日本料理・太庵(TAI AN)

adrress大阪市中央区島之内1−21−2 山本松光ビル
call06(6210)0790
open/day
open/night17:30〜22:00
\8000
off
capacityカウンター10人・テーブル1卓
memo/impression 平成27(西暦2015)年4月30日
夜の食事は、半年ぶりの島之内の「太庵」(3.89/55)です。テーブル席はチャイニーズのようです。着席の際に挨拶した江戸、無言だった。チャイニーズだからと言って、箸使いが正しいとは限らないようだ。

  • 先付け、5種盛り。ホタルイカの酢味噌和え、一寸豆と針生姜、ホタテ貝柱のからすみまぶし、トマト入りもずく酢、コノワタにトロロ
  • 螺鈿の桜のお椀は、木積のタケノコと車エビ、薄大根に挟んだ花びら人参と木の芽
  • お造りが、カレイ(縁側)、アオリイカ、蔓菜、紫芽、桜塩、醤油
  • トキシラズの大徳寺納豆焼き、甘酢生姜、酢橘
  • フランス産鳩のたれ焼き(むね、手羽先、手羽元、もも、ささみ、心臓、砂ズリ)、チコリ・胡瓜・うどに肉味噌、蕗の味噌の佃煮入りの焼きダレ
  • ホワイトアスパラガスのアラレ揚げ、塩
  • 炊き合わせは、アワビ、タケノコ、蕗、若芽餡、木の芽
  • ウルイ・浜防風・三つ葉・自家製ちりめん山椒の混ぜご飯、止め椀(春菊とヨモギ麩)、香の物
  • イチゴ・マンゴ・黒豆・ウスイエンドウにイチゴと豆腐のすり流し

今晩のお酒は、本日のおすすめと書かれた「上喜元・大吟醸・吊り下げ斗瓶囲い・山田錦精米歩合40%」を呑みます。香りもいいし、味も柔らか、バランスもいいし、上喜元ではこれが一番好きだ。

先付け、5種盛り。ホタルイカの酢味噌和え、一寸豆と針生姜・加減酢、ホタテ貝柱のからすみまぶし、トマト入りもずく酢、コノワタにトロロ。酢を使ったものが多いようだけど、酸っぱさ控えめで、甘さを感じるくらい。美味しい。

螺鈿の桜のお椀は、出回るのも今年最後という木積のタケノコと車エビ。薄大根二枚に挟んだ花びら人参と木の芽。淡く酸味を感じる吸い地。
お造りが、カレイ(+縁側)とアオリイカ。、蔓菜、紫芽、桜塩、醤油。

選べる焼き物は、トキシラズにしました。焼いて大徳寺納豆の粉末を降りかけ、もう一度炙ってあります。特有の香りと塩梅。でも、この時期なら、一番は木の芽だなぁ。トキシラズよりもかなり味が強い大徳寺納豆であります。甘酢生姜、酢橘。
焼き物は一品をお選びくださいとと、お品書きに書かれているのに、頼んでしまう、魚と肉の二種類です。フランス産鳩と書かれているので、見逃すことができずに注文。醤油のタレ焼きはむね、手羽先、手羽元、もも、ささみ、心臓、砂ズリ。チコリ・胡瓜・うどに肉味噌が添え物。蕗の味噌の佃煮入りの焼きダレも小皿で出て、味が薄いようなら補うようになってます。柔らかい鳩。モツも美味しい。残念に思ったのは、折角のフキノトウの苦み・風味が飛んじゃっている。

フランス産のホワイトアスパラガスがアラレ揚げで出てきました。味吉兆オリジナルレシピのあられだそうです。しっとりとジワリと甘みの出てくる太いアスパラガス。塩も出ている。
炊き合わせは、アワビ、タケノコ、蕗、若芽餡、木の芽。ワカメでドロドロの見かけです。どれも美味しいけど、蕗だけが塩辛く感じます。
ウルイ・浜防風・三つ葉・自家製ちりめん山椒の混ぜご飯。ピリッと舌に刺激があるのは、ちりめんから来るのかな?お替りしたいのだけど、今宵は満腹。止め椀(春菊とヨモギ麩)、香の物。
イチゴ・マンゴ・黒豆・ウスイエンドウにイチゴと豆腐のすり流し

料理は月替わりですが、毎年、大きく変わることはないのが少し残念。
来月で15周年だそうです。そういうことはすぐに忘れてしまう。三泊で韓国ロッテホテルで、料理を披露・監修してきたそうです。★が三つもあると、そういうお呼びがあるんだなぁと推察。


平成27(西暦2015)年1月18日
夜の食事は、半年ぶりの島之内の「太庵」(4.03/52)です。テーブル席はチャイニーズのようです。流石星付き、インターナショナルです。

  • 先付け、5種盛り。蕪の温かいすり流し・炙った貝柱、香茸・ホウレンソウのお浸し、子持ち昆布・とろろ昆布、モズク酢・生姜、ウニと豆腐・山葵
  • お椀が、東坡豆腐、牡蠣、軸菜・人参・金箔薄大根挟み、水辛子、白味噌仕立て
  • お造りが、てっさ、テッピ、もみじおろし、蔓菜、別皿に白エビ、ポンス醤油、造り醤油
  • ふぐの一味焼き、ピーナッツ味噌、甘酢生姜、酢橘
  • フランス産鳩の幽庵焼き、肉味噌、ちしゃとう、赤カブ、アンディーブ
  • フグの白子のアラレ揚げ、レモン、塩
  • 蟹の茶碗蒸し、百合根、生姜
  • フグの加薬ご飯、止め椀、香の物、ふぐの卵巣の糠漬
  • イチゴ・黒豆・ウスイエンドウのゼリー、白小豆

一本目のお酒は「松の司・純米大吟醸・黒ラベル・東条山田錦精米歩合35%・自社保存株酵母」です。
洋ナシやマスカットの香りに、味が乗り始めた味わい。

先付け、5種盛り。蕪の温かいすり流し・炙った貝柱、香茸・ホウレンソウのお浸し、子持ち昆布・とろろ昆布、モズク酢・生姜、ウニと豆腐・山葵。と1月の先付としては、例年と大きな変わりがないようです。

扇が描かれたお椀は白味噌仕立て。東坡豆腐、牡蠣。軸菜・人参・金箔を二枚の薄大根で挟んであります。水辛子。東坡というのは料理方法で、食材としては「厚揚げ」だそうで、自家製。
お造りが、てっさ、テッピが添えられて、もみじおろし、蔓菜。別皿に白エビ。ポンス醤油、造り醤油。上手に寝かされたフグ。

二本目のお酒は「黒龍・大吟醸・しずく・東条産山田錦精米歩合35%」です。
メニューに載せてないけど、紹介されちゃえば、頼まずにはいられない性格。とても落ち着いた味わい。

選べる焼き物からまず魚で「ふぐの一味焼き」をオーダー。付け焼きにして、最後に一味を振って出てきます。ピーナッツ味噌、甘酢生姜、酢橘がついてます。シャカシャカした歯触りのピーナッツ味噌をフグと一緒に食べても旨い。
欲張って二品目の焼き物はフランス産「鳩の幽庵焼き」。胸肉、ささみ、手羽先、手羽中、手羽元、ハツ、ずり。内臓系旨し。ささみは、燻製したハムのような味わいがして面白い。ムネ肉もしっかり旨いし、これも肉味噌と合わせて旨いようになっております。ちしゃとう、赤カブ、アンディデーブ。

油物はフグの白子のアラレ揚げ。そういえば今シーズンちゃんと白子を食ってなかったかも。レモン、塩。
蒸し物は蟹の茶碗蒸し。餡かけ。中に百合根。生姜が天盛で、結構効いてます。
ご飯はフグの加薬ご飯。フグは、三河、遠江のあたりが刻んで炊き込まれているようで、時折、口の中でニュルンと楽しい食感。味は薄目。特別にフグの肝の糠漬けをほぐしたのを出してくれましたので、フリカケ替わりにして、お替りもして満腹。止め椀、香の物。
イチゴ・黒豆・ウスイエンドウのゼリー、白小豆。


平成26(西暦2014)年6月14日
夜の食事は、島之内の「太庵」です。満席。極東の外国人もチラホラ。

  • 先付け、5種盛り。岩ノリの酢の物・刻みしょうが、金時草と椎茸のお浸し・糸カツオ、蛸のチリ酢和え、冷やし湯葉・山葵、鯛の子の塩辛・白子入り
  • お椀が、アワビ、冬瓜、インゲン、レンコン、実柚子、別皿にアワビの肝
  • お造りが、鱧の落とし・紫芽・大根、カツオの皮霜・蔓菜、チリ酢、ゆかり塩、醤油
  • キンキの塩焼き、奴ネギとレンコン・干し貝柱と柚子胡椒・松の実、柚子
  • 梅雨イサキと賀茂ナスのアラレ揚げ、レモン、塩
  • 一寸豆のすり流し、クルマエビ、ジュンサイ
  • 鮎の佃煮の出汁茶漬け、海苔あられ、香の物、お替りには鱧の佃煮の出汁茶漬け、
  • 西瓜・マンゴ・黒豆・ウスイエンドウのゼリー寄せ、アメリカンチェリーのコンフィチュール

一本目のお酒は”本日のおススメ”と書かれている「醸し人九平次・純米吟醸生・ときの花をかざす・超しぼりたて・山田錦精米歩合50%・酒のやまもとPB」です。オレンジのような酸っぱ甘い香りに、麹・糠のようなニュアンスが加わりる立香。メロンやマスカットのような含み香が複雑な味わい。旨口といった呑み心地。

先付け、5種盛り。岩ノリの酢の物・刻みしょうが。お得意の金時草と椎茸のお浸しには糸カツオ、細かく包丁の入った蛸のチリ酢和え。冷やし湯葉には山葵。鯛の子の塩辛に刻んだ白子入り。

お椀が、アワビに冬瓜。冬瓜の皮のところが残ってちと固めの食感でした。グダグダよりは好感が持てる。インゲン、レンコン、実柚子。別皿にアワビの肝が出ているので、椀種のアワビを食べる時に使うようです。旨い事には変わりないけど、馴染めない。外国人は、直接お椀に入れていたような素振り。それは吸い地が台無しでしょう。
お造りが、鱧の落とし・紫芽・大根が笹皿。食べる直前にボタンに仕上げて岡揚げ。言うなれば人肌のボタン鱧ということになります。脂も溶ける温度ですから、口の中で鱧が崩れていくという食感。カツオの皮霜も食べる直前に網焼きです。チリ酢はカツオ、ゆかり塩と山葵醤油とは鱧。

二本目のお酒は「乾坤一・超辛口純米吟醸原酒・美山錦精米歩合50%・一回火入れ」です。旨い酒の後で、弱いけどリンゴのような香りで、すっきりした味わい。脂にも相性がいいようです。

選んだ焼き物はキンキの塩焼き。半身。胸びれも綺麗に焼かれて、キンキのキンキもスコッと抜けます。脂がジンワリ滲むジューシーな焼き具合。奴ネギとレンコン・干し貝柱と柚子胡椒・松の実。柚子
油物に、梅雨イサキと賀茂ナスのアラレ揚げ。他の店より細かいあられ。レモン、塩。
炊き合わせと言うてますが、一寸豆のすり流し。豆の香るすり流しの中にクルマエビ。浮いているのはジュンサイ。

ご飯は鮎の佃煮の出汁茶漬けです。壺壺にはお茶漬け用の海苔あられ。ポットで出汁が出ておりますので、ヒタヒタと流しかけます。ズルズルと食べれば、岡有もできるというのでいただきます。お替りには鱧の佃煮もできますというので、そうしてもらいます。
デザートにデジェスティフとして出してくれたのは、メーカーは分からないけど「ポートワインCINTRA 1961 PORT」です。ちょっと濁って、味が濁ってますが、芳しい香り。

西瓜・マンゴ・黒豆・ウスイエンドウのゼリー寄せ、アメリカンチェリーのコンフィチュール。


平成26(西暦2014)年4月1日
今晩の食事は、「太庵」にとっておきました。4月は今まで来ていないなんて、不思議。

  • 先付け、5種盛り。一寸豆の焚いたん・さらし針生姜、モズク酢にトマト、ホタルイカに黄身酢、ホタテ貝柱のカラスミまぶし、海鼠腸とろろ
  • お椀が、タケノコ、クルマエビ、スライス大根に挟んだ花びら人参と木の芽
  • お造りが、ヒラメ・縁側、あおりいか、蔓菜、紫芽、桜塩、醤油
  • サクラマスの木の芽焼き、奴ネギとレンコン、干し貝柱と柚子胡椒・松の実、甘酢生姜
  • シャラン鴨の焼き物、ウイキョウの酢漬け、酢橘、蜂蜜諸味、山葵塩
  • ホワイトアスパラガスのアラレ揚げ、塩
  • 炊き合わせは、アワビ、タケノコ、蕗、若芽餡、木の芽
  • ウルイ・浜防風・三つ葉・自家製ちりめん山椒の混ぜご飯、止め椀(わかめとヨモギ麩)、香の物
  • イチゴ・マンゴ・黒豆・ウスイエンドウにイチゴと豆腐のすり流し

一本目のお酒は「乾坤一・純米吟醸原酒・超辛口・美山錦精米歩合50%・一回火入れ」です。荒っぽい酒ですけど、紅玉のようなリンゴの香りと甘さ。しっかりした味わい。

先付け、5種盛り。一寸豆の焚いたん・さらし針生姜、モズク酢にトマト、ホタルイカに黄身酢、ホタテ貝柱のカラスミまぶし、海鼠腸とろろ。豆を浸した出汁、モズクの酢の加減ともに甘みを感じるさらりとした味。黄身酢は、クリーミーな味で、黄身酢だけでお酒が呑める。むしろホタルイカが邪魔なくらい。ホタテの甘味と唐墨の塩梅がいいようです。

お椀が、貝塚のタケノコにクルマエビ。そのうえに、スライス大根に挟んだ花びら人参と木の芽が吸い口の役割。今まで気づかなかったけど、優しく上品な吸い地。カツオだけでなく「シビの枯れ節」を混ぜているそうです。ようやくちゃんとした木積のタケノコを食べた印象です。
お造りが、ヒラメ・縁側、あおりいか、蔓菜、紫芽、桜塩、醤油。縁側まで細かに包丁が入ってました。桜塩というのは、桜茶を利用しているそうですが、香りはそれほどではないものの、塩で食べる白身魚は美味しい。

二本目のお酒は「獺祭・純米大吟醸・磨き二割三分・精米歩合23%」です。テレビに取り上げられたころから、少しは落ち着いて、切れずに置いてあるそうです。流石に売れてるだけのことはあるなと理解できます。

選べる焼き物の一品目は、季節がらサクラマスの木の芽焼き。醤油・味醂・鮭に漬け込んでいい塩梅。付け合わせには、奴ネギとレンコン・干し貝柱と柚子胡椒・松の実だったと。それに甘酢生姜。
欲張って二品目の焼き物を注文し、シャラン鴨の焼き物。綺麗なロゼです。ウイキョウの酢漬けと酢橘が皿の上ですが、別皿で蜂蜜諸味と山葵塩。蜂蜜諸味>酢橘?山葵塩の順が好みでした。鴨らしい旨みが出てました。

油物がホワイトアスパラガスのアラレ揚げ。ぶぶあられと柿の種ですが、あられというより粉に近い。とっても甘いジューシーな火の加減。塩は最小限がいいようです。
炊き合わせは、アワビ、タケノコ、蕗、若芽餡、木の芽。朝掘りと強調して出て来たタケノコ。アワビに蕗。ワカメを溶かし込んだ餡かけの炊き合わせ。
グループごとに、すし桶で作る混ぜご飯。ウルイ・浜防風・三つ葉・自家製ちりめん山椒。直前に混ぜるからのシャキシャキ感が残るウルイと防風。加えてピリリと効く実山椒が食欲を刺激するご飯。お替りしちゃいますが、またすし桶で作り直してくれます。止め椀(わかめとヨモギ麩)、香の物。
グラスに水菓子イチゴ・マンゴ・黒豆・ウスイエンドウをゼリー寄せ。流しかけたのはイチゴと豆腐のすり流し。


平成26(西暦2014)年1月25日
今晩の食事は、「今ちゃんの『実は・・・』」に登場したばかりの「太庵」にとっておきました。もちろん番組の前です。

  • 先付け、5種盛り。蕪の温かいすり流し・炙った貝柱、香茸・ホウレンソウの加減酢、子持ち昆布・とろろ昆布、モズク酢・生姜、ウニと豆腐・山葵
  • お椀が、揚げ慈姑餅に牡蠣。大根に挟んだ軸菜・人参、練り辛子
  • お造りが、ふぐの薄造り・大根・紅芯大根・もみじおろし、三河・遠江。別皿に白エビ・蔓菜。ポンス、醤油
  • スペアリブの赤ワイン風味、アンディーブ。ちしゃとう・小蕪には肉みそ、柚子胡椒
  • (お友達は伊勢赤地鶏、さわらの利休焼)
  • フグの白子のアラレ揚げ、零余子のアーモンド揚げ、レモン、塩
  • ハマグリの茶碗蒸し、百合根、生姜
  • 自家製カラスミにスライスした大根
  • 隠岐の松葉カニのご飯、止め椀、香の物
  • イチゴ・黒豆・ウスイエンドウのゼリー、白小豆

お酒は青森の「善知鳥・大吟醸・山田錦精米歩合40%」です。
「新口村の段」の孫右衛門の逃亡する息子を見送る最後の浄瑠璃「平沙の善知鳥血の涙、長き親子の別れには、やすかたならで安き気も、涙々の浮世なり」に出てくる元になった謡曲のタイトルです。
品があって清楚な甘み、抑えた香り、滑るような喉越しに、さらりと消える後口。なんと抽象的な表現。

先付け、5種盛り。蕪の温かいすり流しの中に炙った貝柱、香茸とホウレンソウの加減酢、子持ち昆布の上にとろろ昆布、モズク酢に生姜、ウニと豆腐・山葵。ウニの下に流し込んである豆腐は、白和えに仕立てた和え衣の緩いノンという感じでした。
お椀が、揚げ慈姑餅に牡蠣。冬によくある薄い大根に挟んだ軸菜・人参、練り辛子。過去の記憶では「山利」の白味噌だけで仕立てた吸い地。円やかな甘みです。ぼそっとした慈姑の団子に甘さが浸みるようですし、牡蠣にもまったり。
お造りが、ふぐの薄造りに、くり抜いた大根と紅芯大根。丸まったもみじおろし。薄造りの脇に、三河・遠江。別皿に白エビ・蔓菜。フグはポンス、白エビは醤油。
お友達とシェアする気満々ですが、名物のスペアリブの赤ワイン風味の注文をしないので、むちゃがしておきます。お友達チョイスは「鰆の利休焼き」と「伊勢家地鶏の焼き物」。まぁ、どれを注文しても一巡しているはず。アンディーブにちしゃとう・小蕪には肉みそ。相変わらず肉味噌が美味しい。柚子胡椒は不要でした

油物には、フグの白子のアラレ揚げと零余子のアーモンド揚げ。塩がいいな。一口には大きいし、熱いし、食べにくいサイズの白子でした。旨いことには変わりがないけど。
炊き合わせと言ってましたが、ハマグリの茶碗蒸し。茶碗の中には百合根だけのようでシンプル。風味は生姜。
自家製カラスミにスライスした大根。大根は厚いなと思ったら、4枚重ねてありました。
ご飯は隠岐の松葉カニのご飯でした。楽しみにしていた「フグヒレ出汁茶漬け」は、実は12月の献立だったそうです。つまりテレビの取材は昨年だったようです。それならそう放送な中で「今月食べに行っても食べられないよ」と言えよ。とはいえ、電話予約の時にオーダーすれば、フグヒレがある限り作ってくれるそうです。松葉カニは青いタグの島根の隠岐でした。お替りしちゃう。
ワイングラスに流し込んだゼリーにはイチゴ・黒豆・ウスイエンドウ。さらに上から白小豆。


平成25(西暦2013)年11月3日
今晩の食事は、★★★の島之内の「太庵」にとっておきました。「ぐるなび」からは胡蝶蘭。満席です。

  • 先付け、5種盛り。空芯菜に金山寺もろみ、雲子・ホウレンソウの加減酢、サヨリと胡瓜の塩麹和え、ナメコと菊菜のすり流し、栗チップス
  • お椀が、クルマエビ、海老芋真蒸の揚げ団子、スライスした大根、軸菜、ニンジン、柚子皮
  • お造りが、陶箱に鯛は造り醤油、戻りカツオは酒盗醤油
  • きんきの塩焼き、アンディーブ。胡瓜・小鏑には肉みそ、酢橘
  • 油ものには、朝鮮人参、ウニの湯葉巻き
  • 下仁田ネギのすり流し(豆乳仕立て)、仙鳳趾牡蠣
  • キノコ(ジロール茸、トランペット茸、舞茸)ご飯、香の物、止め椀(すっぽん真蒸)
  • 柿微塵、巨砲、トマト、黒豆、グリーンピース、ブランディ

二本目は「黒龍・純米吟醸・純吟三十八号・国産山田錦精米歩合(麹米50%&掛米55%)」を呑む。口当たりが甘いし、香りや味は黒龍らしく控えめ。
先付け、5種盛り。空芯菜に金山寺もろみ、雲子・ホウレンソウの加減酢、サヨリと胡瓜の塩麹和え、ナメコと菊菜のすり流し、栗チップス。数年前の11月と似たような先付のようです。流行の塩麹は今風ですかね。女将が「栗せんべい」と呼んでましたが、これで一品は寂しい。お酒がすすむ君です。
お椀が、クルマエビ、海老芋真蒸の焼き団子、スライスした大根、軸菜、ニンジン、柚子皮。カツオの香りが立つ吸い地で、それに香ばしさを感じる。醤油か?焼いた効果かわからないけど、強く感じた。薄くスライスした大根を取ると、柚子の香りが立ち昇る趣向です。

二本目は「黒龍・大吟醸・龍・兵庫県産山田錦精米歩合40%」にしましょう。黒龍ばかりで通しましょう。香りも味も落ち着いて、清楚な甘み。喉越しも優しい。

お造りが、二種。陶箱の鯛は造り醤油で、戻りカツオは酒盗醤油で。旨くなってきた鯛ですが、もうちょっと厚く切って欲しいところ。
選べる焼き物は、追加料金がかかるけど北海道の釣りもの「きんき」の塩焼き。にじみ出る脂です。自家製の肉みそは、いい塩梅。
油ものには、朝鮮人参、ウニの湯葉巻き。北海道のウニを湯葉で巻いて揚げた春巻き風の東寺揚げ。元気になれそうな人参。
暖かかい下仁田ネギのすり流しのスープに仙鳳趾の牡蠣。ネギの香りがプーンと立つものの、すり流し自体には豆乳のせいか味にネギの香りは少ないようです。肉厚の牡蠣の火入れ抜群で、ムチムチ。

ご飯はキノコ(ジロール茸、トランペット茸、舞茸)ご飯です。それぞれのキノコをした処理して、茹で汁を使って焚いたようです。トランペットは炒めているらしく、ご飯は油のせいかつやつやで旨みアップです。
グラスのゼリーに寄せてあるフルーツは、巨砲、トマト、黒豆、グリーンピース。上から微塵の柿。ブランディを好きなだけ振りかけられます。

店頭に、いろいろグッズが飾られているので、ネタにして、店を出ます。


平成25(西暦2013)年8月1日
今晩の食事は、久しぶりに島之内の「太庵」にとっておきました。不思議と夏の7月・8月は初めてのようです。

  • 先付けの八寸、五品。海藤花とアロエ、すり生姜を乗せた胡瓜と鮎の松風、そうめん南瓜にクコ、ナスと礼文島のウニ、クラゲの胡麻和え
  • お椀は、ボタンはも・梅肉、モロッコいんげん、新レンコンスライス、岩茸、へぎ柚子
  • お造りは、鱧の背越し。しろえび、ゆかりゴマ、醤油
  • 焼き物は、豊後水道のスズキの大徳寺納豆焼きと、尾の身の塩焼き、酢橘、アンディーブ・スナップ豌豆・胡瓜・自家製肉みそ、蓼酢
  • カラスミを巻いたキスのあられ揚げ、レモン
  • 冬瓜のすり流し・サザエ、大葉  
  • 混ぜご飯(田中唐辛子・伏見とうがらし・自家製ちりめん山椒)、止め椀(鱧・白ネギ・三つ葉)、香の物
  • スイカ、枝豆、黒豆、黒蜜ゼリー、ジュンサイ

今日も喜楽長を呑んじゃいましょう。「喜楽長・大吟醸・平成25年全国新酒鑑評会金賞受賞酒・山田錦精米歩合40%」です。何とも言えない「ほんわかした」柔らかい味わい。シャープさというか、尖がった部分がありません。フルーティさはありますが、フルーツ牛乳のようなマイルドな香りです。温度が少し上がれば甘みが増すようですが、余韻は短くそれもフワーっと消えていく感じです。出張しない味わいは、どんな料理にもあいます。

また先付を撮り忘れるという、ボケをかます。必死に思い出した品は、海藤花とアロエ、すり生姜を乗せた胡瓜と鮎の松風、そうめん南瓜にクコ、ナスと礼文島のウニ、クラゲの胡麻和え。海藤花いうのは蛸さんが蛸壺の内壁に産み付けると思っていたのですが、蛸壺の中のモズクに産み付けるというようなことをおっしゃる。どうなんでしょう?鮎の松風って初めて聞きます。やさしい味をした総ウルカみたいな苦みがお酒を勧めてくれます。立派に鮎を思い出させる苦みでした。
お椀は、ボタンはも・梅肉。淡路の鱧です。たくさんの岩茸が鱧以上に嬉しい。新レンコンは徳島産。産地によってレンコンの使い方が違うそうです。徳島のはシャキシャキ感が強いようです。
お造りは、鱧の背越し。写真をしっかり見ればわかりますが、鱧の皮に包丁が入っています。しかも皮の湯霜です。身の方はレア。あまり見ない仕事ですけど、昔から行われている仕事のようです。女将さんは「背越し」と呼んで出してくれました。鱧の骨の構造を考えると、理にかなった部分があるようです。紫蘇で作った「ゆかり」にゴマをたっぷりつけて食べると案外美味しい。梅肉だけじゃありませんな。
別の器にしろえび。これは醤油。

二本目は「黒龍・大吟醸・龍・山田錦精米歩合40%」にしてみよう。フルーティさが増すけど、軽快な味わいでキレます。

きんき、あなご、すずき、赤鶏、和牛などの中から焼き物は、大将と相談して、豊後水道のスズキ焼いてもらいました。身の部分は大徳寺納豆を振って塩のきいた焼き物。それでも塩よりもやさしい塩味です。厚い身。
女将は「尾の身」と呼んでましたが、尻尾って繊維質(よく動くから筋肉質)なイメージがあるのですが、コラーゲンが集まっているそうです。よく動く尻尾が旨いとおっしゃる方は確かにいるのですが、そういう理由だったのかと・・半信半疑なんですけど、ありかなっと。自家製の肉みそがとっても旨い。ご飯のお伴に十分なります。

油ものはカラスミを巻いたキスのあられ揚げをレモンで。あられは「ぶぶあられ」と「柿の種」のブレンドらしい。
冬瓜のすり流しに大葉が混じって、サザエがゴロゴロゴロ。
混ぜご飯(田中唐辛子・伏見とうがらし・自家製ちりめん山椒)です。提供する直前に、すし桶に白ご飯を釜から取り出し、具材をブレンドしていきます。京野菜の田鶴さんの田中唐辛子、伏見の赤唐辛子を炒って細切り。甘く炊いたちりめん山椒と合わせて、甘ピり辛のごはんです。さっぱりがつがつ食べられる味。二杯で自重。
スイカを丸くくり抜いて、枝豆、黒豆の上に黒蜜ゼリー。ジュンサイがデザートになっております。

飲んでみようと思っていて忘れちゃったのが水出しの青茶。日本航空(JAL)国際線ファーストクラス全便搭載ボトルというのが2種類オンリストされていて、一つは名前を忘れたけど、覚えているのは「クイーン オブ ブルー」という代物。webを見ると750mlのワインサイズで、4,000円もするようで、キヨブタ飲料です。お隣さんが注文した水色を眺めるとウーロン茶とは思えないほど濃く抽出されてます。茶葉を買って自分で淹れるのは遥かに安くつきそうです。「祇園さゝ木」「修泊」「千花」にもあるようだ。行かないけど。
めったにないということですが、今晩は他に一組だけでした。こんなにゆったりした太庵は初めて。八月というのは、フレンチやイタリアンは暑くて敬遠するお客が多いそうですが、それならと日本料理に舌が向くとのこと。一理あるな、と納得。


平成24(西暦2012)年10月6日
古くからの酒友達と二年半ぶりのお食事に向かったのは「太庵」。一回転のお客した予約を受け付けないシートは満席。今日ははじめてのテーブル。(歓談しながらの食事では、記憶が曖昧!)

  • 先付けの八寸、五品。むかごのすり流し・帆立貝柱、長芋そうめん・梅肉、しろうるか、焼き霜のカマスにもって菊・山葵、トンブリ・松の実
  • お椀は、松茸、丸真蒸、白葱、青菜
  • お造りは、おこぜ、貝柱。別皿に鰹。醤油、酒盗入り醤油
  • 焼き物は、スペアリブの赤ワイン風味、梅干の蜜煮?
  • (シェア)伊勢赤地鶏、さわらの幽庵
  • 子持ち鮎をカダイフで巻いた揚げ物、蓼酢
  • 東坡豆腐の菊花餡かけ、ウニ、山葵
  • 丹波栗ごはん、止め椀(浅利)、香の物
  • トマトとブドウ、黒豆のゼリー寄せ、イチジクの炊いたソースにキウイ

今晩のお酒は「田酒・純米大吟醸・山田穂精米歩合40%」と「田酒・純米大吟醸・短稈渡船精米歩合40%」を呑み比べます。酒米の王と言われる「山田錦」の母親が「山田穂」で、父親が「短稈渡船」です。 山田穂がフルーティながら落ち着いたふくよかな味わい。短稈渡船がシャープでわずかに酸が多くてキリットした味わい。共に綺麗な喉越しです。

先付けの八寸?。むかごがでると自分でもご飯を炊くくらい好きだけど、すり流しも旨いものです。ホタテが淡白すぎる感じるくらいムカゴが旨い。たぶん自家製のあっさり白ウルカ。あっさりと言うのは塩が薄いということで、浅漬けですな。酒肴の珍味としては物足りないけど、美味しい。トンブリも美味しい。日本酒好き集まって、美味しい酒肴と酒があれば、時間がかかってしまう先付けです。

お椀は、スッポンの丸仕立ての香りが立ち上がります。丸は茶巾風の真蒸。松茸の軸は細切り。松茸の香りはスッポンの陰に隠れて控えめですが、十分。なんだか、スッポンと松茸の組み合わせが、ここかしこで出るようになってきた感覚があります。
お造りは、短歌の短冊にオコゼと貝柱。貝柱はタイラギ?今日はテーブルなので、聞くタイミングが取りづらくて、ちゃんと確かめていないのです。オコゼは皮も付けて欲しいところ。きれいな鰹なんだけど、皮を焼きすぎでゴワゴワした部分もあるのが、いまひとつ。
お友達の注文の焼きものは、伊勢赤地鶏、さわらの幽庵なので、ここの名物であるスペアリブの赤ワイン風味を頼みます。一旦蒸して脂を落として、冷やし、焼くときに赤ワインをつかっていると聞きいたことがあるトロトロの豚さん。開店当初からの名物だと思っているのだけど、注文したのは二回目でした。シェアした皿の写真は控えました。鶏さんには、蜂蜜、山椒塩。

田酒を味わった後は「シェーヌ・ダルゴンヌ・2004 満壽泉×アンリ・ジロー・精米歩合50%」と「醴泉・大吟醸・蘭奢待・フロンティア東条山田錦精米歩合35%」とで適当に料理に合わせ呑み比べ。アンリ・ジローは季節限定じゃないんだ。といっても一本呑むのはなかなか難しいだろう。蘭奢待はいいね。

素麺状のカダイフを巻いた鮎の油物。もうお腹は卵でいっぱい。揚げ物にすると酸っぱい蓼酢より、塩の方が合うかも?サクっとしてムチっ。
東坡豆腐という巣入りの焼き豆腐みたいなんを使った餡かけ。餡かけには黄菊どっさり。餡もいいけど、ウニが旨すぎ。
面倒臭くて自分ではつくりたくもない栗ご飯。ゴロゴロとマルッポの栗が入っているのではなく、刻んであります。満遍なく栗が混じって公平感がある。食べている時の辺りはずれもないので味わいがいつも一緒。餅米が混じっているのかな?まだ小さいらしいけど丹波栗でした。
お得意のワイングラスにゼリー。トマトとブドウ(巨峰?)、黒豆。上にはイチジクのソースとキウイ。


平成24(西暦2012)年5月13日
幕がおりて、晩御飯へ向かった先は「太庵」。ほとんど同時入店の遅い目のグループもおられますし、帰られた後の空席もある時間帯。芍薬が活けられてます。

  • 先付けの八寸、五品。ホワイトアスパラガスのすり流し・帆立貝柱・胡瓜、生の水前寺海苔・すり生姜、ウニ(その下は?忘れた)、金芯菜の花と椎茸・松の実のお浸し、鳥貝のおろし合え・干し土筆
  • お椀は、揚げレンコン饅頭、炙ったバチコ、ジュンサイ、花柚子、松菜
  • お造りは、鯛・ラデッシュ・縒り胡瓜・紫芽、ケンケン鰹・蔓菜、ごま塩、醤油、酒盗入り醤油
  • 鮎の塩焼き、桜マスの付け焼き・花山椒、オクラを混ぜたおろし
  • トコブシの揚げ物、レモン
  • 春若芋(長芋)の揚げたん・胡麻ダレ、蛍烏賊、こごみ、山葵
  • 空豆ごはん、揚げ桜海老乗せ、止め椀(蓬麩・三つ葉・ウルイ)、香の物
  • マンゴとグレープフルーツのゼリー寄せ、ウィルキンソン・ジンジャーエール

乾杯は「マム コルドン・ルージュ・ブリュット」で乾杯。カポカポカポとグラスが空いて、日本酒へ。軽く「乾坤一・純米吟醸原酒超辛口・美山錦精米歩合50%」を注文です。あまり印象が残っておりませんわ。悪い印象がないということです。

先付け八寸には、五つの料理が並びます。ホワイトアスパラをスリスリすり流しには、帆立の貝柱と胡瓜が隠れてます。和風の出汁で割っているんでしょう。粒粒感の残る水前寺海苔は酢の物。ウニの下には(たぶん)湯葉だと思うけど・・。鳥貝にはおろし和え。サッパリしたお酢の風味。好みは山葵醤油ですけど・・。香ばしくもあり、苦味もある焼いてある干し土筆
始めて食べる金芯菜の花。アップで残しておきましょう。花の味は良く分からないけど、出汁はとても美味しい。

表が鯉の滝登りの蒔絵で、裏では龍に変わったという趣向のお椀。登竜門の故事そのまま。こういう季節メイタ柄を見ると、(旬は外れているそうだが)鯉を食べたくなるのです。新レンコンの揚げ饅頭です。油が浮いてない吸い地ですから、湯通ししてあるんでしょう。香ばしいし香りと甘さも加わるバチコ。レンコンスライスに隠れて見えないけど、吸い口は花柚子。奥ゆかしい柚子の香り。青味も見にくいけど、松菜というものらしい。似ています。
お造りは、器二つに分かれて出てきます。陶器に、鯛。ごま塩を勧めてくれます。
すっかり身近になったブランドの鰹。タタキにしても、キレイな色をしてます。酒盗を溶いた醤油を勧めてくれます。今の時期の鰹はさっぱりとして、バクバク食べられます。

昨年も呑んだけど、2004年ものになったアンリジローのワイン樽で6ヶ月熟成させた「シェーヌ・ダルゴンヌ・2004 満壽泉×アンリ・ジロー・精米歩合50%」を注文します。残り少なかったようで、チューリップ型のティスティンググラスにそれぞれ一杯。立香はあまりしません。口に含んで樽の甘さを感じる程度。日本酒の香りは味も影を潜めて、枯れた古酒がベースになっているかのような味わいです。まったり感はあるけど、特に和食と喧嘩するようなことはないようです。ちびちび。
さらに、同時に「獺祭・純米大吟醸・磨き二割三分」を呑みましょう。するするなお酒。

選べる焼き物は、鮎と桜マスをシェア。一人前二匹という鮎。花山椒は「たっぷり」という注文をつけてます。隠れるほどで、テンションが上がるというもの。
とこぶしのフライ。トコブシを炊いて、刻んで、殻に詰めて、パン粉をつけて揚げてあります。手間がかかってる分、旨い。つなぎに湯葉だっけ?
長芋はこの時期「春若芋」と呼ぶそうです。詳しくは忘れちゃったけど、長いもをマルッポ表面を焼いて、輪切りにしてある様子。白胡麻のタレに埋めてあります。上から蛍烏賊にコゴミ。まだ粘りの少ない長芋のようですし、胡麻にも合います。

今日は、空豆ごはん。空豆たっぷり。カリッとあげた桜海老をトッピングして、サクッと、カリッとした風味がプラス。お替りした。
ワイングラスにカットフルーツのゼリー寄せ。

後で日記を見直してみれば、10周年だった2010年の五月と、料理があまり変わってなかったようだ。
やっぱり二時間半くらいは、かかりますねぇ。遅くになっちゃいました。日付けが変わる頃に帰宅。


平成23(西暦2011)年9月11日
舞台がはねて、急いで晩御飯に向かった先は「太庵」。もう何人かのお客さんはお帰りされた時間帯。カウンターも少し余裕があります。外人客(中国かな?)もいるぞ。

  • 金時草と舞茸のお浸し・糸カツオ、冷やし湯葉・山葵、タコの柔らか煮・練りからし、モズク・マグロのコラーゲン・しょうがの酢の物、甘海老に長芋のタタキ
  • お椀が、鱧と松茸、絹さや、柚子
  • お造りには、菊鉢にアコウとイカで、山葵醤油かゆかり(赤シソ)。黄色の小皿にカツオのタタキ、葱入りポン酢醤油
  • 一つ目の焼き物は、アコウのカマ。塩焼き、甘酢生姜
  • ビゴール豚の塩焼き、なす・きゅうり・蕪の生野菜に肉味噌、蜂蜜入りモロミ味噌、実山椒塩
  • カラスミをサンドしたキスのフライ、新銀杏
  • 焼きナスのスリ流しにウニ
  • 鱧ご飯、香の物、止め椀
  • スイカ・巨峰のブランディゼリー寄せ、幸水のコンポートのスリ流し
一本目は「醸し人九平次 ときの花をかざす 超ひやおろし熟成550日 山田錦精米歩合50%(酒のヤマモトPB)」にします。一年半も経てば「ひやおろし」ではなくて「在庫処分品」とも思えます。「ひやおろし」というのは個人的な印象では「荒々しい原酒が程よく落ち着く頃のお酒」というものですが、二回火入れに比べれば、やっぱり「味は濃い」というもの。それが一年延びればさらに味が乗って、幅が出るだろうなという予想ですが、裏切られなかった。旨い酒というカテゴリー。
先付け・珍味・八寸・・・・・花弁の器に金時草と舞茸のお浸し・糸カツオ。クリーミィな湯葉に山葵、タコのほんまに柔らかく(噛む必要もないほどに)煮いたんに練りからし。、モズク酢にマグロのコラーゲンを混ぜしょうが天盛、ウサギの香合の中は甘海老に長芋のタタキ。
お椀の内には市松模様。鱧と松茸。韓国産らしいですが鱧の旨味の出た吸い地。松茸も香りが良くなってきました。大阪風な吸い地というべきかな。旨い「食い味」。
お造りには、菊鉢にアコウとイカで、山葵醤油かゆかり(赤シソ)胡麻で食べます。やはり山葵と醤油がいい。アコウはやはりツートップの一角だなぁと納得。黄色の小皿にカツオのタタキ。大振りに切られてます。周参見で揚がった戻りカツオ。葱入りポン酢醤油(酒盗が入っていたかな?)で食べます。戻りでもいい香りのカツオ。

二本目は「あたごのまつ 限定純米吟醸 精米歩合55%」で、今月9月の出荷のお酒。震災を逃れたお酒ですが、「究極の食中酒」という狙いは震災を乗り切って叶えられています。

選べる焼き物の一つ目は、アコウのカマ。お造りにアコウが出るとは思わなかったので重なったけど、魚の焼き物を見渡せば、好みはアコウで落ち着いたでしょう。プロの焼きあがりはヒレがピンと立っております。脂がボタボタ滴るようなものではありませんが、脂の旨味を感じるシットリしたカマ。厚いカマだったので、かすかにレア。
欲張って選ぶ二品目の焼き物はビゴール豚の塩焼き。前回6月も食べてるけど、頼んじゃう。脂もくどくないし身も淡白。どんな味にでも仕上げられそうだけど、シンプルに塩コショウとかが一番いいかも。酢橘だけでも十分だけど、蜂蜜入りのモロミでも、添えられた生野菜用の肉味噌でも、なんでも合っちゃう。この豚を定番でメニューに載せて行く様子。ここにはスペアリブというスペシャリティもあるし、日本料理をちょっと外した選択もできます。
油物はカラスミをサンドしたキスのフライに、新銀杏。カラスミの味が乏しいかったかなぁ。
炊き合わせというてたのは、焼きナスのスリ流しを冷やしたものにウニ。和風ナスのスープという感じ。

ご飯は、鱧を炊き込んだご飯でした。重陽の節句も過ぎ、明日は芋名月。菊の花をむしって乗せてくれてます。刻まれてほぐされた鱧の歯ざわりも旨味を増すようなご飯の味。硬さも、ど真ん中の好み。お替り。
丸に繰り抜いたスイカ、巨峰(だと思う)、黒豆、うすいを固めたブランディの甘味のあるゼリー。その上から梨のスリ流し。カウンターでは幸水を剥き剥きして、コンポートにするというので、それを使っているんでしょう。

先月の「あまから手帖」にお店が載っているけど、話を聞いたのは「大阪料理会」で出したという「コチの子和え」の話。この店ならではの小技の聞いた工夫が好きだ。


平成23(西暦2011)年6月25日
ほぼ予約時間通りに向かったのは「太庵」。カウンターのいつもの席を空けてくれてます。

  • 先付けの八寸には、冷やし湯葉・山葵、金時草・糸カツオ、甘海老にとろろの叩いたん、岩海苔の酢の物・しょうが、海藤花・マイクロトマトの加減酢
  • 流れ星の空に差す番傘の絵(?)の椀は、アワビ、冬瓜、大根、絹さや、吸い口が青柚子
  • お造りは、ハモの落し、カツオのたたき、蔓菜、別の手塩に白海老。酒盗醤油、ゆかり、醤油
  • 焼き物は、ビーゴリ豚の塩漬け。付け合せは(聞くが怪しいけど)干し貝柱、奴葱、サンド豆を柚子胡椒和え、酢橘、蜂蜜モロミ味噌、山葵塩
  • 胡麻フグの白子のあられ揚げ、田中唐辛子、塩
  • 冷い炊き合わせは、フランス産ホワイトアスパラガスのすり流し、ウニ、ジュンサイ、振り柚子
  • 煮付け鮎の茶漬け(お替りは、鱧とモリーユの煮付けたんの茶漬け)、香の物
  • マンゴとさくらんぼのゼリー、うすい、黒豆
一本目は久しぶりの「獺祭・純米大吟醸・遠心分離磨き三割九分」。ちょっとフレッシュな苦味を感じるけど、フルーティな香り。

先付けは5点。季節ならでは食材は、岩海苔と海藤花かな?
お椀の表は流れ星かな?裏は・・傘の骨のような模様。聞こえてきたのは番傘だとか。白く濁った吸い地は、アワビさんでしょう。奄美の冬瓜らしい。両方に細かく包丁が入って箸が入りやすいようにしてあると思うのだが、アワビは裏表で直角に入っているので切れない。スライスした大根の下に見えないけど絹さや。当たり前だが、吸い地がとにかく旨い。

先日呑んだばかりだけど二本目は「黒龍・大吟醸・しずく・東条産山田錦精米歩合35%(10.11)」。癖を感じさせない丸い味わい。

お造りには、周参見のカツオ、徳島の鱧。聞いてないけど白海老は富山湾でしょう。カツオは酒盗醤油、鱧はゆかり(赤シソのふりかけ)か山葵醤油。白海老は山葵醤油という提案です。欲を言えば、酒盗はもう少し強いほうがいいように思うし、鱧はやっぱり梅肉が好きだ。タタキにしてあるけど、カツオがいい色してます。

焼き物は、初めて聞く「ビゴール豚」というのを食べてみましょう。大将が教えてくれたのは、ピレーネーを挟んで、スペイン側の黒豚がイベリコで、フランス側で飼育されているのがビゴール豚だそうだ。団栗ではなくコルクの実を好物にしているとか。厚い脂身がつけてあるけど、脂っぽく感じることもなく、むしろ、ジュシー。メニューには塩漬けと書いてあったように思うのだが、塩を振って食べるよりは蜂蜜モロミがいいように思います。

焼き物にあわせて、メニュー外のお酒を頂きます。富山の枡田酒造店の「シェーヌ・ダルゴンヌ2003 Henri Giraud × Masuizumi」というのん。シャンパン・メーカーのアンリ・ジロー社の醸造後の樽に半年間詰めて、その後瓶貯蔵した50%精米の純米大吟醸だそうです。国内で樽に詰めたのではなく、お酒をフランスに送って寝かしたもので、輸入酒扱いのようだ。陶製のぐい飲みの大きさの器で出してくれます。器には利き酒用のブルーの蛇の目の模様が染め付けられているのです。古酒らしい薄黄色。樽香の甘さも感じますが、古酒の香りもします。温度が少し上がると(酸化かな?)。古酒の香りが消えてくるのは、深みのある甘さがマスキングしているみたい。ちょうど豚さんに蜂蜜モロミなどをつけていることや、旨い豚さんの脂に負けない味わいでした。その他の料理に合わせる程の量は頂いてません。たぶんむちゃの舌には合わないだろうな。
この後は、また「黒龍・しずく」に戻ります。

能登半島の鯖フグの白子を揚げてあります、ちょっと衣が厚いね。熱々でハフハフ。珍しい田中唐辛子。こんなところにもいましたか?普通のんと言うほど大差はないようにも思うんですが・・・。
フランス産でなくては味が出ないという「すり流し」。アスパラを炊いたときの出汁と豆腐が混じって相当に旨いすり流し。アスパラは頑張っているけど、まだ豆乳のようなミルキーさが口に残るんですが、それも許容できる範囲。味のないジュンサイも、味のあるウニも、全部旨くなっている。
今日のご飯は、甘辛く煮付けた鮎でお茶(出汁)漬け。出汁ポット(ピッチャーというべきかな)とブブアラレの器も別で出てきて、好みで作るんです。鮎の身を熱々の出汁でほぐれるように、(山葵の上にも)ゆっくり掛け、少し時間を置いてグリグリ。二杯目をお願いすると、同様に炊かれた鱧とモリーユとが乗って出てきました。こうなると三杯目も気になるところだけど、もう無理だった。香の物の胡瓜はこんなん。鮎の煮付けは、琵琶湖畔のお土産としても数多くあるけど、あれもお茶漬けに出来そうだな、と思った。
デザートは、マンゴ、さくらんぼ、豆。よーく熟したマンゴでした。


平成23(西暦2011)年1月9日
文楽の芝居の幕が下りて、予約済みの晩御飯に、星が増えちゃったらしい島之内の「太庵」に向かいます。ご繁盛。暖簾をくぐると、手作りの餅花が出迎えてくれます。おぉ!その下にはビバンダム君だ!

  • 先付け五種盛りには、蕪の摺り流し・帆立貝柱入り、モズク酢、海鼠腸とろろ、フグ皮の味噌漬け、柿なます
  • 蓋が鯉の滝登り、裏には龍に宝珠の蒔絵のお椀は、白味噌仕立て、揚げ慈姑餅、牡蠣、大根、人参
  • お造りは、ぶり・霜降りのフグ、蔓菜、紅芯大根、山葵醤油、ポンス醤油、自家製赤唐辛子の柚子胡椒
  • 小皿で、甘海老、内子の酒盗炒め
  • 鰆のカマの塩焼き、胡瓜・金美人参・赤蕪、肉味噌
  • 蝦夷鹿の焼き物、堀川牛蒡。蜂蜜モロミ、山葵塩
  • フグの白子のアラレ揚げ、塩、レモン
  • 蛤の茶碗蒸し、ベッコウ餡、百合根、しょうが
  • 蟹の加薬ご飯、止め椀(蓬麩・葱)、香の物(蕪、干瓢の佃煮)
  • 苺ゼリー寄せ、白小豆、ウスイエンドウ、黒豆

折敷に置いてあるウサギの絵の盃(素焼きの磁器)でお神酒。内容は「松の司・純米吟醸・楽」だそうだ。なんだか「甘い」よ?このクラスの松の司は余り呑まないけどイメージが違うなぁ。
で、お酒は「黒龍・大吟醸・龍」にします。お正月モードです。大吟醸とはいえ、料理酒として真価がでると思いますね。

先付けは定番も含めて五種盛り。摺り流しの蕪は、炊いて味を含めたものをミキサーに掛けているそうで、出汁で伸ばしたものではないらしい。取り分け美味しいのは、テッピの味噌漬け。もうフグとは思えない味噌の甘味が加わって、別物。ポンス醤油でもそれはそれでいいんだけど、一手間掛けてくれるのがいいですなぁ。柿なますは、柿を酢取りした大根で巻き込んだものをスライスしたもの。これも一工夫してあります。
お椀には、慈姑餅を揚げたんと、大振りの牡蠣。餅には金時人参と大根のスライスしたもの。大根には金箔が振られてます。お正月らしい。もちろん白味噌には溶き芥子。白味噌ポタージュのような味わい。
お造りは、いつものように二つの器。霜降りにしたフグの薄造りには、ポンス醤油。それに好みで手作りの柚子胡椒。この柚子胡椒は赤唐辛子で作ったものだそうです。しかしむちゃは、淡白な味のフグに唐辛子は合わないように思うんですけどねぇ。山葵醤油で十分な気がします。ブリは腹身。
甘海老がもう一皿。内子を酒盗で炒めたと言うもので甘海老を頂きます。一工夫。この内子が酒の肴になっちゃうくらい。

二本目は、メニューには載ってないけど、お正月用に用意したという「松の司・2008(20BY)大吟醸・純米しずく斗瓶囲・兵庫県山田錦精米歩合40%・金沢酵母(自家保存株):限定No.0094/320本一升瓶/&四合瓶320本」を頂きます。むちゃの正月酒でもあったんですが、用意してあるというなら、飲んでみます。「龍」が霞んじゃうな。

選べる焼き物から「鰆」を、しかも「かま」があるというので、それにしちゃいます。表面はパリパリですが、中はしっとり。美味しく焼きあがってます。身は味噌(柚餡だったかな?)漬けのようですが、カマは塩焼き。付け合せは、胡瓜、金美人参、赤蕪に肉味噌。胡瓜の皮の部分はビタミンCの吸収を阻害するというので、剥いてあります。板摺りするだけでも効果はあるんだとか。
欲張って、追加の焼き物を頼むんも、いつもの事になりつつある。当然予算オーバーですな。注文したのは「蝦夷鹿」。綺麗な色の鹿肉はヘルシーさを感じさせてくれる淡白な味わい。塩でもいいし、手作りの甘いモロミでもいける。でかい堀川ごんぼの炊いたん。あまり美味しいと思ったことの無い牛蒡だけど、モロミを付けるとオツ。

油物は、白子のアラレ揚げ。今日も思っちゃうんだ。「旨いだなぁ〜これが!困ったことに」。
茶碗蒸しは蛤を乗せて、餡かけ。生姜の香りがいいし、百合根はとろける甘さ。
蟹の身をいれた加薬ご飯。人参、牛蒡・・・。蟹味噌も入っているんでしょう。香りは蟹牛蒡だね。ほとんどの人がしているように、お代わりしちゃった。
ワイングラスに、苺を入れたゼリー寄せ。もうウスイエンドウがでている。ゼリーの上から、これでもかと言うほどのたっぷりの白小豆。食感が残るようになっていて、いい感じ。

さて、「☆☆」から「☆☆☆」になった理由を聞いたけど、ご主人も不思議がっていた。食べたむちゃだって、どこに星が増える理由が分からない。ひょっとして、星に値しない神戸の店に大判振る舞いしたせいで、相対的に星の基準を下げたのかもしれないなどと勘ぐっちゃう。とにかく、星が上がったことでお客さんが、その後も途切れないと言うのだから、お店にとっては嬉しいことでしょう。
近くのケーキ屋ならともかく、ここでも文楽帰りの(東京の片らし)お客さんと遭遇。もっと芝居を見て、食事をして帰るという人が増えれば、お金が回ってよろしいね。
新年のお土産を頂く。


平成22(西暦2010)年5月22日
ゲストを案内しての晩御飯は、今月20日で10周年を迎えた島之内の「太庵」です。心斎橋の枡っさんのお花があります。そういえばココでお会いしました。全然告知して無いようで、先輩方のお花はありませんね。「洋食・富士屋」「クスモト」とか。味吉兆の諸先輩方には、伝えて無いらしい。
いつもより早い目の入店ですが、お誕生日のお祝いのグループがお先に食べてはります。
  • 珍味先付けに、ウスイの摺り流し・サイマキ海老、生水前寺海苔の加減酢・摺りしょうが、帆立のカラスミまぶし・カラスミ、タイの子の塩辛・白子入り・刻み海苔、オイルサーディン玉ねぎおろし
  • お椀は、揚げレンコン饅頭、広島の新ジュンサイ、バチコ、スナップエンドウ、レンコンスライス、花柚子
  • お造りが、ケンケン鰹の叩き・紅たで・酒盗を混ぜたポンス醤油・鞘大根、鯛・いか・いか耳の昆布締めは山葵醤油・蔓菜
  • 焼き物が二人分を盛り合わせて、時鮭の木の芽醤油焼きと鯛の大徳寺納豆焼き・すだち、付け合せは朝霧胡瓜、カブラ、ニンジン、肉味噌
  • トコブシと湯葉の団子の貝殻揚げ
  • 春若芋(長芋)の炊いたんのごま餡かけ、フライド松の実、蛍烏賊、山葵
  • 空豆ごはん、空豆と揚げ桜海老のトッピング、止め椀(菊菜と蓬麩)、香の物
  • マンゴとグレープフルーツのゼリー寄せ、ジンジャーエール
お酒は、メニューには載せてないけど「玉川・アイスブレーカー・純米吟醸・無濾過生原酒・精米歩合60%」というのがあるらしいので、注文してみます。氷で割ることを念頭においているようですが、あまり違いがあるようには思えませんでした。割っても大丈夫という意味では、強いお酒ということですね。味に厚みは感じないけど、ほどほどの甘さ。さらりとしてます。
先付けは5品。豆の香りプンプンの摺り流しの中にサイマキ海老。生の水前寺海苔は食感がシャキシャキ。鯛の子の塩辛はちょっと若いせいか、生臭さを感じました。オイルサーディンは若狭か舞鶴かあのあたりのものらしい。

二本目は「上喜元・超辛口・純米吟醸」は、可もなく不可もなく。当たり障りの無い味わい。
お椀は、無いようでジュンサイの香りがしっかり香り立つ吸い地。吸い口は花柚子なんですが、蓋を取った時の香りはジュンサイの方が際立つ。茶巾に搾ったレンコン饅頭を一旦揚げて、湯洗いして椀種にしてます。だんだんとうっすら脂が浮いてきてコクを足しています。バチコは特になくてもいいかも?
お造りは、二つの器。ポンス醤油の方には酒盗入りでカツオのタタキに。周参見のケンケン鰹。も一つの器には、鯛・いか・いかみみ昆布〆。まだ鯛が十分旨いし、イカも甘い。
選べる焼き物には、煮アナゴの焼き物、伊勢赤地鶏、キンキ、イベリコ豚などがありますが、鯛の(オリジナル?)の大徳寺納豆焼き(塩焼きも)と季節物の時鮭の二種類。シェアします。好物の時鮭です。季節物だけに、あれば注文したくなります。いい脂です。

三本目は「醸し人九平次」。 油物には、トコブシを刻んで湯葉と絡めて団子にして貝殻に盛り付けて揚げてあります。かぶりつかないように注意されます。藻塩が添えられているけど、いらないね。
悩んで四本目は「松の司・楽・純米吟醸」。落ち着けます。
長野産の新長芋。まだ若いのでシャキシャキした繊維質感や粘りは余り感じないけど、ほっこり炊いてあります。掛けられた餡かけは、白胡麻風味。胡麻豆腐のトロリとかかっているような味。旨い組み合わせ。カリッとした松の実の食感もアクセントです。
今日のご飯は、空豆ごはん。炊き込まれた空豆はムッチリした食感を、茹でられただけの空豆は彩りですが香りを、揚げられた桜海老は香ばしさをそれぞれにご飯に足して、とても美味しく感じられます。お代わり一膳。
デザートは、マンゴとグレープフルーツとをゼリーで寄せて出てきます。添えられたのは、ジンジャーエール。シュワシュワとした生姜の香りを足すことで、全く別物のデザートに変わってしまいます。カクテルを飲んでいて思いついた組み合わせということです。

ゆっくりとしたペースで4時間弱。
10周年記念の手塩皿を頂戴する。


平成22(西暦2010)年1月17日
急いで、晩御飯に向ったのは、島之内の「太庵」。
既に、お客さんが去った後で、がらんとした店内。迷惑な客になっちゃいました。

  • 先付け五品。柿なます・焼きカラスミ粉、カブラのすり流し・ホタテ、汲み上げ湯葉・山葵、もずく・しょうが、海鼠腸とろろ
  • 登竜門の鯉の絵柄の椀。揚げレンコン餅、牡蠣の白味噌仕立て。雪輪ニンジン、菜の花、練りからし
  • お造りが、河豚のたたき、ヒッサゲのハラミ、蔓菜、胡瓜、つま、紫芽。手塩皿に白海老。ポン種醤油、山葵醤油
  • 炭火焼は、エゾ鹿のロース、酢橘、蜂蜜入り諸味、塩入実山椒たたき
  • 河豚の白子のあられ揚げ、むかごのアーモンド揚げ、フルール・ド・セル
  • イベリコ・ベジョータ・ロースの小鍋仕立て、香茸、なめたけ、霙仕立て仕立て、白ご飯、香の物
  • 白小豆・イチゴ・黒豆・うすい豌豆のゼリー寄せ
一本目は「上喜元・超辛口・純米吟醸・五百万石精米歩合50%」から始める。すっきり。
先付けに五品。食堂園のCMに「花咲きカルビ」ってのがあるけど、そのように包丁を入れた大根で巻いた柿なます。ズルズルが四品。優しい味のすり流しのカブラが美味しい。
麗しいお椀。表には登竜門に上ろうとする跳ねる鯉。裏は、螺鈿で宝珠を描いた龍の蒔絵。山利の白味噌仕立てで、揚げたレンコン餅にはすり身を混ぜ込んだもの。牡蠣。雪輪の抜き型で抜いたニンジン。緑は菜の花。

メインのお造りには、「河豚のたたき」と「ひっさげ」、河豚はポンス醤油で。脂たっぷりのヒッサゲの腹身でした。大根・ニンジン・大葉などのツマ。
それにプラスして「白海老」。むっちりです。蛍烏賊もこれからだというのに、もう白海老とは、意外。
二本目から後はメニューにないけど勧めてくれる「初亀・純米大吟醸・滝上秀三・兵庫東条町産(フロンティア東条)特A山田錦精米歩合35%・協会9号」というのん。昨年5月蔵出し。静岡らしい香りも落ち着いて深みのある味わい。かすかな甘味は和三盆のような柔らかさで、余韻は長い。
チョイスした焼き物は、エゾシカのロース。こういうのが有れば、プラス料金だろうと迷いません。ゆっくりゆっくり焼いてくれてました。レアなピンク色。ヘルシーな肉質。鹿肉は、蜂蜜諸味と実山椒を叩いて塩を混ぜたのと2種類。諸味味噌がちょっと辛いと感じたときは、こういう和らげ方が出来ますねぇ。山椒塩には酢橘を搾るようにアドヴァイス。でもまぁ要らない。付け合せは、たぶん、奴ネギ・ゴボウ・貝柱・松の実・柚子胡椒。(過去の経験)隠れて見えませんが、タイノタイを三尾押し付けて象った青磁のお皿。タイノタイを財布に入れる時は、マニキュアで固めるといいのだそうだ。
油ものは、大きく切った河豚の白子をクラッシュしたアラレを衣にして揚げたん。フランスの塩。文句ありません。もう二つはムカゴ。
専門料理12月号に「わが店の小鍋仕立て」として紹介されていたので、お願いした鍋物。作ってくれたのは「イベリコ・ベジョータ」のロース肉。カウンター越しにブロックを見れば霜降り状態です。鍋を入れる直前にスライスしてはります。一番だしに醤油と酒で整えた鍋出汁だけど、ベロンとしたでっかい香茸の香りが素晴らしい。さっぱりとしたミゾレも美味しさを増しているよう。組み合わせの妙である。秋なら、ジロールやらトランペットを使うことも・・・。あまりしない仕事らしいですが、常連さんには作っていたものだそうだ。とにかく今年一番美味しく感じたのです。
  グツグツの沸騰状態で出てきて、これをオカズに白ご飯。香の物。

デザートは、いつものようにワイングラスに盛られたゼリー寄せ。正真正銘の白小豆!もう「うすい」が出始めたようです。

今年5月20日で、開店10周年だそうで、なにか考えているそうです。粗品みたいな言い振り。五月は「團菊祭」だし、それに合わせて遅い目に来ようかな?今まで、連絡先を教えていなかったようだが、案内を送るそうで、書いておいた。個人情報流さないでね。


平成21年11月21日
晩御飯に向ったのは、「島之内の☆☆」。予約の電話では「ぼちぼちです」といわれて、つい笑って返してしまいましたが、満席。
  • 先付け、5種盛り。空芯菜に金山寺もろみ、雲子のポン酢おろし和え、氷頭膾・胡瓜、ナメコと菊菜のすり流し、湯葉
  • お椀が、あわび、あわびの肝入りゴマ豆腐、海老芋真蒸の揚げ団子、スライスした大根、軸菜、ニンジン、柚子皮
    • 煮アナゴの煮凝り
  • お造りが、陶箱に、鯛と甘海老、蔓菜、水前寺海苔、紫芽。山葵醤油。葉皿には、ブリ、桂剥きのきゅうり、菊花・大場入り大根のつま。酒盗入りのチリ酢・刻み葱の香り
  • きんきの塩焼き、炊いたレンコン、酢橘。ミズナと胡桃・ニンジンのサラダ・胡桃ドレッシング
  • 油ものには、バチコのおかき揚げ、むかご、銀杏
  • 大根の炊いたん、かに餡かけ、しょうがの天盛り
  • キノコ(ジロール茸、舞茸、やなぎ茸)ご飯、香の物、止め椀
  • 柿。ブドウ・トマトのゼリー、煮リンゴ、キウィ、黒豆。カルバドス

一杯目は「上喜元・超辛・純米吟醸」にしました。上喜元らしい幅のある旨みが、辛口ということで消えているようでちょっと残念。薄っぺらい印象。
先付けは5種盛りの珍味・八寸。金山寺諸味というのは、どんな野菜にも合いそうだし、どんな野菜でも酒肴にしちゃう魔法の調味料だと再認識。味も食感も柔らかい氷頭。

お椀は、あわび。細かく包丁が入っていますが、噛み切れないので一口。ゆっくり食べたいものです。アワビの肝を練りこんだ旨いゴマ豆腐。うっすら油が浮くのは、海老芋真蒸を揚げた団子から来る旨み。吸い地は、一呼吸おいてから鰹が香って美味しい。薄くスライスされた大根は2枚重なっているのですが、わずかに端っこを切らないように残して2枚になっております。食材や金箔なんかをサンドしやすくしているそうで、味吉兆の仕事だそうです。
全体的に、料理の出が遅いのが気になりますが、煮凝りを出してくれますので、間を持たせます。とても旨い醤油味で、ご飯に乗せ、じゅるじゅる食べたら旨いだろうなと思うもの。ゆっくり食べていると、溶けちゃった。
二杯目は「黒龍・大吟醸・龍」にしました。
お造りが、2皿。陶箱に入ったのが、鯛と甘海老。脂が乗って、イノシン酸も乗る鯛。富山産の甘海老。もう一つの菊葉皿には、佐渡のブリ。脂の乗る腹身のところで、綺麗なピンク色。酒盗入りのチリ酢というのは初めてかな。でも風味付け程度。山葵醤油でもかまわないな。 先付けのときに選んだ焼き物は「きんき」。丁寧に炭火で焼かれていますが、ヒレはアルミ箔で包まれて、焼きあがりはとても綺麗。今日も一番にカマの部分を探します。脂の滲み出し、絡んだキンキ。女将は言わなかったと思うのだが、ブリカマもあったという。青首や雉も出てくるときがあるそうだ。

油ものは、ばちこの「おかき」揚げ。厚みのある立派なバチコでした。むかごも美味しいけど、ちょっと小玉。てんこ盛りで食べたいむかごです。
大根の炊いたんには、かに餡かけ。醤油の塩梅がいいな。美味しい。

2杯で十分と思っていたお酒だけど、最後に、漆のリキュールグラスに、「松の司・大吟醸・2004classic・SETO SEIZABURO」を頂いた。封切り品。むちゃ用に三杯目に用意してくれていた酒だったそうで、味見程度に振舞ってくれ張りました。ありがとう。「酒のやまもと」で「十四代」と抱き合わせで販売していた「くだんのお酒」。タイプとしては「龍」とにております。

ご飯は、キノコご飯。フランス産のジロール茸を使ってはります。二膳。
デザートは、お得意のリーデルのグラスで固められたフルーツゼリー。

ちょこちょこ工夫がしてありますが、妙な仕事はありません。安心の美味しさ。食材にもお得感があるのは、この店は「借り入れ」がないという事情もある。だから、お昼は原則的に営業しなくてもいいし、2回転の営業で無理して客をいれなくてもいいという余裕の仕事ぶり。


平成21年6月21日
晩御飯に向ったのは、島之内の「太庵」。堺筋を北へ歩きます。入店時間が一度に重なったようです。ほぼ満席。おや!?桝田さんではないですかぁ!?随分行ってなので、ばつが悪い。
カウンターに紫色のスモークツリーという、始めて見る花。ロックファンなら、パープルヘイズって感じ。
  • 先付けには、海藤花・胡瓜、もずく・まぐろのコラーゲン、金時草のお浸し・けずり節、冷やし湯葉・山葵、タコ・おろしポン酢
  • お椀が、オクラ豆腐、あわび、アワビの肝、千石豆、レンコン、実柚子
  • ケンケン鰹のたたき・胡瓜・芽ネギ、鱧のおとし、さより、水前寺海苔、紫芽、酒盗入りポンス醤油、醤油、梅肉
  • 焼き物が、スズキの尾の身の大徳寺納豆焼き、鰻の八幡巻き、奴ネギ・若ゴボウ・貝柱・松の実・柚子胡椒の付け合わせ、スダチ、蓼酢、花山椒のマスカルポーネ和え
  • 油物には、鱧の中骨、ゴマフグの白子
  • 冷製の炊き合わせに、賀茂ナス、トマトのすり流し、ジュンサイ、ししとう
  • 鮎の佃煮のお茶漬け、香の物、海苔・あられ。(お替わりには、鱧の佃煮のお茶漬け)
  • サクランボとマンゴのゼリー、黒豆、碓井豌豆
まず「醸し人九平次・純米吟醸・無濾過」というのん。香りはそこそこだけど、味が・・・ボケてる。呑みづらい。
先付け・珍味。5点。タコの卵である海藤花に胡瓜は、胡瓜が塩もみしているのか、塩気が少し強い。もずくの酢の物にマグロのコラーゲン。コラーゲンは加工品だそうだ。獣のコラーゲンに比べると高いと読んだ記憶がある。製造方法はきっとグロテスクだろうな。タコは水分が出てポンスが薄まった印象。最後に食べたのが誤りだったかな?

青楓の派手ぇな蒔絵。オクラの豆腐。アワビ、千石豆、レンコン、アワビの肝と上に重なっている。レンコンのスライスがあるので、豆腐にレンコンを混ぜているのかと思ったけど違うそうだ。和歌山産の毛深そうな千石豆。毛羽立った食感が面白い。旨いアワビ。よく見れば、細かく包丁が入っていてその隙間に吸い地が染み込んでいて、噛みしめるとその隙間からジュワーと旨みが出てくるのだった。ちょっと卑怯な旨みの出し方。
お造りが、二つに分かれて、丸皿に周参見のケンケンカツオ。葉皿に鱧とサヨリ。脂の乗ったサヨリだった。梅肉が出汁か何かで割ってそうで、とても柔らかな梅肉で山葵と一緒にしても、鱧の味を損なわない。ハモの温度も人の体温程度。やたらと冷たいお落しは辟易だ。
2本目は「黒龍・大吟醸・龍」にする。サクランボのような酸味と白桃のような甘味。まろやかな余韻。

先付けが出た時に、焼き物をチョイスするのだが、スズキがいいと言うので、とりわけ「尾の身」などと、興味をそそる言い方をするので、尻尾の部分を焼いてもらう。ついでにもう一品「八幡巻き」を勧められるままに加える。スズキの尻尾は生では筋っぽいのだが、それは脂なので、焼けばトロケる旨さというのである。そんなスズキは食べたことないじゃありませんか?・・出てきた尾の身は皮までしっかり焼かれていて、脂が落ちちゃったのかな。味は悪くないけどふっくら感はなく、身離れが悪かった。一方、焼きたてのウナギは美味しい。まかれたのが若ゴボウで癖がないので、鰻の旨みがストレート。
焼き物の付け合わせの野菜は定番の組み合わせ。貝柱の旨みと柚子胡椒の辛みがアクセントでいい味。花山椒の佃煮をマスカルポーネで混ぜ混ぜしたのも、酒のあてにもok!マスカルポーネでなくても、フレッシュバターやトリプルクレームのチーズ(ex.ブルシン)でもコクがでて美味しそう。
この青磁の器に「鯛の鯛」。今日は箸置きが「鯛の鯛」ではないんだけど、器の中におりました。なんでも骨を集めて持参して、器胎に埋め込んで焼いてもらったそうです。

揚げものは・・細長いんが鱧の中骨。揚げるとクルクルとなるそうだ。ほんまかな?ぽりぽり。夏に白子がでかくなるというゴマフグの白子。トラフグでなくても旨い。
醴泉・大吟醸・蘭闍待」。「龍」の後では、霞んじゃった。
鴨茄子の炊き合わせ。和歌山の山中農園のトマト(美味しいけど高くもある)のすり流し。トマトそのまま。夏野菜の冷製トマトジュースって感じ。
ご飯は、お茶漬け用に煮しめた鮎を白いご飯にのせて、出汁ポットから注ぐ茶漬け。新茶が降り掛けられて、さらに実山椒がいい香り。二杯目をお願いしたら、次は鱧が出てきた。鱧の方が好き。
デザートが、サクランボとマンゴ。黒豆は馴染んでいるけど、エンドウ豆はこういう食べ方に慣れてないせいもあって、いまいち。色合いはいいんだけどねぇ。

太庵も、来年5月20日には、もう10周年だそうだ。なにか考えているそうです。たのしみ。


平成20年11月09日
今日の晩御飯は、島之内の「太庵」に予約していた。日曜営業の便利なお店。
コンロにガスボンベを置く店は近くだったが、ちょうどその日は定休日だったそうで、面白い話はきけず。
  • 先付けが、キンシンサイと金山寺諸味、蛤のしょっつる漬け、氷頭なます、なめこと菊菜のすり流し、クモコのチリ酢おろし
  • お椀が、ウズラ真蒸、香茸、焼き生麩、軸菜、へぎ柚子、大根
  • お造りが、トロ、クエ、イカ、蔓菜、紅芯大根の紅葉、黄菊と大根のけん
  • 天然鯛のカマの塩焼き、黒豆の枝豆、すだち
  • スペアリブの赤ワイン風味の焼き物、干しブドウの煮込みソース、アーティチョーク・奴ネギ・ジャコ、
  • 朝鮮人参のあられ揚げ
  • カラスミ大根
  • 牡蠣とほうれん草の炊き合わせ、振り柚子
  • キノコ(マツタケ・アンズタケ)ごはん、味噌汁、香の物
  • リンゴのコンポート、トマト・ピオーネ・ドライいちじくのゼリー、キウィ、カルバドス
一本目のお酒は「「醴泉・大吟醸 蘭奢待」が錫の片口で出てくる。ジノリの猪口があるので使わせてもらう。
キンシンサイは、甘草の花の部分らしい。中華料理ではよく使われるらしいが、詳しくない。辛味の少ない諸味だ。しょっつるの香りがあまりしないなと思ったら、酒蒸しのハマグリに、しょっつるの風味を加えたという。酒の香りの方が残っている感じ。柔らかい氷頭。菊菜を摺り流しにしてあるけど、香りは飛んじゃってる。今年最初のクモコ。
蓋の裏側に南天。お正月の柄らしいが、不景気の折、難を転じる意味を込めたそうです。ウズラ真蒸という女将の話だし、定義は難しいそうだが、味わいは丸。茶巾絞りの鶉丸。胡椒の香りが効いて、肉肉しい味。脂の少ない筋肉質な味。その上に銀杏の葉ほどの大きさの香茸、軸菜、へぎ柚子がのって、大根で覆ってあります。香茸の色が出しにしみ出し、焼いた生麩が香ばしさを加え、ウズラの旨みが加わって、複雑な滋味。すばらしい!
軽く一合あけてしまって、2本目は「黒龍・大吟醸 龍」。磁器性の片口。盃が銀の鎚器。
お造りは3点。クエとイカは、ゴマ塩でと言われたけど、慣じみのない味なので、山葵醤油の方が好き。

先に選んでいた焼き物は「鯛のカマ」。添え物が黒豆。箸置きが鯛の鯛なので、本物の鯛の鯛とツーショット!多くのお客さんがカマを食べているのにびっくり。今年は鯛がいいようですねぇ。
もうひとつ、欲張って焼き物。白金豚のスペアリブ。焼いただけと思えないトロトロ。一旦蒸して脂を落として、冷やし、焼くときに赤ワインをつかっているらしい。そのツケダレも、仕事してあるんでしょう。食べた味わいは、赤ワイン風味だけど和風の角煮のようでもあるし、フレンチの赤ワイン煮のようでもある。洋風にも和風にも感じる不思議な味だが、とにかく旨いことは確か。添え物に干しブドウを煮たもの。これも仕事がしてあって、コクのあるソースとして豚に合わせても旨い。野菜は、アーティチョーク・奴ネギ・ジャコに貝柱の風味づけ。淡白な味の鯛の塩焼きがぶっ飛んだ旨さ。
スペアリブに合わせて「赤のグラスワイン」を一杯。スペアリブで呑みきって、「龍」にもどる。

揚げ物が、コリアンジンセン。長野産。そのものを頂くのは初体験。アラレ揚げだが、人参はほっこりしたサツマイモのような甘味。ヒゲの部分は少しだけ苦みがある。元気でそうだ。
自家製のカラスミ。慣れてないだけ塩分が舌に触るけど、大根と一緒だと甘味に変わるから不思議。
炊き合わせが、牡蠣とほうれん草。お出汁旨し。出汁を含んだホウレンソウが甘い。
ごはんが、炊きこんだきのこ飯。(昼も夜もだ!)。松茸とジロール茸。香りがよくて、食べたいのだが、一膳が限界だ。
リーデルのワイングラスにぜりー。埋まっているのがトマト・ピオーネ・干しイチジク。上にトッピングしてあるのがりんごのコンポートに刻んだキウィ。お好みでと出てきたのが、カルヴァドス。加えた方が風味がいい。


平成20年6月21日
今日の晩御飯は、島之内の正蔵師匠御贔屓の「太庵」に予約していた。徐々にカウンターは満席、ご繁盛。
  • 先付けには、金時草のお浸し、タコのチリ酢和え・葱、生水前寺海苔の酢の物・胡瓜・椎茸、海藤花、アマエビのトロロ和え
  • 青楓のお椀は、アワビと湯葉真蒸、れんこん、絹サヤ、柚子
  • お造りが、鱧のおとし・紫芽・ゆかり・胡瓜、焼き霜かつお・いか・蔓菜、わさび醤油、酒盗入りの醤油、
  • 時不知の醤油木の芽焼き、山椒マスカルポーネ、ネギ・レンコン・貝柱・揚げ松の実・ユズコショウ
  • オクラのすりながし・うに・じゅんさい
  • オコゼの天ぷら(カマ・ゼラチンの部分)、鴨なす
  • ぶぶ鮎出汁茶漬け、ぶぶはも出汁茶漬け、香の物、あられ
  • マンゴ・さくらんぼ・空豆・黒豆のぜりー
一本目のお酒は「松の司・楽」にした。間違いがない。
5点盛りの先付け。朴葉が懐敷。「もずく」に植え付けたタコの卵と言うてました。藤の花というのがよく理解できる姿で出てきた。生の水前寺海苔というのは始めてかもしれない。コリコリして面白い。加賀の地野菜・金時草。ニュルンとした食感を生かしてある。底には酢の物らしく胡瓜やシイタケ。かつおたっぷり。加減酢もお出汁も、みんないい塩梅で、全部からっぽ。

黒塗りのお椀の、蓋の裏、お椀の中、一面に描かれた青楓。アワビと湯葉真蒸。細かい包丁の入ったアワビから旨みが滲みだす。出汁は旨みたっぷり。柚子の香りもしっかり移って清冽な味わい。玉子真蒸と言ってもいいくらいの玉子の香り。しっかり固めの真蒸で、湯葉のせいもあって箸で割りにくいほど。
2本目は「醴泉・大吟醸 蘭奢待」。これも間違いない。
お造りが2つの器。鱧の器は先代の須田菁華。ここでは今の作家ものが多い中では珍しい。柔らかめのジューシーな鱧。大将の好みだそうだ。旨味のぬけた固いのや、セラチンで硬くなったのはお嫌いということでしょう。むちゃは冷えすぎてなければいい。カツオは皮目をパリパリに焼いたもの。酒盗を混ぜたポン酢を出してくれているが、好みとして山葵醤油の方だ。脂も多いので山葵たっぷりでも大丈夫。
焼き物は、時不知の鮭を選ぶ。キンメや鮎、ハト、イベリコ豚などあったようだが、季節のものといえば当然、時不知。日本料理屋では、八寸のような小品を除けば「鮭」は普通使わない。鱒にしても、桜や皐月の時期だけで、鮭としてわざわざでてくるのは「鮭児」か「大助」か「時不知」。こういう時、いつでも食べられそうな食材は当然忌避しますな。鮭臭さというか香りがありません。脂もあるけど淡白な味わいに加えて、味の幅を膨らませるのに、山椒マスカルポーネがいい効果。これだけでも酒の肴になっちゃうほど。実山椒と花山椒を刻みこんでいるらしく、家でも簡単にできそうだ。焼き物がメインだけに、こういうオリジナリティな一工夫が心地いい。もうひとつの付け合わせは、柚子胡椒で辛味、貝柱の旨みで和えた奴ネギとレンコン。

冷やした蓋つきの器に、オクラのすりながし。伸ばした出汁の香りで青臭さがない。ウニとジュンサイ。
揚げ物が、オコゼとカモナス。オコゼのカマの部分。それにゼラチンたっぷりと言ったらでてきた皮。プリプリフルフルでぐにゅぐにゅ。フルールドセル。

ご飯は、熱々出汁茶漬け。ご飯に乗って出てきたのは煮つけた鮎(頭は落としてある)。山葵を天盛り。熱湯の鍋の湯を注いで温めたモダンな急須(ポット?)に直前に鍋で沸騰させた出汁をサービスしてくれて、熱いところをアユにじわーっとゆっくり戻すように注ぐ。鮎のお腹の苦味もしっかり味になって美味しい。海苔とあられが別の容器にでてきて、好きなだけ・・・使い切る。2杯目もできるというので、遠慮なく2杯目。今度は「はも」に替えてくれはりました。出汁も新しく鍋で沸騰させてくれるし、あたりまえのようだが丁寧。同じようにゆっくりもどして食べる。今度は苦味が無い分、甘味のある煮付け加減。楽しめました。漬物には「雷きゅうり」。オモロー!
リーデルのグラスにフルーツのゼリー。折り紙で折った「種入れ」が可愛い。サクランボの穂をピンと立たせてある。ご苦労さまと言いたいひと手間。

メニューが変わったという情報は、メニューを2つのコースにまとめて、シニアの要望に答えて、品数を減らせたというのがお手軽なプライスのコース。上のコースをプライスアップしたという意味のようだ。一番お安いのを止めちゃったというイメージ。


平成20年1月13日
芝居が終わって、日曜日だし、・・「太庵」で食事を予約していた。そうですか?4年ぶり。
あいている席に座れば、満席。
  • 先付け八寸が、柿なます、カニともずく、あさりのしょっつる漬け、蕪のすり流し、菜の花
  • 白みそ仕立ての椀、東坡豆腐、インゲン、金時ニンジン、からし
  • お造りが、ひっさげ、ひらめ、いか、塩いりごま、醤油、紅芯大根、胡瓜、蔓菜、紫芽
  • 鯛の香煎焼き、イベリコ・ベジョータの肩ロースの塩焼き、塩山椒、蜂蜜味噌、ネギ・レンコン・柚子みそ和え、スダチ
  • 手長エビの天ぷら、塩
  • 雲子の茶碗蒸し、あんかけ
  • 水菜ごはん、人参。ちりめん山椒、止め椀、香の物
  • 豆腐と蜂蜜をかけた、イチゴゼリー、黒豆、枝豆
まず「上喜元・超辛純米吟醸」を注文。滋賀の彫金作家さんの銀製の片口が出てきた。箸置きの「タイのタイ」も同じ作家さんのようです。
先付け5品が壺壺に並ぶ。「しょっつる」も含めて、やわらかな出汁加減。柿なますに砕いた柿ピーが入っているが、食感がいい。このときにプリフィックスの焼き物を聞かれる。キンメ、鯛カマ、味噌漬け鰆、伊賀赤鶏などは断念。

赤いお椀は木瓜型(?)。蓋を取ると白味噌仕立て。京都の山利さんだそうです。出汁は使わないで水で延ばすだけだそうだ。見習いましょう。
2杯目は「醴泉・大吟醸 蘭奢待」。お気に入り。
お造りは2つにわかれて出てくる。平目はうす作り。ヒラメとイカは炒ったゴマと塩で試してくださいということ。わさび醤油は引っさげ。平目さんの味はもうひとつ。醤油の方が好き。
焼き物は、宝尽の長皿に盛り込んで出てきた。ちゃんとベジョータ規格の豚。香煎焼きは、青のり、ゴマ、トウガラシを魚の片面に振りかけて香りをつけ焼き上げたもの。豚さんは、緑色をした塩山椒を勧められる。悪くはないけど、蜂蜜入りの味噌がどちらにも合います。

3杯目は「黒龍・大吟醸・龍」。 ニュージーランドのスカンピ。身が厚くてプリプリ。
茶碗蒸しが出る。雲子のほかには百合根。醤油餡が掛けられて、すり生姜
ご飯は、水菜飯。彩のいい菜飯ですな。山椒がピリピリと刺激的で旨い「まぶし」ごはん。
デザートはリーデルのグラスに流し込んだゼリー。


2005年1月9日(日)
急いで晩ご飯に向かったのは、島之内の「太庵」。当然最後の客。芝居が終わった後とか、日曜日とか、特殊な条件で使わして貰って、申し訳ない気分。たまにしか来ない店だけど、スタッフがよく変わる?でも増えてる。
  • 先付け(帆立の大徳寺納豆和え、アロエ入り七草のお浸し、海老とキュウリの蕪のすり流し、ササミのオレンジ風味のタタキ、梅風味の山芋素麺)
  • 椀は、クチコ真蒸にタケノコ、木の芽
  • お造りは、よこわ、ひらめ、いか。ヨコワは山葵醤油、ヒラメと烏賊はとろろ昆布醤油
  • プリフィックスの焼き物は、鯛かまの塩焼き、ヤマトイモ入り大根おろし
  • 揚げ物には、「干し柿を酒粕でサンドしたの」と「子持ち昆布」
  • 炊き合わせは、蟹のユバ巻きの餡掛け
  • 御飯は牡蛎の佃煮の出汁茶漬け、がま、のり、あられ、香の物
  • いちごゼリーに豆腐のすり流しに蜂蜜を混ぜたん
まず「醸し人九平次・純米吟醸」から頂く。銀の片口がでる。
壺壺とは言えない大きめの器の5種盛りの八寸。どれも、一工夫した一手間掛けた仕事が嬉しい八寸。
八寸だけで呑んでしまったので「松の司・楽」に替える。塗りの片口。九平次から替えると、頼んない。でも、舌が慣れてくると十分。ちょっと自粛して、チビチビと・・・・。
孫悟空の金斗雲のような色漆の椀。クチコを真蒸に練り込んだ椀種。真蒸にしちゃうというのは始めて頂く。もうタケノコ!に木の芽。今年始めての料理屋での椀。やっぱり美味しい。
ふた付きの器のお造り3種盛り。白身は「とろろ昆布の醤油」でといわれる。「とろろ昆布」は「土居さん」らしい。煎り酒と薄口と昆布をミキサーで作るらしい。こういう一工夫が目立つ。ヨコワも美味しい。
選べる焼き物は、昨日がジビエだったので、オーソドックスに「鯛カマ」にした。お造りに鯛がないのにカマはある。カマの部分は1日置いた方が良いというので、寝かして出すそうである。贅沢なおろし方も嬉しいし、胸びれもホイルに巻いて姿も美しい。デジカメのバッテリーが上がったのが悔しいなぁ。
軽い揚げ物。酒粕の香りが苦手な人にはダメだろうな。あんまり旨い組み合わせじゃないように思う。子持ち昆布は案外いける。天ぷら屋ででた「数の子の天ぷら」がオリジナルだそうだが、火の通った数の子もいけます。余ったおせちはてんぷらだ。
北海道産のカニだそうだ。甲羅の中で餡掛けを作っているようである。もちろん生姜の香り。
ご飯は白ご飯に出汁漬け。ポットで出汁が運ばれてきる。刻んだ牡蛎の佃煮を載せ、トッピングして、出汁を注ぐ。お代わりする。店頭には「ちりめん山椒」が売っているけど、これも置いといたら売れまんがな。
ワイングラスでのデザート。「絹ごし豆腐」を裏ごしして「蜂蜜」でソースをつくる。一旦固めた豆腐を再び戻すというのも贅沢な話。最後まで、一手間を惜しまない料理が嬉しい。
雑誌でドーンとブレイクするほどではないけど、確実にお客さんの信用を得て、その自信と余裕がゆっくりだけど着実に、進歩していると思える店。ただ、女将さんの料理の説明が、妙にマニュアルぽく聞こえるのは、まだ若いな。

2003年11月16日
舞台が終われば、夕食に急ぎます。島之内を北へ向かうは、約2年ぶりの「太庵」。日本橋に近い「欧和食店」は臨時休業という話だし、「法善寺」も満席だったし、日曜日には近くで思いつきませんでした。といっちゃ失礼な話ですが・・・
店内にはいると、出汁の香りが鼻をくすぐる。美味しそうな香り。玄関には「露堂々」、テーブル席には「廓無邊」の扁額。ともにお父さんの揮毫だが、自由な書体。
まだまだ綺麗なカウンターでいただいたお任せは
  • 先付けの八寸は、もずく、冷やし湯葉にウニ、柿なます、えびの浸したん、
  • 椀は、カニ真蒸、椎茸、青菜、微塵のネギ
  • お造りが、炙った鰹、あこう、焼き目を付けたカマスの昆布締め
  • 黒豚の大徳寺納豆焼き、奴ネギと貝柱柚子胡椒風味
  • カニ酢、三つ葉
  • 松茸のあられ揚げ
  • 穴子ごはん、止め椀、香の物
  • 生麩入り白小豆のぜんざい
まずは「松の司・楽」で始める。塗りの片口で出てきて、杯は選んで削りだしの「錫半」とした。
まぁ普通の八寸。ここで今日の焼き物を選ぶ。「鯛カマ」「白甘」「きんき」「シャラン鴨」「スペアリブ」とかあるけど、昨日魚を満喫したから、「豚」を選んだ。
最近フワフワの真蒸が多いけど、ここはしっかり固くて黄みを帯びてる。箸で割れない堅さ。カニの身たっぷりだ。細かく切ったネギの香りもいい。ネギで体が温まるけど、今日は暖かいからありがたみがない。鰹を押さえた出汁。
続いて上喜元、滝水流、蘭奢待もあるけど「九平次・純米吟醸、山田錦50%」にした。銀の片口で出てくる。叩いて延ばした代物。欲しい。
ここで焼き物の「」。一旦蒸してあるそうだ。とろとろの豚は、箸で裂ける。蒸し上げた豚を焼く前に、表面に、挽いた大徳寺納豆の粉をまぶしてあるんでしょう。炭火でゆっくり焼いて出てくる。スダチを絞って頂く。大きく曲がる変化球だ。
脂っぽい後には、酢の物と良いペース。
炊き合わせがない分、松茸を揚げたんがでてくる。ぶぶあられと柿の種を摺った粉を松茸の衣にしてあげてある、スライダーぽい変化球。松茸に合っているかはともかく、変化球。フルール・ド・セルで食べる。
で、ごはんは「穴子ごはん」。簡単に言えば「穴子入りかやくごはん」だな。ここは大きなカマで全員の分を炊く。だいたい1日8合から1升を炊くそうだ。大きなカマで一度に炊いて出てくる旨さもまたあることは事実でしょう。おかわりにおかわり。先月は栗ごはんだったそうだ。
最後はぜんざい。さらりとした締めくくりに相応しい料理屋の甘さ。

2001年9月23日
1年3ヶ月ぶりの島之内の「日本料理・太庵」です。ラストオーダー9時というのに、公演は9時ちょっきりに終わる。入ってびっくりだったのは、見覚えのある頭。おぉ、萬谷君だ!ご挨拶だけして席に着く。
  • 先付に、山芋いくら、海胆添えのクルミ豆腐、ハモの子の卵とじ、菊・菠薐草・蟹の酢の物、アジのたたき・ゴマ油
  • 椀に、松茸、銀杏の真蒸、軸菜、へぎ柚子
  • 刺身は氷の器に、タイ、アマエビ、トロ、紫芽、山葵、醤油、アマエビの内子に発酵したアンチョビの上積みを和えた小鉢
  • ウズラの幽庵焼き、葱と干し貝柱の柚胡椒和え
  • イチジクとメゴチの”おかき”揚げ、フルール・ド・セル
  • どんこ、冬瓜の銀餡蒸し、菊花散らし、生姜の天盛り
  • 松茸ご飯、白芋茎の赤だし、香の物
  • リーデルのワイングラスにフルーツ(メロン・マンゴ・巨峰・グレープフルーツ・梨・小豆)のゼリー
で、お酒は、思いもかけずに巡り会えた「蘭奢待・生」とした。日本酒は4.5種類で、グラスワインは、赤・白1種類としぼった内容だ。でもボトルは、相当お持ちで、相変わらずのワイン好きのようだ。でも昔感じたような、押しつけ感が無く、余裕が出来てきた感じ。それは、そこここの料理にも感じられる。以前は「八寸は嫌いで」といっていたけど、ちゃんとコースに入ってきているし、酒肴としても満足できる。厨房のスタッフも二人いるようで、仕事にも余裕があるせいだろうか。随分と、居心地が良くなったように感じる。
熱々の椀は、新銀杏の真蒸で、松茸の4分の1カットに、裂いた松茸もたっぷり。香りも十分。
お造りの器は、有田の紫と黄色の交趾に、ボール状の氷を載せて、器とする。内子の工夫も、いい感じ。
「太庵」のウリは、焼き物。この日も、いろいろと焼き物がチョイスできる。魚の幽庵、タイかま、地鶏、鴨、などいろいろ揃えているが、ついつい変わったモノを頼むのが性分。フランス産のウズラの幽庵。魚の幽庵地と変わらない幽庵地そうだ。炭火でゆっくり焼いてくれて、思った以上に美味しい。地鶏は国産だが、ジビエはフランスから。「フランス、好きやのぉ」とお客さんにからかわれるそうである。
蒸し物も美味しかったが、とりわけ「炊き込みご飯」が素晴らしい。蒸らし加減がいいのか、どうかよく分からないが、パラパラもなく、ベチョベチョでもなく、香りや味が逃げないようにしっとり水分がお米を包んで、さらさらと口の中で旨味が広がる。ただ、松茸の香りが余りしない。でも「炊き込みご飯」で3杯もお代わりしてしまった。美味しゅうございましたわ。
以前に比べて、随分とオーソドックスになったようであるが、お任せであっても、お任せだけじゃない気分が焼き物で味わえるし、若い店だけあって、客が食事目当てに来るのがいい。渋谷君や小塚君や萬谷君などのシェフも、いい客のようで、店が育ってる感じが伝わって、実感できます。でも、シェフが来ても、ワインを呑まずに、ビールとか焼酎とか日本酒とか注文するとは、気分がいい。「日本料理屋でもワインを呑みたがる客でない」というのが好きや。でも「本格的なフレンチやイタリアンで日本酒呑んでみたい」と思うむちゃであった。
2000年6月27日

夕食は「藤久」さんの紹介の「太庵」に予約を取っておいた。開店1ヶ月目の新しいカウンターの中央に席を取っていただいていた。カウンターに10席、4人掛けのテーブルが1卓で、店内は余裕たっぷり。

  • 先付は三度豆、蓮根、胡瓜の千切りに椎茸、小豆のゴマダレ
  • 椀盛りはハモに湯葉汁仕立て、ふり柚
  • 鯛の松皮、貝柱、イカに岩海苔の3種盛り合わせ、千切り長芋、撚り胡瓜、紫芽、山葵
  • 八寸は、冬瓜、茗荷、子持ち昆布、ゴマフグの白子
  • スズキの塩焼き(胸びれ)のところ、炒った大徳寺納豆の挽いたものを乗せて焼き上げている
  • 蛸の酢の物、茗荷の細打ち
  • 冬瓜の煮物、海胆の天盛り、大根の細打ちが天盛り
  • 追加でキャビア
  • 穴子御飯、香の物
  • トマトのシャーベット
で、日本酒は3種類ほどの中から「黒龍・純米吟醸」を頼む。一皿一皿は工夫があって、美味しいんだけれど、感動がない。メリハリが無いというか、コレと言った料理がないのだ。八寸が弱いと伝えたが、「小鉢でたくさん出す」のは好きではないとか。ご主人の「高畑 均」君は、日本酒よりもワインとの組み合わせに面白さを感じているようで、奥にワインクーラーがある。グラスワインでもサービスするようだが、じゃあ今日の料理でワインにあるのがあるのかと考えると、まだまだ消化不良。最後に、シャーベットに合わせてデザートワインとして「アラン・ブリュモン1997・11月遅積みワイン」をサービスして貰う。器、グラス、カトラリーなど一流のところを集めたおられるが、開店に合わせて頑張ってみたということらしい。カウンターとテーブルのお客に対して、1人で調理されているので、料理に余裕が無く、出来たらすぐに出してきて、慌てて調理しているような感じを受ける。人を捜しているようであるが、もう1人いたら、お客のペースも掴みやすくなるだろうに、むちゃのお敷きの上はお皿でいっぱい。配膳のサービスは奥さん(可愛い美人)だが、この商売の前は喫茶店でバイトした経験だけらしく、もう少し「食い切り」の料理のサービスの経験が必要だ。まだしばらくは、人を連れていける店ではない気がする。ご主人は15年間「味吉兆」で修業され、独立、34歳。他店の経験無し。最後は「大丸店」で刺身の担当だったようだ。ナンバー3かな?おとうさんが書道家の「高畑寛」氏らしい。日曜日にも営業されていることと、料理の注文にも応じてくれることなどがイイ所かな?丁度、今日のお昼に雑誌の撮影・取材があったそうだ。大阪では1軒だけで1ページの扱いだそう。「ベガス」の「渋谷圭紀」君の紹介だそうだが、内容はどうだろうか、楽しみである。
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   堺筋      
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               清水町
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               周防町      
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