鳥居茶屋・真々庵

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open/day11:30-
open/night-18:30
off
capacity
memo/impression 2002年8月9日
出町柳の駅は、鞍馬からの電車が着くたびに、それぞれの店の団扇を持ったグループが、はき出されてくる。叡山電鉄に乗って、貴船口まで27分。電車のパノラマ席を逃す。貴船口までお迎えに来て頂いて、向かうは「鳥居茶屋・真々庵」。本館は上流にありますが、川床料理専門の「真々庵」に車は横付け。お店に案内されて座敷で、冷たいお茶を頂きます。しばらくして、川床に案内されます。
およそ3つに区切られた床の上流側にテーブルが用意されていた。こちらは天井によしずがなく、店は日が暮れて暗くなったと思っても、楓の隙間から見る空は青々として、壺の底にいるよう。マイナスイオンたっぷり。この店で70人のキャパがあるそうだ。
  • 竹製の虫かごで覆いをした突き出しは、鱧と鱧の子の煮こごり、葛を鋳込んだ南京、銀杏、干しいなだ
  • 鱧の落とし、梅肉
  • お造りが、まぐろ、湯にくぐらせた鯛の松皮作り、ウニ、あしらい
  • 椀は、鱧、松茸、蓮根豆腐、蓮の実、三つ葉、白ネギの微塵
  • 鮎の塩焼き
  • 炊き合わせが角煮、胡椒の葉の炊いたんに田楽味噌
  • 重ね箱の八寸は、行灯風にロウソクの明かりがとぼる上の段には、トウモロコシ入りの卵豆腐、鴨ロース、数の子サーモン巻き、海老、諸子のもろみ漬け、長いもそうめんに松茸、下の段には、かに・内子の煮こごり、生姜
  • 箸休めには、半割メロンに白玉、バイ貝、なめこ
  • 松茸の甘鯛巻の蒸し物に、揚げくるみ添えにスダチ
  • 穴子そうめん、実山椒、半熟卵、椎茸
  • 胡麻醤油のヅケの鯛茶漬け、香の物
  • 青梅のシロップ漬け
だった。お酒は冷えたのは1種類。オリジナルのラベル「鳥居茶屋」と書かれたのは「キンシ正宗」の300mlだったが、酸味料入りの調味酒。しょうがないのでこれを呑みますが、もう少しちゃんとしたのを、おいて欲しいですなぁ。
南京は拳ぐらいの大きさのモノ。「いなだ」は「ぶり」のちっちゃいの。薄くスライスして出てきます。
この店は「川魚」を看板にしない店であるが、京都の夏に「鱧」ははずせない。小さな落としが竹筒に氷を敷き詰め出てくる。器もなかなか工夫がされている。
お造りに「こい」とかでないところが、よろしいなぁ。だいたい貴船の川に鯉がいるとは思えないのだ。マグロも鯛もよろしいですが、ウニは今3つくらいで残念。貴船の山の中とは言え、京都市内だから、町中の料理屋と変わらないわけで、川魚に拘る必要もないし、海の食材もきっちり出せなくてはねぇ。
銀塗りの椀には、鱧と松茸。むちむちの椀種は、蓮根饅頭ならぬ豆腐。
塩をクジャクの羽ではいて清流を描いた盆の上に、鮎の焼き物。崩して食べるのが楽しくなる。ドロンとした蓼酢で、頭からばりばり食う。聞けば、川岸で鮎を焼いているのは大旦那らしい。
炊き合わせは、びっくり豚の角煮。胡椒の葉の炊いた出汁が辛いが、豚さんはあっさり目。
重ね箱には、グラスと鯛の器、そして竹で編んだ子籠にロウソク。仲居さんが取るまで下にも器があるとは思いませんでした。お酒が美味しければ、もっと美味しくなるだろうに・・。
メロンが出てきたときには、いきなり水菓子で、もうお帰り?!なんて思いますが、箸休めだとは・・・。白玉は分かりますが、バイ貝がメロンに合うという舌は持ち合わせていません。不味くはないんですが・・・でも結構話題のようで、大旦那の発想だとか。メロン半分というのもびっくります。
まだまだ松茸の醍醐味が感じられない季節ですが、甘鯛に煮くるんで香りを閉じこめてあるのが、食べると口の中で広がりました。甘鯛の塩加減、スダチの酸味と重なって、美味しい。
ご飯の前に出てくるそうめんたっぷりは、塗りの片口に盛りつけられてます。煮穴子1匹分、実山椒が味を引き締めます。そうめんの薬味に、山椒を使ってもよろしいなぁ。貴船らシュウございます。
最後のご飯は茶漬け。いわゆるヅケに胡麻風味。たっぷりの刻み海苔が言い薫り。
最後は、青梅。皿の数も多いけど、量もたっぷり。さっぱりデザートが心地よいです。
山峡の貴船で数多くの料理屋が妍を競う中にあって、むちゃが選んだ理由は「行楽向けの宴会料理ではなく、貴船の土地の素材を意識しない、観光イメージの料理ではなく、京料理の本道からはずれず、食べて旨くてジャンルに拘らずに、バランスを崩さない」とモノの本に頼った分けだ。期待は裏切らなったと言えるが、お腹も十分になるとは意外だった。
帰りは貴船口まで送ってもらう。駅には、それぞれの店でもらう団扇がばたばた揺れる。他の店の団扇がイマイチに思えるのは、満足した気分がなせる心情かな。
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