adrress | 堺市浜寺石津町中3−1−17 |
call | 072(243)6288 |
open/day | |
open/night | 16:00-22:00 \10000 |
off | 水曜 |
capacity | |
memo/impression |
2002年9月5日 夕ご飯は、予約していた「松(ときわ)」へ。南海本線の「石津川」の駅で下りる。結構賑やかな町で、ウィンドミルストリートとか名付けられている道を東へ。三叉路に突き当たって北へ向かうと、もう店はない。とぼとぼ歩いた先に店はあった。この店は、その昔「ままごとや」の郁ちゃんが教えてくれたが、ほったらかしてた店。 L字型の白木のカウンターは昨年新しくしたそうだが、開店10年目だそうだ。他に客はない。お任せの料理は
カウンターの上の折敷が紙であること、箸が「割り箸」(立派な割り箸です)であることが、ちょっと気になるが、先付けからでる。ご主人が、造りを切り始める。客のすすみ具合を見て、次ぎの仕事にかからはります。むちゃが初めて店ではたいがい食べるより出てくるのが早いので「遅くして」というのが常ですが、ここではその心配はなかった。熱いものは熱いように出てくる。 魚は、黒門からの配達だそうで、まっとうなお魚。大根のけんというのがこういう店では妙に新鮮ですが、細い。 お作りを食べてる途中で「椀」がでる、ということもなく、熱々の料理が進む。韓国産で香りはいまいちだけど、さくさくの食感がいいし、出汁もいいですなぁ。翡翠色をした銀杏のお豆腐は、ごま豆腐の要領。むっちり溶ける食感ではなく、ほろほろと崩れて面白い。淡い朱色の椀は、100年ぐらい前のお椀で、木目が綺麗な上に軽い。 椀の次に「炊き合わせ」だ。ここでも出汁が美味しくて、最後は呑んじゃいました。 しょうゆで味付けして、オーブンで焼いた「白甘鯛の焼き物」。最後の化粧は、刻んだ山椒。脂ののったほくほくの身が美味しゅうございますな。切り身も大きいし、2kgというから大きい白甘だったんでしょう。皇室の御紋の菊を食用にするなんて「もってのほか」!というのが謂われとは初めて知りましたわ。思いがけない伊賀釉の四方鉢は「魯山人」だそうで・・・・・・。 L字型のカウンターの中と、さらに奥にも厨房がありますが、対外の仕事はカウンター越しに楽しめます。ひろうすの原料も練り物の状態から拝見できます。どっさりと鍋にほぉりこまれた刻みネギの香りに何回も餡の味見をしながら蒸しものがでてきます。 最後は酢の物。脂ののってきた鯖を締めて、表面を炙ったたたき。 ごはん代わりに、にゅうめんとか選べるそうですが、「白いごはん」でお願いした。「研ぐ」事が一番大事と力説する普通のガスで炊いた「ごはん」が美味しい。ちりめんは「かりかり」タイプ。南高梅の3倍はするという梅も自家製。 シャーベットはどちらにしますか、なんて野暮なことを言うので、両方!黄粉のシャーベットが何ともいえない舌触り。 料理自体は、オーソドックス、シンプルで無駄のない仕事でまっとうな御料理だ。自分のスタイルを崩さない自信と頑固さも料理の味。開店から10年間の献立がすべて記録して残っているそうで、月2回は献立を見直すそうだ。ご主人の神田芳松さんはむちゃより少し上で、調理師学校から20歳で「梅市」に入って、出されたり戻ったりでも10年ぐらいいて、35歳で実家の今の場所で開店、10年目だそうだ。女将さんと2名のスタッフで、スタッフは住み込みという、今時珍しいスタイル。雑誌の取材もあったそうだが「町の埋もれた名店」という特集に怒って断ったそうだ。6名の座敷から、最大35名まで宴会出来るそうだ。 女将さん共々食べることが好きで、作るより食べる方が絶対いいと、休みに食べにでる為に働いているというのが、面白くて納得できる。でも日本料理は仕事が入るので、好きなのは中国料理だそうで、わざわざ神戸までお出かけのご様子。おすすめは鯉川筋の「新愛園」だそうだ。でも中華風の創作料理は絶対しないそうだ。久左衛門の老舗フレンチ「グーテ」もお気に入りだそうですわ。 最後に焼酎の「山ほたる」と「しゅん(漢字忘れた)」を味見させてもらった。日本酒が少ないと言ったら、持ってきてもいいですよとは、嬉しいじゃござんせんかぁ。 |
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