが旨い。名残の松茸とアンキモという組み合わせもオツ。小袖の鯖寿司は1/4身の鯖を切り開いたという仕事。身の厚さを整え、〆加減が均一になると言うことかな。 今日の椀種真蒸は「吹き寄せの真蒸」。シメジの出汁で延ばした真蒸地が旨さタップリ。銀杏とか栗とかも入った真蒸。 お造りが、ふぐ。ポン酢、おろし、刻んだアサツキ、一味。 酒の肴に「鮒寿司」。錦の「のとよ」さんのだけれど、先日のより味が濃い。堅田の方から仕入れていると言うからきっと「中島七良兵衛」商店でしょう。 酢の物仕立てで、フグの白子、皮とか、身の辺りとかいろいろ盛りだくさん。 炊き合わせが、餡掛け。すっかり海老芋のシーズンだ。ヒロウスや餡は、丸仕立てだそうだ。隠し味。海老芋で有名な「いもぼう」さんも実は大阪の海老芋を使っているらしいから、「何だかなぁ」という昨今なんだけど、美味しく炊かれた海老芋は旨うござる。 カウンター脇の七輪で炭火でじっくり焼かれた、カマスと牡蛎。牡蛎は幽庵地に漬け込んでもの。カマスは酒焼き。マイタケは京都産の天然物。ちょっと焦げてました。 笹蒸しの蒸し寿司の卯菴寿司は一工夫してもらって、錦糸入り。料理屋での蒸籠か、いづうのような丼でタップリで出てくるかと期待していたんですが・・。 卯菴寿司には「柴漬け」が使われているし、大原の料理長吉村君がいたので、どこの柴漬けを津かているのかと聞くと「辻しば漬け本舗」という。いろいろ試して一番美味しいと料理人さんが言うのだから、デパートでも買える大手の土井さんなんかを買うくらいなら、ここでし買えない物を求めましょう。
ご飯にフグ雑炊も作ってくれていたので、しっかり頂く。 食事の途中で、出してくれた、お酒が「松の司・特別本醸造・山田錦&吟吹雪60%・環境こだわり米。」。津の喜さんが燗用として選んだ酒のようだったが、燗の時の香りが紫明スタッフからダメを出されて、冷や用にしているという。余分に呑みすぎてしまった。 2006年10月10日・火 予約していたのは「紫明」。もう真っ暗。鞍馬口で降りて、鳴海餅のお店の脇から東に入ル。だんだん細くなる暗い道。庭では先日まで銀木犀が薫っていたいう。暗くなってからしか来たことないので、どこに何が植わっているやら? カウンターでのお食事。カウンターに作ると危ぶんでいた衝立は、半紙が消えたようで安堵。
吹き寄せとして出てきた先付け。美しい。 お造りは加太の鯛。噛みしめる程に旨味が出る鯛。 海老の絵柄のお椀は、名残の鱧と松茸なんだが、鱧は玉子豆腐に忍ばせてある。玉子豆腐もしっかり鱧から取った出汁を使っているので、旨いこと旨いこと。鱧のコラーゲンでプリプリ。決して出汁を汚すことのない硬さ。茄子にもしっかり出汁が憎ませてある。お馴染みの濃い「丸の玉子豆腐」にも負けない旨さ。 瀬戸内の「菱蟹」をほぐしたモノと、ほうれん草と松茸。 まだ小さいけど蕪の季節がやってきた。しっかり味が染み込んでいるのに、煮くずれもしていない。感心。 焼き物が鯛のアラ。だけど、カマ、目玉、腹骨・・タップリ。 ご飯が「湯斗風」という説明。お釜で炊いたご飯がこびりついたお焦げを、お茶でソゲ落とした「禅風」のお茶漬けらしい。まぁそこは料理屋ですから、お茶は「出汁」だし、贅沢な「ぐじ」だし、ご飯はお釜のオコゲではなく、焼いてオコゲにしたもの。手間の掛かったお茶漬けだこと。大葉が刻んで香りもいい。ごちそうさまだ。 デザートはシャーベット。
3連休には、卯菴を設計した山本隆章氏の出版記念の御祝いが、氏の設計した「大徳寺黄梅院」で行われて、出張料理の点心とお弁当で死ぬ思いだったそうだ。総力戦ですな。いったいご予算は幾らになるんでしょう?縁がないからええけど。 2006年8月18日 地下鉄に乗って鞍馬口。「日本料理屋」に向かった。店の手前で、大粒の雨。アクシデントがなければ・・・。 ようやく2週間前に、カウンターが明るくなった。数寄屋建築山本隆章氏が台所は暗くいのが正しいというのが設計思想だったそうだが、ようやく料理の見栄えもよくなって、美味しく見えるようになった。ただ、今度はカウンターのまな板が見えないように壁が出来るとか・・・カウンターの楽しみが減りますえぇ。
先付けの八寸。旨いのは「くみ上げ湯葉とウニ」だ。あんかけが掛かって、海苔と山葵が絡まって旨い。大好きな鱧寿司。 珍しくガラスの器でお造り。生の鱧と焼き霜の鱧。生鱧の脂の旨味もええもんです。メイタも美味しい。 海老ちゃんの黒塗りの椀は、鱧に茄子の真蒸。真蒸にこだわりを見せる卯菴ならでは手の込んだ真蒸。鱧の味を損なわないように精進なフワフワの真蒸です。 蓋付きの椀の出ることが多いけど、織部のお皿に飯蒸し。真ん中にぐじを焼いてほぐしたのが入って、上にトッピングされているのが、緑色の新銀杏。枝豆と思ってしまった。 沢山盛り込まれた炊き合わせは蓋付きの赤絵。ちょっと窮屈。前日から味を含ませてあるという、鱧とズイキ。味のしゅんだズイキが美味しい。「今日の薄味」というのは、薄い味を時間をかけて素材に含ませていくこういう仕事で成り立っているのだと、仕込みを見ながら納得できるのでした。 保津川の鮎は、もう育ってきている。久しぶりに「骨を抜く」。どきどきで抜いた骨は揚げてもらう。 ご飯は、鱧と松茸の雑炊。映画とうだる暑さで、存分に頂けなかった。残念! 綺麗なシャーベットは、スモモ、さくらんぼ、巨峰。 気がつけば「鱧」でいっぱい。 2006年6月21日 地下鉄に乗って鞍馬口。晩ご飯は「紫明卯菴」。 いつも通りカウンターだが、ちょこっとインテリアが変わっているようだ。あまりに照明が暗いことに、ようやくご主人も気付いたようで、スポットライトがつくようだ。そうなれば写真もキレイになるでしょう。 梅酒の「梅の宿・鶯梅」が出る。
今日のお酒は善知鳥・大吟醸・百四拾・華思い精米歩合40%だ。 金箔のお皿に盛られた八寸。海老を載せてゼラチンで覆った黄身寿司はよく見かけるけど、どうも色が違う。胡麻豆腐のようなプルンとした感触は分からななかったが胡桃だそうだ。面白い組み合わせ。手鞠寿司風の笹巻きには、実山椒入り。好み。 お造りには、鱧、カレイ。カレイの肝が付いているので、肝と一緒にカレイを頂く。 椀には、真蒸と鱧。椀種に必ず真蒸を入れるというのが方針だという。茄子と蓮根を真ん中に真蒸でくるんでます。おまんじゅう風。 大好き飯蒸し。刻んだ鮑とおこわを蒸して、上にウニをトッピング。「イチゴ蒸し」と言っていいかな? 炊き合わせは、夏の京野菜の代名詞「賀茂茄子」。大振りの蒸し穴子の八幡巻き。焼き誰をつけた焼き穴子巻きでなく穴子の味が出汁に移って美味しい。 カウンターの横の火鉢で炭焼きの鮎、海老。カレイの皮は一旦揚げてパリパリ。鮎は保津川産。昨日は20人のお客さんで、同時に焼くのは大変だったでしょう。随分と煙が座敷に流れていったそうだ。今日は改善したと言うことで、煙まみれにはならんかった。お皿に笹の葉を敷いて出てくる。蓼酢。 ご飯は鱧雑炊。笛と肝入り。鱧雑炊だけの為に骨や頭は5匹分をふんだんに使って出すという。いっぱい作ってくれているので、意地になって食う。鱧と肝は別に炊いているようだ。最後に合わせていた。 デザートは、果実のコンポートのような形状。だけどゼラチンで固めて、スプーンですくったママなんでしょう。ミント。 2006年5月12日 晩ご飯は鞍馬口に向かって「紫明卯菴」。 今日はいつもより早い時間にし、暮れるのも遅くなったおかげで、道すがら「雪餅」で有名な「生風庵」を見つけた。 卯菴の門前では向かいのおじちゃんがホースで水まき。玄関をくぐると、打ち水がしっかり。如才。 カウンターに座る。カウンターを指定するお客さんも増えているようです。今日は、座敷にもお客で、他のお客さんと出くわすのは初めてになる。後で、旦那さんもやってきた。久しぶり。
ガラスの盛られた八寸。遅れてやってきた吉村君が鯛の子の煮こごりを仕込んでいるのを覗くことが出来た。カウンターは面白いなぁと改めて実感。お客さんの都合では、大原のお店の仕込みもここでやっていくそうである。粽は木の芽を挟んだ鯛のお寿司。猪口の一品はコノワタ和え。ねっとりと酒の肴。今日はいっぱい鯛が出る。 このところ鯛の出来が良いらしく、しばらく鱧の出番はなさそうである。お造りには鯛。旨味の乗った鯛。白子は軽く霜降り。 肝を練り込んだ鮑の真蒸のお椀。肝で見た目の色は悪いが、旨味と香りがいい。ちょっと出汁がぬるいのが残念。竹の子は塚原産。 チューリップ形のグラスに盛られた酢の物。今年初めてのジュンサイ。酢の物を飲み干す事は余りないのだが、やってしまった。 炊き合わせが鯛のアラと若竹。アラは、下あごとカマなど。今日はいっぱい鯛が出る。少し好みと外れたのは、竹の子の下の部分だけど苦みが少し残っていた(椀種に使った先っぽには無かったんだけど)のと、若布に硬さを感じたことぐらいかな。出汁は美味しいので、これも飲んでしまう。 焼き物にも鯛。今日はいっぱい鯛が出る。鱧までは「アブラメ」と「鯛」が主役だそうで、主役の共演。 ご飯は雑炊。今日はいっぱい鯛が出る。鯛の旨味がでた雑炊。残さずいただく。 兎のデザートはなし。 2006年2月20日 晩ご飯は鞍馬口の「紫明卯菴」。今日はちゃんと住宅街を抜け、店の前に出ることが出来た。めでたしめでたし。 カウンターで頂いたのは
めぐみちゃんの「マイ月の桂」という「月の桂・純米吟醸生原酒・平成十八年丙戌二月四日・立春早朝搾り」をよばれる。「祝」を使っているそうだ。すっきりした飲み口で伏見の酒とは思えない。 で、「醸し人九平次・大吟醸・袋取り斗瓶囲い・山田錦精米歩合40%」。穏やかに仕上がって、切れもいいのですが、もう少し旨味が欲しいところ。 八寸は、もう立春も過ぎ雨水なのだが、節分らしい趣。京都の梅はまだなのだが、梅が一枝。エビの背中の部分に摺り下ろした唐墨。大根で枡をつくってその中に煮豆を入れる。 お造りは油目。骨切りをしても最後に残る分は抜くそうだ。手間がかかります。細切りにした鯛にウニを乗せて出てくるので、ポン酢醤油で食べる。油目もポン酢醤油でいけますな。 椀はスッポンの豆腐。天盛りが白髪ネギ。丸の香りはよろしいなぁ。 久しぶりの卯菴寿司だ。 カブラを半分に割って、真ん中をくり抜く。そこへフォアグラを入れて蒸し上げる。最後にフカヒレの餡を掛ける。フカヒレと言っても、入ってるのかなぁ?と思える程度だったけど。 むちゃ用に子持の諸子を用意してくれたようです。ありがとうさん。筍は薄く切り、格子に包丁を入れて醤油でつけ焼き。それでぐじを挟んで網の上。 ご飯が丸雑炊。おかわりして全部食べ尽くしちゃう。 デザートが兎を表した豆乳プリン。 2006年1月25日 晩ご飯の席は「紫明卯庵」に取っていた。住宅街の裏道を抜けようとしたけど、1筋間違えてしまって、結局紫明通りまででてしまう。 めぐみちゃんのお出迎えで、台所のカウンターへ。女将も来られていた。恐縮。 卯庵の料理長の吉村君と紫明担当の後藤君が考えてくれたというむちゃメニューは
伊賀の緑釉の織部の器に、先付けの酢の物。貴重なホンモロコらしい。ありがたやありがたや お造りが、鯛。醤油は酢を使ったような感触。さっぱり。塩もでた。 水引の椀は、早くも「ハマグリ」。エエ味です。ここでも京都のタケノコ。今日もあるとこにはある、と知る。 ここでは珍しく飯蒸し。イクラはちょっと塩がきつく感じる。 正統派の蕪蒸し。木耳・銀杏・山葵にぐじ。 焼き物は2種類。まだまだ細くタケノコの先端を割って、フグで巻く。かすかにタレを塗っているらしいが、分からないくらい。ちょっとだけというのが寂しいところ。 もう白魚。うるいとかき揚げ。苦味を感じるところが嬉しい。塩でたべるのがよろしいな。 ごはんは、鯛茶漬け。ゴマだれを鯛の身に塗ってごはんの上に並べる。土瓶から出汁を掛ける。山葵と胡麻の香りが立ち上る。旨いなあ。 柚子のシャーベットに、グレープフルーツ、ゼリーにイチゴソースがカクテルグラスで出る。
2005年11月30日 夕御飯は、開店1ヶ月の「紫明・卯菴」にいく。 地下鉄鞍馬口で降りて、紫明を賀茂川へ歩く、中華料理屋の角を曲がって、住宅地の中、看板もなく、のれんも掛けずに、知らなければ何の店かも分からない。表札だけが頼り。ゆっくり歩いて10分。 フラッシュをたかないと、門の灯りしか写らない。暗くて気がつかなかったが門の上には「不断桜」が咲いている。門をくぐれば、前栽の紅葉の落ち葉が敷き詰めたようだ。掃除をせずに見せてくれたそうです。カメラで撮っても暗くて雰囲気が伝わらないので、見せない。昼間だったら息を呑む色合いだろう。 内玄関で「めぐみちゃん」のお迎え。お連れさんがまだなので、待合いのテーブルで待つ。岡部伊都子先生の原稿を待つ記者さんの部屋という。見慣れた懐かしい絵が掛かっていた。 用意された一番奥の座敷で食事。今宵は贅沢にも貸し切り。新しい畳に緋毛氈。奥の庭も、座敷脇の廊下の横にある儲けられた庭も綺麗なんでしょう。全ての部屋に風炉が切ってある。 立派なお部屋は、岡部先生の仕事場だったそうで、記者も入れなかったというプライベートな一室だったそうだ。灯りを抑えた趣たっぷり。派手さも抑えてあるようだ。
漆の更に盛り込まれた八寸。こぢんまりとしているけど、いろいろ。部屋の灯りが落としてあるので、目が悪いとよく分からないかも。栗と思ってぱくついたら「衣かつぎ」だったりした。 伊賀の若手の作家さんの平皿に薄造りのメイタカレイ。醤油とモンゴルの塩が小皿が出てくる。 先斗町から駆けつけてくれた女将さんから挨拶を受ける。「七本鑓」と飲み比べたり、・・・・先斗町も忙しいようで、トンボ帰り。 桐の絵付けの椀は、カニ真蒸。隠岐からの蟹だそうだ。 鯖寿司に焼き目を付けたお寿司。ほんのりとした焼き目ではなく、ちょっと焦げ目が香ばしいほど。はじかみ。寒くなったらお決まりの「卯菴寿司」かなと思っていたけど変化球。 炊き合わせ。蒲鉾のような切り口のフォアグラだ。炊き合わせにコクが加わってよろしいなぁ。 水コンロに炭火を入れて運ばれてくる。既に焼かれた、蟹足と甲羅。座敷で焼いてくれてもいいのにね。焼き銀杏も網の上。甲羅酒はかなりアルコールを残した辛い酒だった。小鉢でほぐし身。 焼き蟹に甲羅酒を飲み干して、ご飯の用意が出来たので、カウンターへ席を移す。ここでは一品料理で酒に酔うこともできるそうである。古風な調理器具が並ぶ。ロースターもあるけど、焼き物は、炭火で焼いているそうだし、手仕事が多そうだ。素朴な味わいを醸すカウンター。 鍋で雑炊がこしらえてある。レンゲでよそう。山椒と黒胡椒が薬味。 デザートはフルーツ。ラ・フランスはコンポート。
今日のお家は「鰻の寝床」と言うけれど、奥行きの深さはまさしく寝床。でも昔風の町屋ではなく、門から垣根で閉じられた廊下脇の庭越しに奥の蔵まで見通せるようになっている。奥庭にある蔵も改造されていて、ご主人の書庫。蔵の2階も改造されていて新しい琉球畳の香りがプンプン。気持ちいい。
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